JPWO2007032496A1 - 2型糖尿病の発症リスクの判定方法 - Google Patents
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Abstract
多因子疾患等の多数遺伝子の関与する2型糖尿病の2型糖尿病感受性遺伝子の同定方法を利用した、日本人における2型糖尿病の発症リスクの判定方法等を提供するものである。第20番染色体長腕領域のdbSNP IDにおけるrs220079、rs220076や、第15番染色体長腕領域のdbSNP IDにおけるrs2412747、rs1037990、rs8027733、rs4573908、rs11070387、及び第3番染色体短腕領域のdbSNP IDにおけるrs2051211、rs6599210、rs17037804、rs2070490、rs7649984、rs7647657で表される塩基、及びENGL24で表される塩基から選択される1又は2以上の塩基を2型糖尿病易罹患性判定SNPsマーカーとして使用する。また、検体中のヒトゲノムDNA、好ましくは日本人のヒトゲノムDNAを末梢血等から抽出し、前記SNPsマーカーをTaqManシステムを利用してSNPsタイピングすることにより、2型糖尿病の発症リスクを判定する。
Description
本発明は、SNPs(single nucleotide polymorphism:一塩基多型)を利用して2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、SNPsを2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法に関する。
2003年4月にヒトゲノムの解読完了が宣言されて、ゲノム研究はいよいよ本格的な機能解析、応用研究に入った。これに伴い、疾患関連治療と予防法の開発への貢献が期待され、疾患に関与する疾患感受性遺伝子の同定が重要となってきている。
これまで1つの遺伝子の異常によって疾患が引き起こされる単一遺伝性疾患の原因遺伝子の解明に対して、多数の遺伝要因と環境要因が複雑に関与して発症する糖尿病、高血圧、関節リウマチ、がん、神経疾患や免疫・アレルギー性疾患などのcommon disease(ありふれた病気)は解析が難しいと考えられてきた。しかし、近年ヒトゲノムの全塩基配列情報が入手可能となり、これらの多遺伝子性疾患に着目してその疾患感受性遺伝子を同定する研究が多数行われている。
多遺伝子性疾患の疾患感受性遺伝子は1つを有するだけで発症することはなく、複数の疾患感受性遺伝子に環境因子が加わり発症することにより、これらの疾患感受性遺伝子の変異は致死的なものではなく、進化の過程で温存されている多型、つまり体質の違いといった個人差を決定する多型であり、これが発症を左右する要因と考えられる。
多遺伝子性疾患の疾患感受性遺伝子は1つを有するだけで発症することはなく、複数の疾患感受性遺伝子に環境因子が加わり発症することにより、これらの疾患感受性遺伝子の変異は致死的なものではなく、進化の過程で温存されている多型、つまり体質の違いといった個人差を決定する多型であり、これが発症を左右する要因と考えられる。
したがって、疾患感受性遺伝子を探索するためには、こうした多型マーカーとして用いる。おもなものとしてRFLP(restriction fragment length polymorphism)マーカー、マイクロサテライトマーカー、SNPマーカーの3種類が知られている(例えば、非特許文献1参照)。近年注目されているSNPは、ゲノム上で約300〜500bpに1つという割合で存在し、マイクロサテライトマーカーの数十〜数百kbpに1つという割合よりも約100〜500倍の密度で存在しているので、common diseaseをもつ大家系や罹患同胞対、及び両親を含む多数の患者家系を対象とした、マイクロサテライトマーカーを用いた全ゲノム解析でゲノム上の座位を絞り込んだのち、遺伝子性疾患の疾患感受性遺伝子同定を行うための有力なツールとして考えられている。SNPsに関する知見は、いくつかのデータベースに蓄積されており、例えば、米国のdbSNPデータベース(NCBI作成のSNPデータベースURL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/index.html)には、重複を除いたユニークな約270万個のSNPsが登録されている。
2型糖尿病などの「ありふれた病気」について、その罹患者数の点からも重要疾患であるにもかかわらず、疾患感受性遺伝子を見出せない大きな理由としては、多因子疾患であり、また多数遺伝子が関与していることが想定されるため、疾患感受性遺伝子の同定が困難であったためである。そこで、従来にない新しい疾患感受性遺伝子の同定方法、特に「ありふれた病気」のような多数遺伝子の関与することが想定される疾患の疾患感受性遺伝子の同定方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、疾患感受性遺伝子の候補領域内に、該候補領域全体にわたって偏在しない複数のSNPsマーカーを選定し、選定したSNPsマーカーについて、健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを選択し、先と異なる健常対照者集団と罹患者集団とを統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPsマーカーを疾患感受性SNPsマーカーとして特定し、該疾患感受性SNPsマーカーに対して連鎖不平衡解析を行ない、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ疾患感受性SNPsマーカーを含む領域を特定することにより、遺伝子を同定することを含む疾患感受性遺伝子の同定方法について提案(例えば、特許文献1参照)している。
その他、ヒトゲノムDNAのCalpain10遺伝子多型SNP63のアレルを測定することよりなる2型糖尿病のリスク判定方法が提案(例えば、特許文献2参照)されており、この2型糖尿病のリスク判定方法は、SNP63のTアレルの存在を2型糖尿病のリスクを有意に上昇すると判断する、日本人の2型糖尿病のリスクの判定に有用であるとされている。また、Na+/グルコーストランスポーター活性を有するタンパク質(SGLTホモログ)は、糖尿病等の判定マーカー等として有用であり、その一塩基多型(SNPs)体を解析することを特徴とする糖尿病または高脂血症の判定方法も提案(例えば、特許文献3参照)されている。また、ヒト20番染色体長腕領域は2型糖尿病の有意な連鎖を示す領域であるとの報告もなされている(例えば、非特許文献2参照)。
また、第15番染色体に関しても、罹患同胞対解析による疾患感受性座位の報告が複数なされている。米国のBellらは、1996年にメキシコ系アメリカ人集団で、マイクロサテライトマーカーD15S119座位にロッド値1.5を認め、日本人集団での追加実験で、D15S112座位にロッド値1.39を見出した(例えば、非特許文献3参照。)。1999年にBellらは第二報として、前述のNIDDM1と第15番染色体の相互作用を報告し、15q21.1領域のCYP19に疾患感受性座位を同定(相互作用によりロッド値1.27→4と上昇)している(例えば、非特許文献4参照)。1998年には、Pratleyらがピマインディアン集団のゲノム解析を行い、gata50c03座位にロッド値1.5、D15S659にロッド値1.46を認めている(例えば、非特許文献5参照)。2000年には、Froguelらが、フランス系白色人種で、D15S1007にロッド値1.5を報告した(例えば、非特許文献6参照)。
日本人集団については、2002年に門脇らがD15S994にロッド値1.57、45歳以下で2型糖尿病を発症する集団でロッド値3.91、BMI値30以下の痩せ型集団では2.44を見出した(例えば、非特許文献7参照)。さらに、BMIを指標とした2003年の岩崎らの解析で、BMI値22以下の集団で、セントロメアより45.8cMの領域にロッド値2.41が報告された(例えば、非特許文献2参照)。これらの領域は、CYP19内であり、単独でこの領域に関する連鎖が示唆されている。しかし、日本人においてはNIDDM1との相互作用は肯定的ではなかった。
さらに、第3番染色体に関しても、罹患同胞対解析による疾患感受性座位の報告がメキシコ系アメリカ人(例えば、非特許文献3、8参照)、ピマインディアン、フィンランド人家系(例えば、非特許文献5参照)、メキシコ系アメリカ人(例えば、非特許文献9参照)、および日本人(例えば、非特許文献2参照)について、民族・人種を超えて繰り返し連鎖が複数報告されていたが、日本人の2型糖尿病の発症に関わる疾患感受性遺伝子多型を特定するには至っていなかった。
本発明の課題は、上記特許文献1記載の、多因子疾患等の多数遺伝子の関与する2型糖尿病の2型糖尿病感受性遺伝子の同定方法を利用した、日本人における2型糖尿病の発症リスクの判定方法等を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、2型糖尿病疾患感受性遺伝子の探索を目的とし、日本人2型糖尿病を対象とした網羅的関連解析による疾患感受性遺伝子の同定を試みた。候補領域には、2型糖尿病の疾患感受性領域として日本人を含む複数人種を対象とする複数の報告において有意な連鎖を示す領域であると報告されている20番染色体長腕領域(非特許文献2参照)、ヒト2型糖尿病の罹患同胞対解析で、メキシコ系アメリカ人(非特許文献3、非特許文献4参照。)、ピマインディアン(非特許文献5参照。)、フランス系白色人種(非特許文献6参照。)、および日本人(非特許文献7、非特許文献2参照。)について、繰り返し連鎖が報告されている第15番染色体長腕領域15q14-q21(18.6cM)、ヒト2型糖尿病の罹患同胞対解析で、メキシコ系アメリカ人、ピマインディアン、フィンランド人家系、メキシコ系アメリカ人、および日本人について、繰り返し連鎖が報告されている第3番染色体短腕領域3p24.3−22.1 (20.4cM)を、疾患感受性候補座位として選定した。。そこで、本発明者らはSNPsを活用し独自に開発したEven−Spacing Common SNPsマーカーをスクリーニングし、そのSNPsを2段階スクリーニングすることによって、疾患感受性遺伝子と連鎖不平衡状態にあるSNPsを効果的に選択した(非特許文献1参照)。また選択したSNPsを用いて網羅的関連解析を行うことにより、当該領域上に推定される2型糖尿病の疾患感受性遺伝子を詳細に解析した。
具体的には、第20番染色体長腕領域については、17Mb領域を対象として平均16kb間隔(遺伝子領域限定では平均10kb間隔)で1147個のSNPsマーカーを配置し、健常者893名、2型糖尿病患者925名のDNAサンプルをTaqMan法にてジェノタイピングを行って2型糖尿病との関連を検定した。関連が認められた領域に関しては組み換え値と種々の連鎖不平衡値を算出し、更にハプロタイプによる検定を実施し遺伝統計学的に詳細な解析を行った。
また、第15番染色体長腕領域については、18.6Mb領域を対象として日本人の2型糖尿病の発症にかかわる可能性を持つ疾患感受性遺伝子多型を特定し、連鎖不平衡ブロック内に存在する疾患感受性候補遺伝子を探索した。候補領域内に存在する214遺伝子の内160の遺伝子領域 (第1Exon開始点より上流10kbpから最終Exonの下流10kbpまでと定義)および遺伝子間領域に対し、日本人でマイナーアレル頻度(Minor Allele Frequency :MAF) が15%以上、且つ、ハーディーワインバーグ平衡 (P>0.05)を満たすSNPを用いた。遺伝子領域では、約5kbpの間隔で設計した931SNPsを使用、遺伝子間領域は、425SNPs、合計1356SNPsを用いた。2型糖尿病患者/健常対照者は2段階のサンプルセット (第1ステージ;372/360人、第2ステージ;532/530人、合計904/890人) を用い、TaqManアッセイ方法で、段階的絞込み(第1ステージ;P<0.1、第2ステージ;P<0.05、Combinedステージ;P<0.05) による網羅的関連解析を行い、連鎖不平衡ブロックを検討、更にハプロタイプによる検定を実施し遺伝統計学的に詳細な解析を行った。
さらに、第3番染色体短腕についても同様に、20.4Mb領域を対象として日本人の2型糖尿病の発症にかかわる可能性を持つ疾患感受性遺伝子多型を特定し、連鎖不平衡ブロック内に存在する疾患感受性候補遺伝子を探索した。候補領域内の約125遺伝子を含む遺伝子間領域(第1Exon開始点より上流10kbpから最終Exonの下流10kbpまでと定義する)に対し、約10Kbpの等間隔で、日本人でマイナーアレル頻度が15%以上の高頻度を示し、ハーディーワインバーク平衡を満たす(P>0.05)508種類のSNPsを用いた。2型糖尿病患者/健常対照者は2段階のサンプルセット (第1ステージ;304/361人、第2ステージ;560/537人、合計864/898人) を用い、TaqManアッセイ方法で、段階的絞込み(第1ステージ;P<0.1、第2ステージ;P<0.05、Combinedステージ;P<0.05) による網羅的関連解析を行い、連鎖不平衡ブロックを検討、更にハプロタイプによる検定を実施し遺伝統計学的に詳細な解析を行った。
第20番染色体長腕領域に関するカイ二乗検定による解析では、アレル頻度でp=0.00231を示すSNPを検出した。このSNPに隣接するSNPsにも統計学的有意性を認め、2SNPsで構成される候補領域を検出した。検出した候補領域に組み換えはほぼ認めず、2SNPsは強い連鎖不平衡値を示した。2SNPsによるハプロタイプ検定において健常者群と患者群の間で有意な頻度差を認めた。解析領域内に存在し候補遺伝子と推定されるHNF4α遺伝子には8SNPマーカーを配置し検定して、統計学的に弱いながらも2型糖尿病と有意な関連は認めた。SNPによる網羅的探索により第20番染色体長腕から統計学的に強い候補領域を1ヵ所検出した。また、高密度に配置したSNPsを用いて関連解析と詳細な遺伝統計学的解析を行い、検出した遺伝子が2型糖尿病疾患感受性を示すことを見出した。
また、第15番染色体長腕領域については、2型糖尿病患者と健常対照者で、第1ステージ、第2ステージ、およびCombinedステージにおいて統計学的有意水準を満たす疾患感受性候補5SNPsを同定し、最小P値(P=0.0043)を示すSNP2140(rs2412747、第1ステージ;P=0.049、第2ステージ;P=0.038、Combinedステージ;P=0.0043)を見出した。さらに、連鎖不平衡解析の結果、疾患感受性候補SNPs周辺に、38SNPsからなる全長355kbp、6遺伝子が存在する連鎖不平衡ブロックを特定し、上記5候補SNPsは全てUBR1(ubiquitin protein ligase E3 component n-recognin 1)遺伝子内に存在することを見出した。
さらに、第3番染色体短腕についても、2型糖尿病患者と健常対照者で、第1ステージ、第2ステージ、およびCombinedステージにおいて統計学的有意水準を満たす疾患感受性候補2SNPsを同定し、最小P値(P=0.000046)を示し、更にBonferroniの多重検定をクリアするSNP375(rs2051211、第1ステージ;P=0.000737、第2ステージ;P=0.014、Combinedステージ;P=0.000046)を見出した。さらに、連鎖不平衡解析の結果、疾患感受性候補SNP375周辺に、新たな6有意SNPsを含む全長121.6kbp、3遺伝子が存在する連鎖不平衡ブロックを特定した。更に、その3遺伝子のうち、最小P値を示す候補SNP375が含まれるEndogl1(Endonuclease G Like Protein1)遺伝子を2型糖尿病の疾患感受性遺伝子と特定した。
本発明者らは、上記の点を見い出したことにより、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)ヒトゲノム配列中の配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基から選択される1又は2以上の塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法や、(2)ヒトゲノム配列中の配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は/及びヒトゲノム配列中の配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法や、(3)米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいて、rs220079、rs220076、rs2412747、rs1037990、rs8027733、rs4573908、rs11070387、rs2051211、rs6599210、rs17037804、rs2070490、rs7649984、rs7647657で表される塩基、及びENGL24から選択される1又は2以上の塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法や、(4)米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいて、rs220076、rs2412747、rs2051211、又は/及びrs17037804で表される塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法に関する。
また本発明は、(5)以下の工程を含む2型糖尿病の発症リスクを判定する方法:(A)検体中のヒトゲノムDNAを抽出する工程、及び(B)抽出したヒトゲノムDNAの配列において、配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基から選択される1又は2以上の塩基を同定・評価する工程や、(6)以下の工程を含む2型糖尿病の発症リスクを判定する方法:(A)検体中のヒトゲノムDNAを抽出する工程、及び(B)抽出したヒトゲノムDNAの配列において、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいて、rs220079、rs220076、rs2412747、rs1037990、rs8027733、rs4573908、rs11070387、rs2051211、rs6599210、rs17037804、rs2070490、rs7649984、rs7647657で表される塩基、及びENGL24から選択される1又は2以上の塩基を同定・評価する工程、に関する。
さらに本発明は、(7)配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs220079で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(8)配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs220076で表される塩基が、C若しくはAであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(9)配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2412747(SNP2140)で表される塩基が、C若しくはTであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(10)配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs1037990(SNP1164)で表される塩基が、C若しくはTであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(11)配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs8027733(SNP1165)で表される塩基が、A若しくはGであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(12)配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs4573908(SNP2141)で表される塩基が、C若しくはTであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(13)配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs11070387(SNP1167)で表される塩基が、G若しくはTであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(14)配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2051211(SNP375)で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(15)配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs6599210(ENGL12)で表される塩基が、A若しくはGであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(16)配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs17037804(ENGL15)で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(17)配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2070490(ENGL18)で表される塩基が、T若しくはAであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(18)配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれたENGL24で表される塩基が、T若しくはCであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(19)配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs7649984(ENGL25)で表される塩基が、T若しくはCであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(20)配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs7647657(ENGL26)で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法に関する。
また本発明は、(21)検体として末梢血を用いることを特徴とする上記(5)〜(20)のいずれか記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法や、(22)日本人のヒトゲノムを用いることを特徴とする上記(5)〜(21)のいずれか記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法に関する。
本発明において、「2型糖尿病感受性遺伝子」とは、多遺伝子性疾患の2型糖尿病に罹りやすい体質を決める複数の遺伝子のことをいい、「遺伝子頻度」とは、一つの遺伝子の座位について、集団中に存在する全遺伝子数のうちその対立遺伝子が占める割合をいい、「連鎖不平衡解析」とは、ゲノム領域における連鎖不平衡の強さの度合いを解析することをいい、「マイナーアレル」とは、一つの遺伝子の座位について、2つの対立遺伝子が存在する場合の、遺伝子頻度の低い対立遺伝子(アレル)をいい、また「多型」とは、2つ以上の遺伝的に決定された対立遺伝子がある場合、それらの対立遺伝子を指し、さらに「一塩基多型」とは、単一の核酸の変化によって引き起こされる多型であって、多型は選択された集団の1%より大きな頻度、好ましくは、10%以上の頻度で存在する。
また、本明細書における「連鎖不平衡」とは、集団における任意の対立遺伝子の組み合わせの頻度について、偶然によって期待されるよりも、より、頻繁に近傍の特定対立遺伝子と出現する関係のことをいう。例えば、遺伝子座Xが対立遺伝子a及びb(これらは等しい頻度で存在する)を有し、近傍の遺伝子座Yが対立遺伝子c及びd(これらは等しい頻度で存在する)を有する場合、別の遺伝子多型の組み合わせであるハプロタイプacは、集団において0.25の頻度で存在することが期待される。ハプロタイプacがこうした期待値よりも大きい場合、つまり、acという特定の遺伝子型がより頻繁に出現する場合、対立遺伝子acは連鎖不平衡にあるという。連鎖不平衡は、対立遺伝子の特定の組み合わせの自然選択又は、集団に導入された時期が進化的に見て最近であることにより生じたもので、連鎖する対立遺伝子同士が平衡に達していないことから生じ得る。従って、民族や人種などのように、別の集団においては、連鎖不平衡の様式は異なり、ある集団においてacが連鎖不平衡である場合でも、別の集団でadが連鎖不平衡の関係であり得る。連鎖不平衡における多型は、該多型が疾患を引き起こさないにも関わらず、疾患に対する感受性を検出することにおいて有効であり得る。例えば、ある遺伝子座Xの対立遺伝子aが疾患の原因遺伝子要素ではないが、遺伝子座Yの対立遺伝子cとの連鎖不平衡により、疾患感受性を示し得ることがある。
本発明において、2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用することができるヒトゲノム配列中の塩基としては、配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs220079で表される塩基(以下「SNP1145」ということがある)や、配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs220076で表される塩基(以下「SNP1146」ということがある)や、配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2412747で表される塩基(以下「SNP2140」ということがある)や、配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs1037990で表される塩基(以下「SNP1164」ということがある)や、配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs8027733で表される塩基(以下「SNP1165」ということがある)や、配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs4573908で表される塩基(以下「SNP2141」ということがある)や、配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs11070387で表される塩基(以下「SNP1167」ということがある)や、配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2051211で表される塩基(以下「SNP375」ということがある)や、配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs6599210で表される塩基(以下「ENGL12」ということがある)や、配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs17037804で表される塩基(以下「ENGL15」ということがある)や、配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2070490で表される塩基(以下「ENGL18」ということがある)や、配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれた塩基であって、米国のdbSNPデータベースに登録されていない新規SNP(以下「ENGL24」ということがある)や、配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs7649984で表される塩基(以下「ENGL25」ということがある)や、配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基、すなわち、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs7647657で表される塩基(以下「ENGL26」ということがある)を挙げることができ、これらは単独又は2種以上併用して用いることができる。かかる2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用することができるヒトゲノム配列中の塩基は、本発明の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法において同定・評価の対象となっている。
上記2型糖尿病易罹患性判定マーカーのなかでも、2型糖尿病の発症リスクを好適に判定する上で、SNP1146、SNP2140、SNP375又はENGL15の単独使用や、SNP1146、SNP2140、SNP375又はENGL15の2つ以上の併用、中でもこれら4つの全部を併用することが好ましい。SNP1146は、配列番号29で示される塩基配列からなるミオシン ライト ポリペプチド 9(myosin light polypeptide 9)遺伝子の3660位の塩基(イントロン1の中に位置し、翻訳開始部位の−731位)、SNP2140は、配列番号30で示される塩基配列からなるUBR1(ubiquitin protein ligase E3 component n-recognin 1)遺伝子の、イントロン33の中に位置し、翻訳開始部位の111,415位、SNP375は、配列番号31で示される塩基配列からなるEndogl1(Endonuclease G Like Protein 1)遺伝子のイントロン5中の+11,290位(翻訳開始部位の21,888位)、ENGL15は、イントロン5中の+10,756位に位置(翻訳開始部位の21,354位)に位置する。
SNP1145をはじめとした上記SNPsを、2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法としては、これらSNPsを含む領域をSNPsタイピングする方法を挙げることができる。SNPsタイピングの方法としては、PCR−SSCP、PCR−RFLP、PCR−SSO、PCR−ASP、ダイレクトシークエンス法、SNaPshot、dHPLC、Sniper法、MALDI−TOF/MS法等の当業者に周知の方法(例えば、「ゲノム創薬の最前線」p44−p54、野島 博 編、羊土社、参照)を用いることができるが、特に、Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)を利用し、TaqManシステムを利用したSNPsタイピング法を採用することが効果的である。例えば、SNP1145マーカーの場合、G/G,G/A若しくはA/Aのいずれに属するかで、SNP1146マーカーの場合、C/C,C/A若しくはA/Aのいずれに属するかで判定される。
本発明の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法としては、(A)検体中のヒトゲノムDNA、好ましくは日本人のヒトゲノムDNAを抽出する工程、(B)抽出したヒトゲノムDNAの配列において、SNP1145、SNP1146、SNP2140、SNP1164、SNP1165、SNP2141、SNP1167、SNP375、ENGL12、ENGL15、ENGL18、ENGL24、ENGL25、ENGL26から選択される1又は2以上の塩基(SNPs)を同定・評価する工程を備えていれば特に制限されず、上記検体としては、末梢血などの血液、唾液、汗等の体液、体細胞及びそれを含む組織又は器官等を挙げることができるが、末梢血を用いることが好ましい。塩基(SNP)の同定方法としては、上記のように、SNP1145、SNP1146、SNP2140、SNP1164、SNP1165、SNP2141、SNP1167、SNP375、ENGL12、ENGL15、ENGL18、ENGL24、ENGL25、ENGL26から選択される1又は2以上の塩基(SNPs)を含む領域をSNPsタイピングする方法を挙げることができる。また、判定としては、SNP1145の同定結果がA/Aのとき、SNP1146の同定結果がA/Aのとき、SNP2140の同定結果がC/Cのとき、SNP1164の同定結果がC/Cのとき、SNP1165の同定結果がA/Aのとき、SNP2141の同定結果がC/Cのとき、SNP1167の同定結果がG/Gのとき、SNP375の同定結果がG/Gのとき、ENGL12の同定結果がG/Gのとき、ENGL15の同定結果がG/Gのとき、ENGL18の同定結果がT/Tのとき、ENGL24の同定結果がT/Tのとき、ENGL25の同定結果がT/Tのとき、ENGL26の同定結果がG/Gのとき、2型糖尿病に罹患しやすいと判定され、SNP1145の同定結果がG/Aのとき、SNP1146の同定結果がC/Aのとき、SNP2140の同定結果がT/Cのとき、SNP1164の同定結果がT/Cのとき、SNP1165の同定結果がG/Aのとき、SNP2141の同定結果がT/Cのとき、SNP1167の同定結果がT/Gのとき、SNP375の同定結果がG/Aのとき、ENGL12の同定結果がA/Gのとき、ENGL15の同定結果がG/Aのとき、ENGL18の同定結果がT/Aのとき、ENGL24の同定結果がT/Cのとき、ENGL25の同定結果がT/Cのとき、ENGL26の同定結果がG/Aのとき、2型糖尿病にやや罹患しやすいと判定され、SNP1145の同定結果がG/Gのとき、SNP1146の同定結果がC/Cのとき、SNP2140の同定結果がT/Tのとき、SNP1164の同定結果がT/Tのとき、SNP1165の同定結果がG/Gのとき、SNP2141の同定結果がT/Tのとき、SNP1167の同定結果がT/Tのとき、SNP375の同定結果がA/Aのとき、ENGL12の同定結果がA/Aのとき、ENGL15の同定結果がA/Aのとき、ENGL18の同定結果がA/Aのとき、ENGL24の同定結果がC/Cのとき、ENGL25の同定結果がC/Cのとき、ENGL26の同定結果がA/Aのとき、2型糖尿病に罹患しにくいと判定することができる。
以下に、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[第20番染色体長腕領域]
1.検体
SNPsマーカーの選択には、日本人非血縁健常対照者46名から末梢血を採取し、常法により、全ゲノムDNAを抽出したものを検体とした。また、選定したSNPsマーカーの評価には、日本人非血縁2型糖尿病患者925名、及び日本人非血縁健常対照者893名から末梢血を採取し、常法により、全ゲノムDNAを抽出したものを検体とした。上記2型糖尿病患者925名の検体のうち、367名の検体を1次サンプルとし、558名の検体を2次サンプルとした。また、上記健常対照者893名の検体のうち、358名の検体を1次サンプルとし、535名の検体を2次サンプルとした。検体提供者の臨床的特徴等を表1に示す。
1.検体
SNPsマーカーの選択には、日本人非血縁健常対照者46名から末梢血を採取し、常法により、全ゲノムDNAを抽出したものを検体とした。また、選定したSNPsマーカーの評価には、日本人非血縁2型糖尿病患者925名、及び日本人非血縁健常対照者893名から末梢血を採取し、常法により、全ゲノムDNAを抽出したものを検体とした。上記2型糖尿病患者925名の検体のうち、367名の検体を1次サンプルとし、558名の検体を2次サンプルとした。また、上記健常対照者893名の検体のうち、358名の検体を1次サンプルとし、535名の検体を2次サンプルとした。検体提供者の臨床的特徴等を表1に示す。
2.SNPsマーカーの選択
前記のように、2型糖尿病の疾患感受性領域として日本人を含む複数人種を対象とする複数の報告において、20番染色体長腕領域は有意な連鎖を示す領域であると報告されている(非特許文献2参照)。そこで、非血縁健常対照者46名由来の検体を用いて、20番染色体長腕の17Mb領域を対象として、平均16kb間隔(遺伝子領域限定では平均10kb間隔)で、マイナーアレルの遺伝子頻度15%以上の条件で、SNPsタイピングを行なった。SNPsタイピングは、一部Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)を利用し、TaqMan法により行なった。また、Dual384−well GeneAmp(登録商標)PCR System 9700(アプライドシステムズ製)及びABI PRISM(登録商標)7900HT Sequence Detection System(アプライドシステムズ製)の機器を用いた。なお、反応条件は、ABI PRISM(登録商標)7900HTに添付の説明書に従った。即ち、反応系組成(表2)及びPCR条件(表3)は次のとおりである。
前記のように、2型糖尿病の疾患感受性領域として日本人を含む複数人種を対象とする複数の報告において、20番染色体長腕領域は有意な連鎖を示す領域であると報告されている(非特許文献2参照)。そこで、非血縁健常対照者46名由来の検体を用いて、20番染色体長腕の17Mb領域を対象として、平均16kb間隔(遺伝子領域限定では平均10kb間隔)で、マイナーアレルの遺伝子頻度15%以上の条件で、SNPsタイピングを行なった。SNPsタイピングは、一部Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)を利用し、TaqMan法により行なった。また、Dual384−well GeneAmp(登録商標)PCR System 9700(アプライドシステムズ製)及びABI PRISM(登録商標)7900HT Sequence Detection System(アプライドシステムズ製)の機器を用いた。なお、反応条件は、ABI PRISM(登録商標)7900HTに添付の説明書に従った。即ち、反応系組成(表2)及びPCR条件(表3)は次のとおりである。
SNPsタイピングの結果、対象候補領域内に、マイナーアレルの遺伝子頻度が15%以上である1147個の日本人共通SNPs(Common SNPs)マーカーを選定することができた。この1147SNPsは、対象候補領域内に広く分散し、およそ10kbあたり1SNPの割合で分布していた。
3.関連解析(第1ステージ)
選定された1147個のSNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の検体358例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の検体367例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった。対象候補領域における1,147のSNPは遺伝子型を決定されたが、103のSNPは品質管理基準により除外された。除外の主な原因は、度数や、遺伝子型の集団の数、及びハーディ−ワインベルグ平衡検定(p<0.05)との一貫性を含む品質管理基準のうち、ハーディ−ワインベルグ平衡検定からの逸脱によるものである。対象候補領域における291遺伝子のうち、219遺伝子(75.3%)については、少なくとも1つのSNPマーカーを配置した。1147SNPs中の1044SNPsの結果を表4に、該マーカーの第1ステージ関連解析におけるP値の分布を表5に、該SNPsマーカー、第20番染色体地図、及び塩基配列タグ部位(STS:sequence-tagged site)を図1(A)に示す。健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.1で268SNPs(全体の23.4%)であった。これらのSNPsを含め、P値が0.10未満(P<0.01)を示した268SNPs(23.4%)について次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。なお、各SNPsのタイピングにおけるPCRプライマーやTaqManプローブは、Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)の市販品や特注品を用いた。
選定された1147個のSNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の検体358例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の検体367例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった。対象候補領域における1,147のSNPは遺伝子型を決定されたが、103のSNPは品質管理基準により除外された。除外の主な原因は、度数や、遺伝子型の集団の数、及びハーディ−ワインベルグ平衡検定(p<0.05)との一貫性を含む品質管理基準のうち、ハーディ−ワインベルグ平衡検定からの逸脱によるものである。対象候補領域における291遺伝子のうち、219遺伝子(75.3%)については、少なくとも1つのSNPマーカーを配置した。1147SNPs中の1044SNPsの結果を表4に、該マーカーの第1ステージ関連解析におけるP値の分布を表5に、該SNPsマーカー、第20番染色体地図、及び塩基配列タグ部位(STS:sequence-tagged site)を図1(A)に示す。健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.1で268SNPs(全体の23.4%)であった。これらのSNPsを含め、P値が0.10未満(P<0.01)を示した268SNPs(23.4%)について次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。なお、各SNPsのタイピングにおけるPCRプライマーやTaqManプローブは、Assays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)の市販品や特注品を用いた。
<遺伝子型特定のためのデータの確認及び品質管理基準>
TaqManアレル識別アッセイにおいて、遺伝子型の判定は、それぞれのSNPに対する蛍光強度測定結果の集積性により同定した。従って、品質管理は、強度測定結果の信憑性により評価を行った。
まず初めに、観察された遺伝子型の集団の数を確認し、集積していないものや、度数が98%より低いSNPを除外した。遺伝子特定の正確性に関する期待値は、SDSバージョン2.1プログラム(アプライド バイオシステムズ社製)で使用されている品質スコアアルゴリズムを用いて推定した。2人の独立した研究員により、強度測定結果の正確性が注意深く確認された。さらに、遺伝子型分布の逸脱は、ハーディ−ワインベルグ平衡検定により確認した。ハーディ−ワインベルグ平衡からの逸脱の確認は、人為的なものによる結果を同定するのに非常に効果的であり、データの品質を向上させるものである。
品質管理の評価の後、アレル同定の成功率は99%以上であり、以前に報告したように(Hamada et al.2005, Kato et al. 2006)、遺伝子型特定の結果と直接配列を確認した結果が、完全に一致する。
TaqManアレル識別アッセイにおいて、遺伝子型の判定は、それぞれのSNPに対する蛍光強度測定結果の集積性により同定した。従って、品質管理は、強度測定結果の信憑性により評価を行った。
まず初めに、観察された遺伝子型の集団の数を確認し、集積していないものや、度数が98%より低いSNPを除外した。遺伝子特定の正確性に関する期待値は、SDSバージョン2.1プログラム(アプライド バイオシステムズ社製)で使用されている品質スコアアルゴリズムを用いて推定した。2人の独立した研究員により、強度測定結果の正確性が注意深く確認された。さらに、遺伝子型分布の逸脱は、ハーディ−ワインベルグ平衡検定により確認した。ハーディ−ワインベルグ平衡からの逸脱の確認は、人為的なものによる結果を同定するのに非常に効果的であり、データの品質を向上させるものである。
品質管理の評価の後、アレル同定の成功率は99%以上であり、以前に報告したように(Hamada et al.2005, Kato et al. 2006)、遺伝子型特定の結果と直接配列を確認した結果が、完全に一致する。
4.関連解析(第2ステージ)
対象候補SNPsとした268SNPsについて、上記3で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料535例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料558例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった。P値は4つのχ2検定(アレル・遺伝子型・アレル2優性・アレル2劣性のそれぞれのモデル)により算出された。268SNPsのうち、有意水準α=0.02で2個のSNPs(SNP1145、SNP1146)についてヒト2型糖尿病との関連が検出された(表4及び表6)。また、これら2SNPsは、ハーディ−ワインベルグ平衡状態を満たし、ヒト2型糖尿病との関連が確かめられた。なお、表6は、q11.23における20SNPsマーカー及びq13.12における17SNPsマーカーにおける関連解析結果を示し、表7は上記2個のSNPs(SNP1145、SNP1146)におけるタイピングデータを示す。
対象候補SNPsとした268SNPsについて、上記3で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料535例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料558例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった。P値は4つのχ2検定(アレル・遺伝子型・アレル2優性・アレル2劣性のそれぞれのモデル)により算出された。268SNPsのうち、有意水準α=0.02で2個のSNPs(SNP1145、SNP1146)についてヒト2型糖尿病との関連が検出された(表4及び表6)。また、これら2SNPsは、ハーディ−ワインベルグ平衡状態を満たし、ヒト2型糖尿病との関連が確かめられた。なお、表6は、q11.23における20SNPsマーカー及びq13.12における17SNPsマーカーにおける関連解析結果を示し、表7は上記2個のSNPs(SNP1145、SNP1146)におけるタイピングデータを示す。
また、上記4つのχ2検定(アレル・遺伝子型・アレル2優性・アレル2劣性のそれぞれのモデル)のうち少なくとも1つにおいて、顕著な関連が見られる(P<0.05)ものとして選択された142SNPsマーカー(13.6%)について、同様に上記3で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料535例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料558例を対象に関連解析を行い、有意SNPを同定した。その結果、SNP1146(rs220076)が最も2型糖尿病と関連があることが明らかになった(P=0.00231,0.01010,0.01157,0.01507;アレルモデル:図1(B)、表6)。また、SNP1146(rs220076)の調整していないオッズ比は、1.23であった(95%信頼区間は1.077〜1.399)。
6.連鎖不平衡とハプロタイプに基づく関連解析
連鎖不平衡(LD:linkage disequilibrium)は、2つあるいはそれより多くの場所での、アレル間の統計学的関連性として定義される(Nat Rev Genet 4:587-597)。本願においては、|D'|及びr2を標準的なアプローチとして使用した。これらの値は、FGDS 及び SNPAlyer ver 3.2.2 Pro software(DYNACOM社製)で算出した。以下に|D'|及びr2を定義する。
(1)古典統計学的|D'|閾値法(Genetics 49:49-67):連鎖不平衡が、3つあるいはそれより多い一連のマーカーの間で、全ての|D'|の対が0.9を常に上回ると定義される。|D'|の対の係数は、simple sliding window assessmentにより算出される。
(2)r2の値の定義(Genetics 60:615-628):r2はマーカー間の相関係数の平方で、0から1の間の値である。最大の起こりうる値は、2つのマーカーのマイナーアレル頻度に依存する。2つのSNPが遺伝子系図の同じ枝上に生じている場合、r2は1であり、組換えによって壊れていないまま残っている。しかしながら、2つのSNPが遺伝子系図の異なる枝上に生じている場合には、r2は1より小さくなる。
連鎖不平衡(LD:linkage disequilibrium)は、2つあるいはそれより多くの場所での、アレル間の統計学的関連性として定義される(Nat Rev Genet 4:587-597)。本願においては、|D'|及びr2を標準的なアプローチとして使用した。これらの値は、FGDS 及び SNPAlyer ver 3.2.2 Pro software(DYNACOM社製)で算出した。以下に|D'|及びr2を定義する。
(1)古典統計学的|D'|閾値法(Genetics 49:49-67):連鎖不平衡が、3つあるいはそれより多い一連のマーカーの間で、全ての|D'|の対が0.9を常に上回ると定義される。|D'|の対の係数は、simple sliding window assessmentにより算出される。
(2)r2の値の定義(Genetics 60:615-628):r2はマーカー間の相関係数の平方で、0から1の間の値である。最大の起こりうる値は、2つのマーカーのマイナーアレル頻度に依存する。2つのSNPが遺伝子系図の同じ枝上に生じている場合、r2は1であり、組換えによって壊れていないまま残っている。しかしながら、2つのSNPが遺伝子系図の異なる枝上に生じている場合には、r2は1より小さくなる。
HNF4α遺伝子座周辺のSNPの連鎖不平衡値を求めた。結果を表8(A)に示す。P2プロモーター領域における4つのSNPsは、|D'|>0.99、r2>0.89といった、高い値を示した。r2の解釈の結果、コード領域は短い連鎖不平衡ブロックに分割された。この解釈に基づくと、HNF4α遺伝子の周りに2つの異なるハプロタイプブロックがあり、1つはP2プロモーター領域、もう一つは別のコード領域に存在していることになる。さらに、これら2つのハプロタイプに基づく関連解析を行ったところ、P2プロモーター領域において疾患に関連しているハプロタイプは見られなかった(データなし)。さらに、イントロン7〜9を網羅的に含み、かつ3つのSNPsを有する1つのハプロタイプを調べた。結果を表9(A)に示す。健常対象者と罹患者に弱く関連が見られたが、この関連性は、P値がボンフェローニ調整を満たさなかったため、偽の値である可能性が示唆された。
また、前記有意SNP(SNP1146)の周辺において、2つの対の連鎖不平衡値を求めることにより、連鎖不平衡の性質を調べた。結果を表8(B)に示す。r2の解釈の結果、有意SNPを含む3つの共通SNPsの間に、0.919〜0.943という範囲の、非常に高い相関がある連鎖不平衡ブロックの存在が明らかになった。r2の解釈の結果、連鎖不平衡はその領域の外には伸展しなかったため、1つのハプロタイプブロックは、SNP1145(rs220079)、SNP1146(rs220076)、及びrs694379の3つの共通SNPsで構成されていると予想された。さらに、有意SNPを含むハプロタイプに基づく関連解析を行った。結果を表9(B)に示す。r2の解釈の結果、1つのハプロタイプブロックは明らかな推移帯を示し、それは、有意SNPを含む全長23kbの領域であった。ハプロタイプ頻度がBaysian method及びEM algorithmの両方で予想された場合、2つで共通するハプロタイプは、95%を超えるデータを保証する。表に示すように、2つの手法により求められたハプロタイプ頻度は大きく異ならないことから、ハプロタイプのフェーズは明らかである。それぞれのハプロタイプ解析において、#1ハプロタイプは保護的ハプロタイプと推測され、#2ハプロタイプはリスクハプロタイプと推定された。しかしながら、ボンフェローニ調整後のそれぞれのP値が0.0044、0.0023と弱いことから、それぞれのハプロタイプにおいて顕著な差はないと思われる。
[第15番染色体長腕領域]
1.検体
上記実施例と同様に、効率よく疾患感受性遺伝子を抽出するために、独立した別集団による2段階の関連解析を実施した。具体的には、2型糖尿病患者(Case)372人/健常対照者 (Control)サンプル360人での解析(第1ステージ)、さらに、Case532人/Control530人での解析 (第2ステージ) 、計Case904人/Control890人についてスクリーニングを行なった。CaseおよびControlサンプルの末梢血より樹立した不死化Bリンパ球細胞株よりDNAを抽出しDNAサンプルとした。DNAサンプルは、糖尿病の型、性別、発症年齢、家族歴の有無、HbA1c値、BMI等の臨床情報を得た(表10)。検体の採取は、全国の糖尿病専門医の協力をもとに、臨床症状の明らかな患者より採取されたもので、インフォームドコンセントに基づいて収集されたものである。使用サンプルは、徳島大学医学部ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会の審査を経て承認済みであり、全て連結可能匿名化を行い、個人情報の保護に努めた取り扱いを行っている。検体提供者の臨床的特徴等を表10に示す。
1.検体
上記実施例と同様に、効率よく疾患感受性遺伝子を抽出するために、独立した別集団による2段階の関連解析を実施した。具体的には、2型糖尿病患者(Case)372人/健常対照者 (Control)サンプル360人での解析(第1ステージ)、さらに、Case532人/Control530人での解析 (第2ステージ) 、計Case904人/Control890人についてスクリーニングを行なった。CaseおよびControlサンプルの末梢血より樹立した不死化Bリンパ球細胞株よりDNAを抽出しDNAサンプルとした。DNAサンプルは、糖尿病の型、性別、発症年齢、家族歴の有無、HbA1c値、BMI等の臨床情報を得た(表10)。検体の採取は、全国の糖尿病専門医の協力をもとに、臨床症状の明らかな患者より採取されたもので、インフォームドコンセントに基づいて収集されたものである。使用サンプルは、徳島大学医学部ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会の審査を経て承認済みであり、全て連結可能匿名化を行い、個人情報の保護に努めた取り扱いを行っている。検体提供者の臨床的特徴等を表10に示す。
2.SNPsマーカーの選択
等間隔・高アレル頻度SNPsマーカーは、以下の基準により定めた。
1)5kbpごとの等間隔にSNPsを設定(この間隔にSNPsマーカーを設置することで、疾患感受性遺伝子領域を見落とす可能性が少ない)。
2)日本人でMAFが15%以上を示す。
3)ハーディーワインバーグ平衡(P>0.05) を満たす。
4)複数の人種で共通に認められるマーカーである。
等間隔・高アレル頻度SNPsマーカーは、以下の基準により定めた。
1)5kbpごとの等間隔にSNPsを設定(この間隔にSNPsマーカーを設置することで、疾患感受性遺伝子領域を見落とす可能性が少ない)。
2)日本人でMAFが15%以上を示す。
3)ハーディーワインバーグ平衡(P>0.05) を満たす。
4)複数の人種で共通に認められるマーカーである。
遺伝子領域で10kbp間隔で設定したマーカーセット(10kb)497SNPs、10kbの間隔が5kbpになるように設置したマーカーセット(5kb)434SNPs、遺伝子間領域のマーカー(Intergenic/IG)425SNPsの、計1356個のSNPマーカーを用いた。
3.TaqManプローブを用いたSNPsタイピング法
まず、SNP部位を挟むPCR増幅領域内の数十bpのDNA塩基配列に対して、相補的に結合するTaqManプローブを設計した。TaqManプローブは5'末端にレポーター色素が、3'末端にクエンチャー色素がそれぞれ結合している。TaqManプローブは、通常は蛍光を発しないが、PCR反応によりDNAポリメラーゼによる伸長反応に伴ってTaqManプローブが分解され、レポーター蛍光が検出可能となる。
まず、SNP部位を挟むPCR増幅領域内の数十bpのDNA塩基配列に対して、相補的に結合するTaqManプローブを設計した。TaqManプローブは5'末端にレポーター色素が、3'末端にクエンチャー色素がそれぞれ結合している。TaqManプローブは、通常は蛍光を発しないが、PCR反応によりDNAポリメラーゼによる伸長反応に伴ってTaqManプローブが分解され、レポーター蛍光が検出可能となる。
今回のSNPsタイピングでは、ゲノム上のSNP部位に対して2種類の異なる蛍光色素で標識したプローブを使用した。具体的には、DNA塩基配列上に存在するSNP部位にA/GアレルのSNPをもつ場合、Aアレルを認識するプローブ蛍光色素としてFAM、Gアレルを認識するプローブ蛍光色素としてVICで標識した2種類のプローブを作製する。これらをゲノムDNAにハイブリダイズさせPCR反応を行う。アレルがA/Aホモの場合はFAM、G/Gホモの場合はVIC、A/Gへテロの場合はFAMとVIC両方の蛍光がそれぞれに増幅され検出される。
一度に大量サンプルを処理するために、384wellを使用した。384wellの1well内に、DNA鋳型5ng、TaqMan(R) SNP Genotyping Assays (20xプローブ、プライマーを含む) 0.125μl、TaqMan(R) Universal PCR Master Mix 2.5μlを5μlの系で分注後、95℃10分、92℃15秒・60℃60秒を40〜45サイクルのプログラムでPCR反応を行なった後に蛍光を測定した。測定にはABI PRISM(R) 7900HT Sequence Detection Systems (ABI社)を用いた。反応の正確性を確認するために、384well中4位置にNegative Controlを設置した。タイピングデータはSequence Detection Systems 2.1 (SDS2.1) ソフトウェア (ABI社) により解析した。なお、各SNPsのタイピングにおけるPCRプライマーやTaqManプローブは、実施例1と同様にAssays−on−Demand(登録商標;アプライドバイオシステムズ製)の市販品や特注品を用いた。
4.関連解析(第1ステージ)
選定された1356個のSNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の検体360例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の検体372例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった(表11)。健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.1で174SNPs(全体の13.0%)であった。これらのSNPsを含め、P値が0.10未満を示した174SNPs(全体の13.0%)について次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。
選定された1356個のSNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の検体360例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の検体372例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった(表11)。健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.1で174SNPs(全体の13.0%)であった。これらのSNPsを含め、P値が0.10未満を示した174SNPs(全体の13.0%)について次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。
5.関連解析(第2ステージ)
実施例1と同様に、対象候補SNPsとした174SNPsについて、関連解析(第1ステージ)で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料530例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料532例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった(表12)。174SNPsのうち、有意水準α=0.05及びで8個のSNPsについてヒト2型糖尿病との関連が検出され、全体の0.6%であった(図2)。また、第1ステージのP値が0.10未満、第2ステージのP値が0.05未満、第1及び第2ステージのCombinedステージにおいて、P値が0.05未満の全てをクリアしたSNPsは、6SNPs(SNP2131、SNP2140、SNP1164、SNP1165、SNP2141、SNP1167)であった(表13)。また、これら6SNPsは、ハーディ−ワインベルグ平衡状態を満たし、ヒト2型糖尿病との関連が確かめられた。
実施例1と同様に、対象候補SNPsとした174SNPsについて、関連解析(第1ステージ)で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料530例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料532例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった(表12)。174SNPsのうち、有意水準α=0.05及びで8個のSNPsについてヒト2型糖尿病との関連が検出され、全体の0.6%であった(図2)。また、第1ステージのP値が0.10未満、第2ステージのP値が0.05未満、第1及び第2ステージのCombinedステージにおいて、P値が0.05未満の全てをクリアしたSNPsは、6SNPs(SNP2131、SNP2140、SNP1164、SNP1165、SNP2141、SNP1167)であった(表13)。また、これら6SNPsは、ハーディ−ワインベルグ平衡状態を満たし、ヒト2型糖尿病との関連が確かめられた。
上記6SNPのうち、全てのP値が0.05未満である有意SNPに該当したのはSNP2140のみであった。即ち、SNP2140は第1ステージ:P=0.0498、第2ステージ:P=0.0386、Combinedステージ:P=0.0043、オッズ比:P=1.25、95%信頼区間:CI=1.07−1.46を示した。また、有意SNPであるSNP2140、および近傍の第1ステージ(P<0.1)、2nd Stage(P<0.05)、およびCombined ステージ(P<0.05)の有意水準を全てクリアしたSNPであって、かつ最も有意差を示したSNP2140と同一の連鎖不平衡ブロック内に存在する4SNPsの、計5SNPsを疾患感受性候補SNPsと特定した。
上記χ2解析は、富士通株式会社との共同研究により開発した疾患感受性遺伝子同定システムFGDS(Fujitsu Gene Discovery System)、およびデータの信憑性を検討するソフトQCS(Quality Control System) を用いた。データの信憑性は、1)タイピングデータの視覚的チェックによる妥当性、2)第1ステージおよび第2ステージのアレル頻度差の一致性確認、3)ハーディーワインバーグ平衡が基準を満たしているか否かの確認、4)384wellのタイピングデータ中解析できなかったサンプル数の確認 (2%以上は再解析)を、常に二人の研究者で判定した。信憑性の低いデータは再解析・再タイピングを行った。
6.有意SNP周辺の連鎖不平衡解析およびハプロタイプ解析
関連解析(第1ステージ)の解析サンプルのタイピング結果を基に、疾患感受性候補領域における連鎖不平衡ブロックの解析を行った。
先ず、有意SNP周辺(SNP2140)について、FGDSソフトウェアを用いて連鎖不平衡解析を行い、連鎖不平衡ブロックを推定した。連鎖不平衡ブロックはEMアルゴリズムにより算定され、遺伝子多型結果から、2SNPs間の連鎖不平衡の指標|D'|を全SNPsに対して算出し、ブロックを決定した。有意SNPを含むブロックの境界を正確に判定するため、さらにSNPを追加し解析を行った。追加SNPの選択は、HapMapDatabase (http://www.hapmap.org/thehapmap.html.)に登録された、日本人でのMAF(Minor Allele Frequency:マイナーアレル頻度)が10%以上を示すSNPプローブで、且つ、Assay-On-Demand(ABI社)で入手可能なプローブを選択した。追加7SNPsを含む有意SNP周辺に対して、SNP Alyze version 5.0 (DYNACOM社)とHaploview version 3.2(http://www.broad.mit.edu/mpg/haploview/index.php) を用いた連鎖不平衡解析により|D'|値を算出し連鎖不平衡地図を作成した。さらに、LDMAP version 1.0 (http://cedar.genetics.soton.ac.uk/public_html/helpld.html) を用いて組み換え値を算出した。以上の2方法により、連鎖不平衡ブロックを特定した。連鎖不平衡ブロックに関して、SNP Alyze version 5.0を用いてハプロタイプ頻度を用いた関連解析 (permutation検定) を行った。
関連解析(第1ステージ)の解析サンプルのタイピング結果を基に、疾患感受性候補領域における連鎖不平衡ブロックの解析を行った。
先ず、有意SNP周辺(SNP2140)について、FGDSソフトウェアを用いて連鎖不平衡解析を行い、連鎖不平衡ブロックを推定した。連鎖不平衡ブロックはEMアルゴリズムにより算定され、遺伝子多型結果から、2SNPs間の連鎖不平衡の指標|D'|を全SNPsに対して算出し、ブロックを決定した。有意SNPを含むブロックの境界を正確に判定するため、さらにSNPを追加し解析を行った。追加SNPの選択は、HapMapDatabase (http://www.hapmap.org/thehapmap.html.)に登録された、日本人でのMAF(Minor Allele Frequency:マイナーアレル頻度)が10%以上を示すSNPプローブで、且つ、Assay-On-Demand(ABI社)で入手可能なプローブを選択した。追加7SNPsを含む有意SNP周辺に対して、SNP Alyze version 5.0 (DYNACOM社)とHaploview version 3.2(http://www.broad.mit.edu/mpg/haploview/index.php) を用いた連鎖不平衡解析により|D'|値を算出し連鎖不平衡地図を作成した。さらに、LDMAP version 1.0 (http://cedar.genetics.soton.ac.uk/public_html/helpld.html) を用いて組み換え値を算出した。以上の2方法により、連鎖不平衡ブロックを特定した。連鎖不平衡ブロックに関して、SNP Alyze version 5.0を用いてハプロタイプ頻度を用いた関連解析 (permutation検定) を行った。
当初設計したSNPsを用いる解析で、疾患感受性候補SNPsを含む領域の第1次連鎖不平衡解析より、25SNPsからなる全長264kbの連鎖不平衡ブロックを特定した。さらに、連鎖不平衡ブロックの両端の境界領域部を詳細に決定するため、セントロメア側境界部分に5SNPs(セントロメア側よりrs16957168、rs10467975、rs11070380、rs10518779、およびrs6493068)、テロメア側境界部分に2SNPs(テロメア側よりrs11070392、およびrs7166467) を追加し、タイピングを行った。当初設計したSNPsにこれら7SNPsを追加した第2次連鎖不平衡解析 (|D'|>0.9、LDU)の結果、38SNPsから成る355kbpのブロックを特定した(図3)。この巨大ブロックには6遺伝子が認められ、5個の疾患感受性候補SNPsは全て1遺伝子上に存在することを確認した。r-square値による連鎖不平衡解析 (r-square>0.9) では、疾患感受性候補5SNPs全てを含む40.6kbpの連鎖不平衡ブロックが認められた(SNP Alyze version 5.0)。
r-square値より得られた連鎖不平衡ブロック内疾患感受性候補5SNPs(SNP2140−SNP1164−SNP1165−SNP2141−SNP1167)で構成されるハプロタイプに関してpermutation検定を行った。C−C−A−C−GとT−T−G−T−Tの2ハプロタイプがすべてのハプロタイプを説明することを確認した(表14)。ハプロタイプ頻度はC−C−A−C−G;Case/Control=79.9%/75.9% (disease at risk Haplotype)、T−T−G−T−T;Case/Control=20.1%/24.1%( disease protective Haplotype)、permutation検定P値は両ハプロタイプともP=0.0039で有意な値を示した。データは疾患感受性候補5SNPSのCombined ステージ (Case/Control=904/890サンプル) の結果を用いた。
7.UBR1遺伝子の発現解析
糖尿病モデルマウス野生型マウス、およびヒト臓器でUBR1遺伝子の発現を比較した。
1)First strand cDNAの合成
2型糖尿病モデルマウス (db;BKS.Cg-+ Leprdb /+Leprdb/Jcl)の8種類の臓器 (腎臓・脂肪・筋肉・肺・脳・心臓・膵臓) からRNeasy Mini Kit (QIAGEN社) を用いてtotal RNAを抽出した。RNA 0.1μgを鋳型として、SuperScriptTMIII First Strand Synthesis System (Invitrogen社) を用いて逆転写反応を行いcDNAを合成した。12種類のヒト臓器(脳・肝臓・心臓・腎臓・肺・筋肉・脾臓・胸腺・骨髄・胎盤・小腸・膵臓)から抽出したtotal RNA Panel、Human total RNA Master Panel II (BD Biosciences社) を用い、RNA1μgを鋳型として、同様にcDNAを合成した。
糖尿病モデルマウス野生型マウス、およびヒト臓器でUBR1遺伝子の発現を比較した。
1)First strand cDNAの合成
2型糖尿病モデルマウス (db;BKS.Cg-+ Leprdb /+Leprdb/Jcl)の8種類の臓器 (腎臓・脂肪・筋肉・肺・脳・心臓・膵臓) からRNeasy Mini Kit (QIAGEN社) を用いてtotal RNAを抽出した。RNA 0.1μgを鋳型として、SuperScriptTMIII First Strand Synthesis System (Invitrogen社) を用いて逆転写反応を行いcDNAを合成した。12種類のヒト臓器(脳・肝臓・心臓・腎臓・肺・筋肉・脾臓・胸腺・骨髄・胎盤・小腸・膵臓)から抽出したtotal RNA Panel、Human total RNA Master Panel II (BD Biosciences社) を用い、RNA1μgを鋳型として、同様にcDNAを合成した。
2)Primer
マウスおよびヒトUBR1遺伝子、マウスおよびヒトβ-actin遺伝子のプライマーを作製した(表15)。プライマーの設計はABI PRISM(R) Primer Express 2.0ソフトウェア(ABI社)を用い、ゲノムDNAによる増幅バンドと区別するために、プライマーは複数のIntronを挟んだExon上に設計した。
マウスおよびヒトUBR1遺伝子、マウスおよびヒトβ-actin遺伝子のプライマーを作製した(表15)。プライマーの設計はABI PRISM(R) Primer Express 2.0ソフトウェア(ABI社)を用い、ゲノムDNAによる増幅バンドと区別するために、プライマーは複数のIntronを挟んだExon上に設計した。
3)リアルタイムPCR法
1/20に希釈したcDNA1μlを鋳型DNAとし、AmpliTaq Goldを含む2x SYBR(R) Green PCR Master Mix (ABI社)、5nM/each Primerの5μlの反応系でPCR反応を行った。PCR反応は、95℃で10分熱変性後、95℃で15秒・60℃1分のサイクルを40サイクルのプログラムで増幅した。リアルタイム定量PCR解析装置はABI PRISM(R) 7900HT Sequence Detection Systems 384タイプ(ABI社) 、およびSDS2.1ソフトウェア(ABI社) を使用した。PCR産物は、対数増殖期の値から、目的とするmRNA量を求めた。UBR1遺伝子、β-actin遺伝子について、既知濃度の検量線から換算したサンプルのQuantity値から各臓器の相対発現量を算出し、β-actin遺伝子を内部標準遺伝子として、UBR1遺伝子の発現量を補正し、各臓器の相対発現量を比較検討した。
1/20に希釈したcDNA1μlを鋳型DNAとし、AmpliTaq Goldを含む2x SYBR(R) Green PCR Master Mix (ABI社)、5nM/each Primerの5μlの反応系でPCR反応を行った。PCR反応は、95℃で10分熱変性後、95℃で15秒・60℃1分のサイクルを40サイクルのプログラムで増幅した。リアルタイム定量PCR解析装置はABI PRISM(R) 7900HT Sequence Detection Systems 384タイプ(ABI社) 、およびSDS2.1ソフトウェア(ABI社) を使用した。PCR産物は、対数増殖期の値から、目的とするmRNA量を求めた。UBR1遺伝子、β-actin遺伝子について、既知濃度の検量線から換算したサンプルのQuantity値から各臓器の相対発現量を算出し、β-actin遺伝子を内部標準遺伝子として、UBR1遺伝子の発現量を補正し、各臓器の相対発現量を比較検討した。
4)結果
マウスおよびヒト各種臓器におけるUBR1遺伝子の発現量の比較をそれぞれ図4に示す。UBR1遺伝子はマウス・ヒトともに、筋肉、心臓、膵臓で高発現が認められたが、糖尿病マウスと野生型マウス間で、発現量に差は認められなかった。
マウスおよびヒト各種臓器におけるUBR1遺伝子の発現量の比較をそれぞれ図4に示す。UBR1遺伝子はマウス・ヒトともに、筋肉、心臓、膵臓で高発現が認められたが、糖尿病マウスと野生型マウス間で、発現量に差は認められなかった。
8.考察
本研究で検出された疾患感受性候補5SNPsは、P値が第1ステージ(P<0.1)、第2ステージ(P<0.05)、およびCombinedステージ(P<0.05)の有意水準を全てクリアし、且つ、第1ステージ<第2ステージ<Combinedステージと再現性を示しており、疾患感受性との関連が示唆された。また、疾患感受性候補SNPs周辺の連鎖不平衡ブロックは、Gabriel’s Method、LD Unitの結果より特定した(図3)。CaseとControlを合わせて特定した連鎖不平衡ブロックは、Caseのみの結果、およびControlのみの結果でもほぼ一致したブロックを示し、サンプル集団に関わらず強い連鎖不平衡状態にあることが確認された。r-square値による連鎖不平衡解析では疾患感受性候補SNPs全ておよび1SNP(SNP1166/rs3736054) を含むr-square>0.9の強い連鎖不平衡ブロックが認められ、5SNPsは2ハプロタイプを示した。これらの結果より、疾患感受性候補SNPsは2型糖尿病と強い関連を示すと考えられる。
本研究で検出された疾患感受性候補5SNPsは、P値が第1ステージ(P<0.1)、第2ステージ(P<0.05)、およびCombinedステージ(P<0.05)の有意水準を全てクリアし、且つ、第1ステージ<第2ステージ<Combinedステージと再現性を示しており、疾患感受性との関連が示唆された。また、疾患感受性候補SNPs周辺の連鎖不平衡ブロックは、Gabriel’s Method、LD Unitの結果より特定した(図3)。CaseとControlを合わせて特定した連鎖不平衡ブロックは、Caseのみの結果、およびControlのみの結果でもほぼ一致したブロックを示し、サンプル集団に関わらず強い連鎖不平衡状態にあることが確認された。r-square値による連鎖不平衡解析では疾患感受性候補SNPs全ておよび1SNP(SNP1166/rs3736054) を含むr-square>0.9の強い連鎖不平衡ブロックが認められ、5SNPsは2ハプロタイプを示した。これらの結果より、疾患感受性候補SNPsは2型糖尿病と強い関連を示すと考えられる。
[第3番染色体短腕領域]
1.検体
上記実施例と同様に検体を調整し、2段階の関連解析を実施した。具体的には、2型糖尿病患者(Case)304人/健常者 (Control)サンプル361人での解析(第1ステージ)、さらに、Case560人/Control537人での解析(第2ステージ)、計Case864人/Control898人についてスクリーニングを行なった。検体提供者の臨床的特徴等を表16に示す。
SNPsマーカーは実施例2と同様の基準により定められた508種類を選択した。また、TaqManプローブを用いたSNPsタイピング法についても実施例2と同様の手法を使用した。
1.検体
上記実施例と同様に検体を調整し、2段階の関連解析を実施した。具体的には、2型糖尿病患者(Case)304人/健常者 (Control)サンプル361人での解析(第1ステージ)、さらに、Case560人/Control537人での解析(第2ステージ)、計Case864人/Control898人についてスクリーニングを行なった。検体提供者の臨床的特徴等を表16に示す。
SNPsマーカーは実施例2と同様の基準により定められた508種類を選択した。また、TaqManプローブを用いたSNPsタイピング法についても実施例2と同様の手法を使用した。
2.関連解析(第1ステージ)
選定された508個のSNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の検体361例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の検体304例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった(表17)。健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.05で23SNPs(全体の4.5%)であった。これらを次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。
選定された508個のSNPsを対象に、日本人非血縁健常対照者由来の検体361例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の検体304例を対象に関連解析(第1ステージ:遺伝子頻度でのχ2検定)を行なった(表17)。健常対照者と2型糖尿病患者との間で統計学的に有意な遺伝子頻度の差が認められたのは、有意水準α=0.05で23SNPs(全体の4.5%)であった。これらを次の関連解析(第2ステージ)の対象候補SNPsとした。
3.関連解析(第2ステージ)
対象候補SNPsとした23SNPsについて、関連解析(第1ステージ)で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料537例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料560例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった。選択された上記23SNPsのうち、第2ステージの検体を用いた関連解析では、有意水準α=0.05で2個のSNPsについてヒト2型糖尿病との関連が検出された(全体の0.4%)。また、第1ステージのP値が0.10未満、第2ステージのP値が0.05未満、第1及び第2ステージのCombinedステージにおいて、P値が0.05未満の全てをクリアしたSNPsは、2SNPs(SNP375、SNP158)であった(表18)。
対象候補SNPsとした23SNPsについて、関連解析(第1ステージ)で用いた検体と別に用意した日本人非血縁健常対照者由来の試料537例及び日本人非血縁2型糖尿病患者由来の試料560例を対象に関連解析(第2ステージ)を行なった。選択された上記23SNPsのうち、第2ステージの検体を用いた関連解析では、有意水準α=0.05で2個のSNPsについてヒト2型糖尿病との関連が検出された(全体の0.4%)。また、第1ステージのP値が0.10未満、第2ステージのP値が0.05未満、第1及び第2ステージのCombinedステージにおいて、P値が0.05未満の全てをクリアしたSNPsは、2SNPs(SNP375、SNP158)であった(表18)。
上記2SNPのうち、第1ステージ:P=0.000737、第2ステージ:P=0.014、Combinedステージ:P=0.000046、オッズ比:P=1.33、95%信頼区間: CI=1.16−1.53を示し、Bonferroniの多重検定をクリアするSNP375を疾患感受性候補SNPと特定した(図5)。
また、上記χ2解析及びデータの信憑性は、上記実施例2と同様に行った。
また、上記χ2解析及びデータの信憑性は、上記実施例2と同様に行った。
4.有意SNP周辺の連鎖不平衡解析
1次解析で、疾患感受性候補SNP375を含む領域の連鎖不平衡解析より、13SNPsからなる全長71.8kbの連鎖不平衡ブロック(SNP367−SNP379)を特定した。
1次解析で、疾患感受性候補SNP375を含む領域の連鎖不平衡解析より、13SNPsからなる全長71.8kbの連鎖不平衡ブロック(SNP367−SNP379)を特定した。
次に、連鎖不平衡ブロックの両端の境界領域部を詳細に決定するためSNP367よりテロメア側境界部分に4SNPs(テロメア側よりAOD1/rs196377、AOD2/rs2070488、AOD3/rs7373930、AOD4/rs7373916)、セントロメア側境界部分に5SNPs(テロメア側よりAOD5/rs6810361、HAP4/rs12053903、HAP5/rs6793245、AOD6/rs6799868、AOD7/rs9873213) を追加し、タイピングを行った。追加9SNPsを含む有意SNP周辺に対して、SNP Alyze version 5.0 (DYNACOM社)とHaploview version 3.2 (http://www.broad.mit.edu/mpg/haploview/index.php) を用いた連鎖不平衡解析により|D'|値を算出し連鎖不平衡地図を作成した。さらに、LDMAP version 1.0 (http://cedar.genetics.soton.ac.uk/public_html/helpld.html) を用いて組み換え値を算出した。以上の2方法により、連鎖不平衡ブロックを特定した。
これら9SNPsを追加した2次連鎖不平衡解析 (|D'|>0.9、LDU解析)の結果、連鎖不平衡ブロックは、15SNPsから成る121.6kbpのブロックを特定した(図6)。
これら9SNPsを追加した2次連鎖不平衡解析 (|D'|>0.9、LDU解析)の結果、連鎖不平衡ブロックは、15SNPsから成る121.6kbpのブロックを特定した(図6)。
これらの領域の内、SNP374からSNPAOD5間は、連鎖不平衡計数|D'|=1を示す強固な連鎖不平衡ブロックを示した。そこで、SNP374からSNPAOD5迄の26.9 kbpにわたる連鎖不平衡ブロック内の網羅的シークエンスを行い、抽出した複数のSNPsを加えた関連解析により、新たに6つの有意SNPsを見出した(表19)。本SNPsを含む強い連鎖不平衡値(|D’|=0.95)を示す121.6kbpブロックを特定した。連鎖不平衡ブロックには3遺伝子が認められた(図6)。
5.ハプロタイプ解析
連鎖不平衡ブロックに関して、SNP Alyze version 5.0を用いてハプロタイプ頻度を用いた関連解析(permutation検定)を行った。疾患感受性候補SNPs全てを含む121.6bpの連鎖不平衡ブロック内の6種類のTagSNPs(ENGL2,SNP370,ENGL4,ENGL12,ENGL18,ENGL24)を用いたpermutation検定の結果、disease at risk Haplotype G-G-C-G-T-T(permutation検定P値=0.00013)およびdisease protectived HaplotypeG-G-C-A-A-C(permutation検定P値=0.0003)であった。
連鎖不平衡ブロックに関して、SNP Alyze version 5.0を用いてハプロタイプ頻度を用いた関連解析(permutation検定)を行った。疾患感受性候補SNPs全てを含む121.6bpの連鎖不平衡ブロック内の6種類のTagSNPs(ENGL2,SNP370,ENGL4,ENGL12,ENGL18,ENGL24)を用いたpermutation検定の結果、disease at risk Haplotype G-G-C-G-T-T(permutation検定P値=0.00013)およびdisease protectived HaplotypeG-G-C-A-A-C(permutation検定P値=0.0003)であった。
6.Endogl1遺伝子の発現解析
1)First strand cDNAの合成
2型糖尿病モデルマウス(db;BKS.Cg-+ Leprdb /+Leprdb/Jcl)の8種類の臓器 (腎臓・脂肪・筋肉・肺・脳・心臓・膵臓) からRNeasy Mini Kit (QIAGEN社) を用いてtotal RNAを抽出した。RNA0.1μgを鋳型として、SuperScriptTMIII First Strand Synthesis System (Invitrogen社)を用いて逆転写反応を行いcDNAを合成した。また、12種類のヒト臓器(脳・肝臓・心臓・腎臓・肺・筋肉・脾臓・胸腺・骨髄・胎盤・小腸・膵臓)から抽出したtotal RNA Panel、Human total RNA Master Panel II (BD Biosciences社)を用い、RNA1μgを鋳型として、同様にcDNAを合成した。dbマウス/野生型マウス、およびヒト臓器でEndogl1遺伝子の発現量を比較検討した。さらに、マウス繊維芽細胞株(NIH3T3)、マウス筋芽細胞(C3C12)および膵β細胞株(MIN6)のRNA1μgを鋳型として、同様にcDNAを合成した。
1)First strand cDNAの合成
2型糖尿病モデルマウス(db;BKS.Cg-+ Leprdb /+Leprdb/Jcl)の8種類の臓器 (腎臓・脂肪・筋肉・肺・脳・心臓・膵臓) からRNeasy Mini Kit (QIAGEN社) を用いてtotal RNAを抽出した。RNA0.1μgを鋳型として、SuperScriptTMIII First Strand Synthesis System (Invitrogen社)を用いて逆転写反応を行いcDNAを合成した。また、12種類のヒト臓器(脳・肝臓・心臓・腎臓・肺・筋肉・脾臓・胸腺・骨髄・胎盤・小腸・膵臓)から抽出したtotal RNA Panel、Human total RNA Master Panel II (BD Biosciences社)を用い、RNA1μgを鋳型として、同様にcDNAを合成した。dbマウス/野生型マウス、およびヒト臓器でEndogl1遺伝子の発現量を比較検討した。さらに、マウス繊維芽細胞株(NIH3T3)、マウス筋芽細胞(C3C12)および膵β細胞株(MIN6)のRNA1μgを鋳型として、同様にcDNAを合成した。
2)Primer
マウスおよびヒトEndogl1遺伝子、マウスおよびヒトβ-actin遺伝子のプライマーを作製した。プライマーの設計はABI PRISM(R) Primer Express 2.0ソフトウェア (ABI社) を用い、ゲノムDNAによる増幅バンドと区別するために、プライマーは複数のIntronを挟んだExon上に設計した(表20)。
マウスおよびヒトEndogl1遺伝子、マウスおよびヒトβ-actin遺伝子のプライマーを作製した。プライマーの設計はABI PRISM(R) Primer Express 2.0ソフトウェア (ABI社) を用い、ゲノムDNAによる増幅バンドと区別するために、プライマーは複数のIntronを挟んだExon上に設計した(表20)。
3)リアルタイムPCR法
リアルタイムPCRは実施例2と同様の手法により行った。Endogl1遺伝子、β-actin遺伝子について、既知濃度の検量線から換算したサンプルのQuantity値から各臓器の相対発現量を算出し、β-actin遺伝子を内部標準遺伝子として、Endogl1遺伝子の発現量を補正し、各臓器の相対発現量を比較検討した。
リアルタイムPCRは実施例2と同様の手法により行った。Endogl1遺伝子、β-actin遺伝子について、既知濃度の検量線から換算したサンプルのQuantity値から各臓器の相対発現量を算出し、β-actin遺伝子を内部標準遺伝子として、Endogl1遺伝子の発現量を補正し、各臓器の相対発現量を比較検討した。
4)結果
糖尿病モデルマウス(dbマウス)の膵島、脳、筋肉組織(図7B)、膵β細胞株(図7C)で、野生型マウスと比べ有意にEndogl1遺伝子の発現量の変動が認められた。また、ヒト臓器でも脳での高発現が認められた(図7A)。さらに、繊維芽細胞と比較して膵β細胞株での有意な発現の増加が認められた(図7C)。
糖尿病モデルマウス(dbマウス)の膵島、脳、筋肉組織(図7B)、膵β細胞株(図7C)で、野生型マウスと比べ有意にEndogl1遺伝子の発現量の変動が認められた。また、ヒト臓器でも脳での高発現が認められた(図7A)。さらに、繊維芽細胞と比較して膵β細胞株での有意な発現の増加が認められた(図7C)。
本発明は、2型糖尿病感受性遺伝子が存在すると考えられる、第20番染色体長腕の17Mb領域における2個の2型糖尿病感受性SNPsマーカー、第15番染色体長腕の18.6Mbp領域の中の5個の2型糖尿病感受性SNPsマーカー、第3番染色体短腕の20.4Mbp領域中の7個の2型糖尿病感受性SNPsマーカーは、2型糖尿病の発症リスクを判定する上で有用であり、2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用することができる。
Claims (22)
- ヒトゲノム配列中の配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基から選択される1又は2以上の塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法。
- ヒトゲノム配列中の配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、ヒトゲノム配列中の配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は/及びヒトゲノム配列中の配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法。
- 米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいて、rs220079、rs220076、rs2412747、rs1037990、rs8027733、rs4573908、rs11070387、rs2051211、rs6599210、rs17037804、rs2070490、rs7649984、rs7647657で表される塩基、及びENGL24から選択される1又は2以上の塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法。
- 米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいて、rs220076、rs2412747、rs2051211、又は/及びrs17037804で表される塩基を2型糖尿病易罹患性判定マーカーとして使用する方法。
- 以下の工程を含む2型糖尿病の発症リスクを判定する方法:
(A)検体中のヒトゲノムDNAを抽出する工程、及び
(B)抽出したヒトゲノムDNAの配列において、配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基から選択される1又は2以上の塩基を同定・評価する工程。 - 以下の工程を含む2型糖尿病の発症リスクを判定する方法:
(A)検体中のヒトゲノムDNAを抽出する工程、及び
(B)抽出したヒトゲノムDNAの配列において、米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいて、rs220079、rs220076、rs2412747、rs1037990、rs8027733、rs4573908、rs11070387、rs2051211、rs6599210、rs17037804、rs2070490、rs7649984、rs7647657で表される塩基、及びENGL24から選択される1又は2以上の塩基を同定・評価する工程。 - 配列番号1記載の塩基配列と配列番号2記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs220079で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号3記載の塩基配列と配列番号4記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs220076で表される塩基が、C若しくはAであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号5記載の塩基配列と配列番号6記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2412747(SNP2140)で表される塩基が、C若しくはTであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号7記載の塩基配列と配列番号8記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs1037990(SNP1164)で表される塩基が、C若しくはTであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号9記載の塩基配列と配列番号10記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs8027733(SNP1165)で表される塩基が、A若しくはGであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号11記載の塩基配列と配列番号12記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs4573908(SNP2141)で表される塩基が、C若しくはTであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号13記載の塩基配列と配列番号14記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs11070387(SNP1167)で表される塩基が、G若しくはTであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号15記載の塩基配列と配列番号16記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2051211(SNP375)で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号17記載の塩基配列と配列番号18記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs6599210(ENGL12)で表される塩基が、A若しくはGであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号19記載の塩基配列と配列番号20記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs17037804(ENGL15)で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号21記載の塩基配列と配列番号22記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs2070490(ENGL18)で表される塩基が、T若しくはAであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号23記載の塩基配列と配列番号24記載の塩基配列により挟まれたENGL24で表される塩基が、T若しくはCであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号25記載の塩基配列と配列番号26記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs7649984(ENGL25)で表される塩基が、T若しくはCであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 配列番号27記載の塩基配列と配列番号28記載の塩基配列により挟まれた塩基、又は米国のdbSNPデータベースにおけるdbSNP IDにおいてrs7647657(ENGL26)で表される塩基が、G若しくはAであることを特徴とする請求項5又は6記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 検体として末梢血を用いることを特徴とする請求項5〜20のいずれか記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
- 日本人のヒトゲノムを用いることを特徴とする請求項5〜21のいずれか記載の2型糖尿病の発症リスクを判定する方法。
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