JP2004172714A - 周波数切替アンテナ、携帯通信端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】インピーダンス整合における不具合を解決し、アンテナ特性とRF回路の性能を向上させ、設計自由度を高める。
【解決手段】周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4によりエレメントの電気長が変化することで共振周波数を共用可能なアンテナエレメント1と、各給電点に個々に接続された給電線路26,27のうちの何れか一つを電気的に導通させて残りの給電線路を電気的に遮断させる第1,第2給電点用スイッチ5,6と、各給電線路上に個々に独立して設けられると共に給電点用スイッチを介して電気的に導通された給電点に接続されているエレメントのインピーダンス整合をとるための第1,第2整合回路7,8と、給電点用スイッチにより電気的に導通され且つ整合回路によりインピーダンス整合が取られた後の給電線路のみを選択するための給電線路切替スイッチ9とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4によりエレメントの電気長が変化することで共振周波数を共用可能なアンテナエレメント1と、各給電点に個々に接続された給電線路26,27のうちの何れか一つを電気的に導通させて残りの給電線路を電気的に遮断させる第1,第2給電点用スイッチ5,6と、各給電線路上に個々に独立して設けられると共に給電点用スイッチを介して電気的に導通された給電点に接続されているエレメントのインピーダンス整合をとるための第1,第2整合回路7,8と、給電点用スイッチにより電気的に導通され且つ整合回路によりインピーダンス整合が取られた後の給電線路のみを選択するための給電線路切替スイッチ9とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等に好適な周波数切替アンテナ及びその周波数切替アンテナを備えた携帯通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、無線通信を行うためのアンテナは、その無線通信時の使用周波数の波長に対応したエレメント長が必要となっている。一方、携帯電話機に代表される携帯通信端末は、ユーザが常に持ち歩くことを考慮して小型化されており、その結果、当該端末本体の大きさが上記使用周波数の波長に対応したエレメント長と比較して小さくなっていることが多い。したがって、従来より、携帯通信端末に使用されるアンテナは、その端末本体の大きさに合わせて小型化することが望まれている。但し、一般に、アンテナを小型化すると、低抵抗となるため、アンテナ効率が劣化してしまい、また同時に、高Qとなるために使用可能な周波数帯域幅が狭くなってしまう問題がある。
【0003】
また、近年は、地上基地局との間の通信だけでなく、例えば、通信衛星との間の通信、テレビジョン放送の受信等の様々な用途に対応可能な携帯通信端末が望まれている。これら様々な用途に対応するためには、地上基地局との間の通信に使用する周波数帯域だけでなく、通信衛星が使用している周波数帯域や、テレビジョン放送にて使用されている周波数帯域など、複数の周波数帯域に対応したアンテナが必要となる。
【0004】
これらのことから、例えば特許文献1には、アンテナ効率や使用可能な周波数帯域幅を考慮しつつアンテナを小型化すると共に、複数の周波数帯域にも対応可能な周波数切替式アンテナが開示されている。
【0005】
図10は、特許文献1に記載の周波数切替式アンテナの構成を示している。
【0006】
この図10に示す周波数切替式アンテナは、第1のアンテナエレメント100と、当該第1のアンテナエレメント100に直列に接続された第2のアンテナエレメント101と、上記第1のアンテナエレメント100の下端部に配置された第1の給電点112と、第2のアンテナエレメント101の下端部に配置された第2の給電点113とを有している。この周波数切替式アンテナは、第1のアンテナエレメント100が第1の周波数で共振し、第1及び第2アンテナエレメント100,101からなるアンテナが第2の周波数で共振する。また、この周波数切替式アンテナは、第1,第2の給電点112,113に接続された第2,第3の給電線路121,122と、第2,第3の給電線路121,122を第1の給電線路116に切替接続するためのスイッチ123とを有する切替回路部114を備ている。そして、この周波数切替式アンテナは、インピーダンス制御切替部115が、上記スイッチ123を切り替えることにより、第1,第2の給電点112,113のうちで非接続状態の給電点に接続するインピーダンスを制御可能となされている。なお、第2の給電線路121の長さは、その電気長が第2の周波数の略々1/2波長となるように設定され、第3の給電線路122の長さは、第2のアンテナエレメント101と当該第3の給電線路122のトータルの電気長が第1の周波数の略々1/2波長となるように設定されている。
【0007】
すなわちこの図10に示す周波数切替式アンテナは、第1の給電線路116が、第2の給電線路121とスイッチ123を介して第1の給電点112に接続している場合、当該第1の給電点112から第2のアンテナエレメント101側をみたインピーダンスを例えば1/2波長のオープンスタブにし、アンテナエレメント上の分岐点(第1の給電点112)からみたインピーダンスをハイインピーダンスとすることで、インピーダンス整合における不具合を解決している。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−163620号公報(図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記周波数切替式アンテナの手法を用い、例えばUHF帯やVHF帯などのテレビジョン放送を携帯通信端末で受信することを考えた場合、当該テレビジョン放送の周波数帯域ではオープンスタブが長くなってしまう。すなわち、この場合の周波数切替式アンテナは、第3の給電線路122が非常に長くなって上記切替回路部114が大型化してしまい、携帯通信端末の小型化が困難になる。またこの場合、アンテナエレメントに接続されている給電点からRF回路までの伝送線路が長くなってRF信号の損失が発生し、その結果としてアンテナ効率が劣化してしまう。さらに、第2の給電点113にRF信号が接続された場合、第1のアンテナエレメント100には、1/2波長のオープンスタブとなる非放射モードの電流に加え、近接するアンテナエレメントとのカップリング(電磁結合)による放射モードの電流が誘起されることになり、その結果、インピーダンス整合における不具合が発生してしまう。また、上記1/2波長のオープンスタブとなるのは、使用周波数帯域が狭帯域の場合のみであり、使用周波数帯域が広帯域のアンテナシステムについては上記の手法は適用困難である。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、インピーダンス整合における不具合を解決し、アンテナ特性を向上させ、さらにはRF回路の性能を向上させると共に、設計自由度をも高めることが可能な、周波数切替アンテナ及び携帯通信端末を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の周波数切替アンテナは、複数の給電点によりエレメントの電気長を変化させることにより複数の周波数で共振可能なアンテナエレメントと、各給電点に個々に接続された給電線路のうちの何れか一つを電気的に導通させて残りの給電線路を電気的に遮断させる切替部と、各給電線路上に個々に独立して設けられると共に切替部を介して電気的に導通された給電点に接続されているエレメントのインピーダンス整合をとる整合部と、切替部により電気的に導通され且つ整合部によりインピーダンス整合が取られた後の給電線路のみを選択する選択部とを有する。
【0012】
また本発明の携帯通信端末は、本発明の周波数切替アンテナと、当該周波数切替アンテナを介して送受信される信号を処理する送受信信号処理部と、少なくとも上記選択部による給電線路の選択動作を制御する制御部とを有する。
【0013】
すなわち本発明によれば、各給電線路が切替部により個々に電気的に遮断若しくは導通可能となされると共に、各給電線路(つまり各給電点)に対して個々に独立した整合部を設けることで、給電線路に接続されているエレメント毎にインピーダンス整合を図っている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、アンテナエレメント1に複数の給電点3,4を設けてエレメントの電気長を変化させることで共振周波数を共用させる本実施の形態の周波数切替アンテナ部30と、当該周波数切替アンテナ部30に接続される高周波処理部(RF回路系)10、及び、その高周波処理部10に接続される信号処理部11、CPU(Central Processing Unit)22等からなる携帯通信端末の概略構成を示す。なお、本実施の形態の携帯通信端末は、例えば携帯電話機であるとする。また、電源部等の図示は省略している。さらに、本実施の形態の周波数切替アンテナは、送信性能と受信性能に可逆性があるため、ここでは特に送信系、受信系の構成については特定せずに説明を進める。
【0016】
[携帯通信端末の基本動作]
先ず、本実施の形態の携帯通信端末において通話を行う際の構成及び動作を簡単に説明する。なお、本実施の形態の携帯通信端末は、通話以外に、電子メールの送受信や、アプリケーションプログラムのダウンロード、そのアプリケーションプログラムの実行、インターネットへの接続等を行うための機能をも備えているが、ここではそれらの説明については割愛する。
【0017】
図1に示す携帯通信端末において、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30にて受信された受信信号は、高周波処理部10へ送られる。なお、周波数切替アンテナ部30の詳細は後述する。高周波処理部10は、受信信号を増幅し、R F帯域から中間周波数帯域への周波数変換、中間周波数帯域からベースバンドへの周波数変換、さらに帯域制限等を行った後、その受信信号を信号処理部11のコミュニケーション信号処理部11aへ送る。なお、近年では、中間周波数帯のないダイレクトコンバージョン方式も適用されているが、本発明には直接関係はない。
【0018】
上記受信信号を受け取ったコミュニケーション信号処理部11aは、その受信信号に逆拡散、デインターリーブ及び誤り訂正復号等の処理を行うことで、通信相手先が送信してきたデータ系列を再生する。また、コミュニケーション信号処理部11aは、上記データ系列のうち、音声データをディジタル/アナログ変換し、得られたアナログ音声信号を図示しないアンプを介してスピーカ15へ送る。スピーカ15は、そのアナログ音声信号により駆動される。これにより、通話相手先の端末からの通話音声が、当該スピーカ15から出力されることになる。なお、詳細については省略するが、上記再生されたデータ系列のうち、音声データ以外のデータは、CPU22に送られ、当該CPU22によりそのデータに応じた処理がなされる。
【0019】
一方、マイクロホン16は、ユーザの通話音声等を電気信号(すなわちアナログ音声信号)に変換する。この通話音声のアナログ音声信号は、図示しないアンプにより増幅された後、コミュニケーション信号処理部11aへ送られる。コミュニケーション信号処理部11aは、当該アナログ音声信号を、所定のサンプリングレートでアナログ/ディジタル変換し、さらにそのディジタル音声データに対して誤り訂正符号化、インターリーブ、拡散処理などを施して送信信号を作成し、高周波処理部10へ送る。この時の高周波処理部10は、その送信信号をベースバンドから中間周波数帯域に変換し、さらに中間周波数帯域からRF帯域への周波数変換を行った後、所定の送信電力に増幅する。その後、送信信号は、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30から無線送信される。
【0020】
ROM(Read Only Memory)21は、CPU22が各部を制御するための制御プログラムや各種のアプリケーションプログラム、各種の初期設定値、フォントデータ、着信音の元になる音源データなどを記憶している。なお、このROM21は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)のような書き換え可能なROMであっても良い。RAM(Random Access Memory)20は、CPU22が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。操作部19は、ユーザにより操作されるテンキーや電源ボタン、通話ボタン、ジョグダイヤルなどの各種の操作子からなる。ユーザの操作に応じて操作部19が発生した操作信号は、CPU22に送られる。CPU22は、ROM21に格納されている制御プログラムやアプリケーションプログラム、操作信号に基づいて、各部の動作を制御すると共に、各種の演算処理を行う。表示部23は、液晶ディスプレイ等からなり、CPU22による制御の元で文字や画像等を表示する。
【0021】
また、本実施の形態の携帯通信端末は、上記通話等のための構成以外に、例えばテレビジョン放送信号を処理するための構成としてテレビジョン信号処理部11bをも備えている。当該テレビジョン信号処理部11bは、上記周波数切替アンテナ部30及び高周波処理部10を介して受信したテレビジョン放送信号から、映像及び音声信号を生成し、映像信号を表示部23へ、音声信号をスピーカ17へ送る。これにより、本実施の形態の携帯通信端末のユーザは、テレビジョン放送の視聴も可能となる。
【0022】
このように本実施の形態の携帯通信端末は、通話等のために地上基地局との間で行われる通信だけでなく、例えば、テレビジョン放送電波の受信と当該受信したテレビジョン放送信号から映像及び音声を生成して出力することも可能となされている。
【0023】
したがって、本実施の形態の携帯通信端末の周波数切替アンテナ部30は、地上基地局との間の通信に使用する周波数帯域(以下、通話周波数帯域と表記する)だけでなく、テレビジョン放送にて使用されている周波数帯域(以下、テレビジョン周波数帯域と表記する)にも対応している。もちろん、テレビジョン放送の受信のみならず、本実施の形態の携帯通信端末が、例えば、それぞれ使用周波数帯域の異なる複数の携帯電話通信システムに対応していたり、通信衛星との間の通信、無線LANによる通信などの他の通信システムにも対応している場合、上記周波数切替アンテナ部30は、それら各通信システムの各使用周波数帯域の何れにも対応するものとなされる。
【0024】
[第1の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
本発明の第1の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図1を参照しながら説明する。
【0025】
この第1の実施の形態の周波数切替アンテナ部30において、アンテナエレメント1は、所望のアンテナ特性を実現するエレメント長を確保するために、一例として図1のように屈曲部分が直角に折り曲げられた櫛波形状(メアンダ)の放射導体パターンにより形成されている。当該アンテナエレメント1は、その下端部に第1給電点3が接続され、また、当該下端部と開放端部との間の所定の位置(以下、分岐点25と呼ぶ)から第2給電点4までの間に、第2給電点用エレメント2が接続されている。上記第1給電点3と接続する第1給電線路26上には、この給電線路26を電気的に遮断若しくは導通させるための第1給電点用スイッチ5とインピーダンス整合用の第1整合回路7が設けられ、また、第2給電点4と接続する第2給電線路27上には、当該給電線路27を電気的に遮断若しくは導通させるための第2給電点用スイッチ6とインピーダンス整合用の第2整合回路8が設けられている。なお、第1,第2整合回路7,8は、例えばいわゆるπ型、T型、L型整合回路の何れであっても良い。上記第1整合回路7は、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9bと接続され、第2整合回路8は、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9aと接続されている。そして、当該給電線路切替スイッチ9の共通端子9cは、高周波処理部10と接続されている。すなわち、当該給電線路切替スイッチ9は、上記第1,第2整合回路7,8でのインピーダンス整合後の各給電線路26,27のうち何れか一つを選択し、高周波処理部10に接続させる。
【0026】
ここで、本実施の形態によれば、周波数切替アンテナ部30は、前述したように、通話等のための通信に使用される周波数帯域(通話周波数帯域)とテレビジョン放送に使用される周波数帯域(テレビジョン周波数帯域)に対応可能となされている。また、本実施の形態によれば、上記CPU22は、例えば操作部19を介してユーザから通話機能を動作させる旨の指示若しくはテレビジョン放送の受信機能を動作させる旨の指示のうち何れかの指示がなされたとき、その指示に応じて、上記第1,第2給電点用スイッチ5,6と給電線路切替スイッチ9の切替制御を行う。
【0027】
具体的の説明すると、CPU22は、通話機能を動作させる旨の指示を受け取ったとき、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9aと共通端子9cを接続させる切替制御を行うと同時に、第1給電点用スイッチ5を開放状態(電気的遮断状態)とし、第2給電点用スイッチ6を導通状態とする切替制御を行う。したがって、この場合の周波数切替アンテナ部30は、アンテナエレメント1の開放端部から上記分岐点25までのエレメント及び上記第2給電点用エレメント2からなるエレメント長のアンテナが形成されることになる。すなわち、このときのエレメント長は、例えば、通話周波数帯域で共振するための長さとなる。また、このときの第2整合回路8は、当該エレメント長のアンテナに対応してインピーダンス整合を行う。
【0028】
一方、CPU22は、テレビジョン放送受信機能を動作させる旨の指示を受け取ったとき、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9bと共通端子9cを接続させる切替制御を行うと同時に、第1給電点用スイッチ5を導通状態とし、第2給電点用スイッチ6を開放状態(電気的遮断状態)とする切替制御を行う。したがって、この場合の周波数切替アンテナ部30では、アンテナエレメント1の全エレメント長のアンテナが形成されることになる。すなわち、このときのエレメント長は、例えば、テレビジョン周波数帯域で共振するための長さとなる。また、このときの第1整合回路7は、当該エレメント長のアンテナに対応してインピーダンス整合を行う。
【0029】
このように、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電線路26,27が、第1,第2給電点用スイッチ5,6によりそれぞれ電気的に遮断若しくは導通状態に切替可能になされていると共に、それら第1,第2給電線路26,27(つまり第1,第2給電点3,4)に対してそれぞれ独立した第1,第2整合回路7,8を設けているため、個々のインピーダンス整合が容易になっている。また、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4と第1,第2整合回路7,8の間に、第1,第2給電点用スイッチ5,6を設けることにより、第1,第2給電線路26,27のうちで何れか使用されていない方の整合回路による影響が、使用されている方へ及んでしまうことを防止できる。
【0030】
また、本実施の形態において、上記第1給電点3から高周波処理部10までの給電線路長と、上記第2給電点4から高周波処理部10までの給電線路長が、共に使用周波数の1/4波長以下となされている。
【0031】
このように、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、給電線路長が最短(本実施の形態では使用周波数の1/4波長以下)になされているため、伝送線路(給電線路)による損失を低減することができる。また、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4のそれぞれ直近に第1,第2給電点用スイッチ5,6が設けられているため、上記第1,第2給電点用スイッチ5,6の一方が電気的に導通状態で他方が遮断状態になされた時、つまり他方がオープンスタブになったときでも、そのオープンスタブになっている方の給電線路及びエレメントに誘起される電流を低減でき、且つ、上記導通状態の給電線路上の整合回路によるインピーダンス整合も容易となっている。
【0032】
さらに、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、上記アンテナエレメント1上の分岐点25からみて給電線路に接続されていない側のエレメントのインピーダンスがオープンスタブとして動作することにより整合を図る特性インピーダンスよりも、給電線路に接続されている給電点側からみた特性インピーダンスがハイインピーダンスになるように、上記分岐点25から第1,第2給電点3,4までのエレメント長、つまり、アンテナエレメント1上の分岐点25の位置と第2給電点用エレメント2のエレメント長が調整されている。但し、その調整量は1/4波長以下である。また、このときの第1,第2整合回路7,8は、上記ハイインピーダンスを、上記特性インピーダンスにコンバートすることも行う。
【0033】
このように、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、給電線路に接続されている給電点側からみた特性インピーダンスがハイインピーダンスになるように分岐点25の位置と第2給電点用エレメント2の長さを調整することにより、電気的に導通状態となっている方の給電点用スイッチによる信号損失の割合を等価的に低減している。
【0034】
[第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
次に、本発明の第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図2を参照しながら説明する。なお、図2は、周波数切替アンテナ部30のみを示し、他の高周波処理部10以降の構成の図示は省略している。また、これ以降、図1と重複する部分の説明については省略する。
【0035】
図2に示す本発明の第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4と第1,第2整合回路7,8の間に、GaAs(ガリウムヒ素)製のNPNT(N−Pole N−Throw)スイッチ41を使用する。なお、本実施の形態の場合、給電線路は2本であるため、NPNTスイッチ41は、DPDT(Double−Pole Double−Throw)スイッチ41である。そして、当該DPDTスイッチ41の一方のスイッチ41bは第1給電線路26と接続され、他方のスイッチ41aは第2給電線路27と接続されている。
【0036】
この第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部30によれば、駆動電流が少ないGaAs製のNPNTスイッチを使用することで消費電力を減らすことができる。その結果、当該携帯通信端末は、使用時間を延ばすこと、或いはバッテリの小型化を実現可能となる。
【0037】
[第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
次に、本発明の第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図3を参照しながら説明する。なお、図3は、周波数切替アンテナ部30のみを示し、図1と重複する部分の説明については省略する。
【0038】
図3に示す本発明の第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4と第1,第2整合回路7,8の間に、アノードが給電点側となりカソードが整合回路側となる第1,第2PNIダイオード42,43を第1,第2給電点用スイッチ5,6に代えて設ける。すなわち、これら第1,第2PINダイオード42,43へ流す順,逆バイアス電流を切り替えることで、これら第1,第2PINダイオード42,43は、前記第1,第2給電点用スイッチ5,6と等価になる。
【0039】
この第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部30によれば、安価なPNIダイオード42,43を用いることで、低価格の携帯通信端末実現し、また、周波数切替アンテナを使用することによる携帯通信端末の価格上昇を抑えることが可能となる。
【0040】
[第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
次に、本発明の第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図4を参照しながら説明する。なお、図4において図1と重複する部分の説明については省略する。
【0041】
図4に示す本発明の第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2整合回路7,8と給電線路切替スイッチ9の被切替端子9b,9aとの間に、第1給電線路用高周波処理部44と第2給電線路用高周波処理部45を設けている。したがって、この図4の例の場合、給電線路切替スイッチ9の共通切替端子9cは、図1の信号処理部11に直接接続されることになる。
【0042】
この第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30によれば、第1,第2給電線路用高周波処理部44,45を設け、2系統の高周波信号を別々に処理するため、一つの高周波処理回路により2種類の周波数の信号を扱う場合よりも処理が容易になり、また、2種類の周波数の信号を同時に扱える高周波処理回路よりもコストを低減することができる。
【0043】
なお、前述の図10で説明した従来の周波数切替式アンテナを用い、2つの周波数帯域を利用できる携帯通信端末を考えてみた場合、当該携帯通信端末は、それら2つの周波数に対応した2つのRF回路を備えることになる。ここで、従来の周波数切替式アンテナは、前記図10に示したように、2系統の信号線路をスイッチ123により1系統の信号線路にまとめているため、そのスイッチ123の後段には当該1系統の信号線路を2系統の信号線路に戻して上記2つのRF回路に各々接続するためのスイッチ若しくは分波器が必要となる。すなわち、前述した従来の周波数切替式アンテナを携帯通信端末に適用した場合、2つのRF回路からの2系統の信号線路を1系統の信号線路へまとめる手段と、アンテナからの1系統の信号線路を2系統の信号線路に分けるための手段が必要になる。したがって、従来の周波数切替式アンテナを使用した携帯通信端末は、信号の損失が大きく、同時に回路規模も大きくなる問題がある。これに対して、当該第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30を使用した携帯通信端末は、そのような1系統を2系統へ分波したり、2系統を1系統にまとめるための手段が不要となり、信号の損失を低減できると共に回路規模の増大の防止と低コスト化を図ることができる。
【0044】
[電磁界シミュレーション結果]
次に、本発明の周波数切替アンテナを用いた場合の電磁界シミュレーションの結果について説明する。なお、以下の電磁界シミュレーション結果は、例えば図5に示すように、アンテナエレメント1のパターンの大きさが40×40(mm)でパターン幅が1(mm)、地板50の大きさが70×40(mm)で厚さ1(mm)の場合の実験結果を表したものであり、上述の実施の形態で説明した携帯電話通信システムの周波数帯域やテレビジョン放送の周波数帯域に対応した測定例を挙げたものではない。
【0045】
図6,図7は、第1給電点3側の周波数帯域におけるスミスチャートとVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)特性を示す。また、図8,図9は、第2給電点4側の周波数帯域におけるスミスチャートとVSWR特性を示す。これら図6〜図9よりわかるように、第1給電点3側から見たインピーダンス特性、及び、第2給電点4側から見たインピーダンス特性共に、それぞれ所定の周波数帯域で整合がとれていることがわかる。
【0046】
なお、上述した実施の形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0047】
各実施の形態では、給電点を2つにした例を挙げているが、給電点は2個に限定されない。給電点が複数在る場合、整合回路や給電点用スイッチ、給電線路切替スイッチは、それら各給電点に対応した給電線路の数に応じたものとなされる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、各給電線路が切替部により個々に電気的に遮断若しくは導通可能になされると共に、各給電線路(つまり各給電点)に対して個々に独立した整合部を設けることで、給電線路に接続されているエレメント毎のインピーダンス整合が容易になってインピーダンス整合における不具合を解決でき、その結果、アンテナ特性が向上し、さらにはRF回路の性能をも高めることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の携帯通信端末の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の周波数切替スイッチ部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の周波数切替スイッチ部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の周波数切替スイッチ部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】電磁界シミュレーションの測定に用いたアンテナエレメントと地板の例を示す図である。
【図6】第1給電点側の周波数帯域におけるスミスチャートを示す図である。
【図7】第1給電点側の周波数帯域におけるVSWR特性を示す図である。
【図8】第2給電点側の周波数帯域におけるスミスチャートを示す図である。
【図9】第2給電点側の周波数帯域におけるVSWR特性を示す図である。
【図10】従来の周波数切替式アンテナの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…アンテナエレメント、2…第2給電点用エレメント、3…第1給電点、4…第2給電点、5…第1給電点用スイッチ、6…第2給電点用スイッチ、7…第1整合回路、8…第2整合回路、9…給電線路切替スイッチ、10…高周波処理部、11…信号処理部、11a…コミュニケーション信号処理部、11b…テレビジョン信号処理部、22…CPU、25…分岐点、26…第1給電線路、27…第2給電線路、30…周波数切替アンテナ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等に好適な周波数切替アンテナ及びその周波数切替アンテナを備えた携帯通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、無線通信を行うためのアンテナは、その無線通信時の使用周波数の波長に対応したエレメント長が必要となっている。一方、携帯電話機に代表される携帯通信端末は、ユーザが常に持ち歩くことを考慮して小型化されており、その結果、当該端末本体の大きさが上記使用周波数の波長に対応したエレメント長と比較して小さくなっていることが多い。したがって、従来より、携帯通信端末に使用されるアンテナは、その端末本体の大きさに合わせて小型化することが望まれている。但し、一般に、アンテナを小型化すると、低抵抗となるため、アンテナ効率が劣化してしまい、また同時に、高Qとなるために使用可能な周波数帯域幅が狭くなってしまう問題がある。
【0003】
また、近年は、地上基地局との間の通信だけでなく、例えば、通信衛星との間の通信、テレビジョン放送の受信等の様々な用途に対応可能な携帯通信端末が望まれている。これら様々な用途に対応するためには、地上基地局との間の通信に使用する周波数帯域だけでなく、通信衛星が使用している周波数帯域や、テレビジョン放送にて使用されている周波数帯域など、複数の周波数帯域に対応したアンテナが必要となる。
【0004】
これらのことから、例えば特許文献1には、アンテナ効率や使用可能な周波数帯域幅を考慮しつつアンテナを小型化すると共に、複数の周波数帯域にも対応可能な周波数切替式アンテナが開示されている。
【0005】
図10は、特許文献1に記載の周波数切替式アンテナの構成を示している。
【0006】
この図10に示す周波数切替式アンテナは、第1のアンテナエレメント100と、当該第1のアンテナエレメント100に直列に接続された第2のアンテナエレメント101と、上記第1のアンテナエレメント100の下端部に配置された第1の給電点112と、第2のアンテナエレメント101の下端部に配置された第2の給電点113とを有している。この周波数切替式アンテナは、第1のアンテナエレメント100が第1の周波数で共振し、第1及び第2アンテナエレメント100,101からなるアンテナが第2の周波数で共振する。また、この周波数切替式アンテナは、第1,第2の給電点112,113に接続された第2,第3の給電線路121,122と、第2,第3の給電線路121,122を第1の給電線路116に切替接続するためのスイッチ123とを有する切替回路部114を備ている。そして、この周波数切替式アンテナは、インピーダンス制御切替部115が、上記スイッチ123を切り替えることにより、第1,第2の給電点112,113のうちで非接続状態の給電点に接続するインピーダンスを制御可能となされている。なお、第2の給電線路121の長さは、その電気長が第2の周波数の略々1/2波長となるように設定され、第3の給電線路122の長さは、第2のアンテナエレメント101と当該第3の給電線路122のトータルの電気長が第1の周波数の略々1/2波長となるように設定されている。
【0007】
すなわちこの図10に示す周波数切替式アンテナは、第1の給電線路116が、第2の給電線路121とスイッチ123を介して第1の給電点112に接続している場合、当該第1の給電点112から第2のアンテナエレメント101側をみたインピーダンスを例えば1/2波長のオープンスタブにし、アンテナエレメント上の分岐点(第1の給電点112)からみたインピーダンスをハイインピーダンスとすることで、インピーダンス整合における不具合を解決している。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−163620号公報(図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記周波数切替式アンテナの手法を用い、例えばUHF帯やVHF帯などのテレビジョン放送を携帯通信端末で受信することを考えた場合、当該テレビジョン放送の周波数帯域ではオープンスタブが長くなってしまう。すなわち、この場合の周波数切替式アンテナは、第3の給電線路122が非常に長くなって上記切替回路部114が大型化してしまい、携帯通信端末の小型化が困難になる。またこの場合、アンテナエレメントに接続されている給電点からRF回路までの伝送線路が長くなってRF信号の損失が発生し、その結果としてアンテナ効率が劣化してしまう。さらに、第2の給電点113にRF信号が接続された場合、第1のアンテナエレメント100には、1/2波長のオープンスタブとなる非放射モードの電流に加え、近接するアンテナエレメントとのカップリング(電磁結合)による放射モードの電流が誘起されることになり、その結果、インピーダンス整合における不具合が発生してしまう。また、上記1/2波長のオープンスタブとなるのは、使用周波数帯域が狭帯域の場合のみであり、使用周波数帯域が広帯域のアンテナシステムについては上記の手法は適用困難である。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、インピーダンス整合における不具合を解決し、アンテナ特性を向上させ、さらにはRF回路の性能を向上させると共に、設計自由度をも高めることが可能な、周波数切替アンテナ及び携帯通信端末を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の周波数切替アンテナは、複数の給電点によりエレメントの電気長を変化させることにより複数の周波数で共振可能なアンテナエレメントと、各給電点に個々に接続された給電線路のうちの何れか一つを電気的に導通させて残りの給電線路を電気的に遮断させる切替部と、各給電線路上に個々に独立して設けられると共に切替部を介して電気的に導通された給電点に接続されているエレメントのインピーダンス整合をとる整合部と、切替部により電気的に導通され且つ整合部によりインピーダンス整合が取られた後の給電線路のみを選択する選択部とを有する。
【0012】
また本発明の携帯通信端末は、本発明の周波数切替アンテナと、当該周波数切替アンテナを介して送受信される信号を処理する送受信信号処理部と、少なくとも上記選択部による給電線路の選択動作を制御する制御部とを有する。
【0013】
すなわち本発明によれば、各給電線路が切替部により個々に電気的に遮断若しくは導通可能となされると共に、各給電線路(つまり各給電点)に対して個々に独立した整合部を設けることで、給電線路に接続されているエレメント毎にインピーダンス整合を図っている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、アンテナエレメント1に複数の給電点3,4を設けてエレメントの電気長を変化させることで共振周波数を共用させる本実施の形態の周波数切替アンテナ部30と、当該周波数切替アンテナ部30に接続される高周波処理部(RF回路系)10、及び、その高周波処理部10に接続される信号処理部11、CPU(Central Processing Unit)22等からなる携帯通信端末の概略構成を示す。なお、本実施の形態の携帯通信端末は、例えば携帯電話機であるとする。また、電源部等の図示は省略している。さらに、本実施の形態の周波数切替アンテナは、送信性能と受信性能に可逆性があるため、ここでは特に送信系、受信系の構成については特定せずに説明を進める。
【0016】
[携帯通信端末の基本動作]
先ず、本実施の形態の携帯通信端末において通話を行う際の構成及び動作を簡単に説明する。なお、本実施の形態の携帯通信端末は、通話以外に、電子メールの送受信や、アプリケーションプログラムのダウンロード、そのアプリケーションプログラムの実行、インターネットへの接続等を行うための機能をも備えているが、ここではそれらの説明については割愛する。
【0017】
図1に示す携帯通信端末において、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30にて受信された受信信号は、高周波処理部10へ送られる。なお、周波数切替アンテナ部30の詳細は後述する。高周波処理部10は、受信信号を増幅し、R F帯域から中間周波数帯域への周波数変換、中間周波数帯域からベースバンドへの周波数変換、さらに帯域制限等を行った後、その受信信号を信号処理部11のコミュニケーション信号処理部11aへ送る。なお、近年では、中間周波数帯のないダイレクトコンバージョン方式も適用されているが、本発明には直接関係はない。
【0018】
上記受信信号を受け取ったコミュニケーション信号処理部11aは、その受信信号に逆拡散、デインターリーブ及び誤り訂正復号等の処理を行うことで、通信相手先が送信してきたデータ系列を再生する。また、コミュニケーション信号処理部11aは、上記データ系列のうち、音声データをディジタル/アナログ変換し、得られたアナログ音声信号を図示しないアンプを介してスピーカ15へ送る。スピーカ15は、そのアナログ音声信号により駆動される。これにより、通話相手先の端末からの通話音声が、当該スピーカ15から出力されることになる。なお、詳細については省略するが、上記再生されたデータ系列のうち、音声データ以外のデータは、CPU22に送られ、当該CPU22によりそのデータに応じた処理がなされる。
【0019】
一方、マイクロホン16は、ユーザの通話音声等を電気信号(すなわちアナログ音声信号)に変換する。この通話音声のアナログ音声信号は、図示しないアンプにより増幅された後、コミュニケーション信号処理部11aへ送られる。コミュニケーション信号処理部11aは、当該アナログ音声信号を、所定のサンプリングレートでアナログ/ディジタル変換し、さらにそのディジタル音声データに対して誤り訂正符号化、インターリーブ、拡散処理などを施して送信信号を作成し、高周波処理部10へ送る。この時の高周波処理部10は、その送信信号をベースバンドから中間周波数帯域に変換し、さらに中間周波数帯域からRF帯域への周波数変換を行った後、所定の送信電力に増幅する。その後、送信信号は、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30から無線送信される。
【0020】
ROM(Read Only Memory)21は、CPU22が各部を制御するための制御プログラムや各種のアプリケーションプログラム、各種の初期設定値、フォントデータ、着信音の元になる音源データなどを記憶している。なお、このROM21は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)のような書き換え可能なROMであっても良い。RAM(Random Access Memory)20は、CPU22が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。操作部19は、ユーザにより操作されるテンキーや電源ボタン、通話ボタン、ジョグダイヤルなどの各種の操作子からなる。ユーザの操作に応じて操作部19が発生した操作信号は、CPU22に送られる。CPU22は、ROM21に格納されている制御プログラムやアプリケーションプログラム、操作信号に基づいて、各部の動作を制御すると共に、各種の演算処理を行う。表示部23は、液晶ディスプレイ等からなり、CPU22による制御の元で文字や画像等を表示する。
【0021】
また、本実施の形態の携帯通信端末は、上記通話等のための構成以外に、例えばテレビジョン放送信号を処理するための構成としてテレビジョン信号処理部11bをも備えている。当該テレビジョン信号処理部11bは、上記周波数切替アンテナ部30及び高周波処理部10を介して受信したテレビジョン放送信号から、映像及び音声信号を生成し、映像信号を表示部23へ、音声信号をスピーカ17へ送る。これにより、本実施の形態の携帯通信端末のユーザは、テレビジョン放送の視聴も可能となる。
【0022】
このように本実施の形態の携帯通信端末は、通話等のために地上基地局との間で行われる通信だけでなく、例えば、テレビジョン放送電波の受信と当該受信したテレビジョン放送信号から映像及び音声を生成して出力することも可能となされている。
【0023】
したがって、本実施の形態の携帯通信端末の周波数切替アンテナ部30は、地上基地局との間の通信に使用する周波数帯域(以下、通話周波数帯域と表記する)だけでなく、テレビジョン放送にて使用されている周波数帯域(以下、テレビジョン周波数帯域と表記する)にも対応している。もちろん、テレビジョン放送の受信のみならず、本実施の形態の携帯通信端末が、例えば、それぞれ使用周波数帯域の異なる複数の携帯電話通信システムに対応していたり、通信衛星との間の通信、無線LANによる通信などの他の通信システムにも対応している場合、上記周波数切替アンテナ部30は、それら各通信システムの各使用周波数帯域の何れにも対応するものとなされる。
【0024】
[第1の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
本発明の第1の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図1を参照しながら説明する。
【0025】
この第1の実施の形態の周波数切替アンテナ部30において、アンテナエレメント1は、所望のアンテナ特性を実現するエレメント長を確保するために、一例として図1のように屈曲部分が直角に折り曲げられた櫛波形状(メアンダ)の放射導体パターンにより形成されている。当該アンテナエレメント1は、その下端部に第1給電点3が接続され、また、当該下端部と開放端部との間の所定の位置(以下、分岐点25と呼ぶ)から第2給電点4までの間に、第2給電点用エレメント2が接続されている。上記第1給電点3と接続する第1給電線路26上には、この給電線路26を電気的に遮断若しくは導通させるための第1給電点用スイッチ5とインピーダンス整合用の第1整合回路7が設けられ、また、第2給電点4と接続する第2給電線路27上には、当該給電線路27を電気的に遮断若しくは導通させるための第2給電点用スイッチ6とインピーダンス整合用の第2整合回路8が設けられている。なお、第1,第2整合回路7,8は、例えばいわゆるπ型、T型、L型整合回路の何れであっても良い。上記第1整合回路7は、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9bと接続され、第2整合回路8は、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9aと接続されている。そして、当該給電線路切替スイッチ9の共通端子9cは、高周波処理部10と接続されている。すなわち、当該給電線路切替スイッチ9は、上記第1,第2整合回路7,8でのインピーダンス整合後の各給電線路26,27のうち何れか一つを選択し、高周波処理部10に接続させる。
【0026】
ここで、本実施の形態によれば、周波数切替アンテナ部30は、前述したように、通話等のための通信に使用される周波数帯域(通話周波数帯域)とテレビジョン放送に使用される周波数帯域(テレビジョン周波数帯域)に対応可能となされている。また、本実施の形態によれば、上記CPU22は、例えば操作部19を介してユーザから通話機能を動作させる旨の指示若しくはテレビジョン放送の受信機能を動作させる旨の指示のうち何れかの指示がなされたとき、その指示に応じて、上記第1,第2給電点用スイッチ5,6と給電線路切替スイッチ9の切替制御を行う。
【0027】
具体的の説明すると、CPU22は、通話機能を動作させる旨の指示を受け取ったとき、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9aと共通端子9cを接続させる切替制御を行うと同時に、第1給電点用スイッチ5を開放状態(電気的遮断状態)とし、第2給電点用スイッチ6を導通状態とする切替制御を行う。したがって、この場合の周波数切替アンテナ部30は、アンテナエレメント1の開放端部から上記分岐点25までのエレメント及び上記第2給電点用エレメント2からなるエレメント長のアンテナが形成されることになる。すなわち、このときのエレメント長は、例えば、通話周波数帯域で共振するための長さとなる。また、このときの第2整合回路8は、当該エレメント長のアンテナに対応してインピーダンス整合を行う。
【0028】
一方、CPU22は、テレビジョン放送受信機能を動作させる旨の指示を受け取ったとき、給電線路切替スイッチ9の被切替端子9bと共通端子9cを接続させる切替制御を行うと同時に、第1給電点用スイッチ5を導通状態とし、第2給電点用スイッチ6を開放状態(電気的遮断状態)とする切替制御を行う。したがって、この場合の周波数切替アンテナ部30では、アンテナエレメント1の全エレメント長のアンテナが形成されることになる。すなわち、このときのエレメント長は、例えば、テレビジョン周波数帯域で共振するための長さとなる。また、このときの第1整合回路7は、当該エレメント長のアンテナに対応してインピーダンス整合を行う。
【0029】
このように、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電線路26,27が、第1,第2給電点用スイッチ5,6によりそれぞれ電気的に遮断若しくは導通状態に切替可能になされていると共に、それら第1,第2給電線路26,27(つまり第1,第2給電点3,4)に対してそれぞれ独立した第1,第2整合回路7,8を設けているため、個々のインピーダンス整合が容易になっている。また、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4と第1,第2整合回路7,8の間に、第1,第2給電点用スイッチ5,6を設けることにより、第1,第2給電線路26,27のうちで何れか使用されていない方の整合回路による影響が、使用されている方へ及んでしまうことを防止できる。
【0030】
また、本実施の形態において、上記第1給電点3から高周波処理部10までの給電線路長と、上記第2給電点4から高周波処理部10までの給電線路長が、共に使用周波数の1/4波長以下となされている。
【0031】
このように、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、給電線路長が最短(本実施の形態では使用周波数の1/4波長以下)になされているため、伝送線路(給電線路)による損失を低減することができる。また、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4のそれぞれ直近に第1,第2給電点用スイッチ5,6が設けられているため、上記第1,第2給電点用スイッチ5,6の一方が電気的に導通状態で他方が遮断状態になされた時、つまり他方がオープンスタブになったときでも、そのオープンスタブになっている方の給電線路及びエレメントに誘起される電流を低減でき、且つ、上記導通状態の給電線路上の整合回路によるインピーダンス整合も容易となっている。
【0032】
さらに、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、上記アンテナエレメント1上の分岐点25からみて給電線路に接続されていない側のエレメントのインピーダンスがオープンスタブとして動作することにより整合を図る特性インピーダンスよりも、給電線路に接続されている給電点側からみた特性インピーダンスがハイインピーダンスになるように、上記分岐点25から第1,第2給電点3,4までのエレメント長、つまり、アンテナエレメント1上の分岐点25の位置と第2給電点用エレメント2のエレメント長が調整されている。但し、その調整量は1/4波長以下である。また、このときの第1,第2整合回路7,8は、上記ハイインピーダンスを、上記特性インピーダンスにコンバートすることも行う。
【0033】
このように、本実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、給電線路に接続されている給電点側からみた特性インピーダンスがハイインピーダンスになるように分岐点25の位置と第2給電点用エレメント2の長さを調整することにより、電気的に導通状態となっている方の給電点用スイッチによる信号損失の割合を等価的に低減している。
【0034】
[第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
次に、本発明の第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図2を参照しながら説明する。なお、図2は、周波数切替アンテナ部30のみを示し、他の高周波処理部10以降の構成の図示は省略している。また、これ以降、図1と重複する部分の説明については省略する。
【0035】
図2に示す本発明の第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4と第1,第2整合回路7,8の間に、GaAs(ガリウムヒ素)製のNPNT(N−Pole N−Throw)スイッチ41を使用する。なお、本実施の形態の場合、給電線路は2本であるため、NPNTスイッチ41は、DPDT(Double−Pole Double−Throw)スイッチ41である。そして、当該DPDTスイッチ41の一方のスイッチ41bは第1給電線路26と接続され、他方のスイッチ41aは第2給電線路27と接続されている。
【0036】
この第2の実施の形態の周波数切替アンテナ部30によれば、駆動電流が少ないGaAs製のNPNTスイッチを使用することで消費電力を減らすことができる。その結果、当該携帯通信端末は、使用時間を延ばすこと、或いはバッテリの小型化を実現可能となる。
【0037】
[第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
次に、本発明の第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図3を参照しながら説明する。なお、図3は、周波数切替アンテナ部30のみを示し、図1と重複する部分の説明については省略する。
【0038】
図3に示す本発明の第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2給電点3,4と第1,第2整合回路7,8の間に、アノードが給電点側となりカソードが整合回路側となる第1,第2PNIダイオード42,43を第1,第2給電点用スイッチ5,6に代えて設ける。すなわち、これら第1,第2PINダイオード42,43へ流す順,逆バイアス電流を切り替えることで、これら第1,第2PINダイオード42,43は、前記第1,第2給電点用スイッチ5,6と等価になる。
【0039】
この第3の実施の形態の周波数切替アンテナ部30によれば、安価なPNIダイオード42,43を用いることで、低価格の携帯通信端末実現し、また、周波数切替アンテナを使用することによる携帯通信端末の価格上昇を抑えることが可能となる。
【0040】
[第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部の構成及び動作]
次に、本発明の第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30について、図4を参照しながら説明する。なお、図4において図1と重複する部分の説明については省略する。
【0041】
図4に示す本発明の第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30は、第1,第2整合回路7,8と給電線路切替スイッチ9の被切替端子9b,9aとの間に、第1給電線路用高周波処理部44と第2給電線路用高周波処理部45を設けている。したがって、この図4の例の場合、給電線路切替スイッチ9の共通切替端子9cは、図1の信号処理部11に直接接続されることになる。
【0042】
この第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30によれば、第1,第2給電線路用高周波処理部44,45を設け、2系統の高周波信号を別々に処理するため、一つの高周波処理回路により2種類の周波数の信号を扱う場合よりも処理が容易になり、また、2種類の周波数の信号を同時に扱える高周波処理回路よりもコストを低減することができる。
【0043】
なお、前述の図10で説明した従来の周波数切替式アンテナを用い、2つの周波数帯域を利用できる携帯通信端末を考えてみた場合、当該携帯通信端末は、それら2つの周波数に対応した2つのRF回路を備えることになる。ここで、従来の周波数切替式アンテナは、前記図10に示したように、2系統の信号線路をスイッチ123により1系統の信号線路にまとめているため、そのスイッチ123の後段には当該1系統の信号線路を2系統の信号線路に戻して上記2つのRF回路に各々接続するためのスイッチ若しくは分波器が必要となる。すなわち、前述した従来の周波数切替式アンテナを携帯通信端末に適用した場合、2つのRF回路からの2系統の信号線路を1系統の信号線路へまとめる手段と、アンテナからの1系統の信号線路を2系統の信号線路に分けるための手段が必要になる。したがって、従来の周波数切替式アンテナを使用した携帯通信端末は、信号の損失が大きく、同時に回路規模も大きくなる問題がある。これに対して、当該第4の実施の形態の周波数切替アンテナ部30を使用した携帯通信端末は、そのような1系統を2系統へ分波したり、2系統を1系統にまとめるための手段が不要となり、信号の損失を低減できると共に回路規模の増大の防止と低コスト化を図ることができる。
【0044】
[電磁界シミュレーション結果]
次に、本発明の周波数切替アンテナを用いた場合の電磁界シミュレーションの結果について説明する。なお、以下の電磁界シミュレーション結果は、例えば図5に示すように、アンテナエレメント1のパターンの大きさが40×40(mm)でパターン幅が1(mm)、地板50の大きさが70×40(mm)で厚さ1(mm)の場合の実験結果を表したものであり、上述の実施の形態で説明した携帯電話通信システムの周波数帯域やテレビジョン放送の周波数帯域に対応した測定例を挙げたものではない。
【0045】
図6,図7は、第1給電点3側の周波数帯域におけるスミスチャートとVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)特性を示す。また、図8,図9は、第2給電点4側の周波数帯域におけるスミスチャートとVSWR特性を示す。これら図6〜図9よりわかるように、第1給電点3側から見たインピーダンス特性、及び、第2給電点4側から見たインピーダンス特性共に、それぞれ所定の周波数帯域で整合がとれていることがわかる。
【0046】
なお、上述した実施の形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0047】
各実施の形態では、給電点を2つにした例を挙げているが、給電点は2個に限定されない。給電点が複数在る場合、整合回路や給電点用スイッチ、給電線路切替スイッチは、それら各給電点に対応した給電線路の数に応じたものとなされる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、各給電線路が切替部により個々に電気的に遮断若しくは導通可能になされると共に、各給電線路(つまり各給電点)に対して個々に独立した整合部を設けることで、給電線路に接続されているエレメント毎のインピーダンス整合が容易になってインピーダンス整合における不具合を解決でき、その結果、アンテナ特性が向上し、さらにはRF回路の性能をも高めることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の携帯通信端末の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の周波数切替スイッチ部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の周波数切替スイッチ部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の周波数切替スイッチ部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】電磁界シミュレーションの測定に用いたアンテナエレメントと地板の例を示す図である。
【図6】第1給電点側の周波数帯域におけるスミスチャートを示す図である。
【図7】第1給電点側の周波数帯域におけるVSWR特性を示す図である。
【図8】第2給電点側の周波数帯域におけるスミスチャートを示す図である。
【図9】第2給電点側の周波数帯域におけるVSWR特性を示す図である。
【図10】従来の周波数切替式アンテナの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…アンテナエレメント、2…第2給電点用エレメント、3…第1給電点、4…第2給電点、5…第1給電点用スイッチ、6…第2給電点用スイッチ、7…第1整合回路、8…第2整合回路、9…給電線路切替スイッチ、10…高周波処理部、11…信号処理部、11a…コミュニケーション信号処理部、11b…テレビジョン信号処理部、22…CPU、25…分岐点、26…第1給電線路、27…第2給電線路、30…周波数切替アンテナ部
Claims (8)
- 複数の給電点によりエレメントの電気長を変化させることにより複数の周波数で共振可能なアンテナエレメントと、
上記複数の給電点に個々に接続された複数の給電線路のうちの何れか一つを電気的に導通させ、残りの給電線路を電気的に遮断させる切替部と、
上記複数の給電線路上に個々に独立して設けられると共に、上記切替部を介して電気的に導通された給電点に接続されているエレメントのインピーダンス整合をとるための複数の整合部と、
上記切替部により電気的に導通され且つ上記整合部によりインピーダンス整合が取られた後の給電線路のみを選択する選択部とを有する
ことを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 請求項1記載の周波数切替アンテナであって、
上記各給電点から上記選択部までの各給電線路の長さは、使用周波数の1/4波長以下であることを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 請求項1記載の周波数切替アンテナであって、
上記アンテナエレメントの開放端部及び下端部以外の位置に設定される分岐点と所定の給電点との間を接続する給電点接続用エレメントを設けることを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 請求項3記載の周波数切替アンテナであって、
上記給電点接続用エレメントの長さ及びアンテナエレメント上での上記分岐点の位置は、上記分岐点からみて上記切替部により給電線路と電気的に遮断されている側のエレメントがオープンスタブとして動作することにより整合を図る特性インピーダンスよりも、上記切替部により給電線路と電気的に導通されている給電点側からみたインピーダンス特性がハイインピーダンスになる、長さ及び位置であることを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 請求項1記載の周波数切替アンテナであって、
上記切替部は、ガリウムヒ素製のNPNTスイッチであることを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 請求項1記載の周波数切替アンテナであって、
上記切替部は、バイアス電流の方向に応じて電気的に導通又は遮断するPINダイオードであることを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 請求項1記載の周波数切替アンテナであって、
上記各整合部と選択部との間の各給電線路上に、それぞれ独立した高周波処理部を設けることを特徴とする周波数切替アンテナ。 - 複数の給電点によりエレメントの電気長を変化させることにより複数の周波数で共振可能なアンテナエレメントと、上記複数の給電点に個々に接続された複数の給電線路のうちの何れか一つを電気的に導通させて残りの給電線路を電気的に遮断させる切替部と、上記複数の給電線路上に個々に独立して設けられると共に上記切替部を介して電気的に導通された給電点に接続されているエレメントのインピーダンス整合をとるための複数の整合部と、上記切替部により電気的に導通され且つ上記整合部によりインピーダンス整合が取られた後の給電線路のみを選択する選択部とを備えた周波数切替アンテナと、
上記周波数切替アンテナを介して送受信される信号を処理する送受信信号処理部と、
少なくとも上記選択部による給電線路の選択動作を制御する制御部とを有する
ことを特徴とする携帯通信端末。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011055428A (ja) * | 2009-09-04 | 2011-03-17 | Murata Mfg Co Ltd | アンテナ装置 |
-
2002
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US7616158B2 (en) | 2006-05-26 | 2009-11-10 | Hong Kong Applied Science And Technology Research Institute Co., Ltd. | Multi mode antenna system |
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