JP2004176727A - 筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置 - Google Patents
筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004176727A JP2004176727A JP2002304849A JP2002304849A JP2004176727A JP 2004176727 A JP2004176727 A JP 2004176727A JP 2002304849 A JP2002304849 A JP 2002304849A JP 2002304849 A JP2002304849 A JP 2002304849A JP 2004176727 A JP2004176727 A JP 2004176727A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fastening
- shaft
- cylinder
- elastic locking
- wall
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Clamps And Clips (AREA)
Abstract
【課題】この発明は、締結筒と、締結軸との締結係止に当り、その解除ができるようにすることを目的としたものである。
【解決手段】この発明は、締結筒の中心部へ締結軸を圧入して、該締結軸の外壁に所定間隔をおいて設けた複数の係止突条と、前記締結筒の内壁に、円周方向へ間隔をおいて突設した複数の弾性係止片とを係止させると共に、前記締結軸又は締結筒を円周方向へ回動させて、前記係止突条と前記弾性係止片との締結を解除することを特徴とした筒体と軸杆の締結・解除方法により目的を達成した。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明は、締結筒の中心部へ締結軸を圧入して、該締結軸の外壁に所定間隔をおいて設けた複数の係止突条と、前記締結筒の内壁に、円周方向へ間隔をおいて突設した複数の弾性係止片とを係止させると共に、前記締結軸又は締結筒を円周方向へ回動させて、前記係止突条と前記弾性係止片との締結を解除することを特徴とした筒体と軸杆の締結・解除方法により目的を達成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、締結筒の一端面と、締結軸頭との間に目的物を挟着し、前記締結筒と、締結軸とを緊締固定すると共に、前記締結筒と締結軸との緊締解除することを目的とした筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来目的物を固定するために、ボルトとナットを用いることは広く知られている。その他の固定方法としては金属板の溶接固着又は鋲固定なども使用されており、ナットを固定した板ばねの穴へボルトを嵌入固定した締結装置も知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−107939号公報
【0004】
【特許文献2】実公平5−4569号公報
【0005】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来最も多用されていたボルトとナットによる締結装置は、締結に時間・労力が多くかかるのみならず、夫々専用の工具を必要とする問題点があった。
【0006】
また、溶接などにおいては、溶接技術のみならず、溶接器具を要し、かつ電気を必須要件とする問題点があった。
【0007】
次に出願人は、先にワンタッチ締結装置を発明したのであるが、締結後の解除が困難であったので、更に研究し、締結確実でしかも解除容易な技術を開発し、一層有用化したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、締結筒の分離した弾性係止片と、締結軸の係止突条とを係止させると共に、締結筒又は締結軸を回動して、前記弾性係止片と締結軸の締結を解除することにより、締結確実で解除容易な締結装置を得たのである。
【0009】
即ち方法の発明は、締結筒の中心部へ締結軸を圧入して、該締結軸の外壁に所定間隔をおいて設けた複数の係止突条と、前記締結筒の内壁に、円周方向へ間隔をおいて突設した複数の弾性係止片とを係止させると共に、前記締結軸又は締結筒を円周方向へ回動させて、前記係止突条と前記弾性係止片との締結を解除することを特徴とした筒体と軸杆の締結・解除方法であり、締結軸又は締結筒の円周方向の回動は、90度以下とするものである。
【0010】
また、装置の発明は、締結筒の内壁と、締結軸の外壁へ、互いに共同する締結手段を円周方向へ間隔をおいて設けると共に、前記締結筒と、締結軸の一方又は両方を回動させて締結を解除できる解除手段を具備させたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置である。次に、締結手段は、締結筒の内壁の円周方向へ間隔をおいて設けた弾性係止片と、締結軸の外壁へ、間隔をおいて軸方向に設けた係止突条との係止としたものであり、解除手段は、締結筒の内壁に設けた弾性係止片の間隔を、締結軸の外壁に設けた係止突条の円周方向の幅より大きくしたものである。
【0011】
更に、他の装置の発明は、締結筒の内壁へ、円周方向に複数の弾性係止片の基部を間隔をおいて固定し、該弾性係止片の先端部を締結筒の中央部へ向けて鈍角に屈曲させると共に、前記締結筒に挿入係止する締結軸の外壁へ、前記弾性係止片と対応して係止する突条を軸心と平行して設け、前記隣接弾性係止片間の間隔を、前記締結軸の突条の幅より大きくしたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置である。
【0012】
また、締結筒の内壁へ、円周方向に複数の弾性係止片の基部を間隔をおいて固定し、該弾性係止片の先端部を締結筒の中央部へ向けて鈍角に屈曲させると共に、前記締結筒に挿入係止する締結軸の外壁へ、前記弾性係止片と対応して係止する突条を軸心と平行して設け、前記隣接弾性係止片間の間隔を、前記締結軸の突条の幅より大きくすると共に、前記弾性係止片の廻り止め手段を設けたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置である。
【0013】
次に他の発明は、廻り止め手段は、締結筒の内壁へ中心軸と平行に設けた平面に、弾性係止片の外周直線部を当接したものである。
【0014】
この発明における締結筒及び締結軸の材質は、使用目的に応じ金属(例えばステンレススチール、特殊鋼、その他の金属)及び硬質合成樹脂(例えばナイロン、塩化ビニリデン、その他の強靱な合成樹脂)が使用できる。
【0015】
また、弾性係止片の材質は、弾性を有する強靱な金属(例えばステンレススチール、ばね鋼など)及び強靱な合成樹脂がある。
【0016】
この発明は、弾性係止片端と、締結軸の係止外壁面との弾力的当接緊結によって、締結軸の脱抜が防止されるのであるから、弾性係止片は締結軸壁に確実に係止しなければならない。例えば、締結軸壁に平行段部又は平行溝を設けて、前記弾性係止片端と係止させれば、弾性係止片の破壊までは締結軸を引き抜くことができない。
【0017】
前記締結筒と、締結軸の係止強度は、夫々の材質、寸法、形状、構造などにより大差があるが、50kg〜数トンまで考えられ、実際の使用に際しては、用途に応じて、前記条件を満足させることができるものを選定する。
【0018】
この発明においては、確実な締結と、容易な解除との相反する特性を満足させなければならないが、締結軸(又は締結筒)の回動を要件にしているので、適当な廻り止め手段を用意する必要がある。廻り止め手段は弾性係止片の回動を確実に停止すると共に、弾性係止片と締結軸の係止突条との相対位置は簡易に回動可能の状態を再現できなければならない。
【0019】
この発明の装置であっても、解除を要しない場所で使用する場合には、締結軸と係止突条の相対的改回転ができないようにする必要がある。
【0020】
この発明における弾性係止片は、締結軸の挿入が容易で、後退不能にしなければならない。また、締結筒と締結軸は相対的に回動可能であり、必要に応じ回動できるようにしてあるが、不慮の外力によって自動回動しないよう、外力ロック手段を付与する必要がある(例えば廻り止めピン)。また回動摩擦力を通常考えられる外力より大きくとることもできる。
【0021】
次に、弾性係止片の屈曲角度は、軸心に直角な面から通常5度〜30度が使用され、15度〜20度が好ましい(軸心に平行な面からすれば、95度〜120度の範囲)。
【0022】
この発明における弾性係止片の数は、同一円周上で2〜4枚であり、好ましくは3枚である。各弾性係止片の大きさは、2枚のときは円周上で4分の1(1枚当たり90°に相当)の大きさ、3枚のときは6分の1(1枚当たり60°に相当)の大きさ、4枚のときは8分の1(1枚当たり45°に相当)の大きさであるが、3枚のときの6分の1(60°以下)が普通である。
【0023】
この発明における弾性係止片は、円周方向へ2枚〜4枚、軸方向へ適度の間隔で1段〜4段設けるが、求める係止強度を勘案して定める。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明は、締結筒の内壁の円周方向へ、先端側を屈曲した複数の弾性係止片を所定間隔で均等かつ1段又は複数段に設置し、前記各弾性係止片の先端部間隔を、締結軸の外壁の突条の幅より小さく形成してある。即ち締結筒内へ締結軸を差し込むと、前記弾性係止片の先端は、締結突条の外壁に沿って弾性変形し、自動的に係止する。従って、前記締結軸は、前進(挿入方向)は自由で後退不能になっている。
【0025】
前記締結筒又は締結軸を相対的に回動させることにより、弾性係止片と、締結突条との係止が解除されるので、締結軸の後退が可能になり、締結筒と締結軸との締結が解除される。
【0026】
この発明の弾性係止片は、締結軸の係止突条の数に対応して2〜4枚設けられ、軸方向へ1段〜4段設けるが、前記弾性係止片の円周方向の数及び軸方向の段数に制約はない。
【0027】
また、締結筒の弾性係止片と、締結軸の係止突条とは、常に対応して設けられているので、共同して締結する。また、係止突条の壁面は粗面(凹凸、環状溝、環状段部その他)になっており、締結を確実にしている。
【0028】
前記弾性係止片の廻り止め手段については、締結軸の内壁に平面を設けたり、又は締結筒を角穴にして、角弾性係止片の外周を前記角穴に嵌合するようにしたり、弾性係止片をピン固定としたりするなど適宜定め、その構造に限定はない。
【0029】
【実施例1】
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。頂板1aを有するステンレス筒1の内壁下部に、弾性係止片5を設置するための環状凹入部2を設け、該環状凹入部2へ、下部より案内板3、スペースリング4a、弾性係止片5付リング6a、スペースリング4b、弾性係止片5付リング6b、スペースリング4c及び弾性係止片5付リング6cを順次積層して設置し、締結筒7を構成した(図1)。また、ステンレス軸8の外壁に、前記弾性係止片5に対応する数の係止突条9を軸心と平行に設けて締結軸10を構成した。図中8aは軸頭、1bは案内板3を固定するために矢示21のように屈曲形成した鍔である(図3)。
【0030】
前記弾性係止片5をリング6(全部をいう)へ、3枚(弾性係止片5a、5b、5c)等間隔に設けた場合には(図1(c))、締結軸10の係止突条9も3条(9a、9b、9c)設けて(図3(b))、前記弾性係止片5a、5b、5cが、係止突条9a、9b、9cに対応して係止できるようにしてある。
【0031】
前記スペースリング4aには、図2(b)図示のように外周壁に直線部17が設けられており、スペースリング4b(4cも同様)にも同様に直線部18(図2−(c))が設けられている。さらに、スペースリング4a、4b、4cと共にステンレス筒1内に積層される弾性係止片5付リング6の外周にも直線部11が設けてあり、締結筒7の内壁に前記スペースリング4(全部をいう)及びリング6の外周の直線部11、17、18に対応する平面12が設けてあるので、締結軸10を挿入締結した後、締結軸10を回動しても、係止片付リング6は前記直線部11、17、18と、平面部12の当接により相対的に回転できない。従って、締結解除時に係止片5付リング6が回動するおそれはない。また、スペースリング4a、4b、4cの回動も阻止される。
【0032】
前記実施例において、図4(a)中矢示13のように締結軸10を挿入すれば、各弾性係止片5a、5b、5cは、図4(a)、(c)のように弾性変形し係止して締結軸10の移動を不可能にし、前記締結後の締結軸10を図4(b)中矢示14のように引き出そうとしても、前記弾性係止片5の先端部が締結軸10の平行段部15(図3)に係止して脱抜不能となる(図4)。
【0033】
このように締結軸10は、締結筒7から脱抜不能となるので、図5図示のように被締結物19、20を重ね合わせ、重ね合わせた被締結物19、20の一側に締結筒7を配置し、他側から締結軸10を挿入すれば、締結筒7と、締結軸10の頭部8aとにより被締結物19、20を強固かつ確実に緊結固定できる。
【0034】
前記実施例によれば、弾性係止片数の多少に関係なく締結筒7と、締結軸10とを締結し、被締結物19、20を固定して元来の目的を達成することができる。前記のように、この発明はワンタッチで被締結物を締結することができる。
【0035】
次に、締結軸10を回動して、弾性係止片5(全部の場合)と、係止突条9(全部の場合)との係止を解除すれば、締結筒7から締結軸10を容易に抜き取り、締結を解除できる。
【0036】
すなわち、締結軸10を矢示16のように回転させ(図5(b))、図5(c)図示のように、弾性係止片5a、5b、5cの間へ係止突条9a、9b、9cが入るようにすれば、弾性係止片5a、5b、5cと係止突条9a、9b、9cとの係止が解除されるので、図4(b)、(d)のように締結軸10を矢示14の方向へ抜くことができる(締結解除)。
【0037】
前記締結軸10の回動は、締結筒7との相対運動になるから、締結軸10と締結筒7の何れか一方又は両方(互いに逆方向)を回動しても同様である。
【0038】
ここで、締結軸10又は締結筒7を回動する時に、弾性係止片5が一緒に回動すると係止解除ができない。しかし、前記のように弾性係止片5付リング6の外周に設けた直線部11、17、18と、締結筒7の内壁に前記直線部11、17、18に対応して設けた平面12とを嵌合当接させてあり、弾性係止片5が回動することはないので、締結軸10と締結筒7との係止を容易に解除することができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明は、締結筒の弾性係止片と、締結軸の係止突条とを係止したので、両者をワンタッチで確実に係止できると共に、締結筒又は締結軸を回動し、前記係止を解除すれば、両者の締結を容易に解除できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の締結筒の一部断面図。
(b)同じく図(a)中A−A断面図。
(c)同じく弾性係止片付リングの平面図。
(d)同じく図(c)中B−B断面図。
【図2】(a)同じくスペースリングの平面図。
(b)同じく図(a)中C−C断面図。
(c)同じくスペーサーの平面図。
(d)同じく図(c)中D−D断面図。
(e)同じく案内リングの平面図。
(f)同じく図(e)中E−E断面図。
【図3】(a)同じく締結軸の正面図。
(b)同じく図(a)中F−F断面図。
【図4】同じく締結・解除の説明図で、
(a)同じく締結図(係止リング1段)。
(b)同じく解除図。
(c)同じく締結図(係止リング3段)。
(d)同じく解除図。
【図5】(a)同じく使用状態の一部断面図。
(b)同じく係止状態の横断平面図。
(c)同じく解除後の横断平面図。
【符号の説明】
1 ステンレス筒
2 環状凹入部
3 案内板
4 スペースリング
5 弾性係止片
6 係止片付リング
7 締結筒
8 ステンレス軸
9 突条
10 締結軸
【発明の属する技術分野】
この発明は、締結筒の一端面と、締結軸頭との間に目的物を挟着し、前記締結筒と、締結軸とを緊締固定すると共に、前記締結筒と締結軸との緊締解除することを目的とした筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来目的物を固定するために、ボルトとナットを用いることは広く知られている。その他の固定方法としては金属板の溶接固着又は鋲固定なども使用されており、ナットを固定した板ばねの穴へボルトを嵌入固定した締結装置も知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−107939号公報
【0004】
【特許文献2】実公平5−4569号公報
【0005】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来最も多用されていたボルトとナットによる締結装置は、締結に時間・労力が多くかかるのみならず、夫々専用の工具を必要とする問題点があった。
【0006】
また、溶接などにおいては、溶接技術のみならず、溶接器具を要し、かつ電気を必須要件とする問題点があった。
【0007】
次に出願人は、先にワンタッチ締結装置を発明したのであるが、締結後の解除が困難であったので、更に研究し、締結確実でしかも解除容易な技術を開発し、一層有用化したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、締結筒の分離した弾性係止片と、締結軸の係止突条とを係止させると共に、締結筒又は締結軸を回動して、前記弾性係止片と締結軸の締結を解除することにより、締結確実で解除容易な締結装置を得たのである。
【0009】
即ち方法の発明は、締結筒の中心部へ締結軸を圧入して、該締結軸の外壁に所定間隔をおいて設けた複数の係止突条と、前記締結筒の内壁に、円周方向へ間隔をおいて突設した複数の弾性係止片とを係止させると共に、前記締結軸又は締結筒を円周方向へ回動させて、前記係止突条と前記弾性係止片との締結を解除することを特徴とした筒体と軸杆の締結・解除方法であり、締結軸又は締結筒の円周方向の回動は、90度以下とするものである。
【0010】
また、装置の発明は、締結筒の内壁と、締結軸の外壁へ、互いに共同する締結手段を円周方向へ間隔をおいて設けると共に、前記締結筒と、締結軸の一方又は両方を回動させて締結を解除できる解除手段を具備させたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置である。次に、締結手段は、締結筒の内壁の円周方向へ間隔をおいて設けた弾性係止片と、締結軸の外壁へ、間隔をおいて軸方向に設けた係止突条との係止としたものであり、解除手段は、締結筒の内壁に設けた弾性係止片の間隔を、締結軸の外壁に設けた係止突条の円周方向の幅より大きくしたものである。
【0011】
更に、他の装置の発明は、締結筒の内壁へ、円周方向に複数の弾性係止片の基部を間隔をおいて固定し、該弾性係止片の先端部を締結筒の中央部へ向けて鈍角に屈曲させると共に、前記締結筒に挿入係止する締結軸の外壁へ、前記弾性係止片と対応して係止する突条を軸心と平行して設け、前記隣接弾性係止片間の間隔を、前記締結軸の突条の幅より大きくしたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置である。
【0012】
また、締結筒の内壁へ、円周方向に複数の弾性係止片の基部を間隔をおいて固定し、該弾性係止片の先端部を締結筒の中央部へ向けて鈍角に屈曲させると共に、前記締結筒に挿入係止する締結軸の外壁へ、前記弾性係止片と対応して係止する突条を軸心と平行して設け、前記隣接弾性係止片間の間隔を、前記締結軸の突条の幅より大きくすると共に、前記弾性係止片の廻り止め手段を設けたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置である。
【0013】
次に他の発明は、廻り止め手段は、締結筒の内壁へ中心軸と平行に設けた平面に、弾性係止片の外周直線部を当接したものである。
【0014】
この発明における締結筒及び締結軸の材質は、使用目的に応じ金属(例えばステンレススチール、特殊鋼、その他の金属)及び硬質合成樹脂(例えばナイロン、塩化ビニリデン、その他の強靱な合成樹脂)が使用できる。
【0015】
また、弾性係止片の材質は、弾性を有する強靱な金属(例えばステンレススチール、ばね鋼など)及び強靱な合成樹脂がある。
【0016】
この発明は、弾性係止片端と、締結軸の係止外壁面との弾力的当接緊結によって、締結軸の脱抜が防止されるのであるから、弾性係止片は締結軸壁に確実に係止しなければならない。例えば、締結軸壁に平行段部又は平行溝を設けて、前記弾性係止片端と係止させれば、弾性係止片の破壊までは締結軸を引き抜くことができない。
【0017】
前記締結筒と、締結軸の係止強度は、夫々の材質、寸法、形状、構造などにより大差があるが、50kg〜数トンまで考えられ、実際の使用に際しては、用途に応じて、前記条件を満足させることができるものを選定する。
【0018】
この発明においては、確実な締結と、容易な解除との相反する特性を満足させなければならないが、締結軸(又は締結筒)の回動を要件にしているので、適当な廻り止め手段を用意する必要がある。廻り止め手段は弾性係止片の回動を確実に停止すると共に、弾性係止片と締結軸の係止突条との相対位置は簡易に回動可能の状態を再現できなければならない。
【0019】
この発明の装置であっても、解除を要しない場所で使用する場合には、締結軸と係止突条の相対的改回転ができないようにする必要がある。
【0020】
この発明における弾性係止片は、締結軸の挿入が容易で、後退不能にしなければならない。また、締結筒と締結軸は相対的に回動可能であり、必要に応じ回動できるようにしてあるが、不慮の外力によって自動回動しないよう、外力ロック手段を付与する必要がある(例えば廻り止めピン)。また回動摩擦力を通常考えられる外力より大きくとることもできる。
【0021】
次に、弾性係止片の屈曲角度は、軸心に直角な面から通常5度〜30度が使用され、15度〜20度が好ましい(軸心に平行な面からすれば、95度〜120度の範囲)。
【0022】
この発明における弾性係止片の数は、同一円周上で2〜4枚であり、好ましくは3枚である。各弾性係止片の大きさは、2枚のときは円周上で4分の1(1枚当たり90°に相当)の大きさ、3枚のときは6分の1(1枚当たり60°に相当)の大きさ、4枚のときは8分の1(1枚当たり45°に相当)の大きさであるが、3枚のときの6分の1(60°以下)が普通である。
【0023】
この発明における弾性係止片は、円周方向へ2枚〜4枚、軸方向へ適度の間隔で1段〜4段設けるが、求める係止強度を勘案して定める。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明は、締結筒の内壁の円周方向へ、先端側を屈曲した複数の弾性係止片を所定間隔で均等かつ1段又は複数段に設置し、前記各弾性係止片の先端部間隔を、締結軸の外壁の突条の幅より小さく形成してある。即ち締結筒内へ締結軸を差し込むと、前記弾性係止片の先端は、締結突条の外壁に沿って弾性変形し、自動的に係止する。従って、前記締結軸は、前進(挿入方向)は自由で後退不能になっている。
【0025】
前記締結筒又は締結軸を相対的に回動させることにより、弾性係止片と、締結突条との係止が解除されるので、締結軸の後退が可能になり、締結筒と締結軸との締結が解除される。
【0026】
この発明の弾性係止片は、締結軸の係止突条の数に対応して2〜4枚設けられ、軸方向へ1段〜4段設けるが、前記弾性係止片の円周方向の数及び軸方向の段数に制約はない。
【0027】
また、締結筒の弾性係止片と、締結軸の係止突条とは、常に対応して設けられているので、共同して締結する。また、係止突条の壁面は粗面(凹凸、環状溝、環状段部その他)になっており、締結を確実にしている。
【0028】
前記弾性係止片の廻り止め手段については、締結軸の内壁に平面を設けたり、又は締結筒を角穴にして、角弾性係止片の外周を前記角穴に嵌合するようにしたり、弾性係止片をピン固定としたりするなど適宜定め、その構造に限定はない。
【0029】
【実施例1】
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。頂板1aを有するステンレス筒1の内壁下部に、弾性係止片5を設置するための環状凹入部2を設け、該環状凹入部2へ、下部より案内板3、スペースリング4a、弾性係止片5付リング6a、スペースリング4b、弾性係止片5付リング6b、スペースリング4c及び弾性係止片5付リング6cを順次積層して設置し、締結筒7を構成した(図1)。また、ステンレス軸8の外壁に、前記弾性係止片5に対応する数の係止突条9を軸心と平行に設けて締結軸10を構成した。図中8aは軸頭、1bは案内板3を固定するために矢示21のように屈曲形成した鍔である(図3)。
【0030】
前記弾性係止片5をリング6(全部をいう)へ、3枚(弾性係止片5a、5b、5c)等間隔に設けた場合には(図1(c))、締結軸10の係止突条9も3条(9a、9b、9c)設けて(図3(b))、前記弾性係止片5a、5b、5cが、係止突条9a、9b、9cに対応して係止できるようにしてある。
【0031】
前記スペースリング4aには、図2(b)図示のように外周壁に直線部17が設けられており、スペースリング4b(4cも同様)にも同様に直線部18(図2−(c))が設けられている。さらに、スペースリング4a、4b、4cと共にステンレス筒1内に積層される弾性係止片5付リング6の外周にも直線部11が設けてあり、締結筒7の内壁に前記スペースリング4(全部をいう)及びリング6の外周の直線部11、17、18に対応する平面12が設けてあるので、締結軸10を挿入締結した後、締結軸10を回動しても、係止片付リング6は前記直線部11、17、18と、平面部12の当接により相対的に回転できない。従って、締結解除時に係止片5付リング6が回動するおそれはない。また、スペースリング4a、4b、4cの回動も阻止される。
【0032】
前記実施例において、図4(a)中矢示13のように締結軸10を挿入すれば、各弾性係止片5a、5b、5cは、図4(a)、(c)のように弾性変形し係止して締結軸10の移動を不可能にし、前記締結後の締結軸10を図4(b)中矢示14のように引き出そうとしても、前記弾性係止片5の先端部が締結軸10の平行段部15(図3)に係止して脱抜不能となる(図4)。
【0033】
このように締結軸10は、締結筒7から脱抜不能となるので、図5図示のように被締結物19、20を重ね合わせ、重ね合わせた被締結物19、20の一側に締結筒7を配置し、他側から締結軸10を挿入すれば、締結筒7と、締結軸10の頭部8aとにより被締結物19、20を強固かつ確実に緊結固定できる。
【0034】
前記実施例によれば、弾性係止片数の多少に関係なく締結筒7と、締結軸10とを締結し、被締結物19、20を固定して元来の目的を達成することができる。前記のように、この発明はワンタッチで被締結物を締結することができる。
【0035】
次に、締結軸10を回動して、弾性係止片5(全部の場合)と、係止突条9(全部の場合)との係止を解除すれば、締結筒7から締結軸10を容易に抜き取り、締結を解除できる。
【0036】
すなわち、締結軸10を矢示16のように回転させ(図5(b))、図5(c)図示のように、弾性係止片5a、5b、5cの間へ係止突条9a、9b、9cが入るようにすれば、弾性係止片5a、5b、5cと係止突条9a、9b、9cとの係止が解除されるので、図4(b)、(d)のように締結軸10を矢示14の方向へ抜くことができる(締結解除)。
【0037】
前記締結軸10の回動は、締結筒7との相対運動になるから、締結軸10と締結筒7の何れか一方又は両方(互いに逆方向)を回動しても同様である。
【0038】
ここで、締結軸10又は締結筒7を回動する時に、弾性係止片5が一緒に回動すると係止解除ができない。しかし、前記のように弾性係止片5付リング6の外周に設けた直線部11、17、18と、締結筒7の内壁に前記直線部11、17、18に対応して設けた平面12とを嵌合当接させてあり、弾性係止片5が回動することはないので、締結軸10と締結筒7との係止を容易に解除することができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明は、締結筒の弾性係止片と、締結軸の係止突条とを係止したので、両者をワンタッチで確実に係止できると共に、締結筒又は締結軸を回動し、前記係止を解除すれば、両者の締結を容易に解除できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の締結筒の一部断面図。
(b)同じく図(a)中A−A断面図。
(c)同じく弾性係止片付リングの平面図。
(d)同じく図(c)中B−B断面図。
【図2】(a)同じくスペースリングの平面図。
(b)同じく図(a)中C−C断面図。
(c)同じくスペーサーの平面図。
(d)同じく図(c)中D−D断面図。
(e)同じく案内リングの平面図。
(f)同じく図(e)中E−E断面図。
【図3】(a)同じく締結軸の正面図。
(b)同じく図(a)中F−F断面図。
【図4】同じく締結・解除の説明図で、
(a)同じく締結図(係止リング1段)。
(b)同じく解除図。
(c)同じく締結図(係止リング3段)。
(d)同じく解除図。
【図5】(a)同じく使用状態の一部断面図。
(b)同じく係止状態の横断平面図。
(c)同じく解除後の横断平面図。
【符号の説明】
1 ステンレス筒
2 環状凹入部
3 案内板
4 スペースリング
5 弾性係止片
6 係止片付リング
7 締結筒
8 ステンレス軸
9 突条
10 締結軸
Claims (8)
- 締結筒の中心部へ締結軸を圧入して、該締結軸の外壁に所定間隔をおいて設けた複数の係止突条と、前記締結筒の内壁に、円周方向へ間隔をおいて突設した複数の弾性係止片とを係止させると共に、前記締結軸又は締結筒を円周方向へ回動させて、前記係止突条と前記弾性係止片との締結を解除することを特徴とした筒体と軸杆の締結・解除方法。
- 締結軸又は締結筒の円周方向の回動は、90度以下とすることを特徴とした請求項1記載の筒体と軸杆の締結・解除方法。
- 締結筒の内壁と、締結軸の外壁へ、互いに共同する締結手段を円周方向へ間隔をおいて設けると共に、前記締結筒と、締結軸の一方又は両方を回動させて締結を解除できる解除手段を具備させたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置。
- 締結手段は、締結筒の内壁の円周方向へ間隔をおいて設けた弾性係止片と、締結軸の外壁へ、間隔をおいて軸方向に設けた係止突条との係止としたことを特徴とする請求項3記載の筒体と軸杆の締結・解除装置。
- 解除手段は、締結筒の内壁に設けた弾性係止片の間隔を、締結軸の外壁に設けた係止突条の円周方向の幅より大きくしたことを特徴とする請求項3記載の筒体と軸杆の締結・解除装置。
- 締結筒の内壁へ、円周方向に複数の弾性係止片の基部を間隔をおいて固定し、該弾性係止片の先端部を締結筒の中央部へ向けて鈍角に屈曲させると共に、前記締結筒に挿入係止する締結軸の外壁へ、前記弾性係止片と対応して係止する突条を軸心と平行して設け、前記隣接弾性係止片間の間隔を、前記締結軸の突条の幅より大きくしたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置。
- 締結筒の内壁へ、円周方向に複数の弾性係止片の基部を間隔をおいて固定し、該弾性係止片の先端部を締結筒の中央部へ向けて鈍角に屈曲させると共に、前記締結筒に挿入係止する締結軸の外壁へ、前記弾性係止片と対応して係止する突条を軸心と平行して設け、前記隣接弾性係止片間の間隔を、前記締結軸の突条の幅より大きくすると共に、前記弾性係止片の廻り止め手段を設けたことを特徴とする筒体と軸杆の締結・解除装置。
- 廻り止め手段は、締結筒の内壁へ中心軸と平行に設けた平面に、弾性係止片の外周直線部を当接したことを特徴とする請求項7記載の筒体と軸杆の締結・解除装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304849A JP2004176727A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-18 | 筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置 |
KR1020030064730A KR20040034389A (ko) | 2002-10-18 | 2003-09-18 | 체결통과 체결축에 관한 체결과 해체의 방법 및 장치 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002291997 | 2002-10-04 | ||
JP2002304849A JP2004176727A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-18 | 筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004176727A true JP2004176727A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32715666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002304849A Pending JP2004176727A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-18 | 筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004176727A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100921208B1 (ko) * | 2009-03-12 | 2009-10-13 | 가진기업(주) | 주택 보급용 일체형 지열히트펌프 |
KR101246675B1 (ko) * | 2011-10-27 | 2013-03-22 | 주식회사 알오씨 | 원터치형 너트 |
KR101905093B1 (ko) | 2018-03-21 | 2018-10-05 | 영남강철 주식회사 | 이층침대 |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304849A patent/JP2004176727A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100921208B1 (ko) * | 2009-03-12 | 2009-10-13 | 가진기업(주) | 주택 보급용 일체형 지열히트펌프 |
KR101246675B1 (ko) * | 2011-10-27 | 2013-03-22 | 주식회사 알오씨 | 원터치형 너트 |
KR101905093B1 (ko) | 2018-03-21 | 2018-10-05 | 영남강철 주식회사 | 이층침대 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6421186B2 (ja) | 複合材ホイール用のセンターロック取付構造 | |
CA2370190C (en) | Nut locking apparatus | |
US10718368B2 (en) | Lock nut with offset retaining ring | |
US5713708A (en) | Fastener assembly including a self-locking ratchet nut | |
US20030077143A1 (en) | Washer and threaded fastener assembly incorporating same | |
US11719274B2 (en) | Lock nut systems and methods | |
JPH01158208A (ja) | 緩み止め締結具組立体 | |
KR102243164B1 (ko) | 체결 요소 및 체결 조립체 | |
US11668338B2 (en) | Bolt and nut loosening prevention assembly | |
JP6052531B2 (ja) | ナット | |
US20210239151A1 (en) | Lock washer and fastening structure | |
JP2004176727A (ja) | 筒体と軸杆の締結・解除方法及び装置 | |
EP1640520A2 (en) | Connector assembly | |
WO2016134408A1 (en) | Releasable fastener | |
US3953140A (en) | Fastener for locking a rotatable part to a shaft | |
JP5939860B2 (ja) | 管継手、管継手に使用する仮止め用スペーサー及び管継手の組み付け方法 | |
US7182562B2 (en) | Gear bolt retention in an automatic transmission assembly subjected to thrust and bending loading | |
JP2016125526A (ja) | さや管推進工法用スペーサー及びさや管推進工法 | |
JP3531147B2 (ja) | ユニオンナット継手用管離脱防止装置及びプラスチックリング | |
JP4974625B2 (ja) | 足場ボルトユニット | |
WO2020174652A1 (ja) | ロックワッシャ、締結構造及びその締結構造の締結を解除する方法 | |
WO2023053470A1 (ja) | ワッシャ及び締結構造、締結解除方法 | |
KR20040034389A (ko) | 체결통과 체결축에 관한 체결과 해체의 방법 및 장치 | |
JP3918099B2 (ja) | ユニオンナット継手用管離脱防止装置及び解体方法 | |
AU728332B2 (en) | Lock nut and attaching/removing tool for the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061212 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070619 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |