JP2004173598A - 宿主微生物 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンパク質又はポリペプチドの生産に不要或いは有害な遺伝子をゲノム上から削除又は不活性化することにより、タンパク質又はポリペプチドの生産性向上を可能とする宿主微生物を提供する。
【解決手段】胞子形成第II期、第III期、第IV期又は第V期に特異的に発現するRNAポリメラーゼのσ因子の活性化に関与する遺伝子群から選ばれた1以上の遺伝子を削除又は不活性化した微生物及び当該微生物を用いた目的物質(タンパク質)の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有用なタンパク質又はポリペプチドの生産に用いる宿主微生物、及び組換え微生物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
微生物による有用物質の工業的生産は、アルコール飲料や味噌、醤油等の食品類をはじめとし、アミノ酸、有機酸、核酸関連物質、抗生物質、糖質、脂質、タンパク質等、その種類は多岐に渡っており、またその用途についても食品、医薬や、洗剤、化粧品等の日用品、或いは各種化成品原料に至るまで幅広い分野に広がっている。
【0003】
こうした微生物による有用物質の工業生産においては、その生産性の向上が重要な課題の一つであり、その手法として、突然変異等の遺伝学的手法による生産菌の育種が行われてきた。特に最近では、微生物遺伝学、バイオテクノロジーの発展により、遺伝子組換え技術等を用いたより効率的な生産菌の育種が行われるようになっており、遺伝子組換えのための宿主微生物の開発が進められている。例えば、枯草菌Marburg No.168系統株の様に宿主微生物として安全かつ優良と認められた微生物菌株に更に改良を加えた菌株が開発されている。
【0004】
しかしながら、微生物は元来、自然界における環境変化に対応するための多種多様な遺伝子群を有しており、限定された生産培地が使用されるタンパク質等の工業的生産においては、必ずしも生産性が効率的であるとは言えない状況であった。
【0005】
また、ある種の微生物については、胞子形成初期に関わる遺伝子を単独に削除又は不活性化した菌株が構築されているが(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)、生産性向上の効果が十分といえるものではない。
【0006】
従って、本発明はタンパク質又はポリペプチドの生産に不要或いは有害な遺伝子をゲノム上から削除又は不活性化することにより、タンパク質又はポリペプチドの生産性向上を可能とする宿主微生物を提供することを目的としている。また、本発明は当該宿主微生物に転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌用シグナル領域の下流に結合したタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入して得られる組換え微生物、更に、当該組換え微生物を用いるタンパク質又はポリペプチドの製造法を提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−190390号公報
【特許文献2】
特開昭61−1381号公報
【特許文献3】
国際公開第89/04866号パンフレット
【特許文献4】
特表平11−509096号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、微生物ゲノム上にコードされる各種遺伝子において、有用なタンパク質又はポリペプチドの生産にとって不要或いは有害な働きをする遺伝子群を鋭意探索したところ、胞子形成の中期から後期にかけて発現する特定の遺伝子をゲノム上から削除又は不活性化した後、目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を適当な転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域を結合して導入することにより、目的のタンパク質又はポリペプチドの生産性が、削除又は不活性化前と比較して向上することを見出した。
【0009】
すなわち本発明は、胞子形成第II期、第III期、第IV期又は第V期に特異的に発現するRNAポリメラーゼのσ因子の活性化に関与する遺伝子群から選ばれた1以上の遺伝子を削除又は不活性化した微生物、当該微生物に目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を適当な転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域を結合して導入して得られる組換え微生物、並びに当該組換え微生物を用いたタンパク質又はポリペプチドの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の微生物を構築するための親微生物としては、胞子形成に関与する遺伝子を有するものであればよく、胞子を形成する微生物がより好ましい。これらは、野生型のものでも変異を施したものでものよい。具体的には、枯草菌などのバチルス(Bacillus)属細菌や、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、或いは酵母等が挙げられ、中でもバチルス(Bacillus)属細菌が好ましい。更に、全ゲノム情報が明らかにされ、遺伝子工学、ゲノム工学技術が確立されている点、またタンパク質と菌体外に分泌生産させる能力を有する点から特に枯草菌が好ましい。
【0011】
本発明の微生物を用いて生産する目的タンパク質又はポリペプチドとしては、例えば食品用、医薬品用、化粧品用、洗浄剤用、繊維処理用、医療検査薬用等として有用な酵素や生理活性因子等のタンパク質やポリペプチドが挙げられる。
【0012】
胞子の形成にはゲノム上に散在する250遺伝子以上が関与することが知られているが、本発明において削除又は不活性の対象となる遺伝子群は、胞子形成の中期から後期、すなわち第II期、第III期、第IV期又は第V期に特異的に発現するRNAポリメラーゼのσ因子の活性化に関与する遺伝子群から選ばれた1以上の遺伝子であるが、このうち胞子形成第II期又は第III期、特に胞子形成期第II期に関与する遺伝子群が好ましく、具体的には当該胞子形成期に特異的に発現するRNAポリメラーゼσ因子、例えば枯草菌のσE、σF、σG又はσKの活性化に関与する遺伝子群が挙げられる。
斯かる遺伝子群は、目的タンパク質の生産には直接関与しておらず、また、通常の工業的生産培地における微生物の生育にも不要であることが本発明者らによって見出された。
【0013】
枯草菌における当該遺伝子の一例を下記表1に示す。
尚、本明細書の各遺伝子の名称、位置、塩基番号及び機能は、Nature, 390, 249−256, (1997) で報告され、JAFAN: Japan Functional Analysis Network for Bacillus subtilis (BSORF DB)でインターネット公開(http://bacillus.genome.ad.jp/)された枯草菌ゲノムデーターに基づいて記載している。
【0014】
【表1】
Figure 2004173598
【0015】
また、削除又は不活性の対象となる遺伝子は、表1に記載の遺伝子に相当する遺伝子でもよく、斯かる遺伝子としては、例えば表1に示される枯草菌の各遺伝子と同じ機能を有する、または、表1の各遺伝子と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を有する、他の微生物由来、好ましくはバチルス属細菌の由来の遺伝子が挙げられる。尚、配列の相同性はLipman−Pearson法 (Science, 227, 1435, (1985))によって計算される。
【0016】
斯かる遺伝子群の中から選ばれる1又は複数の遺伝子を削除又は不活性化することにより胞子形成に関与する化学エネルギーの消費が減ること、また、タンパク質又はポリペプチドの生産期間が長期化することに等により、当該タンパク質又はポリペプチドの生産において、その生産性の向上が達成される。
尚、削除又は不活性化する遺伝子は1以上であればよいが、複数、特に3以上更に最適には5以上であることが好ましい。
【0017】
更に本発明の微生物の構築には、上記以外の遺伝子群の削除又は不活性化を組み合わせることも可能であり、生産性向上に対してより大きな効果が期待される。
【0018】
遺伝子群の削除又は不活性化の方法は、公知の方法、例えば標的遺伝子を順次削除又は不活性化する方法や、ランダムな遺伝子の削除又は不活性化変異を与えた後、適当な方法によりタンパク質生産性の評価及び遺伝子解析を行うことによって遺伝子群の削除又は不活性化する方法等を用いることができる。
【0019】
標的とする遺伝子を削除又は不活性化するには、例えば相同組換えによる方法を用いればよい。すなわち、標的遺伝子を含むDNA断片を適当なプラスミドベクターにクローニングした後、通常の遺伝子工学技術を用いて遺伝子の全領域又は一部領域を両側のDNA断片を残した形で削除する、塩基置換やフレームシフト等によって構造遺伝子中にナンセンス変異を与える、或いはクローニングやPCRなどにより単離した目的遺伝子断片中に他のDNA断片を挿入する等の改変を行った後、改変遺伝子を含むDNA断片を、親微生物に取り込ませて、親微生物ゲノムとの間で目的遺伝子の外側の両領域で相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子を削除或いは不活性化した遺伝子断片と置換することが可能である。
【0020】
特に、本発明微生物を構築するための親微生物として枯草菌を用いる場合、相同組換えにより標的遺伝子を削除又は不活性化する方法については、既にいくつかの報告例があり(Mol. Gen. Genet., 223, 268 (1990)等)、こうした方法を繰り返すことによって、本発明の宿主微生物を得ることができる。
また、ランダムな遺伝子の削除又は不活性化についてもランダムにクローニングしたDNA断片を用いて上述の方法と同様な相同組換えを起こさせる方法や、親微生物にγ線等を照射すること等によっても実施可能である。
【0021】
かくして得られたRNAポリメラーゼのσ因子の活性化に関与する遺伝子群から選ばれた1以上の遺伝子を削除又は不活性化した宿主微生物に、目的とするタンパク質又はポリペプチド、すなわち異種(外来)のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入することによって、本発明の組換え微生物を得ることができる。
【0022】
目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子は特に限定されず、洗剤、食品、繊維、飼料、化学品、医療、診断など各種産業用酵素や、生理活性ペプチドなどが含まれる。また、産業用酵素の機能別には、酸化還元酵素 (Oxidoreductase) 、転移酵素 (Transferase) 、加水分解酵素 (Hydrolase) 、脱離酵素 (Lyase)、異性化酵素 (Isomerase) 、合成酵素 (Ligase/Synthetase) 等が含まれるが、好適にはセルラーゼ、α−アミラーゼ、プロテアーゼ等の加水分解酵素の遺伝子が挙げられる。具体的には、多糖加水分解酵素の分類(Biochem. J., 280, 309 (1991))中でファミリー5に属するセルラーゼが挙げられ、中でも微生物由来、特にバチルス属細菌由来のセルラーゼが挙げられる。より具体的な例として、配列番号1又は2で示されるアミノ酸配列を有するバチルス属細菌由来のアルカリセルラーゼや、配列番号1又は2で示されるアミノ酸配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を有する配列のセルラーゼが挙げられる。尚、アミノ酸配列の相同性はLipman−Pearson法 (Science, 227, 1435, (1985))によって計算される。また、α−アミラーゼの具体例としては、微生物由来のα−アミラーゼが挙げられ、特にバチルス属細菌由来の液化型アミラーゼが好ましい。また、プロテアーゼの具体例としては、微生物由来、特にバチルス属細菌由来のセリンプロテアーゼや金属プロテアーゼ等が挙げられる。
【0023】
また、目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子は、その上流に当該遺伝子の転写、翻訳、および分泌に関わる制御領域、即ち、プロモーターおよび転写開始点を含む転写開始制御領域、リボソーム結合部位及び開始コドンを含む翻訳開始領域、又は分泌用シグナルペプチド領域が適正な形で結合されていることが望ましい。例えば、特開2000−210081号公報や特開平4−190793号公報等に記載されているバチルス属細菌由来のセルラーゼ遺伝子、および当該セルラーゼ遺伝子に隣接の上流0.6〜1kb以内の領域から得られる当該領域、より具体的には配列番号1若しくは2で示される塩基配列又はこれらと70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を有するセルラーゼ遺伝子から得られる領域が結合されていることが望ましい。
【0024】
上記の目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子を含むDNA断片と適当なプラスミドベクターを結合た組換えプラスミドを、一般的な形質転換法によって宿主微生物細胞に取り込ませることによって、本発明の組換え微生物を得ることができる。また、当該DNA断片に宿主微生物ゲノムとの適当な相同領域を結合したDNA断片を用い、宿主微生物ゲノムに直接組み込むことによっても本発明の組換え微生物を得ることができる。
【0025】
本発明の組換え微生物を用いた目的タンパク質又はポリペプチドの生産は、当該菌株を同化性の炭素源、窒素源、その他の必須成分を含む培地に接種し、通常の微生物培養法にて培養し、培養終了後、タンパク質又はポリペプチドを採取・精製することにより行えばよい。
【0026】
以上より、目的とする胞子形成関与の遺伝子を削除又は不活性化した宿主微生物、及び当該宿主微生物を用いて組換え微生物を構築することができ、これを用いれば有用なタンパク質又はポリペプチドを効率的に生産することができる。以下に、枯草菌を用いてα−アミラーゼ又はセルラーゼを生産する場合について具体的に説明する。
【0027】
例えば、枯草菌において胞子形成の第II期以降にフォアスポア内で発現するRNAポリメラーゼのσE因子の活性化に関与するコードするspoIIGA遺伝子(930bp)を削除する場合、以下の様に行えばよい。
まず、宿主とする枯草菌株から抽出したゲノム遺伝子を鋳型としてSOE(splicing by overlap extention)−PCR法(Gene, 77, 61, (1989))等により、spoIIGA遺伝子の開始コドンより上流側のDNA断片と終止コドンより下流側のDNA断片が、その間にクロラムフェニコール耐性遺伝子等のマーカー遺伝子を挿入した形で結合したDNA断片を調製する。
【0028】
次に、得られたDNA断片によって宿主枯草菌株をコンピテント法により形質転換し、クロラムフェニコール耐性等を指標として形質転換体を分離することによって、spoIIGA遺伝子の上流側と下流側で相同組換えが起こり、ゲノム上のspoIIGA遺伝子がクロラムフェニコール耐性遺伝子等のマーカー遺伝子と置換した形質転換体を取得することができる。
【0029】
続いて、得られた形質転換体及び対照として元の枯草菌株に、α−アミラーゼ又はセルラーゼをコードする遺伝子が含まれるプラスミドを導入して、得られる組換え体を適当な条件、例えば栄養培地における振とう培養などを行った後、培養液上清液のα−アミラーゼ活性又はセルラーゼ活性を測定し元の宿主枯草菌株の生産性と比較することによって、spoIIGA遺伝子の削除による目的生産物の高生産化を確認することができる。また、この培養液から採取・精製することによって、α−アミラーゼ又はセルラーゼを得ることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1
枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型として増幅した、ゲノム上のspoIIGA遺伝子(塩基番号:1603174→1604103)の上流に隣接する1.5kb断片(A)、及び下流に隣接する1.5kb断片(B)と、プラスミドpC194を鋳型として増幅したクロラムフェニコール耐性遺伝子を含む0.9kb断片(C)を、(A)(B)(C)の順になる様にSOE−PCR法によって結合させ、3.9kbのDNA断片を得た。このDNA断片を用いて、コンピテント法により枯草菌168株の形質転換を行い、クロラムフェニコールを含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。この結果得られた形質転換体ではゲノム上のspoIIGA遺伝子領域(1603174−1604103)が削除され、クロラムフェニコール遺伝子に置換していることをPCR及びシークエンシングにより確認された。一方、上記と同様にして、ゲノム上のspoIIAA遺伝子(2444227−2443874)、spoIIE(70536→73019)遺伝子の大部分を含む領域(70537−73018)、spoIIR遺伝子(3794405−3793731)、spoIIIJ遺伝子(4213816−4213031)、spoIVFB遺伝子(2856100−2855234)が削除され、クロラムフェニコール耐性遺伝子に置換した胞子形成遺伝子削除株をそれぞれ得た。
【0031】
実施例2
実施例1にて得られた各遺伝子削除株と対照として枯草菌168株に、バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−S237株由来のアルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000−210081号公報)断片(3.1kb)がシャトルベクターpHY300PLKのBamHI制限酵素切断点に挿入された組換えプラスミドpHY−S237を、プロトプラスト法によって導入した。これによって得られた菌株を10mLのLB培地で一夜37℃で振盪培養を行い、更にこの培養液0.05mLを50mLの2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン4−5水和物、15ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃で3日間、振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリセルラーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアルカリセルラーゼの量を求めた。この結果、表3に示した様に、胞子形成遺伝子削除株を用いた場合はいずれも、対照の168株(野生型)の場合と比較して高いアルカリセルラーゼの分泌生産が認められた。
【0032】
【表2】
Figure 2004173598
【0033】
【発明の効果】
本発明の微生物を用いれば、胞子が形成されないことから、目的タンパク質又はポリペプチドを生産する場合において、エネルギーロス、副産物の生産や比生産速度の低下等、培地の浪費が大幅に減少でき、また、タンパク質又はポリペプチドの生産期間が長期化することによって効率よく目的生産物を生産することができる。
【0034】
【配列表】
Figure 2004173598
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Claims (9)

  1. 胞子形成第II期、第III期、第IV期又は第V期に特異的に発現するRNAポリメラーゼのσ因子の活性化に関与する遺伝子群から選ばれた1以上の遺伝子を削除又は不活性化した微生物。
  2. 微生物がバチルス属細菌である請求項1記載の微生物。
  3. バチルス属細菌が枯草菌である請求項2記載の微生物。
  4. σ因子が枯草菌のσE、σF、σG及びσKから選ばれるものである請求項3記載の微生物。
  5. 遺伝子が枯草菌のspoIIGA、spoIIAA、spoIIR、spoIIE、spoIIIJ、spoIVFB及びこれらに相当する遺伝子から選ばれるものである請求項4記載の微生物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の微生物に転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌用シグナル領域の下流に結合した異種のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入して得られる組換え微生物。
  7. 転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域が、バチルス属細菌のセルラーゼ遺伝子又は該セルラーゼ遺伝子に隣接の上流0.6〜1kb以内の領域から得られるものである請求項6記載の組換え微生物。
  8. 転写開始制御領域、翻訳開始制御領域又は分泌シグナル領域が、配列番号1若しくは配列番号2で示される塩基配列又はこれらと70%以上の相同性を有するセルラーゼ遺伝子から得られるものである請求項6又は7記載の組換え微生物。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項記載の微生物を用いるタンパク質又はポリペプチドの製造方法。
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