JP2004172189A - 窒化物系半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒化物系半導体装置において、所望の領域に絶縁領域を形成する。
【解決手段】窒化物系LEDは、基板10上に順次n型窒化物層12,14,発光層16,p型窒化物層18,p型透明電極22,p型パッド24,n型電極26を形成することで構成される。p型窒化物層18の表面のうち、p型パッド24直下の領域をプラズマ処理することで抵抗領域20を形成する。p型パッド24から注入された電流は抵抗領域20を迂回するようにpn接合領域に流れ、発光層16から放出された光はp型パッド24に遮蔽されることなく透明電極22を介して外部に放出される。
【選択図】 図1
【解決手段】窒化物系LEDは、基板10上に順次n型窒化物層12,14,発光層16,p型窒化物層18,p型透明電極22,p型パッド24,n型電極26を形成することで構成される。p型窒化物層18の表面のうち、p型パッド24直下の領域をプラズマ処理することで抵抗領域20を形成する。p型パッド24から注入された電流は抵抗領域20を迂回するようにpn接合領域に流れ、発光層16から放出された光はp型パッド24に遮蔽されることなく透明電極22を介して外部に放出される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化物系半導体装置及びその製造方法、特に窒化物系半導体層表面の特性改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、窒化ガリウム(GaN)等の窒化物を用いた半導体装置が開発されており、短波長LED等として実用化が進められている。
【0003】
図7には、従来の窒化物系半導体装置の一例としてLEDの構成が示されている。サファイア等の基板10上に順次、n型窒化物層12、n型窒化物層14、発光層(活性層)16、p型窒化物層18を積層した構造であり、発光層16をn型窒化物層14とp型窒化物層18とで挟んだ構成である。p型窒化物層18上には透明電極22が形成され、透明電極22上にはさらにワイヤボンディングのためのp型パッド24が形成される。一方、n型窒化物層14,発光層16,p型窒化物層18をエッチング除去してn型窒化物層12の一部を表面に露出させ、露出したn型窒化物層12の表面にn型電極26が形成される。n型電極26にも図示していないがワイヤボンディング用のパッドが形成される。p型透明電極22及びn型電極26に順方向バイアス電圧を印加するとn型窒化物層14及びp型窒化物層18からキャリアが注入され、発光層16から所定波長の光が放出される。放出された光はp型窒化物層18及びp型透明電極22を透過して半導体装置の外に射出される。
【0004】
ここで、p型窒化物層18上に形成されたp型透明電極22は、光を効率良く透過させるため非常に薄く形成されており、このためp型透明電極22の導電率は大きくない。従って、p型パッド24から流れ込んだ電流の多くは、図中矢印で示されるようにp型パッド24の直下のpn接合領域を流れ、発光層16のうちこの通過領域に存在する部分においてキャリアが結合し発光する。p型パッド24の直下で放出された光は、その一部はp型透明電極22を透過して外部に放出されるものの、他は非透明なp型パッド24に遮られて外に放出されないため、全体の発光効率が低下してしまう。
【0005】
そこで、従来より、このような発光効率の低下を抑制すべく、p型パッド24の直下にSiO2などの絶縁体を介在させる構成が提案されている。
【0006】
図8には、絶縁体を介在させた窒化物系LEDの構成が示されている。図7に示された構成と略同一であるが、p型パッド24の直下に絶縁体19が形成されている点が異なる。絶縁体19は、真空蒸着やスパッッタリング等により形成される。すなわち、n型窒化物層14や発光層16、p型窒化物層18等はMOCVD装置内でMOCVD法により形成され、n型窒化物層12の表面はRIE(反応性イオンエッチング)装置内でエッチング処理されるが、これらとは別個の装置内で絶縁体19を形成し介在させる。SiO2などの絶縁体19を介在させることで、p型パッド24から注入された電流は絶縁体19を迂回するようにp型パッド24の直下でないpn接合領域を流れ(図中矢印)、この領域において発光層16から発光する。発光層16から放出された光は、p型パッド24に遮られることなくp型透明電極22を透過して外部に放出されるため、LEDの発光効率が向上する。
【0007】
【非特許文献1】
高浪他、「光取り出し効率の改善による紫外LEDの高出力化」、第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集、2002年9月、No1、p.346
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにp型パッド24の直下に絶縁体19を介在させる構成では、真空蒸着やスパッタリングなどの方法でSiO2などを別途形成する必要があるため手間がかかり、再現性が悪い問題があった。すなわち、n型窒化物層12の一部を露出させるために発光層16やp型窒化物層18等はRIE装置を用いてエッチング除去するが、絶縁体19を形成するために半導体装置を一旦RIE装置から取り出して真空蒸着装置やスパッタリング装置に搬入して絶縁体19を形成しなければならず、この過程で半導体装置表面が不純物で汚染されて特性が劣化する恐れがあり、歩留まり低下による最終製品の価格増大を招く問題があった。
【0009】
また、p型パッド24をSiO2等の上に形成する必要があるため、p型パッド24とSiO2の密着性が低く、p型パッド24が剥がれ易い問題もあった。
【0010】
本発明の目的は、SiO2等の絶縁体を窒化物層とパッドとの間に別途形成することなく、発光効率等の特性を向上させることができる窒化物系半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に窒化物系半導体層及び電極を形成してなる窒化物系半導体装置であって、前記窒化物系半導体層の前記電極と接する面に、プラズマ曝露により形成された抵抗領域を有することを特徴とする。従来のように、SiO2等の絶縁材料から構成される絶縁層を別途形成して窒化物層と電極との間に介在させるのではなく、窒化物系半導体層の電極と接する面をプラズマに晒すことで窒化物系化合物層の表面に物理的ダメージを与え、窒化物系半導体層の表面近傍領域の抵抗値を増大させる。かかる抵抗領域(窒化物系半導体層の他の領域に比べて抵抗値が十分に高い領域)は実質的に絶縁体を介在させた構成と同様の作用効果を奏し、電極から注入された電流を迂回させて電流経路を広げる。
【0012】
前記抵抗領域は、プラズマに晒すことで実質的に絶縁領域とすることが好適である。プラズマが窒化物系半導体層に与える物理的ダメージはプラズマの強度や曝露時間により左右され、これらの条件を調整することで窒化物系半導体層に十分なダメージを与えることで結晶構造を変化させ、抵抗値を著しく増大させて絶縁化できる。
【0013】
前記抵抗領域は、前記窒化物系半導体層の表面に存在する自然酸化膜よりも深い領域まで形成されることが好適である。プラズマが窒化物系半導体層に与える物理的ダメージはプラズマの強度や曝露時間により左右され、プラズマの強度が弱く、あるいはプラズマ曝露時間が短いと、窒化物系半導体層表面に形成されている自然酸化膜を除去する程度のダメージを与えるに留まり、この場合には窒化物系半導体層の導電性が逆に向上してしまうことになる。本発明では、プラズマに晒すことで窒化物系半導体層の電極と接する領域の抵抗値を増大させ、より望ましくは絶縁領域とすることが目的であるため、自然酸化膜よりも深い領域まで形成されること、すなわち自然酸化膜を除去する以上のダメージを窒化物系半導体層に与えることが望ましい。なお、プラズマ曝露により形成される抵抗領域の下限は以上の通りであるが、上限は窒化物系半導体層の本来の機能を損なわない程度のものとなる。例えば、窒化物系半導体層が発光層に隣接する場合、キャリアを注入する窒化物系半導体層の機能を損なわない、あるいは隣接する発光層にダメージを与えないことが抵抗領域の上限を規定する。
【0014】
また、本発明は、基板と、前記基板上に形成された第1導電型窒化物系半導体層と、前記第1導電型窒化物系半導体層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型窒化物系半導体層と、前記第1導電型窒化物系半導体層に接する第1導電型電極と、前記第2導電型窒化物系半導体層に接する第2導電型電極とを有する窒化物系半導体装置であって、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する面に、プラズマ曝露により形成された抵抗領域を有することを特徴とする。第2窒化物系半導体層の電極と接する面に抵抗領域が形成されているため、従来のようにSiO2等の絶縁体を介在させた構成と同様に、電極から注入された電流は電極直下ではない領域に流れ込み、この部分で発光層から発光する。なお、第1導電型窒化物系半導体層、発光層、第2導電型窒化物系半導体層はそれぞれ単層でもよく、あるいは複数の半導体層を積層した多層構造でもよい。第1導電型はp型あるいはn型のいずれかであり、第2導電型はp型あるいはn型のうち第1導電型ではないものを意味する。
【0015】
前記第2導電型電極は透明電極であり、前記第2導電型電極上に金属パッドが形成され、前記抵抗領域は、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する界面のうち、前記金属パッドの直下領域近傍に形成されることが好適である。発光層からの光は金属パッドで遮蔽されることなく透明電極を透過して外部に射出されるため、発光効率が向上する。
【0016】
また、前記第2導電型電極は透明電極及び金属パッドであり、前記抵抗領域は、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する界面のうち、前記金属パッドの直下領域近傍に形成されるものとすることもできる。
【0017】
前記第1導電型窒化物系半導体層、発光層、第2導電型窒化物系半導体層は、例えばGaN系半導体層とすることができる。
【0018】
また、本発明は、窒化物系半導体装置の製造方法であって、基板上に窒化物系半導体層を形成するステップと、前記窒化物系半導体層表面をプラズマに曝露させて前記窒化物系半導体層の一部の領域の抵抗値を増大させるステップと、前記窒化物系半導体層上に電極を形成するステップとを有することを特徴とする。プラズマ曝露により抵抗領域を形成するので、SiO2等の絶縁材料を蒸着その他で形成する方法に比べ、簡易に、かつ再現性よく窒化物系半導体装置を製造できる。
【0019】
前記プラズマの曝露は、前記プラズマにより前記窒化物系半導体層表面の自然酸化膜を除去できる程度を越えるものとすることが好適である。自然酸化膜を除去する程度のプラズマ曝露では、実質的に窒化物系半導体層にダメージを与えず、その抵抗値を増大させることができないからである。
【0020】
また、本発明は、窒化物系半導体装置の製造方法であって、(a)基板上に第1導電型窒化物系半導体層を形成するステップと、(b)前記第1導電型窒化物系半導体層上に発光層を形成するステップと、(c)前記発光層上に第2導電型窒化物系半導体層を形成するステップと、(d)前記第2導電型窒化物系半導体層の表面をプラズマに曝露させて前記第2導電型窒化物系半導体層の一部の領域の抵抗値を増大させるステップと、(e)前記第2導電型窒化物系半導体層上に第2導電型電極を形成するステップとを有することを特徴とする。
【0021】
前記(c)ステップと(d)ステップとの間に、(f)前記第1導電型窒化物系半導体層の一部を露出するように前記発光層及び前記第2導電型窒化物系半導体層をエッチングするステップを有し、前記(f)ステップと前記(d)ステップは、同一装置内で行われることが好適である。同一装置内で処理を行うことで、窒化物系半導体装置表面の汚染を抑制できる。
【0022】
前記第2導電型電極は透明電極であり、前記(e)ステップの後に、(g)前記第2導電型電極上に金属パッドを形成するステップを有し、前記(d)ステップにおける前記一部の領域は、前記金属パッドの形成領域に対応する領域とすることが好適である。
【0023】
また、前記第2導電型電極は透明電極及び金属パッドであり、前記(e)ステップでは、前記第2導電型電極上に前記金属パッドを形成するとともに、前記金属パッドに接するように前記第2導電型電極上に前記透明電極を形成し、前記(d)ステップにおける前記一部の領域は、前記金属パッドの形成領域に対応する領域とすることもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の窒化物系半導体装置及びその製造方法について、窒化物系LEDを例にとり説明する。
【0025】
図1には、本実施形態における窒化物系LEDの構成が示されている。基板10上にn型窒化物層12、n型窒化物層14、発光層16、p型窒化物層18が順次形成される。また、図7あるいは図8に示された従来装置と同様に、p型窒化物層18上にp型透明電極22及びワイヤボンディング用のp型パッド24が形成され、エッチングにより表面が露出されたn型窒化物層12上にn型電極26が形成される。n型電極26上にも図示していないがワイヤボンディング用の金属パッドが形成される。
【0026】
一方、本実施形態における窒化物系LEDにおいては、p型窒化物層18のp型透明電極22と接する界面、より詳しくは、p型窒化物層18のp型透明電極22と接する界面のうちp型パッド24直下の領域に抵抗領域20が形成される。この抵抗領域20は、p型窒化物層18の他の領域よりも抵抗値が十分に高い領域であり、実質的に絶縁領域として機能する領域である。この抵抗領域20は、従来のようにSiO2などの絶縁性材料で構成されるのではなく、p型窒化物層18を変化させて構成される。すなわち、抵抗領域20は、p型窒化物層18の一部の構造を変えることにより高抵抗化したものである。このような抵抗領域20は、後述するように、p型窒化物層18の表面の一部をプラズマに晒すことにより形成される。なお、プラズマ曝露時に不純物が混入し、この不純物の混入により抵抗率が増大することもある。不純物を意図的に混入させて抵抗率を増大させることも可能である。
【0027】
p型パッド24の直下に他の領域に比べて相対的に抵抗値の高い抵抗領域20を形成することで、図8に示された構成と同様にp型パッド24から注入された電流は抵抗領域20を迂回するようにpn接合領域を流れ、発光層16のうちこの領域において光が放出される。発光層16から放出された光はp型パッド24に遮られることなくp型透明電極22を透過し外部に放出される。
【0028】
図2には、図1に示された窒化物系LEDの製造処理フローチャートが示されている。サファイア等の基板10をMOCVD装置内のサセプタ上に配置し、原料ガスを反応管内に導入してn型窒化物層12、さらにn型窒化物層14を順次形成する(S101)。n型窒化物層12とn型窒化物層14は互いに化学的組成が異なる層である。機能的には、n型窒化物層12はコンタクト層、n型窒化物層14はキャリア注入層としてそれぞれ機能する。窒化物層を形成する際の原料ガスとしては、トリメチルガリウムやトリメチルアルミニウム、アンモニア等が用いられる。窒化物層の代表的なものはGaN及びこれを含む層である。n型窒化物層14は単層である必要はなく、必要に応じて多層構造としてもよい。
【0029】
次に、原料ガスを再び導入してn型窒化物層14上に窒化物発光層(活性層)16を形成する(S102)。発光層16も単層である必要はなく、多層構造、特にMQW(多層量子井戸)構造としてもよい。発光層16を形成した後、p型窒化物層18を形成する(S103)。p型窒化物層18もキャリア注入層として機能する。なお、窒化物層をn型あるいはp型とするためには、それぞれドナー、アクセプタを添加すればよく、ドナーとしてSi等、アクセプタとしてMg等を用いることができる。p型窒化物層18を形成した後、半導体装置をMOVCD装置から取り出し、RIE(反応性イオンエッチング)装置内に搬入してn型窒化物層12の一部が表面に露出するまでn型窒化物層14、発光層16、p型窒化物層18をエッチングする(S104)。エッチングした後、同一RIE装置内で連続してp型窒化物層18の表面の一部、すなわちその後の工程でp型パッド24が形成されるであろう領域(p型パッド形成予定領域)に対応する領域のみをRIE装置内で発生させたプラズマに晒してp型窒化物層18の表面の一部に抵抗領域20を形成する(S105)。なお、本実施形態においては、抵抗領域20を適宜絶縁領域と称する。絶縁領域は、抵抗領域20の抵抗値が他の領域に比べて非常に高く、実質的に絶縁領域として機能し得ることを考慮したものである。
【0030】
同一RIE装置内でエッチング処理を行い、引き続いてプラズマ曝露処理を施した後、p型窒化物層18上にp型透明電極22を形成する(S106)。そして、n型窒化物層12の露出領域にn型電極26を形成し(S107)、p型窒化物層18の表面に形成された抵抗領域20(絶縁領域)に対応する(すなわちp型透明電極22のうち抵抗領域20の直上に位置する)領域にp型パッド24を形成する(S108)。なお、図示していないが、その後n型電極26上にもn型パッドを形成する。
【0031】
図3には、図2におけるS105の処理、すなわち抵抗領域20(絶縁領域)を形成する様子が模式的に示されている。n型窒化物層14、窒化物発光層16、p型窒化物層18をエッチングしてn型窒化物層12の一部を露出させた後、半導体装置表面にフォトレジスト21を形成し、後工程においてp型パッド24が形成されるであろう領域に開口部を形成する。フォトレジスト21に開口部を形成した後、RIE装置内にてプラズマ100を発生させ、p型窒化物層18の表面の一部、すなわちフォトレジスト21の開口部から露出した表面をプラズマ100に晒す。プラズマ100の原料ガスとしては、p型窒化物層18の材料と化学的に反応しないガス、例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが用いられる。p型窒化物層18の表面をプラズマ100に晒すことで、p型窒化物層18の結晶構造に物理的ダメージを与え、その抵抗値を増大させる。
【0032】
プラズマ100の強度は、一般的には強い方が望ましいが、あまりに強いとダメージ層がp型窒化物層18の表面から深く進入して窒化物発光層16まで達してしまう可能性がある。発光層16にダメージを与えることは発光効率の観点から望ましくない。したがって、プラズマ100の強さとしては、p型窒化物層18に十分なダメージを与えることができ、しかも発光層(活性層)16に影響を与えない程度に弱い範囲とすることが必要である。p型窒化物層18の表面をプラズマに晒す時間についても同様である。一方、プラズマ100の強度が弱く、あるいは曝露時間が短く、p型窒化物層18表面に存在する自然酸化膜を除去するのみでp型窒化物層18に対して実質的にダメージを与えないような条件では、むしろp型窒化物層18の導電性が向上するという報告もある(例えば、橋詰他、「GaNおよびAlGaNの表面組成と表面電子状態の関連性」、信学技法、ED2002−209、2002年10月)。従って、プラズマの強度あるいは曝露時間としては、p型窒化物層18表面の自然酸化膜を除去する以上の強度あるいは時間とすることが必要であり、抵抗領域20の厚さあるいは深さから云えば、p型窒化物層18の表面に形成された自然酸化膜の厚さ以上に形成され、p型窒化物層18の内部にまで浸透する必要がある。
【0033】
以下、本実施形態のLEDについて、より具体的に説明する。
【0034】
<実施例>
抵抗領域20の効果を実証すべく、波長370nmで発光するLED装置を製造した。このLED装置の作製手順は以下の通りである。すなわち、常圧MOCVD装置にて、サファイアc面基板を1100℃で水素雰囲気中において10分間熱処理し、その後、温度を500℃まで下げた。モノメチルシランガスとアンモニアガスを100秒間流すことで不連続な(島状の)SiN膜を基板上に形成した。次に、同一温度で厚さ25nmのGaNをトリメチルガリウム及びアンモニアガスを供給して不連続SiN膜上に堆積させた。このGaNはいわゆる低温バッファ層として機能するものである。
【0035】
温度を1075℃まで上げ、再びトリメチルガリウム及びアンモニアガスを供給して厚さ2μmのアンドープGaNを成長させ、さらにモノメチルシランガスを加えたSiドープのn−GaN1.0μmを順次成長させた。前者はバッファ層、後者は図1におけるn型窒化物層12として機能するものである。n−GaN層中のキャリア密度はおよそ5×1018cm−3である。
【0036】
次に、同一温度でSiドープのn−Al0.1GaN0.9N(2nm)/Siドープのn−GaN(2nm)を50ペア成長させた。Alの原料としてトリメチルアルミニウムを用いた。このn型SLS(歪み超格子)は図1におけるn型窒化物層14として機能するものであり、SLS構造中の平均電子密度は5×1018cm−3である。
【0037】
その後、温度を830℃程度まで下げて30nm厚のアンドープGaN、そしてアンドープIn0.05Ga0.95N(1.5nm)/アンドープAl0.1In0.02Ga0.88N(9.5nm)を7ペア成長させてMQW(多層量子井戸)発光層を成長させた。この発光層は図1における発光層16として機能するものである。そして、温度を975℃まで上げてMgドープのp−AlGaN(1.5nm)/Mgドープのp−AlGaN(0.8nm)を50周期成長させてSLS構造を形成し、さらに15nm厚のp−GaNを成長させてLEDウエハを作製した。
【0038】
p−SLS構造及びp−GaN層は図1におけるp型窒化物層18として機能する。p−SLS構造、p−GaN層中の正孔濃度は、それぞれ5×1017cm−3、3×1018cm−3である。
【0039】
LEDウエハをMOCVD装置から取り出し、表面全面にフォトレジストを塗布し、n型電極形成のためのエッチングをフォトレジストをマスクとして行った。エッチングにはRIE装置を用いた。続いて、再び表面全面にフォトレジストを塗布し、p型パッドが形成されるであろう領域だけに開口部を形成した。エッチングを行ったのと同一のRIE装置を用いて180Wの窒素プラズマに40秒間LEDウエハを晒した後、フォトレジストを除去した。この曝露プロセスによりp−GaN層のフォトレジスト開口部領域に抵抗領域が形成された。
【0040】
次に、フォトレジストプロセスによりp層(p−GaN層)の表面全面にNi10nm、Au10nmを順次真空蒸着した。フォトレジストを除去した後、5%の酸素を含む窒素ガス雰囲気中において520℃で熱処理することにより金属膜はp型透明電極となった。次に、エッチングにより露出したn−GaN層上にTi30nm、Al300nmを形成し、窒素ガス雰囲気中において450℃で30分間熱処理しn型電極を形成した。その後、p電極、n電極のパッド部にワイヤボンディング用の厚さ500nmの金パッドを形成した。基板裏面を100μmまで研磨してスクライブによりチップを切り出し、マウントすることでLEDデバイス(第1LEDデバイスと称する)を作製した。
【0041】
一方、比較のため、p型パッド直下のp−GaN層表面を窒素プラズマに晒さないLEDデバイス(第2LEDデバイスと称する)、及びp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒さず、かつp型パッドも形成しないLEDデバイス(第3LEDデバイスと称する)を作製した。
【0042】
完成したLEDデバイスに電流を注入してデバイスから放出された光の出力を測定した。発光波長は、2インチ直径のウエハ面内で多少のばらつきはあるものの372nm±5nmの範囲内であった。
【0043】
図4には、作製した3種類のLEDデバイスにおける注入電流と光出力の関係が示されている。図において、aは従来、すなわちp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒さない第2LEDデバイスであり、bはp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒さず、しかもp型パッドも形成しない第3LEDデバイスであり、cは実施形態、すなわちp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒してp型パッドを形成した第1LEDデバイスである。
【0044】
図から分かるように、cで示される実施例の第1LEDデバイスは、aで示される従来の第2LEDデバイス、あるいはbで示されるp型パッド無しの第3LEDデバイスに比べて光出力が増大しており、注入電流が50mAの時には第1LEDデバイスは従来の第2LEDデバイスに比べて約1.5倍に増大している。
【0045】
注入電流50mAにおいて、本実施形態の第1LEDデバイスはp型パッド無しの第3LEDデバイスとほぼ同程度の向上が見られることから、本実施形態のデバイスでは実質的にp型パッドが存在せず、発光層からの光がp型パッドの存在により妨げられていないことを示している。これは、本実施形態の第1LEDデバイスでは、p型パッドの直下以外の発光層領域で主に発光していることを示唆するものである。
【0046】
また、注入電流100mA以上では、本実施形態の第1LEDデバイスがp型パッド無しの第3LEDデバイスよりも光出力が増大しているのは、電流の広がりが向上されているため、及び厚いp型パッドにより熱拡散が向上しているためと考えられる。前者は窒素プラズマに晒すことにより抵抗領域(絶縁領域)が形成されたことによるものである。
【0047】
このように、p型パッド直下の領域にプラズマ曝露による抵抗領域を形成することで発光効率が向上するが、p型パッド直下に抵抗領域を形成しているため、動作電圧の上昇が懸念される。そこで、本実施形態の第1LEDデバイスと従来の第2LEDデバイスの電流電圧特性を測定した。
【0048】
図5にはその測定結果が示されている。図において、aは従来の第2LEDデバイスの電流電圧特性であり、cは本実施形態の第1LEDデバイスの電流電圧特性である。両者の間にはほとんど有意な差が見られない。このことから、本実施形態の第1LEDデバイスは、動作電圧の上昇もほとんどないことがわかる。この理由は、p型パッドとp型透明電極が接触しているためと考えられる。
【0049】
次に、プラズマ曝露により窒化物系半導体の表面に抵抗領域(絶縁領域)が形成されていることを確認すべく、p型透明電極を形成せずp−GaN層上に直接p型パッドを形成したデバイス(第4LEDデバイスと称する)を作製した。すなわち、第1LEDデバイスからp型透明電極を除去したものが第4LEDデバイスである。プラズマ曝露時間を変化させて作製した第4LEDデバイスの電流電圧特性を測定した。
【0050】
図6には、その測定結果が示されている。図において、aはプラズマ処理を施さないデバイス、bは10秒間プラズマに晒したデバイス、cは40秒間プラズマに晒したデバイス、dは90秒間プラズマに晒したデバイス、eは240秒プラズマに晒したデバイスの電流電圧特性である。プラズマ処理をしないaデバイスでは約3Vの順方向電圧で電流が流れ始めるのに対し、10秒以上プラズマに晒したデバイスでは7V以上の電圧を印加しないと電流は流れない。また、プラズマ処理したデバイスでは、電流が流れ始めた後はデバイスが劣化してしまい発光現象は見られなかった。これは、プラズマ処理で絶縁化したp−GaN層がブレークダウンしてその結晶が破壊されたものと考えられる。以上のことから、プラズマ処理により窒化物系半導体表面を高抵抗化(絶縁化)できることが確認された。すなわち、p型パッドの直下をプラズマ処理したデバイスにp型パッドのみを形成した第4LEDデバイスでは抵抗領域(絶縁領域)が存在するため電流は流れず、p型パッドとp型透明電極を形成した第1LEDデバイスではp型透明電極を介して抵抗領域(絶縁領域)を迂回するように電流が流れることが確認された。
【0051】
なお、図6から分かるように、プラズマ曝露時間が40秒のときにしきい電圧が最も高く、プラズマ曝露時間がこれよりも長くなるとしきい電圧は逆に低下しており、このことはプラズマ曝露時間に最適値ないし最適範囲が存在することを示唆するものである。プラズマ曝露時間は、プラズマ強度に応じて変化することは云うまでもない。プラズマ強度及びプラズマ曝露時間を調整して最適化することが望ましい。
【0052】
このように、本実施形態においては窒化物系半導体層の透明電極と接する界面のうち、金属パッド直下の領域をRIE装置内においてプラズマ処理することで高抵抗化するものであり、蒸着やCVD、スパッタリングなどの方法により窒化物系半導体層と異なるSiO2絶縁体を形成させるプロセスが不要となり、当該プロセスで導入されるおそれのある汚染を排除し、結果として高品質のLEDデバイスを再現性良く製造することができる。
【0053】
なお、本実施形態においては基板上にn型窒化物系半導体層、発光層、p型窒化物系半導体層を順次形成する場合を示したが、基板上にp型窒化物系半導体層、発光層、n型窒化物系半導体層を順次形成する場合にも同様に適用することができる。
【0054】
また、本実施形態においては窒化物系半導体装置として窒化物系LEDを例にとり説明したが、本願発明はLEDに限定されるものではなく、例えばレーザダイオードの電流狭窄用絶縁体、あるいはFETなどの電子素子の電流狭窄用絶縁体にも適用可能である。要は、絶縁体が必要な領域にSiO2などの絶縁材料を形成するのではなく、その部分を窒素ガスやアルゴンガスのプラズマに晒して物理的ダメージを与え、その結晶構造を変えて抵抗値を所望量だけ増大させればよい。
【0055】
また、本実施形態ではp型窒化物層18上にp型透明電極22を形成し、p型透明電極22の上であって抵抗領域20に対応する領域(直上領域)にp型パッド24を形成しているが、p型窒化物層18上にp型パッド24とp型透明電極22をともに形成することもできる。すなわち、p型窒化物層18に形成された抵抗領域20の直上に金属パッド24を形成し、p型窒化物層18上の他の領域にp型透明電極22を金属パッド24と接するように形成する。この場合も、図1に示された構成と同様に、金属パッド24からの電流を抵抗領域20及びp型透明電極22で広げ、金属パッド24の直下以外の領域で発光させることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればプラズマ処理により窒化物系半導体層の少なくとも一部に抵抗領域を形成することにより、再現性よく所望の特性を有する窒化物系半導体装置を得ることができる。そして、例えば窒化物系LEDに適用した場合、発光効率に優れたLEDを再現性よく製造することができ、これにより最終製品のコスト増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る窒化物系LEDの構成図である。
【図2】図1に示された窒化物系LEDの製造フローチャートである。
【図3】実施形態におけるプラズマ処理を示す説明図である。
【図4】注入電流と光出力との関係を示すグラフ図である。
【図5】LEDデバイスの電流電圧特性を示すグラフ図である。
【図6】透明電極を形成しないLEDデバイスの電流電圧特性を示すグラフ図である。
【図7】従来の窒化物系LEDの構成図である。
【図8】絶縁体を介在させた他の従来の窒化物系LEDの構成図である。
【符号の説明】
10 基板、12 n型窒化物層、14 n型窒化物層、16 発光層(活性層)、18 p型窒化物層、20 抵抗領域(絶縁領域)、22 p型透明電極、24 p型パッド(金属パッド)、26 n型電極。
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化物系半導体装置及びその製造方法、特に窒化物系半導体層表面の特性改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、窒化ガリウム(GaN)等の窒化物を用いた半導体装置が開発されており、短波長LED等として実用化が進められている。
【0003】
図7には、従来の窒化物系半導体装置の一例としてLEDの構成が示されている。サファイア等の基板10上に順次、n型窒化物層12、n型窒化物層14、発光層(活性層)16、p型窒化物層18を積層した構造であり、発光層16をn型窒化物層14とp型窒化物層18とで挟んだ構成である。p型窒化物層18上には透明電極22が形成され、透明電極22上にはさらにワイヤボンディングのためのp型パッド24が形成される。一方、n型窒化物層14,発光層16,p型窒化物層18をエッチング除去してn型窒化物層12の一部を表面に露出させ、露出したn型窒化物層12の表面にn型電極26が形成される。n型電極26にも図示していないがワイヤボンディング用のパッドが形成される。p型透明電極22及びn型電極26に順方向バイアス電圧を印加するとn型窒化物層14及びp型窒化物層18からキャリアが注入され、発光層16から所定波長の光が放出される。放出された光はp型窒化物層18及びp型透明電極22を透過して半導体装置の外に射出される。
【0004】
ここで、p型窒化物層18上に形成されたp型透明電極22は、光を効率良く透過させるため非常に薄く形成されており、このためp型透明電極22の導電率は大きくない。従って、p型パッド24から流れ込んだ電流の多くは、図中矢印で示されるようにp型パッド24の直下のpn接合領域を流れ、発光層16のうちこの通過領域に存在する部分においてキャリアが結合し発光する。p型パッド24の直下で放出された光は、その一部はp型透明電極22を透過して外部に放出されるものの、他は非透明なp型パッド24に遮られて外に放出されないため、全体の発光効率が低下してしまう。
【0005】
そこで、従来より、このような発光効率の低下を抑制すべく、p型パッド24の直下にSiO2などの絶縁体を介在させる構成が提案されている。
【0006】
図8には、絶縁体を介在させた窒化物系LEDの構成が示されている。図7に示された構成と略同一であるが、p型パッド24の直下に絶縁体19が形成されている点が異なる。絶縁体19は、真空蒸着やスパッッタリング等により形成される。すなわち、n型窒化物層14や発光層16、p型窒化物層18等はMOCVD装置内でMOCVD法により形成され、n型窒化物層12の表面はRIE(反応性イオンエッチング)装置内でエッチング処理されるが、これらとは別個の装置内で絶縁体19を形成し介在させる。SiO2などの絶縁体19を介在させることで、p型パッド24から注入された電流は絶縁体19を迂回するようにp型パッド24の直下でないpn接合領域を流れ(図中矢印)、この領域において発光層16から発光する。発光層16から放出された光は、p型パッド24に遮られることなくp型透明電極22を透過して外部に放出されるため、LEDの発光効率が向上する。
【0007】
【非特許文献1】
高浪他、「光取り出し効率の改善による紫外LEDの高出力化」、第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集、2002年9月、No1、p.346
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにp型パッド24の直下に絶縁体19を介在させる構成では、真空蒸着やスパッタリングなどの方法でSiO2などを別途形成する必要があるため手間がかかり、再現性が悪い問題があった。すなわち、n型窒化物層12の一部を露出させるために発光層16やp型窒化物層18等はRIE装置を用いてエッチング除去するが、絶縁体19を形成するために半導体装置を一旦RIE装置から取り出して真空蒸着装置やスパッタリング装置に搬入して絶縁体19を形成しなければならず、この過程で半導体装置表面が不純物で汚染されて特性が劣化する恐れがあり、歩留まり低下による最終製品の価格増大を招く問題があった。
【0009】
また、p型パッド24をSiO2等の上に形成する必要があるため、p型パッド24とSiO2の密着性が低く、p型パッド24が剥がれ易い問題もあった。
【0010】
本発明の目的は、SiO2等の絶縁体を窒化物層とパッドとの間に別途形成することなく、発光効率等の特性を向上させることができる窒化物系半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に窒化物系半導体層及び電極を形成してなる窒化物系半導体装置であって、前記窒化物系半導体層の前記電極と接する面に、プラズマ曝露により形成された抵抗領域を有することを特徴とする。従来のように、SiO2等の絶縁材料から構成される絶縁層を別途形成して窒化物層と電極との間に介在させるのではなく、窒化物系半導体層の電極と接する面をプラズマに晒すことで窒化物系化合物層の表面に物理的ダメージを与え、窒化物系半導体層の表面近傍領域の抵抗値を増大させる。かかる抵抗領域(窒化物系半導体層の他の領域に比べて抵抗値が十分に高い領域)は実質的に絶縁体を介在させた構成と同様の作用効果を奏し、電極から注入された電流を迂回させて電流経路を広げる。
【0012】
前記抵抗領域は、プラズマに晒すことで実質的に絶縁領域とすることが好適である。プラズマが窒化物系半導体層に与える物理的ダメージはプラズマの強度や曝露時間により左右され、これらの条件を調整することで窒化物系半導体層に十分なダメージを与えることで結晶構造を変化させ、抵抗値を著しく増大させて絶縁化できる。
【0013】
前記抵抗領域は、前記窒化物系半導体層の表面に存在する自然酸化膜よりも深い領域まで形成されることが好適である。プラズマが窒化物系半導体層に与える物理的ダメージはプラズマの強度や曝露時間により左右され、プラズマの強度が弱く、あるいはプラズマ曝露時間が短いと、窒化物系半導体層表面に形成されている自然酸化膜を除去する程度のダメージを与えるに留まり、この場合には窒化物系半導体層の導電性が逆に向上してしまうことになる。本発明では、プラズマに晒すことで窒化物系半導体層の電極と接する領域の抵抗値を増大させ、より望ましくは絶縁領域とすることが目的であるため、自然酸化膜よりも深い領域まで形成されること、すなわち自然酸化膜を除去する以上のダメージを窒化物系半導体層に与えることが望ましい。なお、プラズマ曝露により形成される抵抗領域の下限は以上の通りであるが、上限は窒化物系半導体層の本来の機能を損なわない程度のものとなる。例えば、窒化物系半導体層が発光層に隣接する場合、キャリアを注入する窒化物系半導体層の機能を損なわない、あるいは隣接する発光層にダメージを与えないことが抵抗領域の上限を規定する。
【0014】
また、本発明は、基板と、前記基板上に形成された第1導電型窒化物系半導体層と、前記第1導電型窒化物系半導体層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型窒化物系半導体層と、前記第1導電型窒化物系半導体層に接する第1導電型電極と、前記第2導電型窒化物系半導体層に接する第2導電型電極とを有する窒化物系半導体装置であって、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する面に、プラズマ曝露により形成された抵抗領域を有することを特徴とする。第2窒化物系半導体層の電極と接する面に抵抗領域が形成されているため、従来のようにSiO2等の絶縁体を介在させた構成と同様に、電極から注入された電流は電極直下ではない領域に流れ込み、この部分で発光層から発光する。なお、第1導電型窒化物系半導体層、発光層、第2導電型窒化物系半導体層はそれぞれ単層でもよく、あるいは複数の半導体層を積層した多層構造でもよい。第1導電型はp型あるいはn型のいずれかであり、第2導電型はp型あるいはn型のうち第1導電型ではないものを意味する。
【0015】
前記第2導電型電極は透明電極であり、前記第2導電型電極上に金属パッドが形成され、前記抵抗領域は、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する界面のうち、前記金属パッドの直下領域近傍に形成されることが好適である。発光層からの光は金属パッドで遮蔽されることなく透明電極を透過して外部に射出されるため、発光効率が向上する。
【0016】
また、前記第2導電型電極は透明電極及び金属パッドであり、前記抵抗領域は、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する界面のうち、前記金属パッドの直下領域近傍に形成されるものとすることもできる。
【0017】
前記第1導電型窒化物系半導体層、発光層、第2導電型窒化物系半導体層は、例えばGaN系半導体層とすることができる。
【0018】
また、本発明は、窒化物系半導体装置の製造方法であって、基板上に窒化物系半導体層を形成するステップと、前記窒化物系半導体層表面をプラズマに曝露させて前記窒化物系半導体層の一部の領域の抵抗値を増大させるステップと、前記窒化物系半導体層上に電極を形成するステップとを有することを特徴とする。プラズマ曝露により抵抗領域を形成するので、SiO2等の絶縁材料を蒸着その他で形成する方法に比べ、簡易に、かつ再現性よく窒化物系半導体装置を製造できる。
【0019】
前記プラズマの曝露は、前記プラズマにより前記窒化物系半導体層表面の自然酸化膜を除去できる程度を越えるものとすることが好適である。自然酸化膜を除去する程度のプラズマ曝露では、実質的に窒化物系半導体層にダメージを与えず、その抵抗値を増大させることができないからである。
【0020】
また、本発明は、窒化物系半導体装置の製造方法であって、(a)基板上に第1導電型窒化物系半導体層を形成するステップと、(b)前記第1導電型窒化物系半導体層上に発光層を形成するステップと、(c)前記発光層上に第2導電型窒化物系半導体層を形成するステップと、(d)前記第2導電型窒化物系半導体層の表面をプラズマに曝露させて前記第2導電型窒化物系半導体層の一部の領域の抵抗値を増大させるステップと、(e)前記第2導電型窒化物系半導体層上に第2導電型電極を形成するステップとを有することを特徴とする。
【0021】
前記(c)ステップと(d)ステップとの間に、(f)前記第1導電型窒化物系半導体層の一部を露出するように前記発光層及び前記第2導電型窒化物系半導体層をエッチングするステップを有し、前記(f)ステップと前記(d)ステップは、同一装置内で行われることが好適である。同一装置内で処理を行うことで、窒化物系半導体装置表面の汚染を抑制できる。
【0022】
前記第2導電型電極は透明電極であり、前記(e)ステップの後に、(g)前記第2導電型電極上に金属パッドを形成するステップを有し、前記(d)ステップにおける前記一部の領域は、前記金属パッドの形成領域に対応する領域とすることが好適である。
【0023】
また、前記第2導電型電極は透明電極及び金属パッドであり、前記(e)ステップでは、前記第2導電型電極上に前記金属パッドを形成するとともに、前記金属パッドに接するように前記第2導電型電極上に前記透明電極を形成し、前記(d)ステップにおける前記一部の領域は、前記金属パッドの形成領域に対応する領域とすることもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の窒化物系半導体装置及びその製造方法について、窒化物系LEDを例にとり説明する。
【0025】
図1には、本実施形態における窒化物系LEDの構成が示されている。基板10上にn型窒化物層12、n型窒化物層14、発光層16、p型窒化物層18が順次形成される。また、図7あるいは図8に示された従来装置と同様に、p型窒化物層18上にp型透明電極22及びワイヤボンディング用のp型パッド24が形成され、エッチングにより表面が露出されたn型窒化物層12上にn型電極26が形成される。n型電極26上にも図示していないがワイヤボンディング用の金属パッドが形成される。
【0026】
一方、本実施形態における窒化物系LEDにおいては、p型窒化物層18のp型透明電極22と接する界面、より詳しくは、p型窒化物層18のp型透明電極22と接する界面のうちp型パッド24直下の領域に抵抗領域20が形成される。この抵抗領域20は、p型窒化物層18の他の領域よりも抵抗値が十分に高い領域であり、実質的に絶縁領域として機能する領域である。この抵抗領域20は、従来のようにSiO2などの絶縁性材料で構成されるのではなく、p型窒化物層18を変化させて構成される。すなわち、抵抗領域20は、p型窒化物層18の一部の構造を変えることにより高抵抗化したものである。このような抵抗領域20は、後述するように、p型窒化物層18の表面の一部をプラズマに晒すことにより形成される。なお、プラズマ曝露時に不純物が混入し、この不純物の混入により抵抗率が増大することもある。不純物を意図的に混入させて抵抗率を増大させることも可能である。
【0027】
p型パッド24の直下に他の領域に比べて相対的に抵抗値の高い抵抗領域20を形成することで、図8に示された構成と同様にp型パッド24から注入された電流は抵抗領域20を迂回するようにpn接合領域を流れ、発光層16のうちこの領域において光が放出される。発光層16から放出された光はp型パッド24に遮られることなくp型透明電極22を透過し外部に放出される。
【0028】
図2には、図1に示された窒化物系LEDの製造処理フローチャートが示されている。サファイア等の基板10をMOCVD装置内のサセプタ上に配置し、原料ガスを反応管内に導入してn型窒化物層12、さらにn型窒化物層14を順次形成する(S101)。n型窒化物層12とn型窒化物層14は互いに化学的組成が異なる層である。機能的には、n型窒化物層12はコンタクト層、n型窒化物層14はキャリア注入層としてそれぞれ機能する。窒化物層を形成する際の原料ガスとしては、トリメチルガリウムやトリメチルアルミニウム、アンモニア等が用いられる。窒化物層の代表的なものはGaN及びこれを含む層である。n型窒化物層14は単層である必要はなく、必要に応じて多層構造としてもよい。
【0029】
次に、原料ガスを再び導入してn型窒化物層14上に窒化物発光層(活性層)16を形成する(S102)。発光層16も単層である必要はなく、多層構造、特にMQW(多層量子井戸)構造としてもよい。発光層16を形成した後、p型窒化物層18を形成する(S103)。p型窒化物層18もキャリア注入層として機能する。なお、窒化物層をn型あるいはp型とするためには、それぞれドナー、アクセプタを添加すればよく、ドナーとしてSi等、アクセプタとしてMg等を用いることができる。p型窒化物層18を形成した後、半導体装置をMOVCD装置から取り出し、RIE(反応性イオンエッチング)装置内に搬入してn型窒化物層12の一部が表面に露出するまでn型窒化物層14、発光層16、p型窒化物層18をエッチングする(S104)。エッチングした後、同一RIE装置内で連続してp型窒化物層18の表面の一部、すなわちその後の工程でp型パッド24が形成されるであろう領域(p型パッド形成予定領域)に対応する領域のみをRIE装置内で発生させたプラズマに晒してp型窒化物層18の表面の一部に抵抗領域20を形成する(S105)。なお、本実施形態においては、抵抗領域20を適宜絶縁領域と称する。絶縁領域は、抵抗領域20の抵抗値が他の領域に比べて非常に高く、実質的に絶縁領域として機能し得ることを考慮したものである。
【0030】
同一RIE装置内でエッチング処理を行い、引き続いてプラズマ曝露処理を施した後、p型窒化物層18上にp型透明電極22を形成する(S106)。そして、n型窒化物層12の露出領域にn型電極26を形成し(S107)、p型窒化物層18の表面に形成された抵抗領域20(絶縁領域)に対応する(すなわちp型透明電極22のうち抵抗領域20の直上に位置する)領域にp型パッド24を形成する(S108)。なお、図示していないが、その後n型電極26上にもn型パッドを形成する。
【0031】
図3には、図2におけるS105の処理、すなわち抵抗領域20(絶縁領域)を形成する様子が模式的に示されている。n型窒化物層14、窒化物発光層16、p型窒化物層18をエッチングしてn型窒化物層12の一部を露出させた後、半導体装置表面にフォトレジスト21を形成し、後工程においてp型パッド24が形成されるであろう領域に開口部を形成する。フォトレジスト21に開口部を形成した後、RIE装置内にてプラズマ100を発生させ、p型窒化物層18の表面の一部、すなわちフォトレジスト21の開口部から露出した表面をプラズマ100に晒す。プラズマ100の原料ガスとしては、p型窒化物層18の材料と化学的に反応しないガス、例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが用いられる。p型窒化物層18の表面をプラズマ100に晒すことで、p型窒化物層18の結晶構造に物理的ダメージを与え、その抵抗値を増大させる。
【0032】
プラズマ100の強度は、一般的には強い方が望ましいが、あまりに強いとダメージ層がp型窒化物層18の表面から深く進入して窒化物発光層16まで達してしまう可能性がある。発光層16にダメージを与えることは発光効率の観点から望ましくない。したがって、プラズマ100の強さとしては、p型窒化物層18に十分なダメージを与えることができ、しかも発光層(活性層)16に影響を与えない程度に弱い範囲とすることが必要である。p型窒化物層18の表面をプラズマに晒す時間についても同様である。一方、プラズマ100の強度が弱く、あるいは曝露時間が短く、p型窒化物層18表面に存在する自然酸化膜を除去するのみでp型窒化物層18に対して実質的にダメージを与えないような条件では、むしろp型窒化物層18の導電性が向上するという報告もある(例えば、橋詰他、「GaNおよびAlGaNの表面組成と表面電子状態の関連性」、信学技法、ED2002−209、2002年10月)。従って、プラズマの強度あるいは曝露時間としては、p型窒化物層18表面の自然酸化膜を除去する以上の強度あるいは時間とすることが必要であり、抵抗領域20の厚さあるいは深さから云えば、p型窒化物層18の表面に形成された自然酸化膜の厚さ以上に形成され、p型窒化物層18の内部にまで浸透する必要がある。
【0033】
以下、本実施形態のLEDについて、より具体的に説明する。
【0034】
<実施例>
抵抗領域20の効果を実証すべく、波長370nmで発光するLED装置を製造した。このLED装置の作製手順は以下の通りである。すなわち、常圧MOCVD装置にて、サファイアc面基板を1100℃で水素雰囲気中において10分間熱処理し、その後、温度を500℃まで下げた。モノメチルシランガスとアンモニアガスを100秒間流すことで不連続な(島状の)SiN膜を基板上に形成した。次に、同一温度で厚さ25nmのGaNをトリメチルガリウム及びアンモニアガスを供給して不連続SiN膜上に堆積させた。このGaNはいわゆる低温バッファ層として機能するものである。
【0035】
温度を1075℃まで上げ、再びトリメチルガリウム及びアンモニアガスを供給して厚さ2μmのアンドープGaNを成長させ、さらにモノメチルシランガスを加えたSiドープのn−GaN1.0μmを順次成長させた。前者はバッファ層、後者は図1におけるn型窒化物層12として機能するものである。n−GaN層中のキャリア密度はおよそ5×1018cm−3である。
【0036】
次に、同一温度でSiドープのn−Al0.1GaN0.9N(2nm)/Siドープのn−GaN(2nm)を50ペア成長させた。Alの原料としてトリメチルアルミニウムを用いた。このn型SLS(歪み超格子)は図1におけるn型窒化物層14として機能するものであり、SLS構造中の平均電子密度は5×1018cm−3である。
【0037】
その後、温度を830℃程度まで下げて30nm厚のアンドープGaN、そしてアンドープIn0.05Ga0.95N(1.5nm)/アンドープAl0.1In0.02Ga0.88N(9.5nm)を7ペア成長させてMQW(多層量子井戸)発光層を成長させた。この発光層は図1における発光層16として機能するものである。そして、温度を975℃まで上げてMgドープのp−AlGaN(1.5nm)/Mgドープのp−AlGaN(0.8nm)を50周期成長させてSLS構造を形成し、さらに15nm厚のp−GaNを成長させてLEDウエハを作製した。
【0038】
p−SLS構造及びp−GaN層は図1におけるp型窒化物層18として機能する。p−SLS構造、p−GaN層中の正孔濃度は、それぞれ5×1017cm−3、3×1018cm−3である。
【0039】
LEDウエハをMOCVD装置から取り出し、表面全面にフォトレジストを塗布し、n型電極形成のためのエッチングをフォトレジストをマスクとして行った。エッチングにはRIE装置を用いた。続いて、再び表面全面にフォトレジストを塗布し、p型パッドが形成されるであろう領域だけに開口部を形成した。エッチングを行ったのと同一のRIE装置を用いて180Wの窒素プラズマに40秒間LEDウエハを晒した後、フォトレジストを除去した。この曝露プロセスによりp−GaN層のフォトレジスト開口部領域に抵抗領域が形成された。
【0040】
次に、フォトレジストプロセスによりp層(p−GaN層)の表面全面にNi10nm、Au10nmを順次真空蒸着した。フォトレジストを除去した後、5%の酸素を含む窒素ガス雰囲気中において520℃で熱処理することにより金属膜はp型透明電極となった。次に、エッチングにより露出したn−GaN層上にTi30nm、Al300nmを形成し、窒素ガス雰囲気中において450℃で30分間熱処理しn型電極を形成した。その後、p電極、n電極のパッド部にワイヤボンディング用の厚さ500nmの金パッドを形成した。基板裏面を100μmまで研磨してスクライブによりチップを切り出し、マウントすることでLEDデバイス(第1LEDデバイスと称する)を作製した。
【0041】
一方、比較のため、p型パッド直下のp−GaN層表面を窒素プラズマに晒さないLEDデバイス(第2LEDデバイスと称する)、及びp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒さず、かつp型パッドも形成しないLEDデバイス(第3LEDデバイスと称する)を作製した。
【0042】
完成したLEDデバイスに電流を注入してデバイスから放出された光の出力を測定した。発光波長は、2インチ直径のウエハ面内で多少のばらつきはあるものの372nm±5nmの範囲内であった。
【0043】
図4には、作製した3種類のLEDデバイスにおける注入電流と光出力の関係が示されている。図において、aは従来、すなわちp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒さない第2LEDデバイスであり、bはp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒さず、しかもp型パッドも形成しない第3LEDデバイスであり、cは実施形態、すなわちp型パッド直下のp−GaN層を窒素プラズマに晒してp型パッドを形成した第1LEDデバイスである。
【0044】
図から分かるように、cで示される実施例の第1LEDデバイスは、aで示される従来の第2LEDデバイス、あるいはbで示されるp型パッド無しの第3LEDデバイスに比べて光出力が増大しており、注入電流が50mAの時には第1LEDデバイスは従来の第2LEDデバイスに比べて約1.5倍に増大している。
【0045】
注入電流50mAにおいて、本実施形態の第1LEDデバイスはp型パッド無しの第3LEDデバイスとほぼ同程度の向上が見られることから、本実施形態のデバイスでは実質的にp型パッドが存在せず、発光層からの光がp型パッドの存在により妨げられていないことを示している。これは、本実施形態の第1LEDデバイスでは、p型パッドの直下以外の発光層領域で主に発光していることを示唆するものである。
【0046】
また、注入電流100mA以上では、本実施形態の第1LEDデバイスがp型パッド無しの第3LEDデバイスよりも光出力が増大しているのは、電流の広がりが向上されているため、及び厚いp型パッドにより熱拡散が向上しているためと考えられる。前者は窒素プラズマに晒すことにより抵抗領域(絶縁領域)が形成されたことによるものである。
【0047】
このように、p型パッド直下の領域にプラズマ曝露による抵抗領域を形成することで発光効率が向上するが、p型パッド直下に抵抗領域を形成しているため、動作電圧の上昇が懸念される。そこで、本実施形態の第1LEDデバイスと従来の第2LEDデバイスの電流電圧特性を測定した。
【0048】
図5にはその測定結果が示されている。図において、aは従来の第2LEDデバイスの電流電圧特性であり、cは本実施形態の第1LEDデバイスの電流電圧特性である。両者の間にはほとんど有意な差が見られない。このことから、本実施形態の第1LEDデバイスは、動作電圧の上昇もほとんどないことがわかる。この理由は、p型パッドとp型透明電極が接触しているためと考えられる。
【0049】
次に、プラズマ曝露により窒化物系半導体の表面に抵抗領域(絶縁領域)が形成されていることを確認すべく、p型透明電極を形成せずp−GaN層上に直接p型パッドを形成したデバイス(第4LEDデバイスと称する)を作製した。すなわち、第1LEDデバイスからp型透明電極を除去したものが第4LEDデバイスである。プラズマ曝露時間を変化させて作製した第4LEDデバイスの電流電圧特性を測定した。
【0050】
図6には、その測定結果が示されている。図において、aはプラズマ処理を施さないデバイス、bは10秒間プラズマに晒したデバイス、cは40秒間プラズマに晒したデバイス、dは90秒間プラズマに晒したデバイス、eは240秒プラズマに晒したデバイスの電流電圧特性である。プラズマ処理をしないaデバイスでは約3Vの順方向電圧で電流が流れ始めるのに対し、10秒以上プラズマに晒したデバイスでは7V以上の電圧を印加しないと電流は流れない。また、プラズマ処理したデバイスでは、電流が流れ始めた後はデバイスが劣化してしまい発光現象は見られなかった。これは、プラズマ処理で絶縁化したp−GaN層がブレークダウンしてその結晶が破壊されたものと考えられる。以上のことから、プラズマ処理により窒化物系半導体表面を高抵抗化(絶縁化)できることが確認された。すなわち、p型パッドの直下をプラズマ処理したデバイスにp型パッドのみを形成した第4LEDデバイスでは抵抗領域(絶縁領域)が存在するため電流は流れず、p型パッドとp型透明電極を形成した第1LEDデバイスではp型透明電極を介して抵抗領域(絶縁領域)を迂回するように電流が流れることが確認された。
【0051】
なお、図6から分かるように、プラズマ曝露時間が40秒のときにしきい電圧が最も高く、プラズマ曝露時間がこれよりも長くなるとしきい電圧は逆に低下しており、このことはプラズマ曝露時間に最適値ないし最適範囲が存在することを示唆するものである。プラズマ曝露時間は、プラズマ強度に応じて変化することは云うまでもない。プラズマ強度及びプラズマ曝露時間を調整して最適化することが望ましい。
【0052】
このように、本実施形態においては窒化物系半導体層の透明電極と接する界面のうち、金属パッド直下の領域をRIE装置内においてプラズマ処理することで高抵抗化するものであり、蒸着やCVD、スパッタリングなどの方法により窒化物系半導体層と異なるSiO2絶縁体を形成させるプロセスが不要となり、当該プロセスで導入されるおそれのある汚染を排除し、結果として高品質のLEDデバイスを再現性良く製造することができる。
【0053】
なお、本実施形態においては基板上にn型窒化物系半導体層、発光層、p型窒化物系半導体層を順次形成する場合を示したが、基板上にp型窒化物系半導体層、発光層、n型窒化物系半導体層を順次形成する場合にも同様に適用することができる。
【0054】
また、本実施形態においては窒化物系半導体装置として窒化物系LEDを例にとり説明したが、本願発明はLEDに限定されるものではなく、例えばレーザダイオードの電流狭窄用絶縁体、あるいはFETなどの電子素子の電流狭窄用絶縁体にも適用可能である。要は、絶縁体が必要な領域にSiO2などの絶縁材料を形成するのではなく、その部分を窒素ガスやアルゴンガスのプラズマに晒して物理的ダメージを与え、その結晶構造を変えて抵抗値を所望量だけ増大させればよい。
【0055】
また、本実施形態ではp型窒化物層18上にp型透明電極22を形成し、p型透明電極22の上であって抵抗領域20に対応する領域(直上領域)にp型パッド24を形成しているが、p型窒化物層18上にp型パッド24とp型透明電極22をともに形成することもできる。すなわち、p型窒化物層18に形成された抵抗領域20の直上に金属パッド24を形成し、p型窒化物層18上の他の領域にp型透明電極22を金属パッド24と接するように形成する。この場合も、図1に示された構成と同様に、金属パッド24からの電流を抵抗領域20及びp型透明電極22で広げ、金属パッド24の直下以外の領域で発光させることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればプラズマ処理により窒化物系半導体層の少なくとも一部に抵抗領域を形成することにより、再現性よく所望の特性を有する窒化物系半導体装置を得ることができる。そして、例えば窒化物系LEDに適用した場合、発光効率に優れたLEDを再現性よく製造することができ、これにより最終製品のコスト増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る窒化物系LEDの構成図である。
【図2】図1に示された窒化物系LEDの製造フローチャートである。
【図3】実施形態におけるプラズマ処理を示す説明図である。
【図4】注入電流と光出力との関係を示すグラフ図である。
【図5】LEDデバイスの電流電圧特性を示すグラフ図である。
【図6】透明電極を形成しないLEDデバイスの電流電圧特性を示すグラフ図である。
【図7】従来の窒化物系LEDの構成図である。
【図8】絶縁体を介在させた他の従来の窒化物系LEDの構成図である。
【符号の説明】
10 基板、12 n型窒化物層、14 n型窒化物層、16 発光層(活性層)、18 p型窒化物層、20 抵抗領域(絶縁領域)、22 p型透明電極、24 p型パッド(金属パッド)、26 n型電極。
Claims (13)
- 基板上に窒化物系半導体層及び電極を形成してなる窒化物系半導体装置であって、
前記窒化物系半導体層の前記電極と接する面に、プラズマ曝露により形成された抵抗領域を有することを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記抵抗領域は絶縁領域であることを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記抵抗領域は、前記窒化物系半導体層の表面に存在する自然酸化膜よりも深い領域まで形成されることを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 基板と、
前記基板上に形成された第1導電型窒化物系半導体層と、
前記第1導電型窒化物系半導体層上に形成された発光層と、
前記発光層上に形成された第2導電型窒化物系半導体層と、
前記第1導電型窒化物系半導体層に接する第1導電型電極と、
前記第2導電型窒化物系半導体層に接する第2導電型電極と、
を有する窒化物系半導体装置であって、
前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する面に、プラズマ曝露により形成された抵抗領域を有することを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 請求項4記載の装置において、
前記第2導電型電極は透明電極であり、
前記第2導電型電極上に金属パッドが形成され、
前記抵抗領域は、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する界面のうち、前記金属パッドの直下領域近傍に形成されることを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 請求項4記載の装置において、
前記第2導電型電極は透明電極及び金属パッドであり、
前記抵抗領域は、前記第2導電型窒化物系半導体層の前記第2導電型電極と接する界面のうち、前記金属パッドの直下領域近傍に形成されることを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 請求項4記載の装置において、
前記第1導電型窒化物系半導体層、発光層、第2導電型窒化物系半導体層はGaN系半導体層であることを特徴とする窒化物系半導体装置。 - 窒化物系半導体装置の製造方法であって、
基板上に窒化物系半導体層を形成するステップと、
前記窒化物系半導体層表面をプラズマに曝露させて前記窒化物系半導体層の一部の領域の抵抗値を増大させるステップと、
前記窒化物系半導体層上に電極を形成するステップと、
を有することを特徴とする窒化物系半導体装置の製造方法。 - 請求項8記載の方法において、
前記プラズマの曝露は、前記プラズマにより前記窒化物系半導体層表面の自然酸化膜を除去できる程度を越えるものであることを特徴とする窒化物系半導体装置の製造方法。 - 窒化物系半導体装置の製造方法であって、
(a)基板上に第1導電型窒化物系半導体層を形成するステップと、
(b)前記第1導電型窒化物系半導体層上に発光層を形成するステップと、
(c)前記発光層上に第2導電型窒化物系半導体層を形成するステップと、
(d)前記第2導電型窒化物系半導体層の表面をプラズマに曝露させて前記第2導電型窒化物系半導体層の一部の領域の抵抗値を増大させるステップと、
(e)前記第2導電型窒化物系半導体層上に第2導電型電極を形成するステップと、
を有することを特徴とする窒化物系半導体装置の製造方法。 - 請求項10記載の方法において、
前記(c)ステップと(d)ステップとの間に、
(f)前記第1導電型窒化物系半導体層の一部を露出するように前記発光層及び前記第2導電型窒化物系半導体層をエッチングするステップ
を有し、前記(f)ステップと前記(d)ステップは、同一装置内で行われることを特徴とする窒化物系半導体装置の製造方法。 - 請求項10記載の方法において、
前記第2導電型電極は透明電極であり、
前記(e)ステップの後に、
(g)前記第2導電型電極上に金属パッドを形成するステップ
を有し、前記(d)ステップにおける前記一部の領域は、前記金属パッドの形成領域に対応する領域であることを特徴とする窒化物系半導体装置の製造方法。 - 請求項10記載の方法において、
前記第2導電型電極は透明電極及び金属パッドであり、
前記(e)ステップでは、前記第2導電型電極上に前記金属パッドを形成するとともに、前記金属パッドに接するように前記第2導電型電極上に前記透明電極を形成し、前記(d)ステップにおける前記一部の領域は、前記金属パッドの形成領域に対応する領域であることを特徴とする窒化物系半導体装置の製造方法。
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