JP2004170801A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置に関し、定着エネルギーを節約することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】トナー画像を媒体に形成する画像形成部と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置40と、媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在するエリアで定着処理を施し且つトナー画像の存在しないエリアで定着処理を施さない又は前記定着処理の定着エネルギーよりも小さい定着エネルギーで定着処理を施すように該定着装置を制御する制御手段68、70、72、74とを備えた構成とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は、トナー画像を媒体に形成する画像形成部と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置とを備える。定着装置は主としてトナー画像を加熱することにより媒体(用紙)に定着する。定着装置は種々のタイプのものがある。典型的には、加熱ローラを含む定着装置がある(例えば、特許文献1参照)。また、フラッシュランプを含む定着装置があり、フラッシュランプの代わりにLEDアレイを含む定着装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
フラッシュランプを含む定着装置では、複数のフラッシュランプが同時に発光するようになっている。複数のフラッシュランプは用紙の搬送とともに同時に発光と消灯を繰り返しながら、トナー画像を加熱し、定着処理を施す。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−301304号公報
【特許文献2】
特開平11−327354号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフラッシュランプを含む定着装置では、フラッシュランプは十分に大きな長さをもち、大きいサイズの用紙及び小さいサイズの用紙に対応できるようになっている。用紙1頁当たりの定着エネルギーは印字状態に関係なく一律である。そのために、用紙1頁中にトナー画像のないエリアがあれば、そのようなエリアにおいては定着エネルギーが無駄に消費される。また、幅の狭い用紙の場合には、大きな幅の用紙に相当する面積を一律に定着処理を行っていたために、用紙の外側のエリアにも照射を行い、不必要な部分に対して無駄な定着エネルギーを消費していた。
【0006】
本発明の目的は定着エネルギーを節約することのできる画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像形成装置は、トナー画像を媒体に形成する画像形成部と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置と、媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在するエリアで定着処理を施し且つトナー画像の存在しないエリアで定着処理を施さない又は前記定着処理の定着エネルギーよりも小さい定着エネルギーで定着処理を施すように該定着装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
この構成において、例えば媒体の1頁分相当の領域について、定着処理が必要なエリアと、定着処理が不要なエリアとを検出し、定着処理が不要なエリアでは定着エネルギーを無駄に消費しないようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明の実施例による画像形成装置10を示す図である。図1において、画像形成装置10は、トナー画像を媒体に形成する画像形成部12と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置14とを含む。さらに、ホスト装置16が画像形成部12へ画像情報を提供する。
【0011】
画像形成部12は、感光ドラム18と、前帯電器20と、LEDを含む光学ユニット22と、現像器24と、転写帯電部26と、クリーナー28と、除電器30とを含む。これらの要素は公知のものであって、光学ユニット22は、ホスト装置16から提供された画像情報を基に、感光ドラム18上に静電潜像を形成する。現像器24は静電潜像にトナーを供給し、トナー画像を形成する。トナー画像は転写帯電部26において媒体(用紙)32に転写される。
【0012】
このようにして形成されたトナー画像を有する媒体32は定着装置14へ搬送される。媒体32は、ホッパ34から画像形成部12及び定着装置14を通ってスタッカ36へ搬送される。実施例においては、媒体32は連票用紙であり、トラクタ38が媒体32を搬送するために画像形成部12と定着装置14との間の搬送路に配置されている。
【0013】
定着装置14は複数のフラッシュランプ(例えばキセノンランプ)40及びリフレクタ42を含む。フラッシュランプ40が発光すると、発光の発生する熱が媒体32に非接触に印加され、トナー画像が定着される。
【0014】
図2は図1の画像形成装置10の電気回路の構成図である。図2において、画像形成装置10は、コントローラ部50と、機構制御部52とを含む。コントローラ部50は、中央制御部54と、インタフェース制御部56と、画像制御部58と、画像メモリ60とを含む。ホスト装置16から提供された画像情報はコントローラ部50へ入力され、画像を形成するのに適した画像信号を生成する。
【0015】
機構制御部52は、中央制御部60と、機構制御部62とを含み、機構制御部62はインタフェース制御部56を介してコントローラ部50の中央制御部54及び画像制御部58に接続されている。機構制御部62は、種々の駆動モータ64、種々のセンサ66、及び定着エネルギー制御部68に接続されている。定着エネルギー制御部68はフラッシュランプ40を制御する。さらに、機構制御部52は、画像データ取得制御部70と、画像データ格納部72と、フラッシュ点灯エリア確定部74とを有する。フラッシュ点灯エリア確定部74で確定されたエリア情報は機構制御部62を介して定着エネルギー制御部68へ供給され、フラッシュランプ(定着器ランプ)40の定着処理を制御する。場合によっては、転写部検出センサ(CCDカメラ)76が設けられる。
【0016】
図3は図1の画像形成部12及び定着装置14を簡略化して示す図である。定着装置14はフラッシュランプ40を有する。図3には3本のフラッシュランプ40が示されているが、所望の本数のフラッシュランプ40とすることができる。媒体32は矢印Pの方向に搬送される。全てのフラッシュランプ40が同時に発光するときに、媒体32のエリアQが照射され、このエリアQに定着が施される。転写部検出センサ(CCDカメラ)76は画像形成部12と定着装置14との間に媒体32と直交するように配置され、媒体32に形成されたトナー画像の有無を検出する。
【0017】
CCDカメラはラインセンサ方式あるいはエリアセンサ方式のものでもよい。ラインセンサ方式では、媒体の搬送中に搬送速度と同期してスキャンを行い、画像データを順次メモリに格納していく。エリアセンサ方式では、該当するエリアが重複しないように、サンプリングタイミングを搬送距離と同期して行い、画像データをメモリに格納する。CCDカメラの性能は、トナー画像の、検出ミスによるトナー未定着がないように最小ドット単位のトナー画像が検知できる性能が必要である。
【0018】
図4はトナー画像が形成された媒体32の一例を示す図である。媒体32は矢印Pで示される方向に搬送されるものとし、フラッシュランプ40の1回の発光で媒体32のエリアQ1が定着される。媒体32が矢印Pの方向に搬送されるにつれて、フラッシュランプ40は点灯と消灯を繰り返し、媒体32のエリアQ1、Q2、Q3、Q4、Q5が順次にフラッシュランプ40の位置に来て、定着される。例えば、エリアQ1、Q2、Q3、Q4、Q5が媒体32の1頁分の領域に相当する。
【0019】
図5は定着装置14の一例を示す図である。3本(又はそれ以上の)フラッシュランプ40が平行に配置されている。フラッシュランプ40はリフレクタ41で取り囲まれている。媒体32の搬送方向Pがフラッシュランプ40の配置と関連して示されている。フラッシュランプ40の長さはLである。図4に、フラッシュランプ40の長さLが示されている。フラッシュランプ40の長さLは媒体32の幅よりも十分に大きい。
【0020】
図6は定着装置14の他の一例を示す図である。3列(又はそれ以上の)フラッシュランプ40aが平行に配置されている。各列は3個のフラッシュランプ40aを含む。フラッシュランプ40aはリフレクタ41で取り囲まれている。各列の3本のフラッシュランプ40aの合計の長さはLである。各列の2本のフラッシュランプ40aの合計の長さはMである。図4のLは3本のフラッシュランプ40aの合計の長さLと同じである。また、図4には、2本のフラッシュランプ40aの合計の長さMが示されている。長さLは媒体32の幅よりも十分に大きいが、長さMは媒体32の幅よりもわずかに大きいだけである。
【0021】
図4において、トナー画像78a、78b、78c、78dが媒体32に形成されている。例えば、トナー画像78a、78b、78c、78dは文字又は数字である。矩形の枠80は媒体32のプレプリント画像であり、今回定着する必要はない。プレプリント画像はトナー画像とは区別される。
【0022】
トナー画像78a、78b、78c、78dは転写部検出センサ(CCDカメラ)76によって検出される。検出されたトナー画像78a、78b、78c、78dの画像情報は図2の画像データ取得制御部70へ送られ、画像データ格納部72に格納される。フラッシュ点灯エリア確定部74はトナー画像の存在するエリアとトナー画像の存在しないエリアとを判別する。定着エネルギー制御部68は、トナー画像の存在するエリアでは通常の定着処理を施し、トナー画像の存在しないエリアでは定着処理を施さない又は前記定着処理の定着エネルギーよりも小さい定着エネルギーで定着処理を施すように定着装置14を制御する。
【0023】
図4においては、トナー画像が媒体32のエリアQ1、Q2に存在している。従って、媒体32のエリアQ1、Q2では通常の定着処理を施す。すなわち、通常の定着エネルギーでフラッシュランプ40を点灯させる。一方、エリアQ3、Q4にはトナー画像がないので、定着処理を施さない、すなわち、フラッシュランプ40を点灯させない。あるいは、エリアQ3では通常の定着エネルギーより小さい定着エネルギーで定着処理を施し、エリアQ4では定着処理を施さないようにすることもできる。このように、トナー画像のないエリアQ3、Q4では定着する必要がないので、定着処理を施さない又は小さい定着エネルギーで定着処理を施し、定着エネルギーを無駄に消費しないようにする。媒体32に印加する熱エネルギーが隣接するエリア間で大きく変化すると媒体32にダメージ(例えばカール等)が発生する可能性がある場合に、通常の熱エネルギーで定着するエリアに隣接するエリアを小さい熱エネルギーて定着することにより印刷する熱エネルギーの差を小さくし、そのようなダメージを最小にすることができる。
【0024】
定着装置14が図5に示すように長いフラッシュランプ40を含む場合には、媒体32の存在しない(図4で媒体32の上方の)エリアにもフラッシュランプ40の発光が照射される。定着装置14が図6に示すように短いフラッシュランプ40aを含む場合には、各列の2本のフラッシュランプ40aのみを点灯し、残りの1本のフラッシュランプ40aを点灯しないようにすることにより、長いフラッシュランプ40を発光させる場合よりも定着エネルギーを無駄に消費しないようにすることができる。
【0025】
さらに、媒体32に形成されたトナー画像の存在する第1のエリアで第1の(通常の)定着エネルギーで定着処理を施し、該第1のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第2のエリアで第1の(通常の)定着エネルギーで定着処理を施し、該第2のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第3のエリアで第1の定着エネルギーよりも小さい第2の定着エネルギーで定着処理を施すようにすることもできる。すなわち、トナー画像の存在しないエリアが連続する場合には、定着エネルギーを漸減させながら定着処理を施す。このようにすることにより、印字品質及び媒体のダメージの軽減をはかりつつ、無駄な定着エネルギーの消費を抑えることができる。
【0026】
このような定着装置14の制御は、媒体32に形成されたトナー画像を転写部検出センサ(CCDカメラ)76によって検出することによって実施されるばかりでなく、トナー画像が媒体に形成される前に媒体に形成されるべきトナー画像の存在を検出することによっても実施することができる。例えば、画像形成装置10では、ホスト装置16によって画像情報が提供されるので、そのような画像情報に基づいて媒体32に形成されるべきトナー画像の存在を検出することができ、形成されるべきトナー画像の検出に従って定着装置14を前の例と同様に制御することができる。また、画像情報はスキャニングによって提供されることもできる。
【0027】
図7及び図8はホスト装置16によって提供される画像情報を基に媒体32に形成されるべきトナー画像の存在を検出する例を示す図である。図7は取得したトナー画像のビットマップ情報を示す。図8は解像度変換したビットマップ情報の例を示す図である。
【0028】
図7において、ホスト装置16から受信した画像情報をコントローラ部50が解析し、画像制御部58において、ビットマップメモリ82上に画像情報を展開する。ここで、頁単位毎に頁のどの部分に画像情報を展開したかを記憶しておく。あるいは、完成したビットマップメモリ82上に画像情報が存在しているかを後から検出してもよい。媒体32の1頁分に相当するビットマップ情報がビットマップメモリに取得される。
【0029】
図7に示される画像は多数のドットの集まりである。実際に存在するドットの量は解像度や印字率によっては膨大になるために解像度を落として画像情報の存在を記憶すると、情報量は少なくすることができる。例えば1dpi (1インチ角)に解像度を落とすと、連続用紙の11×15インチ用紙で情報量は20バイト程度になる。図7及び図8においては、1頁が1平方インチの領域a、b、c、d等に分割されて解像度変換を行うようになっている。
【0030】
図7の領域aには画像データ(文字の一部)があるので、図8の対応する領域aに1を書き込む。同様に、図7の領域b、cに画像データがあるので、図8の領域b、cに1を書き込む。図7の領域dには画像データがないので、図8の対応する領域dに0を書き込む。このような処理を繰り返し、図8に示すように、解像度変換したビットマップ情報が得られる。この際、元の画像データの存在を削除しない方法で解像度を落とす必要がある。分解能は悪くなるが、ここで必要とする分解能は、フラッシュランプ1回分の発光で定着処理する最小単位面積よりも小さな面積であればよい。このビットマップ情報から、画像情報の存在するエリア及び画像情報の存在しないエリアを検出することができる。
【0031】
コントローラ部50は、ビットマップメモリ上に展開した画像データが用意できたら、機構制御部52に対して1ページ毎に印刷を指示する。さらに、上記で検出したドットの存在情報を機構制御部52に送り、定着を指示する。
【0032】
図9から図11はホスト装置16によって提供される画像情報を基に媒体32に形成されるべきトナー潜像の存在を検出する他の例を示す図である。この例では、コントローラ部50からの印刷データを機構制御部52が監視し、ドットデータの有無を検出することで、機構制御部52で画像情報の存在するエリアを検出する。
【0033】
図9はコントローラ部50からの画像情報の転送順序を示し、図10は図9の転送順序に従ったビットマップ情報を示し、図11は図10のビットマップ情報に対応する画像信号を示す。コントローラ部50は、媒体32のサイズによって、決められた量の画像データを決められた順序で機構制御部52に送るので、機構制御部52は送られてきたデータ数に対する画像データを検出することで、どの位置でドットデータが存在するかを取得することが可能になる。
【0034】
図12は定着制御エリアを確定する例を示す。図12に示すビットマップ情報は、図7のビットマップ情報よりもさらに大きく解像度変換され、フラッシュランプ40の1回の発光で定着されるエリアに分割されている。図12においては、媒体32の1頁が縦5行×横3列のエリアに分割されている。縦5行は図4の媒体32のエリアQ1、Q2、Q3、Q4、Q5に相当する。横3列は図6の各列の3本のフラッシュランプ40aのエリアに相当する。各エリアにトナー画像が存在する場合に1を書き込み、各エリアにトナー画像が存在しない場合に0を書き込む。横の各行毎にビットを並べ、定着エリア分けしたトナー画像情報として、100、111、110、000、000を記憶する。この定着エリア分けしたトナー画像情報に従って、定着装置14を制御することができる。
【0035】
図13はビットマップ情報を基にトナー画像が存在しないエリアで定着エネルギーを変えて定着を行う例を示す。機構制御部52は定着制御部内に1頁分の定着制御エリア情報を格納するメモリをもつ。このメモリは少なくとも潜像情報の取得タイミングから定着処理タイミングまでのタイムラグ分以上に情報量を格納できる必要がある。
【0036】
機構制御部52は取得したトナー画像情報を基にフラッシュランプ発光の対象のエリアに着目し、以下の処理を行う。(a)着目したエリアに潜像情報があれば、発光対象のエリアとして記憶する。(b)着目したエリアに潜像情報がない場合、隣接する前後左右、斜め隣のエリアに潜像情報があれば、低エネルギーエリアとして記憶する。(c)上記(b)で、隣接するエリアに潜像情報がない場合、無定着エリアとして記憶する。
【0037】
図13においては、15のエリアが丸1から丸15で示されている。丸1のエリアにはトナー画像があるので、強定着エリアとして00を書き込む。丸2のエリアにはトナー画像がなく、且つトナー画像がある丸1のエリアに隣接しているので、弱定着エリアとして01を書き込む。丸3のエリアにはトナー画像がなく、且つトナー画像がある丸6のエリアに隣接しているので、弱定着エリアとして01を書き込む。以下同様にして、00010111、00000011、00000111・・・11111111を記憶する。
【0038】
図14は図5の定着装置14(長いフラッシュランプ40)を使用して図13の定着エリアに従って定着処理を行う例を示す図である。1回目から3回目の定着処理(Q1〜Q3)は強い定着エネルギーで定着処理を行い、4回目の定着処理(Q4)は弱い定着エネルギーで定着処理を行い、5回目の定着処理(Q5)は定着処理を行わない。
【0039】
図15は図6の定着装置14(短い3本のフラッシュランプ40a)を使用して図13の定着エリアに従って定着処理を行う例を示す図である。1回目の定着処理(Q1)は1本のフラッシュランプ40aが強い定着エネルギーで定着処理を行い、残りの2本のフラッシュランプ40aが弱い定着エネルギーで定着処理を行う。2回目の定着処理(Q2)は3本のフラッシュランプ40aが強い定着エネルギーで定着処理を行う。3回目の定着処理(Q3)は2本のフラッシュランプ40aが強い定着エネルギーで定着処理を行い、残りの1本のフラッシュランプ40aが弱い定着エネルギーで定着処理を行う。4回目の定着処理(Q4)は3本のフラッシュランプ40aが弱い定着エネルギーで定着処理を行う。4回目の定着処理(Q5)は定着処理を行わない。
【0040】
機構制御部52は媒体32の先端が定着装置14に搬送されたタイミングをセンサ又は転写位置からの時間又はモータの回転管理等により認識する。そして、媒体搬送位置管理により媒体が現在定着装置14内のどの位置を搬送されているかを監視しながら、上記の定着エリア情報に従って、定着処理を行う。
【0041】
図16及び図17は定着装置14において定着エネルギーを変えて定着を行う例を示す図である。図16は強い定着エネルギーで定着処理を行う場合を示し、図17は弱い定着エネルギーで定着処理を行う場合を示す。定着装置14は4本のフラッシュランプ40b、40c、40d、40eを含み、各フラッシュランプ40b、40c、40d、40eには関連するリフレクタ41b、41c、41d、41eがある。フラッシュランプ40bとリフレクタ41bとによって照射範囲Rbが規定される。同様に、フラッシュランプ40cとリフレクタ41cとによって照射範囲Rcが規定される。フラッシュランプ40dとリフレクタ41dとによって照射範囲Rdが規定される。フラッシュランプ40eとリフレクタ41eとによって照射範囲Reが規定される。
【0042】
図16において、全てのフラッシュランプ40b、40c、40d、40eが点灯され、定着エリアを強い定着エネルギーで定着処理を行うことができる。図17において、2本のフラッシュランプ40b、40dのみが点灯され、同様の定着エリアを弱い定着エネルギーで定着処理を行うことができる。
【0043】
図18及び図19は定着装置14において定着エネルギーを変えて定着を行う他の例を示す図である。図18はフラッシュランプ40の充電回路を示し、図18はフラッシュランプ40の充電を示す図である。フラッシュランプ40の充電回路が電源装置84及びコンデンサ86を含む。電源装置84からコンデンサ86への充電を開始すると、コンデンサ86の電圧が上昇し、満充電電圧Voに達する。この状態でフラッシュランプ40にトリガ電圧を印加すると、最大の電流が流れ、フラッシュランプ40が発光する。この場合、フラッシュランプ40は最大のエネルギーで発光する。コンデンサ86への充電時間を短くし、満充電電圧Voよりも低い電圧V1の状態でフラッシュランプ40にトリガ電圧を印加すると、満充電時のエネルギーに対して小さなエネルギーでフラッシュランプ40が発光する。このように、コンデンサ86に充電する量を少なくすることで、発光エネルギーを小さくすることができる。
【0044】
図20は図12及び図13のトナー画像の存在を検出する制御を示すフローチャートである。ステップS1で、画像情報の取得を完了したかどうかを判断し、イエスであれば、ステップS2で、定着装置14の定着単位面積でエリア分け処理を行う。ステップS3で、初期着目エリアの決定(ページの原点を含む区画)を行う。次にステップS4で、着目エリアに潜像データがあるかどうかを判断する。判断がイエスであれば、ステップS8で、着目エリアを通常の定着処理として(00)を記録する。着目エリアを通常の定着処理として(00)を記録する。ステップS4の判断がノーであれば、ステップS5で、着目エリアに隣接しているエリアに潜像データがあるかどうかを判断する。判断がイエスであれば、ステップS9で、着目エリアを低エネルギーの定着処理として(01)を記録する。ステップS5の判断がノーであれば、ステップS6で、着目エリアを無定着処理として(11)を記録する。ステップS6、S8、S9の後はステップS10へ進み、1ページ分の全エリアに対して定着処理方法の決定が完了したかどうかを判断する。ステップS10の判断がイエスであれば、処理は終了する。ステップS10の判断がノーであれば、ステップS10へ進み、着目するエリアを次のエリアに移行して、ステップS4へ進み、処理を続行する。
【0045】
図21は定着処理の制御を示すフローチャートである。ステップS21で、媒体32の搬送処理であるかどうかを判断する。ステップS21の判断がイエスであれば、ステップS22で、定着開始タイミングであるかどうかを判断する。S21、S22の判断がノーであれば、元に戻る。ステップS22の判断がイエスであれば、ステップS23へ進み、定着エネルギー制御情報の対象データを参照する。ステップS24で、通常の定着処理であるかどうかを判断する。ステップS24の判断がイエスであれば、ステップS27へ進み、対象のエリアに対して通常のランプ発光を行う。ステップS24の判断がノーであれば、ステップS25へ進み、低エネルギー定着処理であるかどうかを判断する。ステップS25の判断がイエスであれば、ステップS28へ進み、対象のエリアに対して制限されたランプのみ発光を行う。ステップS25の判断がイエスであれば、ステップS26へ進み、対象のエリアに対して発光処理をしない。ステップS25、S27、S28の後はステップS29へ進み、定着エネルギー制御情報の対象データを次のデータに移行し、処理を続行する。
【0046】
以上の説明には下記の特徴が含まれる。
【0047】
(付記1) トナー画像を媒体に形成する画像形成部と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置と、媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在するエリアで定着処理を施し且つトナー画像の存在しないエリアで定着処理を施さない又は前記定着処理の定着エネルギーよりも小さい定着エネルギーで定着処理を施すように該定着装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0048】
(付記2) 該定着装置は複数のフラッシュランプを含むことを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
【0049】
(付記3) 該複数のフラッシュランプは平行な複数の列に配置され、各列が複数のフラッシュランプを含むことを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
【0050】
(付記4) 提供される画像情報に基づいて媒体に形成されるべきトナー画像の存在するエリア及びトナー画像の存在しないエリアを検出する検出手段を備えることを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
【0051】
(付記5) 提供される画像情報をビットマップ情報として記憶するメモリを備え、該検出手段は該ビットマップ情報を解像度変換をする手段を含むことを特徴とする付記4に記載の画像形成装置。
【0052】
(付記6) 該検出手段はコントローラ部から機構制御部へ送られる画像信号を監視する手段を含むことを特徴とする付記4に記載の画像形成装置。
【0053】
(付記7) 画像形成部と定着部との間に配置され、媒体に形成されたトナー画像の存在するエリア及びトナー画像の存在しないエリアを検出する検出手段を備えることを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
【0054】
(付記8)該検出手段はCCDカメラからなることを特徴とする付記7に記載の画像形成装置。
【0055】
(付記9) 媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在する第1のエリアで第1の定着エネルギーで定着処理を施し、該第1のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第2のエリアで第1の定着エネルギーよりも小さい第2の定着エネルギーで定着処理を施すことを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
【0056】
(付記10) 媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在する第1のエリアで第1の定着エネルギーで定着処理を施し、該第1のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第2のエリアで第1の定着エネルギーよりも小さい第2の定着エネルギーで定着処理を施し、該第2のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第3のエリアで定着処理を施さないことを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
【0057】
(付記11) トナー画像を媒体に形成する画像形成部と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置と、媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在する第1のエリアで第1の定着エネルギーで定着処理を施し、該第1のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第2のエリアで第1の定着エネルギーで定着処理を施し、該第2のエリアに隣接し且つトナー画像の存在しない第3のエリアで第1の定着エネルギーよりも小さい第2の定着エネルギーで定着処理を施すように該定着装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定着エネルギーを節約することのできる画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による画像形成装置を示す図である。
【図2】図1に画像形成装置の電気回路の構成図である。
【図3】図1の画像形成部及び定着装置を簡略化して示す図である。
【図4】トナー画像が形成された媒体の一例を示す図である。
【図5】定着装置の一例を示す図である。
【図6】定着装置の他の一例を示す図である。
【図7】取得したトナー画像のビットマップ情報を示す図である。
【図8】解像度変換したビットマップ情報を示す図である。
【図9】トナー画像の存在を検出する他の例を示すためのコントローラ部からの画像情報の転送順序を示す図である。
【図10】図9の転送順序に従ったビットマップ情報を示す図である。
【図11】図10のビットマップ情報に対応する画像信号を示す図である。
【図12】定着制御エリアを確定する例を示す図である。
【図13】ビットマップ情報を基にトナー画像が存在しないエリアで定着エネルギーを変えて定着を行う例を示す図である。
【図14】図5の定着装置を使用して図13の定着エリアに従って定着処理を行う例を示す図である。
【図15】図6の定着装置を使用して図13の定着エリアに従って定着処理を行う例を示す図である。
【図16】定着エネルギーを変えて定着を行う例を示す図である。
【図17】図16の定着装置で弱い定着エネルギーで定着処理を行う場合を示す図である。
【図18】定着エネルギーを変えて定着を行う他の例を示す図である。
【図19】フラッシュランプの充電を示す図である。
【図20】図12及び図13のトナー画像の存在を検出する制御を示すフローチャートである。
【図21】定着処理の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…画像形成装置
12…画像形成部
14…定着装置
16…ホスト装置
32…媒体
40…フラッシュランプ
50…コントローラ部
52…機構制御部
70…画像データ取得制御部
72…画像データ格納部
74…フラッシュ点灯エリア確定部
76…転写部検出センサ

Claims (3)

  1. トナー画像を媒体に形成する画像形成部と、媒体に形成されたトナー画像を定着するための定着装置と、媒体に形成された又は形成されるべきトナー画像の存在するエリアで定着処理を施し且つトナー画像の存在しないエリアで定着処理を施さない又は前記定着処理の定着エネルギーよりも小さい定着エネルギーで定着処理を施すように該定着装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 提供される画像情報に基づいて媒体に形成されるべきトナー画像の存在するエリア及びトナー画像の存在しないエリアを検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像形成部と定着部との間に配置され、媒体に形成されたトナー画像の存在するエリア及びトナー画像の存在しないエリアを検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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