JP2004173505A - 疾患感受性遺伝子の同定方法並びにそれに用いるプログラムおよびシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疾患感受性遺伝子の候補領域内に、該候補領域全体にわたって偏在しない複数のSNPsマーカーを選定し、選定したSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを選択し、先と異なる健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを疾患感受性SNPsマーカーとして特定し、該疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を特定することにより、遺伝子を同定することを含む疾患感受性遺伝子の同定方法並びにそのためのプログラムおよびシステムに関する。
【選択図】 図1
Description
【発明の利用分野】
本発明は、SNPs(一塩基多型)を用いて疾患感受性遺伝子を同定する方法並びにそれに用いるプログラムおよびシステムに関する。
【0002】
【従来技術】
現在、ゲノム解析が進み、疾患と遺伝子の関連について全世界的に研究が進められてきている。疾患に関与する遺伝子を同定することは、その疾患の治療および予防の観点から、重要な意義を有している。
この点、単独の遺伝子による疾患や遺伝子変異が顕著な疾患などに関与する疾患感受性遺伝子については、例えば、健常者と罹患者との遺伝子発現等を比較することなどによって比較的容易に同定することが可能であった。しかし、疾患に複数の遺伝子が関与する場合では、このような遺伝子の同定は相当に困難である(非特許文献1参照)。
従来から、機能的側面または発現情報等から感受性候補遺伝子を設定して疾患との関連の有無を検討する「候補遺伝子アプローチによる関連解析」や、これに連鎖解析で得られた位置情報を加味して候補遺伝子を選出する「Positional Candidate法」などが知られている(非特許文献2および非特許文献3参照)。しかし、候補の選び方は事前既知の機能的情報または発現情報に依存したものであり、本方法を用いるためには、これらの情報を複数の感受性遺伝子について得ている必要がある。したがって、この手法によってこれまで未知であった新たなるシグナルパスウェイに関わる疾患感受性遺伝子または機能未知の疾患感受性遺伝子が同定される可能性はほとんどないといえる。
【0003】
一方、疾患の原因となる遺伝的変異に関するものとして、遺伝的な多型が注目され、特にSNPs(single nucleotide polymorphisms、単一塩基多型)については、その多型と疾患の関係が大きな関心を持って研究されている。SNPsに関する知見は、いくつかのデータベースに蓄積されており、例えば、米国のdbSNPデータベース(NCBI(the National Center for Biotechnology Information)作成のSNPデータベースURL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/index.html)には、重複を除いたユニークな約270万個のSNPsが登録されている。我が国では、東京大学医科学研究所と科学技術振興財団が遺伝子の存在するゲノム領域に焦点を絞り、24人の日本人のゲノムDNAを用いて、約19万個のSNPsを検出し、その内、約78,000SNPsに関して日本人339人(678アレル)から752人(1504アレル)の頻度解析結果が発表されている(非特許文献4および非特許文献5参照)。これらの知見をもとにSNPsと疾患の関係を明らかにする研究が進められている。
【0004】
近年、「ありふれた病気(Common Disease)」に着目し、その疾患感受性遺伝子を同定することが行なわれている。その典型的な例として、ヒト2型糖尿病が挙げられるが、この疾患は多数の関連遺伝子等の遺伝素因および環境素因が共に関与して発症にいたる多因子疾患(Multifactorial Disease)であり、その遺伝学的研究が多数報告されている(非特許文献6、非特許文献7および非特許文献8参照)。
特に、連鎖解析から、民族または人種を超えて繰り返し連鎖している2型糖尿病疾患感受性領域が存在することが明らかになっており、その領域内に各人種に共通な2型糖尿病発症に関する原因変異、即ち共通祖先遺伝子(Common Disease− Common Variant − Common Origin仮説を満たす疾患感受性遺伝子)が存在している可能性が高いと考えられてきた(非特許文献2参照)。
しかし、連鎖解析で得られる疾患感受性領域は広範囲にわたり、その連鎖の原因である「疾患感受性遺伝子の感受性SNPs」と「連鎖解析」との直接の関係を示したのはcalpain−10の1例のみであり(非特許文献9および非特許文献10参照)、それ以外の連鎖解析の報告は、あくまでも「広範囲にわたる疾患感受性領域」を示唆するに過ぎないものであった。
【0005】
2型糖尿病などの「ありふれた病気」について、その罹患者数の点からも重要疾患であるにもかかわらず、疾患感受性遺伝子を見出せない大きな理由としては、前述のように、多因子疾患であり、また多数遺伝子が関与していることが想定されるため、疾患感受性遺伝子の同定が困難であったためである。
そこで、従来にない新しい疾患感受性遺伝子の同定方法、特に「ありふれた病気」のような多数遺伝子の関与することが想定される疾患の疾患感受性遺伝子の同定方法の開発が望まれていた。
【0006】
【非特許文献1】
「ダイアベティス フロンティア(Diabetes Frontier)」、メディカルレビュー社、2002年2月、第12巻、第1号、p.44−49
【非特許文献2】
「クリニカル ジェネティクス(Clinical Genetics)」、2001年10月、第60巻、第4号、p.243−54
【非特許文献3】
「ベスト プラクティス アンド リサーチ クリニカル エンドクリノロジー アンド メタボリズム(Best Practice & Research Clinical Endocrinology & Metabolism)」、2001年7月、第15巻、第3号、p.293−308
【非特許文献4】
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターおよび科学技術振興事業団“JSNP Database”、[online]、2002年10月21日、[2002年11月12日検索]、インターネット<URL : http://snp.ims.u−tokyo.ac.jp/release_notes.html>
【非特許文献5】
「ヌクレイック アシッズ リサーチ(Nucleic Acids Research)」、2002年1月、第30巻、第1号、p.158−162
【非特許文献6】
「アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー−エンドクリノロジー アンド メタボリズム(American Journal of Physiology − Endocrinology and Metabolism)」、2002年8月、第283巻、第2号、E217−25
【非特許文献7】
「クリニカル ジェネティックス(Clinical Genetics)」、2001年10月、第60巻、第4号、p.243−54
【非特許文献8】
「最新医学」、最新医学社、2000年3月、第55巻、第3号、p.316−322
【非特許文献9】
「ネイチャー・ジェネティックス(Nature Genetics)」、(米国)、ネイチャー・アメリカ社(Nature America Inc.)、2000年10月、第26巻、第2号、p.163−175
【非特許文献10】
「埼玉医科大学雑誌」、2002年1月、第29巻、第1号、p.77−84
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、上記従来の問題点を解決し、効率的な疾患感受性遺伝子、特に多因子疾患等の多数遺伝子の関与する疾患の疾患感受性遺伝子の同定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究した結果、SNPsと疾患との関連に着目し、一定のゲノム領域内で、ある程度の間隔を有するようにSNPsをスクリーニングし、そのSNPsを2段階スクリーニングすることによって、疾患感受性遺伝子と連鎖不平衡状態にあるSNPsを効果的に選択することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち本発明は、SNPsマーカーを用いて疾患感受性遺伝子を同定する方法であって、
(1)健常対照者由来の試料を用いて、疾患感受性遺伝子の候補領域内に、該候補領域全体にわたって偏在しない複数のSNPsマーカーを選定する工程、
(2)工程(1)で選定したSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを選択する工程、
(3)工程(2)で選択したSNPsマーカーについて、工程(2)と異なる健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを疾患感受性SNPsマーカーとして特定する工程、
(4)疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を特定することにより、遺伝子を同定する工程、
を含む、前記方法に関する。
【0010】
さらに本発明は、工程(1)のSNPsマーカーの選定を、マーカー密度が、対象候補領域において、10kbあたり1SNP以上になるように行なうことを含む、前記の方法に関する。
また本発明は、工程(1)のSNPsマーカーの選定を、隣接するSNPsマーカー同士の間隔が5kb以上になるように行なうことを含む、前記の方法に関する。
さらに本発明は、工程(1)のSNPsマーカーの選定を、遺伝子頻度を基準に行なうことを含む、前記の方法に関する。
また本発明は、遺伝子頻度の基準が、マイナーアレルの遺伝子頻度で10%以上である、前記の方法に関する。
さらに本発明は、遺伝子頻度の基準が、マイナーアレルの遺伝子頻度で15%以上である、前記の方法に関する。
また本発明は、工程(1)で用いたものと異なる健常対照者由来の試料を用いて、工程(1)を繰り返すことにより、選定したSNPsマーカーを評価することを含む、前記の方法に関する。
さらに本発明は、評価が、ハーディ−ワインベルグ平衡検定によるものである、前記の方法に関する。
【0011】
また本発明は、工程(2)における統計学的処理が、関連解析である、前記の方法に関する。
さらに本発明は、工程(3)における統計学的処理が、関連解析である、前記の方法に関する。
また本発明は、工程(3)の比較における有意水準が、工程(2)の比較における有意水準よりも小さい、前記の方法に関する。
さらに本発明は、工程(2)における関連解析が遺伝子頻度に対するχ2検定であり、有意水準α≦0.10で有意差を示すSNPsマーカーを選択すること、および
工程(3)における関連解析が遺伝子頻度に対するχ2検定であり、有意水準α<0.10で有意差を示すSNPsマーカーを選択すること
を含む、前記の方法に関する。
また本発明は、工程(4)における疾患感受性SNPsマーカーに対する連鎖不平衡解析が、疾患感受性SNPsマーカーおよび工程(1)で選定したSNPsマーカーに対して行なわれることを含む、前記の方法に関する。
さらに本発明は、連鎖不平衡解析が行なわれるSNPsマーカーが、疾患感受性SNPsマーカーを含めて4個以上である、前記の方法に関する。
【0012】
また本発明は、健常対照者由来の試料を用いて、疾患感受性遺伝子の候補領域内に、該候補領域全体にわたって偏在しないように選定した複数のSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを選択し、さらに、選択されたSNPsマーカーについて、異なる健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差
の認められることによって特定される、疾患感受性SNPsマーカーに関する。
さらに本発明は、前記の疾患感受性マーカーに対する連鎖不平衡解析において、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域に存在する1または2以上のSNPsマーカーの各SNPsマーカーを含み、ヒトゲノム上で特異的に認識され得る長さを有するヒトゲノム上のポリヌクレオチドからなる群から選択される1または2以上を含む疾患診断マーカーに関する。
【0013】
また本発明は、ゲノム配列中の配列番号1記載の配列と配列番号2記載の配列により挟まれた塩基がC若しくはGであるポリヌクレオチド、
ゲノム配列中の配列番号3記載の配列と配列番号4記載の配列により挟まれた塩基がA若しくはGであるポリヌクレオチド、および、
ゲノム配列中の配列番号5記載の配列と配列番号6記載の配列により挟まれた塩基がC若しくはTであるであるポリヌクレオチド
からなる群から選択される1または2以上を含む、糖尿病易罹患性診断マーカーに関する。
【0014】
さらに本発明は、以下の工程を含む糖尿病易罹患性診断方法:
(1)検体中のゲノムDNAを抽出する工程、および
(2)抽出したゲノムDNAの配列において、
配列番号1記載の配列と配列番号2記載の配列により挟まれた塩基を検出すること、特にC若しくはGであることを検出すること、
配列番号3記載の配列と配列番号4記載の配列により挟まれた塩基を検出すること、特にA若しくはGであることを検出すること、および
配列番号5記載の配列と配列番号6記載の配列により挟まれた塩基を検出すること、特にC若しくはTであることを検出すること
からなる群から選択される1または2以上を含む工程。
【0015】
また本発明は、(1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力するステップ、
(2)ステップ(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力するステップ、
(3)ステップ(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、ステップ(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定するステップ、
をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
さらに本発明は、(1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力する手段、
(2)手段(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力する手段、
(3)手段(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、手段(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定する手段、
(4)疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を決定する手段、
を含む、疾患感受性遺伝子を同定するための疾患感受性遺伝子同定システムに関する。
【0016】
本発明は、上記構成を採用することによって、疾患感受性遺伝子の存在すると考えられる対象候補領域内に信頼性の高いSNPsマーカーを領域全体に適度な間隔を有しながら、偏在することなく選定することができる。このようにSNPsマーカーを設定することによって、比較的少数のSNPsマーカーに対してだけ解析すればよく、実験等による負担が軽減できる。また、対象候補領域内のどの部分に疾患感受性遺伝子が存在しても、効率的に連鎖不平衡解析による同定が可能となる。さらに、マイナーアレル頻度が比較的高いSNPsを選択することなどによって、サンプルサイズが比較的小さい集団を用いても、SNPsマーカーの設定、疾患感受性マーカーの特定、疾患感受性遺伝子の同定等が行なうことができる。
【0017】
本発明の疾患感受性遺伝子の同定方法は、ゲノム全域を対象に疾患感受性遺伝子を同定することも可能であるが、従来の連鎖解析等による疾患に関連するゲノム領域についての知見を利用し、該ゲノム領域を疾患感受性遺伝子(またはその一部)を含む領域とするのが効果的である。なお、本明細書では、このような領域を対象候補領域(疾患感受性遺伝子の候補領域)という。
ここで、本明細書における「疾患感受性遺伝子」とは、多遺伝子性疾患の疾患に罹りやすい体質を決める複数の遺伝子のことをいう。
また、本明細書における「遺伝子頻度」とは、一つの遺伝子の座位について、集団中に存在する全遺伝子数のうちその対立遺伝子が占める割合をいう。
さらに、本明細書における「連鎖不平衡解析」とは、ゲノム領域における連鎖不平衡の強さの度合いを解析することをいう。実施例では、2つのマーカー間での連鎖不平衡の強さを示す連鎖不平衡係数|D’|を非血縁健常対照者164例のタイピングデータから算出することで連鎖不平衡解析を実施した。
また、本明細書における「マイナーアレル」とは、一つの遺伝子の座位について、2つの対立遺伝子が存在する場合の、遺伝子頻度の低い対立遺伝子(アレル)をいう。
さらに、本明細書における「多型」とは、2つ以上の遺伝的に決定された対立遺伝子がある場合、それらの対立遺伝子を指す。「一塩基多型」とは、単一の核酸の変化によって引き起こされる多型である。多型は選択された集団の1%より大きな頻度、好ましくは、10%以上の頻度で存在する。
【0018】
また、本明細書における「連鎖不平衡」とは、集団における任意の対立遺伝子の組み合わせの頻度について、偶然によって期待されるよりも、より、頻繁に近傍の特定対立遺伝子と出現する関係のことをいう。例えば、遺伝子座Xが対立遺伝子aおよびb(これらは等しい頻度で存在する)を有し、近傍の遺伝子座Yが対立遺伝子cおよびd(これらは等しい頻度で存在する)を有する場合、別の遺伝子多型の組み合わせであるハプロタイプacは、集団において0.25の頻度で存在することが期待される。ハプロタイプacがこうした期待値よりも大きい場合、つまり、acという特定の遺伝子型がより頻繁に出現する場合、対立遺伝子acは連鎖不平衡にあるという。連鎖不平衡は、対立遺伝子の特定の組み合わせの自然選択または、集団に導入された時期が進化的に見て最近であることにより生じたもので、連鎖する対立遺伝子同士が平衡に達していないことから生じ得る。従って、民族や人種などのように、別の集団においては、連鎖不平衡の様式は異なり、ある集団においてacが連鎖不平衡である場合でも、別の集団でadが連鎖不平衡の関係であり得る。連鎖不平衡における多型は、該多型が疾患を引き起こさないにも関わらず、疾患に対する感受性を検出することにおいて有効であり得る。例えば、ある遺伝子座Xの対立遺伝子aが疾患の原因遺伝子要素ではないが、遺伝子座Yの対立遺伝子cとの連鎖不平衡により、疾患感受性を示し得ることがある。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の方法では、対象候補領域について健常対照者の試料からタイピングされたSNPsマーカーを選定する。ここで、本明細書でいう試料とは、ゲノムDNAを含むものであれば特に限定されない。例としては、末梢血などの血液、唾液、汗等の体液、体細胞およびそれを含む組織または器官等が挙げられる。
健常対照者集団および疾患罹患者集団は疾患感受性遺伝子を特定する人種と同じ人種で構成されている必要があり、例えば、日本人の疾患感受性遺伝子を同定するには、対照集団は日本人健常者で構成されている必要がある。SNPsマーカーは、米国のdbSNPデータベース、東京大学医科学研究所および科学技術振興財団によるデータベース(JSNP)などのSNPsに関する各種データベースを用いて選定することも可能である。しかし、同一人種、同一民族など、比較的遺伝的に均質な母集団に対して、正確に遺伝子同定を行なうには、対象候補領域に対し、所望の母集団に属する健常対照者由来の試料に対し、SNPsタイピングすることが好ましい。
【0020】
SNPsタイピングの方法としては、PCR−SSCP、PCR−RFLP、PCR−SSO、PCR−ASP、ダイレクトシークエンス法、SNaPshot、dHPLC、Sniper法、MALDI−TOF/MS法等の当業者に周知の方法(例えば、「ゲノム創薬の最前線」p44−p54、野島 博 編、羊土社、参照)を用いることができるが、特に、Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)を利用し、TaqManシステムを利用したSNPsタイピング法を採用することが効果的である。
本発明の方法では、健常対照者由来の試料について対象候補領域内のSNPsタイピングした結果を基に、遺伝子同定に有用なSNPsを選択するが、選択の指標として、遺伝子頻度を利用するのが望ましい。具体的には、マイナーアレルの遺伝子頻度が10%以上、好ましくは15%以上のSNPsを選択する。このような遺伝子頻度のSNPsを用いることにより、信頼性の高いSNPsマーカーを選定することができる。また、この遺伝子頻度が高いと、30〜50例程度の比較的少ない健常対照者のサンプル数で良好なSNPsマーカーが選定できる。
【0021】
比較的少ないサンプル数で選定したマーカーについては、さらに別途健常対照者の試料を用いて選定したSNPsマーカーと比較することで確認すること、ハーディ−ワインベルグ(Hardy−Weinberg)平衡検定によりサンプリングの妥当性およびアッセイの妥当性を評価することにより、充分に信頼性の高いSNPsマーカーを対象候補領域内に選定することができる。
別途の健常対照者の試料を用いて選定したSNPsマーカーと比較する場合、マイナーアレルの遺伝子頻度を指標に、選定したSNPsマーカーが別途の健常対照者の試料についても重複して選定できるか否かを確認する。
【0022】
また、ハーディ−ワインベルグ(Hardy−Weinberg)平衡検定による評価については、選定したSNPsマーカーについて検定を行なう。
ハーディ−ワインベルグ平衡とは、ゲノム統計学の分野ではよく知られており、遺伝子型のタイピングエラーを評価およびサンプリングの妥当性の評価をする検定である。SNPsなどのように2つの対立遺伝子(例えばCとT)が存在し、集団におけるそれぞれの頻度がpとqのとき(p+q=1)、C/Cホモ、C/Tヘテロ、T/Tホモの遺伝子型頻度はそれぞれp2、2pq、q2となる(p2+2pq+q2=1)。健常対照者集団においてハーディ−ワインベルグ平衡が成立することが望ましいが、ハーディ−ワインベルグ平衡からのずれが統計学的に有意な差をもつものの個数が有意水準(典型的にはα=0.01〜0.05)における予想範囲内であれば、選定したSNPsマーカーが妥当であると評価できる。
【0023】
遺伝子頻度を指標にSNPsマーカーを選定した場合、SNPsマーカーが特定の狭い領域に偏在する場合がある。このような場合、選定した全てのSNPsマーカーを疾患感受性遺伝子の同定に用いると、実験が煩雑になり、また、互いに近傍のSNPsは連鎖不平衡状態にあることも多く効率的ではない。そこで、本発明の方法では、おおよそある程度の間隔をもってSNPsマーカーを選択して選定することが好ましい。このように、ある間隔をもたせて、マーカーの偏在をなくすことによって、対象候補領域全体にわたって網羅的な関連解析を実施することが可能となり、疾患感受性遺伝子の同定を容易にすることができる。このように選定する互いに隣接するSNPsマーカー間の距離は、好ましくは5kb以上であり、特に好ましくは、5kb〜10kbである。この距離が長すぎると、SNPsマーカー間の互いの連鎖不平衡の強さの程度を確認できない領域が生じる可能性がある。また、この距離が短すぎると、互いに強い連鎖不平衡が認められるSNPsが多く、後の連鎖不平衡解析において実験量が増大し効率的でない。
【0024】
対象候補領域全体にわたって網羅的にSNPsマーカーを選定する上で、このSNPsマーカー間距離とは別に、マーカーの対象候補領域内で散らばり具合を、ゲノムの単位距離あたりのマーカーの個数を「マーカー密度」として表現することができる。本発明の方法において選定するSNPsマーカーのマーカー密度は、ゲノム10kbあたり0.5SNP以上、好ましくは1SNP以上、特に好ましくは1SNP〜2SNPsである。
マーカー密度が低すぎると、マーカー間の距離が長すぎ、SNPsマーカー間の連鎖不平衡の強さの程度を確認できない領域が生じる可能性があり、マーカー密度が高すぎると、マーカーが過密に選定され、遺伝子を同定する場合に実験量が多くなり効率的ではなくなる。
【0025】
本発明の方法は、上記の通り、対象候補領域内に偏在することなく、ある間隔をあけて選定したSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団の間で観察される遺伝子頻度の比較を行うことにより、疾患とSNPsマーカーの関連解析を行ない疾患に関連するSNPsを選択する。
関連解析は、典型的には、各SNPsマーカーの遺伝子頻度を罹患者集団と健常対照者集団とで比較し、頻度の差が統計学的に有意なものであるか否かについてχ2検定(統計学入門−基礎統計学I,東京大学教養学部統計学教室編、東大出版会、参照)することによるが、各SNPsマーカーについての遺伝子型頻度、対立遺伝子陽性率での頻度によっても行うことができる。また、χ2検定以外にも、罹患者集団と健常対照者集団とで比較すること、即ち、それについて複数集団に分けられる疾患等の表現形質と遺伝子多型の関連を検定することが可能であれば、他の周知の統計学的処理によって行なうことができる。
本発明の方法においては、罹患者集団と健常対照者集団のそれぞれについて同一母集団由来の異なるサンプリング集団で関連解析を行なう。最初(1次)の関連解析では有意水準を緩くすることで検出力を上げ、偽陽性検出も含めて幅広く検出し、引き続いて実施される第2次関連解析については1次解析で選択されたマーカーSNPsのみを対象に通常の有意水準で疾患感受性SNPsを検出し特定する。2次解析には1次解析で選択されたマーカーSNPsのみを対象とすることにより多重検定による偽陽性率の増加を効果的に抑えられる。
【0026】
より具体的には次のように行なう(遺伝子頻度と疾患の独立性を検定するχ2検定の場合)。
まず、罹患者集団D1と健常対照者集団H1とから得られたそれぞれの試料について、対象候補領域内に選定したSNPsマーカーに対する関連解析(遺伝子頻度と疾患の独立性を検定するχ2検定)を行なう。D1とH1との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差を示すSNPs、好ましくは有意水準α≦0.10で有意差を示すSNPs(P<0.10)、さらに好ましくは、有意水準α≦0.07で有意差を示すSNPs(P<0.07)を、疾患感受性SNPsの候補SNPsとして選択する。
またP値について、P値が大きければ疾患との関連性が低く、小さければ関連性が高いことを示す。しかし、候補SNPsを選択する場合に、P値のあまりに小さいものだけを選択すると、疾患感受性SNPsマーカーの検出力を著しく低下させ、候補SNPsの数が少なくなりすぎる危険がある。この段階での候補SNPsの選択は、疾患感受性を示す可能性のあるマーカーSNPsを統計学的偽陽性によって検出されたものも含めて幅広く拾い上げることである。
【0027】
次に、この選択された候補SNPsについて、先の集団D1および集団H1とは異なる罹患者集団D2および健常対照者集団H2に由来する試料を用いて、関連解析を行なう。この関連解析は、先の関連解析と完全に独立して行なわれることが好ましいが、集団D2のサンプル数が集団D1のサンプル数よりも大きければ、完全に独立していなくても行なうことも可能である。また、集団H2のサンプル数は、集団H1のサンプル数よりも大きいことが好ましい。
集団D2と集団H2についての関連解析(遺伝子頻度と疾患の独立性を検定するχ2検定)は、集団D1と集団H1についての関連解析の結果得られた候補SNPsに対して行なう。ここで、D2とH2との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差を示すSNPsを疾患感受性SNPsマーカーとして特定する。
このように2つの関連解析を独立して行ない、先に候補SNPsを穏やかな条件で選択し、後に厳しい条件で疾患感受性SNPsマーカーを特定することで、2回の検定で連続して関連が検出されたより確実性の高いSNPsマーカーだけを特定でき、1次解析において偽陽性として検出されてきたSNPs群は2次解析において排除することができる。
ここで、「穏やかな条件」および「厳しい条件」とは、独立に行なった2つの関連解析の相対的な条件である。例えば、先の関連解析の有意水準の値α1と、後の関連解析の有意水準の値α2を比較して、α1>α2であれば、先の関連解析が「穏やかな条件」で行なわれ、後の関連解析が「厳しい条件」で行なわれたことを示す。一般に、有意水準はα=1×10−3、α=1×10−4など小さければ小さいほど信頼性の高いSNPsマーカーを選択することができるが、α1>α2の条件下で、先の関連解析の有意水準をα1≦0.10、好ましくはα1≦0.07、さらに好ましくはα1≦0.05である定数に定め、後の関連解析の有意水準をα2<0.10、α2≦0.05、さらに好ましくはα2≦0.01である定数とすることによって本発明の目的を達成することができる。
【0028】
さらに、特定された疾患感受性SNPsマーカーを用いて、連鎖不平衡解析により疾患感受性遺伝子を同定する。
連鎖不平衡解析は、当業者に周知の方法であって、従来行なわれている各種の連鎖不平衡解析(例えば、「ポストゲノム時代の遺伝統計学」、p183−p201、鎌谷直之編、羊土社、参照)で行なうことができる。連鎖不平衡解析を行なうにあたり、例えば、SNP疾患関連解析ソフト「SNPAlyze ver. 2.1」(株式会社ダイナコム製)などの市販のプログラムを用いることができる。より具体的には、EM法による連鎖不平衡解析により、連鎖不平衡係数|D’|(pair−wise LD coefficient)を算出して解析することができる。連鎖不平衡解析に用いるSNPsマーカーは、特定した疾患感受性SNPsマーカーとその近傍にある他のマーカーについて行なうが、先に対象候補領域内に選定したSNPsマーカーについて行なうことが好ましい。用いるマーカーの個数は、疾患感受性SNPsマーカーを含めて、4SNPs以上、好ましくは20SNPs以上、特に好ましくは32SNPs以上を含む一連のSNPsマーカー群に対して行なう。
【0029】
該SNPsマーカー群のマーカー数は、同定する疾患感受性遺伝子と関連するハプロタイプブロック(連鎖不平衡ブロック)を形成する領域の大きさによって、適宜、変更することができる。また、予めブロックの切れ目が予想されている場合は、そのブロックをはさんで6SNPs程度で行なうことも可能である。さらに、はじめに疾患感受性SNPsマーカーをはさみ両側に5SNPsの合計11SNPsに対して連鎖不平衡解析を行ない、必要に応じて、解析するマーカー数を増やしていってもよい。
【0030】
連鎖不平衡解析の結果、対象候補領域内でSNPsの連鎖している領域(互いに強い連鎖不平衡が認められるSNPsマーカー群を含むハプロタイプブロック)を特定する。ハプロタイプブロックの特定は、連鎖不平衡の強度により、当業者が適宜なすことができるが、例えば、ガブリエルらの報告(Gabriel SB et al., Science 296 (5576):2225−9 (2002))に準じて行なうことができる。即ち、「ハプロタイプブロック」を、ほとんど歴史的組み換えが認められないゲノムを分割する範囲であって、その範囲内では強い連鎖不平衡が存在する領域とし、ここで「強い連鎖不平衡」とは、|D’|の95%信頼区間上限が0.98を超え、95%信頼区間下限が0.7より上である状態をいい、「強い歴史的組み換えの証拠がある」とは、|D’|の95%信頼区間上限が0.9未満である状態をいうことができる。
【0031】
本明細書では、特に、選定されたSNPsマーカーについて全ての2SNPs間の組み合わせについて連鎖不平衡係数|D’|を算出し、|D’|>0.9を示した組み合わせを選択し、そのうち、もっとも遠いSNPsで挟まれる領域を含む一連の領域をハプロタイプブロックと考え、ハプロタイプブロックの外の連続する3SNPsは、ハプロタイプブロック内のSNPとは、いずれの組み合わせでも|D’|は0.9以下であることを確認できた領域とする。
ハプロタイプブロックが特定されれば、例えば、その領域について、ゲノムに関するデータベース等を利用し、注目するハプロタイプブロックに存在する遺伝子を特定することができる。なお、データベースを利用しない場合でも、ハプロタイプブロック領域内に存在するSNPsマーカー近傍の塩基配列を常法により決定し、その塩基配列から遺伝子を特定することも可能である。
本発明者らは、上記の疾患関連遺伝子の同定方法により、3つのヒト2型糖尿病感受性遺伝子を同定することに成功した。
また本発明には、疾患感受性マーカーに対する連鎖不平衡解析において、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域(ハプロタイプブロック)に存在する1または2以上のSNPsマーカーの各SNPsマーカーを含むヒトゲノム上で特異的に認識され得る長さを有するポリヌクレオチドからなる群から選択される1または2以上を含む疾患診断マーカーも含まれる。該マーカーは、ヒトゲノム上で特異的に認識され得る長さであればよく、例えば、10塩基長以上、好ましくは20塩基長以上である。従って、必要に応じ、SNPsマーカーを中心として51塩基(両側各25塩基ずつ)、201塩基(両側各100塩基ずつ)、601塩基(両側各300塩基ずつ)などとすることができる。
【0032】
本発明には,糖尿病易罹患性診断マーカーおよび診断方法も含まれる。
糖尿病易罹患性診断マーカーとしては、例えば、以下が挙げられる:
NCBIアクセッション番号NT_019546(バージョンNT_019546.12)で示される配列中の843215番目の塩基、すなわち、SYT1ゲノム配列中の配列番号1に記載の配列と配列番号2に記載の配列により挟まれた塩基(以下、SNP260という)がC若しくはGであるポリヌクレオチド、
NCBIアクセッション番号NT_019546(バージョンNT_019546.12)で示される配列中の845590番目の塩基、すなわち、配列番号3に記載の配列と配列番号4に記載の配列により挟まれた塩基(以下、SNP262という)がA若しくはGであるポリヌクレオチド、または、
NCBIアクセッション番号NT_009575(バージョンNT_009575.12)で示される配列中の7573番目の塩基、すなわち、ゲノム配列中配列番号5に記載の配列と配列番号6に記載の配列により挟まれた塩基(以下、SNP488という)がC若しくはTであるポリヌクレオチドからなる糖尿病易罹患性診断マーカー。
【0033】
糖尿病易罹患性診断方法は、以下の工程を含む限り、特に限定されるものではない:
(1)検体中のゲノムDNAを抽出する工程、および
(2)抽出したゲノムDNAの配列において、
NCBIアクセッション番号NT_019546(バージョンNT_019546.12)で示される配列中の843215番目の塩基、すなわち、SYT1ゲノム配列中の配列番号1記載の配列と配列番号2記載の配列により挟まれた塩基(SNP260)を検出すること、好ましくはSNP260がC若しくはGであることを検出すること、
NCBIアクセッション番号NT_019546(バージョンNT_019546.12)で示される配列中の845590番目の塩基、すなわち、配列番号3記載の配列と配列番号4記載の配列により挟まれた塩基(SNP262)を検出すること、好ましくはSNP262がA若しくはGであることを検出すること、および、
NCBIアクセッション番号NT_009575(バージョンNT_009575.12)で示される配列中の7573番目の塩基、すなわち、ゲノム配列中配列番号5記載の配列と配列番号6記載の配列により挟まれた塩基(SNP488)を検出すること、好ましくはSNP488がC若しくはTであること
からなる群から選択される1または2以上を含む工程。
【0034】
ここで、SNP260がCである場合、SNP262がAである場合、またはSNP488がCである場合、糖尿病に罹患しやすく、SNP260がGである場合、SNP262がGである場合、またはSNP488がTである場合、糖尿病に罹患しにくいと診断することができる。
なお、SNP262のタイピングには、Assays−on−Demand(登録商標)の商品番号C_____36615_10のプライマーおよびプローブを用いることができ、SNP488のタイピングにはAssays−on−Demand(登録商標)の商品番号C___3188143_10のプライマーおよびプローブを用いることができる。
また、SNP260のタイピングには、配列番号11に記載のヌクレオチドを順方向プラーマー、配列番号12に記載のヌクレオチドを逆方向プライマー、配列番号13に記載のヌクレオチドをVICプローブ、配列番号14に記載のヌクレオチドをFAMプローブとして用い、Assays−on−Demand(登録商標)と同様のプロトコールによって行なうことができる。
【0035】
ゲノムDNAを抽出する方法および該当塩基を検出する方法は、公知の方法(Bruce, B et al.: Genome Analysis/A laboratory Manual(vol. 4), Cold Spring Harbor Laboratory, NY., 1999等)を用いることができる。該当塩基を検出する方法としては、例えば、該当領域の遺伝子配列を直接決定する方法の他に、多型配列が制限酵素認識部位である場合は、制限酵素切断パターンの相違を利用して、遺伝子型を決定する方法(以下、RFLPという)、多型特異的なプローブを用いハイブリダイゼーションを基本とする方法(例えば、チップやガラススライド、ナイロン膜上に特定なプローブを張り付け、それらのプローブに対するハイブリダイゼーション強度の差を検出することによって、多型の種類を決定する、または、特異的なプローブのハイブリダイゼーションの効率を、鋳型2本鎖増幅時にポリメレースが分解するプローブの量を検出することにより遺伝子型を特定する方法、ある種の2本鎖特異的な蛍光色素が発する蛍光を温度変化を追うことにより2本鎖融解の温度差を検出し、これにより多型を特定する方法、多型部位特異的なオリゴプローブの両端に相補的な配列を付け、温度によって該当プローブが自己分子内で2次構造をつくるか、ターゲット領域にハイブリダイズするかの差を利用して遺伝子型を特定する方法など)がある。また、さらに鋳型特異的なプライマーからポリメレースによって塩基伸長反応を行わせ、その際に多型部位に取り込まれる塩基を特定する方法(ダイデオキシヌクレオタイドを用い、それぞれを蛍光標識し、それぞれの蛍光を検出する方法、取り込まれたダイデオキシヌクレオタイドをマススペクトロメトリーにより検出する方法)、さらに鋳型特異的なプライマーに続いて変異部位に相補的な塩基対または非相補的な塩基対の有無を酵素によって認識させる方法などがある。
【0036】
これらの基本的な検出法はBruce, B et al.: Genome Analysis/A laboratory Manual(vol. 4), Cold Spring Harbor Laboratory, NY., 1999など公知の方法に従えば、実施可能であるが、多型遺伝子型決定方法に関しては、現在様々な方法が開発されており、ここで述べたものに限定されるわけではない。
配列番号8または10で示されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、好ましくは、配列番号7または9で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドは、前記遺伝子配列を直接決定する方法を用いる際に、決定すべき遺伝子配列を取り出すために有用である。
【0037】
本発明には、糖尿病治療剤のスクリーニングツールおよびスクリーニング方法も含まれる。
SYT1(NCBIアクセッション番号NP_005630(バージョンNP_005630.1:配列番号8)、およびSTATI2(NCBIアクセッション番号NP_003868(バージョンNP_003868.1:配列番号10)は、糖尿病治療剤のスクリーニングツールとしても有用である。
配列番号8または10記載の配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、配列番号7または9記載の配列からなるポリヌクレオチドの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた方法、(b)常法の遺伝子工学的手法(すなわち、cDNAライブラリーで形質転換した形質転換株から、所望のcDNAを含む形質転換株を選択する方法)を用いる方法、または(c)化学合成法などを挙げることができる。次いで、単離されたポリヌクレオチドを、適当なベクターDNAに再び組込むことにより、真核生物または原核生物の宿主細胞をトランスフェクションすることができる。また、これらのベクターに適当なプロモーターおよび形質発現にかかわる配列を導入することにより、それぞれの宿主細胞においてポリヌクレオチドを発現させることが可能である。前記細胞は、常法(例えば、日本生化学会編,「新生化学実験講座18 細胞培養技術」,東京化学同人,1990)に従って培養することができ、前記培養により細胞内または細胞表面に前記ポリペプチドが生産される。これらの方法は公知であり、例えば、Maniatis,T.ら,“Molecular Cloning−A Laboratory Manual”, Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1982、WO2002−52000等に記載の方法に従って製造できる。
【0038】
糖尿病治療剤スクリーニングツールには、ポリペプチド型スクリーニングツールと細胞型スクリーニングツールが含まれる。
1)ポリペプチド型糖尿病治療剤スクリーニングツール
本発明のポリペプチド型糖尿病治療剤スクリーニングツールとして用いることのできるポリペプチドとしては、例えば、
(1)配列番号8または10で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)配列番号8または10で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、膵β細胞において活性化されることにより、前記膵β細胞からのインスリン分泌を促進する活性を示すポリペプチド(以下、機能的等価改変体と称する);および
(3)配列番号8または10で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上(好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、更に好ましくは99%以上)であるアミノ酸配列を有し、(a)膵β細胞において活性化されることにより、前記膵β細胞からのインスリン分泌を促進する活性を示すポリペプチド(以下、相同ポリペプチドと称する)
を挙げることができる。以下、本発明のポリペプチド型糖尿病治療剤スクリーニングツールとして用いることのできるこれらの各種ポリペプチドを、総称して、スクリーニングツール用ポリペプチドと称する。
【0039】
なお、本明細書における前記「相同性」とは、BLAST(Basic local alignment search tool;Altschul,S.F.ら,J.Mol.Biol.,215,403−410,1990)により得られた値を意味し、アミノ酸配列の相同性は、BLAST検索アルゴリズムを用いて決定することができる。具体的には、BLASTパッケージ(sgi32bit版,バージョン2.0.12;NCBIより入手)のbl2seqプログラム(Tatiana A.TatusovaおよびThomas L.Madden,FEMS Microbiol.Lett.,174,247−250,1999)を用い、デフォルトパラメーターに従って算出することができる。ペアワイズ・アラインメント・パラメーターとして、プログラム名「blastp」を使用し、Gap挿入Cost値を「0」で、Gap伸長Cost値を「0」で、Query配列のフィルターとして「SEG」を、Matrixとして「BLOSUM62」をそれぞれ使用する。
【0040】
本明細書において、或るポリペプチドが「膵β細胞において活性化されることにより、前記膵β細胞からのインスリン分泌を促進する活性」を示すか否かは、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法により確認することができる。すなわち、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターと、前記ポリヌクレオチドを含まないコントロール用発現ベクターとで、それぞれ、膵β細胞を形質転換し、所定日数(例えば、2または3日間)が経過した後、所定濃度のグルコースを含有する緩衝液に置換して更に所定時間(例えば、数時間)インキュベートし、前記緩衝液(すなわち、培養上清)中のインスリン分泌量をそれぞれ測定する。コントロール用発現ベクターで形質転換した細胞(コントロール細胞)における培養上清中のインスリン分泌量に比べて、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターで形質転換した細胞(試験細胞)における培養上清中のインスリン分泌量が上昇していれば、前記ポリペプチドが「膵β細胞において活性化されることにより、前記膵β細胞からのインスリン分泌を促進する活性」を示すと判定することができる。コントロール細胞に対し試験細胞で有意にインスリン分泌量が上昇しているかは、スチューデントのt検定で判定する。試験細胞でインスリン分泌量が上昇しており、コントロール細胞に対する有意差が、p<0.05、好ましくはp<0.01である時、有意にインスリン分泌量が上昇していると判断する。好ましくは、WO2002/44362における実施例5に記載の方法に従って実施できる。
【0041】
機能的等価改変体若しくは相同ポリペプチドは、配列番号8または10で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列(例えば、配列表の配列番号7または9で表される塩基配列)の情報を基にして、ハイブリダイゼーション法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、または部位特異的突然変異誘発法(site−specific mutagenesis;Mark,D.F.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,5662−5666,1984)等公知の方法によりポリヌクレオチドを取得し、そのポリヌクレオチドを適当な発現系を用いて発現させ、発現したポリペプチドが、インスリン分泌促進活性を示すことを確認することにより、取得することができる。なお、遺伝子組換え技術については、特に断りがない場合、公知の方法(例えば、Maniatis,T.ら,“Molecular Cloning−A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1982、およびWO2002/44362等)に従って実施することが可能である。
【0042】
2)細胞型糖尿病治療剤スクリーニングツール
本発明の細胞型スクリーニングツールとして用いることのできる細胞(以下、スクリーニングツール用細胞と称する)は、細胞型スクリーニングツールとして用いる際に前記スクリーニングツール用ポリペプチドを発現している限り、特に限定されるものではなく、外来遺伝子で形質転換することにより、人為的に前記ポリペプチドを発現させた形質転換細胞であることもできるし、または、スクリーニングツール用ポリペプチドを発現している天然の細胞またはその細胞株であることもできる。例えば、
(1)配列番号8または10で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)機能的等価改変体;または
(3)相同ポリペプチド
を発現している細胞を挙げることができる。スクリーニングツール用細胞としては、形質転換細胞がより好ましい。
【0043】
本発明には、糖尿病治療剤スクリーニング方法も含まれる。
本発明のスクリーニングツールを用いると、スクリーニングツール用ポリペプチドを活性化する物質(すなわち、アゴニスト)をスクリーニングすることができる。スクリーニングツール用ポリペプチドを活性化する物質は、膵β細胞からのインスリン分泌を促進することのできるインスリン分泌促進剤の有効成分として、更には、糖尿病治療剤の有効成分として有用である。
本発明の糖尿病治療剤(特にはインスリン分泌促進剤)スクリーニング方法は、受容体として機能するようにスクリーニングツール用ポリペプチドを発現している細胞またはその細胞膜と試験化合物とを接触させる工程、および前記ポリペプチドが活性化されるか否かを分析する工程を含む限り、特に限定されるものではない。
【0044】
本発明の疾患感受性遺伝子の同定方法は、適宜、プログラムによりコンピュータに実行させることができる。
このようなプログラムは、典型的には、
(1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力するステップ、
(2)ステップ(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力するステップ、
(3)ステップ(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、ステップ(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定するステップ、
をコンピュータに実行させるものであり、この結果として疾患感受性SNPsマーカーの同定方法が実行される。なお、プログラムは全体として、上記3つの段階を行なえばよい。
プログラムは、さらに疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で疾患感受性SNPsマーカーを含めて強い連鎖不平衡が認められる領域を決定するステップを含むことができる。また、各ステップは市販のプログラムを適宜利用することができる。
次に、プログラムの各3つの段階を説明する。
【0045】
(1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力するステップ
このステップは、健常対照者由来の試料を用いて実験的に解析し、用いた試料の数、疾患感受性遺伝子の候補領域内のSNPsのゲノム上の位置情報、塩基情報等(塩基データ)を含む実験情報(試料データ)を入力すると、その入力データから、SNPsの遺伝子頻度(例えば、試料の数、塩基情報により算出される)についての任意の基準によって(例えば、遺伝子頻度が10%以上)、SNPsを選択することを実現する。このとき、位置情報により、ゲノム上の適宜決定される任意の間隔があいているものを選択することを基準として、偏在するものはその中の1つを選ぶなど、偏在しないようにマーカーを選定する。ここで、コンピュータには、既知のゲノム情報、既知のSNPs情報が記録されている。
【0046】
(2)ステップ(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力するステップ
このステップは、健常対照者集団の疾患感受性遺伝子の候補領域内のSNPsのゲノム上の位置情報、塩基情報等(塩基データ)を含む実験情報と、罹患者集団の疾患感受性遺伝子の候補領域内のSNPsのゲノム上の位置情報、塩基情報等(塩基データ)を含む実験情報とを入力すると、その入力データから、健常対照者集団と罹患者集団との間で観察される頻度の比較および検定を行い、頻度差が統計学的に有意なものであるかどうかを判定する。典型的にはχ2検定により疾患と遺伝子多型の独立性の検定を行うことで疾患と遺伝子多型の関連の有無を判定する。なお、ここで入力された健常対照者集団の実験情報は、ステップ(1)で入力されたものでも、本ステップで新たにステップ(1)とは異なる健常対照者集団についての実験情報であってもよい。
P値等を基準に、健常対照者と罹患者との間で有意な差があるものについて、選択し、次のステップの基準となるマーカーを選択する。
【0047】
(3)ステップ(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、ステップ(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定するステップ
このステップは、ステップ(2)と試料が異なる以外は同様のステップである。
ただし、ステップ(2)で用いた統計学的処理を用いずに、別の統計学的処理であってよく、その検定法において採用される有意水準についても、別の基準であってよいが、(2)よりも統計学的に厳しい基準であることが好ましい。
結果的にこのステップで、ステップ(2)で選択されたSNPsマーカーが、さらに選別され、疾患感受性SNPsマーカーとして特定されることとなる。
【0048】
本発明のプログラムは、これら3つのステップの他に、(4)疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を決定するステップを含んでもよい。
このステップは、ステップ(3)で特定した疾患感受性SNPsマーカーについて連鎖不平衡解析を行なう。健常対照者および罹患者の試料の数と塩基配列の情報から、疾患感受性SNPsマーカーと、それぞれの近傍のSNPsマーカーとの連鎖不平衡の強さの程度について、それぞれの2SNPs間の連鎖不平衡係数|D’|を算出する。そして、ある値の連鎖不平衡係数|D’|を予め強く連鎖不平衡が認められるのか否かの基準として決めておき、その算出した値と基準値とを比較することで、対象候補領域内で強い連鎖不平衡が認められる領域を特定する。そして、この特定された領域内にある遺伝子について、既知のゲノム情報をもとに同定する。各ステップの入力は、テンキー、キーボード、マウス、各種記録媒体、ネットワーク等を介するなど、従来用いられている方法で行ない、出力は、ディスプレイへの表示、プリントアウト、各種記録媒体への書き出し等の従来用いられている方法で行なうことができる。
【0049】
さらに、本発明の方法は、適宜、各工程を実行する手段で構成されるシステムによっても実行可能である。
このようなシステムは、典型的には、
(1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力する手段、
(2)手段(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力する手段、
(3)手段(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、手段(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定する手段、
(4)疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を決定する手段、
を含む構成であり、各手段を統合的に協働させることにより疾患感受性遺伝子を同定することができる。
【0050】
これは、プログラムの各ステップを、一体としたコンピュータではなく、典型的には、インターネット上のデータベース等を利用し、システム全体により、疾患感受性遺伝子の同定方法を実現するものである。各ステップで利用可能なデータベース等については、上述の同定方法に用いたものを含む。
なお、システムにおいて、手段(2)と手段(3)は、試料が異なるだけで、統計学的処理が共通する場合は、同じ手段であってもよい。
上記各手段は、通常、コンピュータなどで構成されており、ネットワークインターフェース、制御手段としての中央演算装置(CPU)、RAMなどのメモリー、ハードディスクドライブ(HDD)、表示装置、テンキーやキーボードやマウスや補助記録装置などからなる入力装置などを具備している。
【0051】
以下に、本発明のプログラムの好適な実施の形態を図7のフローチャートに基づき説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のプログラムを実行するためには、入力手段、記憶領域、演算手段、出力(表示)手段が備えられたコンピュータが必要である。記憶領域には、図3〜6に示すように、試料を特定するための個人識別番号、SNPsマーカーを特定するための番号および各試料から得られたSNPsマーカーにおける塩基データを入力可能なようにテーブルが記憶されている。
【0052】
ステップ1
プログラムの利用者は、複数の健常対照者の塩基データを含む健常対照者由来の試料データを図3のテーブルに従って入力する。即ち、各試料の由来である健常対照者をその個人識別番号(例えば、a01〜a50)に対応させ、SNPs位置に対応させた番号(SNPs番号;例えば、図3中、001、002、…等)の塩基データ(A、T、C、G等)を入力する。
ステップ2〜4
コンピュータは、この入力データを図3に基づき記憶領域に記憶し、SNPsにおける遺伝子頻度を算出するために用いる。コンピュータは、算出した値を、予め記憶領域に記憶された設定値(選定用設定値)と比較し、設定値以上の値を示したSNPsを選定し、これに対応するSNPs番号を表示する。
【0053】
ステップ5
利用者は、表示されたSNPs番号(例えば、図4中、002、016、050、…等)に従って、そのSNPsについて、複数の罹患者(例えば、b01〜b50)から得た塩基データを入力する。
ステップ6〜8
コンピュータは、この入力データを図4のテーブルに基づき記憶領域に記憶し、健常対照者の塩基データと罹患者の塩基データとの間を統計学的処理により比較するために用いる。このとき健常対照者の塩基データは、先に入力済の図3のデータを用いても、別途、実験により得られた図4と同様のデータを用いてもよい。
コンピュータは、演算手段により、健常対照者の塩基データと罹患者の塩基データとの間を統計学的処理し、有意な差を示すものを選択されたSNPsマーカー(例えば、図5中、002、050、…等)として表示する。
【0054】
ステップ9
利用者は、表示された前記選択されたSNPsマーカーについて、先に用いたのと異なる複数の健常対照者(例えば、c01〜c100)と複数の罹患者(例えば、d01〜d100)とのそれぞれについて塩基データを入力する。
ステップ10〜12
コンピュータは、これら入力データを図5および図6のそれぞれのテーブルに基づき記憶領域に記憶し、健常対照者の塩基データと罹患者の塩基データとの間を統計学的処理により比較するために用いられる。
演算手段により、健常対照者の塩基データと罹患者の塩基データとの間を統計学的処理し、有意な差を示すものを疾患感受性SNPsマーカーとして表示する。
以下に、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0055】
【実施例】
実施例1 ヒト2型糖尿病遺伝子の同定
1.対象候補領域の決定
ヒト2型糖尿病は、従来から熱心に研究がされており、特にその連鎖解析は多数報告されている(Bektas A et al., Diabetes 48(11):2246−51 (1999); Bektas A et al., Diabetes 50(1):204−8 (2001); Pratley RE et al., J Clin Invest 101(8):1757−64 (1998); Ehm MG et al., Am J Hum Genet 66(6):1871−81 (2000); Wiltshire S et al. Am J Hum Genet 69(3):553−69 (2001))。これらの報告から、ヒト12番染色体の12q15−12q22(STSマーカーD12S375およびD12S362で挟まれる領域;約27Mb)が、複数人種で連鎖が示唆される疾患感受性領域が存在するという予測を得た。従って、この領域をヒト2型糖尿病遺伝子の対象候補領域として決定した。この対象候補領域には、複数人種で連鎖が示唆されていることから、各人種共通な2型糖尿病発症に関する原因となる多型が存在している可能性が高いと考えられた。
【0056】
2.試料
日本人非血縁2型糖尿病患者および日本人非血縁健常対照者から末梢血を採取し、常法により、全ゲノムDNAを抽出したものを試料とした。
【0057】
3.日本人非血縁健常対照者についてのSNPsタイピング
日本人非血縁健常対照者由来の試料46例について、対象候補領域に対してSNPsタイピングを行なった。
SNPsタイピングは、一部Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)を利用し、TaqMan法により行なった。また、Dual384−well GeneAmp(登録商標)PCR System 9700(アプライドシステムズ製)およびABI PRISM(登録商標)7900HT Sequence Detection System(アプライドシステムズ製)の機器を用いた。
なお、反応条件は、ABI PRISM(登録商標)7900HTに添付の説明書に従った。即ち、反応系組成(表1)およびPCR条件(表2)は次のとおりである。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
SNPsタイピングの結果、対象候補領域内に、マイナーアレルの遺伝子頻度が15%以上である616個の日本人共通SNPs(Common SNPs)マーカーを選定することができた。この616SNPsは、対象候補領域内に広く分散し、およそ10kbあたり1SNPの割合で分布していた。
【0061】
4.選定したSNPsマーカーの評価
(A)サンプル数を増加させることによる評価
別途用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料164例に対して、上記と同様にSNPsタイピングを行なった。
対象候補領域内に、マイナーアレルの遺伝子頻度が15%以上のものとして、先に得られた616SNPsと重複する588SNPsが得られた。
差の28SNPsは偽陽性の可能性があるが、これは616SNPsの4.5%に過ぎず、95.5%にあたる588SNPsが得られたことから、先の46例によるSNPsタイピングによっても、充分な結果が得られていたことが明らかになった。
【0062】
(B)ハーディ−ワインベルグ平衡による検定
先に得られた616SNPsのうち、日本人非血縁健常対照者由来の試料164例での統計学的に有意にハーディワインバーグ平衡からずれていると判定されたものは、有意水準α=0.01で7SNPs(全体の1.1%)、有意水準α=0.05で28SNPs(全体の4.5%)であった。
この結果から、ハーディ−ワインベルグ平衡からのずれは予想範囲内のずれであり、サンプリングの妥当性、SNPsタイピングの妥当性が確認された。
【0063】
5.関連解析(第1ステージ)
先に得られた616SNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の試料164例および日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料164例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった。
健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.01で4SNPs(全体の0.64%)、有意水準α=0.05で19SNPs(全体の3.1%)であった。
これらのSNPsを含め、P値が0.10未満を示した40SNPs(6.5%)について次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。
【0064】
対象候補SNPsとなった40SNPsについて表3に示す。
なお、各SNPsのタイピングは、Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)を利用したり、dbSNPデータベース等を用いて、当該SNPsの周辺配列を知り、適宜、プライマー等を設計し、常法により行なうことができる。なお、表中に、一部利用したAssays−on−Demand(登録商標)の商品番号、並びに利用可能なdbSNP−IDまたはPublic Human Genome Draft(2002年6月版;UCSC Genome Bioinformatics Site, URL http://genome.ucsc.edu/)によるヒトゲノム上の位置(ヒトゲノム第12番染色体の短腕の末端からの位置)を示した。
【0065】
【表3】
【0066】
6.関連解析(第2ステージ)
対象候補SNPsとした40SNPsについて、上記5で用いた試料と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料262例および日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料204例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった。
40SNPsのうち、有意水準α=0.05で3SNPs(SNP260、SNP262、SNP488)についてヒト2型糖尿病との関連が検出された(表4および表5)。また、これら3SNPsは、ハーディ−ワインベルグ平衡状態を満たし、ヒト2型糖尿病との関連が確かめられた。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
6.連鎖不平衡解析
3つの疾患感受性SNPsマーカー(SNP260、SNP262、SNP488)について、その近傍にあるSNPsとともに連鎖不平衡解析を行なった。
解析対象サンプルとして、日本人非血縁健常対照者由来の試料164例を用い、解析対象SNPsとしては、疾患感受性SNPsマーカーおよびその近傍のSNPsマーカーについて行なった。また、解析には、SNP疾患関連解析ソフト「SNPAlyze ver. 2.1」(株式会社ダイナコム製)を用い、一部EM法を利用した連鎖不平衡解析により、それぞれの2SNPs間の連鎖不平衡係数|D’|(pair−wise LD coefficient)を算出して解析した。
【0070】
(1)SNP260およびSNP262近傍での連鎖不平衡解析
解析対象SNPsをSNP247〜SNP267の21SNPsにして、連鎖不平衡解析を行なった。解析に用いたSNPsを表6に示す。なお、表中に、一部利用したAssays−on−Demand(登録商標)の商品番号、並びに利用可能なdbSNP−IDまたはPublic Human Genome Draft(2002年6月版;UCSC Genome Bioinformatics Site, URL http://genome.ucsc.edu/)によるヒトゲノム上の位置(ヒトゲノム第12番染色体の短腕の末端からの位置)を示した。
【0071】
【表6】
【0072】
結果を図1に示す。図1は、2SNPs間の連鎖不平衡係数|D’|の一覧と、各SNPsの相対的な位置を示す模式図を示す。
この結果より、少なくともSNP248からSNP262を含む100kb程度に渡り|D’|>0.90を示す連鎖不平衡の非常に強いハブロタイプブロックが形成されていることが示された。
このハプロタイプブロックは、ゲノム解析上、配列番号7で示される遺伝子(遺伝子X)ゲノムの一部分の領域であることがわかった。この結果、遺伝子Xは、ヒト2型糖尿病疾患感受性遺伝子であることが同定された。
【0073】
(2)SNP488近傍での連鎖不平衡解析
解析対象SNPsをSNP476〜SNP481およびSNP484〜SNP498の21SNPsにして、連鎖不平衡解析を行なった。解析に用いたSNPsを表7に示す。なお、表中に、一部利用したAssays−on−Demand(登録商標)の商品番号、並びに利用可能なdbSNP−IDまたはPublic Human Genome Draft(2002年6月版;UCSC Genome Bioinformatics Site, URL http://genome.ucsc.edu/)によるヒトゲノム上の位置(ヒトゲノム第12番染色体の短腕の末端からの位置)を示した。
【0074】
【表7】
【0075】
結果を図2に示す。図2は、2SNPs間の連鎖不平衡係数|D’|の一覧と、各SNPsの相対的な位置を示す模式図を示す。
この結果より、SNP479より手前のグループのハブロタイプブロック、SNP491以降のハブロタイプブロックの狭間の領域内にSNP488が位置していることがわかった。
このハプロタイプブロックは、ゲノム解析上、機能不明の遺伝子(遺伝子Y)および配列番号9で示される遺伝子(遺伝子Z)の遺伝子領域の一部が該当することがわかった。この結果、遺伝子Yおよび遺伝子Zは、ヒト2型糖尿病疾患感受性遺伝子であることが同定された。
本実施例により、上記3つの遺伝子がヒト2型糖尿病疾患感受性遺伝子として同定されたが、対象候補領域(ヒト12番染色体の12q15−12q22(STSマーカーD12S375およびD12S362で挟まれる領域;約27Mb))には、約170個の遺伝子が推定されていることから、その中から効率的に3つの疾患感受性遺伝子を同定できたことは、重要な意義を有する。
【0076】
実施例2 疾患感受性遺伝子Xの解析
実施例1で同定された疾患感受性遺伝子Xは、SYT1遺伝子(NCBIアクセッション番号:NM_005639)であることがわかった。遺伝子XのcDNA塩基配列を配列番号7に、コードするアミノ酸配列を配列番号8に示す。
SYT1(synaptotagmin 1)遺伝子は、細胞内のシナプス小胞またはクロム親和性顆粒に発現している膜タンパク質をコードし、開口分泌(エキソサイトーシス)、形質膜陥入(エンドサイトーシス)を制御している。これは、カルシウムセンサーとして働き、カルシウム濃度に応じてシナプス小胞の輸送・シナプス小胞内の神経伝達物質のエキソサイトーシスを制御していると考えられている。シナプトタグミンは現在13個の遺伝子の報告があり、SYT3(synaptotagmin 3)遺伝子に関しては膵ベータ細胞に発現してインスリンの開口放出に関与するとの報告があるものの、STY1は膵ベータ細胞での発現はないとされていた(Diabetes, 49(3):383−91, 2000.05. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 91(26):12487−91, 1994.12.)。
しかし、本実施例により、STY1もインスリンの放出に関与する遺伝子であることが示唆された。このように、インスリンの放出に関与する遺伝子が多数存在すると予測され、そのいずれがヒト2型糖尿病に感受性の遺伝子であるかを特定することは困難であったが、実施例1の方法により、その多数の遺伝子から疾患感受性遺伝子を特定することが可能となった。
【0077】
実施例3 疾患感受性遺伝子Zの解析
実施例1で同定された疾患感受性遺伝子Zは、STATI2遺伝子(NCBIアクセッション番号:NM_003877)であることがわかった。遺伝子ZのcDNA塩基配列を配列番号9に、コードするアミノ酸配列を配列番号10に示す。
STATI2(STAT induced STAT inhibitor−2)遺伝子は、細胞膜上でサイトカイン−サイトカイン受容体が結合した後の細胞内のシグナル伝達系のひとつであるJAK(Janus kinase)/STAT(signal transducer and activation of transcription)パスウェイで、ネガティブレギュレーターとして働くことが知られている。ヒトでのmRNA発現はユビキタスであるが、特に胎児腎臓、大人の心臓、骨格筋、膵臓、肝臓で強く発現している。
従来の方法では、ユビキタスに発現する遺伝子を疾患感受性遺伝子と同定することは困難であったが、本発明により、そのユビキタスに発現する遺伝子の中からであっても疾患感受性遺伝子を同定することが可能になった。
【0078】
【発明の効果】
本発明により、疾患感受性遺伝子の存在すると考えられる対象候補領域内に信頼性の高いSNPsマーカーを領域全体に適度な間隔を有しながら、偏在することなく選定することができた。特に、領域全体に適度な間隔を有しながら、偏在することなく選定した点、サンプルパネルセットを2段階に分割して関連解析を実施する点などによって、連鎖不平衡を利用して疾患感受性遺伝子を同定するPositional Approach法に対して極めて有効であることが示された。
また、この方法により、複数人種で共通して認められる疾患感受性領域に着目して、その領域に関して網羅的な関連解析を実施することにより、日本人における2型糖尿病疾患感受性遺伝子の同定に成功した。
【図面の簡単な説明】
【図1】2SNPs間の連鎖不平衡係数|D’|の一覧および各SNPsの相対的な位置を示す模式図を示す。
【図2】2SNPs間の連鎖不平衡係数|D’|の一覧および各SNPsの相対的な位置を示す模式図を示す。
【図3】本発明のプログラムにおいて用いるテーブルの一態様を示す図である。
【図4】本発明のプログラムにおいて用いるテーブルの一態様を示す図である。
【図5】本発明のプログラムにおいて用いるテーブルの一態様を示す図である。
【図6】本発明のプログラムにおいて用いるテーブルの一態様を示す図である。
【図7】本発明のプログラムの一態様を示すフロー図である。
【配列表】
Claims (20)
- SNPsマーカーを用いて疾患感受性遺伝子を同定する方法であって、
(1)健常対照者由来の試料を用いて、疾患感受性遺伝子の候補領域内に、該候補領域全体にわたって偏在しない複数のSNPsマーカーを選定する工程、
(2)工程(1)で選定したSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを選択する工程、
(3)工程(2)で選択したSNPsマーカーについて、工程(2)と異なる健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを疾患感受性SNPsマーカーとして特定する工程、
(4)疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を特定することにより、遺伝子を同定する工程、
を含む、前記方法。 - 工程(1)のSNPsマーカーの選定を、マーカー密度が、対象候補領域において、10kbあたり1SNP以上になるように行なうことを含む、請求項1に記載の方法。
- 工程(1)のSNPsマーカーの選定を、隣接するSNPsマーカー同士の間隔が5kb以上になるように行なうことを含む、請求項1または2に記載の方法。
- 工程(1)のSNPsマーカーの選定を、遺伝子頻度を基準に行なうことを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 遺伝子頻度の基準が、マイナーアレルの遺伝子頻度で10%以上である、請求項4に記載の方法。
- 遺伝子頻度の基準が、マイナーアレルの遺伝子頻度で15%以上である、請求項4に記載の方法。
- 工程(1)で用いたものと異なる健常対照者由来の試料を用いて、工程(1)を繰り返すことにより、選定したSNPsマーカーを評価することを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 評価が、ハーディ−ワインベルグ平衡検定によるものである、請求項7に記載の方法。
- 工程(2)における統計学的処理が、関連解析である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 工程(3)における統計学的処理が、関連解析である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 工程(3)の比較における有意水準が、工程(2)の比較における有意水準よりも小さい、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- 工程(2)における関連解析が遺伝子頻度に対するχ2検定であり、有意水準α≦0.10で有意差を示すSNPsマーカーを選択すること、および
工程(3)における関連解析が遺伝子頻度に対するχ2検定であり、有意水準α<0.10で有意差を示すSNPsマーカーを選択すること
を含む、請求項11に記載の方法。 - 工程(4)における疾患感受性SNPsマーカーに対する連鎖不平衡解析が、疾患感受性SNPsマーカーおよび工程(1)で選定したSNPsマーカーに対して行なわれることを含む、請求項1〜12に記載の方法。
- 連鎖不平衡解析が行なわれるSNPsマーカーが、疾患感受性SNPsマーカーを含めて4個以上である、請求項13に記載の方法。
- 健常対照者由来の試料を用いて、疾患感受性遺伝子の候補領域内に、該候補領域全体にわたって偏在しないように選定した複数のSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを選択し、さらに、選択されたSNPsマーカーについて、異なる健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められることによって特定される、疾患感受性マーカー。
- 請求項15に記載の疾患感受性マーカーに対する連鎖不平衡解析において、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域に存在する1または2以上のSNPsマーカーの各SNPsマーカーを含み、ヒトゲノム上で特異的に認識され得る長さを有するヒトゲノム上のポリヌクレオチドからなる群から選択される1または2以上を含む疾患診断マーカー。
- ゲノム配列中の配列番号1記載の配列と配列番号2記載の配列により挟まれた塩基がC若しくはGであるポリヌクレオチド、
ゲノム配列中の配列番号3記載の配列と配列番号4記載の配列により挟まれた塩基がA若しくはGであるポリヌクレオチド、および、
ゲノム配列中の配列番号5記載の配列と配列番号6記載の配列により挟まれた塩基がC若しくはTであるであるポリヌクレオチド
からなる群から選択される1または2以上を含む、糖尿病易罹患性診断マーカー。 - 以下の工程を含む糖尿病易罹患性診断方法:
(1)検体中のゲノムDNAを抽出する工程、および
(2)抽出したゲノムDNAの配列において、
配列番号1記載の配列と配列番号2記載の配列により挟まれた塩基を検出すること、
配列番号3記載の配列と配列番号4記載の配列により挟まれた塩基を検出すること、および
配列番号5記載の配列と配列番号6記載の配列により挟まれた塩基を検出すること
からなる群から選択される1または2以上を含む工程。 - (1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力するステップ、
(2)ステップ(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力するステップ、
(3)ステップ(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、ステップ(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定するステップ、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - (1)健常対照者集団の塩基データを含む健常対照者由来の試料データに基づいて、各SNPsについてのマイナーアレルの遺伝子頻度を算出し、算出された値が、選定用設定値以上のSNPsを選定し、該SNPsを出力する手段、
(2)手段(1)で出力されたSNPsに対応する罹患者集団の塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを選択されたSNPsマーカーとして出力する手段、
(3)手段(2)で用いたものと異なる健常対照者集団と罹患者集団とのそれぞれについて、手段(2)で出力されたSNPsマーカーに対応する塩基データが入力され、健常対照者集団の塩基データと罹患者集団の塩基データとを統計学的処理により比較し、有意差の認められるものを疾患感受性SNPsマーカーとして決定する手段、
(4)疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を決定する手段、
を含む、疾患感受性遺伝子を同定するための疾患感受性遺伝子同定システム。
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