JP2003185853A - 光デバイスおよび光通信システム - Google Patents

光デバイスおよび光通信システム

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JP2003185853A
JP2003185853A JP2001383166A JP2001383166A JP2003185853A JP 2003185853 A JP2003185853 A JP 2003185853A JP 2001383166 A JP2001383166 A JP 2001383166A JP 2001383166 A JP2001383166 A JP 2001383166A JP 2003185853 A JP2003185853 A JP 2003185853A
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port
diffraction grating
optical
light
waveguide type
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JP2001383166A
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Inventor
Toshikazu Shibata
俊和 柴田
Susumu Inoue
享 井上
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の光学的特性を有するものの製造が容易
な光デバイスを提供する。 【解決手段】 光デバイス100の入力ポート101に
光が入力すると、その光は、光サーキュレータ130の
第1ポート131に入力して第2ポート132より出力
され、光導波路型回折格子素子110に入射する。その
うち所定波長域の光は、光導波路型回折格子素子110
により反射され、光サーキュレータ130の第2ポート
132に入力して第3ポート133より出力され、光導
波路型回折格子素子120に入射する。第3ポート13
3より光導波路型回折格子素子120に入射した光は、
光導波路型回折格子素子120により反射され、光サー
キュレータ130の第3ポート133に入力して第4ポ
ート134より出力され、光デバイス100の出力ポー
ト103より出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を合波、分波ま
たは分散調整するのに好適に用いられ得る光デバイス、
および、この光デバイスを含む光通信システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】波長分割多重(WDM: Wavelength Div
ision Multiplexing)光通信システムは、多波長の信号
光を多重化して伝送するものであって、大容量の情報を
高速に伝送することができる。このような光通信システ
ムでは、多波長の信号光を合波する光合波器、多波長の
信号光を分波する光分波器、多波長の信号光を合波およ
び分波する光ADM(Add Drop Multiplexer)、信号光
の波長分散を調整する分散調整器、等の光デバイスが用
いられる。
【0003】このような光デバイスとして、光導波路
(例えば光ファイバ)の長手方向に沿った一定範囲に亘
って屈折率変調によるブラッグ型の回折格子が形成され
た光導波路型回折格子素子を含むものが知られている。
そして、このような光デバイスの光学的特性は、これに
含まれる光導波路型回折格子素子の特性に大きく左右さ
れる。このことから、光導波路型回折格子素子は設計ど
おりの光学的特性を有するものであることが望まれる。
【0004】また、光導波路型回折格子素子は、以下に
説明する位相格子法により製造される。まず、石英系の
ガラスからなりコア領域にGeO2が添加された光導波
路が用意される。そして、この光導波路のコア領域の屈
折率を変化させ得る波長の屈折率変化誘起光(例えば、
KrFエキシマレーザ光源から出力される波長248n
mの紫外レーザ光)が、位相格子マスクを介して光導波
路に照射される。このとき、位相格子マスクにより屈折
率変化誘起光の+1次回折光と−1次回折光とが生じ、
両者の干渉縞が光導波路のコア領域に形成される。この
干渉縞における屈折率変化誘起光の強度分布に応じて、
光導波路のコア領域の屈折率が上昇し、これに因り、屈
折率変調による回折格子がコア領域の長手方向に形成さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、設計ど
おりの光学的特性を有する光導波路型回折格子素子を製
造することは容易ではなく、したがって、設計どおりの
光学的特性を有する光デバイスを製造することも容易で
はない。すなわち、所望の光学的特性を有する光導波路
型回折格子素子を実現するには、回折格子における長手
方向に沿った屈折率変調プロファイルが複雑なものとな
り、それ故、このような回折格子を形成することが困難
である。そして、所望の光学的特性を有しない光導波路
型回折格子素子を有する光デバイスが用いられた光通信
システムは、信号光の伝送品質が悪いものとなる。
【0006】例えば、文献「M. Ibsen, et al., "99.9%
reflectivity dispersion-less square-filter fiber
Bragg gratings for high speed DWDM networks", pro
c. ofOFC2000, PD21 (2000)」に記載された光導波路型
回折格子素子は、反射帯域における群遅延特性が平坦に
なるように、すなわち、反射帯域における波長分散の絶
対値が小さくなるように、設計されたものであり、長手
方向に沿った屈折率変調プロファイルが多数の位相反転
を含んでいる。ところが、このように多数の位相反転を
含む屈折率変調プロファイルを有する回折格子は製造が
困難である。
【0007】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、所望の光学的特性を有するものの製造
が容易な光デバイス、および、このような光デバイスを
含み信号光の伝送品質が優れた光通信システムを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光デバイス
は、(1) 第1ポート,第2ポート,第3ポートおよび第
4ポートを有し、第1ポートに入力した光を第2ポート
より出力し、第2ポートに入力した光を第3ポートより
出力し、第3ポートに入力した光を第4ポートより出力
する第1光サーキュレータと、(2) 第1光サーキュレー
タの第2ポートに接続され、第1光導波路の長手方向に
沿った一定範囲に亘って屈折率変調による第1回折格子
が形成され、第1光サーキュレータの第2ポートより出
力された光のうち特定波長の光を第1回折格子によりブ
ラッグ反射させる第1光導波路型回折格子素子と、(3)
第1光サーキュレータの第3ポートに接続され、第2光
導波路の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率変調
による第2回折格子が形成され、第1光サーキュレータ
の第3ポートより出力された光のうち特定波長の光を第
2回折格子によりブラッグ反射させる第2光導波路型回
折格子素子と、を備えることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る光デバイスは、(1) 第
1ポート,第2ポート,第3ポートおよび第4ポートを
有し、第1ポートに入力した光を第2ポートより出力
し、第2ポートに入力した光を第3ポートより出力し、
第3ポートに入力した光を第4ポートより出力する第2
光サーキュレータを更に備え、(2) 第1光サーキュレー
タの第2ポートと第2光サーキュレータの第3ポートと
の間に第1光導波路型回折格子素子が設けられ、(3) 第
1光サーキュレータの第3ポートと第2光サーキュレー
タの第2ポートとの間に第2光導波路型回折格子素子が
設けられている、のが好適である。
【0010】本発明によれば、第1光導波路型回折格子
素子の第1回折格子および第2光導波路型回折格子素子
の第2回折格子の双方によりブラッグ反射され得る波長
の光が第1光サーキュレータの第1ポートに入力する
と、その光は、第1光サーキュレータの第2ポートより
出力され、第1光導波路型回折格子素子へ入射して、第
1光導波路型回折格子素子により反射され、第1光サー
キュレータの第2ポートに入力する。この第1光サーキ
ュレータの第2ポートに入力した光は、第1光サーキュ
レータの第3ポートより出力され、第2光導波路型回折
格子素子へ入射して、第2光導波路型回折格子素子によ
り反射され、第1光サーキュレータの第3ポートに入力
して、第1光サーキュレータの第4ポートより出力され
る。
【0011】また、第1光導波路型回折格子素子の第1
回折格子および第2光導波路型回折格子素子の第2回折
格子の双方によりブラッグ反射され得る波長の光が第2
光サーキュレータの第1ポートに入力すると、その光
は、上記と同様にして、第2光サーキュレータの第2ポ
ートより出力され、第2光導波路型回折格子素子へ入射
して、第2光導波路型回折格子素子により反射され、第
2光サーキュレータの第2ポートに入力する。この第2
光サーキュレータの第2ポートに入力した光は、第2光
サーキュレータの第3ポートより出力され、第1光導波
路型回折格子素子へ入射して、第1光導波路型回折格子
素子により反射され、第2光サーキュレータの第3ポー
トに入力して、第2光サーキュレータの第4ポートより
出力される。
【0012】この光デバイスでは、各光サーキュレータ
の第1ポートから第4ポートへ至る光の群遅延時間は、
第1光導波路型回折格子素子および第2光導波路型回折
格子素子それぞれの群遅延時間の和に略等しい。また、
各光サーキュレータの第1ポートから第4ポートへ至る
光の透過特性は、第1光導波路型回折格子素子および第
2光導波路型回折格子素子それぞれの反射特性の積に略
等しい。このように構成されることにより、所望の光学
的特性を有する光デバイスが容易に製造され得る。
【0013】また、本発明に係る光デバイスは、第1回
折格子および第2回折格子のうち、何れか一方が第1波
長域の光を透過させるとともに第2波長域の光を反射さ
せ、他方が第2波長域の光を反射させることで、第1波
長域または第2波長域に含まれる光を合波または分波す
るのが好適である。この場合、この光デバイスは、第1
波長域または第2波長域の光を合波または分波すること
ができる。また、第2光サーキュレータをも備える場合
には、この光デバイスは光ADMとして作用する。ま
た、第2波長域に含まれる所定波長において、第1回折
格子におけるブラッグ反射の際の群遅延特性と、第2回
折格子におけるブラッグ反射の際の群遅延特性とが、互
いに異なるのが好適である。このようにすることで、第
1光導波路型回折格子素子および第2光導波路型回折格
子素子の双方により反射される第2波長域の光の群遅延
特性を所望のものとすることができる。
【0014】また、本発明に係る光デバイスは、第1回
折格子および第2回折格子それぞれが所定波長域の光を
反射させることで、所定波長域の光の波長分散を調整す
るのが好適である。この場合、この光デバイスは、分散
調整器として作用し、第1光導波路型回折格子素子およ
び第2光導波路型回折格子素子の双方により反射される
所定波長域の光の波長分散を調整することができる。第
1回折格子におけるブラッグ反射の際の波長分散と、第
2回折格子におけるブラッグ反射の際の波長分散とが、
互いに同じ符号であるのが好適であり、この場合には、
波長分散の絶対値が大きくても設計値に近い特性を有す
る光デバイスを容易に実現することができる。また、第
1回折格子におけるブラッグ反射の際の波長分散と、第
2回折格子におけるブラッグ反射の際の波長分散とが、
互いに異なる符号であるのが好適であり、この場合に
は、波長分散の絶対値が小さくても挿入損が小さい光デ
バイスを容易に実現することができる。
【0015】本発明に係る光通信システムは、上記の本
発明に係る光デバイスを含み、多波長の信号光を伝送す
るとともに、この多波長の信号光を光デバイスにより処
理することを特徴とする。この光通信システムは、上記
の本発明に係る光デバイスにより多波長の信号光を合
波、分波または分散調整などを行うものであるから、多
波長の信号光を高品質に伝送することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0017】(光デバイスの第1実施形態)先ず、本発
明に係る光デバイスの第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る光デバイス100の構成図
である。この図に示される光デバイス100は、光導波
路型回折格子素子110、光導波路型回折格子素子12
0および光サーキュレータ130を備えている。この光
デバイス100は、光分波器であって、入力ポート10
1に入力した第1波長域Λ1または第2波長域Λ2の光を
分波して、第1波長域Λ1の光を出力ポート102より
出力し、第2波長域Λ2の光を出力ポート103より出
力する。
【0018】光サーキュレータ130は、第1ポート1
31,第2ポート132,第3ポート133および第4
ポート134を有している。そして、この光サーキュレ
ータ130は、第1ポート131に入力した光を第2ポ
ート132より出力し、第2ポート132に入力した光
を第3ポート133より出力し、第3ポート133に入
力した光を第4ポート134より出力する。
【0019】光サーキュレータ130の第1ポート13
1は、光デバイス100の入力ポート101と直接に接
続されている。光サーキュレータ130の第2ポート1
32は、光デバイス100の出力ポート102と光導波
路型回折格子素子110を介して接続されている。光サ
ーキュレータ130の第3ポート133は、光導波路型
回折格子素子120の一端と接続されており、光導波路
型回折格子素子120の他端は無反射終端104とされ
ている。光サーキュレータ130の第4ポート134
は、光デバイス100の出力ポート103と直接に接続
されている。
【0020】光導波路型回折格子素子110は、光ファ
イバ111の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子112が形成されたものであり、光
サーキュレータ130の第2ポート132に接続されて
いる。そして、この光導波路型回折格子素子110は、
光サーキュレータ130の第2ポート132より出力さ
れた光のうち第1波長域Λ1の光を回折格子112を透
過させ、第2波長域Λ2の光を回折格子112によりブ
ラッグ反射させる。
【0021】光導波路型回折格子素子120は、光ファ
イバ121の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子122が形成されたものであり、光
サーキュレータ130の第3ポート133に接続されて
いる。そして、この光導波路型回折格子素子120は、
光サーキュレータ130の第3ポート133より出力さ
れた光のうち第2波長域Λ2の光を回折格子122によ
りブラッグ反射させる。
【0022】この光デバイス100の入力ポート101
に第1波長域Λ1または第2波長域Λ2の光が入力する
と、その光は、光サーキュレータ130の第1ポート1
31に入力して第2ポート132より出力され、光導波
路型回折格子素子110に入射する。第2ポート132
より光導波路型回折格子素子110に入射した光のうち
第1波長域Λ1の光は、光導波路型回折格子素子110
を透過して、光デバイス100の出力ポート102より
出力される。
【0023】一方、第2ポート132より光導波路型回
折格子素子110に入射した光のうち第2波長域Λ2
光は、光導波路型回折格子素子110により反射され、
光サーキュレータ130の第2ポート132に入力して
第3ポート133より出力され、光導波路型回折格子素
子120に入射する。第3ポート133より光導波路型
回折格子素子120に入射した第2波長域Λ2の光は、
光導波路型回折格子素子120により反射され、光サー
キュレータ130の第3ポート133に入力して第4ポ
ート134より出力され、光デバイス100の出力ポー
ト103より出力される。
【0024】この光デバイス100において、入力ポー
ト101から出力ポート103へ至る第2波長域Λ2
光の群遅延時間は、光導波路型回折格子素子110およ
び光導波路型回折格子素子120それぞれの群遅延時間
の和に略等しい。また、入力ポート101から出力ポー
ト103へ至る第2波長域Λ2の光の透過特性は、光導
波路型回折格子素子110および光導波路型回折格子素
子120それぞれの反射特性の積に略等しい。
【0025】図2は、光導波路型回折格子素子110の
説明図である。この図は、光導波路型回折格子素子11
0の光軸を含む面で切断したときの断面を示している。
光導波路型回折格子素子110は、GeO2が添加され
たコア領域113とクラッド領域114とを含む石英系
の光ファイバ111において、長手方向に沿った一定範
囲に亘って一定周期で屈折率変調による回折格子112
が形成されたものである。回折格子112における長手
方向に沿った屈折率変調振幅分布は、必ずしも一様でな
くてもよく、変化していてもよいし、また、位相反転を
有していてもよい。光導波路型回折格子素子120の場
合も同様である。
【0026】例えば、一方の光導波路型回折格子素子1
10の回折格子112における屈折率変調振幅分布は、
光ファイバ111の長手方向に沿ってz軸を設定したと
きの関数として、Gaussian関数,Super-Gaussian関数,
tanh関数またはBlackman関数で表されるものとする。回
折格子112における屈折率変調振幅分布がこのような
関数形状を有している場合、光導波路型回折格子素子1
10の群遅延特性は、反射帯域において下に凸の形状を
有する。また、他方の光導波路型回折格子素子120の
回折格子122における屈折率変調振幅分布は、光導波
路型回折格子素子110とは異なり、1以上の位相反転
を有するものとする。これにより、光導波路型回折格子
素子120は、群遅延特性が変曲点を有するものとな
り、反射帯域における形状が任意に設計され得る。
【0027】屈折率変調振幅分布の1例を以下に示す。
図3は、光導波路型回折格子素子110の回折格子11
2における屈折率変調振幅分布を示す図である。この回
折格子112の屈折率変調振幅分布は、Super-Gaussian
関数形状を有している。また、図4は、光導波路型回折
格子素子120の回折格子122における屈折率変調振
幅分布を示す図である。この回折格子122の屈折率変
調振幅分布は、2つの位相反転を有している。これらの
図では、各回折格子の中心位置をz軸の原点としてい
る。
【0028】図5は、図3に示された屈折率変調振幅分
布を有する光導波路型回折格子素子110の反射特性
(実線)および群遅延特性(破線)を示す図である。ま
た、図6は、図4に示された屈折率変調振幅分布を有す
る光導波路型回折格子素子120の反射特性(実線)お
よび群遅延特性(破線)を示す図である。これらの図に
示されるように、光導波路型回折格子素子110および
光導波路型回折格子素子120それぞれの反射帯域は、
何れも1549.8nm〜1550.2nmである。図
5に示されるように、光導波路型回折格子素子110の
群遅延特性は、反射帯域において下に凸の形状を有して
おり、反射帯域の中心波長1550nmにおいて極小と
なっている。一方、図6に示されるように、光導波路型
回折格子素子120の群遅延特性は、変曲点を有してお
り、反射帯域の中心波長1550nmにおいて極大とな
っている。
【0029】図7は、第1実施形態に係る光デバイス1
00における入力ポート101から出力ポート103へ
至る光の透過特性(実線)および群遅延特性(破線)を
示す図である。ここでは、図3に示された屈折率変調振
幅分布を有する光導波路型回折格子素子110、およ
び、図4に示された屈折率変調振幅分布を有する光導波
路型回折格子素子120が用いられるものとする。
【0030】図5〜図7に示されるように、入力ポート
101から出力ポート103へ至る光の透過特性(図7
中の実線)は、光導波路型回折格子素子110の反射特
性(図5中の実線)と光導波路型回折格子素子120の
反射特性(図6中の実線)との積に等しくなっている。
すなわち、入力ポート101から出力ポート103へ至
る光の透過特性は、光導波路型回折格子素子110およ
び光導波路型回折格子素子120それぞれの反射特性と
比較して、より矩形に近い形状を有するものとなってい
る。
【0031】また、図5〜図7に示されるように、入力
ポート101から出力ポート103へ至る光の群遅延時
間(図7中の破線)は、光導波路型回折格子素子110
の群遅延時間(図5中の破線)と光導波路型回折格子素
子120の群遅延時間(図6中の破線)との和に等しく
なっている。すなわち、中心波長1550nmにおい
て、光導波路型回折格子素子110の群遅延特性が極小
であり、光導波路型回折格子素子120の群遅延特性が
極大であることから、この中心波長近傍において、入力
ポート101から出力ポート103へ至る光の群遅延特
性は、光導波路型回折格子素子110および光導波路型
回折格子素子120それぞれの群遅延特性と比較して平
坦となる。
【0032】以上のように本実施形態に係る光デバイス
100は、2つの光導波路型回折格子素子110および
120ならびに光サーキュレータ130を含んで構成さ
れていることにより、光導波路型回折格子素子110お
よび120それぞれの屈折率変調振幅分布が簡単なもの
であっても、所望の光学的特性を有することができる。
したがって、所望の光学的特性を有する光デバイス10
0を容易に製造することができる。
【0033】(光デバイスの第2実施形態)次に、本発
明に係る光デバイスの第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態に係る光デバイス200の構成図
である。この図に示される光デバイス200は、光導波
路型回折格子素子210、光導波路型回折格子素子22
0および光サーキュレータ230を備えている。この光
デバイス200は、光合波器であって、入力ポート20
1に入力した第1波長域Λ1の光と、入力ポート204
に入力した第2波長域Λ2の光と合波して、その合波し
た光を出力ポート202より出力する。
【0034】光サーキュレータ230は、第1ポート2
31,第2ポート232,第3ポート233および第4
ポート234を有している。そして、この光サーキュレ
ータ230は、第1ポート231に入力した光を第2ポ
ート232より出力し、第2ポート232に入力した光
を第3ポート233より出力し、第3ポート233に入
力した光を第4ポート234より出力する。
【0035】光サーキュレータ230の第1ポート23
1は、光デバイス200の入力ポート204と直接に接
続されている。光サーキュレータ230の第2ポート2
32は、光導波路型回折格子素子220の一端と接続さ
れており、光導波路型回折格子素子220の他端は無反
射終端203とされている。光サーキュレータ230の
第3ポート233は、光デバイス200の入力ポート2
01と光導波路型回折格子素子210を介して接続され
ている。また、光サーキュレータ230の第4ポート2
34は、光デバイス200の出力ポート202と直接に
接続されている。
【0036】光導波路型回折格子素子210は、光ファ
イバ211の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子212が形成されたものであり、光
サーキュレータ230の第3ポート233に接続されて
いる。そして、この光導波路型回折格子素子210は、
入力ポート201に入力した光のうち第1波長域Λ1
光を回折格子212を透過させ、光サーキュレータ23
0の第3ポート233より出力された光のうち第2波長
域Λ2の光を回折格子212によりブラッグ反射させ
る。
【0037】光導波路型回折格子素子220は、光ファ
イバ221の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子222が形成されたものであり、光
サーキュレータ230の第2ポート232に接続されて
いる。そして、この光導波路型回折格子素子220は、
光サーキュレータ230の第2ポート232より出力さ
れた光のうち第2波長域Λ2の光を回折格子222によ
りブラッグ反射させる。
【0038】この光デバイス200の入力ポート201
に第1波長域Λ1の光が入力すると、その光は、光導波
路型回折格子素子210を透過して、光サーキュレータ
230の第3ポート233に入力して第4ポート234
より出力され、光デバイス200の出力ポート202よ
り出力される。一方、この光デバイス200の入力ポー
ト204に第2波長域Λ2の光が入力すると、その光
は、光サーキュレータ230の第1ポート231に入力
して第2ポート232より出力され、光導波路型回折格
子素子220に入射する。第2ポート232より光導波
路型回折格子素子220に入射した第2波長域Λ2の光
は、光導波路型回折格子素子220により反射され、光
サーキュレータ230の第2ポート232に入力して第
3ポート233より出力され、光導波路型回折格子素子
210に入射する。第3ポート233より光導波路型回
折格子素子210に入射した第2波長域Λ2の光は、光
導波路型回折格子素子210により反射され、光サーキ
ュレータ230の第3ポート233に入力して第4ポー
ト234より出力され、光デバイス200の出力ポート
202より出力される。
【0039】この光デバイス200において、入力ポー
ト204から出力ポート202へ至る第2波長域Λ2
光の群遅延時間は、光導波路型回折格子素子210およ
び光導波路型回折格子素子220それぞれの群遅延時間
の和に略等しい。また、入力ポート204から出力ポー
ト202へ至る第2波長域Λ2の光の透過特性は、光導
波路型回折格子素子210および光導波路型回折格子素
子220それぞれの反射特性の積に略等しい。
【0040】本実施形態でも、光導波路型回折格子素子
210および光導波路型回折格子素子220それぞれ
は、図2に示された構成と同様の構成を有している。そ
して、例えば、一方の光導波路型回折格子素子210の
回折格子212における屈折率変調振幅分布は、光ファ
イバ211の長手方向に沿ってz軸を設定したときの関
数として、Gaussian関数,Super-Gaussian関数,tanh関
数またはBlackman関数で表される。また、他方の光導波
路型回折格子素子220の回折格子222における屈折
率変調振幅分布は、光導波路型回折格子素子210とは
異なり、1以上の位相反転を有する。
【0041】この場合、光導波路型回折格子素子210
の群遅延特性は、反射帯域において下に凸の形状を有し
ており、反射帯域の中心波長において極小となる。一
方、光導波路型回折格子素子220の群遅延特性は、変
曲点を有しており、反射帯域の中心波長において極大と
なる。そして、入力ポート204から出力ポート202
へ至る光の透過特性は、光導波路型回折格子素子210
の反射特性と光導波路型回折格子素子220の反射特性
との積に等しくなる。すなわち、入力ポート204から
出力ポート202へ至る光の透過特性は、光導波路型回
折格子素子210および光導波路型回折格子素子220
それぞれの反射特性と比較して、より矩形に近い形状を
有するものとなる。
【0042】また、入力ポート204から出力ポート2
02へ至る光の群遅延時間は、光導波路型回折格子素子
210の群遅延時間と光導波路型回折格子素子220の
群遅延時間との和に等しくなる。すなわち、反射帯域の
中心波長において、光導波路型回折格子素子210の群
遅延特性が極小であり、光導波路型回折格子素子220
の群遅延特性が極大であることから、この中心波長近傍
において、入力ポート204から出力ポート202へ至
る光の群遅延特性は、光導波路型回折格子素子210お
よび光導波路型回折格子素子220それぞれの群遅延特
性と比較して平坦となる。
【0043】以上のように本実施形態に係る光デバイス
200は、2つの光導波路型回折格子素子210および
220ならびに光サーキュレータ230を含んで構成さ
れていることにより、光導波路型回折格子素子210お
よび220それぞれの屈折率変調振幅分布が簡単なもの
であっても、所望の光学的特性を有することができる。
したがって、所望の光学的特性を有する光デバイス20
0を容易に製造することができる。
【0044】(光デバイスの第3実施形態)次に、本発
明に係る光デバイスの第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態に係る光デバイス300の構成図
である。この図に示される光デバイス300は、光導波
路型回折格子素子310、光導波路型回折格子素子32
0、光サーキュレータ330および光サーキュレータ3
40を備えている。この光デバイス300は、光ADM
であって、入力ポート301に入力した第1波長域Λ 1
または第2波長域Λ2の光を分波して、その分波した第
2波長域Λ2の光を出力ポート303より出力するとと
もに、その分波した第1波長域Λ1の光を、入力ポート
304に入力した第2波長域Λ2の光と合波して、その
合波した光を出力ポート302より出力する。
【0045】光サーキュレータ330は、第1ポート3
31,第2ポート332,第3ポート333および第4
ポート334を有している。そして、この光サーキュレ
ータ330は、第1ポート331に入力した光を第2ポ
ート332より出力し、第2ポート332に入力した光
を第3ポート333より出力し、第3ポート333に入
力した光を第4ポート334より出力する。光サーキュ
レータ330の第1ポート331は、光デバイス300
の入力ポート301と直接に接続されている。また、光
サーキュレータ330の第4ポート334は、光デバイ
ス300の出力ポート303と直接に接続されている。
【0046】光サーキュレータ340は、第1ポート3
41,第2ポート342,第3ポート343および第4
ポート344を有している。そして、この光サーキュレ
ータ340は、第1ポート341に入力した光を第2ポ
ート342より出力し、第2ポート342に入力した光
を第3ポート343より出力し、第3ポート343に入
力した光を第4ポート344より出力する。光サーキュ
レータ340の第1ポート341は、光デバイス300
の入力ポート304と直接に接続されている。また、光
サーキュレータ340の第4ポート344は、光デバイ
ス300の出力ポート302と直接に接続されている。
【0047】光導波路型回折格子素子310は、光ファ
イバ311の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子312が形成されたものであり、光
サーキュレータ330の第2ポート332と光サーキュ
レータ340の第3ポート343との間に設けられてい
る。そして、この光導波路型回折格子素子310は、光
サーキュレータ330の第2ポート332より出力され
た光のうち、第1波長域Λ1の光を回折格子312を透
過させ、第2波長域Λ2の光を回折格子312によりブ
ラッグ反射させる。
【0048】光導波路型回折格子素子320は、光ファ
イバ321の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子322が形成されたものであり、光
サーキュレータ330の第3ポート333と光サーキュ
レータ340の第2ポート342との間に設けられてい
る。そして、この光導波路型回折格子素子320は、光
サーキュレータ330の第3ポート333または光サー
キュレータ340の第2ポート342より出力された第
2波長域Λ2の光を回折格子322によりブラッグ反射
させる。
【0049】この光デバイス300の入力ポート301
に第1波長域Λ1の光が入力すると、その光は、光サー
キュレータ330の第1ポート331に入力して第2ポ
ート332より出力され、光導波路型回折格子素子31
0に入射する。第2ポート332より光導波路型回折格
子素子310に入射した第1波長域Λ1の光は、光導波
路型回折格子素子310を透過し、光サーキュレータ3
40の第3ポート343に入力して第4ポート344よ
り出力され、光デバイス300の出力ポート302より
出力される。
【0050】また、この光デバイス300の入力ポート
301に第2波長域Λ2の光が入力すると、その光は、
光サーキュレータ330の第1ポート331に入力して
第2ポート332より出力され、光導波路型回折格子素
子310に入射する。第2ポート332より光導波路型
回折格子素子310に入射した第2波長域Λ2の光は、
光導波路型回折格子素子310により反射され、光サー
キュレータ330の第2ポート332に入力して第3ポ
ート333より出力され、光導波路型回折格子素子32
0に入射する。第3ポート333より光導波路型回折格
子素子320に入射した第2波長域Λ2の光は、光導波
路型回折格子素子320により反射され、光サーキュレ
ータ330の第3ポート333に入力して第4ポート3
34より出力され、光デバイス300の出力ポート30
2より出力される。
【0051】また、この光デバイス300の入力ポート
304に第2波長域Λ2の光が入力すると、その光は、
光サーキュレータ340の第1ポート341に入力して
第2ポート342より出力され、光導波路型回折格子素
子320に入射する。第2ポート342より光導波路型
回折格子素子320に入射した第2波長域Λ2の光は、
光導波路型回折格子素子320により反射され、光サー
キュレータ340の第2ポート342に入力して第3ポ
ート343より出力され、光導波路型回折格子素子31
0に入射する。第3ポート343より光導波路型回折格
子素子310に入射した第2波長域Λ2の光は、光導波
路型回折格子素子310により反射され、光サーキュレ
ータ340の第3ポート343に入力して第4ポート3
44より出力され、光デバイス300の出力ポート30
2より出力される。
【0052】このように、光デバイス300の入力ポー
ト301に入力した光のうち、第1波長域Λ1の光は出
力ポート302より出力され、第2波長域Λ2の光は出
力ポート303より出力される(Drop)。また、入力ポ
ート304に入力した第2波長域Λ2の光は、上記第1
波長域Λ1の光と合波されて、出力ポート302より出
力される(Add)。
【0053】この光デバイス300において、入力ポー
ト301から出力ポート303へ至る第2波長域Λ2
光の群遅延時間は、光サーキュレータ330から光が入
射したときの光導波路型回折格子素子310および光導
波路型回折格子素子320それぞれの群遅延時間の和に
略等しい。また、入力ポート301から出力ポート30
3へ至る第2波長域Λ2の光の透過特性は、光サーキュ
レータ330から光が入射したときの光導波路型回折格
子素子310および光導波路型回折格子素子320それ
ぞれの反射特性の積に略等しい。
【0054】同様に、入力ポート304から出力ポート
302へ至る第2波長域Λ2の光の群遅延時間は、光サ
ーキュレータ340から光が入射したときの光導波路型
回折格子素子310および光導波路型回折格子素子32
0それぞれの群遅延時間の和に略等しい。また、入力ポ
ート304から出力ポート302へ至る第2波長域Λ 2
の光の透過特性は、光サーキュレータ340から光が入
射したときの光導波路型回折格子素子310および光導
波路型回折格子素子320それぞれの反射特性の積に略
等しい。
【0055】本実施形態でも、光導波路型回折格子素子
310および光導波路型回折格子素子320それぞれ
は、図2に示された構成と同様の構成を有している。そ
して、例えば、一方の光導波路型回折格子素子310の
回折格子312における屈折率変調振幅分布は、光ファ
イバ311の長手方向に沿ってz軸を設定したときの関
数として、Gaussian関数,Super-Gaussian関数,tanh関
数またはBlackman関数で表される。また、他方の光導波
路型回折格子素子320の回折格子322における屈折
率変調振幅分布は、光導波路型回折格子素子310とは
異なり、1以上の位相反転を有する。
【0056】この場合、光導波路型回折格子素子310
の群遅延特性は、反射帯域において下に凸の形状を有し
ており、反射帯域の中心波長において極小となる。一
方、光導波路型回折格子素子320の群遅延特性は、変
曲点を有しており、反射帯域の中心波長において極大と
なる。
【0057】そして、入力ポート301から出力ポート
303へ至る光の透過特性、および、入力ポート304
から出力ポート302へ至る光の透過特性は、光導波路
型回折格子素子310の反射特性と光導波路型回折格子
素子320の反射特性との積に等しくなる。すなわち、
これらの光路の光の透過特性は、光導波路型回折格子素
子310および光導波路型回折格子素子320それぞれ
の反射特性と比較して、より矩形に近い形状を有するも
のとなる。
【0058】また、入力ポート301から出力ポート3
03へ至る光の群遅延時間、および、入力ポート304
から出力ポート302へ至る光の群遅延時間それぞれ
は、光導波路型回折格子素子310の群遅延時間と光導
波路型回折格子素子320の群遅延時間との和に等しく
なる。すなわち、反射帯域の中心波長において、光導波
路型回折格子素子310の群遅延特性が極小であり、光
導波路型回折格子素子320の群遅延特性が極大である
ことから、この中心波長近傍において、これらの光路の
光の群遅延特性は、光導波路型回折格子素子310およ
び光導波路型回折格子素子320それぞれの群遅延特性
と比較して平坦となる。
【0059】以上のように本実施形態に係る光デバイス
300は、2つの光導波路型回折格子素子310および
320ならびに2つの光サーキュレータ330および3
40を含んで構成されていることにより、光導波路型回
折格子素子310および320それぞれの屈折率変調振
幅分布が簡単なものであっても、所望の光学的特性を有
することができる。したがって、所望の光学的特性を有
する光デバイス300を容易に製造することができる。
【0060】(光デバイスの第4実施形態)次に、本発
明に係る光デバイスの第4実施形態について説明する。
図10は、第4実施形態に係る光デバイス400の構成
図である。この図に示される光デバイス400は、光導
波路型回折格子素子410、光導波路型回折格子素子4
20および光サーキュレータ430を備えている。この
光デバイス400は、分散調整器であって、入力ポート
401に入力した所定波長域の光の波長分散を調整し
て、この調整後の光を出力ポート403より出力する。
【0061】光サーキュレータ430は、第1ポート4
31,第2ポート432,第3ポート433および第4
ポート434を有している。そして、この光サーキュレ
ータ430は、第1ポート431に入力した光を第2ポ
ート432より出力し、第2ポート432に入力した光
を第3ポート433より出力し、第3ポート433に入
力した光を第4ポート434より出力する。
【0062】光サーキュレータ430の第1ポート43
1は、光デバイス400の入力ポート401と直接に接
続されている。光サーキュレータ430の第2ポート4
32は、光導波路型回折格子素子410の一端と接続さ
れており、光導波路型回折格子素子410の他端は無反
射終端402とされている。光サーキュレータ430の
第3ポート433は、光導波路型回折格子素子420の
一端と接続されており、光導波路型回折格子素子420
の他端は無反射終端404とされている。光サーキュレ
ータ430の第4ポート434は、光デバイス400の
出力ポート403と直接に接続されている。
【0063】光導波路型回折格子素子410は、光ファ
イバ411の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子412が形成されたものであり、光
サーキュレータ430の第2ポート432に接続されて
いる。そして、この光導波路型回折格子素子410は、
光サーキュレータ430の第2ポート432より出力さ
れた所定波長域Λの光を回折格子412によりブラッグ
反射させる。
【0064】光導波路型回折格子素子420は、光ファ
イバ421の長手方向に沿った一定範囲に亘って屈折率
変調による回折格子422が形成されたものであり、光
サーキュレータ430の第3ポート433に接続されて
いる。そして、この光導波路型回折格子素子420は、
光サーキュレータ430の第3ポート433より出力さ
れた所定波長域の光を回折格子422によりブラッグ反
射させる。
【0065】この光デバイス400の入力ポート401
に所定波長域Λの光が入力すると、その光は、光サーキ
ュレータ430の第1ポート431に入力して第2ポー
ト432より出力され、光導波路型回折格子素子410
に入射する。第2ポート432より光導波路型回折格子
素子410に入射した光は、光導波路型回折格子素子4
10により反射され、光サーキュレータ430の第2ポ
ート432に入力して第3ポート433より出力され、
光導波路型回折格子素子420に入射する。第3ポート
433より光導波路型回折格子素子420に入射した光
は、光導波路型回折格子素子420により反射され、光
サーキュレータ430の第3ポート433に入力して第
4ポート434より出力され、光デバイス400の出力
ポート403より出力される。
【0066】この光デバイス400において、入力ポー
ト401から出力ポート403へ至る光の波長分散は、
光導波路型回折格子素子410および光導波路型回折格
子素子420それぞれの波長分散の和に略等しい。ま
た、入力ポート401から出力ポート403へ至る光の
透過特性は、光導波路型回折格子素子410および光導
波路型回折格子素子420それぞれの反射特性の積に略
等しい。
【0067】図11は、光導波路型回折格子素子410
の説明図である。この図は、光導波路型回折格子素子4
10の光軸を含む面で切断したときの断面を示してい
る。光導波路型回折格子素子410は、GeO2が添加
されたコア領域413とクラッド領域414とを含む石
英系の光ファイバ411において、長手方向に沿った一
定範囲に亘って屈折率変調による回折格子412が形成
されたものである。回折格子412における屈折率変調
の格子間隔は長手方向に沿って変化している。したがっ
て、この光導波路型回折格子素子410は、光ファイバ
411を伝搬してきて回折格子412に入射した所定波
長域の各波長の光を、その波長についてブラッグ条件を
満たす格子間隔の位置でブラッグ反射させる。すなわ
ち、この光導波路型回折格子素子410は、所定波長域
の光をブラッグ反射させるとともに、その光に対して波
長分散を与える。光導波路型回折格子素子420の場合
も同様である。
【0068】図12は、光導波路型回折格子素子410
の回折格子412におけるブラッグ反射の際の理想的な
群遅延特性を示す図である。波長λ1に対してブラッグ
条件を満たす位置をz1とし、波長λ2に対してブラッグ
条件を満たす位置をz2とした場合、波長差Δλ(=λ1
−λ2)に対する位置差Δz(=z1−z2)の比(Δz
/Δλ)は、回折格子412における格子間隔の変化率
(チャープ率)に依存しており、群遅延特性の傾き(す
なわち波長分散)に影響を与える。回折格子412にお
けるチャープ率が比較的小さい場合、群遅延特性の傾き
は大きい(図中の群遅延特性A)。逆に、回折格子41
2におけるチャープ率が比較的大きい場合、群遅延特性
の傾きは小さい(図中の群遅延特性B)。すなわち、回
折格子412におけるチャープ率が大きいほど、群遅延
特性の傾き(すなわち波長分散)は小さい。ただし、こ
の図12に示された群遅延特性は理想的なものであり、
実際に製造される光導波路型回折格子素子410におけ
る群遅延特性は、図13に示されるように、設計上の理
想的なもの(図12)とは異なる。
【0069】図13は、光導波路型回折格子素子410
の回折格子412におけるブラッグ反射の際の実際的な
群遅延特性を示す図である。この図に示されるように、
回折格子412におけるチャープ率が比較的小さい場
合、格子間隔の実際値と設計値との差があると、ブラッ
グ条件を満たす位置の誤差が大きいことから、実際の群
遅延特性は設計値と大きく異なることになる(図中の群
遅延特性A)。逆に、回折格子412におけるチャープ
率が比較的大きい場合、格子間隔の実際値と設計値との
差があっても、ブラッグ条件を満たす位置の誤差が小さ
いことから、実際の群遅延特性は設計値との差が小さい
(図中の群遅延特性B)。すなわち、回折格子412に
おけるチャープ率が大きいほど、実際の群遅延特性は設
計値との差が小さい。したがって、群遅延特性の傾き
(すなわち波長分散)が小さいほど、群遅延特性の実際
値と設計値との差が小さい。
【0070】以上のことから、所望の群遅延特性の傾き
(波長分散)を設計との誤差を小さくして実現するため
には、回折格子412における群遅延特性の傾き(波長
分散)の絶対値は小さい方が好ましい。一方、大きな反
射率を実現するためには、回折格子412におけるチャ
ープ率は小さい方が好ましく、群遅延特性の傾き(波長
分散)の絶対値は大きい方が好ましい。光導波路型回折
格子素子420の場合も同様である。
【0071】そこで、図14に示されるように、本実施
形態に係る光デバイス400では、光導波路型回折格子
素子410の回折格子412におけるブラッグ反射の際
の波長分散D1と、光導波路型回折格子素子420の回
折格子422におけるブラッグ反射の際の波長分散D2
とが、互いに同じ符号のものとされていて、入力ポート
401から出力ポート403へ至る全体の波長分散D
(=D1+D2)が所望値とされているのが好適である。
このように構成されていることにより、回折格子412
および回折格子422それぞれの波長分散の絶対値が小
さくてもよいので、所望の波長分散特性を有する回折格
子412および回折格子422それぞれを容易に形成す
ることができ、ひいては、波長分散の絶対値が大きくて
も設計値に近い特性を有する光デバイス400を容易に
実現することができる。
【0072】また、図15に示されるように、本実施形
態に係る光デバイス400では、光導波路型回折格子素
子410の回折格子412におけるブラッグ反射の際の
波長分散D1と、光導波路型回折格子素子420の回折
格子422におけるブラッグ反射の際の波長分散D2
が、互いに異なる符号のものとされていて、入力ポート
401から出力ポート403へ至る全体の波長分散D
(=D1+D2)が所望値とされているのも好適である。
このように構成されていることにより、回折格子412
および回折格子422それぞれのチャープ率が小さくて
もよいので、大きな反射率を有する回折格子412およ
び回折格子422それぞれを形成することができ、ひい
ては、波長分散の絶対値が小さくても挿入損が小さい光
デバイス400を容易に実現することができる。
【0073】以上のように本実施形態に係る光デバイス
400は、2つの光導波路型回折格子素子410および
420ならびに光サーキュレータ430を含んで構成さ
れている。したがって、所望の光学的特性を有する光デ
バイス400を容易に製造することができる。
【0074】(光通信システムの実施形態)次に、本発
明に係る光通信システムの実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る光通信システム1の構成図
である。この光通信システム1は、送信局2と中継局3
との間が光ファイバ伝送路5で接続され、中継局3と受
信局4との間も光ファイバ伝送路6で接続されている。
また、中継局3に光合分波器30が設けられており、中
継局4に分散調整器40が設けられている。光合分波器
30は、上述した光デバイス300と同一の構成のもの
であり、分散調整器40は、上述した光デバイス400
と同一の構成のものである。
【0075】送信局2は、波長λ1〜λ2M(Mは1以上
の整数)の信号光を波長多重して光ファイバ伝送路5へ
送出する。中継局3は、光ファイバ伝送路5を伝搬して
きた波長λ1〜λ2Mの信号光を入力し、これらを光合分
波器30により分波して、波長λ2m+1の信号光を光ファ
イバ伝送路6へ送出し、波長λ2mの信号光を他の光ファ
イバ伝送路へ送出する(mは1以上M以下の任意の整
数)。また、中継局3は、光合分波器30により、他の
光ファイバ伝送路を経て入力した波長λ2mの信号光を光
ファイバ伝送路6へ送出する。受信局4は、光ファイバ
伝送路6を伝搬してきた波長λ1〜λ2Mの信号光を入力
し、分散調整器40により各波長の信号光の波長分散を
調整して、これらを各波長に分波して受信する。
【0076】この光通信システム1は、上記の本実施形
態に係る光デバイス300と同一構成の光合分波器30
を用いて、波長λ1〜λ2Mの信号光を合波または分波す
るものである。したがって、この光合分波器30におけ
る信号光の合分波の際に、各信号光間の群遅延時間差が
小さい。また、この光通信システム1は、上記の本実施
形態に係る光デバイス400と同一構成の分散調整器4
0を用いて、波長λ1〜λ2Mの信号光の波長分散を調整
するものである。したがって、送信局2から受信局4へ
到るまでの波長分散が分散調整器40により補償される
ので、累積波長分散に因る信号光波形劣化が抑制され
る。このように、本実施形態に係る光通信システム1
は、多波長の信号光を高品質に伝送することができる。
【0077】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施
形態の光デバイスに含まれる光導波路型回折格子素子
は、光導波路である光ファイバに屈折率変調による回折
格子が形成されたものであった。しかし、これに限られ
ず、平面基板上に形成された光導波路に屈折率変調によ
る回折格子が形成されたものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、2つの光導波路型回折格子素子および光サーキ
ュレータを含んで構成されていることにより、所望の光
学的特性を有する光デバイスを容易に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光デバイス100の構成図
である。
【図2】光導波路型回折格子素子110の説明図であ
る。
【図3】光導波路型回折格子素子110の回折格子11
2における屈折率変調振幅分布を示す図である。
【図4】光導波路型回折格子素子120の回折格子12
2における屈折率変調振幅分布を示す図である。
【図5】光導波路型回折格子素子110の反射特性(実
線)および群遅延特性(破線)を示す図である。
【図6】光導波路型回折格子素子120の反射特性(実
線)および群遅延特性(破線)を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る光デバイス100における
入力ポート101から出力ポート103へ至る光の透過
特性(実線)および群遅延特性(破線)を示す図であ
る。
【図8】第2実施形態に係る光デバイス200の構成図
である。
【図9】第3実施形態に係る光デバイス300の構成図
である。
【図10】第4実施形態に係る光デバイス400の構成
図である。
【図11】光導波路型回折格子素子410の説明図であ
る。
【図12】光導波路型回折格子素子410の回折格子4
12におけるブラッグ反射の際の理想的な群遅延特性を
示す図である。
【図13】光導波路型回折格子素子410の回折格子4
12におけるブラッグ反射の際の実際的な群遅延特性を
示す図である。
【図14】光導波路型回折格子素子410の回折格子4
12におけるブラッグ反射の際の波長分散D1と、光導
波路型回折格子素子420の回折格子422におけるブ
ラッグ反射の際の波長分散D2とを示す図である。
【図15】光導波路型回折格子素子410の回折格子4
12におけるブラッグ反射の際の波長分散D1と、光導
波路型回折格子素子420の回折格子422におけるブ
ラッグ反射の際の波長分散D2とを示す図である。
【図16】本実施形態に係る光通信システム1の構成図
である。
【符号の説明】
1…光通信システム、2…送信局、3…中継局、4…受
信局、5,6…光ファイバ伝送路、30…光合分波器、
40…分散調整器、100…光デバイス、110,12
0…光導波路型回折格子素子、130…光サーキュレー
タ、200…光デバイス、210,220…光導波路型
回折格子素子、230…光サーキュレータ、300…光
デバイス、310,320…光導波路型回折格子素子、
330,340…光サーキュレータ、400…光デバイ
ス、410,420…光導波路型回折格子素子、430
…光サーキュレータ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ポート,第2ポート,第3ポートお
    よび第4ポートを有し、前記第1ポートに入力した光を
    前記第2ポートより出力し、前記第2ポートに入力した
    光を前記第3ポートより出力し、前記第3ポートに入力
    した光を前記第4ポートより出力する第1光サーキュレ
    ータと、 前記第1光サーキュレータの前記第2ポートに接続さ
    れ、第1光導波路の長手方向に沿った一定範囲に亘って
    屈折率変調による第1回折格子が形成され、前記第1光
    サーキュレータの前記第2ポートより出力された光のう
    ち特定波長の光を前記第1回折格子によりブラッグ反射
    させる第1光導波路型回折格子素子と、 前記第1光サーキュレータの前記第3ポートに接続さ
    れ、第2光導波路の長手方向に沿った一定範囲に亘って
    屈折率変調による第2回折格子が形成され、前記第1光
    サーキュレータの前記第3ポートより出力された光のう
    ち特定波長の光を前記第2回折格子によりブラッグ反射
    させる第2光導波路型回折格子素子と、 を備えることを特徴とする光デバイス。
  2. 【請求項2】 第1ポート,第2ポート,第3ポートお
    よび第4ポートを有し、前記第1ポートに入力した光を
    前記第2ポートより出力し、前記第2ポートに入力した
    光を前記第3ポートより出力し、前記第3ポートに入力
    した光を前記第4ポートより出力する第2光サーキュレ
    ータを更に備え、 前記第1光サーキュレータの前記第2ポートと前記第2
    光サーキュレータの前記第3ポートとの間に前記第1光
    導波路型回折格子素子が設けられ、 前記第1光サーキュレータの前記第3ポートと前記第2
    光サーキュレータの前記第2ポートとの間に前記第2光
    導波路型回折格子素子が設けられている、 ことを特徴とする請求項1記載の光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記第1回折格子および前記第2回折格
    子のうち、何れか一方が第1波長域の光を透過させると
    ともに第2波長域の光を反射させ、他方が前記第2波長
    域の光を反射させることで、前記第1波長域または前記
    第2波長域に含まれる光を合波または分波する、ことを
    特徴とする請求項1または2に記載の光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記第2波長域に含まれる所定波長にお
    いて、前記第1回折格子におけるブラッグ反射の際の群
    遅延特性と、前記第2回折格子におけるブラッグ反射の
    際の群遅延特性とが、互いに異なることを特徴とする請
    求項3記載の光デバイス。
  5. 【請求項5】 前記第1回折格子および前記第2回折格
    子それぞれが所定波長域の光を反射させることで、前記
    所定波長域の光の波長分散を調整することを特徴とする
    請求項1記載の光デバイス。
  6. 【請求項6】 前記第1回折格子におけるブラッグ反射
    の際の波長分散と、前記第2回折格子におけるブラッグ
    反射の際の波長分散とが、互いに同じ符号であることを
    特徴とする請求項5記載の光デバイス。
  7. 【請求項7】 前記第1回折格子におけるブラッグ反射
    の際の波長分散と、前記第2回折格子におけるブラッグ
    反射の際の波長分散とが、互いに異なる符号であること
    を特徴とする請求項5記載の光デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の光デバイスを含み、多波
    長の信号光を伝送するとともに、この多波長の信号光を
    前記光デバイスにより処理することを特徴とする光通信
    システム。
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