JP2004176474A - シールド掘進機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シールド掘進機1の前端部に公転自在に設置された複数のカッタスポーク40、50の内少なくとも1以上のカッタスポーク40に自転カッタヘッド60を自転自在に設置し、自転カッタヘッド60の前端面に支障物切断用の支障物切断ビット61と、その側面に掘進用の自転カッタビット62とが配置されている。そして、カッタスポーク40、50が公転停止または揺動する間に限り、自転カッタヘッド60を自転駆動する自転駆動油圧モータ90に油圧を供給して支障物を切断する。また、自転カッタヘッド60の自転をロックピン80によって自転不能にしてた状態でカッタスポーク40、50を公転して掘進する。
このとき、自転カッタビット62が土砂を掘進している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシールド掘進機、特に、掘進方向にある支障物を撤去するための支障物撤去手段を具備するシールド掘進機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前進方向の端部に回転するカッタを具備したシールド掘進機を用いて、地中にトンネルや水路等の地中構造物を構築するシールド工法が多用されている。近年、地上または地下構造物の基礎杭等が地中に残置され、これがシールド掘進機の掘進経路に存在して掘進作業の支障になっているため、かかる支障物(以下、基礎杭等の地中に残置されたものを支障物と称す)を撤去する技術が開示されている。
図9は従来の支障物対応シールド掘進機を説明する断面図である。シールド掘進機910のスキンプレート911の前面は隔壁914によって覆われ、隔壁914の前面にカッタヘッド912(掘進用)が回転自在に配置され、カッタヘッド912に切断装置920(支障物の撤去装置の一部)が設置されている。
切断装置920は、通常掘進時には、カッタヘッド912の開口部の後方に退避して摩耗等による損傷から保護され、一方、支障物を切断する時には、カッタヘッド912に設置されたカッタスライドジャッキ948によって開口部から切羽前方に押し出されて回転する。また、半径方向移動ジャッキ946によって開口部にそって半径方向に移動可能である。
また、切断装置920のコアカッタ922は、鋼管の前端部にダイヤモンドチップを並べたものであるから、コアカッタ922を回転しながら支障物Hに押し付ければ、支障物Hは切断または穿孔されて、切断または穿孔された部分(以下、支障物切断片と称す)が鋼管内に取り込まれることになる。
一方、隔壁914には搬出ロック950(回収部)が設けられ、搬出ロック950に設置された把持ハンド956が前記鋼管内に取り込まれた支障物切断片を搬出ロック950内に回収するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−37668号公報(第3−5頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来シールド掘進機では支障物を比較的長い切断片にして確実に回収するものであるものの、以下のような問題点があった。
▲1▼切断装置920がカッタスライドジャッキ948によって進退されるものであって、支障物Hを切断する際の反力がカッタスライドジャッキ948によって直接支持されるため、カッタスライドジャッキ948の構造が複雑且つ堅牢になる。
▲2▼切断装置920がカッタヘッド912の開口部の後方に退避して開口部から切羽前方に押し出されるため、開口部の開口している面積が減少するから、掘削された土砂類のカッタヘッド912の後方(隔壁914の前面)への流れ込みが阻害される。
▲3▼切断装置920が開口部にそって半径方向に移動可能なように半径方向移動ジャッキ946やガイド等を必要とするから、装置が複雑になり、ガイド類の摩耗等による移動不良のおそれがある。
▲4▼切断装置920が支障物を切断するために特化したものであるため、仮に、支障物がない場合には無用の装置になってしまう。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、支障物切断手段を具備する簡素な構造であって、通常の掘進作業を阻害しないシールド掘進機を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシールド掘進機は、以下のとおりである。
(1)シールド掘進機の前端部に公転自在に設置された複数のカッタスポークと、
該カッタスポークの内少なくとも1以上のカッタスポークに自転自在に設置された自転カッタヘッドと、
該自転カッタヘッドを自転駆動する自転駆動手段と、
該自転カッタヘッドの自転を停止する自転停止手段とを有し、
前記自転カッタヘッドの前端面に支障物切断用の支障物切断ビットと、その側面に掘進用の自転カッタビットとが配置され、
前記カッタスポークの側面に配置された複数の公転カッタビットと当該カッタスポークに設置された自転カッタヘッドに配置された複数の自転カッタビットとが、自転停止状態において略平行であることを特徴とするものである。
これによると、自転カッタヘッドは自転自在であって、自転カッタヘッドに対して進退しないから、構造が簡素になる。また、自転カッタヘッドはカッタスポークに設置されるから、掘削した土砂類のカッタスポーク後面(隔壁前面に同じ)への流れ込みを阻害しない。さらに、自転カッタビットは公転カッタビットと協働して掘進に寄与するから、仮に支障物がない場合であっても、無用の装置にならない。
【0007】
(2)前記(1)において、前記支障物切断ビットの先端が前記自転カッタビットの先端よりも前方に突出することを特徴とするものである。
これによると、自転カッタヘッドが自転する際、支障物切断ビットの先端が自転カッタビット(掘進に供している)の先端よりも先に支障物に到達するから、支障物は支障物切断ビットによって優先的に切断されることになる。よって、効率の良い切断が可能になる。
【0008】
(3)前記(1)または(2)において、前記自転駆動手段が油圧モータであって、前記カッタスポークが公転を停止した際または所定の公転角度の範囲内で回転ないし揺動する際に限り、前記油圧モータに接続された油圧配管に可撓性を具備する油圧ホースが着脱自在に接続されて前記自転カッタヘッドが自転することを特徴とするものである。
これによると、カッタスポークに搭載された装置に動力が常時供給されていない。すなわち、カッタスポークが公転を停止した際、またはカッタスポークが所定の公転角度の範囲内を往復する(揺動)する際に限って、フレキシブルな油圧ホースを介して油圧が伝達され、一方、カッタスポークが公転する間は、カッタスポークに油圧ホースが接続されていないから、スイベルジョイント等の油圧継手(内部に摺動する部分を具備する)が不要になる。
よって、シールド掘進機の前部に配置された各装置とのスペースの取り合いに左右されることなく、油圧を容易に伝達することができる。また、複数の自転カッタヘッドを同時に自転する場合には、当該自転カッタヘッドが設置されたカッタスポークの油圧配管の継手のそれぞれに対して、油圧ホース(複数本用意されている)の継手を接続すればよい。あるいは、当該複数のカッタスポークの油圧配管を集約して(蛸足状に分岐するに同じ)、該集約したヘッダの継手に油圧ホース(1本または所定の本数用意されている)の継手を接続すればよい。
なお、前記自転駆動手段を電動モータに代えた場合には、前記油圧ホースを電気ケーブルと読み替えればよい。
【0009】
(4)前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記自転停止手段がロックピンであって、
該ロックピンが前記カッタスポークに設置されたロックピン用ジャッキによって進退され、該ロックピン用ジャッキによって進出されたロックピンが前記自転カッタヘッドの側端面に設置されたロックピン係止部に係止し、且つ前記ロックピン用ジャッキによってロックピンが退避している間、前記自転カッタヘッドが自転することを特徴とするものである。
これによると、掘進時には自転カッタヘッドの自転がロックピンによって容易且つ確実に停止されるから、自転カッタヘッドが勝手に回転することがない。
特に、掘進時に油圧モータへの油圧伝達を中止した場合でも、自転駆動手段に特別の停止手段を設けることなく自転カッタヘッドの回転を止めることができる。なお、掘進時にロックピン用ジャッキに油圧を伝達しなくても、作動油が封入しておけば、ロックピンが後退することがない。
また、自転カッタヘッドが自転する間は、該ロックピン用ジャッキに油圧を伝達して後退させ、ロックピンをロックピン係止部から抜き出せばよい。
【0010】
(5)前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記自転停止手段がロックピンであって、
該ロックピンが前記カッタスポークに設置されたロックピン用スプリングによって進出され且つ引き戻しシリンダによって退避され、
該ロックピン用スプリングによって進出されたロックピンが前記自転カッタヘッドの側端面に設置されたロックピン係止部に係止し、且つ前記引き戻しシリンダによってロックピンが退避している間、前記自転カッタヘッドが自転することを特徴とするものである。
これによると、ロックピン用スプリングによってロックピンが進出しているから、掘進時にカッタスポーク部に油圧または空圧を伝達する必要がなく、また、前記ロックピン用ジャッキを設置した場合のように公転ヘッド側に油圧または空圧を立てたまま作動油または圧縮気体を封入しておく必要がない。
また、自転カッタヘッドを自転する際に、自転カッタヘッドの油圧配管に油圧ホースを接続するタイミングで、引き戻しシリンダに油圧ホースまたは圧縮気体ホースを接続すればよい。
なお、引き戻しシリンダを電動モータ(ラック・ピニオン機構、ウオーム・ピニオン機構等)に代えた場合には、前記油圧ホースを電気ケーブルと読み替えればよい。
【0011】
(6)前記(1)乃至(5)の何れかにおいて、前記カッタスポークの内一方のカッタスポークに設置された一方の自転カッタヘッドの設置位置と、前記カッタスポークの内他方のカッタスポークに設置された他方の自転カッタヘッドの設置位置とが、シールド掘進機の径方向で相違することを特徴とするものである。
これによると、自転カッタヘッドをシールド掘進機の半径方向に移動する必要がなくなるから、装置が簡素になる。
また、シールド掘進機の中心から半径方向の異なる位置に複数の自転カッタヘッドが配置されるから、それぞれの自転カッタヘッドの自転とカッタスポークの揺動(所定の公転角度の間の回転)によって、シールド掘進機の掘進範囲内の広い範囲にある支障物を切断することが可能になる。特に、公転カッタスポークが回転(揺動)した際、一方の自転カッタヘッドの掘削する範囲(所定の幅の円弧または円環)が他方のカッタスポークに設置された他方の自転カッタヘッドの掘削する範囲に重なるようにしておけば、シールド掘進機の掘進範囲内の何れの位置にある支障物であっても切断可能になる。
【0012】
(7)前記(1)乃至(6)の何れかにおいて、シールド掘進機の前端部に連通する掘進土砂搬出用コンベアまたは排泥管の取り込み口に、破砕手段が設置されることを特徴とするものである。
これによると、支障物が比較的大きなサイズに切削または切断された場合、これが破砕手段によって小さなサイズに破砕されるから、掘進土砂搬出用コンベアに円滑に取り込まれて所定の場所(たとえば、地上)に搬送される。なお、破砕手段の型式は限定するものではなく、たとえば、2軸乃至多軸の回転ドラム式や回転ハンマー式等が設置できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1および図2はそれぞれ本発明の実施の形態1に係るシールド掘進機の正面図および縦断面図である。図1および図2において、1はシールド掘進機、10は円筒状のスキンプレート、20はスキンプレート10の前端面を覆う隔壁、30は隔壁20に回転自在に設置された回転部、40は後記自転カッタヘッド60が設置される公転カッタスポーク、50は後記自転カッタヘッド60が設置されない通常カッタスポーク、60は公転カッタスポーク40に自転自在に設置された自転カッタヘッドである。
なお、略同一の部位で複数設置されるものについては符号の数字の後にa、b、c等を付している。また、シールド掘進機が掘進しながら進む方向を前方、前面側ないし前端面側と称し、これと反対の方向を後方ないし後面側と称す。
【0014】
(スキンプレート)
スキンプレート10に沿ってその内周にシールドジャッキ11が配置され、シールドジャッキ11が周方向に配置された図示しないシールドセグメントを後方に押し出すことによって、スキンプレート10が前進するものである。
また、スキンプレート10の隔壁20には、掘進土砂を排出する掘進土砂搬出用コンベア70と、回転部30を回転駆動する公転駆動手段35が設置されている。
【0015】
(回転部)
回転部30は、前端面が閉塞された略円筒状部分31とこれに続く略円錐状部分32を有している。略円錐状部分32の後端部は隔壁20に水密的に回転自在に支持され、さらに大歯車33が設置されている。そして、公転駆動手段35の回転軸に設置された小歯車34が大歯車33に噛み合って回転伝達手段を構成している。
【0016】
(カッタスポーク)
公転カッタスポーク40および通常カッタスポーク50はそれぞれ回転部30の略円筒状部分31の側面に放射状に配置されている。なを、公転カッタスポーク40および通常カッタスポーク50の数量は図示するものに限定するものではなく、それぞれ任意の数量を配置することができる。また、通常カッタスポーク50を廃止して全量を公転カッタスポーク40にしてもよい。
公転カッタスポーク40の前面には、回転する自転カッタヘッド60を収容自在な自転用凹部44が設けられ、自転用凹部44の後面に自転カッタヘッド60を自転するための自転駆動手段(油圧モータ)90が設置されている。そして、自転駆動手段90の自転用軸91は公転カッタスポーク40に設けられた自転用軸受45に回転自在に支持されている。また、自転用軸91の前部は自転カッタヘッド60に固定されている。
さらに、公転カッタスポーク40の自転用凹部44を除く前面には掘進用の先行カッタビット41が、その側面には掘進用の公転カッタビット42がそれぞれ配置されている。
また、通常カッタスポーク50の前面には掘進用の先行カッタビット51が、その側面には掘進用の公転カッタビット52がそれぞれ配置されている。
また、外周側端面にはコピーカッタ53が進退自在に設置されている。
なお、かかる先行カッタビット41、51および公転カッタビット42、52の数量は図示するものに限定するものではなく、掘進する地盤や作業条件によって適宜選定されるものである。
【0017】
(自転カッタヘッド)
図3は図1に示すシールド掘進機の自転カッタヘッドを説明するものであって、(a)は縦断面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。なお、図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3において、自転用軸受45の前面側にOリング46がOリング押さえ47によって配置され、Oリング46が自転用軸91に水密的に当接している。また、自転用軸91の前端部近傍の側面92には、スプライン、キー溝またはネジ孔等が設けられ、これによって自転カッタヘッド60との間で自転方向に対してズレないように(摺動不能に)固定されている。なお、図3の(a)では、自転側の部位の断面に右下がりの斜線を、公転側である公転カッタスポーク40側(自転しない)の一部の部位の断面に左下がりの斜線を付している。
【0018】
(支障物切断ビット、自転カッタビット)
自転カッタヘッド60の前面に支障物切断用の支障物切断ビット61が、側面には自転カッタビット62が配置されている。
支障物切断ビット61は前端部に切刃を有する板状であって、図示しない固定手段によって固定されている。また、自転カッタビット62は公転カッタビット42または公転カッタビット52と同様の形状であって同様に設置されている。
また、支障物切断ビット61は自転カッタヘッド60の平面視で長辺が自転方向に略平行で、短辺が自転カッタヘッド60の長手方向に平行になっている。したがって、公転カッタスポーク40が公転する際、自転カッタヘッド60が公転カッタスポーク40と平行な姿勢で自転不能に固定されるから、支障物切断ビット61の長辺が公転方向に略平行になり、自転カッタビット62は公転カッタビット42と(略平行に配置された状態)のそれぞれの切刃は公転方向に略垂直になる。つまり、支障物切断ビット61はその短辺がわずかに掘進に寄与するだけであるが、自転カッタビット62は公転カッタビット42と同様に全面的に掘進に寄与することになる。
なお、支障物切断ビット61の配置数量は図示するものに限定するものではなく、自転カッタヘッド60の大きさや予測される支障物の形態に応じて適宜選定されるものである。
【0019】
(自転停止手段)
図4および図5はそれぞれ図1に示すシールド掘進機の自転停止手段を説明するものであって、図4はロックピンがジャッキによって押し出されるもの、図5はロックピンがスプリングによって押し出されるものである。なお、図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0020】
図4の(a)は自転カッタヘッド60が自転自在なアンロック状態を示している。自転カッタヘッド60の長手方向の端面にロックピン係止部64が設けられ、一方、公転カッタスポーク40の自転用凹部44にロックピン80が進退自在に配置され、進退用ジャッキ82に連結棒81によって連結されている。
【0021】
図4の(b)は自転カッタヘッド60が自転不能なロック状態であって、進退用ジャッキ82によってロックピン80が進出してロックピン係止部64に係止している。なお、進退用ジャッキ82を作動する油圧は、シールド掘進機10のシールド11内に設置された図示しない油圧源から供給されるものであるが、公転カッタスポーク40が公転している間は、該供給が中断している。すなわち、進退用ジャッキ82に油圧が立った状態で回転部30側の油圧配管は封止され、シールド11側のフレキシィブルチューブまたは油圧配管との接続が外されている。
【0022】
したがって、スイベルジョイント等による摺動自在なロータリセンタジョイント(回転油圧継手)が不要またはロータリセンタジョイント(コピーカッタ用)が設置されている場合には進退用ジャッキ82用のポートが不要になるから、シールド11の隔壁20の周囲における設備の配置の自由度が増し、設備が簡素になる。
なお、ロータリセンタジョイントを設置して公転カッタスポーク40が公転している間も、進退用ジャッキ82への油圧の供給を継続してもよい。
【0023】
図5の(b)は自転カッタヘッド60が自転不能なロック状態を示している。
自転カッタヘッド60の長手方向の端面にロックピン係止部64が設けら、一方、公転カッタスポーク40の自転用凹部44にロックピン80が進退自在に配置され、進出用スプリング83によって押し出されてロックピン係止部64に係止している。
【0024】
図5の(a)は自転カッタヘッド60が自転自在なアンロック状態であって、引き戻しシリンダ84によって進出用スプリング83が圧縮されてロックピン80が引き戻されている。すなわち、公転カッタスポーク40が公転を停止した間または所定の公転角度の範囲内で回転(揺動)している間に限り、引き戻しシリンダ84に油圧または空圧を供給して自転カッタヘッド60の自転を可能にしている。すなわち、公転カッタスポーク40が公転中は、引き戻しシリンダ84に油圧または空圧が供給されていないから、スイベルジョイント等による摺動自在なロータリセンタジョイント(回転油圧継手)が不要またはロータリセンタジョイント(コピーカッタ用)が設置されている場合には引き戻しシリンダ84用のポートが不要になるから、シールド11の隔壁20の周囲における設備の配置の自由度が増し、設備が簡素になる。
【0025】
(コピーカッタ)
コピーカッタ53は通常カッタスポーク50に設置され、コピーカッタ進退手段(油圧シリンダ)54によって進退されるものであって、掘進中(通常カッタスポーク50(回転部30に同じ)が回転中)に適宜進出または後退されるものである。
なお、自転カッタヘッド60が公転カッタスポーク50の内側に配置されて干渉しない場合には、コピーカッタ53を公転カッタスポーク50に設置してもよい。また、コピーカッタ53を公転カッタスポーク50に設置しない場合もある。
【0026】
(油圧配管)
図6は図1に示すシールド掘進機の油圧配管を説明するものであって、図6の(a)は公転カッタヘッドが公転している状態(自転カッタヘッドが自転を停止している)、図6の(b)は公転カッタヘッドが公転を停止または所定の公転角度の範囲内で回転(揺動)している状態(自転カッタヘッドが自転している)を示している。
【0027】
図6の(a)において、自転駆動手段(油圧モータ)90に油圧は供給されていない。すなわち、回転体30側の油圧モータ用配管93の管端部に設置した継手94に、シールド11側に設置された自転駆動手段90を駆動する油圧源(図示しない)に連結された自転用油圧フレキシィブルチューブ12は接続されていない。
また、進退用ジャッキ82に連結したジャッキ用油圧配管85には油圧が立った状態で封止されている。すなわち、ジャッキ用油圧配管85の管端部に設置した開閉バルブ86は閉じられて継手87に、進退用ジャッキ82を駆動するための油圧を供給するジャキ用フレキシィブルチューブ14は接続されていない。
さらに、コピーカッタ53を進退するコピーカッタ進退手段(油圧シリンダ)54にはコピーカッタ用フレキシィブルチューブ55(回転体30側)が接続され、その端部がシールド11に設置されたロータリセンタジョイント16に接続されている。さらに、ロータリセンタジョイント16を経由して図示しない所定の油圧源に連結されている。
【0028】
図6の(b)において、自転駆動手段(油圧モータ)90に油圧が供給されている。すなわち、回転体30側の油圧モータ用配管93の管端部に設置した継手94に、シールド11側の自転用油圧フレキシィブルチューブ12の先端に設置した継手13が接続されている。
また、進退用ジャッキ82に連結したジャッキ用油圧配管85の継手87に、シールド11側のジャキ用フレキシィブルチューブ14の先端に設置した継手15が接続されている。
したがって、自転用油圧フレキシィブルチューブ12およびジャキ用フレキシィブルチューブ14が所定の余裕を持って可撓性および移動性を具備するから、回転体30は所定の公転角度の範囲内で回転(揺動)自在になっている。
【0029】
なお、油圧モータ用配管93およびジャッキ用油圧配管85はそれぞれ図示しない分岐手段によって分岐され、各自転カッタヘッドのそれぞれの自転駆動手段(油圧モータ)90および進退用ジャッキ82に連結されている。
また、該分岐手段を設けない場合には、各自転カッタヘッドのそれぞれの自転駆動手段(油圧モータ)90および進退用ジャッキ82に対応した数量の自転用油圧フレキシィブルチューブ12およびジャキ用フレキシィブルチューブ14を設ければよい。
【0030】
なお、コピーカッタ53が設置されない場合には、ロータリセンタジョイント16を設置する必要がない。
また、進退用ジャッキ82に常時油圧を供給する場合には、コピーカッタ53と同様にロータリセンタジョイント16を経由して油圧を供給すればよい。
【0031】
[実施の形態2]
図7および図8はそれぞれ本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の一部を示す正面図および縦断面図である。図7および図8において、70は掘進土砂搬出用コンベア、71は隔壁20に設置されたコンベアガイド、72a、72bは破砕機の回転軸、73a、73bはそれぞれ回転軸72a、72b設置された破砕翼、74a、742bはそれぞれ回転軸72a、72bに設置されたベルトプーリ、76a、76bは隔壁20に設置されたそれぞれ回転軸72a、72bを回転駆動するための破砕機駆動モータ、75a、75bはそれぞれ破砕機駆動モータの回転軸に設置されたベルトプーリである。
そして、ベルトプーリ74aとベルトプーリ75aが図示しないベルトによって連係されて減速機を構成している。ベルトプーリ74bとベルトプーリ75bが図示しないベルトによって連係されて減速機を構成している。なお、破砕翼73a、73bはそれぞれ同一速度(R.P.M.)で回転してもよいし相違する速度で回転してもよい。
したがって、隔壁20の前面に侵入した支障物の切断片はコンベアガイド71の前面開口部に取り込まれ、一対の破砕翼73a、73bに挟まれて所定の小片に破砕される。よって、支障物が比較的大きいまま切断された場合でも、小片に破砕されるから、掘進土砂搬出用コンベア70によって円滑に搬出される。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、以下のような効果が得られる。
▲1▼自転カッタヘッドを具備する公転カッタスポークを有し、自転カッタスポークを自転することによって支障物を切断するため、切断の際の反力が公転カッタスポークによって支持されるから、確実な切断ができる。
▲2▼自転カッタヘッドが公転カッタスポークに設置されるため、掘削された土砂や切削された支障物がカッタスポーク後面(隔壁の前面に同じ)に円滑に流れ込む。
▲3▼自転カッタヘッドは単に回転するだけであるから装置が簡素になる。
▲4▼自転カッタヘッドに設置された自転カッタビットが掘進に寄与しているから、仮に支障物がない場合でも無用の装置になることがない。
▲5▼自転カッタヘッドへの回転力の伝達を、回転部が停止または揺動状態にある場合に限るため、かかる動力伝達装置が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシールド掘進機の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るシールド掘進機の縦断面図である。
【図3】図1に示すシールド掘進機の自転カッタヘッドを説明するものである。
【図4】図1に示すシールド掘進機の自転停止手段を説明するものである。
【図5】図1に示すシールド掘進機の自転停止手段を説明するものである。
【図6】図1に示すシールド掘進機の油圧配管を説明するものである。
【図7】本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の一部を示す正面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の一部を示す側面図である。
【図9】従来のシールド掘進機を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機
10 円筒状のスキンプレート
20 隔壁
30 回転部
40 公転カッタスポーク
41 先行カッタビット
42 公転カッタビット
50 通常カッタスポーク
60 自転カッタヘッド
61 支障物切断ビット
62 自転カッタビット
70 掘進土砂搬出用コンベア
Claims (7)
- シールド掘進機の前端部に公転自在に設置された複数のカッタスポークと、
該カッタスポークの内少なくとも1以上のカッタスポークに自転自在に設置された自転カッタヘッドと、
該自転カッタヘッドを自転駆動する自転駆動手段と、
該自転カッタヘッドの自転を停止する自転停止手段とを有し、
前記自転カッタヘッドの前端面に支障物切断用の支障物切断ビットと、その側面に掘進用の自転カッタビットとが配置され、
前記カッタスポークの側面に配置された複数の公転カッタビットと当該カッタスポークに設置された自転カッタヘッドに配置された複数の自転カッタビットとが、自転停止状態において略平行であることを特徴とするシールド掘進機。 - 前記支障物切断ビットの先端が前記自転カッタビットの先端よりも前方に突出することを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機。
- 前記自転駆動手段が油圧モータであって、前記カッタスポークが公転を停止した際または所定の公転角度の範囲内で回転ないし揺動する際に限り、前記油圧モータに接続された油圧配管に可撓性を具備する油圧ホースが着脱自在に接続されて前記自転カッタヘッドが自転することを特徴とする請求項1または2記載のシールド掘進機。
- 前記自転停止手段がロックピンであって、
該ロックピンが前記カッタスポークに設置されたロックピン用ジャッキによって進退され、該ロックピン用ジャッキによって進出されたロックピンが前記自転カッタヘッドの側端面に設置されたロックピン係止部に係止し、且つ前記ロックピン用ジャッキによってロックピンが退避している間、前記自転カッタヘッドが自転することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のシールド掘進機。 - 前記自転停止手段がロックピンであって、
該ロックピンが前記カッタスポークに設置されたロックピン用スプリングによって進出され且つ引き戻しシリンダによって退避され、
該ロックピン用スプリングによって進出されたロックピンが前記自転カッタヘッドの側端面に設置されたロックピン係止部に係止し、且つ前記引き戻しシリンダによってロックピンが退避している間、前記自転カッタヘッドが自転することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のシールド掘進機。 - 前記カッタスポークの内一方のカッタスポークに設置された一方の自転カッタヘッドの設置位置と、前記カッタスポークの内他方のカッタスポークに設置された他方の自転カッタヘッドの設置位置とが、シールド掘進機の径方向で相違することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のシールド掘進機。
- シールド掘進機の前端部に連通する掘進土砂搬出用コンベアまたは排泥管の取り込み口に、破砕手段が設置されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のシールド掘進機。
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