JP2004172237A - 光送信制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際の、光出力の緩和振動に対する入力電流のOFFタイミングを適正化することにより、光出力の立下り波形の改善を行う。
【解決手段】半導体レーザと、半導体レーザから光信号を出力させるための半導体レーザ駆動部と、半導体レーザから出力された光信号をモニタするモニタ用受光素子と、モニタ用受光素子によってモニタされた光信号出力波形の立下り状態を検出する波形検出手段と、波形検出手段の検出結果に基づいて、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係を調整し、それによって光信号出力波形の立下り部の緩和振動を低減する位相関係調整手段とで構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザと、半導体レーザから光信号を出力させるための半導体レーザ駆動部と、半導体レーザから出力された光信号をモニタするモニタ用受光素子と、モニタ用受光素子によってモニタされた光信号出力波形の立下り状態を検出する波形検出手段と、波形検出手段の検出結果に基づいて、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係を調整し、それによって光信号出力波形の立下り部の緩和振動を低減する位相関係調整手段とで構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信制御装置に関し、さらに詳しくは、光通信の分野で用いられ、光信号送信用の光源として半導体レーザを用いる光送信制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の大容量化、通信速度の高速化にともない、情報の伝送手段として光通信が用いられることが多くなっている。光通信は現在、通信幹線系での使用が主になっているが、今後はオフィスや家庭内での情報化に対応した機器間通信及びネットワーク化において用いられることが予測されており、普及が期待されている。光通信を行うためには、通信媒体である光ファイバ及び光を送受信するための送受信装置が用いられる。
【0003】
通信分野においては、より短時間により多くの情報を伝達させるために、通信速度の向上に対する要求が強く、光通信においてもその例外ではない。光通信における通信速度の高速化については、高速な光変調が可能で安価な光源が必要である。この要求に対しては、近年、数百Mbps〜1Gbps程度で直接変調ができる半導体レーザがよく用いられる。それ以上の速度が要求される幹線系等では、レーザ光を外部変調器を用いて変調しているが、機器の構成が複雑でかつ高価であるため、民生用途には不向きである。現状では民生用途での通信速度は1Gbpsもあれば十分であるという認識が一般的である。
【0004】
また、光通信システムを安価に構築するために、媒体として低価格であり、機器との接続性に優れたプラスチックファイバを用いることが望まれている。この場合の光源として、近年普及が目覚しいDVD機器用レーザである赤色(λ=650nm近傍)半導体レーザが使用できるため、光源も安価に入手できるという利点がある。
【0005】
さて、直接変調による半導体レーザの駆動であるが、変調速度が100Mbps程度以下であれば、特に難しくはないが、数百Mbps以上の変調となると、以下に記すいくつかの課題を解決する必要が生ずる。
【0006】
(1)半導体レーザを駆動する駆動回路への変調入力信号品質の確保。
(2)駆動回路の高速化。
(3)半導体レーザと駆動回路間の回路、配線の工夫。
【0007】
これらの課題に対して従来の対処法として、
(1)駆動回路の入力にPECL(Positive Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の小振幅で、高速なインターフェースを採用する。
(2)駆動回路を集積化しかつBiCMOSや化合物半導体といった高速動作に適した半導体プロセスを採用する。
(3)半導体レーザと駆動回路間のインピーダンスマッチングをとり、配線長を最短にして信号の高速化をはばむインダクタンス成分を極力少なくする。
等が挙げられる。例えば、(3)に関しては、高速な半導体レーザ駆動に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−327617号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体レーザの駆動方法は、半導体レーザに発振閾値電流をバイアスとして常に与えておき、さらに変調電流を足し込むことで変調光を得るというものであった。しかしながら、近年では、通信速度の高速化とともに、機器の低消費電力化が望まれている。これに対応するための半導体レーザの駆動方法として、前記のバイアス電流を低減して駆動するということが考えられる。
【0010】
半導体レーザを発振閾値以下のバイアス電流から変調した場合、レーザの発振遅延が発生する。しかし、この点については、システムの仕様の許す範囲内で使用すれば問題ないと考えられ、また、遅延したパルス幅を補償するように半導体レーザを駆動制御すればよい。
【0011】
半導体レーザを発振閾値以下のバイアス電流から変調した場合に特に問題となるのは、光信号出力(以後単に「光出力」ともいう)に緩和振動が顕著に発生することである。この場合、変調信号周波数が高速になると、緩和振動が収まらないうちに変調が行われることになる。この時、光出力の立下り波形(光出力波形の立下り部)は緩和振動の影響を受ける。
【0012】
光出力の緩和振動について、図5を用いて簡単に説明する(図5の実線波形参照)。半導体レーザに発振閾値電流以下のバイアス電流Ibを与えておき、時間t=t0に電流Iに立ち上げると、半導体レーザ内の注入電子密度(注入キャリア密度)nはバイアス時のnbから時定数τn(=電子のライフタイム)で指数関数的に増加する。時間td後にnが閾電子密度nthに達すると、レーザから光が出力され始め、光子密度は急速に増加する。
【0013】
その後、nはnthを越えて増加を続けるが、nphが増加する(光が放出される)とともにnは減少に転ずる。nがnthにまで低下すると、以後nphは減少に転じ、nphが充分小さくなるとnth以下に減少したnは再び増加に転じてnthに達し、上記動作を繰り返す。この動作を何回か繰り返して定常状態に落ち着く。この過渡現象を緩和振動という。この緩和振動の振動周波数frは近似的に式(i)で示され、通常fr=数百MHz〜数GHzといわれている。(ただし、τphは共振器内光子のライフタイム)。
fr=1/(2π)×(1/(τn・τph))1/2×((I−Ith)/Ith)1/2 ・・・(i)
【0014】
次に、入力電流(入力信号)がいつOFFになるかということを考える。緩和振動終了後にOFFする場合は光出力の立下り波形は緩和振動の影響を受けないが、緩和振動中にOFFした場合は、光出力の立下り波形が緩和振動の影響を受ける。図5では、OFFタイミングが時間t1、t2、t3、t4の4つの場合を示した。これは、注入電子密度nの変化の1周期(=緩和振動の1周期)中から代表的な4つの点を選んだものである。t1はnが増加から減少に転じる付近、t2はnが減少中でnth付近、t3はnが減少から増加に転じる付近、t4はnが増加中でnth付近である。
【0015】
これらの時間t1〜t4で入力電流(入力信号)がOFFになった時の波形を図5の▲1▼〜▲4▼に示す。これらからわかるように、各OFFタイミングによって光子密度変化(=光出力波形)の立下り波形の様子が変わってくる。波形▲1▼、波形▲2▼に対して、波形▲3▼、波形▲4▼は、入力信号OFFタイミング後も注入電子密度nが増加するために、nがnthを超える部分で光が放出される。すなわち、入力信号OFFタイミング後からさらに光波形に振動の山が現れる。これにより、光出力の立下り波形が悪化し、また、立下り時間が長くかかる。このような光波形であると、通信時の波形においてEye開口が確保されず通信品質が著しく低下する。また、通信品質を確保するために通信速度を低下させざるを得なくなる。
【0016】
以上の説明からわかるように、半導体レーザを低電力駆動のために発振閾値以下からの高速駆動を行うと、光出力波形の立下り部は緩和振動と入力信号タイミングにより影響を受け、通信品質があるいは低下、あるいは高速化をはばむ。
この課題については、上記で述べた従来技術の解決方法では対処できない。
【0017】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際の、光出力の緩和振動に対する入力電流のOFFタイミングを適正化することにより、光出力の立下り波形の改善を行うことを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザと、半導体レーザから光信号を出力させるための半導体レーザ駆動部と、半導体レーザから出力された光信号をモニタするモニタ用受光素子と、モニタ用受光素子によってモニタされた光信号出力波形の立下り状態を検出する波形検出手段と、波形検出手段の検出結果に基づいて、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係を調整し、それによって光信号出力波形の立下り部の緩和振動を低減する位相関係調整手段とを備えてなる光送信制御装置である。
【0019】
本発明によれば、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係が調整され、光信号出力波形の立下り部の緩和振動が低減される。これにより光信号出力波形の立下り部が過渡的に振動することなくスムーズにオフされ、光信号による通信品質の低下を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明においては、低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際の、光出力の緩和振動に対する入力電流のOFFタイミングを、位相関係調整手段によって適正化することにより、光出力の立下り波形の改善を行う。
【0021】
位相関係調整手段としては次の3つがある。
(1)バイアス電流設定手段
バイアス電流設定手段によって、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を、発振閾値電流の値よりも小さい値の範囲で調整することで、入力電流に対する光信号出力の遅延時間を変化させ、それによって入力電流の立下りの時期に対して、光信号出力の緩和振動の位相を変化させる。
【0022】
すなわち、入力信号(入力電流)のONの時期に対して、光出力の立上りタイミング(光出力遅れ時間)を変えることにより、入力信号のOFFの時期に対する光出力の緩和振動の位相を変化させる。光出力の立上りタイミングを変える手段として、バイアス電流設定手段を用いる。このバイアス電流設定手段によって、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を変える。これにより、注入電子密度が閾値に達する時間が変わり、入力信号のOFFの時期に対する緩和振動の位相が変化する。
【0023】
この場合、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を調整することによって生ずる、入力電流に対する光出力の遅延時間の変化は、光出力の緩和振動周期の1周期分以内で十分である。
【0024】
(2)変調電流設定手段
変調電流設定手段によって、半導体レーザに与える入力電流の値を調整することで、光信号出力の緩和振動の周波数を変化させ、それによって入力電流の立下りの時期に対して、光信号出力の緩和振動の位相を変化させる。
【0025】
すなわち、光出力の緩和振動の周波数を変えることにより、入力信号のOFFの時期に対する緩和振動の位相を変化させる。式(i)から分かるように、緩和振動の周波数は変調電流(入力電流)Iの値が大きいほど高くなる。このため、緩和振動の周波数を変える手段として、変調電流設定手段を用いる。この変調電流設定手段によって、半導体レーザに与える変調電流の値を変える。これにより、緩和振動の周波数が変わり、入力信号のOFFの時期に対する緩和振動の位相が変化する。
【0026】
(3)入力信号制御手段
入力信号制御手段によって、入力電流のオフの時期を調整し、それによって入力電流の立下りの時期を、光信号出力の緩和振動の位相に対して変化させる。
すなわち、光出力の緩和振動に対して、入力信号のOFFのタイミングを変えることにより、緩和振動に対する入力信号OFFの位相を変化させる。
【0027】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、この発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
【0028】
図1を用いて実施形態1を説明する。本実施形態は位相関係調整手段としてバイアス電流設定手段を適用した例である。
入力部1は光送信信号のI/F部であり、例えばPECLやLVDS信号レベルのI/Fである。入力部1からは、LDドライブ部2に対応したレベルの信号が出力され、LDドライブ部2に入力される。LDドライブ部2は、半導体レーザ(以下、半導体レーザを「LD」と記す)LD3を駆動する回路であり、設定されたバイアス電流及び変調電流に基づいてLDを駆動する。
【0029】
モニタPD部4は、LD駆動により出射されたLD光の一部を受光する回路であり、ここで受光した光信号を光/電圧変換する。光/電圧変換には、例えば、受光素子にPINフォトダイオードを用い、PINフォトダイオードを流れる励起電流を電流/電圧変換する等の手段がある。
【0030】
波形検出部5は、モニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出する回路である。この検出方法は後で述べる。波形検出部5の検出結果はバイアス電流設定部6に入力される。
【0031】
上述したように、LDのバイアス電流を変化させると、光出力遅れ時間を変化させることができ、入力信号OFFタイミングと光出力の緩和振動との位相関係を変えられる。バイアス電流設定部6は、LDドライブ部2が駆動するLDバイアス電流を設定する回路である。すなわち、バイアス電流設定部6は光出力の遅延時間を変化させる手段となっている。波形検出部5の検出結果に基づいて、バイアス電流設定部6はLD3に与えるバイアス電流値を設定する。
【0032】
次に、動作の説明をする。入力部1よりLDドライブ部2に信号が入力されると、LDドライブ部2は、バイアス電流設定部6で設定されたバイアス電流値からLD3を駆動する。変調電流値は予め定められた値で駆動される。LD3はドライブに応じた光出力を出射する。出射光は、図示しない光学系を経て送信媒体である光ファイバに導かれ、これが送信光となる。また、LD3の出射光の一部はモニタPD部4にも導かれる。
【0033】
モニタPD部4が受光した光信号は、モニタPD部内の受光素子及び処理回路により電圧信号に変換されるが、この変換部の周波数帯域により帯域制限を受ける。この帯域は、受光した光波形をモニタするために、少なくとも光通信信号を受信する受信器側回路程度の帯域が必要である。
【0034】
モニタPD部4で受光した光信号を電圧変換した後の波形は、すでに述べたように、入力信号OFFと緩和振動との位相関係によって変化する。この様子を図6に示す。図中の波形a〜波形dは、図5で説明した入力信号OFFと緩和振動との位相関係が波形▲1▼〜波形▲4▼である時に対応している。モニタPD部4の帯域制限のために、もとの光波形よりは高周波領域が制限されて若干なまったような波形になる。この電圧信号がモニタPD部4から波形検出部5に出力される。
【0035】
波形検出部5ではモニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出する。立下り状態は、例えば次のように検出される。図6で、予め定められた基準入力信号(パルス幅tw)を与えた時、入力信号のOFFから定められた基準時間tf後の電圧レベルをA/D変換等で検出する。検出された電圧レベルが定められた基準電圧値Vth以下であれば所定時間内に信号が立ち下がっているものとし、検出結果「OK」を出力する。Vthを超えていれば所定時間内に信号が立ち下がっていないものとし、検出結果「NG」を出力する。図6では、波形aと波形bが「OK」であり、波形cと波形dが「NG」である。波形検出部5の出力はバイアス電流設定部6に入力される。
【0036】
バイアス電流設定部6は波形検出部5の結果に基づいて、LDドライブ部2のバイアス電流設定値を変化させる。
【0037】
図7はバイアス電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。まず、バイアス電流設定用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)を、下限バイアス値でLDドライブ部2で駆動する(ステップS1〜ステップS3)。
【0038】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS4)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS5)。「OK」であればバイアス電流値が確定される(ステップS6)。ステップS5で「NG」と判断されれば、バイアス電流設定部6はバイアス電流値を所定量だけ大きく設定する(ステップS7)。
【0039】
この時、バイアス量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS8)、上限値でなければ設定バイアス値で再びLD3がドライブされて(ステップS3)、バイアス値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS3,S4,S5,S7,S8)。ステップS8でバイアス値が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS9)。
【0040】
ステップS2における下限バイアス値及びステップS8における上限バイアス値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0041】
なお、上記バイアス値の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この時、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、バイアス値の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS9)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0042】
次に、図2を用いて実施形態2を説明する。本実施形態は位相関係調整手段として変調電流設定手段を適用した例である。
本実施形態では、実施形態1のバイアス電流設定部6に代えて、変調電流設定部7を設けている。上述したように、LD3の変調電流を変化させると、光出力の緩和振動の周波数を変化させることができ、入力信号OFFタイミングと緩和振動との位相関係を調整することができる。変調電流設定部7は、LDドライブ部2が駆動するLD変調電流を設定する回路である。すなわち、変調電流設定部7は緩和振動の周波数を変化させる手段となっている。波形検出部5の検出結果に基づいて、変調電流設定部7は変調電流値を設定する。
【0043】
動作の説明をする。入力部1よりLDドライブ部2に信号が入力されると、LDドライブ部2は、変調電流設定部7で設定された変調電流でLD3を駆動する。バイアス電流値はあらかじめ定められた値で駆動される。LD3はドライブに応じた光出力を出射する。出射光は、図示しない光学系を経て送信媒体である光ファイバに導かれ、これが送信光となる。また、LD3の出射光の一部はモニタPD部4にも導かれる。モニタPD部4が受光した光信号は、すでに述べたようにモニタPD部内の受光素子及び処理回路により電圧信号に変換され、波形検出部5に出力される。波形検出部5ではすでに述べたように、モニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出し、その結果を出力する。変調電流設定部7は波形検出部5の検出結果に基づいて、LDドライブ部2の変調電流の設定値を変化させる。
【0044】
図8は変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
まず、変調電流設定用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)を、下限変調電流値でLDドライブ部2で駆動する(ステップS11〜ステップS13)。バイアス電流値はあらかじめ定められた値で駆動される。
【0045】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS14)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS15)。「OK」であればバイアス値が確定される(ステップS16)。ステップS15で「NG」と判断されれば、変調電流設定部7は変調電流値を所定量だけ大きく設定する(ステップS17)。
【0046】
この時、変調電流量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS18)、上限値でなければ設定変調電流値で再びLD3がドライブされて(ステップS13)、変調電流値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS13,S14,S15,S17,S18)。ステップS18で変調電流値が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS19)。
バイアス電流設定値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0047】
なお、上記変調電流値の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この場合、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、変調電流値の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS19)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0048】
次に、図3を用いて実施形態3を説明する。本形態は位相関係調整手段としてバイアス電流設定手段と変調電流設定手段との両方を適用した例である。
上記2つの実施形態では、バイアス電流設定部6にはバイアス設定値の上限および下限値が決められている。また、変調電流設定部7には変調電流設定値の上限および下限値が決められている。このように、各設定部は、それぞれ一定の範囲内でしか各設定値を変化させることができない。しかし、一方の設定部を用いただけではシステムエラーと判断されるような場合でも、両方の設定部を組み合わせることで立下り状態が「OK」となる場合がある。本実施形態はこれに対応したものである。
【0049】
本実施形態では、実施形態1のバイアス電流設定部6と実施形態2の変調電流設定部7とを組み合わせている。
【0050】
動作の説明をする。入力部1よりLDドライブ部2に信号が入力されると、LDドライブ部2は、バイアス電流設定部6及び変調電流設定部7で設定されたバイアス電流及び変調電流でLD3を駆動する。LD3はドライブに応じた光出力を出射する。出射光は、図示しない光学系を経て送信媒体である光ファイバに導かれ、これが送信光となる。また、LD3の出射光の一部はモニタPD部4にも導かれる。モニタPD部4が受光した光信号は、すでに述べたようにモニタPD部内の受光素子及び処理回路により電圧信号に変換され、波形検出部5に出力される。波形検出部5ではすでに述べたように、モニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出し、その結果を出力する。バイアス電流設定部6及び変調電流設定部7は、波形検出部5の検出結果に基づいて、バイアス電流値及び変調電流値を変化させる。
【0051】
図9はバイアス電流値及び変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
まず、バイアス電流及び変調電流設定用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)を、下限バイアス値及び下限変調電流値でLDドライブ部2で駆動する(ステップS21〜ステップS23)。
【0052】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS24)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS25)。「OK」であればバイアス値及び変調電流値が確定される(ステップS26)。ステップS25で「NG」と判断されれば、バイアス電流設定部6はバイアス値を所定量だけ大きく設定する(ステップS27)。
【0053】
この時、バイアス量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS28)、上限値でなければ設定バイアス値で再びLD3がドライブされて(ステップS23)、バイアス値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS23,S24,S25,S27,S28)。ステップS28でバイアス値が上限値であると判断されれば、次にバイアス値を下限値に戻して、変調電流値を所定量だけ大きく設定する(ステップS29)。
【0054】
この時、変調電流値の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS30)、上限値でなければ設定バイアス値で再びLD3がドライブされて(ステップS23)、変調電流値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS23,S24,S25,S27,S28,S29,S30)。ステップS30で変調電流値が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS31)。
【0055】
ステップS22における下限バイアス値及びステップS28における上限バイアス値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0056】
なお、上記バイアス値の設定及び変調電流値の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この場合、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、バイアス値と変調電流値の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS31)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0057】
次に、図4を用いて実施形態4を説明する。本実施形態は位相関係調整手段として入力信号制御手段を適用した例である。
本実施形態では、実施形態1のバイアス電流設定部6に代えて、入力信号制御部8を入力部1とLDドライブ部2との間に設けている。入力信号制御部8は、入力信号のOFFタイミングを調整する回路であり、これを用いることで入力信号OFFと光出力の緩和振動との位相関係を調整する。
【0058】
入力信号のOFFタイミングを変化させる方法の例を図10〜図12を用いて説明する。
図10は図4の入力信号制御部8を詳細に示したものである。入力部1からの信号は入力信号制御部8に入力されると、そのままOR部10に入力される信号と、Delay部9を経てOR部10に入力される信号とに分かれる。Delay部9は波形検出部5の信号に基づいて、入力信号に遅延をかけるための遅延信号を出力する。OR部10は、入力信号と遅延信号との2つの信号の論理和を出力する。
【0059】
図11のタイムチャートに示すように、入力信号制御部8への入力信号(パルス幅p1)はDelay部9で時間p2だけ遅延してOR部10に出力される。OR部では入力信号と遅延信号との2つの信号の論理和であるOR信号が出力される。OR信号のパルス幅はp1+p2となり、もとの入力信号に対して信号OFFのタイミングが遅延量p2だけ変化した信号となる。この遅延量p2を可変できるようにDelay部9を構成しておけば、入力信号のOFFタイミングを変化させることができる。遅延量を可変できる遅延素子はプログラマブル信号遅延ICとしてすでに公知であり、このICを制御することで容易に実現できる。
【0060】
入力信号制御部8は、波形検出部5の検出結果に基づいて入力信号のOFFタイミングを変化させた信号をLDドライブ部2に入力する。
【0061】
図12は入力信号制御部8で入力信号のOFFタイミングを変化させる時の処理内容を示すフローチャートである。
まず、入力信号OFFタイミング調整用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)をDelay量=0でLDをドライブする。(ステップS41〜ステップS43)。バイアス電流値及び変調電流値はあらかじめ定められた値で駆動される。
【0062】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS44)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS45)。「OK」であればDelay量が確定される(ステップS46)。ステップS45で「NG」と判断されれば、入力信号制御部8はDelay量を所定量だけ大きく設定する(ステップS47)。
【0063】
この時、Delay量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS48)、上限値でなければ設定Delay量で再びLDがドライブされて(ステップS43)、Delay量が確定するまでこの動作を続ける(ステップS43,S44,S45,S47,S48)。ステップS48でDelay量が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS49)。
【0064】
バイアス電流設定値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0065】
なお、上記Delay量の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この場合、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、Delay量の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS49)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0066】
以上の実施形態で述べたバイアス電流の上限・下限値、変調電流の上限・下限値、及びDelay量の上限・下限値の決め方であるが、これらを変化させる目的は、LDの光出力の緩和振動と入力信号OFFとの位相関係を調整するものであるので、緩和振動周期の1周期分に対して入力信号OFFタイミングが調整できればよい。したがって、バイアス電流、変調電流及びDelay量の上限・下限値は、それらを変化させることで、LDの光出力の緩和振動と入力信号OFFとの位相関係が緩和振動周期の1周期分の範囲で調整できるように設定しておけばよい。
【0067】
また、バイアス電流の上限・下限値、変調電流の上限・下限値、及びDelay量の上限・下限値を変化させることで、出力される光のパルス幅、消光比、あるいはピークパワー等が変化することが予想される。したがって、これら変化については、変化後の値であっても、使用する通信規格の規格値(パルス幅歪み許容範囲、消光比許容範囲、光出力許容範囲等)を満足できる範囲内で、下限値、上限値を設定することが望ましい。
【0068】
なお、上記した基準入力信号は、各設定用に1種類であっても複数種類であってもよい。
【0069】
このようにして、低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際、入力電流OFFの時期と光出力の緩和振動における変化の時期との位相関係を調整することにより、光出力波形の立下り部の緩和振動を低減する。これにより光出力波形の立下り部の過渡的な振動を抑制し、光信号による通信品質の低下を防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体レーザを用いた光送信において、光信号出力波形の立下り部の緩和振動が低減されるように光信号出力を制御するので、光信号出力の立下り時間を速め、Eye開口を確保し、良好な光信号品質を得ることができ、安定した通信が可能となる。また、発信閾値電流以下からのレーザ駆動であるため、送信器として低消費電力駆動が可能となり、この効果で装置の放熱設計の簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態2の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態3の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態4の構成を示す説明図である。
【図5】光出力の緩和振動の説明図である。
【図6】入力信号OFFと緩和振動との位相関係を示す説明図である。
【図7】実施形態1におけるバイアス電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
【図8】実施形態2における変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
【図9】実施形態3におけるバイアス電流値及び変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
【図10】図4の入力信号制御部を詳細に示した説明図である。
【図11】実施形態4における入力信号のOFFタイミングの遅延量を説明図するタイムチャートである。
【図12】入力信号制御部8で入力信号のOFFタイミングを変化させる時の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力部
2 LDドライブ部
3 LD
4 モニタPD部
5 波形検出部
6 バイアス電流設定部
7 変調電流設定部
8 入力信号制御部
9 Delay部
10 OR部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信制御装置に関し、さらに詳しくは、光通信の分野で用いられ、光信号送信用の光源として半導体レーザを用いる光送信制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の大容量化、通信速度の高速化にともない、情報の伝送手段として光通信が用いられることが多くなっている。光通信は現在、通信幹線系での使用が主になっているが、今後はオフィスや家庭内での情報化に対応した機器間通信及びネットワーク化において用いられることが予測されており、普及が期待されている。光通信を行うためには、通信媒体である光ファイバ及び光を送受信するための送受信装置が用いられる。
【0003】
通信分野においては、より短時間により多くの情報を伝達させるために、通信速度の向上に対する要求が強く、光通信においてもその例外ではない。光通信における通信速度の高速化については、高速な光変調が可能で安価な光源が必要である。この要求に対しては、近年、数百Mbps〜1Gbps程度で直接変調ができる半導体レーザがよく用いられる。それ以上の速度が要求される幹線系等では、レーザ光を外部変調器を用いて変調しているが、機器の構成が複雑でかつ高価であるため、民生用途には不向きである。現状では民生用途での通信速度は1Gbpsもあれば十分であるという認識が一般的である。
【0004】
また、光通信システムを安価に構築するために、媒体として低価格であり、機器との接続性に優れたプラスチックファイバを用いることが望まれている。この場合の光源として、近年普及が目覚しいDVD機器用レーザである赤色(λ=650nm近傍)半導体レーザが使用できるため、光源も安価に入手できるという利点がある。
【0005】
さて、直接変調による半導体レーザの駆動であるが、変調速度が100Mbps程度以下であれば、特に難しくはないが、数百Mbps以上の変調となると、以下に記すいくつかの課題を解決する必要が生ずる。
【0006】
(1)半導体レーザを駆動する駆動回路への変調入力信号品質の確保。
(2)駆動回路の高速化。
(3)半導体レーザと駆動回路間の回路、配線の工夫。
【0007】
これらの課題に対して従来の対処法として、
(1)駆動回路の入力にPECL(Positive Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の小振幅で、高速なインターフェースを採用する。
(2)駆動回路を集積化しかつBiCMOSや化合物半導体といった高速動作に適した半導体プロセスを採用する。
(3)半導体レーザと駆動回路間のインピーダンスマッチングをとり、配線長を最短にして信号の高速化をはばむインダクタンス成分を極力少なくする。
等が挙げられる。例えば、(3)に関しては、高速な半導体レーザ駆動に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−327617号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体レーザの駆動方法は、半導体レーザに発振閾値電流をバイアスとして常に与えておき、さらに変調電流を足し込むことで変調光を得るというものであった。しかしながら、近年では、通信速度の高速化とともに、機器の低消費電力化が望まれている。これに対応するための半導体レーザの駆動方法として、前記のバイアス電流を低減して駆動するということが考えられる。
【0010】
半導体レーザを発振閾値以下のバイアス電流から変調した場合、レーザの発振遅延が発生する。しかし、この点については、システムの仕様の許す範囲内で使用すれば問題ないと考えられ、また、遅延したパルス幅を補償するように半導体レーザを駆動制御すればよい。
【0011】
半導体レーザを発振閾値以下のバイアス電流から変調した場合に特に問題となるのは、光信号出力(以後単に「光出力」ともいう)に緩和振動が顕著に発生することである。この場合、変調信号周波数が高速になると、緩和振動が収まらないうちに変調が行われることになる。この時、光出力の立下り波形(光出力波形の立下り部)は緩和振動の影響を受ける。
【0012】
光出力の緩和振動について、図5を用いて簡単に説明する(図5の実線波形参照)。半導体レーザに発振閾値電流以下のバイアス電流Ibを与えておき、時間t=t0に電流Iに立ち上げると、半導体レーザ内の注入電子密度(注入キャリア密度)nはバイアス時のnbから時定数τn(=電子のライフタイム)で指数関数的に増加する。時間td後にnが閾電子密度nthに達すると、レーザから光が出力され始め、光子密度は急速に増加する。
【0013】
その後、nはnthを越えて増加を続けるが、nphが増加する(光が放出される)とともにnは減少に転ずる。nがnthにまで低下すると、以後nphは減少に転じ、nphが充分小さくなるとnth以下に減少したnは再び増加に転じてnthに達し、上記動作を繰り返す。この動作を何回か繰り返して定常状態に落ち着く。この過渡現象を緩和振動という。この緩和振動の振動周波数frは近似的に式(i)で示され、通常fr=数百MHz〜数GHzといわれている。(ただし、τphは共振器内光子のライフタイム)。
fr=1/(2π)×(1/(τn・τph))1/2×((I−Ith)/Ith)1/2 ・・・(i)
【0014】
次に、入力電流(入力信号)がいつOFFになるかということを考える。緩和振動終了後にOFFする場合は光出力の立下り波形は緩和振動の影響を受けないが、緩和振動中にOFFした場合は、光出力の立下り波形が緩和振動の影響を受ける。図5では、OFFタイミングが時間t1、t2、t3、t4の4つの場合を示した。これは、注入電子密度nの変化の1周期(=緩和振動の1周期)中から代表的な4つの点を選んだものである。t1はnが増加から減少に転じる付近、t2はnが減少中でnth付近、t3はnが減少から増加に転じる付近、t4はnが増加中でnth付近である。
【0015】
これらの時間t1〜t4で入力電流(入力信号)がOFFになった時の波形を図5の▲1▼〜▲4▼に示す。これらからわかるように、各OFFタイミングによって光子密度変化(=光出力波形)の立下り波形の様子が変わってくる。波形▲1▼、波形▲2▼に対して、波形▲3▼、波形▲4▼は、入力信号OFFタイミング後も注入電子密度nが増加するために、nがnthを超える部分で光が放出される。すなわち、入力信号OFFタイミング後からさらに光波形に振動の山が現れる。これにより、光出力の立下り波形が悪化し、また、立下り時間が長くかかる。このような光波形であると、通信時の波形においてEye開口が確保されず通信品質が著しく低下する。また、通信品質を確保するために通信速度を低下させざるを得なくなる。
【0016】
以上の説明からわかるように、半導体レーザを低電力駆動のために発振閾値以下からの高速駆動を行うと、光出力波形の立下り部は緩和振動と入力信号タイミングにより影響を受け、通信品質があるいは低下、あるいは高速化をはばむ。
この課題については、上記で述べた従来技術の解決方法では対処できない。
【0017】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際の、光出力の緩和振動に対する入力電流のOFFタイミングを適正化することにより、光出力の立下り波形の改善を行うことを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザと、半導体レーザから光信号を出力させるための半導体レーザ駆動部と、半導体レーザから出力された光信号をモニタするモニタ用受光素子と、モニタ用受光素子によってモニタされた光信号出力波形の立下り状態を検出する波形検出手段と、波形検出手段の検出結果に基づいて、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係を調整し、それによって光信号出力波形の立下り部の緩和振動を低減する位相関係調整手段とを備えてなる光送信制御装置である。
【0019】
本発明によれば、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係が調整され、光信号出力波形の立下り部の緩和振動が低減される。これにより光信号出力波形の立下り部が過渡的に振動することなくスムーズにオフされ、光信号による通信品質の低下を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明においては、低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際の、光出力の緩和振動に対する入力電流のOFFタイミングを、位相関係調整手段によって適正化することにより、光出力の立下り波形の改善を行う。
【0021】
位相関係調整手段としては次の3つがある。
(1)バイアス電流設定手段
バイアス電流設定手段によって、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を、発振閾値電流の値よりも小さい値の範囲で調整することで、入力電流に対する光信号出力の遅延時間を変化させ、それによって入力電流の立下りの時期に対して、光信号出力の緩和振動の位相を変化させる。
【0022】
すなわち、入力信号(入力電流)のONの時期に対して、光出力の立上りタイミング(光出力遅れ時間)を変えることにより、入力信号のOFFの時期に対する光出力の緩和振動の位相を変化させる。光出力の立上りタイミングを変える手段として、バイアス電流設定手段を用いる。このバイアス電流設定手段によって、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を変える。これにより、注入電子密度が閾値に達する時間が変わり、入力信号のOFFの時期に対する緩和振動の位相が変化する。
【0023】
この場合、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を調整することによって生ずる、入力電流に対する光出力の遅延時間の変化は、光出力の緩和振動周期の1周期分以内で十分である。
【0024】
(2)変調電流設定手段
変調電流設定手段によって、半導体レーザに与える入力電流の値を調整することで、光信号出力の緩和振動の周波数を変化させ、それによって入力電流の立下りの時期に対して、光信号出力の緩和振動の位相を変化させる。
【0025】
すなわち、光出力の緩和振動の周波数を変えることにより、入力信号のOFFの時期に対する緩和振動の位相を変化させる。式(i)から分かるように、緩和振動の周波数は変調電流(入力電流)Iの値が大きいほど高くなる。このため、緩和振動の周波数を変える手段として、変調電流設定手段を用いる。この変調電流設定手段によって、半導体レーザに与える変調電流の値を変える。これにより、緩和振動の周波数が変わり、入力信号のOFFの時期に対する緩和振動の位相が変化する。
【0026】
(3)入力信号制御手段
入力信号制御手段によって、入力電流のオフの時期を調整し、それによって入力電流の立下りの時期を、光信号出力の緩和振動の位相に対して変化させる。
すなわち、光出力の緩和振動に対して、入力信号のOFFのタイミングを変えることにより、緩和振動に対する入力信号OFFの位相を変化させる。
【0027】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、この発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
【0028】
図1を用いて実施形態1を説明する。本実施形態は位相関係調整手段としてバイアス電流設定手段を適用した例である。
入力部1は光送信信号のI/F部であり、例えばPECLやLVDS信号レベルのI/Fである。入力部1からは、LDドライブ部2に対応したレベルの信号が出力され、LDドライブ部2に入力される。LDドライブ部2は、半導体レーザ(以下、半導体レーザを「LD」と記す)LD3を駆動する回路であり、設定されたバイアス電流及び変調電流に基づいてLDを駆動する。
【0029】
モニタPD部4は、LD駆動により出射されたLD光の一部を受光する回路であり、ここで受光した光信号を光/電圧変換する。光/電圧変換には、例えば、受光素子にPINフォトダイオードを用い、PINフォトダイオードを流れる励起電流を電流/電圧変換する等の手段がある。
【0030】
波形検出部5は、モニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出する回路である。この検出方法は後で述べる。波形検出部5の検出結果はバイアス電流設定部6に入力される。
【0031】
上述したように、LDのバイアス電流を変化させると、光出力遅れ時間を変化させることができ、入力信号OFFタイミングと光出力の緩和振動との位相関係を変えられる。バイアス電流設定部6は、LDドライブ部2が駆動するLDバイアス電流を設定する回路である。すなわち、バイアス電流設定部6は光出力の遅延時間を変化させる手段となっている。波形検出部5の検出結果に基づいて、バイアス電流設定部6はLD3に与えるバイアス電流値を設定する。
【0032】
次に、動作の説明をする。入力部1よりLDドライブ部2に信号が入力されると、LDドライブ部2は、バイアス電流設定部6で設定されたバイアス電流値からLD3を駆動する。変調電流値は予め定められた値で駆動される。LD3はドライブに応じた光出力を出射する。出射光は、図示しない光学系を経て送信媒体である光ファイバに導かれ、これが送信光となる。また、LD3の出射光の一部はモニタPD部4にも導かれる。
【0033】
モニタPD部4が受光した光信号は、モニタPD部内の受光素子及び処理回路により電圧信号に変換されるが、この変換部の周波数帯域により帯域制限を受ける。この帯域は、受光した光波形をモニタするために、少なくとも光通信信号を受信する受信器側回路程度の帯域が必要である。
【0034】
モニタPD部4で受光した光信号を電圧変換した後の波形は、すでに述べたように、入力信号OFFと緩和振動との位相関係によって変化する。この様子を図6に示す。図中の波形a〜波形dは、図5で説明した入力信号OFFと緩和振動との位相関係が波形▲1▼〜波形▲4▼である時に対応している。モニタPD部4の帯域制限のために、もとの光波形よりは高周波領域が制限されて若干なまったような波形になる。この電圧信号がモニタPD部4から波形検出部5に出力される。
【0035】
波形検出部5ではモニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出する。立下り状態は、例えば次のように検出される。図6で、予め定められた基準入力信号(パルス幅tw)を与えた時、入力信号のOFFから定められた基準時間tf後の電圧レベルをA/D変換等で検出する。検出された電圧レベルが定められた基準電圧値Vth以下であれば所定時間内に信号が立ち下がっているものとし、検出結果「OK」を出力する。Vthを超えていれば所定時間内に信号が立ち下がっていないものとし、検出結果「NG」を出力する。図6では、波形aと波形bが「OK」であり、波形cと波形dが「NG」である。波形検出部5の出力はバイアス電流設定部6に入力される。
【0036】
バイアス電流設定部6は波形検出部5の結果に基づいて、LDドライブ部2のバイアス電流設定値を変化させる。
【0037】
図7はバイアス電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。まず、バイアス電流設定用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)を、下限バイアス値でLDドライブ部2で駆動する(ステップS1〜ステップS3)。
【0038】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS4)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS5)。「OK」であればバイアス電流値が確定される(ステップS6)。ステップS5で「NG」と判断されれば、バイアス電流設定部6はバイアス電流値を所定量だけ大きく設定する(ステップS7)。
【0039】
この時、バイアス量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS8)、上限値でなければ設定バイアス値で再びLD3がドライブされて(ステップS3)、バイアス値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS3,S4,S5,S7,S8)。ステップS8でバイアス値が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS9)。
【0040】
ステップS2における下限バイアス値及びステップS8における上限バイアス値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0041】
なお、上記バイアス値の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この時、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、バイアス値の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS9)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0042】
次に、図2を用いて実施形態2を説明する。本実施形態は位相関係調整手段として変調電流設定手段を適用した例である。
本実施形態では、実施形態1のバイアス電流設定部6に代えて、変調電流設定部7を設けている。上述したように、LD3の変調電流を変化させると、光出力の緩和振動の周波数を変化させることができ、入力信号OFFタイミングと緩和振動との位相関係を調整することができる。変調電流設定部7は、LDドライブ部2が駆動するLD変調電流を設定する回路である。すなわち、変調電流設定部7は緩和振動の周波数を変化させる手段となっている。波形検出部5の検出結果に基づいて、変調電流設定部7は変調電流値を設定する。
【0043】
動作の説明をする。入力部1よりLDドライブ部2に信号が入力されると、LDドライブ部2は、変調電流設定部7で設定された変調電流でLD3を駆動する。バイアス電流値はあらかじめ定められた値で駆動される。LD3はドライブに応じた光出力を出射する。出射光は、図示しない光学系を経て送信媒体である光ファイバに導かれ、これが送信光となる。また、LD3の出射光の一部はモニタPD部4にも導かれる。モニタPD部4が受光した光信号は、すでに述べたようにモニタPD部内の受光素子及び処理回路により電圧信号に変換され、波形検出部5に出力される。波形検出部5ではすでに述べたように、モニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出し、その結果を出力する。変調電流設定部7は波形検出部5の検出結果に基づいて、LDドライブ部2の変調電流の設定値を変化させる。
【0044】
図8は変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
まず、変調電流設定用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)を、下限変調電流値でLDドライブ部2で駆動する(ステップS11〜ステップS13)。バイアス電流値はあらかじめ定められた値で駆動される。
【0045】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS14)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS15)。「OK」であればバイアス値が確定される(ステップS16)。ステップS15で「NG」と判断されれば、変調電流設定部7は変調電流値を所定量だけ大きく設定する(ステップS17)。
【0046】
この時、変調電流量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS18)、上限値でなければ設定変調電流値で再びLD3がドライブされて(ステップS13)、変調電流値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS13,S14,S15,S17,S18)。ステップS18で変調電流値が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS19)。
バイアス電流設定値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0047】
なお、上記変調電流値の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この場合、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、変調電流値の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS19)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0048】
次に、図3を用いて実施形態3を説明する。本形態は位相関係調整手段としてバイアス電流設定手段と変調電流設定手段との両方を適用した例である。
上記2つの実施形態では、バイアス電流設定部6にはバイアス設定値の上限および下限値が決められている。また、変調電流設定部7には変調電流設定値の上限および下限値が決められている。このように、各設定部は、それぞれ一定の範囲内でしか各設定値を変化させることができない。しかし、一方の設定部を用いただけではシステムエラーと判断されるような場合でも、両方の設定部を組み合わせることで立下り状態が「OK」となる場合がある。本実施形態はこれに対応したものである。
【0049】
本実施形態では、実施形態1のバイアス電流設定部6と実施形態2の変調電流設定部7とを組み合わせている。
【0050】
動作の説明をする。入力部1よりLDドライブ部2に信号が入力されると、LDドライブ部2は、バイアス電流設定部6及び変調電流設定部7で設定されたバイアス電流及び変調電流でLD3を駆動する。LD3はドライブに応じた光出力を出射する。出射光は、図示しない光学系を経て送信媒体である光ファイバに導かれ、これが送信光となる。また、LD3の出射光の一部はモニタPD部4にも導かれる。モニタPD部4が受光した光信号は、すでに述べたようにモニタPD部内の受光素子及び処理回路により電圧信号に変換され、波形検出部5に出力される。波形検出部5ではすでに述べたように、モニタPD部4の出力信号の立下り状態を検出し、その結果を出力する。バイアス電流設定部6及び変調電流設定部7は、波形検出部5の検出結果に基づいて、バイアス電流値及び変調電流値を変化させる。
【0051】
図9はバイアス電流値及び変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
まず、バイアス電流及び変調電流設定用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)を、下限バイアス値及び下限変調電流値でLDドライブ部2で駆動する(ステップS21〜ステップS23)。
【0052】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS24)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS25)。「OK」であればバイアス値及び変調電流値が確定される(ステップS26)。ステップS25で「NG」と判断されれば、バイアス電流設定部6はバイアス値を所定量だけ大きく設定する(ステップS27)。
【0053】
この時、バイアス量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS28)、上限値でなければ設定バイアス値で再びLD3がドライブされて(ステップS23)、バイアス値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS23,S24,S25,S27,S28)。ステップS28でバイアス値が上限値であると判断されれば、次にバイアス値を下限値に戻して、変調電流値を所定量だけ大きく設定する(ステップS29)。
【0054】
この時、変調電流値の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS30)、上限値でなければ設定バイアス値で再びLD3がドライブされて(ステップS23)、変調電流値が確定するまでこの動作を続ける(ステップS23,S24,S25,S27,S28,S29,S30)。ステップS30で変調電流値が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS31)。
【0055】
ステップS22における下限バイアス値及びステップS28における上限バイアス値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0056】
なお、上記バイアス値の設定及び変調電流値の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この場合、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、バイアス値と変調電流値の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS31)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0057】
次に、図4を用いて実施形態4を説明する。本実施形態は位相関係調整手段として入力信号制御手段を適用した例である。
本実施形態では、実施形態1のバイアス電流設定部6に代えて、入力信号制御部8を入力部1とLDドライブ部2との間に設けている。入力信号制御部8は、入力信号のOFFタイミングを調整する回路であり、これを用いることで入力信号OFFと光出力の緩和振動との位相関係を調整する。
【0058】
入力信号のOFFタイミングを変化させる方法の例を図10〜図12を用いて説明する。
図10は図4の入力信号制御部8を詳細に示したものである。入力部1からの信号は入力信号制御部8に入力されると、そのままOR部10に入力される信号と、Delay部9を経てOR部10に入力される信号とに分かれる。Delay部9は波形検出部5の信号に基づいて、入力信号に遅延をかけるための遅延信号を出力する。OR部10は、入力信号と遅延信号との2つの信号の論理和を出力する。
【0059】
図11のタイムチャートに示すように、入力信号制御部8への入力信号(パルス幅p1)はDelay部9で時間p2だけ遅延してOR部10に出力される。OR部では入力信号と遅延信号との2つの信号の論理和であるOR信号が出力される。OR信号のパルス幅はp1+p2となり、もとの入力信号に対して信号OFFのタイミングが遅延量p2だけ変化した信号となる。この遅延量p2を可変できるようにDelay部9を構成しておけば、入力信号のOFFタイミングを変化させることができる。遅延量を可変できる遅延素子はプログラマブル信号遅延ICとしてすでに公知であり、このICを制御することで容易に実現できる。
【0060】
入力信号制御部8は、波形検出部5の検出結果に基づいて入力信号のOFFタイミングを変化させた信号をLDドライブ部2に入力する。
【0061】
図12は入力信号制御部8で入力信号のOFFタイミングを変化させる時の処理内容を示すフローチャートである。
まず、入力信号OFFタイミング調整用の基準入力信号(例えば単周期繰り返しパルス)をDelay量=0でLDをドライブする。(ステップS41〜ステップS43)。バイアス電流値及び変調電流値はあらかじめ定められた値で駆動される。
【0062】
ドライブされたLD3にて出射されたLD光の一部はモニタPD部4で受光される(ステップS44)。モニタPD部4で光/電圧変換された出力が波形検出部5に与えられ、波形検出部5でこの出力の立下り状態が検出され、「OK」か「NG」かが判断される(ステップS45)。「OK」であればDelay量が確定される(ステップS46)。ステップS45で「NG」と判断されれば、入力信号制御部8はDelay量を所定量だけ大きく設定する(ステップS47)。
【0063】
この時、Delay量の上限値であるか否かがチェックされ(ステップS48)、上限値でなければ設定Delay量で再びLDがドライブされて(ステップS43)、Delay量が確定するまでこの動作を続ける(ステップS43,S44,S45,S47,S48)。ステップS48でDelay量が上限値であると判断されれば、装置不良としてシステムエラーの判断をする(ステップS49)。
【0064】
バイアス電流設定値をLD3の発振閾値以下の値に設定しておくことで、低消費電力LD駆動が可能となる。
【0065】
なお、上記Delay量の設定は、送受信装置が通信を行っていない時に実施してもよいし、通信中に実施してもよい。通信中に実施する場合、基準入力信号に代えて通信信号を入力する。この場合、立下り状態が所定時間内に一定のレベルにならない場合、通信エラーが起こる可能性があるが、Delay量の確定後は通信が回復できる。また、システムエラーの判断(ステップS49)がなされた時は、その旨を、本送受信装置を含む通信機器表示部に表示する等して使用者に警告を知らせる。
【0066】
以上の実施形態で述べたバイアス電流の上限・下限値、変調電流の上限・下限値、及びDelay量の上限・下限値の決め方であるが、これらを変化させる目的は、LDの光出力の緩和振動と入力信号OFFとの位相関係を調整するものであるので、緩和振動周期の1周期分に対して入力信号OFFタイミングが調整できればよい。したがって、バイアス電流、変調電流及びDelay量の上限・下限値は、それらを変化させることで、LDの光出力の緩和振動と入力信号OFFとの位相関係が緩和振動周期の1周期分の範囲で調整できるように設定しておけばよい。
【0067】
また、バイアス電流の上限・下限値、変調電流の上限・下限値、及びDelay量の上限・下限値を変化させることで、出力される光のパルス幅、消光比、あるいはピークパワー等が変化することが予想される。したがって、これら変化については、変化後の値であっても、使用する通信規格の規格値(パルス幅歪み許容範囲、消光比許容範囲、光出力許容範囲等)を満足できる範囲内で、下限値、上限値を設定することが望ましい。
【0068】
なお、上記した基準入力信号は、各設定用に1種類であっても複数種類であってもよい。
【0069】
このようにして、低電力駆動のために発振閾値以下から高速駆動を行う際、入力電流OFFの時期と光出力の緩和振動における変化の時期との位相関係を調整することにより、光出力波形の立下り部の緩和振動を低減する。これにより光出力波形の立下り部の過渡的な振動を抑制し、光信号による通信品質の低下を防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体レーザを用いた光送信において、光信号出力波形の立下り部の緩和振動が低減されるように光信号出力を制御するので、光信号出力の立下り時間を速め、Eye開口を確保し、良好な光信号品質を得ることができ、安定した通信が可能となる。また、発信閾値電流以下からのレーザ駆動であるため、送信器として低消費電力駆動が可能となり、この効果で装置の放熱設計の簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態2の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態3の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態4の構成を示す説明図である。
【図5】光出力の緩和振動の説明図である。
【図6】入力信号OFFと緩和振動との位相関係を示す説明図である。
【図7】実施形態1におけるバイアス電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
【図8】実施形態2における変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
【図9】実施形態3におけるバイアス電流値及び変調電流値を設定するときの処理内容を示すフローチャートである。
【図10】図4の入力信号制御部を詳細に示した説明図である。
【図11】実施形態4における入力信号のOFFタイミングの遅延量を説明図するタイムチャートである。
【図12】入力信号制御部8で入力信号のOFFタイミングを変化させる時の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力部
2 LDドライブ部
3 LD
4 モニタPD部
5 波形検出部
6 バイアス電流設定部
7 変調電流設定部
8 入力信号制御部
9 Delay部
10 OR部
Claims (8)
- 半導体レーザと、
半導体レーザから光信号を出力させるための半導体レーザ駆動部と、
半導体レーザから出力された光信号をモニタするモニタ用受光素子と、
モニタ用受光素子によってモニタされた光信号出力波形の立下り状態を検出する波形検出手段と、
波形検出手段の検出結果に基づいて、入力電流の立下りの時期と光信号出力波形の緩和振動部位における変化の時期との位相関係を調整し、それによって光信号出力波形の立下り部の緩和振動を低減する位相関係調整手段とを備えてなる光送信制御装置。 - 位相関係調整手段が、半導体レーザに与えるバイアス電流の値を、発振閾値電流の値よりも小さい値の範囲で調整することで、入力電流に対する光信号出力の遅延時間を変化させ、それによって入力電流の立下りの時期に対して、光信号出力の緩和振動の位相を変化させるバイアス電流設定手段からなる請求項1記載の光送信制御装置。
- 位相関係調整手段が、半導体レーザに与える入力電流の値を調整することで、光信号出力の緩和振動の周波数を変化させ、それによって入力電流の立下りの時期に対して、光信号出力の緩和振動の位相を変化させる変調電流設定手段からなる請求項1記載の光送信制御装置。
- 位相関係調整手段が、請求項3記載の変調電流設定手段をさらに備えてなる請求項2記載の光送信制御装置。
- 半導体レーザに与えるバイアス電流の値を調整することによって生ずる、入力電流に対する光信号出力の遅延時間の変化は、光信号出力の緩和振動周期の1周期分以内である請求項2または4記載の光送信制御装置。
- 位相関係調整手段が、入力電流のオフの時期を調整し、それによって入力電流の立下りの時期を、光信号出力の緩和振動の位相に対して変化させる入力信号制御手段からなる請求項1記載の光送信制御装置。
- 位相関係調整手段が、入力電流のオフの時期を調整することによって生ずる、入力電流に対する光信号出力の遅延時間の変化は、光信号出力の緩和振動周期の1周期分以内である請求項6記載の光送信制御装置。
- バイアス電流値は上記半導体レーザの発振閾値以下に設定しておく事を特徴とする請求項3または6記載の光送信制御装置。
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