JP2004173433A - 降圧チョッパー回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】低損失な降圧チョッパー回路を提供する。
【解決手段】スイッチング用パワートランジスタ1、エネルギー蓄積用インダクタ2、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成されたことを特徴とする降圧チョッパー回路であって、前記整流機能を持たせたトランジスタを、静電誘導型トランジスタ4とする降圧チョッパー回路とする。
【選択図】 図1
【解決手段】スイッチング用パワートランジスタ1、エネルギー蓄積用インダクタ2、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成されたことを特徴とする降圧チョッパー回路であって、前記整流機能を持たせたトランジスタを、静電誘導型トランジスタ4とする降圧チョッパー回路とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてチョッパー式スイッチング電源回路に使用されるのに好適な降圧チョッパー回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の降圧チョッパー回路は、例えば、単行本、パワーエレクトロニクス入門(オーム社)のP138からP141に記載されている。図3は、従来のチョッパー回路の説明図である。
【0003】
図3に示した従来の降圧チョッパー回路は、スイッチング用パワートランジスタ1、エネルギー蓄積用インダクタ2、整流用ダイオード3より構成され、入力電源Vinにより、スイッチング用パワートランジスタ1がONの時は、インダクタ2に電流ILが流れ、インダクタ2にエネルギーが蓄積され、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFの時は、インダクタ2に蓄積されたエネルギーによってダイオード3を介して電流IDが流れ、出力Voutが得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4は、図3の降圧チョッパー回路の動作波形の説明図である。図4(a)は、スイッチング用パワートランジスタのON、OFFの状態の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(c)は、ダイオードに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(e)は、ダイオードの端子電圧の時間の経過に伴う変化を示す図である。
【0005】
図4(a)、図4(b)に示すように、トランジスタがONすると、トランジスタに流れる電流は、(Vin−Vout)・t/Lで増加し、そのピークは、Ip=(Vin−Vout)・tTr/Lとなり、インダクタ2にエネルギーが蓄積される。
【0006】
次に、図4(c)に示すように、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFすると、インダクタ2に蓄えられていたエネルギーが、ダイオード3を通して放出され、電流IDが流れる。この時、流れる電流は、Ip−(Vout・t/L)となる。この時、降圧チョッパー回路の出力電圧波形は、図4(d)に示すようになる。この場合、図4(e)に示すように、ダイオード3に電流が流れた場合、しきい値0.6Vがあるため、0.6V分の電圧が生じ、これが駆動電力の損失となる。
【0007】
従って、本発明の目的は、パワー損失が著しく小さな降圧チョッパー回路を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の降圧チョッパー回路は、スイッチング用パワートランジスタ、エネルギー蓄積用インダクタ、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成されたチョッパー回路において、該整流機能を持たせたトランジスタとして、三極管特性を持った接合型トランジスタ(静電誘導型トランジスタ:SIT)を使用し、スイッチング用パワートランジスタがONの時は、静電誘導型トランジスタはOFFし、スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアス駆動モードのダイオードとして使用することにより、整流回路部分の損失がダイオードより小さく改善したことを特徴とし、さらに、スイッチング用パワートランジスタがONの時は、静電誘導型トランジスタはOFFし、スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用する際、両者を同期整流とした降圧チョッパー回路である。
【0009】
即ち、本発明は、スイッチング用パワートランジスタ、エネルギー蓄積用インダクタ、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成された降圧チョッパー回路である。
【0010】
また、本発明は、前記整流機能を持たせたトランジスタを、三極管特性を持ったトランジスタとする降圧チョッパー回路である。
【0011】
また、本発明は、前記整流機能を持たせたトランジスタを、三極管特性を持った接合型トランジスタとする降圧チョッパー回路である。
【0012】
また、本発明は、前記整流機能を持たせたトランジスタを、前記静電誘導型トランジスタとする降圧チョッパー回路である。
【0013】
また、本発明は、前記静電誘導型トランジスタは、前記スイッチング用パワートランジスタがONの時は、前記静電誘導型トランジスタはOFFし、前記スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、前記静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用した降圧チョッパー回路である。
【0014】
また、本発明は、前記降圧チョパー回路において、前記スイッチング用パワートランジスタがONの時は、前記静電誘導型トランジスタはOFFし、前記スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、前記静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用する際、両者を同期整流とした降圧チョッパー回路である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による降圧チョッパー回路について説明する。
【0016】
ここで、従来の降圧チョッパー回路のダイオードに着目した場合、ダイオードは図5に示すようなI−V特性を示すことより、電圧0.6Vより電流が立ち上がるので、通電時、必ず0.6V以上の損失が存在する。
【0017】
一方、本発明では、スイッチング用パワートランジスタと同期整流して使用する静電誘導型トランジスタを用いる。静電誘導型トランジスタは電圧駆動型素子であり、三極管特性を示し、図6に示すようなI−V特性を示す。
【0018】
図7は、静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図である。図7に示すように、同等電流容量のダイオードと静電誘導型トランジスタのI−V特性を重ね合わせ比較すると、同一電流を流した場合、低電流領域では静電誘導型トランジスタの方が小さな電圧で済むが、大電流領域ではダイオードのほうが小さな電圧降下で済む。これは、ダイオードは立ち上がり電圧0.6Vは持つが、立ち上がりは指数関数的で急峻なためである。
【0019】
図8は、静電誘導型トランジスタの駆動回路の説明図であり、図9は、静電誘導型トランジスタのI−V特性の説明図であり、図10は、静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図であり、図11は、静電誘導型トランジスタの順バイアスのI−V特性の説明図であり、図12は、静電誘導型トランジスタの順バイアス及びダイオードのI−V特性の説明図である。
【0020】
そこで、静電誘導型トランジスタを考えた場合、図8に示す回路でI−V特性を考えると、ノーマリオン型電圧駆動型素子であるので、ゲートに負バイアスをかけた場合のI−V特性は、前述と同様に、図9、図10に示すようになるが、ゲートに順方向バイアス0.7Vをかけると、静電誘導型トランジスタのチャンネルのポテンシャルが下がり、チャンネル抵抗が下がり、図11に示すように、0.6V順バイアスカーブは、0Vバイアスカーブに比べて急激に立ち上がり、図12に示すようにダイオードのI−Vカーブよりも急峻に立ち上がり、同一電流を流した場合、より小さな電圧降下で済む。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態による降圧チョッパー回路の説明図である。図1(a)は、静電誘導型トランジスタのゲートが開放された状態の説明図であり、図1(b)は、静電誘導型トランジスタのゲートが電源(負バイアス)に接続された状態の説明図であり、図1(c)は静電誘導型トランジスタのゲートが、ドレインと接続された状態の説明図である。
【0022】
図2は、図1の降圧チョッパー回路の動作波形を示す図である。図2(a)は、スイッチング用パワートランジスタの時間の経過に伴うON、OFFの状態の変化を示す図であり、図2(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図2(c)は、静電誘導型トランジスタのドレイン電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図2(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図2(e)は、静電誘導型トランジスタのゲート・ドレイン間の電圧の時間の経過に伴う変化を示す図である。
【0023】
図1(b)、図2(a)、図2(b)に示すように、静電誘導型トランジスタ4のゲートが逆バイアスされ、OFF状態で、スイッチング用パワートランジスタ1がONすると、スイッチング用パワートランジスタ1の流れる電流は、(Vin−Vout)・t/Lで増加し、そのピークは、Ip=(Vin−Vout)・tTr/Lとなり、インダクタ2にエネルギーが蓄積される。
【0024】
次に、図1(c)、図2(c)に示すように、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFすると同時に、静電誘導型トランジスタ4のゲートとドレインを短絡し、インダクタ2に蓄積されたエネルギーでゲートが順バイアスされるようにすると、インダクタ2に蓄えられていたエネルギーが低抵抗状態でON状態の静電誘導型トランジスタ4を通して放出され、電流IDが流れる。この時、流れる電流は、Ip−(Vin・t/L)となる。
【0025】
この時の出力電圧波形は、図2(d)に示すようになる。この場合、静電誘導型トランジスタ4に電流が流れた場合、電流・電圧特性は、0Vより立ち上がるので、図2(e)に実線で示すように、従来の降圧チョッパー回路の場合に生じた破線で示すダイオードのしきい値0.6Vがなくなり、0.6Vに相当する駆動電力の損失が低減される。
【0026】
図1に示すように、スイッチング用パワートランジスタ1、静電誘導型トランジスタ4、インダクタ2よりなり、静電誘導型トランジスタ4のゲート駆動は、スイッチング用パワートランジスタ1と同期させることにより、スイッチング用パワートランジスタ1がONの時には、静電誘導型トランジスタ4のゲートは、負バイアス端子5と接続され、ゲートが負バイアス電源7に接続されてOFF状態となり、電流ILが流れ、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFの時には、整流用トランジスタのゲートは、ゲート・ドレイン短絡端子6と接続され、ゲート・ドレイン間が短絡され、インダクタ2に蓄積された電圧によりゲートが順バイアスされ、ON状態となる。
【0027】
この時、図12のI−V特性波形のVGS=+0.6Vの電流、電圧特性となり、本整流用静電誘導型トランジスタと同等レベルのダイオードと比較すると電圧・電流特性の傾きが急峻であり、同じ電流を流した場合、小さな電圧降下ですむ。さらに、この時、ゲートヘのバイアスは、ゲート・ドレイン間が短絡されたことにより、インダクタ2に蓄えられたエネルギーにより順バイアスされているので、外部電源の必要はない。
【0028】
また、ゲート・ドレイン間のバイアスは、+0.6Vの電圧駆動だけで十分であるが、ゲート・ドレイン間はPN接合構造であるためわずかに電流が流れるが、電流が流れた場合はバイポーラモード駆動に近い状態と、さらに電圧、電流特性がより急峻となるため、大部分の電流は、ゲート・ドレイン間の抵抗と比べ、ドレイン・ソース間の抵抗が著しく小さいので、ドレイン・ソース間に流れるため、電圧降下が大きくなることはなく、また、ドレインから分かれてゲートに流れた電流成分もソース側から流れ出す電流IDとなるため、エネルギーの損失も発生しない。
【0029】
本発明の降圧チョッパー回路において、整流素子として接合型トランジスタである静電誘導型トランジスタを用い、スイッチング素子と同期させて、OFF時にはゲートに負のバイアスを印加し高抵抗とし、ON時にはゲート・ドレイン間を短絡、つまりドレインと同一電源にてゲートに正のバイアスを印加することにより、極めて低抵抗な電流・電圧特性を実現し、同等電流容量のダイオード以上に低電圧にて同じ電流を流すことができ、他のMOSFETやバイポーラトランジスタを用いた同期整流回路に比較しても著しく電圧降下分、つまり損失を低減できる。
【0030】
図12に示す静電誘導型トランジスタ及びダイオードを整流素子として用いた場合の電圧降下を比較すると、電流25A流した場合で、静電誘導型トランジスタで0.6V程度、ダイオードで1.3V程度となり、静電誘導型トランジスタの損失はダイオードの半分となっている。
【0031】
【発明の効果】
本発明により、パワー損失が著しく小さな降圧チョッパー回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態よる降圧チョッパー回路の説明図。図1(a)は、静電誘導型トランジスタのゲートが開放された状態の説明図、図1(b)は、静電誘導型トランジスタのゲートが電源(負バイアス)に接続された状態の説明図、図1(c)は、静電誘導型トランジスタのゲートがドレインと接続された状態の説明図。
【図2】図1の降圧チョッパー回路の動作波形の説明図。図2(a)は、スイッチング用パワートランジスタのON、OFFの状態の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(c)は、静電誘導型トランジスタのドレイン電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(e)は、静電誘導型トランジスタのゲート・ドレイン間の電圧の時間の経過に伴う変化を示す図。
【図3】従来の降圧チョッパー回路の説明図。
【図4】図3の降圧チョッパー回路の動作波形の説明図。図4(a)は、スイッチング用パワートランジスタのON、OFFの状態の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(c)は、ダイオードに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(e)は、ダイオードの端子電圧の時間の経過に伴う変化を示す図。
【図5】ダイオードのI−V特性の説明図。
【図6】静電誘導型トランジスタのI−V特性の説明図。
【図7】静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図。
【図8】静電誘導型トランジスタの駆動回路の説明図。
【図9】静電誘導型トランジスタのI−V特性の説明図。
【図10】静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図。
【図11】静電誘導型トランジスタの順バイアスのI−V特性の説明図。
【図12】静電誘導型トランジスタの順バイアスのI−V特性及びダイオードのI−V特性の説明図。
【符号の説明】
1 スイッチング用パワートランジスタ
2 インダクタ
3 ダイオード
4 静電誘導型トランジスタ
5 負バイアス端子
6 ゲート・ドレイン短絡端子
7 電源(負バイアス)
IL,ID 電流
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてチョッパー式スイッチング電源回路に使用されるのに好適な降圧チョッパー回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の降圧チョッパー回路は、例えば、単行本、パワーエレクトロニクス入門(オーム社)のP138からP141に記載されている。図3は、従来のチョッパー回路の説明図である。
【0003】
図3に示した従来の降圧チョッパー回路は、スイッチング用パワートランジスタ1、エネルギー蓄積用インダクタ2、整流用ダイオード3より構成され、入力電源Vinにより、スイッチング用パワートランジスタ1がONの時は、インダクタ2に電流ILが流れ、インダクタ2にエネルギーが蓄積され、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFの時は、インダクタ2に蓄積されたエネルギーによってダイオード3を介して電流IDが流れ、出力Voutが得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4は、図3の降圧チョッパー回路の動作波形の説明図である。図4(a)は、スイッチング用パワートランジスタのON、OFFの状態の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(c)は、ダイオードに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図4(e)は、ダイオードの端子電圧の時間の経過に伴う変化を示す図である。
【0005】
図4(a)、図4(b)に示すように、トランジスタがONすると、トランジスタに流れる電流は、(Vin−Vout)・t/Lで増加し、そのピークは、Ip=(Vin−Vout)・tTr/Lとなり、インダクタ2にエネルギーが蓄積される。
【0006】
次に、図4(c)に示すように、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFすると、インダクタ2に蓄えられていたエネルギーが、ダイオード3を通して放出され、電流IDが流れる。この時、流れる電流は、Ip−(Vout・t/L)となる。この時、降圧チョッパー回路の出力電圧波形は、図4(d)に示すようになる。この場合、図4(e)に示すように、ダイオード3に電流が流れた場合、しきい値0.6Vがあるため、0.6V分の電圧が生じ、これが駆動電力の損失となる。
【0007】
従って、本発明の目的は、パワー損失が著しく小さな降圧チョッパー回路を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の降圧チョッパー回路は、スイッチング用パワートランジスタ、エネルギー蓄積用インダクタ、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成されたチョッパー回路において、該整流機能を持たせたトランジスタとして、三極管特性を持った接合型トランジスタ(静電誘導型トランジスタ:SIT)を使用し、スイッチング用パワートランジスタがONの時は、静電誘導型トランジスタはOFFし、スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアス駆動モードのダイオードとして使用することにより、整流回路部分の損失がダイオードより小さく改善したことを特徴とし、さらに、スイッチング用パワートランジスタがONの時は、静電誘導型トランジスタはOFFし、スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用する際、両者を同期整流とした降圧チョッパー回路である。
【0009】
即ち、本発明は、スイッチング用パワートランジスタ、エネルギー蓄積用インダクタ、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成された降圧チョッパー回路である。
【0010】
また、本発明は、前記整流機能を持たせたトランジスタを、三極管特性を持ったトランジスタとする降圧チョッパー回路である。
【0011】
また、本発明は、前記整流機能を持たせたトランジスタを、三極管特性を持った接合型トランジスタとする降圧チョッパー回路である。
【0012】
また、本発明は、前記整流機能を持たせたトランジスタを、前記静電誘導型トランジスタとする降圧チョッパー回路である。
【0013】
また、本発明は、前記静電誘導型トランジスタは、前記スイッチング用パワートランジスタがONの時は、前記静電誘導型トランジスタはOFFし、前記スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、前記静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用した降圧チョッパー回路である。
【0014】
また、本発明は、前記降圧チョパー回路において、前記スイッチング用パワートランジスタがONの時は、前記静電誘導型トランジスタはOFFし、前記スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、前記静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用する際、両者を同期整流とした降圧チョッパー回路である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による降圧チョッパー回路について説明する。
【0016】
ここで、従来の降圧チョッパー回路のダイオードに着目した場合、ダイオードは図5に示すようなI−V特性を示すことより、電圧0.6Vより電流が立ち上がるので、通電時、必ず0.6V以上の損失が存在する。
【0017】
一方、本発明では、スイッチング用パワートランジスタと同期整流して使用する静電誘導型トランジスタを用いる。静電誘導型トランジスタは電圧駆動型素子であり、三極管特性を示し、図6に示すようなI−V特性を示す。
【0018】
図7は、静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図である。図7に示すように、同等電流容量のダイオードと静電誘導型トランジスタのI−V特性を重ね合わせ比較すると、同一電流を流した場合、低電流領域では静電誘導型トランジスタの方が小さな電圧で済むが、大電流領域ではダイオードのほうが小さな電圧降下で済む。これは、ダイオードは立ち上がり電圧0.6Vは持つが、立ち上がりは指数関数的で急峻なためである。
【0019】
図8は、静電誘導型トランジスタの駆動回路の説明図であり、図9は、静電誘導型トランジスタのI−V特性の説明図であり、図10は、静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図であり、図11は、静電誘導型トランジスタの順バイアスのI−V特性の説明図であり、図12は、静電誘導型トランジスタの順バイアス及びダイオードのI−V特性の説明図である。
【0020】
そこで、静電誘導型トランジスタを考えた場合、図8に示す回路でI−V特性を考えると、ノーマリオン型電圧駆動型素子であるので、ゲートに負バイアスをかけた場合のI−V特性は、前述と同様に、図9、図10に示すようになるが、ゲートに順方向バイアス0.7Vをかけると、静電誘導型トランジスタのチャンネルのポテンシャルが下がり、チャンネル抵抗が下がり、図11に示すように、0.6V順バイアスカーブは、0Vバイアスカーブに比べて急激に立ち上がり、図12に示すようにダイオードのI−Vカーブよりも急峻に立ち上がり、同一電流を流した場合、より小さな電圧降下で済む。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態による降圧チョッパー回路の説明図である。図1(a)は、静電誘導型トランジスタのゲートが開放された状態の説明図であり、図1(b)は、静電誘導型トランジスタのゲートが電源(負バイアス)に接続された状態の説明図であり、図1(c)は静電誘導型トランジスタのゲートが、ドレインと接続された状態の説明図である。
【0022】
図2は、図1の降圧チョッパー回路の動作波形を示す図である。図2(a)は、スイッチング用パワートランジスタの時間の経過に伴うON、OFFの状態の変化を示す図であり、図2(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図2(c)は、静電誘導型トランジスタのドレイン電流の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図2(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図であり、図2(e)は、静電誘導型トランジスタのゲート・ドレイン間の電圧の時間の経過に伴う変化を示す図である。
【0023】
図1(b)、図2(a)、図2(b)に示すように、静電誘導型トランジスタ4のゲートが逆バイアスされ、OFF状態で、スイッチング用パワートランジスタ1がONすると、スイッチング用パワートランジスタ1の流れる電流は、(Vin−Vout)・t/Lで増加し、そのピークは、Ip=(Vin−Vout)・tTr/Lとなり、インダクタ2にエネルギーが蓄積される。
【0024】
次に、図1(c)、図2(c)に示すように、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFすると同時に、静電誘導型トランジスタ4のゲートとドレインを短絡し、インダクタ2に蓄積されたエネルギーでゲートが順バイアスされるようにすると、インダクタ2に蓄えられていたエネルギーが低抵抗状態でON状態の静電誘導型トランジスタ4を通して放出され、電流IDが流れる。この時、流れる電流は、Ip−(Vin・t/L)となる。
【0025】
この時の出力電圧波形は、図2(d)に示すようになる。この場合、静電誘導型トランジスタ4に電流が流れた場合、電流・電圧特性は、0Vより立ち上がるので、図2(e)に実線で示すように、従来の降圧チョッパー回路の場合に生じた破線で示すダイオードのしきい値0.6Vがなくなり、0.6Vに相当する駆動電力の損失が低減される。
【0026】
図1に示すように、スイッチング用パワートランジスタ1、静電誘導型トランジスタ4、インダクタ2よりなり、静電誘導型トランジスタ4のゲート駆動は、スイッチング用パワートランジスタ1と同期させることにより、スイッチング用パワートランジスタ1がONの時には、静電誘導型トランジスタ4のゲートは、負バイアス端子5と接続され、ゲートが負バイアス電源7に接続されてOFF状態となり、電流ILが流れ、スイッチング用パワートランジスタ1がOFFの時には、整流用トランジスタのゲートは、ゲート・ドレイン短絡端子6と接続され、ゲート・ドレイン間が短絡され、インダクタ2に蓄積された電圧によりゲートが順バイアスされ、ON状態となる。
【0027】
この時、図12のI−V特性波形のVGS=+0.6Vの電流、電圧特性となり、本整流用静電誘導型トランジスタと同等レベルのダイオードと比較すると電圧・電流特性の傾きが急峻であり、同じ電流を流した場合、小さな電圧降下ですむ。さらに、この時、ゲートヘのバイアスは、ゲート・ドレイン間が短絡されたことにより、インダクタ2に蓄えられたエネルギーにより順バイアスされているので、外部電源の必要はない。
【0028】
また、ゲート・ドレイン間のバイアスは、+0.6Vの電圧駆動だけで十分であるが、ゲート・ドレイン間はPN接合構造であるためわずかに電流が流れるが、電流が流れた場合はバイポーラモード駆動に近い状態と、さらに電圧、電流特性がより急峻となるため、大部分の電流は、ゲート・ドレイン間の抵抗と比べ、ドレイン・ソース間の抵抗が著しく小さいので、ドレイン・ソース間に流れるため、電圧降下が大きくなることはなく、また、ドレインから分かれてゲートに流れた電流成分もソース側から流れ出す電流IDとなるため、エネルギーの損失も発生しない。
【0029】
本発明の降圧チョッパー回路において、整流素子として接合型トランジスタである静電誘導型トランジスタを用い、スイッチング素子と同期させて、OFF時にはゲートに負のバイアスを印加し高抵抗とし、ON時にはゲート・ドレイン間を短絡、つまりドレインと同一電源にてゲートに正のバイアスを印加することにより、極めて低抵抗な電流・電圧特性を実現し、同等電流容量のダイオード以上に低電圧にて同じ電流を流すことができ、他のMOSFETやバイポーラトランジスタを用いた同期整流回路に比較しても著しく電圧降下分、つまり損失を低減できる。
【0030】
図12に示す静電誘導型トランジスタ及びダイオードを整流素子として用いた場合の電圧降下を比較すると、電流25A流した場合で、静電誘導型トランジスタで0.6V程度、ダイオードで1.3V程度となり、静電誘導型トランジスタの損失はダイオードの半分となっている。
【0031】
【発明の効果】
本発明により、パワー損失が著しく小さな降圧チョッパー回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態よる降圧チョッパー回路の説明図。図1(a)は、静電誘導型トランジスタのゲートが開放された状態の説明図、図1(b)は、静電誘導型トランジスタのゲートが電源(負バイアス)に接続された状態の説明図、図1(c)は、静電誘導型トランジスタのゲートがドレインと接続された状態の説明図。
【図2】図1の降圧チョッパー回路の動作波形の説明図。図2(a)は、スイッチング用パワートランジスタのON、OFFの状態の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(c)は、静電誘導型トランジスタのドレイン電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図、図2(e)は、静電誘導型トランジスタのゲート・ドレイン間の電圧の時間の経過に伴う変化を示す図。
【図3】従来の降圧チョッパー回路の説明図。
【図4】図3の降圧チョッパー回路の動作波形の説明図。図4(a)は、スイッチング用パワートランジスタのON、OFFの状態の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(b)は、スイッチング用パワートランジスタに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(c)は、ダイオードに流れる電流の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(d)は、降圧チョッパー回路の出力電圧の時間の経過に伴う変化を示す図、図4(e)は、ダイオードの端子電圧の時間の経過に伴う変化を示す図。
【図5】ダイオードのI−V特性の説明図。
【図6】静電誘導型トランジスタのI−V特性の説明図。
【図7】静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図。
【図8】静電誘導型トランジスタの駆動回路の説明図。
【図9】静電誘導型トランジスタのI−V特性の説明図。
【図10】静電誘導型トランジスタ及びダイオードのI−V特性の説明図。
【図11】静電誘導型トランジスタの順バイアスのI−V特性の説明図。
【図12】静電誘導型トランジスタの順バイアスのI−V特性及びダイオードのI−V特性の説明図。
【符号の説明】
1 スイッチング用パワートランジスタ
2 インダクタ
3 ダイオード
4 静電誘導型トランジスタ
5 負バイアス端子
6 ゲート・ドレイン短絡端子
7 電源(負バイアス)
IL,ID 電流
Claims (6)
- スイッチング用パワートランジスタ、エネルギー蓄積用インダクタ、及び整流機能を持たせたトランジスタより構成されたことを特徴とする降圧チョッパー回路。
- 前記整流機能を持たせたトランジスタは、三極管特性を持ったトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の降圧チョッパー回路。
- 前記整流機能を持たせたトランジスタは、三極管特性を持った接合型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の降圧チョッパー回路。
- 前記整流機能を持たせたトランジスタは、静電誘導型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の降圧チョッパー回路。
- 前記静電誘導型トランジスタは、前記スイッチング用パワートランジスタがONの時はOFFし、前記スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、前記静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用したことを特徴とする請求項4に記載の降圧チョッパー回路。
- 前記スイッチング用パワートランジスタがONの時は、前記静電誘導型トランジスタはOFFし、前記スイッチング用パワートランジスタがOFFの時は、前記静電誘導型トランジスタのドレイン・ゲート間を短絡し、順バイアスモードのダイオードとして使用する際、両者を同期整流としたことを特徴とする請求項5に記載の降圧チョッパー回路。
Priority Applications (1)
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JP2002337402A JP2004173433A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 降圧チョッパー回路 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012095499A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Fujitsu Semiconductor Ltd | レギュレータ回路 |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337402A patent/JP2004173433A/ja active Pending
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