JP2004179767A - 光adm - Google Patents
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Abstract
【課題】分波または合波する信号光を変更する際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる光ADMを提供する。
【解決手段】光ADM100は、光サーキュレータ110、光サーキュレータ120、光フィルタ131、光フィルタ132を備える。光サーキュレータ110は、ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する。光サーキュレータ120は、ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する。光フィルタ131は、ポートP12とポートP23との間の導波路上に設けられ、反射波長が可変である。光フィルタ132は、ポートP13とポートP22との間の導波路上に設けられ、反射波長が可変である。
【選択図】 図1
【解決手段】光ADM100は、光サーキュレータ110、光サーキュレータ120、光フィルタ131、光フィルタ132を備える。光サーキュレータ110は、ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する。光サーキュレータ120は、ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する。光フィルタ131は、ポートP12とポートP23との間の導波路上に設けられ、反射波長が可変である。光フィルタ132は、ポートP13とポートP22との間の導波路上に設けられ、反射波長が可変である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多波長の信号光を分波または合波することができる光ADMに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ADM(Add Drop Multiplexer)は、多波長の信号光を分波または合波することができる光デバイスであって、多波長の信号光を多重化して伝送する波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)光通信システムにおいて用いられる。このような光ADMとして、光サーキュレータおよび光フィルタを含むものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
図4は、従来の光ADMの構成図である。この図に示される光ADM900は、第1光サーキュレータ910、第2光サーキュレータ920および光フィルタ930を備えている。光ADM900の第1入力ポートPinに入力した多波長の信号光は、第1サーキュレータ910のポートP11に入力してポートP12より出力され、光フィルタ930へ入力する。
【0004】
第1サーキュレータ910より光フィルタ930へ入力した多波長の信号光のうち、或る特定波長の信号光は、光フィルタ930により反射され、第1サーキュレータ910のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2出力ポートPdropより出力される。
【0005】
一方、第1サーキュレータ910より光フィルタ930へ入力した多波長の信号光のうち、上記特定波長以外の波長の信号光は、光フィルタ930を透過し、第2サーキュレータ920のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0006】
また、光ADM900の第2入力ポートPaddに上記特定波長の信号光が入力すると、その特定波長の信号光は、第2サーキュレータ920のポートP21に入力してポートP22より出力され、光フィルタ930へ入力して、この光フィルタ930により反射され、第2サーキュレータ920のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0007】
このように、光ADM900は、第1入力ポートPinに入力した多波長の信号光を分波して、光フィルタ930が反射する特定波長の信号光を第2出力ポートPdropより出力することができる。また、光ADM900は、第1入力ポートPinに入力した多波長の信号光のうちの特定波長以外の波長の信号光と、第2入力ポートPaddに入力した特定波長の信号光とを合波して、その合波した多波長の信号光を第1出力ポートPoutより出力することができる。また、光フィルタ930における反射波長が可変であることにより、この光ADM900は、分波または合波する信号光(上記の特定波長の信号光)を変更することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−298413号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光ADM900において光フィルタ930における反射波長を或る波長λ1から他の或る波長λ3へ変更する場合、その波長λ1から波長λ3への反射波長の変化は連続的なものとなる。もし、波長λ1と波長λ3との間に他の信号光波長λ2が存在すれば(λ1<λ2<λ3)、その反射波長の変化の過程の或る瞬間において、波長λ2の信号光が光ADM900により分波または合波される。この波長λ2の信号光の分波または合波は、意図していないものであり、通信エラーとなる場合がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、分波または合波する信号光を変更する際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる光ADMを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ADMは、(1) ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する第1光サーキュレータと、(2) ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する第2光サーキュレータと、(3) ポートP12とポートP23との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第1光フィルタと、(4) ポートP13とポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第2光フィルタとを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長が互いに等しい場合、以下のように作用する。第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と等しい波長の信号光が第1入力ポートに入力すると、その信号光は、第1光サーキュレータのポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタにより反射され、第1光サーキュレータのポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタにより反射され、第1光サーキュレータのポートP13に入力してポートP14より出力され、第2出力ポートより出力される。第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と等しい波長の信号光が第2入力ポートに入力すると、その信号光は、第2光サーキュレータのポートP21に入力してポートP22より出力され、第2光フィルタにより反射され、第2光サーキュレータのポートP22に入力してポートP23より出力され、第1光フィルタにより反射され、第2光サーキュレータのポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートより出力される。また、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と異なる波長の信号光が第1入力ポートに入力すると、その信号光は、第1光サーキュレータのポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタを透過し、第2光サーキュレータのポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートより出力される。すなわち、光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と等しい波長の信号光について、分波または合波することができる。
【0013】
また、本発明に係る光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長が互いに異なる場合、以下のように作用する。第1入力ポートに入力した任意の波長の信号光は、第1光サーキュレータのポートP11に入力してポートP12またはポートP13より出力された後に、第1光フィルタまたは第2光フィルタを透過し、第2光サーキュレータのポートP23またはポートP22に入力してポートP24より出力されて、第1出力ポートより出力される。すなわち、光ADMは、スルー状態にあって、第1入力ポートに入力した任意の波長の信号光を第1出力ポートより出力することができる。
【0014】
また、本発明に係る光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長を順次に変更することにより、分波または合波する信号光を変更することができ、しかも、その際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる。
【0015】
本発明に係る光ADMでは、第1光サーキュレータは、2個の3端子光サーキュレータを含み、これら2個の3端子光サーキュレータそれぞれの1端子が互いに光学的に接続されたものであるのが好適である。また、第2光サーキュレータは、2個の3端子光サーキュレータを含み、これら2個の3端子光サーキュレータそれぞれの1端子が互いに光学的に接続されたものであるのが好適である。
【0016】
本発明に係る光ADMは、第2光フィルタの反射波長を特定波長に設定した後に、第1光フィルタの反射波長を特定波長に制御する制御手段を有するのが好適である。本発明に係る光ADMは、特定の波長を任意に設定できる波長選択手段を有するのが好適である。
【0017】
本発明に係る光ADMは、第1入力ポートまたは第2入力ポートに入力する光が所定波長帯域内の多波長信号光であるとき、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれが、特定波長に反射波長が設定されていないときには、所定波長帯域内の多波長信号光の波長間または所定波長帯域外に反射波長が設定されているのが好適である。
【0018】
本発明に係る光ADMは、第1光サーキュレータのポートP12と第2光サーキュレータのポートP23との間の導波路上に第1光フィルタと直列に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第3光フィルタを備えるのが好適である。さらに、第1光サーキュレータのポートP12より出力された光が、第1光フィルタにより反射され、第1光サーキュレータのポートP12およびポートP13を経て、第2光フィルタを透過し、第2光サーキュレータのポートP22およびポートP23を経て、第3光フィルタにより反射されて、第2光サーキュレータのポートP23へ至るまでの光路の光路長と、第1光サーキュレータのポートP12より出力された光が第1光フィルタおよび第3光フィルタを透過して第2光サーキュレータのポートP23へ至るまでの光路の光路長とが等しいのが好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る光ADMの第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る光ADM100の構成図である。この図に示される光ADM100は、第1入力ポートPin,第2入力ポートPadd,第1出力ポートPoutおよび第2出力ポートPdropを有し、第1光サーキュレータ110、第2光サーキュレータ120、第1光フィルタ131および第2光フィルタ132を備える。
【0021】
第1光サーキュレータ110は、ポートP11,ポートP12,ポートP13およびポートP14を有し、ポートP11が第1入力ポートPinに光学的に接続され、ポートP14が第2出力ポートPdropに光学的に接続され、2個の3端子光サーキュレータ111,112を含む。一方の3端子光サーキュレータ111は、3つのポートP111〜P113を有し、ポートP111がポートP11と接続され、ポートP112がポートP12と接続されており、ポートP111に入力した光をポートP112より出力し、ポートP112に入力した光をポートP113より出力する。他方の3端子光サーキュレータ112は、3つのポートP121〜P123を有し、ポートP121が3端子光サーキュレータ111のポートP113と接続され、ポートP122がポートP13と接続され、ポートP123がポートP14と接続されており、ポートP121に入力した光をポートP122より出力し、ポートP122に入力した光をポートP123より出力する。そして、このように構成される第1光サーキュレータ110は、ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する。
【0022】
第2光サーキュレータ120は、ポートP21,ポートP22,ポートP23およびポートP24を有し、ポートP21が第2入力ポートPaddに光学的に接続され、ポートP24が第1出力ポートPoutに光学的に接続され、2個の3端子光サーキュレータ121,122を含む。一方の3端子光サーキュレータ121は、3つのポートP211〜P213を有し、ポートP211がポートP21と接続され、ポートP212がポートP22と接続されており、ポートP211に入力した光をポートP212より出力し、ポートP212に入力した光をポートP213より出力する。他方の3端子光サーキュレータ122は、3つのポートP221〜P223を有し、ポートP221が3端子光サーキュレータ121のポートP213と接続され、ポートP222がポートP23と接続され、ポートP223がポートP24と接続されており、ポートP221に入力した光をポートP222より出力し、ポートP222に入力した光をポートP223より出力する。そして、このように構成される第2光サーキュレータ120は、ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する。
【0023】
第1光フィルタ131は、第1光サーキュレータ110のポートP12と第2光サーキュレータ120のポートP23との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。この第1光フィルタ131は、第1光サーキュレータ110のポートP12と第2光サーキュレータ120のポートP23との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第1光フィルタ131は、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。
【0024】
第2光フィルタ132は、第1光サーキュレータ110のポートP13と第2光サーキュレータ120のポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。この第2光フィルタ132は、第1光サーキュレータ110のポートP13と第2光サーキュレータ120のポートP22との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第2光フィルタ132は、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。
【0025】
図2は、ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量と印加張力との関係を示すグラフである。この図に示されるように、ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量は、印加張力に対して比例関係にある。印加張力が5kgであれば、ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量は60nmを超える。したがって、このようなブラッグ型光ファイバグレーティングを第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれとして用いることにより、分波または合波する信号光の波長を広範囲で変更することができる光ADM100を実現することができる。
【0026】
一般にブラッグ型光ファイバグレーティングは以下のようにして製造される。先ず、コア領域にGeO2が添加された感光性を有する石英系の光ファイバが用意され、その光ファイバの長手方向に沿った一定範囲に亘って被覆が除去される。そして、空間的に強度変調された紫外光が被覆除去部のガラスファイバに照射されて、これにより、長手方向に沿って屈折率が変調された回折格子が形成され、その後、被覆除去部が再被覆される。しかし、この製造方法により製造されたブラッグ型光ファイバグレーティングは、印加張力1.5kg程度で断線する。その理由は、被覆除去の際または紫外光照射の際に、ガラスファイバの表面に微小な傷が付くことに因ると考えられる。
【0027】
そこで、紫外光透過型の樹脂で被覆された光ファイバを用いて、その樹脂を除去すること無く、樹脂を介してガラスファイバに紫外線を照射して回折格子を形成するのが好適である。この製造方法により製造されたブラッグ型光ファイバは、印加張力5kgまで断線することはなく、したがって、60nmを超える反射波長シフトが可能である。このような60nmを超える反射波長シフトが可能なブラッグ型光ファイバグレーティングを第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれとして用いることにより、光ADM100は、Cバンド(1530nm〜1565nm)またはLバンド(1565nm〜1625nm)の多波長信号光を分波または合波する上で好適である。
【0028】
また、本実施形態に係る光ADM100は制御手段(図示せず)を備えている。この制御手段は、第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれの反射波長を制御するものである。以下に説明する光ADM100の動作は、制御手段による制御に基づいて行なわれるものである。また、以下では、光ADM100が分波または合波すべき信号光の波長は、所定波長帯域内に含まれるN波長λ1〜λNであるとする(Nは2以上の整数)。
【0029】
第1光フィルタ131の反射波長がN波長λ1〜λNの何れにも設定されていない場合、すなわち、所定波長帯域内のN波長λ1〜λNの波長間または所定波長帯域外に第1光フィルタ131の反射波長が設定されている場合には、本実施形態に係る光ADM100は以下のように動作する。第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、これらN波長λ1〜λNの信号光は、第1光サーキュレータ110のポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタ131を透過し、第2光サーキュレータ120のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この光ADM100は、第1入力ポートPinに入力したN波長λ1〜λNの信号光の全てを第1出力ポートPoutより出力するスルー状態にある。
【0030】
このスルー状態から、N波長λ1〜λNのうちの特定波長λM(Mは1以上N以下の整数)の信号光を分波または合波する状態に変更するに際しては、第2光フィルタ132の反射波長が特定波長λMに設定された後に、第1光フィルタ131の反射波長が特定波長λMに設定される。
【0031】
第1光フィルタ131の反射波長が特定波長λMに設定される移行過程において、本実施形態に係る光ADM100は以下のように動作する。上記移行過程において、第1光フィルタ131の反射波長がN波長λ1〜λNのうちの他の波長λn(nは1以上N以下の整数。n≠M)に設定される瞬間がある。第1光フィルタ131の反射波長が波長λnに設定されるときに、第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λn以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。
【0032】
一方、第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λnの信号光は、第1光フィルタ131により反射され、第1光サーキュレータ110のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ132に入力する。第2光フィルタ132に入力した波長λnの信号光は、第2光フィルタ132の反射波長λMと異なる波長であるから、第2光フィルタ132を透過し、第2光サーキュレータ120のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1光フィルタ131に入力する。第1光フィルタ131に入力した波長λnの信号光は、第1光フィルタ131により反射され、第2光サーキュレータ120のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。結局、波長λnの信号光も、第2光フィルタ132を経由して、他の波長の信号光とともに第1出力ポートPoutより出力される。
【0033】
そして、上記移行過程が完了して第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、本実施形態に係る光ADM100は以下のように動作する。第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λM以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。一方、第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λMの信号光は、第1光フィルタ131により反射され、第1光サーキュレータ110のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ132により反射され、第1光サーキュレータ110のポートP13に入力してポートP14より出力され、第2出力ポートPdropより出力される。
【0034】
また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第2光サーキュレータ120のポートP21に入力してポートP22より出力され、第2光フィルタ132により反射され、第2光サーキュレータ120のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1光フィルタ131により反射され、第2光サーキュレータ120のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0035】
このように、第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、そのうちの波長λM以外の波長の信号光は第1出力ポートPoutより出力され、波長λMの信号光は第2出力ポートPdropより出力される。また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第1入力ポートPinに入力した信号光(波長λMの信号光を除く)とともに、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この状態では、光ADM100は、特定波長λMの信号光と他の波長の信号光とを分波または合波することができる。
【0036】
なお、特定波長λMの信号光について合分波する状態からスルー状態へ変更するに際しても同様であり、また、特定波長λMの信号光について合分波する状態から、他の特定波長λL(Lは1以上N以下の何れかの整数。L≠M)の信号光について合分波する状態へ変更するに際しても、同様である。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光ADMの第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る光ADM200の構成図である。この図に示される光ADM200は、第1入力ポートPin,第2入力ポートPadd,第1出力ポートPoutおよび第2出力ポートPdropを有し、第1光サーキュレータ210、第2光サーキュレータ220、第1光フィルタ231、第2光フィルタ232および第3光フィルタ233を備える。
【0038】
第1光サーキュレータ210は、ポートP11,ポートP12,ポートP13およびポートP14を有し、ポートP11が第1入力ポートPinに光学的に接続され、ポートP14が第2出力ポートPdropに光学的に接続されている。また、この第1光サーキュレータ210は、2個の3端子光サーキュレータ211,212を含み、第1実施形態における第1光サーキュレータ110と同様の構成とされている。そして、このように構成される第1光サーキュレータ210は、ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する。
【0039】
第2光サーキュレータ220は、ポートP21,ポートP22,ポートP23およびポートP24を有し、ポートP21が第2入力ポートPaddに光学的に接続され、ポートP24が第1出力ポートPoutに光学的に接続されている。また、この第2光サーキュレータ220は、2個の3端子光サーキュレータ221,222を含み、第1実施形態における第2光サーキュレータ120と同様の構成とされている。そして、このように構成される第2光サーキュレータ220は、ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する。
【0040】
第1光フィルタ231および第3光フィルタ233は、第1光サーキュレータ210のポートP12と第2光サーキュレータ220のポートP23との間の導波路上に直列に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。これら第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれは、第1光サーキュレータ210のポートP12と第2光サーキュレータ220のポートP23との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれは、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。なお、光ADM200の合分波動作時には、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長は互いに等しく設定される。
【0041】
第2光フィルタ232は、第1光サーキュレータ210のポートP13と第2光サーキュレータ220のポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。この第2光フィルタ232は、第1光サーキュレータ210のポートP13と第2光サーキュレータ220のポートP22との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第2光フィルタ232は、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。
【0042】
また、本実施形態に係る光ADM200は制御手段(図示せず)を備えている。この制御手段は、第1光フィルタ231、第2光フィルタ232および第3光フィルタ233それぞれの反射波長を制御するものである。以下に説明する光ADM200の動作は、制御手段による制御に基づいて行なわれるものである。また、以下では、光ADM200が分波または合波すべき信号光の波長は、所定波長帯域内に含まれるN波長λ1〜λNであるとする(Nは2以上の整数)。
【0043】
第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長がN波長λ1〜λNの何れにも設定されていない場合、すなわち、所定波長帯域内のN波長λ1〜λNの波長間または所定波長帯域外に第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が設定されている場合には、本実施形態に係る光ADM200は以下のように動作する。第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、これらN波長λ1〜λNの信号光は、第1光サーキュレータ120のポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233を透過し、第2光サーキュレータ220のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この光ADM200は、第1入力ポートPinに入力したN波長λ1〜λNの信号光の全てを第1出力ポートPoutより出力するスルー状態にある。
【0044】
このスルー状態から、N波長λ1〜λNのうちの特定波長λM(Mは1以上N以下の整数)の信号光を分波または合波する状態に変更するに際しては、第2光フィルタ232の反射波長が特定波長λMに設定された後に、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定される。
【0045】
第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定される移行過程において、本実施形態に係る光ADM200は以下のように動作する。上記移行過程において、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長がN波長λ1〜λNのうちの他の波長λn(nは1以上N以下の整数。n≠M)に設定される瞬間がある。第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnに設定されるときに、第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λn以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。
【0046】
一方、第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λnの信号光は、第1光フィルタ231により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ232に入力する。第2光フィルタ232に入力した波長λnの信号光は、第2光フィルタ232の反射波長λMと異なる波長であるから、第2光フィルタ232を透過し、第2光サーキュレータ220のポートP22に入力してポートP23より出力され、第3光フィルタ233に入力する。第3光フィルタ233に入力した波長λnの信号光は、第3光フィルタ233により反射され、第2光サーキュレータ220のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。結局、波長λnの信号光も、第2光フィルタ232を経由して、他の波長の信号光とともに第1出力ポートPoutより出力される。
【0047】
そして、上記移行過程が完了して第1光フィルタ231、第2光フィルタ232および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、本実施形態に係る光ADM200は以下のように動作する。第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λM以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。一方、第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λMの信号光は、第1光フィルタ231により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ232により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP13に入力してポートP14より出力され、第2出力ポートPdropより出力される。
【0048】
また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第2光サーキュレータ220のポートP21に入力してポートP22より出力され、第2光フィルタ232により反射され、第2光サーキュレータ220のポートP22に入力してポートP23より出力され、第3光フィルタ233により反射され、第2光サーキュレータ220のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0049】
このように、第1光フィルタ231,第2光フィルタ232および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、そのうちの波長λM以外の波長の信号光は第1出力ポートPoutより出力され、波長λMの信号光は第2出力ポートPdropより出力される。また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第1入力ポートPinに入力した信号光(波長λMの信号光を除く)とともに、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この状態では、光ADM200は、特定波長λMの信号光と他の波長の信号光とを分波または合波することができる。
【0050】
なお、特定波長λMの信号光について合分波する状態からスルー状態へ変更するに際しても同様であり、また、特定波長λMの信号光について合分波する状態から、他の特定波長λL(Lは1以上N以下の何れかの整数。L≠M)の信号光について合分波する状態へ変更するに際しても、同様である。
【0051】
ところで、上記移行過程においては、第1入力ポートPinに入力して第1出力ポートPoutより出力される波長λnの信号光は、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnと一致しているときと、そうで無いときとでは、互いに異なる光路を経る。すなわち、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnと一致しているときには、第1光サーキュレータ210のポートP12より出力された波長λnの信号光は、第1光フィルタ231により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP12およびポートP13を経て、第2光フィルタ232を透過し、第2光サーキュレータ220のポートP22およびポートP23を経て、第3光フィルタ233により反射されて、第2光サーキュレータ220のポートP23へ至る(以下、この光路を「第1光路」と言う。)。一方、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnと異なるときには、第1光サーキュレータ210のポートP12より出力された波長λnの信号光は、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233を透過して、第2光サーキュレータ220のポートP23へ至る(以下、この光路を「第2光路」と言う。)。
【0052】
もし、第1光路および第2光路それぞれの光路長が互いに異なっていれば、上記移行過程において、第1入力ポートPinに入力して第1出力ポートPoutより出力される波長λnの信号光は、途中に経る光路が第1光路および第2光路の何れであるかに依って遅延時間が異なり、通信エラーが生じる場合がある。そこで、第1光路および第2光路それぞれの光路長が互いに等しいのが好適である。このようにすることにより、第1入力ポートPinに入力して第1出力ポートPoutより出力される波長λnの信号光は、途中に経る光路が第1光路および第2光路の何れであるかに依らず遅延時間が一定であり、遅延時間の相違に因る通信エラーが生じない。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長を順次に変更することにより、分波または合波する信号光を変更することができ、その際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光ADM100の構成図である。
【図2】ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量と印加張力との関係を示すグラフである。
【図3】第2実施形態に係る光ADM200の構成図である。
【図4】従来の光ADMの構成図である。
【符号の説明】
100…光ADM、110…第1光サーキュレータ、111,112…3端子光サーキュレータ、120…第2光サーキュレータ、121,122…3端子光サーキュレータ、131…第1光フィルタ、132…第2光フィルタ、200…光ADM、210…第1光サーキュレータ、211,212…3端子光サーキュレータ、220…第2光サーキュレータ、221,222…3端子光サーキュレータ、231…第1光フィルタ、232…第2光フィルタ、233…第2光フィルタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、多波長の信号光を分波または合波することができる光ADMに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ADM(Add Drop Multiplexer)は、多波長の信号光を分波または合波することができる光デバイスであって、多波長の信号光を多重化して伝送する波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)光通信システムにおいて用いられる。このような光ADMとして、光サーキュレータおよび光フィルタを含むものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
図4は、従来の光ADMの構成図である。この図に示される光ADM900は、第1光サーキュレータ910、第2光サーキュレータ920および光フィルタ930を備えている。光ADM900の第1入力ポートPinに入力した多波長の信号光は、第1サーキュレータ910のポートP11に入力してポートP12より出力され、光フィルタ930へ入力する。
【0004】
第1サーキュレータ910より光フィルタ930へ入力した多波長の信号光のうち、或る特定波長の信号光は、光フィルタ930により反射され、第1サーキュレータ910のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2出力ポートPdropより出力される。
【0005】
一方、第1サーキュレータ910より光フィルタ930へ入力した多波長の信号光のうち、上記特定波長以外の波長の信号光は、光フィルタ930を透過し、第2サーキュレータ920のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0006】
また、光ADM900の第2入力ポートPaddに上記特定波長の信号光が入力すると、その特定波長の信号光は、第2サーキュレータ920のポートP21に入力してポートP22より出力され、光フィルタ930へ入力して、この光フィルタ930により反射され、第2サーキュレータ920のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0007】
このように、光ADM900は、第1入力ポートPinに入力した多波長の信号光を分波して、光フィルタ930が反射する特定波長の信号光を第2出力ポートPdropより出力することができる。また、光ADM900は、第1入力ポートPinに入力した多波長の信号光のうちの特定波長以外の波長の信号光と、第2入力ポートPaddに入力した特定波長の信号光とを合波して、その合波した多波長の信号光を第1出力ポートPoutより出力することができる。また、光フィルタ930における反射波長が可変であることにより、この光ADM900は、分波または合波する信号光(上記の特定波長の信号光)を変更することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−298413号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光ADM900において光フィルタ930における反射波長を或る波長λ1から他の或る波長λ3へ変更する場合、その波長λ1から波長λ3への反射波長の変化は連続的なものとなる。もし、波長λ1と波長λ3との間に他の信号光波長λ2が存在すれば(λ1<λ2<λ3)、その反射波長の変化の過程の或る瞬間において、波長λ2の信号光が光ADM900により分波または合波される。この波長λ2の信号光の分波または合波は、意図していないものであり、通信エラーとなる場合がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、分波または合波する信号光を変更する際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる光ADMを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ADMは、(1) ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する第1光サーキュレータと、(2) ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する第2光サーキュレータと、(3) ポートP12とポートP23との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第1光フィルタと、(4) ポートP13とポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第2光フィルタとを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長が互いに等しい場合、以下のように作用する。第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と等しい波長の信号光が第1入力ポートに入力すると、その信号光は、第1光サーキュレータのポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタにより反射され、第1光サーキュレータのポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタにより反射され、第1光サーキュレータのポートP13に入力してポートP14より出力され、第2出力ポートより出力される。第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と等しい波長の信号光が第2入力ポートに入力すると、その信号光は、第2光サーキュレータのポートP21に入力してポートP22より出力され、第2光フィルタにより反射され、第2光サーキュレータのポートP22に入力してポートP23より出力され、第1光フィルタにより反射され、第2光サーキュレータのポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートより出力される。また、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と異なる波長の信号光が第1入力ポートに入力すると、その信号光は、第1光サーキュレータのポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタを透過し、第2光サーキュレータのポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートより出力される。すなわち、光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長と等しい波長の信号光について、分波または合波することができる。
【0013】
また、本発明に係る光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長が互いに異なる場合、以下のように作用する。第1入力ポートに入力した任意の波長の信号光は、第1光サーキュレータのポートP11に入力してポートP12またはポートP13より出力された後に、第1光フィルタまたは第2光フィルタを透過し、第2光サーキュレータのポートP23またはポートP22に入力してポートP24より出力されて、第1出力ポートより出力される。すなわち、光ADMは、スルー状態にあって、第1入力ポートに入力した任意の波長の信号光を第1出力ポートより出力することができる。
【0014】
また、本発明に係る光ADMは、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長を順次に変更することにより、分波または合波する信号光を変更することができ、しかも、その際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる。
【0015】
本発明に係る光ADMでは、第1光サーキュレータは、2個の3端子光サーキュレータを含み、これら2個の3端子光サーキュレータそれぞれの1端子が互いに光学的に接続されたものであるのが好適である。また、第2光サーキュレータは、2個の3端子光サーキュレータを含み、これら2個の3端子光サーキュレータそれぞれの1端子が互いに光学的に接続されたものであるのが好適である。
【0016】
本発明に係る光ADMは、第2光フィルタの反射波長を特定波長に設定した後に、第1光フィルタの反射波長を特定波長に制御する制御手段を有するのが好適である。本発明に係る光ADMは、特定の波長を任意に設定できる波長選択手段を有するのが好適である。
【0017】
本発明に係る光ADMは、第1入力ポートまたは第2入力ポートに入力する光が所定波長帯域内の多波長信号光であるとき、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれが、特定波長に反射波長が設定されていないときには、所定波長帯域内の多波長信号光の波長間または所定波長帯域外に反射波長が設定されているのが好適である。
【0018】
本発明に係る光ADMは、第1光サーキュレータのポートP12と第2光サーキュレータのポートP23との間の導波路上に第1光フィルタと直列に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第3光フィルタを備えるのが好適である。さらに、第1光サーキュレータのポートP12より出力された光が、第1光フィルタにより反射され、第1光サーキュレータのポートP12およびポートP13を経て、第2光フィルタを透過し、第2光サーキュレータのポートP22およびポートP23を経て、第3光フィルタにより反射されて、第2光サーキュレータのポートP23へ至るまでの光路の光路長と、第1光サーキュレータのポートP12より出力された光が第1光フィルタおよび第3光フィルタを透過して第2光サーキュレータのポートP23へ至るまでの光路の光路長とが等しいのが好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る光ADMの第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る光ADM100の構成図である。この図に示される光ADM100は、第1入力ポートPin,第2入力ポートPadd,第1出力ポートPoutおよび第2出力ポートPdropを有し、第1光サーキュレータ110、第2光サーキュレータ120、第1光フィルタ131および第2光フィルタ132を備える。
【0021】
第1光サーキュレータ110は、ポートP11,ポートP12,ポートP13およびポートP14を有し、ポートP11が第1入力ポートPinに光学的に接続され、ポートP14が第2出力ポートPdropに光学的に接続され、2個の3端子光サーキュレータ111,112を含む。一方の3端子光サーキュレータ111は、3つのポートP111〜P113を有し、ポートP111がポートP11と接続され、ポートP112がポートP12と接続されており、ポートP111に入力した光をポートP112より出力し、ポートP112に入力した光をポートP113より出力する。他方の3端子光サーキュレータ112は、3つのポートP121〜P123を有し、ポートP121が3端子光サーキュレータ111のポートP113と接続され、ポートP122がポートP13と接続され、ポートP123がポートP14と接続されており、ポートP121に入力した光をポートP122より出力し、ポートP122に入力した光をポートP123より出力する。そして、このように構成される第1光サーキュレータ110は、ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する。
【0022】
第2光サーキュレータ120は、ポートP21,ポートP22,ポートP23およびポートP24を有し、ポートP21が第2入力ポートPaddに光学的に接続され、ポートP24が第1出力ポートPoutに光学的に接続され、2個の3端子光サーキュレータ121,122を含む。一方の3端子光サーキュレータ121は、3つのポートP211〜P213を有し、ポートP211がポートP21と接続され、ポートP212がポートP22と接続されており、ポートP211に入力した光をポートP212より出力し、ポートP212に入力した光をポートP213より出力する。他方の3端子光サーキュレータ122は、3つのポートP221〜P223を有し、ポートP221が3端子光サーキュレータ121のポートP213と接続され、ポートP222がポートP23と接続され、ポートP223がポートP24と接続されており、ポートP221に入力した光をポートP222より出力し、ポートP222に入力した光をポートP223より出力する。そして、このように構成される第2光サーキュレータ120は、ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する。
【0023】
第1光フィルタ131は、第1光サーキュレータ110のポートP12と第2光サーキュレータ120のポートP23との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。この第1光フィルタ131は、第1光サーキュレータ110のポートP12と第2光サーキュレータ120のポートP23との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第1光フィルタ131は、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。
【0024】
第2光フィルタ132は、第1光サーキュレータ110のポートP13と第2光サーキュレータ120のポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。この第2光フィルタ132は、第1光サーキュレータ110のポートP13と第2光サーキュレータ120のポートP22との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第2光フィルタ132は、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。
【0025】
図2は、ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量と印加張力との関係を示すグラフである。この図に示されるように、ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量は、印加張力に対して比例関係にある。印加張力が5kgであれば、ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量は60nmを超える。したがって、このようなブラッグ型光ファイバグレーティングを第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれとして用いることにより、分波または合波する信号光の波長を広範囲で変更することができる光ADM100を実現することができる。
【0026】
一般にブラッグ型光ファイバグレーティングは以下のようにして製造される。先ず、コア領域にGeO2が添加された感光性を有する石英系の光ファイバが用意され、その光ファイバの長手方向に沿った一定範囲に亘って被覆が除去される。そして、空間的に強度変調された紫外光が被覆除去部のガラスファイバに照射されて、これにより、長手方向に沿って屈折率が変調された回折格子が形成され、その後、被覆除去部が再被覆される。しかし、この製造方法により製造されたブラッグ型光ファイバグレーティングは、印加張力1.5kg程度で断線する。その理由は、被覆除去の際または紫外光照射の際に、ガラスファイバの表面に微小な傷が付くことに因ると考えられる。
【0027】
そこで、紫外光透過型の樹脂で被覆された光ファイバを用いて、その樹脂を除去すること無く、樹脂を介してガラスファイバに紫外線を照射して回折格子を形成するのが好適である。この製造方法により製造されたブラッグ型光ファイバは、印加張力5kgまで断線することはなく、したがって、60nmを超える反射波長シフトが可能である。このような60nmを超える反射波長シフトが可能なブラッグ型光ファイバグレーティングを第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれとして用いることにより、光ADM100は、Cバンド(1530nm〜1565nm)またはLバンド(1565nm〜1625nm)の多波長信号光を分波または合波する上で好適である。
【0028】
また、本実施形態に係る光ADM100は制御手段(図示せず)を備えている。この制御手段は、第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれの反射波長を制御するものである。以下に説明する光ADM100の動作は、制御手段による制御に基づいて行なわれるものである。また、以下では、光ADM100が分波または合波すべき信号光の波長は、所定波長帯域内に含まれるN波長λ1〜λNであるとする(Nは2以上の整数)。
【0029】
第1光フィルタ131の反射波長がN波長λ1〜λNの何れにも設定されていない場合、すなわち、所定波長帯域内のN波長λ1〜λNの波長間または所定波長帯域外に第1光フィルタ131の反射波長が設定されている場合には、本実施形態に係る光ADM100は以下のように動作する。第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、これらN波長λ1〜λNの信号光は、第1光サーキュレータ110のポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタ131を透過し、第2光サーキュレータ120のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この光ADM100は、第1入力ポートPinに入力したN波長λ1〜λNの信号光の全てを第1出力ポートPoutより出力するスルー状態にある。
【0030】
このスルー状態から、N波長λ1〜λNのうちの特定波長λM(Mは1以上N以下の整数)の信号光を分波または合波する状態に変更するに際しては、第2光フィルタ132の反射波長が特定波長λMに設定された後に、第1光フィルタ131の反射波長が特定波長λMに設定される。
【0031】
第1光フィルタ131の反射波長が特定波長λMに設定される移行過程において、本実施形態に係る光ADM100は以下のように動作する。上記移行過程において、第1光フィルタ131の反射波長がN波長λ1〜λNのうちの他の波長λn(nは1以上N以下の整数。n≠M)に設定される瞬間がある。第1光フィルタ131の反射波長が波長λnに設定されるときに、第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λn以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。
【0032】
一方、第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λnの信号光は、第1光フィルタ131により反射され、第1光サーキュレータ110のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ132に入力する。第2光フィルタ132に入力した波長λnの信号光は、第2光フィルタ132の反射波長λMと異なる波長であるから、第2光フィルタ132を透過し、第2光サーキュレータ120のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1光フィルタ131に入力する。第1光フィルタ131に入力した波長λnの信号光は、第1光フィルタ131により反射され、第2光サーキュレータ120のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。結局、波長λnの信号光も、第2光フィルタ132を経由して、他の波長の信号光とともに第1出力ポートPoutより出力される。
【0033】
そして、上記移行過程が完了して第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、本実施形態に係る光ADM100は以下のように動作する。第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λM以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。一方、第1光サーキュレータ110から第1光フィルタ131に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λMの信号光は、第1光フィルタ131により反射され、第1光サーキュレータ110のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ132により反射され、第1光サーキュレータ110のポートP13に入力してポートP14より出力され、第2出力ポートPdropより出力される。
【0034】
また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第2光サーキュレータ120のポートP21に入力してポートP22より出力され、第2光フィルタ132により反射され、第2光サーキュレータ120のポートP22に入力してポートP23より出力され、第1光フィルタ131により反射され、第2光サーキュレータ120のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0035】
このように、第1光フィルタ131および第2光フィルタ132それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、そのうちの波長λM以外の波長の信号光は第1出力ポートPoutより出力され、波長λMの信号光は第2出力ポートPdropより出力される。また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第1入力ポートPinに入力した信号光(波長λMの信号光を除く)とともに、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この状態では、光ADM100は、特定波長λMの信号光と他の波長の信号光とを分波または合波することができる。
【0036】
なお、特定波長λMの信号光について合分波する状態からスルー状態へ変更するに際しても同様であり、また、特定波長λMの信号光について合分波する状態から、他の特定波長λL(Lは1以上N以下の何れかの整数。L≠M)の信号光について合分波する状態へ変更するに際しても、同様である。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光ADMの第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る光ADM200の構成図である。この図に示される光ADM200は、第1入力ポートPin,第2入力ポートPadd,第1出力ポートPoutおよび第2出力ポートPdropを有し、第1光サーキュレータ210、第2光サーキュレータ220、第1光フィルタ231、第2光フィルタ232および第3光フィルタ233を備える。
【0038】
第1光サーキュレータ210は、ポートP11,ポートP12,ポートP13およびポートP14を有し、ポートP11が第1入力ポートPinに光学的に接続され、ポートP14が第2出力ポートPdropに光学的に接続されている。また、この第1光サーキュレータ210は、2個の3端子光サーキュレータ211,212を含み、第1実施形態における第1光サーキュレータ110と同様の構成とされている。そして、このように構成される第1光サーキュレータ210は、ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、ポートP13に入力した光をポートP14より出力する。
【0039】
第2光サーキュレータ220は、ポートP21,ポートP22,ポートP23およびポートP24を有し、ポートP21が第2入力ポートPaddに光学的に接続され、ポートP24が第1出力ポートPoutに光学的に接続されている。また、この第2光サーキュレータ220は、2個の3端子光サーキュレータ221,222を含み、第1実施形態における第2光サーキュレータ120と同様の構成とされている。そして、このように構成される第2光サーキュレータ220は、ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、ポートP23に入力した光をポートP24より出力する。
【0040】
第1光フィルタ231および第3光フィルタ233は、第1光サーキュレータ210のポートP12と第2光サーキュレータ220のポートP23との間の導波路上に直列に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。これら第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれは、第1光サーキュレータ210のポートP12と第2光サーキュレータ220のポートP23との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれは、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。なお、光ADM200の合分波動作時には、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長は互いに等しく設定される。
【0041】
第2光フィルタ232は、第1光サーキュレータ210のポートP13と第2光サーキュレータ220のポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である。この第2光フィルタ232は、第1光サーキュレータ210のポートP13と第2光サーキュレータ220のポートP22との間に設けられた光ファイバにおいて長手方向に沿って形成された屈折率変調による回折格子(すなわち、ブラッグ型光ファイバグレーティング)であるのが好適である。この場合、ブラッグ型光ファイバグレーティングである第2光フィルタ232は、印加張力または温度の調整により、反射波長の調整が可能である。
【0042】
また、本実施形態に係る光ADM200は制御手段(図示せず)を備えている。この制御手段は、第1光フィルタ231、第2光フィルタ232および第3光フィルタ233それぞれの反射波長を制御するものである。以下に説明する光ADM200の動作は、制御手段による制御に基づいて行なわれるものである。また、以下では、光ADM200が分波または合波すべき信号光の波長は、所定波長帯域内に含まれるN波長λ1〜λNであるとする(Nは2以上の整数)。
【0043】
第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長がN波長λ1〜λNの何れにも設定されていない場合、すなわち、所定波長帯域内のN波長λ1〜λNの波長間または所定波長帯域外に第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が設定されている場合には、本実施形態に係る光ADM200は以下のように動作する。第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、これらN波長λ1〜λNの信号光は、第1光サーキュレータ120のポートP11に入力してポートP12より出力され、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233を透過し、第2光サーキュレータ220のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この光ADM200は、第1入力ポートPinに入力したN波長λ1〜λNの信号光の全てを第1出力ポートPoutより出力するスルー状態にある。
【0044】
このスルー状態から、N波長λ1〜λNのうちの特定波長λM(Mは1以上N以下の整数)の信号光を分波または合波する状態に変更するに際しては、第2光フィルタ232の反射波長が特定波長λMに設定された後に、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定される。
【0045】
第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定される移行過程において、本実施形態に係る光ADM200は以下のように動作する。上記移行過程において、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長がN波長λ1〜λNのうちの他の波長λn(nは1以上N以下の整数。n≠M)に設定される瞬間がある。第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnに設定されるときに、第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λn以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。
【0046】
一方、第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λnの信号光は、第1光フィルタ231により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ232に入力する。第2光フィルタ232に入力した波長λnの信号光は、第2光フィルタ232の反射波長λMと異なる波長であるから、第2光フィルタ232を透過し、第2光サーキュレータ220のポートP22に入力してポートP23より出力され、第3光フィルタ233に入力する。第3光フィルタ233に入力した波長λnの信号光は、第3光フィルタ233により反射され、第2光サーキュレータ220のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。結局、波長λnの信号光も、第2光フィルタ232を経由して、他の波長の信号光とともに第1出力ポートPoutより出力される。
【0047】
そして、上記移行過程が完了して第1光フィルタ231、第2光フィルタ232および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、本実施形態に係る光ADM200は以下のように動作する。第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λM以外の波長の信号光は、上記スルー状態と同じく、第1出力ポートPoutより出力される。一方、第1光サーキュレータ210から第1光フィルタ231に入力したN波長λ1〜λNのうち、波長λMの信号光は、第1光フィルタ231により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP12に入力してポートP13より出力され、第2光フィルタ232により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP13に入力してポートP14より出力され、第2出力ポートPdropより出力される。
【0048】
また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第2光サーキュレータ220のポートP21に入力してポートP22より出力され、第2光フィルタ232により反射され、第2光サーキュレータ220のポートP22に入力してポートP23より出力され、第3光フィルタ233により反射され、第2光サーキュレータ220のポートP23に入力してポートP24より出力され、第1出力ポートPoutより出力される。
【0049】
このように、第1光フィルタ231,第2光フィルタ232および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が特定波長λMに設定されている状態では、第1入力ポートPinにN波長λ1〜λNの信号光が入力すると、そのうちの波長λM以外の波長の信号光は第1出力ポートPoutより出力され、波長λMの信号光は第2出力ポートPdropより出力される。また、第2入力ポートPaddに波長λMの信号光が入力すると、その波長λMの信号光は、第1入力ポートPinに入力した信号光(波長λMの信号光を除く)とともに、第1出力ポートPoutより出力される。すなわち、この状態では、光ADM200は、特定波長λMの信号光と他の波長の信号光とを分波または合波することができる。
【0050】
なお、特定波長λMの信号光について合分波する状態からスルー状態へ変更するに際しても同様であり、また、特定波長λMの信号光について合分波する状態から、他の特定波長λL(Lは1以上N以下の何れかの整数。L≠M)の信号光について合分波する状態へ変更するに際しても、同様である。
【0051】
ところで、上記移行過程においては、第1入力ポートPinに入力して第1出力ポートPoutより出力される波長λnの信号光は、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnと一致しているときと、そうで無いときとでは、互いに異なる光路を経る。すなわち、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnと一致しているときには、第1光サーキュレータ210のポートP12より出力された波長λnの信号光は、第1光フィルタ231により反射され、第1光サーキュレータ210のポートP12およびポートP13を経て、第2光フィルタ232を透過し、第2光サーキュレータ220のポートP22およびポートP23を経て、第3光フィルタ233により反射されて、第2光サーキュレータ220のポートP23へ至る(以下、この光路を「第1光路」と言う。)。一方、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233それぞれの反射波長が波長λnと異なるときには、第1光サーキュレータ210のポートP12より出力された波長λnの信号光は、第1光フィルタ231および第3光フィルタ233を透過して、第2光サーキュレータ220のポートP23へ至る(以下、この光路を「第2光路」と言う。)。
【0052】
もし、第1光路および第2光路それぞれの光路長が互いに異なっていれば、上記移行過程において、第1入力ポートPinに入力して第1出力ポートPoutより出力される波長λnの信号光は、途中に経る光路が第1光路および第2光路の何れであるかに依って遅延時間が異なり、通信エラーが生じる場合がある。そこで、第1光路および第2光路それぞれの光路長が互いに等しいのが好適である。このようにすることにより、第1入力ポートPinに入力して第1出力ポートPoutより出力される波長λnの信号光は、途中に経る光路が第1光路および第2光路の何れであるかに依らず遅延時間が一定であり、遅延時間の相違に因る通信エラーが生じない。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、第1光フィルタおよび第2光フィルタそれぞれの反射波長を順次に変更することにより、分波または合波する信号光を変更することができ、その際に他の信号光の通信エラーの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光ADM100の構成図である。
【図2】ブラッグ型光ファイバグレーティングの反射波長シフト量と印加張力との関係を示すグラフである。
【図3】第2実施形態に係る光ADM200の構成図である。
【図4】従来の光ADMの構成図である。
【符号の説明】
100…光ADM、110…第1光サーキュレータ、111,112…3端子光サーキュレータ、120…第2光サーキュレータ、121,122…3端子光サーキュレータ、131…第1光フィルタ、132…第2光フィルタ、200…光ADM、210…第1光サーキュレータ、211,212…3端子光サーキュレータ、220…第2光サーキュレータ、221,222…3端子光サーキュレータ、231…第1光フィルタ、232…第2光フィルタ、233…第2光フィルタ。
Claims (6)
- ポートP11に入力した光をポートP12より出力し、前記ポートP12に入力した光をポートP13より出力し、前記ポートP13に入力した光をポートP14より出力する第1光サーキュレータと、
ポートP21に入力した光をポートP22より出力し、前記ポートP22に入力した光をポートP23より出力し、前記ポートP23に入力した光をポートP24より出力する第2光サーキュレータと、
前記ポートP12と前記ポートP23との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第1光フィルタと、
前記ポートP13と前記ポートP22との間の導波路上に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第2光フィルタと
を備えることを特徴とする光ADM。 - 前記第1光サーキュレータまたは前記第2光サーキュレータが、2個の3端子光サーキュレータを含み、これら2個の3端子光サーキュレータそれぞれの1端子が互いに光学的に接続されたものであることを特徴とする請求項1記載の光ADM。
- 前記第2光フィルタの反射波長を特定波長に設定した後に、前記第1光フィルタの反射波長を特定波長に制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の光ADM。
- 前記特定の波長を任意に設定できる波長選択手段を有することを特徴とする請求項3記載の光ADM。
- 前記第1入力ポートまたは前記第2入力ポートに入力する光が所定波長帯域内の多波長信号光であるとき、前記第1光フィルタおよび前記第2光フィルタそれぞれが、特定波長に反射波長が設定されていないときには、前記所定波長帯域内の多波長信号光の波長間または前記所定波長帯域外に反射波長が設定されていることを特徴とする請求項1記載の光ADM。
- 前記第1光サーキュレータの前記ポートP12と前記第2光サーキュレータの前記ポートP23との間の導波路上に前記第1光フィルタと直列に設けられ、所定波長の光を選択的に反射するとともに、他の波長の光を透過させ、その反射波長が可変である第3光フィルタを備え、
前記第1光サーキュレータの前記ポートP12より出力された光が、前記第1光フィルタにより反射され、前記第1光サーキュレータの前記ポートP12および前記ポートP13を経て、前記第2光フィルタを透過し、前記第2光サーキュレータの前記ポートP22および前記ポートP23を経て、前記第3光フィルタにより反射されて、前記第2光サーキュレータの前記ポートP23へ至るまでの光路の光路長と、前記第1光サーキュレータの前記ポートP12より出力された光が前記第1光フィルタおよび前記第3光フィルタを透過して前記第2光サーキュレータの前記ポートP23へ至るまでの光路の光路長とが等しい
ことを特徴とする請求項1記載の光ADM。
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JP2002341116A Pending JP2004179767A (ja) | 2002-11-25 | 2002-11-25 | 光adm |
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- 2002-11-25 JP JP2002341116A patent/JP2004179767A/ja active Pending
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