JP2004178487A - 指紋入力装置 - Google Patents

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方敏 廣野
Hajime Sudo
肇 須藤
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Abstract

【課題】比較的薄く、低コストで製作できる結像光学系を備えた指紋入力装置の提供。
【解決手段】上面に指1を接触させる透明板2と、指紋を発光させるための照明手段6と、イメージセンサ5を備えた指紋入力装置において、透明板2とイメージセンサ5との間に複数の球体レンズ3を配置することで、指紋からの光をイメージセンサ5に結像させることを特徴とする指紋入力装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋入力装置に関し、とりわけ、個人認証用に指紋照合を行うための指紋入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の電子化やネットワーク化に伴い、個人情報の管理が重要視されている。個人情報保護の手段としては例えばパスワードや暗証番号を用いたものが有名だが、これらは知っている誰もが使えること、本人が忘れる可能性があること、などの欠点を持つ。そこで、最近では個人認証を指紋照合により行う技術が注目されている。
【0003】
指紋照合を行うための指紋入力装置では、指の油などによる影響の少ない、光学的な入力手段が有力視されている。このような装置としては、例えば特開平10−289304号公報(特許文献1参照)に記載のものがある。かかる従来装置の構成では、光源の光を伝播させる導光板に指が接触すると指紋が発光し、その散乱光をレンズアレイによりイメージセンサに結像させて指紋が入力される。また、レンズアレイの例として、セルフォックレンズ、フレネルレンズ、ルーフプリズムなどが挙げられている。
【0004】
よりシンプルな構成を持つ指紋入力装置としては、例えば特開2001−266134公報(特許文献2参照)がある。かかる従来装置の構成では、光源により指紋は発光し、その像は光透過性保護膜を通ってそのまま受光素子により入力される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−289304号公報(第4頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−266134公報(第3,4頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
指紋入力装置は、ATM、ドア、パソコンなどの他の装置に組み込まれるケースが多いため、装置の小型化・薄型化の要求が強い。しかし、特許文献1に記載されたような従来の指紋入力装置を薄く作るには、レンズアレイの個々のレンズを非常に小さく作る必要があり、それにはエッチングなど、コストのかかる技術が伴う。また、特許文献2に記載されたような従来の指紋入力装置は、結像光学系がないため薄く作ることが可能だが、受光素子を保護するためには、ある程度の厚みを持った光透過性保護膜が必要となる。しかし、結像光学系がないため、受光素子上に形成された指紋の像は光透過性保護膜の厚み分だけぼけてしまう。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、比較的薄く、低コストで製作できる結像光学系を備えた指紋入力装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明においては、上面に指を接触させる透明板と、指紋を発光させるための照明手段と、前記透明板の下面側に前記指に対向して配置されるイメージセンサと、前記透明板と前記イメージセンサとの間に配置された結像光学系とを備え、前記結像光学系が前記指の指紋を前記イメージセンサに結像させて該指紋の画像情報を得る指紋入力装置であって、前記結像光学系が、隣接して配置された二個以上の球体レンズを含むことを特徴とするものである。
【0009】
前記透明板の上面に載せられた指の指紋は照明手段により発光し、その光は前記透明板を透過し、前記球体レンズによってイメージセンサ上に集光される。球体レンズは、直径が数十ミクロンのものでも比較的安く大量に作ることができ、また焦点距離も短いため、球体レンズから成るレンズアレイと透明板を結像光学系として用いることにより、従来よりも薄く、低コストな指紋入力装置を製作することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。透明板(第1の透明板)2の上面に接触している指1の指紋は光源6の照明により発光し、その光は透明板2を透過し、複数の球体レンズ3によりイメージセンサ5上に結像されることで指紋の像が入力される。
【0012】
図2乃至図5は、球体レンズ3の配置例である。図中で7は、レンズとレンズの間の、活用されていない空間(以下デッドスペースという)を示している。
【0013】
図2は、球体レンズ3をランダムに配置した例である。像全体に渡って結像特性が一様でない欠点があるが、組立てが簡単というメリットがある。
【0014】
図3は、球体レンズ3を格子状に配置した例である。組立てが比較的容易で、結像特性も像全体に渡って安定している構成である。また、一般のイメージセンサ5は受光素子が格子状に並んでいるため、コスト・特性の両面でイメージセンサ5との相性が良い。しかし、デッドスペース7が大きいため、分解能が低下する欠点がある。なお、一次元のレンズアレイは、この構成の幅が球体レンズ3の一個分しかない特殊なケースである。
【0015】
図4は、球体レンズ3を蜂の巣状に配置した例である。組立てが比較的困難だが、デッドスペース7が最も小さい構成であるため、最も高い分解能が期待できる。しかし、イメージセンサ5に、受光素子が蜂の巣状に並んでいる特殊なものを使い、それとの相対位置決めを適正に行う必要がある。
【0016】
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。図1に示した第1の実施形態とほぼ同じだが、球体レンズ3とイメージセンサ5との間に透明板(第2の透明板)4が配置されている。これにより、イメージセンサ5の受光面を保護すると同時に、指紋からの光の結像特性を調整することができる。
【0017】
図6は、本発明の第3の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。球体レンズ3の周囲が、球体レンズ3よりも低い屈折率を持つ透明充填材8で満たされている。これは図に示す通り、結像光学系の焦点距離を伸ばす効果があり、透明板2や透明板4の厚みを増やす必要がある場合に適用できる。また、透明充填材8に透明接着剤を用いることにより、球体レンズ3を固定することもできる。
【0018】
図7は、本発明の第4の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。球体レンズ3の一部が異なる材料9に沈んでおり、もしこの異なる材料9が接着剤であれば、球体レンズ3を固定することができる。また、図のような構成で材料9に不透明な材料を用いることにより、デッドスペース7を通る光を遮断することができ、結果、入力画像のコントラストを増やすことができる。
【0019】
図8は、本発明の第5の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。センサ側の透明板が、弾性透明板11と、センサの透明保護板4から成る多層構造となっていることを特徴とする。図のように球体レンズ3を弾性透明板11に押し付けて減り込ませることにより、光学系の焦点距離を伸ばすことができる。
【0020】
図9は、本発明の第6の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。キャリッジ13は球体レンズ3の一次元アレイを搭載しており(紙面と垂直な方向にレンズが並んでいる構成)、アレイの並びと垂直方向にスキャニングすることで指紋の像をイメージセンサ5上に形成させる。このような構成にすることで光学系をさらに単純化できる。また、イメージセンサ5を一次元のラインセンサとし、それもキャリッジ13に搭載することも可能である。
【0021】
図10は、本発明の第7の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図である。レンズアレイに低倍率の球体レンズ10を混合することにより、異なる位置の像も取り込むことが可能になる。これは、例えば指の血流12の形も個人認証に利用したい場合などに適用できる。球体レンズ3と球体レンズ10の倍率の違いは、レンズの屈折率や、レンズの直径の違いなどにより実現できる。
【0022】
なお、これらの形態において、光源6は図のように指紋側から指を照射する必要はなく、爪側からの照射や、透明板2を導光板にして指を照射するなど、他の照明手段を用いることも可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、指紋入力装置の結像光学系に、球体レンズを利用することにより、従来のものよりも薄く、低コストで製作可能な結像光学系を含む指紋入力装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【図2】本発明の球体レンズをランダムに配置した例を示す説明図。
【図3】本発明の球体レンズを格子状に配置した例を示す説明図。
【図4】本発明の球体レンズを蜂の巣状に配置した例を示す説明図。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【図7】本発明の第4の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【図8】本発明の第5の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【図9】本発明の第6の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【図10】本発明の第7の実施形態にかかる指紋入力装置を示す概略図。
【符号の説明】
1 指
2 指側透明板
3 球体レンズ
4 センサ側透明板
5 イメージセンサ
6 光源
7 デッドスペース
8 透明充填材
9 レンズ沈め材
10 低倍率球体レンズ
11 弾性透明板
12 血流
13 球体レンズの一次元アレイを搭載したキャリッジ

Claims (13)

  1. 上面に指を接触させる第1の透明板と、
    指紋を発光させるための照明手段と、
    前記透明板の下面側に前記指に対向して配置されるイメージセンサと、
    前記透明板と前記イメージセンサとの間に配置された結像光学系とを備え、
    前記結像光学系が前記指の指紋を前記イメージセンサに結像させて該指紋の画像情報を得る指紋入力装置であって、
    前記結像光学系が、隣接して配置された二個以上の球体レンズを含むことを特徴とする指紋入力装置。
  2. 前記結像光学系は、球体レンズの一次元アレイを含むことを特徴とする請求項1記載の指紋入力装置。
  3. 前記結像光学系は、球体レンズの二次元アレイを含むことを特徴とする請求項1記載の指紋入力装置。
  4. 前記球体レンズは、蜂の巣状に配置されていることを特徴とする請求項3記載の指紋入力装置。
  5. 前記球体レンズの周囲が、球体レンズより屈折率の低い透明材料で満たされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の指紋入力装置。
  6. 前記透明材料は、接着剤であることを特徴とする請求項5記載の指紋入力装置。
  7. 前記球体レンズの一部が、異なる材料に沈んで配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の指紋入力装置。
  8. 前記異なる材料は、接着剤であることを特徴とする請求項7記載の指紋入力装置。
  9. 前記球体レンズと前記イメージセンサとの間に、第2の透明板を配置したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の指紋入力装置。
  10. 前記第1の透明板は、多層構造を持つことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の指紋入力装置。
  11. 前記球体レンズの一次元アレイが、アレイの並びと垂直の方向に平行移動することで前記指紋の画像情報を得ることを特徴とする請求項2記載の指紋入力装置。
  12. 前記球体レンズのアレイが、結像特性の異なる二種類以上の球体レンズを含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の指紋入力装置。
  13. 前記指紋の画像と血流の画像を同時に読み取れることを特徴とする請求項12記載の指紋入力装置。
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