JP2004173146A - 通信ネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】隠れ端末が存在する通信ネットワークシステムにおいて、スループットの低下を防止することを目的とする。
【解決手段】フレーム内ヘッダー領域にシーケンス番号領域を設け、フレームを送信する場合には、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号に対して連続性を保持する値を前記シーケンス番号領域に設定し送信する。各端末では受信フレームに記載されたシーケンス番号の連続性が欠けたときに通信ネットワークシステム内に隠れ端末の位置関係にある2端末が存在する事を認識する。自端末以外の第1の端末と第2の端末が隠れ端末である事を認識した場合、第1の端末が送信を開始した事を検知すると、マルチキャリア伝送方式で第1の端末が送信に使用しないキャリアを用いて送信停止要求フレームを出力する事で、隠れ端末の位置関係にある端末に対して送信を停止させる事により、衝突によるスループットの低下を防ぐ事ができる。
【選択図】 図1
【解決手段】フレーム内ヘッダー領域にシーケンス番号領域を設け、フレームを送信する場合には、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号に対して連続性を保持する値を前記シーケンス番号領域に設定し送信する。各端末では受信フレームに記載されたシーケンス番号の連続性が欠けたときに通信ネットワークシステム内に隠れ端末の位置関係にある2端末が存在する事を認識する。自端末以外の第1の端末と第2の端末が隠れ端末である事を認識した場合、第1の端末が送信を開始した事を検知すると、マルチキャリア伝送方式で第1の端末が送信に使用しないキャリアを用いて送信停止要求フレームを出力する事で、隠れ端末の位置関係にある端末に対して送信を停止させる事により、衝突によるスループットの低下を防ぐ事ができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムに係わり、特に隠れ端末への対策機能を備えたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1つのチャネルにおいて複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムでは、端末がフレーム送信に先立ってチャネルをキャリアセンスし、チャネルの使用中を確認した場合はフレームの送信を控え、チャネルの未使用を確認した後、フレームを送信するCSMA(Carrier Sense Multiple Access)と呼ばれるアクセス方式を用いる。ここで、2つの端末同士で互いのフレームが直接届かないほど距離を隔てて存在するときなど、第1の端末が送信した信号を第2の端末が直接受信できない状況がある。このような2つの無線局を互いに隠れ端末と呼ぶ。
【0003】
隠れ端末に相当する端末間では、キャリアセンスが有効に機能しないため、一方の端末がフレームを送信している時に、他方の端末がフレーム送信を開始してしまうことがある。このため、両方の端末と通信が可能な位置に存在する第3の端末ではフレームの衝突が生じ、正常受信できなくなることがある。このような問題を隠れ端末問題と呼び、媒体として電波を用いる無線通信システムや、電灯線を用いる電灯線通信システムのような伝送路状況が時間的に変動するシステムで生じる問題である。
【0004】
隠れ端末問題を解決するための方法として無線LANシステムでは、無線パケットの送信前に、送信リクエストパケット(以下、RTSと称する)/伝送路開放要求パケット(以下、CTSと称する)の送受信を用いる方法があり、米国の無線LAN標準規格、IEEE802.11標準(Wireless LAN Medium AccessControl(MAC)and Physical Layer(PHY)Specifications IEEE Std 802.11,Aug.1999)として定められている。
【0005】
RTS/CTSの送受信はユーザデータを送出する前に行うため、すべてのユーザデータフレームの転送に先立ちRTS/CTSを送出するとスループットが大幅に低下してしまう問題がある。この課題に対する対策方法としては、隠れ端末が存在するか否かを、通信に先立って予め確認し、メモリに記憶し、隠れ端末の位置関係にある端末同士においてのみRTS/CTSを利用することにより隠れ端末の位置関係にない端末同士のRTS/CTSの送出を抑止する方法が特許文献1(特開2002−217913号公報)に開示されている。
【0006】
上記のように隠れ端末問題を効率よく解決するためには、まず何らかの手段を講じて隠れ端末を検出しなければならない。隠れ端末の検出方法としては、前記特許文献1(特開2002−217913号公報)に開示されている方法として、宛先アドレスを含むRTS、CTSのいずれか一方、または、両方の受信により、RTS、CTSの送受を行ったすべての無線局が互いに隠れ端末か否かを判定するもの、あるいは、データフレーム、受信確認信号(Acknowledgment:以下、ACKと称する)のいずれか一方、または、両方の受信により自己が隠れ端末か否かを判定する方法がある。
【0007】
また、他の隠れ端末検出方法として複数の無線端末間でユーザ情報もしくは制御情報を含んだパケットを転送する無線LANシステムにおいて、第1の無線端末が応答要求パケットを送出し、該応答要求パケットを受信した第2の無線端末が前記第1の無線端末に宛てた直接応答パケットを送出し、第1の無線端末が送出した応答要求パケットを受信していないが、該第1の無線端末に宛てた直接応答パケットを受信した第3の無線端末が、該直接応答パケットを送出した第2の無線端末に宛てた該第1の無線端末への間接応答依頼パケットを送出し、第1の無線端末への間接応答依頼パケットを受信した第2の無線端末が、該第1の無線端末に宛てた第3の無線端末からの間接応答パケットを送出し、第1の無線端末が受信した自己宛ての直接応答パケットの受信数と自己宛ての間接応答パケットの受信数とを基に、該第1の無線端末がユーザ情報を含んだパケットの送出を行う条件を決定することを特徴とするものである。例えば第1の無線端末が受信した自己宛ての間接応答パケットの受信数が一定値を越えた場合、若しくは受信した自己宛ての間接応答パケットの受信数と自己宛ての直接応答パケットの受信数との比が一定値を越えた場合に、第1の無線端末が隠れ端末であることを判断して、ユーザ情報を含んだパケットの送出を行わないようにする方法が特許文献2(特開平06−232870号公報)に開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−217913号公報
【特許文献2】
特開平06−232870号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1(特開2002−217913号公報)に開示されている方法では、不必要なRTS/CTSの送出は抑制できるものの、隠れ端末の位置関係にある端末間でのフレーム転送ではRTS/CTSの送出を行うことになり、スループットの低下は免れない。また、前記特許文献1(特開2002−217913号公報)、ならびに特許文献2(特開平06−232870号公報)に開示されている隠れ端末検出方法では全てのデータに宛先アドレス(48ビットMACアドレス)を付加することになり、なおかつ宛先アドレスを全ての端末において認識できるように妨害耐性の強い低速な変調方式を用いて送信するヘッダー領域に付加しなければならない。このため、隠れ端末検出に要する冗長性が増加し、結果としてスループットの低下が生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本明細書における第一の発明は、複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムにおいて、フレーム内ヘッダー領域にシーケンス番号領域を設け、フレームを送信する場合には、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号に対して連続性を保持する値を前記シーケンス番号領域に設定して送信し、各端末において前記シーケンス番号の連続性が欠けたときに通信ネットワークシステム内に隠れ端末の位置関係にある2端末が存在することを認識する。
【0011】
上記のように、第一の発明によれば、隠れ端末を検出する識別氏としてシーケンス番号を用いることにより、宛先アドレスを用いた場合よりも冗長度を抑えることが可能となり、結果としてスループットの低下を抑えながら隠れ端末を検出することができる。
【0012】
本明細書における第二の発明は、複数の端末間でマルチキャリア伝送方式を用いてフレームを転送する通信ネットワークシステムであり、伝送路状況に応じて端末間で使用するキャリアを選択して伝送する通信ネットワークシステムにおいて、第3の端末が第1の端末と第2の端末が互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識すると、第1の端末が第4の端末にフレームを転送することを検知した時点で、第1の端末の第4の端末に対するフレーム転送で使用しないキャリアに送信停止要求フレームを出力することで、第1の端末と隠れ端末の位置関係にある第2の端末に対して送信を停止させる。
【0013】
上記のように、第二の発明によれば、RTS/CTSのような制御フレームをユーザデータの転送前に送信する必要が無いため、隠れ端末が存在する通信ネットワークにおいてもスループットの低下を招かない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の例を示す図であり、フレーム送受信時の処理の流れを示す図である。端末内で上位レイヤからフレーム送信要求を受けると過去の送受信で使用されたシーケンス番号の最大値を調べ、その値に1足した値を送信フレームのシーケンス番号領域に記載して送信する。
【0016】
フレーム受信時は、まず受信フレームからシーケンス番号を取得し、受信フレームに記載のシーケンス番号が直前に送受信されたフレームに記載のシーケンス番号に1足した値であるか否かを判定する。もし、受信フレームに記載のシーケンス番号が直前に送受信されたフレームに記載のシーケンス番号に1足した値であり、シーケンス番号の連続性を満たした場合、受信フレームに記載のシーケンス番号と、取得可能であれば送信元アドレス、宛先アドレスを取得し、バッファに保持する。一方、受信フレームに記載のシーケンス番号が直前に送受信されたフレームに記載のシーケンス番号に1足した値でない場合、受信フレームに記載のシーケンス番号がバッファに保持されているか否かを判定する。もし、バッファにシーケンス番号が保持されていれば、フレームを送信した端末がバッファに保持されているシーケンス番号の送信元アドレスを持つ端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。一方、バッファにシーケンス番号が保持されていなければ、自身が他の端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。次の送信時にシステム全体としてのシーケンス番号の連続性を保持するために、受信フレームのシーケンス番号が連続性を満たさない場合においても受信フレームに記載のシーケンス番号と、可能であれば送信元アドレス、宛先アドレスを取得しバッファに保持する。
【0017】
送信元アドレス、宛先アドレスをシーケンス番号と同時に取得可能か否かは通信ネットワークシステムの通信方式、フレーム構成に依存する。例えば対象とする通信ネットワークシステムが802.11準拠の無線LANシステムの場合、すべての端末においてユーザデータフレームから送信元アドレス、宛先アドレスを取得することが可能となり、受信確認(ACK)フレームからは宛先アドレスのみを取得することできる。一方、対象とする通信ネットワークシステムが高速電灯線通信の標準規格であるHomeplug1.0に準拠するシステムの場合、宛先アドレスに記載の端末だけが、ユーザデータフレームから送信元アドレス、宛先アドレスを取得することができ、他端末はユーザデータフレームでさえも送信元アドレス、宛先アドレスを取得することができない。またACKフレームについては送信元アドレス、宛先アドレスの領域が無いため、すべての端末で送信元アドレス、宛先アドレスを取得することができない。
【0018】
次に、上記送受信手順により隠れ端末の検出を行う方法について説明するにあたり、まず図2に各端末の位置関係を示す。図中の201は端末1の通信可能領域を示し、202は端末2の通信可能領域を示す。図2に示すように、端末1から送信されるフレームは端末3には届くものの、端末2では受信することができない。同じく端末2から送信されるフレームは端末3には届くものの、端末1では受信することができない。これらに対し、端末3から送信されるフレームは端末1、端末2の両方で受信することができる。このように、図2に示す各端末の位置関係では端末1と端末2が隠れ端末の位置関係にある。
【0019】
図2に示す各端末について、図3、図4を用いて隠れ端末の検出方法を説明する。図3は自身が隠れ端末であると認識する場合のシーケンス図であり、図4は他の2端末が隠れ端末の位置関係にあることを認識する場合のシーケンス図である。
【0020】
図3では、端末1と端末3が相互にデータ通信を行っており、端末2は送信を行わない状況で端末2が隠れ端末の位置にあることを認識するまでを示している。まず、端末1が端末3へシーケンス番号1を付加したユーザデータフレームの送信を行うと、端末3は端末1に対してシーケンス番号2を付加したACKフレームを返信する。端末2では端末1と隠れ端末の位置関係にあるため、端末1が送出したシーケンス番号1のユーザデータは受信できないが、端末3が送信したACKフレームは受信することができる。そこで端末2ではACKフレーム記載のシーケンス番号2をバッファに保持する。次に端末3が端末1に対してユーザデータにシーケンス番号3を付加して送信し、端末1が端末3に対してシーケンス番号4を付加したACKフレームを返信する。このとき端末2では、シーケンス番号3が付加されたユーザデータを受信し、シーケンス番号が連続性を示しているためシーケンス番号3をバッファに保持する。この時点では端末2は、まだ隠れ端末であることを認識することはできない。
【0021】
再び端末1が端末3に対してシーケンス番号5を付加したユーザデータを送信し、その応答として端末3が端末1に対してシーケンス番号6を付加したACKフレームを送信する。端末2ではシーケンス番号6のACKフレームのみを受信することになり、この時点で端末2のバッファに蓄積されているシーケンス番号が3までのため、シーケンス番号4およびシーケンス番号5が付加されたフレームを受信できなかった判断する。この時点で端末2はシーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信した端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。そこで端末2はシーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信した端末のアドレスを問い合わせる管理フレームにシーケンス番号7を付加して送信する。管理フレームはブロードキャストで送信するが、シーケンス番号6の送信元アドレスが既知の場合にはその送信元アドレスに対してユニキャストで送信してもよい。送信元アドレスが既知であるか否かは前述のように通信ネットワークの通信方式、フレーム構成に依存する。
【0022】
端末2からの管理フレームを受信した端末3は、シーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信した端末が端末1であることを知っているため、端末1がシーケンス番号4および5を送信し、問い合わせ要求をしたのは端末2であることを情報として載せた管理フレームを送信する。この管理フレームは端末1および端末2で受信することができ、管理フレームの情報により端末1と端末2はお互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識し合う。以上の経緯により、隠れ端末の位置関係にある2端末がお互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識することができる。
【0023】
次に、図2に示す各端末において、端末2と端末1が隠れ端末の位置関係にあることを端末3がまず認識し、その旨を両端末に通知する方法について図4を用いて説明する。端末1によるシーケンス番号1のフレーム送信から端末3によるシーケンス番号4のACKフレームの受信までは上述した図3の説明と同様であり、端末2では図3と同じくシーケンス番号2およびシーケンス番号3が蓄積されている。その後、端末2が端末3に対してユーザデータの送信を行うと、端末2はバッファに蓄積されたシーケンス番号の最大値が3であるため送信フレームにシーケンス番号4を付加する。このフレームを受信した端末3は、自身のバッファにシーケンス番号4が既にあり、シーケンス番号4は以前に端末1の送信フレームに付加されていたことを認識する。その結果、端末3は、端末2が端末1の送信フレームを受信できなかったものと判断し、端末1と端末2が隠れ端末の位置関係にあると認識する。そこでシーケンス番号5を付加した管理フレームで端末1と端末2が隠れ端末の位置関係にあることを通知し、この管理フレームを受信した端末1と端末2はお互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識し合う。
【0024】
なお、本実施の形態ではバッファに記録するデータとしてシーケンス番号と、可能であれば送信元アドレス、宛先アドレスと定めたが、バッファサイズを小さくするためにシーケンス番号のみを記録するようにしてもよい。このとき隠れ端末の検出方法は以下のように冗長になるが可能である。
【0025】
まず、図3の場合、端末2が送信したシーケンス番号7の管理フレームを受信した端末3がさらにブロードキャストで問い合わせることにより、端末1がその管理フレームを受信する。管理フレームの内容から端末1は自身が端末2と隠れ端末の位置関係にあることを認識し、自身がシーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信したことを端末3に管理フレームで通知する。この管理フレームを受信した端末3が再び端末2に管理フレームを通知することにより、端末2においても端末1と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。
【0026】
また、図4の場合、端末3がシーケンス番号4の重複を検知した旨をまず端末2に対して管理フレームで通知する。次にシーケンス番号4を送信した端末に対する問い合わせ要求と、端末2が隠れ端末の位置関係にある可能性があることを情報として持つ管理フレームをブロードキャストで送信する。この管理フレームを受信した端末1は端末2が隠れ端末の位置関係にあることを認識し、自身がシーケンス番号4を送信したことを端末3に管理フレームで通知し、この管理フレームを受信した端末3が再び端末2に管理フレームを通知する。端末2は最初の端末3からの管理フレームにより自身が他端末と隠れ端末であることを認識することでフレームの送信を停止し、端末3からの2回目の管理フレームにより、自身と隠れ端末の位置関係にあるのが端末1であることを認識する。
【0027】
なお、本実施の形態ではシーケンス番号の値を1ずつ増加させることでシーケンス番号の連続性を保持しているが、2ずつ増加させるなど他の手段で連続性を保持してもよい。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の例として、マルチキャリア伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いた通信ネットワークシステムを対象としたときの隠れ端末問題によるスループットの低下の対策を図を用いて説明する。
【0029】
図5は、本実施の形態で用いるOFDMの周波数特性と通信端末間の位置関係を示した図である。図5中の501から508はOFDMの各サブキャリアを示し、それぞれサブキャリア1からサブキャリア8に対応している。また509は端末1の通信可能領域を、510は端末2の通信可能領域を示す。つまり図5では、端末1と端末2は隠れ端末の位置関係にあり、それぞれは端末3および端末4とは通信可能である。また本実施の形態では端末間で各サブキャリアの伝送路状況を判定し、所望の誤り耐性を得ることができるサブキャリアのみを通信に使用するもので、どのサブキャリアを使用するかは端末間で通信を行う前に通知し合うものとする。
【0030】
図6は、図5に示す通信ネットワークシステムにおいて、隠れ端末が存在する状況下での衝突回避手段を示す図である。まず通信に先立ち伝送路状況の推定を行い、端末1から端末4への通信ではサブキャリア2、5、7の3つのサブキャリアを使用して通信することを通知し合う。この通知は端末3も受信することが可能で、端末3においても端末1から端末4への通信に使用するサブキャリアの情報を保持する。その後、端末1が端末4に対してユーザデータフレームであるフレーム1を送信した場合、端末3は受信中のフレーム1が端末1から端末4へのフレームであることを認識すると同時に、フレーム1で未使用のサブキャリア1、3、4、6、8を使ってフレーム1の送信が終了するまで送信停止要求フレーム2を送信する。端末3が送出した送信停止要求フレーム2は端末1、2、4に届くが、端末4ではサブキャリア2、5、7のみを用いて復調するため、フレーム1のデータを誤りなく受信することができる。一方、端末2は送信停止要求フレーム2を検出するとキャリアセンス機能により自身の送信動作を停止するため、端末4において衝突の原因となるフレームの送信を行わない。
【0031】
なお、送信停止要求フレームは隠れ端末のキャリアセンスによる送信の停止を行うことを目的とするため、情報を含む必要はなく、任意のランダム値を送信すればよい。
【0032】
また、図6では端末1および端末2の両端末と通信が可能な領域に端末が2台の場合を想定しているが、この領域に3台以上の端末が存在する場合、端末1または端末2が送信する自身宛でないフレームを受信した全端末が前述の未使用サブキャリアを使用して送信停止要求フレームを送信するか、または事前に任意の端末を送信停止要求フレームを送信する端末に決定し、その端末のみが送信停止要求フレームを送信する。
【0033】
この任意の端末の決定方法の一例として、前述の第一の発明による隠れ端末検出方法において、図3または図4で隠れ端末の位置関係にある端末1および端末2に対して隠れ端末である旨通知した端末3が、端末1および端末2が送信するフレームに対して送信停止要求フレームを送信することに決定する方法がある。
【0034】
なお、本実施の形態ではOFDMのサブキャリア数を8に設定しているがサブキャリア数に制限は無く、またOFDM以外のマルチキャリア伝送方式にも同様の手段により適用することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明により、隠れ端末が存在する通信ネットワークシステムにおいて、シーケンス番号という比較的冗長性の小さい識別子を利用することで、スループットの低下を抑えながら隠れ端末の検出を行うことが可能となり、さらにRTS/CTSなどの制御フレームを送出することなく隠れ端末の影響を回避し、システム全体として高スループットを達成することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1において、フレーム送受信時の処理の流れを示す図
【図2】本発明の実施の形態1において、各端末の位置関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1において、自身が隠れ端末であることを認識する場合の隠れ端末検出方法を示す図
【図4】本発明の実施の形態1において、自身以外の2端末が隠れ端末であることを認識する場合の隠れ端末検出方法を示す図
【図5】本発明の実施の形態2において、通信方式として使用するOFDMの周波数特性と通信端末間の位置関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態2において、隠れ端末が存在する状況下での衝突回避手段を示す図
【符号の説明】
201 端末1の通信可能領域
202 端末2の通信可能領域
501 OFDMのサブキャリア1
502 OFDMのサブキャリア2
503 OFDMのサブキャリア3
504 OFDMのサブキャリア4
505 OFDMのサブキャリア5
506 OFDMのサブキャリア6
507 OFDMのサブキャリア7
508 OFDMのサブキャリア8
509 端末1の通信可能領域
510 端末2の通信可能領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムに係わり、特に隠れ端末への対策機能を備えたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1つのチャネルにおいて複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムでは、端末がフレーム送信に先立ってチャネルをキャリアセンスし、チャネルの使用中を確認した場合はフレームの送信を控え、チャネルの未使用を確認した後、フレームを送信するCSMA(Carrier Sense Multiple Access)と呼ばれるアクセス方式を用いる。ここで、2つの端末同士で互いのフレームが直接届かないほど距離を隔てて存在するときなど、第1の端末が送信した信号を第2の端末が直接受信できない状況がある。このような2つの無線局を互いに隠れ端末と呼ぶ。
【0003】
隠れ端末に相当する端末間では、キャリアセンスが有効に機能しないため、一方の端末がフレームを送信している時に、他方の端末がフレーム送信を開始してしまうことがある。このため、両方の端末と通信が可能な位置に存在する第3の端末ではフレームの衝突が生じ、正常受信できなくなることがある。このような問題を隠れ端末問題と呼び、媒体として電波を用いる無線通信システムや、電灯線を用いる電灯線通信システムのような伝送路状況が時間的に変動するシステムで生じる問題である。
【0004】
隠れ端末問題を解決するための方法として無線LANシステムでは、無線パケットの送信前に、送信リクエストパケット(以下、RTSと称する)/伝送路開放要求パケット(以下、CTSと称する)の送受信を用いる方法があり、米国の無線LAN標準規格、IEEE802.11標準(Wireless LAN Medium AccessControl(MAC)and Physical Layer(PHY)Specifications IEEE Std 802.11,Aug.1999)として定められている。
【0005】
RTS/CTSの送受信はユーザデータを送出する前に行うため、すべてのユーザデータフレームの転送に先立ちRTS/CTSを送出するとスループットが大幅に低下してしまう問題がある。この課題に対する対策方法としては、隠れ端末が存在するか否かを、通信に先立って予め確認し、メモリに記憶し、隠れ端末の位置関係にある端末同士においてのみRTS/CTSを利用することにより隠れ端末の位置関係にない端末同士のRTS/CTSの送出を抑止する方法が特許文献1(特開2002−217913号公報)に開示されている。
【0006】
上記のように隠れ端末問題を効率よく解決するためには、まず何らかの手段を講じて隠れ端末を検出しなければならない。隠れ端末の検出方法としては、前記特許文献1(特開2002−217913号公報)に開示されている方法として、宛先アドレスを含むRTS、CTSのいずれか一方、または、両方の受信により、RTS、CTSの送受を行ったすべての無線局が互いに隠れ端末か否かを判定するもの、あるいは、データフレーム、受信確認信号(Acknowledgment:以下、ACKと称する)のいずれか一方、または、両方の受信により自己が隠れ端末か否かを判定する方法がある。
【0007】
また、他の隠れ端末検出方法として複数の無線端末間でユーザ情報もしくは制御情報を含んだパケットを転送する無線LANシステムにおいて、第1の無線端末が応答要求パケットを送出し、該応答要求パケットを受信した第2の無線端末が前記第1の無線端末に宛てた直接応答パケットを送出し、第1の無線端末が送出した応答要求パケットを受信していないが、該第1の無線端末に宛てた直接応答パケットを受信した第3の無線端末が、該直接応答パケットを送出した第2の無線端末に宛てた該第1の無線端末への間接応答依頼パケットを送出し、第1の無線端末への間接応答依頼パケットを受信した第2の無線端末が、該第1の無線端末に宛てた第3の無線端末からの間接応答パケットを送出し、第1の無線端末が受信した自己宛ての直接応答パケットの受信数と自己宛ての間接応答パケットの受信数とを基に、該第1の無線端末がユーザ情報を含んだパケットの送出を行う条件を決定することを特徴とするものである。例えば第1の無線端末が受信した自己宛ての間接応答パケットの受信数が一定値を越えた場合、若しくは受信した自己宛ての間接応答パケットの受信数と自己宛ての直接応答パケットの受信数との比が一定値を越えた場合に、第1の無線端末が隠れ端末であることを判断して、ユーザ情報を含んだパケットの送出を行わないようにする方法が特許文献2(特開平06−232870号公報)に開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−217913号公報
【特許文献2】
特開平06−232870号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1(特開2002−217913号公報)に開示されている方法では、不必要なRTS/CTSの送出は抑制できるものの、隠れ端末の位置関係にある端末間でのフレーム転送ではRTS/CTSの送出を行うことになり、スループットの低下は免れない。また、前記特許文献1(特開2002−217913号公報)、ならびに特許文献2(特開平06−232870号公報)に開示されている隠れ端末検出方法では全てのデータに宛先アドレス(48ビットMACアドレス)を付加することになり、なおかつ宛先アドレスを全ての端末において認識できるように妨害耐性の強い低速な変調方式を用いて送信するヘッダー領域に付加しなければならない。このため、隠れ端末検出に要する冗長性が増加し、結果としてスループットの低下が生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本明細書における第一の発明は、複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムにおいて、フレーム内ヘッダー領域にシーケンス番号領域を設け、フレームを送信する場合には、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号に対して連続性を保持する値を前記シーケンス番号領域に設定して送信し、各端末において前記シーケンス番号の連続性が欠けたときに通信ネットワークシステム内に隠れ端末の位置関係にある2端末が存在することを認識する。
【0011】
上記のように、第一の発明によれば、隠れ端末を検出する識別氏としてシーケンス番号を用いることにより、宛先アドレスを用いた場合よりも冗長度を抑えることが可能となり、結果としてスループットの低下を抑えながら隠れ端末を検出することができる。
【0012】
本明細書における第二の発明は、複数の端末間でマルチキャリア伝送方式を用いてフレームを転送する通信ネットワークシステムであり、伝送路状況に応じて端末間で使用するキャリアを選択して伝送する通信ネットワークシステムにおいて、第3の端末が第1の端末と第2の端末が互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識すると、第1の端末が第4の端末にフレームを転送することを検知した時点で、第1の端末の第4の端末に対するフレーム転送で使用しないキャリアに送信停止要求フレームを出力することで、第1の端末と隠れ端末の位置関係にある第2の端末に対して送信を停止させる。
【0013】
上記のように、第二の発明によれば、RTS/CTSのような制御フレームをユーザデータの転送前に送信する必要が無いため、隠れ端末が存在する通信ネットワークにおいてもスループットの低下を招かない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の例を示す図であり、フレーム送受信時の処理の流れを示す図である。端末内で上位レイヤからフレーム送信要求を受けると過去の送受信で使用されたシーケンス番号の最大値を調べ、その値に1足した値を送信フレームのシーケンス番号領域に記載して送信する。
【0016】
フレーム受信時は、まず受信フレームからシーケンス番号を取得し、受信フレームに記載のシーケンス番号が直前に送受信されたフレームに記載のシーケンス番号に1足した値であるか否かを判定する。もし、受信フレームに記載のシーケンス番号が直前に送受信されたフレームに記載のシーケンス番号に1足した値であり、シーケンス番号の連続性を満たした場合、受信フレームに記載のシーケンス番号と、取得可能であれば送信元アドレス、宛先アドレスを取得し、バッファに保持する。一方、受信フレームに記載のシーケンス番号が直前に送受信されたフレームに記載のシーケンス番号に1足した値でない場合、受信フレームに記載のシーケンス番号がバッファに保持されているか否かを判定する。もし、バッファにシーケンス番号が保持されていれば、フレームを送信した端末がバッファに保持されているシーケンス番号の送信元アドレスを持つ端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。一方、バッファにシーケンス番号が保持されていなければ、自身が他の端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。次の送信時にシステム全体としてのシーケンス番号の連続性を保持するために、受信フレームのシーケンス番号が連続性を満たさない場合においても受信フレームに記載のシーケンス番号と、可能であれば送信元アドレス、宛先アドレスを取得しバッファに保持する。
【0017】
送信元アドレス、宛先アドレスをシーケンス番号と同時に取得可能か否かは通信ネットワークシステムの通信方式、フレーム構成に依存する。例えば対象とする通信ネットワークシステムが802.11準拠の無線LANシステムの場合、すべての端末においてユーザデータフレームから送信元アドレス、宛先アドレスを取得することが可能となり、受信確認(ACK)フレームからは宛先アドレスのみを取得することできる。一方、対象とする通信ネットワークシステムが高速電灯線通信の標準規格であるHomeplug1.0に準拠するシステムの場合、宛先アドレスに記載の端末だけが、ユーザデータフレームから送信元アドレス、宛先アドレスを取得することができ、他端末はユーザデータフレームでさえも送信元アドレス、宛先アドレスを取得することができない。またACKフレームについては送信元アドレス、宛先アドレスの領域が無いため、すべての端末で送信元アドレス、宛先アドレスを取得することができない。
【0018】
次に、上記送受信手順により隠れ端末の検出を行う方法について説明するにあたり、まず図2に各端末の位置関係を示す。図中の201は端末1の通信可能領域を示し、202は端末2の通信可能領域を示す。図2に示すように、端末1から送信されるフレームは端末3には届くものの、端末2では受信することができない。同じく端末2から送信されるフレームは端末3には届くものの、端末1では受信することができない。これらに対し、端末3から送信されるフレームは端末1、端末2の両方で受信することができる。このように、図2に示す各端末の位置関係では端末1と端末2が隠れ端末の位置関係にある。
【0019】
図2に示す各端末について、図3、図4を用いて隠れ端末の検出方法を説明する。図3は自身が隠れ端末であると認識する場合のシーケンス図であり、図4は他の2端末が隠れ端末の位置関係にあることを認識する場合のシーケンス図である。
【0020】
図3では、端末1と端末3が相互にデータ通信を行っており、端末2は送信を行わない状況で端末2が隠れ端末の位置にあることを認識するまでを示している。まず、端末1が端末3へシーケンス番号1を付加したユーザデータフレームの送信を行うと、端末3は端末1に対してシーケンス番号2を付加したACKフレームを返信する。端末2では端末1と隠れ端末の位置関係にあるため、端末1が送出したシーケンス番号1のユーザデータは受信できないが、端末3が送信したACKフレームは受信することができる。そこで端末2ではACKフレーム記載のシーケンス番号2をバッファに保持する。次に端末3が端末1に対してユーザデータにシーケンス番号3を付加して送信し、端末1が端末3に対してシーケンス番号4を付加したACKフレームを返信する。このとき端末2では、シーケンス番号3が付加されたユーザデータを受信し、シーケンス番号が連続性を示しているためシーケンス番号3をバッファに保持する。この時点では端末2は、まだ隠れ端末であることを認識することはできない。
【0021】
再び端末1が端末3に対してシーケンス番号5を付加したユーザデータを送信し、その応答として端末3が端末1に対してシーケンス番号6を付加したACKフレームを送信する。端末2ではシーケンス番号6のACKフレームのみを受信することになり、この時点で端末2のバッファに蓄積されているシーケンス番号が3までのため、シーケンス番号4およびシーケンス番号5が付加されたフレームを受信できなかった判断する。この時点で端末2はシーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信した端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。そこで端末2はシーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信した端末のアドレスを問い合わせる管理フレームにシーケンス番号7を付加して送信する。管理フレームはブロードキャストで送信するが、シーケンス番号6の送信元アドレスが既知の場合にはその送信元アドレスに対してユニキャストで送信してもよい。送信元アドレスが既知であるか否かは前述のように通信ネットワークの通信方式、フレーム構成に依存する。
【0022】
端末2からの管理フレームを受信した端末3は、シーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信した端末が端末1であることを知っているため、端末1がシーケンス番号4および5を送信し、問い合わせ要求をしたのは端末2であることを情報として載せた管理フレームを送信する。この管理フレームは端末1および端末2で受信することができ、管理フレームの情報により端末1と端末2はお互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識し合う。以上の経緯により、隠れ端末の位置関係にある2端末がお互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識することができる。
【0023】
次に、図2に示す各端末において、端末2と端末1が隠れ端末の位置関係にあることを端末3がまず認識し、その旨を両端末に通知する方法について図4を用いて説明する。端末1によるシーケンス番号1のフレーム送信から端末3によるシーケンス番号4のACKフレームの受信までは上述した図3の説明と同様であり、端末2では図3と同じくシーケンス番号2およびシーケンス番号3が蓄積されている。その後、端末2が端末3に対してユーザデータの送信を行うと、端末2はバッファに蓄積されたシーケンス番号の最大値が3であるため送信フレームにシーケンス番号4を付加する。このフレームを受信した端末3は、自身のバッファにシーケンス番号4が既にあり、シーケンス番号4は以前に端末1の送信フレームに付加されていたことを認識する。その結果、端末3は、端末2が端末1の送信フレームを受信できなかったものと判断し、端末1と端末2が隠れ端末の位置関係にあると認識する。そこでシーケンス番号5を付加した管理フレームで端末1と端末2が隠れ端末の位置関係にあることを通知し、この管理フレームを受信した端末1と端末2はお互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識し合う。
【0024】
なお、本実施の形態ではバッファに記録するデータとしてシーケンス番号と、可能であれば送信元アドレス、宛先アドレスと定めたが、バッファサイズを小さくするためにシーケンス番号のみを記録するようにしてもよい。このとき隠れ端末の検出方法は以下のように冗長になるが可能である。
【0025】
まず、図3の場合、端末2が送信したシーケンス番号7の管理フレームを受信した端末3がさらにブロードキャストで問い合わせることにより、端末1がその管理フレームを受信する。管理フレームの内容から端末1は自身が端末2と隠れ端末の位置関係にあることを認識し、自身がシーケンス番号4およびシーケンス番号5を送信したことを端末3に管理フレームで通知する。この管理フレームを受信した端末3が再び端末2に管理フレームを通知することにより、端末2においても端末1と隠れ端末の位置関係にあることを認識する。
【0026】
また、図4の場合、端末3がシーケンス番号4の重複を検知した旨をまず端末2に対して管理フレームで通知する。次にシーケンス番号4を送信した端末に対する問い合わせ要求と、端末2が隠れ端末の位置関係にある可能性があることを情報として持つ管理フレームをブロードキャストで送信する。この管理フレームを受信した端末1は端末2が隠れ端末の位置関係にあることを認識し、自身がシーケンス番号4を送信したことを端末3に管理フレームで通知し、この管理フレームを受信した端末3が再び端末2に管理フレームを通知する。端末2は最初の端末3からの管理フレームにより自身が他端末と隠れ端末であることを認識することでフレームの送信を停止し、端末3からの2回目の管理フレームにより、自身と隠れ端末の位置関係にあるのが端末1であることを認識する。
【0027】
なお、本実施の形態ではシーケンス番号の値を1ずつ増加させることでシーケンス番号の連続性を保持しているが、2ずつ増加させるなど他の手段で連続性を保持してもよい。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の例として、マルチキャリア伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いた通信ネットワークシステムを対象としたときの隠れ端末問題によるスループットの低下の対策を図を用いて説明する。
【0029】
図5は、本実施の形態で用いるOFDMの周波数特性と通信端末間の位置関係を示した図である。図5中の501から508はOFDMの各サブキャリアを示し、それぞれサブキャリア1からサブキャリア8に対応している。また509は端末1の通信可能領域を、510は端末2の通信可能領域を示す。つまり図5では、端末1と端末2は隠れ端末の位置関係にあり、それぞれは端末3および端末4とは通信可能である。また本実施の形態では端末間で各サブキャリアの伝送路状況を判定し、所望の誤り耐性を得ることができるサブキャリアのみを通信に使用するもので、どのサブキャリアを使用するかは端末間で通信を行う前に通知し合うものとする。
【0030】
図6は、図5に示す通信ネットワークシステムにおいて、隠れ端末が存在する状況下での衝突回避手段を示す図である。まず通信に先立ち伝送路状況の推定を行い、端末1から端末4への通信ではサブキャリア2、5、7の3つのサブキャリアを使用して通信することを通知し合う。この通知は端末3も受信することが可能で、端末3においても端末1から端末4への通信に使用するサブキャリアの情報を保持する。その後、端末1が端末4に対してユーザデータフレームであるフレーム1を送信した場合、端末3は受信中のフレーム1が端末1から端末4へのフレームであることを認識すると同時に、フレーム1で未使用のサブキャリア1、3、4、6、8を使ってフレーム1の送信が終了するまで送信停止要求フレーム2を送信する。端末3が送出した送信停止要求フレーム2は端末1、2、4に届くが、端末4ではサブキャリア2、5、7のみを用いて復調するため、フレーム1のデータを誤りなく受信することができる。一方、端末2は送信停止要求フレーム2を検出するとキャリアセンス機能により自身の送信動作を停止するため、端末4において衝突の原因となるフレームの送信を行わない。
【0031】
なお、送信停止要求フレームは隠れ端末のキャリアセンスによる送信の停止を行うことを目的とするため、情報を含む必要はなく、任意のランダム値を送信すればよい。
【0032】
また、図6では端末1および端末2の両端末と通信が可能な領域に端末が2台の場合を想定しているが、この領域に3台以上の端末が存在する場合、端末1または端末2が送信する自身宛でないフレームを受信した全端末が前述の未使用サブキャリアを使用して送信停止要求フレームを送信するか、または事前に任意の端末を送信停止要求フレームを送信する端末に決定し、その端末のみが送信停止要求フレームを送信する。
【0033】
この任意の端末の決定方法の一例として、前述の第一の発明による隠れ端末検出方法において、図3または図4で隠れ端末の位置関係にある端末1および端末2に対して隠れ端末である旨通知した端末3が、端末1および端末2が送信するフレームに対して送信停止要求フレームを送信することに決定する方法がある。
【0034】
なお、本実施の形態ではOFDMのサブキャリア数を8に設定しているがサブキャリア数に制限は無く、またOFDM以外のマルチキャリア伝送方式にも同様の手段により適用することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明により、隠れ端末が存在する通信ネットワークシステムにおいて、シーケンス番号という比較的冗長性の小さい識別子を利用することで、スループットの低下を抑えながら隠れ端末の検出を行うことが可能となり、さらにRTS/CTSなどの制御フレームを送出することなく隠れ端末の影響を回避し、システム全体として高スループットを達成することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1において、フレーム送受信時の処理の流れを示す図
【図2】本発明の実施の形態1において、各端末の位置関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1において、自身が隠れ端末であることを認識する場合の隠れ端末検出方法を示す図
【図4】本発明の実施の形態1において、自身以外の2端末が隠れ端末であることを認識する場合の隠れ端末検出方法を示す図
【図5】本発明の実施の形態2において、通信方式として使用するOFDMの周波数特性と通信端末間の位置関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態2において、隠れ端末が存在する状況下での衝突回避手段を示す図
【符号の説明】
201 端末1の通信可能領域
202 端末2の通信可能領域
501 OFDMのサブキャリア1
502 OFDMのサブキャリア2
503 OFDMのサブキャリア3
504 OFDMのサブキャリア4
505 OFDMのサブキャリア5
506 OFDMのサブキャリア6
507 OFDMのサブキャリア7
508 OFDMのサブキャリア8
509 端末1の通信可能領域
510 端末2の通信可能領域
Claims (7)
- 複数の端末間でフレームを転送する通信ネットワークシステムにおいて、フレーム内にシーケンス番号領域を設け、フレームを送信する場合には、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号に対して連続性を保持する値を前記シーケンス番号領域に設定して送信することを特徴とする通信ネットワークシステム。
- 第1の端末で受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号が、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号または前回送信したフレームに記載した前記シーケンス番号と連続性が無く、なおかつ任意の時間遡って送受信で使用されていないことを認識した場合に、第1の端末が隠れ端末である可能性があることを自己認識することを特徴とする請求項1記載の通信ネットワークシステム。
- 隠れ端末である可能性があると自己認識した前記第1の端末は、獲得に失敗したシーケンス番号を含むフレームを送信した第2の端末のアドレスを問い合わせ、前記第2の端末のアドレスと前記問い合わせをした第1の端末のアドレスを付加した第3の端末が送信するフレームを受信することにより、隠れ端末の位置関係にある第2の端末のアドレスを取得するとともに、前記第2の端末も、前記第3の端末が送信するフレームを受信することにより、前記第1の端末のアドレスを取得し、前記第1の端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識することを特徴とする請求項2記載の通信ネットワークシステム。
- 前記第3の端末が受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号が、前回受信したフレームに記載されている前記シーケンス番号または前回送信したフレームに記載した前記シーケンス番号と連続性が無く、なおかつ前記任意の時間内に送受信で使用されたことを認識した場合、前記第3の端末が受信したフレームを送信した端末が、他の端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識することを特徴とする請求項1記載の通信ネットワークシステム。
- フレーム送信端末が他の端末と隠れ端末の位置関係にあることを認識した前記第3の端末が、前記フレーム送信端末に対して隠れ端末である可能性があることを通知することを特徴とする請求項4記載の通信ネットワークシステム。
- 複数の端末間でマルチキャリア伝送方式を用いてフレームを転送する通信ネットワークシステムであり、伝送路状況に応じて前記端末間で使用するキャリアを選択して伝送する通信ネットワークシステムにおいて、前記第3の端末が前記第1の端末と前記第2の端末が互いに隠れ端末の位置関係にあることを認識すると、前記第1の端末が第4の端末にフレームを転送することを検知した時点で、前記第1の端末の第4の端末に対するフレーム転送で使用しないキャリアに送信停止要求フレームを出力することで、前記第1の端末と隠れ端末の位置関係にある前記第2の端末に対して送信を停止させることを特徴とする通信ネットワークシステム。
- 前記送信停止要求フレームを出力する前記第3の端末は、隠れ端末の位置関係にある第1の端末と第2の端末の両方と通信可能である任意の前記端末であり、1台または複数台の前記端末が同時に前記送信停止要求フレームを出力することが可能であることを特徴とする請求項6記載の通信ネットワークシステム。
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