JP2004171272A - 生産管理システムおよびその方法 - Google Patents

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Takehiko Nishida
健彦 西田
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract

【課題】生産ラインの変更無しに仕様変更に対応可能とする。また、誤作防止、劣化診断といった複雑な機能を生産ラインに組み込むことができる生産管理システムおよびその方法を提供すること。
【解決手段】生産管理システムを、被加工部材1、2毎に、その部材の加工組立て、および工程情報が記録され、実装される部材情報記録装置10と、部材情報記録装置から生産ラインの最初の工程で送信される前記加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報を受信し、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行う保守点検装置3で構成する。また、被加工部材に実装される部材情報記録装置間で通信を行い、あるいは外部接続されるセンサから環境情報を取り込むことで誤作防止、あるいは劣化診断を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、あらかじめ定義された情報に従い製品の加工組立てを行う被加工組立て部材の生産管理システムおよびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生産ラインを流れる部材は、従来、バーコード等により管理され、その加工組立て情報は、管理コンピュータが保持していた。従って、生産ラインを流れる部材に異なる加工、組立てを行う必要が生じたときは、管理コンピュータのデータ更新が必要となり、生産ラインを一時停止させる必要がある。ケースによっては生産ラインの変更も余儀なくされることがあった。
また、従来の生産管理システムによれば、部材組立て時の位置情報に基づく誤作防止、部材の使用環境に応じた劣化診断等複雑な機能は持ち合わせておらず、使い勝手の悪いものであった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−129731号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の生産管理システムは、一旦、部材に対して加工あるいは組立ての仕様が決れば半固定的に管理され、生産ラインを流れる部材に異なる加工、組立てを行う必要が生じたときは、管理コンピュータのデータ更新が必要となり、このとき、生産ラインを一時停止させるか、あるいは生産ラインの変更が余儀なくされ、非常に使い勝手の悪いものであった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、生産ラインを流れる各部材に、例えば、無線タグ等、少なくともデータ保存機能と通信機能を備えた小型コンピュータを実装し、必要に応じてそのデータの内容を更新することで、生産ラインの変更無しに仕様変更に対応可能な、生産管理システムおよびその方法を提供することを目的とする。
また、小型コンピュータに各種センサを搭載し、小型コンピュータ間で通信を行わせることにより、誤作防止、劣化診断といった複雑な機能を組み込んで使い勝手の向上をはかった、生産管理システムおよびその方法を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明は、あらかじめ定義された情報に従い加工組立てが行われる被加工組立て部材の生産管理システムであって、前記被加工組立て部材毎、その部材の加工組立て、および工程情報が記録され、実装される部材情報記録装置と、前記部材情報記録装置から前記生産ラインの最初の工程で送信される前記加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報を受信し、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行う保守点検装置と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、保守点検装置が、被加工組立て部材に実装された部材情報記録装置から、生産ラインの最初の工程で送信される加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報の送信を受け、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行うことにより、新しい生産ラインに対しても部材情報記録装置の変更で済み生産ラインの変更無しに対応可能な生産管理システムを提供することができる。
【0008】
また、本発明において、前記部材情報記録装置は、センサを介して計測される前記被加工組立て部材周辺の使用環境情報を取込む環境情報取込み手段を備え、前記保守点検装置へ送信することにより、前記被加工組立て部材の使用された環境における劣化判断を行うことを特徴とする。
本発明によれば、加工組立て部材に実装された部材情報記録装置の環境情報取込み手段が、加工組立て部材周辺の使用環境情報を取込み、保守点検装置に送信することで加工組立て部材の劣化判断が可能となり、このことにより、製品の信頼性を向上することができる。
【0009】
また、本発明において、前記部材情報記録装置は現在位置計測手段を備え、他の部材情報記録装置との間で現在位置情報の交換を行い、それぞれの加工組立て情報を比較して当該組立てに必要な被加工部材の確認を行うことを特徴とする。
本発明によれば、部材情報記録装置が他の部材情報記録装置と通信を行い、それぞれの加工組立て情報を比較して組立てに必要な被加工組立て部材の確認を行うことで、誤作防止を可能とした生産管理システムを提供することができる。
【0010】
また、本発明において、前記部材情報記録装置は、前記記録済みの加工組立て情報を、前記保守点検装置から新規に送信される加工組立て情報に書替える加工組立て情報更新手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、加工組立て情報更新手段が、仕様変更に応じて記録済みの加工組立て情報を、新規加工組立て情報に書替えることで、仕様変更に対応した生産管理システムをラインを停止させずに、かつ、変更なしに実現できる。
【0011】
上記した課題を解決するために本発明は、あらかじめ定義された情報に従い加工組立てが行われる被加工組立て部材の生産管理方法であって、前記被加工組立て部材に実装される記録装置毎、その部材の加工組立て情報、および工程情報を記録するステップと、前記部材情報記録装置から前記生産ラインの最初の工程で送信される前記加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報を受信し、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行うステップと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、被加工組立て部材に実装された部材情報記録装置から、生産ラインの最初の工程で送信される加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報の送信を受け、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行うことにより、新しい生産ラインに対しても部材情報記録装置の変更で済み、生産ラインの変更無しに対応可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における生産管理システムの一実施形態を示す図である。図1に示されるように、被加工組立部材1、2(以下、単に部材A、Bという)には、部材情報記録装置としての小型コンピュータ10、20が実装される。
小型コンピュータ10(20)は、いずれもCPU101(201)を制御中枢としたデータメモリ102(202)と、通信回路103(203)で構成される。データメモリ102(202)には、あらかじめ、図示されている加工情報と組立て情報が記録されている。ここでは、部材A、B毎に切断や穴あけの位置、サイズ等の加工情報と、組み合わされる部材と、組み合わせ方法のような組立て情報が記録される。また、作業指示を行うサーバである保守点検装置3とは、コネクタ104(204)を介してケーブル4により有線で接続される。
【0014】
図2は、本発明における生産管理システムの他の実施形態を示す図であり、図1に示す実施形態との差異は、小型コンピュータ10、20と保守点検装置3との接続が無線接続されている点にあり、他は同様である。図中、図1と同一番号が付されたブロックは、図1に示すそれと同じとする。
ここでは、小型コンピュータ10、20として無線ICタグが用いられ、部材A(1)、部材B(2)に貼付され使用されるものとする。このため、通信回路103(203)は無線送受信回路で構成され、作業者が携帯するウェアラブルコンピュータ、あるいは各工程単位に設けられるアンテナ付きのゲートを介して電磁波の供給がなされることにより通信のためのリンクが確立され、保守点検装置3で必要なデータを受信することができる。
【0015】
図3、図4は、本発明における生産管理システムの動作を説明するために引用したフローチャートである。図3は運用モード、図4は保守モードでの動作が示されている。なお、ここに示すフローチャートは、図2に示される無線接続による生産管理システムが例示されている。なお、保守モードは、生産が完了して製品が一定期間使用された後に実行されるモードである。小型コンピュータ(部材情報記録装置)10が使用環境情報を保守点検装置3に送信し、保守点検装置3が劣化診断をして、必要があれば部材交換を行うという手順となる。
以下、図3、図4に示すフローチャートを参照しながら、本発明の生産管理システムの動作について詳細に説明する。
【0016】
まず、図3に示すフローチャートにおいて、部材A(1)、B(2)に貼付された無線ICタグが生産ラインの第1工程のゲートを潜るときに供給される電磁波によって保守点検装置3との間で無線による通信リンクが確立され(ステップS31)、このゲートを通過する部材A(1)、B(2)に貼付された無線ICタグ10、20から、全ての加工情報と組立て情報が読み出され、無線により保守点検装置3に送信される(ステップS33)。このときの生産ラインは図5に示される。
一方、仕様等に関する設計変更がある場合は、図4に示されるように、この読み出しと同じタイミングで保守点検装置3から無線ICタグ10、20に変更された加工情報と組立て情報がダウンロードされ、データメモリ102(202)に記録される(図4のフローチャートのステップS41、S42)。
【0017】
なお、設計変更がある場合は、読み出しのタイミング(図3のステップS33)の最初に変更の有無を確認し、変更ありの場合は、新しい設計データを保守点検装置3から各部材へ送信されるようになっている。
送信される変更データの単位は、読み出しタイミングが第一工程の場合には、まとめた全工程分とするが、読み出しタイミングが工程毎の場合には、各工程で該当する変更データ分としてもよいし、また第一工程でまとめて全工程分としてもよい。
【0018】
また、部材A(1)、B(2)が各工程のゲートを潜ったときに、都度、その工程で必要な加工情報と組立て情報を読み出し、保守点検装置3へ送信することも可能である(ステップS37)。このときの生産ラインは図6に示される。
この読み出しタイミングの設定は選択事項である(ステップS32)。ここでも仕様等設計変更がある場合は、その工程に入るタイミングで保守点検装置3から無線ICタグ10、20に変更に伴う加工情報と組立て情報(更新情報)がダウンロードされ、データメモリ102(202)に記録される(図4のフローチャートのステップS41、S42)。更新情報の書き込みはCPU101(201)によって行われる。
【0019】
一方、組合わせ情報に従い、他の部材と組合わせ加工する必要がある場合(ステップS34)は保守点検装置3が部材の調達を行う(ステップS35)。このとき、図7に示されるように、小型コンピュータ10(20)内に、GPS105(205)等の現在位置計測手段を備え、小型コンピュータ10(20)が互いに通信を行うことにより、部材A(B)間で現在位置情報や部材の種別情報を交換し、自分と組合わされた部材が正しいか否かを判断することができる。
なお、ここでは、現在位置計測手段としてGPSを用いることとしたが、近傍にアンテナがあれば保守点検装置3と協動することにより通信による3点測量の原理で現在位置情報の取り込みは可能である。
そして、保守点検装置3は、受信した加工組立て情報に従って生産ラインの各工程に作業指示を発し(ステップS36)、作業員あるいはロボットはその指示に従い、部材の切断、穴あけ、組立等の作業を行う。このとき、部材のストック管理、加工進捗状況の管理、完成品数の管理も可能である。
【0020】
なお、図4にフローチャートで示されるように、仕様等、設計変更を要する場合(ステップS41)、保守点検装置3が仕様、設計にかかわる加工組立て情報を、無線ICタグを含む小型コンピュータ10(20)へ送信することにより(ステップS42)、データメモリ102(202)を書替えることで実現することは上記した通りである。
また、各部材A(1)、B2に実装された小型コンピュータ10(20)は、加工組立て完了後は、取り外しても、あるいは放置しておいても構わない。放置しておく場合は、部材A(1)、B(2)の劣化診断が可能になる。すなわち、この場合、図8に示されるように、無線ICタグを含む小形コンピュータ10(20)内にA/D(Analog/Digital)変換回路106を内蔵し、外部接続される温度センサ107や湿度センサ108等による部材A(1)、B(2)周辺の環境情報を計測する必要がある。このとき、無線ICタグを含む小型コンピュータ10は、計測された環境情報を、A/D変換回路106を介して取込み(S43)、通信によって作業指示装置3へ送信することにより、作業指示装置3にて図示せぬデータベースに格納された標準データと比較することによる劣化診断が可能である(ステップS44、S45)。
【0021】
以上説明のように本発明は、生産ラインを流れる各部材に、例えば、無線タグ等、少なくともデータ保存機能と通信機能を備えた小型コンピュータを実装し、必要に応じてそのデータの内容を更新することで、生産ラインの変更無しに仕様変更に対応可能とするものである。また、小型コンピュータに各種センサを搭載し、小型コンピュータ間で通信を行わせることにより、誤作防止、劣化診断といった複雑な機能を組み込んで使い勝手の向上をはかるものである。
なお、上記した実施形態では、無線ICタグの無線通信によるデータの送受信を例示したが、他に、ブルートゥース、赤外線等による近距離無線通信、あるいは有線による通信も可能である。但し、有線の場合は、必要なときに、自動あるいは手動によりコネクタ104(204)の取り付け、取外しの作業が必要になる。また、本発明実施形態によれば、工業製品についての加工、組立てのみ例示したが、この分野に限定されるものでなく、パレット等の容器に無線ICタグを貼付して材料の混合比率に関する情報を保存することで、食品や薬品等への適用も可能とするものである。
【0022】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、各部材に対して加工組立て情報を持たせることにより、新部材に対しても生産ラインを止めことなく、かつ、生産ラインの変更無しに対応でき、また、部材間で通信を行い、組立て部材の確認を行うことによる誤作防止、ならびに周辺の環境情報の収集による部材の劣化防止といった従来にない複雑な機能を生産ラインに組み込むことができ、信頼性の向上をはかると共に、使い勝手の向上をはかった生産管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における生産管理システムの一実施形態を示す図である。
【図2】本発明における生産管理システムの他の実施形態を示す図である。
【図3】本発明における実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図4】本発明における実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図5】本発明による生産管理システムの実現形態の一例を示す図である。
【図6】本発明による生産管理システムの実現形態の他の一例を示す図である。
【図7】本発明において使用される小型コンピュータの拡張例を示す図である。
【図8】本発明において使用される小型コンピュータの拡張例を示す図である。
【符号の説明】
1、2 被加工組立て部材(部材)
3 保守点検装置
10、20 小型コンピュータ(無線ICタグ)
101、201 CPU
102、202 データメモリ
103、203 通信回路
104、204 コネクタ
105、205 GPS
106 A/D変換回路
107 温度センサ
108 湿度センサ

Claims (5)

  1. あらかじめ定義された情報に従い加工組立てが行われる被加工組立て部材の生産管理システムであって、
    前記被加工組立て部材毎、その部材の加工組立て、および工程情報が記録され、実装される部材情報記録装置と、
    前記部材情報記録装置から前記生産ラインの最初の工程で送信される前記加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報を受信し、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行う保守点検装置と、
    を備えたことを特徴とする生産管理システム。
  2. 前記部材情報記録装置は、
    センサを介して計測される前記被加工組立て部材周辺の使用環境情報を取込む計測情報取込み手段を備え、前記保守点検装置へ送信することにより前記被加工組立て部材の使用された環境における劣化判断を行うことを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
  3. 前記部材情報記録装置は現在位置計測手段を備え、他の部材情報記録装置との間で現在位置情報の交換を行い、それぞれの加工組立て情報を比較して当該組立てに必要な被加工組立て部材の確認を行うことを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
  4. 前記部材情報記録装置は、
    前記記録済みの加工組立て情報を、前記保守点検装置から新規に送信される加工組立て情報に書替える加工組立て情報更新手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
  5. あらかじめ定義された情報に従い加工組立てが行われる被加工組立て部材の生産管理方法であって、
    前記被加工組立て部材に実装される部材情報記録装置毎、その部材の加工組立て情報、および工程情報を記録するステップと、
    前記部材情報記録装置から前記生産ラインの最初の工程で送信される前記加工組立て情報の全て、もしくは各工程毎に送信される加工組立て情報を受信し、当該加工組立て情報に基づき各工程で作業指示を行うステップと、
    を備えたことを特徴とする生産管理方法。
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