JP2004174455A - ジョークラッシャ - Google Patents
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Abstract
【課題】吊り上げ、吊り下ろし作業を良好にできるジョークラッシャを提供すること。
【解決手段】ジョークラッシャ30に原材料が供給される側で、上方が開放されている原材料飛散防止部83内にジョークラッシャ用の吊フック321を設けたので、吊フック321に掛けるワイヤ100と飛散防止部83との干渉がなく、飛散防止部83付のジョークラッシャ30でも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャ30では、飛散防止部83の取り外し、取り付けを不要にできる。さらに、飛散防止部83の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャ30でも、飛散防止部83を取り外すことなくジョークラッシャ30を吊り上げることができるので、飛散防止部83の取り付け、取り外しを、高所に設置されたジョークラッシャ30上部ではなく、地上やトレーラ上の低所で行うことができ、作業を容易に実施できる。
【選択図】 図9
【解決手段】ジョークラッシャ30に原材料が供給される側で、上方が開放されている原材料飛散防止部83内にジョークラッシャ用の吊フック321を設けたので、吊フック321に掛けるワイヤ100と飛散防止部83との干渉がなく、飛散防止部83付のジョークラッシャ30でも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャ30では、飛散防止部83の取り外し、取り付けを不要にできる。さらに、飛散防止部83の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャ30でも、飛散防止部83を取り外すことなくジョークラッシャ30を吊り上げることができるので、飛散防止部83の取り付け、取り外しを、高所に設置されたジョークラッシャ30上部ではなく、地上やトレーラ上の低所で行うことができ、作業を容易に実施できる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョークラッシャに係り、特に、自走式破砕機等に搭載されて岩石等を破砕するジョークラッシャに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、下部走行体を備えた本体部に、ジョークラッシャが搭載された自走式破砕機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のジョークラッシャは、鉱山や砕石場において、大きな岩石や自然石を破砕するために用いられるもので、上下に開口した枠状のフレームや、このフレーム内に設けられた固定ジョーおよびスイングジョー、このスイングジョーが軸支される偏心したメインシャフト、およびプーリ等を備えている。また、ジョークラッシャ上部の開口まわりには、グリズリフィーダやホッパで構成される供給部からの原材料がこぼれ落ちないように平面コ字型のガード部材が取り付けられることが多い。
【0003】
一方、大型の自走式破砕機等においては、下部走行体が設けられた本体部上にジョークラッシャを搭載したままでは、トレーラ等による輸送制限を超えてしまうため、ジョークラッシャは製造工場から本体部とは別に輸送され、破砕現場などの輸送先において本体部上に載置され、組み立てられる。また、ジョークラッシャの本格的な修理等が必要な場合には、ジョークラッシャを本体部から外し、工場等へ戻して修理する。このような組立、解体時には、ジョークラッシャに設けられた吊フックにワイヤを掛けて、クレーン等を用いて吊り上げ、トレーラ上から本体部上へ、または、本体部上からトレーラ上へのジョークラッシャの吊り込み、吊り下ろしを行う。
この際、ジョークラッシャの吊フックは、岩石等が供給されるフレーム内に設けると、岩石等がぶつかることで摩耗や破損の原因となるため、一般的にはフレーム四隅の外部側面に設けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−10023号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のジョークラッシャでは、ジョークラッシャ単体の輸送時に、フレーム上部にガード部材が取り付けられていると、ガード部材の分だけ高さが輸送制限を越えてしまうため、ガード部材を取り外した状態で輸送する必要がある。また、ジョークラッシャの組立、解体に際して、吊フックに掛けるワイヤとガード部材とが干渉するので、ジョークラッシャを吊り上げる前には、ガード部材を取り付けておくことができない。従って、組立時には、ジョークラッシャを本体部に吊り込んだ後にガード部材を取り付け、解体時には、ガード部材を取り外した後にジョークラッシャを吊り下ろすのであるが、このようなガード部材の取り付け、取り外し作業は、本体部上に搭載されたジョークラッシャのさらに上部で行わなければならず、高所での作業となって面倒である。さらに、ガード部材は大重量(例えば、400kg程度)であるため、人力では到底取り扱えず、クレーン等を用いて取り付け、取り外し作業を行わなければならない。このため、ジョークラッシャの吊り込み、吊り下ろし作業に多大な手間と時間を要するという問題がある。
また、このような問題は、自走式破砕機に搭載されるジョークラッシャだけでなく、架台上に設置するに際して吊り込み、吊り下ろし作業を伴う定置式のジョークラッシャにも生じる。さらに、飛散防止部付のジョークラッシャで、輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャであっても、ジョークラッシャを吊る場合は飛散防止部を取り外す必要があり、吊り上げの際に多大な手間と時間を要するという問題がある。
このため、その解決が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、吊り上げ、吊り下ろし作業を良好にできるジョークラッシャを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1に記載のジョークラッシャは、ジョークラッシャに原材料が供給される側で、上方が開放されている原材料飛散防止部内にジョークラッシャ用の吊フックを設けたことを特徴とする。
【0008】
このような本発明においては、吊フックを飛散防止部内に設けたので、吊フックに掛けるワイヤと飛散防止部等の構造体との干渉がなく、飛散防止部付のジョークラッシャでも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャでは、飛散防止部の取り外し、取り付けが不要となる。さらに、飛散防止部の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャでも、その吊り上げ作業に先だって、構造体を取り外す必要がない。従って、構造体が取り付けられた状態でジョークラッシャを吊り上げることができるので、構造体の取り付け、取り外し作業を地上やトレーラ上で行うことができ、高所に設置されたジョークラッシャ上部での作業と比較して、低所での作業となり容易に実施することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のジョークラッシャでは、前記ジョークラッシャ用の吊フックが原材料を当該ジョークラッシャにガイドするガイドプレートで覆われており、このガイドプレートが着脱自在に設けられていることを特徴とする。
このような本発明においては、吊フックをガイドプレートの下方に設けたので、供給部からの原材料である岩石等の通過位置に吊フックを設けた場合であっても、岩石等が吊フックにぶつかることなくガイドプレートによってジョークラッシャの供給領域内に案内され、吊フックの摩耗や破損を防止できる。また、ガイドプレートを人力で持ち運ぶことができる程度の重量(例えば、20kg程度)で形成することで、ジョークラッシャの吊り上げに先立ってガイドプレートを外す場合でも、クレーン等の重機を用いなくても人力で取り扱うことができ、手間を掛けずに取り付け、取り外しできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔全体構成の概略説明〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係るジョークラッシャ30が搭載された自走式破砕機1を示す正面図、背面図、右側面図、左側面図、および平面図である。図6は、ジョークラッシャ30を示す断面図である。なお、本実施形態では説明の便宜上、図3中の右側を前方側、左側を後方側とする。
【0011】
自走式破砕機1は、ビルの解体現場等に配置されてコンクリート塊やアスファルト塊の破砕に供される場合もあるが、本実施形態では専ら、鉱山や砕石場に配置され、大きな岩石や自然石を所定粒径に粗破砕するために用いられる。このため、全長、全幅、全高の各寸法が大きく、大型の自走式破砕機に属する。
【0012】
このような自走式破砕機1は、一対の下部走行体11を備えた本体部ユニット10と、本体部ユニット10上の後方側に搭載されて原材料が供給される供給部ユニット20と、供給部ユニット20の前方側に搭載された破砕機としてのジョークラッシャ30と、ジョークラッシャ30のさらに前方側に搭載されたパワーユニット40と、本体部ユニット10の下方で一対のクローラ18間から前方斜め上方に向かって延出した排出コンベア50とで構成されている。
【0013】
本体部ユニット10は、前後方向に連続して設けられた左右の側方フレーム12を、複数の連結フレーム13(図2)で連結したメインフレーム(トラックフレーム)14を備え、各側方フレーム12の下部側に前記下部走行体11が取り付けられている。下部走行体11は、前部の油圧モータ15で駆動されるスプロケット16および後部のアイドラー17にクローラ18を巻回させた構成である。
【0014】
供給部ユニット20は、後方に迫り出した左右の側方フレーム21を、開口部22Aを有する略四角形の連結フレーム22で連結した後部フレーム23を備えている。後部フレーム23の上部には、複数のコイルスプリングを介してグリズリフィーダ24が載置され、このグリズリフィーダ24が振動装置25で駆動される。グリズリフィーダ24の上部には、その周囲の三方を囲うようにホッパ26が設けられ、上方に向かって拡開したこのホッパ26内に原材料が投入される。また、グリズリフィーダ24の下部には、グリズリで選別されて落下する原材料を下方の排出コンベア50に導く排出シュート27が設けられている。なお、本実施形態のホッパ26では、左右のウィング部28は本体部分に対して折り畳み可能に設けられ、支持バー29の上端を外すことで下方に折り畳まれる。これにより、供給部ユニット20の全高が低くなり、トレーラでの輸送制限をクリアできるようになっている。
【0015】
ジョークラッシャ30は、図6に示すように、左右の側壁プレート31を、複数のリブで補強された背壁プレート32およびクロスメンバ33で連結したクラッシャフレーム34を備え、背壁プレート32の内側には固定ジョー35が取り付けられ、固定ジョー35の前方側には歯面が略鉛直に迫り立ったスイングジョー36が配置されている。スイングジョー36は、その上部側が側壁プレート31間に回転可能に架設されたメインシャフト37の偏心部に吊設されているとともに、下部側が破砕時の反力を受ける反力受リンク機構60で支持されており、また、テンションリンク機構70により常時反力受リンク機構60側に付勢されている。
【0016】
ここで、反力受リンク機構60は、一端がスイングジョー36の背面部分に係止されたトグルプレート61と、トグルプレート61の他端側を支持しかつ固定リンクピン63を中心に回動するトグルリンク64と、下端がトグルリンク64に軸支されたベアロックシリンダ65とで概ね構成され、このベアロックシリンダ65がクロスメンバ33側に回動自在に軸支(トラニオン構造)されている。そして、このベアロックシリンダ65のロッド66を進退させることで、各ジョー35,36の下端間の出口隙間Wを調節できるようになっている。つまり、反力受リンク機構60は、ベアロックシリンダ65の駆動によってトグルリンク64およびトグルプレート61を介してスイングジョー36を固定ジョー35近接離間させる出口隙間調整用リンク機構62となっている。
【0017】
また、テンションリンク機構70は、反力受リンク機構60の略中央に配置されており、概ね一端がスイングジョー36側に軸支されたテンションリンク71と、前記固定リンクピン63に回動自在に軸支されたテンションレバー72と、一端がテンションレバー72に軸支されたテンションロッド73と、このテンションロッド73を所定方向に付勢するテンションスプリング74とで概ね構成され、これらテンションロッド73およびテンションスプリング74が前記トグルリンク64に取り付けられている。
【0018】
このようなジョークラッシャ30では、メインシャフト37の一端に設けられたプーリ38をVベルトを介して油圧モータ39で駆動すると、メインシャフト37の回転によりスイングジョー36が揺動リンクとして機能し、固定ジョー35との間で原材料を破砕する。この際、本実施形態のジョークラッシャ30では、スイングジョー36が固定ジョー35の歯面に対して上方から下方に削ぎ取るようにスイングするよう、反力受リンク機構60がいわゆるアップスラストタイプになっている。
【0019】
パワーユニット40は、左右の側方フレーム41を複数の連結フレーム(不図示)で連結したベースフレーム42を備えている。ベースフレーム42上には、適宜な載置用のブラケットやクロスメンバを介してエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置されている。また、油圧ポンプからの油圧を下部走行体11の油圧モータや、グリズリフィーダ24の振動装置25、ジョークラッシャ30の油圧モータ39、および排出コンベア50駆動用の油圧モータ等に分配するコントロールバルブが、当該ベースフレーム42で囲まれた収容空間内に収容されている。
【0020】
排出コンベア50は、後部が排出シュート27下端の排出口よりも後方に位置し、ここから排出される未破砕の原材料と、ジョークラッシャ30の出口から落下した破砕物とを前方に排出し、高所から落下させて堆積等させる。なお、原材料として鉄筋や金属片等の異物が含まれる場合には、排出コンベア50の前部側に磁選機を取り付け、この異物を取り除くことも可能である。また、排出コンベア50からの破砕物を地上に堆積させるのではなく、二次コンベアや三次コンベア等を用いて遠隔地まで搬送することもある。
【0021】
〔クラッシャガードの周辺構造〕
次に、本実施形態のジョークラッシャ30における、クラッシャガード83の周辺構造を説明する。
図7は、自走式破砕機1の一部を拡大して示す右側面図である。
ジョークラッシャ30は、供給部ユニット20のグリズリフィーダ24から原材料が供給される側に、原材料のこぼれ落ちを防止するクラッシャガード(原材料飛散防止部)83を備えている。このクラッシャガード83は、上方に開放された平面略コ字形の鋼板製で、グリズリフィーダ24と固定ジョー35およびスイングジョー36との間の原材料が通過する空間を囲んで配置され、コ字形の開放側を供給部ユニット20側に向けて、側壁プレート31の上縁にボルトで固定されている。そして、クラッシャガード83は、ボルトを外すことで、側壁プレート31から取り外すことができるようになっている。
【0022】
クラッシャガード83の右側面には、クラッシャガード83の内側と外側とを連通する点検口831が設けられており、この点検口831には、扉832が開閉自在に設けられている。すなわち、扉832は、図7中、左側のヒンジによって回動可能に支持されるとともに、右側の固定部によってクラッシャガード83にボルトで固定され、閉状態が維持されるようになっている。
【0023】
また、点検口831は、扉832を開けた状態で人が通り抜けられる大きさを有しており、その下縁には、ジョークラッシャ30の内部を覗き込む際に足を掛ける足掛かり833が設けられている。また、クラッシャガード83の上縁には、手で掴んだり、安全帯を係止するための取手834が固定されている。すなわち、取手834を掴み、足掛かり833に足を掛けた体勢で、クラッシャガード83の上方からジョークラッシャ30の内部や供給部ユニット20側が見渡せるようになっている。
【0024】
また、点検口831の下方には、人が立って点検口831からジョークラッシャ30内に作業員が入り込む際に足掛かりとなるステップ84と、移動用動線としての作業通路81と、この作業通路81にクローラ18から昇降するためのラダー82とが設けられている。ステップ84は、ジョークラッシャ30の側壁プレート31に固定されたブラケットに支持されており、点検口831下縁の足掛かり833よりも側方に大きく張り出し、点検口831を通ってジョークラッシャ30内に作業員が入り込みやすくなっている。作業通路81は、側壁プレート31に固定された水平なブラケット上に支持されており、図示しない床材、幕板、および防護柵で構成されている。
【0025】
クラッシャガード83の内側で固定ジョー35の上部には、ガイドプレート85が取り付けられている。このガイドプレート85は、グリズリフィーダ24から供給される原材料を、固定ジョー35およびスイングジョー36の間である歯板噛み合い部に案内する部材である。ガイドプレート85の上面の一部は、略水平に形成され、点検口831からジョークラッシャ30の内部に人が入る際に、足を掛けることができるようになっている。そして、ガイドプレート85の上面に足を掛けた位置から、歯板噛み合い部や出口隙間W部分を直接視認できるとともに、供給部ユニット20のグリズリフィーダ24にも移動できるようになっている。
【0026】
ガイドプレート85の下方には、ジョークラッシャ30を吊り上げる際にワイヤを掛けるためのジョークラッシャ30用の吊フック321が設けられている。この吊フック321は、背壁プレート32上部の2箇所に溶接され、孔が穿設された厚肉のプレートにより形成されている(図6)。そして、吊フック321を覆う前述のガイドプレート85は、両端側をクラッシャガード83にボルトで固定され、ボルトを外すことで取り外し可能になっている。
また、ジョークラッシャ30両側面の側壁プレート31前方側には、側壁プレート31に穿設した孔で構成された前方吊フック311が設けられている(図6)。前方吊フック311は、メインシャフト37や、プーリ38、Vベルトを覆うカバーから露出して設けられ、ジョークラッシャ30の上方からワイヤを掛けることができるようになっている。
【0027】
〔自走式破砕機の組立、解体方法〕
次に、図8〜図10に基づいて、自走式破砕機1の組立、解体方法について説明する。
図8は、自走式破砕機1がユニットごとに解体された状態を示す側面図である。
図9および図10は、それぞれジョークラッシャ30を吊り上げた状態を示す側面図、および平面図である。
自走式破砕機1は、図8に示すように、本体部ユニット10、供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、および排出コンベア50の各部ごとにユニット化されている。これは、自走式破砕機1が車高および車重の大きい大型の自走式破砕機に属し、一体の輸送ではトレーラ等による輸送制限を超えてしまうので、輸送可能な大きさのユニットごとに解体して輸送するためである。
本体部ユニット10は、メインフレーム14の下部側に下部走行体11が取り付けられた状態でユニット化されている。供給部ユニット20は、後部フレーム23と、その上部のホッパ26およびグリズリフィーダ24と、グリズリフィーダ24下方の排出シュート27とが一体にユニット化されている。また、パワーユニット40は、ベースフレーム42上にエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置され、ベースフレーム42で囲まれた収容空間内にコントロールバルブが収容された状態でユニット化されている。
【0028】
ジョークラッシャ30は、クラッシャフレーム34、固定ジョー35、スイングジョー36、メインシャフト37、プーリ38、Vベルト、油圧モータ39、反力受リンク機構60、およびテンションリンク機構70が一体とされ、側壁プレート31にクラッシャガード83、作業通路81、およびラダー82等が取り付けられた状態でユニット化されている。
なお、このようにユニット化された状態でもジョークラッシャ30の重量が輸送時の制限重量を超えるような場合には、固定ジョー35およびスイングジョー36をジョークラッシャ30から取り外して別々に輸送する。すなわち、図9に示すように、固定ジョー35およびスイングジョー36を本体部ユニット10上に載置して、ジョークラッシャ30とは別に輸送することになる。
【0029】
ジョークラッシャ30を本体部ユニット10に載置する組立時や、本体部ユニット10から取り外して下ろす解体時には、図9および図10に示すように、それぞれ2箇所ずつの吊フック321および前方吊フック311にワイヤ100を掛けて、図示しないクレーン等によってジョークラッシャ30を吊り上げる。この際、ワイヤ100は、吊り上げ中の安定性を考慮して、吊フック321および前方吊フック311のそれぞれ左右反対側同士をつなぐように、つまり、たすき掛けにされて、その交差位置から上方に延びて掛けられている。なお、以上のような吊り上げ時には、吊フック321からガイドプレート85が取り外されている。
【0030】
次に、破砕現場などの輸送先におけるジョークラッシャ30の組立手順、すなわち、地上またはトレーラ上からジョークラッシャ30を本体部ユニット10に吊り込む作業手順を説明する。
先ず、地上またはトレーラ上において、ジョークラッシャ30の側壁プレート31にクラッシャガード83を取り付ける。これは、クラッシャガード83の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャ30をトレーラ等により輸送する際には、クラッシャガード83を取り外して輸送するためである。なお、クラッシャガード83の取り付けに際しては、その重量が人力では取り扱えないくらい重い(例えば、400kg程度)ため、クレーン等を用いて吊り上げることとなる。
なお、クラッシャガード83付のジョークラッシャ30でも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャ30では、クラッシャガード83を工場等であらかじめ取り付けておけばよいので、現場での取り付けは不要である。つまり、工場出荷の状態でジョークラッシャ30を吊り上げればよい。
【0031】
次に、上述のように吊フック321および前方吊フック311にワイヤ100を掛けて、クレーン等でジョークラッシャ30を吊り上げ、本体部ユニット10の所定位置に載置し、ボルト等により固定する。この際、先に取り付けられたクラッシャガード83や、作業通路81、ラダー82等は、一体で吊り上げられて、ジョークラッシャ30の固定と同時に本体部ユニット10の所定位置に配置されることとなる。
最後に、ワイヤ100を外した後に、吊フック321上にガイドプレート85をボルトで固定する。この際、ガイドプレート85は、人力で取り扱える程度の重量(例えば、400kg程度)であるため、作業員が持ち上げて吊フック321上に設置することができる。また、ガイドプレート85の取り付けに際しては、クラッシャガード83側面の点検口831から作業員が入り込んで作業することとなる。
また、ジョークラッシャ30を本体部ユニット10から地上またはトレーラ上に吊り下ろす作業手順は、上述の吊り込む場合と逆の作業手順となる。
【0032】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) すなわち、ジョークラッシャ30を吊り上げるための吊フック321をクラッシャガード83の内側に設けたので、吊フック321に掛けるワイヤ100とクラッシャガード83との干渉がなく、クラッシャガード83付のジョークラッシャ30でも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャ30では、クラッシャガード83の取り外し、取り付けを不要にできる。さらに、クラッシャガード83の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャ30の吊り上げ作業に先だって、クラッシャガード83を取り外す必要がない。従って、クラッシャガード83が取り付けられた状態でジョークラッシャ30を吊り上げることができるので、クラッシャガード83の取り付け、取り外し作業を地上やトレーラ上で行うことができ、本体部ユニット10に載置されたジョークラッシャ30上部での高所作業と比較して、低所での作業となり容易に実施できる。
【0033】
(2) また、吊フック321をガイドプレート85の下方に設けたので、ホッパ26からの岩石等が通過する位置に吊フック321を設けた場合であっても、岩石等が吊フック321にぶつかることなくガイドプレート85によってジョークラッシャ30内に案内されるので、吊フック321の摩耗や破損を防止できる。また、ガイドプレート85は、人力で持ち運ぶことができる程度の重量に形成されているので、ジョークラッシャ30の吊り上げに先立ってガイドプレート85を外す場合に、クレーン等の重機を用いなくても人力で運ぶことができ、手間を掛けずに取り付け、取り外しできる。
【0034】
(3) さらに、クラッシャガード83が供給部ユニット20側に向かって開口する平面略コ字形に形成され、上方に開放されているので、容易に吊フック321にワイヤ100を掛けることができ、作業性を向上させることができる。
【0035】
(4) また、前方吊フック311がメインシャフト37や、プーリ38、Vベルトを覆うカバーから露出して設けられているので、カバーを取り外さなくてもジョークラッシャ30の上方からワイヤ100を掛けることができ、この点でも作業性を向上させることができる。
【0036】
(5) そして、前方吊フック311が側壁プレート31に穿設された孔で構成されているので、側壁プレート31に孔を設けるだけで前方吊フック311を容易に形成でき、吊フック用のプレートを用意して側壁プレート31に溶接等により固定する場合と比較して、より簡単かつ安価に前方吊フック311を設けることができる。また、側壁プレート31に吊フック用のプレートを固定した場合には、側壁プレート31の側方や上方に突出することになるが、前方吊フック311は、突出することがなく、他の機器類や部材の配置、人の作業動線等の邪魔にならない。
【0037】
(6) また、クラッシャガード83の側面に点検口831を設けたことにより、ジョークラッシャ30の内部を近接した位置から確認できるので、歯板噛み合い部分や出口隙間W部分における原材料の詰まり等を直ちに発見できる。従って、発見した原材料の詰まりを早急に取り除くことができ、点検作業を容易かつ迅速にできる。
【0038】
(7) さらに、点検口831に扉832を設けたので、この扉832を閉じればジョークラッシャ30への原材料の供給の際や破砕作業中に、原材料が点検口831から外に飛び出ることがなく、作業環境を良好にできる。
【0039】
(8) また、点検口831の下方に足掛かり833およびステップ84を設けたので、作業員が足掛かり833やステップ84の上からジョークラッシャ30の内部を覗き込むことができ、楽な作業姿勢で点検作業を実施できる。また、この足掛かり833に上がって点検口831を覗き込むことで、ジョークラッシャ30内を上方から見渡すことができるので、ジョークラッシャ30の内部だけでなく供給部ユニット20のグリズリフィーダ24等も同時に視認でき、より広い範囲を点検できる。
【0040】
(9) さらに、点検口831を通って、固定ジョー35の上部に設けられたガイドプレート85に足を掛けることで、作業員がジョークラッシャ30内に容易に入り込むことができ、さらに詳しくジョークラッシャ30内部を点検できる。また、ジョークラッシャ30内から供給部ユニット20の側へ移動することで、グリズリフィーダ24の点検作業をさらに容易にできる。
【0041】
(10) また、点検口831の下方に作業通路81を設けたことで、ジョークラッシャ30の側方からジョークラッシャ30の点検整備ができる。また、作業通路81に昇降するためのラダー82を設けたので、作業通路81および点検口831へ容易にアクセスでき、点検にかかる作業性をさらに向上させることができる。さらに、ラダー82をジョークラッシャ30の側方に設けることにより、ラダー82が張り出さないので、積込機によるホッパ26への原材料投入作業の邪魔にならず、破砕作業の作業効率も向上させることができる。
【0042】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、自走式破砕機1に搭載されるジョークラッシャ30について説明したが、これに限らず、定置式の破砕機に搭載されるジョークラッシャであってもよい。
また、前記実施形態では、ジョークラッシャ30の供給部ユニット20側にクラッシャガード83が別体で取り付けられる構成であったが、これに限らず、輸送制限内であればクラッシャガードに相当する部材がクラッシャフレーム34に一体に固定されていてもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、背壁プレート32上部に吊フック321を固定したが、これに限らず、原材料飛散防止部内であれば、側壁プレート31の内側に吊フックを固定してもよい。この際、ジョークラッシャに供給される岩石等が直接吊フックにぶつからないように、カバー等を設けることが望ましい。
また、前記実施形態では、前方吊フック311を側壁プレート31に穿設した孔で構成したが、これに限らず、側壁プレートの側面やクロスメンバに吊フック用の部材を溶接等で固定してもよい。
また、前記実施形態では、吊フック321および前方吊フック311は、各々2箇所ずつ設けられていたが、これに限らず、1箇所ずつでもよく、また、3箇所以上ずつ設けてもよい。ただし、吊り上げ時の安定性、吊り上げ作業にかかる手間等を考慮すると、ジョークラッシャ上部の四隅に近い位置に吊フックを設けることが望ましい。
【0044】
また、前記実施形態では、原材料をジョークラッシャにガイドするガイドプレート85で吊フック321を覆うものとしたが、これに限らず、ガイドプレート以外の部材で吊フックを覆ってもよい。
また、ガイドプレートはボルトで固定されるものに限らず、溶接等で固定されてもよく、また、ボルト以外の係止部材等によって固定されてもよい。なお、溶接等により着脱不可に固定された場合は、吊フックにワイヤを掛けるための開口等をガイドプレートに設けるようにしてもよい。さらに、ガイドプレートを分割式に構成することができる。このようにガイドプレートに開口を設ける、あるいは分割式にすることで、ガイドプレートの取り外しを不要に、または容易にすることができ、ジョークラッシャの吊り上げの作業性をさら向上させることができる。
また、ガイドプレート85をジョークラッシャ30内に入るためのステップとして兼用したが、これに限らず、ガイドプレートとジョークラッシャ内のステップとを、それぞれ別体で設けることもできる。
【0045】
さらに、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態でのジョークラッシャが搭載された自走式破砕機を示す正面図。
【図2】前記自走式破砕機を示す背面図。
【図3】前記自走式破砕機を示す右側面図。
【図4】前記自走式破砕機を示す左側面図。
【図5】前記自走式破砕機を示す平面図。
【図6】前記ジョークラッシャを示す断面図。
【図7】前記自走式破砕機の一部を拡大して示す右側面図。
【図8】前記自走式破砕機がユニットごとに解体された状態を示す側面図。
【図9】前記ジョークラッシャを吊り上げた状態を示す側面図。
【図10】前記ジョークラッシャを吊り上げた状態を示す平面図。
【符号の説明】
30…ジョークラッシャ、85…ガイドプレート、83…クラッシャガード(原材料飛散防止部)、321…吊フック。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョークラッシャに係り、特に、自走式破砕機等に搭載されて岩石等を破砕するジョークラッシャに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、下部走行体を備えた本体部に、ジョークラッシャが搭載された自走式破砕機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のジョークラッシャは、鉱山や砕石場において、大きな岩石や自然石を破砕するために用いられるもので、上下に開口した枠状のフレームや、このフレーム内に設けられた固定ジョーおよびスイングジョー、このスイングジョーが軸支される偏心したメインシャフト、およびプーリ等を備えている。また、ジョークラッシャ上部の開口まわりには、グリズリフィーダやホッパで構成される供給部からの原材料がこぼれ落ちないように平面コ字型のガード部材が取り付けられることが多い。
【0003】
一方、大型の自走式破砕機等においては、下部走行体が設けられた本体部上にジョークラッシャを搭載したままでは、トレーラ等による輸送制限を超えてしまうため、ジョークラッシャは製造工場から本体部とは別に輸送され、破砕現場などの輸送先において本体部上に載置され、組み立てられる。また、ジョークラッシャの本格的な修理等が必要な場合には、ジョークラッシャを本体部から外し、工場等へ戻して修理する。このような組立、解体時には、ジョークラッシャに設けられた吊フックにワイヤを掛けて、クレーン等を用いて吊り上げ、トレーラ上から本体部上へ、または、本体部上からトレーラ上へのジョークラッシャの吊り込み、吊り下ろしを行う。
この際、ジョークラッシャの吊フックは、岩石等が供給されるフレーム内に設けると、岩石等がぶつかることで摩耗や破損の原因となるため、一般的にはフレーム四隅の外部側面に設けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−10023号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のジョークラッシャでは、ジョークラッシャ単体の輸送時に、フレーム上部にガード部材が取り付けられていると、ガード部材の分だけ高さが輸送制限を越えてしまうため、ガード部材を取り外した状態で輸送する必要がある。また、ジョークラッシャの組立、解体に際して、吊フックに掛けるワイヤとガード部材とが干渉するので、ジョークラッシャを吊り上げる前には、ガード部材を取り付けておくことができない。従って、組立時には、ジョークラッシャを本体部に吊り込んだ後にガード部材を取り付け、解体時には、ガード部材を取り外した後にジョークラッシャを吊り下ろすのであるが、このようなガード部材の取り付け、取り外し作業は、本体部上に搭載されたジョークラッシャのさらに上部で行わなければならず、高所での作業となって面倒である。さらに、ガード部材は大重量(例えば、400kg程度)であるため、人力では到底取り扱えず、クレーン等を用いて取り付け、取り外し作業を行わなければならない。このため、ジョークラッシャの吊り込み、吊り下ろし作業に多大な手間と時間を要するという問題がある。
また、このような問題は、自走式破砕機に搭載されるジョークラッシャだけでなく、架台上に設置するに際して吊り込み、吊り下ろし作業を伴う定置式のジョークラッシャにも生じる。さらに、飛散防止部付のジョークラッシャで、輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャであっても、ジョークラッシャを吊る場合は飛散防止部を取り外す必要があり、吊り上げの際に多大な手間と時間を要するという問題がある。
このため、その解決が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、吊り上げ、吊り下ろし作業を良好にできるジョークラッシャを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1に記載のジョークラッシャは、ジョークラッシャに原材料が供給される側で、上方が開放されている原材料飛散防止部内にジョークラッシャ用の吊フックを設けたことを特徴とする。
【0008】
このような本発明においては、吊フックを飛散防止部内に設けたので、吊フックに掛けるワイヤと飛散防止部等の構造体との干渉がなく、飛散防止部付のジョークラッシャでも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャでは、飛散防止部の取り外し、取り付けが不要となる。さらに、飛散防止部の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャでも、その吊り上げ作業に先だって、構造体を取り外す必要がない。従って、構造体が取り付けられた状態でジョークラッシャを吊り上げることができるので、構造体の取り付け、取り外し作業を地上やトレーラ上で行うことができ、高所に設置されたジョークラッシャ上部での作業と比較して、低所での作業となり容易に実施することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のジョークラッシャでは、前記ジョークラッシャ用の吊フックが原材料を当該ジョークラッシャにガイドするガイドプレートで覆われており、このガイドプレートが着脱自在に設けられていることを特徴とする。
このような本発明においては、吊フックをガイドプレートの下方に設けたので、供給部からの原材料である岩石等の通過位置に吊フックを設けた場合であっても、岩石等が吊フックにぶつかることなくガイドプレートによってジョークラッシャの供給領域内に案内され、吊フックの摩耗や破損を防止できる。また、ガイドプレートを人力で持ち運ぶことができる程度の重量(例えば、20kg程度)で形成することで、ジョークラッシャの吊り上げに先立ってガイドプレートを外す場合でも、クレーン等の重機を用いなくても人力で取り扱うことができ、手間を掛けずに取り付け、取り外しできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔全体構成の概略説明〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係るジョークラッシャ30が搭載された自走式破砕機1を示す正面図、背面図、右側面図、左側面図、および平面図である。図6は、ジョークラッシャ30を示す断面図である。なお、本実施形態では説明の便宜上、図3中の右側を前方側、左側を後方側とする。
【0011】
自走式破砕機1は、ビルの解体現場等に配置されてコンクリート塊やアスファルト塊の破砕に供される場合もあるが、本実施形態では専ら、鉱山や砕石場に配置され、大きな岩石や自然石を所定粒径に粗破砕するために用いられる。このため、全長、全幅、全高の各寸法が大きく、大型の自走式破砕機に属する。
【0012】
このような自走式破砕機1は、一対の下部走行体11を備えた本体部ユニット10と、本体部ユニット10上の後方側に搭載されて原材料が供給される供給部ユニット20と、供給部ユニット20の前方側に搭載された破砕機としてのジョークラッシャ30と、ジョークラッシャ30のさらに前方側に搭載されたパワーユニット40と、本体部ユニット10の下方で一対のクローラ18間から前方斜め上方に向かって延出した排出コンベア50とで構成されている。
【0013】
本体部ユニット10は、前後方向に連続して設けられた左右の側方フレーム12を、複数の連結フレーム13(図2)で連結したメインフレーム(トラックフレーム)14を備え、各側方フレーム12の下部側に前記下部走行体11が取り付けられている。下部走行体11は、前部の油圧モータ15で駆動されるスプロケット16および後部のアイドラー17にクローラ18を巻回させた構成である。
【0014】
供給部ユニット20は、後方に迫り出した左右の側方フレーム21を、開口部22Aを有する略四角形の連結フレーム22で連結した後部フレーム23を備えている。後部フレーム23の上部には、複数のコイルスプリングを介してグリズリフィーダ24が載置され、このグリズリフィーダ24が振動装置25で駆動される。グリズリフィーダ24の上部には、その周囲の三方を囲うようにホッパ26が設けられ、上方に向かって拡開したこのホッパ26内に原材料が投入される。また、グリズリフィーダ24の下部には、グリズリで選別されて落下する原材料を下方の排出コンベア50に導く排出シュート27が設けられている。なお、本実施形態のホッパ26では、左右のウィング部28は本体部分に対して折り畳み可能に設けられ、支持バー29の上端を外すことで下方に折り畳まれる。これにより、供給部ユニット20の全高が低くなり、トレーラでの輸送制限をクリアできるようになっている。
【0015】
ジョークラッシャ30は、図6に示すように、左右の側壁プレート31を、複数のリブで補強された背壁プレート32およびクロスメンバ33で連結したクラッシャフレーム34を備え、背壁プレート32の内側には固定ジョー35が取り付けられ、固定ジョー35の前方側には歯面が略鉛直に迫り立ったスイングジョー36が配置されている。スイングジョー36は、その上部側が側壁プレート31間に回転可能に架設されたメインシャフト37の偏心部に吊設されているとともに、下部側が破砕時の反力を受ける反力受リンク機構60で支持されており、また、テンションリンク機構70により常時反力受リンク機構60側に付勢されている。
【0016】
ここで、反力受リンク機構60は、一端がスイングジョー36の背面部分に係止されたトグルプレート61と、トグルプレート61の他端側を支持しかつ固定リンクピン63を中心に回動するトグルリンク64と、下端がトグルリンク64に軸支されたベアロックシリンダ65とで概ね構成され、このベアロックシリンダ65がクロスメンバ33側に回動自在に軸支(トラニオン構造)されている。そして、このベアロックシリンダ65のロッド66を進退させることで、各ジョー35,36の下端間の出口隙間Wを調節できるようになっている。つまり、反力受リンク機構60は、ベアロックシリンダ65の駆動によってトグルリンク64およびトグルプレート61を介してスイングジョー36を固定ジョー35近接離間させる出口隙間調整用リンク機構62となっている。
【0017】
また、テンションリンク機構70は、反力受リンク機構60の略中央に配置されており、概ね一端がスイングジョー36側に軸支されたテンションリンク71と、前記固定リンクピン63に回動自在に軸支されたテンションレバー72と、一端がテンションレバー72に軸支されたテンションロッド73と、このテンションロッド73を所定方向に付勢するテンションスプリング74とで概ね構成され、これらテンションロッド73およびテンションスプリング74が前記トグルリンク64に取り付けられている。
【0018】
このようなジョークラッシャ30では、メインシャフト37の一端に設けられたプーリ38をVベルトを介して油圧モータ39で駆動すると、メインシャフト37の回転によりスイングジョー36が揺動リンクとして機能し、固定ジョー35との間で原材料を破砕する。この際、本実施形態のジョークラッシャ30では、スイングジョー36が固定ジョー35の歯面に対して上方から下方に削ぎ取るようにスイングするよう、反力受リンク機構60がいわゆるアップスラストタイプになっている。
【0019】
パワーユニット40は、左右の側方フレーム41を複数の連結フレーム(不図示)で連結したベースフレーム42を備えている。ベースフレーム42上には、適宜な載置用のブラケットやクロスメンバを介してエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置されている。また、油圧ポンプからの油圧を下部走行体11の油圧モータや、グリズリフィーダ24の振動装置25、ジョークラッシャ30の油圧モータ39、および排出コンベア50駆動用の油圧モータ等に分配するコントロールバルブが、当該ベースフレーム42で囲まれた収容空間内に収容されている。
【0020】
排出コンベア50は、後部が排出シュート27下端の排出口よりも後方に位置し、ここから排出される未破砕の原材料と、ジョークラッシャ30の出口から落下した破砕物とを前方に排出し、高所から落下させて堆積等させる。なお、原材料として鉄筋や金属片等の異物が含まれる場合には、排出コンベア50の前部側に磁選機を取り付け、この異物を取り除くことも可能である。また、排出コンベア50からの破砕物を地上に堆積させるのではなく、二次コンベアや三次コンベア等を用いて遠隔地まで搬送することもある。
【0021】
〔クラッシャガードの周辺構造〕
次に、本実施形態のジョークラッシャ30における、クラッシャガード83の周辺構造を説明する。
図7は、自走式破砕機1の一部を拡大して示す右側面図である。
ジョークラッシャ30は、供給部ユニット20のグリズリフィーダ24から原材料が供給される側に、原材料のこぼれ落ちを防止するクラッシャガード(原材料飛散防止部)83を備えている。このクラッシャガード83は、上方に開放された平面略コ字形の鋼板製で、グリズリフィーダ24と固定ジョー35およびスイングジョー36との間の原材料が通過する空間を囲んで配置され、コ字形の開放側を供給部ユニット20側に向けて、側壁プレート31の上縁にボルトで固定されている。そして、クラッシャガード83は、ボルトを外すことで、側壁プレート31から取り外すことができるようになっている。
【0022】
クラッシャガード83の右側面には、クラッシャガード83の内側と外側とを連通する点検口831が設けられており、この点検口831には、扉832が開閉自在に設けられている。すなわち、扉832は、図7中、左側のヒンジによって回動可能に支持されるとともに、右側の固定部によってクラッシャガード83にボルトで固定され、閉状態が維持されるようになっている。
【0023】
また、点検口831は、扉832を開けた状態で人が通り抜けられる大きさを有しており、その下縁には、ジョークラッシャ30の内部を覗き込む際に足を掛ける足掛かり833が設けられている。また、クラッシャガード83の上縁には、手で掴んだり、安全帯を係止するための取手834が固定されている。すなわち、取手834を掴み、足掛かり833に足を掛けた体勢で、クラッシャガード83の上方からジョークラッシャ30の内部や供給部ユニット20側が見渡せるようになっている。
【0024】
また、点検口831の下方には、人が立って点検口831からジョークラッシャ30内に作業員が入り込む際に足掛かりとなるステップ84と、移動用動線としての作業通路81と、この作業通路81にクローラ18から昇降するためのラダー82とが設けられている。ステップ84は、ジョークラッシャ30の側壁プレート31に固定されたブラケットに支持されており、点検口831下縁の足掛かり833よりも側方に大きく張り出し、点検口831を通ってジョークラッシャ30内に作業員が入り込みやすくなっている。作業通路81は、側壁プレート31に固定された水平なブラケット上に支持されており、図示しない床材、幕板、および防護柵で構成されている。
【0025】
クラッシャガード83の内側で固定ジョー35の上部には、ガイドプレート85が取り付けられている。このガイドプレート85は、グリズリフィーダ24から供給される原材料を、固定ジョー35およびスイングジョー36の間である歯板噛み合い部に案内する部材である。ガイドプレート85の上面の一部は、略水平に形成され、点検口831からジョークラッシャ30の内部に人が入る際に、足を掛けることができるようになっている。そして、ガイドプレート85の上面に足を掛けた位置から、歯板噛み合い部や出口隙間W部分を直接視認できるとともに、供給部ユニット20のグリズリフィーダ24にも移動できるようになっている。
【0026】
ガイドプレート85の下方には、ジョークラッシャ30を吊り上げる際にワイヤを掛けるためのジョークラッシャ30用の吊フック321が設けられている。この吊フック321は、背壁プレート32上部の2箇所に溶接され、孔が穿設された厚肉のプレートにより形成されている(図6)。そして、吊フック321を覆う前述のガイドプレート85は、両端側をクラッシャガード83にボルトで固定され、ボルトを外すことで取り外し可能になっている。
また、ジョークラッシャ30両側面の側壁プレート31前方側には、側壁プレート31に穿設した孔で構成された前方吊フック311が設けられている(図6)。前方吊フック311は、メインシャフト37や、プーリ38、Vベルトを覆うカバーから露出して設けられ、ジョークラッシャ30の上方からワイヤを掛けることができるようになっている。
【0027】
〔自走式破砕機の組立、解体方法〕
次に、図8〜図10に基づいて、自走式破砕機1の組立、解体方法について説明する。
図8は、自走式破砕機1がユニットごとに解体された状態を示す側面図である。
図9および図10は、それぞれジョークラッシャ30を吊り上げた状態を示す側面図、および平面図である。
自走式破砕機1は、図8に示すように、本体部ユニット10、供給部ユニット20、ジョークラッシャ30、パワーユニット40、および排出コンベア50の各部ごとにユニット化されている。これは、自走式破砕機1が車高および車重の大きい大型の自走式破砕機に属し、一体の輸送ではトレーラ等による輸送制限を超えてしまうので、輸送可能な大きさのユニットごとに解体して輸送するためである。
本体部ユニット10は、メインフレーム14の下部側に下部走行体11が取り付けられた状態でユニット化されている。供給部ユニット20は、後部フレーム23と、その上部のホッパ26およびグリズリフィーダ24と、グリズリフィーダ24下方の排出シュート27とが一体にユニット化されている。また、パワーユニット40は、ベースフレーム42上にエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク43、および作動油タンク44等が載置され、ベースフレーム42で囲まれた収容空間内にコントロールバルブが収容された状態でユニット化されている。
【0028】
ジョークラッシャ30は、クラッシャフレーム34、固定ジョー35、スイングジョー36、メインシャフト37、プーリ38、Vベルト、油圧モータ39、反力受リンク機構60、およびテンションリンク機構70が一体とされ、側壁プレート31にクラッシャガード83、作業通路81、およびラダー82等が取り付けられた状態でユニット化されている。
なお、このようにユニット化された状態でもジョークラッシャ30の重量が輸送時の制限重量を超えるような場合には、固定ジョー35およびスイングジョー36をジョークラッシャ30から取り外して別々に輸送する。すなわち、図9に示すように、固定ジョー35およびスイングジョー36を本体部ユニット10上に載置して、ジョークラッシャ30とは別に輸送することになる。
【0029】
ジョークラッシャ30を本体部ユニット10に載置する組立時や、本体部ユニット10から取り外して下ろす解体時には、図9および図10に示すように、それぞれ2箇所ずつの吊フック321および前方吊フック311にワイヤ100を掛けて、図示しないクレーン等によってジョークラッシャ30を吊り上げる。この際、ワイヤ100は、吊り上げ中の安定性を考慮して、吊フック321および前方吊フック311のそれぞれ左右反対側同士をつなぐように、つまり、たすき掛けにされて、その交差位置から上方に延びて掛けられている。なお、以上のような吊り上げ時には、吊フック321からガイドプレート85が取り外されている。
【0030】
次に、破砕現場などの輸送先におけるジョークラッシャ30の組立手順、すなわち、地上またはトレーラ上からジョークラッシャ30を本体部ユニット10に吊り込む作業手順を説明する。
先ず、地上またはトレーラ上において、ジョークラッシャ30の側壁プレート31にクラッシャガード83を取り付ける。これは、クラッシャガード83の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャ30をトレーラ等により輸送する際には、クラッシャガード83を取り外して輸送するためである。なお、クラッシャガード83の取り付けに際しては、その重量が人力では取り扱えないくらい重い(例えば、400kg程度)ため、クレーン等を用いて吊り上げることとなる。
なお、クラッシャガード83付のジョークラッシャ30でも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャ30では、クラッシャガード83を工場等であらかじめ取り付けておけばよいので、現場での取り付けは不要である。つまり、工場出荷の状態でジョークラッシャ30を吊り上げればよい。
【0031】
次に、上述のように吊フック321および前方吊フック311にワイヤ100を掛けて、クレーン等でジョークラッシャ30を吊り上げ、本体部ユニット10の所定位置に載置し、ボルト等により固定する。この際、先に取り付けられたクラッシャガード83や、作業通路81、ラダー82等は、一体で吊り上げられて、ジョークラッシャ30の固定と同時に本体部ユニット10の所定位置に配置されることとなる。
最後に、ワイヤ100を外した後に、吊フック321上にガイドプレート85をボルトで固定する。この際、ガイドプレート85は、人力で取り扱える程度の重量(例えば、400kg程度)であるため、作業員が持ち上げて吊フック321上に設置することができる。また、ガイドプレート85の取り付けに際しては、クラッシャガード83側面の点検口831から作業員が入り込んで作業することとなる。
また、ジョークラッシャ30を本体部ユニット10から地上またはトレーラ上に吊り下ろす作業手順は、上述の吊り込む場合と逆の作業手順となる。
【0032】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) すなわち、ジョークラッシャ30を吊り上げるための吊フック321をクラッシャガード83の内側に設けたので、吊フック321に掛けるワイヤ100とクラッシャガード83との干渉がなく、クラッシャガード83付のジョークラッシャ30でも輸送制限を超えない大きさのジョークラッシャ30では、クラッシャガード83の取り外し、取り付けを不要にできる。さらに、クラッシャガード83の高さ位置で輸送制限を超えるジョークラッシャ30の吊り上げ作業に先だって、クラッシャガード83を取り外す必要がない。従って、クラッシャガード83が取り付けられた状態でジョークラッシャ30を吊り上げることができるので、クラッシャガード83の取り付け、取り外し作業を地上やトレーラ上で行うことができ、本体部ユニット10に載置されたジョークラッシャ30上部での高所作業と比較して、低所での作業となり容易に実施できる。
【0033】
(2) また、吊フック321をガイドプレート85の下方に設けたので、ホッパ26からの岩石等が通過する位置に吊フック321を設けた場合であっても、岩石等が吊フック321にぶつかることなくガイドプレート85によってジョークラッシャ30内に案内されるので、吊フック321の摩耗や破損を防止できる。また、ガイドプレート85は、人力で持ち運ぶことができる程度の重量に形成されているので、ジョークラッシャ30の吊り上げに先立ってガイドプレート85を外す場合に、クレーン等の重機を用いなくても人力で運ぶことができ、手間を掛けずに取り付け、取り外しできる。
【0034】
(3) さらに、クラッシャガード83が供給部ユニット20側に向かって開口する平面略コ字形に形成され、上方に開放されているので、容易に吊フック321にワイヤ100を掛けることができ、作業性を向上させることができる。
【0035】
(4) また、前方吊フック311がメインシャフト37や、プーリ38、Vベルトを覆うカバーから露出して設けられているので、カバーを取り外さなくてもジョークラッシャ30の上方からワイヤ100を掛けることができ、この点でも作業性を向上させることができる。
【0036】
(5) そして、前方吊フック311が側壁プレート31に穿設された孔で構成されているので、側壁プレート31に孔を設けるだけで前方吊フック311を容易に形成でき、吊フック用のプレートを用意して側壁プレート31に溶接等により固定する場合と比較して、より簡単かつ安価に前方吊フック311を設けることができる。また、側壁プレート31に吊フック用のプレートを固定した場合には、側壁プレート31の側方や上方に突出することになるが、前方吊フック311は、突出することがなく、他の機器類や部材の配置、人の作業動線等の邪魔にならない。
【0037】
(6) また、クラッシャガード83の側面に点検口831を設けたことにより、ジョークラッシャ30の内部を近接した位置から確認できるので、歯板噛み合い部分や出口隙間W部分における原材料の詰まり等を直ちに発見できる。従って、発見した原材料の詰まりを早急に取り除くことができ、点検作業を容易かつ迅速にできる。
【0038】
(7) さらに、点検口831に扉832を設けたので、この扉832を閉じればジョークラッシャ30への原材料の供給の際や破砕作業中に、原材料が点検口831から外に飛び出ることがなく、作業環境を良好にできる。
【0039】
(8) また、点検口831の下方に足掛かり833およびステップ84を設けたので、作業員が足掛かり833やステップ84の上からジョークラッシャ30の内部を覗き込むことができ、楽な作業姿勢で点検作業を実施できる。また、この足掛かり833に上がって点検口831を覗き込むことで、ジョークラッシャ30内を上方から見渡すことができるので、ジョークラッシャ30の内部だけでなく供給部ユニット20のグリズリフィーダ24等も同時に視認でき、より広い範囲を点検できる。
【0040】
(9) さらに、点検口831を通って、固定ジョー35の上部に設けられたガイドプレート85に足を掛けることで、作業員がジョークラッシャ30内に容易に入り込むことができ、さらに詳しくジョークラッシャ30内部を点検できる。また、ジョークラッシャ30内から供給部ユニット20の側へ移動することで、グリズリフィーダ24の点検作業をさらに容易にできる。
【0041】
(10) また、点検口831の下方に作業通路81を設けたことで、ジョークラッシャ30の側方からジョークラッシャ30の点検整備ができる。また、作業通路81に昇降するためのラダー82を設けたので、作業通路81および点検口831へ容易にアクセスでき、点検にかかる作業性をさらに向上させることができる。さらに、ラダー82をジョークラッシャ30の側方に設けることにより、ラダー82が張り出さないので、積込機によるホッパ26への原材料投入作業の邪魔にならず、破砕作業の作業効率も向上させることができる。
【0042】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、自走式破砕機1に搭載されるジョークラッシャ30について説明したが、これに限らず、定置式の破砕機に搭載されるジョークラッシャであってもよい。
また、前記実施形態では、ジョークラッシャ30の供給部ユニット20側にクラッシャガード83が別体で取り付けられる構成であったが、これに限らず、輸送制限内であればクラッシャガードに相当する部材がクラッシャフレーム34に一体に固定されていてもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、背壁プレート32上部に吊フック321を固定したが、これに限らず、原材料飛散防止部内であれば、側壁プレート31の内側に吊フックを固定してもよい。この際、ジョークラッシャに供給される岩石等が直接吊フックにぶつからないように、カバー等を設けることが望ましい。
また、前記実施形態では、前方吊フック311を側壁プレート31に穿設した孔で構成したが、これに限らず、側壁プレートの側面やクロスメンバに吊フック用の部材を溶接等で固定してもよい。
また、前記実施形態では、吊フック321および前方吊フック311は、各々2箇所ずつ設けられていたが、これに限らず、1箇所ずつでもよく、また、3箇所以上ずつ設けてもよい。ただし、吊り上げ時の安定性、吊り上げ作業にかかる手間等を考慮すると、ジョークラッシャ上部の四隅に近い位置に吊フックを設けることが望ましい。
【0044】
また、前記実施形態では、原材料をジョークラッシャにガイドするガイドプレート85で吊フック321を覆うものとしたが、これに限らず、ガイドプレート以外の部材で吊フックを覆ってもよい。
また、ガイドプレートはボルトで固定されるものに限らず、溶接等で固定されてもよく、また、ボルト以外の係止部材等によって固定されてもよい。なお、溶接等により着脱不可に固定された場合は、吊フックにワイヤを掛けるための開口等をガイドプレートに設けるようにしてもよい。さらに、ガイドプレートを分割式に構成することができる。このようにガイドプレートに開口を設ける、あるいは分割式にすることで、ガイドプレートの取り外しを不要に、または容易にすることができ、ジョークラッシャの吊り上げの作業性をさら向上させることができる。
また、ガイドプレート85をジョークラッシャ30内に入るためのステップとして兼用したが、これに限らず、ガイドプレートとジョークラッシャ内のステップとを、それぞれ別体で設けることもできる。
【0045】
さらに、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態でのジョークラッシャが搭載された自走式破砕機を示す正面図。
【図2】前記自走式破砕機を示す背面図。
【図3】前記自走式破砕機を示す右側面図。
【図4】前記自走式破砕機を示す左側面図。
【図5】前記自走式破砕機を示す平面図。
【図6】前記ジョークラッシャを示す断面図。
【図7】前記自走式破砕機の一部を拡大して示す右側面図。
【図8】前記自走式破砕機がユニットごとに解体された状態を示す側面図。
【図9】前記ジョークラッシャを吊り上げた状態を示す側面図。
【図10】前記ジョークラッシャを吊り上げた状態を示す平面図。
【符号の説明】
30…ジョークラッシャ、85…ガイドプレート、83…クラッシャガード(原材料飛散防止部)、321…吊フック。
Claims (2)
- ジョークラッシャ(30)において、
ジョークラッシャ(30)に原材料が供給される側で、上方が開放されている原材料飛散防止部(83)内にジョークラッシャ用の吊フック(321)を設けた
ことを特徴とするジョークラッシャ(30)。 - 請求項1に記載のジョークラッシャ(30)において、
前記ジョークラッシャ用の吊フック(321)が原材料を当該ジョークラッシャ(30)にガイドするガイドプレート(85)で覆われており、
このガイドプレート(85)が着脱自在に設けられている
ことを特徴とするジョークラッシャ(30)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346484A JP2004174455A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | ジョークラッシャ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346484A JP2004174455A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | ジョークラッシャ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004174455A true JP2004174455A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32707374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002346484A Withdrawn JP2004174455A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | ジョークラッシャ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004174455A (ja) |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002346484A patent/JP2004174455A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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