JP2004170762A - 感光性組成物及び感光性平版印刷版 - Google Patents
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Landscapes
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
【解決手段】付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体、光重合開始剤組成物及び高分子結合材を含有する感光性組成物において、該光重合開始剤組成物が特定構造のポリハロゲン化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性組成物及び感光性平版印刷版に関し、詳しくは高感度で耐刷性及びリニアリティに優れる感光性組成物及び感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、平版印刷版では画像露光後、露光部分を硬化させ、未露光部分を溶解除去した後、水洗処理、フィニッシャーガム処理を行い、平版印刷版を得ている。近年、高い解像力と鮮鋭性を得るため、画像情報に基づいてレーザー光によるデジタル露光を行った後、現像処理して平版印刷版を作製する方法が検討されている。その一例を挙げると、通信回線により伝送される画像信号や電子製版システム、画像処理システム等からの出力信号により露光光源を変調し、感光材料に直接走査露光を行って平版印刷版を作製するシステムである。
【0003】
しかし、従来型のジアゾ樹脂を用いる平版印刷版用材料では、デジタル露光によるレーザー光の発振波長に併せた分光増感法及び高感度化が困難であるという問題を抱えていた。
【0004】
近年、光重合開始剤を含有する光重合性の感光層を有した平版印刷版用材料が、レーザー光に適した高感度化が可能のためレーザー光によるデジタル露光向けに注目されてきている。このレーザー光源でデジタルデータを記録するCTP(Computer To Plate)用版材に対しては、記録時間短縮のために高感度であることが求められている。また、新聞印刷や、広告等の商業印刷をはじめとし、多くの印刷分野において、耐刷力のある版材が求められている。
【0005】
高感度化を達成するために、光ラジカル重合を利用する手段が古くから検討されており、光重合開始剤としてトリクロロメチル基を有するs−トリアジン化合物を使用すること(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)、光重合開始剤として鉄アレーン錯体化合物と過酸化物を使用すること(例えば、特許文献4参照。)、光重合開始剤としてモノアルキルトリアリールボレート化合物を使用すること(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照。)、光重合開始剤としてチタノセン化合物を使用すること(例えば、特許文献8、特許文献9参照。)等が提案されていた。しかしながら、これらの技術では感度が不十分であった。
【0006】
一方、感度改善を目的として、モノマー(付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体)構造中に3級アミノ基を導入し、トリハロゲン化メチル−s−トリアジン化合物等を併用する技術(例えば、特許文献10参照。)、モノマー(付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体)構造中に3級アミノ基を導入し、トリハロゲン化メチル−s−トリアジン化合物に加え、チタノセン等のメタロセン化合物を併用する技術(例えば、特許文献11参照。)等が提案されたが、これらの技術では感度の改善が見られたものの耐刷力が不十分であった。
【0007】
また、カブリが低く、感光材料の生保存性を改良する目的である種のトリブロモメチルスルホニル基を有する化合物を用いること(例えば、特許文献12参照。)、カブリが低く、露光前保存時のカブリの上昇及び感度変動の少ない画像を得るために別の種類のトリブロモメチルスルホニル基を有する化合物を用いること(例えば、特許文献13参照。)が提案されている。しかしながら、これらはいずれも熱現像感光材料に関するものである。
【0008】
【特許文献1】
特開昭48−36281号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭54−74887号公報
【0010】
【特許文献3】
特開昭64−35548号公報
【0011】
【特許文献4】
特開昭59−219307号公報
【0012】
【特許文献5】
特開昭62−150242号公報
【0013】
【特許文献6】
特開昭62−143044号公報
【0014】
【特許文献7】
特開昭64−35548号公報
【0015】
【特許文献8】
特開昭63−41483号公報
【0016】
【特許文献9】
特開平2−291号公報
【0017】
【特許文献10】
特開平1−105238号公報
【0018】
【特許文献11】
特開平2−127404号公報
【0019】
【特許文献12】
特開2000−284408号公報
【0020】
【特許文献13】
特開2000−305213号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高感度で耐刷性及びリニアリティに優れる感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記目的は、以下の構成によって達成された。
【0023】
1)付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体、光重合開始剤組成物及び高分子結合材を含有する感光性組成物において、該光重合開始剤組成物が前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
【0024】
2)付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体、光重合開始剤組成物及び高分子結合材を含有する感光性組成物において、該光重合開始剤組成物が前記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
【0025】
3)付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体、光重合開始剤組成物及び高分子結合材を含有する感光性組成物において、該光重合開始剤組成物が前記一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
【0026】
4)前記光重合開始剤組成物が、チタノセン化合物を含有することを特徴とする1)乃至3)のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0027】
5)前記光重合開始剤組成物が、鉄アレーン錯体化合物を含有することを特徴とする1)乃至3)のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0028】
6)前記光重合開始剤組成物が、有機ボレート化合物を含有することを特徴とする1)乃至3)のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0029】
7)前記光重合開始剤組成物が、350nm以上600nm以下に吸収極大を有する色素を含有することを特徴とする1)乃至6)のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0030】
8)前記色素が、350nm以上450nm以下に吸収極大を有する色素であることを特徴とする7)に記載の感光性組成物。
【0031】
9)前記付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体が、前記一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする1)乃至8)のいずれか1項に記載の感光性組成物。
10)親水性表面を有する支持体上に、1)乃至9)のいずれか1項に記載の感光性組成物を塗設してなる感光性平版印刷版。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明する。
【0033】
(付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体)
まず、本発明に係る付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体について説明する。
【0034】
本発明に係る付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体は、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。該化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
【0035】
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
【0036】
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
【0037】
本発明の感光性組成物には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
【0038】
更に、本発明に併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
【0039】
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
【0040】
また本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体を使用することが好ましい。構造上の限定は特に無いが、水酸基を有する三級アミン化合物を、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド等で変性したものが好ましく用いられる。具体的には、特開平1−165613号公報、特開平1−203413号公報、特開平1−197213号公報に記載の重合可能な化合物が好ましく用いられる。
【0041】
さらに本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物を使用することが好ましい。
【0042】
ここでいう、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert.−ブチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノ−ルアミン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオ−ル等が挙げられるが、これに限定されない。
【0043】
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これに限定されない。
【0044】
分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、MH−1からMH−13の化合物等が挙げられるが、これに限定されない。
【0045】
【化9】
【0046】
好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート等が挙げられる。
【0047】
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことが出来る。
【0048】
また、これらの分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物において具体例を以下に示す。
【0049】
M−1:トリエタノールアミン(1モル)、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物M−2:トリエタノールアミン(1モル)、イソホロンジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(3モル)の反応生成物
M−3:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−4:N−n−ブチルジエタノ−ルアミン(1モル)、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン(1モル)、トリレン−2,4−ジイソシアネート(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報に記載の、アクリレート又はアルキルアクリレートが用いることが出来る。
【0050】
本発明においては、付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体が、前記一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0051】
以下に前記一般式(4)で表される化合物について説明する。
一般式(4)において、R4で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ドコサデシル基等が挙げられる。R4で表されるヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシペンチル基等が挙げられる。R4で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0052】
一般式(4)において、R1及びR2で表されるアルキル基は、前記R4で表されるアルキル基と同義である。R1及びR2で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、プロポキシエチル基等が挙げられる。
【0053】
一般式(4)において、X1で表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基としては、例えば、飽和炭化水素基、アリーレン基等が挙げられる。X1で表される2〜12個の炭素原子を有する飽和炭化水素基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基など)等が挙げられる。X1で表されるアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
【0054】
一般式(4)において、X2で表される2価の基は、前記X1で表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基として挙げられる、飽和炭化水素基、アリーレン基等を用いることができるが、更に、前記飽和炭化水素基の中の5個までのメチレン基が酸素原子によって置換されたものを用いることが出来る。
【0055】
一般式(4)において、X2で表される3価の基は、上記のX2で表される2価の基(飽和炭化水素基、アリーレン基等)に更にひとつ結合基がついたものであり、例えば、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロペンタントリイル基、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基等が挙げられる。
【0056】
一般式(4)において、X2で表される4価の基は、上記のX2で表される3価の基に更にひとつ結合基がついたものであり、例えば、プロパンジイリデン基、1,3−プロパンジイル−2−イリデン基、ブタンジイリデン基、ペンタンジイリデン基、ヘキサンジイリデン基、ヘプタンジイリデン基、オクタンジイリデン基、ノナンジイリデン基、デカンジイリデン基、ウンデカンジイリデン基、ドデカンジイリデン基、シクロヘキサンジイリデン基、シクロペンタンジイリデン基、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基等が挙げられる。
【0057】
一般式(4)のX2において、Zは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、複素環基を表す。Zで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。Zで表されるアルケニル基としては、例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられる。Zで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、m−クロロフェニル基、p−トリル基、ナフチル基等が挙げられる。Zで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。Zで表されるアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。Zで表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピロリル基、2−メチルピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、フリル基、チアゾリル基、ピリミジニル基等が挙げられる。
【0058】
一般式(4)において、D1及びD2で表される、1〜5個の炭素原子を有する2価の基としては、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基等が挙げられる。
【0059】
一般式(4)において、Eで表される、2〜12個の炭素原子を有する2価の基は、X1で表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基と同義である。
【0060】
一般式(4)において、Eで表される、5員環〜7員環であり、且つ、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる2つまでの原子を含む複素環を置換基として有する脂肪族基を構成する複素環としては、例えば、ピリジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラン環、チオフェン環、イソオキサゾール環、ピロリン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、キヌクリジン環等が挙げられる。
【0061】
前記の脂肪族基としては、上記記載の複素環を有する炭素数2〜12の2価の基が挙げられ、前記2価の基は、X1で表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基と同義である。
【0062】
一般式(4)において、Eで表される、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
【0063】
一般式(4)において、Eで表される5員環又は6員環を有する芳香族複素環基を構成する芳香族複素環としては、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、s−トリアジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、キノリン環及びイソキノリン環等が挙げられる。
【0064】
ここで、上記記載の一般式(4)で表される各々の置換基は、更に置換基を有していてもよい。
【0065】
一般式(4)において、好ましくはQ1は>N−を、X1は芳香族環を有し、更に好ましくはX1はトリレンジイソシアネートから導かれる以下に挙げる化合物の具体例における4−12〜4−15のような構造を有し、さらに好ましくはX1がテトラメチルキシレンジイソシアネートから導かれる4−16〜4−20のような構造を有する。
【0066】
一般式(4)で表される化合物は、当該業者周知の方法、例えば、特許第2509288号明細書等に記載の方法を参照して合成できる。
【0067】
以下、一般式(4)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0068】
【化10】
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
【化15】
【0074】
次に前記一般式(5)で表される化合物について説明する。
一般式(5)において、R8は(g−f)が2以上の場合は、互いに異なってもよい。gとfが同じ値である化合物が好ましい。R8がアルキル基、ヒドロキシアルキル基の場合は、炭素数は2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。R8がアリール基の場合は、単環又は2環が好ましく、単環がより好ましく、かつ炭素数5個までのアルキル基、アルコキシアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい。R5及びR6がアルキル基又はアルコキシアルキル基の場合は、炭素数は1〜5が好ましい。R7はメチル基が好ましい。
【0075】
D3及びD4は同一又は異なってもよく、かつ2個の窒素原子を含む6員の飽和複素環が好ましい。
【0076】
Fが飽和炭化水素基の場合は2〜6個の炭素原子を有することが好ましく、Fがアリーレン基の場合はフェニレン基が好ましく、環状脂肪族基の場合はシクロヘキシレン基が好ましく、複素環芳香族基の場合は窒素原子又は硫黄原子を含む5〜6員環が好ましい。
【0077】
一般式(5)で表される化合物を得るには、Q2が>N−であり、nとmが同じ値の場合は、グリシジルアクリレート又はアルキルアクリレートをヒドロキシアルキルアミンと反応させる。他の化合物も同様にして得ることができる。
【0078】
本発明の一般式(5)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0079】
【化16】
【0080】
本発明に係る付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体の添加量は光重合性感光層の不揮発成分の30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
【0081】
(光重合開始剤組成物)
次に本発明に係る光重合開始剤組成物について説明する。
【0082】
前記記一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)において、Z1およびZ2はそれぞれ独立にハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、よう素)を表すが、Z1およびZ2は両方とも臭素原子であることが最も好ましい。一般式(1)において、Xは水素原子又は電子吸引性基である。ここでいう電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りうる置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲン原子、アシル基、ヘテロ環基等を表す。一般式(1)において、Xは水素原子又はハロゲン原子であることが好ましく、最も好ましいのは臭素原子である。一般式(1)のY1は−CO−又は−SO2−であり、好ましくは−SO2−である。
【0083】
一般式(1)において、Q1はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表す。一般式(1)のQ1で表されるアリーレン基とは、好ましくは炭素数6〜30の単環又は縮環のアリーレン基であり、より好ましくは6〜20の単環又は縮環のアリーレン基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン等が挙げられ、特に好ましくはフェニレン基である。Q1で表されるアリーレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては写真性能に悪影響を及ぼさない置換基であればどのような基でも構わないが、例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ環基を含む)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基又はその塩、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、カルバゾイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、ニトロ基、(アルキル,アリール,又はヘテロ環)チオ基、アシルチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基、ホスホリル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、シリル基等が挙げられる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。一般式(1)のQ1で表されるアリール基の置換基として特に好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン、シアノ基、カルボキシル基又はその塩、スルホ基の塩、リン酸基である。
【0084】
一般式(1)において、Q1で表されるヘテロ環基は、N、O又はSの原子を少なくとも1つ含む5ないし7員の飽和又は不飽和のヘテロ環であり、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成していてもよい。Q1で表されるヘテロ環基としては例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ベンゾチアゾール基、ベンツイミダゾール基、チアジアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。これらは置換基を有していても良く、例えば、Q1で表されるアリーレン基の置換基と同様の基が挙げられる。一般式(1)のQ1は好ましくはアリーレン基であり、特に好ましくはフェニレン基である。
【0085】
一般式(1)のLは連結基を表し、例えばアルキレン基(好ましくは炭素数1〜30であり、さらに好ましくは炭素数1〜20であり、特に好ましくは炭素数1〜10である。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30であり、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜10である。)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜30であり、さらに好ましくは炭素数2〜20であり、特に好ましくは炭素数2〜10である。)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜30であり、さらに好ましくは炭素数2〜20であり、特に好ましくは炭素数2〜10である。)、複素環基(好ましくは炭素数1〜30であり、さらに好ましくは炭素数1〜20であり、特に好ましくは炭素数1〜10である。)、−O−基、−NR−基、−CO−基、−COO−基、−OCOO−基、−NRCO−基、−NRCONR−基、−OCONR−基、−S−基、−SO−基、−SO2−基、−SO2NR−基、リン原子を含む基や、これらを組み合わせることによって形成される基等が挙げられる(ここでRで表される基は水素原子又は置換基を有しても良いアルキル基又は置換基を有しても良いアリール基である)。一般式(1)のLで表される連結基は置換基を有していても良く、例えば、Q1で表されるアリーレン基の置換基と同様のものが挙げられる。一般式(1)のLで表される連結基は好ましくはアルキレン基、−O−基、−NRCO−基、−SO2NR−基およびこれらを組み合わせることによって形成される基である。
【0086】
一般式(1)のWはカルボキシル基又はその塩(Na、K、アンモニウム塩等)、スルホ基又はその塩(Na、K、アンモニウム塩等)、リン酸基又はその塩(Na、K、アンモニウム塩等)、水酸基、4級アンモニウム基(例えばテトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等)、ポリエチレンオキシ基を表す。Wは好ましくはカルボキシル基又はその塩、スルホ基の塩、水酸基である。
【0087】
以下に一般式(1)の化合物の具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
【化17】
【0089】
一般式(1)に含まれるその他の化合物は特開2000−284408号公報に記載されている。又、一般式(1)の化合物は同公報の記載を参考にして通常の有機合成反応によって容易に合成することができる。
【0090】
一般式(1)の化合物の添加量は、光重合性感光層の不揮発成分当たり0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1.5〜10質量%である。
【0091】
前記一般式(2)で表される化合物について説明する。
前記一般式(2)において、Q2はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、X1およびX2はそれぞれハロゲン原子を表す。Zは水素原子又は電子吸引性基を表す。Yは−C(=O)−、−SO−又は−SO2−を表す。nは0又は1を表す。
【0092】
次に、一般式(2)について詳細に説明する。Q2はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Q2で表されるアリール基は、単環又は縮環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環又は二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等)であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくはフェニル基である。
【0093】
Q2で表されるヘテロ環基は、N、O又はS原子の少なくとも一つを含む3ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であっても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有していてもよい5ないし6員の不飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む5ないし6員の縮合環を有していてもよい芳香族ヘテロ環基である。
【0094】
ヘテロ環基中のヘテロ環の具体例としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズセレナゾール、インドレニン、テトラザインデンなどが挙げられる。ヘテロ環として好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾールであり、特に好ましくはピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズチアゾールである。
【0095】
Q2で表されるアリール基およびヘテロ環は−(Y)n−CZ(X1)(X2)の他に置換基を有していても良く、置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリール、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル、フェニルスルホニルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
【0096】
置換基として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
【0097】
Q2で表されるアルキル基は直鎖、分岐、又は環状であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のものであり、より好ましくは炭素数1〜15のものであり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、3級オクチル基などが挙げられる。
【0098】
Q2で表されるアルキル基は−(Y)n−CZ(X1)(X2)の他に置換基を有していても良く、置換基としては、Q2がヘテロ環基、あるいはアリール基の場合にとり得る置換基と同様なものが挙げられる。置換基として好ましくは、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基であり、より好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、リン酸アミド基である。
【0099】
これらの置換基は更に置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
【0100】
Yは−C(=O)−、−SO−又は−SO2−を表し、好ましくは−C(=O)−、−SO2−であり、より好ましくは−SO2−である。
【0101】
nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
X1、X2は、ハロゲン原子を有し、X1、X2で表されるハロゲン原子は同一又は互いに異なっていてもよくフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
【0102】
Zは水素原子又は電子吸引性基を表し、Zで表される電子吸引性基として好ましくは、σp値が0.01以上の置換基であり、より好ましくは0.1以上の置換基である。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、などが挙げられる。
【0103】
Zは、好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
【0104】
一般式(2)で表される化合物のうち、好ましくは下記一般式(2−a)で表される化合物である。
【0105】
【化18】
【0106】
式中、Q2は一般式(2)におけるそれと同義であり、また好ましい範囲も同様である。また、Q2がとり得る置換基は一般式(2)におけるQ2がとり得る置換基と同義である。X1、X2、Y、Zはそれぞれ一般式(2)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0107】
一般式(2)で表される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2−b)で表される化合物である。
【0108】
【化19】
【0109】
式中、Q2は一般式(2)におけるそれと同義であり、また好ましい範囲も同様である。また、Q2がとり得る置換基は一般式(2)におけるQ2がとり得る置換基と同義である。X1、X2、Zは一般式(2)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0110】
以下に一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0111】
【化20】
【0112】
一般式(2)で表されるその他の化合物については特開2000−305213号公報に記載の化合物を挙げることができる。
【0113】
一般式(2)の化合物の添加量は、光重合性感光層の不揮発成分当たり0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1.5〜10質量%である。
【0114】
前記一般式(3)で表される化合物について説明する。
式中、Q3はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、X1、X2及びX3はそれぞれ水素原子又はハロゲン原子を表すが、X1、X2及びX3の少なくとも一つはハロゲン原子を表す。mは0〜4の整数を、nは1〜5の整数を表す。
【0115】
Q3で表されるアルキル基、アリール基又はヘテロ環基は、前記一般式(2)におけるQ2と同義である。また、X1、X2及びX3の少なくとも一つはハロゲン原子を表すが、好ましくはX1、X2及びX3の全てがハロゲン原子の場合である。
【0116】
以下に一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0117】
【化21】
【0118】
一般式(3)で表される化合物は特表平8−505148号公報を参考にして合成することができる。
【0119】
一般式(3)の化合物の添加量は、光重合性感光層の不揮発成分当たり0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1.5〜10質量%である。
【0120】
次に、前記一般式(1)〜一般式(3)で表される化合物(以下、特に断りのない限りこれらを総称して本発明に係るポリハロゲン化合物という)のいずれかと併用することに、より好ましい効果を得ることができるチタノセン化合物について説明する。
【0121】
チタノセン化合物としては、特開昭63−41483号公報、特開平2−291号公報に記載される化合物等が挙げられる。更に好ましい具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ジ−クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル(IRUGACURE727L:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(2−5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
【0122】
以下に代表的なチタノセン化合物の構造を示す。
【0123】
【化22】
【0124】
チタノセン化合物の添加量は、光重合性感光層の不揮発成分当たり0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1.5〜10質量%である。
【0125】
次に、本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと併用することに、より好ましい効果を得ることができる鉄アレーン錯体化合物について説明する。
【0126】
鉄アレーン錯体化合物としては、特開昭59−219307号公報に記載される化合物等挙げられるが、代表的には下記一般式(6)で表される化合物である。
【0127】
【化23】
【0128】
式中、R11、R12は同じか又は異なる基であり、C1〜C12のアルキル基、C2〜C12のアルキニル基、C1〜C8のアルコキシ基、シアノ基、アルキルチオ基、フェノキシ基、C2〜C6のモノカルボン酸およびエステル基、C2〜C5のアルカノイル基、アンモニウム塩、ピリジニウム基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルフォニル基、スルファモイル基ハロゲン原子より選ばれたものであり、R12はベンゼン環と縮合多環化合物を形成していてもよい。Xは、BF4、PF6、AsF6、SbF6、FeCl4、SnCl6、SbCl6、BiCl6を表す。mは1〜4の正の整数、nは1〜5の正の整数を表す。
【0129】
一般式(6)で表される鉄アレーン錯体化合物は、具体的には(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−トルエン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロフェート、(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロアルセネート、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロポレート、(η6−ナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−アントラセン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−ピレン)(η5−シクロペンタジェニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−ベンゼン)(η5−シアノシクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−トルエン)(η5−アセチルシクロペンタジニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロボレート、(η6−ベンゼン)(η5ーカルボエトキシシクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−ベンゼン)(η5−1,3−ジクロルシクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−シアノベンゼン)(η5−シクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−アセトフェノン)(η5−シクロヘキサジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−メチルベンゾエ−ト)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−ベンゼンスルホンアミド)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロボレート、(η6−ベンズアミド)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−シアノベンゼン)(η5−シアノシクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート(η6−クロルナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−アントラセン)(η5−シアノシクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−クロルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート、(η6−クロルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)テトラフルオロボレートなどがあげられる。これらの化合物は、Dokl.Akd.Nauk SSSR 149 615(1963)に記載された方法により合成できる。
【0130】
鉄アレーン錯体化合物の添加量は、光重合性感光層の不揮発成分当たり0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1.5〜10質量%である。
【0131】
次に、本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと併用することに、より好ましい効果を得ることができる有機ボレート化合物について説明する。
【0132】
有機ボレート化合物としては、特開昭62−150242、特開昭62−143044に記載されてるモノアルキルトリアリールボレート化合物を挙げることができる。具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブチルートリナフタレン−1−イル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブチルートリフェニル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブチルートリ−(4−tert−ブチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ヘキシルートリ−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ヘキシルートリ−(3−フルオロフェニル)−ボレート等が挙げられる。
【0133】
有機ボレート化合物としては代表的には下記一般式(7)で表すことができる。
【0134】
【化24】
【0135】
式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基又はハロゲン原子を示し、Z+は任意のカチオンを示す。
【0136】
以下に一般式(7)で表される有機ボレート化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0137】
【化25】
【0138】
【化26】
【0139】
【化27】
【0140】
一般式(7)で表されるその他の有機ボレート化合物については特願2002−185985号明細書に記載の化合物を挙げることができる。
【0141】
有機ボレート化合物の添加量は、光重合性感光層の不揮発成分当たり0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1.5〜10質量%である。
【0142】
その他に任意の光重合開始剤の併用が可能である。例えばJ.コーサー(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・システムズ」第5章に記載されるようなカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。更に具体的な化合物は英国特許1,459,563号明細書に開示されている。
【0143】
即ち、併用が可能な光重合開始剤としては、次のようなものを使用することができる。ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号公報、同61−9621号公報、特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号公報、同61−243807号公報に記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号公報、同44−6413号公報、同44−6413号公報、同47−1604号公報、米国特許3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物;米国特許2,848,328号明細書、同2,852,379号明細書、同2,940,853号明細書に記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062号公報、同37−13109号公報、同38−18015号公報、同45−9610号公報に記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162号公報、特開昭59−14023号公報、「マクロモレキュルス(Macromolecules)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物;特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許109,851号明細書、同126,712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金属アレン錯体;特願平4−56831号明細書、同4−89535号明細書に記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯体;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」84巻,85〜277頁(1988年)、特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号公報に記載の有機ハロゲン化合物等をあげることができる。
【0144】
(分光増感色素)
光源にレーザー光を用いる場合、好ましくは感光層に分光増感色素を添加する。光源の波長付近に吸収極大波長を有する色素を用いることが好ましい。
【0145】
可視光から近赤外まで波長増感させる化合物としては、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、クマリン誘導体、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等、ケトアルコールボレート錯体が挙げられ、更に欧州特許568,993号明細書、米国特許4,508,811号明細書、同5,227,227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物も用いられる。
【0146】
次に、本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれか、あるいは本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと前記チタノセン化合物、鉄アレーン錯体化合物、有機ボレート化合物(以下においては特に断りのない限り、チタノセン化合物、鉄アレーン錯体化合物及び有機ボレート化合物を総称して有機金属化合物という)のいずれかと併用したものに更に併用することにより好ましい効果を得ることができる350nm以上600nm以下に吸収極大を有する色素について説明する。
【0147】
本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと前記チタノセン化合物と併用したものに更に併用することにより好ましい効果を得ることができる350nm以上600nm以下に吸収極大を有する色素としては、キサンテン類、アクリジン類、クマリン類やバルビツール類があり、更に好ましくは下記一般式(8)で表すことができる色素である。
【0148】
【化28】
【0149】
一般式(8)において、A1およびA2は各々炭素原子又はヘテロ原子を表す。Q1はA1、A2およびこれらに隣接する炭素原子とともに複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表す。R1およびR2は各々水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。R1とR2とは互いに結合して環を形成してもよい。X1およびX2は各々シアノ基又は置換カルボニル基を表し、X1とX2とは互いに結合して環を形成してもよい。nは0、1又は2である。
【0150】
一般式(8)で表される分光増感色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、Q1で完成される環(Q1で表示)、X1とX2とが結合した炭素二価基およびnの組み合わせで示しているものもあり、これらではR1=R2=Hである。
【0151】
【化29】
【0152】
【化30】
【0153】
一般式(8)で表されるその他の色素については特開平9−328505号公報に記載の化合物を挙げることができる。
【0154】
本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと前記鉄アレーン錯体化合物と併用したものに更に併用することにより好ましい効果を得ることができる350nm以上600nm以下に吸収極大を有する色素としては下記一般式(9)又は一般式(10)で表すことができる色素である。
【0155】
【化31】
【0156】
式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基であり、Z1は、アリール基、複素環基、又は−COR16(R16は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を示す。)を示す。
【0157】
一般式(9)で表される分光増感色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0158】
【化32】
【0159】
式中R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25は、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基であり、Z2は、アリール基、複素環基、又はーCOR26(R26は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又は複素環基を示す。)を示す。
【0160】
一般式(10)で表される分光増感色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0161】
【化33】
【0162】
本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと前記鉄アレーン錯体化合物と併用したものに更に併用することにより好ましい効果を得ることができる350nm以上600nm以下に吸収極大を有するその他の色素としては、ローズベンガル、フロキシン、エリスロシン、エオシン、フルオレセイン等のキサンテン系色素、クマリン系色素、及びアントラセン系色素が挙げられる。色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0163】
【化34】
【0164】
本発明に係るポリハロゲン化合物のいずれかと前記有機ボレート化合物と併用したものに更に併用することにより好ましい効果を得ることができる350nm以上600nm以下に吸収極大を有する色素としては、シアニン色素、カルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、ローダミン色素、アザメチン色素が挙げられる。色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0165】
【化35】
【0166】
前記350nm以上450nm以下に吸収極大を有する色素としては、特開2000−98605号公報、特開2000−147763号公報、特開2000−206690公報、特開2000−258910公報、特開2001−42524公報、特開2001−100412公報等に記載されている色素が好ましい。さらに好ましくは、下記一般式(11)で表される化合物が好ましい。
【0167】
【化36】
【0168】
式中、R14は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。R15、R16は連結して環を形成しうる置換基を表す。X11、X12はそれぞれ独立に、−C(R17R18)−、−O−、−S−、−N(R19)−を表す。R17、R18、R19はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
【0169】
R14で表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基などを挙げることができ、R14で表される置換基を有していてもよいアルケニル基としては、例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基などを挙げることができ、R14で表される置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基など、アラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができ、またR14で表される置換基を有していてもよい複素環基としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリジン環、フラン環、チオフェン環、クロマン環、クマリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、スルホラン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環などの5員又は6員の複素環より誘導される複素環基を挙げることができる。
【0170】
また、R17、R18、R19で表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい複素環基としては、上記R14で記載のと同じ各基を挙げることができる。
【0171】
一般式(11)で表される分光増感色素の一例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0172】
【化37】
【0173】
一般式(11)で表される分光増感色素は、当業者で従来公知の方法に準じて合成して得ることができる。
【0174】
分光増感色素の吸収極大については、アセトニトリルに溶解し常温で可視光スペクトルを測定する。アセトニトリルに不溶な色素は、アルコール類、2−ブタノンや水等に溶解して測定しても良い。
【0175】
本発明において、分光増感色素の添加方法としては、水又は有機溶媒等の適当な溶媒を選択し、それらに溶解して添加することができ、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド等が挙げられ、それらを単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0176】
本発明において、分光増感色素の添加量は、一概には規定できないが、好ましくは溶媒を除く感光性組成物100質量部に対し、0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜5質量部である。光重合開始剤と分光増感色素の配合比率は、モル比で1:100〜100:1の範囲が好ましい。
【0177】
(高分子結合材)
次に高分子結合材について説明する。
【0178】
本発明に係る高分子結合材としては、例えば、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等を使用することができる。また、これらを2種以上併用してもかまわない。
【0179】
上記各高分子結合材において、好ましくはアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合であり、更に、高分子結合材の共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル、又はアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
【0180】
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
【0181】
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステル等を挙げることができる。
【0182】
更に、本発明に係る高分子結合材は、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いることができる。
【0183】
(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0184】
(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0185】
(3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
【0186】
(4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
【0187】
(5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0188】
(6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
【0189】
(7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0190】
(8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
【0191】
(9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0192】
(10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
【0193】
(11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
【0194】
(12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0195】
(13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
【0196】
(14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0197】
更に、これらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
また、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させることによって得られる二重結合含有ビニル系共重合体も、高分子結合材として好ましい。分子内に二重結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載のあるエポキシ基含有二重化合物等が挙げられる。
【0198】
これらの共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された質量平均分子量が、1〜20万であるものが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
【0199】
上記高分子結合材には、必要に応じてポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、天然樹脂等、他の任意の高分子結合材が、上記の各ビニル系共重合体と併用されてもよい。
【0200】
光重合性感光層を塗布する組成物中における上記高分子結合材の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜60質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
【0201】
更に、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体は、該高分子結合材において、50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。
【0202】
本発明に係る高分子結合材に含まれる重合体の酸価については、10〜150の範囲で使用するのが好ましく、30〜120の範囲がより好ましく、50〜90の範囲で使用することが、感光層全体の極性のバランスをとる観点から特に好ましく、これにより感光層塗布液での顔料の凝集を防ぐことなどができる。
【0203】
以下に、本発明に係る感光性組成物に添加することのできる各種添加剤、感光性平版印刷版としての支持体、保護層、感光性組成物の支持体への塗布、感光性平版印刷版の画像記録法等について順次説明する。
【0204】
(各種添加剤)
本発明の感光性組成物を含有する光重合性感光層には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性二重二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等があげられる。
【0205】
重合防止剤の添加量は、上記組成物の全固形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
【0206】
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
【0207】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
【0208】
これらの中でも、使用する露光レーザーに対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
【0209】
露光光源として、アルゴンレーザー(488nm)又はSHG−YAGレーザー(532nm)を使用する場合には、上記の感光波長領域での顔料吸収及び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロンバイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロンBC等を挙げることができる。これらの中で、より好ましくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレットである。
【0210】
また、上記組成物は、本発明の性能を損わない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することが出来る。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
【0211】
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
【0212】
また、本発明に係る光重合性感光層の感光性組成物を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
【0213】
(保護層:酸素遮断層)
本発明に係る光重合性感光層の上側には、保護層を設けることが好ましい。該保護層(酸素遮断層)は、後述の現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果を有し、また、ポリビニルピロリドンは隣接する感光層との接着性を確保する効果を有する。
【0214】
上記2種のポリマーの他に、必要に応じ、ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
【0215】
本発明に係る平版印刷版では、感光層と保護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ましく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好ましくは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成としては特願平8−161645号に記載されるものが挙げられる。
【0216】
本発明における剥離力は、保護層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それを平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層と共に剥離する時の力を測定することにより求めることができる。
【0217】
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組成物を適当な溶剤に溶解し感光層上に塗布・乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ましい。
【0218】
保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
【0219】
(支持体)
本発明に係る支持体は、親水性表面を有する、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネート又は蒸着したもの等が使用でき、また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用され、この場合、純アルミニウム又はアルミニウム合金であってもかまわない。
【0220】
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
【0221】
本発明に係る支持体は、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
【0222】
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。又、例えば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200μmの間隔で、2.5×103〜10×103個/cm2の密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することにより粗面化を行うこともできる。
【0223】
上記の機械的粗面化法で粗面化した後、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0224】
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。酸性電解液は、電気化学的粗面化法に通常用いられる酸性電解液を使用することができるが、塩酸系又は硝酸系電解液を用いるのが好ましい。電気化学的粗面化方法については、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896,563号公報、特開昭53−67507号公報に記載されている方法を用いることができる。この粗面化法は、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることが出来るが、50〜150A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。この粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることが出来るが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
【0225】
電解液として硝酸系電解液を用いて電気化学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、20〜100A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸等を加えることができる。
【0226】
電解液として塩酸系電解液を用いる場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、50〜150A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2、更には200〜1000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。
【0227】
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0228】
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
【0229】
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、硫酸及び/又は燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第1,412,768号公報に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、同3,511,661号公報に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム酸、シュウ酸、マロン酸等を一種又は二種以上含む溶液を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。
【0230】
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0231】
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
【0232】
(塗布)
調製された感光性組成物(感光層塗布液)は、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版印刷版材料を作製することが出来る。塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることが出来る。
【0233】
感光層の乾燥温度は、低いと十分な耐刷性を得ることが出来ず、又高過ぎるとマランゴニーを生じてしまうばかりか、非画線部のカブリを生じてしまう。好ましい乾燥温度範囲としては、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好ましい。
【0234】
(画像記録方法)
本発明に係る平版印刷版に画像露光する光源としては、例えばレーザー、発光ダイオード、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電極光源等を挙げることができる。
【0235】
一括露光する場合には、光重合性感光層上に、所望の露光画像のネガパターンを遮光性材料で形成したマスク材料を重ね合わせ、露光すればよい。
【0236】
発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能であり好ましい。この場合は、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うことができる。
【0237】
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
【0238】
レーザー光源としては、アルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。本発明では、可視域に発光波長を有するレーザー光源が好ましく用いられる。具体的には、532nm付近に発光する2倍高波長YAGレーザー、488nm付近に発光するArイオンレーザーなどがある。又、本発明においては、InGaN系やZnSe系の材料を用い、380〜430nm域で連続発振可能な半導体レーザーも好ましく用いられる。
【0239】
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
【0240】
(プレヒート)
本発明においては、平版印刷版に画像を露光した後、現像処理する前又は現像処理しながら感光性平版印刷版材料を加熱処理することが好ましい。この様に加熱処理することで、感光層と支持体の接着性が向上し、本発明に係る発明の効果を向上させることができる。
【0241】
本発明に係るプレヒートは、例えば、感光性平版印刷版材料を現像処理する自動現像装置において、現像処理時に搬走される感光性平版印刷版を現像前に所定の温度範囲に加熱するプレヒートローラによる加熱する方法を挙げることができる。例えば、プレヒートローラは、内部に加熱手段を有する少なくとも1つのローラを含む1対のローラからなり、加熱手段を有するローラとしては、熱伝導率の高い金属(例えば、アルミニウム、鉄等)からなる中空パイプの内部に発熱体としてニクロム線等を埋設し、該金属パイプの外側面をポリエチレン、ポリスチレン、テフロン(R)等のプラスチックシートで被覆したものを使用することができる。また、こうしたプレヒートローラの詳細については、特開昭64−80962号公報を参照することができる。
【0242】
本発明における当該プレヒートは、70〜180℃で、3〜120秒程度行うことが好ましい。
【0243】
(現像液)
画像露光した感光層は露光部が硬化する。これをアルカリ現像液で現像処理することにより、未露光部が除去され画像形成が可能となる。この様な現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えばケイ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤を使用するアルカリ現像液が挙げられる。
【0244】
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
【0245】
これらのアルカリ剤は、単独又は2種以上組合せて用いられる。また、該現像液には、必要に応じてアニオン性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0246】
本発明に係る水溶液は、基本的に、SiO2換算でのケイ酸濃度が1.0質量%で、pH8.5〜12.5の範囲である水溶液が好ましく、該水溶液は、他の添加剤を含有していてもよい。また、当該水溶液に、更に界面活性剤を0.1質量%以上5.0質量%以下の範囲で含有する水溶液がより好ましい。また、本発明に係る水溶液は、上記する現像液の成分を含有することも好ましい。
【0247】
【実施例】
以下に、合成例、支持体作製例、感光性平版印刷版作製例を具体的に示すが、本発明の実施態様は、これらに限定されるものではない。なお、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
【0248】
(実施例1)
《高分子結合材:アクリル系共重合体1の合成》
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸エチル20部、イソプロピルアルコール500部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、イソプロピルアルコールの沸点で1時間還流を行った後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて3時間反応させ、アクリル系共重合体1を得た。GPCを用いて測定した重量平均分子量は約35,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。
【0249】
《感光性平版印刷版の作製》
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%ポリビニルホスホン酸を用いて75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。
【0250】
この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
(感光性平版印刷版の作製)
上記支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し光重合感光層塗布試料を得た。さらに、光重合感光層塗布試料上に、下記組成の酸素遮断層塗工液を乾燥時1.8g/m2になるようアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上に酸素遮断層を有する感光性平版印刷版試料(表1に示す試料No.1−1〜1−11)を作製した。
【0251】
【0252】
【化38】
【0253】
(酸素遮断層塗工液)
ポリビニルアルコール(GL−05:日本合成化学社製) 89部
水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部
界面活性剤(サーフィノール465:日信化学工業社製) 0.5部
水 900部
《感光性平版印刷版の評価》
(感度の測定)
上記作製した各感光性平版印刷版に、532nmの光源を備えたプレートセッター(タイーガーキャット:ECRM社製)を使用し、2400dpiで露光を行った。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。露光パターンは、100%画像部と、175lpi(lpiとは2.54cm当たりの線の数を表す)が50%のスクエアードットを使用した。露光後、感光性平版印刷版を105℃で10秒加熱処理するプレヒート部、現像前に酸素遮断層を除去する前水洗部、下記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)処理部を備えたCTP自動現像機(PHW23−V:Technigraph社製)で現像処理を行い、平版印刷版を得た。
【0254】
感度は、平版印刷版の版面に記録された100%画像部において、膜減りが観察されない最低量の露光エネルギー量(μJ/cm2)を記録エネルギーとし、感度の指標とした。記録エネルギーが小さい程高感度であることを表す。
【0255】
〈現像液組成〉
Aケイ酸カリウム 8.0質量%
ニューコールB−13(日本乳化剤社製) 3.0質量%
苛性カリ pH=12.3となる添加量
(耐刷性の評価)
175線の画像を適性露光量(画像部の膜減りが観察されず、かつ、175線・50%の網点露光部が、作製した平版印刷版面上で50%に再現できる露光量の2倍の光量)で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(東洋インク(株)製トーヨーキングハイエコーM紅)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、1000枚連続印刷後、クリーナーで版面をふき、ハイライト部の点細り、シャドウ部の絡みの発生する印刷枚数を耐刷力の指標とした。耐刷性1回は1000枚連続印刷後クリーナーでふく作業を指す。多いほど好ましい。
【0256】
(汚し回復の評価)
1000枚連続印刷後クリーナーでふき、15分後に印刷を再開し、非画線部の地汚れがなくなる枚数とした。少ないほど良好。
【0257】
(リニアリティの評価)
2400dpiで175線の網点画像を0%〜100%まで5%刻みでリニアリティ未補正で描画した。このとき、感度の2倍の光量で描画し80%となるべき網点出力画像を500倍の光学顕微鏡で撮影し、画像部の面積を算出してリニアリティとした。80%に近いほどよい。
【0258】
結果を表1に示す。
【0259】
【表1】
【0260】
表1から本発明に係る試料は全ての評価において良好な結果が得られていることがわかる。
【0261】
(実施例2)
実施例1における「光重合性感光層塗工液1」に代えて以下に記載する「光重合性感光層塗工液2」を適用した以外は実施例1と同様にして表2に示すような試料(試料No.2−1〜2−33)を作製した。
【0262】
《感光性平版印刷版の評価》
実施例1の評価に加えセーフライト時間の評価を行った。
【0263】
(セーフライト時間の評価)
Agfa社製の黄色セーフライトV−50を用いて、100Luxの照度になるようにセーフライトの高さを調整し、曝写し、現像処理し、残膜していない最大曝写時間をセーフライト時間とした。セーフライト時間の長い程取扱いやすい。
【0264】
結果を表2に示す。
【0265】
【表2】
【0266】
Fe1:(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe2:(η6−トルエン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
Fe3:(η6−ナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(2)ヘキサフルオロホスフェート
【0267】
【化39】
【0268】
【化40】
【0269】
表2から本発明に係る試料は全ての評価において良好な結果が得られていることがわかる。
【0270】
(実施例3)
実施例1における「光重合性感光層塗工液1」に代えて以下に記載する「光重合性感光層塗工液3」を適用した以外は実施例1と同様にして表3に示すような試料(試料No.3−1〜3−18)を作製した。
【0271】
《感光性平版印刷版の評価》
実施例1の評価に加え55℃保存性の評価を行った。
【0272】
(55℃保存性の評価)
55℃、20%RHに5日間投入した試料の感度から、投入していない試料の感度を差し引いた値を「Δ感度」として示した。ゼロに近いほど良い。
【0273】
結果を表3に示す。
【0274】
【表3】
【0275】
【化41】
【0276】
【化42】
【0277】
表3から本発明に係る分光増感色素を適用した試料No.3−7〜3−18は55℃保存性が大幅に向上していることがわかる。
【0278】
(実施例4)
実施例1における「光重合性感光層塗工液1」に代えて以下に記載する「光重合性感光層塗工液4」を適用した以外は実施例1と同様にして表4に示すような試料(試料No.4−1〜4−26)を作製した。
【0279】
《感光性平版印刷版の評価》
各試料につき実施例1と同様な評価を行った。
【0280】
結果を表4に示す。
【0281】
【表4】
【0282】
表4から本発明に係る試料は全ての評価において良好な結果が得られていることがわかる。
【0283】
【発明の効果】
本発明により、高感度で耐刷性及びリニアリティに優れる感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することができた。
Claims (10)
- 前記光重合開始剤組成物が、チタノセン化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記光重合開始剤組成物が、鉄アレーン錯体化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記光重合開始剤組成物が、有機ボレート化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記光重合開始剤組成物が、350nm以上600nm以下に吸収極大を有する色素を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記色素が、350nm以上450nm以下に吸収極大を有する色素であることを特徴とする請求項7に記載の感光性組成物。
- 前記付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体が、下記一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 親水性表面を有する支持体上に、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の感光性組成物を塗設してなる感光性平版印刷版。
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