JP2004172281A - ステンレス鋼製リードフレーム - Google Patents
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Abstract
【構成】C:0.03質量%以下,Cr:11.5〜13.5質量%を含み硬さがHV200以上のステンレス冷延鋼帯を基材とし、膜厚5〜30μmのCuめっき層が基材表面に形成したリードフレームである。Cuめっき層1は、高い電気伝導性,熱伝導性を得る上で光沢化剤を含まない無光沢電気Cuめっき層が好ましい。HV100以上にCuめっき層を硬質化すると、ボンディング性が一層向上し、比較的厚膜のCuめっき層が形成されているリードフレームでも、高速ワイヤボンディング時のボンディング性が安定化し、高い接合強度でAu線2が接合される。
【選択図】 図2
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、強度,耐食性に優れ、Au線の直接接合が可能なステンレス鋼製リードフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子機器を外部回路に接続するリードフレームは、Fe−42%Ni合金,銅合金,普通鋼等を素材に使用している。リードフレームの要求特性には、高熱伝導性,高電気伝導性,低熱膨張,高強度,耐食性等がある。熱膨張係数の大きな材料では、昇温・降温を繰り返す半導体チップに対する密着性が劣化し、接続不良等のトラブル発生の原因となる。強度が不足すると、素材を複雑形状に加工した場合や使用中の繰返し曲げ作用に劣り、基盤に対するリード先端の差込みに支障をきたす程度に形状が悪化しやすい。
【0003】
なかでも、高熱伝導性は電気・電子機器で発生した熱を外部に放散させる上で、高電気伝導性は導通路における電力損失及びジュール発熱を低減する上で重要な特性であり、何れも電気・電子機器の性能に直接的な影響を及ぼす。ジュール発熱の低減及び発生熱の放散による電気・電子機器の昇温抑制は、電気・電子機器の高性能化,高密度化に伴い従来にも増して要求が過酷になっている。ジュール発熱を低減し発生熱を放散させる上では、リードフレームの素材が電気伝導性,熱伝導性の良好な材料であるほど好ましい。この点、低熱膨張特性に重点をおいたFe―42%Ni合金の使用は、電気・電子機器の昇温抑制を考慮すると適正な材料選択とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電気伝導性,熱伝導性の良好な材料は、銅合金で代表される。しかし、強度が低く、熱膨張係数も大きなことが銅合金の欠点である。銅合金の機械的強度を向上させることには限界があるため、Cuの優れた電気伝導性,熱伝導性を確保しながらも、要求強度を兼ね備えた材料の開発が進められている。
電気伝導性,熱伝導性と機械的強度を両立させる手段として、それぞれの特性を個々の材料に分担させた複合材料が考えられる。具体的には、基材の鋼板で機械的強度を確保し、基材表面に設けたCuめっき層で電気伝導性,熱伝導性を改善したCuめっき鋼板である(特開昭56−43747号公報)。しかし、基材・鋼板上にCuめっき層を単に形成したのでは、電気伝導性,熱伝導性に優れたCuの特性を十分に活用できない。
【0005】
たとえば、リードフレームは、Au線を用いた超音波熱圧着方式による高速ワイヤボンディングで電気・電子機器の内部回路と結線される。この方式でリードフレームにAu線を接合する場合、高速接合で十分な接合信頼性を確保するため、接続部分にAu,Ag等の貴金属めっきを施していた。また、Au,Ag等の部分めっき性を確保するため、Au,Ag等の部分めっきに先立ってNiめっき等をCuめっき層の表面に被着させることもある。何れの場合も余分な工程を必要とし、製造コストの上昇を招く。
【0006】
Cuめっき層に対するAu線の直接接合が可能になると、余分な工程がないので製造工程の簡略化が図られ、製造コストの上昇が抑えられる。そこで、特公平6−1798号公報は、硬度HV50〜100のCuめっき層を膜厚0.5〜5μmで形成した銅合金製リードフレームを紹介している。硬質のCuめっき層を形成した銅合金製リードフレームを使用すると、Au,Ag等のめっきを必要とせずAu線の直接接合が可能になる。また、高強度で低熱膨張特性を呈するステンレス冷延鋼帯に膜厚3μm程度のCuめっき層を形成した母材にAu線をワイヤボンディングすると、良好な接合性が得られる。
Cuめっき層は、接合性の向上には膜厚3μm程度で済むが、良好な電気伝導性,熱伝導性を確保するためには膜厚不足である。Cuめっき層の厚膜化によって電気伝導性,熱伝導性を改善できるが、Cuめっき層の厚膜化に伴って高速ワイヤボンディング性が不安定になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、基材,Cuめっき層の硬さ規制により、電気伝導性,熱伝導性向上のためにCuめっき層を厚膜化しても良好なボンディング性でAu線を高速ワイヤボンディングでき、放熱特性,機械的強度にも優れたリードフレームを提供することを目的とする。
【0008】
本発明のステンレス鋼製リードフレームは、その目的を達成するため、C:0.03質量%以下,Cr:11.5〜13.5質量%を含み硬さがHV200以上のステンレス冷延鋼帯を基材とし、膜厚5〜30μmのCuめっき層が基材表面に形成されていることを特徴とする。
Cuめっき層は、高い電気伝導性,熱伝導性を得る上で光沢化剤を含まない無光沢電気Cuめっき層が好ましい。圧延率10%以上の鏡面ロール圧延等でHV100以上にCuめっき層を硬質化すると、ボンディング性が一層向上する。
【0009】
【作用及び実施の形態】
本発明に従ったリードフレームでは、要求される機械的強度を基材のステンレス冷延鋼帯に負担させ、基材表面に設けたCuめっき層で電気伝導性,熱伝導性の向上を図っている。
基材には、銅合金に比較して引張強さ,降伏応力,硬さが格段に大きく、耐食性,加工性にも優れた材料であり、C:0.03質量%以下,Cr:11.5〜13.5質量%を含むステンレス冷延鋼帯が使用される。C含有量の増加に従って硬度が高くなるが、加工性の低下を招くのでC含有量を0.03質量%以下に規制する。また、Cr:11.5〜13.5質量%のマルテンサイト系ステンレス鋼では、リードフレームに要求される繰返し折り曲げ性を確保するため0.03質量%以下のC含有量が必要である。Cr含有量は、耐食性向上のため11.5質量%以上が必要であるが、コストを考慮して13.5質量%に上限を規制する。
【0010】
ステンレス冷延鋼帯の優れた特性は、所定形状のリードフレームに加工した後でも維持される。しかも、振動,衝撃等を弾性変形で吸収し得る材質であるため、不測の外力に対する抵抗力の高いリードフレームが得られる。熱膨張係数も10×10−6程度の低値であることから半導体チップとの間に生じる熱応力が小さく、接合部の劣化が抑えられる。
ステンレス冷延鋼帯は、冷間圧延条件の調整やショットピーニング,焼入れ・焼戻し,時効硬化等の硬化処理によってHV200以上の硬さに調質されている。HV200以上の硬さは、要求される機械的特性をリードフレームに付与すると共に、高速でワイヤボンディングする際のボンディング性を安定的に向上させることにも作用する。硬さが不足すると、ワイヤボンディング時にAu線とCuめっき層との間の拡散反応が十分に進行せず、接合不良が生じやすくなる。
【0011】
基材・ステンレス冷延鋼帯の表面に電気めっき法で膜厚5〜30μmのCuめっき層が形成される。基材・ステンレス冷延鋼帯の表面に密着性の良好なCuめっき層を形成するためには、不動態皮膜を予め除去して基材表面を活性化する必要がある。そこで、通常の脱脂,酸洗処理後に、不動態皮膜を除去しながら膜厚0.05〜0.3μm程度のNiストライクめっきを施すことが好ましい。Niストライクめっきには、たとえば塩化ニッケル240g/l,塩酸125ml/lのめっき液中を用い、室温,5〜10A/dm2,20〜120秒の条件下で電気めっきする。
電気Cuめっきには、光沢化剤を添加していない硫酸銅浴,ほうフッ化銅浴,ピロリン酸銅浴等が使用可能であるが、経済性の点から硫酸銅浴が好ましい。光沢化剤無添加のめっき浴から得られたCuめっき層は、光沢化剤が分散していないためCu本来の優れた電気伝導性,熱伝導性が活かされるだけでなく、Au線とのワイヤボンディング時に光沢化剤が原因と考えられる接合性の低下が防止される。
硫酸銅浴を用いた電気Cuめっきでは、膜厚0.05〜0.3μmでNiストライクめっき層を形成したステンレス冷延鋼帯を基材に使用し、たとえば浴組成が硫酸銅200g/l,硫酸50g/lで浴温20〜60℃の銅めっき浴にステンレス冷延鋼帯を浸漬すると、鋼帯表面にCuが電析する。Cuめっき層の膜厚は電流密度,通電時間で制御され、5A/dm2,270秒以上の通電条件でCuめっき層が5μm以上の膜厚に成長する。
【0012】
Cuめっき層は、Cu本来の優れた電気伝導性,熱伝導性を確保するため膜厚5μm以上で形成される。Cuめっき層を厚膜化するほど電気伝導性,熱伝導性が向上する。しかし、30μmを超える厚膜でCuめっき層を形成すると、Cuめっき層をHV100以上に硬質化しても加工性,ボンディング性の低下が避けられない。
厚膜のCuめっき層による加工性の低下は、リードフレーム形状への成形加工時に基材ステンレス鋼と金型との間に介在する軟質のCuめっき層が焼付き等の加工欠陥を発生させることに起因するが、ボンディング性の低下は次のように考えられる。
【0013】
超音波加熱圧着法でAu線をリードフレームにワイヤボンディングする際、Au線とリードフレームとの間で金属成分が拡散することによりAu線がリードフレームに接合される。この接合反応を前提にすると高温,高加圧力ほどボンディング性の向上が期待できるが、温度を上げすぎるとリードフレームの熱的損傷が大きくなり、N2+H2の還元雰囲気中においても微量の水分や酸素によってCuめっき層の表面が酸化され、ボンディング性が低下してしまう。Cuめっき層の表面酸化に起因する悪影響なくボンディング性を向上させる上では、接合温度を過度に高くせずに加圧力を増加させることが実際的である。
【0014】
ところが、加圧力を大きく設定してワイヤボンディングすると、通常はHV50〜100と軟らかい無光沢Cuめっき層1がAu線2の圧入により塑性変形し、拡散接合に寄与する加圧力の作用が損なわれる。基材・ステンレス鋼3の硬さが不足する場合にも、Au線の圧入で塑性変形したCuめっき層が基材に押し込まれ、同様に拡散接合に寄与する加圧力の作用が損なわれる(図1)。その結果、リードフレームに対するAu線2の接合が不良となる。
これに対し、HV200以上の硬さに調質した基材・ステンレス鋼3では、Au線2の圧入に抗する反力が基材3で得られ、Cuめっき層1の塑性変形が抑えられるので、Cuめっき層1/Au線2間で拡散反応が十分に進行し、健全な接合部4が形成される。比較的薄いCuめっき層1を形成したリードフレームでは接合部4の形成に必要な拡散反応を基材・ステンレス鋼3の硬さで保証できる。
【0015】
基材・ステンレス鋼3の硬さが拡散反応に及ぼす影響は、電気伝導性,熱伝導性を向上させるためにCuめっき層1を厚く形成するほど少なくなる。この場合、Cuめっき層1自体をHV200以上に硬質化すると、Au線2の圧入時にCuめっき層1の塑性変形が抑制される。硬質化したCuめっき層1では、Au線2の圧入に抗する反力が基材・ステンレス鋼3に加えCuめっき層1でも得られ、Cuめっき層1/Au線2間で拡散反応が十分に進行し、健全な接合部4が形成される(図2)。
【0016】
HV200以上の硬さは、電気めっき後のCuめっきステンレス鋼板を圧下率10%以上で鏡面ロール圧延することにより達成される。鏡面ロール圧延は、圧延後のCuめっき層1を平滑化して光沢を付与するので、リードフレームの商品価値を上げることにも役立つ。勿論、鏡面ロール圧延に代え、通常のロール圧延やショットピーニング等によってもHV200以上の硬さにCuめっき層1を調質できる。
【0017】
基材・ステンレス鋼3,Cuめっき層1の硬質化により、Cuめっき層1を比較的厚く形成しても高速ワイヤボンディング時にボンディング性が不安定化することなく、健全な接合部4を介しAu線2がリードフレームに接合される。そのため、Cu本来の優れた電気伝導性,熱伝導性が活用され、基材・ステンレス鋼3によって高強度化されたリードフレームが得られる。しかも、リードフレームを薄肉化しても、従来の銅合金製に比較して十分な強度が確保されるので軽量化・小型化が可能で、形状精度が高く疲労特性に優れたリードフレームとなる。
【0018】
【実施例】
板厚0.25mmのNSS410M1ステンレス冷延鋼帯を仕上げ圧延の圧下率制御によりHV210に硬質化した基材を使用し、表1に示す電気めっき条件でCuめっき層を基材表面に形成した。Cuめっき層の膜厚は、通電時間によって種々変更した。
【0019】
【0020】
Cuめっき層が形成されたステンレス冷延鋼帯から試験片を切り出し、電気伝導性を調査した。電気伝導性試験では、JIS H0505に基づき幅20mm,長さ350mmの平均断面積法に従って平均断面積を測定した試験片を電極間距離300mmに設定し、4探針法で測定した体積抵抗率から導電率を算出した。
無光沢電気Cuめっき層を形成した試験片は、電気伝導性,熱伝導性が比較的劣るステンレス鋼を基材にしているにも拘らず、Cuめっき層の厚膜化に応じて電気伝導性が向上し、リードフレームの要求特性を十分に満足する電気伝導性を示した。
光沢化剤を含むCuめっき層を形成した試験片においても、Cuめっき層の厚膜化に伴い電気伝導性が向上したが、無光沢電気Cuめっき層に比較すると電気伝導性の向上度合いが劣っていた。
【0021】
【0022】
高い電気伝導性,熱伝導性を示した無光沢Cuめっきステンレス鋼帯(NSS410M1),現行の42Ni合金,Cu合金について、機械的強度,加工性を調査した。機械試験では、JISZ2201で規定されている金属材料引張試験片13号Bを用い、JIS Z2241による金属材料引張試験で強度,伸びを測定した。加工試験では、長手方向を圧延方向に一致させて切り出した幅10mm,60mmの試験片を用い、JIS Z2248に規定される金属材料曲げ試験(V曲げ試験:R=1t)後に曲げ部を調査し、割れが発生した試験片を×,割れのない試験片を○として加工性を評価した。
表3の試験結果にみられるように、Cuめっきしたステンレス鋼は、機械的強度が610〜645N/mm2であり、42Ni合金や銅合金に比較すると高強度の材料である。加工性評価においても、曲げ部に割れ等の欠陥発生が検出されなかった。
【0023】
【0024】
更に、基材,Cuめっき層の硬さがボンディング性に及ぼす影響を調査するため、種々の硬さに調質した板厚0.25mmのステンレス冷延鋼帯に膜厚10μmのCuめっき層を形成した後、Cuめっき層を鏡面ロール圧延により硬質化したCuめっきステンレス鋼帯を製造した。ステンレス冷延鋼帯,Cuめっき層の硬さは、仕上げ圧延時,鏡面ロール圧延時の圧下率により調節した。圧下率とステンレス冷延鋼帯,Cuめっき層の硬さとの関係を表4に示す。
【0025】
【0026】
各Cuめっきステンレス鋼帯から試験片を切り出し、径30μmのAu線を超音波併用熱圧着式ワイヤボンディング装置で1サンプルにつき20箇所をワイヤボンディングした。なお、ワイヤボンディング条件は、雰囲気N2+10%H2,プレート温度300℃,荷重50gに設定した。
ワイヤボンディング後、レスカー社製PTR−10を用いて0.2mm/秒でプルテストし、Au線の切断強度及び切断位置を測定した。ワイヤ引張り位置からAu線が切断された場合を十分な接合強度,接合個所(ステッチ)でAu線が破断した場合を不十分な接合強度としてボンディング性を評価した。
【0027】
ワイヤボンディングの試験結果を示す表5にみられるように、HV200以上の硬さに調質したステンレス冷延鋼帯を基材に用いたリードフレームは、高速ワイヤボンディングにおいて安定したボンディング性を示した。プルテストによるAu線の平均引張り強度が5g以上となっており、ワイヤ切断位置も全てAu線引張り位置であった。この結果は、リードフレームに対してAu線が安定して接合されていることを示す。なかでも、基材の硬質化に加えCuめっき層をHV100以上に硬質化したリードフレームでは、一層高い強度でAu線が接合された。優れた接合強度は、Cuめっき層を30μmと厚膜化したリードフレームでも維持されていた。
【0028】
これに対し、硬さがHV200に達しないステンレス冷延鋼帯を基材に用いたリードフレームでは、Au線の平均引張り強度が5g未満と小さく、3g未満の引張り強度で切断するAu線も散見された。引張り強度の小さな試験番号1の接合部を観察したところ、Cuめっき層/Au線の界面にボイド(隙間)が検出され、Cuめっき層/Au線の間で十分な拡散反応が生じなかったことが判った。引張り強度は、Cuめっき層が厚膜になるほど低下する傾向にあった。
【0029】
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、HV200以上の硬さに調質したステンレス冷延鋼帯を基材に使用してCuめっき層を基材表面に形成すると、Cuめっき層が比較的厚い場合でも高速ワイヤボンディング時にボンディング性が不安定化せず、十分な接合強度でAu線を接合できるリードフレームが得られる。そのため、電気伝導性,熱伝導性の向上に有効な5μm以上の膜厚でCuめっき層を形成でき、機械的特性,耐食性の良好なステンレス冷延鋼帯を基材に使用していることから薄肉化,小型化しても十分な機械強度をもつリードフレームとなる。このように放熱特性に優れ、軽量化,小型化に適しているため、高密度化,高性能化が進められている電気・電子機器に好適なリードフレームとして使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】基材・ステンレス冷延鋼帯,Cuめっき層の硬さが不足する場合にボンディング性が劣ることを説明する図
【図2】硬さ調節によって良好なボンディング性でリードフレームにAu線が接合されることを説明する図
【符号の説明】
1:Cuめっき層 2:Au線 3:基材・ステンレス鋼 4:接合部
Claims (3)
- C:0.03質量%以下,Cr:11.5〜13.5質量%を含み硬さがHV200以上のステンレス冷延鋼帯を基材とし、膜厚5〜30μmのCuめっき層が基材表面に形成されていることを特徴とするステンレス鋼製リードフレーム。
- Cuめっき層が光沢化剤を含まない無光沢電気Cuめっき層である請求項1記載のステンレス鋼製リードフレーム。
- Cuめっき層がHV100以上に硬質化されている請求項1記載のステンレス鋼製リードフレーム。
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