JP2004175388A - キャップ、閉止装置、および容器詰め飲料 - Google Patents

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Hiroaki Tsutsumi
博明 堤
Masayoshi Shigeta
政義 茂田
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Abstract

【課題】内容液充填時において十分な密封性を得ることができ、かつ開栓した後に再度閉栓した際に容器内圧が過度に上昇するのを防ぐことができるキャップを提供する。
【解決手段】天板部2とその周縁から垂下した筒部3とを備えたキャップ本体4と、キャップ本体4内に設けられたライナー5とを備え、筒部3に、周方向に沿う排気孔12が形成され、この排気孔12の長さが、5〜50mmとされている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部を閉止するキャップ、このキャップを用いた閉止装置、および容器詰め飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の閉止装置の一例を示すもので、ここに示す閉止装置は、容器21と、容器21の口部21aに装着されるキャップ31とから構成されている。キャップ31は、円形の天板部2とその周縁から垂下した筒部3とからなるキャップ本体4と、天板部2内面に設けられたライナー5とを備えている。
筒部3は、水平スコア6によって、主部8と、ブリッジ7によって主部8の下端に連結されたTEリング部9とに区画されている。
筒部3には、容器口部21aに形成された雄ネジ22に沿う形状のネジ部10が形成されている。筒部3の上部には、長さ3mm程度の排気孔32が複数形成されている。この種のキャップとしては、特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−328158号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
キャップをいったん開栓した後に再度閉栓(以下、再栓という)した際には、内容液の発酵などにより容器内圧が高くなることがある。この場合には、キャップが容器から外れやすくなる問題があった。
このため、再栓後に容器内圧が高くなった際に、容器内のガスを外部に排出し、容器内圧を低くすることができる技術が要望されていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、未開栓時において十分な密封性を得ることができ、かつ開栓後に再度閉栓した際に容器内圧が過度に上昇するのを防ぐことができるキャップ、閉止装置、および容器詰め飲料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャップは、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、この筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされていることを特徴とする。
キャップ本体は、金属からなる構成とすることができる。
本発明の閉止装置は、容器と、その口部に装着されるキャップとを備え、キャップが、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、この筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされていることを特徴とする。
本発明の容器詰め飲料は、容器と、その口部に装着されるキャップとを備えた閉止装置内に飲料が充填された容器詰め飲料であって、キャップが、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、この筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の閉止装置の一実施形態を示すもので、ここに示す閉止装置は、容器21と、容器口部21aに装着されるキャップ1とから構成されている。
容器21は、アルミニウム、アルミニウム合金、スチールなどの金属からなるものであり、容器口部21aの開口端部21bは外方に湾曲した形状となっている。なお、容器21としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂や、ガラスからなるものを使用することもできる。
【0007】
キャップ1は、円形の天板部2とその周縁から垂下した筒部3とからなるキャップ本体4と、天板部2内面に設けられたライナー5とを備えている。
筒部3は、水平スコア6(弱化ライン)によって、水平スコア6より上部の主部8と、ブリッジ7によって主部8の下端に連結されたタンパーエビデンスリング部9(TEリング部9)とに区画されている。
筒部3には、キャップ1を容器口部21aに装着する際にネジ部10が形成される。ネジ部10は、容器口部21aの雄ネジ22に沿う形状となるように形成される。
TEリング部9の下部は、容器口部21aの膨出段部23に沿って内方に湾曲した裾部11とされ、開栓時に膨出段部23に係止するようになっている。
キャップ本体4は、アルミニウム、アルミニウム合金、スチールなどの金属からなるものである。
【0008】
筒部3の上部には、周方向に間隔をおいて複数の排気孔12が形成されている。排気孔12は、ネジ部10より上方に形成するのが好ましい。
排気孔12は、周方向に沿って形成され、その長さA(周方向の長さ)は、5〜50mm(好ましくは10〜30mm)とされている。
排気孔12の長さAが上記範囲未満であると、再栓後に容器内圧が高くなったときに、容器内圧を低減する効果が不十分となる。この長さAが上記範囲を越えると、未開栓時に密封性が低下する。
複数の排気孔12を形成する場合には、これら排気孔12のうち少なくとも1つにおいて、長さAが上記範囲であればよい。
排気孔12の長さAは、容器21内圧が70〜150psi(0.48〜1.03MPa)(ゲージ圧。以下同様)となったときに容器内のガスが外部に排出されるように設定することができる。
【0009】
ライナー5には、ポリプロピレンとゴムをブレンドしたもの、ポリエチレン、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)などの比較的軟質の合成樹脂材料が使用できる。
【0010】
次に、キャップ1の使用方法について説明する。
内容液を容器21に充填するには、通常80℃以上の高温条件下で充填を行う熱充填や、予め殺菌処理した容器およびキャップを用いて常温下で行う常温無菌充填を採用することができる。
また、容器21内への液体窒素供給などにより窒素を容器21に封入することによって、容器内圧を高めることもできる。容器内圧は、常温時の圧力が常圧を越える値(例えば0.1〜0.3MPa)となるように設定することができる。
【0011】
図2に示すように、未開栓時には、ライナー5が、容器口部21aの開口端部21bに当接した状態となり、密封が維持される。
【0012】
容器口部21aに装着したキャップ1を開栓方向に回すと、キャップ1が上昇し、ライナー5が開口端部21bから離れ、容器21の密封が解除される。
キャップ開栓の過程では、TEリング部9の裾部11が膨出段部23に係止することから、主部8は回転に従って上昇する一方、TEリング部9は上方への移動が阻止され、その結果、主部8とTEリング部9とを連結しているブリッジ7に引張力が作用し、これらブリッジ7が破断し、主部8がTEリング部9から切り離される。
【0013】
キャップ1をいったん開栓した後に再栓した際には、内容液の発酵などにより容器21内圧が非常に高くなる(例えば0.4MPa以上となる)ことがある。
図3に示すように、容器21内の圧力が高まると、天板部2およびライナー5に対し上方への力が加えられる。
キャップ1では、排気孔12が従来品に比べて長く形成されているので、排気孔12が形成された部分の筒部3が変形しやすい。
このため、排気孔12の間隔が大きくなるように筒部3が変形し、天板部2およびライナー5が上昇し、ライナー5が開口端部21bから離れ、ライナー5と開口部21bの隙間を通して、容器21内のガスが外部に排出される。
従って、キャップ1では、未開栓時において十分な密封性を得ることができ、かつ再栓後に容器21内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。
【0014】
上記閉止装置では、果汁飲料、茶飲料、炭酸飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料等の飲料を容器21に充填し、口部21aにキャップ1を装着することによって、飲料が充填された容器詰め飲料を得ることができる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
図1に示すキャップ1を作製した。このキャップ1では、複数の排気孔12のうち1つの長さを12mmとし、他の排気孔12の長さを3mmとした。
2.2周回分に相当する雄ネジ22が形成されたアルミニウム製の容器21に、熱充填により水を充填し、キャップ1を容器口部21aに装着した。
キャップ1を開栓し、水に代えて炭酸水を容器21に充填し、手でキャップ1を再び容器口部21aに装着した。容器21内圧は0.65MPaとなった。
この閉止装置を1日間保存し、容器内のガスが外部に漏れなかったことを確認した。
PAT(プロパーアプリケーションテスター、アルコア社製)を用いて容器21に窒素ガスを送入して容器21の内圧を高める瞬間耐圧試験を実施したところ、容器21内のガスが外部に放出された時点の容器内圧(リーク圧)は、130psi(0.90MPa)であった。
【0016】
(実施例2)
長さが12mmである排気孔12の数を2つとしたこと以外は実施例1と同様にしてキャップ1を作製した。
このキャップ1を、実施例1と同様にして容器21に再栓した。この閉止装置を1日間保存し、ガス漏れが発生しなかったことを確認した後、瞬間耐圧試験を実施した。その結果、リーク圧は130psi(0.90MPa)であった。
【0017】
(比較例)
図4に示す従来のキャップ31を作製した。排気孔32の長さはすべて3mmとした。このキャップ31を実施例1と同様にして容器21に再栓した。実施例1と同様の瞬間耐圧試験を実施したところ、キャップ31は、容器内圧が160psi(1.10MPa)で容器から外れた。
【0018】
上記試験結果より、長さが12mmである排気孔12を形成した実施例1、2では、再栓後において容器21内圧の上昇を防ぐことができたことがわかる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のキャップは、筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされているので、再栓後、容器内圧が高くなったときに、排気孔の間隔が大きくなるように筒部が変形する。
このため、天板部が上昇し、キャップと容器との間に隙間が生じ、この隙間を通して、容器内のガスが外部に排出される。
従って、このキャップでは、未開栓時において十分な密封性を得ることができ、かつ再栓後に容器内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップの一実施形態を示す一部断面図である。
【図2】図1に示すキャップの動作を示す図である。
【図3】図1に示すキャップの動作を示す図である。
【図4】従来のキャップの一例を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・キャップ、2・・・天板部、3・・・筒部、4・・・キャップ本体、12・・・排気孔、21・・・容器、21a・・・容器口部

Claims (4)

  1. 天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、この筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされていることを特徴とするキャップ。
  2. キャップ本体が、金属からなることを特徴とする請求項1記載のキャップ。
  3. 容器と、その口部に装着されるキャップとを備えた閉止装置であって、
    キャップが、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、この筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされていることを特徴とする閉止装置。
  4. 容器と、その口部に装着されるキャップとを備えた閉止装置内に飲料が充填された容器詰め飲料であって、
    キャップが、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、この筒部に、周方向に沿う排気孔が形成され、この排気孔の長さが5〜50mmとされていることを特徴とする容器詰め飲料。
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