JP2004171896A - コネクタ装置、電源装置、並びにコネクタ装置の取り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板に対するコネクタの接続信頼性を高める。
【解決手段】コネクタ本体25から突出する一対の位置決め突部29a,29bを外筐2の下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bに係合させて下ハーフ2bに支持させることで、外部からの応力が一対の位置決め突部29a,29bを介して外筐2に掛かって回路基板4との接続部に掛かることを抑えることから回路基板4に対するコネクタ5の接続信頼性が高められる。
【選択図】 図2
【解決手段】コネクタ本体25から突出する一対の位置決め突部29a,29bを外筐2の下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bに係合させて下ハーフ2bに支持させることで、外部からの応力が一対の位置決め突部29a,29bを介して外筐2に掛かって回路基板4との接続部に掛かることを抑えることから回路基板4に対するコネクタ5の接続信頼性が高められる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池が接続された回路基板に好適に取り付けられるコネクタ装置、このコネクタ装置を備える電源装置、並びに回路基板に対するコネクタ装置の取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、例えばノート型携帯用コンピュータ、情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistants)、携帯型電話機、カメラ一体型VTR(VideoTape Recorder)等の携帯用電子機器の電源として、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させることで充放電反応が行われ、軽量で高エネルギー密度なリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池では、上述した携帯用電子機器の搭載されることから更なる小型化、軽量化を図るために、例えばフィルム状の外装材や固体電解質等を用いることで更なる小型化、軽量化を図ることができる。具体的に、リチウムイオン二次電池においては、例えばフィルム状の外装材として熱融着が可能な高分子フィルムと金属箔とが積層されたラミネートフィルム等を用い、固体電解質として非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いる。そして、このようなラミネートフィルムとゲル状電解質とを用いたリチウムイオン二次電池は、一般的にポリマー電池と呼ばれている。
【0004】
また、ポリマー電池は、例えば充放電等を制御する制御回路や、外部端子と接続されるコネクタ等を備えた回路基板に接続されることにより、過充電状態や過放電状態にならないように制御回路で保護されると共に電力の残量が乏しくなった場合にはコネクタを介して外部より電力の供給が行われることになる。これらポリマー電池や回路基板は、プラスチック等からなる外筐に収納されることで、図15に示すいわゆる電池パック100として構成される。そして、この電池パック100は、上述した電子機器等に設けられた装着部に装着されることになる。(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
このような電池パック100では、体積エネルギー密度の向上を図るために、リジッド基板101を外筐102に収納しながらも、外筐102内でポリマー電池103の体積効率を向上させるような構造が求められている。すなわち、この電池パック100では、外筐102内により大きな(より多くの)ポリマー電池103を収納すると共に、このポリマー電池103が収納された外筐102内の限られたスペースにリジッド基板101を効率良く収納することが求められている。
【0006】
しかしながら、従来の電池パック100では、例えばラミネートフィルムからなる外装材103aに電池素子103bが封入され、この電池素子103bが構成する正極及び負極と導通された一対のリード104a,104bが熱融着により貼り合わされた外装材103aのあり合わせ面の間から外部に導出されると共に、これら一対のリード104a,104bがリジッド基板101側の接続ランド105と接続された構造となっている。この電池パック100において、一対のリード104a,104bは、例えばニッケル、アルミニウム、銅、ステンレス等の導電性金属等からなり、端部がリジッド基板101の接続ランド105と抵抗溶接、超音波溶接、はんだ付け等で接続されている。
【0007】
そして、この電池パック100においては、電池素子103bが帯状の正極と帯状の負極とを捲回させたものであり、これら正極及び負極と導通される一対のリード104a,104bが電池素子103の端面から突出する位置のバラツクが大きいことから、図15中矢印Sで示す一対のリード104a,104b間の寸法精度を良好にしてポリマー電池103を製造することが困難である。このため、ポリマー電池103の製造時における一対のリード104a,104b間の寸法のバラツキが大きい場合、リジッド基板101の接続ランド105を予め大きく形成しておく必要が生じ、リジッド基板101上で接続ランド105が占める面積が大きくなってしまう。
【0008】
このため、電池パック100では、一対のリード104a,104bが接続されるリジッド基板101の接続ランド105の部分に、上述した制御回路等を構成する電子部品を配置することが困難となりリジッド基板101が大型化して外筐102内に収納されるポリマー電池103が小さくなるといった不具合が生じる。
【0009】
また、リジッド基板101には、上述したように、外部端子を電気的に接続させるためのコネクタ106が取り付けられている。このコネクタ106は、図16に示すように、外部端子に接触して接続される接触端子107とリジッド基板101の接続ランド105にはんだ付け等で接続される接続端子108とが絶縁性樹脂等からなるコネクタ本体109に保持された構造となっている。具体的に、接触端子107はコネクタ本体109のリジッド基板101より迫り出した突出部109aに保持され、接続端子108はコネクタ本体109のリジッド基板101に載っている置載部109bに保持された構造となっている。そして、コネクタ本体109は、置載部109bが突出部109aに対して2倍〜3倍程度の大きさにされ、置載部109bに重心が位置するようになっている。これにより、コネクタ本体109では、コネクタ106をリジッド基板101に取り付ける際に、置載部109bが突出部109aに対して重石となり、置載部109bに保持された接続端子108がリジッド基板101の接続ランド105に適切に接触されてコネクタ106をリジッド基板101に取り付け易くできる。
【0010】
このため、リジッド基板101においては、コネクタ106におけるコネクタ本体109の置載部109bが主面上で大きな面積を占めることから、電子部品を配置させることが更に困難になって大型化してしまう。
【0011】
このような不具合を改善する対策としては、例えばポリマー電池103における一対のリード104a,104b間の寸法精度のバラツキを抑えて回路基板100の接続ランド105の占める面積を小さくすることは限度があることから、図17に示すリジッド基板101上で大きな面積を占めている置載部109bを小さくさせたコネクタ106等が提案されている。具体的に、コネクタ106では、コネクタ本体109の突出部109aは外筐102より外部に露出して外筐102の一部として機能することから必要となるが、コネクタ本体109の置載部109bは小さくすることができる。これにより、回路基板100では、コネクタ本体109の置載部109bが小さくされたコネクタ106を用いることで、主面上でコネクタ106が占める面積を大幅に小さくでき、小型化を図ることができる。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−266820号公報(第2−3頁、第2図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した対策がなされたコネクタ106をリジッド基板101に取り付ける場合、図18に示すように、コネクタ本体109の突出部109aに対する重石となっているコネクタ本体109の置載部109bが小さくなって突出部109a側に重心が位置することから、接続端子108がコネクタ本体109の突出部109aの重み、いわゆる自重で浮いてしまう。
【0014】
このため、リジッド基板101では、コネクタ106を取り付ける際に、接続ランド105にコネクタ106の接続端子108と適切に接続させるために、微細な接続端子108を接続ランド105に押さえつける等の煩わしい作業が必要となって歩留まりが悪くなる。
【0015】
また、コネクタ106の接続端子108をリジッド基板101の接続ランド105に押さえつけた際に、接続端子108がコネクタ本体109の突出部109aの重みで引っ張られて切れてしまい、コネクタ106をリジッド基板101に適切に取り付けることができなくなることがある。
【0016】
さらに、このコネクタ106では、リジッド基板101に接続端子108だけで支持されることになり、外部端子等が接触端子107に押し付けられた際の応力が接続端子108に掛かってしまい、接続端子108とリジッド基板101の接続ランド105との接続が外れて断線することがある。
【0017】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、回路基板の小型化且つ、回路基板との接続信頼性が高められたコネクタ装置、このコネクタ装置を備える電源装置、並びに回路基板上のコネクタ装置の占有面積を抑制させつつ、コネクタ装置を適切に回路基板に接続させることが可能なコネクタ装置の取り付け方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係るコネクタ装置は、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、前面と相対するコネクタ本体の背面に接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、前面に隣り合うコネクタ本体の側面に設けられた位置決め突部とを備え、背面を取付基準面として回路基板の端面に当接させた状態で回路基板を収納する筐体に設けられた位置決め凹部に、位置決め突部を係合させることで筐体に接続部を外部に臨ませて支持されていることを特徴としている。
【0019】
このコネクタ装置では、筐体に設けられた位置決め凹部に位置決め突部が係合されることで筐体に支持されることより、筐体から外部に臨む部分が外部より衝撃を受けた際の応力を筐体が位置決め突部を介して受けることから、外部からの応力を端子部が受けて回路基板との接続が外れてしまうことを防止できる。
【0020】
このコネクタ装置では、コネクタ本体の背面を取付基準面として回路基板の端面に突き当てるように回路基板の端面に取り付けられていることから、回路基板の主面にコネクタ本体が載ることを抑えて、回路基板の主面を占める面積を抑制できる。
【0021】
また、本発明に係る電源装置は、電池と、電池の外部端子が接続される回路基板と、電池及び回路基板が収納される筐体と、回路基板に電気的に接続された状態で一部が外部に露出するように筐体に支持されたコネクタ装置とを備え、コネクタ装置が、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、前面と相対するコネクタ本体の背面に接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、前面と隣り合うコネクタ本体の側面に設けられた位置決め突部とを備え、背面を取付基準面として回路基板の端面に当接させた状態で筐体に設けられた位置決め凹部に、位置決め突部を係合させることで筐体に接続部を外部に臨ませて支持されていることを特徴としている。
【0022】
この電源装置では、コネクタ装置が筐体に設けられた位置決め凹部に位置決め突部を係合させることで筐体に支持されることから、筐体から外部に露出する部分が衝撃を受けた際の応力が位置決め突部を介して筐体が受けることになり、外部からの応力を端子部が受けてコネクタ装置と回路基板との接続が外れてしまうことを防止できる。
【0023】
この電源装置では、コネクタ本体の背面を取付基準面として回路基板の端面に突き当てるようにコネクタ装置が回路基板の端面に取り付けられていることから、回路基板の主面にコネクタ本体が載ることを抑えて、コネクタ装置が回路基板の主面を占める面積を抑制できる。
【0024】
さらに、本発明に係るコネクタ装置の取り付け方法は、接続端子を備えて回路基板となる領域を有するシートに、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、前面と相対するコネクタ本体の背面に接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、前面に隣り合うコネクタ本体の側面に設けられた係合突部とを備えるコネクタ装置が挿入される孔部を、回路基板となる領域と隣接するように形成する第1の工程と、孔部の周囲に係合突部を係合させると共に、孔部を構成する回路基板の端面にコネクタ本体の背面を突き当てるように、コネクタ装置を孔部に挿入することでコネクタ装置の端子部を接続端子に接触させる第2の工程と、接触した状態のコネクタ装置の端子部と接続端子とを接続させる第3の工程とを有することを特徴としている。
【0025】
このコネクタ装置の取り付け方法では、孔部に挿入されたコネクタ装置を、係合突部を孔部の周囲に係合させることでシートに支持させることで、コネクタ装置の端子部をシートにおける回路基板となる領域の接続端子に接触されることから、適切且つ容易に接続できる。
【0026】
このコネクタ装置の取り付け方法では、コネクタ本体の背面が孔部を構成する回路基板の端面に突き当てられていることから、シートの回路基板となる領域にコネクタ本体が載ることを抑えて、シートの回路基板となる領域におけるコネクタ装置の占有面積を抑制できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したコネクタ装置、電源装置、並びにコネクタ装置の取り付け方法について、図1及び図2に示す電池パック1を参照にして説明する。この電池パック1は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器等に設けられた装着部に装着され、電子機器等に対して所定の電圧の電力を安定して供給することが可能なものである。この電池パック1は、収納ケースとなる外筐2に、発電要素となるポリマー電池3及びポリマー電池3が接続された回路基板4が収納され、回路基板4に取り付けられたコネクタ5が外筐2より外部に臨む構造を有している。
【0028】
外筐2は、いわゆるプラスチックケースからなり、略扁平箱状の上ハーフ2aの周壁と下ハーフ2bの周壁とを互いに突き合わすことで、内部にポリマー電池3及び回路基板4が収納される収納空間を形成すると共に、その外形形状は略矩形平板状である。また、この外筐2には、長手方向の一側端部に、後述するコネクタ5を外部に臨ませる開口部6が形成されており、外筐2を構成する上ハーフ2a及び下ハーフ2bには、この開口部6を構成する切欠部6a,6bがそれぞれ形成されている。さらに、この外筐2おいて、下ハーフ2bには、周壁の切欠部6bに切り欠かれた両端部に、上ハーフ2aの周壁が突き合わされる突き合わせ面から厚み方向に所定の深さに掘り下げられたコネクタ5が係合される一対の位置決め凹部7a,7bが設けられている。
【0029】
ポリマー電池3は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質電池であり、充放電といった電池反応が行われる電池素子8と、この電池素子8を封入するフィルム状の外装材9とを有している。
【0030】
ポリマー電池3において電池素子8は、図3に示すように、帯状の正極10と、帯状の負極11との間に有機高分子や電解質塩を含有させた固体電解質12とセパレータ13とを介在させた状態で、電極の長手方向に捲回することで発電素子として機能する。
【0031】
正極10は、正極活物質と結着剤とを含有する正極合剤塗液を正極集電体14上に塗布、乾燥、加圧することにより、正極集電体14上に正極合剤層15が圧縮形成された構造となっている。正極10には、正極リード16が正極集電体14の所定の位置に、正極集電体14の幅方向に突出するように接続されている。この正極リード16には、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0032】
正極活物質には、比較的に電池容量を大きくできる例えばLixMO2(式中MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Ti等による一種以上の遷移金属を表し、xは0.5以上、1.10以下の範囲である。)で示されるリチウム複合酸化物等を使用する。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LixCoO2、LixNiO2、LixNiyCo1−yO2(式中、0<y<1である。)、LiMn2O4等を挙げることができる。また、正極活物質としては、安価で結晶構造が安定している例えばLixMyPO4(式中MはFe、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、SnCa、Srのうち何れか一種以上であり、0.5≦x≦1.1であり、0.5≦y≦1である。)で示される化合物等が挙げられ、具体的にLiFePO4等を用いる。さらに、正極活物質としては、例えばTiS2、MoS2、NbSe2、V2O5等の金属硫化物あるいは酸化物も使用することができる。
【0033】
正極10では、正極合剤層15の結着剤として、非水電解質電池の正極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる他に、正極合剤層15に例えば導電材として炭素質材料等を添加したり、公知の添加剤等を添加したりすることができる。正極10では、正極集電体14に、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0034】
負極11は、負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を負極集電体17上に塗布、乾燥、加圧することにより、負極集電体17上に負極合剤層18が圧縮形成された構造となっている。負極11には、負極リード19が負極集電体17の所定の位置に、負極集電体17の幅方向に突出するように接続されている。この負極リード19には、例えばニッケルや銅等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0035】
負極活物質には、リチウム対して2V以下の電位を有し、リチウムをドープ・脱ドープする材料を用いる。具体的には、例えばリチウム、リチウム合金、又はリチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料等が用いられる。リチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料としては、例えば2000℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶性炭素材料、結晶化しやすい原材料を3000℃付近の高温で焼成した人造黒鉛等の高結晶性炭素材料等を用いることが可能である。具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等の炭素質材料を用いることが可能である。コークス類としては、例えばピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等がある。なお、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し、炭素化したものである。
【0036】
また、負極活物質としては、上述した炭素質材料の他に、例えばリチウムと化合可能な元素又はこの元素の化合物等を用いることもできる。具体的には、例えば化学式DsEtLiu(Dはリチウムと化合可能な金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、Eはリチウム及びD以外の金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、sは0より大きく、t及びuは0以上である。)等化学式で示される化合物としてSiB4、SiB6、Mg2Si、Mg2Sn、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2等が挙げられ、これらのうち何れか一種以上を用いる。そして、これらの化合物は、上述した炭素質材料に一種以上を混合させて用いることもでき、この場合、炭素質材料が導電材として機能することになる。
【0037】
また、上述した炭素質材料や化合物の他に、負極活物質として、例えばポリアセチレン、ポリピロール等の高分子や酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等といった比較的電位が卑であり、リチウムのドープ・脱ドープが可能な酸化物や、これら酸化物の酸素を窒素で置換した窒化物等を使用することもできる。
【0038】
負極11では、負極合剤層11の結着剤として、非水電解質電池の負極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる。負極11では、負極集電体17に、例えば銅等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0039】
固体電解質12は、正極10と負極11との間で例えばリチウムイオン等の授受を行うものである。このため、この固体電解質12には、リチウムイオン導電性を有する有機固体電解質を用いる。この有機固体電解質としては、電解質塩とそれを含有させる有機高分子とによって構成される高分子固体電解質や、非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いることができる。そして、固体電解質12は、正極10及び負極11の表面に、有機固体電解質を含有する電解質溶液を塗布し、固化することで電解質層として形成される。
【0040】
固体電解質12においては、通常、非水電解質電池に用いられる電解質塩を使用することができる。具体的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiC4F9SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、LiBr等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。特に、電解質塩としては、酸化安定性の点で優れているLiPF6、LiBF4を用いる。
【0041】
そして、固体電解質12では、高分子固体電解質の電解質塩を含有させる有機高分子として例えばポリ(エチレンオキサイト)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系高分子、アクリレート系高分子等を単独又は分子中に供重合、混合して用いることができる。
【0042】
固体電解質12においては、ゲル状電解質の場合、上述した電解質塩を溶解させて非水電解液にさせる非水溶媒には比較的誘電率が高い溶媒を用いる。この場合、非水電解液は可塑剤として機能することになる。具体的に、非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。
【0043】
そして、固体電解質12では、ゲル状電解質の非水電解液を含有させる高分子マトリックスとしては非水電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子が利用できる。具体的には、例えばポリ(ビニリデンフルオロライド)や、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分子、ポリ(エチレンオキサイド)や、これの架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(アクリロニトリル)等が挙げられ、これらのうち何れか一種又は複数種を混合して用いる。
【0044】
セパレータ13は、正極10と負極11とを離間させるものであり、この種の非水電解質電池の絶縁性多孔質膜として通常用いられている公知の材料を用いることができる。具体的には、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子フィルムが用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレータ13の厚みはできるだけ薄い方が好ましく、その厚みを30μm以下の厚みにして用いる。これにより、電池1では、正極10と負極11との間のリチウムイオン電導度を良好にでき、高いエネルギー密度が得られる。
【0045】
以上のような構成の電池素子8を封入する外装材9は、例えば樹脂層と金属層とがラミネート加工等で貼り合わされて二層以上に複合化されたラミネートフィルムであり、電池素子8と対向する面が樹脂層になるようにされている。樹脂層としては、正極リード16及び負極リード19に対して接着性を示すものであれば材料は特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン及びこれらの共重合体、ポリオレフィン樹脂等といった有機樹脂材料が透過性を低くできて気密に優れることから用いられる。金属層としては、例えば箔状、板状等に成形されているアルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄等が用いられる。また、外装材9においては、ポリマー電池3の外周層となる層に例えばナイロン等からなる樹脂層を備えることにより、破れや突き刺し等に対する強度を向上させることができる。
【0046】
このような構成のポリマー電池3は次のようにして製造される。先ず、正極10を作製する。正極10を作製する際は、上述した正極活物質と導電材と結着剤とを含有する正極合剤塗液を調製し、この正極合剤塗液を例えばアルミニウム箔等からなる正極集電体14上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥、加圧することで正極合剤層15を圧縮形成し、所定の寸法に裁断する。次に、正極集電体14が露出する未塗工部に正極リード16を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の正極10が作製される。
【0047】
次に、負極11を作製する。負極11を作製する際は、上述した負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を調製し、この負極合剤塗液を例えば銅箔等からなる負極集電体17上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥、加圧することで負極合剤層18を圧縮形成し、所定の寸法に裁断する。次に、負極集電体17が露出する未塗工部に負極リード19を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の負極11が作製される。
【0048】
次に、以上のように作製された正極10の正極合剤層15の主面、及び負極11の負極合剤層18の主面に固体電解質12をそれぞれ層状に形成する。固体電解質12を形成する際は、電解質塩を非水溶媒に溶解させて非水電解液を調製する。次に、この非水電解液と、有機高分子又はマトリックス高分子と、必要に応じて希釈溶剤としての非水溶媒とを混合撹拌してゾル状態の電解質溶液を作製し、この電解質溶液を正極10の正極合剤層15の主面、及び負極11の負極合剤層18の主面にそれぞれ塗布して高分子固体電解質層を形成する。希釈溶剤を用いた場合は、その非水溶媒を揮発させてゲル電解質層を形成する。このようにして正極10上及び負極11上に固体電解質12を電解質層としてそれぞれ形成させる。
【0049】
次に、以上のように固体電解質12が主面上に形成された正極10及び負極11を電解質層が対向するように、セパレータ13を介して長尺方向に多数回、扁平状に捲回して電池素子8を作製する。また、電池素子8においては、捲回軸方向の一方端面から正極リード16及び負極リード19を突出させる。
【0050】
次に、電池素子8に備わる正極リード16と負極リード19とを外部に導出しつつ、外装材9の内部に電池素子8を収納する。このとき、電池素子8は、正極リード16及び負極リード19と、外装材9との間に接着性を示すプロピレン等からなる樹脂片20をあてがうようにして、外装材9に収納させる。これにより、電池1では、正極リード16及び負極リード19と外装材9における金属層とが短絡することや、気密性が低下すること等が防止される。
【0051】
次に、電池素子8を内部に収納した外装材9の周縁部を例えばヒートシール等で樹脂層同士を張り合わせることにより、電池素子8を構成する正極10及び負極11と導通された正極リード16及び負極リード19が外装材9の貼合せ面9aの間から外部へと引き出された状態で電池素子8が外装材9に封入される。このようにして、ポリマー電池3が製造される。
【0052】
このポリマー電池3が接続される回路基板4は、図4に示すように、上述したポリマー電池3の過充放電等からの保護を図るためのものであり、外装材9の貼合せ面9aに対応した幅で長尺状に形成されると共に、その長手方向の両側には、正極リード16及び負極リード19が電気的に接続される接続部21と、ポリマー電池3の充放電を制御する制御回路が構成される回路部22とが設けられている。なお、この回路基板4は、可撓性を有すると共に、パターン配線層と誘電絶縁層とが交互に積層されてなる、いわゆる多層フレキシブルプリント配線基板である。
【0053】
この回路基板4では、パターン配線層に、例えばフィルタやキャパシタ、インダクタ、レジスタといった機能素子や受動素子等を、これらを繋ぐ信号配線パターンやグランドパターンと共にパターン形成することができる。また、誘電絶縁層を介して積層される各パターン配線層は、誘電絶縁層を貫通して形成されるビアホールめっきやスルーホールめっきを介して電気的に接続することができる。なお、この回路基板4を構成するパターン配線層は、電気伝導性が高く廉価な銅箔等により形成されており、誘電絶縁層は、電気絶縁性が高く、可撓性を有するポリイミド等の有機絶縁材料により形成されている。誘電絶縁層は、リフロー処理等で劣化することが無いように耐熱性も有している。この回路基板4には、誘電絶縁層の両面にパターン配線層が形成された両面配線基板がプリプレグを介して貼り合わされたものや、両面配線基板の両主面上に樹脂付銅箔を積み重ねていくものがある。
【0054】
したがって、この回路基板4では、基板の表面又は層内に、後述する回路部22の制御回路を構成する機能素子や受動素子等をパターン形成することができ、この制御回路を構成する上で基板自体を小型化することが可能である。また、この回路基板4は、可撓性を有することから、後述する接続部21と回路部22との間で折り曲げ可能となっている。
【0055】
接続部21には、上述したポリマー電池3の正極リード16及び負極リード19が電気的に接続される一対の接続ランド23a,23bが設けられている。これら一対の接続ランド23a,23bは、回路基板4の一主面上に長手方向に所定の間隔で並んでパターン形成されている。そして、正極リード16及び負極リード19は、この回路基板4の長手方向に対して直交して配置されると共に、その先端部が抵抗溶接や超音波溶接等により一対の接続ランド23a,23bと接合されている。
【0056】
回路部22には、例えばポリマー電池3を過充電や過放電から保護する保護回路や、ポリマー電池3の電力残量等を演算する演算回路、電池パック1が装填される電子機器との間で通信を行う通信回路等が制御回路として構成されている。そして、この回路部22には、上述した一対の接続ランド23a,23bが形成された主面と同一主面上に、制御回路を構成するIC(integrated circuit)チップ、LSI(Large−scale Integrated Circuit)チップ、受動素子等の電子部品24が実装され、端面に電池パック1が装填される電子機器と電気的に接続される外部接続用のコネクタ5が取り付けられている。また、この回路部22には、上述した一対の接続ランド23a,23bが形成された主面と同一主面上にコネクタ5が接続される接続ランド23cも複数形成されている。さらに、接続部21と回路部22との間には、接続ランド23a,23b,23cと同様にして形成され、接続部21と回路部22との間を曲げ易くさせるための折り曲げパターン23dが回路基板4の短手方向と略平行に設けられている。
【0057】
そして、この回路基板4には、接続部21と回路部22との間に亘って、接続ランド23a,23b,23cと制御回路とを電気的に接続するための信号配線パターンやグランドパターン等が形成されている。また、この回路基板4の表面又は層内には、図示を省略するが、これら制御回路を構成する機能素子や受動素子等もパターン形成されている。
【0058】
この回路基板4の端面に取り付けられるコネクタ5は、図5に示すように、外筐2より外部に一部露出するコネクタ本体25と、コネクタ本体25に保持され、回路基板4の接続ランド23cと電子機器に設けられた外部端子26とを接続させる接続端子27とを備えている。
【0059】
コネクタ本体25は、例えばポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリアミド等の絶縁性樹脂等で接続端子27を内部に保持しながら略矩形箱状に形成されたものである。そして、コネクタ本体25は、回路基板4の端面に突き当てられる取付基準面25aに設けられた一対の支持部28a,28bと、一対の支持部28a,28bが設けられた取付基準面25aに隣接して対向する側面25b,25cにそれぞれ設けられ、外筐2の下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bにそれぞれ係合されることで外筐2に支持される位置決めさせる一対の位置決め突部29a,29bとを有している。なお、コネクタ本体25を形成する絶縁性樹脂は、リフロー処理等を施された際に、劣化や変形を起こさないように優れた耐熱性も有している。
【0060】
コネクタ本体25には、電子機器に設けられた外部端子26と内部に保持された接続端子27とを接続させるため溝部30が、取付基準面25aとは反対側に位置して外筐2の開口部6から外部に露出する前面25dと、この前面25dと隣接して外筐2における下ハーフ2bの切欠部6bから外部に露出する底面25eとに亘って接続端子27の数だけ設けられている。これにより、電子機器に設けられた外部端子26は、溝部30を通して接続端子27に接続させることが可能となる。具体的に、外部端子26は、図5中矢印Aで示す前面25dが臨む方向及び図5中矢印Bで示す底面25eが臨む方向の二方向より接続端子27に接続させることが可能となる。
【0061】
一対の支持部28a,28bは、コネクタ本体25における取付基準面25aの側面25b,25cと隣接する両端部に設けられ、回路基板4の接続ランド23cが形成された主面に係合されることでコネクタ本体25を回路基板4に支持させる。具体的には、一対の支持部28a,28bにおける回路基板4の主面に当接する面と取付基準面25aとがなす角度が略直角となっており、互いになす角度が略直角となる回路基板4の主面と端面とに、一対の支持部28a,28bにおける回路基板4の主面に当接する面と取付基準面25aとがそれぞれ隙間無く当接されて係合されることから、コネクタ本体25を回路基板4に適切に支持させる。
【0062】
また、一対の支持部28a,28bは、回路基板4の接続ランド23cが形成された主面に係合されてコネクタ本体25を回路基板4に支持させることで、回路基板4の接続ランド23cに接続された接続端子27に加わるコネクタ本体25の重みで取付基準面25aに対して略直交する方向に引っ張られる応力を抑えるように作用する。
【0063】
一対の位置決め突部29a,29bは、コネクタ本体25の側面25b,25cの略中央部付近から突出するようにそれぞれ略矩形箱状に形成されている。また、一対の位置決め突部は、外筐2の下ハーフ2bに設けられた位置決め凹部7a,7bに相対して挿入される挿入端が、この挿入端と対向する基端側より幅が狭くなっており、一対の位置決め凹部7a,7bに挿入され易いようになっている。具体的には、一対の位置決め突部29a,29bの一対の位置決め凹部7a,7bと相対する角部に例えば面取り若しくは曲面等の加工が施され、一対の位置決め凹部7a,7bに挿入され易いようになっている。
【0064】
接続端子27は、回路基板4の接続ランド23cに接続されるランド接続部31と、電子機器に設けられた外部端子26に接続される端子接続部32とを有し、これらが例えば鉄、銅、ニッケル、ステンレス、リン青銅、ベリリウム銅等を含有する導電性金属等で一体形成されたものである。
【0065】
接続端子27におけるランド接続部31は、略舌状に形成されたコネクタ本体25の取付基準面25aから突出する部分が回路基板4の接続ランド23cにはんだ付け等で接続される。端子接続部32は、互いに向かい合う一対の弾性部32a,32bで構成され、これら弾性部32a,32bの間に電子機器に設けられた略板状の外部端子26が脱着可能に挿入されることで外部端子26を支持する。これにより、端子接続部32では、外部端子26を脱着自在に接続させることが可能になる。したがって、コネクタ5では、回路基板4の接続ランド23cと電子機器の外部端子26とを接続端子27を介して電気的に接続させることになる。
【0066】
このような構成のコネクタ5では、回路基板4に取り付けられた状態で外筐2に収納された際に、下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bにコネクタ本体25に設けられた一対の位置決め突部29a,29bが挿入されることで係合される。これにより、コネクタ5では、一対の位置決め凹部7a,7bに係合された一対の位置決め突部29a,29bにより外筐2の下ハーフ2aに支持されることから、例えば電池パック1を電子機器から外した際に誤って落下させてしまう等、外部に露出するコネクタ本体25が衝撃を受けても、衝撃による応力を一対の位置決め突部29a,29bを介して外筐2の下ハーフ2bが受けるようにさせる。したがって、このコネクタ5では、従来のような外部からの応力が回路基板との接続部に掛かって、回路基板との接続が外れてしまうことを防止できる。
【0067】
また、このコネクタ5では、コネクタ本体25が回路基板4の端面に突き当てられるように取り付けられ、回路基板4の接続ランド23cが形成された主面に一対の支持部28a,28bだけが当接されることから、回路基板4の主面上を占める面積が抑制される。これにより、回路基板4では、従来、主面上でコネクタのコネクタ本体等が占めていたスペースに電子部品24を配置できることから、主面上でコネクタ5の占有面積が抑制された分だけ小型化を図れる。
【0068】
さらに、このコネクタ5では、例えば細い鎖状の導電性金属、いわゆるネックレス等が接触した場合でも、コネクタ本体25に複数設けられた溝部30の間の壁が端子接続部32同士を仕切っており、ネックレス等が溝部30の間の壁を越えて端子接続部32同士を短絡させることは困難であることから、端子接続部32同士を適切に絶縁できる。
【0069】
次に、電池パック1の組立方法について説明する。先ず、上述したコネクタ5を回路基板4に取り付ける方法について説明する。回路基板4にコネクタ5を取り付ける際は、図6に示すように、可撓性を有する有機絶縁材料等からなるシート33の主面上において、最終的にシート33が打ち抜かれることで回路基板4となる領域33aに、一部に接続ランド23a,23b,23cや折り曲げパターン23dを備えるパターン配線等を形成する。このとき、シート33の主面上には、回路基板4となる領域33aを複数設けることで、複数個の回路基板4を一括して形成することができる。
【0070】
次に、シート33には、図7に示すように、回路基板4となる領域33aに隣接した接続ランド23cに対応する位置に、厚み方向に貫通する略矩形状の孔部34が形成される。また、接続ランド23cやパターン配線には、後ではんだリフロー処理した際に、コネクタ5や電子部品24等をはんだ付けするためのはんだ35をスクリーン印刷等で形成させる。
【0071】
次に、シート33には、図8に示すように、孔部34の回路基板4となる領域33a側の内周面とコネクタ5におけるコネクタ本体25の取付基準面25aとが突き当たるように、コネクタ5を孔部34に挿入させる。また、パターン配線のはんだ35が形成された所定の位置には、電子部品34を配置させる。
【0072】
このとき、コネクタ5は、図9に示すように、孔部34挿入された際に、シート33の接続ランド23a,23b,23cが形成された主面における孔部34の周囲に、一対の支持部28a,28b及び一対の位置決め突部29a,29bが係合されることで、これら一対の支持部28a,28b及び一対の位置決め突部29a,29bによってシート33に支持されることになる。なお、一対の位置決め突部29a,29bは、コネクタ5を回路基板4に取り付ける場合、一対の支持部28a,28bと同様に、孔部34の周囲でシート33の主面に係合されることでコネクタ本体25を回路基板4に支持するように機能することから、シート33の主面に係合される係合突部となる。
【0073】
これにより、コネクタ5では、従来のようなコネクタ本体の回路基板から突出した部分の重み、いわゆる自重で接続端子が回路基板の主面より浮いてしまうような不具合を防止でき、接続端子27のランド接続部26を接続ランド23c上に形成されたはんだ35に適切に接触させることができる。
【0074】
次に、シート33には、コネクタ5や電子部品24をはんだ35で接続ランド23cやパターン配線に接続させるために所定の温度で熱するはんだリフロー処理が施される。このとき、コネクタ5は、接続ランド23c上のはんだ35に接続端子27のランド接続部26が適切に接触されていることから、ランド接続部26を接続ランド23cにはんだ35で適切且つ容易にはんだ付けすることができる。このようにして、コネクタ5がシート33の回路基板4となる領域33aの端部に取り付けられる。
【0075】
次に、シート33は、図10に示すように、回路基板4となる領域33a以外を除去するために、例えば打ち抜き金型等で回路基板4となる領域33aが打ち抜かれる。このようにして、コネクタ5におけるコネクタ本体25の第1の主面30aと端面とが相対するようにコネクタ5が取り付けられた回路基板4が一括して複数形成される。
【0076】
以上で説明したコネクタ5の取り付け方法では、孔部34に挿入されたコネクタ5を一対の支持部28a,28b及び一対の位置決め突部29a,29bでシート33に支持させることで、従来のようなコネクタの接続端子を接続ランドに押さえつける等の煩わしい作業がしなくて良くなり、回路基板4にコネクタ5を適切且つ容易に接続されて歩留まりを向上できる。
【0077】
また、この方法では、コネクタ本体25の取付基準面25aが回路基板4の端面に突き当てられるようにされ、回路基板4のパターン配線が形成された主面にはコネクタ5の一対の支持部28a,28bだけが当接されることから、回路基板4の主面上でコネクタ5の占有面積を抑えた状態でコネクタ5を回路基板4に取り付けることができる。
【0078】
そして、コネクタ5が取り付けられた回路基板4には、上述したように、正極リード16及び負極リード19の先端部が、例えば抵抗溶接や超音波溶接等により一対の接続ランド23a,23bと接合されることで、ポリマー電池3が接続される。
【0079】
次に、ポリマー電池3及びコネクタ5が取り付けられた回路基板4を外筐2に収容する方法について説明する。ポリマー電池3及び回路基板4を外筐2に収納する際は、先ず、図11(A)及び図11(B)に示すように、回路基板4の長手方向に対して直交して配置された正極リード16及び負極リード19の先端部が接続部21側の一対の接続端子23a,23bと接続された状態から、図12(A)及び図12(B)に示すように、正極リード16及び負極リード19の先端部を回路基板4と共に外装材9の貼合せ面9a上に折り返す。
【0080】
次に、図13(A)及び図13(B)に示すように、回路基板4の回路部22を、電子部品24が実装された主面が接続部21と対向する主面とは反対側の主面、すなわち外側の主面となるように、接続部21と回路部22との間に形成された折り曲げパターン23dに沿って接続部21上に折り返す。これにより、回路基板4は、図2に示すように、外装材9の貼合せ面9a上に収まるように接続部21と回路部22との間で折り曲げられた状態で、且つポリマー電池3の正極リード16及び負極リード19が突出する側の側面に沿って配置される。そして、これらポリマー電池3及び回路基板4を、外筐2の上ハーフ2aと下ハーフ2bとの間に収納した後、これら上ハーフ2aと下ハーフ2bとを接合する。以上のようにして、図1に示すような電池パック1が組み立てられる。
【0081】
また、コネクタ5は、図14に示すように、ポリマー電池3及び回路基板4が外筐2に収納される際に、下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bにコネクタ本体25に設けられた一対の位置決め突部29a,29bが係合されて回路基板4を外筐2に容易に位置決め支持させる。これにより、コネクタ5では、一対の位置決め凹部7a,7bに係合された一対の位置決め突部29a,29bにより外筐2の下ハーフ2aに支持されることから、外部からの応力を一対の位置決め突部29a,29bを介して外筐2の下ハーフ2bに掛かるようにできる。
【0082】
したがって、電池パック1では、外部からの応力が回路基板4の接続ランド23cとコネクタ5のランド接続部26との接続部に掛かり、これらの接続を外してしまうような不具合が防止されて回路基板4とコネクタ5との接続信頼性を向上できる。
【0083】
また、コネクタ5は、上述した開口部6を構成する上ハーフ2a側の切欠部6aと下ハーフ2b側の切欠部6bとの間で挟み込まれることによって外筐2に支持される。これにより、電池パック1では、回路基板4を外筐2に接着やネジ止め等により固定することなく、この回路基板4を外筐2に更に容易に位置決め支持することができる。
【0084】
さらに、この電池パック1では、体積エネルギー密度の向上を図るため、回路基板4の主面上でコネクタ5の占有面積が抑制された分だけ回路基板4を小型化でき、回路基板4が小型化された分だけ外筐2内でのポリマー電池3の体積効率を向上させると共に、パック全体の更なる小型軽量薄型化が可能である。
【0085】
さらにまた、この電池パック1では、例えばポリマー電池3が回路基板4の長手方向に対して略斜めに接続された場合でも、可撓性を有する回路基板4の接続部21と回路部22との間の折り曲げられた部分を基点にして接続部21と回路部22とを回路基板4の短手方向にずらすことが可能なことから、ポリマー電池3を回路部22の長手方向に対して略直角に配置した状態で外筐2に適切に収納できる。
【0086】
さらにまた、この電池パック1では、可撓性を有する回路基板4の接続部21と回路部22との間で折り曲げられていることから、回路部22の端面の他に、接続部21の端面もコネクタ本体25の取付基準面25aに当接させることでコネクタ5を更に適切に支持することができる。
【0087】
さらにまた、上述した制御回路を構成する電子部品24は、図2に示すように、接続部21上に折り返される回路部22の接続部21と対向する主面とは反対側の主面上に実装されていることから、接続部21側との接触を防ぐことができる。
【0088】
なお、電池パック1においては、図2に示すように、この外装材9に封入された電池素子8の厚み以下となるように、外装材9の貼合せ面9b,9cを電池素子8の側面に沿って折り曲げた状態で外筐2に収納するようにすれば、この外筐2内でのポリマー電池3の体積効率を向上させると共に、外部からの衝撃に対して回路基板4を保護することが可能となる。また、上述した実施の形態においては、ポリマー電池3を例に挙げて説明しているが、このことに限定されることはなく、例えば角型、薄型、コイン型、ボタン型等その形状に関係なく、回路基板4に接続される電池であれば一次電池等にも適用可能である。さらに、上述した実施の形態においては、回路基板4としてフレキシブル基板を用いて説明しているが、このことに限定されることはなく、例えばリジッド基板等にも適用可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、コネクタ装置の回路基板上に載る部分を小さくし、コネクタ装置の位置決め突部を筐体に設けられた位置決め凹部に係合してコネクタ装置を筐体に支持させることで、回路基板の小型化且つコネクタ装置と回路基板との接続信頼性を高めることができる。
【0090】
また、本発明によれば、コネクタ装置を回路基板に取り付ける際に、回路基板となるシートに設けられた孔部の周囲にコネクタ装置の係合突部を係合させることで、コネクタ装置が端子部をシートの配線部に適切に接触された状態でしーとに支持されることから、コネクタ装置の端子部をシートの配線部に接触させた状態で適切且つ容易に接続でき、歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電池パックを示す斜視図である。
【図2】同電池パックの内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】同電池パックに備わるポリマー電池の内部構造を示す断面図である。
【図4】同電池パックに備わるポリマー電池に回路基板が接続されている状態を示す斜視図である。
【図5】同電池パックに備わるコネクタを一部透視して示す斜視図である。
【図6】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、シートを示した斜視図である。
【図7】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、シートに孔部が形成された状態を示す要部斜視図である。
【図8】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、孔部にコネクタを挿入された状態を示す要部斜視図である。
【図9】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、孔部にコネクタを挿入された状態を示す要部断面図である。
【図10】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、コネクタが取り付けられた回路基板が複数作製された状態を示す斜視図である。
【図11】ポリマー電池及び回路基板を外筐に収納する方法を説明する図であり、同図(A)はポリマー電池に回路基板が接続された状態を示す平面図であり、同図(B)はその側面図である。
【図12】ポリマー電池及び回路基板を外筐に収納する方法を説明する図であり、同図(A)は回路基板が外装材の貼り合わせ面上に載るように正極リード及び負極リードを折り返した状態を示す平面図であり、同図(B)はその側面図である。
【図13】ポリマー電池及び回路基板を外筐に収納する方法を説明する図であり、同図(A)は回路基板における回路部が接続部上に折り返された状態を示す平面図であり、同図(B)はその側面図である。
【図14】回路基板に取り付けられたコネクタを外筐に係合する状態を示す要部斜視図である。
【図15】従来の電池パックを示す分解斜視図である。
【図16】同電池パックに備わるコネクタを一部透視して示す斜視図である。
【図17】同電池パックに備わるコネクタの他の例を一部透視して示す斜視図である。
【図18】コネクタが自重で回路基板より外れた状態を一部透視して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電池パック、2 外筐、2a 上ハーフ、2b 下ハーフ、3 ポリマー電池、4 回路基板、5 コネクタ、6 開口部、6a,6b 切欠部、7a,7b 位置決め凹部、8 電池素子、9 外装材、9a 貼合せ面、16 正極リード、19 負極リード、 21 接続部、22 回路部、23a,23b,23c 接続ランド、24c 折り曲げパターン、24 電子部品、25 コネクタ本体、25a 取付基準面、25b,25c 側面、25d 前面、25e底面、27 接続端子、28a,28b 支持部、29a,29b 位置決め突部、30 溝部、31 ランド接続部、32 端子接続部、32a,32b 弾性部、33 シート、34 孔部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池が接続された回路基板に好適に取り付けられるコネクタ装置、このコネクタ装置を備える電源装置、並びに回路基板に対するコネクタ装置の取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、例えばノート型携帯用コンピュータ、情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistants)、携帯型電話機、カメラ一体型VTR(VideoTape Recorder)等の携帯用電子機器の電源として、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させることで充放電反応が行われ、軽量で高エネルギー密度なリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池では、上述した携帯用電子機器の搭載されることから更なる小型化、軽量化を図るために、例えばフィルム状の外装材や固体電解質等を用いることで更なる小型化、軽量化を図ることができる。具体的に、リチウムイオン二次電池においては、例えばフィルム状の外装材として熱融着が可能な高分子フィルムと金属箔とが積層されたラミネートフィルム等を用い、固体電解質として非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いる。そして、このようなラミネートフィルムとゲル状電解質とを用いたリチウムイオン二次電池は、一般的にポリマー電池と呼ばれている。
【0004】
また、ポリマー電池は、例えば充放電等を制御する制御回路や、外部端子と接続されるコネクタ等を備えた回路基板に接続されることにより、過充電状態や過放電状態にならないように制御回路で保護されると共に電力の残量が乏しくなった場合にはコネクタを介して外部より電力の供給が行われることになる。これらポリマー電池や回路基板は、プラスチック等からなる外筐に収納されることで、図15に示すいわゆる電池パック100として構成される。そして、この電池パック100は、上述した電子機器等に設けられた装着部に装着されることになる。(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
このような電池パック100では、体積エネルギー密度の向上を図るために、リジッド基板101を外筐102に収納しながらも、外筐102内でポリマー電池103の体積効率を向上させるような構造が求められている。すなわち、この電池パック100では、外筐102内により大きな(より多くの)ポリマー電池103を収納すると共に、このポリマー電池103が収納された外筐102内の限られたスペースにリジッド基板101を効率良く収納することが求められている。
【0006】
しかしながら、従来の電池パック100では、例えばラミネートフィルムからなる外装材103aに電池素子103bが封入され、この電池素子103bが構成する正極及び負極と導通された一対のリード104a,104bが熱融着により貼り合わされた外装材103aのあり合わせ面の間から外部に導出されると共に、これら一対のリード104a,104bがリジッド基板101側の接続ランド105と接続された構造となっている。この電池パック100において、一対のリード104a,104bは、例えばニッケル、アルミニウム、銅、ステンレス等の導電性金属等からなり、端部がリジッド基板101の接続ランド105と抵抗溶接、超音波溶接、はんだ付け等で接続されている。
【0007】
そして、この電池パック100においては、電池素子103bが帯状の正極と帯状の負極とを捲回させたものであり、これら正極及び負極と導通される一対のリード104a,104bが電池素子103の端面から突出する位置のバラツクが大きいことから、図15中矢印Sで示す一対のリード104a,104b間の寸法精度を良好にしてポリマー電池103を製造することが困難である。このため、ポリマー電池103の製造時における一対のリード104a,104b間の寸法のバラツキが大きい場合、リジッド基板101の接続ランド105を予め大きく形成しておく必要が生じ、リジッド基板101上で接続ランド105が占める面積が大きくなってしまう。
【0008】
このため、電池パック100では、一対のリード104a,104bが接続されるリジッド基板101の接続ランド105の部分に、上述した制御回路等を構成する電子部品を配置することが困難となりリジッド基板101が大型化して外筐102内に収納されるポリマー電池103が小さくなるといった不具合が生じる。
【0009】
また、リジッド基板101には、上述したように、外部端子を電気的に接続させるためのコネクタ106が取り付けられている。このコネクタ106は、図16に示すように、外部端子に接触して接続される接触端子107とリジッド基板101の接続ランド105にはんだ付け等で接続される接続端子108とが絶縁性樹脂等からなるコネクタ本体109に保持された構造となっている。具体的に、接触端子107はコネクタ本体109のリジッド基板101より迫り出した突出部109aに保持され、接続端子108はコネクタ本体109のリジッド基板101に載っている置載部109bに保持された構造となっている。そして、コネクタ本体109は、置載部109bが突出部109aに対して2倍〜3倍程度の大きさにされ、置載部109bに重心が位置するようになっている。これにより、コネクタ本体109では、コネクタ106をリジッド基板101に取り付ける際に、置載部109bが突出部109aに対して重石となり、置載部109bに保持された接続端子108がリジッド基板101の接続ランド105に適切に接触されてコネクタ106をリジッド基板101に取り付け易くできる。
【0010】
このため、リジッド基板101においては、コネクタ106におけるコネクタ本体109の置載部109bが主面上で大きな面積を占めることから、電子部品を配置させることが更に困難になって大型化してしまう。
【0011】
このような不具合を改善する対策としては、例えばポリマー電池103における一対のリード104a,104b間の寸法精度のバラツキを抑えて回路基板100の接続ランド105の占める面積を小さくすることは限度があることから、図17に示すリジッド基板101上で大きな面積を占めている置載部109bを小さくさせたコネクタ106等が提案されている。具体的に、コネクタ106では、コネクタ本体109の突出部109aは外筐102より外部に露出して外筐102の一部として機能することから必要となるが、コネクタ本体109の置載部109bは小さくすることができる。これにより、回路基板100では、コネクタ本体109の置載部109bが小さくされたコネクタ106を用いることで、主面上でコネクタ106が占める面積を大幅に小さくでき、小型化を図ることができる。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−266820号公報(第2−3頁、第2図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した対策がなされたコネクタ106をリジッド基板101に取り付ける場合、図18に示すように、コネクタ本体109の突出部109aに対する重石となっているコネクタ本体109の置載部109bが小さくなって突出部109a側に重心が位置することから、接続端子108がコネクタ本体109の突出部109aの重み、いわゆる自重で浮いてしまう。
【0014】
このため、リジッド基板101では、コネクタ106を取り付ける際に、接続ランド105にコネクタ106の接続端子108と適切に接続させるために、微細な接続端子108を接続ランド105に押さえつける等の煩わしい作業が必要となって歩留まりが悪くなる。
【0015】
また、コネクタ106の接続端子108をリジッド基板101の接続ランド105に押さえつけた際に、接続端子108がコネクタ本体109の突出部109aの重みで引っ張られて切れてしまい、コネクタ106をリジッド基板101に適切に取り付けることができなくなることがある。
【0016】
さらに、このコネクタ106では、リジッド基板101に接続端子108だけで支持されることになり、外部端子等が接触端子107に押し付けられた際の応力が接続端子108に掛かってしまい、接続端子108とリジッド基板101の接続ランド105との接続が外れて断線することがある。
【0017】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、回路基板の小型化且つ、回路基板との接続信頼性が高められたコネクタ装置、このコネクタ装置を備える電源装置、並びに回路基板上のコネクタ装置の占有面積を抑制させつつ、コネクタ装置を適切に回路基板に接続させることが可能なコネクタ装置の取り付け方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係るコネクタ装置は、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、前面と相対するコネクタ本体の背面に接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、前面に隣り合うコネクタ本体の側面に設けられた位置決め突部とを備え、背面を取付基準面として回路基板の端面に当接させた状態で回路基板を収納する筐体に設けられた位置決め凹部に、位置決め突部を係合させることで筐体に接続部を外部に臨ませて支持されていることを特徴としている。
【0019】
このコネクタ装置では、筐体に設けられた位置決め凹部に位置決め突部が係合されることで筐体に支持されることより、筐体から外部に臨む部分が外部より衝撃を受けた際の応力を筐体が位置決め突部を介して受けることから、外部からの応力を端子部が受けて回路基板との接続が外れてしまうことを防止できる。
【0020】
このコネクタ装置では、コネクタ本体の背面を取付基準面として回路基板の端面に突き当てるように回路基板の端面に取り付けられていることから、回路基板の主面にコネクタ本体が載ることを抑えて、回路基板の主面を占める面積を抑制できる。
【0021】
また、本発明に係る電源装置は、電池と、電池の外部端子が接続される回路基板と、電池及び回路基板が収納される筐体と、回路基板に電気的に接続された状態で一部が外部に露出するように筐体に支持されたコネクタ装置とを備え、コネクタ装置が、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、前面と相対するコネクタ本体の背面に接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、前面と隣り合うコネクタ本体の側面に設けられた位置決め突部とを備え、背面を取付基準面として回路基板の端面に当接させた状態で筐体に設けられた位置決め凹部に、位置決め突部を係合させることで筐体に接続部を外部に臨ませて支持されていることを特徴としている。
【0022】
この電源装置では、コネクタ装置が筐体に設けられた位置決め凹部に位置決め突部を係合させることで筐体に支持されることから、筐体から外部に露出する部分が衝撃を受けた際の応力が位置決め突部を介して筐体が受けることになり、外部からの応力を端子部が受けてコネクタ装置と回路基板との接続が外れてしまうことを防止できる。
【0023】
この電源装置では、コネクタ本体の背面を取付基準面として回路基板の端面に突き当てるようにコネクタ装置が回路基板の端面に取り付けられていることから、回路基板の主面にコネクタ本体が載ることを抑えて、コネクタ装置が回路基板の主面を占める面積を抑制できる。
【0024】
さらに、本発明に係るコネクタ装置の取り付け方法は、接続端子を備えて回路基板となる領域を有するシートに、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、前面と相対するコネクタ本体の背面に接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、前面に隣り合うコネクタ本体の側面に設けられた係合突部とを備えるコネクタ装置が挿入される孔部を、回路基板となる領域と隣接するように形成する第1の工程と、孔部の周囲に係合突部を係合させると共に、孔部を構成する回路基板の端面にコネクタ本体の背面を突き当てるように、コネクタ装置を孔部に挿入することでコネクタ装置の端子部を接続端子に接触させる第2の工程と、接触した状態のコネクタ装置の端子部と接続端子とを接続させる第3の工程とを有することを特徴としている。
【0025】
このコネクタ装置の取り付け方法では、孔部に挿入されたコネクタ装置を、係合突部を孔部の周囲に係合させることでシートに支持させることで、コネクタ装置の端子部をシートにおける回路基板となる領域の接続端子に接触されることから、適切且つ容易に接続できる。
【0026】
このコネクタ装置の取り付け方法では、コネクタ本体の背面が孔部を構成する回路基板の端面に突き当てられていることから、シートの回路基板となる領域にコネクタ本体が載ることを抑えて、シートの回路基板となる領域におけるコネクタ装置の占有面積を抑制できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したコネクタ装置、電源装置、並びにコネクタ装置の取り付け方法について、図1及び図2に示す電池パック1を参照にして説明する。この電池パック1は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器等に設けられた装着部に装着され、電子機器等に対して所定の電圧の電力を安定して供給することが可能なものである。この電池パック1は、収納ケースとなる外筐2に、発電要素となるポリマー電池3及びポリマー電池3が接続された回路基板4が収納され、回路基板4に取り付けられたコネクタ5が外筐2より外部に臨む構造を有している。
【0028】
外筐2は、いわゆるプラスチックケースからなり、略扁平箱状の上ハーフ2aの周壁と下ハーフ2bの周壁とを互いに突き合わすことで、内部にポリマー電池3及び回路基板4が収納される収納空間を形成すると共に、その外形形状は略矩形平板状である。また、この外筐2には、長手方向の一側端部に、後述するコネクタ5を外部に臨ませる開口部6が形成されており、外筐2を構成する上ハーフ2a及び下ハーフ2bには、この開口部6を構成する切欠部6a,6bがそれぞれ形成されている。さらに、この外筐2おいて、下ハーフ2bには、周壁の切欠部6bに切り欠かれた両端部に、上ハーフ2aの周壁が突き合わされる突き合わせ面から厚み方向に所定の深さに掘り下げられたコネクタ5が係合される一対の位置決め凹部7a,7bが設けられている。
【0029】
ポリマー電池3は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質電池であり、充放電といった電池反応が行われる電池素子8と、この電池素子8を封入するフィルム状の外装材9とを有している。
【0030】
ポリマー電池3において電池素子8は、図3に示すように、帯状の正極10と、帯状の負極11との間に有機高分子や電解質塩を含有させた固体電解質12とセパレータ13とを介在させた状態で、電極の長手方向に捲回することで発電素子として機能する。
【0031】
正極10は、正極活物質と結着剤とを含有する正極合剤塗液を正極集電体14上に塗布、乾燥、加圧することにより、正極集電体14上に正極合剤層15が圧縮形成された構造となっている。正極10には、正極リード16が正極集電体14の所定の位置に、正極集電体14の幅方向に突出するように接続されている。この正極リード16には、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0032】
正極活物質には、比較的に電池容量を大きくできる例えばLixMO2(式中MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Ti等による一種以上の遷移金属を表し、xは0.5以上、1.10以下の範囲である。)で示されるリチウム複合酸化物等を使用する。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LixCoO2、LixNiO2、LixNiyCo1−yO2(式中、0<y<1である。)、LiMn2O4等を挙げることができる。また、正極活物質としては、安価で結晶構造が安定している例えばLixMyPO4(式中MはFe、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、SnCa、Srのうち何れか一種以上であり、0.5≦x≦1.1であり、0.5≦y≦1である。)で示される化合物等が挙げられ、具体的にLiFePO4等を用いる。さらに、正極活物質としては、例えばTiS2、MoS2、NbSe2、V2O5等の金属硫化物あるいは酸化物も使用することができる。
【0033】
正極10では、正極合剤層15の結着剤として、非水電解質電池の正極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる他に、正極合剤層15に例えば導電材として炭素質材料等を添加したり、公知の添加剤等を添加したりすることができる。正極10では、正極集電体14に、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0034】
負極11は、負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を負極集電体17上に塗布、乾燥、加圧することにより、負極集電体17上に負極合剤層18が圧縮形成された構造となっている。負極11には、負極リード19が負極集電体17の所定の位置に、負極集電体17の幅方向に突出するように接続されている。この負極リード19には、例えばニッケルや銅等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0035】
負極活物質には、リチウム対して2V以下の電位を有し、リチウムをドープ・脱ドープする材料を用いる。具体的には、例えばリチウム、リチウム合金、又はリチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料等が用いられる。リチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料としては、例えば2000℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶性炭素材料、結晶化しやすい原材料を3000℃付近の高温で焼成した人造黒鉛等の高結晶性炭素材料等を用いることが可能である。具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等の炭素質材料を用いることが可能である。コークス類としては、例えばピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等がある。なお、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し、炭素化したものである。
【0036】
また、負極活物質としては、上述した炭素質材料の他に、例えばリチウムと化合可能な元素又はこの元素の化合物等を用いることもできる。具体的には、例えば化学式DsEtLiu(Dはリチウムと化合可能な金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、Eはリチウム及びD以外の金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、sは0より大きく、t及びuは0以上である。)等化学式で示される化合物としてSiB4、SiB6、Mg2Si、Mg2Sn、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2等が挙げられ、これらのうち何れか一種以上を用いる。そして、これらの化合物は、上述した炭素質材料に一種以上を混合させて用いることもでき、この場合、炭素質材料が導電材として機能することになる。
【0037】
また、上述した炭素質材料や化合物の他に、負極活物質として、例えばポリアセチレン、ポリピロール等の高分子や酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等といった比較的電位が卑であり、リチウムのドープ・脱ドープが可能な酸化物や、これら酸化物の酸素を窒素で置換した窒化物等を使用することもできる。
【0038】
負極11では、負極合剤層11の結着剤として、非水電解質電池の負極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる。負極11では、負極集電体17に、例えば銅等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0039】
固体電解質12は、正極10と負極11との間で例えばリチウムイオン等の授受を行うものである。このため、この固体電解質12には、リチウムイオン導電性を有する有機固体電解質を用いる。この有機固体電解質としては、電解質塩とそれを含有させる有機高分子とによって構成される高分子固体電解質や、非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いることができる。そして、固体電解質12は、正極10及び負極11の表面に、有機固体電解質を含有する電解質溶液を塗布し、固化することで電解質層として形成される。
【0040】
固体電解質12においては、通常、非水電解質電池に用いられる電解質塩を使用することができる。具体的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiC4F9SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、LiBr等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。特に、電解質塩としては、酸化安定性の点で優れているLiPF6、LiBF4を用いる。
【0041】
そして、固体電解質12では、高分子固体電解質の電解質塩を含有させる有機高分子として例えばポリ(エチレンオキサイト)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系高分子、アクリレート系高分子等を単独又は分子中に供重合、混合して用いることができる。
【0042】
固体電解質12においては、ゲル状電解質の場合、上述した電解質塩を溶解させて非水電解液にさせる非水溶媒には比較的誘電率が高い溶媒を用いる。この場合、非水電解液は可塑剤として機能することになる。具体的に、非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。
【0043】
そして、固体電解質12では、ゲル状電解質の非水電解液を含有させる高分子マトリックスとしては非水電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子が利用できる。具体的には、例えばポリ(ビニリデンフルオロライド)や、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分子、ポリ(エチレンオキサイド)や、これの架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(アクリロニトリル)等が挙げられ、これらのうち何れか一種又は複数種を混合して用いる。
【0044】
セパレータ13は、正極10と負極11とを離間させるものであり、この種の非水電解質電池の絶縁性多孔質膜として通常用いられている公知の材料を用いることができる。具体的には、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子フィルムが用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレータ13の厚みはできるだけ薄い方が好ましく、その厚みを30μm以下の厚みにして用いる。これにより、電池1では、正極10と負極11との間のリチウムイオン電導度を良好にでき、高いエネルギー密度が得られる。
【0045】
以上のような構成の電池素子8を封入する外装材9は、例えば樹脂層と金属層とがラミネート加工等で貼り合わされて二層以上に複合化されたラミネートフィルムであり、電池素子8と対向する面が樹脂層になるようにされている。樹脂層としては、正極リード16及び負極リード19に対して接着性を示すものであれば材料は特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン及びこれらの共重合体、ポリオレフィン樹脂等といった有機樹脂材料が透過性を低くできて気密に優れることから用いられる。金属層としては、例えば箔状、板状等に成形されているアルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄等が用いられる。また、外装材9においては、ポリマー電池3の外周層となる層に例えばナイロン等からなる樹脂層を備えることにより、破れや突き刺し等に対する強度を向上させることができる。
【0046】
このような構成のポリマー電池3は次のようにして製造される。先ず、正極10を作製する。正極10を作製する際は、上述した正極活物質と導電材と結着剤とを含有する正極合剤塗液を調製し、この正極合剤塗液を例えばアルミニウム箔等からなる正極集電体14上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥、加圧することで正極合剤層15を圧縮形成し、所定の寸法に裁断する。次に、正極集電体14が露出する未塗工部に正極リード16を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の正極10が作製される。
【0047】
次に、負極11を作製する。負極11を作製する際は、上述した負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を調製し、この負極合剤塗液を例えば銅箔等からなる負極集電体17上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥、加圧することで負極合剤層18を圧縮形成し、所定の寸法に裁断する。次に、負極集電体17が露出する未塗工部に負極リード19を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の負極11が作製される。
【0048】
次に、以上のように作製された正極10の正極合剤層15の主面、及び負極11の負極合剤層18の主面に固体電解質12をそれぞれ層状に形成する。固体電解質12を形成する際は、電解質塩を非水溶媒に溶解させて非水電解液を調製する。次に、この非水電解液と、有機高分子又はマトリックス高分子と、必要に応じて希釈溶剤としての非水溶媒とを混合撹拌してゾル状態の電解質溶液を作製し、この電解質溶液を正極10の正極合剤層15の主面、及び負極11の負極合剤層18の主面にそれぞれ塗布して高分子固体電解質層を形成する。希釈溶剤を用いた場合は、その非水溶媒を揮発させてゲル電解質層を形成する。このようにして正極10上及び負極11上に固体電解質12を電解質層としてそれぞれ形成させる。
【0049】
次に、以上のように固体電解質12が主面上に形成された正極10及び負極11を電解質層が対向するように、セパレータ13を介して長尺方向に多数回、扁平状に捲回して電池素子8を作製する。また、電池素子8においては、捲回軸方向の一方端面から正極リード16及び負極リード19を突出させる。
【0050】
次に、電池素子8に備わる正極リード16と負極リード19とを外部に導出しつつ、外装材9の内部に電池素子8を収納する。このとき、電池素子8は、正極リード16及び負極リード19と、外装材9との間に接着性を示すプロピレン等からなる樹脂片20をあてがうようにして、外装材9に収納させる。これにより、電池1では、正極リード16及び負極リード19と外装材9における金属層とが短絡することや、気密性が低下すること等が防止される。
【0051】
次に、電池素子8を内部に収納した外装材9の周縁部を例えばヒートシール等で樹脂層同士を張り合わせることにより、電池素子8を構成する正極10及び負極11と導通された正極リード16及び負極リード19が外装材9の貼合せ面9aの間から外部へと引き出された状態で電池素子8が外装材9に封入される。このようにして、ポリマー電池3が製造される。
【0052】
このポリマー電池3が接続される回路基板4は、図4に示すように、上述したポリマー電池3の過充放電等からの保護を図るためのものであり、外装材9の貼合せ面9aに対応した幅で長尺状に形成されると共に、その長手方向の両側には、正極リード16及び負極リード19が電気的に接続される接続部21と、ポリマー電池3の充放電を制御する制御回路が構成される回路部22とが設けられている。なお、この回路基板4は、可撓性を有すると共に、パターン配線層と誘電絶縁層とが交互に積層されてなる、いわゆる多層フレキシブルプリント配線基板である。
【0053】
この回路基板4では、パターン配線層に、例えばフィルタやキャパシタ、インダクタ、レジスタといった機能素子や受動素子等を、これらを繋ぐ信号配線パターンやグランドパターンと共にパターン形成することができる。また、誘電絶縁層を介して積層される各パターン配線層は、誘電絶縁層を貫通して形成されるビアホールめっきやスルーホールめっきを介して電気的に接続することができる。なお、この回路基板4を構成するパターン配線層は、電気伝導性が高く廉価な銅箔等により形成されており、誘電絶縁層は、電気絶縁性が高く、可撓性を有するポリイミド等の有機絶縁材料により形成されている。誘電絶縁層は、リフロー処理等で劣化することが無いように耐熱性も有している。この回路基板4には、誘電絶縁層の両面にパターン配線層が形成された両面配線基板がプリプレグを介して貼り合わされたものや、両面配線基板の両主面上に樹脂付銅箔を積み重ねていくものがある。
【0054】
したがって、この回路基板4では、基板の表面又は層内に、後述する回路部22の制御回路を構成する機能素子や受動素子等をパターン形成することができ、この制御回路を構成する上で基板自体を小型化することが可能である。また、この回路基板4は、可撓性を有することから、後述する接続部21と回路部22との間で折り曲げ可能となっている。
【0055】
接続部21には、上述したポリマー電池3の正極リード16及び負極リード19が電気的に接続される一対の接続ランド23a,23bが設けられている。これら一対の接続ランド23a,23bは、回路基板4の一主面上に長手方向に所定の間隔で並んでパターン形成されている。そして、正極リード16及び負極リード19は、この回路基板4の長手方向に対して直交して配置されると共に、その先端部が抵抗溶接や超音波溶接等により一対の接続ランド23a,23bと接合されている。
【0056】
回路部22には、例えばポリマー電池3を過充電や過放電から保護する保護回路や、ポリマー電池3の電力残量等を演算する演算回路、電池パック1が装填される電子機器との間で通信を行う通信回路等が制御回路として構成されている。そして、この回路部22には、上述した一対の接続ランド23a,23bが形成された主面と同一主面上に、制御回路を構成するIC(integrated circuit)チップ、LSI(Large−scale Integrated Circuit)チップ、受動素子等の電子部品24が実装され、端面に電池パック1が装填される電子機器と電気的に接続される外部接続用のコネクタ5が取り付けられている。また、この回路部22には、上述した一対の接続ランド23a,23bが形成された主面と同一主面上にコネクタ5が接続される接続ランド23cも複数形成されている。さらに、接続部21と回路部22との間には、接続ランド23a,23b,23cと同様にして形成され、接続部21と回路部22との間を曲げ易くさせるための折り曲げパターン23dが回路基板4の短手方向と略平行に設けられている。
【0057】
そして、この回路基板4には、接続部21と回路部22との間に亘って、接続ランド23a,23b,23cと制御回路とを電気的に接続するための信号配線パターンやグランドパターン等が形成されている。また、この回路基板4の表面又は層内には、図示を省略するが、これら制御回路を構成する機能素子や受動素子等もパターン形成されている。
【0058】
この回路基板4の端面に取り付けられるコネクタ5は、図5に示すように、外筐2より外部に一部露出するコネクタ本体25と、コネクタ本体25に保持され、回路基板4の接続ランド23cと電子機器に設けられた外部端子26とを接続させる接続端子27とを備えている。
【0059】
コネクタ本体25は、例えばポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリアミド等の絶縁性樹脂等で接続端子27を内部に保持しながら略矩形箱状に形成されたものである。そして、コネクタ本体25は、回路基板4の端面に突き当てられる取付基準面25aに設けられた一対の支持部28a,28bと、一対の支持部28a,28bが設けられた取付基準面25aに隣接して対向する側面25b,25cにそれぞれ設けられ、外筐2の下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bにそれぞれ係合されることで外筐2に支持される位置決めさせる一対の位置決め突部29a,29bとを有している。なお、コネクタ本体25を形成する絶縁性樹脂は、リフロー処理等を施された際に、劣化や変形を起こさないように優れた耐熱性も有している。
【0060】
コネクタ本体25には、電子機器に設けられた外部端子26と内部に保持された接続端子27とを接続させるため溝部30が、取付基準面25aとは反対側に位置して外筐2の開口部6から外部に露出する前面25dと、この前面25dと隣接して外筐2における下ハーフ2bの切欠部6bから外部に露出する底面25eとに亘って接続端子27の数だけ設けられている。これにより、電子機器に設けられた外部端子26は、溝部30を通して接続端子27に接続させることが可能となる。具体的に、外部端子26は、図5中矢印Aで示す前面25dが臨む方向及び図5中矢印Bで示す底面25eが臨む方向の二方向より接続端子27に接続させることが可能となる。
【0061】
一対の支持部28a,28bは、コネクタ本体25における取付基準面25aの側面25b,25cと隣接する両端部に設けられ、回路基板4の接続ランド23cが形成された主面に係合されることでコネクタ本体25を回路基板4に支持させる。具体的には、一対の支持部28a,28bにおける回路基板4の主面に当接する面と取付基準面25aとがなす角度が略直角となっており、互いになす角度が略直角となる回路基板4の主面と端面とに、一対の支持部28a,28bにおける回路基板4の主面に当接する面と取付基準面25aとがそれぞれ隙間無く当接されて係合されることから、コネクタ本体25を回路基板4に適切に支持させる。
【0062】
また、一対の支持部28a,28bは、回路基板4の接続ランド23cが形成された主面に係合されてコネクタ本体25を回路基板4に支持させることで、回路基板4の接続ランド23cに接続された接続端子27に加わるコネクタ本体25の重みで取付基準面25aに対して略直交する方向に引っ張られる応力を抑えるように作用する。
【0063】
一対の位置決め突部29a,29bは、コネクタ本体25の側面25b,25cの略中央部付近から突出するようにそれぞれ略矩形箱状に形成されている。また、一対の位置決め突部は、外筐2の下ハーフ2bに設けられた位置決め凹部7a,7bに相対して挿入される挿入端が、この挿入端と対向する基端側より幅が狭くなっており、一対の位置決め凹部7a,7bに挿入され易いようになっている。具体的には、一対の位置決め突部29a,29bの一対の位置決め凹部7a,7bと相対する角部に例えば面取り若しくは曲面等の加工が施され、一対の位置決め凹部7a,7bに挿入され易いようになっている。
【0064】
接続端子27は、回路基板4の接続ランド23cに接続されるランド接続部31と、電子機器に設けられた外部端子26に接続される端子接続部32とを有し、これらが例えば鉄、銅、ニッケル、ステンレス、リン青銅、ベリリウム銅等を含有する導電性金属等で一体形成されたものである。
【0065】
接続端子27におけるランド接続部31は、略舌状に形成されたコネクタ本体25の取付基準面25aから突出する部分が回路基板4の接続ランド23cにはんだ付け等で接続される。端子接続部32は、互いに向かい合う一対の弾性部32a,32bで構成され、これら弾性部32a,32bの間に電子機器に設けられた略板状の外部端子26が脱着可能に挿入されることで外部端子26を支持する。これにより、端子接続部32では、外部端子26を脱着自在に接続させることが可能になる。したがって、コネクタ5では、回路基板4の接続ランド23cと電子機器の外部端子26とを接続端子27を介して電気的に接続させることになる。
【0066】
このような構成のコネクタ5では、回路基板4に取り付けられた状態で外筐2に収納された際に、下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bにコネクタ本体25に設けられた一対の位置決め突部29a,29bが挿入されることで係合される。これにより、コネクタ5では、一対の位置決め凹部7a,7bに係合された一対の位置決め突部29a,29bにより外筐2の下ハーフ2aに支持されることから、例えば電池パック1を電子機器から外した際に誤って落下させてしまう等、外部に露出するコネクタ本体25が衝撃を受けても、衝撃による応力を一対の位置決め突部29a,29bを介して外筐2の下ハーフ2bが受けるようにさせる。したがって、このコネクタ5では、従来のような外部からの応力が回路基板との接続部に掛かって、回路基板との接続が外れてしまうことを防止できる。
【0067】
また、このコネクタ5では、コネクタ本体25が回路基板4の端面に突き当てられるように取り付けられ、回路基板4の接続ランド23cが形成された主面に一対の支持部28a,28bだけが当接されることから、回路基板4の主面上を占める面積が抑制される。これにより、回路基板4では、従来、主面上でコネクタのコネクタ本体等が占めていたスペースに電子部品24を配置できることから、主面上でコネクタ5の占有面積が抑制された分だけ小型化を図れる。
【0068】
さらに、このコネクタ5では、例えば細い鎖状の導電性金属、いわゆるネックレス等が接触した場合でも、コネクタ本体25に複数設けられた溝部30の間の壁が端子接続部32同士を仕切っており、ネックレス等が溝部30の間の壁を越えて端子接続部32同士を短絡させることは困難であることから、端子接続部32同士を適切に絶縁できる。
【0069】
次に、電池パック1の組立方法について説明する。先ず、上述したコネクタ5を回路基板4に取り付ける方法について説明する。回路基板4にコネクタ5を取り付ける際は、図6に示すように、可撓性を有する有機絶縁材料等からなるシート33の主面上において、最終的にシート33が打ち抜かれることで回路基板4となる領域33aに、一部に接続ランド23a,23b,23cや折り曲げパターン23dを備えるパターン配線等を形成する。このとき、シート33の主面上には、回路基板4となる領域33aを複数設けることで、複数個の回路基板4を一括して形成することができる。
【0070】
次に、シート33には、図7に示すように、回路基板4となる領域33aに隣接した接続ランド23cに対応する位置に、厚み方向に貫通する略矩形状の孔部34が形成される。また、接続ランド23cやパターン配線には、後ではんだリフロー処理した際に、コネクタ5や電子部品24等をはんだ付けするためのはんだ35をスクリーン印刷等で形成させる。
【0071】
次に、シート33には、図8に示すように、孔部34の回路基板4となる領域33a側の内周面とコネクタ5におけるコネクタ本体25の取付基準面25aとが突き当たるように、コネクタ5を孔部34に挿入させる。また、パターン配線のはんだ35が形成された所定の位置には、電子部品34を配置させる。
【0072】
このとき、コネクタ5は、図9に示すように、孔部34挿入された際に、シート33の接続ランド23a,23b,23cが形成された主面における孔部34の周囲に、一対の支持部28a,28b及び一対の位置決め突部29a,29bが係合されることで、これら一対の支持部28a,28b及び一対の位置決め突部29a,29bによってシート33に支持されることになる。なお、一対の位置決め突部29a,29bは、コネクタ5を回路基板4に取り付ける場合、一対の支持部28a,28bと同様に、孔部34の周囲でシート33の主面に係合されることでコネクタ本体25を回路基板4に支持するように機能することから、シート33の主面に係合される係合突部となる。
【0073】
これにより、コネクタ5では、従来のようなコネクタ本体の回路基板から突出した部分の重み、いわゆる自重で接続端子が回路基板の主面より浮いてしまうような不具合を防止でき、接続端子27のランド接続部26を接続ランド23c上に形成されたはんだ35に適切に接触させることができる。
【0074】
次に、シート33には、コネクタ5や電子部品24をはんだ35で接続ランド23cやパターン配線に接続させるために所定の温度で熱するはんだリフロー処理が施される。このとき、コネクタ5は、接続ランド23c上のはんだ35に接続端子27のランド接続部26が適切に接触されていることから、ランド接続部26を接続ランド23cにはんだ35で適切且つ容易にはんだ付けすることができる。このようにして、コネクタ5がシート33の回路基板4となる領域33aの端部に取り付けられる。
【0075】
次に、シート33は、図10に示すように、回路基板4となる領域33a以外を除去するために、例えば打ち抜き金型等で回路基板4となる領域33aが打ち抜かれる。このようにして、コネクタ5におけるコネクタ本体25の第1の主面30aと端面とが相対するようにコネクタ5が取り付けられた回路基板4が一括して複数形成される。
【0076】
以上で説明したコネクタ5の取り付け方法では、孔部34に挿入されたコネクタ5を一対の支持部28a,28b及び一対の位置決め突部29a,29bでシート33に支持させることで、従来のようなコネクタの接続端子を接続ランドに押さえつける等の煩わしい作業がしなくて良くなり、回路基板4にコネクタ5を適切且つ容易に接続されて歩留まりを向上できる。
【0077】
また、この方法では、コネクタ本体25の取付基準面25aが回路基板4の端面に突き当てられるようにされ、回路基板4のパターン配線が形成された主面にはコネクタ5の一対の支持部28a,28bだけが当接されることから、回路基板4の主面上でコネクタ5の占有面積を抑えた状態でコネクタ5を回路基板4に取り付けることができる。
【0078】
そして、コネクタ5が取り付けられた回路基板4には、上述したように、正極リード16及び負極リード19の先端部が、例えば抵抗溶接や超音波溶接等により一対の接続ランド23a,23bと接合されることで、ポリマー電池3が接続される。
【0079】
次に、ポリマー電池3及びコネクタ5が取り付けられた回路基板4を外筐2に収容する方法について説明する。ポリマー電池3及び回路基板4を外筐2に収納する際は、先ず、図11(A)及び図11(B)に示すように、回路基板4の長手方向に対して直交して配置された正極リード16及び負極リード19の先端部が接続部21側の一対の接続端子23a,23bと接続された状態から、図12(A)及び図12(B)に示すように、正極リード16及び負極リード19の先端部を回路基板4と共に外装材9の貼合せ面9a上に折り返す。
【0080】
次に、図13(A)及び図13(B)に示すように、回路基板4の回路部22を、電子部品24が実装された主面が接続部21と対向する主面とは反対側の主面、すなわち外側の主面となるように、接続部21と回路部22との間に形成された折り曲げパターン23dに沿って接続部21上に折り返す。これにより、回路基板4は、図2に示すように、外装材9の貼合せ面9a上に収まるように接続部21と回路部22との間で折り曲げられた状態で、且つポリマー電池3の正極リード16及び負極リード19が突出する側の側面に沿って配置される。そして、これらポリマー電池3及び回路基板4を、外筐2の上ハーフ2aと下ハーフ2bとの間に収納した後、これら上ハーフ2aと下ハーフ2bとを接合する。以上のようにして、図1に示すような電池パック1が組み立てられる。
【0081】
また、コネクタ5は、図14に示すように、ポリマー電池3及び回路基板4が外筐2に収納される際に、下ハーフ2bに設けられた一対の位置決め凹部7a,7bにコネクタ本体25に設けられた一対の位置決め突部29a,29bが係合されて回路基板4を外筐2に容易に位置決め支持させる。これにより、コネクタ5では、一対の位置決め凹部7a,7bに係合された一対の位置決め突部29a,29bにより外筐2の下ハーフ2aに支持されることから、外部からの応力を一対の位置決め突部29a,29bを介して外筐2の下ハーフ2bに掛かるようにできる。
【0082】
したがって、電池パック1では、外部からの応力が回路基板4の接続ランド23cとコネクタ5のランド接続部26との接続部に掛かり、これらの接続を外してしまうような不具合が防止されて回路基板4とコネクタ5との接続信頼性を向上できる。
【0083】
また、コネクタ5は、上述した開口部6を構成する上ハーフ2a側の切欠部6aと下ハーフ2b側の切欠部6bとの間で挟み込まれることによって外筐2に支持される。これにより、電池パック1では、回路基板4を外筐2に接着やネジ止め等により固定することなく、この回路基板4を外筐2に更に容易に位置決め支持することができる。
【0084】
さらに、この電池パック1では、体積エネルギー密度の向上を図るため、回路基板4の主面上でコネクタ5の占有面積が抑制された分だけ回路基板4を小型化でき、回路基板4が小型化された分だけ外筐2内でのポリマー電池3の体積効率を向上させると共に、パック全体の更なる小型軽量薄型化が可能である。
【0085】
さらにまた、この電池パック1では、例えばポリマー電池3が回路基板4の長手方向に対して略斜めに接続された場合でも、可撓性を有する回路基板4の接続部21と回路部22との間の折り曲げられた部分を基点にして接続部21と回路部22とを回路基板4の短手方向にずらすことが可能なことから、ポリマー電池3を回路部22の長手方向に対して略直角に配置した状態で外筐2に適切に収納できる。
【0086】
さらにまた、この電池パック1では、可撓性を有する回路基板4の接続部21と回路部22との間で折り曲げられていることから、回路部22の端面の他に、接続部21の端面もコネクタ本体25の取付基準面25aに当接させることでコネクタ5を更に適切に支持することができる。
【0087】
さらにまた、上述した制御回路を構成する電子部品24は、図2に示すように、接続部21上に折り返される回路部22の接続部21と対向する主面とは反対側の主面上に実装されていることから、接続部21側との接触を防ぐことができる。
【0088】
なお、電池パック1においては、図2に示すように、この外装材9に封入された電池素子8の厚み以下となるように、外装材9の貼合せ面9b,9cを電池素子8の側面に沿って折り曲げた状態で外筐2に収納するようにすれば、この外筐2内でのポリマー電池3の体積効率を向上させると共に、外部からの衝撃に対して回路基板4を保護することが可能となる。また、上述した実施の形態においては、ポリマー電池3を例に挙げて説明しているが、このことに限定されることはなく、例えば角型、薄型、コイン型、ボタン型等その形状に関係なく、回路基板4に接続される電池であれば一次電池等にも適用可能である。さらに、上述した実施の形態においては、回路基板4としてフレキシブル基板を用いて説明しているが、このことに限定されることはなく、例えばリジッド基板等にも適用可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、コネクタ装置の回路基板上に載る部分を小さくし、コネクタ装置の位置決め突部を筐体に設けられた位置決め凹部に係合してコネクタ装置を筐体に支持させることで、回路基板の小型化且つコネクタ装置と回路基板との接続信頼性を高めることができる。
【0090】
また、本発明によれば、コネクタ装置を回路基板に取り付ける際に、回路基板となるシートに設けられた孔部の周囲にコネクタ装置の係合突部を係合させることで、コネクタ装置が端子部をシートの配線部に適切に接触された状態でしーとに支持されることから、コネクタ装置の端子部をシートの配線部に接触させた状態で適切且つ容易に接続でき、歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電池パックを示す斜視図である。
【図2】同電池パックの内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】同電池パックに備わるポリマー電池の内部構造を示す断面図である。
【図4】同電池パックに備わるポリマー電池に回路基板が接続されている状態を示す斜視図である。
【図5】同電池パックに備わるコネクタを一部透視して示す斜視図である。
【図6】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、シートを示した斜視図である。
【図7】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、シートに孔部が形成された状態を示す要部斜視図である。
【図8】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、孔部にコネクタを挿入された状態を示す要部斜視図である。
【図9】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、孔部にコネクタを挿入された状態を示す要部断面図である。
【図10】コネクタを回路基板に取り付ける方法を説明する図であり、コネクタが取り付けられた回路基板が複数作製された状態を示す斜視図である。
【図11】ポリマー電池及び回路基板を外筐に収納する方法を説明する図であり、同図(A)はポリマー電池に回路基板が接続された状態を示す平面図であり、同図(B)はその側面図である。
【図12】ポリマー電池及び回路基板を外筐に収納する方法を説明する図であり、同図(A)は回路基板が外装材の貼り合わせ面上に載るように正極リード及び負極リードを折り返した状態を示す平面図であり、同図(B)はその側面図である。
【図13】ポリマー電池及び回路基板を外筐に収納する方法を説明する図であり、同図(A)は回路基板における回路部が接続部上に折り返された状態を示す平面図であり、同図(B)はその側面図である。
【図14】回路基板に取り付けられたコネクタを外筐に係合する状態を示す要部斜視図である。
【図15】従来の電池パックを示す分解斜視図である。
【図16】同電池パックに備わるコネクタを一部透視して示す斜視図である。
【図17】同電池パックに備わるコネクタの他の例を一部透視して示す斜視図である。
【図18】コネクタが自重で回路基板より外れた状態を一部透視して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電池パック、2 外筐、2a 上ハーフ、2b 下ハーフ、3 ポリマー電池、4 回路基板、5 コネクタ、6 開口部、6a,6b 切欠部、7a,7b 位置決め凹部、8 電池素子、9 外装材、9a 貼合せ面、16 正極リード、19 負極リード、 21 接続部、22 回路部、23a,23b,23c 接続ランド、24c 折り曲げパターン、24 電子部品、25 コネクタ本体、25a 取付基準面、25b,25c 側面、25d 前面、25e底面、27 接続端子、28a,28b 支持部、29a,29b 位置決め突部、30 溝部、31 ランド接続部、32 端子接続部、32a,32b 弾性部、33 シート、34 孔部
Claims (11)
- 前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、
上記前面と相対する上記コネクタ本体の背面に上記接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、
上記前面に隣り合う上記コネクタ本体の側面に設けられた位置決め突部とを備え、
上記背面を取付基準面として上記回路基板の端面に当接させた状態で上記回路基板を収納する筐体に設けられた位置決め凹部に、上記位置決め突部を係合させることで上記筐体に上記接続部を外部に臨ませて支持されているコネクタ装置。 - 上記背面には、上記回路基板の主面に係合されることで上記コネクタ本体を支持する支持部が設けられている請求項1記載のコネクタ装置。
- 上記位置決め突部は、上記筐体の凹部に相対して挿入される挿入端が、この挿入端と対向する基端側より幅が狭く形成されている請求項1記載のコネクタ装置。
- 電池と、上記電池の外部端子が接続される回路基板と、上記電池及び上記回路基板が収納される筐体と、上記回路基板に電気的に接続された状態で一部が外部に露出するように上記筐体に支持されたコネクタ装置とを備え、
上記コネクタ装置は、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、上記前面と相対する上記コネクタ本体の背面に上記接続部と電気的に接続されるように設けられると共に上記回路基板に電気的に接続される端子部と、上記前面と隣り合う上記コネクタ本体の側面に設けられた位置決め突部とを備え、
上記背面を取付基準面として上記回路基板の端面に当接させた状態で上記筐体に設けられた位置決め凹部に、上記位置決め突部を係合させることで上記筐体に上記接続部を外部に臨ませて支持されている電源装置。 - 上記コネクタ装置は、上記位置決め突部の上記筐体の凹部に相対して挿入される挿入端が、この挿入端と対向する基端側より幅が狭く形成されている請求項4記載の電源装置。
- 上記回路基板は、可撓性を有するフレキシブル基板であり、その主面が相対するように折り曲げられた状態で上記筐体に収納されている請求項4記載の電源装置。
- 上記回路基板は、その主面が相対するように折り曲げられることで相対するようになる端面がそれぞれ上記コネクタ装置の背面に当接されている請求項6記載の電源装置。
- 上記電池は、電解質塩を含有する固体電解質を備えるポリマー電池である請求項4記載の電源装置。
- 接続端子を備えて回路基板となる領域を有するシートに、前面に電子機器と接続される接続部が設けられたコネクタ本体と、上記前面と相対する上記コネクタ本体の背面に上記接続部と電気的に接続されるように設けられると共に回路基板に電気的に接続される端子部と、上記前面に隣り合う上記コネクタ本体の側面に設けられた係合突部とを備えるコネクタ装置が挿入される孔部を、上記回路基板となる領域と隣接するように形成する第1の工程と、
上記孔部の周囲に上記係合突部を係合させると共に、上記孔部を構成する上記回路基板の端面に上記コネクタ本体の背面を突き当てるように、上記コネクタ装置を上記孔部に挿入することで上記コネクタ装置の端子部を上記接続端子に接触させる第2の工程と、
接触した状態の上記コネクタ装置の端子部と上記接続端子とを接続させる第3の工程とを有するコネクタ装置の取り付け方法。 - 上記第3の工程の後に、上記シートの上記回路基板となる領域以外を除去することで、上記コネクタ本体の背面を取付基準面として端面に突き当てるように上記コネクタ装置が取り付けられた回路基板を作製する請求項9記載のコネクタ装置の取り付け方法。
- 上記第2の工程においては、上記コネクタ本体の背面に設けられた支持部を、上記シートの上記回路基板となる領域に係合させるように上記孔部に上記コネクタ装置を挿入させることで上記シートに上記コネクタ装置を支持させる請求項9記載のコネクタ装置の取り付け方法。
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