JP2004171881A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素と酸素とが供給され、これらの電気化学反応により電気エネルギを発生させる主燃料電池10と、主燃料電池に供給される水素および主燃料電池10から排出される未反応水素とが通過する水素流路と、水素流路における主燃料電池10の下流側に配置され、未反応水素と酸素とが供給されるとともに、主燃料電池10の最大出力の1〜20%の範囲内における所定出力を有する補助燃料電池20とを設ける。水素流路における補助燃料電池20の下流側には水素流路を開閉可能な水素バルブ32を設ける。主燃料電池10に冷却水を循環させる冷却水流路における主燃料電池10の上流側に補助燃料電池20を配置する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池を備える燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムでは、0℃以下の低温時に燃料電池を起動すると、発電により発生した水分が凍結して触媒表面を覆ったり流路に氷が詰まったりして、発電を継続できないという問題がある。このような問題を解決するために、温風や温水で燃料電池を加熱する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、燃料電池停止時に燃料電池を保温する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−93445号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2000−164233号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2001−1434736号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載の方法では、燃料電池全体を加熱するために専用の機器、加熱する時間、大量の熱(水素消費)が必要であるという問題がある。また、上記特許文献3に記載の方法では、保温時のエネルギ消費が問題となる。
【0007】
また、燃料電池システムでは、理想的には化学量論比で1倍の水素を供給すればよいが、実際には水素濃度を一定として反応を安定させたり、過剰水分の排出等のために1倍以上の過剰率で水素を供給している。このため、未反応水素が燃料電池から排出される。そして、未反応水素を再度利用するためにポンプを用いて水素を循環させる構成にしている。このため、水素循環用の部品や制御機器が増加している。さらに、0℃以下での低温時に水分によるポンプの凍結などの問題も有している。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、簡素な構成で過剰水素を無駄なく使用できる燃料電池システムを提供することを目的とする。さらに、低温時において効果的に燃料電池を加熱できる燃料電池システムを提供することを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、水素と酸素とが供給され、これらの電気化学反応により電気エネルギを発生させる主燃料電池(10)と、主燃料電池に供給される水素および主燃料電池に供給される水素のうち主燃料電池(10)から未反応のまま排出される未反応水素とが通過する水素流路と、水素流路における主燃料電池の下流側に配置され、未反応水素と酸素とが供給され、これらの電気化学反応により電気エネルギを発生させるとともに、主燃料電池の最大出力の1〜20%の範囲内における所定出力を有する補助燃料電池(20)とを備えることを特徴としている。
【0010】
このように、主燃料電池(10)から排出される未反応水素を消費できる補助燃料電池(20)を、水素流路における主燃料電池(10)の下流側に設けることで、主燃料電池(10)には常に新鮮な水素を供給することができる。これにより、従来行われていた燃料電池から排出される未反応水素の燃料電池への再循環と同様の状況を作り出すことができ、水素循環に要する機器や電力を不要にすることができる。これにより、簡素な構成で過剰水素を無駄なく使用することが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、水素流路における補助燃料電池の下流側には、水素流路を開閉可能な水素バルブ(32)が設けられていることを特徴としている。これにより、水素バルブ(32)により水素流路を閉鎖することで、補助燃料電池(20)を閉塞運転させることができ、主燃料電池(10)から排出された未反応水素をすべて補助燃料電池(20)で消費させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明では、補助燃料電池には、加熱手段が設けられていることを特徴としている。このような構成により、低温起動時に主燃料電池(10)より体格の小さい補助燃料電池(20)を加熱することで、主燃料電池(10)を加熱する場合より少ない熱量で効率的に補助燃料電池(20)を加熱することができる。この結果、早期に燃料電池システムを起動させることができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明では、記主燃料電池に冷却水を循環させる冷却水流路を備え、補助燃料電池は、冷却水流路における主燃料電池の上流側に配置されていることを特徴としている。これにより、低温起動時に補助燃料電池20で発電開始後、補助燃料電池(20)での発電による発熱で暖められた冷却水が主燃料電池(10)に送り込まれることになり、主燃料電池(10)を加熱することができる。また、請求項2に記載の発明のように加熱手段が設けられている場合には、冷却水は加熱手段でも加熱される。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、酸素を含む空気を主燃料電池および補助燃料電池に供給するための空気流路を備え、空気流路は、主燃料電池を構成する複数のセルと補助燃料電池を構成する複数のセルのそれぞれに並列的に空気を供給する第1の空気供給モードと、補助燃料電池を構成する複数のセルに空気を供給しつつ主燃料電池を構成するセルをバイパスさせる第2の空気供給モードとを切り替え可能に構成されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成により、低温起動時に第2の空気供給モードとすることで、主燃料電池(10)を構成するセル内には空気が流れないため、補助燃料電池(20)が必要な空気量のみを供給すればよい。これにより空気供給装置の省動力化を図ることができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1に基づいて説明する。
【0018】
図1は本第1実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示す概念図である。図1(a)〜(c)はそれぞれ、燃料電池システムの空気流路、水素流路、冷却水流路を示している。
【0019】
図1(a)〜(c)に示すように、燃料電池システムにはメインとなる主燃料電池10が設けられている。主燃料電池10は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生するものである。本第1実施形態では燃料電池10として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となるセルが複数積層されて構成されている。複数のセルは、図1中の上下方向に積層されているものとする。セルは、電解質膜が一対の電極で挟まれて構成されている。燃料電池10では、水素および空気(酸素)が供給されることにより、水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。主燃料電池10で発電した電力は、例えば図示しないインバータを介して電動モータに供給することができる。
【0020】
燃料電池10には、図示しない空気供給装置より酸素を含んだ空気が供給され、図示しない水素供給装置より水素が供給される。水素は、所定出力を発電するのに必要な供給量(化学量論比で1)に対して、所定の過剰率(例えば1.1〜1.5)で主燃料電池10に供給される。主燃料電池10で消費されなかった未反応水素は、主燃料電池10から排出される。なお、図示を省略しているが、燃料電池システムには、主燃料電池10の出力電圧を変圧するDC/DCコンバータや2次電池等が設けられている。
【0021】
また、燃料電池システムには、主燃料電池10とは独立した補助燃料電池20が設けられている。補助燃料電池20は主燃料電池10と同様のセルが積層されて構成されている。補助燃料電池20の最大出力は、主燃料電池10に過剰に供給された水素のうち主燃料電池10から排出される未反応水素を消費できる値に設定すればよい。すなわち、補助燃料電池20の最大出力は、主燃料電池10における水素供給量の過剰率によって規定される値である。本第1実施形態では、補助燃料電池20の最大出力を主燃料電池10の最大出力の1〜20%の範囲内で設定している。本第1実施形態の補助燃料電池20は、主燃料電池10よりセルの積層数を少なくすることで、最大出力を主燃料電池10の1〜20%としている。
【0022】
補助燃料電池20には、加熱手段としての電気ヒータ30が設けられている。電気ヒータ30は、図示しない2次電池からの電力で作動する。本第1実施形態の補助燃料電池20のセルは、主燃料電池10のセルと同じ形状(面積)であるため、出力電流が主燃料電池10のセルと同じであり、出力電圧が主燃料電池10のセルの1〜20%の大きさとなっている。このため、燃料電池システムには、補助燃料電池20の出力電圧を変圧するための図示しないDC/DCコンバータが設けられており、補助燃料電池20で発生した電気エネルギは、DC/DCコンバータを介して2次電池に蓄えられる。補助燃料電池20には、図示しない温度センサが設けられている。
【0023】
次に、空気流路、水素流路、冷却水流路における主燃料電池10と補助燃料電池20の位置関係について説明する。
【0024】
図1(a)は燃料電池システムの空気流路を示している。図1(a)に示すように、補助燃料電池20は主燃料電池10の空気流路上流側に配置されている。主燃料電池10には、主燃料電池10を構成するセルに空気を流入させる空気流入側マニホールド11と、セルから空気を流出させる空気流出側マニホールド12が設けられている。同様に補助燃料電池20には、補助燃料電池20を構成するセルに空気を流入させる空気流入側マニホールド21と、セルから空気を流出させる空気流出側マニホールド22が設けられている。
【0025】
補助燃料電池20の空気流入マニホールド21の下流側には、主燃料電池10の空気流入側マニホールド11が接続されている。補助燃料電池20の空気流出マニホールド22の下流側には、主燃料電池10の空気流出側マニホールド12が接続されている。補助燃料電池20の空気流入マニホールド21と主燃料電池10の空気流入側マニホールド11との間には、空気バルブ31が設けられている。空気バルブ31を開閉することで、2つの空気供給モードを切り替えることができる。
【0026】
空気バルブ31が開放された場合には、補助燃料電池20を構成するセルと主燃料電池10を構成するセルに空気が並列的に供給される第1の空気供給モードとなる。空気バルブ31が閉鎖された場合には、補助燃料電池20内を流れたすべての空気が主燃料電池10の空気流出マニホールド12を通過して排出される第2の空気供給モードとなる。すなわち、第2の空気供給モードでは、補助燃料電池20を構成する複数のセルに空気を供給しつつ主燃料電池10を構成するセルをバイパスさせることができる。
【0027】
図1(b)は燃料電池システムの水素流路を示している。図1(b)に示すように、補助燃料電池20は主燃料電池10の水素流路下流側に配置されている。主燃料電池10には、主燃料電池10を構成するセルに水素を流入させる水素流入側マニホールド13と、セルから水素を流出させる水素流出側マニホールド14が設けられている。同様に補助燃料電池20には、補助燃料電池20を構成するセルに水素を流入させる水素流入側マニホールド23と、セルから水素を流出させる水素流出側マニホールド24が設けられている。
【0028】
主燃料電池10の水素流出マニホールド14の下流側には、補助燃料電池20の水素流入側マニホールド23が接続されている。従って、水素流路においては、主燃料電池10と補助燃料電池20とが直列的に接続されており、主燃料電池10から排出された水素が補助燃料電池20に供給される。補助燃料電池20の水素流入側マニホールド23の出口側には、水素バルブ32が設けられている。水素供給時に水素バルブ32を閉鎖した場合には、主燃料電池10および補助燃料電池20内の水素圧が高くなるとともに、補助燃料電池20に外部から空気が逆流するのを防止できる。
【0029】
図1(c)は燃料電池システムの冷却水流路を示している。図1(c)に示すように、主燃料電池10は補助燃料電池20の冷却水下流側に配置されている。主燃料電池10には、主燃料電池10を構成するセルに冷却水を流入させる冷却水流入側マニホールド15と、セルから冷却水を流出させる冷却水流出側マニホールド16が設けられている。同様に補助燃料電池20には、補助燃料電池20を構成するセルに冷却水を流入させる冷却水流入側マニホールド25と、セルから冷却水を流出させる冷却水流出側マニホールド26が設けられている。
【0030】
補助燃料電池20の冷却水流出側マニホールド26の下流側には、主燃料電池10の冷却水流入側マニホールド15が接続されている。従って、冷却水流路においては、主燃料電池10と補助燃料電池20とが直列的に接続されており、補助燃料電池20から排出された冷却水が主燃料電池10に供給される。
【0031】
また、冷却水流路には、冷却水の一部を補助燃料電池20を構成するセルをバイパスさせるバイパス流路33が設けられている。バイパス流路33は、補助燃料電池20の入口と冷却水流出側マニホールド26を接続している。従って、バイパス流路33を通過する冷却水は、補助燃料電池20において冷却水流出側マニホールド26のみを通過する。
【0032】
バイパス流路33には、冷却水バルブ34が設けられている。冷却水バルブ34を開放した場合には、冷却水は補助燃料電池20とバイパス流路33を通過した後、主燃料電池10に供給される。冷却水バルブ34を閉鎖した場合には、すべての冷却水が補助燃料電池20内のセルを通過した後、主燃料電池10に供給される。
【0033】
以下、上記構成の燃料電池システムの作動について説明する。最初に、通常運転時について説明する。通常運転時には、空気バルブ31は開放され、水素バルブ32は閉鎖され、冷却水バルブ34は開放されている。まず、主燃料電池10の水素流入側マニホールドに所定の過剰率で水素が供給され、未反応水素が主燃料電池10の水素流出側マニホールド14から排出される。主燃料電池10から排出された未反応水素は、補助燃料電池20の流入側マニホールド23に供給される。このとき、水素バルブ32は閉鎖されているので、補助燃料電池20は閉塞運転される。この結果、主燃料電池10から排出されるすべての未反応水素は補助燃料電池20で消費され、電気エネルギに変換される。
【0034】
補助燃料電池20では、従来の燃料電池と同様に、空気流路から電解質膜を窒素が拡散するため水素流路内の窒素濃度が高くなり、相対的に水素濃度が低くなる。このため、水素流路内の窒素濃度により補助燃料電池20の出力状態が変化する。従って、補助燃料電池20の出力が所定値を下回った場合に、補助燃料電池20内の窒素濃度が高くなったものとして、水素バルブ32を開放する。これにより、補助燃料電池20内から窒素を含む水素がパージされる。
【0035】
次に、低温起動時について説明する。低温起動時には、空気バルブ31、水素バルブ32、冷却水バルブ34はすべて閉鎖されている。まず、電気ヒータ30に通電し、補助燃料電池20を発電可能温度まで昇温させ、補助燃料電池20での発電を開始する。補助燃料電池20の最大出力は主燃料電池10の最大出力の1〜20%の所定値に設定されているので、補助燃料電池20の加熱に必要な熱量は、主燃料電池10の加熱に必要な熱量の1/20〜1/100程度である。このため、短期間で補助燃料電池20を発電可能温度まで昇温させることができる。
【0036】
図示しない空気供給装置と図示しない水素供給装置から空気および水素を供給し、補助燃料電池20で発電を開始する。補助燃料電池20で発生した電力は、電気ヒータ30に投入して補助燃料電池20自身の加熱に用いることができる。このとき、空気バルブ31は閉鎖されており、主燃料電池10を構成するセル内には空気が流れないため、補助燃料電池20が必要な空気量のみを供給すればよい。これにより図示しない空気供給装置の省動力化を図ることができる。
【0037】
電気ヒータ30で暖められるとともに補助燃料電池20での発電による発熱で暖められた冷却水は、主燃料電池10に送り込まれ、主燃料電池10を徐々に加熱する。このとき、補助補燃料電池20が過熱しないように、図示しない温度センサにて補助燃料電池20の温度を検出し、補助燃料電池20に流れる冷却水流量を調整する。
【0038】
主燃料電池10が暖まり、発電可能になった時点で空気バルブ31、冷却水バルブ34を開放する。空気バルブ31を開放することにより、主燃料電池10に水素に加え、空気が供給されることになり、主燃料電池10が発電可能な状態となる。また、通常運転時に主燃料電池10が必要とする冷却水流量のすべてを補助燃料電池20に流すとすると、補助燃料電池20における圧損が大きくなる。従って、本第1実施形態のように冷却水バルブ34を開放し、冷却水の一部を補助燃料電池20をバイパスさせることで、補助燃料電池20における冷却水の圧損が大きくなりすぎることを防止できる。
【0039】
以上、本第1実施形態のように、主燃料電池10から排出される未反応水素を消費できる補助燃料電池20を、水素流路における主燃料電池10の下流側に設けることで、主燃料電池10には常に新鮮な水素を供給することができる。これにより、従来行われていた燃料電池から排出される未反応水素の燃料電池への再循環と同様の状況を作り出すことができ、水素循環に要する機器や電力を不要にすることができる。これにより、簡素な構成で過剰水素を無駄なく使用することが可能となる。
【0040】
本第1実施形態では、補助燃料電池20を閉塞運転しているが、小型であり発電量が少ないため、主燃料電池10を閉塞運転した場合に見られるような水素濃度の不均一によりセル間の出力バラツキやセル内での自己放電を抑制することができる。
【0041】
また、本第1実施形態では、補助燃料電池20の最大発電量を主燃料電池10の最大発電量の1〜20%に設定しているので、暖機運転時に補助燃料電池20を加熱して発電を開始させることで、低温時において効果的に燃料電池を加熱できる。これにより、短時間で燃料電池を起動させることができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2、図3に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態に比較して、主燃料電池10と補助燃料電池20の配置が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図2は、本第2実施形態の主燃料電池10と補助燃料電池20の構成を示す概念図である。図2に示すように、本第2実施形態では、主燃料電池10と補助燃料電池20との間に分離部材40が設けられ、主燃料電池10と補助燃料電池20は、分離部材40を介して接続され一体的に構成されている。
【0044】
図3は主燃料電池10、分離部材40、補助燃料電池20のそれぞれが接する面の平面図である。図3(a)は主燃料電池10の分離部材40と接する面を示し、図3(b)は分離部材40の主燃料電池10と接する面を示し、図3(c)は補助燃料電池20の分離部材40と接する面を示している。図3(a)〜(c)は、それぞれの面を主燃料電池10→分離部材40→補助燃料電池20方向(図2中の上→下方向)からみた平面図となっている。
【0045】
図3(b)に示すように、分離部材40には、第1空気通路41、第2空気通路42、水素通路44、冷却水通路45が形成されている。分離部材40には、第1空気流路41を開閉する空気バルブ31が設けられている。本第1実施形態では、空気バルブ31として電磁バルブを用いている。空気バルブ31のシール面は空気流路下流側に向くように配置し、バルブ閉時にシール面が加圧されるようにし、シール性を高めている。また、空気バルブ31の駆動部を空気流路より鉛直線上方に配置することで、空気流路内を流通する水滴が空気バルブ31内部に溜まらないように構成されている。
【0046】
分離部材40は、主燃料電池10と補助燃料電池20との間を絶縁および断熱する必要がある。また、燃料電池10、20での発電により生じる水滴が付着すると低温時に空気バルブ31が凍結するおそれがある。このため、分離部材40は、絶縁性、断熱性、撥水性を有するテフロン(登録商標)を用いている。
【0047】
空気は、補助燃料電池20の空気流入側マニホールド21→分離部材40の第1空気通路41→主燃料電池10の空気流入側マニホールド11と、補助燃料電池20の空気流出側マニホールド22→分離部材40の第2空気通路42→主燃料電池10の空気流出側マニホールド12の2つの流路を通過する。
【0048】
水素は、主燃料電池10の水素流出側マニホールド14→分離部材40の水素通路44→補助燃料電池20の水素流入側マニホールド23の順に通過する。冷却水は、補助燃料電池20の冷却水流出側マニホールド26→分離部材40の冷却水通路45→主燃料電池10の冷却水流入側マニホールド15の順に通過する。
【0049】
図2に戻り、補助燃料電池20における分離部材40の反対側に電気ヒータ30と断熱部材50が順に積層されている。本第2実施形態では、電気ヒータ30としてシート状のラバーヒータを加工して用いている。また、断熱部材50としてテフロン(登録商標)シートを用いている。積層された主燃料電池10、分離部材40、補助燃料電池20、電気ヒータ30、断熱部材50は、通常燃料電池セルを積層してスタック構造として締結する場合と同様に、ボルト締めによって締結している。
【0050】
以上の構成により、主燃料電池10と補助燃料電池20とを一体的に構成することができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
図4は、本第3実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示す概念図であり、燃料電池システムの水素流路を示している。図4に示すように、水素流路における補助燃料電池20の下流側には、第1の補助燃料電池20より小型の第2の補助燃料電池200が設けられている。水素流路における第2の補助燃料電池200の下流側に水素バルブ32が設けられている。
【0053】
第2の補助燃料電池200は、主燃料電池10より排出される未反応水素のうち第1の補助燃料電池20で消費しきれなかった未反応水素を消費するものである。従って、第2の補助燃料電池200は、第1の補助燃料電池20から排出される未反応水素を消費できる大きさ(過剰水素分)であればよく、本第3実施形態における第2の補助燃料電池200の最大出力は、第1の補助燃料電池20最大出力の1/10としている。また、第2の補助燃料電池200は、冷却は空冷式とし、空気供給は自然拡散式とすることで、冷却水経路および空気経路を不要とした。
【0054】
以上の構成により、第1の補助燃料電池20から排出される未反応水素は第2の補助燃料電池200にて消費されるため、通常運転時において第1の補助燃料電池20を閉塞運転する必要がなくなる。
【0055】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、補助燃料電池20は、主燃料電池10のセルと同じ形状(面積)のセルを用い、セル積層数を主燃料電池10の1〜20%としたが、これに限らず、補助燃料電池20のセル面積を主燃料電池10のセル面積の1〜20%とすることで、補助燃料電池20を主燃料電池10と積層数は同じで最大出力を主燃料電池10の1〜20%とすることができる。これにより、補助燃料電池20の出力電圧が主燃料電池10と同じになるので、補助燃料電池20専用のDC/DCコンバータを用いなくても、主燃料電池10と補助燃料電池20を電気的に並列に用いることができる。
【0056】
また、補助燃料電池20のセル積層数を調整して、補助燃料電池20の出力電圧を例えば42ボルトあるいは14ボルトとすることで、従来主燃料電池10から変圧していた回路をなくし、42ボルトあるいは14ボルトの定電圧機器の専用電源として用いることができる。
【0057】
また、上記各実施形態では、図1(a)で示した空気流路を、補助燃料電池20→主燃料電池10の順に空気が流れるように構成したが、これに限らず、主燃料電池10→補助燃料電池20の順に空気が流れるように構成してもよい。
【0058】
また、上記第3実施形態では、水素流路における第1の補助燃料電池20の下流側に第2の補助燃料電池200を設け、補助燃料電池を2段構成としたが、これに限らず、第2の補助燃料電池200の下流側にさらに小型の燃料電池を設ける多段構成としもよい。
【0059】
また、上記第2実施形態で用いた電磁バルブは、エアオペレートバルブなどの他の公知手段で駆動できることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池の主要部の構成を示す概念図である。
【図2】第2実施形態の燃料電池の主要部の構成を示す概念図である。
【図3】図2において、主燃料電池、分離部材、補助燃料電池のそれぞれが接する面の平面図である。
【図4】第3実施形態の燃料電池の主要部の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
10…主燃料電池、20…補助燃料電池、30…電気ヒータ(加熱手段)、31…空気バルブ、32…水素バルブ、34…冷却水バルブ。
Claims (5)
- 水素と酸素とが供給され、これらの電気化学反応により電気エネルギを発生させる主燃料電池(10)と、
前記主燃料電池に供給される水素および前記主燃料電池に供給される水素のうち前記主燃料電池(10)から未反応のまま排出される未反応水素とが通過する水素流路と、
前記水素流路における前記主燃料電池の下流側に配置され、前記未反応水素と酸素とが供給され、これらの電気化学反応により電気エネルギを発生させるとともに、前記主燃料電池の最大出力の1〜20%の範囲内における所定出力を有する補助燃料電池(20)とを備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記水素流路における補助燃料電池の下流側には、前記水素流路を開閉可能な水素バルブ(32)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記補助燃料電池には、加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
- 前記主燃料電池に冷却水を循環させる冷却水流路を備え、
前記補助燃料電池は、前記冷却水流路における前記主燃料電池の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - 酸素を含む空気を前記主燃料電池および前記補助燃料電池に供給するための空気流路を備え、
前記空気流路は、前記主燃料電池を構成する複数のセルと前記補助燃料電池を構成する複数のセルのそれぞれに並列的に空気を供給する第1の空気供給モードと、前記補助燃料電池を構成する複数のセルに空気を供給しつつ前記主燃料電池を構成するセルをバイパスさせる第2の空気供給モードとを切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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