JP2004179575A - 配線基板用コア基板及びその製造方法、並びにそれを用いたビルドアップ配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法安定性やハンドリング性等に優れるばかりでなく、狭ピッチ品を高歩留まりで比較的簡単に製造することができる配線基板用コア基板を提供すること。
【解決手段】本発明の配線基板用コア基板12は、板状のコア部材15、複数の銅柱21、樹脂絶縁体22等を含んで構成される。コア部材15は、第1主面16及び第2主面17を連通させる貫通孔18を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる。複数の銅柱21は、貫通孔18内にて散島状に互いに孤立して設けられている。樹脂絶縁体22は、複数の銅柱21とコア部材15との間、及び、複数の銅柱21同士の間に介在して、複数の銅柱21を電気的に絶縁している。このような配線基板用コア基板11の第1主面16側には、例えば、絶縁層51,71及び導体層41,61を有するビルドアップ層31が形成される。
【選択図】 図11
【解決手段】本発明の配線基板用コア基板12は、板状のコア部材15、複数の銅柱21、樹脂絶縁体22等を含んで構成される。コア部材15は、第1主面16及び第2主面17を連通させる貫通孔18を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる。複数の銅柱21は、貫通孔18内にて散島状に互いに孤立して設けられている。樹脂絶縁体22は、複数の銅柱21とコア部材15との間、及び、複数の銅柱21同士の間に介在して、複数の銅柱21を電気的に絶縁している。このような配線基板用コア基板11の第1主面16側には、例えば、絶縁層51,71及び導体層41,61を有するビルドアップ層31が形成される。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板用コア基板及びその製造方法、並びにその配線基板用コア基板を用いたビルドアップ配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器、電子機器等の小型化に伴い、これらの機器に搭載される配線基板等にも小型化や高密度化が要求されている。かかる市場の要求に応えるべく、配線基板の多層化技術が検討されている。多層化の方法としては、コア材の主面に対して絶縁層と配線層とを交互に積層一体化する、いわゆるビルドアップ法が一般的に採用される。また、放熱性の向上等のために、ビルドアップ配線基板における配線基板用コア基板として、金属板を主体とするものも近年数多く提案されている。
【0003】
かかる配線基板用コア基板の一例を挙げるとすると、多数の貫通孔を有し、Fe−Ni合金からなる板状のコア部材と、貫通孔内にて島状に孤立して設けられた複数の銅柱と、銅柱とコア部材との間に介在して銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備えるものが従来提案されている。そして、前記コア基板は以下のような手順で製造される。
【0004】
まず、キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にエッチングレジストを形成する。次に、銅層をエッチングして多数の銅柱を形成する。次に、銅層においてエッチアウトされた箇所に、あらかじめ貫通孔が形成されたコア部材を配置する。貫通孔は、通常、銅柱の数と同数形成される。クラッド材にコア部材を配置した場合、個々の貫通孔内に銅柱が1つずつ配置された状態となる。次に、樹脂埋め工程を行って銅柱と貫通孔との間に樹脂絶縁層を形成した後、キャリア層及びバリア層を除去し、配線基板用コア基板とする。そして、このようにして得られた配線基板用コア基板の主面上に、絶縁層と導体層とを交互に積層すれば、最終的にビルドアップ配線基板を得ることができるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。そして、上記コア基板を用いたビルドアップ配線基板によると、全体的に高い剛性が確保されるため、寸法安定性及びハンドリング性を向上させることができるというメリットがある。また、あらかじめエッチングで形成された銅柱をスルーホール導体として利用できるため、実質的にスルーホール導体の狭ピッチ化が期待できる、といったメリットもある。さらに、スルーホール孔開け工程、スルーホール内めっき工程、スルーホールめっき後の孔埋め工程なども不要になるので、製造しやすくなり低コスト化にも向く、といったメリットもある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−164663号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−164664号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体集積回路の多端子化や端子の狭ピッチ化が今後さらに進んだ場合、それに併せてコア基板側における銅柱及び貫通孔の狭ピッチ化も図る必要性が生じる。しかしながら、個々の貫通孔内に銅柱を1つずつ配置した構造の上記配線基板用コア基板の場合、構造上の制約があることから、狭ピッチの銅柱及び貫通孔の形成が非常に困難であり、狭ピッチ化にはおのずと限界がある。
【0008】
例えば、貫通孔の直径を変更することなくそのピッチを狭くしようとすると、隣接する貫通孔同士がつながってしまう。また、貫通孔を小径にしたとしても、銅層のエッチアウト箇所にコア部材を配置する工程の際の位置合わせが非常に面倒になり、配線基板の製造が困難になってしまう。さらにこの場合に位置合わせをミスすると、銅柱の傷つき、変形、脱落等を引き起こし、歩留まりを低下させてしまう。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、寸法安定性やハンドリング性等に優れるばかりでなく、狭ピッチ品を高歩留まりで比較的簡単に製造することができる配線基板用コア基板及びその製造方法、並びにそれを用いたビルドアップ配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
そして上記課題を解決するための手段としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備えることを特徴とする配線基板用コア基板がある。
【0011】
従って、この構成によると、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材を用いたことにより、コア基板に好適な剛性が確保される。従って、熱応力が加わったときでもコア基板が反りにくくなり、また、両端面のみを下方から支持した状態での搬送(いわゆる端面搬送)を行う場合であってもコア基板が撓みにくくなる。つまり、寸法安定性やハンドリング性等に優れるコア基板となる。また、上記配線基板用コア基板では貫通孔内に複数の銅柱を散島状に互いに孤立して設けた構成を採用しているため、個々の貫通孔内に銅柱を1つずつ配置する従来構成とは異なり、比較的容易に銅柱を狭ピッチ化することが可能である。また、この場合においても貫通孔自体の極端な小径化は特に伴わない。さらに、銅柱を狭ピッチとしたときでも、コア部材を配置する際に位置合わせを困難なく行うことができる、コア基板の製造が比較的簡単になる。また、かかる位置合わせが容易になる結果、位置合わせミスに起因する銅柱の傷つき等が防止され、歩留まりも向上する。
【0012】
また、別の解決手段としては、請求項1に記載の配線基板用コア基板と、絶縁層及び導体層を有し、前記コア部材の第1主面側にのみ形成されたビルドアップ層とを備え、前記導体層と前記複数の銅柱とが接続導通されていることを特徴とするビルドアップ配線基板がある。
【0013】
従って、上記構成のビルドアップ配線基板によると、複数の銅柱をスルーホール導体として機能させることができる。このため、例えば、ビルドアップ層が形成されていない第2主面側に接続端子等を設けた場合には、前記接続端子とビルドアップ層とを容易にかつ確実に接続導通することができる。また、上記構成によれば、ビルドアップ層において発生した熱を、複数の銅柱を介して効率よく第2主面側に逃がすことも可能となる。
【0014】
また、別の解決手段としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備える配線基板用コア基板の製造方法において、キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にエッチングレジストを形成する工程と、前記銅層をエッチングして前記複数の銅柱を形成する工程と、前記銅層においてエッチアウトされた箇所に、あらかじめ前記貫通孔が形成された前記コア部材を配置する工程と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋める工程と、前記キャリア層を除去する工程と、前記バリア層を除去する工程とを含むことを特徴とする配線基板用コア基板の製造方法がある。
【0015】
従って、この方法によると、クラッド材にエッチングレジストを形成して銅層をエッチングすることにより、複数の銅柱が形成される。この段階ではまだ、銅柱の一方の端面はバリア層と接合しており、当該バリア層によって複数の銅柱同士の相対位置関係が保持されている。次に、前記エッチアウト箇所にコア部材を配置し、さらに樹脂埋め工程を行うことにより、複数の銅柱とコア部材との間及び複数の銅柱同士の間が樹脂絶縁体で埋められる。このとき、樹脂絶縁体の介在によって複数の銅柱同士の相対位置関係が保持されるとともに、複数の銅柱同士の絶縁が図られる。そして、キャリア層を除去する工程とバリア層を除去する工程とを行うことにより、隠れていた銅柱の一方の端面を露出させることができる。従って、この製造方法によれば、上記の配線基板用コア基板を比較的容易にかつ確実に製造することが可能である。
【0016】
なお、この方法では、複数の銅柱を形成する手法としてエッチングを採用しているため、機械加工などに比べて加工コストが安いばかりでなく、小径かつ狭ピッチの銅柱を精度よく形成することが可能である。
【0017】
上記配線基板において使用されるコア部材は、板状であって、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる。
【0018】
コア部材用金属材料の具体例としては、銅よりも低熱膨張性の銅合金、銅よりも低熱膨張性である銅以外の金属単体、銅よりも低熱膨張性である銅以外の金属の合金などが挙げられる。前記銅合金としては、アルミニウム青銅(Cu−Al系)、りん青銅(Cu−P系)、黄銅(Cu−Zn系)、キュプロニッケル(Cu−Ni系)などがある。前記銅以外の金属単体としては、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブテンなどがある。前記銅以外の合金としては、ステンレス(Fe−Cr系、Fe−Cr−Ni系などの鉄合金)、アンバー(Fe−Ni系合金、36%Ni)、いわゆる42アロイ(Fe−Ni系合金、42%Ni)、いわゆる50アロイ(Fe−Ni系合金、50%Ni)、ニッケル合金(Ni−P系、Ni−B系、Ni−Cu−P系)、コバルト合金(Co−P系、Co−B系、Co−Ni−P系)、スズ合金(Sn−Pb系、Sn−Pb−Pd系)などがある。
【0019】
これらの中でも特に、アンバー、42アロイ、50アロイといったFe−Ni系合金をコア部材用金属材料として用いることがよい。これら金属材料を用いることにより、コア基板全体の低熱膨張化を確実に図ることができるからである。また、Fe−Ni系合金は銅には劣るものの好適な導電性を有しているため、導通部分として機能させることも可能であり、高付加価値化に好適だからである。さらに、Fe−Ni系合金は銅には劣るものの好適な熱伝導性を有しているため、それを配線基板用コア基板に用いることで高放熱化を図ることができるからである。
【0020】
前記コア部材は、第1主面及び第2主面を有するとともに、第1主面及び第2主面を連通させる貫通孔を有している。かかる貫通孔は、コア部材の第1主面及び第2主面に対して直交する方向に直線的に延びていることがよく、また、第1主面及び第2主面に対して平行な面で切ったときに等断面形状となることがよい。コア部材における貫通孔の形成位置は特に限定されず任意に設定することができ、例えば、半導体集積回路チップを搭載するための領域(以下、単に「半導体搭載領域」と呼ぶ。)がある場合にはその領域に対応して設定される。もっとも、貫通孔の形成位置を半導体搭載領域以外の位置に設定しても構わない。また、1つのコア基板において前記貫通孔の数は1つであってもよいほか、2つ以上であってもよい。貫通孔の大きさ(貫通孔の開口面積)は特に限定されないが、少なくともその内部に複数の銅柱を互いに離間させて配置可能な大きさである必要がある。貫通孔の形状は特に限定されず任意の形状を採用することができ、例えば略矩形状や略円形状等とすることができる。
【0021】
前記複数の銅柱は前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられる。即ち、貫通孔内において複数の銅柱は、その貫通孔内にて互いに所定の間隔を保ちつつ、かつ貫通孔内周面からも所定の間隔を保ちつつ、相互に離間、孤立した状態で設けられている。なお、ここでいう「所定の間隔」とは、例えば銅柱をスルーホール導体のような導通構造として利用するような場合であれば、所定の絶縁間隔という意味になる。前記間隔(特に銅柱相互の間隔)は用途に応じて適宜設定することが可能であるが、具体的には少なくとも10μm以上、好ましくは10μm以上1000μm以下、特に好ましくは10μm以上100μm以下の範囲で確保されていることがよい。前記間隔が小さすぎると、製造が困難になったり、十分な絶縁が図れなくなったりするおそれがある。逆に前記間隔が大きすぎると、銅柱部分の狭ピッチ化を十分に図れなくなるおそれがある。
【0022】
ここで、銅柱を選択した理由は以下のとおりである。即ち、銅は導電性及び熱伝導性が高いため、スルーホール導体として利用したり、いわゆるサーマルビアとして利用したりする場合に好適だからである。銅柱の断面形状は特に限定されず任意であるが、例えば断面略円形状、略楕円形状、断面略多角形状等とすることができる。銅柱の直径は特に限定されないが、少なくとも1μm以上、好ましくは1μm以上200μm以下、特に好ましくは10μm以上100μm以下に設定されることがよい。前記直径が小さすぎると、製造が困難になり歩留まりが低下するおそれがある。逆に前記直径が大きすぎると、銅柱部分の狭ピッチ化を十分に図れなくなるおそれがある。
【0023】
前記樹脂絶縁層は、前記複数の銅柱と前記コア部材との間(即ち複数の柱部の外周面と貫通孔の内周面との間)及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する役割を果たす。
【0024】
樹脂絶縁層としては熱硬化性樹脂が好適であり、具体例を挙げると、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂、けい素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)などがある。
【0025】
例えば、エポキシ樹脂としては、いわゆるBP(ビスフェノール)型、PN(フェノールノボラック)型、CN(クレゾールノボラック)型のものを用いることがよい。特には、BP(ビスフェノール)型を主体とするものがよく、BPA(ビスフェノールA)型やBPF(ビスフェノールF)型が最もよい。
【0026】
前記ビルドアップ層は、コア部材の第1主面側及び第2主面側の少なくともいずれか一方に形成される。ただし、コア部材の第1主面側にのみビルドアップ層が形成され、コア基板の第2主面側にビルドアップ層が形成されていない構造であると、第1主面側にてビルドアップ層の収縮が起こる結果、コア基板が全体的に第1主面側に反りやすくなるので、高い剛性の確保が必須の課題となる。なお、このような反りの度合いは、ビルドアップ層の層数が増すほど顕著になる傾向がある。
【0027】
前記ビルドアップ層における絶縁層及び導体層は交互に積層されている。前記絶縁層としては熱硬化性樹脂が好適であり、具体例を挙げると、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)などがある。一方、前記導体層は、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などといった導電性金属材料からなる。かかる導体層は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって形成可能である。具体的にいうと、例えば、銅箔のエッチング、無電解銅めっきあるいは電解銅めっき、無電解ニッケルめっきあるいは電解ニッケルめっきなどの手法を用いることができる。なお、スパッタやCVD等の手法により金属層を形成した後にエッチングを行うことで導体層をパターン形成したり、導電性ペースト等の印刷により導体層をパターン形成したりすることも可能である。
【0028】
以下、上記配線基板用コア基板の製造方法について説明する。
【0029】
まず、キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材を用意し、このクラッド材上にエッチングレジストを形成する工程を行う。
【0030】
前記クラッド材を構成するキャリア層としては、金属層、樹脂層、セラミックス層などの層を挙げることができ、特に好適なものは金属層である。金属層の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、クロム、クロム合金、スズ、スズ合金、鉛、鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金などを挙げることができる。かかるキャリア層は、銅層をエッチングした状態でのクラッド材の強度保持という役割を果たしている。
【0031】
前記クラッド材を構成するバリア層についても、金属層、樹脂層、セラミックス層などから選択されることができる。かかるバリア層は、銅層とキャリア層との間に介在して両者を接合させるとともに、銅層とキャリア層とを物理的に隔てる障壁としての役割を果たしている。
【0032】
前記バリア層は、銅以外の材料からなることがよく、かつ、キャリア層を構成する金属以外の材料からなることがよい。かかるバリア層は、銅以外の材料からなることがよく、かつ、キャリア層を構成する金属以外の材料からなることがよい。キャリア層や銅層と同種の材料を用いたバリア層であると、バリア層としての上記役割を十分に達成できないからである。バリア層に使用される金属の具体例としては、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、クロム、クロム合金、スズ、スズ合金、鉛、鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金などを挙げることができる。バリア層に使用される樹脂としては、例えば、銅層とキャリア層とを接合する接着剤などであってもよい。
【0033】
前記銅層、前記キャリア層及び前記バリア層の厚さについては特に限定されないが、バリア層に関しては他の層に比べて薄いものであってもよい。
【0034】
そして、前記エッチングレジストは少なくとも銅層の表面上に形成され、必要があればキャリア材の表面上にも形成される。この場合のエッチングレジストとしては特に限定されないが、感光性を有する樹脂を用いることがよい。前記樹脂を用いれば、フォトリソグラフィによって、次工程において銅柱が形成されるべき位置にファインなエッチングレジストを精度よく形成できるからである。
【0035】
次に、銅を溶解しうる溶液をエッチャントとして用いて前記銅層をエッチングすることにより、前記複数の銅柱を形成する工程を行う。
【0036】
次に、あらかじめ貫通孔が形成された前記コア部材を用意するとともに、前記銅層においてエッチアウトされた箇所にそのコア部材を配置する工程を行う。
【0037】
コア部材に対して貫通孔を形成する手法としては、エッチング加工、レーザー加工、打ち抜きプレス加工などが可能であるが、中でも比較的安価なエッチング加工を選択することが好ましい。特に、フォトエッチングを選択した場合には、貫通孔の形成精度を高くすることができる。
【0038】
コア部材の外形寸法は特に限定されないが、クラッド材の外形寸法(即ち配線基板用コア基板の外形寸法)とほぼ等しいことがよい。また、配線基板用コア基板の投影面積に対するコア部材の投影面積の比率は、10%以上90%以下であることがよく、さらには20%以上80%以下であることがよく、特には30%以上70%以下であることがよい。この比率が小さすぎると、Fe−Ni系合金からなるコア部材を使用しているにもかかわらず、十分な剛性の向上を期待できなくなるおそれがある。逆にこの比率が大きすぎると、剛性については確実に向上する反面、貫通孔の面積分が相対的に少なくなってしまい、貫通孔内に数多くの銅柱を配置できなくなるおそれがある。従って、例えばスルーホール導体として利用可能な銅柱の数が制限され、配線基板の高密度化が達成されにくくなる。
【0039】
次に、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋める工程を行う。
【0040】
この場合において好適な方法としては、例えば、フィルム状絶縁樹脂材料を用いて積層圧着と孔埋めとを同時に行う方法がある。具体的には、クラッド材において銅柱及びコア部材がある側の表面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層して加熱加圧することにより、貫通孔を樹脂絶縁体で孔埋めすると同時に、前記表面上に樹脂絶縁層を積層圧着する。この方法の利点は、積層圧着及び孔埋めを別々に行う方法に比べて生産効率がよいことである。前記フィルム状絶縁樹脂材料としては、熱硬化性樹脂に無機フィラーを添加した材料を半硬化状態のフィルム状物としたものが使用される。積層圧着時の諸条件としては基本的には従来公知の条件と同様でよく、具体的には使用した熱硬化性樹脂の種類に応じて温度、時間、圧力等が適宜設定される。なお、積層圧着は真空下にて行われることが好ましく、これにより貫通孔内の樹脂絶縁体におけるボイドの発生を効果的に抑制することができる。
【0041】
次に、前記キャリア層を除去する工程を行い、隠れていたバリア層の片側面を露出させる。この場合、キャリア層を除去する手法としては、機械的な手法(例えば研削加工など)や、化学的な手法(例えばエッチングなど)が採用可能であるが、中でもエッチングを採用することが望ましい。エッチングは安価であることに加え、銅柱や樹脂絶縁体に与える機械的なダメージが小さいからである。
【0042】
次に、前記バリア層を除去する工程を行い、銅柱の一方側の端面と、コア部材の一方側面とを露出させる。バリア層を除去する手法としては、機械的手法や化学的手法のいずれでもよいが、上記の理由によりエッチングを採用することが望ましい。
【0043】
以上のようにして配線基板用コア基板を作製した後、その第1主面側にのみビルドアップ層を形成すれば、所望のビルドアップ配線基板を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態のビルドアップ配線基板11及びその製造方法を図1〜図11に基づき詳細に説明する。
【0045】
図1は、本実施形態のビルドアップ配線基板11に用いられる配線基板用コア基板12の全体平面図である。図2〜図9は、前記配線基板用コア基板12の製造工程を説明するための部分概略断面図である。図10は、配線基板用コア基板12にビルドアップ層31を形成した状態のビルドアップ配線基板11を示す部分概略断面図である。図11は、配線基板用コア基板12に接続端子14を形成した状態のビルドアップ配線基板11を示す部分概略断面図である。
【0046】
図1,図11に示されるように、このビルドアップ配線基板11を構成する配線基板用コア基板12は、Fe−Ni系圧延合金の一種である42アロイからなる板状のコア部材15を有している。コア部材15は上面16(即ち第1主面)及び下面17(即ち第2主面)を有している。コア部材15における略中央部には、平面視で略正方形状の貫通孔18が、上面16及び下面17を連通させるような状態で透設されている。なお、かかる貫通孔18が形成された箇所は、このビルドアップ配線基板11における半導体搭載領域19(いわゆるダイエリア)に対応している。つまり、前記貫通孔18の外形形状及び寸法は、このビルドアップ配線基板11上に搭載されるべき図示しない半導体集積回路チップの外形形状及び寸法とほぼ等しくなっている。
【0047】
前記貫通孔18の内部には、複数の円柱状の銅柱21(長さ200μm、直径50μm)が複数個(本実施形態では100個〜500個程度)かつ等ピッチ(50μmピッチ)で配置されている。即ち、前記複数の銅柱21は、貫通孔18内にて散島状に互いに孤立した状態で設けられている。
【0048】
貫通孔18内には無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁体22が形成されており、その樹脂絶縁体22によって複数の銅柱21とコア部材15との間及び複数の銅柱21同士の間が電気的に絶縁されている。
【0049】
図11に示されるように、コア部材15の上面16には、無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層23が形成されている。コア部材15の下面17には、同じく無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層24が形成されている。なお、上側の樹脂絶縁層23の表面上にはビルドアップ層31が形成される一方、下側の樹脂絶縁層24の表面上にはビルドアップ層31は形成されていない。即ち、本実施形態のビルドアップ配線基板11は、片側面にのみビルドアップ層31を有するものとなっている。
【0050】
前記ビルドアップ層31は、樹脂絶縁層51,71と導体層41,61とを交互に積層した構造を有している。
【0051】
第1の導体層41は、厚さ数十μmの銅からなり、上側の樹脂絶縁層23の表面上にてパターン形成されている。第1の導体層41の表面上には、感光性エポキシ樹脂を用いて第1の樹脂絶縁層51が形成されている。第2の導体層61は、厚さ数十μmの銅からなり、第1の樹脂絶縁層51の表面上にてパターン形成されている。第2の導体層61の表面上には、感光性エポキシ樹脂を用いて第2の樹脂絶縁層71が形成されている。樹脂絶縁層71には複数の開口部が設けられており、それらの開口部から露出した部分(即ちパッド部分)にははんだバンプ62が形成されている。なお、第2の樹脂絶縁層71はソルダーレジストとしての機能も果たしている。そして、各はんだバンプ62には半導体集積回路チップの各電極が接合されるようになっている。
【0052】
コア基板12における上側の樹脂絶縁層23には、無電解銅めっきによりブラインドビアホール導体26が形成されている。このブラインドビアホール導体26は、上記複数の銅柱21のうちの一部のものと、第1の導体層41とを接続導通させている。第1の樹脂絶縁層51には、無電解銅めっきによりブラインドビアホール導体52が形成されている。このブラインドビアホール導体52は、第1の導体層41と第2の導体層61とを接続導通させている。
【0053】
一方、図11に示されるように、コア基板12における下側の樹脂絶縁層24には、銅柱21に対応して透孔25が設けられており、その透孔25の部分には例えばはんだバンプ等のような接続端子14が設けられている。そして、これらの接続端子は、図示しないマザーボード側の端子と接合されるようになっている。
【0054】
次に、上記構成のビルドアップ配線基板11を製造する手順を図2〜図10に基づいて説明する。
【0055】
まず、キャリア層83と銅層82との間にバリア層84が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材81を用意する(図2参照)。具体的にいうと本実施形態では、キャリア層83が42アロイからなり、バリア層84がチタンからなるものを使用した。そして、このクラッド材81における銅層82の表面上に感光性樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィによってエッチングレジスト85を形成する。かかるエッチングレジスト85は、複数の銅柱21が形成されるべき位置に対応して配置される(図3参照)。
【0056】
次に、銅を溶解するが42アロイやチタンを溶解しない従来公知のエッチャントを用いて前記銅層82をエッチングすることにより、複数の銅柱21を形成する。この段階では、まだ、銅柱21の下端面はバリア層84と接合しており、当該バリア層84によって複数の銅柱21同士の相対位置関係が保持されている。この後、不要となったエッチングレジスト85を剥離する(図4参照)。
【0057】
次に、42アロイ板を用意してフォトエッチングを行うことで貫通孔18を形成し、所定のコア部材21を作製する。そして、このコア部材15を、銅層82においてエッチアウトされた箇所に位置合わせをしたうえで配置する。このとき、貫通孔18内に全ての銅柱21が位置した状態となる(図5参照)。
【0058】
そして、クラッド材81において銅柱21及びコア部材15がある側の表面上に、エポキシ樹脂に無機フィラーを添加してなるBステージのフィルム状絶縁樹脂材料86を積層して加熱加圧する。これにより、貫通孔18を樹脂絶縁体22で孔埋めすると同時に、前記表面上に樹脂絶縁層23を形成する(図6参照)。このような積層圧着及び孔埋めを一括して行うと、複数の銅柱21とコア部材15との間及び複数の銅柱21同士の間が樹脂絶縁体22で埋められる。このとき、樹脂絶縁体22の介在によって複数の銅柱21同士の相対位置関係が保持されるとともに、複数の銅柱21同士の絶縁が図られる。
【0059】
次に、42アロイを溶解するが銅やチタンを溶解しない従来公知のエッチャントを用いてエッチングを行うことにより、キャリア層83を除去して、隠れていたバリア層84の片側面を全体的に露出させる(図7参照)。さらに、チタンを溶解するが銅を溶解しない従来公知のエッチャントを用いてエッチングを行うことにより、バリア層84を除去して、複数の銅柱21の下端面と、コア部材15の下端面とを露出させる(図8参照)。そして、コア部材15の下面17側にエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層24を形成し、配線基板用コア基板12とする(図9参照)。
【0060】
以上のようにして配線基板用コア基板12を作製した後、その上面16(第1主面)側にのみビルドアップ層31を例えば下記の要領で形成する(図10参照)。
【0061】
まず、炭酸ガスレーザー等を用いたレーザー加工を行って、上側の樹脂絶縁層23において各銅柱21に対応した箇所に透孔を形成する。そして、特にマスクを形成しないで無電解銅めっきを施すことにより、透孔のある位置に無電解銅めっきからなるブラインドビアホール導体26を形成する。このとき樹脂絶縁層23の外表面全体にも無電解銅めっきが析出する。次に、かかる無電解銅めっき層上にエッチングレジストを形成してエッチングを行うことにより、第1の導体層41をパターニングする。次に、第1の導体層41を全体的に覆うように第1の樹脂絶縁層51を形成した後、レーザー加工を行って、第1の樹脂絶縁層51の所定部位に透孔を形成する。そして、特にマスクを形成しないで無電解銅めっきを施すことにより、透孔のある位置に無電解銅めっきからなるブラインドビアホール導体52を形成する。このとき第1の樹脂絶縁層51の外表面全体にも無電解銅めっきが析出する。次に、かかる無電解銅めっき層上にエッチングレジストを形成してエッチングを行うことにより、第2の導体層61をパターニングする。次に、第2の導体層61を全体的に覆うように第2の樹脂絶縁層71を形成した後、レーザー加工を行って、第2の樹脂絶縁層71の所定部位に開口部を形成し、第2の導体層61においてパッドとなるべき部分を露出させる。さらに、かかるパッド部分に無電解ニッケル−金めっきを施した後、はんだ印刷及びリフローを行ってはんだバンプ62を形成する。
【0062】
配線基板用コア基板12の下面17(第2主面)側については、まず、レーザー加工を行って、下側の樹脂絶縁層24において各銅柱21に対応した箇所に透孔を形成する。そしてこれらの透孔部分に接続端子14をはんだ付けすることにより、接続端子14側と銅柱21側とを電気的に接続する。
【0063】
以上の結果、所望のビルドアップ配線基板11を得ることができ、さらに図示しない半導体集積回路チップ等を搭載すれば、いわゆるメタルコアパッケージが完成する。
【0064】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0065】
(1)本実施形態の配線基板用コア基板12では、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材15を用いたことにより、コア基板12に好適な剛性が確保される。従って、熱応力が加わったときでもコア基板12が反りにくくなり、また、両端面のみを下方から支持した状態での搬送(いわゆる端面搬送)を行う場合であってもコア基板12が撓みにくくなる。つまり、寸法安定性やハンドリング性等に優れるコア基板12となる。また、上記配線基板用コア基板12では貫通孔18内に複数の銅柱21を散島状に互いに孤立して設けた構成を採用している。そのため、個々の貫通孔18内に銅柱21を1つずつ配置する従来構成とは異なり、比較的容易に銅柱21を狭ピッチ化することが可能である。また、この場合においても貫通孔18自体の極端な小径化は特に伴わない。さらに、銅柱21を狭ピッチとしたときでも、コア部材15を配置する際に位置合わせを困難なく行うことができる、コア基板12の製造が比較的簡単になる。また、かかる位置合わせが容易になる結果、位置合わせミスに起因する銅柱21の傷つき等が防止され、歩留まりも向上する。
【0066】
(2)また、上記コア基板12をコア材として備える本実施形態のビルドアップ配線基板11によると、複数の銅柱21をスルーホール導体として機能させることができる。このため、ビルドアップ層31が形成されていない下面17(第2主面)側に接続端子14を設けた場合でも、前記接続端子14とビルドアップ層31の導体層41,61とを容易にかつ確実に接続導通することができる。また、上記構成によれば、ビルドアップ層31において発生した熱を、複数の銅柱21を介して効率よく下面17(第2主面)側に逃がすことも可能となり、放熱性も向上する。
【0067】
(3)また、本実施形態の製造方法によれば、上記の配線基板用コア基板12を比較的容易にかつ確実に製造することができる。また、複数の銅柱21を形成する手法としてエッチングを採用しているため、機械加工などに比べて加工コストが安いばかりでなく、小径かつ狭ピッチの銅柱21を精度よく形成することができる。
【0068】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0069】
・前記実施形態では、フィルム状絶縁樹脂材料を用いて積層圧着及び孔埋めを行っていたが、その代わりに例えば樹脂の充填印刷等を行うようにしてもよい。
【0070】
・前記実施形態では、フィルム状絶縁樹脂材料を用いて樹脂絶縁層23の積層圧着及び貫通孔18の孔埋めを一括して行っていたが、勿論これに限定されることはなく、積層圧着及び孔埋めを別工程にて行うようにしてもよい。
【0071】
・ビルドアップ層31における絶縁層及び導体層の層数は、前記実施形態のものに限定されず、任意に増減することができる。
【0072】
・前記実施形態では、ビルドアップ配線基板11の下面17側にバンプ状の接続端子14を設けたが、その代わりにピン等を設けてもよい。また、接続端子14を全く設けない構成を採用してもよい。
【0073】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0074】
(1)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、Fe−Ni合金からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備える配線基板用コア基板の製造方法において、
キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にフォトリソグラフィによりエッチングレジストを形成する工程と、前記銅層をエッチングして前記複数の銅柱を形成する工程と、前記銅層においてエッチアウトされた箇所に、エッチングによってあらかじめ前記貫通孔が形成された前記コア部材を配置する工程と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋めると同時に、前記コア部材及び前記複数の銅柱を覆う樹脂絶縁層を積層形成する工程と、前記キャリア層をエッチングにより除去する工程と、前記バリア層をエッチングにより除去する工程と、前記バリア層の除去によって露出した面に樹脂絶縁層を積層形成する工程とを含むことを特徴とする配線基板用コア基板の製造方法。
【0075】
(2)請求項1において、前記コア部材は前記貫通孔を複数有するとともに、前記貫通孔の内径は前記銅柱の直径よりも大きくかつ前記銅柱のピッチよりも小さくなるように設定され、前記銅柱は前記貫通孔の略中心部にそれぞれ1つ配置されていることを特徴とする配線基板用コア基板。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のビルドアップ配線基板に用いられる配線基板用コア基板の全体平面図。
【図2】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図3】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図4】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図5】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図6】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図7】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図8】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図9】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図10】配線基板用コア基板にビルドアップ層を形成した状態のビルドアップ配線基板を示す部分概略断面図。
【図11】配線基板用コア基板に接続端子を形成した状態のビルドアップ配線基板を示す部分概略断面図。
【符号の説明】
11…ビルドアップ配線基板
12…配線基板用コア基板
15…コア部材
16…上面である第1主面
17…下面である第2主面
18…貫通孔
21…銅柱
23,24…樹脂絶縁体
31…ビルドアップ層
41,61…導体層
51,71…絶縁層
81…クラッド材
82…銅層
83…キャリア層
84…バリア層
85…エッチングレジスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板用コア基板及びその製造方法、並びにその配線基板用コア基板を用いたビルドアップ配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器、電子機器等の小型化に伴い、これらの機器に搭載される配線基板等にも小型化や高密度化が要求されている。かかる市場の要求に応えるべく、配線基板の多層化技術が検討されている。多層化の方法としては、コア材の主面に対して絶縁層と配線層とを交互に積層一体化する、いわゆるビルドアップ法が一般的に採用される。また、放熱性の向上等のために、ビルドアップ配線基板における配線基板用コア基板として、金属板を主体とするものも近年数多く提案されている。
【0003】
かかる配線基板用コア基板の一例を挙げるとすると、多数の貫通孔を有し、Fe−Ni合金からなる板状のコア部材と、貫通孔内にて島状に孤立して設けられた複数の銅柱と、銅柱とコア部材との間に介在して銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備えるものが従来提案されている。そして、前記コア基板は以下のような手順で製造される。
【0004】
まず、キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にエッチングレジストを形成する。次に、銅層をエッチングして多数の銅柱を形成する。次に、銅層においてエッチアウトされた箇所に、あらかじめ貫通孔が形成されたコア部材を配置する。貫通孔は、通常、銅柱の数と同数形成される。クラッド材にコア部材を配置した場合、個々の貫通孔内に銅柱が1つずつ配置された状態となる。次に、樹脂埋め工程を行って銅柱と貫通孔との間に樹脂絶縁層を形成した後、キャリア層及びバリア層を除去し、配線基板用コア基板とする。そして、このようにして得られた配線基板用コア基板の主面上に、絶縁層と導体層とを交互に積層すれば、最終的にビルドアップ配線基板を得ることができるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。そして、上記コア基板を用いたビルドアップ配線基板によると、全体的に高い剛性が確保されるため、寸法安定性及びハンドリング性を向上させることができるというメリットがある。また、あらかじめエッチングで形成された銅柱をスルーホール導体として利用できるため、実質的にスルーホール導体の狭ピッチ化が期待できる、といったメリットもある。さらに、スルーホール孔開け工程、スルーホール内めっき工程、スルーホールめっき後の孔埋め工程なども不要になるので、製造しやすくなり低コスト化にも向く、といったメリットもある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−164663号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−164664号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体集積回路の多端子化や端子の狭ピッチ化が今後さらに進んだ場合、それに併せてコア基板側における銅柱及び貫通孔の狭ピッチ化も図る必要性が生じる。しかしながら、個々の貫通孔内に銅柱を1つずつ配置した構造の上記配線基板用コア基板の場合、構造上の制約があることから、狭ピッチの銅柱及び貫通孔の形成が非常に困難であり、狭ピッチ化にはおのずと限界がある。
【0008】
例えば、貫通孔の直径を変更することなくそのピッチを狭くしようとすると、隣接する貫通孔同士がつながってしまう。また、貫通孔を小径にしたとしても、銅層のエッチアウト箇所にコア部材を配置する工程の際の位置合わせが非常に面倒になり、配線基板の製造が困難になってしまう。さらにこの場合に位置合わせをミスすると、銅柱の傷つき、変形、脱落等を引き起こし、歩留まりを低下させてしまう。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、寸法安定性やハンドリング性等に優れるばかりでなく、狭ピッチ品を高歩留まりで比較的簡単に製造することができる配線基板用コア基板及びその製造方法、並びにそれを用いたビルドアップ配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
そして上記課題を解決するための手段としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備えることを特徴とする配線基板用コア基板がある。
【0011】
従って、この構成によると、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材を用いたことにより、コア基板に好適な剛性が確保される。従って、熱応力が加わったときでもコア基板が反りにくくなり、また、両端面のみを下方から支持した状態での搬送(いわゆる端面搬送)を行う場合であってもコア基板が撓みにくくなる。つまり、寸法安定性やハンドリング性等に優れるコア基板となる。また、上記配線基板用コア基板では貫通孔内に複数の銅柱を散島状に互いに孤立して設けた構成を採用しているため、個々の貫通孔内に銅柱を1つずつ配置する従来構成とは異なり、比較的容易に銅柱を狭ピッチ化することが可能である。また、この場合においても貫通孔自体の極端な小径化は特に伴わない。さらに、銅柱を狭ピッチとしたときでも、コア部材を配置する際に位置合わせを困難なく行うことができる、コア基板の製造が比較的簡単になる。また、かかる位置合わせが容易になる結果、位置合わせミスに起因する銅柱の傷つき等が防止され、歩留まりも向上する。
【0012】
また、別の解決手段としては、請求項1に記載の配線基板用コア基板と、絶縁層及び導体層を有し、前記コア部材の第1主面側にのみ形成されたビルドアップ層とを備え、前記導体層と前記複数の銅柱とが接続導通されていることを特徴とするビルドアップ配線基板がある。
【0013】
従って、上記構成のビルドアップ配線基板によると、複数の銅柱をスルーホール導体として機能させることができる。このため、例えば、ビルドアップ層が形成されていない第2主面側に接続端子等を設けた場合には、前記接続端子とビルドアップ層とを容易にかつ確実に接続導通することができる。また、上記構成によれば、ビルドアップ層において発生した熱を、複数の銅柱を介して効率よく第2主面側に逃がすことも可能となる。
【0014】
また、別の解決手段としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備える配線基板用コア基板の製造方法において、キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にエッチングレジストを形成する工程と、前記銅層をエッチングして前記複数の銅柱を形成する工程と、前記銅層においてエッチアウトされた箇所に、あらかじめ前記貫通孔が形成された前記コア部材を配置する工程と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋める工程と、前記キャリア層を除去する工程と、前記バリア層を除去する工程とを含むことを特徴とする配線基板用コア基板の製造方法がある。
【0015】
従って、この方法によると、クラッド材にエッチングレジストを形成して銅層をエッチングすることにより、複数の銅柱が形成される。この段階ではまだ、銅柱の一方の端面はバリア層と接合しており、当該バリア層によって複数の銅柱同士の相対位置関係が保持されている。次に、前記エッチアウト箇所にコア部材を配置し、さらに樹脂埋め工程を行うことにより、複数の銅柱とコア部材との間及び複数の銅柱同士の間が樹脂絶縁体で埋められる。このとき、樹脂絶縁体の介在によって複数の銅柱同士の相対位置関係が保持されるとともに、複数の銅柱同士の絶縁が図られる。そして、キャリア層を除去する工程とバリア層を除去する工程とを行うことにより、隠れていた銅柱の一方の端面を露出させることができる。従って、この製造方法によれば、上記の配線基板用コア基板を比較的容易にかつ確実に製造することが可能である。
【0016】
なお、この方法では、複数の銅柱を形成する手法としてエッチングを採用しているため、機械加工などに比べて加工コストが安いばかりでなく、小径かつ狭ピッチの銅柱を精度よく形成することが可能である。
【0017】
上記配線基板において使用されるコア部材は、板状であって、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる。
【0018】
コア部材用金属材料の具体例としては、銅よりも低熱膨張性の銅合金、銅よりも低熱膨張性である銅以外の金属単体、銅よりも低熱膨張性である銅以外の金属の合金などが挙げられる。前記銅合金としては、アルミニウム青銅(Cu−Al系)、りん青銅(Cu−P系)、黄銅(Cu−Zn系)、キュプロニッケル(Cu−Ni系)などがある。前記銅以外の金属単体としては、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブテンなどがある。前記銅以外の合金としては、ステンレス(Fe−Cr系、Fe−Cr−Ni系などの鉄合金)、アンバー(Fe−Ni系合金、36%Ni)、いわゆる42アロイ(Fe−Ni系合金、42%Ni)、いわゆる50アロイ(Fe−Ni系合金、50%Ni)、ニッケル合金(Ni−P系、Ni−B系、Ni−Cu−P系)、コバルト合金(Co−P系、Co−B系、Co−Ni−P系)、スズ合金(Sn−Pb系、Sn−Pb−Pd系)などがある。
【0019】
これらの中でも特に、アンバー、42アロイ、50アロイといったFe−Ni系合金をコア部材用金属材料として用いることがよい。これら金属材料を用いることにより、コア基板全体の低熱膨張化を確実に図ることができるからである。また、Fe−Ni系合金は銅には劣るものの好適な導電性を有しているため、導通部分として機能させることも可能であり、高付加価値化に好適だからである。さらに、Fe−Ni系合金は銅には劣るものの好適な熱伝導性を有しているため、それを配線基板用コア基板に用いることで高放熱化を図ることができるからである。
【0020】
前記コア部材は、第1主面及び第2主面を有するとともに、第1主面及び第2主面を連通させる貫通孔を有している。かかる貫通孔は、コア部材の第1主面及び第2主面に対して直交する方向に直線的に延びていることがよく、また、第1主面及び第2主面に対して平行な面で切ったときに等断面形状となることがよい。コア部材における貫通孔の形成位置は特に限定されず任意に設定することができ、例えば、半導体集積回路チップを搭載するための領域(以下、単に「半導体搭載領域」と呼ぶ。)がある場合にはその領域に対応して設定される。もっとも、貫通孔の形成位置を半導体搭載領域以外の位置に設定しても構わない。また、1つのコア基板において前記貫通孔の数は1つであってもよいほか、2つ以上であってもよい。貫通孔の大きさ(貫通孔の開口面積)は特に限定されないが、少なくともその内部に複数の銅柱を互いに離間させて配置可能な大きさである必要がある。貫通孔の形状は特に限定されず任意の形状を採用することができ、例えば略矩形状や略円形状等とすることができる。
【0021】
前記複数の銅柱は前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられる。即ち、貫通孔内において複数の銅柱は、その貫通孔内にて互いに所定の間隔を保ちつつ、かつ貫通孔内周面からも所定の間隔を保ちつつ、相互に離間、孤立した状態で設けられている。なお、ここでいう「所定の間隔」とは、例えば銅柱をスルーホール導体のような導通構造として利用するような場合であれば、所定の絶縁間隔という意味になる。前記間隔(特に銅柱相互の間隔)は用途に応じて適宜設定することが可能であるが、具体的には少なくとも10μm以上、好ましくは10μm以上1000μm以下、特に好ましくは10μm以上100μm以下の範囲で確保されていることがよい。前記間隔が小さすぎると、製造が困難になったり、十分な絶縁が図れなくなったりするおそれがある。逆に前記間隔が大きすぎると、銅柱部分の狭ピッチ化を十分に図れなくなるおそれがある。
【0022】
ここで、銅柱を選択した理由は以下のとおりである。即ち、銅は導電性及び熱伝導性が高いため、スルーホール導体として利用したり、いわゆるサーマルビアとして利用したりする場合に好適だからである。銅柱の断面形状は特に限定されず任意であるが、例えば断面略円形状、略楕円形状、断面略多角形状等とすることができる。銅柱の直径は特に限定されないが、少なくとも1μm以上、好ましくは1μm以上200μm以下、特に好ましくは10μm以上100μm以下に設定されることがよい。前記直径が小さすぎると、製造が困難になり歩留まりが低下するおそれがある。逆に前記直径が大きすぎると、銅柱部分の狭ピッチ化を十分に図れなくなるおそれがある。
【0023】
前記樹脂絶縁層は、前記複数の銅柱と前記コア部材との間(即ち複数の柱部の外周面と貫通孔の内周面との間)及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する役割を果たす。
【0024】
樹脂絶縁層としては熱硬化性樹脂が好適であり、具体例を挙げると、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂、けい素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)などがある。
【0025】
例えば、エポキシ樹脂としては、いわゆるBP(ビスフェノール)型、PN(フェノールノボラック)型、CN(クレゾールノボラック)型のものを用いることがよい。特には、BP(ビスフェノール)型を主体とするものがよく、BPA(ビスフェノールA)型やBPF(ビスフェノールF)型が最もよい。
【0026】
前記ビルドアップ層は、コア部材の第1主面側及び第2主面側の少なくともいずれか一方に形成される。ただし、コア部材の第1主面側にのみビルドアップ層が形成され、コア基板の第2主面側にビルドアップ層が形成されていない構造であると、第1主面側にてビルドアップ層の収縮が起こる結果、コア基板が全体的に第1主面側に反りやすくなるので、高い剛性の確保が必須の課題となる。なお、このような反りの度合いは、ビルドアップ層の層数が増すほど顕著になる傾向がある。
【0027】
前記ビルドアップ層における絶縁層及び導体層は交互に積層されている。前記絶縁層としては熱硬化性樹脂が好適であり、具体例を挙げると、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)などがある。一方、前記導体層は、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などといった導電性金属材料からなる。かかる導体層は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって形成可能である。具体的にいうと、例えば、銅箔のエッチング、無電解銅めっきあるいは電解銅めっき、無電解ニッケルめっきあるいは電解ニッケルめっきなどの手法を用いることができる。なお、スパッタやCVD等の手法により金属層を形成した後にエッチングを行うことで導体層をパターン形成したり、導電性ペースト等の印刷により導体層をパターン形成したりすることも可能である。
【0028】
以下、上記配線基板用コア基板の製造方法について説明する。
【0029】
まず、キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材を用意し、このクラッド材上にエッチングレジストを形成する工程を行う。
【0030】
前記クラッド材を構成するキャリア層としては、金属層、樹脂層、セラミックス層などの層を挙げることができ、特に好適なものは金属層である。金属層の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、クロム、クロム合金、スズ、スズ合金、鉛、鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金などを挙げることができる。かかるキャリア層は、銅層をエッチングした状態でのクラッド材の強度保持という役割を果たしている。
【0031】
前記クラッド材を構成するバリア層についても、金属層、樹脂層、セラミックス層などから選択されることができる。かかるバリア層は、銅層とキャリア層との間に介在して両者を接合させるとともに、銅層とキャリア層とを物理的に隔てる障壁としての役割を果たしている。
【0032】
前記バリア層は、銅以外の材料からなることがよく、かつ、キャリア層を構成する金属以外の材料からなることがよい。かかるバリア層は、銅以外の材料からなることがよく、かつ、キャリア層を構成する金属以外の材料からなることがよい。キャリア層や銅層と同種の材料を用いたバリア層であると、バリア層としての上記役割を十分に達成できないからである。バリア層に使用される金属の具体例としては、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、クロム、クロム合金、スズ、スズ合金、鉛、鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金などを挙げることができる。バリア層に使用される樹脂としては、例えば、銅層とキャリア層とを接合する接着剤などであってもよい。
【0033】
前記銅層、前記キャリア層及び前記バリア層の厚さについては特に限定されないが、バリア層に関しては他の層に比べて薄いものであってもよい。
【0034】
そして、前記エッチングレジストは少なくとも銅層の表面上に形成され、必要があればキャリア材の表面上にも形成される。この場合のエッチングレジストとしては特に限定されないが、感光性を有する樹脂を用いることがよい。前記樹脂を用いれば、フォトリソグラフィによって、次工程において銅柱が形成されるべき位置にファインなエッチングレジストを精度よく形成できるからである。
【0035】
次に、銅を溶解しうる溶液をエッチャントとして用いて前記銅層をエッチングすることにより、前記複数の銅柱を形成する工程を行う。
【0036】
次に、あらかじめ貫通孔が形成された前記コア部材を用意するとともに、前記銅層においてエッチアウトされた箇所にそのコア部材を配置する工程を行う。
【0037】
コア部材に対して貫通孔を形成する手法としては、エッチング加工、レーザー加工、打ち抜きプレス加工などが可能であるが、中でも比較的安価なエッチング加工を選択することが好ましい。特に、フォトエッチングを選択した場合には、貫通孔の形成精度を高くすることができる。
【0038】
コア部材の外形寸法は特に限定されないが、クラッド材の外形寸法(即ち配線基板用コア基板の外形寸法)とほぼ等しいことがよい。また、配線基板用コア基板の投影面積に対するコア部材の投影面積の比率は、10%以上90%以下であることがよく、さらには20%以上80%以下であることがよく、特には30%以上70%以下であることがよい。この比率が小さすぎると、Fe−Ni系合金からなるコア部材を使用しているにもかかわらず、十分な剛性の向上を期待できなくなるおそれがある。逆にこの比率が大きすぎると、剛性については確実に向上する反面、貫通孔の面積分が相対的に少なくなってしまい、貫通孔内に数多くの銅柱を配置できなくなるおそれがある。従って、例えばスルーホール導体として利用可能な銅柱の数が制限され、配線基板の高密度化が達成されにくくなる。
【0039】
次に、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋める工程を行う。
【0040】
この場合において好適な方法としては、例えば、フィルム状絶縁樹脂材料を用いて積層圧着と孔埋めとを同時に行う方法がある。具体的には、クラッド材において銅柱及びコア部材がある側の表面上にフィルム状絶縁樹脂材料を積層して加熱加圧することにより、貫通孔を樹脂絶縁体で孔埋めすると同時に、前記表面上に樹脂絶縁層を積層圧着する。この方法の利点は、積層圧着及び孔埋めを別々に行う方法に比べて生産効率がよいことである。前記フィルム状絶縁樹脂材料としては、熱硬化性樹脂に無機フィラーを添加した材料を半硬化状態のフィルム状物としたものが使用される。積層圧着時の諸条件としては基本的には従来公知の条件と同様でよく、具体的には使用した熱硬化性樹脂の種類に応じて温度、時間、圧力等が適宜設定される。なお、積層圧着は真空下にて行われることが好ましく、これにより貫通孔内の樹脂絶縁体におけるボイドの発生を効果的に抑制することができる。
【0041】
次に、前記キャリア層を除去する工程を行い、隠れていたバリア層の片側面を露出させる。この場合、キャリア層を除去する手法としては、機械的な手法(例えば研削加工など)や、化学的な手法(例えばエッチングなど)が採用可能であるが、中でもエッチングを採用することが望ましい。エッチングは安価であることに加え、銅柱や樹脂絶縁体に与える機械的なダメージが小さいからである。
【0042】
次に、前記バリア層を除去する工程を行い、銅柱の一方側の端面と、コア部材の一方側面とを露出させる。バリア層を除去する手法としては、機械的手法や化学的手法のいずれでもよいが、上記の理由によりエッチングを採用することが望ましい。
【0043】
以上のようにして配線基板用コア基板を作製した後、その第1主面側にのみビルドアップ層を形成すれば、所望のビルドアップ配線基板を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態のビルドアップ配線基板11及びその製造方法を図1〜図11に基づき詳細に説明する。
【0045】
図1は、本実施形態のビルドアップ配線基板11に用いられる配線基板用コア基板12の全体平面図である。図2〜図9は、前記配線基板用コア基板12の製造工程を説明するための部分概略断面図である。図10は、配線基板用コア基板12にビルドアップ層31を形成した状態のビルドアップ配線基板11を示す部分概略断面図である。図11は、配線基板用コア基板12に接続端子14を形成した状態のビルドアップ配線基板11を示す部分概略断面図である。
【0046】
図1,図11に示されるように、このビルドアップ配線基板11を構成する配線基板用コア基板12は、Fe−Ni系圧延合金の一種である42アロイからなる板状のコア部材15を有している。コア部材15は上面16(即ち第1主面)及び下面17(即ち第2主面)を有している。コア部材15における略中央部には、平面視で略正方形状の貫通孔18が、上面16及び下面17を連通させるような状態で透設されている。なお、かかる貫通孔18が形成された箇所は、このビルドアップ配線基板11における半導体搭載領域19(いわゆるダイエリア)に対応している。つまり、前記貫通孔18の外形形状及び寸法は、このビルドアップ配線基板11上に搭載されるべき図示しない半導体集積回路チップの外形形状及び寸法とほぼ等しくなっている。
【0047】
前記貫通孔18の内部には、複数の円柱状の銅柱21(長さ200μm、直径50μm)が複数個(本実施形態では100個〜500個程度)かつ等ピッチ(50μmピッチ)で配置されている。即ち、前記複数の銅柱21は、貫通孔18内にて散島状に互いに孤立した状態で設けられている。
【0048】
貫通孔18内には無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁体22が形成されており、その樹脂絶縁体22によって複数の銅柱21とコア部材15との間及び複数の銅柱21同士の間が電気的に絶縁されている。
【0049】
図11に示されるように、コア部材15の上面16には、無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層23が形成されている。コア部材15の下面17には、同じく無機フィラー入りのエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層24が形成されている。なお、上側の樹脂絶縁層23の表面上にはビルドアップ層31が形成される一方、下側の樹脂絶縁層24の表面上にはビルドアップ層31は形成されていない。即ち、本実施形態のビルドアップ配線基板11は、片側面にのみビルドアップ層31を有するものとなっている。
【0050】
前記ビルドアップ層31は、樹脂絶縁層51,71と導体層41,61とを交互に積層した構造を有している。
【0051】
第1の導体層41は、厚さ数十μmの銅からなり、上側の樹脂絶縁層23の表面上にてパターン形成されている。第1の導体層41の表面上には、感光性エポキシ樹脂を用いて第1の樹脂絶縁層51が形成されている。第2の導体層61は、厚さ数十μmの銅からなり、第1の樹脂絶縁層51の表面上にてパターン形成されている。第2の導体層61の表面上には、感光性エポキシ樹脂を用いて第2の樹脂絶縁層71が形成されている。樹脂絶縁層71には複数の開口部が設けられており、それらの開口部から露出した部分(即ちパッド部分)にははんだバンプ62が形成されている。なお、第2の樹脂絶縁層71はソルダーレジストとしての機能も果たしている。そして、各はんだバンプ62には半導体集積回路チップの各電極が接合されるようになっている。
【0052】
コア基板12における上側の樹脂絶縁層23には、無電解銅めっきによりブラインドビアホール導体26が形成されている。このブラインドビアホール導体26は、上記複数の銅柱21のうちの一部のものと、第1の導体層41とを接続導通させている。第1の樹脂絶縁層51には、無電解銅めっきによりブラインドビアホール導体52が形成されている。このブラインドビアホール導体52は、第1の導体層41と第2の導体層61とを接続導通させている。
【0053】
一方、図11に示されるように、コア基板12における下側の樹脂絶縁層24には、銅柱21に対応して透孔25が設けられており、その透孔25の部分には例えばはんだバンプ等のような接続端子14が設けられている。そして、これらの接続端子は、図示しないマザーボード側の端子と接合されるようになっている。
【0054】
次に、上記構成のビルドアップ配線基板11を製造する手順を図2〜図10に基づいて説明する。
【0055】
まず、キャリア層83と銅層82との間にバリア層84が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材81を用意する(図2参照)。具体的にいうと本実施形態では、キャリア層83が42アロイからなり、バリア層84がチタンからなるものを使用した。そして、このクラッド材81における銅層82の表面上に感光性樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィによってエッチングレジスト85を形成する。かかるエッチングレジスト85は、複数の銅柱21が形成されるべき位置に対応して配置される(図3参照)。
【0056】
次に、銅を溶解するが42アロイやチタンを溶解しない従来公知のエッチャントを用いて前記銅層82をエッチングすることにより、複数の銅柱21を形成する。この段階では、まだ、銅柱21の下端面はバリア層84と接合しており、当該バリア層84によって複数の銅柱21同士の相対位置関係が保持されている。この後、不要となったエッチングレジスト85を剥離する(図4参照)。
【0057】
次に、42アロイ板を用意してフォトエッチングを行うことで貫通孔18を形成し、所定のコア部材21を作製する。そして、このコア部材15を、銅層82においてエッチアウトされた箇所に位置合わせをしたうえで配置する。このとき、貫通孔18内に全ての銅柱21が位置した状態となる(図5参照)。
【0058】
そして、クラッド材81において銅柱21及びコア部材15がある側の表面上に、エポキシ樹脂に無機フィラーを添加してなるBステージのフィルム状絶縁樹脂材料86を積層して加熱加圧する。これにより、貫通孔18を樹脂絶縁体22で孔埋めすると同時に、前記表面上に樹脂絶縁層23を形成する(図6参照)。このような積層圧着及び孔埋めを一括して行うと、複数の銅柱21とコア部材15との間及び複数の銅柱21同士の間が樹脂絶縁体22で埋められる。このとき、樹脂絶縁体22の介在によって複数の銅柱21同士の相対位置関係が保持されるとともに、複数の銅柱21同士の絶縁が図られる。
【0059】
次に、42アロイを溶解するが銅やチタンを溶解しない従来公知のエッチャントを用いてエッチングを行うことにより、キャリア層83を除去して、隠れていたバリア層84の片側面を全体的に露出させる(図7参照)。さらに、チタンを溶解するが銅を溶解しない従来公知のエッチャントを用いてエッチングを行うことにより、バリア層84を除去して、複数の銅柱21の下端面と、コア部材15の下端面とを露出させる(図8参照)。そして、コア部材15の下面17側にエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層24を形成し、配線基板用コア基板12とする(図9参照)。
【0060】
以上のようにして配線基板用コア基板12を作製した後、その上面16(第1主面)側にのみビルドアップ層31を例えば下記の要領で形成する(図10参照)。
【0061】
まず、炭酸ガスレーザー等を用いたレーザー加工を行って、上側の樹脂絶縁層23において各銅柱21に対応した箇所に透孔を形成する。そして、特にマスクを形成しないで無電解銅めっきを施すことにより、透孔のある位置に無電解銅めっきからなるブラインドビアホール導体26を形成する。このとき樹脂絶縁層23の外表面全体にも無電解銅めっきが析出する。次に、かかる無電解銅めっき層上にエッチングレジストを形成してエッチングを行うことにより、第1の導体層41をパターニングする。次に、第1の導体層41を全体的に覆うように第1の樹脂絶縁層51を形成した後、レーザー加工を行って、第1の樹脂絶縁層51の所定部位に透孔を形成する。そして、特にマスクを形成しないで無電解銅めっきを施すことにより、透孔のある位置に無電解銅めっきからなるブラインドビアホール導体52を形成する。このとき第1の樹脂絶縁層51の外表面全体にも無電解銅めっきが析出する。次に、かかる無電解銅めっき層上にエッチングレジストを形成してエッチングを行うことにより、第2の導体層61をパターニングする。次に、第2の導体層61を全体的に覆うように第2の樹脂絶縁層71を形成した後、レーザー加工を行って、第2の樹脂絶縁層71の所定部位に開口部を形成し、第2の導体層61においてパッドとなるべき部分を露出させる。さらに、かかるパッド部分に無電解ニッケル−金めっきを施した後、はんだ印刷及びリフローを行ってはんだバンプ62を形成する。
【0062】
配線基板用コア基板12の下面17(第2主面)側については、まず、レーザー加工を行って、下側の樹脂絶縁層24において各銅柱21に対応した箇所に透孔を形成する。そしてこれらの透孔部分に接続端子14をはんだ付けすることにより、接続端子14側と銅柱21側とを電気的に接続する。
【0063】
以上の結果、所望のビルドアップ配線基板11を得ることができ、さらに図示しない半導体集積回路チップ等を搭載すれば、いわゆるメタルコアパッケージが完成する。
【0064】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0065】
(1)本実施形態の配線基板用コア基板12では、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材15を用いたことにより、コア基板12に好適な剛性が確保される。従って、熱応力が加わったときでもコア基板12が反りにくくなり、また、両端面のみを下方から支持した状態での搬送(いわゆる端面搬送)を行う場合であってもコア基板12が撓みにくくなる。つまり、寸法安定性やハンドリング性等に優れるコア基板12となる。また、上記配線基板用コア基板12では貫通孔18内に複数の銅柱21を散島状に互いに孤立して設けた構成を採用している。そのため、個々の貫通孔18内に銅柱21を1つずつ配置する従来構成とは異なり、比較的容易に銅柱21を狭ピッチ化することが可能である。また、この場合においても貫通孔18自体の極端な小径化は特に伴わない。さらに、銅柱21を狭ピッチとしたときでも、コア部材15を配置する際に位置合わせを困難なく行うことができる、コア基板12の製造が比較的簡単になる。また、かかる位置合わせが容易になる結果、位置合わせミスに起因する銅柱21の傷つき等が防止され、歩留まりも向上する。
【0066】
(2)また、上記コア基板12をコア材として備える本実施形態のビルドアップ配線基板11によると、複数の銅柱21をスルーホール導体として機能させることができる。このため、ビルドアップ層31が形成されていない下面17(第2主面)側に接続端子14を設けた場合でも、前記接続端子14とビルドアップ層31の導体層41,61とを容易にかつ確実に接続導通することができる。また、上記構成によれば、ビルドアップ層31において発生した熱を、複数の銅柱21を介して効率よく下面17(第2主面)側に逃がすことも可能となり、放熱性も向上する。
【0067】
(3)また、本実施形態の製造方法によれば、上記の配線基板用コア基板12を比較的容易にかつ確実に製造することができる。また、複数の銅柱21を形成する手法としてエッチングを採用しているため、機械加工などに比べて加工コストが安いばかりでなく、小径かつ狭ピッチの銅柱21を精度よく形成することができる。
【0068】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0069】
・前記実施形態では、フィルム状絶縁樹脂材料を用いて積層圧着及び孔埋めを行っていたが、その代わりに例えば樹脂の充填印刷等を行うようにしてもよい。
【0070】
・前記実施形態では、フィルム状絶縁樹脂材料を用いて樹脂絶縁層23の積層圧着及び貫通孔18の孔埋めを一括して行っていたが、勿論これに限定されることはなく、積層圧着及び孔埋めを別工程にて行うようにしてもよい。
【0071】
・ビルドアップ層31における絶縁層及び導体層の層数は、前記実施形態のものに限定されず、任意に増減することができる。
【0072】
・前記実施形態では、ビルドアップ配線基板11の下面17側にバンプ状の接続端子14を設けたが、その代わりにピン等を設けてもよい。また、接続端子14を全く設けない構成を採用してもよい。
【0073】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0074】
(1)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、Fe−Ni合金からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備える配線基板用コア基板の製造方法において、
キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にフォトリソグラフィによりエッチングレジストを形成する工程と、前記銅層をエッチングして前記複数の銅柱を形成する工程と、前記銅層においてエッチアウトされた箇所に、エッチングによってあらかじめ前記貫通孔が形成された前記コア部材を配置する工程と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋めると同時に、前記コア部材及び前記複数の銅柱を覆う樹脂絶縁層を積層形成する工程と、前記キャリア層をエッチングにより除去する工程と、前記バリア層をエッチングにより除去する工程と、前記バリア層の除去によって露出した面に樹脂絶縁層を積層形成する工程とを含むことを特徴とする配線基板用コア基板の製造方法。
【0075】
(2)請求項1において、前記コア部材は前記貫通孔を複数有するとともに、前記貫通孔の内径は前記銅柱の直径よりも大きくかつ前記銅柱のピッチよりも小さくなるように設定され、前記銅柱は前記貫通孔の略中心部にそれぞれ1つ配置されていることを特徴とする配線基板用コア基板。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のビルドアップ配線基板に用いられる配線基板用コア基板の全体平面図。
【図2】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図3】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図4】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図5】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図6】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図7】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図8】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図9】配線基板用コア基板の製造工程を説明するための部分概略断面図。
【図10】配線基板用コア基板にビルドアップ層を形成した状態のビルドアップ配線基板を示す部分概略断面図。
【図11】配線基板用コア基板に接続端子を形成した状態のビルドアップ配線基板を示す部分概略断面図。
【符号の説明】
11…ビルドアップ配線基板
12…配線基板用コア基板
15…コア部材
16…上面である第1主面
17…下面である第2主面
18…貫通孔
21…銅柱
23,24…樹脂絶縁体
31…ビルドアップ層
41,61…導体層
51,71…絶縁層
81…クラッド材
82…銅層
83…キャリア層
84…バリア層
85…エッチングレジスト
Claims (3)
- 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材と、
前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、
前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体と
を備えることを特徴とする配線基板用コア基板。 - 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面を連通させる貫通孔を有し、銅よりも低熱膨張性の金属材料からなる板状のコア部材と、前記貫通孔内にて散島状に互いに孤立して設けられた複数の銅柱と、前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間に介在して、前記複数の銅柱を電気的に絶縁する樹脂絶縁体とを備える配線基板用コア基板の製造方法において、
キャリア層と銅層との間にバリア層が介在しかつ各層が一体化しているクラッド材にエッチングレジストを形成する工程と、
前記銅層をエッチングして前記複数の銅柱を形成する工程と、
前記銅層においてエッチアウトされた箇所に、あらかじめ前記貫通孔が形成された前記コア部材を配置する工程と、
前記複数の銅柱と前記コア部材との間及び前記複数の銅柱同士の間を前記樹脂絶縁体で埋める工程と、
前記キャリア層を除去する工程と、
前記バリア層を除去する工程と
を含むことを特徴とする配線基板用コア基板の製造方法。 - 請求項1に記載の配線基板用コア基板と、絶縁層及び導体層を有し、前記コア部材の第1主面側にのみ形成されたビルドアップ層とを備え、前記導体層と前記複数の銅柱とが接続導通されていることを特徴とするビルドアップ配線基板。
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