JP2004178919A - 金属コロイド液及びそれより形成した導電性被膜 - Google Patents

金属コロイド液及びそれより形成した導電性被膜 Download PDF

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Abstract

【課題】低温で加熱して耐熱性に乏しい基材上にも高導電性被膜を得ることができる金属コロイド液及びそれより形成した導電性被膜を提供する。
【解決手段】金属粒子を主成分とする固形分と分散媒とからなる金属コロイド液であって、前記固形分は、昇温速度10℃/minで、室温から200℃まで熱重量分析を行った場合の重量減少が、−1×10−1〜−1×10−4%/℃であり、かつ、動的光散乱法のキュムラント解析より算出される金属粒子径の多分散指数が0.1〜0.6である金属コロイド液。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温で加熱して耐熱性に乏しい基材上にも高導電性被膜を得ることができる金属コロイド液及びそれより形成した導電性被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性被膜は、ブラウン管の電磁遮蔽、建材、自動車の赤外線遮蔽、電子機器や携帯電話の静電気帯電防止材、曇りガラスの熱線、回路基板やICカードの配線、樹脂に導電性を付与するためのコーティング、スルーホール、回路自体等の広い分野において用いられる。
【0003】
導電性被膜の製造方法としては従来から、例えば、金属の真空蒸着、化学蒸着、イオンスパッタリング等が行われてきた。しかしながら、これらの方法は真空系又は密閉系での作業を必要とするため、操作が煩雑な上、量産性に乏しく高価であるという問題があった。
【0004】
これに対し、金属粒子を分散媒に分散させた金属コロイド液を塗布し、加熱焼成することにより導電性被膜を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、真空系又は密閉系での作業を必要とせず、簡便な操作で、安価に導電性被膜を得ることができる。しかしながら、実用上充分な導電性を有する被膜を得るためには200℃以上の高い温度で加熱する必要があり、耐熱性に乏しい基材の上には導電性被膜を形成できないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−66861号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、低温で加熱して耐熱性に乏しい基材上にも高導電性被膜を得ることができる金属コロイド液及びそれより形成した導電性被膜を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属粒子を主成分とする固形分と分散媒とからなる金属コロイド液であって、上記固形分は、昇温速度10℃/minで、室温から200℃まで熱重量分析を行った場合の重量減少が、−1×10−1〜−1×10−4%/℃であり、かつ、動的光散乱法のキュムラント解析より算出される金属粒子径の多分散指数が0.1〜0.6である金属コロイド液である。
本発明者らは、その固形分に熱重量分析を行った場合の重量減少が、特定の範囲にあり、かつ、動的光散乱法のキュムラント解析より算出される金属粒子径の多分散指数が特定の範囲にある金属コロイド液を用いれば、100℃程度の低温で加熱しても実用上充分な導電性を有する被膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の金属コロイド液は金属粒子を主成分とする固形分と分散媒とからなるものであり、具体的には、金属粒子、それに吸着する分散剤、及び、分散媒からなるものである。
【0009】
上記金属粒子としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム等からなるものを挙げることができる。これらのなかでも、金、銀、白金、パラジウムが好ましく、より好ましくは金、銀である。これらの金属は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
特に銀を用いる場合には、銀とその他の金属とを併用することが好ましい。銀を用いると、その金属コロイド液を用いて形成される導電性被膜の導電率が良好となるが、マイグレーションの問題を考慮する必要が生じる。銀とその他の金属とを併用することにより、上記マイグレーションが起こりにくくなる。上記その他の金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム等を挙げることができる。なかでも、金、銅、白金、パラジウムが好適である。
【0010】
上記のように銀とその他の金属とを併用する場合、銀の比率としては、金属全体に対して30〜99重量%であることが好ましい。30重量%未満であると、その金属コロイド液を用いて形成される被膜の導電性が低下することがあり、99重量%を超えると、マイグレーション性を解決することが困難となる。より好ましい下限値は40重量%であり、より好ましい上限値は95重量%であり、更に好ましい下限値は60重量%であり、更に好ましい上限値は90重量%である。本発明の金属コロイド液中の金属粒子の含有量としては、1〜500g/Lであることが好ましい。1g/L未満であると、金属粒子の濃度が薄すぎて所望の膜厚を得るために塗り重ねる回数が増え、500g/Lを超えると、金属コロイド液の粘度が上がりすぎて取り扱いにくくなる。
【0011】
本発明の金属コロイド液において、金属粒子の平均粒径は1〜400nmであることが好ましい。平均粒径が1nm未満である金属粒子の製造はコストが高すぎて実用的でなく、400nmを超えると、金属粒子の分散安定性が経時的に変化しやすい。より好ましい上限値は、70nmである。
【0012】
上記固形分とは、金属コロイド液を常温で恒量になるまで乾燥させたときに残存する固形分を意味し、通常、金属粒子、残留分散剤、残留還元剤等からなる。
上記固形分を昇温速度10℃/minで、室温から200℃まで熱重量分析を行った場合の重量減少は、−1×10−1〜−1×10−4%/℃である。−1×10−1%/℃未満であると、固形分中の金属含有量が小さく、得られる導電性被膜の導電率が悪くなり、−1×10−4%/℃を超えると、金属粒子の分散安定性が悪くなる。好ましい下限値は−5×10−2%/℃であり、好ましい上限値は−5×10−4%/℃である。
ここで、熱重量分析による重量減少は、以下の式のように定義される。
重量減少(%/℃)={(室温での重量−200℃での重量)/室温での重量}/(200−25)
【0013】
本発明の金属コロイド液は、動的光散乱法のキュムラント解析により算出される金属粒子径の多分散指数が0.1〜0.6である。
本発明者らは金属粒子径の多分散指数がこの範囲にある場合に、得られる導電性被膜の導電率が向上することを見出した。この理由としては、金属粒子径の多分散指数がこの範囲にある場合に金属コロイド液を加熱焼成した場合に被膜が密に充填されることが考えられる。キュムラント解析より算出される多分散指数が0.1未満であると、金属粒子は単分散であるため、例え六方最密充填したとしても理論上、0.74までしか充填できない。多分散指数が0.6を超えると、大粒径の金属粒子が存在することになり、金属粒子の分散安定性が悪くなるだけでなく、粒子の焼結性が阻害される場合がある。好ましい下限値は0.2であり、好ましい上限値は0.55である。
【0014】
ここで、動的光散乱法のキュムラント解析では、得られる相関関数を
ln[G1]=a+bt+ct+dt+et+・・・
の多項式にあてはめ、2c/bで多分散指数を定義している。また多分散指数は、polydispersityと表記される場合もある。
【0015】
上記分散媒としては、水及び/又は水溶性溶剤が好ましい。分散媒として水及び/又は水溶性溶剤を用いることにより、金属コロイド液を乾燥して導電性被膜を製造する際、溶剤臭が強くならず、環境に対する悪影響も少ない。
【0016】
上記分散剤としては、分散媒に溶解し分散効果を示すものであれば特に限定されず、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等のイオン性化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等の界面活性剤;ゼラチン、アラビアゴム、アルブミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルセルロース類等の高分子物質等を挙げることができる。これらの分散剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0017】
本発明の金属コロイド液中において、上記分散剤は金属粒子に吸着しているが、その形態としては特に限定されず、例えば、金属粒子の表面に分散剤が付着している態様、金属粒子をコアとして、その表面を分散剤が被覆している態様、金属粒子と分散剤とが均一に混合している態様等が挙げられる。なかでも、金属粒子をコアとして、その表面を分散剤が被覆している態様、金属粒子と分散剤とが均一に混合している態様が好ましい。
【0018】
本発明の金属コロイド液を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、まず金属粒子を含む溶液を作製し、ついで、その溶液の洗浄を行う方法等を挙げることができる。
上記金属粒子を含む溶液を作製する方法としては化学還元法による方法であれば特に限定されず、例えば、分散剤を用いて溶液中に分散させた金属塩又は金属イオンを、何らかの方法により還元させればよい。
【0019】
上記金属塩としては、分散媒中に溶解でき、何らかの手段で還元できるものであれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩;塩化金酸、塩化金力リウム、塩化金ナトリウム等の金塩;塩化白金酸、塩化白金、酸化白金、塩化白金酸カリウム等の白金塩;硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム等のパラジウム塩等を挙げることができる。これらの金属塩は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記金属塩を還元させる方法としては特に限定されず、還元剤を用いて還元させてもよく、紫外線等の光、電子線、熱エネルギー等を用いて還元させてもよい。上記還元剤としては、分散媒に溶解し上記金属塩を還元させることができるものであれば特に限定されず、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ化水素、水素ガス等の水素化合物;一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;クエン酸三ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等のヒドロキシ酸塩;硫酸第一鉄、酸化鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸鉄、塩化錫、二リン酸錫、シュウ酸錫、酸化錫、硫酸錫等の低原子価金属塩;ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖等の有機化合物を挙げることができる。これらの還元剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の還元剤を使用する際には、更に、光や熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
【0021】
上記金属塩、分散剤及び還元剤を用いて金属粒子を含む溶液を製造する方法としては、例えば、上記金属塩を純水等に溶かして金属塩溶液を調製し、その金属塩溶液を徐々に分散剤と還元剤とが溶解した水溶液中に滴下する方法等を挙げることができる。
【0022】
このようにして得られた金属粒子を含む溶液中には、金属粒子の他に、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体の電解質濃度が高くなっている。このような状態の液は、金属粒子の凝析が起こり、沈殿しやすい。上記金属粒子を含む溶液を洗浄して余分な電解質を取り除くことで沈殿を抑制することができる。
上記洗浄方法としては、例えば、得られた金属粒子を含む液を一定時間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、純水を加えて再度攪拌し、更に一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等を挙げることができる。なかでも、脱塩する方法が好ましい。また、脱塩等した液は、適宜濃縮してもよい。
【0023】
複数の金属からなる混合金属コロイド液を作製する方法としては特に限定されず、例えば、銀とその他の金属とからなる混合金属コロイド液を作製する場合には、上記の方法にて、銀コロイド液とその他の金属コロイド液とを別々に作製し、その後混合して混合金属コロイド液としてもよく、銀イオン溶液とその他の金属イオン溶液とを混合し、その後に還元してもよい。
【0024】
本発明の金属コロイド液を適当な基材に塗布し、乾燥させ、加熱することにより導電性被膜を製造することができる。
上記基材としては特に限定されず、例えば、紙やPET(ポリエチレンテレフタレート)製シート、ポリカーボネート等比較的熱に弱い基材;アルミナ焼結体、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス等からなる基板;ガラス、樹脂、セラミックス等からなる建材;樹脂やセラミックス等で表面が形成された電子機器等を挙げることができる。また、その形状としては、例えば、板状、フィルム状等を挙げることができる。
本発明によれば、導電性被膜を製造する際に100℃程度の低温で加熱すれば実用上充分な高い導電性を有する被膜を得ることができるので、比較的熱に弱い基材を使用することもできる。
【0025】
上記基材上に本発明の金属コロイド液を塗布する方法としては特に限定されないが、例えば、ディップイング、スクリーン印刷、スプレー方式、バーコート法、スピンコート法、刷毛による方法等を挙げることができる。
【0026】
本発明の金属コロイド液を塗布した基材を加熱する方法としては特に限定されず、例えば、オーブン中で加熱する方法の他、誘電加熱法、高周波加熱法等を挙げることができる。耐熱性に優れる基材を用いる場合は、本発明の金属コロイド液を基材上に塗布した後高温で加熱焼成することにより、得られる導電性被膜の導電性は一層高まる。
【0027】
本発明の金属コロイド液を塗布し、加熱して得られた導電性被膜は、従来の金属コロイド液からなる導電性被膜に比べて強靭であり、ブラウン管の電磁波遮蔽、建材又は自動車の赤外線遮蔽、電子機器や携帯電話の静電気帯電防止剤、曇りガラスの熱線、回路基板やlCカードの配線、樹脂に導電性を付与する為のコーティング、スルーホール、回路自体等に用いることができる。
本発明の金属コロイド液からなる導電性被膜もまた、本発明の1つである。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)金コロイド水溶液の製造
塩化金酸四水和物(和光純薬工業社製)1.0gを沸騰した水4500mlに溶解させた水溶液中に、ホモジナイザーにより攪拌しながら、クエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業社製)7.0gを沸騰した水500mlに溶解させた水溶液を入れ、金粒子を含む水溶液を得た。得られた金粒子を含む水溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製、UHP−62K)とフィルター(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)とを用いて脱塩、濃縮を行い、CM−20S(東亜電波工業社製)で測定したろ液の電導度が100μS/cm以下、水溶液が15mlまでにし、得られた濃縮液を3000rpmで10分間遠心分離した。このとき、下層の沈殿と上層の分散液に分離するが、この上層の分散液を金コロイド水溶液として採取した。
【0029】
(2)導電性被膜の作製
コロナ処理を行ったポリイミドフィルム表面に得られた金コロイド水溶液を刷毛で塗布し、乾燥した。所望の厚さの導電性被膜を得るために、塗布と乾燥とを繰り返し行った。その後、200℃で20分間又は100℃で20分間の加熱焼成を行い、導電性被膜を形成した。得られた導電性被膜の厚さは、導電性被膜の重量を金属の比重で除し、更に導電性被膜の幅及び長さで除して求めた。
(3)固形分の作製
金属コロイド液を常温で恒量になるまで乾燥させることで固形分を得た。
【0030】
(実施例2)
クエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業社製)17.0gとタンニン酸(和光純薬工業社製)0.70gとを水280gに溶解させた水溶液に、10Nの水酸化ナトリウム水溶液3mlを加え、次いで室温雰囲気中でマグネティックスターラーにより攪拌しながら硝酸銀(和光純薬工業社製)1.97gを含む水溶液3mlを滴下して銀粒子を含む水溶液を得たこと以外は、実施例1と同様に、銀コロイド水溶液及び導電性被膜を得た。
【0031】
(比較例1)
塩化金酸四水和物1.0gを60℃にした水25000mlに溶解させた水溶液中に、ホモジナイザーにより攪拌しながら、クエン酸三ナトリウム二水和物3.5gとタンニン酸7.0gを60℃にした水5000mlに溶解させた水溶液を入れ、金粒子を含む水溶液を得たこと以外は、実施例1と同様に、金コロイド水溶液、導電性被膜を得た。
【0032】
(比較例2)
クエン酸三ナトリウム二水和物の使用量を0.35gとしたこと以外は実施例1と同様に、金コロイド水溶液、導電性被膜を得た。
【0033】
<評価>
実施例1〜2、及び、比較例1〜2で得た金属コロイド水溶液、導電性被膜、及び、固形分を用いて以下の評価を行った。
【0034】
(1)固形分の重量減少
固形分に対し、セイコー電子工業社製熱重量分析機を用いて、エアー雰囲気下150ml/minの流量、昇温速度10℃/minの条件で、室温から200℃まで熱重量分析を行った。結果を表1に示した。
【0035】
(2)金属コロイド水溶液の多分散指数測定
HPPS(MALVERN社製)を用いて金属コロイド水溶液のコロイドの多分散指数を測定した。このとき、双峰性、三峰性を示した場合は、メインピークから多分散指数を測定した。結果を表1に示した。但し、比較例2はコロイドの分散安定性が悪かったために、測定できなかった。
【0036】
(3)被膜の導電性
導電性被膜の電気抵抗をダブルブリッジ2769(横河M&C社製)により測定し、体積抵抗率を下記式を用いて算出した。結果を表2に示した。但し、比較例2の被膜は測定範囲以上であった。
ρV=Rwt/l
ρV:体積抵抗率(Ω・cm)
R:測定端子間の被膜の電気抵抗(Ω)
W:測定端子間の被膜の幅(cm)
t:測定端子間の被膜の厚さ(cm)
l:測定端子間の被膜の長さ(cm)
【0037】
【表1】
Figure 2004178919
【0038】
【表2】
Figure 2004178919
【0039】
表1及び表2に示した結果より、昇温速度10℃/minで、室温から200℃まで熱重量分析を行った場合の重量減少が、−1×10−1〜−1×10−4%/℃であり、かつ、動的光散乱法のキュムラント解析より算出される金属粒子径の多分散指数が0.1〜0.6である金属コロイド液を用いて被膜を形成した実施例1及び実施例2では、100℃の低温で加熱を行った場合も高い導電性を有する被膜を得ることができた。一方、比較例1の金属コロイド液は多分散指数が上記の範囲外であったので、100℃の低温で加熱した場合に得られた被膜の導電性が不充分であった。また、比較例2の金属コロイド液は重量減少が上記範囲外であったので、得られた金属コロイド液の分散性が不充分であり、導電性を有する被膜を得ることができなかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、低温で加熱して高導電性被膜を得ることができる金属コロイド液及びそれを用いてなる導電性被膜を提供することができる。このため、本発明によれば、熱に弱い基材上にも導電性被膜を形成することができる。

Claims (3)

  1. 金属粒子を主成分とする固形分と分散媒とからなる金属コロイド液であって、
    前記固形分は、昇温速度10℃/minで、室温から200℃まで熱重量分析を行った場合の重量減少が、−1×10−1〜−1×10−4%/℃であり、かつ、
    動的光散乱法のキュムラント解析より算出される金属粒子径の多分散指数が0.1〜0.6である
    ことを特徴とする金属コロイド液。
  2. 金属は、金又は銀であることを特徴とする請求項1記載の金属コロイド液。
  3. 請求項1又は2記載の金属コロイド液からなることを特徴とする導電性被膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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