JP2004175291A - 着座センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート2の着座面3aに作用する荷重を検出するセンサ12を有したフィルム状のセンサシート1において、センサシート1に一体でセンサ12の所定間隔離れた周囲にヒータ13を設け、センサ12とヒータ13とを一体化した。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート上に着座する着座者やシート上に置かれる物体等の検出を行う着座センサに関するものであり、特に、ヒータ機能を有する着座センサに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両においてシートベルト装置やエアバッグ装置と言った安全装置の作動を許可/禁止したり、着座者の有無や大きさによって安全装置の作動に制限を加えたりする場合には、シート上の着座面にセンサを配設し、着座面に着座者が着座しているか否かの検出を行う方法が取られる。この様な場合、通常ではシートの着座面における表皮の裏側に、複数のセンサセルを有するセンサマットを配設して、着座者の検出を行っている。
【0003】
また、車両においては、気温が低い時期にシートに着座する着座者の臀部や大腿部を暖めて冬場での乗り心地を向上させるために、シートの着座面にヒータ機能を備えたシートが使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−12074号公報(第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公報に示す様に、センサとヒータとをシートのシートクッションにおける着座面に配設する場合、シートクッション上にセンサマットを配設して、センサマットの上に形状安定部材(例えば、スラブウレタン等)を置き、その上にヒータを配設して、表面を表皮で覆う構造が取られる。例えば、シートのシートクッションの内部において着座面全体にセンサとヒータとを配設する場合には、ヒータの熱によりセンサの性能に影響しない様、または、センサが劣化しない様に、センサとヒータとの間の形状安定部材の厚さを調整する必要がある。
【0006】
この従来技術の様に、センサとヒータとの間に形状安定部材を介在させ、センサとヒータとを重合させる構成では、ヒータからの熱を遮断または緩和する為の形状安定部材が必要となるが故に、シート組付け時には部品点数が増加してしまい、組付け工数が多くなってしまう。
【0007】
また、従来の構成では、センサの上方にヒータを設けた場合、センサの上方に配設されるヒータによって、必然的にセンサ感度が鈍化するので、センサ感度を敏感にしなくてはならない。
【0008】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、部品点数が少なく組付けがし易いヒータ機能を有する着座センサとすること、ヒータによるセンサ感度が劣化しない構成とすることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、シートの着座面に作用する荷重を検出するセンサ手段を有するフィルム部材を配設し、前記センサ手段によって前記着座面に作用する荷重を検出する着座センサにおいて、前記フィルム部材に一体でヒータ手段を備えたことである。
【0010】
上記した手段によれば、フィルム部材に一体でヒータ手段を備えたことにより、1枚のフィルム部材で着座面に作用する荷重を検出すると共に、ヒータ手段を設けることにより、着座面にヒータ機能を持たせることが可能である。これは、従来の如く、センサとヒータとの間に介在させる部材は必要なくなるので、部品点数が低減され、シートの組付け性が良くなる。
【0011】
この場合、フィルム部材には、枝状または格子状に設けられたセンサ手段を有すれば、センサ手段を着座面の必要な部位(例えば、着座面で荷重が作用する部位)に対して枝状または格子状に設け、確実に着座面に作用する荷重を検出することが可能となる。また、センサ手段の周囲に所定間隔離れた位置にヒータ手段を配設することにより、熱を発するヒータ手段とシート上に作用する荷重を検出するセンサ手段との距離が離れるので、ヒータ手段の熱によるセンサ手段に与える影響がなくなる。よって、ヒータ手段からの熱により、センサ手段のセンサ感度の劣化が防止される。また、センサ手段とヒータ手段は重合しないので、ヒータ手段の配設によるセンサ感度の劣化が防止される。
【0012】
また、フィルム部材は外枠を有し、ヒータ手段は可撓部を介して外枠につながる構成とすれば、フィルム部材の外枠に対してヒータ手段が可撓部を介してつながるので、ヒータ手段の可撓部へのつながりにより、可撓部の撓みによって、シートの変形に対応が可能となり、フィルム部材のシートへの組付け時に組付け性が良くなる。この場合、ヒータ手段は可撓部によって両持ちでつながれば、フィルム部材の外枠に対して、ヒータ手段を両持ちの可撓部により確実に支持することが可能となり、シートへの組付け性がより向上する。
【0013】
更に、着座者が前記着座面に着座する場合、センサ手段は着座者が着座する臀部に配設され、ヒータ手段はセンサ手段から所定間隔離れた周囲および大腿部に複数配設されると、通常の正規着座において着座者の体重が主として作用する臀部にセンサ手段を配設することにより、確実に着座者の着座またはシート上に作用する荷重をセンサ手段により検出することが可能となる。また、ヒータ手段はセンサ手段から所定間隔離れた周囲および大腿部に複数配設することにより、センサ手段から所定間隔だけ離し、ヒータ手段の熱によるセンサ手段への影響を防止することが可能となると共に、着座者にとって暖房が必要な部位のみヒータ手段を複数配設することで、着座面の全面にヒータを配設するよりも消費電力を抑え、低コスト化、軽重量化に対応させることが可能となる。
【0014】
更にその上、センサ手段は所定の空隙が保持された状態でフィルム上に設けられた導電部材が対向し、導電部材の横に発熱体が前記フォルム上に設けられると、センサ手段は、フィルム上に設けられた導電部材が所定の空隙を保ち保持された状態で対向し、シート上に荷重が作用すると、対向する導電部材が接触することによりシート上の荷重検出が行える構成で、導電部材の横に発熱体がフォルム上に設けられることによって、センサ手段とヒータ手段とが一体となったフィルムとなる。この場合、センサ手段とヒータ手段とが一体となったフィルムを用いて、センサ手段による着座者の有無を検出し、ヒータ手段を作動させることも可能となる。
【0015】
フィルム部材に、ポリエチレンナフタレートを用いれば、ヒータ手段の発熱に影響を受けない耐熱性に強い着座センサとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、センサ12を、外枠11を有するシート状のフレキシブルなフィルム部材に設け、そこに一体化してヒータ機能を設けたセンサシート1を着座センサと総称して、以下に説明する。
【0017】
図1は、センサシート1を車両用のシート2に用いて、シート上に着座者が着座した状態を示している。図1に示すシート2は、支持部材8、シートクッション3、シートバック4およびヘッドレスト5から構成されており、シート2は床面9に対して支持部材8により支持されていると共に、支持部材8の上方にはシートクッション3が支持されている。シートクッション3には着座者が正規着座(図1に示す如く、シートバック4に背を向けて前方を向いて着座)した際に、着座者の荷重を受ける着座面3aが上方に形成される。シートクッション3の後方には、着座者の背面の荷重を受ける背もたれ面4aを有したシートバック4が所定角度にて固定されている、若しくは、シートクション3に対して回動自在に支持されている。また、シートバック4の上方には、着座者の頭部が後方に倒れることを防止したヘッドレスト5が支持されている。
【0018】
この様なシート2には、表面に布または革部材より成る表皮7が被せられ、シートクッション3の下面には、着座者の有無、着座面3aに置かれた物体等の有無、或いは、シート上に作用するそれらの荷重を検出する複数の樹脂フィルムによるフレキシブルなフィルム状(例えば、FPC:フレキシブルなプリント基板)のセンサシート1が配設される。このセンサシート1は、表皮7とシートクッションの形状を作るポリウレタン材から成るクッション体6との間に配設されている(図2を参照)。センサシート1は、図2に示す様に、一方の側の中央からハーネス24が延びており、ハーネス24の端部にはコネクタ25が一体で設けられている。センサシート1は、クッション体6に対して位置ずれしない様、粘着部材(例えば、両面テープ、接着剤等)によりクッション体6の上面の所定位置に固定されている。
【0019】
そこで、センサシート1の構成について、図3を参照して説明する。センサシート1は着座面3aの下方にて着座者の臀部および大腿部の位置に配設されるものであり、図3において、センサシート1の略下半分が着座者の臀部がくる位置、略上半分が着座者の大腿部に配設されて、クッション体6の外形形状に沿ってフィットした状態で配設される。図3に示すセンサシート1では、着座面3aにおいて着座者が正規着座した場合に着座者の荷重(ここでは、体重)が最もかかる部位(例えば、臀部の骨盤の位置またはその近傍位置)に、6個のセンサ12が配設される。このセンサ12は、着座者の着座の有無やシート上(ここでは、シートクッション上)に置かれた物体の有無を検出したり、或いは、シート上に作用する荷重を抵抗値の変化により検出するセンサを使用することができる。センサ12はセンサシート1の幅方向(図3の左右方向)における中心線20を対称として、左右対称位置に3個のセンサ12a,12b,12cが長手方向(図3の上下方向)に連続してつながっている。センサ12は電気的に合計6個が並列接続された状態で設けられ、配線集合部1aから見ると、複数のセンサ12は枝状または格子状に接続されている。センサ12により検出される信号線はフィルム上にパターン化されたセンサ用の回路パターンを通って、図3に示す下方の中央に形成される配線集合部1aへと導かれており、センサ12からの信号線23a,23bは、中央の2本の線により取り出される構成となっている。
【0020】
また、センサ12が設けられるセンサシート1には、センサ12の所定間隔離れた部位に、着座面3aの暖房を行うヒータと成る発熱体13がフォルム上に設けられている。発熱体13は、図3では6個設けられており、6個の発熱体13(13a〜13f)は電気的に並列接続され、発熱体13に対してヒータの起動を行う2本の信号線23c,23dは、配線集合部1aにおいてセンサ12からの信号線23a,23bの両側にそれぞれ導かれている。つまり、配設集合部1aにおいて、4つの信号線23(23a〜23d)がフィルム上に形成されるパターン回路によって集められている。4つの信号線23のそれぞれの先端には端子21がそれぞれかしめにより圧着されている。それぞれの端子21からは外部に信号線23を取り出す様、一端にコネクタ25を備えたハーネス24が電気的に接続されており、端子21とハーネス24との接続部21には、内部にシリコンジェルを備えた防水コネクタ22が嵌着され、接続部21に水滴等が浸入しない様、接続部21でのシール性が確保されている。このコネクタ25に図示しない外部コネクタが嵌着して、センサ3による検出信号が検出できると共に、発熱体13に対して作動信号を与え、発熱体13の自己発熱を利用して発熱体13が配設される所定部位での着座面3aの暖房を行うことができる。
【0021】
図3に示すセンサシート1の上方部には、中央が略U字状に湾曲し、端部が斜め下方に延在した発熱体13a,13b,13cがフィルム上に一体で形成されている。発熱体13a,13b,13cは、着座者の大腿部を暖めるものであり、着座面3aの前後方向(図3では上下方向に一致)に対して等間隔で着座面3aの前方から後方に向かって配設される。この中で発熱体13aはセンサシート1の外枠11の一部に被さって形成されており、発熱体13b、13cは外枠11の左右両側に支持されている。また、発熱体13a,13b,13cはそれぞれ中心線20と外枠11の間には略U字状を成す可撓部14a、14b14cが形成されている。
【0022】
可撓部14aは発熱体13a,13bの間に形成され、可撓部14bは発熱体13b,13cの間に形成される。可撓部14cは発熱体13cとセンサシート内で外枠11の左右の側面を途中で連結する連結部16との間に形成されており、可撓部14a,14b,14cは中心線20に対して左右対称で形成される。これによって、発熱体13a,13b,13cはそれぞれ2つの可撓部14によって両持ちで外枠11に対して支持される。この可撓部14によって、クッション体6の外形形状に沿って、センサシート1は撓みフィットする。
【0023】
また、連結部16の臀部の位置となる後方(図3の下方)には、センサ12が配設される中央位置で略U字状に湾曲し、両端部がその逆方向にそれぞれ円弧状となった形状の発熱体13dが形成されている。この発熱体13dは外枠11の後方に支持され、センサ12a,12bから所定間隔離れた位置の周囲に形成されて、着座者の臀部中央を暖める機能を有する。また、発熱体13dの左右両側には一端が外枠11の側面に支持され、他端が外枠11の後方に支持された発熱体13eが形成されていると共に、発熱体13eの内側において両端が外枠11の後方に支持された発熱体13fが形成されている。この発熱体13e,13fは着座者の臀部の横面を暖める機能を有し、上記した6個の発熱体13は外枠11の左右両端に電圧を印加することによって発熱して、着座面3aの所定部位をヒータ機能により暖めて暖房を行うことができる。
【0024】
次に、センサ12と発熱体13の構造について、図4を参照して説明する。センサシート1は3層のフィルム部材(外側の層10a、10bにPEN:ポリエチレンナフタレート、中間層10cにPET:ポリエチレンテレフタレート)から構成され、中間層10cの粘着部材(例えば、両面テープ)10dにより互いに貼り合わされて、一体化されている。図4は図3に示すA―A断面を示したものであり、この図から明らかな様に、センサ12が配設される部位およびその周囲には中間層10cが存在しない空隙18となっており、上下に導電性を有するセンサ電極(導電部材)12a,12bが形成される。センサ電極12a,12bは図4に示す上下方向における荷重を受けると互いに接触した状態となり、両センサ電極間で短絡が発生する。
【0025】
外側の層10a、10bのそれぞれ内面には、銀でセンサ電極12(図4では12aa,12ab)が形成されており、銀の表面には銀の酸化・硫化を防止するためカーボンによる保護膜17が設けられる。一方、下側の層10b内面にはセンサ電極12と所定間隔離れた部位に発熱体13(図4では13d)が形成されている。発熱体13は銅から成る外枠11と一緒に形成する配線パターン11aのヒータ機能が必要な部位の上にカーボンをベースとした発熱部材(例えば、図3に示す斜線部位に低温時には電気抵抗が低くなり、高温時には電気抵抗が高くなるポジティブ サーマル コントロール機能を有する部材)が設けられ、配線パターン11aは外枠と一緒に形成され、両端に所定電圧を印加することによって、発熱部材は発熱する様になっている。図3に示すセンサシート1の形状は、着座面3aにおいて溝部(例えば、臀部と大腿部との境に形成された溝部)がないクッション体6に使用することができる。
【0026】
一方、着座面3aに溝部が存在するクッション体6には、図6に示す顔形状の外枠11を有するセンサシート1を用いると良い。つまり、着座面3aにクッション体6の溝部が存在すると、その溝部によりセンサシート1はクッション体6に対して、センサシート1が宙に浮いた状態となってしまう。このため、その浮いた部位では、正確なシート上に作用する荷重をセンサ12によって検出することができなくなってしまうことから、この様な部位では軽量化および低コストの面からできるだけ少なくしたい。そこで、クッション体6の溝部に上にセンサシート1を配設する場合には、クッション体6の溝部が存在する部位26を避けて、センサ12および発熱体13を設ける方法をここでは採用している。つまり、センサシート1は外枠11に対して、大腿部の位置には発熱体13g,13hが着座面3aの前後方向に所定間隔離された状態で配設され、外枠11に支持される。そして、溝部の部位26を避けて、臀部が位置する部位に図3と同じ形態で6個のセンサ12と1個の発熱体13dを配設し、その両側の側面に臀部に沿って着座時には臀部を暖める略U字状となった発熱体13i,13jが形成される。発熱体13i,13jは一方が外枠11の側面に支持され、他方がセンサ12を挟んで反対側の外枠に支持される。つまり、図6に示す構成では、6個のセンサ12と5個の発熱体13を一体でセンサシート1に形成している。
【0027】
この様な並列接続をそれぞれ成すセンサ12と発熱体13を有したセンサシート1は、コネクタ25を介して、図5に示す様に、外部のコントローラ30と接続される。コントローラ30はスイッチ(例えば、車両ではイグニッションスイッチ)32を介して所定電圧の電源(12Vまたは5V)が供給される様になっており、スイッチ32の閉操作によりコントローラ30に電源が供給される。これによって、コントローラ30はセンサ12からのセンサ信号に基づいて、発熱体13を作動させたり、安全装置31を作動させることが可能である。ここで、センサ12にはシート上に作用する荷重によりオン/オフするセンサ(スイッチでも可)を使用すれば、シートベルトウォーミング装置と言った安全装置31に、センサシート1を応用することができる。ここで、センサは単なるスイッチではなく、図4の空隙18となっている部位に可変抵抗体を配設して、シート上に作用する荷重を抵抗の変化等により検出するセンサを用いれば、シート上にかかる荷重の大小により、エアバッグ装置、シートベルトプリテンショナ装置等に代表される安全装置31を作動させることができる。この場合には、荷重の大きさによって安全装置31の作動量を可変にすることで、乗員の安全を確保することができる。
【0028】
次に、センサシート1の製造方法について、図4および図7を参照して説明する。センサシート1は3層のフィルム部材10より成り立っている。図4に示す下の層10bはPENフィルムを用いて作られる。このPENフィルム上の全面に銅箔を接着して設ける。そして、全面に設けられた銅箔の必要部位をマスキングし、エッチング処理を施すことにより、センサシート1の外枠11と共に外枠11の内側に電流が流れる回路パターンを形成する。その後、フィルム上にカーボンをベースとした発熱体をスクリーン印刷により設け、発熱体(図3および図6に示す斜線部)を形成し、発熱体13の部位をフィルム上に作る。
【0029】
その後、フィルム上にセンサ12およびセンサ同士をつなぐセンサ回路を導電性の良い銀でスクリーン印刷を用いることにより設ける。その後、フィルム上に設けられたセンサ電極部での銀の酸化・硫化を防止するために、銀を一方向から覆うようにカーボンを同じくスクリーン印刷により設ける。この様にして、1枚のフィルム上にセンサ12と発熱体13とが同一平面で形成されたシートが作られる。
【0030】
同様にして、PENフィルムを用意して外側の他方のシートが作られる。この場合においては、発熱体13が形成される上記した工程は省略され、6個のセンサ電極の一方が銀のスクリーン印刷によってフィルム上に設けられ、その後、銀電極の酸化・硫化を防止する為に、一方向から銀を覆う様に保護膜となるカーボンがスクリーン印刷により設けられる。
【0031】
更に、中間層10cに関しては、PETフィルムを用意して作られる。中間層10cでは、フィルムの両面に粘着材が付けられ上下のセンサ電極を所定間隔離すためにスペーサが形成される。その後、センサ12が配設される部位にセンサ孔およびその周囲にエアを抜くエア抜き部の形成がプレス加工により作られ、中間層10cが作られる。
【0032】
この様にして作られた3枚のシート状のフィルムを中間層10cに貼られた粘着材により所定位置で位置決めを行い互いに貼り合わされる。その後、図3または図6に示す形状となる様、プレス加工による形状抜きが行われる。プレス加工による型抜きが行われたセンサシート1はクッション体6の所定位置にセンサシート1を固定するため、裏側に両面テープが貼り付けられる。その後、センサート1は信号線が集められた配線集合部1aの先端に、それぞれ端子が圧着される。端子には端部にコネクタ25を備えたハーネス24が電気的に接続された後、防水コネクタ22を接続部21に嵌着してコネクタ25を備えたセンサシート1ができる。
【0033】
この様に作られたセンサシート1は、シートクッション3の形状を決定するクッション体6の中の所定位置に位置決めされ、その上に表皮7を設けることによりシート組付けを行うことができる。
【0034】
尚、本実施形態においては、着座面3aに対して複数のセンサ12により着座者を検出し、複数の発熱体13によりヒータ機能を有する構成としたが、センサ12および発熱体13の設けられる個数や、その設けられる位置、センサ12および発熱体13を構成する材質は、これに限定されないものとする。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム部材に一体でヒータ手段を備えたことにより、1枚のフィルム部材で着座面に作用する荷重を検出することができると共に、ヒータ手段を設けることにより、着座面にヒータ機能を持たせることができる。これは、従来の如く、センサとヒータとの間に介在させる部材は必要なくなるので、シート組付け時の部品点数が低減でき、組付け性を良くすることができる。
【0036】
この場合、フィルム部材には、枝状または格子状に設けられたセンサ手段を有すれば、確実に着座面に作用する荷重を検出することができる。また、センサ手段の周囲に所定間隔離れた位置にヒータ手段を配設することにより、熱を発するヒータ手段とシート上に作用する荷重を検出するセンサ手段との距離が離れるので、ヒータ手段の熱によるセンサ手段に与える影響を防止することができ、ヒータ手段からの熱の影響による、センサ手段のセンサ感度の劣化を防止することができる。更に、センサ手段とヒータ手段は重合しない構成となるので、ヒータ手段の上方への配設によるセンサ感度の劣化を防止することができる。
【0037】
また、フィルム部材は外枠を有し、ヒータ手段は可撓部を介して外枠につながる構成とすれば、フィルム部材の外枠に対してヒータ手段が可撓部を介してつながるので、ヒータ手段の可撓部へのつながりにより、可撓部の撓みによって、シートの変形に対応することができ、フィルム部材のシートへの組付け性が良くなる。
【0038】
更に、着座者が前記着座面に着座する場合、センサ手段は着座者が着座する臀部に配設され、ヒータ手段はセンサ手段から所定間隔離れた周囲および大腿部に複数配設されると、確実に着座者の着座またはシート上に作用する荷重をセンサ手段により検出することができる。また、ヒータ手段はセンサ手段から所定間隔離れた周囲および大腿部に複数配設することにより、センサ手段から所定間隔だけ離し、ヒータ手段の熱によるセンサ手段への影響を防止することができると共に、着座者にとって暖房が必要な部位のみヒータ手段を複数配設することで、着座面の全面にヒータを配設するよりも消費電力を抑え、低コスト化、軽重量化に対応させることができる。
【0039】
更にその上、センサ手段は所定の空隙が保持された状態でフィルム上に設けられた導電部材が対向し、導電部材の横に発熱体が前記フォルム上に設けられると、センサ手段は、フィルム上に設けられた導電部材が所定の空隙を保ち保持された状態で対向し、シート上に荷重が作用すると、対向する導電部材が接触することによりシート上の荷重検出が行え、導電部材の横に発熱体がフォルム上に設けられることによって、センサ手段とヒータ手段とが一体となったフィルムとすることができる。
【0040】
フィルム材にポリエチレンナフタレートを用いれば、ヒータ手段の発熱に影響を受けない耐熱性に強い着座センサとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における着座センサをシートに適用し、シート上に着座者が着座した場合の状態説明図である。
【図2】図1に示すシートクッションにおいてクッション体と表皮との間に配設される着座センサの配置関係を示した斜視図である。
【図3】図1に示す着座センサの形状を示す平面図である。
【図4】図3に示すA−A断面図である。
【図5】図3に示す着座センサにおけるセンサとヒータとの電気接続図である。
【図6】図3の変形例である。
【図7】図1に示すセンサシートの製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 センサシート(着座センサ)
2 シート
3 シートクッション
3a 着座面
4 シートバック
10 フィルム部材
11 外枠
12 センサ(センサ手段)
12aa,12ab センサ電極(導電部材)
13(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j) ヒータとなる発熱体(ヒータ手段)
14(14a,14b,14c) 可撓部
17 空隙
Claims (6)
- シートの着座面に作用する荷重を検出するセンサ手段を有するフィルム部材を配設し、前記センサ手段によって前記着座面に作用する荷重を検出する着座センサにおいて、
前記フィルム部材に一体でヒータ手段を備えたことを特徴とする着座センサ。 - 前記フィルム部材には、枝状または格子状に設けられたセンサ手段を有し、前記センサ手段の周囲の所定間隔離れた位置にヒータ手段を配設したことを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
- 前記フィルム部材は外枠を有し、ヒータ手段は可撓部を介して外枠につながることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着座センサ。
- 着座者が前記着座面に着座する場合、前記センサ手段は着座者が着座する臀部に配設され、前記ヒータ手段は前記センサ手段の所定間隔離れた周囲および大腿部に複数配設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着座センサ。
- 前記センサ手段は所定の空隙が保持された状態で前記フィルム上に設けられた導電部材が対向し、該導電部材の横に発熱体が前記フォルム上に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着座センサ。
- 前記フィルム部材は、ポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
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