JP2004175867A - フレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、フレキソ印刷インキおよびラミネートフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷とすることができるフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、このウレタン尿素樹脂組成物をバインダ−用樹脂として含有するフレキソ印刷インキ、および、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷を有するラミネートフィルムを提供すること。
【解決手段】水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、このウレタン尿素樹脂組成物を含有してなるフレキソ印刷インキ、および、この印刷インキをフィルム基材に印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、硬化させてなるラミネートフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、このウレタン尿素樹脂組成物を含有してなるフレキソ印刷インキ、および、この印刷インキをフィルム基材に印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、硬化させてなるラミネートフィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキソ印刷インキのバインダー用として有用なフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、該樹脂組成物をバインダー用樹脂として含有してなるフレキソ印刷インキ、および、該フレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層、硬化させてなるラミネートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球規模の環境保全に配慮した高性能バインダー用樹脂、該バインダ−用樹脂を含有してなるフレキソ印刷インキ、および、該インキを印刷してなる高性能ラミネートフィルムに関する要望が高まってきており、熱可塑性樹脂フィルムに対して優れた密着性を有し、かつ印刷後の残留溶剤量の少ないフレキソ印刷インキ用バインダ−が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−222330号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−100817号公報(特許請求の範囲)
【0004】
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2に記載されたフレキソ印刷インキ用バインダ−を用いて得たフレキソ印刷インキを、熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し硬化させて得られるラミネートフィルムのフレキソ印刷は、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性が不十分であり、満足できるものではかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、フレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷した後、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層した後、該二液硬化型接着剤を硬化させてなるラミネートフィルムとした場合に、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷とすることができるフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、このフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダ−用樹脂として含有するフレキソ印刷インキ、および、このフレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷した後、二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、該二液硬化型接着剤を硬化させてなるラミネートフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について鋭意検討を重ねた結果、下記の知見(1)および(2)を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)、好ましくは水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂とアルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有させたウレタン尿素樹脂組成物は、フレキソ印刷インキ用バインダー樹脂として使用できること。
(2)このウレタン尿素樹脂組成物をバインダー樹脂として使用してなるフレキソ印刷インキは、水酸基有するウレタン尿素樹脂(A)をバインダー樹脂として含有するため、フレキソ印刷した熱可塑性樹脂フィルム基材の印刷面上に他の熱可塑性樹脂フィルムを積層接着する際に用いるポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤の硬化に際して、該二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物と反応して強固に結合し、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷となり、耐湿熱性に優れるラミネートフィルムが得られること。
【0007】
即ち、本発明は、水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有することを特徴とするフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、前記フレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダー用樹脂として含有してなることを特徴とするフレキソ印刷インキを提供するものである。
【0009】
さらに、本発明は、前記フレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、該二液硬化型接着剤を硬化させてなることを特徴とするラミネートフィルムを提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)としては、アルコール系溶剤の少なくとも1種に溶解可能で水酸基を有するウレタン尿素樹脂であればよく、なかでも、アルコール系溶剤の少なくとも1種に溶解可能で水酸基とアミノ基を有するウレタン尿素樹脂が好ましい。
【0011】
本発明のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物としては、例えば、末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)とを必須成分としてアルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤中で反応させて得られる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液や水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液が挙げられ、なかでも前記ウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)とを必須成分とし、更に必要により水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)、前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)等と共に、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤中で反応させて得られる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液や水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液が好ましい。このようにして得られたアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液は、更に必要によりアルコール系溶剤(B)で希釈してもよい。
【0012】
前記ウレタンプレポリマー(a1)としては、例えば、数平均分子量500以上のジオールと2個の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとを反応させて得られる末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0013】
前記数平均分子量500以上のジオールとしては、例えば、数平均分子量500以上のポリエーテルジオール、数平均分子量500以上のポリエステルジオールが挙げられ、いずれも数平均分子量500〜5,000のものが好ましい。
【0014】
前記数平均分子量500以上のポリエーテルジオールとしては、例えば、ポレエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、これらの共重合ポリエーテルジオール等が挙げられる。
【0015】
前記数平均分子量500以上のポリエステルジオールとしては、例えば、ジカルボン酸とジオールの縮合反応により得られる数平均分子量500以上のポリエステルジオールが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、こはく酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸の如き脂肪族系ジカルボン酸、またはその無水物;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族系カルボン酸、またはその無水物等が挙げられる。また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブチレングリコール、イソブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−メチル−2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブテンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール;ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を有するジオール等が挙げられる。
【0016】
また、数平均分子量500以上のポリエステルジオールは、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン化合物と、ジオールモノマー、ポリエステルポリオール、ポリエーテル等のジオール化合物とを150〜250℃で反応して得ることもできる。
【0017】
前記ウレタンプレポリマー(a1)の製造では用いる2個の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートを用いるが、本発明において脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基とは、線状脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基および環状脂肪族炭化水素の環構造の炭素に結合したイソシアネート基を言い、例えば、ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼンのように、ベンゼン環に結合したイソプロピレン基に直結したイソシアネート基も、脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基である。また、1級、2級、3級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基とは、線状脂肪族炭化水素の1級、2級、3級炭素に結合したイソシアネート基および環状脂肪族炭化水素の環構造の1級、2級、3級炭素に結合したイソシアネート基をいう。
【0018】
前記ウレタンプレポリマー(a1)の製造では用いる2個の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、例えば、2個の1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート、2級と1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート、2個の2級および/または3級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートが挙げられる。
【0019】
2個の1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
【0020】
2級と1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等が挙げられる。
【0021】
2個の2級および/または3級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、炭素数9〜17の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、例えば、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0022】
前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)としては、例えば、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルイソプロパノールアミン、アミノエチルプロパノールアミン、アミノエチルブタノールアミン、アミノエチルイソブタノールアミン、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−プロピレンジアミン、ジ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、ジ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン等が挙げられる。
【0023】
前記水酸基含有脂肪族ジアミン(B)以外の脂肪族ジアミン(a3)としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラジン、メチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、ヒドラジン等が挙げられる。
【0024】
これらのジアミン(a2)と(a3)は、それぞれ単独でも2種以上を併用しても使用することができる。
【0025】
前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)としては、例えば、1−アミノプロパンジオ−ル、1−アミノブタンジオ−ル、1−アミノペンタンジオ−ル等が挙げられる。
【0026】
前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)としては、例えば、ジノルマルブチルアミン、ジイソブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。
【0027】
本発明で用いるアルコール系溶剤(B)としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール等の炭素数1〜7の脂肪族アルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。このうち炭素数1〜7のアルコール系溶剤が好ましく、なかでもイソプロパノール、エタノ−ル、ノルマルプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、前記ウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)とを必須成分として前記ウレタン尿素樹脂(A)を製造する際に用いる有機溶剤としては、前記アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有するものであればよく、例えば、前記アルコール系溶剤(B)のみからなる有機溶剤、アルコール系溶剤(B)とアルコール系溶剤(B)以外の有機溶剤(C)の混合溶剤とが挙げられる。
【0029】
前記有機溶剤(C)としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKと略す)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。なかでもエステル系溶剤が好ましい。
【0030】
アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤として、アルコール系溶剤(B)と前記有機溶剤(C)とを併用する場合は、なかでも、重量比〔(B)/(C)〕が(99/1)〜(83/17)となる範囲で併用することが好ましく、なかでも(90/10)〜(85/15)となる範囲で併用ことが特に好ましい。
【0031】
本発明のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物の製造方法としては、例えば、▲1▼アルコール系溶剤(B)と、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と、更に必要により、前記脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)および前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物の混合物中に、前記ウレタンプレポリマー(a1)を加えて20〜60℃で0.5〜10時間鎖伸長反応させる方法、▲2▼前記▲1▼の方法においてアルコール系溶剤(B)と共に前記有機溶剤(C)を用いる方法、▲3▼前記ウレタンプレポリマー(a1)を前記有機溶剤(C)に溶解した後、アルコール系溶剤(B)と、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と、更に必要により、前記脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)および前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物を加えて20〜60℃で0.5〜10時間鎖伸長反応させる方法等が挙げられる。
【0032】
これらフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物の製造方法において、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)、前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)および前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の脂肪族モノアミン(a5)のアミノ基の合計と、前記ウレタンプレポリマー(a1)中のイソシアネート基との当量比〔(a2)+(a3)+(a4)+(a5)〕/(a1)は、(1.01/1)〜(1.5/1)であることが好ましく、なかでも(1.01/1)〜(1.2/1)であることが特に好ましい。イソシアネート基に対し、アミノ基を過剰に加えることにより、付着性が良好なフレキソ印刷インキが得られる。
【0033】
また、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤の使用量は、前記ウレタンプレポリマー(a1)、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)、前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)、前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)等の原料樹脂成分の合計100重量部に対して、通常100〜400重量部、好ましくは150〜300重量部である。
【0034】
なお、これらフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物の製造方法のなかでも、環境保全に大きく貢献できる点では前記アルコール系溶剤(B)のみを用いる前記▲1▼の方法が好ましい。また、前記ウレタンプレポリマー(a1)として高粘度のウレタンプレポリマーを前記有機溶剤(C)に溶解させ低粘度化して用いることができる点ではアルコール系溶剤(B)と前記有機溶剤(C)を併用する▲2▼および▲3▼の方法が好ましい。
【0035】
本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)の数平均分子量は、付着性を良好に保ち、耐煮沸性、耐レトルト性の良好なフレキソ印刷インキが得られることから、10,000〜100,000であることが好ましく、なかでも20,000〜80,000であることが特に好ましい。数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定された値で示される分子量をいい、その数値はポリスチレン換算値である。
【0036】
また、本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)の水酸基価は、二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物との反応が十分で、耐煮沸性、耐レトルト性の良好なフレキソ印刷インキが得られることから、0.5〜20mgKOH/gであることが好ましく、なかでも2〜15mgKOH/gであることが特に好ましい。
【0037】
なお、本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)が水酸基と共にアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂である場合、二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物との反応が十分で、耐煮沸性、耐レトルト性の良好なフレキソ印刷インキが得られることから、水酸基価が0.1〜18mgKOH/gで、アミン価が0.2〜5mgKOH/gであることが好ましく、なかでも水酸基価が1〜13mgKOH/gで、アミン価が0.3〜3mgKOH/gであることが特に好ましい。
【0038】
本発明のフレキソ印刷インキは、前記水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、前記アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダー用樹脂組成物として含有するものであればよく、例えば、前記ウレタン尿素樹脂(A)と前記有機溶剤と着色剤と、その他必要により充填剤、添加剤等とを分散混合することにより得られる。
【0039】
前記着色剤としては、例えば、有機系顔料、無機系顔料、染料等の通常のインキにおいて使用される各種のものが使用できる。
【0040】
有機系顔料としては、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
【0041】
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0042】
染料としては、例えば、タートラジンレーキ、ローダン6Gレーキ、ビクトリアピュアブルーレーキ、アルカリブルーGトーナー、ブリリアントグリーンレーキ等が挙げられ、その他、コールタール等が挙げられる。
【0043】
これら着色剤のなかでも、耐水性などの点から有機系顔料または無機系顔料を使用することが好ましい。
【0044】
また、充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;沈降性硫酸バリウム等の硫酸塩;シリカ、タルク等の珪酸塩等が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用して使用することができる。
【0045】
添加剤としては、ワックス、顔料分散剤、消泡剤、その他各種のものが使用できる。
【0046】
本発明のフレキソ印刷インキ中における各種原料成分の配合量としては、水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)(固形分として)5〜30重量%、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤15〜75重量%、着色剤20〜55重量%、充填剤0〜20重量%、添加剤0〜10重量%の範囲が好ましく、なかでも、前記ウレタン尿素樹脂(A)(固形分として)5〜20重量%、前記有機溶剤12〜70重量%、着色剤20〜50重量%、充填剤5〜15重量%、添加剤0.01〜3重量%の範囲であることが特に好ましい。また、前記ウレタン尿素樹脂(A)100重量部に対して20〜70重量部の範囲でニトロセルロースを併用することができる。
【0047】
また、本発明のフレキソ印刷インキに用いる基材としては、例えば、紙等の吸収性基材、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等の非吸収性基材でもある熱可塑性樹脂フィルム基材を使用できる。とくにコロナ放電処理を施した熱可塑性樹脂フィルム基材が付着性の点で好ましい。
【0048】
本発明のラミネ−トフィルムは、本発明のフレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、前記二液硬化型接着剤を硬化させてなるものである。このラミネ−トフィルムは、前記二液硬化型接着剤の硬化に際して、本発明のフレキソ印刷インキ中の水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)中の水酸基(水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂である場合は水酸基とアミノ基)が、前記二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物の有するイソシアネート基と反応するため、フレキソ印刷インキと二液硬化型接着剤とが強固に結合することとなり、その結果、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷を有したラミネ−トフィルムとなる。
【0049】
前記二液硬化型接着剤に用いるポリイソシアネート化合物としては、二官能性以上であればよいが、なかでも三官能性以上であることが好ましく、例えば、イソシアヌレ−ト構造のポリイソシアネ−ト、アダクト構造のポリイソシアネ−ト、ビュ−レット構造のポリイソシアネ−ト等が挙げられる。
【0050】
イソシアヌレ−ト構造のポリイソシアネ−トとしては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のバ−ノックDN980、DN981、DN−990、DN−992、DN−901、D−802、住友バイエル製のデスモジュ−ルN−3390、スミジュ−ルIL、日本ポリウレタン製のコロネ−トEH、2030等が挙げられる。
【0051】
アダクト構造のポリイソシアネ−トとしては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のバ−ノックDN−950、DN−921、D−750、住友バイエル製のスミジュ−ルHT、L−75、日本ポリウレタン製のコロネ−トHL、L2030等が挙げられる。
【0052】
ビュ−レット構造のポリイソシアネ−トとしては、例えば、住友バイエル製のスミジュ−ル3200、N−75、デュラネ−ト24A−90CX、22A−75−CX等が挙げられる。
【0053】
前記二液硬化型接着剤に用いるポリオール化合物としては、前記ウレタンプレポリマー(a1)の原料成分として前記した数平均分子量500以上のジオ−ルと同様のジオール、例えば、数平均分子量500以上のポリエーテルジオール、数平均分子量500以上のポリエステルジオール等から得られるポリオ−ル化合物が挙げられ、なかでも数平均分子量2,000〜20,000のものが好ましく、3,000〜15,000のものが特に好ましい。
【0054】
ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の使用割合は、イソシアネート基と水酸基の当量比(NCO/OH)が1.05〜2.0となる割合が好ましく、1.1〜1.6となる割合が特に好ましい。
【0055】
【実施例】
次に、本発明を実施例と比較例により、さらに具体的に説明する。以下において、部及び%は特に断りのない限り、すべて重量基準である。
【0056】
実施例1
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)161.2部と、ポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)69.1部とを仕込み、窒素ガスを流し撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート51.2部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(a1−1)を得た。
【0057】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(a1−1)に、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部およびイソプロピルアルコ−ル280部を仕込み、均一に溶解させ、40℃迄降温した後、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン12.8部およびジノルマルブチルアミン2.3部を加え2時間反応させて、水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−1)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−1)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価を第1表に示す。
【0058】
実施例2
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)230.3部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート51.2部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(a1−2)を得た。
【0059】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(a1−2)にプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコ−ル180部および酢酸エチル100部を仕込み、均一に溶解させ、40℃迄降温した後、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン12.8部およびジノルマルブチルアミン2.6部を加え2時間反応させて、水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−2)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−2)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価、アミン価を第1表に示す。
【0060】
実施例3
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)245.4部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート54.6部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させた後、75℃で酢酸エチル150部を加えて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマーの溶液(a2−3)(不揮発分濃度66.7%)を得た。
【0061】
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコール140部、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン14.4部およびジノルマルブチルアミン1.3部を加え、40℃迄昇温した。これに、線状ウレタンプレポリマーの溶液(a1−3)421.8部を加え、40℃で4時間反応させて、水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−3)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−3)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価、アミン価を第1表に示す。
【0062】
実施例4
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)230.3部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート51.2部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(a2−4)を得た。
【0063】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(a1−2)にプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコ−ル180部および酢酸エチル100部を仕込み、均一に溶解し、40℃迄降温した後、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン12.8部、1−アミノプロパンジオ−ル0.9およびジノルマルブチルアミン1.3部を加え2時間反応させて、水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−4)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−4)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価、アミン価を第1表に示す。
【0064】
比較例1
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)228.6部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート50.9部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(Ra1)を得た。
【0065】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(Ra1)にプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコ−ル180部および酢酸エチル100部を仕込み、均一に溶解し、40℃迄降温した後、イソホロンジアミン17.8部およびジノルマルブチルアミン2.6部を加え2時間反応させて、ウレタン尿素樹脂組成物(RX−1)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(RX−1)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、アミン価を第1表に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
第1表の脚注
・不揮発分 :樹脂溶液1gを酢酸エチル5gで希釈し、乾燥器で107℃で2時間乾燥し、不揮発分を算出した。
・粘度 :25℃。B型粘度計により樹脂溶液の粘度を測定した。
・数平均分子量 :GPC(THF溶媒、40℃)でポリスチレン換算による分子量分布測定により数平均分子量を算出した。
・水酸基価 :ウレタン尿素樹脂40gに無水酢酸とピリジンを容量比(無水酢酸/ピリジン)が1/9で混合したアセチル化剤25ccを加え、100℃で1時間反応した後にn−ブタノ−ル10ccを加え、N/2水酸化カリウムのアルコ−ル溶液で滴定し、水酸基価を算出した。
・アミン価 :ウレタン尿素樹脂50gにトルエン70gとメタノ−ル30gを加え、pHが4.8になるまで0.1N塩酸水溶液を滴下し、アミン価を算出した。
【0068】
実施例5〜8および比較例2
第2表の(1)配合組成で示す組成で、顔料分散機(ペイントシェーカー)を用いて1時間分散処理した後、第2表の(2)粘度で示す量の溶剤を用いて、ザーンカップNO.3での粘度が18秒となるように粘度調整を行い、フレキソ印刷インキを作成した。
【0069】
2軸延伸ポリエステルフィルム〔東洋紡績(株)製エステルフィルムE5100〕に、実施例5〜8および比較例2で得られたフレキソ印刷インキを、株式会社東谷鉄工所製のベビ−印刷機を用いて印刷し、80℃で15秒間乾燥して印刷物を得た。
【0070】
続いて、大日本インキ化学工業(株)製バ−ノックD750(アダクト構造のポリイソシアネ−ト)と同社製デックドライLX703SP(ポリエステルポリオ−ル)とをイソシアネート基/OHの当量比が1.4/1となる割合で混合した二液硬化型接着剤を用い、(株)オリエント総業製ドライラミネイタ−DL−500により、前記印刷物の印刷面上に、東セロ(株)製ポリエチレンフィルム、T.U.X HC60を張り合わせて、ラミネートフィルムを得た後、下記の評価方法で耐煮沸性と耐レトルト性の評価を行った。結果を第3表に示す。
【0071】
<評価方法>
(1)耐煮沸性:得られたラミネートフィルム各々を95℃の熱水に1時間浸漬し評価した。フィルムを張り合わせた印刷物の外観に変化のないものを○、張り合わせたフィルム間で1部剥離したものを△、張り合わせたフィルム間で全面剥離したものを×とした。
(2)耐レトルト性:得られたラミネートフィルム各々を(株)千代田製作所製レトルト試験器YRF−50・80中で120℃で1時間加熱し評価した。フィルムを張り合わせた印刷物の外観に変化のないものを○、張り合わせたフィルム間で1部剥離したものを△、張り合わせたフィルム間で全面剥離したものを×とした。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
本発明のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物は、フレキソ印刷インキのバインダー用として好適であり、このウレタン尿素樹脂組成物をバインダー樹脂組成物として含有させてなるフレキソ印刷インキは、熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷し、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層した後、該二液硬化型接着剤を硬化させてラミネートフィルムとした場合に、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷となり、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷を有するラミネートフィルムを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキソ印刷インキのバインダー用として有用なフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、該樹脂組成物をバインダー用樹脂として含有してなるフレキソ印刷インキ、および、該フレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層、硬化させてなるラミネートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球規模の環境保全に配慮した高性能バインダー用樹脂、該バインダ−用樹脂を含有してなるフレキソ印刷インキ、および、該インキを印刷してなる高性能ラミネートフィルムに関する要望が高まってきており、熱可塑性樹脂フィルムに対して優れた密着性を有し、かつ印刷後の残留溶剤量の少ないフレキソ印刷インキ用バインダ−が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−222330号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−100817号公報(特許請求の範囲)
【0004】
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2に記載されたフレキソ印刷インキ用バインダ−を用いて得たフレキソ印刷インキを、熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し硬化させて得られるラミネートフィルムのフレキソ印刷は、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性が不十分であり、満足できるものではかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、フレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷した後、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層した後、該二液硬化型接着剤を硬化させてなるラミネートフィルムとした場合に、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷とすることができるフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物、このフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダ−用樹脂として含有するフレキソ印刷インキ、および、このフレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷した後、二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、該二液硬化型接着剤を硬化させてなるラミネートフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について鋭意検討を重ねた結果、下記の知見(1)および(2)を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)、好ましくは水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂とアルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有させたウレタン尿素樹脂組成物は、フレキソ印刷インキ用バインダー樹脂として使用できること。
(2)このウレタン尿素樹脂組成物をバインダー樹脂として使用してなるフレキソ印刷インキは、水酸基有するウレタン尿素樹脂(A)をバインダー樹脂として含有するため、フレキソ印刷した熱可塑性樹脂フィルム基材の印刷面上に他の熱可塑性樹脂フィルムを積層接着する際に用いるポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤の硬化に際して、該二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物と反応して強固に結合し、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷となり、耐湿熱性に優れるラミネートフィルムが得られること。
【0007】
即ち、本発明は、水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有することを特徴とするフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、前記フレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダー用樹脂として含有してなることを特徴とするフレキソ印刷インキを提供するものである。
【0009】
さらに、本発明は、前記フレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、該二液硬化型接着剤を硬化させてなることを特徴とするラミネートフィルムを提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)としては、アルコール系溶剤の少なくとも1種に溶解可能で水酸基を有するウレタン尿素樹脂であればよく、なかでも、アルコール系溶剤の少なくとも1種に溶解可能で水酸基とアミノ基を有するウレタン尿素樹脂が好ましい。
【0011】
本発明のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物としては、例えば、末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)とを必須成分としてアルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤中で反応させて得られる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液や水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液が挙げられ、なかでも前記ウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)とを必須成分とし、更に必要により水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)、前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)等と共に、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤中で反応させて得られる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液や水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液が好ましい。このようにして得られたアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂の有機溶剤溶液は、更に必要によりアルコール系溶剤(B)で希釈してもよい。
【0012】
前記ウレタンプレポリマー(a1)としては、例えば、数平均分子量500以上のジオールと2個の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとを反応させて得られる末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0013】
前記数平均分子量500以上のジオールとしては、例えば、数平均分子量500以上のポリエーテルジオール、数平均分子量500以上のポリエステルジオールが挙げられ、いずれも数平均分子量500〜5,000のものが好ましい。
【0014】
前記数平均分子量500以上のポリエーテルジオールとしては、例えば、ポレエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、これらの共重合ポリエーテルジオール等が挙げられる。
【0015】
前記数平均分子量500以上のポリエステルジオールとしては、例えば、ジカルボン酸とジオールの縮合反応により得られる数平均分子量500以上のポリエステルジオールが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、こはく酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸の如き脂肪族系ジカルボン酸、またはその無水物;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族系カルボン酸、またはその無水物等が挙げられる。また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブチレングリコール、イソブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−メチル−2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブテンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール;ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を有するジオール等が挙げられる。
【0016】
また、数平均分子量500以上のポリエステルジオールは、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン化合物と、ジオールモノマー、ポリエステルポリオール、ポリエーテル等のジオール化合物とを150〜250℃で反応して得ることもできる。
【0017】
前記ウレタンプレポリマー(a1)の製造では用いる2個の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートを用いるが、本発明において脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基とは、線状脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基および環状脂肪族炭化水素の環構造の炭素に結合したイソシアネート基を言い、例えば、ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼンのように、ベンゼン環に結合したイソプロピレン基に直結したイソシアネート基も、脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基である。また、1級、2級、3級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基とは、線状脂肪族炭化水素の1級、2級、3級炭素に結合したイソシアネート基および環状脂肪族炭化水素の環構造の1級、2級、3級炭素に結合したイソシアネート基をいう。
【0018】
前記ウレタンプレポリマー(a1)の製造では用いる2個の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、例えば、2個の1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート、2級と1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート、2個の2級および/または3級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートが挙げられる。
【0019】
2個の1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
【0020】
2級と1級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等が挙げられる。
【0021】
2個の2級および/または3級の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートとしては、炭素数9〜17の脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、例えば、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0022】
前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)としては、例えば、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルイソプロパノールアミン、アミノエチルプロパノールアミン、アミノエチルブタノールアミン、アミノエチルイソブタノールアミン、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−プロピレンジアミン、ジ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、ジ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン等が挙げられる。
【0023】
前記水酸基含有脂肪族ジアミン(B)以外の脂肪族ジアミン(a3)としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラジン、メチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、ヒドラジン等が挙げられる。
【0024】
これらのジアミン(a2)と(a3)は、それぞれ単独でも2種以上を併用しても使用することができる。
【0025】
前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)としては、例えば、1−アミノプロパンジオ−ル、1−アミノブタンジオ−ル、1−アミノペンタンジオ−ル等が挙げられる。
【0026】
前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)としては、例えば、ジノルマルブチルアミン、ジイソブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。
【0027】
本発明で用いるアルコール系溶剤(B)としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール等の炭素数1〜7の脂肪族アルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。このうち炭素数1〜7のアルコール系溶剤が好ましく、なかでもイソプロパノール、エタノ−ル、ノルマルプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、前記ウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)とを必須成分として前記ウレタン尿素樹脂(A)を製造する際に用いる有機溶剤としては、前記アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有するものであればよく、例えば、前記アルコール系溶剤(B)のみからなる有機溶剤、アルコール系溶剤(B)とアルコール系溶剤(B)以外の有機溶剤(C)の混合溶剤とが挙げられる。
【0029】
前記有機溶剤(C)としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKと略す)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。なかでもエステル系溶剤が好ましい。
【0030】
アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤として、アルコール系溶剤(B)と前記有機溶剤(C)とを併用する場合は、なかでも、重量比〔(B)/(C)〕が(99/1)〜(83/17)となる範囲で併用することが好ましく、なかでも(90/10)〜(85/15)となる範囲で併用ことが特に好ましい。
【0031】
本発明のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物の製造方法としては、例えば、▲1▼アルコール系溶剤(B)と、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と、更に必要により、前記脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)および前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物の混合物中に、前記ウレタンプレポリマー(a1)を加えて20〜60℃で0.5〜10時間鎖伸長反応させる方法、▲2▼前記▲1▼の方法においてアルコール系溶剤(B)と共に前記有機溶剤(C)を用いる方法、▲3▼前記ウレタンプレポリマー(a1)を前記有機溶剤(C)に溶解した後、アルコール系溶剤(B)と、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と、更に必要により、前記脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)および前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物を加えて20〜60℃で0.5〜10時間鎖伸長反応させる方法等が挙げられる。
【0032】
これらフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物の製造方法において、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)、前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)および前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の脂肪族モノアミン(a5)のアミノ基の合計と、前記ウレタンプレポリマー(a1)中のイソシアネート基との当量比〔(a2)+(a3)+(a4)+(a5)〕/(a1)は、(1.01/1)〜(1.5/1)であることが好ましく、なかでも(1.01/1)〜(1.2/1)であることが特に好ましい。イソシアネート基に対し、アミノ基を過剰に加えることにより、付着性が良好なフレキソ印刷インキが得られる。
【0033】
また、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤の使用量は、前記ウレタンプレポリマー(a1)、水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)、前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)、水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)、前記水酸基含有脂肪族モノアミン(a4)以外の水酸基含有脂肪族モノアミン(a5)等の原料樹脂成分の合計100重量部に対して、通常100〜400重量部、好ましくは150〜300重量部である。
【0034】
なお、これらフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物の製造方法のなかでも、環境保全に大きく貢献できる点では前記アルコール系溶剤(B)のみを用いる前記▲1▼の方法が好ましい。また、前記ウレタンプレポリマー(a1)として高粘度のウレタンプレポリマーを前記有機溶剤(C)に溶解させ低粘度化して用いることができる点ではアルコール系溶剤(B)と前記有機溶剤(C)を併用する▲2▼および▲3▼の方法が好ましい。
【0035】
本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)の数平均分子量は、付着性を良好に保ち、耐煮沸性、耐レトルト性の良好なフレキソ印刷インキが得られることから、10,000〜100,000であることが好ましく、なかでも20,000〜80,000であることが特に好ましい。数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定された値で示される分子量をいい、その数値はポリスチレン換算値である。
【0036】
また、本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)の水酸基価は、二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物との反応が十分で、耐煮沸性、耐レトルト性の良好なフレキソ印刷インキが得られることから、0.5〜20mgKOH/gであることが好ましく、なかでも2〜15mgKOH/gであることが特に好ましい。
【0037】
なお、本発明で用いる水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)が水酸基と共にアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂である場合、二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物との反応が十分で、耐煮沸性、耐レトルト性の良好なフレキソ印刷インキが得られることから、水酸基価が0.1〜18mgKOH/gで、アミン価が0.2〜5mgKOH/gであることが好ましく、なかでも水酸基価が1〜13mgKOH/gで、アミン価が0.3〜3mgKOH/gであることが特に好ましい。
【0038】
本発明のフレキソ印刷インキは、前記水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、前記アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダー用樹脂組成物として含有するものであればよく、例えば、前記ウレタン尿素樹脂(A)と前記有機溶剤と着色剤と、その他必要により充填剤、添加剤等とを分散混合することにより得られる。
【0039】
前記着色剤としては、例えば、有機系顔料、無機系顔料、染料等の通常のインキにおいて使用される各種のものが使用できる。
【0040】
有機系顔料としては、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
【0041】
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0042】
染料としては、例えば、タートラジンレーキ、ローダン6Gレーキ、ビクトリアピュアブルーレーキ、アルカリブルーGトーナー、ブリリアントグリーンレーキ等が挙げられ、その他、コールタール等が挙げられる。
【0043】
これら着色剤のなかでも、耐水性などの点から有機系顔料または無機系顔料を使用することが好ましい。
【0044】
また、充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;沈降性硫酸バリウム等の硫酸塩;シリカ、タルク等の珪酸塩等が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用して使用することができる。
【0045】
添加剤としては、ワックス、顔料分散剤、消泡剤、その他各種のものが使用できる。
【0046】
本発明のフレキソ印刷インキ中における各種原料成分の配合量としては、水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)(固形分として)5〜30重量%、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤15〜75重量%、着色剤20〜55重量%、充填剤0〜20重量%、添加剤0〜10重量%の範囲が好ましく、なかでも、前記ウレタン尿素樹脂(A)(固形分として)5〜20重量%、前記有機溶剤12〜70重量%、着色剤20〜50重量%、充填剤5〜15重量%、添加剤0.01〜3重量%の範囲であることが特に好ましい。また、前記ウレタン尿素樹脂(A)100重量部に対して20〜70重量部の範囲でニトロセルロースを併用することができる。
【0047】
また、本発明のフレキソ印刷インキに用いる基材としては、例えば、紙等の吸収性基材、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等の非吸収性基材でもある熱可塑性樹脂フィルム基材を使用できる。とくにコロナ放電処理を施した熱可塑性樹脂フィルム基材が付着性の点で好ましい。
【0048】
本発明のラミネ−トフィルムは、本発明のフレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、前記二液硬化型接着剤を硬化させてなるものである。このラミネ−トフィルムは、前記二液硬化型接着剤の硬化に際して、本発明のフレキソ印刷インキ中の水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)中の水酸基(水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂である場合は水酸基とアミノ基)が、前記二液硬化型接着剤中のポリイソシアネート化合物の有するイソシアネート基と反応するため、フレキソ印刷インキと二液硬化型接着剤とが強固に結合することとなり、その結果、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷を有したラミネ−トフィルムとなる。
【0049】
前記二液硬化型接着剤に用いるポリイソシアネート化合物としては、二官能性以上であればよいが、なかでも三官能性以上であることが好ましく、例えば、イソシアヌレ−ト構造のポリイソシアネ−ト、アダクト構造のポリイソシアネ−ト、ビュ−レット構造のポリイソシアネ−ト等が挙げられる。
【0050】
イソシアヌレ−ト構造のポリイソシアネ−トとしては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のバ−ノックDN980、DN981、DN−990、DN−992、DN−901、D−802、住友バイエル製のデスモジュ−ルN−3390、スミジュ−ルIL、日本ポリウレタン製のコロネ−トEH、2030等が挙げられる。
【0051】
アダクト構造のポリイソシアネ−トとしては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のバ−ノックDN−950、DN−921、D−750、住友バイエル製のスミジュ−ルHT、L−75、日本ポリウレタン製のコロネ−トHL、L2030等が挙げられる。
【0052】
ビュ−レット構造のポリイソシアネ−トとしては、例えば、住友バイエル製のスミジュ−ル3200、N−75、デュラネ−ト24A−90CX、22A−75−CX等が挙げられる。
【0053】
前記二液硬化型接着剤に用いるポリオール化合物としては、前記ウレタンプレポリマー(a1)の原料成分として前記した数平均分子量500以上のジオ−ルと同様のジオール、例えば、数平均分子量500以上のポリエーテルジオール、数平均分子量500以上のポリエステルジオール等から得られるポリオ−ル化合物が挙げられ、なかでも数平均分子量2,000〜20,000のものが好ましく、3,000〜15,000のものが特に好ましい。
【0054】
ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の使用割合は、イソシアネート基と水酸基の当量比(NCO/OH)が1.05〜2.0となる割合が好ましく、1.1〜1.6となる割合が特に好ましい。
【0055】
【実施例】
次に、本発明を実施例と比較例により、さらに具体的に説明する。以下において、部及び%は特に断りのない限り、すべて重量基準である。
【0056】
実施例1
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)161.2部と、ポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)69.1部とを仕込み、窒素ガスを流し撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート51.2部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(a1−1)を得た。
【0057】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(a1−1)に、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部およびイソプロピルアルコ−ル280部を仕込み、均一に溶解させ、40℃迄降温した後、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン12.8部およびジノルマルブチルアミン2.3部を加え2時間反応させて、水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−1)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−1)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価を第1表に示す。
【0058】
実施例2
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)230.3部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート51.2部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(a1−2)を得た。
【0059】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(a1−2)にプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコ−ル180部および酢酸エチル100部を仕込み、均一に溶解させ、40℃迄降温した後、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン12.8部およびジノルマルブチルアミン2.6部を加え2時間反応させて、水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−2)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−2)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価、アミン価を第1表に示す。
【0060】
実施例3
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)245.4部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート54.6部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させた後、75℃で酢酸エチル150部を加えて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマーの溶液(a2−3)(不揮発分濃度66.7%)を得た。
【0061】
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコール140部、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン14.4部およびジノルマルブチルアミン1.3部を加え、40℃迄昇温した。これに、線状ウレタンプレポリマーの溶液(a1−3)421.8部を加え、40℃で4時間反応させて、水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−3)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−3)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価、アミン価を第1表に示す。
【0062】
実施例4
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)230.3部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート51.2部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(a2−4)を得た。
【0063】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(a1−2)にプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコ−ル180部および酢酸エチル100部を仕込み、均一に溶解し、40℃迄降温した後、アミノエチルエタノ−ルアミン3.1部、イソホロンジアミン12.8部、1−アミノプロパンジオ−ル0.9およびジノルマルブチルアミン1.3部を加え2時間反応させて、水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂を含有するフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物(X−4)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(X−4)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、水酸基価、アミン価を第1表に示す。
【0064】
比較例1
撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸との縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2,000)228.6部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら70℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート50.9部を加え、イソシアネート基の残存率(NCO%)が3.4%に達する迄90℃で反応させて、両末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有する線状ウレタンプレポリマー(Ra1)を得た。
【0065】
続いて、この線状ウレタンプレポリマー(Ra1)にプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル420部、イソプロピルアルコ−ル180部および酢酸エチル100部を仕込み、均一に溶解し、40℃迄降温した後、イソホロンジアミン17.8部およびジノルマルブチルアミン2.6部を加え2時間反応させて、ウレタン尿素樹脂組成物(RX−1)を得た。得られたウレタン尿素樹脂組成物(RX−1)の外観、不揮発分濃度、粘度、ウレタン尿素樹脂の数平均分子量、アミン価を第1表に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
第1表の脚注
・不揮発分 :樹脂溶液1gを酢酸エチル5gで希釈し、乾燥器で107℃で2時間乾燥し、不揮発分を算出した。
・粘度 :25℃。B型粘度計により樹脂溶液の粘度を測定した。
・数平均分子量 :GPC(THF溶媒、40℃)でポリスチレン換算による分子量分布測定により数平均分子量を算出した。
・水酸基価 :ウレタン尿素樹脂40gに無水酢酸とピリジンを容量比(無水酢酸/ピリジン)が1/9で混合したアセチル化剤25ccを加え、100℃で1時間反応した後にn−ブタノ−ル10ccを加え、N/2水酸化カリウムのアルコ−ル溶液で滴定し、水酸基価を算出した。
・アミン価 :ウレタン尿素樹脂50gにトルエン70gとメタノ−ル30gを加え、pHが4.8になるまで0.1N塩酸水溶液を滴下し、アミン価を算出した。
【0068】
実施例5〜8および比較例2
第2表の(1)配合組成で示す組成で、顔料分散機(ペイントシェーカー)を用いて1時間分散処理した後、第2表の(2)粘度で示す量の溶剤を用いて、ザーンカップNO.3での粘度が18秒となるように粘度調整を行い、フレキソ印刷インキを作成した。
【0069】
2軸延伸ポリエステルフィルム〔東洋紡績(株)製エステルフィルムE5100〕に、実施例5〜8および比較例2で得られたフレキソ印刷インキを、株式会社東谷鉄工所製のベビ−印刷機を用いて印刷し、80℃で15秒間乾燥して印刷物を得た。
【0070】
続いて、大日本インキ化学工業(株)製バ−ノックD750(アダクト構造のポリイソシアネ−ト)と同社製デックドライLX703SP(ポリエステルポリオ−ル)とをイソシアネート基/OHの当量比が1.4/1となる割合で混合した二液硬化型接着剤を用い、(株)オリエント総業製ドライラミネイタ−DL−500により、前記印刷物の印刷面上に、東セロ(株)製ポリエチレンフィルム、T.U.X HC60を張り合わせて、ラミネートフィルムを得た後、下記の評価方法で耐煮沸性と耐レトルト性の評価を行った。結果を第3表に示す。
【0071】
<評価方法>
(1)耐煮沸性:得られたラミネートフィルム各々を95℃の熱水に1時間浸漬し評価した。フィルムを張り合わせた印刷物の外観に変化のないものを○、張り合わせたフィルム間で1部剥離したものを△、張り合わせたフィルム間で全面剥離したものを×とした。
(2)耐レトルト性:得られたラミネートフィルム各々を(株)千代田製作所製レトルト試験器YRF−50・80中で120℃で1時間加熱し評価した。フィルムを張り合わせた印刷物の外観に変化のないものを○、張り合わせたフィルム間で1部剥離したものを△、張り合わせたフィルム間で全面剥離したものを×とした。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
本発明のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物は、フレキソ印刷インキのバインダー用として好適であり、このウレタン尿素樹脂組成物をバインダー樹脂組成物として含有させてなるフレキソ印刷インキは、熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷し、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層した後、該二液硬化型接着剤を硬化させてラミネートフィルムとした場合に、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷となり、耐煮沸性、耐レトルト性など耐湿熱性に優れるフレキソ印刷を有するラミネートフィルムを提供することができる。
Claims (10)
- 水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)と、アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤とを含有することを特徴とするフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- 末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)とを必須成分としてアルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤中で反応させて得られるウレタン尿素樹脂有機溶剤溶液である請求項1記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- アルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)が、末端に脂肪族炭化水素の炭素に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a1)と水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)と前記水酸基含有脂肪族ジアミン(a2)以外の脂肪族ジアミン(a3)とを必須成分としてアルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤中で反応させて得られるウレタン尿素樹脂有機溶剤溶液である請求項1記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- アルコール系溶剤(B)を80重量%以上含有する有機溶剤が、アルコール系溶剤(B)と前記アルコール系溶剤(B)以外の有機溶剤(C)の混合溶剤である請求項2または3記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- アルコール系溶剤(B)が炭素原子数1〜7のモノアルコールであり、かつ、前記アルコール系溶剤(B)以外の有機溶剤(C)がエステル系溶剤および/またはケトン系溶剤である請求項4記載のグラビア印刷インキ用ウレタン尿素樹脂の製造方法。
- アルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)が、数平均分子量が8,000〜50,000で、水酸基価が0.5〜20mgKOH/gのウレタン尿素樹脂である請求項1、2または3記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- 水酸基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂(A)が水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂である請求項1〜5のいずれか1項記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- 水酸基とアミノ基を有するアルコール可溶性ウレタン尿素樹脂が、数平均分子量が8,000〜50,000で、水酸基価が0.1〜18mgKOH/gで、アミン価が0.2〜5mgKOH/gのウレタン尿素樹脂である請求項7項記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載のフレキソ印刷インキ用ウレタン尿素樹脂組成物をバインダー用樹脂組成物として含有してなることを特徴とするフレキソ印刷インキ。
- 請求項9記載のフレキソ印刷インキを熱可塑性樹脂フィルム基材にフレキソ印刷した後、この印刷面上にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を含有する二液硬化型接着剤を介して他の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、該二液硬化型接着剤を硬化させてなることを特徴とするラミネートフィルム。
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