JP2009123384A - チューブ型燃料電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスの湿度を適当に保ちつつ、該反応ガスの湿度及び濃度の均一性の向上を図り、発電特性を向上させることが可能なチューブ型燃料電池モジュールを提供する。
【解決手段】水を生成する電極を外周面側に備える中空形状の膜電極構造体の内周面側集電体及び外周面側集電体を備えるチューブ型燃料電池セルが、側面が内壁及び外壁を備える二重構造の筒状で、内壁の内周面側に形成される内空間と、外壁及び内壁の間に形成される外空間と、を有するケース部材の内空間に長手方向を水平面に対して略平行になるように配置収容され、電池セルの外周面側に供給される反応ガス通気部が、ケース部材の側面に複数備えられ、反応ガスを、内空間と外空間との間で流通させる開口部が、内壁側面に複数備えられ、内壁の底部に、生成水を外空間へ移動できる、内側排水口が備えられることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスの湿度を適当に保ちつつ、該反応ガスの湿度及び濃度の均一性の向上を図り、発電特性を向上させることが可能なチューブ型燃料電池モジュールに関する。
燃料電池は、電解質層(以下、「電解質膜」という。)と、電解質膜の両面側にそれぞれ配設される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極構造体(以下、「MEA」という。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両面側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」という。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車の動力源や携帯用電源として注目されている。
単位体積当たりの発電量を向上させること等を目的として、近年、単セルが柱状の燃料電池(以下、「チューブ型燃料電池」という。)に関する研究が進められている。チューブ型燃料電池の単セル(以下、「チューブ型燃料電池セル」ということがある。)は、一般に、中空形状の電解質膜と当該電解質膜の内周面側及び外周面側にそれぞれ配設される中空形状の触媒層とを備える中空形状のMEA、を備えている。そして、例えば、当該MEAの内周面側に水素含有ガスを、外周面側に酸素含有ガスをそれぞれ供給することにより電気化学反応を起こし、この電気化学反応により発生した電気エネルギーを、当該MEAの内周面側及び外周面側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出している。すなわち、チューブ型燃料電池では、各チューブ型燃料電池セルに備えられる中空形状のMEAの内周面側に一方の反応ガス(例えば、水素含有ガス)を、外周面側に他方の反応ガス(例えば、酸素含有ガス)を供給することにより電気エネルギーを取り出すので、隣り合う2つのチューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスを同一とすることができる。したがって、チューブ型燃料電池によれば、従来の平板型燃料電池ではガス遮蔽性能をも併せ持っていたセパレータが不要となるため、単位体積当たりの発電量を向上させることが容易になる。
上述した電気化学反応を効率良く行うためには、MEAの湿度を適度に保ち、電極の表面全体に反応ガスを効率良く供給することが重要となる。すなわち、燃料電池では、水分が多すぎれば所謂フラッディングが発生し、水分が少なすぎれば電解質膜でのプロトン伝導性が低下するため、湿度は高すぎても低すぎても性能の低下を招く。また、電極の表面全体に反応ガスが適当に供給されないことによっても、発電分布が発生し、性能の低下を招く。
チューブ型燃料電池セルにおいて、MEAの湿度調整を行うことを目的とした技術がこれまでにいつくか開示されている。例えば、特許文献1には、中空電解質膜と、当該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、セルモジュールは、一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空電解質膜の内面側に有し、且つ、中空内の水を貯溜するためのリザーバを有することを特徴とする燃料電池が開示されている。
また、特許文献2には、中空電解質膜と、当該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、セルモジュールは、一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空電解質膜の外面側に有し、且つ、当該中空電解質膜の外面側に設けられた電極から排出される水を貯溜するためのリザーバを有することを特徴とする燃料電池が開示されており、特許文献3には、中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極からなるセルモジュール本体、および該セルモジュール本体の各電極にそれぞれ接触する集電材を有し、セルモジュール本体の中空部内に、該セルモジュール本体の内径よりも小さい外径と水を供給可能な中空部を有する水透過性中空体を配置したことを特徴とする、燃料電池用セルモジュールが開示されている。さらに、特許文献4には、中空電解質膜と、当該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、セルモジュールは、一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空電解質膜の外面側に有し、且つ、水分不透過性の容器内に収容され、容器には、当該容器の内部空間の湿度を調節する湿度調節手段が備えられていることを特徴とする燃料電池が開示されている。
そして、チューブ型燃料電池セルの電極に反応ガスを効率良く供給する技術そしては、特許文献5に、環状のセルの内側を流れるガスを、回転流とすることを特徴とする固体電解質型燃料電池が開示されている。
特開2005−353492号公報 特開2006−216403号公報 特開2005−353495号公報 特開2006−216405号公報 特開平11−329467号公報
しかし、特許文献1〜4に開示されているチューブ型燃料電池では、反応ガスがチューブ型燃料電池セルの長手方向に沿って供給されており、生成水は余剰の反応ガスとともに流されるため、MEA全体での湿度を一定に保つことは困難であった。すなわち、チューブ型燃料電池セルの長手方向における位置の違いによって湿度に差異を生じる虞があった。また、反応ガスの濃度も、反応ガスの流れ方向における位置によって差異を生じるため、チューブ型燃料電池セルの長手方向における位置の違いによって反応ガスの濃度にも差異を生じる虞があった。さらに、特許文献5に開示されている燃料電池では、反応ガスが螺旋を描きつつ、チューブ型燃料電池セルの長手方向に供給されており、電極の表面全体に均一な濃度の反応ガスを供給することは困難であった。
そこで本発明は、チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスの湿度を適当に保ちつつ、該反応ガスの湿度及び濃度の均一性の向上を図り、発電特性を向上させることが可能なチューブ型燃料電池モジュールを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、生成水を生成する電極を外周面側に備える中空形状の膜電極構造体、膜電極構造体の内周面側へ配設される内側集電体、及び膜電極構造体の外周面側へ配設される外側集電体、を備えるチューブ型燃料電池セル、並びに、側面が内壁及び外壁を備える二重構造の筒状で、内壁の内周面側に形成される内空間と、外壁及び内壁の間に形成される外空間と、を有するケース部材、を備え、チューブ型燃料電池セルはケース部材の内空間に収容されるとともに、チューブ型燃料電池セル及びケース部材は長手方向を水平面に対して略平行になるように配置され、チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスを、外壁の外周面側と内空間との間で流通させる通気部が、ケース部材の側面に複数備えられ、反応ガスを、内空間と外空間との間で流通させる開口部が、内壁の側面に複数備えられるとともに、内壁の底部に、生成水を外空間へと移動できる、内側排水口が備えられることを特徴とする、チューブ型燃料電池モジュールである。
ここに、「生成水を生成する電極を外周面側に備える中空形状の膜電極構造体」とは、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の内周面側に形成される第1電極と、当該電解質膜の外周面側に形成される第2電極と、を備え、第2電極で生成水が生成されるMEAを意味する。さらに、「膜電極構造体の内周面側へ配設される内側集電体」とは、第1電極の内周面に拡散層及び撥水層が備えられない場合には、内側集電体の外周面と、第1電極の内周面とが接触する形態で、内側集電体が配設されることを意味する。これに対し、第1電極の内周面に拡散層又は撥水層(拡散層及び撥水層が備えられる場合には拡散層、拡散層のみが備えられる場合には拡散層、撥水層のみが備えられる場合には撥水層を、それぞれ意味する。以下同じ。)が備えられる場合には、当該拡散層又は撥水層と内側集電体の外周面とが接触する形態で、内側集電体が配設されることを意味する。さらに、「膜電極構造体の外周面側へ配設される外側集電体」とは、第2電極の外周面に拡散層及び撥水層が備えられない場合には、第2電極と接触する形態で外側集電体が配設されることを意味する。これに対し、第2電極の外周面に拡散層又は撥水層が備えられる場合には、当該拡散層又は撥水層と接触する形態で外側集電体が配設されることを意味する。「側面が内壁及び外壁を備える二重構造の筒状で、内壁の内周面側に形成される内空間と、外壁及び内壁の間に形成される外空間と、を有するケース部材」とは、少なくとも側面部分が内壁と外壁からなる二重構造になっており、内壁の内周面側に形成される空間(内空間)の他に、側面部において、内壁及び外壁によって囲まれた空間(外空間)が形成されている容器を意味する。「反応ガス」とは、燃料電池での発電の際に必要とされるガスであって、水素含有ガスや酸素含有ガスなどを意味する。「外壁の外周面側と内空間との間で流通される通気部」とは、外壁の外周面側から内空間へ、又は、内空間から外壁の外側へと反応ガスが流通できる部分を意味する。通気部の具体例としては、外壁及び内壁を貫いて設けられた、反応ガスの流通が可能な管や、略直線状に並ぶように外壁及び内壁に開けられた穴などを挙げることができる。「内壁の底部」とは、チューブ型燃料電池モジュールの使用状態において、内壁のうち下側になる部分を意味する。
上記本発明のチューブ型燃料電池モジュールにおいて、外壁の底部に、生成水をケース部材の外に排水できる、外側排水口が備えられることが好ましい。
ここに「外壁の底部」とは、チューブ型燃料電池モジュールの使用状態において、外壁のうち下側になる部分であって、「生成水をケース部材の外に排水できる」とは、内側排水口を通って内空間から外空間へと流れこんだ生成水を、ケース部材の外に適宜排出させられることを意味する。
本発明のチューブ型燃料電池モジュールによれば、チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスが、ケース部材の側面に複数設けられた通気部から供給/排出されることによって、内空間において、反応ガスがチューブ型燃料電池セルの外周面を周方向の沿うように流れる。そのため、チューブ型燃料電池セルの外周面側の電極表面全体において、供給される反応ガスの湿度及び濃度の均一性を向上させることができる。また、チューブ型燃料電池の外周面側の電極で生成される生成水は、内側排水口を通って外空間へと流されるとともに、内空間内の反応ガスが内空間と外空間との間で自由に流通できるため、外空間に流れこんだ反応ガスを外空間に溜まった生成水によって加湿することができ、外空間に流れこんだ反応ガスによって外空間に溜まる生成水を内空間内に押し出すことも可能であるため、内空間内の乾燥を防ぐことができる。したがって、本発明によれば、チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスの湿度を適当に保ちつつ、該反応ガスの湿度及び濃度の均一性の向上を図り、発電特性を向上させることが可能なチューブ型燃料電池モジュールを得られる。
また、上記本発明のチューブ型燃料電池モジュールにおいて、ケース部材の外壁に外側排水口が備えられることによって、外空間に過剰に溜まった生成水をケース部材の外へと適宜抜き出すことが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明のチューブ型燃料電池モジュールについて、具体的に説明する。以下の説明では、MEAの外周面側へ酸素含有ガス(以下「空気」という。)が供給されるとともに、MEAの内周面側へ水素含有ガス(以下「水素」という。)が供給される形態を例示する。
図1は、本発明のチューブ型燃料電池モジュールを概略的に示した図である。図1(a)は長手方向に垂直な方向から見た側面図であって、紙面左右方向がチューブ型燃料電池モジュールの長手方向である。図1(a)では、図が煩雑になるのを防ぐため、一部符号を省略して示している。図1(b)は、図1(a)中にb−b´で示した箇所での長手方向に垂直な方向の断面図であって、紙面奥/手前方向がチューブ型燃料電池モジュールの長手方向である。図1(c)は、図1(a)中にc−c´で示した箇所での長手方向に垂直な方向の断面図であって、紙面奥/手前方向がチューブ型燃料電池モジュールの長手方向である。図1(d)は、図1(a)中にd−d´で示した箇所での長手方向に垂直な方向の断面図であって、紙面奥/手前方向がチューブ型燃料電池モジュールの長手方向である。図1(a)、図1(b)、図1(c)、及び図1(d)中に示した矢印は、空気の流れの向きを示している。
図1に示すように、本発明のチューブ型燃料電池モジュール10(以下、単に「モジュール10」という。)は、チューブ型燃料電池セル1(以下、単に「セル1」という。)と、セル1を収容するケース部材2を備えており、モジュール10は、長手方向が水平面に対して略平行になるようにして用いられる。
ケース部材2は、側面が内壁2a及び外壁2bを有する二重構造になっており、セル1は、内壁2aの内周面側に形成される空間3a(以下「内空間3a」という。)に収容されている。さらに、ケース部材2には、複数の通気部4、4、…が備えられている。これら通気部4、4、…のうち、一部の通気部4、4、…が外壁2bの外周面側から内空間3aへと空気の供給を行える吸気部4a、4a、…であって、他の通気部4、4、…が内空間3aから外壁2bの外周面側へと空気の排出を行える排気部4b、4b、…である。吸気部4aと排気部4bはモジュール10の長手方向において交互に備えられることが好ましい。また、通気部4、4、…は、図1(a)に示すように、長手方向に適度に傾けて備えられていることが好ましい。かかる形態とすることによって、空気の供給/排出が行われやすくなる。そして、ケース部材2の内壁2aには、内壁2a及び外壁2bの間に形成される空間3b(以下「外空間3b」という。)と内空間2aとの間で空気が流通できる開口部5、5、…が、複数備えられている。これら開口部5、5、…のうち、一部が内空間3aから外空間3bへと空気が流通するガス出口5bであって、他は外空間3bから内空間3aへと空気が流通するガス入口5aである。ガス出口5b及び/又はガス入口5aは、内壁2aの長手方向に沿って複数備えられても良く、長手方向に長い一の開口部であっても良い。さらに、モジュール10の使用状態において、内壁2aの底部になる部分には、内側排水口6が備えられており、セル1での電気化学反応で生じた生成水8を内空間3aから外空間3bへと排出させることができる。内側排水口6は、内壁2aの長手方向に沿って複数備えられても良く、長手方向に長い一の排水口であっても良い。そして、外壁2bには、図1(d)に示すように、外空間3bから外壁2bの外周面側へと生成水8を適宜排出せることができる外側排水口7が備えられており、外空間3bに溜まった過剰な生成水8を抜き取ることができる。また、配管20を介して外側排水口7と液溜め21を連結させることによって、外空間3bから抜き取られる生成水8を液溜め21に溜めておくことができる。
一方、セル1は、中空部11を有する中空形状のMEA12、MEA12の内周面側に備えられる内側集電体(不図示)、及びMEA12の外周面側に備えられる外側集電体(不図示)を備えている。MEA12は、電解質膜13と、電解質膜13の内周面側に備えられるアノード電極14と、電解質膜13の外周面側に備えられるカソード電極15を備えている。電解質膜13は、80℃程度の温度環境下で含水状態に保たれることによりプロトン伝導性能を発現するプロトン伝導性ポリマーを含有する固体高分子膜である。具体的には、含フッ素高分子を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及びリン酸基のうち一種を有するポリマーを有することが好ましい。例えば、Nafion等(「Nafion」又は「ナフィオン」は米国デュポン社の登録商標。)。このほか、ポリオレフィンのような炭化水素を骨格とするポリマーを有していても良い。また、アノード電極14及びカソード電極15は、セル1の運転時に電気化学反応を生じさせる際の触媒として機能する金属粒子(例えば、白金のほか、白金黒粒子、又はこれらの合金等。以下において単に「触媒」という。)と、プロトン伝導性ポリマーとを含有している。内側集電体及び外側集電体は、上記電気化学反応により発生した電気エネルギーをMEA12の外部に取り出すことができれば特に限定されるものではなく、公知の手段によって備えられれば良い。
モジュール10では、図1(b)に示すように、吸気部4aから、内空間3aへと空気が供給される。内空間3aへと供給された空気は、図1(b)及び図1(c)に示すように、一部はガス出口5bから外空間3bへと流れこみ、残りはセル1の周方向に沿って流れる。そして、ガス出口5bから外空間3bへと流れこんだ空気は、ガス入口5aから再び内空間3aへと流れこみ、セル1の周方向に沿って流れた空気と合流して、図1(c)に示すように、一部は排気部4bから排出され、一部はセル1の周方向に沿って流れる。一方、水素は図示していない配管を介して、中空部11へと供給される。
中空部11に供給された水素はアノード電極14へと達し、アノード電極14へと達した水素は、アノード電極14に分散された触媒の作用下で、プロトンと電子に分離する。アノード電極14で生じたプロトンは、アノード電極14、電解質膜13、及び、カソード電極15に含有されるプロトン伝導性ポリマーによって伝導され、カソード電極15へと達する。これに対し、アノード電極14で生じた電子は電解質膜13を通過することができない。そのため、電子は、アノード電極14の内周面側に配設された内側集電体(不図示)、及びカソード電極15の外周面側に配設された外側集電体(不図示)を含む外部回路を経て、カソード電極15へと達する。一方、内空間3aではセル1の周方向に沿って空気が流されることで、その空気中に含まれる酸素がカソード電極15へと供給される。そして、上述した過程を経てカソード電極15へと達したプロトン及び電子は、カソード電極15に分散された触媒の作用下で、カソード電極15へと供給される酸素と反応し、生成水8となる。セル1では、このようにして、電気化学反応によって電気エネルギーと共に生成水8が生成される。
上述したように、モジュール10では、セル1での電気化学反応に用いられる空気が、ケース部材2に備えられた吸気部4aから内空間3aへと供給され、セル1の外周面に沿って流れた後、排気部4bから排出される。かかる形態とすることによって、セル1の長手方向において、外周面側に供給される空気の湿度及び空気中の酸素濃度の均一性の向上を図れ、発電特性を向上させることが可能となる。その理由を以下に具体的に説明する。
燃料電池では、発電の際に生成される水が余剰の反応ガスとともに流される。すなわち、反応ガスの流れ方向における位置によって湿度に差異を生ずる。具体的には、反応ガスの入口側では湿度が低く、出口側に向かうにつれて多くの水を含むようになるため、湿度が高くなる。また、反応ガスの濃度も、反応ガスの流れ方向における位置によって差異を生ずる。具体的には、反応ガスの入り口側では反応ガスの濃度が高くなっているが、出口側に向かうにつれて反応ガスの濃度が低くなる。したがって、例えば、チューブ型燃料電池の外周面側において、チューブ型燃料電池セルの長手方向に沿って空気が流される形態の場合、チューブ型燃料電池セルの長手方向において湿度、及び酸素の濃度に差異が生じ、発電分布が発生する虞があった。また、チューブ型燃料電池の外周面側において、チューブ型燃料電池セルの長手方向に対して垂直な一方向から空気が供給される形態の場合、チューブ型燃料電池セルの空気が供給される側では酸素濃度が高くて乾燥した状態となり、その裏側では酸素濃度が薄くて湿度が高い状態となりやすいため、発電分布が発生する虞があった。
しかし、モジュール10では、上述したように、空気が吸気部4aから供給されて、セル1の外周面に沿って流れた後に、排気部4bから排出される形態となっている。そのため、セル1の外周面側に供給される空気の湿度及び空気中の酸素濃度に差異が生じることを抑制できる。すなわち、モジュール10では、セル1の長手方向において、外周面側に供給される空気の湿度及び空気中の酸素濃度の均一性の向上を図れ、発電特性を向上させることが可能となる。
また、モジュール10では、セル1の外周面側に供給される空気が外空間3bを流れることで加湿され、内空間3aが乾燥雰囲気になることを抑制できる。その理由を以下に具体的に説明する。
内空間3aに加湿した空気を供給したとしても、内空間3aが広く形成されていると、空気が冷却されることによって内空間3aが乾燥雰囲気になる虞があり、一旦カソード電極15などが乾燥すると、再度水分を含ませるには時間がかかる。しかし、モジュール10では、セル1での電気化学反応によって生成された生成水8が外空間3bに溜められ、空気がガス出口5bから外空間3bへと流入し、ガス入口5aから内空間3aへと戻るため、空気が生成水8によって加湿され、生成水8を内空間3bに押し流すことも可能であり、内空間3aが乾燥雰囲気になることを抑制できる。
モジュール10では、開口部5の大きさを調整することによって、内空間3aの加湿雰囲気を調整することが可能である。具体的には、開口部5を大きくすれば、内空間3aをより加湿された状態にしやすくなる。また、開口部5の位置を調整することによっても加湿度を調整できる。具体的には、開口部5の位置を、モジュール10の使用状態での下側に備えれば、加湿度が高まる。直接水を利用しないような軽い加湿の場合は、モジュール10の使用状態における上の方に開口部5を備える。
これまでの本発明のチューブ型燃料電池モジュールの説明では、モジュール10のように、ケース部材2の長手方向に垂直な方向の断面形状が略円形である形態を例示したが、本発明のチューブ型燃料電池モジュールはかかる形態に限定されるものではない。具体的には、例えば、ケース部材の長手方向に垂直な方向の断面形状が略多角形、又は略扁平円形などであっても良い。ただし、チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスをより円滑に流すという観点からは、ケース部材の長手方向に垂直な方向の断面形状が略円形である形態が好ましい。
また、これまでの本発明のチューブ型燃料電池モジュールの説明では、ケース部材2の側面に備えられた通気部4、4、…が、内壁2a及び外壁2bを貫通し、端部が突出している管からなる形態を例示したが、本発明のチューブ型燃料電池モジュールはかかる形態に限定されるものではなく、ケース部材の外側とチューブ型燃料電池セルが収容される内空間との間で、チューブ型燃料電池の外周面側の電極に供給される反応ガスの供給/排出を行える形態でれば良い。ただし、反応ガスの供給/排出を容易に行うという観点からは、図1に示したように、通気部が、内壁及び外壁を貫通し、端部が突出している管からなる形態であることが好ましい。
また、これまでの本発明のチューブ型燃料電池モジュールの説明では、MEA12が電解質膜13、アノード電極14、及びカソード電極15を備える形態について説明してきたが、本発明はかかる形態に限定されるものではなく、アノード電極の内周面側及び/又はカソード電極の外周面側にガス拡散層が備えられる形態であっても良い。ガス拡散層はチューブ型燃料電池の運転時の環境に耐えられ、ガスを拡散させることが可能で、導電性を有するものであれば良く、本発明で使用可能な拡散層の具体例としては、カーボンペーパーやカーボンクロス等を挙げることができる。
また、これまでの本発明の説明では、一のチューブ型燃料電池モジュールに注目して説明してきたが、本発明のチューブ型燃料電池モジュールを複数組み合わせて用いることも可能である。例えば、本発明のチューブ型燃料電池モジュールを長手方向に複数配列し、それぞれを電気的に接続して用いることも可能である。また、本発明のチューブ型燃料電池モジュールを長手方向に対して直交する方向に複数配列し、それぞれを電気的に接続して用いることも可能である。
本発明のチューブ型燃料電池モジュールを概略的に示した図である。(a)は長手方向に垂直な方向から見た側面図である。(b)は、(a)中にb−b´で示した箇所での長手方向に垂直な方向の断面図である。(c)は、(a)中にc−c´で示した箇所での長手方向に垂直な方向の断面図である。(d)は、(a)中にd−d´で示した箇所での長手方向に垂直な方向の断面図である。
符号の説明
1 チューブ型燃料電池セル
2 ケース部材
2a 内壁
2b 外壁
3a 内空間
3b 外空間
4 通気部
4a 吸気部
4b 排気部
5 開口部
5a ガス出口
5b ガス入口
6 内側排水口
7 外側排水口
8 生成水
10 チューブ型燃料電池モジュール
11 中空部
12 膜電極構造体(MEA)
13 電解質膜
14 アノード電極
15 カソード電極
20 配管
21 液溜め

Claims (2)

  1. 生成水を生成する電極を外周面側に備える中空形状の膜電極構造体、前記膜電極構造体の内周面側へ配設される内側集電体、及び前記膜電極構造体の外周面側へ配設される外側集電体、を備えるチューブ型燃料電池セル、並びに、
    側面が内壁及び外壁を備える二重構造の筒状で、前記内壁の内周面側に形成される内空間と、前記外壁及び前記内壁の間に形成される外空間と、を有するケース部材、を備え、
    前記チューブ型燃料電池セルは前記ケース部材の前記内空間に収容されるとともに、前記チューブ型燃料電池セル及び前記ケース部材は長手方向を水平面に対して略平行になるように配置され、
    前記チューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスを、前記外壁の外周面側と前記内空間との間で流通させる通気部が、前記ケース部材の前記側面に複数備えられ、
    前記反応ガスを、前記内空間と前記外空間との間で流通させる開口部が、前記内壁の側面に複数備えられるとともに、前記内壁の底部に、生成水を外空間へと移動できる、内側排水口が備えられることを特徴とする、チューブ型燃料電池モジュール。
  2. 前記外壁の底部に、生成水を前記ケース部材の外に排水できる、外側排水口が備えられることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ型燃料電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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