JP2004173397A - モータのコイル端部の短縮処理方法、及び短縮処理装置 - Google Patents

モータのコイル端部の短縮処理方法、及び短縮処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コイル端部のスプリングバックを低減してコイル端部の整形作業を容易にするモータのコイル端部の短縮処理方法及び短縮処理装置を提供する。
【解決手段】ステータ1の軸方向に延長して収容されたコイル3の端部3aをステータ1の軸方向に短縮するコイル端部の短縮処理方法において、コイル3の端部3aをステータ1の軸方向に加圧圧縮しながら、コイル端部3aに加熱処理を施す短縮処理方法である。この加熱処理温度としては、150〜250°の温度が好ましい。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータ内の軸方向にコイルが延長して収容されてステータの両端面から突出するコイルの両端部をステータの軸方向に向けて短縮させるモータのコイル端部短縮方法、及び短縮処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、電気自動車用モータ等の小型化が要求されるモータでは、円筒状のステータの内面に形成されているコイル収容溝に収容されたコイルの端部をステータの軸方向に短縮して、ステータからの突出量を小さくしている。
【0003】
この短縮処理方法には、例えば、ハンドプレスなどでコイルの両端部を加圧圧縮したのち、コイル端部に対する加圧動作を解放した状態で、コイル端部に対し、ガラス繊維を含む糸を用いてレーシングと呼ばれる糸縛りを行って固定し、さらにコイルの絶縁や補強のためにワニス処理を行うものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−14503号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術では糸縛りを行っているものの、ワニス処理を行う前にコイル端部に対する加圧状態を解放すると、コイル端部にスプリングバックが発生するため、コイル端部のステータからの突出量が大きくなってしまい、コイル端部を規定の高さに成形することができないという問題があった。また、糸縛りやワニス処理の作業は面倒であり、モーターの生産効率を低下させる要因ともなっている。
【0006】
そこで、本発明は、コイル端部の整形後のスプリングバックを防止して、コイル端部のステータからの突出量を極力小さくすると共に、糸縛りやワニス処理を省略することができるモータのコイル端部の短縮処理方法、及び短縮処理装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、円筒状のステータの内周側に収容されたコイルの軸方向端部をステータの軸方向に短縮するコイル端部の短縮処理方法において、前記コイルの軸方向端部をステータの軸方向に加圧圧縮した状態を保持しつつ、前記コイルの軸方向端部に加熱処理を施すことを特徴としている。この加熱温度は、150〜250℃が好ましく、180〜220℃が更に好ましく、約200℃近傍が最も好ましい。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、コイル端部をステータの軸心方向に向けて加圧圧縮した状態を保持しつつ、コイル端部に加熱処理を施すようにしたので、スプリングバックを低減してコイル端部の短縮処理を容易に行うことができる。また、従来は、スプリングバックを見込んでコイル端部の高さを規定寸法よりも小さく整形しなければならなかったが、本発明によれば、コイル端部の高さを規定寸法とほぼ同等の寸法で整形すれば良いため、コイル端部に過度の負荷を与えることがなく、コイル端部の整形性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図6は、第1実施形態によるモータのコイル端部の短縮処理方法を示している。まず、図1〜図5を用いて、コイル端部の短縮処理の作業工程を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態による短縮処理を行う前のステータ1とコイル3を示しており、円筒状のステータ1のコイル収容溝1aにコイル3が収容されている。このコイル3は、ステータの軸方向である図1の上下方向に沿って延長して収容されている。また、コイル3の端部3aは、ステータ1の上面1bから上方に、及び底面1cから下方に突出して設けられており、前記上面1bからの突出量はhである。そして、前記ステータ1は、内周側にその周方向に沿ってコイル収容溝1aを複数備えたリング状の板材を多数積層することによって構成したものであるが、前記ステータ1は、例えばケイ素鋼板等で一体に形成してもよい。なお、図1において、二点鎖線部は後述する図2の状態におけるコイル端部3aの上面の位置を示している。
【0011】
次いで、図2に示すように、図1の状態におけるコイル3の端部3aの上下に加圧治具5,5を配置し、これらの加圧治具5,5を上下方向からハンドプレスなどで加圧力P(例えば60kN程度)にて加圧圧縮する。この加圧圧縮により、図2に示すように、ステータ1から突出するコイル3の端部3aの突出量Hが、図1の状態に比べ短縮代αだけ小さくなる。このハンドプレスなどによる加圧圧縮動作を解放した後は、従来の場合と同様にスプリングバックが生じる。なお、図2において、二点鎖線部は図1の状態におけるコイル端部3aの上面の位置を示しており、短縮代αは(h−H)であることを示している。
【0012】
さらに、図3に示すように、更に上下両側から例えば980N程度の圧力で押さえ付け、この状態で、前記加圧治具5にねじ13を用いてコイル3の端部3aをステータ1の軸方向に加圧して保持する。
【0013】
こののち、図4に示すように、加圧治具5及びコイル3を収容したステータ1を加熱炉6の内部に収納して加熱を施す。この加熱処理は、150〜250℃の温度で30分間〜1.5時間に保持することにより行うが、好ましい加熱温度は180〜220℃であり、特に200℃近傍が最も好ましい。
【0014】
最後に、図5に示すように、加圧治具5及びコイル3を収容したステータ1を加熱炉6から取り出し、ステータ1から加圧治具5を外す。この状態においては、コイル3の端部3aのスプリングバックが発生することなく、コイル端部3aの突出量Hは、図2〜図4の加圧圧縮状態と同一寸法のまま保持されている。
【0015】
図6は、銅製の線材に対する引張強さと加熱温度との関係を示すグラフである。具体的には、室温(RT)から350℃までの各温度で30分間ソルトバス中で加熱したのち冷却を施した線材について、室温において引張強さ(T.S.)を測定した。この線材は、90%の冷間加工をしたφ2.0mmの径を有する丸線である。
【0016】
図6のグラフから明らかなように、加熱温度が150℃付近から線材の引張強さが減少し始め、180〜200℃の範囲で急激に減少し、200℃〜220℃近傍から減少幅が緩やかになり、250℃でほぼ安定した値を示すようになる。
このように、引張強さが低下することにより、線材の反力が小さくなるため、スプリングバック量も併せて小さくなる。従って、加熱温度が150〜250℃の範囲では、引張強さが低下するため、スプリングバックの発生量も少なくなり、加熱処理後のコイル端部の高さが安定する。
【0017】
なお、250℃を超える温度で加熱しても引張強さはこれ以上低下せず、不必要な加熱によるエネルギーのロス及び耐熱性のより高い線材が必要となって実用的ではなく、一方、150℃より低い加熱温度では、引張強さが大きくなり、加熱処理後のスプリングバック量が大きくなる。
【0018】
以上説明したように、前記第1実施形態によれば、加圧治具5によりコイル3の端部3aを押さえ付けた状態で加熱処理を行うため、コイル3のスプリングバックが大幅に減少する。従って、図1のコイル3の突出量hに比較し、図5のコイル3の端部3aの突出量Hは、α分だけ小さくでき、コイル端部3aの整形作業を容易にすることができる。
【0019】
次に、第2実施形態によるコイル端部3aの短縮処理方法を説明する。
【0020】
前記第1実施形態では、加熱炉6を用いてコイル端部3aの加熱処理を行ったが、第2実施形態においては、コイル3に電流を流してジュール熱を発生させることにより、コイル端部3aに加熱処理を施している。具体的には、コイル3を収容したステータ1を前記加圧治具5にセットしてねじを用いて一定の圧力を加えて保持した状態で、前記コイル3に、可変抵抗器を有する電源(図示せず)を接続し、所定の交流電圧を印加してコイル3にジュール熱を発生させることにより、コイル端部3aを加圧した状態で加熱処理する。この場合、前記コイル3におけるU,V及びW相の線に電源を接続し、これらの3相の交流電流を通電させる。
【0021】
なお、前記コイル3には、温度測定器(図示せず)を接続し、交流電圧を印加している間は、コイル3の温度を管理する。さらに、電流は50Hzの交流電流を200mAで約1時間程度通電させることが好ましい。
【0022】
次いで、第3実施形態によるコイル端部の短縮処理装置について、図7〜図14を用いて説明する。
【0023】
図7は、加圧治具5によりコイル端部3aを加圧圧縮している状態を詳細に示した断面図である。加圧治具5は、コイル端部3aにおける、ステータ1の内周側を押さえる内周側保持部材としての一対の内周側保持リング7と、同外周側を押さえる外周側保持部材としての一対の外周側保持リング9と、ステータ1の軸方向(図7中で上下方向)端部側を押さえる端部保持具としての一対の端部保持リング11と、端部保持リング11のさらに軸方向外側に配置されて相互にねじ13により締結固定される一対の押圧固定具としての押圧固定リング15とを備えている。これらの端部保持リング11と押圧固定リング15とで端部保持部材を構成している。
【0024】
なお、前述した内周側保持リング7、外周側保持リング9、端部保持リング11及び押圧固定リング15は、図7に示すように、いずれも同形状のものを図7中で上下一対使用するが、以後の説明では、図7中で上部側のものについて行うものとし、下部側のものについては、上部側のものと同様であるため、説明は省略する。
【0025】
図8は押圧固定リング15の底面図、図9は図8のA−A線による断面図である。この押圧固定リング15は、端部保持リング11の上部側の端面を押圧する外側リング部17と、外側リング部17の外周側にて図9中で下方に突出する中間リング部19と、中間リング部19の先端(図9中で下端)に対向する位置にある内側リング部21とを備えている。中間リング部19および内側リング部21は、外側リング部17に対し、外径が同一寸法で、内径が外周側保持リング9の外側に位置するよう小さく形成されている。
【0026】
中間リング部19と内側リング部21とは、図8に示すように、円周方向に沿って90度間隔の位置において、ボス部23によって連結されるとともに、隣接するボス部23相互の中間位置において、連結柱25によって連結されている。
【0027】
ボス部23および、ボス部23に対応する内側リング部21、中間リング部19には、前記図7に示すねじ13がねじ込まれる雌ねじ27が形成されている。この雌ねじ部27は、一対の押圧固定リング15相互で互いに逆向きのねじ部となっており、これに対応して、ねじ13も両端に形成されている雄ねじ部13a(図7参照)が違いに逆向きのねじとなっている。
【0028】
ボス部23は、断面が正四角形、つまり全体として正四角柱形状を呈しており、正四角形の対角線上の2つの頂点がリングの半径方向に対応する位置となっている。また、連結柱25は、断面が四角形の四角柱であり、リングの中心側に位置する頂点部位が鋭角で、その反対側の頂点部位がほぼ90度となるような四角柱となっている。
【0029】
図10は、外周側保持リング9の底面図、図11は図10のB−B線による断面図である。この外周側保持リング9は、押圧固定リング15の外側リング部17側に位置する外側リング部31と、ステータ1側に位置する内側リング部33とが、図8に示した押圧固定リング15における連結柱25と同様の連結柱35によって連結されている。該連結柱35は、円周方向等間隔に8カ所設けてあり、図7に示す組み付け時においては、押圧固定リング15における連結柱25およびボス部23に対応する位置でも良いが、対応しない位置でも良い。
【0030】
外周側保持リング9の内径は、外周側保持リング9内に端部保持リング11が密着した状態で収容できるよう、端部保持リング11の外径より僅かに大きく形成されている。また、外周側保持リング9のステータ1側の内側周縁部には、図7の組み付け時にて、ステータ1の外周縁角部が入り込む切欠部39が形成されている。
【0031】
図12は、内周側保持リング7の底面図、図13は図12のC−C線による断面図である。この内周側保持リング7は、外周側保持リング9と同様に、押圧固定リング15の外側リング部17側に位置する外側リング部41と、ステータ1側に位置する内側リング部43とが、押圧固定リング15における連結柱25と同様な連結柱49によって連結されている。ただし、この連結柱49は、リングの半径方向外側の頂点部位が鋭角となるよう形成されており、連結柱49は、円周方向等間隔に8カ所設けてある。
【0032】
内周側保持リング7の外径は、端部保持リング11内に内周側保持リング7が密着した状態で収容できるよう、端部保持リング11の内径より僅かに小さく形成されている。また、内周側保持リング7のステータ1側の外側周縁部には、図7の組み付け時にて、ステータ1の内周縁角部が入り込む切欠部53が形成されている。
【0033】
図14は、端部保持リング11の底面図である。この端部保持リング11は、単なるワッシャ状のリング部材であり、コイル端部3aにおけるステータ1の軸方向端部(図7中でコイル端部3aの上面)にセットされる。
【0034】
なお、前述した加圧治具5の各構成要素、即ち、内周側保持リング7、外周側保持リング9、端部保持リング11、押圧固定リング15及び挿入片55は、いずれもフッ素樹脂製のものを用いる。
【0035】
次に、コイル3が収容されたステータ1に対する加圧治具5の組み付け手順を説明する。なお、加圧治具5を組み付ける際には、図2に示したように、ハンドプレスなどによってコイル端部3aが、予め、例えば60kN程度の圧力で加圧圧縮されている。
【0036】
まず、ステータ1の端面とコイル端部3aとの間に、挿入片55をステータ1の外周側に対し先端部63側から挿入し、さらに挿入片55の外側に、図10及び図11に示す外周側保持リング9を嵌め込む。このとき、外周側保持リング9は、切欠部39にステータ1の外周縁角部が入り込み、かつ内周面の一部がコイル端部3aにおけるステータ外周側に当接した状態となる。
【0037】
さらに、図12及び図13に示した内周側保持リング7を、ステータ1の内周側に嵌め込む。このとき、内周側保持リング7は、切欠部53にステータ1の内周縁角部が入り込み、かつ外周面の一部がコイル端部3aにおけるステータ内周側に接触した状態となる。
【0038】
外周側保持リング9及び内周側保持リング7は、ステータ1にそれぞれ組み付けられた状態で、ステータ1の軸方向(図7中で上下方向)両端部がコイル端部3aより軸方向の外側に突出して相互間に隙間を形成しており、この隙間に、端部保持リング11を嵌め込んでコイル端部3aのステータ軸方向外側の端部に当接させる。この状態では、端部保持リング11における軸方向側の端部は、外周側保持リング9および内周側保持リング7における軸方向側の端部よりさらに軸方向外側に突出した状態となっている。
【0039】
この状態で、図8及び図9に示す押圧固定リング15を、図7中における上下方向から被せる。このとき、ねじ13を、あらかじめ各押圧固定リング15の雌ねじ27に少しねじ込んでおき、ねじ13の中央部を工具により保持して回転させることで、互いに逆ねじとなっている雄ねじ部13a,13aが、一対の押圧固定リング15の各雌ねじ27,27にそれぞれねじ込まれていく。
【0040】
コイル端部3aのステータ端面からの突出量が目標値となるように、すべてのねじ13の締結作業が終了すると、押圧固定リング15の外側リング部17が端部保持リング11を上下から押し付けて、コイル端部3aの軸方向の端部が図7中で上下に圧縮されるとともに、ステータ内周側および外周側の側部(図7中で左右両側部)が、内周側保持リング7および外周側保持リング9によりそれぞれ押さえ付けられて、コイル端部3aの整形が施される。
【0041】
この時点においても、端部保持リング11における軸心方向側の端部は、図2に示されているように、外周側保持リング9および内周側保持リング7における軸心方向側の端部よりさらに軸心方向外側に突出した状態となっており、端部保持リング11によるコイル端部3aに対する加圧動作は確保されている。また、挿入片55がステータ1の端面とコイル端部3aとの間に挿入されているので、上記した加圧圧縮作業により、挿入片55の傾斜面によってコイル端部3aがステータ1の軸心方向に押し付けられ、コイル端部3aがよりコンパクトに整形される。
【0042】
なお、前記内周側保持リング7、外周側保持リング9及び端部保持リング11のコイル3に接触する面には、コイル3によって傷がつかないように、硬質クロムメッキののちバフ研磨を施している。
【0043】
【実施例】
次いで、実施例を通して本発明を具体的に説明する。
【0044】
本実施例では、ケイ素鋼板で一体成形したステータにコイルを収納した試料を準備し、この試料のコイル端部を、前記第1実施形態による方法で加圧圧縮した状態で、各種の温度で加熱した場合のコイル端部の高さとスプリングバック量を測定した。測定値を表1に示す。なお、コイルを構成する線材は、昭和電線電纜株式会社製のユニマック(AI−300 Type M)(商品名)であり、線径はφ0.6〜1.2mmのものを用いた。この線材は、銅線の外側に絶縁皮膜が2層になってコーティングされたもので、耐熱仕様は200℃である。
【0045】
【表1】
Figure 2004173397
この表1を簡単に説明する。コイル端部のリード側とは、図1における上側のコイル端部3aを示し、反リード側とは、図1の下側のコイル端部3aを示している。このコイル端部3aを、リード側においては14.5mmの高さまで加圧圧縮し、反リード側においては11.5mmまで加圧圧縮した。こののち、本発明例では、200℃程度に昇温させておいた加熱炉内にコイルとステータを収容して、試料自体の温度を196.5℃にした状態で約30分間〜1時間程度保持することによって、本発明に係る短縮処理を施した。
【0046】
この本発明例によれば、リード側のコイル端部3aの高さが15.3mmとなり、スプリングバック量は0.8mmであった。また、反リード側のコイル端部3aの高さは12.2mmとなり、スプリングバック量は0.8mmであった。
【0047】
なお、比較例1では、加熱処理を施さず、比較例2では、試料温度が127.2℃になるまで加熱処理を行った。
【0048】
前記表1から明らかなように、約200℃で加熱処理を行うとスプリングバック量が非常に小さくなり(本発明例)、全く加熱しない場合(比較例1)及び加熱温度が150℃よりも低い場合(比較例2)は、スプリングバック量が大きくなることが判明した。
【0049】
以上述べたように、本発明に係るモータのコイル端部の短縮処理方法、及び短縮処理装置は、第1〜第3実施形態に例をとって説明したが、勿論、これらの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による短縮処理を施す前のステータを示す断面図である。
【図2】第1実施形態による短縮処理中のハンドプレスを用いた加圧工程を示す断面図である。
【図3】第1実施形態による短縮処理中の加圧装置を用いた加圧圧縮工程を示す断面図である。
【図4】第1実施形態による短縮処理中の加熱処理工程を示す断面図である。
【図5】第1実施形態による短縮処理を施した後のステータを示す断面図である。
【図6】加熱処理を施した銅製の線材に対する引張強さと加熱温度との関係を示すグラフである。
【図7】図3を拡大して詳細に示す断面図である。
【図8】図7の加圧装置を構成する押圧固定リングの底面図である。
【図9】図8のA−A線による断面図である。
【図10】図7の加圧装置を構成する外周側保持リングの底面図である。
【図11】図10のB−B線による断面図である。
【図12】図7の加圧装置を構成する内周側保持リングの底面図である。
【図13】図12のC−C線による断面図である。
【図14】図7の加圧装置を構成する端部保持リングの底面図である。
【符号の説明】
1 ステータ
3 コイル
3a コイル端部
5 加圧治具(加圧装置)
6 加熱炉(加熱装置)

Claims (5)

  1. ステータ内に該ステータの軸方向に延長して収容されたコイルの端部をステータの軸方向に短縮するコイル端部の短縮処理方法において、前記コイルの端部をステータの軸方向に加圧圧縮しながら、このコイル端部に加熱処理を施すことを特徴とするモータのコイル端部の短縮処理方法。
  2. 前記加熱処理を150〜250°の温度にて行うことを特徴とする請求項1に記載されたモータのコイル端部の短縮処理方法。
  3. 前記加熱処理を、前記ステータとコイルを加熱炉内に収容して保持することにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載されたモータのコイル端部の短縮処理方法。
  4. 前記加熱処理を、前記コイル端部に電流を流してジュール熱を発生させることにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載されたモータのコイル端部の短縮処理方法。
  5. ステータ内にステータの軸方向に延長して収容されたコイルの端部をステータの軸方向に短縮するコイル端部の短縮処理装置において、前記コイルの端部をステータの軸方向に加圧保持する加圧装置と、コイル端部を加熱する加熱装置とを備え、前記加圧装置によって前記コイル端部を加圧圧縮した状態を保持しつつ、前記加熱装置によってコイル端部に加熱処理を施すことを特徴とするモータのコイル端部の短縮処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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