JP2004172295A - 回路基板及び電池ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】電池と直接接続される多層回路基板の短絡を防止する。
【解決手段】導電体により形成されたパターン配線部21と誘電体絶縁物質により形成された絶縁部22とが交互に積層され、表層のパターン配線層L1にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15と接続される接続ランド部23及び接続ランド部24が設けられた回路基板3は、第2層のパターン配線層L2の接続ランド部23及び接続ランド部24に対応する部分23a及び24aを、表層の接続ランド部23及び接続ランド部24に電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうちいずれか一つ以上により形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池と接続される回路基板、及び電池と回路基板が接続された電池ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、例えばノート型携帯用コンピュータ、情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯型電話機、カメラ一体型VTR(Video Tape Recorder)等の携帯用電子機器の電源として、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させることで充放電反応が行われ、軽量で高エネルギー密度なリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池では、上述した携帯用電子機器に搭載されることから、更なる小型化、軽量化が求められており、例えば金属製外装容器の変わりにフィルム状の外装材を用い、非水電解液の代わりに固体電解質を用いることで更なる小型化、軽量化を図ることができる。
【0004】
具体的に、リチウムイオン二次電池においては、例えばフィルム状の外装材として熱融着が可能な高分子フィルムと金属箔とが積層されたラミネートフィルム等を用い、固体電解質として非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いる。
【0005】
そして、このようなラミネートフィルムとゲル状電解質とを用いたリチウムイオン二次電池は、一般的にポリマー電池と呼ばれている。そして、図14に示す電池ユニット100に構成されて上述した電子機器に搭載される。
【0006】
電子機器に搭載される電池ユニット100は、発電要素となるポリマー電池101と、このポリマー電池101が接続される回路基板102とを備えている。
【0007】
ポリマー電池101は、図示しない正極及び負極等により充放電が行われる電池素子103が外装フィルム104に収納され、電池素子103から正極端子105と負極端子106とが外装フィルム104の外部にそれぞれ導出された構成となっている。このポリマー電池101においては、電池電位による不具合がおきることが無いように、正極端子105にアルミニウム等からなる導電性金属を用いており、負極端子106にニッケル等からなる導電性金属を用いている。
【0008】
回路基板102は、図15に示すように、導電体により形成されたパターン配線層102aと誘電体絶縁物質により形成された誘電体絶縁層102bとが交互に積層され、例えば過充電保護や充放電制御を目的する図示しない電子回路と、表層のパターン配線層102aに電子回路等へ電力等を供給するための接続端子等が接続される接続ランド107とを有している。そして、回路基板102においては、接続ランド107に、例えばニッケル等の導電性金属からなる中継タブ108を介して正極端子105及び負極端子106がそれぞれ接続され、ポリマー電池101から電力が供給されることになる。この回路基板102においては、電気絶縁性に優れていることから誘電体絶縁層102bにポリイミド等からなる絶縁物質を用い、電気伝導性に優れ、廉価であることからパターン配線層102aの配線パターンや接続ランド107に、銅等からなる導電性金属を用いている。
【0009】
上述した構成の電池ユニット100においては、アルミニウム等からなる正極端子105と銅等からなる接続ランド107とを接続する場合、例えばハンダ付けや抵抗溶接等で直接接続することが困難であることから、上述したニッケル等からなる中継タブ108を介して正極端子105と接続ランド107とを接続させている。具体的には、接続ランド107と中継タブ108とを例えばリフロー処理によるハンダ付けで接続させた後に、接続ランド107に接続された中継タブ108に正極端子105を抵抗溶接等で接続させている。
【0010】
一方、ニッケル等からなる負極端子106は、接続ランド107にハンダ付け等で直接接続できるが、リフロー処理を施すとポリマー電池101が熱により劣化してしまうことから、上述したニッケル等からなる中継タブ108を介して接続ランド107に接続させている。具体的には、接続ランド107と中継タブ108とを例えばリフロー処理によるハンダ付けで接続させた後に、接続ランド107に接続された中継タブ108に負極端子106を抵抗溶接等で接続させている。
【0011】
この電池ユニット100では、ポリマー電池101と回路基板102との接続に中継タブ108を介することで、ポリマー電池101と回路基板102との間の距離が中継タブ108の分長くなることから、小型化することが困難になる。このため、この電池ユニット100では、例えば電子機器等に収納する際に、大きなスペースが必要となり、搭載される電子機器まで大型化させてしまう。
【0012】
さらに、この電池ユニット100では、ポリマー電池101と回路基板102とを接続するための接続箇所が4箇所と多く、リフロー処理や溶接加工等、接続にかかる工程数が多いことから、製造時の歩留まりが低下してしまう。さらにまた、この電池ユニット100では、ポリマー電池101と回路基板102とを接続するための接続箇所が多いことから、全ての接続箇所の信頼性を維持するために、多くの検査工程が必要となり、製造歩留まりがさらに低下することになる。
【0013】
このような問題を解決する手段としては、ポリマー電池と回路基板とを、中継タブではなく、例えば接続ランドに配置した例えば圧着端子等で正極端子及び負極端子をかしめて固定することで接続させることが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このような電池ユニットは、リフロー処理にてハンダ付けをせずとも圧着端子を上述した中継タブの代替とすることができ、この圧着端子と回路基板とをハンダ付けや抵抗溶接することが可能となる。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−56834号公報(第3−4頁、第19図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した圧着端子を用いた電池ユニットでは、ハンダ付けにより圧着端子と回路基板とを接着する際に、高温となるため、回路基板のポリイミドを溶融してしまい、銅箔がポリイミドを突き破ることがある。これにより回路基板は、ポリイミドにより隔てられたそれぞれのパターン配線が接続され回路がショートしてしまい回路動作に支障をきたしたり、電池の正負のショートにより電池を過放電させてしまい電池にダメージを与えてしまうといった問題が発生する。
【0016】
また、上述した圧着端子を用いた電池ユニットでは、抵抗溶接により圧着端子と回路基板とを接着する際に、接続部に大電流が流れることから、電気抵抗による加熱で高温となり、回路基板のポリイミドを溶融してしまい、銅箔がポリイミドを突き破ることがある。この場合も同様に、回路基板は、ポリイミドにより隔てられたそれぞれのパターン配線が接続され回路がショートしてしまい回路動作に支障をきたしたり、電池の正負のショートにより電池を過放電させてしまい電池にダメージを与えてしまうといった問題が発生する。
【0017】
本発明は、上述したような問題を鑑みてなされたものであり、電池と回路基板とを接続する際に、回路基板の銅箔がポリイミドを貫通しても回路動作を正常に行い電池を保護する回路基板と、回路基板の銅箔がポリイミドを貫通しても回路動作を正常に行い電池を保護する電池ユニットとを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る回路基板は、導電体により形成されたパターン配線層と誘電体絶縁物質により形成された誘電体絶縁層とが交互に積層され、表層のパターン配線層に電池の接続端子と接続される接続パターンが設けられた回路基板において、少なくとも表層と隣り合うパターン配線層は、表層の接続パターンの電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうちいずれか一つ以上により形成されてなることを特徴とする。
【0019】
以上のように構成された本発明に係る回路基板は、電池の接続端子が表層のパターン配線層の接続パターンに接続される際に、誘電体絶縁層に与えるダメージを考慮しない接続方法で接続端子を接続パターンに直接接続することができる。
【0020】
上述した目的を達成するために、本発明に係る電池ユニットは、導電体により形成されたパターン配線層と誘電体絶縁物質により形成された誘電体絶縁層とが交互に積層され、表層のパターン配線層に電池の接続端子と接続される接続パターンが設けられた回路基板が、電池に接続されてなる電池ユニットにおいて、回路基板は、少なくとも表層と隣り合うパターン配線層が、表層の接続パターンの電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうちいずれか一つ以上により形成されてなることを特徴とする。
【0021】
以上のように構成された本発明に係る電池ユニットは、電池の接続端子が多層配線基板の表層のパターン配線層の接続パターンに接続される際に、誘電体絶縁層に与えるダメージを考慮しない接続方法で接続端子を接続パターンに直接接続することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した回路基板と、この回路基板と電池とを接続した電池ユニットについて、図面を参照して説明する。
【0023】
本発明を適用した電池ユニットは、電池と回路基板を接続する際に、電池の電極端子と回路基板の表層にある接続パターン中継タブや圧着端子を用いずに直接接続し、小型化や信頼性の向上を計ったものである。
【0024】
電池ユニット1は、図1に示すように、発電要素からなるポリマー電池2と、このポリマー電池2が接続される回路基板3とにより構成されている。
【0025】
電池ユニット1においてポリマー電池2は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質電池であり、充放電といった電池反応が行われる電池素子4と、この電池素子4を封入するフィルム上の外装材5とを有している。
【0026】
ポリマー電池2において電池素子4は、図2に示すように、帯状の正極6と、帯状の負極7との間に勇気高分子や電解質塩を含有させた固体電解質8とセパレータ9とを介在させた状態で、電極の長手方向に捲回することで発電素子として機能する。
【0027】
正極6は、正極活物質と結着材とを含有する正極合剤塗液を正極集電体10上に塗布、乾燥、加圧することにより、正極集電体10上に正極合剤層11が圧縮形成された構造となっている。正極6には、正極端子12が正極集電体10の所定の位置に、正極集電体10の幅方向に突出するように接続されている。この正極端子12には、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0028】
正極活物質には、比較的に電池容量を大きくできる例えばLiMO(式中、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Al、V、Ti等による一種以上の遷移金属を表し、xは、0.5〜1.10の範囲である。)で示されるリチウム複合酸化物等を使用する。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiNiCo 、(式中、0<y<1である。)、LiMn等を挙げることができる。また、正極活物質としては、安価で結晶構造が安定しているものとして、例えばLiPO(式中、Mは、Fe、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、SnCa、Srのうち何れか一種以上であり、0.5≦x≦1.1であり、0.5≦y≦1である。)で示される化合物等が挙げられ、具体的にLiFePO等を用いる。さらに、正極活物質としては、例えばTiS、MoS、NbSe、V等の金属硫化物も使用することができる。
【0029】
正極6では、正極合剤層11の結着剤として、非水電解質電池の正極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる他に、正極合剤層11に例えば導電材として炭素質材料等を添加したり、公知の添加剤等を添加したりすることができる。正極6では、正極集電体10に、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0030】
負極7は、負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を負極集電体13上に塗布、乾燥、加圧することにより、負極集電体13上に負極合剤層14が圧縮形成された構造となっている。負極7には、負極端子15が負極集電体13の所定の位置に、負極集電体13の幅方向に突出するように接続されている。この負極端子15には、例えばニッケルや銅等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0031】
負極活物質には、リチウムに対して2V以下の電位を有し、リチウムをドープ・脱ドープする材料を用いる。具体的には、例えばリチウム、リチウム合金、又はリチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料が用いられる。リチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料としては、例えば2000℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶性炭素材料、結晶化しやすい原材料を3000℃付近の高温で焼成した人造黒鉛等の高結晶性炭素材料等を用いることが可能である。具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭素等の炭素質材料を用いることが可能である。コークス類としては、例えばピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等がある。なお、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し、炭素化したものである。
【0032】
また、負極活物質としては、上述した炭素質材料の他に、例えばリチウムと化合可能な元素又はこの元素の化合物等を用いることもできる。具体的には、例えば化学式DLi(Dはリチウムと化合可能な金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、Eはリチウム及びD以外の金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、sは0より大きく、t及びuは0以上である。)等で示される化合物として、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi等が挙げられ、これらのうち何れか一種以上を用いることもでき、この場合、炭素質材料が導電材として機能することになる。
【0033】
また、上述した炭素質材料や化合物の他に、負極活物質として、例えばポリアセチレン、ポリピロール等の高分子や酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等といった比較的電位が卑であり、リチウムのドープ・脱ドープが可能な酸化物や、これら酸化物の炭素を窒素で置換した窒化物等を使用することもできる。
【0034】
負極7では、負極合剤層11に結着剤として、非水電解質電池の負極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる。負極7では、負極集電体13に、例えばニッケル等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0035】
固体電解質8は、正極6と負極7との間で例えばリチウムイオン等の授受を行うものである。このため、この固体電解質8には、リチウムイオン導電性を有する有機固体電解質を用いる。この有機固体電解質としては、電化質塩とそれを含有させる有機高分子とによって構成される高分子固体電解質や、非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いることができる。そして、固体電解質8は、正極6及び負極7の表面に、有機固体電解質を含有する電解質溶液を塗布し、固化することで電解質層として形成される。
【0036】
固体電解質8においては、通常、非水電解質電池に用いられる電解質塩を使用することができる。具体的には、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、LiCSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiAlCl、LiSiF、LiCl、LiBr等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。特に、電解質塩としては、酸化安定性の点で優れているLiPF、LiBFを用いる。
【0037】
そして、固体電解質8では、高分子固体電解質の電解質塩を含有させる有機高分子として例えばポリ(エチレンオキサイト)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系高分子、アクリレート系高分子等を単独又は分子中に供重合、混合して用いることができる。
【0038】
固体電解質8においては、ゲル状電解質の場合、上述した電解質塩を溶解させて非水電解液にさせる非水溶媒には比較的誘電率が高い溶媒を用いる。この場合、非水電解液は可塑剤として機能することになる。具体的に、非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。
【0039】
そして、固体電解質8では、ゲル状電解質の非水電解液を含有させる高分子マトリックスとして非水電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子が利用できる。具体的には、例えばポリ(ビニリデンフルオロライド)や、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分子、ポリ(エチレンオキサイド)や、これらの架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(アクリロニトリル)等が挙げられ、これらのうち何れか一種又は複数種を混合して用いる。
【0040】
セパレータ9は、正極6と負極7とを離間させるものであり、この種の非水電解質電池の絶縁性多孔質膜として通常用いられている公知の材料を用いることができる。具体的には、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子フィルムが用いられる。また、リチウムイオン伝道度とエネルギー密度との関係から、セパレータ9の厚みはできるだけ薄い方が好ましく、その厚みを30μm以下の厚みにしている。これにより、ポリマー電池2では、正極6と負極7との間のリチウムイオン伝道度を良好にでき、高いエネルギー密度が得られる。
【0041】
以上のような構成の電池素子4を封入する外装材5は、例えば樹脂層と金属層とがラミネート加工等で貼り合わされて二層以上に複合化されたラミネートフィルムであり、電池素子4と対向する面が樹脂層になるようにされている。樹脂層としては、正極端子12及び負極端子15に対して接着性を示すものであれば材料は特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン及びこれらの共重合体、ポリオレフィン樹脂等といった有機樹脂材料が透過性を低くできて気密に優れることから用いられる。金属層としては、例えば箔状、板状等に形成されているアルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄等が用いられる。また、外装材5においては、ポリマー電池2の外周層に例えばナイロン等からなる樹脂層を備えることにより、破れや突き刺し等に対する強度を向上させることができる。
【0042】
このような構成のポリマー電池2は次のようにして作製される。先ず、正極6を作製する。正極6を作製する際は、上述した正極活物質と導電剤と結着剤とを含有する正極合剤塗液を調整し、この正極合剤塗液を例えばアルミニウム箔等からなる正極集電体10上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥、加圧することで正極合剤層11を圧縮形成し、所定の寸法に裁断する。次に、正極集電体10が露呈する未塗工部に正極端子12を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の正極6が作製される。
【0043】
次に、負極7を作製する。負極7を作製する際は、上述した負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を調整し、この負極合剤塗液を例えばニッケル箔等からなる負極集電体13上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥、加圧することで負極合剤層14を圧縮形成し、所定の寸法に裁断する。次に、負極集電体13が露呈する未塗工部に負極端子15を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の負極7が作製される。
【0044】
次に、以上のように作製された正極6の正極合剤層11の主面、及び負極7の負極合剤層14の主面に固体電解質8をそれぞれ層状に形成する。固体電解質8を形成する際は、電解質塩を非水溶媒に溶解させて非水電解液を調整する。次に、この非水電解液と、有機高分子又はマトリックス高分子と、必要に応じて希釈溶剤としての非水溶媒とを混合攪拌してゾル状態の電解質溶液を作製し、この電解質溶液を正極6の正極合剤層11の主面、及び負極7の負極合剤層14の主面にそれぞれ塗布して高分子固体電解質層を形成する。希釈溶剤を用いた場合は、その非水溶媒を揮発させてゲル電解質層を形成する。このようにして正極6上及び負極7上に固体電解質8を電解質層としてそれぞれ形成させる。
【0045】
次に、以上のように固体電解質層8が主面に形成された正極6及び負極7を電解質層が対向するように、セパレータ9を介して長尺方向に多数回、扁平状に捲回して電池素子4を作製する。また、電池素子4においては、捲回軸方向の一方端面から正極端子12及び負極端子15を突出させる。
【0046】
次に、電池素子4に備わる正極端子12と負極端子15とを外部に導出しつつ、外装材5の内部に電池素子4を収納する。このとき、電池素子4は、正極端子12及び負極端子15と、外装材5との間に接着性を示すプロピレン等からなる樹脂片16をあてがうようにして、外装材5に収納させる。これにより、ポリマー電池2では、正極端子12及び負極端子15と外装材5における金属層とが短絡することや、気密性が低下すること等が防止される。
【0047】
次に、電池素子4を内部に収納した外装材5の周縁部を例えばヒートシール等で張り合わせることにより、電池素子4が外装材5に封入される。このようにして、ポリマー電池2が製造される。
【0048】
電池ユニット1において回路基板3は、電気伝導性を有する金属により形成されたパターン配線部21と、誘電体絶縁物質からなる絶縁部22とが交互に積層された多層プリント配線基板であり、且つ少なくとも一部が可撓性を有するフレキシブル基板とされている。回路基板3は、例えば図3に示すように、表層から順に4層のパターン配線層L1〜L4と、パターン配線層L1〜L4をそれぞれ絶縁する絶縁層として表層側から順に絶縁層I1〜I3とからなる4層基板である。
【0049】
回路基板3のパターン配線部21には、電気伝導性が高く廉価な銅等により形成され、箔状に配線パターンとして設けられている。回路基板3の絶縁部22は、電気絶縁性が高く、可撓性を有するポリイミド等の有機材料や、ガラスエポキシ等の有機材料と無機材料との混合体等の絶縁材料によって形成される。
【0050】
回路基板3は、図4に示すように、表層のパターン配線層L1上に、ポリマー電池2の正極端子12が接続される接続ランド部23と、負極端子15が接続される接続ランド部24と、電子回路部25と、パターン配線層L1の配線パターンと他のパターン配線層の配線パターンとを導通させるスルーホール26とを有している。
【0051】
接続ランド部23及び接続ランド部24は、ポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15が接続されることから、例えば銅や金といった導電性金属で形成されている。そして、この接続ランド部23及び接続ランド部24は、回路基板3の表層のパターン配線層L1上に、例えばめっきや蒸着等といった成膜技術で導電性金属を所定の形状に成膜させることで形成される。この接続ランド部23及び接続ランド部24では、例えば銅等の廉価な材料で形成させることにより低コスト化を図ることができ、優れた電気伝導性を得ることができる。
【0052】
電子回路部25は、少なくとも例えばポリマー電池2に対して過充電保護や充放電制御を行う電子回路や各種受動素子から構成されてなる。具体的に電子回路部25は、例えばCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor device)やIC(Integrated Circuit)等の半導体チップやLSI(Large−Scale Integration)チップ等の電子回路である。この電子回路部25は、パターン配線層L1〜L4の各配線パターンと電気的に接続されている。そして、この電子回路部25は、接続ランド部23及び接続ランド部24に接続された正極端子12及び負極端子15を介してポリマー電池2から電力が供給されて機能することになる。
【0053】
スルーホール26は、絶縁部22を貫通して設けられた導通孔であり、所望のパターン配線層L1〜L4を所望の部分で電気的に接続することができるように0.6mmΦ程度の口径のビアを設けて、このビアに導電性を有する金属等をめっき加工することで形成されている。
【0054】
ここで、以下では、回路基板3のパターン配線部21及び絶縁部22について説明する。
【0055】
回路基板3の表層のパターン配線層L1について図4に示したが、第2層のパターン配線層L2は、パターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24を回路基板3の厚み方向に投影した二つの部分(以下では、接続ランド部に対応する部分と記述する。)が、それぞれ同じ層の他のパターンからも電気的に接続されずに独立した配線パターンとされている部分と、パターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24とスルーホールを介して電気的に接続されている部分と、配線パターンが設けられずに接着剤等の絶縁物質が充填された無配線部にされた部分とのうち何れか一つ以上からなるように構成されている。この無配線部は、図示しない2つの両面基板を接着剤により張り合わせて回路基板3を形成する場合や、図示しない両面基板の両面に接着剤を介して銅箔を設けて回路基板3を形成する場合等に、配線パターンが設けられていない部分に接着剤が埋まることで形成される。
【0056】
回路基板3の第2層のパターン配線層L2の具体例としては、図5に示すように、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24に対応する部分23a及び24aが、互いに電気的に接続されず、それぞれ同じ層の他のパターンからも電気的に接続されずに独立した配線パターンとするものがある。
【0057】
また、回路基板3の第2層のパターン配線層L2の他の具体例としては、図6に示すように、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24に対応する部分23a及び24aが、互いに電気的に接続されず、それぞれ同じ層の他のパターンからも電気的に接続されずに独立した配線パターンとし、接続ランド部23に対応する部分23aが、互いに電気的に接続されずに独立した複数の短冊状のパターン23cとするものがある。
【0058】
このような構成の回路基板3では、詳細を後述するがパターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を接着する際に、パターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24の部分が絶縁層I1を突き破りパターン配線層L2の接続ランド部23及び接続ランド部24に対応する部分に接触してしまった場合でも、他のパターンに電流が流れてしまうことを防止することができる。
【0059】
また、回路基板3では、第3層のパターン配線層L3とともに第4層のパターン配線層L4も短絡を防止する構成としてもよく、このような構成とすることで、パターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24の部分が絶縁層I1〜I3を全て突き破りパターン配線層L4の接続ランド部23及び接続ランド部24に対応する部分23a及び24aに接触してしまった場合でも、他のパターンに電流が流れてしまうことを防止することができる。
【0060】
ここで、回路基板3は、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24の部分が、図7に示すように、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23及び接続ランド部24上に正極端子12及び負極端子15が接続される範囲23d及び24dよりも広い範囲とされていることが、安全性の上で好ましい。
【0061】
具体例として回路基板3は、例えば、図8に示すように、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23と、他のパターン配線層L2〜L4のパターン配線層L1の接続ランド部23に対応する部分とを表層のスルーホール26aにより接続した構成とされている。
【0062】
他の具体例として回路基板3は、例えば、図9に示すように、第2〜第4層のパターン配線層L2〜L4が、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23に対応する部分が、それぞれ同じ層の他のパターンから電気的に接続されずに独立した配線パターンとされている。このような回路基板3は、上述したように短絡を防止することができる。
【0063】
さらに他の具体例として回路基板3は、例えば、図10に示すように、第2層のパターン配線層L2が、表層のパターン配線層L1の接続ランド部23に対応する部分が無配線部とされており、他のパターン配線層L3〜L4のパターン配線層L1の接続ランド部23に対応する部分をスルーホール26aにより接続した構成とされている。このような回路基板3は、上述したように短絡を防止することができる。
【0064】
さらに他の具体例として回路基板3は、例えば、図11に示すように、第2〜第3層のパターン配線層L2〜L3のパターン配線層L1の接続ランド部23に対応する部分をスルーホール26aにより接続し、第4のパターン配線層L4のパターン配線層L1の接続ランド部23に対応する部分が無配線部とされている。このような回路基板3は、上述したように短絡を防止することができる。
【0065】
以上のような構成とされた回路基板3は、上述した具体例のいずれにおいても、短絡を防止することができる。なお、回路基板3は、パターン配線部21に接着剤等のように金属に比べて軽く弾性力のある材料により形成されてなる無配線部を設けることで、軽量化を図ることができるとともに、振動吸収効果を期待することができる。また、回路基板3は、無配線部を設けずに、電気的に絶縁されたパターン配線や、スルーホール26により表層のパターン配線層L1と電気的に接続されたパターン配線とすることで、基板強度を確保することができる。
【0066】
このような回路基板3備える電池ユニット1は、ポリマー電池2が回路基板3に接続された構成になっている。具体的に、電池ユニット1は、ポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15の外装材5より外部に導出する部分が、回路基板3の接続ランド部23及び接続ランド部24に、超音波溶接や抵抗溶接等の方法でそれぞれ直接接続されている。
【0067】
これにより、この電池ユニット1では、従来のようなポリマー電池と回路基板との接続に中継タブを用いた場合に比べ、ポリマー電池2と回路基板3との間の距離が短くなって小型化が図れる。
【0068】
また、この電池ユニット1では、従来のような溶接タブを用いた場合に比べ、溶接箇所が正極端子12及び負極端子15でそれぞれ一箇所ずつと少ないのでポリマー電池2と回路基板3との接続信頼性を向上できる。
【0069】
さらに、この電池ユニット1では、従来のようなポリマー電池と回路基板との接続に圧着端子を用いた場合に比べ、ポリマー電池2と回路基板3との接続信頼性を向上できる。
【0070】
さらにまた、この電池ユニット1では、ポリマー電池2と回路基板3との接続が超音波溶接で行われることで、従来のようなリフロー処理等で回路基板が加熱されることで起こる熱による回路基板の劣化を防止することができる。
【0071】
そして、以上で説明した電池ユニット1は、ポリマー電池2と回路基板3とが超音波溶接等で直接接続されることで作製される。
【0072】
具体的な接続方法として超音波溶接では、図12に示すように、ポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を、回路基板3の表層のパターン配線層L1上に形成された接続ランド部23及び接続ランド部24上に載置して超音波溶接機により強く押し付け、超音波溶接機から出力される超音波を印加することで溶接する。
【0073】
このような電池ユニット1では、回路基板3の表層のパターン配線層L1上に形成された接続ランド部23及び接続ランド部24上にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を載置して超音波溶接機により強く押し付ける際の圧力により、表層のパターン配線層L1が第1層の絶縁層I1を突き破り、第2層のパターン配線層L2と短絡してしまう場合でも、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0074】
また、このような電池ユニット1では、回路基板3の第2層のパターン配線層L2以降のパターン配線層も第2層のパターン配線層L2と連続して短絡を防止する構成とすることで、表層のパターン配線層L1が絶縁層を順次突き破り、各パターン配線層と短絡してしまった場合でも、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0075】
さらに、このような電池ユニット1では、超音波溶接の際に発生する熱により、接続ランド部23及び接続ランド部24や配線パターンが変形することを抑止することができる。
【0076】
なお、このような電池ユニット1では、回路基板3の第2層のパターン配線層L2若しくはそれ以降のパターン配線層を無配線部とすることで、超音波溶接の際の振動のうち回路基板3に与える振動を低減し、電子回路等に与えるダメージを低減し、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0077】
また、具体的な接続方法として抵抗溶接では、図13に示すように、台座40上に載置された回路基板3の表層のパターン配線層L1上に形成された接続ランド部23及び接続ランド部24上にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を載置して、接着部分に大電流電源41から出力される1000A以上の電流を流して、電気抵抗により発生する高熱により溶接する。
【0078】
このような電池ユニット1では、回路基板3の表層のパターン配線層L1上に形成された接続ランド部23及び接続ランド部24上にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を載置して大電流電源41の電気端子41aにより押し付ける際の圧力により、表層のパターン配線層L1が第1層の絶縁層I1を突き破り、第2層のパターン配線層L2と短絡してしまった場合でも、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0079】
また、このような電池ユニット1では、回路基板3の第2層のパターン配線層L2以降のパターン配線層も第2層のパターン配線層L2と連続して同様の構成とすることで、表層のパターン配線層L1が絶縁層を順次突き破り、各パターン配線層と短絡してしまった場合でも、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0080】
さらに、このような電池ユニット1では、抵抗溶接の際に流れる大電流により、回路基板3に搭載された電子回路部25にダメージを与えてしまうことを抑止することができ、電子回路部25のうち特に入出力端子のインピーダンスの高い部品、例えばCMOS、IC、LSI等に対して破損を防止するシールド効果を向上させることができ。
【0081】
さらにまた、このような電池ユニット1では、抵抗溶接の際に発生する熱により、接続ランド部23及び接続ランド部24や配線パターンが変形することを抑止することができる。
【0082】
さらに、具体的な接続方法としてレーザ溶接等では、回路基板3の表層のパターン配線層L1上に形成された接続ランド部23及び接続ランド部24上にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を載置して、接着部分にレーザ光を照射し、レーザ光の照射により発生する熱により溶接する。
【0083】
このような電池ユニット1では、回路基板3の表層のパターン配線層L1上に形成された接続ランド部23及び接続ランド部24上にポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を載置してレーザ溶接機によりレーザ光を照射する際の熱により、表層のパターン配線層L1が第1層の絶縁層I1を突き破り、第2層のパターン配線層L2と短絡してしまった場合でも、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0084】
また、このような電池ユニット1では、回路基板3の第2層のパターン配線層L2以降のパターン配線層も第2層のパターン配線層L2と連続して同様の構成とすることで、表層のパターン配線層L1が絶縁層を順次突き破り、各パターン配線層と短絡してしまった場合でも、回路動作に支障の無い良好な品質を維持することができる。
【0085】
以上のように、本発明を適用した電池ユニット1では、ポリマー電池2と回路基板3とを接続する際に、回路基板3の損傷により回路が短絡してしまうことを防止することができる。これにより、電池ユニット1では、ポリマー電池2や回路基板3上の電子回路部25等にダメージを与えることなく、良好な品質を維持することができる。
【0086】
また、電池ユニット1では、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等の様々な溶接方法を用いて、ポリマー電池2の正極端子12及び負極端子15を回路基板3の接続ランド部23及び接続ランド部24上に直接溶接でき、従来の電池ユニットと比べて中継タブ等を用いることがなくなるため、小型化が達成できる。
【0087】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、電池と回路基板を接続する際に、多層のパターン配線層を有する回路基盤の表層の接続パターンが絶縁層を突き破り、他の層のパターン配線層と接触してしまった場合でも、回路の短絡を防止することができるため、電池の接続端子と回路基板の接続パターンとを直接接続することができる。
【0088】
これにより本発明は、電池と回路基板とを接続して作製される電池ユニットの小型化を図ることができるとともに、作製される電池ユニットの歩留まりや品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電池ユニットの一部を透視して示す斜視図である。
【図2】同電池ユニットにおけるポリマー電池の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】同電池ユニットにおける回路基板を説明するための図であり、4層のパターン配線層とこれらの間の絶縁層との層構造を説明するための断面図である。
【図4】同電池ユニットにおける回路基板の表層のパターン配線層を説明するための平面図である。
【図5】同電池ユニットにおける回路基板の第2〜第4層のパターン配線層の一例を説明するための平面図である。
【図6】同電池ユニットにおける回路基板の第2〜第4層のパターン配線層の他の例を説明するための平面図である。
【図7】同電池ユニットにおける回路基板の表層のパターン配線層に、ポリマー電池を接着する範囲を説明するための平面図である。
【図8】同電池ユニットにおける回路基板の層構造の一例を説明するための断面図である。
【図9】同電池ユニットにおける回路基板の層構造の他の例を説明するための断面図である。
【図10】同電池ユニットにおける回路基板の層構造の他の例を説明するための断面図である。
【図11】同電池ユニットにおける回路基板の層構造の他の例を説明するための断面図である。
【図12】同電池ユニットにおけるポリマー電池と回路基板との接続方法について、超音波溶接装置を用いた超音波溶接を説明するための図である。
【図13】同電池ユニットにおけるポリマー電池と回路基板との接続方法について、大電流電源を用いた抵抗溶接を説明するための図である。
【図14】従来の電池ユニットの一部を透視して示す平面図である。
【図15】従来の電池ユニットにおける回路基板の層構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 電池ユニット、2 ポリマー電池、3 回路基板、4 電池素子、5 外装材、6 正極、7 負極、8 固体電解質、9 セパレータ、10 正極集電体、11 正極合剤層、12 正極端子、13 負極集電体、14 負極合剤層、15 負極端子、16 樹脂片、21 パターン配線部、L1〜L2 表層〜第4のパターン配線層、22 絶縁部、I1〜I3 第1〜第3の絶縁層、23接続ランド部、24 接続ランド部、25 電子回路部、26 スルーホール

Claims (8)

  1. 導電体により形成されたパターン配線層と誘電体絶縁物質により形成された誘電体絶縁層とが交互に積層され、表層のパターン配線層に電池の接続端子と接続される接続パターンが設けられた回路基板において、
    少なくとも上記表層と隣り合うパターン配線層は、上記表層の接続パターンの上記電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうち一つ以上により形成されてなること
    を特徴とする回路基板。
  2. 上記表層と隣り合うパターン配線層から厚み方向に所定のパターン配線層までの各パターン配線層は、上記表層の接続パターンの上記電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうち一つ以上により形成されてなること
    を特徴とする請求項1記載の回路基板。
  3. 上記表層のパターン配線層以外の各パターン配線層は、上記表層の接続パターンの上記電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうち一つ以上により形成されてなること
    を特徴とする請求項2記載の回路基板。
  4. 上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンは、上記表層の接続パターンとスルーホールを介して電気的に接続されていること
    を特徴とする請求項1記載の回路基板。
  5. 導電体により形成されたパターン配線層と誘電体絶縁物質により形成された誘電体絶縁層とが交互に積層され、表層のパターン配線層に電池の接続端子と接続される接続パターンが設けられた回路基板が、電池に接続されてなる電池ユニットにおいて、
    上記回路基板は、少なくとも上記表層と隣り合うパターン配線層が、上記表層の接続パターンの上記電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうち一つ以上により形成されてなること
    を特徴とする電池ユニット。
  6. 上記回路基板は、上記表層と隣り合うパターン配線層から厚み方向に所定のパターン配線層までの各パターン配線層が、上記表層の接続パターンの上記電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうち一つ以上により形成されてなること
    を特徴とする請求項5記載の電池ユニット。
  7. 上記回路基板は、上記表層のパターン配線層以外の各パターン配線層が、上記表層の接続パターンの上記電池の接続端子が接続される部分を厚み方向に投影した領域が、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンと、他の配線パターンから電気的に独立した配線パターンと、配線パターンが形成されていない無配線部とのうち一つ以上により形成されてなること
    を特徴とする請求項5記載の電池ユニット。
  8. 上記回路基板は、上記表層の接続パターンに電気的に接続された配線パターンが、上記表層の接続パターンとスルーホールを介して電気的に接続されていること
    を特徴とする請求項5記載の電池ユニット。
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