JP2004175946A - テトラフェニルメタン構造を有する高分子、該高分子前駆体、および該高分子前駆体を用いた薄膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛直な三次元構造を有する新規なポリイミドに関するものである。さらに、本発明はゲル化の心配がない簡便な方法で、本発明のポリイミド、およびその薄膜を製造することのできるポリイミド前駆体と、その溶液に関するものである。
また、本発明のポリイミドおよびその薄膜は、エレトロニクス分野、特に集積回路(LSI)の層間絶縁膜、パッシベーション膜、液晶ディスプレーの配向膜などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、エレクトロニクスの加速度的進歩に伴い、LSIの微細化、高速化が一層求められている。しかし、単純に配線を微細化するだけでは、配線遅延の増大による電送速度低下を招き、結果的に高速化が不可能になる。そこで、処理速度を低下させることなく配線を微細化するには、層間絶縁膜の誘電率を低くすることが必須条件であり、より低誘電率を目指した新材料の提案が相次いでいる。
それらの大半は、空気の誘電率(1.0)を利用し、材料内に空孔を導入することで誘電率の低減をはかるものである。しかし、材料中へランダムに空孔を分散させただけでは、空孔率の増加に伴い機械強度が低下するという問題があった。
【0003】
この問題を解決するため、空孔のサイズと材料の形状をナノメートルレベルで制御することにより、機械強度と低誘電率を両立させようとする試みがいくつか行われている。例えば、疑似ダイヤモンド構造を有する三次元有機高分子の構造単位間に、分子レベルのナノ空孔を規則的に形成することで、極限的な低誘電率化と高強度化が可能である(非特許文献1参照。)との提案が開示されている。
また、テトラアミノアダマンタンとベンゼンテトラカルボン酸からなるポリイミド(特許文献1参照。)が開示されているが、その他の構造を有するポリイミドに関しては全く開示されていない。
【0004】
アダマンタン以外の正四面体構造として、テトラフェニルメタンがある。この構造をポリマー中に導入した例として、テトラフェニルメタンのジアミノ誘導体を用いたポリイミド等(非特許文献2参照。)が開示されている。しかし、これはジアミンを使って線状高分子を合成しており、三次元構造は形成できない。
また、テトラフェニルメタンのテトラアミンを用いた三次元構造の構築に関しては、該テトラアミンとテレフタル酸の重縮合によるポリアミドゲルの合成(非特許文献3参照。)が開示されている。しかし、ゲル以外の形態で目的物を得る方法は記載されていない。また、該テトラアミンをモノマーとする三次元ポリイミドの合成法については、これまで全く開示されていない。
【0005】
ポリイミド薄膜の製造方法として最も一般的なのは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を溶媒中で重付加反応させてポリアミック酸溶液を調製後、加熱もしくは化学的手法で脱水してイミド環を形成する方法である。しかし、トリアミン以上の多官能アミノ化合物に本法を用いた場合、重付加反応で三次元架橋構造が生成し、その中に溶媒を取り込んでゲル化してしまう。ゲルは不溶性の膨潤物質で取り扱いにくく、薄膜のような成形体を作るのは極めて困難であるという欠点を有していた。
そこで、溶媒を使用しないポリイミド合成法として蒸着重合法(非特許文献4参照。)が紹介されているが、この蒸着重合法には高価な真空蒸着装置が必要となり、簡便で工業的な方法とは言い難い。
【0006】
また、LSIの配線構造を構築するプロセスでは、約400℃の高温焼成を何度も繰り返す工程が不可欠なため、層間絶縁膜に求められるもう一つの重要な特性として熱安定性がある。層間絶縁膜やパッシベーション膜等において、使用可能な耐熱性を有する有機材料は、ポリイミド、ポリオキサゾール等の複素環ポリマー、ポリフェニレン、ポリキシリレン等の芳香族ポリマーといった、いわゆる超耐熱性高分子が適している。しかし、これらの耐熱性材料においても、少しでも高い熱安定性を目指して改善検討が活発に行われている。
【0007】
【非特許文献1】電子情報通信学会技術研究報告,SDM2000−194(2001)
【特許文献1】特開2001−332543公報
【非特許文献2】ラフィラーら、アクト ポリメリカ(Acta Porimerica),20巻,1979年,77頁
【非特許文献3】ロレンジら、ストラクチャル ケミストリー(Structural Chemistry),8巻,1997年,435頁
【非特許文献4】サロンら、ジャーナル オブ バキュームサイエンス アンド テクノロジー(J.Vac.Sci.Technol.)1986年、A4巻、369頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンをモノマーとして用いても、合成途中でゲル化することなく、ポリイミドを容易に製造するための前駆体を提供することである。
また、かかる前駆体の溶液を用い、三次元構造を有する新規なポリイミド、およびその薄膜を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、無溶媒条件で重合を行うことにより、ゲル化を防止するという観点から鋭意研究した。その結果、反応性の高いテトラカルボン酸二無水物の代わりにテトラカルボン酸のジエステルを用いる、すなわち多官能アミンとテトラカルボン酸のジエステルとの塩を前駆体として用いることにより、三次元構造を有する新規なポリイミドをゲル化のおそれなく、容易に合成できることを見出し本発明の完成に至った。
【0010】
すなわち、本発明のポリイミドは、その前駆体となる多官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩溶液を基板上に塗布し、比較的低温で溶媒を蒸発させた後、基板上に残った薄膜状の前駆体をさらに加熱処理して、脱水と脱アルコール反応によってイミド化させることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成は以下の通りである。
(1) 式(1)で示されるポリイミド。
【0012】
【化5】
(式(1)において、Xは炭素数1〜20の4価有機基であり、nは1〜3の整数である。)
【0013】
(2) 式(1)中のXが、ベンゼン−テトライルまたは、ビフェニル−テトライルであることを特徴とする、(1)記載のポリイミド。
【0014】
(3) 式(2)で示されるポリイミド。
【化6】
【0015】
(4) 式(3)で示されるテトラフェニルメタン誘導体と、式(4)で示されるテトラカルボン酸ジエステルとの塩。
【化7】
(式(3)において、nは1〜3の整数である。)
【化8】
(式(4)において、Xは炭素数1〜20の4価有機基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基である。)
【0016】
(5) (4)記載の塩を用いることを特徴とする、ポリイミドの前駆体。
【0017】
(6) (5)記載のポリイミド前駆体が有機溶媒中に溶解していることを特徴とする、ポリイミド前駆体溶液。
【0018】
(7) (6)記載のポリイミド前駆体溶液を基板上に塗布し、溶媒を蒸発させて膜を形成した後、加熱焼成を経て得られることを特徴とするポリイミド薄膜。
【0019】
(8) (1)または(2)記載の式(1)で示されるポリイミドからなるポリイミド薄膜。
【0020】
(9) (3)記載の式(2)で示されるポリイミドからなるポリイミド薄膜。
【0021】
(10) (7)〜(9)記載のいずれか1項記載のポリイミド薄膜を用いることを特徴とする層間絶縁膜。
【0022】
(11) (7)〜(9)記載のいずれか1項記載のポリイミド薄膜を用いることを特徴とするパッシベーション膜。
【0023】
(12) (10)記載の層間絶縁膜を用いることを特徴とする電気的固体装置。
【0024】
(13) (11)記載のパッシベーション膜を用いることを特徴とする電気的固体装置。
【0025】
以下、本発明を発明の形態に即して詳細に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のポリイミドは、本発明のポリイミド前駆体であるテトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンと、テトラカルボン酸ジエステルとの塩の溶液から得られる。その反応例を以下に示す。
【0027】
【化9】
【0028】
この分子間相互作用は、ポリアミック酸の共有結合よりも弱いので、溶液中で強固な架橋網目構造を形成できない。従って、溶液がゲル化してしまう可能性は皆無である。
この様にして得られたポリイミド前駆体溶液は、ワニスとしてガラス板、銅板、アルミニウム板、またはシリコンウエハなどの基板上に塗布した後、溶媒沸点以下の温度で短時間加熱して溶媒を蒸発させる。しかる後に、基板上に残った膜状の前駆体を200〜450℃で加熱焼成すると、塩からの脱水反応にてアミド結合が生成する。通常の溶液重合で多官能アミンを用いた場合、一般にこの段階でゲル化が起きる。しかし、本発明ではゲル化に不可欠の溶媒は既にほとんど蒸発しているため、もはやゲル化が起こることはない。その反応例を以下に示す。
【0029】
【化10】
【0030】
さらに加熱を続けると、アミド結合と隣接するカルボン酸エステル(アルコキシカルボニル基)の間で、分子内脱アルコール反応が起こり、最終的にイミド環が生成する。その反応例を以下に示す。
【0031】
【化11】
【0032】
本発明のポリイミド、およびその前駆体において、多官能アミノ化合物として用いられる化合物は、式(3)で示される、テトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンである。式(3)で示されるテトラフェニルメタン誘導体中のnと、これから誘導される式(1)で示されるポリイミドのnとは、それぞれ同一となる。但し、混合物の場合、反応性の違いから、必ずしもその組成比まで、同じとは限らない。
【0033】
本発明のポリイミド、およびその前駆体において、式(3)で示される、テトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンは、通常の有機合成的手法によって容易に合成できる。具体的には、式(3)においてn=1の場合である、テトラキス(4−アミノフェニル)メタンの合成は、F.A.Neugebauerら、Chem.Ber,109巻,1976年,2389貢に準拠して行えば良い。
【0034】
本発明のポリイミド前駆体およびその溶液において、式(4)で示されるテトラカルボン酸ジエステルは、通常の有機合成的手法によって容易に合成できる。すなわち、現在ポリイミドの合成で広く用いられる、テトラカルボン酸二無水物を過剰のアルコールで開環する方法が最も好ましい。その際、アルコール以外の適当な溶媒を用いても、アシル化触媒としてピリジンなどの塩基成分を添加しても全く問題はない。また、目的物の構造は反応の形式によって2種類考えられる場合があるが、これらは単離せず混合物のまま用いても良い。さらに、2種以上のアルコールを用いる反応で得られる混合テトラカルボン酸ジエステルでもよい。できたジエステルが、過剰のアルコールでさらにエステル化され、トリエステル、テトラエステルになったものを含んでいてもよい。この時、テトラエステルは、塩を形成するのではないが、他のカルボン酸の塩形成を阻害するわけではないので、含有していてもよい。
この反応の一般式と、ピロメリット酸無水物を用いた具体例を以下に示す。
【0035】
【化12】
【0036】
これら、ジエステルの原料となるテトラカルボン酸二無水物は、式(4)で示される化合物に準じて考えることができる。つまり、式(4)中のXは炭素数1〜20の4価有機基であれば特に限定されない。具体名を例示すると、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2、2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)エーテル二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)スルホン二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)メタン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物を挙げることができる。
【0037】
これらの中で、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)メタン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物が好ましい。これらの化合物には異性体を含むものもあるが、これらの異性体混合物であってもかまわない。また、2種以上の化合物を併用しても良い。
【0038】
これらのテトラカルボン酸二無水物、および式(4)で示されるそのジエステル体のXと、これから誘導される式(1)で示されるポリイミドのXとは、それぞれ同一となる。但し、混合物の場合、反応性の違いから、必ずしもその組成比まで、同じとは限らない。
【0039】
例えば、テトラカルボン酸二無水物がピロメリット酸二無水物の場合、式(1)および式(4)中のXはベンゼン−テトライル基となる。また、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の場合は、式(1)および式(4)中のXはビフェニル−テトライル基となる。
さらに、アミン成分をテトラキス(4−アミノフェニル)メタン(式(3)においてn=1)、式(4)のジエステルをピロメリット酸二無水物から合成した場合に、式(2)で示すポリイミドとなる。
【0040】
本発明のポリイミドにおいて、前駆体である四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩の溶液を製造する際に用いられる溶媒は、原料と塩を溶解可能であれば特に限定されないが、著しく高沸点の溶媒は適さない。具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホラン、γ−ブチロラクトンなどが好ましく、さらに好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドである。これらの溶媒は、単独で用いても複数混合して使用してもよい。
【0041】
また、本発明のポリイミドを製造する際には、前駆体である四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩の溶液を製造する際に用いた溶媒のままで、薄膜製造に用いることができる。すなわち、四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩は、特に、単離精製の必要がない。
さらに必要により、塗布性改善などの目的で表面張力の低い他の溶媒を併用しても良い。具体的には乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノ−ル、テトラリン、イソホロン、エチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(エチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、ジエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなど)、エチレングリコ−ルモノアルキルまたはフェニルアセテ−ト、トリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、マロン酸ジアルキル(マロン酸ジエチルなど)、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどの例を挙げることができる。これらの溶媒は、先の良溶媒に対して貧溶媒的なものが多い。従って、溶解成分が析出しない程度の量を添加することが好ましい。
【0042】
これらの溶媒で溶解された前駆体溶液を、層間絶縁膜が形成される基板へ塗布する方法としては、通常使用されている方法が使用可能である。例えば、スピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法などが使用できる。
また、これらの溶液を塗布した後の溶剤の乾燥に要する加熱処理などにおいても、通常の層間絶縁膜で使用している手法と同様な方法で実施することが可能である。例えば、オ−ブン、ホットプレ−ト、赤外炉中などが使用できる。溶液を塗布した後は、比較的低温で溶剤を蒸発させた後、200〜450℃程度の温度で、好ましくは300〜400℃で加熱処理することが好ましい。その際、窒素雰囲気もしくは減圧条件下で加熱することは、さらに好ましい。加熱時間は基質によって異なるが、30〜180分程度が好ましく、さらに好ましくは約60〜120分である。
【0043】
本発明のパッシベーション膜は、凹凸面を持った物体をコーティングすることにより、その表面を平坦にさせる膜のことである。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例で得られた化合物の物性は以下の方法で測定した。
赤外吸収スペクトル(IR):日本分光株式会社製FT/IR−7000型を用い、室温でKBr法にて測定した。
プロトンNMRスペクトル(1H−NMR):日本電子株式会社製EX−90Aを使用し、90MHzで溶媒にDMSO−d6を用い、内部標準物質にテトラメチルシランを用いて室温で測定した。
熱分解温度(Td):セイコー電子工業社製、TG/DTA−220型を用い毎分10℃の昇温速度で測定し、5%重量減少を示した点を分解温度とした。
【0045】
実施例1
[1]テトラキス(4−アミノフェニル)メタン(式(3)においてn=1)の合成;
前述の文献記載の合成ルートに準拠し、テトラキス(4−アミノフェニル)メタン(化合物3)を合成した。
以下、工程毎に詳細な説明を行う。
【0046】
【化13】
【0047】
[1]−(1) テトラフェニルメタン(化合物1)の合成;
温度計、冷却管、撹拌装置を付けた500mlの三ツ口フラスコに、トリフェニルクロロメタン28.0g(0.10mol)とアニリン25ml(0.27mol)をとり、素早く220℃へ昇温した。反応液が結晶化し始めたら直ちに加熱を停止し、激しく撹拌した。反応液を約100℃まで冷却し、希塩酸(2mol/L)120mlとメタノール100mlを順次加え、還流下で30分間激しく撹拌した。室温に戻して析出物をろ集し、メタノールと純水で洗浄した。粗結晶を減圧乾燥して、アニリンが縮合した中間体を得た。この化合物はこれ以上精製せず、直ちに次の反応に用いた。
【0048】
温度計、冷却管、撹拌装置を付けた1Lの三ツ口フラスコに、粗結晶とジメチルホルムアミド(DMF)250mlをとり、懸濁液を10℃で撹拌した。ここに濃硫酸30mlを少しずつ加え、10℃以下で撹拌下亜硝酸イソペンチル20ml(0.15mol)を一度に加えた。その状態で1時間撹拌後、50%次亜リン酸溶液50mlを滴下した。窒素の発生がおさまったら、50℃で1時間撹拌した。撹拌後室温に戻し、析出物をろ集した。純水で洗浄後減圧乾燥し、DMF250mlで再結晶して化合物1の茶色針状結晶を19g得た。
この化合物の融点とIRスペクトルは文献値と一致した。
【0049】
[1]−(2) テトラキス(4−ニトロフェニル)メタン(化合物2)の合成;
温度計、撹拌装置、冷却管を付けた500mlナスフラスコに、前記(1)で合成した化合物8.01g(0.025mol)と、硝酸アンモニウム8.00g(0.10mol)をとり、クロロホルム150mlを加え室温で撹拌した。ここに、トリフルオロ酢酸無水物48.3ml(0.350mol)を加えて5時間撹拌した。
発熱しながら一旦均一溶液となり、次第に固形分が析出する。反応終了後、反応液をろ過し、得られた固体をクロロホルムで洗浄し、減圧乾燥した。得られた粗結晶をDMFで再結晶して、黄色粉末状結晶の化合物2を6.35g(収率50.8%)を得た。
この化合物のNMRスペクトルは文献値と一致した。1H−NMRのケミカルシフトは、δ7.56、7.66、8.19、8.29(AA′BB′、16H)であった。
【0050】
[1]−(3) テトラキス(4−アミノフェニル)メタン(化合物3)の合成;
撹拌装置、水素導入管を付けた500ml三ツ口フラスコに、前記[1]−(2)で得られた化合物2を6.30g(13.0mmol)をとり、DMF100mlに溶解した。この溶液に、10%パラジウム−炭素を1.0g加え、水素雰囲気下6時間室温撹拌した。水素の吸収が終了したら触媒をろ別し、溶媒を減圧下留去した。得られた黄色粗結晶を含水メタノールで再結晶し、淡黄色結晶の化合物3を3.91g得た(収率79%)。
この化合物のIR、NMRスペクトルは文献値と一致した。IRスペクトルを図1に示す。
1H−NMRのケミカルシフトは、δ4.81(s、8H)、6.32、6.41、6.62、6.71(AA′BB′、16H)であった。
【0051】
[2] テトラアミン−テトラカルボン酸ジエステル塩溶液の製造;
前記[1]の合成によって得られた、テトラキス(4−アミノフェニル)メタン0.8000g(2.10mmol)をサンプルビンにとり、シクロヘキサノン8.42gに室温で溶解した。
この溶液にピロメリット酸ジエチルエステル(式(4)において、X=ベンゼン−テトライル基、R1=R2=エチル基)1.3046g(4.20mmol)を加え、均一な溶液になるまで室温で撹拌した。約1時間撹拌後、溶液を0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、濃度20重量%のポリイミド前駆体溶液を得た。
【0052】
[3] ポリイミド(薄膜)の製造;
ガラス基板に、前記[2]で製造したポリイミド前駆体溶液をスピンナー法で塗布し、80℃のホットプレート上で3分間加熱した。溶媒はほとんど蒸発し、褐色膜状の残査が得られた。直ちにオーブンに入れて400℃で1時間焼成し、膜厚2.19μmの均一な褐色薄膜が得られた。薄膜を基板から削り落とし、IRスペクトルを測定したところ、1775cm−1、1720cm−1付近にイミドカルボニル基、1370cm−1、720cm−1付近にピロメリットイミド生成を示す吸収が確認された。このポリイミド生成を示す吸収は、工業化学雑誌,69,1069(1966)の記載と一致した。このIRスペクトルを図2に示す。
また、薄膜を削って粉末とし、熱分解温度を測定した結果467.7℃であった。
【0053】
実施例2
テトラキス(4−アミノフェニル)メタンを0.3805g(1.0mmol)、テトラカルボン酸ジエステルを、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジエチル(式(4)において、X=ビフェニル−テトライル基、R1=R2=エチル基)0.7728g(2.0mmol)、シクロヘキサノンを4.61g用いる以外は実施例1に準拠し、濃度20重量%の溶液を得てから薄膜を形成させた。膜厚は2.51μmで、均一かつ良好な薄膜が得られた。
このIRスペクトルを図3に示す。この結果から、本発明のポリイミド前駆体およびその溶液を用いることにより、合成中にゲル化を伴うことなく、三次元構造を有する本発明のポリイミドが形成したのは明らかである。
また、実施例1と同様に熱分解温度を測定した結果、489.0℃であった。
【0054】
比較例1
テトラキス(4−アミノフェニル)メタン0.3805g(1.0mmol)をサンプルビンにとり、n−メチル−2−ピロリドン(NMP)5.00gに室温で溶解した。この溶液にピロメリット酸二無水物0.4362g(2.0mmol)を固体のまま少しずつ加えたところ、次第にゲル状不溶物が析出し、最終的に反応液全体が膨潤したゲルで覆われてしまった。得られた物質はゲル状であるため、塗布することはできなかった。
【0055】
比較例2
1,3,5,7−テトラキス(4−アミノフェニル)アダマンタン0.5007g(1.0mmol)をサンプルビンにとり、ジメチルアセテート(DMAc)10.1gに室温で溶解した。この溶液にピロメリット酸ジエチルエステル0.6205g(2.0mmol)を加え、均一な溶液になるまで室温で撹拌した。約1時間撹拌後、溶液を0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、褐色のポリイミド前駆体溶液を得た。得られた前駆体溶液をスピンナー法で塗布し、80℃のホットプレート上で3分間加熱した。溶媒はほとんど蒸発し、褐色膜状の残査が得られた。直ちにオーブンに入れて400℃で1時間焼成し、褐色薄膜状のポリイミドが得られた。
このポリイミドの熱分解温度を実施例1と同様に測定したところ、452.6℃であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明のポリイミドは剛直な三次元構造を有しているので、通常のポリイミドに比べて機械的強度や耐熱性に優れており、層間絶縁膜や液晶配向膜などの機能性薄膜として有用である。
また、本発明のポリイミド前駆体は、テトラアミノ化合物を用いてもゲル化の心配がなく、三次元構造を有するポリイミド、およびその薄膜を容易に製造できる有用なものである。
さらに、本発明のポリイミド薄膜は、前駆体である四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩の溶液を製造する際の溶媒を含んだままで、薄膜製造に用いることができる。すなわち、多官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩は単離精製の必要がなく、工業的にも有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の[1]で合成した、テトラキス(4−アミノフェニル)メタンのIRスペクトルである。
【図2】実施例1で製造したポリイミドのIRスペクトルである。
【図3】実施例2で製造したポリイミドのIRスペクトルである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛直な三次元構造を有する新規なポリイミドに関するものである。さらに、本発明はゲル化の心配がない簡便な方法で、本発明のポリイミド、およびその薄膜を製造することのできるポリイミド前駆体と、その溶液に関するものである。
また、本発明のポリイミドおよびその薄膜は、エレトロニクス分野、特に集積回路(LSI)の層間絶縁膜、パッシベーション膜、液晶ディスプレーの配向膜などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、エレクトロニクスの加速度的進歩に伴い、LSIの微細化、高速化が一層求められている。しかし、単純に配線を微細化するだけでは、配線遅延の増大による電送速度低下を招き、結果的に高速化が不可能になる。そこで、処理速度を低下させることなく配線を微細化するには、層間絶縁膜の誘電率を低くすることが必須条件であり、より低誘電率を目指した新材料の提案が相次いでいる。
それらの大半は、空気の誘電率(1.0)を利用し、材料内に空孔を導入することで誘電率の低減をはかるものである。しかし、材料中へランダムに空孔を分散させただけでは、空孔率の増加に伴い機械強度が低下するという問題があった。
【0003】
この問題を解決するため、空孔のサイズと材料の形状をナノメートルレベルで制御することにより、機械強度と低誘電率を両立させようとする試みがいくつか行われている。例えば、疑似ダイヤモンド構造を有する三次元有機高分子の構造単位間に、分子レベルのナノ空孔を規則的に形成することで、極限的な低誘電率化と高強度化が可能である(非特許文献1参照。)との提案が開示されている。
また、テトラアミノアダマンタンとベンゼンテトラカルボン酸からなるポリイミド(特許文献1参照。)が開示されているが、その他の構造を有するポリイミドに関しては全く開示されていない。
【0004】
アダマンタン以外の正四面体構造として、テトラフェニルメタンがある。この構造をポリマー中に導入した例として、テトラフェニルメタンのジアミノ誘導体を用いたポリイミド等(非特許文献2参照。)が開示されている。しかし、これはジアミンを使って線状高分子を合成しており、三次元構造は形成できない。
また、テトラフェニルメタンのテトラアミンを用いた三次元構造の構築に関しては、該テトラアミンとテレフタル酸の重縮合によるポリアミドゲルの合成(非特許文献3参照。)が開示されている。しかし、ゲル以外の形態で目的物を得る方法は記載されていない。また、該テトラアミンをモノマーとする三次元ポリイミドの合成法については、これまで全く開示されていない。
【0005】
ポリイミド薄膜の製造方法として最も一般的なのは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を溶媒中で重付加反応させてポリアミック酸溶液を調製後、加熱もしくは化学的手法で脱水してイミド環を形成する方法である。しかし、トリアミン以上の多官能アミノ化合物に本法を用いた場合、重付加反応で三次元架橋構造が生成し、その中に溶媒を取り込んでゲル化してしまう。ゲルは不溶性の膨潤物質で取り扱いにくく、薄膜のような成形体を作るのは極めて困難であるという欠点を有していた。
そこで、溶媒を使用しないポリイミド合成法として蒸着重合法(非特許文献4参照。)が紹介されているが、この蒸着重合法には高価な真空蒸着装置が必要となり、簡便で工業的な方法とは言い難い。
【0006】
また、LSIの配線構造を構築するプロセスでは、約400℃の高温焼成を何度も繰り返す工程が不可欠なため、層間絶縁膜に求められるもう一つの重要な特性として熱安定性がある。層間絶縁膜やパッシベーション膜等において、使用可能な耐熱性を有する有機材料は、ポリイミド、ポリオキサゾール等の複素環ポリマー、ポリフェニレン、ポリキシリレン等の芳香族ポリマーといった、いわゆる超耐熱性高分子が適している。しかし、これらの耐熱性材料においても、少しでも高い熱安定性を目指して改善検討が活発に行われている。
【0007】
【非特許文献1】電子情報通信学会技術研究報告,SDM2000−194(2001)
【特許文献1】特開2001−332543公報
【非特許文献2】ラフィラーら、アクト ポリメリカ(Acta Porimerica),20巻,1979年,77頁
【非特許文献3】ロレンジら、ストラクチャル ケミストリー(Structural Chemistry),8巻,1997年,435頁
【非特許文献4】サロンら、ジャーナル オブ バキュームサイエンス アンド テクノロジー(J.Vac.Sci.Technol.)1986年、A4巻、369頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンをモノマーとして用いても、合成途中でゲル化することなく、ポリイミドを容易に製造するための前駆体を提供することである。
また、かかる前駆体の溶液を用い、三次元構造を有する新規なポリイミド、およびその薄膜を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、無溶媒条件で重合を行うことにより、ゲル化を防止するという観点から鋭意研究した。その結果、反応性の高いテトラカルボン酸二無水物の代わりにテトラカルボン酸のジエステルを用いる、すなわち多官能アミンとテトラカルボン酸のジエステルとの塩を前駆体として用いることにより、三次元構造を有する新規なポリイミドをゲル化のおそれなく、容易に合成できることを見出し本発明の完成に至った。
【0010】
すなわち、本発明のポリイミドは、その前駆体となる多官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩溶液を基板上に塗布し、比較的低温で溶媒を蒸発させた後、基板上に残った薄膜状の前駆体をさらに加熱処理して、脱水と脱アルコール反応によってイミド化させることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成は以下の通りである。
(1) 式(1)で示されるポリイミド。
【0012】
【化5】
(式(1)において、Xは炭素数1〜20の4価有機基であり、nは1〜3の整数である。)
【0013】
(2) 式(1)中のXが、ベンゼン−テトライルまたは、ビフェニル−テトライルであることを特徴とする、(1)記載のポリイミド。
【0014】
(3) 式(2)で示されるポリイミド。
【化6】
【0015】
(4) 式(3)で示されるテトラフェニルメタン誘導体と、式(4)で示されるテトラカルボン酸ジエステルとの塩。
【化7】
(式(3)において、nは1〜3の整数である。)
【化8】
(式(4)において、Xは炭素数1〜20の4価有機基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基である。)
【0016】
(5) (4)記載の塩を用いることを特徴とする、ポリイミドの前駆体。
【0017】
(6) (5)記載のポリイミド前駆体が有機溶媒中に溶解していることを特徴とする、ポリイミド前駆体溶液。
【0018】
(7) (6)記載のポリイミド前駆体溶液を基板上に塗布し、溶媒を蒸発させて膜を形成した後、加熱焼成を経て得られることを特徴とするポリイミド薄膜。
【0019】
(8) (1)または(2)記載の式(1)で示されるポリイミドからなるポリイミド薄膜。
【0020】
(9) (3)記載の式(2)で示されるポリイミドからなるポリイミド薄膜。
【0021】
(10) (7)〜(9)記載のいずれか1項記載のポリイミド薄膜を用いることを特徴とする層間絶縁膜。
【0022】
(11) (7)〜(9)記載のいずれか1項記載のポリイミド薄膜を用いることを特徴とするパッシベーション膜。
【0023】
(12) (10)記載の層間絶縁膜を用いることを特徴とする電気的固体装置。
【0024】
(13) (11)記載のパッシベーション膜を用いることを特徴とする電気的固体装置。
【0025】
以下、本発明を発明の形態に即して詳細に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のポリイミドは、本発明のポリイミド前駆体であるテトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンと、テトラカルボン酸ジエステルとの塩の溶液から得られる。その反応例を以下に示す。
【0027】
【化9】
【0028】
この分子間相互作用は、ポリアミック酸の共有結合よりも弱いので、溶液中で強固な架橋網目構造を形成できない。従って、溶液がゲル化してしまう可能性は皆無である。
この様にして得られたポリイミド前駆体溶液は、ワニスとしてガラス板、銅板、アルミニウム板、またはシリコンウエハなどの基板上に塗布した後、溶媒沸点以下の温度で短時間加熱して溶媒を蒸発させる。しかる後に、基板上に残った膜状の前駆体を200〜450℃で加熱焼成すると、塩からの脱水反応にてアミド結合が生成する。通常の溶液重合で多官能アミンを用いた場合、一般にこの段階でゲル化が起きる。しかし、本発明ではゲル化に不可欠の溶媒は既にほとんど蒸発しているため、もはやゲル化が起こることはない。その反応例を以下に示す。
【0029】
【化10】
【0030】
さらに加熱を続けると、アミド結合と隣接するカルボン酸エステル(アルコキシカルボニル基)の間で、分子内脱アルコール反応が起こり、最終的にイミド環が生成する。その反応例を以下に示す。
【0031】
【化11】
【0032】
本発明のポリイミド、およびその前駆体において、多官能アミノ化合物として用いられる化合物は、式(3)で示される、テトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンである。式(3)で示されるテトラフェニルメタン誘導体中のnと、これから誘導される式(1)で示されるポリイミドのnとは、それぞれ同一となる。但し、混合物の場合、反応性の違いから、必ずしもその組成比まで、同じとは限らない。
【0033】
本発明のポリイミド、およびその前駆体において、式(3)で示される、テトラフェニルメタン誘導体のテトラアミンは、通常の有機合成的手法によって容易に合成できる。具体的には、式(3)においてn=1の場合である、テトラキス(4−アミノフェニル)メタンの合成は、F.A.Neugebauerら、Chem.Ber,109巻,1976年,2389貢に準拠して行えば良い。
【0034】
本発明のポリイミド前駆体およびその溶液において、式(4)で示されるテトラカルボン酸ジエステルは、通常の有機合成的手法によって容易に合成できる。すなわち、現在ポリイミドの合成で広く用いられる、テトラカルボン酸二無水物を過剰のアルコールで開環する方法が最も好ましい。その際、アルコール以外の適当な溶媒を用いても、アシル化触媒としてピリジンなどの塩基成分を添加しても全く問題はない。また、目的物の構造は反応の形式によって2種類考えられる場合があるが、これらは単離せず混合物のまま用いても良い。さらに、2種以上のアルコールを用いる反応で得られる混合テトラカルボン酸ジエステルでもよい。できたジエステルが、過剰のアルコールでさらにエステル化され、トリエステル、テトラエステルになったものを含んでいてもよい。この時、テトラエステルは、塩を形成するのではないが、他のカルボン酸の塩形成を阻害するわけではないので、含有していてもよい。
この反応の一般式と、ピロメリット酸無水物を用いた具体例を以下に示す。
【0035】
【化12】
【0036】
これら、ジエステルの原料となるテトラカルボン酸二無水物は、式(4)で示される化合物に準じて考えることができる。つまり、式(4)中のXは炭素数1〜20の4価有機基であれば特に限定されない。具体名を例示すると、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2、2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)エーテル二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)スルホン二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)メタン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物を挙げることができる。
【0037】
これらの中で、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシシクロヘキシル)メタン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物が好ましい。これらの化合物には異性体を含むものもあるが、これらの異性体混合物であってもかまわない。また、2種以上の化合物を併用しても良い。
【0038】
これらのテトラカルボン酸二無水物、および式(4)で示されるそのジエステル体のXと、これから誘導される式(1)で示されるポリイミドのXとは、それぞれ同一となる。但し、混合物の場合、反応性の違いから、必ずしもその組成比まで、同じとは限らない。
【0039】
例えば、テトラカルボン酸二無水物がピロメリット酸二無水物の場合、式(1)および式(4)中のXはベンゼン−テトライル基となる。また、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の場合は、式(1)および式(4)中のXはビフェニル−テトライル基となる。
さらに、アミン成分をテトラキス(4−アミノフェニル)メタン(式(3)においてn=1)、式(4)のジエステルをピロメリット酸二無水物から合成した場合に、式(2)で示すポリイミドとなる。
【0040】
本発明のポリイミドにおいて、前駆体である四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩の溶液を製造する際に用いられる溶媒は、原料と塩を溶解可能であれば特に限定されないが、著しく高沸点の溶媒は適さない。具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホラン、γ−ブチロラクトンなどが好ましく、さらに好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドである。これらの溶媒は、単独で用いても複数混合して使用してもよい。
【0041】
また、本発明のポリイミドを製造する際には、前駆体である四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩の溶液を製造する際に用いた溶媒のままで、薄膜製造に用いることができる。すなわち、四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩は、特に、単離精製の必要がない。
さらに必要により、塗布性改善などの目的で表面張力の低い他の溶媒を併用しても良い。具体的には乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノ−ル、テトラリン、イソホロン、エチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(エチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、ジエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなど)、エチレングリコ−ルモノアルキルまたはフェニルアセテ−ト、トリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、マロン酸ジアルキル(マロン酸ジエチルなど)、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどの例を挙げることができる。これらの溶媒は、先の良溶媒に対して貧溶媒的なものが多い。従って、溶解成分が析出しない程度の量を添加することが好ましい。
【0042】
これらの溶媒で溶解された前駆体溶液を、層間絶縁膜が形成される基板へ塗布する方法としては、通常使用されている方法が使用可能である。例えば、スピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法などが使用できる。
また、これらの溶液を塗布した後の溶剤の乾燥に要する加熱処理などにおいても、通常の層間絶縁膜で使用している手法と同様な方法で実施することが可能である。例えば、オ−ブン、ホットプレ−ト、赤外炉中などが使用できる。溶液を塗布した後は、比較的低温で溶剤を蒸発させた後、200〜450℃程度の温度で、好ましくは300〜400℃で加熱処理することが好ましい。その際、窒素雰囲気もしくは減圧条件下で加熱することは、さらに好ましい。加熱時間は基質によって異なるが、30〜180分程度が好ましく、さらに好ましくは約60〜120分である。
【0043】
本発明のパッシベーション膜は、凹凸面を持った物体をコーティングすることにより、その表面を平坦にさせる膜のことである。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例で得られた化合物の物性は以下の方法で測定した。
赤外吸収スペクトル(IR):日本分光株式会社製FT/IR−7000型を用い、室温でKBr法にて測定した。
プロトンNMRスペクトル(1H−NMR):日本電子株式会社製EX−90Aを使用し、90MHzで溶媒にDMSO−d6を用い、内部標準物質にテトラメチルシランを用いて室温で測定した。
熱分解温度(Td):セイコー電子工業社製、TG/DTA−220型を用い毎分10℃の昇温速度で測定し、5%重量減少を示した点を分解温度とした。
【0045】
実施例1
[1]テトラキス(4−アミノフェニル)メタン(式(3)においてn=1)の合成;
前述の文献記載の合成ルートに準拠し、テトラキス(4−アミノフェニル)メタン(化合物3)を合成した。
以下、工程毎に詳細な説明を行う。
【0046】
【化13】
【0047】
[1]−(1) テトラフェニルメタン(化合物1)の合成;
温度計、冷却管、撹拌装置を付けた500mlの三ツ口フラスコに、トリフェニルクロロメタン28.0g(0.10mol)とアニリン25ml(0.27mol)をとり、素早く220℃へ昇温した。反応液が結晶化し始めたら直ちに加熱を停止し、激しく撹拌した。反応液を約100℃まで冷却し、希塩酸(2mol/L)120mlとメタノール100mlを順次加え、還流下で30分間激しく撹拌した。室温に戻して析出物をろ集し、メタノールと純水で洗浄した。粗結晶を減圧乾燥して、アニリンが縮合した中間体を得た。この化合物はこれ以上精製せず、直ちに次の反応に用いた。
【0048】
温度計、冷却管、撹拌装置を付けた1Lの三ツ口フラスコに、粗結晶とジメチルホルムアミド(DMF)250mlをとり、懸濁液を10℃で撹拌した。ここに濃硫酸30mlを少しずつ加え、10℃以下で撹拌下亜硝酸イソペンチル20ml(0.15mol)を一度に加えた。その状態で1時間撹拌後、50%次亜リン酸溶液50mlを滴下した。窒素の発生がおさまったら、50℃で1時間撹拌した。撹拌後室温に戻し、析出物をろ集した。純水で洗浄後減圧乾燥し、DMF250mlで再結晶して化合物1の茶色針状結晶を19g得た。
この化合物の融点とIRスペクトルは文献値と一致した。
【0049】
[1]−(2) テトラキス(4−ニトロフェニル)メタン(化合物2)の合成;
温度計、撹拌装置、冷却管を付けた500mlナスフラスコに、前記(1)で合成した化合物8.01g(0.025mol)と、硝酸アンモニウム8.00g(0.10mol)をとり、クロロホルム150mlを加え室温で撹拌した。ここに、トリフルオロ酢酸無水物48.3ml(0.350mol)を加えて5時間撹拌した。
発熱しながら一旦均一溶液となり、次第に固形分が析出する。反応終了後、反応液をろ過し、得られた固体をクロロホルムで洗浄し、減圧乾燥した。得られた粗結晶をDMFで再結晶して、黄色粉末状結晶の化合物2を6.35g(収率50.8%)を得た。
この化合物のNMRスペクトルは文献値と一致した。1H−NMRのケミカルシフトは、δ7.56、7.66、8.19、8.29(AA′BB′、16H)であった。
【0050】
[1]−(3) テトラキス(4−アミノフェニル)メタン(化合物3)の合成;
撹拌装置、水素導入管を付けた500ml三ツ口フラスコに、前記[1]−(2)で得られた化合物2を6.30g(13.0mmol)をとり、DMF100mlに溶解した。この溶液に、10%パラジウム−炭素を1.0g加え、水素雰囲気下6時間室温撹拌した。水素の吸収が終了したら触媒をろ別し、溶媒を減圧下留去した。得られた黄色粗結晶を含水メタノールで再結晶し、淡黄色結晶の化合物3を3.91g得た(収率79%)。
この化合物のIR、NMRスペクトルは文献値と一致した。IRスペクトルを図1に示す。
1H−NMRのケミカルシフトは、δ4.81(s、8H)、6.32、6.41、6.62、6.71(AA′BB′、16H)であった。
【0051】
[2] テトラアミン−テトラカルボン酸ジエステル塩溶液の製造;
前記[1]の合成によって得られた、テトラキス(4−アミノフェニル)メタン0.8000g(2.10mmol)をサンプルビンにとり、シクロヘキサノン8.42gに室温で溶解した。
この溶液にピロメリット酸ジエチルエステル(式(4)において、X=ベンゼン−テトライル基、R1=R2=エチル基)1.3046g(4.20mmol)を加え、均一な溶液になるまで室温で撹拌した。約1時間撹拌後、溶液を0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、濃度20重量%のポリイミド前駆体溶液を得た。
【0052】
[3] ポリイミド(薄膜)の製造;
ガラス基板に、前記[2]で製造したポリイミド前駆体溶液をスピンナー法で塗布し、80℃のホットプレート上で3分間加熱した。溶媒はほとんど蒸発し、褐色膜状の残査が得られた。直ちにオーブンに入れて400℃で1時間焼成し、膜厚2.19μmの均一な褐色薄膜が得られた。薄膜を基板から削り落とし、IRスペクトルを測定したところ、1775cm−1、1720cm−1付近にイミドカルボニル基、1370cm−1、720cm−1付近にピロメリットイミド生成を示す吸収が確認された。このポリイミド生成を示す吸収は、工業化学雑誌,69,1069(1966)の記載と一致した。このIRスペクトルを図2に示す。
また、薄膜を削って粉末とし、熱分解温度を測定した結果467.7℃であった。
【0053】
実施例2
テトラキス(4−アミノフェニル)メタンを0.3805g(1.0mmol)、テトラカルボン酸ジエステルを、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジエチル(式(4)において、X=ビフェニル−テトライル基、R1=R2=エチル基)0.7728g(2.0mmol)、シクロヘキサノンを4.61g用いる以外は実施例1に準拠し、濃度20重量%の溶液を得てから薄膜を形成させた。膜厚は2.51μmで、均一かつ良好な薄膜が得られた。
このIRスペクトルを図3に示す。この結果から、本発明のポリイミド前駆体およびその溶液を用いることにより、合成中にゲル化を伴うことなく、三次元構造を有する本発明のポリイミドが形成したのは明らかである。
また、実施例1と同様に熱分解温度を測定した結果、489.0℃であった。
【0054】
比較例1
テトラキス(4−アミノフェニル)メタン0.3805g(1.0mmol)をサンプルビンにとり、n−メチル−2−ピロリドン(NMP)5.00gに室温で溶解した。この溶液にピロメリット酸二無水物0.4362g(2.0mmol)を固体のまま少しずつ加えたところ、次第にゲル状不溶物が析出し、最終的に反応液全体が膨潤したゲルで覆われてしまった。得られた物質はゲル状であるため、塗布することはできなかった。
【0055】
比較例2
1,3,5,7−テトラキス(4−アミノフェニル)アダマンタン0.5007g(1.0mmol)をサンプルビンにとり、ジメチルアセテート(DMAc)10.1gに室温で溶解した。この溶液にピロメリット酸ジエチルエステル0.6205g(2.0mmol)を加え、均一な溶液になるまで室温で撹拌した。約1時間撹拌後、溶液を0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、褐色のポリイミド前駆体溶液を得た。得られた前駆体溶液をスピンナー法で塗布し、80℃のホットプレート上で3分間加熱した。溶媒はほとんど蒸発し、褐色膜状の残査が得られた。直ちにオーブンに入れて400℃で1時間焼成し、褐色薄膜状のポリイミドが得られた。
このポリイミドの熱分解温度を実施例1と同様に測定したところ、452.6℃であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明のポリイミドは剛直な三次元構造を有しているので、通常のポリイミドに比べて機械的強度や耐熱性に優れており、層間絶縁膜や液晶配向膜などの機能性薄膜として有用である。
また、本発明のポリイミド前駆体は、テトラアミノ化合物を用いてもゲル化の心配がなく、三次元構造を有するポリイミド、およびその薄膜を容易に製造できる有用なものである。
さらに、本発明のポリイミド薄膜は、前駆体である四官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩の溶液を製造する際の溶媒を含んだままで、薄膜製造に用いることができる。すなわち、多官能アミン−テトラカルボン酸ジエステル塩は単離精製の必要がなく、工業的にも有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の[1]で合成した、テトラキス(4−アミノフェニル)メタンのIRスペクトルである。
【図2】実施例1で製造したポリイミドのIRスペクトルである。
【図3】実施例2で製造したポリイミドのIRスペクトルである。
Claims (13)
- 式(1)中のXが、ベンゼン−テトライルまたは、ビフェニル−テトライルであることを特徴とする、請求項1記載のポリイミド。
- 請求項4記載の塩を用いることを特徴とする、ポリイミドの前駆体。
- 請求項5記載のポリイミド前駆体が有機溶媒中に溶解していることを特徴とする、ポリイミド前駆体溶液。
- 請求項6記載のポリイミド前駆体溶液を基板上に塗布し、溶媒を蒸発させて膜を形成した後、加熱焼成を経て得られることを特徴とするポリイミド薄膜。
- 請求項1または請求項2記載の式(1)で示されるポリイミドからなるポリイミド薄膜。
- 請求項3記載の式(2)で示されるポリイミドからなるポリイミド薄膜。
- 請求項7〜9記載のいずれか1項記載のポリイミド薄膜を用いることを特徴とする層間絶縁膜。
- 請求項7〜9記載のいずれか1項記載のポリイミド薄膜を用いることを特徴とするパッシベーション膜。
- 請求項10記載の層間絶縁膜を用いることを特徴とする電気的固体装置。
- 請求項11記載のパッシベーション膜を用いることを特徴とする電気的固体装置。
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