JP2008130289A - 直接型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の外部に排出されていたメタノール燃料を有効に利用する技術を提供する。
【解決手段】本発明の直接型燃料電池は、発電部と排ガス処理部36を備える。発電部には、電解質膜12と、電解質膜12の一方の面に設けられたアノード24と、電解質膜12の他方の面に設けられた22とを含む。排ガス処理部36は、アノード24で生成したガスと共に供給される燃料蒸気を液体中に捕捉し、ガスに含まれる二酸化炭素を排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、直接型燃料電池の技術に関する。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できる。また、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待される。宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有る。特に近年、固体高分子形燃料電池の一形態として、ダイレクトメタノール燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)が注目を集めている。DMFCは、燃料であるメタノール水溶液を改質することなく直接アノードへ供給し、メタノール水溶液と酸素との電気化学反応により電力を得るものである。この電気化学反応によりアノードからは二酸化炭素が、カソードからは生成水が、反応生成物として排出される。メタノール水溶液は水素に比べ、単位体積当たりのエネルギが高く、また、貯蔵に適しており、爆発などの危険性も低いため、自動車や携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラ、電子辞書あるいは電子書籍)などの電源への利用が期待されている。
DMFCでは、長時間の連続運転を可能とするため、高濃度のメタノール燃料が使用される。そのため、アノードにメタノール燃料を供給するための燃料室において、メタノールの蒸気圧は高い状態で保たれる。このメタノール蒸気は、アノードで生成したガスと共に燃料電池の外部に排出される虞があるため、これを防ぐための様々な技術が開発されてきた。
特開2005−11695号公報 特表2004−507047号公報
図7は、発電に使用されるメタノール量に対して蒸発により失われるメタノール量の割合を3種類の異なる濃度において計算した結果を示したグラフである。同図から、メタノールの濃度や発電時のメタノールの温度が上昇するにつれて、蒸発により失われるメタノール量の割合が高くなることがわかる。パッシブ型燃料電池では、補機を可及的に省略した小型設計をするため、アノードで生成したガスとメタノール蒸気とを分離し、メタノール蒸気を回収する機構を設けることが困難であり、メタノールを有効に活用することが十分とはいえなかった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、メタノール燃料が燃料電池の外部に排出されないように有効に利用する技術の提供にある。
本発明のある態様は、直接型燃料電池である。当該直接型燃料電池は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の面に設けられたカソードと、
を含む発電部と、アノードで生成したガスと共に供給される燃料蒸気を液体中に捕捉し、ガスに含まれる二酸化炭素を排出する排ガス処理部と、を備えることを特徴とする。
この態様の直接型他燃料電池によれば、燃料電池の外部に排出されていたメタノール燃料を有効に利用しやすくなる。
上記態様の直接型燃料電池において、排ガス処理部の液体に捕捉された燃料を用いて発電する別の発電部を更に備えていてもよい。
この態様の直接型燃料電池によれば、排ガス処理部の液体に捕捉された燃料を発電に使用できるため、燃料をより有効に利用しやすくなり、燃料電池全体の燃費が向上しやすくなる。
上記態様の直接型燃料電池において、カソードで生成した水を排ガス処理部の液体に供給する生成水供給手段を更に備えていてもよい。
この態様の直接型燃料電池によれば、ユーザは自ら排ガス処理部の液体に水を供給する手間から解放されやすくなる。また、カソードで生成した水の処理が解決されやすくなる。
上記態様の直接型燃料電池において、発電部と別の発電部とが、電気的に並列に接続されていてもよい。
この態様の直接型燃料電池によれば、より安定的に電力を供給しやすくなる。
上記態様の直接型燃料電池によれば、発電部に用いられる燃料を保持する燃料保持部を更に備え、燃料保持部には、燃料蒸気とアノードで生成したガスを排ガス処理部に送るための流路が形成されていてもよい。
この態様の直接型燃料電池によれば、流路に溜まった燃料蒸気およびアノードで生成したガスは、より円滑に排ガス処理部に送られやすくなる。
本発明によれば、燃料電池の内部で発生するメタノール蒸気を捕捉することにより、メタノール燃料を有効に利用しやすくする。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池の模式図である。以下、図1において本実施形態に係る燃料電池の概要について説明する。
燃料電池10は、燃料電池主部20と燃料電池副部30を備える。燃料電池主部20は、カソード22、電解質膜12、アノード24および燃料室26を備える。燃料電池副部30は、カソード32、電解質膜12、アノード34および排ガス処理部36を備える。よって、燃料電池主部20のみならず、燃料電池副部30も発電部としての機能を有する。なお、燃料電池主部20と燃料電池副部30は、1つの電解質膜12を共用している。
燃料室26には、メタノール水溶液あるいは純メタノール(以下、「メタノール燃料」と記載する)が充填されている。一方、燃料電池副部30の排ガス処理部36には、水が充填されている。燃料電池主部20のカソード22と、燃料電池副部30のカソード32とは、配線16で接続されている。燃料電池主部20と燃料電池副部30のそれぞれのアノードも、同様に配線17で接続されている。つまり、燃料電池主部20の電極と燃料電池副部30の電極は、電気的に並列に接続されている。電気的に並列に接続されることで、燃料電池主部20のみならず燃料電池副部30でも発電する場合で、燃料電池10は、より安定的に電力を供給できる。
燃料室26と排ガス処理部36とは、排ガス連絡路18で繋がれている。発電により、燃料電池主部20のアノード24で生成した炭酸ガスは、排ガス連絡路18を通って、排ガス処理部36に送られる。燃料電池を長時間使用できるように、燃料室26に充填されるメタノール燃料のメタノール濃度は高濃度である。高濃度メタノールの蒸気圧による影響を受け、燃料室26内において液体で満たされていない空間には、常にメタノール蒸気が存在している。このメタノール蒸気は、アノード24で生成した炭酸ガスと共に排ガス処理部36に送られる。
炭酸ガスと共に排ガス処理部36に送られたメタノール蒸気は、排ガス処理部36に充填されている水に溶解する。排ガス処理部36内の水溶液のメタノール濃度が、燃料室26のメタノール燃料より低い場合、排ガス処理部36内のメタノールの蒸気圧は、燃料室26内よりも低くなる。よって、排ガス処理部36に移動したメタノール蒸気は、凝縮し液体となった後、排ガス処理部36内の水に溶解する。また、メタノール蒸気が排ガス処理部36内の水に取り込まれて溶解する場合もある。
排ガス処理部36内の水に溶解したメタノールは、燃料電池副部30によって発電のために使用される。従来、アノード24で生成した炭酸ガスと共に外部へ排出していたメタノール蒸気を捕捉し、発電のために消費することで、メタノール燃料をより有効に利用でき、燃料電池10全体の燃費が向上する。一方、排ガス処理部36に送られた炭酸ガスは、燃料電池10の外部に排出される。
燃料電池主部20のカソード22と排ガス処理部36は、生成水搬送材14によって繋がれている。生成水搬送材14は、毛細管現象により水を吸収する素材で構成される。生成水搬送材14により、発電によってカソード22で生成した水が吸収され、排ガス処理部36に吸収した水が供給される。
図2は、本実施形態に係る燃料電池の斜視図である。図3は、図2の燃料電池の分解斜視図である。図4は、図2のA−A’線上の断面図である。図5は、図2のB−B’線上の断面図である。以下、燃料電池主部の断面である図4を中心に説明する。
燃料電池10は、平面上に配置された複数のセル11を備える。各セル11は、アノード24とカソード22とに挟持された電解質膜12からなる膜電極接合体を備える。アノード24には、メタノール燃料が供給される。カソード22には、空気が供給される。燃料電池10は、メタノール燃料中のメタノールと空気中の酸素との電気化学反応により発電する。
電解質膜12は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、アノード24とカソード22との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜12は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などがあげられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどがあげられる。
アノード24の一方の面に電解質膜12が接合し、アノード24の他方の面に集電体56が接触している。集電体56の母材に要求される特性としては、導電性、剛性が挙げられる。集電体56の母材は、金、白金などの耐腐食性を有する金属で被覆されていることが望ましい。集電体56には、面方向に対して垂直方向に複数の細孔が設けられている。集電体56に設けられた細孔を通って、アノード24にメタノール燃料が供給される。なお、図3に示される膜電極接合体50は、電解質膜にアノードとカソードが接合され、更にその外側に集電体が接触している状態を示している。
図4に戻り、アノード24側の電解質膜12の周縁部には、シール材42が設けられている。セル11とセル11の間には、間隙33が設けられ、隣り合うセル同士が電気的に絶縁される。シール材42と集電体56を電解質膜12方向に対して押さえ付けるために、アノード側集電体支持部48が設けられている。アノード側集電体支持部48の集電体56と接触する面には、開口47が設けられている。開口47を通して取り込まれたメタノール燃料は、集電体56の細孔を通過し、アノード24に供給される。メタノール燃料がアノード24に円滑に供給されるように、隣り合う開口47と開口47の間の梁51が、間隙33と対応する位置に設けられ、アノード24の表面が広く開放されている。
なお、図3に示されるように、アノード側集電体支持部48の膜電極接合体50方向に対して垂直な面には、梁51と交差してより細い梁が設けられている。より細い梁を設けることで、アノード24へのメタノール燃料の供給を妨げることなく、集電体56をより均一に押さえ付けることができる。
図4に戻り、アノード側集電体支持部48は、メタノール燃料を貯蔵する燃料室26を形成するため、アノード24とは反対側において、シール材43と蓋40によって密閉される。この燃料室26には、燃料保持部46が充填される。燃料電池の向きにかかわらず発電ができるように、燃料保持部46は、メタノール燃料を吸収して湿潤し、アノード24が常にメタノール燃料に触れるようにしている。燃料保持部46は、アノード側集電体支持部48に設けられている開口47に適合し、アノード24に接触するように形成されている。
燃料保持部46を構成する材料としては、フェルト、スポンジ、樹脂粒子焼結体、樹脂繊維焼結体、天然繊維および樹脂繊維束体などが好適である。更に、燃料保持部46には、メタノール燃料を十分に吸収させるための数十μm以下の孔と、アノード24から生成する炭酸ガスを通すための0.1mm〜1mmオーダの孔が複数形成されていることが望ましい。
燃料保持部46の集電体56と接触する面には、流路62が設けられることが望ましい。流路62は、燃料保持部46の集電体56と接触する面に凹形状の溝として設けられるため、発電によりアノード24で生成した炭酸ガスは、流路62に溜まることになる。
アノード側集電体支持部48の燃料タンク28側の側面には、燃料受入口49が設けられている(図3参照)。燃料タンク28には、燃料受入口49の径と適合する凸形状の燃料供給口38が設けられている。燃料保持部46は、燃料供給口38から供給されるメタノール燃料を毛細管現象により吸収し、接触するアノード24へとメタノール燃料を供給する。なお、燃料受入口49には、燃料タンク28の燃料供給口38を外しても燃料保持部46に保持されるメタノール燃料が外部に流出しないように、逆止弁が設けられている。
カソード22の一方の面には電解質膜12が接合し、カソード22の他方の面に集電体57が接触している。集電体57の構成は集電体56と同様である。集電体57を電解質膜12方向に対して押さえ付けるために、カソード側集電体支持部54が設けられている。カソード側集電体支持部54の集電体57と接触する面には空気を取り込むための空気取り込み口58が設けられている。空気取り込み口58から流入した空気は、カソード22に供給される。カソード22に対して空気が円滑に供給されるように、隣り合う空気取り込み口58と空気取り込み口58の間の梁59が、セル11とセル11の間に位置するように設けられ、カソード22の表面が広く開放されている。
カソード22側では、セル11とセル11の間に生成水搬送材52が設けられている。発電によって、カソード22で生成した水は、セルの周囲に位置する生成水搬送材52に吸収される。生成水搬送材52を構成する材料としては、燃料保持部46について例示した材料を用いることができる。
次は、図5を中心に燃料電池主部と排ガス処理部との関係を説明する。
燃料電池主部20は、燃料電池副部30と共用する電解質膜12を備え、アノード24側には、アノード24、集電体56、シール材42、アノード側集電体支持部48、シール材43、蓋40および燃料保持部46を備え、カソード22側には、カソード22、集電体57、生成水搬送材52およびカソード側集電体支持部54を備える。それぞれの部材については上述した通りである。なお、図3から明白であるが、燃料電池主部20と燃料電池副部30は、電解質膜12以外にも、シール材43、アノード側集電体支持部48、シール材42、生成水搬送材52およびカソード側集電体支持部54を共用している。
燃料電池副部30においても、平面上に配置された複数のセル13が設けられている。セル13は、アノード34とカソード32とに挟持された電解質膜12からなる膜電極接合体を備える。燃料電池主部20と同様に、アノード34には集電体66が、カソード32には集電体67が接触している。なお、図3の膜電極接合体50に示されるように、セル13は、燃料電池主部20のセル11と1対1に対応してセル11と同数設けられている。
図5に戻り、アノード側は、アノード側集電体支持部48、シール材43および蓋40によって形成された空間が、アノード側集電体支持部48の隔壁60によって2つに分割されている。燃料電池主部20側には燃料室26が、燃料電池副部30には排ガス処理部36が設けられている。排ガス処理部36には、保水材44が充填されている。保水材44を構成する材料としては、燃料保持部46について例示した材料を用いることができる。保水材44は、アノード側集電体支持部48の集電体67に接する面に設けられた開口に適合し、アノード34に接触するように形成されている。
燃料電池主部20の発電により、アノード24で生成した炭酸ガスは、燃料保持部46の集電体56に接する面に設けられた流路62に溜まる。流路62は、燃料電池の短手方向に隔壁60からアノード側集電体支持部48の側面まで、燃料保持部46の集電体56に接する面に凹形状の溝として設けられている。
燃料電池を長時間使用できるように、燃料保持部46に保持されているメタノール燃料のメタノール濃度は高濃度である。そのため、高濃度メタノールの蒸気圧による影響を受け、流路62によって形成される空間には、生成した炭酸ガス以外にメタノール蒸気が存在する。隔壁60には、流路62と連通する排ガス連絡路18が設けられている。発電により生成される炭酸ガスによって、流路62内の気圧が排ガス処理部36の気圧よりも高くなると、流路62に溜まった炭酸ガスおよびメタノール蒸気は、排ガス連絡路18を通って排ガス処理部36の保水材44に流れ込む。
なお、流路62は、集電体56の面の垂直方向に対して、より細い梁53の高さよりも深い溝として設けられているため、流路62に溜まった炭酸ガスおよびメタノール蒸気は、より細い梁53を越えて移動できる。よって、流路62に溜まった炭酸ガスおよびメタノール蒸気は、より円滑に排ガス処理部36に流れ込むことができる。
排ガス処理部36に流れ込んだメタノール蒸気は、メタノールの蒸気圧の低下によって凝縮し液体となった後に保水材44に保持されている水に溶解する。もしくは、メタノール蒸気は、保水材44に保持されている水に取り込まれ溶解する。なお、炭酸ガスおよびメタノール蒸気のみが保水材44に流れ込み、燃料保持部46に含まれるメタノール燃料が流れ込まないように、排ガス連絡路18には気液分離膜を設けるのが望ましい。
燃料電池副部30において、隔壁60と平行方向のアノード側集電体支持部48の側面には、排出口68が設けられている。メタノール蒸気と共に排ガス処理部36に流れ込んだ炭酸ガスは、ここから燃料電池の外部に排出される。
保水材44は、アノード側集電体支持部48の集電体66と接触する面に設けられている開口を通して、アノード34と接触している。保水材44に保持されている水に溶解したメタノールは、アノード34に供給され、燃料電池副部30の発電に使用される。
メタノールの蒸気を発電により生成した炭酸ガスと共に燃料電池の外部に排出するのは好ましくない。燃料電池副部30は、メタノール蒸気を排ガス処理部36で捕捉し、その問題を解決する。また、捕捉されたメタノール蒸気は燃料電池副部30により発電に使用されるため、メタノール燃料をより有効に利用でき、燃料電池全体の燃費が向上する。
なお、燃料電池副部30の発電は、保水材44に保持されている水に溶解したメタノール濃度によって電流密度が増減する。このような状況において、アノード34を構成する材料にPtRuを用いると、Ruが溶出し、アノード34が劣化しやすくなる。劣化を防ぐためには、アノード34で使用するPtRuの粒子径を大きくすることが好適である。
また、保水材44は、アノード側集電体支持部48の集電体66と接触する面に設けられている開口を通して生成水搬送材52とも接触している。生成水搬送材52は、カソード側のセルとセルの間に位置し、発電によりカソードで生成した水を吸収する。吸収された水は、生成水搬送材52と保水材44と接触する箇所を通して、保水材44に供給される。なお、保水材44に含まれている水に溶解したメタノールは、発電により順次消費されるため、保水材44から生成水搬送材52へとメタノールが流出することはない。
燃料電池の発電によって生成した水は、排ガス処理部36の保水材44へと供給されるため、ユーザは自ら保水材44へ水を供給する手間から解放される。また、機器の内部で使用されることが多い燃料電池では、カソード22で生成した水の処理が問題となるが、この問題も解決される。
図6は、本実施形態に係る燃料電池のそれぞれのセル間の配線を示した模式図である。
燃料電池主部20の1つのセルに対して、燃料電池副部30の1つのセルが対応して設けられている。燃料電池主部20のアノードと対応する燃料電池副部30のアノードが接続され、燃料電池主部20のカソードと対応する燃料電池副部30のカソードが接続される。よって、双方のセルは電気的に並列に接続される。電気的に並列に接続されることで、燃料電池主部20のみならず燃料電池副部30でも発電する場合、燃料電池は、より安定的に電力を供給できる。
本実施形態に係る燃料電池では、並列に接続された1組の燃料電池主部20のセルと燃料電池副部30のセルが複数設けられている。複数組のセルは、電気的に直列に接続されている。複数組のセルを直列に接続することで、燃料電池は必要な電力を外部に供給できる。
具体的には、燃料電池に接続される機器のマイナス極と、燃料電池主部20の第1のセルのアノード24aとが、インターコネクタ64aにより接続される。燃料電池主部20の第1のセルのカソード22aと、燃料電池主部20の第2のセルのアノード24bとがインターコネクタ64bにより接続される。同様に、燃料電池主部20の第2のセルのカソード22bと、燃料電池主部20の第3のセルのアノード24cとが、燃料電池主部20の第3のセルのカソード22cと、燃料電池主部20の第4のセルのアノード24dとが、燃料電池主部20の第4のセルのカソード22dと、燃料電池主部20の第5のセルのアノード24eとが、燃料電池主部20の第5のセルのカソード22eと、燃料電池主部20の第6のセルのアノード24fとが、インターコネクタにより接続される。燃料電池主部20の第6のセルのカソード22fは、燃料電池に接続される機器のプラス極とインターコネクタ64cにより接続される。
なお、上述した実施形態では、燃料電池副部30のセルは、燃料電池主部20のセルと同数設けられているが、燃料電池副部30のセルと燃料電池主部20セルが同数である必要はない。例えば、燃料電池主部20の複数のセルに対して、燃料電池副部30の1つのセルを設けてもよい。この場合、燃料電池副部30の1つのセルは、燃料電池主部20の複数のセルのうちのいずれかのセルと電気的に並列に接続されることになる。
また、上述した実施形態では、燃料電池主部20の1つのセルに対して、燃料電池副部30の1つのセルが設けられているが、燃料電池主部20の1つのセルに対して、燃料電池副部30のセルが複数設けられていてもよい。この場合も、複数設けられた燃料電池副部30のセルはいずれも燃料電池主部20の1つのセルに対して、電気的に並列に接続されることになる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
本実施形態に係る燃料電池の模式図である。 本実施形態に係る燃料電池の斜視図である。 図2の燃料電池の分解斜視図である。 図2のA−A’線上の断面図である。 図2のB−B’線上の断面図である。 本実施形態に係る燃料電池のそれぞれのセル間の配線を示した模式図である。 発電に使用されるメタノール量に対して蒸発により失われるメタノール量の割合を3種類の異なる濃度において計算した結果を示したグラフである。
符号の説明
10 燃料電池、 11 セル、 12 電解質膜、 13 セル、 14 生成水搬送材、 16 配線、 17 配線、 18 排ガス連絡路、 20 燃料電池主部、 22 カソード、 24 アノード、 26 燃料室、 28 燃料タンク、 30 燃料電池副部、 32 カソード、 33 間隙、 34 アノード、 36 排ガス処理部、 38 燃料供給口、 40 蓋、 42 シール材、 43 シール材、 44 保水材、 45 気液分離膜、 46 燃料保持部、 47 開口、 48 アノード側集電体支持部、 49 燃料受入口、 50 膜電極接合体、 51 梁、 52 生成水搬送材、 53 梁、 54 カソード側集電体支持部、 56 集電体、 57 集電体、 58 空気取り込み口、 59 梁、 60 隔壁、 62 流路、 64 インターコネクタ、 66 集電体、 67 集電体、 68 排出口。

Claims (5)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、
    前記電解質膜の他方の面に設けられたカソードと、
    を含む発電部と、
    前記アノードで生成したガスと共に供給される燃料蒸気を液体中に捕捉し、前記ガスに含まれる二酸化炭素を排出する排ガス処理部と、
    を備えることを特徴とする直接型燃料電池。
  2. 前記排ガス処理部の液体に捕捉された燃料を用いて発電する別の発電部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の直接型燃料電池。
  3. 前記カソードで生成した水を前記排ガス処理部の液体に供給する生成水供給手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の直接型燃料電池。
  4. 前記発電部と前記別の発電部とが、電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の直接型燃料電池。
  5. 前記発電部に用いられる燃料を保持する燃料保持部を更に備え、
    前記燃料保持部には、前記燃料蒸気と前記アノードで生成したガスを前記排ガス処理部に送るための流路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の直接型燃料電池。
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