JP2005319294A - 指紋入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分なコントラストを持った指紋画像を得ることができる指紋入力装置を提供する。
【解決手段】 測定対象の指の指紋稜線部と指紋谷間部を有する指紋測定部から指紋画像を撮像するための2次元イメージセンサと、前記2次元イメージセンサの撮像面上に載置され、前記2次元イメージセンサが前記指紋画像を撮像するときに前記指紋測定部が載置される透明固体膜と、を備え、前記指紋測定部のうちの指紋稜線部を明部として撮像し、前記指紋測定部のうちの指紋谷間部を空気層を介して暗部として撮像する指紋入力装置において、前記透明固体膜の厚さが無限にゼロに近いと仮定したときに定義されるコントラストCが、ノイズの大きさが与えられたときに指紋認識のための信号対ノイズ比を得るための値以上となることを前記透明固体膜の屈折率nが満たすようにする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、指紋入力装置に関し、特に2次元イメージセンサを用いて指紋像を直接得る指紋入力装置に関する。
従来、この種の指紋入力装置は、レンズやプリズムあるいは光ファイバなどの光学部品を使用し、所定の角度から指先の指紋に対して光を照射し、その反射光を集光して指紋の画像を出力するものが一般的である。この外、光学系を用いて指紋の画像を得るのではなく、静電容量によって直接指紋画像を入力する方式も研究されている。
また、光学方式で直接指紋画像を入力する方式も研究されている。この方式としては、指先の皮膚に光を当て、この反射光を用いる反射光方式と、指の内部に光を入れ、再び指表面から出てくる光を光ファイバの束の端面で受ける形の透過光方式が知られている。
しかしながら、このような従来の指紋入力装置では、レンズやプリズムあるいは光ファイバなどの光学部品を用いている場合は、これらの光学部品自体の大きさやその取付け場所などがある程度必要となるとともに、これら光学部品が比較的高価であり、装置の薄型化や小型化、更には低価格化を妨げるという問題点があった。また、これらの光学部品により指紋の画像を光学処理した場合、得られた画像に歪みが生じやすいという問題点があった。
一方、静電容量によって直接指紋画像を入力する方式では、外来静電気に非常に弱く、かつ良好な感度を得難いという問題点があった。
また、光方式であるが直接画像を得る反射型の指紋入力装置が従来からある。この指紋入力装置では、2次元イメージセンサの裏面から2次元イメージセンサの表面に面する指に光を2次元イメージセンサの隙間を通して当てる。2次元イメージセンサと指との間にある膜が指と接触する指紋稜線部では、指に当てられた光は接触面で反射せずに指の中に入るが、その膜と指とが接触しない指紋谷間部ではその膜で反射せずにその膜から出射した光は指の表面で反射され、再び膜を通り2次元イメージセンサに入射する。従って、2次元イメージセンサに反射光が入射するか否かで指紋稜線部と指紋谷間部を識別することができる。この方式では、2次元イメージセンサの裏面から2次元イメージセンサの表面に面する指に光を当てる必要があるため、センサ素子の間に光を通す部分を多数必要とし、センサ素子の密度を低下させ、解像度を犠牲にするほかセンサ構造が特殊なものとなり製造コストが高くなる。この外、動作上の問題として、周囲の光(外乱光)が指の測定面以外の部分から指に入り、この光が指内で散乱して指紋稜線部と上記膜との接触面を通過して光イメージセンサに入射した場合、この光が上記反射光と強度が同程度になり、指紋画像が得られなくなる場合が生ずる欠点がある。
また、従来技術として知られている透過型の指紋入力装置では光ファイバの束の端面に指を押し付けて光を受けると指紋像が現れる現象を利用していたため、光ファイバの束を長いまま使うかスライスして短くする方法を用いるほかないので、指紋入力装置が大きくなるか指紋入力装置の製造コストが高くなるかの欠点があった。また、光ファイバを非常に短くする、すなわち光ファイバを薄くスライスする、のも限界があり、薄型化の制約となっていた。また最近、指紋入力装置の必要性は広範囲な分野に広がり、特にICカード等のように湾曲する場合も考えるべき用途や、各種のグリップや筆記用具、ペン状のポインタ等の軸等の曲面に装着する必要のある用途が出現し、従来の単結晶シリコンを用いた屈曲性が全くない2次元イメージセンサのみでは不十分となってきた。
本願の発明者は、これらの課題を解決する指紋入力装置を特許文献1に開示した。この指紋入力装置は、透過光方式であるが、光ファイバを備えず、2次元イメージセンサと2次元イメージセンサの上に配されたガラス等の透明部材より成る指先をのせるためのカバーとを備える。この指紋入力装置は、カバーと指が接触する指紋稜線部を明部として検出し、カバーと指が接触しない指紋谷間部を暗部として検出する。また、この指紋入力装置は、指先部の先端を照射する第1の光源と指の第1関節付近を照射する第2の光源を備えていても良い。これらの光源から出射した光は、指先部に入射し、指先部で散乱され、そのうちの一部が指紋領域に向かうので、2次元イメージセンサの検出する指紋画像のコントラストを上げることができる。
特開2000−217803号公報
しかし、特開2000−217803では、指紋入力装置で使用されるカバーとして、例えば、ガラスを使用することができると開示しているのみであり、カバーの材質の屈折率及びカバーの厚みを規定していない。従って、カバーの材質の屈折率によっては、十分なコントラストを持った指紋画像を得ることが出来ないことがあった。また、カバーの厚みによっても、十分なコントラストを持った指紋画像を得ることが出来ないことがあり、また、2次元イメージセンサを保護するための十分な保護機能を得ることが出来ないことがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、十分なコントラストを持った指紋画像を得ることができる指紋入力装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、2次元イメージセンサを保護するための十分な保護機能を有した指紋入力装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、屈曲性のある指紋入力装置を提供することを目的とする。
十分なコントラストを得る目的を達成するために、指と指に接する透明固体との間の光の屈折、反射、透過の状況を詳細に分析した結果、指紋稜線部では指と透明固体部分との境界面での反射がほとんど0で指内から透明固体部分に光が透過し、一方、指紋谷間部では透明固体部分と指の皮膚の間に空気層が生ずることから、指内と空気層との境界面での境界面間の屈折率の差違及び空気層と透明固体部分との境界面での境界面間の屈折率の差違が大きいので、各々の境界面での反射率が大きく、指内の散乱光の透明固体膜内への透過過程で反射損が両方の反射率の積で利いてくる。それに加えて、指内から空気中への光の放射においては指内と空気の屈折率の関係で臨界角が存在し、指内散乱光の約1/2しか放出されない現象が伴う。これらの現象を利用することにより、透過光方式でありながら光ファイバの束を使わない構造で、光ファイバの束を使う従来の方式以上に確実な指紋稜線像、すなわち、欠落部分の少ない稜線像を得ることができる。
まず指が接する部分、すなわち透明固体膜、としては、指を押し付けた場合、指紋稜線部がある程度つぶれて密着し、指紋谷間部へは食い込まない程度の硬度のあるものを用いる。この透明固体膜は2次元イメージセンサ表面を保護する役割を持つが、固くて強度のあるものを選ぶ必要があることは上記の条件に矛盾しない。また、この透明固体膜の厚さを指紋稜線の間隔より十分薄く選べば指紋画像は鮮明に結像する。
ここで、透明固体膜の屈折率について考察する。
指の皮質の屈折率は、指先の乾燥度により異なり、個人間でも異なるが、水の屈折率が1.33、脂肪の屈折率が1.4〜1.5、動物性蛋白質より成る羊毛の屈折率が1.56であるので、指の皮質の水の含有率が重量40〜50%、脂肪の含有率が重量10%、蛋白質の含有率が重量50〜40%であると見積もれば、1.43〜1.46の範囲にあり、更に見積もり誤差を考慮すれば1.4〜1.5の範囲にある。
特開2000−217803では、本発明の透明固体膜に相当するカバーの材質としてガラスを用いるとした。ガラスの屈折率は、ガラスの種類により異なり、例えば、
石英ガラス(SiO):1.458
バイレックスガラス(NaO−B−SiO):1.47
レーダ石灰ガラス(NaO−CaO−SiO):1.51〜1.52
重フリントガラス:1.6〜1.7
ガラス:1.456
36BaO・64Bガラス:1.630
5OPbO・5OBガラス:1.878
GeOガラス:1.607
BeFガラス:1.2747
20LiF・30NaF・50BeFガラス:1.315
25NaF・25BaF・50ZrFガラス:1.523
7LaF・33ThF・60ZrFガラス:1.547
である。従って、ガラスの屈折率は、上記の例だけでも1.2747〜1.878の範囲にある。この範囲は、指の屈折率の範囲を含むが、それよりも広い。
ところで、指紋画像を得るためには、2値画像を得るためには指紋稜線部と指紋谷間部との間にコントラストがなければならず、外乱光によるノイズ及び回路で発生するノイズの影響を考えると、指紋稜線部と指紋谷間部との間のコントラストが大きいほど好ましい。そこで、透明固体膜の屈折率とコントラストとの関係を図1に示すようなモデルを用いて考察する。
図1において、各記号は以下のようなものを示す。
[1]:指皮質部分 ([]は数式中における丸を示す。以下同様。)
[2]:空気層(符号7)
[3]:透明固体膜(符号4)
n1:指皮質の屈折率
n2:空気の屈折率
n3:透明固体膜の屈折率
θ1L:指紋稜線部での透明固体膜への入射角
θ3L:指紋稜線部直下での透明固体膜への出射角
θ1D:指紋谷間部での空気層への入射角
θ2D:指紋谷間部直下での空気層への出射角
θ2Di:指紋谷間部直下の空気層から透明固体膜への入射角
θ3D:指紋谷間部直下の空気層から透明固体膜への出射角
1L:指紋稜線部で指皮質内と透明固体膜の境界に角度θ1Lをもって入射する光のパワー(指皮質内では、光パワーは全方向均等分布であるのでp1L=p、ここでpは、指皮質内の任意の方向の光のパワー)
1D:指紋谷間部で指皮質内と空気層の境界に角度θ1Dをもって入射する光のパワー(p1D=p
2D:指紋谷間部で指皮質と空気層の境界から角度θ2Dもって出射する光のパワー
2Di:指紋谷間部に生じた空気層内で散乱された光のうち、空気層と透明固体膜の境界へ角度θ2Diをもって向かう光の入射パワー
3L:指紋稜線部で指皮質と透明固体膜の境界から角度θ3Lをもって出射する光のパワー
3D:指紋谷間部で空気層と透明固体膜の境界から角度θ3Dをもって出射する光のパワー
透明固体膜の厚みによるコントラスト低下が発生する前のコントラストCは、以下のように定義される。
Figure 2005319294
ただし、
3D:指紋谷間部直下の下向きの全方向の光のパワー
3L:指紋稜線部直下の下向きの全方向の光のパワー
:指の皮質部に存在する下向きの光のパワー
([1]→[2]→[3]):指紋谷間部直下への全方向の光に対する透過率
(指皮質部分[1]から空気層[2]に出て、空気層[2]で散乱し、透明固体膜[3]に入射する光の透過率)
([1]→[3]):指紋稜線部直下への全方向の光に対する透過率
(指皮質部分[1]から直接透明固体膜[3]に入射する光の透過率)
ここで、屈折率条件としては、第1の屈折率条件:n≧n>n=1.000と第2の屈折率条件:n>n>n=1.000の2種類のものがある。
第1の屈折率条件の場合には、指紋谷間部については、
Figure 2005319294
指紋稜線部については、
Figure 2005319294
ただし、
:谷間部の各入射角に対する透過率
:稜線部の各入射角に対する透過率
が成立する。一方、第2の屈折率条件の場合には、指紋谷間部については、第1の屈折率条件の場合と同様に、
Figure 2005319294
指紋稜線部については、
Figure 2005319294
が成立する。
透過率t、tは、光のパワーのP成分及びS成分についての透過率の平均となる。すなわち、
=(tPD+tSD)/2 (5)
=(tPL+tSL)/2 (6)
ここで、tの一般式は、
Figure 2005319294
であり、tの一般式は、
Figure 2005319294
である。従って、平均透過率tの一般式は、
Figure 2005319294
となる。ここで、上式中、
θ=sin−1(n/nsinθ) (10)
ただし、
θ:入射角
θ:出射角
ni:入射光側の屈折率
:出射光側の屈折率
であり、θは、θにより一義的に決まる。上式より、
sinθ=nsinθ (10’)
また、n>nのときは、臨界角θは下式より与えられる。
θ=sin−1(n/n
以上より、第1の屈折率条件の場合には、指紋谷間部については、
Figure 2005319294
となり、指紋稜線部については、
Figure 2005319294
となる。第2の屈折率条件の場合には、指紋谷間部については、第1の屈折率の場合と同様に、
Figure 2005319294
となり、指紋稜線部については、
Figure 2005319294
となる。
従って、コントラストCは、第1の屈折率条件の場合には、式(1)に式(12)及び式(18)を代入すれば求まり、第2の屈折率条件の場合には、式(1)に式(12)及び式(21)を代入すれば求まる。
次に、上記の式を用いたコントラストの計算結果について説明する。図2、図3は、上記の式を用いて計算した透明固体膜屈折率対コントラストのグラフを示す。グラフ作成の便宜上、図2では、透明固体膜屈折率範囲を1.0から2.0までにとってあり、図3では、透明固体膜屈折率範囲を1.0から5.0までにとってある。「+」の点を結ぶ線は、指の皮質の屈折率が1.4であるとした場合のものであり、「×」の点を結ぶ線は、指の屈折率が1.5であるとした場合のものである。図2、図3よりコントラストCは、透明固体膜の屈折率が1.0であるときには0%であり、透明固体膜の屈折率が1.00から指の皮質の屈折率に等しくなるまで増加するに従い、最大値まで増加し、透明固体膜の屈折率が指の屈折率から更に増加するに従い、一度僅かに減少してから僅かに増加することがわかる。コントラストCの最大値は、指の皮質の屈折率が1.4である場合には、60%程度であり、指の皮質の屈折率が1.5である場合には、63%程度である。
また、図2より、透明固体膜の屈折率が1.4である場合には、指の皮質の屈折率が1.4ならばコントラストCは約60%であるが、指の皮質の屈折率が1.5ならばコントラストCは約50%しかないことがわかる。一方、透明固体膜の屈折率が1.5である場合には、指の屈折率が1.4ならばコントラストCは約58%であり、指の屈折率が1.5ならばコントラストCは約63%であることがわかる。従って、透明固体膜の屈折率は、指の皮質の屈折率の個人差、指の湿度による変動その他の分散を考慮すると、これらの分散を考慮したときの指の屈折率の最大値以上であることが好ましいことがわかる。最大値としては、上述したように、例えば、1.5が選ばれる。
但し、必ずしもコントラストCを最大値にする必要はなく、所望のコントラストが与えられた場合には、透明固体膜の屈折率は、透明固体膜の屈折率により定まるコントラストCが所望のコントラスト(例えば50%)以上となるように定めればよい。透明固体膜の屈折率により定まるコントラストCは、第1の屈折率条件の場合には、式(1)に式(12)及び式(18)を代入すれば求まり、第2の屈折率条件の場合には、式(1)に式(12)及び式(21)を代入すれば求まる。このようにして定めると、透明固体膜の屈折率の下限値を規定することはできる。一方、このようにして定めても、透明固体膜の屈折率が増加しても殆どコントラストが低下せず、むしろ増加する傾向があるので、コントラストCの所望値により透明固体膜の屈折率の上限値を規定することができない。すなわち、所望のコントラストCを得るためには、屈折率はある値以上であれば良く、屈折率の上限については制限がない。例えば、コントラストCの所望値が40%であれば、屈折率の下限値を1.3程度に規定することはできるが、屈折率の上限値を規定することはできない。
図4乃至図7は、屈折率対コントラストのグラフを求める過程で求まる透明固体膜屈折率対透過率のグラフを示す。図4、図5は、指の屈折率が1.4であるとした場合のものであり、図6、図7は、指の屈折率が1.5であるとした場合のものである。グラフ作成の便宜上、図4、図6では、透明固体膜屈折率範囲を1.0から2.0までにとってあり、図5、図7では、透明固体膜屈折率範囲を1.0から5.0までにとってある。「*」の点を結ぶ線は、指紋稜線部における指紋稜線部直下への全方向の光に対する透過率T([1]→[3])であり、「+」の点を結ぶ線は、指紋谷間部直下への全方向の光に対する透過率T([1]→[2]→[3])である。図4乃至図7より、指紋稜線部における指紋稜線部直下への全方向の光に対する透過率T([1]→[3])は、透明固体膜の屈折率が1.00から指の皮質の屈折率に等しくなるまで増加するに従い、増加し、透明固体膜の屈折率が指の屈折率から更に増加するに従い、減少することがわかる。また、指紋谷間部直下への全方向の光に対する透過率T([1]→[2]→[3])は、透明固体膜の屈折率が1.00から増加するに従い、単調に減少することがわかる。
図2、図3より、コントラストCは、透明固体膜の屈折率が指の皮質の屈折率以上である限り、余り変動しないことがわかるが、図4乃至図7より、指紋稜線部における透過率と指紋谷間部における透過率は、指の皮質の屈折率以上の範囲では、透明固体膜の屈折率が大きくなるほど、減少することがわかる。従って、透明固体膜の屈折率が大きいと、コントラストが出ても、明度が下がり、外乱光によるノイズ及び回路で発生するノイズのレベルをノイズ成分としたときのS/N比(信号対ノイズ比)が下がり、指紋稜線部と指紋谷間部の識別が不正確となる確率が高くなる。従って、透明固体膜の屈折率の上限値を、所定の値のノイズを想定したときのS/N比が所望の値以上になるように規定しなくてはならない。指に照射する光の強度を高めると、2次元イメージセンサで検出される指紋稜線部の明度(信号成分)及び指紋谷間部の明度(信号成分)が上がるが、これと同時に、指の皮質の表面で反射される外乱光の明度(ノイズ成分)も上がるので、指に照射する光の強度を強くすることによって、S/N比を上げることはできない。従って、透明固体膜の屈折率の上限値を制限することによって、S/N比を所定値以下にならないようにしなければならない。S/N比の所定値は、例えば、10dB、20dBが選ばれる。
但し、透明固体膜の屈折率の増加による2次元イメージセンサで検出される指紋稜線部の明度(信号成分)及び指紋谷間部の明度(信号成分)の低下は僅かであるので、上限値を厳しく制限しなくて良い。指の皮質の屈折率が1.4である場合には、膜の屈折率対透過率は、下表のようになる。
Figure 2005319294
また、指の皮質の屈折率が1.5である場合には、膜の屈折率対透過率は下表のようになる。
Figure 2005319294
これらの表より、透明固体膜の屈折率が2.0になると、透過率は10数パーセント下がり、透明固体膜の屈折率が3.0になると、透過率は20%程度下がり、透明固体膜の屈折率が4.0になると、透過率は30%程度下がり、透明固体膜の屈折率が5.0になると、透過率は35%程度下がることがわかる。従って、透過率の低下率を10数%程度に抑えたいのであれば、透明固体膜の屈折率を2.0以下にすれば良く、透過率の低下率を20%程度に抑えたいのであれば、透明固体膜の屈折率を3.0以下にすればよく、透過率の低下率を30%程度に抑えたいのであれば、透明固体膜の屈折率を4.0以下にすれば良く、透過率の低下率を35%程度に抑えたいのであれば、透明固体膜の屈折率を5.0以下にすれば良い。
透明固体膜の膜厚が指紋間隔に対して非常に薄い場合には、2次元イメージセンサで検出されるコントラストCは、式(1)のコントラストCに等しいが、そうでない場合には、2次元イメージセンサで検出されるコントラストCは、透明固体膜の膜厚によるコントラストの低下のために、式(1)のコントラストよりも低くなる。従って、所望の2次元イメージセンサで検出されるコントラストC1Dが与えられた時に、式(1)に式(12)及び式(18)又は式(12)及び式(21)を代入した式で与えられるコントラストC0が、2次元イメージセンサで検出されるコントラストCがその所望のコントラストC1D以上になることを満たすための透明固体膜の屈折率の下限値は、透明固体膜の膜厚が限りなくゼロに近いとした場合においてのみ、コントラストCがコントラストC1Dとなるための透明固体膜の屈折率として与えられる。従って、透明固体膜の膜厚がある有限値を有する場合の透明固体膜の屈折率の下限値を規定するためには、所望の2次元イメージセンサで検出されるコントラストC1Dが与えられた場合には、その所望のコントラストC1Dを透明固体膜の膜厚が有限値を有することによるコントラストの低下分だけコントラストC1Dを補正しておかなくてはならない。従って、透明固体膜の屈折率は、所望のコントラストC1Dのみによって規定することはできず、所望のコントラスト及び透明固体膜の膜厚によって規定することができる。しかし、透明固体膜の膜厚が予め定まっていれば、透明固体膜の屈折率を、透明固体膜の膜厚が有限値を有することによるコントラストの低下を補正した後の所望のコントラストのみによって規定することができる。
しかし、上述したように、透明固体膜の屈折率が指の皮質の屈折率の分散を考慮した時の指の皮質の屈折率の最大値以上であれば、最大のコントラストCを得ることができ、極端にその屈折率が大きくない限り、透過率も下がらないので、透明固体膜の屈折率を指の皮質の屈折率の分散を考慮した時の指の皮質の屈折率の最大値に設定した後に、透明固体膜の厚さを規定しても良い。
次に、透明固体膜の厚さについて考察する。
図8は、指紋稜線部の中心点の直下の点Xが受光する光を模式的に表した図である。図8において、wは指紋稜線間隔、tは透明固体膜の厚さ、P3Lは指紋稜線部から出射される光の強度(=指紋稜線部直下の下向きの全方向の光のパワー)、P3D(=αP3L)は指紋谷間部から出射される光の強度(=指紋谷間部直下の下向きの全方向の光のパワー)、γは指紋稜線部のデューティである。指紋稜線部と指紋谷間部との識別ができるのが前提であるので、点Xが受光する光は、点Xの直上の指紋稜線部に隣接する指紋谷間部の半分から受光する光A−1、点Xの直上の指紋稜線部から受光する光A、点Xの直上の指紋稜線部に隣接する他の指紋谷間部の半分から受光する光Aであると仮定すると、点Xが受光する光の総和Ix0は、
Figure 2005319294
ただし、
β=t/w
が求まる。
図9は、指紋谷間部の中心点の直下の点Xが受光する光を模式的に表した図である。図9において、wは指紋稜線間隔、tは透明固体膜の厚さ、P3Lは指紋稜線部から出射される光の強度、P3D(=αP3L)は指紋谷間部から出射される光の強度、γは指紋稜線部のデューティである。点Xが受光する光は、点Xの直上の指紋谷間部に隣接する指紋稜線部の半分から受光する光B−1、点Xの直上の指紋谷間部から受光する光B、点Xの直上の指紋谷間部に隣接する他の指紋稜線部の半分から受光する光Bであると仮定すると、点Xが受光する光の総和Ix1は、
Figure 2005319294
ただし、
β=t/w
が求まる。従って、コントラストC
Figure 2005319294
となる。
図10にコントラストC=100%、すなわちα=0%としたときの指紋稜線間隔に対する透明固体膜の厚さの比率βとコントラストCの関係のグラフを示す。3本の曲線は、それぞれ指紋稜線部のデューティγが30%、50%、70%の場合のものである。
コントラストCについての式より、C=100%である場合に、コントラストCを10%及び20%とするための透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βの条件は、デューティγが30%、50%及び70%の場合について下表に示すようになる。
Figure 2005319294
同様に、図11にコントラストC=60%、すなわちα=40%としたときの指紋稜線間隔に対する透明固体膜の厚さに対するコントラストCのグラフを示す。3本の曲線は、それぞれ指紋稜線部のデューティγが30%、50%、70%の場合のものである。コントラストC=60%となるのは、透明固体膜の屈折率についての上記の考察から明らかなように、透明固体膜の屈折率が指の屈折率に略等しくて、最適値に近い場合である。
コントラストCについての式より、C=60%である場合に、コントラストCを10%及び20%とするための透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βの条件は、デューティγが30%、50%及び70%の場合について下表に示すようになる。
Figure 2005319294
従って、指紋稜線部のデューティが30%〜50%である場合には、透明固体膜の屈折率が指の屈折率の略等しくて、コントラストCが最大値である60%であるときには、10%のコントラストCを得るためには、透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βは0.64以下でなければならないことになる。指紋稜線間隔の最小値は略100μmであるので、透明固体膜の厚みは64μm以下でなければならないことになる。
また、指紋稜線部のデューティが70%である場合には、透明固体膜の屈折率が指の屈折率の略等しくて、コントラストCが最大値である60%であるときには、10%のコントラストCを得るためには、透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βは0.51以下でなければならないことになる。指紋稜線間隔の最小値は略100μmであるので、透明固体膜の厚みは51μm以下でなければならないことになる。
同様に、指紋稜線部のデューティが30%である場合には、透明固体膜の屈折率が指の屈折率の略等しくて、コントラストCが最大値である60%であるときには、20%のコントラストCを得るためには、透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βは0.38以下でなければならないことになる。指紋稜線間隔の最小値は略100μmであるので、透明固体膜の厚みは38μm以下でなければならないことになる。
また、指紋稜線部のデューティが50%である場合には、透明固体膜の屈折率が指の屈折率の略等しくて、コントラストCが最大値である60%であるときには、20%のコントラストCを得るためには、透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βは0.39以下でなければならないことになる。指紋稜線間隔の最小値は略100μmであるので、透明固体膜の厚みは39μm以下でなければならないことになる。
また、指紋稜線部のデューティが70%である場合には、透明固体膜の屈折率が指の屈折率の略等しくて、コントラストCが最大値である60%であるときには、20%のコントラストCを得るためには、透明固体膜の厚みの指紋稜線間隔に対する比率βは0.29以下でなければならないことになる。指紋稜線間隔の最小値は略100μmであるので、透明固体膜の厚みは29μm以下でなければならないことになる。
従って、コントラストCが10%程度あれば指紋入力装置の出力から指紋検出ができることと、指紋稜線部のデューティが典型的には50%であること、指紋稜線間隔の最小値は略100μmであることを考慮すると、透明固体膜の厚みは64μm以下であればよいということになる。
ところで、透明固体膜は、2次元イメージセンサを保護する機能も有するが、完全な耐摩耗性を有することは困難であり、傷が付く可能性もあるので、少なくとも長期間に亘る多数回の使用による摩耗、傷があっても、孔が開かない程度の厚みを有することが好ましい。透明固体膜の硬度によりこの厚みは異なるが、0を超える有限の厚みがあればよい。
また、この透明固体膜は保護膜を兼ねるので、風雨があたる場所で使用するには、透明固体膜は厚いほど耐久性は良いことになるが、透明固体膜の厚みを増すと、上述の通り指紋稜線部と指紋谷間部との間のコントラストが得られなくなる。そこで、耐久性とコントラストを両立させるためには、横方向の速度成分を有する光を遮光するために、透明固体膜を金属等の光を遮断する材質で形成した微小なセル状の遮光壁で仕切った上で透明固体膜を厚くするのが良い。このような膜とは、所望の厚さを持つ遮光材料の膜に、センサ素子の寸法や素子間隔の寸法より十分小さい貫通孔の並びを最も密度が高くなるように穿った上で、遮光材料の膜の貫通孔に透明固体材料を充填させ、表面を指紋の凹凸に比し十分に小さい凹凸になるまで平滑化したものである。このような膜を2次元イメージセンサ感光部分の表面に密着させる。この場合は貫通孔の直径を指紋稜線間隔より短くした上で、膜の厚さを指紋稜線間隔並に厚くすることが目的なので、貫通孔は縦長となり、高度な製造技術を要するが、最近の半導体製造技術を利用すれば容易に製造可能である。
また、上記のセル状の遮光壁を2次元イメージセンサの各素子に目合わせした状態で形成しても良い。セル状の各遮光壁を2次元イメージセンサの各素子に目合わせすることにより、貫通孔の大きさを1つの素子の大きさまで大きくできる。この場合、透明固体膜に入射する光の利用率が高められ、貫通孔の高さと径の比を目合わせしない場合に比べて小さくすることができるので、製造は容易になる。しかし、全ての貫通孔の位置が2次元イメージセンサの各素子の位置に一致している必要があるため、透明固体膜と2次元イメージセンサとを別々に製造して貼り合わせることが困難になる。したがって、透明固体膜を2次元センサの製造方法の一部において製造する必要がある。2次元イメージセンサは特殊なものである必要はなく、標準的なものでよいので、標準的な2次元センサを製造するための製造方法の最終工程に透明保護膜の積層工程を追加するのみで良く、特殊な製造方法を必要とせず、製造コストもあまり上がらない。
以上の外に、使用上の問題点として、指先に生ずる静電気による2次元イメージセンサの静電破壊等の悪影響は、静電容量型の指紋入力装置に比べれば小さいが、2次元イメージセンサの静電破壊の心配を低減するためには、上記のセル状の遮光壁を形成する遮光材料として金属等の電気伝導性材料を用いて、これを接地することにより、静電気を逃すことができる。また、初めに述べた単純な透明固体膜を使う場合も、透明固体膜の表面に電気伝導性透明膜を付着させ、これを接地させることにより、指先に生ずる静電気を逃すことができる。電気伝導性透明膜の材質としては、例えば、酸化スズ、ITO(Indium tin oxide;インジウム・ティン・オキサイド)を利用することができる。電気伝導性透明膜の屈折率は指の屈折率以上であり、透明固体膜の屈折率以下であることが望ましいが、インジウム等の原子量が大きい金属の酸化物を含む透明物質の屈折率は、1.5よりも大きく前者の条件を満たしているので、後者の条件を満たす屈折率を有する透明固体膜の屈折率を適当に選ぶことにより、両者の条件を満たすことができる。
透過光方式の場合、指の表面のうち指紋測定部(指紋を有する部分)以外の表面を照射する外乱光は、一種の光源の役割として働き、指紋入力に悪影響を及ぼすことはないが、異常に強い外乱光や2次元イメージセンサの感光部のうちの指で塞がれていない部分を照射する外乱光は望ましくないので、2次元イメージセンサの感光部に赤外線フィルタを密着させて、指に照射する光として赤外線を用いれば、感光部に入射しようとする普通の外乱光はほとんど遮断され、外乱光から影響の少ない安定した指紋画像が得られる。赤外フィルタ膜は一般的には薄く、これを透明固体膜の表面へ付着させるか、2次元イメージセンサのカバー膜(素子の特性安定化のためのものであり、半導体製造工程で作らなくてはならず、半導体デバイスの製法上、一般には数μm以下と非常に薄い。)の上に付着させる。赤外光の光源としては、赤外発光のLEDを用いる。赤外フィルタ膜を透明固体膜の表面に付着させる場合には、赤外フィルタ膜の屈折率は指の屈折率以上であり、透明固体膜の屈折率以下であることが望ましい。また、赤外フィルタ膜をカバー膜の上に付着させる場合には、赤外フィルタ膜の屈折率は透明固体膜の屈折率以上であり、カバー膜の屈折率以下であることが望ましい。また、透明固体膜内部に赤外フィルタ膜としての機能を持たせても良い。
赤外光を用いた場合、赤外フィルタの実現方法の如何にかかわらず、透明固体膜が「透明」である、透明固体膜が赤外光の波長帯に対して透明であるという意味となる。
赤外フィルタを上記の電気伝導性透明膜と併用しても良い。この場合、電気伝導性透明膜を、指紋測定部と接触するように、最上位層とする。
また、2次元イメージセンサの各々の受光素子の真上に凸レンズをのせてセンサ表面のうち、素子と素子の間の不感部分へ入射される光を感光部分である受光素子へ集光させる、いわゆるマイクロレンズ膜をセンサの表面に置いた2次元イメージセンサが製品化されているが、このマイクロレンズ膜をそのまま感光部分の保護膜として使用するか、このマイクロレンズの上にこれより屈折率の小さい透明固体の層をかぶせ、表面を平坦にして指紋の接触を容易にする構造とする。マイクロレンズ層により、指紋測定部の光量が少ない場合や光源の電力を低減させたい場合にメリットがある。
指紋測定部の全面に亘り指紋稜線部の明度ができる限り均一であることが、その後の指紋画像処理での補正工程を低減すために重要である。従って、指に注入された光が指内部で散乱し、全ての指紋稜線部からできる限り均等に射出するように光源の配置を工夫する必要がある。このためには、光の指への照射を多方向から行うことが望ましいが、最低限指紋測定部の前後、すなわち指先部の先端の下部と指の第1関節に近い部分の下部の2点から照射する必要がある。
最も多くの方向から照射する方法として、面発光体を指紋測定部の周囲に、出射した光が指方向へ向かうように配置し、2次元イメージセンサの方へ面発光体からの光が直接入らないように測定部側の周囲を遮光する部分を設けた構造にする。面発光体を利用するのは、測定部の周囲を光源が取り巻くようにすることが目的であるから、同様な目的を達成するためには、面発光体の代わりに、例えば発光ダイオードチップを線状に並べて作った、いわゆる線発光体を用いてもよい。このような線発光体は、光量が十分であり、薄くて効率の良い光源である。このような線発光体のモジュールは発光ダイオードのチップアレイとして、最近低価格で供給されているので実用性が高い。
指紋照合による個人識別方法は古くから研究され、さまざまな個人識別方法のうちで最も実用的であるが、指のレプリカが指の皮質に似た材質で作られると、2次元イメージセンサで撮った光学画像では本人の指紋とレプリカの指紋との区別がつかなくなる。したがって、指紋照合の前に、測定される指が人体の一部であるか否かの情報が必要になる。光の透過性を使う指紋入力方法では、指紋画像の全体の平均明度が脈動することに着目し、この脈動の波形が人体特有なものであるか否かを判断する機能を付加することによりそのような情報を得ることができる。
本発明の基本的構造は、(1)指紋稜線間隔より十分薄い透明固体膜を2次元イメージセンサの透明保護膜として2次元イメージセンサの表面に密着させた構造と、(2)金属等遮光物質に稜線間隔より十分小さい直径の貫通孔か、2次元イメージセンサの個々の受光素子に目合わせした貫通孔を穿って、この孔に透明固体物質を充填することにより得る膜を2次元イメージセンサの表面に密着させた構造の2種類である。
本発明の基本的な効果は、指紋入力装置そのものを2次元イメージセンサチップと同程度の厚さまで薄くすることを可能にし、しかも、ファイバ束等を用いないので製造コストが非常に安いことである。この効果は、各種の携帯情報端末の個人認証用として最も重要な要素を満足させることができる。この外、カード、自動車関係のセキュリティ等、幅広い用途に適する。また、本発明群の各々に対する効果は以下の通りである。
光学方式であるから、画像形成上、すなわち電気的特性上、静電気の影響を受けない。
光学方式の内でも直接形であるから、プリズムやレンズ系等を使わず、光学歪を生ずる部分がないので正確な画像が得られる。更に、プリズム・レンズの光学系は空間を必要とするが、本発明ではイメージセンサ等のLSIチップと同程度まで薄型化、小型化が可能である。
光学方式の直接形の内でも透過光方式であるから、反射光方式に比べて外乱光による悪影響を受けにくく、しかも構成が単純である。また、反射方式のように測定面に光を当てる必要がないので、センサ素子を密集して配置でき、その分解像度が高い。
透過光方式でも光ファイバの束を使う必要がないので、指紋測定部分の厚さは2次元イメージセンサのチップの厚さとほとんど同じである。
製造コストの高い光ファイバを使わなく、しかも、構造が簡単なため製造コストが安い。
透明固体膜を2次元イメージセンサと指紋測定部の間に介在させても、透明固体膜が所定の厚み以上とならない限り指紋画像の鮮明度が落ちないので、ガラス質等の硬質な材質を選定することにより、屋外等の劣悪な環境でも使用が可能である。
外乱光が指紋測定部に入りやすい環境での使用の場合は、近赤外光源と対応フィルタを用いることにより、安定な指紋画像が得られる。
本発明の中から最適な光源を選ぶことにより、測定面全体の光量の均質化が図られ、信号処理による補正がほとんど不要になる。
最適光源のうちLEDモジュールでは、用途に応じて最適な光分布を設計できるので、更に均質な画像が得られる。
本発明の指紋センサシステムでは、指紋画像が生体のものか偽造のものかの区別ができる。
マイクロレンズ付の指紋センサを用いれば入力光量が少なくてよく、光源用の電力が少なくてすむ。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[実施形態1]
図12はプリント基板の上に本発明による超薄型の指紋入力装置を実装した実施形態1を示す。これを使用した場合の指紋感知の動作状況(動作原理)を図13、図14、図15に示す。
図13は本発明の第1の実施の形態である指紋入力装置の構成を示すブロック図である。図13において、5は指1の指紋の凹凸による光の強弱を2次元的に検出する2次元イメージセンサ、27は2次元イメージセンサ5の出力を画像処理することにより指紋パターンを生成する画像処理部、28は画像処理部27で生成された指紋パターンの特徴を抽出し、所定の基準パターンと比較することにより認識判断するパターン認識部である。
以下では、2次元イメージセンサ5としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge‐Coupled Device)センサ、又はアモルファスセンサを用いた場合を例として説明する。なお、画像処理部27、及びパターン認識部28については、一般に用いられているものを適用できる。
2次元イメージセンサ5は、2次元的に配列された多数の受光素子から構成されており、これら受光素子の出力に基づき平面画像が形成される。なお、各受光素子の配置間隔は、指紋稜線部(凸部)のピッチ又は指紋谷間部(凹部)のピッチより小さくする必要があるが、指紋稜線部間隔は100〜500μmであるから、各受光素子の配置間隔は、50μm以下であれば、パターン認識を行うのに十分な精度の画像が得られる。
図14は2次元イメージセンサの受光過程を示す説明図である。指1の指紋を入力する際、指紋稜線部が2次元イメージセンサ5上の透明固体膜4に接触するように指1が配置される。この透明固体膜4は本発明に従った上述の屈折率を有するガラス等の透明部材から構成されている。また、透明固体膜4は、指紋測定部が2次元イメージセンサに直接接触しないようにする機能も有し、この機能により指紋入力装置が多数回使用されても2次元イメージセンサは摩耗したり、破壊されたりすることがなくなる。また、透明固体膜4は、指との間の摩擦で摩耗しない程度の耐摩耗性を有する。
指紋稜線部2は、2次元イメージセンサ5上の透明固体膜4に接触し、また、指の屈折率と透明固体膜4の屈折率は略等しいので、指紋稜線部2から透明固体膜4に向かう散乱光の殆どは透明固体膜に入射する。
一方、指紋谷間部3と透明固体膜4との間には空気より成る空間7が存在する。指の皮質の屈折率(1.4〜1.5程度)と空気の屈折率(1.000293)の差が大きいため、指紋谷間部3から空間7に向かう散乱光の多くは皮膚で反射されて指内に入り、指紋谷間部3から空間7に向かう臨界角以上の角度を有する散乱光は全て反射されて指内に入る。従って、指紋谷間部3から空間7に入射する光の光量は非常に少ない。また、空気の屈折率(1.000293)と透明保護膜の屈折率の差が大きいため、空間7から透明保護膜4に向かう光の多くは反射される。従って、指紋谷間部から透明保護膜4に入射する光の光量は、指紋谷間部から空間7に入射する光の光量よりも更に少ない。
従って、2次元イメージセンサは、指紋稜線部2では光を良好に検出し、指紋谷間部3では光を殆ど検出しないので、指紋稜線部2を明部として検出し、指紋谷間部3を暗部として検出する。
したがって、本発明によれば、レンズ、プリズム又は光ファイバなどの光学部品が不要となり、従来のものと比較して、光学部品自体の大きさやその取付け場所などによる物理的大きさの制約がなくなり、例えば持ち主の認証が必要なICカード内部などに実装し得る程度まで薄型化、及び小型化を実現できる。ICカードのように、薄いためにかなり湾曲する可能性の多いものに指紋入力装置を備えさせる場合には、2次元イメージセンサ5としては、柔軟性のある基板膜の上に蒸着等により成長させたアモルファス半導体に、2次元イメージセンサを構成させたものを用いることにより、かなりの湾曲にも耐えることができる。この場合、透明固体膜4も柔軟性のあるものを用いる。柔軟性のある透明固体膜としては、例えば、ポリイミド、ポリカーボネートを挙げることができるが、ポリイミドの屈折率は1.4程度であり、ポリカーボネートの屈折率は1.55程度である点と、ポリカーボネートが使用に耐える程度の強度を有する点を考慮すると、柔軟性のある透明固体膜としては、ポリカーボネートを使用するのが好ましい。
また、本発明においては、光学部品による光学処理がなされないため、歪み補正等の画像修正処理を実行することなく歪みのない指紋画像を得ることができ、指紋パターンの認識率を改善できる。
一方、透明固体膜は指が繰り返し接触しても摩耗しないように耐摩耗性を有する必要があるから、透明固体膜の材質としては、本発明に従った屈折率を有し、且つ、傷が付きにくいガラス質の物質や有機物を使用する。しかし、ガラス質の物質や有機物の多くは、電気伝導性がない。本発明の指紋入力装置は光方式であるから、指の静電気による静電破壊の虞は少ないが、半導体素子である2次元イメージセンサを静電破壊から保護するためには静電気を逃すことが望ましく、このためには、上述したように、酸化スズ、ITO等より成る透明な電気伝導性物質の薄膜を透明固体膜の上に形成させ、これを接地して使うことが望ましい。
後述の図16及び図17に示す遮光壁を使う場合は、遮光壁の材質として金属を使うことにより、遮光壁を接地するだけで強い静電気を逃すことができるので、屋外使用における静電気対策の意味からも、図16及び図17の指紋入力装置が優れている。
この外、外乱光の問題については、本発明の指紋入力装置が透過光方式であるから、外乱光は透過光の光源の役割も果たすので、外乱光の指紋入力装置への悪影響が少ないが、極端に外乱光が強い場合や、指紋測定部と指紋入力装置の表面の隙間から外乱光が入ってしまう場合等にも安定して指紋検出を行うためには、特定の波長帯の光を出射する光源が指先の指紋測定部以外の部分を照射するようにして、その波長帯の光のみを通す分光フィルタを2次元イメージセンサから指紋入力装置の表面の間の何れかの位置に設けることにより、指紋の測定に用いる光の波長帯を狭くして、外乱光を遮断するのが有効である。1例として、光源として近赤外発光ダイオードを、分光フィルタとしてこの発光波長と同一の透過波長を有する近赤外フィルタを用いる。この場合、近赤外線は生体内、特に皮膚、を透過しやすい光であるが、波長を800〜950nmに選ぶと、血液はこの波長の近赤外線に対して10%程度の吸収率を持つので、透過光の脈動により、測定感度を損なわずに生体感知を行うことができる。波長が1400nm以上の赤外光線等は、波長によっては水での吸収帯が存在するので、この使用を避ける必要がある。また、外乱光を含めて、血液による吸収率が小さすぎる波長帯では、生体感知のための血液の脈動に不感になる場合があるのでこの波長帯も避ける必要がある。これらの注意点は光源に用いる発光ダイオード、その光のみを通す分光フィルタの選定に対して共通した注意点である。
[実施形態2]
次に実施形態2について説明する。図16及び図17は、実施形態2による2種類の指紋入力装置の断面図である。2次元イメージセンサのカバー膜8はセンサ素子の特性安定化のためのものであり、半導体製造工程で作らなくてはならず、半導体デバイスの製法上、一般には数μm以下と非常に薄い。従って、カバー膜8に直接指を繰り返し押し付けることは耐久性の問題があるため、実施形態では透明固体膜4を設け、透明固体膜4の厚さ、屈折率及び硬度を規定した。このうち、耐久性の条件と相反するものは厚さの条件である。即ち、透明固体膜4が薄いほど画像は鮮明になるが、透明固体膜4が厚いほど耐久性が上がる。指紋画像のコントラストを得るためには、最小指紋稜線部間隔が100μmであれば、透明固体膜4の厚さを例えば60μmまで厚くすることができる。透明固体膜4の厚みが60μmあれば、通常の用い方をしている耐久性の上で十分であるが、屋外で風雨にさらして使う場合には、更に透明固体膜4が厚いことが望ましい。しかし、透明固体膜4を厚くすると実施形態1の指紋入力装置では、指紋画像のコントラストを得ることが出来なくなってしまう。
この問題点を解決するのが図16及び図17に示す実施形態2の構造である。透明保護膜8が厚すぎると光が横方向へ進む成分が多くなるので指紋稜線の鮮明度が落ちる。これを防ぐ目的で横方向の光を遮断するための縦方向の遮光壁を設ける。遮光壁を細かくして2次元イメージセンサの素子に目合わせする必要を無くした例を示すのが図16であり、遮光壁のピッチを2次元イメージセンサの素子のピッチに合わせて、遮光壁を細かくする必要を無くした例を示すのが図17である。
図16に示す指紋検出装置においては、遮光壁により囲まれる個々の貫通孔と2次元イメージセンサの個々の受光素子を目合わせしなくても各受光素子に必ず少なくとも1つの貫通孔が対応して、各受光素子が目隠しされないようにするように、2次元イメージセンサの個々の受光素子の受光径の半分以下の直径の貫通孔を、金属等の遮光性の材質の膜に多数開け、その貫通孔に透明固体膜の組成物(以下、「透明固体物質」という。)を充填することにより、遮光壁を有する透明固体膜を作る。そして、この遮光壁を有する透明固体膜を2次元イメージセンサの表面に密着させる。この場合は、貫通孔と2次元イメージセンサの受光素子との目合わせは不要であるので、組立ては容易であるが、イメージセンサの受光素子の配置間隔が50μmであり、受光径が25μmであれば、貫通孔の直径は12.5μm以下としなければならない。但し、遮光壁の厚みも考慮すれば、更に細いことが望ましい。
一方、屋外での使用を考慮すると、遮光壁を有する透明固体膜の厚さは60μm以上であることが好ましいので、貫通孔は井戸状に深いものとなり、この中に透明固体物質を充填するためには、比較的高度な膜の製造方法を要する。
これに対し、図17に示す指紋検出装置においては、2次元イメージセンサの各々の受光素子の受光面と大きさ、形状及び位置が完全に一致した貫通孔を有する遮光物質膜を製作し、この遮光物質膜の貫通孔に透明固体物質を充填し、2次元イメージセンサの受光素子の受光面と貫通孔を目合わせをして組み立てる。この指紋検出装置の製造方法では、受光素子の受光面と貫通孔の位置関係に特に精度を要するが、イメージセンサの受光素子の配置間隔が50μmであり、受光径が25μmであれば、貫通孔の直径は25μmであればよいので、厚さを60μmとしても膜自体の製造は容易である。
この貫通孔に充填する透明固体物質は光の吸収率が小さい限り、透明固体物質の透明度が悪くても、すなわち、この貫通孔の中で光が散乱されても、指紋画像の鮮明度は基本的に変わらない。この点は光ファイバの束を用いる方式と基本的に異なる。
すなわち、光ファイバは、光のジグザグ進行による信号伝達性能の劣化をより少なくするため、コアとクラッドを有し、端面から光ファイバ内へ光が入射する場合、臨界入射角が存在し、限定された入射角の光しか光ファイバによる光導波作用がない反面、この角度範囲の光は横方向に分散されずに伝達される。すなわち、光ファイバに入射した光は、光ファイバから出射するときに直進性が良いので、光ファイバに入射した光は正確に入射時の角度で出射するが指紋稜線部の尖端の微小な凹部から光は入射されず、これが横からの光で補われないため、稜線像は断続しやすい。
これに対して、本発明の透明固体膜を利用した場合には、透明固体膜が遮光壁を有しているか否かにかかわらず、光の指紋稜線部から透明固体膜への入射には臨界角が存在しないために、指紋稜線部の尖端の微小な凹凸による横方向の光成分も透明固体膜中に入射し、従って、透明固体膜から2次元イメージセンサの感光部に光が伝わる場合、この横方向成分の光により微小な凹部に対する像の欠落は補われる。したがって、見かけ上の鮮明度は下がる。
また、指紋稜線部に汗腺があった場合、光ファイバを用いた指紋入力装置では、指紋稜線部における臨界角の存在により、汗腺が暗領域として画像に現れるが、本発明による指紋入力装置では、指紋稜線部では臨界角がないので、汗腺が暗領域として画像に現れることはなく、指紋稜線部と指紋谷間部との識別を目的とする用途には、本発明による透明固体膜を用いた指紋入力装置を用いた方が有利である。すなわち、指紋稜線部と指紋谷間部との識別の目的のために光ファイバを用いた指紋入力装置を用いた場合には、汗腺の暗領域を無くすための画像処理が必要となるが、そのような目的のために本発明による透明固体膜を用いた指紋入力装置を用いた場合には、汗腺の暗領域を無くすための画像処理が必要とはならない。
また、指紋照合動作の主な過程である指紋稜線の辿りのためには、断続しない稜線が読み取れることが重要である。稜線が断続した場合には、断続した稜線を繋ぐ処理を画像処理ブロックで行うが、この処理は膨大な計算を要するので、少しでも断続点を減らし、計算量を減らすことが大切である。上記と同様の理由により、光ファイバを用いた指紋入力装置では、稜線が途切れる箇所が多くなるが、本発明による透明固体膜を用いた指紋入力装置では、稜線が不必要に途切れることが無くなる。従って、本発明の指紋入力装置は、指紋照合に好適である。
なお、図16及び図17の指紋入力装置は、厚膜の中の光が横方向へ進むことを抑止するが、この抑止は、指紋稜線間隔オーダーの広がりの抑止にとどまり、厚膜に入射した光は横方向成分を十分含んでいる。これに対して、光ファイバは横方向成分を意図して抑えるように作られている点が異なる。
開口率0.35の光ファイバを用いた指紋入力装置と本発明による指紋入力装置との指紋稜線の断続についての差違は、図18に示す前者が入力した指紋画像と図19に示す後者が入力した指紋画像を比較することにより明らかとなる。図18に示す指紋画像の方が図19に示す指紋画像よりも鮮明であるので、前者の方が後者よりも優れているように見えるかもしれないが、図18に示す白丸で示す欠落点が図19には無いことより、後者の装置が優れていることがわかる。
[実施形態3]
実施形態3では、保護膜として、最近、イメージセンサの感度を上げるために使われだしたマイクロレンズ層を使う。
実施形態3では、基本的に、図20のようにイメージセンサの感光部の真上にドーム状の透明固体であるマイクロレンズ13を被せることにより、感光部以外に入射する光を感光部へ集めて、光の検出感度を高める。マイクロレンズ13に指紋稜線部が接触すると、指紋稜線は13−1のような形になり、集光により光検出感度が上がるが、マイクロレンズ13の谷間13−2の部分からの光は一度空間に出てしまうので、この部分の光は利用できないので指紋稜線部の100%の領域の光を検出することは出来ない。しかし、現在、一般的に量産されているセンサがそのまま使えるので、コスト的には有利である。マイクロレンズの組成物としては、実施形態1の透明固体膜の組成物を使用する。従って、マイクロレンズの屈折率は、透明固体膜の屈折率と同様に本発明に従って定められる。
図20に示す指紋入力装置の欠点を改良したものが図21に示す指紋入力装置である。図21に示す指紋入力装置では、指が接する部分を平らにするために貼り合わせレンズを用いる。貼り合わせレンズは、マイクロレンズ13の上にマイクロレンズの材質の屈折率より小さい屈折率の透明固体物質14を重ねたものである。なお、透明固体物質14は実施形態1の透明固体膜の組成物である。従って、透明固体物質14の屈折率は、本発明に従って定められ、マイクロレンズ13の屈折率はそれよりも大きい。
図21に示す指紋入力装置によれば、谷間13−2がないので指紋稜線部の100%に領域の光を検出することができるので、光検出感度が上がり、また、マイクロレンズ13の谷間部の薄い部分が存在しないのでマイクロレンズ13の耐久性が上がる。
図22に示す指紋入力装置では、マイクロレンズとして屈折率分布をイメージセンサのピッチにあわせて作った平板型マイクロレンズ15を使用する。平板型マイクロレンズ15は、透明固体膜に形成される。平板型マイクロレンズ15は透明固体膜を作成する際に2次元イメージセンサの各受光素子に接する点に不純物を入れて拡散させることにより作成することができ、受光素子から離れるに従い減少する透過率の分布16を有する。平板型マイクロレンズ15は、図20、図21に示すマイクロレンズ13より集光力があり、また、平板であるから、指紋稜線の100%が接触し、しかも、厚さを10〜20μmとすることが可能になるので、十分な保護膜効果がある。
一方、透過光を作る光源についての重要な条件は、透過光に起因する指の測定部分から出射光がより均等に分布することであるが、このためには指に全方向から光を当てることが望ましい。光源が点光源である場合には、指の指紋測定部を有する面の反対面(爪を有する面)から強い光を当てると、出射光の均等分布が得られる。しかし、今後の利用分野を考えると、指紋入力装置全体としては平板型に構成することが大切なので、爪を有する面から光を当てることができない。点光源を使う場合は、図23に示すように指先の先端部の下部及び指の第1関節の下部に光源11、12を配置するのが最良であるが、指全体に光を当て、光の強度をより均質化する方法が、図24に示すように面光源17を使って面光源の形状を目的に応じ最適化することで実現される。なお、図24において、18は、光源から直接感光部へ向かう光を遮る遮光体である。面光源は最近進歩してきたフィルム状のEL発光パネルが適する。
図25に示す指紋入力装置は、更に測定部の光の強度を高めて、しかも、出射光を均質化するために発光ダイオードアレイのチップを最適に配置したものである。なお、図25において、18は光源から直接感光部へ向かう光に対する遮光体、19は線発光モジュール(LEDチップアレイ)である。図25に示す指紋入力装置では、光量も自由に設計できる。光量設計は、指からの出射光のムラが最低になるような線発光モジュールの最適配置を探るように行う。
図25に示すタイプの指紋入力装置の試作品の例を図12に示す。図12において、4は透明固体保護膜、5は2次元イメージセンサ、8はセンサカバー、18は光源から直接感光部へ向かう光を遮る遮光体、19は線発光モジュール(LEDチップアレイ)、24はLEDチップ、25はメイン基板、26はLEDチップアレイの基板である。線発光モジュール19が薄いので、図25の指紋入力装置の厚みを、2次元イメージセンサ5の厚みとほぼ等しくできることが最大の特徴である。
[実施形態4]
実施形態4では、偽造の指による不正使用を防止するために、透過光が血液の脈流により変動することを利用し、測定時にこの脈流の特徴から生体の指紋か否かを見分ける。実施形態4のブロック図を図26に示す。実施形態4の動作は次のようになる。測定光としては800〜950nmの赤外線光を使い、また、使用した波長を透過波長とする分光フィルタを用いる。この波長帯では酸素を多く含む血液(動脈)も、少なく含む血液(静脈)も大差ない吸収率を持ち、しかも、透過光量が10%程度の変動を示す。2次元イメージセンサの出力波形をピーク値が、血液の光吸収量の変動により、10%以下であるが変動する。これは血圧が脈動するために起こる。低域濾波回路(LPF)21により、1フレームの平均の明度を求め、平均化回路22により1フレームの平均の明度を脈拍の周期以上の時間にわたり平均化し、シュミット型の比較器23により、低域濾波回路21の出力と平均化回路22の出力を比較することにより、脈動があるか否かを検出することができる。脈動がある場合には、比較器23は脈拍の周期の矩形波を出力するが、脈動がない場合には、比較器23の出力は一定のままであるので、人体の指と偽造の指を識別することができる。なお、2次元イメージセンサの出力をデジタル化し、プログラムにより動作するコンピュータにより、低域濾波回路21、平均化回路22、比較器23の機能を実現しても良い。
透明固体膜の屈折率とコントラストとの関係を考察するためのモデルを示す断面図であり、透明固体膜に指紋測定部が載置された状態を示すものである。 透明固体膜の屈折率とコントラストの関係を示す第1のグラフである。 透明固体膜の屈折率とコントラストの関係を示す第2のグラフである。 指の屈折率が1.4であるとした場合の透明固体膜の屈折率と透過率の関係を示す第1のグラフである。 指の屈折率が1.4であるとした場合の透明固体膜の屈折率と透過率の関係を示す第2のグラフである。 指の屈折率が1.5であるとした場合の透明固体膜の屈折率と透過率の関係を示す第1のグラフである。 指の屈折率が1.5であるとした場合の透明固体膜の屈折率と透過率の関係を示す第2のグラフである。 指紋稜線部の中心点の直下の点Xが受光する光を模式的に表した図である。 指紋谷間部の中心点の直下の点Xが受光する光を模式的に表した図である。 コントラストCが100%である場合の透明固体膜の厚さの指紋稜線間隔に対する比率とコントラストCの関係を示すグラフである。 コントラストCが60%である場合の透明固体膜の厚さの指紋稜線間隔に対する比率とコントラストCの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態による指紋入力装置の試作品を示す断面図及び平面図である。 本発明による指紋入力装置の基本構成を示す概念図である。 本発明の実施形態1による指紋入力装置に指紋測定部を置いたときの状態を示す断面図である。 本発明による指紋入力装置に指紋測定部を置いたときの状態を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態2−1による指紋入力装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態2−2による指紋入力装置の構造を示す断面図である。 光ファイバ(開口率0.35)束を用いた透過光方式指紋入力装置が撮像した指紋画像を示す写真である。 本発明の実施形態による指紋入力装置が撮像した指紋画像を示す写真である。 本発明の実施形態3−1による指紋入力装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態3−2による指紋入力装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態3−3による指紋入力装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態による2つの点光源を備える指紋入力装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態による面光源を備える指紋入力装置の構造を示す断面図及び平面図である。 本発明の実施形態による線光源を備える指紋入力装置の構造を示す断面図及び平面図である。 本発明の実施形態4による脈動検出回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 指
2 指紋稜線部
3 指紋谷間部
4 透明固体保護膜
5 2次元イメージセンサ
5−1 イメージセンサ感光部
7 空気層
8 センサカバー
9 貫通孔(透明固体物質で充填)
10 金属膜等の遮光体
11 指先の先端の下部の光源(含む、近赤外光源)
12 指の第1関節の下部の光源(含む、近赤外光源)
13 マイクロレンズ
13−1 指紋稜線部の表皮
13−2 マイクロレンズの谷間
14 マイクロレンズより屈折率の小さい透明固体物質
15 平板型マイクロレンズ
16 マイクロ集光レンズを構成する屈折率分布
17 面発光体、又は面発光膜
18 光源から直接感光部へ向かう光を遮る遮光体
19 線発光モジュール(LEDチップアレイ)
21 低域濾波回路
22 平均化回路
23 比較器
24 LEDチップ
25 メイン基板(プリント板等)
26 LEDチップアレイの基板
27 稜線像の大きな欠落ポイント

Claims (42)

  1. 測定対象の指の指紋稜線部と指紋谷間部を有する指紋測定部から指紋画像を撮像するための2次元イメージセンサと、
    前記2次元イメージセンサの撮像面上に載置され、前記2次元イメージセンサが前記指紋画像を撮像するときに前記指紋測定部が載置される透明固体膜と、
    を備え、前記指紋測定部のうちの指紋稜線部を明部として撮像し、前記指紋測定部のうちの指紋谷間部を空気層を介して暗部として撮像する指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の屈折率が1.4以上であることを特徴とする指紋入力装置。
  2. 請求項1に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜の屈折率が1.5以上であることを特徴とする指紋入力装置。
  3. 請求項1に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜の屈折率は、5以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  4. 請求項3に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜の屈折率は、4以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  5. 請求項4に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜の屈折率は、3以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  6. 請求項5に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜の屈折率は、2以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  7. 請求項1に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さは、0μmを超え100μm以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  8. 請求項7に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さは、90μm以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  9. 請求項8に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さは、80μm以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  10. 請求項9に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さは70μm以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  11. 請求項10に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さは60μm以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  12. 測定対象の指の指紋稜線部と指紋谷間部を有する指紋測定部から指紋画像を撮像するための2次元イメージセンサと、
    前記2次元イメージセンサの撮像面上に載置され、前記2次元イメージセンサが前記指紋画像を撮像するときに前記指紋測定部が載置される透明固体膜と、
    を備え、前記指紋測定部のうちの指紋稜線部を明部として撮像し、前記指紋測定部のうちの指紋谷間部を空気層を介して暗部として撮像する指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さが無限にゼロに近いと仮定したときに定義されるコントラストCの式:
    Figure 2005319294
    ただし、
    3L:指紋谷間部直下の下向きの全方向の光のパワー
    3D:指紋稜線部直下の下向きの全方向の光のパワー
    に、第1の屈折率条件:前記透明固体膜の屈折率n≧前記指の皮質の屈折率n>空気の屈折率n=1.000の場合には、
    Figure 2005319294
    及び
    Figure 2005319294
    を代入して得られるCが、第2の屈折率条件:前記指の皮質の屈折率n>前記透明固体膜の屈折率n>空気の屈折率n=1.000の場合には、
    Figure 2005319294
    及び
    Figure 2005319294
    を代入して得られるCが、ノイズの大きさが与えられたときに指紋認識のための信号対ノイズ比を得るための値以上となることを前記透明固体膜の屈折率nが満たしていることを特徴とする指紋入力装置。
  13. 請求項12に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜の厚さがtであるとしたときに定義されるコントラストCの式:
    Figure 2005319294
    の値が、ノイズの大きさが与えられたときに指紋認識のための信号対ノイズ比を得るための値以上となることを前記透明固体膜の厚さtが満たしていることを特徴とする指紋入力装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜はガラスを組成物として有することを特徴とする指紋入力装置。
  15. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜の組成物は、柔軟性を有することを特徴とする指紋入力装置。
  16. 請求項15に記載の指紋入力装置において、前記柔軟性を有する前記組成物は、ポリイミド又はポリカーボネートを備えることを特徴とする指紋入力装置。
  17. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、接地した透明な電気伝導性透明膜を備えることを特徴とする指紋入力装置。
  18. 請求項17に記載の指紋入力装置において、前記電気伝導性透明膜は、酸化スズ又はインジウム・ティン・オキサイドを組成物として備えることを特徴とする指紋入力装置。
  19. 請求項17に記載の指紋入力装置において、前記電気伝導性透明膜は、最上位層であることを特徴とする指紋入力装置。
  20. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、測定対象の前記指の第1関節よりも先の部分を指紋測定部とは異なった表面から照射する光源を備えることを特徴とする指紋入力装置。
  21. 請求項20に記載の指紋入力装置において、前記光源は、測定対象の前記指の先端を照射する第1の光源と、測定対象の前記指の前記第1関節を照射する第2の光源を備えることを特徴とする指紋入力装置。
  22. 請求項20に記載の指紋入力装置において、前記光源は、測定対象の前記指の指紋測定部の外周部を照射する面光源であることを特徴とする指紋入力装置。
  23. 請求項20に記載の指紋入力装置において、前記光源は、測定対象の前記指の指紋測定部の外周部を照射する線光源であることを特徴とする指紋入力装置。
  24. 請求項20に記載の指紋入力装置において、前記光源は所定の波長帯の光のみを出射することを特徴とする指紋入力装置。
  25. 請求項24に記載の指紋入力装置において、前記所定の波長帯の光のみを通す分光フィルタを前記2次元イメージセンサから指紋入力装置の表面の間の何れかの位置に備えることを特徴とする指紋入力装置。
  26. 請求項24に記載の指紋入力装置において、前記透明固体膜は前記所定の波長帯のみにおいて透明であることを特徴とする指紋入力装置。
  27. 請求項24に記載の指紋入力装置において、前記所定の波長帯は800から950nmまでを範囲とすることを特徴とする指紋入力装置。
  28. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜は、遮光物質膜に多数の貫通孔を穿つことにより形成される遮光壁により区切られていることを特徴とする指紋入力装置。
  29. 請求項28に記載の指紋入力装置において、
    前記貫通孔の直径は、前記2次元イメージセンサの受光素子の受光径の半分以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  30. 請求項28に記載の指紋入力装置において、
    前記貫通孔は、前記2次元イメージセンサの受光素子に目合わせされていることを特徴とする指紋入力装置。
  31. 請求項28に記載の指紋入力装置において、
    前記遮光物質は、電気伝導性を有し接地されていることを特徴とする指紋入力装置。
  32. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、
    前記透明固体膜と貼り合わされ、前記2次元イメージセンサの撮像面の各受光素子上に載置される複数のマイクロレンズを備え、
    前記複数のマイクロレンズの屈折率が前記透明固体膜の屈折率よりも大きいことを特徴とする指紋入力装置。
  33. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、
    前記前記透明固体膜に形成され、前記2次元イメージセンサの撮像面の各受光素子上に載置される複数のマイクロレンズを備え、
    前記複数のマイクロレンズの屈折率が前記透明固体膜の屈折率よりも大きいことを特徴とする指紋入力装置。
  34. 請求項33に記載の指紋入力装置において、
    前記複数のマイクロレンズの屈折率は前記受光素子から離れるに従い変化することを有することを特徴とする指紋入力装置。
  35. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の指紋入力装置において、
    前記測定対象指に脈動があるか否かを検出する手段を備えることを特徴とする指紋入力装置。
  36. 測定対象の指の指紋測定部にある指紋画像を撮像するための2次元イメージセンサと、
    前記2次元イメージセンサの撮像面の各受光素子上に載置され、前記2次元イメージセンサが前記指紋画像を撮像するときに前記指紋測定部が載置される複数のマイクロレンズと、
    を備え、前記指紋測定部のうちの指紋稜線部を明部として撮像し、前記指紋測定部のうちの指紋谷間部を空気層を介して暗部として撮像する指紋入力装置において、
    前記マイクロレンズの屈折率が1.4以上であることを特徴とする指紋入力装置。
  37. 請求項36に記載の指紋入力装置において、前記マイクロレンズの屈折率は、1.5以上であることを特徴とする指紋入力装置。
  38. 請求項36に記載の指紋入力装置において、前記マイクロレンズの屈折率は、5以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  39. 請求項38に記載の指紋入力装置において、前記マイクロレンズの屈折率は、4以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  40. 請求項39に記載の指紋入力装置において、前記マイクロレンズの屈折率は、3以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  41. 請求項40に記載の指紋入力装置において、前記マイクロレンズの屈折率は、2以下であることを特徴とする指紋入力装置。
  42. 測定対象の指の指紋測定部にある指紋画像を撮像するための2次元イメージセンサと、
    前記2次元イメージセンサの撮像面の各受光素子上に載置され、前記2次元イメージセンサが前記指紋画像を撮像するときに前記指紋測定部が載置される複数のマイクロレンズと、
    を備え、前記指紋測定部のうちの指紋稜線部を明部として撮像し、前記指紋測定部のうちの指紋谷間部を空気層を介して暗部として撮像する指紋入力装置において、
    前記マイクロレンズの厚さが無限にゼロに近いと仮定したときに定義されるコントラストCの式:
    Figure 2005319294
    ただし、
    3L:指紋谷間部直下の下向きの全方向の光のパワー
    3D:指紋稜線部直下の下向きの全方向の光のパワー
    に、第1の屈折率条件:前記マイクロレンズの屈折率n≧前記指の皮質の屈折率n>空気の屈折率n=1.000の場合には、
    Figure 2005319294
    及び
    Figure 2005319294
    を代入して得られるCが、第2の屈折率条件:前記指の皮質の屈折率n>前記マイクロレンズの屈折率n>空気の屈折率n=1.000の場合には、
    Figure 2005319294
    及び
    Figure 2005319294
    を代入して得られるCが、ノイズの大きさが与えられたときに指紋認識のための信号対ノイズ比を得るための値以上となることを前記マイクロレンズの屈折率nが満たしていることを特徴とする指紋入力装置。
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