JP2004153442A - 光送信装置、光受信装置および光通信システム、並びにその送・受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パルス幅の厳密な調整を不要とし、調整コストを削減できると共に、システムを容易に構成でき、消費電力を抑えることができる光通信システム等を提供する。
【解決手段】光通信システム100は、光送信装置10と、光伝送媒体20と、光受信装置30とから構成され、光送信装置10にNRZ/パルス変調回路12が設けられ、また光受信装置30にパルス/NRZ復調回路34が設けられる。光送信装置10では送信信号としてのNRZ信号におけるデータ遷移点に同期したパルス信号S4を生成し、これを用いてレーザダイオードを駆動し光信号を送信し、光受信装置30では受信したパルス信号S8に同期してNRZ信号を再生する。これにより、送信信号のパルス幅の厳密な調整が不要となるため、調整コストを削減でき、またパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】光通信システム100は、光送信装置10と、光伝送媒体20と、光受信装置30とから構成され、光送信装置10にNRZ/パルス変調回路12が設けられ、また光受信装置30にパルス/NRZ復調回路34が設けられる。光送信装置10では送信信号としてのNRZ信号におけるデータ遷移点に同期したパルス信号S4を生成し、これを用いてレーザダイオードを駆動し光信号を送信し、光受信装置30では受信したパルス信号S8に同期してNRZ信号を再生する。これにより、送信信号のパルス幅の厳密な調整が不要となるため、調整コストを削減でき、またパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光送信装置、光受信装置および光通信システム、並びに信号処理方法に関する。詳しくは、光送信装置ではデジタル信号におけるデータ遷移点、またはデジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に応じたパターンで光信号を発生させて送信し、光受信装置では受信した光信号に対応するパルス信号を用いて元のデジタルを生成する構成とすることによって、従来のようにデジタル信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、また一系統のパルス信号を用いるため、システムを容易に構成し、コストを抑えることでき、またパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命を延長できるようにした光送信装置、光受信装置および光通信システム、並びにその送・受信方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。図7に示すように、光通信システム1は、光送信装置10’と、光伝送媒体20’と、光受信装置30’とを備える。光送信装置10’と光受信装置30’とが光伝送媒体20’を介して接続されている。この光通信システム1は、例えばノンリターン・トゥ・ゼロ(Non Return to Zero、以下「NRZ」という)信号或いはノンリターン・トゥ・ゼロ・インバーテド(Non Return to Zero Inverted、以下「NRZI」という)信号を用いた光通信システムである。この例では、NRZ信号が用いられる。
【0003】
光送信装置10’は、ECL(Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signal)等のバッファ2と、レーザドライバ3と、レーザダイオード4とを備える。バッファ2では、入力されたNRZ信号の整形およびレベル調整が行われる。レーザドライバ3では、バッファ2から入力されたNRZ信号(電圧信号)が電流信号に変換される。レーザダイオード4はレーザドライバ3によって生成された電流信号により駆動され、入力された信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。
【0004】
光伝送媒体20’としては、例えば光ファイバが用いられる。レーザダイオード4から発生した光信号は光伝送媒体20’を介して光受信装置30’へ伝送される。
【0005】
光受信装置30’は、フォトダイオード5と、I−Vアンプ6と、2Rポストアンプ7とを備える。フォトダイオード5は、光伝送媒体20’を介して伝送されてきた光信号を受信して、電流信号として出力する。I−Vアンプ6は、フォトダイオード5から入力された電流信号を電圧信号に変換して2Rポストアンプ7へ出力する。2Rポストアンプ7は、2R機能、つまり微弱なデータ信号の増幅(Reshaping)とECL(Emitter Coupled Logic)レベルでのデータ信号の出力(Regenerating)の機能を1チップで実現した光通信用ポストアンプであり、I−Vアンプ6から入力された電圧信号を処理し、デジタル信号を再生して出力する。
【0006】
図7に示す光通信システム1におけるデータ送受信方法について、図8を参照しながら説明する。図8は、光通信システム1におけるタイムチャートである。図8に示すのは、入力されたNRZ信号(電気信号)が光信号として送信され、送信された光信号を受信した後、元のNRZ信号に変換する方法の一例である。
【0007】
NRZ信号(電気信号)を光信号として送信する方法として、「1」を送信する場合はレーザダイオード等の発光素子を高発光状態とし、「0」を送信する場合は低発光状態とする方法がある。なお、この例の場合は、正論理に基づいて電気信号を光信号へ変換する方法であるが、負論理に基づいて変換を行う場合も同様の方法を採ることができる。
【0008】
光送信装置10’から正論理で発光された光信号を受信する場合、光受信装置30’も正論理で光信号を電気信号へ変換する。即ち、高エネルギー光を受信した場合は「1」、低エネルギー光を受信した場合は「0」であると判断し、元の電気信号を得る。
【0009】
光通信システム1を用いてデータの送受信を行う際に、まず、光送信装置10’において、NRZ信号をバッファ2に入力し、バッファ2では入力されたNRZ信号の波形整形およびレベル調整が行われ、処理後のNRZ信号はレーザドライバ3へ出力される。そして、レーザドライバ3では、入力されたNRZ信号(電圧信号)を電流信号に変換し、レーザダイオード4に供給する。レーザドライバ3の出力信号の波形を図8(a)に示す。レーザダイオード4はレーザドライバ3によって生成された電流信号により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード4の発光波形を図8(b)に示す。
【0010】
次に、レーザダイオード4からの光信号は光伝送媒体20’を介して光受信装置30’へ送信される。
【0011】
そして、光受信装置30’において、光伝送体20’を介して伝送されてきた光信号をフォトダイオード5により受信して、電流信号として出力する。フォトダイオード5からの出力信号をI−Vアンプ6に入力し、I−Vアンプ6で入力された電流信号を電圧信号に変換した後、2Rポストアンプ7へ出力する。I−Vアンプ6の出力信号の波形(フォトダイオード5の受信波形)を図8(c)に示す。2Rポストアンプ7では、設定された閾値(2R閾値)によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号はバッファされNRZ信号として再生され、出力される。2Rポストアンプ7の出力波形を図8(d)に示す。
【0012】
上述した光通信システム1以外には、光通信システムとして、RZ(リターン・ゼロ)またはNRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングに対応する一対の光パルス信号を一対のレーザダイオードにより発生して、受信側に送信し、受信側においてこの一対の光パルス信号を一対のフォトディテクタにより受光し、それらの出力信号をフリップフロップ回路にトリガ入力し、光パルス信号を復調することにより、回路規模の縮小および消費電力の低減を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
また、光通信システムとして、パルス幅が互いに異なる2種類の光信号をそれぞれ「1」,「0」の情報に対応させて送信し、パルス幅の違いを弁別することにより、元の信号を生成することにより、高速なサンプリングと厳密なクロック制御が不要で、低消費電力化を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0014】
また、光通信システムとして、一つの光受信器に複数の光送信器からの光信号が入力される構成の光ネットワークにおいて、各光送信器から出力される光信号をそれぞれ異なる周波数でパルス振幅変調し、かつこれらの光信号のパルス周期が相互に異なるようにしたことにより、変調周波数によって光送信器が識別できるものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0015】
【特許文献1】
特開平7−38504号公報(第4頁、第4図)
【特許文献2】
特開平10−285112号公報(第3頁、第1,2図)
【特許文献3】
特開平10−190573号公報(第3頁、第1図)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す光通信システム1におけるNRZ等の信号で光通信を行う場合、以下の2つの条件を満たすことが必要となる。
【0017】
第1の条件は、SN比(Signal to Noise Ratio: SNR)を十分に確保すること、特に発光素子の消光比を確保することである。これは、消光比を確保することで発光素子雑音が低減され、光受信装置においてノイズ成分を含む光信号の中から信号成分を誤りなく抽出することが可能になるからである。消光比とは、光の切り替えに伴う、スイッチがONの状態とOFFの状態の光強度の比である。一般に、消光比は10dB以上であることが望ましい。
【0018】
第2の条件は、パルスの幅を厳密に調整することである。パルスの幅が厳密に調整されない場合、図9に示すように、符号間干渉に起因してパルス幅がばらつくときに、ジッタが発生し、ビット誤り率(Bit Error Rate: BER)が悪化する。
【0019】
しかし、発光素子の非線形性とレーザドライバの周波数特性により、消光比の確保とトレードオフで光信号のパルス幅歪みが増大するため、上述した2つの条件を同時に満たすことは容易ではない。この2つの条件を同時に満たすには、かなりの調整コストをかける必要がある。
【0020】
また、特許文献1に記載された発明の場合、低消費電力化が図れるが、RZまたはNRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングに対応する一対の光パルス信号を生成するために、発光素子および受光素子等がそれぞれ二つ必要であるため、システム全体のコストが高いという問題がある。
【0021】
また、特許文献2に記載された発明の場合、低消費電力化が図れるが、パルスの幅を厳密に調整する必要がある。また、特許文献3に記載された発明の場合は、パルス振幅変調器が必要となるため、システムコストが高くなるという欠点がある。
【0022】
そこで、この発明は、パルス幅の厳密な調整を不要とし、調整コストを削減できると共に、システムを容易に構成でき、消費電力を抑えることができるようにした光通信システム等を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光通信システムは、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、受信した光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置と、光送信装置を光受信装置に接続する光伝送媒体とを備える光通信システムにおいて、光送信装置は、デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有し、光受信装置は、光伝送媒体を介して光送信装置から伝送された光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号に同期してデジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0024】
この発明に係る光通信システムは、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、受信した光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置と、光送信装置を光受信装置に接続する光伝送媒体とを備える光通信システムにおいて、光送信装置は、デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有し、光受信装置は、光伝送媒体を介して光送信装置から伝送された光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じてデジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0025】
この発明に係る光送信装置は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置において、デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有するものである。
【0026】
この発明に係る光送信装置は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置において、デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有するものである。
【0027】
この発明に係る光受信装置は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置において、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0028】
この発明に係る光受信装置は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置において、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じてデジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0029】
この発明に係る光送信装置の送信方法は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置の送信方法であって、デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成するステップと、パルス信号に基づいて光信号を発生し送信するステップとを備えるものである。
【0030】
この発明に係る光送信装置の送信方法は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置の送信方法であって、デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成するステップと、パルス信号に基づいて光信号を発生し送信するステップとを備えるものである。
【0031】
この発明に係る光受信装置の受信方法は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置の受信方法であって、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信するステップと、受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成するステップとを備えるものである。
【0032】
この発明に係る光受信装置の受信方法は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置の受信方法であって、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信するステップと、受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じてデジタル信号を生成するステップとを備えるものである。
【0033】
この発明においては、光送信装置ではデジタル信号におけるデータ遷移点、またはデジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に応じたパターンで光信号を発生させて送信し、光受信装置では受信した光信号に対応するパルス信号を用いて元のデジタルを生成する構成とすることによって、従来のようにデジタル信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、消光比を確保しながら符号間干渉を低減することが可能となる。また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。また、レーザダイオードを駆動するためのパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての光通信システム100の構成を示している。
図1に示すように、光通信システム100は、光送信装置10と、光伝送媒体20と、光受信装置30とから構成されている。光送信装置10と光受信装置30とが光伝送媒体20を介して接続されている。この光通信システム100は、NRZ信号或いはNRZI信号等のデジタル信号を用いた光通信システムである。この例では、NRZ信号が用いられる。
【0035】
光送信装置10は、ECL(Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signal)等のバッファ11と、変調手段としてのNRZ/パルス変調回路12と、レーザドライバ13と、レーザダイオード14とを備える。
【0036】
バッファ11では入力信号としてのNRZ信号の整形およびレベル調整が行われる。NRZ/パルス変調回路12は、遅延器12aと、EXORゲート(排他的論理和ゲート)12bとからなる。このNRZ/パルス変調回路12では、バッファ11から入力されたNRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりの両データ遷移点に同期した一系統の所定幅Tdを有するパルス信号が生成される。このパルス幅Tdは遅延器12aの遅延位相幅により規定される。
【0037】
レーザドライバ13はNRZ/パルス変調回路12から入力されたパルス信号(電圧信号)を電流信号に変換し、レーザダイオード14に供給する。レーザダイオード14はレーザドライバ13によって生成された電流信号により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード14から発生した光信号は光伝送媒体20を介して光受信装置30へ送信される。
【0038】
光伝送媒体20は、例えば光ファイバが用いられる。なお、光ファイバ以外の光導波路を用いてもよい。
【0039】
光受信装置30は、フォトダイオード31と、I−Vアンプ32と、2Rポストアンプ33と、復調手段としてのパルス/NRZ復調回路34とを備える。
【0040】
フォトダイオード31は、光伝送媒体20を介して伝送されてきた光信号を受信して、電流信号として出力する。I−Vアンプ32は、フォトダイオード31から入力された電流信号を電圧信号に変換して2Rポストアンプ33へ出力する。2Rポストアンプ33は、2R機能、つまり微弱なデータ信号の増幅(Reshaping)とECL(Emitter Coupled Logic)レベルでのデータ信号の出力(Regenerating)の機能を1チップ実現した光通信用ポストアンプである。2Rポストアンプ33では、設定された閾値(2R閾値)によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号はバッファされデジタル信号として再生される。このデジタル信号はパルス/NRZ復調回路34に供給される。
【0041】
パルス/NRZ復調回路34は、Toggleフリップフロップからなり、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号の立ち上がり情報を基に、パルス信号をNRZ信号に変換して出力する。
【0042】
続いて、図1に示す光通信システム100の動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、光通信システム100におけるタイムチャートである。図2(a)は、バッファ11の出力信号(NRZ信号)S1,S2の波形、図2(b)は、EXORゲート12bの入力信号S1,S3の波形、図2(c)は、EXORゲート12bの出力信号の反転信号S4の波形、図2(d)は、レーザダイオード14の発光波形、図2(e)は、フォトダイオード31の受信信号S7の波形、図2(f)は、2Rポストアンプ33の出力信号S8の波形、図2(g)は、パルス/NRZ復調回路34から出力されるNRZ復調波形である。
【0043】
光通信システム100を用いて光通信を行う際に、まず、光送信装置10において、NRZ信号をバッファ11に入力し、バッファ11では入力されたNRZ信号の波形整形およびレベル調整が行われ、処理後の信号は非反転信号S1および反転信号S2として出力される。バッファ11の出力信号S1,S2の波形を図2(a)に示す。図2(a)において、「0」,「1」はレーザダイオード14の発光レベルに対応し、「0」は弱レベル、「1」は強レベルである。また、ここで、NRZ信号にはジッタが存在しないとする。
【0044】
バッファ11から出力されたNRZ信号S1は、NRZ/パルス変調回路12のEXORゲート12bに入力される。また、バッファ11から出力されたNRZ信号S2は、NRZ/パルス変調回路12の遅延器12aに入力される。このNRZ信号S2は、遅延器12aで、例えば、位相を90°だけ遅延される。遅延後のNRZ信号S3はEXORゲート12bに入力される。EXORゲート12bへの入力信号S1,S3の波形を図2(b)に示す。
【0045】
遅延器12aでの遅延位相は、光通信システム100を設計する際に、省エネルギー目標(即ちレーザダイオード14の寿命を延長する目標)によって設定される。例えば、レーザダイオード14の寿命を既定値のN倍にする場合、発光量は1/Nであり、遅延位相Td=360°/Nである。また、レーザダイオード14の応答周波数ftは1/(パルス期間)以上が必要となる。
【0046】
EXORゲート12bでは、入力されたNRZ信号S1および遅延後のNRZ信号S3に基づいて、NRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりの両データ遷移点に幅Td(Td=90°)を有するパルス信号S4を生成し、このパルス信号S4をレーザドライバ13へ出力する。EXORゲート12bの出力信号の反転信号S4の波形を図2(c)に示す。
【0047】
レーザドライバ13に入力されたパルス信号(電圧信号)S4は電流信号S5に変換され、レーザダイオード14に供給される。レーザダイオード14は、レーザドライバ13によって生成された電流信号S5により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード14の発光波形を図2(d)に示す。また、図3は、レーザダイオード14の発光パターンの実測例を示している。図3において、横軸は時間軸であり、縦軸はレーザダイオード14の発光レベルである。
【0048】
次に、レーザダイオード14で発生した光信号は光伝送媒体20を介して光受信装置30へ送信される。
【0049】
そして、光受信装置30において、光伝送媒体20を介して伝送されてきた光信号をフォトダイオード31により受信して、電流信号S6として出力する。フォトダイオード31からの出力信号S6はI−Vアンプ32に入力される。I−Vアンプ32は入力された電流信号S6を電圧信号S7に変換した後、2Rポストアンプ33へ出力する。電圧信号に変換された受信パルス信号S6の波形を図2(e)に示す。
【0050】
2Rポストアンプ33では、設定された2R閾値によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号S7はバッファされパルス信号(デジタル信号)S8として再生される。このパルス信号S8はパルス/NRZ復調回路34に供給される。2Rポストアンプ33の出力信号S8の波形を図2(f)に示す。
【0051】
2Rポストアンプ33で再生されたパルス信号S8はパルス/NRZ復調回路34に入力される。パルス/NRZ復調回路34は、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号S8の立ち上がり情報を基に、NRZ信号を生成して出力する。
【0052】
この場合、NRZ信号を復調するために、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号S8の立ち上がり情報のみを用いるので、パルス信号S8の幅に関係なく、元のNRZ信号を再生し、パルス幅歪みによる符号間干渉が発生しない。
【0053】
図4は、光通信システム100を用いて、実際にNRZ信号をパルス光信号として送信し、受信後復調したNRZ信号のアイパターンの例を示している。図4に示すように、光通信システム100を用いて得られたNRZ信号は、従来のような符号間干渉が発生することがなく、正確に伝送されたことが明らかである。
【0054】
また、ここで、レーザダイオード14は90°のパルス幅で駆動しているので、その発光パワーは1/4デューティになる。即ちパルス変調により、NRZ信号のままレーザダイオードを駆動する場合と比較して発光量は1/4に抑えられる。例えば、NRZ信号で2mW振幅の信号を送信する場合、レーザダイオードのDC積分発光量は1mWとなるが、パルス変調で同振幅の信号を送信する場合、DC積分発光量は1/4の0.25mWに減少する。また、発光量を1/4に抑えることにより、レーザダイオード14の寿命は4倍に延びる。遅延器12aによりパルス幅を90°より任意に細かくすれば、更に発光量が抑えられ、レーザダイオード14の寿命を延ばすことが可能となる。
【0055】
このように本実施の形態においては、光送信装置10では、NRZ/パルス変調回路12により送信信号としてのNRZ信号におけるデータ遷移点に同期した一系統のパルス信号S4を生成し、このパルス信号S4を用いてレーザダイオードを駆動して光伝送媒体20を介して光信号を送信する。光受信装置30では、パルス/NRZ復調回路34により受信したパルス信号S8に同期してNRZ信号を生成する。
【0056】
これにより、従来のようにNRZ信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、消光比を確保しながら符号間干渉を低減することができる。また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。また、レーザダイオードを駆動するためのパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命を延長することができる。
【0057】
長寿命化によりレーザダイオードの経年変化を抑えることが可能であり、システムの信頼性向上に寄与する。また、発光量の減少はアイセーフティの観点からも望ましい。
【0058】
以下、図面を参照しながら、この発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態としての光通信システム200の構成を示している。また、この図5において、図1と対応する部分には、同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0059】
図5に示すように、光通信システム200は、光送信装置10Aと、光伝送媒体20と、光受信装置30Aとから構成されている。光送信装置10Aと光受信装置30Aとが光伝送媒体20を介して接続されている。この光通信システム200は、NRZ信号或いはNRZI信号等のデジタル信号を用いた光通信システムである。この例では、NRZ信号が用いられる。
【0060】
光送信装置10Aは、ECL(Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signal)等のバッファ11と、変調手段としてのNRZ/パルス変調回路12Aと、レーザドライバ13と、レーザダイオード14とを備える。
【0061】
NRZ/パルス変調回路12Aは、遅延器12aと、第1のANDゲートとしてのANDゲート12cと、第2のANDゲートとしてのANDゲート12dとからなる。このNRZ/パルス変調回路12では、バッファ11から入力されたNRZ信号の「1」の値に同期して一系統の所定幅Tdを有するパルス信号が生成される。このパルス信号の幅Tdは遅延器12aの遅延位相幅により規定される。
【0062】
光伝送媒体20は、例えば光ファイバを用いられる。なお、光ファイバ以外の光導波路を用いてもよい。
【0063】
光受信装置30Aは、フォトダイオード31と、I−Vアンプ32と、2Rポストアンプ33と、復調手段としてのパルス/NRZ復調回路34Aとを備える。
【0064】
パルス/NRZ復調回路34Aは、バッファ34aと、クロック発生器34bと、PLL(Phase Locked Loop)34cと、Dataフリップフロップ34dとからなる。このパルス/NRZ復調回路34Aでは、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号の有無に応じて、NRZ信号を再生して出力する。
【0065】
続いて、図5に示す光通信システム200の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、光通信システム200におけるタイムチャートである。図6(a)は、クロック信号C1,C2の波形、図6(b)は、ANDゲート12cの出力信号、即ちANDゲート12dの入力信号C3の波形、図6(c)は、バッファ11の出力信号(NRZ信号)S9の波形、図6(d)は、ANDゲート12dの出力信号S10の波形、図6(e)は、レーザダイオード14の発光波形、図6(f)は、フォトダイオード31の受信信号S12を電圧信号に変換した信号S13の波形、図6(g)は、2Rポストアンプ33の出力信号S14波形、図6(h)は、クロック信号C5の波形、図6(i)は、パルス/NRZ復調回路34から出力されるNRZ復調波形である。
【0066】
光通信システム200を用いて光通信を行う際に、まず、光送信装置10Aにおいて、クロック信号C1を、2系統に分割し、それぞれANDゲート12cと遅延器12aに入力する。遅延器12aに入力されたクロック信号C1は遅延器12aで、例えば、位相が90°だけ遅延され、クロック信号C2として出力される。この遅延後のクロック信号C2はANDゲート12cに入力される。ANDゲート12cへの入力信号(クロック信号)C1,C2の波形を図6(a)に示す。
【0067】
遅延器12aでの遅延位相は、第1の実施の形態と同様に、光通信システム200を設計する際に、設定される。この例の場合、遅延位相Td=90°とされる。
【0068】
ANDゲート12cでは、入力されたクロック信号C1および遅延後のクロック信号C2に基づいて、クロック信号C1の立ち上がりのデータ遷移点に同期して幅Td(Td=90°)を有するクロック信号C3を生成し、ANDゲート12dへ出力する。ANDゲート12cの出力信号(クロック信号)C3の波形を図6(b)に示す。
【0069】
また、NRZ信号をバッファ11に入力し、バッファ11では入力されたNRZ信号の波形整形およびレベル調整等の処理が行われ、処理後の信号S9はANDゲート12dへ出力される。バッファ11の出力信号(NRZ信号)S9の波形を図6(c)に示す。図6(c)において、「0」,「1」はレーザダイオード14の発光レベルに対応し、「0」は弱レベル、「1」は強レベルである。また、ここで、NRZ信号にはジッタが存在しないとする。
【0070】
ANDゲート12dでは、ANDゲート12cから入力されたクロック信号C3と、バッファ11から入力されたNRZ信号S9とを基に、NRZ信号S9の「1」に同期した、幅Td(Td=90°)を有するパルス信号S10を生成する。このパルス信号S10をレーザドライバ13へ出力する。ANDゲート12dの出力信号S10の波形を図6(d)に示す。
【0071】
レーザドライバ13は、入力された信号(電圧信号)S10を電流信号S11に変換し、レーザダイオード14に供給する。レーザダイオード14は、レーザドライバ13によって生成された電流信号S11により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード14の発光波形を図6(e)に示す。
【0072】
次に、レーザダイオード14で発生した光信号は光伝送媒体20を介して光受信装置30Aへ送信される。
【0073】
そして、光受信装置30Aにおいて、光伝送媒体20を介して伝送されてきた光信号をフォトダイオード31により受信して、電流信号S12として出力する。フォトダイオード31からの出力された電流信号S12はI−Vアンプ32に入力される。I−Vアンプ32は入力された電流信号S12を電圧信号に変換した後、2Rポストアンプ33へ出力する。電圧信号に変換された受信パルス信号S13の波形を図6(f)に示す。
【0074】
2Rポストアンプ33では、設定された2R閾値によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号S13はバッファされパルス信号(デジタル信号)S14として再生される。このパルス信号S14はパルス/NRZ復調回路34Aのバッファ34aに供給される。2Rポストアンプ33の出力信号S14の波形を図6(g)に示す。
【0075】
バッファ34aから出力されたパルス信号S15は2系統に分割され、それぞれPLL34cとDataフリップフロップ34dに入力される。PLL34cでは、パルス信号S15とクロック発生器34bから入力されるクロック信号C4の同期をとる。そして、パルス信号S15に同期したクロック信号C5がPLL34cから出力される。このクロック信号C5がDataフリップフロップ34dに入力される。クロック信号C5の波形を図6(h)に示す。
【0076】
Dataフリップフロップ34dでは、入力されたクロック信号C5の立ち上がりタイミングでパルス信号S15をラッチし、パルス信号S15が存在する場合は「1」、パルス信号S15が存在しない場合は「0」をそれぞれ出力する。よって、Dataフリップフロップ34dからの出力信号は、復調されたNRZ信号となる。パルス/NRZ復調回路34から出力されるNRZ復調波形を図6(i)に示す。
【0077】
この場合、NRZ信号を復調するために、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号S14とクロック信号C5の立ち上がり情報のみを用いるので、受信したパルス信号S14の幅に関係なく、元のNRZ信号を再生し、パルス幅歪みによる符号間干渉が発生しない。光通信システム200を用いて、実際にNRZ信号をパルス光信号として送信し、受信後復調したNRZ信号は光通信システム100と同様に図4に示すようなアイパターンが得られる(図4参照)。したがって、光通信システム200を用いて得られたNRZ信号は、従来のような符号間干渉が発生することがなく、正確に伝送されたことが明らかである。
【0078】
また、ここで、レーザダイオード14は90°のパルス幅で駆動しているので、その発光パワーは1/4デューティになる。即ちパルス変調により、NRZ信号のままレーザダイオードを駆動する場合と比較して発光量は1/4に抑えられる。例えば、NRZ信号で2mW振幅の信号を送信する場合、レーザダイオードのDC積分発光量は1mWとなるが、パルス変調で同振幅の信号を送信する場合、DC積分発光量は1/4の0.25mWに減少する。また、発光量を1/4に抑えることにより、レーザダイオード14の寿命は4倍に延びる。遅延器12aによりパルス幅を90°より任意に細かくすれば、更に発光量が抑えられ、レーザダイオード14の寿命を延ばすことが可能となる。
【0079】
このように本実施の形態においては、光送信装置10Aでは、NRZ/パルス変調回路12Aによりクロック信号C1の立ち上がり遷移点に同期してパルス幅Tdを有するクロック信号C3を生成し、さらにこのクロック信号C3に対応するNRZ信号の「1」の値に同期して、一系統の同様のパルス幅を有するパルス信号S10を生成し、このパルス信号S10を用いてレーザダイオードを駆動して光伝送媒体20を介して光信号を送信する。光受信装置30Aでは、パルス/NRZ復調回路34Aによりクロック信号C5の立ち上がりタイミングで受信した光信号に対応するパルス信号S15をラッチし、NRZ信号を生成する。
【0080】
これにより、従来のようにNRZ信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、消光比を確保しながら符号間干渉を低減することができる。また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。また、レーザダイオードを駆動するためのパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することができる。
【0081】
長寿命化によりレーザダイオードの経年変化を抑えることが可能であり、システムの信頼性向上に寄与する。また、発光量の減少はアイセーフティの観点からも望ましい。
【0082】
なお、上述の第2の実施の形態においては、NRZ信号の「1」の値に同期して、所定幅を有するパルス信号S10を生成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。光送信装置でNRZ信号の「0」の値に同期して所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に基づいて光信号を発生して送信し、光受信装置で光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、受信した光信号に基づいて元のデジタル信号を生成するようにしてもよい。
【0083】
この場合、例えば、まず、光送信装置でNRZ信号を反転させ、得られた信号の「0」の値に同期して所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に基づいて光信号を発生して送信する。そして、光受信装置で光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、受信した光信号に基づいてNRZ信号の反転信号を生成し、さらに、生成されたNRZ信号の反転信号を反転処理することにより元のNRZ信号を生成する。
【0084】
また、上述実施の形態においては、NRZ信号に関する送受信について説明したが、これに限定されるものではない。他のデジタル信号、例えばNRZI信号に関する送受信にもこの発明を適用できる。
【0085】
また、上述実施の形態においては、変調手段により生成したパルス信号の幅を90°とした場合について説明したが、これに限定されるものではない。光通信システム設計上に許容される範囲で、このパルス信号の幅を任意に狭くすることが可能である。
【0086】
【発明の効果】
この発明によれば、光送信装置ではデジタル信号におけるデータ遷移点、またはデジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に応じたパターンで光信号を発生させて送信し、光受信装置では受信した光信号に対応するパルス信号を用いて元のデジタルを生成する構成とするものであり、従来のようにデジタル信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、またパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することができる。
【0087】
また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。
【図2】光通信システム100におけるタイムチャートである。
【図3】光通信システム100のレーザダイオードの発光パターン実測例を示す図である。
【図4】光通信システム100を用いて送受信したNRZ信号のアイパターンを示す図である。
【図5】第2の実施の形態としての光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。
【図6】光通信システム200におけるタイムチャートである。
【図7】従来の光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。
【図8】光通信システム1におけるタイムチャートである。
【図9】符号間の干渉の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,10A・・・光送信装置、11・・・バッファ、12,12A・・・NRZ/パルス変調回路、12a・・・遅延器、12b・・・EXORゲート、12c・・・ANDゲート、12d・・・ANDゲート、13・・・レーザドライバ、14・・・レーザダイオード、20・・・光伝送媒体、30,30A・・・光受信装置、31・・・フォトダイオード、32・・・I−Vアンプ、33・・・2Rポストアンプ、34,34A・・・パルス/NRZ復調回路、34a・・・バッファ、34b・・・クロック発生器、34c・・・PLL、34d・・・Dataフリップフロップ、100,200・・・光通信システム
【発明の属する技術分野】
この発明は、光送信装置、光受信装置および光通信システム、並びに信号処理方法に関する。詳しくは、光送信装置ではデジタル信号におけるデータ遷移点、またはデジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に応じたパターンで光信号を発生させて送信し、光受信装置では受信した光信号に対応するパルス信号を用いて元のデジタルを生成する構成とすることによって、従来のようにデジタル信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、また一系統のパルス信号を用いるため、システムを容易に構成し、コストを抑えることでき、またパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命を延長できるようにした光送信装置、光受信装置および光通信システム、並びにその送・受信方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。図7に示すように、光通信システム1は、光送信装置10’と、光伝送媒体20’と、光受信装置30’とを備える。光送信装置10’と光受信装置30’とが光伝送媒体20’を介して接続されている。この光通信システム1は、例えばノンリターン・トゥ・ゼロ(Non Return to Zero、以下「NRZ」という)信号或いはノンリターン・トゥ・ゼロ・インバーテド(Non Return to Zero Inverted、以下「NRZI」という)信号を用いた光通信システムである。この例では、NRZ信号が用いられる。
【0003】
光送信装置10’は、ECL(Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signal)等のバッファ2と、レーザドライバ3と、レーザダイオード4とを備える。バッファ2では、入力されたNRZ信号の整形およびレベル調整が行われる。レーザドライバ3では、バッファ2から入力されたNRZ信号(電圧信号)が電流信号に変換される。レーザダイオード4はレーザドライバ3によって生成された電流信号により駆動され、入力された信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。
【0004】
光伝送媒体20’としては、例えば光ファイバが用いられる。レーザダイオード4から発生した光信号は光伝送媒体20’を介して光受信装置30’へ伝送される。
【0005】
光受信装置30’は、フォトダイオード5と、I−Vアンプ6と、2Rポストアンプ7とを備える。フォトダイオード5は、光伝送媒体20’を介して伝送されてきた光信号を受信して、電流信号として出力する。I−Vアンプ6は、フォトダイオード5から入力された電流信号を電圧信号に変換して2Rポストアンプ7へ出力する。2Rポストアンプ7は、2R機能、つまり微弱なデータ信号の増幅(Reshaping)とECL(Emitter Coupled Logic)レベルでのデータ信号の出力(Regenerating)の機能を1チップで実現した光通信用ポストアンプであり、I−Vアンプ6から入力された電圧信号を処理し、デジタル信号を再生して出力する。
【0006】
図7に示す光通信システム1におけるデータ送受信方法について、図8を参照しながら説明する。図8は、光通信システム1におけるタイムチャートである。図8に示すのは、入力されたNRZ信号(電気信号)が光信号として送信され、送信された光信号を受信した後、元のNRZ信号に変換する方法の一例である。
【0007】
NRZ信号(電気信号)を光信号として送信する方法として、「1」を送信する場合はレーザダイオード等の発光素子を高発光状態とし、「0」を送信する場合は低発光状態とする方法がある。なお、この例の場合は、正論理に基づいて電気信号を光信号へ変換する方法であるが、負論理に基づいて変換を行う場合も同様の方法を採ることができる。
【0008】
光送信装置10’から正論理で発光された光信号を受信する場合、光受信装置30’も正論理で光信号を電気信号へ変換する。即ち、高エネルギー光を受信した場合は「1」、低エネルギー光を受信した場合は「0」であると判断し、元の電気信号を得る。
【0009】
光通信システム1を用いてデータの送受信を行う際に、まず、光送信装置10’において、NRZ信号をバッファ2に入力し、バッファ2では入力されたNRZ信号の波形整形およびレベル調整が行われ、処理後のNRZ信号はレーザドライバ3へ出力される。そして、レーザドライバ3では、入力されたNRZ信号(電圧信号)を電流信号に変換し、レーザダイオード4に供給する。レーザドライバ3の出力信号の波形を図8(a)に示す。レーザダイオード4はレーザドライバ3によって生成された電流信号により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード4の発光波形を図8(b)に示す。
【0010】
次に、レーザダイオード4からの光信号は光伝送媒体20’を介して光受信装置30’へ送信される。
【0011】
そして、光受信装置30’において、光伝送体20’を介して伝送されてきた光信号をフォトダイオード5により受信して、電流信号として出力する。フォトダイオード5からの出力信号をI−Vアンプ6に入力し、I−Vアンプ6で入力された電流信号を電圧信号に変換した後、2Rポストアンプ7へ出力する。I−Vアンプ6の出力信号の波形(フォトダイオード5の受信波形)を図8(c)に示す。2Rポストアンプ7では、設定された閾値(2R閾値)によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号はバッファされNRZ信号として再生され、出力される。2Rポストアンプ7の出力波形を図8(d)に示す。
【0012】
上述した光通信システム1以外には、光通信システムとして、RZ(リターン・ゼロ)またはNRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングに対応する一対の光パルス信号を一対のレーザダイオードにより発生して、受信側に送信し、受信側においてこの一対の光パルス信号を一対のフォトディテクタにより受光し、それらの出力信号をフリップフロップ回路にトリガ入力し、光パルス信号を復調することにより、回路規模の縮小および消費電力の低減を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
また、光通信システムとして、パルス幅が互いに異なる2種類の光信号をそれぞれ「1」,「0」の情報に対応させて送信し、パルス幅の違いを弁別することにより、元の信号を生成することにより、高速なサンプリングと厳密なクロック制御が不要で、低消費電力化を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0014】
また、光通信システムとして、一つの光受信器に複数の光送信器からの光信号が入力される構成の光ネットワークにおいて、各光送信器から出力される光信号をそれぞれ異なる周波数でパルス振幅変調し、かつこれらの光信号のパルス周期が相互に異なるようにしたことにより、変調周波数によって光送信器が識別できるものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0015】
【特許文献1】
特開平7−38504号公報(第4頁、第4図)
【特許文献2】
特開平10−285112号公報(第3頁、第1,2図)
【特許文献3】
特開平10−190573号公報(第3頁、第1図)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す光通信システム1におけるNRZ等の信号で光通信を行う場合、以下の2つの条件を満たすことが必要となる。
【0017】
第1の条件は、SN比(Signal to Noise Ratio: SNR)を十分に確保すること、特に発光素子の消光比を確保することである。これは、消光比を確保することで発光素子雑音が低減され、光受信装置においてノイズ成分を含む光信号の中から信号成分を誤りなく抽出することが可能になるからである。消光比とは、光の切り替えに伴う、スイッチがONの状態とOFFの状態の光強度の比である。一般に、消光比は10dB以上であることが望ましい。
【0018】
第2の条件は、パルスの幅を厳密に調整することである。パルスの幅が厳密に調整されない場合、図9に示すように、符号間干渉に起因してパルス幅がばらつくときに、ジッタが発生し、ビット誤り率(Bit Error Rate: BER)が悪化する。
【0019】
しかし、発光素子の非線形性とレーザドライバの周波数特性により、消光比の確保とトレードオフで光信号のパルス幅歪みが増大するため、上述した2つの条件を同時に満たすことは容易ではない。この2つの条件を同時に満たすには、かなりの調整コストをかける必要がある。
【0020】
また、特許文献1に記載された発明の場合、低消費電力化が図れるが、RZまたはNRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングに対応する一対の光パルス信号を生成するために、発光素子および受光素子等がそれぞれ二つ必要であるため、システム全体のコストが高いという問題がある。
【0021】
また、特許文献2に記載された発明の場合、低消費電力化が図れるが、パルスの幅を厳密に調整する必要がある。また、特許文献3に記載された発明の場合は、パルス振幅変調器が必要となるため、システムコストが高くなるという欠点がある。
【0022】
そこで、この発明は、パルス幅の厳密な調整を不要とし、調整コストを削減できると共に、システムを容易に構成でき、消費電力を抑えることができるようにした光通信システム等を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光通信システムは、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、受信した光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置と、光送信装置を光受信装置に接続する光伝送媒体とを備える光通信システムにおいて、光送信装置は、デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有し、光受信装置は、光伝送媒体を介して光送信装置から伝送された光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号に同期してデジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0024】
この発明に係る光通信システムは、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、受信した光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置と、光送信装置を光受信装置に接続する光伝送媒体とを備える光通信システムにおいて、光送信装置は、デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有し、光受信装置は、光伝送媒体を介して光送信装置から伝送された光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じてデジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0025】
この発明に係る光送信装置は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置において、デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有するものである。
【0026】
この発明に係る光送信装置は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置において、デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成する変調手段と、変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有するものである。
【0027】
この発明に係る光受信装置は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置において、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0028】
この発明に係る光受信装置は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置において、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じてデジタル信号を生成する復調手段とを有するものである。
【0029】
この発明に係る光送信装置の送信方法は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置の送信方法であって、デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成するステップと、パルス信号に基づいて光信号を発生し送信するステップとを備えるものである。
【0030】
この発明に係る光送信装置の送信方法は、電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置の送信方法であって、デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成するステップと、パルス信号に基づいて光信号を発生し送信するステップとを備えるものである。
【0031】
この発明に係る光受信装置の受信方法は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置の受信方法であって、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信するステップと、受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成するステップとを備えるものである。
【0032】
この発明に係る光受信装置の受信方法は、光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置の受信方法であって、光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信するステップと、受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じてデジタル信号を生成するステップとを備えるものである。
【0033】
この発明においては、光送信装置ではデジタル信号におけるデータ遷移点、またはデジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に応じたパターンで光信号を発生させて送信し、光受信装置では受信した光信号に対応するパルス信号を用いて元のデジタルを生成する構成とすることによって、従来のようにデジタル信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、消光比を確保しながら符号間干渉を低減することが可能となる。また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。また、レーザダイオードを駆動するためのパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての光通信システム100の構成を示している。
図1に示すように、光通信システム100は、光送信装置10と、光伝送媒体20と、光受信装置30とから構成されている。光送信装置10と光受信装置30とが光伝送媒体20を介して接続されている。この光通信システム100は、NRZ信号或いはNRZI信号等のデジタル信号を用いた光通信システムである。この例では、NRZ信号が用いられる。
【0035】
光送信装置10は、ECL(Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signal)等のバッファ11と、変調手段としてのNRZ/パルス変調回路12と、レーザドライバ13と、レーザダイオード14とを備える。
【0036】
バッファ11では入力信号としてのNRZ信号の整形およびレベル調整が行われる。NRZ/パルス変調回路12は、遅延器12aと、EXORゲート(排他的論理和ゲート)12bとからなる。このNRZ/パルス変調回路12では、バッファ11から入力されたNRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりの両データ遷移点に同期した一系統の所定幅Tdを有するパルス信号が生成される。このパルス幅Tdは遅延器12aの遅延位相幅により規定される。
【0037】
レーザドライバ13はNRZ/パルス変調回路12から入力されたパルス信号(電圧信号)を電流信号に変換し、レーザダイオード14に供給する。レーザダイオード14はレーザドライバ13によって生成された電流信号により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード14から発生した光信号は光伝送媒体20を介して光受信装置30へ送信される。
【0038】
光伝送媒体20は、例えば光ファイバが用いられる。なお、光ファイバ以外の光導波路を用いてもよい。
【0039】
光受信装置30は、フォトダイオード31と、I−Vアンプ32と、2Rポストアンプ33と、復調手段としてのパルス/NRZ復調回路34とを備える。
【0040】
フォトダイオード31は、光伝送媒体20を介して伝送されてきた光信号を受信して、電流信号として出力する。I−Vアンプ32は、フォトダイオード31から入力された電流信号を電圧信号に変換して2Rポストアンプ33へ出力する。2Rポストアンプ33は、2R機能、つまり微弱なデータ信号の増幅(Reshaping)とECL(Emitter Coupled Logic)レベルでのデータ信号の出力(Regenerating)の機能を1チップ実現した光通信用ポストアンプである。2Rポストアンプ33では、設定された閾値(2R閾値)によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号はバッファされデジタル信号として再生される。このデジタル信号はパルス/NRZ復調回路34に供給される。
【0041】
パルス/NRZ復調回路34は、Toggleフリップフロップからなり、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号の立ち上がり情報を基に、パルス信号をNRZ信号に変換して出力する。
【0042】
続いて、図1に示す光通信システム100の動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、光通信システム100におけるタイムチャートである。図2(a)は、バッファ11の出力信号(NRZ信号)S1,S2の波形、図2(b)は、EXORゲート12bの入力信号S1,S3の波形、図2(c)は、EXORゲート12bの出力信号の反転信号S4の波形、図2(d)は、レーザダイオード14の発光波形、図2(e)は、フォトダイオード31の受信信号S7の波形、図2(f)は、2Rポストアンプ33の出力信号S8の波形、図2(g)は、パルス/NRZ復調回路34から出力されるNRZ復調波形である。
【0043】
光通信システム100を用いて光通信を行う際に、まず、光送信装置10において、NRZ信号をバッファ11に入力し、バッファ11では入力されたNRZ信号の波形整形およびレベル調整が行われ、処理後の信号は非反転信号S1および反転信号S2として出力される。バッファ11の出力信号S1,S2の波形を図2(a)に示す。図2(a)において、「0」,「1」はレーザダイオード14の発光レベルに対応し、「0」は弱レベル、「1」は強レベルである。また、ここで、NRZ信号にはジッタが存在しないとする。
【0044】
バッファ11から出力されたNRZ信号S1は、NRZ/パルス変調回路12のEXORゲート12bに入力される。また、バッファ11から出力されたNRZ信号S2は、NRZ/パルス変調回路12の遅延器12aに入力される。このNRZ信号S2は、遅延器12aで、例えば、位相を90°だけ遅延される。遅延後のNRZ信号S3はEXORゲート12bに入力される。EXORゲート12bへの入力信号S1,S3の波形を図2(b)に示す。
【0045】
遅延器12aでの遅延位相は、光通信システム100を設計する際に、省エネルギー目標(即ちレーザダイオード14の寿命を延長する目標)によって設定される。例えば、レーザダイオード14の寿命を既定値のN倍にする場合、発光量は1/Nであり、遅延位相Td=360°/Nである。また、レーザダイオード14の応答周波数ftは1/(パルス期間)以上が必要となる。
【0046】
EXORゲート12bでは、入力されたNRZ信号S1および遅延後のNRZ信号S3に基づいて、NRZ信号の立ち上がりおよび立ち下がりの両データ遷移点に幅Td(Td=90°)を有するパルス信号S4を生成し、このパルス信号S4をレーザドライバ13へ出力する。EXORゲート12bの出力信号の反転信号S4の波形を図2(c)に示す。
【0047】
レーザドライバ13に入力されたパルス信号(電圧信号)S4は電流信号S5に変換され、レーザダイオード14に供給される。レーザダイオード14は、レーザドライバ13によって生成された電流信号S5により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード14の発光波形を図2(d)に示す。また、図3は、レーザダイオード14の発光パターンの実測例を示している。図3において、横軸は時間軸であり、縦軸はレーザダイオード14の発光レベルである。
【0048】
次に、レーザダイオード14で発生した光信号は光伝送媒体20を介して光受信装置30へ送信される。
【0049】
そして、光受信装置30において、光伝送媒体20を介して伝送されてきた光信号をフォトダイオード31により受信して、電流信号S6として出力する。フォトダイオード31からの出力信号S6はI−Vアンプ32に入力される。I−Vアンプ32は入力された電流信号S6を電圧信号S7に変換した後、2Rポストアンプ33へ出力する。電圧信号に変換された受信パルス信号S6の波形を図2(e)に示す。
【0050】
2Rポストアンプ33では、設定された2R閾値によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号S7はバッファされパルス信号(デジタル信号)S8として再生される。このパルス信号S8はパルス/NRZ復調回路34に供給される。2Rポストアンプ33の出力信号S8の波形を図2(f)に示す。
【0051】
2Rポストアンプ33で再生されたパルス信号S8はパルス/NRZ復調回路34に入力される。パルス/NRZ復調回路34は、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号S8の立ち上がり情報を基に、NRZ信号を生成して出力する。
【0052】
この場合、NRZ信号を復調するために、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号S8の立ち上がり情報のみを用いるので、パルス信号S8の幅に関係なく、元のNRZ信号を再生し、パルス幅歪みによる符号間干渉が発生しない。
【0053】
図4は、光通信システム100を用いて、実際にNRZ信号をパルス光信号として送信し、受信後復調したNRZ信号のアイパターンの例を示している。図4に示すように、光通信システム100を用いて得られたNRZ信号は、従来のような符号間干渉が発生することがなく、正確に伝送されたことが明らかである。
【0054】
また、ここで、レーザダイオード14は90°のパルス幅で駆動しているので、その発光パワーは1/4デューティになる。即ちパルス変調により、NRZ信号のままレーザダイオードを駆動する場合と比較して発光量は1/4に抑えられる。例えば、NRZ信号で2mW振幅の信号を送信する場合、レーザダイオードのDC積分発光量は1mWとなるが、パルス変調で同振幅の信号を送信する場合、DC積分発光量は1/4の0.25mWに減少する。また、発光量を1/4に抑えることにより、レーザダイオード14の寿命は4倍に延びる。遅延器12aによりパルス幅を90°より任意に細かくすれば、更に発光量が抑えられ、レーザダイオード14の寿命を延ばすことが可能となる。
【0055】
このように本実施の形態においては、光送信装置10では、NRZ/パルス変調回路12により送信信号としてのNRZ信号におけるデータ遷移点に同期した一系統のパルス信号S4を生成し、このパルス信号S4を用いてレーザダイオードを駆動して光伝送媒体20を介して光信号を送信する。光受信装置30では、パルス/NRZ復調回路34により受信したパルス信号S8に同期してNRZ信号を生成する。
【0056】
これにより、従来のようにNRZ信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、消光比を確保しながら符号間干渉を低減することができる。また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。また、レーザダイオードを駆動するためのパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命を延長することができる。
【0057】
長寿命化によりレーザダイオードの経年変化を抑えることが可能であり、システムの信頼性向上に寄与する。また、発光量の減少はアイセーフティの観点からも望ましい。
【0058】
以下、図面を参照しながら、この発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態としての光通信システム200の構成を示している。また、この図5において、図1と対応する部分には、同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0059】
図5に示すように、光通信システム200は、光送信装置10Aと、光伝送媒体20と、光受信装置30Aとから構成されている。光送信装置10Aと光受信装置30Aとが光伝送媒体20を介して接続されている。この光通信システム200は、NRZ信号或いはNRZI信号等のデジタル信号を用いた光通信システムである。この例では、NRZ信号が用いられる。
【0060】
光送信装置10Aは、ECL(Emitter Coupled Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signal)等のバッファ11と、変調手段としてのNRZ/パルス変調回路12Aと、レーザドライバ13と、レーザダイオード14とを備える。
【0061】
NRZ/パルス変調回路12Aは、遅延器12aと、第1のANDゲートとしてのANDゲート12cと、第2のANDゲートとしてのANDゲート12dとからなる。このNRZ/パルス変調回路12では、バッファ11から入力されたNRZ信号の「1」の値に同期して一系統の所定幅Tdを有するパルス信号が生成される。このパルス信号の幅Tdは遅延器12aの遅延位相幅により規定される。
【0062】
光伝送媒体20は、例えば光ファイバを用いられる。なお、光ファイバ以外の光導波路を用いてもよい。
【0063】
光受信装置30Aは、フォトダイオード31と、I−Vアンプ32と、2Rポストアンプ33と、復調手段としてのパルス/NRZ復調回路34Aとを備える。
【0064】
パルス/NRZ復調回路34Aは、バッファ34aと、クロック発生器34bと、PLL(Phase Locked Loop)34cと、Dataフリップフロップ34dとからなる。このパルス/NRZ復調回路34Aでは、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号の有無に応じて、NRZ信号を再生して出力する。
【0065】
続いて、図5に示す光通信システム200の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、光通信システム200におけるタイムチャートである。図6(a)は、クロック信号C1,C2の波形、図6(b)は、ANDゲート12cの出力信号、即ちANDゲート12dの入力信号C3の波形、図6(c)は、バッファ11の出力信号(NRZ信号)S9の波形、図6(d)は、ANDゲート12dの出力信号S10の波形、図6(e)は、レーザダイオード14の発光波形、図6(f)は、フォトダイオード31の受信信号S12を電圧信号に変換した信号S13の波形、図6(g)は、2Rポストアンプ33の出力信号S14波形、図6(h)は、クロック信号C5の波形、図6(i)は、パルス/NRZ復調回路34から出力されるNRZ復調波形である。
【0066】
光通信システム200を用いて光通信を行う際に、まず、光送信装置10Aにおいて、クロック信号C1を、2系統に分割し、それぞれANDゲート12cと遅延器12aに入力する。遅延器12aに入力されたクロック信号C1は遅延器12aで、例えば、位相が90°だけ遅延され、クロック信号C2として出力される。この遅延後のクロック信号C2はANDゲート12cに入力される。ANDゲート12cへの入力信号(クロック信号)C1,C2の波形を図6(a)に示す。
【0067】
遅延器12aでの遅延位相は、第1の実施の形態と同様に、光通信システム200を設計する際に、設定される。この例の場合、遅延位相Td=90°とされる。
【0068】
ANDゲート12cでは、入力されたクロック信号C1および遅延後のクロック信号C2に基づいて、クロック信号C1の立ち上がりのデータ遷移点に同期して幅Td(Td=90°)を有するクロック信号C3を生成し、ANDゲート12dへ出力する。ANDゲート12cの出力信号(クロック信号)C3の波形を図6(b)に示す。
【0069】
また、NRZ信号をバッファ11に入力し、バッファ11では入力されたNRZ信号の波形整形およびレベル調整等の処理が行われ、処理後の信号S9はANDゲート12dへ出力される。バッファ11の出力信号(NRZ信号)S9の波形を図6(c)に示す。図6(c)において、「0」,「1」はレーザダイオード14の発光レベルに対応し、「0」は弱レベル、「1」は強レベルである。また、ここで、NRZ信号にはジッタが存在しないとする。
【0070】
ANDゲート12dでは、ANDゲート12cから入力されたクロック信号C3と、バッファ11から入力されたNRZ信号S9とを基に、NRZ信号S9の「1」に同期した、幅Td(Td=90°)を有するパルス信号S10を生成する。このパルス信号S10をレーザドライバ13へ出力する。ANDゲート12dの出力信号S10の波形を図6(d)に示す。
【0071】
レーザドライバ13は、入力された信号(電圧信号)S10を電流信号S11に変換し、レーザダイオード14に供給する。レーザダイオード14は、レーザドライバ13によって生成された電流信号S11により駆動され、入力信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する。レーザダイオード14の発光波形を図6(e)に示す。
【0072】
次に、レーザダイオード14で発生した光信号は光伝送媒体20を介して光受信装置30Aへ送信される。
【0073】
そして、光受信装置30Aにおいて、光伝送媒体20を介して伝送されてきた光信号をフォトダイオード31により受信して、電流信号S12として出力する。フォトダイオード31からの出力された電流信号S12はI−Vアンプ32に入力される。I−Vアンプ32は入力された電流信号S12を電圧信号に変換した後、2Rポストアンプ33へ出力する。電圧信号に変換された受信パルス信号S13の波形を図6(f)に示す。
【0074】
2Rポストアンプ33では、設定された2R閾値によって「1」或いは「0」が判断され、入力されたパルス信号S13はバッファされパルス信号(デジタル信号)S14として再生される。このパルス信号S14はパルス/NRZ復調回路34Aのバッファ34aに供給される。2Rポストアンプ33の出力信号S14の波形を図6(g)に示す。
【0075】
バッファ34aから出力されたパルス信号S15は2系統に分割され、それぞれPLL34cとDataフリップフロップ34dに入力される。PLL34cでは、パルス信号S15とクロック発生器34bから入力されるクロック信号C4の同期をとる。そして、パルス信号S15に同期したクロック信号C5がPLL34cから出力される。このクロック信号C5がDataフリップフロップ34dに入力される。クロック信号C5の波形を図6(h)に示す。
【0076】
Dataフリップフロップ34dでは、入力されたクロック信号C5の立ち上がりタイミングでパルス信号S15をラッチし、パルス信号S15が存在する場合は「1」、パルス信号S15が存在しない場合は「0」をそれぞれ出力する。よって、Dataフリップフロップ34dからの出力信号は、復調されたNRZ信号となる。パルス/NRZ復調回路34から出力されるNRZ復調波形を図6(i)に示す。
【0077】
この場合、NRZ信号を復調するために、2Rポストアンプ33から入力されたパルス信号S14とクロック信号C5の立ち上がり情報のみを用いるので、受信したパルス信号S14の幅に関係なく、元のNRZ信号を再生し、パルス幅歪みによる符号間干渉が発生しない。光通信システム200を用いて、実際にNRZ信号をパルス光信号として送信し、受信後復調したNRZ信号は光通信システム100と同様に図4に示すようなアイパターンが得られる(図4参照)。したがって、光通信システム200を用いて得られたNRZ信号は、従来のような符号間干渉が発生することがなく、正確に伝送されたことが明らかである。
【0078】
また、ここで、レーザダイオード14は90°のパルス幅で駆動しているので、その発光パワーは1/4デューティになる。即ちパルス変調により、NRZ信号のままレーザダイオードを駆動する場合と比較して発光量は1/4に抑えられる。例えば、NRZ信号で2mW振幅の信号を送信する場合、レーザダイオードのDC積分発光量は1mWとなるが、パルス変調で同振幅の信号を送信する場合、DC積分発光量は1/4の0.25mWに減少する。また、発光量を1/4に抑えることにより、レーザダイオード14の寿命は4倍に延びる。遅延器12aによりパルス幅を90°より任意に細かくすれば、更に発光量が抑えられ、レーザダイオード14の寿命を延ばすことが可能となる。
【0079】
このように本実施の形態においては、光送信装置10Aでは、NRZ/パルス変調回路12Aによりクロック信号C1の立ち上がり遷移点に同期してパルス幅Tdを有するクロック信号C3を生成し、さらにこのクロック信号C3に対応するNRZ信号の「1」の値に同期して、一系統の同様のパルス幅を有するパルス信号S10を生成し、このパルス信号S10を用いてレーザダイオードを駆動して光伝送媒体20を介して光信号を送信する。光受信装置30Aでは、パルス/NRZ復調回路34Aによりクロック信号C5の立ち上がりタイミングで受信した光信号に対応するパルス信号S15をラッチし、NRZ信号を生成する。
【0080】
これにより、従来のようにNRZ信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、消光比を確保しながら符号間干渉を低減することができる。また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。また、レーザダイオードを駆動するためのパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することができる。
【0081】
長寿命化によりレーザダイオードの経年変化を抑えることが可能であり、システムの信頼性向上に寄与する。また、発光量の減少はアイセーフティの観点からも望ましい。
【0082】
なお、上述の第2の実施の形態においては、NRZ信号の「1」の値に同期して、所定幅を有するパルス信号S10を生成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。光送信装置でNRZ信号の「0」の値に同期して所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に基づいて光信号を発生して送信し、光受信装置で光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、受信した光信号に基づいて元のデジタル信号を生成するようにしてもよい。
【0083】
この場合、例えば、まず、光送信装置でNRZ信号を反転させ、得られた信号の「0」の値に同期して所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に基づいて光信号を発生して送信する。そして、光受信装置で光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、受信した光信号に基づいてNRZ信号の反転信号を生成し、さらに、生成されたNRZ信号の反転信号を反転処理することにより元のNRZ信号を生成する。
【0084】
また、上述実施の形態においては、NRZ信号に関する送受信について説明したが、これに限定されるものではない。他のデジタル信号、例えばNRZI信号に関する送受信にもこの発明を適用できる。
【0085】
また、上述実施の形態においては、変調手段により生成したパルス信号の幅を90°とした場合について説明したが、これに限定されるものではない。光通信システム設計上に許容される範囲で、このパルス信号の幅を任意に狭くすることが可能である。
【0086】
【発明の効果】
この発明によれば、光送信装置ではデジタル信号におけるデータ遷移点、またはデジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成し、このパルス信号に応じたパターンで光信号を発生させて送信し、光受信装置では受信した光信号に対応するパルス信号を用いて元のデジタルを生成する構成とするものであり、従来のようにデジタル信号のパルス幅を厳密に調整することが不要となるため、調整コストを削減でき、またパルス信号の幅を狭くするため、レーザダイオードの発光量が減少し、消費電力を低減できると共に、寿命が延長することができる。
【0087】
また、一系統のパルス信号を用いて送受信を行うことできるため、システムを容易に構成でき、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。
【図2】光通信システム100におけるタイムチャートである。
【図3】光通信システム100のレーザダイオードの発光パターン実測例を示す図である。
【図4】光通信システム100を用いて送受信したNRZ信号のアイパターンを示す図である。
【図5】第2の実施の形態としての光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。
【図6】光通信システム200におけるタイムチャートである。
【図7】従来の光通信システムの構成例を示す要部ブロック図である。
【図8】光通信システム1におけるタイムチャートである。
【図9】符号間の干渉の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,10A・・・光送信装置、11・・・バッファ、12,12A・・・NRZ/パルス変調回路、12a・・・遅延器、12b・・・EXORゲート、12c・・・ANDゲート、12d・・・ANDゲート、13・・・レーザドライバ、14・・・レーザダイオード、20・・・光伝送媒体、30,30A・・・光受信装置、31・・・フォトダイオード、32・・・I−Vアンプ、33・・・2Rポストアンプ、34,34A・・・パルス/NRZ復調回路、34a・・・バッファ、34b・・・クロック発生器、34c・・・PLL、34d・・・Dataフリップフロップ、100,200・・・光通信システム
Claims (18)
- 電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、受信した光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置と、上記光送信装置を上記光受信装置に接続する光伝送媒体とを備える光通信システムにおいて、
上記光送信装置は、
上記デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成する変調手段と、
上記変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有し、
上記光受信装置は、
上記光伝送媒体を介して上記光送信装置から伝送された光信号を受信する光信号受信手段と、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成する復調手段とを有する
ことを特徴とする光通信システム。 - 上記変調手段は、
排他的論理和ゲートと、入力された信号の位相を遅延させるための遅延器とを備え、
上記デジタル信号と該デジタル信号の反転信号を上記遅延器で位相遅延して得られた信号に基づいて、上記排他的論理和ゲートにより上記デジタル信号の遷移点に同期して所定幅のパルス信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。 - 上記復調手段は、
フリップフロップを備え、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を上記フリップフロップに入力し、該パルス信号に同期して上記デジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。 - 電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置と、受信した光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置と、上記光送信装置を上記光受信装置に接続する光伝送媒体とを備える光通信システムにおいて、
上記光送信装置は、
上記デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成する変調手段と、
上記変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段とを有し、
上記光受信装置は、
上記光伝送媒体を介して上記光送信装置から伝送された光信号を受信する光信号受信手段と、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じて上記デジタル信号を生成する復調手段とを有する
ことを特徴とする光通信システム。 - 上記変調手段は、
第1のANDゲートと、第2のANDゲートと、入力された信号の位相を遅延させるための遅延器とを備え、
上記第1のANDゲートに入力される上記デジタル信号に同期した第1のクロック信号と該第1のクロック信号を上記遅延器で位相遅延して得られた第2のクロック信号に基づいて、上記第1のクロック信号の立ち上がり遷移点に同期して所定幅のクロック信号を生成し、
上記所定幅のクロック信号と上記デジタル信号に基づいて、上記第2のANDゲートにより上記デジタル信号の「1」または「0」の値にのみ同期して所定幅のパルス信号を生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の光通信システム。 - 上記復調手段は、
フリップフロップと、クロック信号を発生するクロック発生器とを備え、
上記光伝送媒体を介して受信した光信号に対応するパルス信号を上記フリップフロップに入力し、該パルス信号と同期する上記クロック信号でラッチすることにより、上記デジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の光通信システム。 - 電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置において、
上記デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成する変調手段と、
上記変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段と
を有することを特徴とする光送信装置。 - 上記変調手段は、
排他的論理和ゲートと、入力された信号の位相を遅延させるための遅延器とを備え、
上記デジタル信号と該デジタル信号の反転信号を上記遅延器で位相遅延して得られた信号に基づいて、上記排他的論理和ゲートにより上記デジタル信号の遷移点に同期して所定幅のパルス信号を生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の光送信装置。 - 電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置において、
上記デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成する変調手段と、
上記変調手段で得られたパルス信号に応じたパターンで発光して光信号を発生する光信号発生手段と
を有することを特徴とする光送信装置。 - 上記変調手段は、
第1のANDゲートと、第2のANDゲートと、入力された信号の位相を遅延させるための遅延器とを備え、
上記第1のANDゲートに入力される上記デジタル信号に同期した第1のクロック信号と該第1のクロック信号を上記遅延器で位相遅延して得られた第2のクロック信号に基づいて、上記第1のクロック信号の立ち上がり遷移点に同期して所定幅のクロック信号を生成し、
上記所定幅のクロック信号と上記デジタル信号に基づいて、上記第2のANDゲートにより上記デジタル信号の「1」または「0」の値にのみ同期して所定幅のパルス信号を生成する
ことを特徴とする請求項9に記載の光送信装置。 - 光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置において、
上記光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信する光信号受信手段と、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成する復調手段とを有する
ことを特徴とする光受信装置。 - 上記復調手段は、
フリップフロップを備え、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を上記フリップフロップ回路に入力し、該パルス信号に同期して上記デジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項11に記載の光受信装置。 - 光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置において、
上記光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信する光信号受信手段と、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じて上記デジタル信号を生成する復調手段とを有する
ことを特徴とする光受信装置。 - 上記復調手段は、
フリップフロップと、クロック信号を発生するクロック発生器とを備え、
上記光信号受信手段で受信した光信号に対応するパルス信号を上記フリップフロップに入力し、該パルス信号と同期する上記クロック信号でラッチすることにより、上記デジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項13に記載の光受信装置。 - 電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置の送信方法であって、
上記デジタル信号におけるデータ遷移点に同期して一系統の所定幅を有するパルス信号を生成するステップと、
上記パルス信号に基づいて光信号を発生し送信するステップと
を備えることを特徴とする光送信装置の送信方法。 - 電気信号としてのデジタル信号を光信号に変換して送信する光送信装置の送信方法であって、
上記デジタル信号の「1」または「0」の値に同期して一系統の所定幅のパルス信号を生成するステップと、
上記パルス信号に基づいて光信号を発生し送信するステップと
を備えることを特徴とする光送信装置の送信方法。 - 光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置の受信方法であって、
上記光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信するステップと、
受信した光信号に対応するパルス信号に同期して上記デジタル信号を生成するステップと
を備えることを特徴とする光受信装置の受信方法。 - 光送信装置から伝送されてきた光信号を受信し、該光信号を元のデジタル信号に変換して出力する光受信装置の受信方法であって、
上記光送信装置から伝送されてきた一系統の光信号を受信するステップと、
受信した光信号に対応するパルス信号を用いて、パルスの有無に応じて上記デジタル信号を生成するステップと
を備えることを特徴とする光受信装置の受信方法。
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---|---|---|---|
JP2002314725A JP2004153442A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | 光送信装置、光受信装置および光通信システム、並びにその送・受信方法 |
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JP2004153442A true JP2004153442A (ja) | 2004-05-27 |
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Family Applications (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006216849A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Seiko Epson Corp | レーザ素子の駆動方法、レーザ素子の駆動回路、光通信装置、電子機器 |
US8090267B2 (en) | 2008-07-24 | 2012-01-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Complementary optical wiring apparatus |
US8112002B2 (en) | 2008-12-08 | 2012-02-07 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Transmitting circuit and complementary optical wiring system |
JP2012034417A (ja) * | 2006-06-20 | 2012-02-16 | Panasonic Corp | パルス変調回路及びパルス変調方法 |
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KR101519516B1 (ko) | 2012-04-13 | 2015-05-12 | 코히어런트, 인크. | 펄스 co2 레이저 출력의 펄스 파형 및 전력 제어 |
-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314725A patent/JP2004153442A/ja active Pending
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