JP2004170534A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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英樹 善波
Eisaku Murakami
栄作 村上
Hideo Yoshizawa
秀男 吉沢
Hiroyasu Nagashima
弘恭 長島
Yoshiyuki Kimura
祥之 木村
Eiji Kurimoto
鋭司 栗本
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Abstract

【課題】クリーニングブレードを備えない画像形成装置において生じ得る潜像担持体上のフィルミングの発生を十分に抑制することである。
【解決手段】感光体ドラム1上に残留した転写残トナーのうち、逆帯電トナーTだけをブラシローラ41で一時保持する。この逆帯電トナーは、画像形成時以外のときに感光体ドラム上に放出される。このとき、帯電ローラはアースされているので、逆帯電トナーはその接触領域をそのまま通過し、現像装置で回収される。ここで、ブラシローラの体積固有抵抗率を20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内となっているので、逆帯電トナーをお一時保持する際、ブラシローラに適切な保持バイアスを印加することで、逆帯電トナーとともに、感光体ドラム上に付着したトナー添加剤(シリカ)も適切に回収することができる。よって、その添加剤によるフィルミングを抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びこれに用いるプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置には、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成することで、潜像担持体上のトナー像を被転写体上に転写する静電転写方式を採用するものがある。このような装置では、転写後の潜像担持体表面部分に転写残トナーが残留する。この転写残トナーが除去されないまま、その潜像担持体表面部分が次の画像形成工程に供されることになると、その潜像担持体表面部分で帯電ムラ等の帯電不良が生じ、画質劣化の原因となる。そのため、従来は、転写領域から帯電領域までの潜像担持体表面に対向する位置にクリーニング装置を設け、転写残トナーを除去していた。しかし、このようなクリーニング装置には、潜像担持体表面から回収した転写残トナーを収容する廃トナータンクや、回収した転写残トナーを再利用するためにその転写残トナーを搬送するリサイクルトナー搬送通路などを設けるスペースが必要になる。そのため、画像形成装置が大型化してしまう。特に、近年では、カラー画像の画像形成スピードの高速化が強く要求されているため、潜像担持体を各色ごとに備えたいわゆるタンデム型の画像形成装置が主流になりつつある。このタンデム型の画像形成装置において、上記のようなクリーニング装置を利用する場合、そのクリーニング装置を複数ある潜像担持体のすべてに個別に設ける必要が生じる。そのため、タンデム型の画像形成装置では、装置の大型化の問題がより顕著なものとなる。
【0003】
このような装置の大型化の問題に対処できるものとして、例えば、特許文献1に開示された画像形成装置がある。この画像形成装置は、潜像担持体表面に残留した転写残トナーを現像装置を用いて回収する方式(以下、「現像器回収方式」という。)を採用している。この現像器回収方式では、クリーニングとは別の目的で設置されている現像装置をクリーニング手段として利用するため、別個独立に上記のようなクリーニング装置を設ける必要がない。よって、この現像器回収方式を採用すれば、装置の小型化に大きく貢献することができる。
【0004】
また、特許文献1では、現像器回収方式の画像形成装置に搭載する帯電装置として、潜像担持体に帯電ローラを接触させて帯電を行う実施例が記載されている。従来から、潜像担持体表面を一様に帯電する方式には、その表面に帯電ローラ等の帯電部材を接触又は近接させて一様帯電する接触・近接帯電方式と、コロナチャージャ等によって一様帯電するチャージャ帯電方式とが知られている。しかし、チャージャ帯電方式では、潜像担持体表面を所望の電位とするためには大量の放電を発生させる必要があるため、オゾンやNOx等の放電生成物が大量に発生し、環境面で問題がある。これに対し、接触・近接帯電方式であれば、チャージャ帯電方式に比べて発生する放電量が少なく環境面で有利である。したがって、上記実施例に記載の画像形成装置によれば、装置の小型化を図りつつ、放電生成物の発生量が少なくて環境面で有利となるという効果が得られるものと考えられる。
【0005】
しかし、このように現像器回収方式と接触・近接帯電方式を併用した画像形成装置においては、潜像担持体上の転写残トナーを現像領域まで搬送する間に、その転写残トナーと帯電部材とが接触することになる。そのため、帯電部材に付着した転写残トナーによって一様帯電が妨げられ、潜像担持体の表面電位を所望の電位にできなかったり、帯電ムラ等の帯電不良が生じたりする。その結果、画像濃度の低下や地肌汚れなどが生じ、画質劣化が生じるという不具合があった。なお、この不具合は、現像器回収方式を採用する場合に限らず、転写残トナーを潜像担持体上から除去しないまま帯電部材との接触領域に搬送する構成を有するものであれば、同様に生じ得るものである。
【0006】
【特許文献1】
特許第3091323号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、特願2002−254142号等において、上記不具合を解決し得る画像形成装置を提案した。この画像形成装置は、転写後に潜像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、帯電バイアスと同極性に帯電した正規帯電トナーとは逆極性の逆帯電トナーを、ブラシ部材等の一時保持手段により潜像担持体表面から回収して保持する。そして、その保持した逆帯電トナーを、一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間などの所定のタイミングで、潜像担持体表面に戻す。このようにして潜像担持体上に戻された逆帯電トナーは、現像装置で回収されたり、被転写体上に転移された後にクリーニング装置で回収されたりする。この装置によれば、戻された逆帯電トナーが帯電領域を通過する間、帯電バイアスの印加を停止したり、帯電部材を潜像担持体から離間させたりするので、逆帯電トナーが帯電部材に付着することがない。なお、転写残トナーのうちの正規帯電トナーは、その帯電極性が帯電バイアスと同極性であるため、帯電部材に付着することはなく、上記不具合の原因とはならない。しかも、転写残トナーのうちの正規帯電トナーは、次の画像形成工程において、現像領域に達することで現像剤中のキャリアに付着して回収されるか、その画像形成工程におけるトナー像を構成することになる。すなわち、転写残トナーのうちの正規帯電トナーに関しては、画像形成工程にほとんど悪影響を与えることはない。
【0008】
この画像形成装置においては、従来一般的に使用されているクリーニングブレードのエッジ部分を潜像担持体表面に当接させてクリーニングを行う方式(以下、「ブレード方式」という。)によるクリーニング装置を設ける必要がない。ブレード方式を採用しない方式であって、上記一時保持手段としてブラシ部材を用いる場合(以下、「ブレードレスブラシ方式」という。)、このブラシ部材がクリーニングブレードの代わりに潜像担持体表面を摺擦することになる。この場合、ブラシ部材が潜像担持体表面を摺擦する摺擦力はクリーニングブレードに比べて小さくて済み、ブレード方式に比べて潜像担持体の寿命を長くできる。また、ブレードレスブラシ方式の場合、ブレード方式に比べて潜像担持体表面に加わる負荷が少ないため、潜像担持体の駆動系に加わる駆動負荷を少なくできるという長所もある。
【0009】
ところが、ブレードレスブラシ方式は、ブレード方式に比べて次のような短所がある。すなわち、トナーに含有されているシリカやステアリン酸亜鉛等の添加剤は、画像形成工程中の機械的ストレス等によってトナー本体から遊離することがある。このように遊離した添加剤が現像領域での現像剤による摺擦や上記ブラシ部材による摺擦により長期的に潜像担持体表面に押し付けられると、その添加剤が潜像担持体表面に薄いフィルム状に付着するフィルミング現象が発生する。このフィルミング現象が発生すると、潜像担持体上に付着したトナーの付着力が弱まり、像流れと呼ばれる現象が発生するなどの不具合が生じる。そして、ブレードレスブラシ方式では、このフィルミング現象による不具合を十分に抑制することができない。これは、ブレードレスブラシ方式では、ブレード方式に比べて潜像担持体表面を摺擦する摺擦力が小さいため、フィルム状の添加剤を削り取る効果が小さいからである。なお、ブレード方式によれば、そのクリーニングブレードによってフィルム状の添加剤を削り取ることができ、フィルミング現象による不具合を抑制することが可能である。
【0010】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ブレードレスブラシ方式の長所を生かしつつ、フィルミング現象による不具合を十分に抑制することが可能な画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定極性の帯電バイアスが印加される帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて該潜像担持体表面を一様に帯電した後、該潜像担持体表面に潜像を形成し、これを帯電バイアスと同じ極性に帯電したトナーによって現像して得たトナー像を最終的に記録材上に静電的に転写して画像を形成する画像形成装置において、上記潜像担持体表面との接触部分がブラシ状であるブラシ部材に上記所定極性と同じ極性の保持バイアスを印加することで、上記転写後に該潜像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、該所定極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナーを該潜像担持体表面から回収して保持し、かつ、所定のタイミングで該所定極性とは逆極性の放出バイアスを印加することで、保持している逆帯電トナーを該潜像担持体表面に戻す一時保持手段を設け、該ブラシ部材のブラシ部分の体積固有抵抗率を20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内としたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記ブラシ部材のブラシ部分の体積固有抵抗率を、1×10[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下としたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記ブラシ部分を構成する各ブラシの先端をループ状に形成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記ブラシ部分を構成する各ブラシの先端を球面状に形成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記ブラシ部分は、その体積固有抵抗率が上記範囲内となるように該ブラシ部分を構成するブラシ繊維に導電化処理を施したものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記ブラシ繊維として、ナイロンを含む合成繊維を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記ブラシ繊維として、ポリエステルを含む合成繊維を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、上記ブラシ部分を構成する各ブラシをウレタンによってコーティングしたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、上記ブラシ部材として、上記潜像担持体表面を摺擦するように接触しながら回転駆動するブラシローラを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記潜像担持体表面との接触部分で該潜像担持体が表面移動する向きとは同じ向きに上記ブラシローラが表面移動するように、該ブラシローラを回転駆動させる駆動手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記潜像担持体表面との接触部分で、該潜像担持体が表面移動する向きとは逆向きに上記ブラシローラが表面移動するように、該ブラシローラを回転駆動させる駆動手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、画像形成装置本体に対して着脱可能であって、少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材とを一体に構成したことを特徴とするものである。
【0012】
上記請求項1乃至12の画像形成装置及び上記請求項13のプロセスカートリッジにおいては、いわゆる静電転写方式を採用するため、その転写後の潜像担持体表面部分には転写残トナーが残留する。転写残トナーの中には、正規の極性に帯電した正規帯電トナーと、正規の極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナーが存在し、このうち逆帯電トナーが画質劣化の大きな妨げとなることは上述したとおりである。そこで、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジにおいては、画質劣化の原因となる逆帯電トナーに関しては、これが帯電領域に達する前に一時保持手段により一時的に保持した後、所定のタイミングで潜像担持体表面に戻す。具体的には、転写残トナーのうちの逆帯電トナーを保持バイアスが印加されたブラシ部材によって一時的に保持し、その後所定のタイミングでブラシ部材に放出バイアスを印加し、逆帯電トナーをブラシ部材から潜像担持体表面に放出する。この所定のタイミングは、例えば、本プリンタが画像形成を行わないとき、詳しくは一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間に設定することができる。この場合、放出された逆帯電トナーが付着した潜像担持体表面部分は画像形成工程に供されることはなく、画質に悪影響を与えることがない。そして、その潜像担持体表面部分に戻された逆帯電トナーは、例えば特願2002−254142号等において提案した画像形成装置と同様の方法により、潜像担持体表面から回収する。
また、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジにおいては、一時保持手段によって転写残トナーの中でも逆帯電トナーさえ除去できればよく、クリーニングブレードのような強力な除去性能は必要としない。したがって、ブレード方式を採用する必要がなくなり、上述したように、ブレード方式を採用する構成に比べて潜像担持体の寿命を長くできるという長所を得ることができる。また、ブレード方式を採用しないことで、上述したように、潜像担持体を表面移動させる駆動装置に加わる負荷トルクを大幅に減らすことができる。したがって、その駆動装置として小型のものを利用することが可能となるとともに、バンディング現象なども少なくなり、安定して高品質な画像を形成することが可能となる。
ここで、ブレード方式を採用しない場合、上述したように、トナーの添加剤によるフィルミング現象が発生するという問題がある。しかし、トナー本体から遊離した添加剤の一部は、そのトナー本体やキャリアとの摩擦により、正規帯電トナーと同じ極性に帯電することが確認されている。したがって、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジであれば、潜像担持体上の添加剤のうち正規帯電トナーと同じ極性に帯電したものについては、保持バイアスが印加されたブラシ部材によって、逆帯電トナーと一緒に潜像担持体表面から除去することが可能である。ところが、実際には、単にブラシ部材に適当な保持バイアスを印加するだけでは、フィルミング現象の発生を十分に抑制することができないことが、本発明者らの研究により明らかとなった。
この点について説明すると、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジのブラシ部材は、逆帯電トナーを一時的に保持するためのものである。よって、その保持バイアスとしては、ブラシ部材が逆帯電トナーを潜像担持体から回収して保持するのに適切な保持バイアスが印加される。なお、保持バイアスを高めるほど逆帯電トナーの回収率を高めることはできるが、保持バイアスが高すぎると潜像担持体の静電潜像部分との間でリーク放電が発生し、ベタ画像中に微小な画像抜けが生じる。この画像抜けは、例えば、黒ベタ画像中に白ポチとして確認できる。したがって、保持バイアスとしては、逆帯電トナーの回収率が十分に高く、かつ、画像抜けが生じない範囲で適切に設定される。
本発明者らが種々の実験を行った結果、このような適切な保持バイアスを印加したときにフィルミング現象が発生してしまうのは、ブラシ部材のブラシ先端部分に多くの添加剤が付着しているときであることが確認された。逆に言うと、適切な保持バイアスを印加したときにフィルミング現象の発生を十分に抑制できているときには、ブラシ部材のブラシ先端部分にはあまり添加剤が付着していなかった。この結果から、フィルミング現象の発生を十分に抑制するには、潜像担持体から回収した添加剤をブラシ部分の内部まで入り込ませることが重要であると考えられる。そして、詳しくは後述する実験例1にて説明するが、ブラシ部分の体積固有抵抗率が20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下、好ましくは55[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内であるブラシ部材を用いれば、逆帯電トナーの回収率が十分に高く、かつ、潜像担持体との間でリーク放電が発生せず、更に潜像担持体から回収した添加剤をブラシ部分の内部まで入り込ませることができるような保持バイアスを設定することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。本プリンタは、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
【0014】
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係るプリンタの概略構成図である。本プリンタは、潜像担持体として4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えている。なお、ここでは、ドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。本実施形態において、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したもので、その外径が30[mm]で、その内径が28.5[mm]である。
【0015】
本実施形態では、低コスト化、感光体設計の自由度、無公害性等の観点から有機系感光体を用いている。有機系の感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂を用いたものが知られている。また、有機系の感光体には、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせた機能分離型などがある。この中でも、近年では、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0016】
図3は、本実施形態で使用する感光体ドラム1の断面図である。この感光体ドラム1は、機能分離型の感光体であり、基体である導電性支持体51上に、電荷発生層52及び電荷輸送層53を積層した上に更に保護層54を積層したものである。この感光体ドラム1における静電潜像形成のメカニズムは、次のとおりである。すなわち、感光体ドラム1を帯電した後に光照射すると、光は透明な電荷輸送層53を通過し、電荷発生層52中の電荷発生物質により吸収される。光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層53に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層53中を移動し、感光体ドラム表面の電荷を中和する。これにより、その中和部分が静電潜像となる。このような機能分離型の感光体は、主に紫外域で強い吸収特性を持つ電荷輸送物質と、主に可視域に強い吸収特性を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いるのが有用である。
【0017】
上記保護層54に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂などが挙げられる。
【0018】
また、保護層54の耐摩耗性を向上するために、フィラーを添加してもよい。このフィラーの材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、これら樹脂に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、シリカ、アルミナ等の無機材料を分散したもの等が挙げられる。このフィラーの含有量は、重量基準で、10[%]以上40[%]以下、好ましくは20[%]以上30[%]以下とするのがよい。フィラーの含有量が10[%]未満であると感光体ドラム1の表面削れに関連する感光体ドラム周辺の構成によっては、耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、フィラーの含有量が40[%]を越えると露光に対する感度が低下するおそれがある。また、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加してもよい。この分散助剤としては、塗料等に使用されるものが適宜利用でき、その添加量は、重量基準で、フィラーの含有量に対して0.5[%]以上4[%]以下、好ましくは1[%]以上2[%]以下とする。また、上記保護層54には、電荷輸送材料を添加するのも有効である。また、酸化防止剤なども必要に応じて添加することができる。
【0019】
保護層54の形成方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコー法ト、リングコート法等の公知の方法を用いることができる。保護層の厚さは、0.5[μm]以上10[μm]以下、好ましくは4[μm]以上6[μm]以下とする。
また、電荷発生層52及び電荷輸送層53からなる感光層と、保護層54との間に中間層を設けてもよい。この中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。このバインダー樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成方法としては、上述した保護層の形成方法と同様に、公知の塗布法を用いることができる。なお、中間層の厚さは、0.05[μm]以上2[μm]以下とするのがよい。
【0020】
本実施形態1で使用する感光体ドラム1は、上述したように有機系感光体であるため、機械的、化学的な耐久性に乏しいという欠点がある。具体的に説明すると、電荷輸送物質の多くは低分子化合物として開発されているが、この低分子化合物は単独では製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して利用されることになる。しかるに、電荷輸送物質である低分子化合物と不活性高分子とからなる電荷輸送層は一般に柔らかく、機械的耐久性に乏しい。そのため、その電荷輸送層を表面にもつ感光体ドラム1を繰り返し使用すると、その表面に接触する帯電ローラ3a、現像剤、中間転写ベルト10、ブラシローラ41などによる摺擦によって、膜削れを生じやすい。よって、感光体ドラム1として、特に有機系感光体を利用する場合には、その寿命を長くするために上記保護層54を設けるのが有効である。
【0021】
図4は、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K周りの概略構成を示す図である。なお、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの感光体ドラムについてのみ図示し、色分け用の符号Y,C,M,Kについては省略してある。
感光体ドラム1の周りには、その表面移動方向に沿って、一時保持手段としてのトナー保持装置40、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、潜像形成手段としての露光装置4から発せられる光が感光体ドラム1まで通過できるようにスペースが確保されている。
【0022】
帯電装置3は、感光体ドラム1の表面を負極性に一様帯電する。本実施形態1における帯電装置3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラ3aを備えている。すなわち、この帯電装置3は、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に接触させ、その帯電ローラ3aに負極性バイアスを印加することで、感光体ドラム1の表面を一様帯電する。本実施形態1では、感光体ドラム1の表面電位が一様に−(マイナス)500[V]となるような直流の帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。しかし、この場合には、交流電源が必要となるため、装置が大型化することになり、装置の小型化の観点からは好ましくない。また、本実施形態の帯電装置3には、帯電ローラ3aの表面をクリーニングするクリーニングブラシ3bが設けられている。本実施形態では、後述するように帯電ローラ3aの表面にトナーが付着することはほとんどない。しかし、トナーが僅かに付着した場合でも、帯電ローラ3aによる帯電ムラ等の帯電不良を引き起こす原因となる。よって、本実施形態では、帯電ローラ3aの表面をクリーニングブラシ3bによってクリーニングする構成を採用している。
なお、上記帯電装置3として、帯電ローラ3aの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体ドラム1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラ3aに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体ドラム1の表面が一様帯電される。
【0023】
このようにして一様帯電した感光体ドラム1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体ドラム1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態1の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
【0024】
また、現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。本実施形態1で使用する現像装置5では、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用しているが、キャリアを含まない一成分現像剤を使用してもよい。現像装置5は、図2に示したトナーボトル31Y,31C,31M,31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、それぞれが単体で交換できるように、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y,31C,31M,31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
【0025】
トナーボトル31Y,31C,31M,31Kから現像装置5内に補給されたトナーは、攪拌搬送スクリュー5bによってキャリアと撹拌されながら搬送され、現像ローラ5a上に担持されることになる。この現像ローラ5aは、磁界発生手段としてのマグネットローラと、その周りを同軸回転する現像スリーブとから構成されている。現像剤中のキャリアは、マグネットローラが発生させる磁力により現像ローラ5a上に穂立ちした状態となって感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、現像領域において感光体ドラム1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上に穂立ちしたキャリアは、感光体ドラム1の表面を摺擦しながら、キャリア表面に付着したトナーを感光体ドラム1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から−300[V]の現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体ドラム1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体ドラム1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体ドラム1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。また、本実施形態1では、現像ローラ5aは、クラッチを介して駆動装置に接続されており、そのクラッチによって、現像ローラ5aの回転を一時停止することができる構成となっている。
【0026】
上記中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11,12,13に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、本実施形態1では転写チリの発生が少ない転写ローラを用いた構成を採用している。具体的には、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写手段としての1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kを配置している。本実施形態1では、各1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kとによって、1次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各1次転写ローラ20に正極性のバイアスが印加される。これにより、各1次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
【0027】
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
【0028】
また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、2次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と2次転写ローラ16との間には2次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、2次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、2次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この2次転写時には、2次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
【0029】
2次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。2次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
【0030】
本実施形態1では、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K、その周囲に配置された現像装置等の部品、露光装置4、中間転写ベルト10、ベルトクリーニング装置15等を、一体化したプロセスカートリッジ30として構成している。このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体に対して着脱自在となっている。よって、プロセスカートリッジ30内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ30を交換すればよく、利便性が向上する。なお、本実施形態1では、上述したトナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、このプロセスカートリッジ30とは別個にプリンタ本体に対して着脱自在な構成となっている。
【0031】
次に、本発明の特徴部分である、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面に残留した転写残トナーのクリーニングについて説明する。
本実施形態1で使用するトナーは、いわゆる重合法によって形成されたトナーであり、その形状は真球に近い。一方、従来から用いられている粉砕法等によって形成されるトナーは、その表面にランダムな凹凸が存在するため、その平均円形度は低いものとなる。このように平均円形度の低いトナーは、一般に、その粒径分布がブロードになるため、各トナーの表面積のバラツキが大きくなる。よって、現像装置内での撹拌時やドクタ通過時における摩擦帯電による各トナーの帯電量が現像剤中のトナー間で大きく異なることになる。その結果、現像剤中におけるトナーの帯電分布が広がってしまい、感光体上に付着した全トナーに対して転写電界の作用が均一に働かず、転写率が低下してしまう。これに対し、本実施形態1においては、トナーの平均円形度が高いため、各トナーの形状が真球に近く、全トナーの形状を高い精度で制御できている。そのため、その粒径分布が狭く、各トナーの表面積のバラツキを小さくすることができる。よって、摩擦帯電によるトナーの帯電量の差が現像剤中のトナー間で小さくなる。その結果、トナーの帯電分布が狭くなり、転写率が向上し、感光体上に残留する転写残トナーの量を少なくすることができる。
【0032】
また、現像領域においては良好に帯電されたトナーが優先的に感光体ドラム上の静電潜像に付着し、消費されることになる。そのため、経時使用するにつれて、現像装置5内には帯電状態が良好でないトナーの比率が上昇する。よって、粉砕法等によって形成されるトナーのように平均円形度が低い場合、上述のようにトナーの帯電分布がブロードになるため、経時使用により現像装置5内に残存する帯電状態が良好でないトナーの量は多い。このような帯電状態が良好でないトナーは、現像領域において現像電界を受けても感光体ドラム上の静電潜像部分に正確に付着されない。したがって、トナーの平均円形度が低い場合、経時使用により地肌汚れやドットのバラツキ等が発生するため、経時的に画像が劣化してしまう。
また、トナーの平均円形度が低い場合、キャリアとの接触面積が増える結果、スペントと呼ばれる現象が発生しやすくなる。スペントとは、トナーのキャリア表面へのフィルミング現象であり、経時的な使用によって悪化するものである。この現象が生じると、新規トナーを新たに補給しても、その新規トナーが摩擦帯電されにくくなり、この現象も経時的な画像劣化の原因であると考えられる。
【0033】
これに対し、本実施形態1においては、トナーの平均円形度が高いため、トナーの帯電分布が狭く、トナーの平均円形度の低い場合に比べて、もともと帯電状態が良好でないトナーの量が少ない。よって、経時使用しても、地肌汚れやドットのバラツキ等が発生しにくい。また、トナーの平均円形度が高いためにキャリアとの接触面積が小さく、スペントと呼ばれる現象が発生しにくい。したがって、平均円形度の高いトナーを使用すれば、経時的な画像劣化が生じにくいという効果が得られる。
【0034】
本発明者らは、トナーの平均円形度の好適値を得るために次のような実験を行った。この実験では、現像装置内に現像剤を充填した後、その現像装置を空駆動させて、スペントが観測されるまでの時間を測定した。その実験結果を、下記の表1に示す。そして、トナーの平均円形度が0.93以上であれば、合格基準である15万枚の画像形成を行うのに必要な時間に相当する4200[分]以上経っても、スペントが観測されなかった。そこで、本実施形態1では、円形度の平均値が0.93以上であるトナーを使用している。
【表1】
Figure 2004170534
【0035】
ここで、トナーの平均円形度は、各トナーの円形度の平均値であり、次の方法により測定したものである。
各トナーの円形度の測定は、株式会社SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて行った。この測定では、まず、1級塩化ナトリウムを用いて、1[%]のNaCl水溶液を調整する。その後、このNaCl水溶液を0.45のフィルターを通して50〜100[ml]の液を得て、これに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加え、更に試料を1〜10[mg]加える。これを、超音波分散機で分散処理を1分間行い、粒子濃度を5000〜15000[個/μl]に調整し、分散液を得る。この分散液をCCDカメラで撮像し、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の円周長を、そのトナーの2次元投影画像の周囲長で割った値を、各トナーの円形度として用いた。なお、CCDの画素の精度から、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の直径(円相当径)が0.6[μm]以上であるトナーを有効なものとした。トナーの平均円形度は、各トナーの円形度を得た後、測定範囲内にある全トナーの円形度をすべて足し合わせ、それをトナー個数で割った値を用いたものである。
【0036】
本実施形態1で用いるトナーは、モノマー、開始剤、着色剤等の原料を混合し、重合処理、洗浄分離処理、乾燥処理、後処理を経て得られる懸濁重合方式によって作成することができる。また、モノマー、開始剤、乳化剤、分散媒をモノマー重合し、凝集会合処理、洗浄分離処理、乾燥処理、後処理を経て得られる乳化重合方式等によって作成することもできる。このほか、塊状重合方式や溶液重合方式を用いてもよい。
【0037】
図5(a)は、感光体ドラム1上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布を示すグラフである。また、図5(b)は、転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフである。図5(a)に示すように、転写直前におけるトナーの帯電量は、ほぼ−30[μC/g]を中心に分布しており、そのほとんどが負極性に正規帯電している。一方、転写残トナーの帯電量は、およそ−2[μC/g]を中心に分布したものとなる。一般に、転写残トナーのほとんどは、トナーの組成不良などにより所望どおりの帯電特性が得られない不良トナーである。そのため、転写残トナーの一部は、1次転写ローラ14に印加された正極性バイアスによる電荷注入を受けるなどして、トナーの帯電極性が正極性に反転する。その結果、転写残トナーの中には、図5(b)中斜線部分で示すような正極性に反転してしまった逆帯電トナーが存在してしまう。
【0038】
このような逆帯電トナーは、感光体ドラム1に付着したまま帯電装置3の帯電ローラ3aとの対向位置まで搬送されると、正極性の帯電バイアスが印加された帯電ローラ3aの表面に静電的に吸引されて付着してしまう。これは、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に近接させて配置した上述した構成であっても、同様である。そして、帯電ローラ3aの表面にトナーが付着すると、帯電ローラ3aの抵抗値や表面状態が変化するため、感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧にムラが生じる。これにより、逆帯電トナーが付着していない場合と同じ帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加しても、感光体ドラム1の表面が所望の電位(−500[V])に均一にならなくなる。その結果、画像濃度ムラも生じるおそれがある。また、帯電ローラ3aの表面のごく一部にトナーが付着した場合、トナーが付着していない箇所に向けて帯電バイアスによる電流が集中することにある。これにより、逆帯電トナーが付着していない場合と同じ帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加すると、感光体ドラム表面の帯電電位が所望の電位よりも高くなる。その結果、露光装置4による露光を受けた部分すなわち静電潜像部分の電位が負極性側にシフトし、画像濃度が低下してしまう。また、帯電ローラ3aの表面のほぼ全域にトナーが付着して、帯電ローラ3aの表面にトナーがコーティングされた状態になると、帯電能力が低下し、感光体ドラムの表面電位が所望の電位よりも下がる。これにより、露光装置4による露光を受けない部分すなわち非静電潜像部分(地肌部分)の電位が、現像ローラ5aに印加される現像バイアスに近づいてしまう。その結果、十分に帯電されていないトナーが感光体ドラム上の地肌部分に付着して、地肌汚れが発生してしまう。
【0039】
一方で、転写残トナーの中には負極性のままの正規帯電トナーも存在する。しかし、この正規帯電トナーは、帯電装置3の帯電ローラ3aとの対向位置まで搬送されても、帯電バイアスが印加されていれば、その帯電ローラ3aの表面に付着することはない。しかも、正規帯電トナーは、現像領域に達することで、現像装置5の現像ローラ5a上のキャリアに付着して回収されるか、その画像形成工程のトナー像を構成することになる。すなわち、転写残トナーのうちの正規帯電トナーに関しては、画像形成工程にほとんど悪影響を与えることはない。したがって、転写残トナーのうちの逆帯電トナーをいかにして画像形成工程に悪影響を及ぼさないようにするかが重要となる。そのため、本実施形態1では、感光体ドラム1上の転写残トナーが帯電ローラ3aとの対向位置に達する前に、その転写残トナーのうちの逆帯電トナーを感光体ドラム1から除去する構成を採用している。
【0040】
次に、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーのうちの逆帯電トナーTをトナー保持装置40で一時的に保持する一時保持工程について説明する。
図1は、トナー保持装置40を示す概略構成図である。このトナー保持装置40は、感光体ドラム1の表面に接触するブラシローラ41を備えている。このブラシローラ41は、ブラシ密度が比較的低くなるように形成されたものである。このようにブラシ密度が低ければ、回収したトナーを保持するための十分な空間をブラシ内部に確保することができる。よって、回収したトナーの収容能力が高まり、後述する逆帯電トナーの放出工程の頻度を少なくできる。また、ブラシ密度を低くすることで、回収したトナーをブラシローラ41が保持したときの機械的な保持力が小さくなる。その結果、後述する逆帯電トナーの放出工程をスムーズに実行することができるようになる。
【0041】
本実施形態1では、ブラシローラ41の表面付近におけるブラシ密度が、12000[本/inch]以上858000[本/inch]以下となるようにブラシローラ41を形成した。また、ブラシローラ41の軸部上に設けられるブラシの長さは、3[mm]であり、そのブラシのヤング率は30[cN/dtex]である。
【0042】
上記ブラシローラ41は、駆動装置42によって図中矢印の方向に回転駆動する。そして、このブラシローラ41には、第1電源43又は第2電源44のいずれか一方からバイアスが印加される構成になっている。具体的には、これらの電源43,44とブラシローラ41との間に切替スイッチ45を設け、この切替スイッチ45の動作によってブラシローラ41に接続される電源を選択する。この切替スイッチ45の動作は、本プリンタの制御部によって制御されている。なお、本実施形態では、第1電源43は、ブラシローラ41の表面部分の電位が−700[V]となるような保持バイアスを印加するものであり、第2電源44は、その電位が+200[V]となるような放出バイアスを印加するものである。なお、本実施形態1では、各電源43,44として直流電源を用いているが、直流に交流を重畳させたバイアスを印加する電源を用いてもよい。
【0043】
転写残トナーを付着させた感光体ドラム1の表面部分がブラシローラ41と接触する領域(以下、「ブラシ接触領域」という。)に到達する前から、ブラシローラ41には第1電源43が接続されている。これにより、ブラシローラ41にはその表面が−700[V]となるような保持バイアスが印加されることになる。このような保持バイアスが印加されたブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に接触することで、その表面に付着した転写残トナーのうち、逆帯電トナーTがブラシローラ41に付着し、保持されることになる。
【0044】
詳しく説明すると、感光体ドラム1は、帯電装置3によってその表面が一様に−500[V]に帯電された後、露光装置4の露光を受けることにより潜像部分の電位は−50[V]程度になる。そして、その潜像部分にトナーを付着させる現像工程を経て、次いで転写工程を終えると、その潜像部分の電位は更に0[V]に近づくことになる。転写残トナーのほとんどは、潜像部分であった感光体ドラム1の表面部分に付着している。よって、この表面部分に付着した正極性をもつ逆帯電トナーTは、ブラシ接触領域において、−700[V]のバイアスが印加されたブラシローラ41側に向かう静電力を受けることになる。一方で、潜像部分以外の地肌部分の電位(−500[V])も転写工程を経ることで、その電位が0[V]側にシフトする。この地肌部分にも僅かながら転写残トナーが付着することがあるが、この地肌部分に付着する正極性をもつ逆帯電トナーTにも、ブラシ接触領域においてブラシローラ41側に向かう静電力が働くことになる。したがって、感光体ドラム1の表面に付着した転写残トナーのうち、逆帯電トナーTに関しては、ブラシ接触領域においてブラシローラ41に付着し、保持される。
【0045】
一方、転写残トナーのうちの正規帯電トナーTは、負極性に帯電しているため、ブラシ接触領域では感光体ドラム1側に向かう静電力を受けることになる。したがって、正規帯電トナーTに関しては、ブラシローラ41に保持されずに感光体ドラム1の表面に付着し続けることになる。しかし、正規帯電トナーTが感光体ドラム1の表面に付着したままブラシ接触領域を通過しても、上述したように次の画像形成工程にほとんど悪影響はなく、次の画像形成工程のトナー像を構成するか、現像装置5に回収されることになる。
【0046】
ここで、本実施形態1においては、ブラシローラ41を、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面移動方向とは逆方向(カウンタ方向)に表面移動させるように駆動装置42によって駆動している。このようにブラシローラ41を駆動することによって、多数のブラシ先端部分で感光体ドラム1の表面を摺擦することができる。これにより、感光体ドラム1の表面に付着した正規帯電トナーTが拡散されることになる。このような拡散によって、感光体ドラム1の表面に対する正規帯電トナーTの付着力を弱めることができる。その結果、ブラシ接触領域を通過した感光体ドラム1上の正規帯電トナーTを現像装置5によって回収するのが容易になるという効果が得られる。
【0047】
なお、この効果は、ブラシローラ41を、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面移動方向と同方向でかつ線速差が生じるように駆動すれば、同様にして得られるものである。しかも、このように駆動した場合、本実施形態1のようにカウンタ方向に駆動する場合に比べて、ブラシローラ41及びこれに接触する感光体ドラム1の駆動負荷を小さくすることができる。よって、ブラシローラ41及び感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクが小さくなるため、比較的小型の駆動装置を利用することが可能となる。また、感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクが小さくなることで、バンディング現象なども少なくなり、安定して高品質な画像を形成することも可能となる。
【0048】
また、本実施形態1では、感光体ドラム1の表面にクリーニングブレードを当接させる構成を採用していない。したがって、クリーニングブレードが当接した構成に比べて、感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクを大きく低減することができる。しかし、その一方で、感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング能力は劣る結果となる。そのため、経時使用することによって、感光体ドラム1の表面にはトナーから遊離した添加剤、本実施形態1ではシリカが、フィルム状になって強固に付着するフィルミング現象が発生するおそれがある。本実施形態1では、使用するトナーがいわゆる球形トナーなので、上述したように転写残トナーの量は比較的少ないが、それでも長期的に使用すればフィルミング現象が発生する可能性がある。しかし、本実施形態1では、上述したように、ブラシローラ41を感光体ドラム1の表面に対してカウンタ方向に駆動する構成を採用している。そのため、ブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に対して連れ回る構成や、感光体ドラム1の表面に対して同方向に駆動する構成に比べて、感光体ドラム1の表面上に付着する転写残トナーを掻き起こす作用が強い。よって、本実施形態1のようにブラシローラ41をカウンタ方向に駆動することで、ブラシ接触領域を通過する正規帯電トナーを分散させる効果を高めることができる。その結果、現像装置5による正規帯電トナーの回収率を高めることができ、かつ、フィルミング現象の発生を抑制することもできる。
【0049】
このようにブラシローラ41をカウンタ方向に駆動することで、フィルミング現象の発生を抑制できるが、それでもまだ長期の使用によってフィルミング現象が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、ブラシ部分の体積固有抵抗率が20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下、好ましくは55[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内であるブラシローラ41を用い、これに適切な保持バイアスを印加することで、フィルミング現象の発生を抑制している。この点については、後述の実験例1にて説明する。
【0050】
また、ブラシローラ41のブラシ先端は、感光体ドラム1の表面から離れる瞬間の跳ね上がるため、その跳ね上がりによって転写残トナーが飛ばされることがある。ここで、ブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に対して同方向に駆動する構成であると、その跳ね上がりによって、転写残トナーは、ブラシ接触領域より感光体ドラム1の表面移動方向下流側に飛ばされることになる。この場合、飛ばされた転写残トナーが逆帯電トナーであると、これが帯電ローラ3aに付着し、帯電不良を引き起こす可能性がある。しかし、本実施形態1のようにブラシローラ41をカウンタ方向に駆動すれば、その跳ね上がりによって、転写残トナーは、ブラシ接触領域よりも感光体ドラム1の表面移動方向上流側に飛ばされることになる。したがって、帯電トナーが飛ばされても、これが帯電ローラ3aに付着することはなく、帯電不良を引き起こすことはない。
【0051】
次に、ブラシローラ41で保持した逆帯電トナーTを感光体ドラム1の表面に放出する放出工程について説明する。
本実施形態1では、逆帯電トナーTをブラシローラ41で保持した後、その逆帯電トナーTを所定のタイミングで感光体ドラム1の表面に放出する。本実施形態1では、本プリンタが画像形成を行わないとき、詳しくは一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間に、逆帯電トナーTを放出する。具体的には、一の画像形成工程において発生した逆帯電トナーTをすべて保持した後、次の画像形成工程で帯電装置3により一様帯電が行われる感光体ドラム1の表面部分がブラシ接触領域に達する前に、逆帯電トナーTを放出する。このようなタイミングで逆帯電トナーTを放出することで、後述するように次の画像形成工程が悪影響を与えることなく逆帯電トナーTを回収することが可能となる。なお、連続して画像形成を行う場合には、その連続中の最後の画像形成を終えた後に、その間に保持した逆帯電トナーTを放出するようにしてもよい。この場合、後述する逆帯電トナーTの回収工程の実行によって、連続画像形成を終えるまでの時間が長くなるのを防ぐことができる。
【0052】
放出工程について更に詳しく説明すると、上記タイミングで放出される逆帯電トナーTが付着する感光体ドラム1の表面部分には、前回の画像形成工程における残留電位が存在する。本実施形態1においては、この残留電位はおよそ−50[V]程度である。この放出時には、ブラシローラ41に接続される電源が第1電源43から第2電源44に切り替えられる。これにより、ブラシローラ41にはその表面が+200[V]となるような放出バイアスが印加される。このような放出バイアスが印加されると、ブラシローラ41に保持されていた逆帯電トナーTには、表面電位が−50[V]である感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、ブラシローラ41に保持されていた逆帯電トナーTは、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面に付着する。
【0053】
次に、ブラシローラ41から放出されて感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTを回収する回収工程について説明する。
本実施形態1では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTが帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、帯電ローラ3aに印加されている帯電バイアスを停止させる。具体的には、本プリンタの制御部がバイアス停止手段として機能し、帯電ローラ3aへの帯電バイアスの印加を停止する。これにより、帯電ローラ3aはアースされ、その表面電位はほぼ0[V]になる。一方、逆帯電トナーTが付着した感光体ドラム1の表面は、上述したようにおよそ−50[V]であるため、帯電ローラ3aとの接触領域では、逆帯電トナーTには感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーTは帯電ローラ3aに付着することなく、その接触領域を通過することができる。
【0054】
このようにして帯電ローラ3aとの接触領域を通過した逆帯電トナーTは、次に現像領域に搬送される。本実施形態1では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTが現像領域に到達する前に、現像ローラ5aの回転をクラッチにより一時停止させる。これにより、現像装置5内のトナーが感光体ドラム1の表面に付着して無駄なトナー消費を抑えることができる。また、逆帯電トナーTが現像領域に到達する前に、回収手段としての現像装置5の現像ローラ5aには、上述した現像バイアスと同じバイアスすなわち−300[V]のバイアスが印加される。これにより、逆帯電トナーTが付着した感光体ドラム1の表面(−50[V])と現像ローラ5aとの間では、逆帯電トナーTに現像ローラ5a側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーTは現像ローラ5aに付着することになる。その後、次の画像形成時に現像ローラ5aの駆動が開始されると、現像ローラ5aに付着した逆帯電トナーTは現像装置5の内部に搬送される。そして、現像装置5の内部で撹拌搬送され、正規の極性に帯電し直された後、再度現像に寄与することになる。
【0055】
以上、本実施形態1によれば、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーのうちの逆帯電トナーTをブラシローラ41によって一時的に保持することで、その逆帯電トナーTが帯電ローラ3aに付着するのを防止することができる。これにより、帯電ローラ3aと感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧が変化することはなく、画像濃度の低下、地肌汚れの発生、画像濃度ムラの発生を防止することができる。
また、本実施形態1では、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーTを現像装置5によって回収するので、逆帯電トナーTをリサイクルすることができる。また、感光体ドラム1の表面上から回収したトナーを収容する廃トナータンクを個別に設ける必要もなくなり、装置の小型化を図ることができる。特に、本プリンタは、4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えるいわゆるタンデム型の画像形成装置であるため、各感光体ドラムごとに個別に廃トナータンクを設ける場合に比べて大幅に装置の小型化を図ることができる。
更に、本実施形態1では、ブラシ部分の体積固有抵抗率が20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内であるブラシローラ41を用いているので、これに適切な保持バイアスを印加することで、トナーから遊離したシリカによるフィルミング現象の発生を十分に抑制することができる。よって、そのフィルミング現象による像流れなどの画質劣化を十分に抑制することができる。
【0056】
なお、本実施形態1に係るプリンタにおいて、転写紙が給紙中にジャムしたときなど画像形成動作が中断されたとき、感光体ドラム1の表面に大量に付着した不要トナーをクリーニングしなければならない。本実施形態1では、感光体ドラム1の表面上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードをもったクリーニング装置が存在しないため、このような大量の不要トナーを回収することは困難である。そこで、本実施形態1では、その中断事由が解決した後、その感光体ドラム1の表面上に残った不要トナーを、通常の画像形成動作と同じように中間転写ベルト10上に転写する。そして、中間転写ベルト10上に転写された不要トナーをベルトクリーニング装置15によって回収する。ベルトクリーニング装置15は、上述のようにファーブラシ及びクリーニングブレードを備えた構成であるため、大量の不要トナーであっても回収することができる。一方、不要トナーを中間転写ベルト10上に転写した後に感光体ドラム1の表面に残留したトナーは、通常の画像形成動作時と同じように処理される。
【0057】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態1におけるプリンタとは回収工程が異なる変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。本変形例1は、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーTを、中間転写ベルト10をクリーニングするベルトクリーニング装置15によって回収する点で、上記実施形態1とは異なっている。なお、他の構成については、上記実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0058】
図6は、本変形例1における逆転写トナーTの回収に関わる1次転写ニップ部周辺の概略構成図である。なお、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kに関する1次転写ニップ部周辺の構成はすべて同じであるため、1つの感光体ドラムについてのみ図示し、色分け用の符号Y,C,M,Kについては省略する。
本変形例1では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTが帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、上記実施形態1と同様に、帯電ローラ3aに印加されている帯電バイアスを停止させる。よって、上記実施形態1と同じように、逆帯電トナーTは帯電ローラ3aに付着することなく、その接触領域を通過することができる。また、逆帯電トナーTが現像領域に到達する前に、現像ローラ5aに印加されている現像バイアスも停止させる。これにより、現像ローラ5aはアースされ、その表面電位はほぼ0[V]になる。一方、逆帯電トナーTが付着した感光体ドラム1の表面は、上述したようにおよそ−50[V]であるため、現像領域では、逆帯電トナーTには感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーTは現像ローラ5aに付着することなく、現像領域を通過することができる。
【0059】
このようにして現像領域を通過した逆帯電トナーTは、次に中間転写ベルト10と接触する1次転写ニップ部に搬送される。本変形例1では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTが1次転写ニップ部に到達する前に、1次転写ローラ14には、通常の画像形成時とは異なる極性のバイアスが印加される。具体的に説明すると、1次転写ローラ14には、第1転写電源117又は第2転写電源118のいずれか一方からバイアスが印加される構成になっている。これらの転写電源117,118と1次転写ローラ14との間には切替スイッチ119が設けられており、この切替スイッチ119の動作によって1次転写ローラ14に接続される転写電源が選択される。この切替スイッチ119の動作は、本プリンタの制御部によって制御されている。なお、第1転写電源117は、−300[V]の転写バイアスを印加するものである。一方、第2転写電源118は、各1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kについてそれぞれ印加するバイアスが異なり、+400[V]以上でかつ+2000[V]以下の範囲の転写バイアスを印加する。そして、通常の画像形成時における転写工程では、第2転写電源118が1次転写ローラ14に接続され、逆帯電トナーTを感光体ドラム1の表面から回収する際には、第1転写電源117が1次転写ローラ14に接続される。
【0060】
回収工程において1次転写ローラ14に負極性バイアスが印加されることで、逆帯電トナーTが付着した感光体ドラム1の表面(−50[V])と、中間転写ベルト10との間には転写電界が形成される。そして、この転写電界によって、逆帯電トナーTには中間転写ベルト10側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーTは中間転写ベルト10上に転写されることになる。その後、中間転写ベルト10上に転写された逆帯電トナーTは、2次転写ローラ16と接触する2次転写ニップ部に搬送される。ここで、逆帯電トナーTが2次転写ニップ部に到達する前に、2次転写ローラ16には通常の画像形成時に印加される転写バイアスと同じ転写バイアスが印加される。すなわち、2次転写ローラ16には正極性のバイアスが印加される。一方、逆帯電トナーTが付着した中間転写ベルト10の表面電位は、2次転写ニップ部においてほぼ0[V]であるため、2次転写ニップ部では、逆帯電トナーTに中間転写ベルト10側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーTは2次転写ローラ16に付着することなく、2次転写ニップ部を通過することができる。なお、本変形例1では、逆帯電トナーTが2次転写ニップ部を通過する際に2次転写ローラ16にバイアスを印加することで、2次転写ローラ16への逆帯電トナーTの付着を防止しているが、他の手段を採用してもよい。例えば、2次転写ローラ16を接離可能とし、逆帯電トナーTが2次転写ニップ部を通過する際には2次転写ローラ16を中間転写ベルト10から離間させる構成としてもよい。
【0061】
このようにして2次転写ニップ部を通過した逆帯電トナーTは、次に、ベルトクリーニング装置15との対向するクリーニング領域に搬送される。このクリーニング領域おいて、中間転写ベルト10上の逆帯電トナーTは、ファーブラシによって拡散された後、クリーニングブレードによって掻き取られる。これにより、中間転写ベルト10上の逆帯電トナーTはベルトクリーニング装置15に回収されることになる。
【0062】
以上、本変形例1によれば、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーTを、中間転写ベルト10上に転写することで、感光体ドラム1の表面から回収する。よって、感光体ドラム1の表面上から回収したトナーを収容する廃トナータンクを個別に設ける必要もなくなり、装置の小型化を図ることができる。特に、本プリンタは、4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えるいわゆるタンデム型の画像形成装置であるため、各感光体ドラムごとに個別に廃トナータンクを設ける場合に比べて大幅に装置の小型化を図ることができる。
【0063】
なお、逆帯電トナーTを中間転写ベルト10上に転写して回収するという本変形例1の構成と、現像装置5によって回収するという上記実施形態1の構成とを併用してもよい。このように構成すれば、現像装置5によって回収しきれずに現像領域を通過した逆帯電トナーTを1次転写ニップ部で中間転写ベルト10上に回収することができる。このように感光体ドラム1上の逆帯電トナーTを2段階で回収する構成とすれば、感光体ドラム1上の逆帯電トナーの回収能力が高まり、より確実に回収することができる。また、このように逆帯電トナーの回収能力が高まれば、ブラシローラ41から一度に大量の逆帯電トナーTを放出しても、これを十分に回収することができる。その結果、ブラシローラ41から逆帯電トナーTを放出する頻度を少なくすることができるという効果が得られる。
また、本変形例1では、中間転写ベルト10上に転写した逆帯電トナーTをベルトクリーニング装置15によって回収する構成について説明したが、他の構成であってもよい。例えば、中間転写ベルト10上の逆帯電トナーTが2次転写ニップ部に到達する前に、2次転写ローラ16に通常の画像形成時とは逆極性のバイアスを印加する。これにより、2次転写ニップ部において逆帯電トナーTは2次転写ローラ16側に付着し、回収することができる。なお、この場合、2次転写ローラ16の表面をクリーニングするクリーニング手段を設ける必要がある。
【0064】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態1におけるプリンタとはブラシローラ41のブラシ部分の構成が異なる変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図7は、本変形例2におけるブラシローラ141のブラシ部分の拡大図である。このブラシローラ141は、各ブラシ材141aの両端をブラシ軸部141aに固定して各ブラシをループ状に形成したものである。このようなブラシローラ141を用いれば、後述する実験例3により、ブラシがループ状になっていないものに比べて、フィルミング現象の発生を抑制することができることが確認されている。これは、次の理由によるものと考えられる。すなわち、ループ状のブラシの場合、感光体ドラム1の表面をブラシ先端となるループ部分で摺擦することができる。ここで、ブラシローラ141のブラシ部分のうちの少なくとも一部は、ループで囲まれる領域面が摺擦方向に対して交差した状態で、感光体ドラム表面を摺擦する。このとき、そのループ部分がエッジとなって感光体ドラム表面を摺擦するので、ブラシがループ状になっていないブラシローラに比べて、感光体ドラム上に付着したフィルミングの原因となる添加剤を掻き取る効果が高くなる。これにより、フィルミング現象の発生を抑制できるものと考えられる。
【0065】
なお、本変形例2では、ブラシ部分における単位面積当たりのループ数を示すループ密度が50[ループ/inch]以上600[ループ/inch]以下であるブラシローラ141を用いている。この範囲内のループ密度をもつブラシローラ141であれば、フィルミング現象の抑制については同等の効果を得ることができる。
【0066】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態1におけるプリンタとはブラシローラ41のブラシ部分の構成が異なる他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図8(a)及び(b)は、それぞれ、ブラシローラのブラシ241a,341aにおける先端241b,341bを示す拡大図である。これらのブラシローラは、そのブラシ部分を構成する各ブラシの先端241b,341bが球面状に形成されている。図8(a)及び(b)に示すように、ブラシの先端241b,341bの形状を略球状又は球の一部の形状とすることによって、後述する実験例3により、ブラシ先端が尖頭状のものに比べて、フィルミング現象の発生を抑制することができることが確認されている。また、本変形例3のブラシローラの場合、感光体ドラム1の表面に尖った部分が接触することがないので、感光体ドラム表面を傷つけにくく、感光体ドラム表面に傷による異常画像が生じにくいという効果もある。なお、本変形例3のようにブラシ先端を球面状に形成する方法としては、加熱法、溶媒法等の公知の成型方法をそのブラシ材質に合わせて適宜選択する。
【0067】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に、画像形成装置としてのプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
本実施形態2のプリンタは、上記実施形態1のプリンタとは帯電装置の構成が異なる。詳しくは、本実施形態2における帯電装置は、感光体ドラム1の表面を接触・近接帯電方式で一様帯電する点では上記実施形態1と共通するが、感光体ドラム1の表面に対して帯電ローラを接離動作させる接離機構を備える点で上記実施形態1とは異なる。なお、他の構成については、上記実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0068】
図9は、本実施形態2における帯電装置203を示す概略構成図である。
本実施形態2では、ブラシローラ41から放出されて感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーTが帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、離間手段としての接離機構203cによって帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面から離間させる。この接離機構203cとしては、感光体ドラム1の表面に対して帯電ローラ3aを接離させることが可能な公知の手段を用いることができる。このような構成により、逆帯電トナーTは帯電ローラ3aに接触することなく、帯電ローラ3aとの対向領域を通過することができる。よって、逆帯電トナーTが帯電ローラ3aに付着するのを防止することができる。したがって、帯電ローラ3aと感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧が変化することはなく、画像濃度の低下、地肌汚れの発生、画像濃度ムラの発生を防止することができる。
【0069】
なお、上記実施形態1の説明の中で挙げた上述した変形例1、変形例2及び変形例3の構成などを本実施形態2の構成に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0070】
〔実験例1〕
次に、本発明者らが行った実験例(本実験例を「実験例1」という。)について説明する。
上述したように、トナーの添加剤、特にシリカがトナー本体から遊離すると、これが感光体ドラム1の表面にフィルム状に付着するフィルミング現象が発生することがある。この添加剤の一部は、そのトナー本体やキャリアとの摩擦により、正規帯電トナーと同じ極性に帯電することが確認されているので、その添加剤については、保持バイアスが印加されたブラシローラ41によって、逆帯電トナーと一緒に感光体ドラム表面から除去することが可能である。一方で、保持バイアスを高めるほど逆帯電トナーの回収率を高めることはできるが、保持バイアスが高すぎると感光体ドラム1の静電潜像部分とブラシローラ41との間でリーク放電が発生し、ベタ画像中に微小な画像抜けが生じる。そこで、本実験例1では、適切な保持バイアスを印加したときにフィルミング現象の発生を十分に抑制できるようなブラシローラ41のブラシ部分の体積固有抵抗率を求める実験を行った。
【0071】
本実験例1では、上記変形例1に係るプリンタにおいて、体積固有抵抗率が互いに異なる複数のブラシローラ41にそれぞれ最適な保持バイアスを印加し、各ブラシローラについて画像を20000枚プリントしたときのフィルミングランクを評価した。この評価では、ランク5が最も良い評価となり、ランク1が最も悪い評価となる。この評価は、次のようにして行った。すなわち、感光体ドラム表面から一定距離離間した位置にフォトセンサを固定配置し、感光体ドラム表面からの反射光をフォトセンサで受光する。そして、その受光量が一定量となるように発光素子に流す発光電流を調節する。フィルミングランクは、新品の感光体ドラムについての発光電流を基準としたとき、その基準値に対する発光電流の増加分が少ないほど良い評価となり、その増加分が多いほど悪い評価となる。この増加分が1[mA]であるときのフィルミングランクは2.5であり、これ以上のランクであれば、フィルミングが発生していても、その影響が像流れなど画質に影響が出ない。よって、フィルミングランクが2.5以上である場合を許容範囲とした。
【0072】
ここで、フィルミングランクを評価する前に、ブラシローラ41に印加する最適な保持バイアスの値を調べるために行った実験について説明する。
図10は、ブラシローラ41のブラシ部分における体積固有抵抗率と、感光体ドラム1上に付着した転写残トナーのうちの逆帯電トナーの回収率との関係を、保持バイアスごとにプロットしたグラフである。保持バイアスは、感光体ドラム1の地肌部分の電位が約−500[V]である関係から、この地肌部分の電位よりも低い値に設定する必要がある。一方で、−1000[V]よりも低い保持バイアスを印加した場合、ブラシローラ41の体積固有抵抗率に関係なく、リーク放電が発生し、黒ベタ画像中に白ポチとなって現れる画像抜けが生じてしまう。よって、本実験では、−550[V]、−600[V]、−800[V]、−1000[V]の4つのバイアス値を用いることとした。また、トナーの回収率は、転写後であってブラシ接触領域に到達する前における感光体ドラム1上に付着する逆帯電トナーの量に対して、ブラシローラ41に付着したトナーの量の割合を示すものである。
【0073】
図10に示すように、ブラシローラ41の体積固有抵抗率が高くなるほど、同じトナー回収率を得るために必要となる保持バイアスの値が高くなることがわかる。また、ブラシローラ41の体積固有抵抗率が同じであるときには、保持バイアスを高くするほどトナー回収率も高くなることがわかる。ここで、逆帯電トナーのトナー回収率が80[%]以上であれば、逆帯電トナーによる画質劣化については実用上問題ない範囲となる。このようにトナー回収率が80[%]以上となるのは、体積固有抵抗率が1×10[Ω・cm]のブラシローラ41の場合では、少なくとも−1000[V]の保持バイアスが必要となる。しかし、−1000[V]以上の保持バイアスを印加すると、ブラシローラの軸部から感光体ドラム表面へのリーク放電が発生し、上述した画像抜けが発生する。そして、本実験の結果から、体積固有抵抗率が1×10[Ω・cm]以下であれば、感光体ドラムへのリーク放電が生じない保持バイアス、すなわち−1000[V]よりも高い保持バイアスで、80[%]以上のトナー回収率を得られることが判明した。
一方、1×10[Ω・cm]のブラシローラ41の場合には、少なくとも−550[V]の保持バイアスを印加すれば、ほぼ100[%]に近いトナー回収率を得ることができる。よって、このように体積固有抵抗率の低いブラシローラ41であれば、感光体ドラムへのリーク放電が生じるような低い保持バイアスを印加する必要はなく、リーク放電による画質劣化の問題は生じない。
この実験の結果より、本実験例1では、体積固有抵抗率が互いに異なる複数のブラシローラ41にそれぞれ印加する最適な保持バイアスとして、逆帯電トナーのトナー回収率が最も高くなるバイアス値の中で最も低いものを採用している。なお、保持バイアスの値は、消費電力や電源サイズなどの関係からも、なるべく低い値である方がよい。
【0074】
図11は、本実験例1による実験結果を示すグラフである。このグラフは、上述した実験によって得られる最適な保持バイアスを印加したときのブラシローラの体積固有抵抗率と、フィルミングランクとの関係を示すものである。なお、本実験例1では、感光体ドラム1の表面線速に対するブラシローラの線速を1.2とした。
【0075】
図11に示すように、1×10[Ω・cm]の体積固有抵抗率をもつブラシローラ41の場合、フィルミングランクが2.0であった。このとき、画像上には像流れによる画質劣化が見られた。これに対し、図中破線上にプロットされた2.0×10[Ω・cm]の体積固有抵抗率をもつブラシローラ41の場合、フィルミングランクが2.5であった。このとき、感光体ドラム1上には多少のフィルミングが生じていたが、その影響は画質には現れなかった。そして、本実験例1による実験の結果、ブラシローラ41のブラシ部分の体積固有抵抗率が2.0×10[Ω・cm]以上であれば、適切な保持バイアスを印加したときに、画質に影響を与えるようなフィルミングの発生を有効に防止することができることが判明した。なお、5.5×10[Ω・cm]以上の体積固有抵抗率をもつブラシローラ41であれば、フィルミングランクが3.0と更に良い評価が得られるので、フィルミングの発生を更に抑制することができる。
【0076】
以上、本実験例1により、ブラシローラ41のブラシ部分の体積固有抵抗率が20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下、好ましくは55[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内であれば、逆帯電トナーの回収率が80[%]以上であって、感光体ドラム1へのリーク放電がなく、かつ、画質に影響を与えるようなフィルミングの発生を有効に防止することができることが判明した。
なお、本発明者らは、画質に影響を与えるようなフィルミングが発生したブラシローラ41と、このようなフィルミングが発生しなかったブラシローラ41とを見比べてみたところ、次のような違いがあることを発見した。すなわち、前者の場合には、ブラシ部材のブラシ先端部分にフィルミングの原因となる多くの添加剤が付着しているのに対し、後者の場合には、ブラシ部材のブラシ先端部分にはあまり添加剤が付着していなかった。これは、ブラシローラ41のブラシ部分の体積固有抵抗率を高くすると、ブラシ軸部に印加される最適な保持バイアスも高くなる結果、ブラシ軸部付近の電位が高くなり、添加剤をブラシ部分の内部まで入り込ませることができたからだと考えられる。そして、このように添加剤をブラシ部分の内部まで入り込ませることで、ブラシ先端で感光体ドラム表面に押し付けられる添加剤の量が減り、フィルミング現象の発生が抑制されたものと考えられる。
【0077】
〔実験例2〕
次に、上記変形例1に係るプリンタを用いて、ブラシローラ41による逆帯電トナーの保持力に関する実験例(以下、本実験例を「実験例2」という。)について説明する。
上記変形例1に係るプリンタのように、ブラシローラ41によって回収した逆帯電トナーを感光体ドラム1へ放出する場合、その放出時までは回収した逆帯電トナーをブラシローラ41によってしっかりと保持できなければならない。しっかりと保持できない場合には、ブラシローラ41からトナーがこぼれ落ち、これが周囲の部材や装置に付着して種々の弊害をもたらすおそれがあるからである。そこで、本実験例2では、トナーが付着した状態のブラシローラ41への印加バイアスを切り、これを10日間放置した後のトナーの保持状態を評価する実験を行った。
【0078】
本実験例2では、まず、ブラシ部分の体積固有抵抗率が1×10[Ω・cm]、1×10[Ω・cm]、1×10[Ω・cm]である3つのブラシローラ41に最適な保持バイアスを印加し、50[mg]、100[mg]、150[mg]、200[mg]のトナーをそれぞれ回収、保持させた。そして、プリンタ本体の電源がオフの状態を想定し、各量のトナーを保持した状態のブラシローラ41を電気的にフロート状態にした。その後、これを10日間放置し、各量のトナーを保持した各ブラシローラ41に付着しているトナーの保持状態を評価した。下記の表2は、本実験例2による実験結果をまとめたものである。
【表2】
Figure 2004170534
【0079】
上記表2において、トナーがほとんど落下していない場合を「○」とし、若干トナーが落下しているが実用上問題ないレベルであった場合を「△」とし、実用上問題が生じるおそれがある量のトナーが落下している場合を「×」とした。本実験例2によれば、体積固有抵抗率が1×10[Ω・cm]以上であれば、トナー保持量が150[mg]、200[mg]と多い場合でも、少なくとも実用上問題ないレベルのトナー保持力を奏することができた。これは、体積固有抵抗率が高くなるにつれてブラシローラ41の残留電荷が多くなる結果、体積固有抵抗率が高くなるにつれてトナーの保持力が高まったものと考えられる。
【0080】
〔実験例3〕
次に、上記変形例1に係るプリンタを用いて、種々の材質、形状のブラシローラを用いて、フィルミングランクの評価を行った実験例(以下、本実験例を「実験例3」という。)について説明する。
本実験例では、いずれのブラシローラも、ブラシ部分の体積固有抵抗率がほぼ1×10[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲に調整されたものを用いた。その他の主な条件は、上記実施形態1で説明したものと同様であり、感光体ドラム1の地肌部分における電位は−500(V)であり、ブラシローラ41に印加する保持バイアスは−700(V)である。なお、フィルミングランクの評価方法は、上記実験例1の場合と同様である。本実験例3の実験結果は、下記の表3に示すとおりである。
【表3】
Figure 2004170534
【0081】
上記表3において、フィルミングランクが2.5以上である場合を「○」とし、2.5よりも低い場合を「×」とした。また、フィルミングランクについて複数回の確認した際に、フィルミングランクが2.5以上であるときと2.5未満のときとが混在した場合を「△」とした。
【0082】
ブラシ材料がアクリル系繊維であって、ブラシ先端が尖頭状であるブラシローラを用いた場合、フィルミングランクの評価は、プリント数が60000枚以上になると「×」となる。これに対し、ブラシ材料が同じアクリル系繊維で形成されるブラシを上記変形例2のようにループ状に形成したブラシローラを用いた場合、フィルミングランクは、プリント数が70000枚に達するまでは、「△」以上の評価となった。また、ブラシ材料が同じアクリル系繊維で形成されるブラシの先端を上記変形例3のように球面状に形成したブラシローラを用いた場合も、ループ状の場合と同じ評価を得た。
また、ブラシ材料がアクリル系繊維で形成されるブラシ表面をウレタンでコーティングし、ブラシ先端が尖頭状のブラシローラを用いた場合、フィルミングランクは、プリント数が80000枚に達するまで「△」以上の評価となった。
【0083】
また、ブラシ材料としてアクリル系繊維とは異なる材料で形成され、ブラシ先端が尖頭状であるブラシローラを用いた場合についても、フィルミングランクを評価した。ブラシ材料がナイロン繊維である場合、フィルミングランクは、プリント数が80000枚に達するまで「△」以上の評価となった。ブラシ材料がポリエステル繊維である場合、フィルミングランクは、プリント数が70000枚に達するまで「○」の評価となった。一方、ブラシ材料がカーボンによって導電化処理が施されたナイロン繊維である場合、フィルミングランクは、プリント数が80000枚に達するまで「○」の評価となった。また、ブラシ材料がカーボンによって導電化処理が施されたポリエステル繊維である場合、フィルミングランクは、プリント数が90000枚に達するまで「○」の評価となった。なお、導電化処理としては、繊維表面にメッキ、真空蒸着、スパッタ等の方法で導電性材料を被覆する方法、繊維表面に導電性微粒子(カーボン、 金属等)を分離させた有機層を形成させる方法、導電性微粒子分離重合体をブレンドあるいは多芯複合紡糸する方法等が挙げられる。本実験例3における導電化処理は、カーボンを多芯複合紡糸する方法を用いた。
【0084】
以上、本実験例3による実験の結果、同じブラシ材料であっても、ブラシ先端が尖頭状であるブラシローラに比べて、ブラシをループ状に形成したものやブラシ先端を球面状に形成したものの方がフィルミングランクが高いことが判明した。
また、ブラシローラのブラシ材料として、一般に用いられているアクリル系繊維を用いるよりも、ナイロン繊維やポリエステル繊維を用いた方がフィルミングランクが高いことも判明した。
また、同じブラシ材料であっても、ブラシ繊維に導電化処理を施すことにより、フィルミングランクを向上させることができることも判明した。
【0085】
以上、上記実施形態1及び上記実施形態2のプリンタは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えている。また、トナーの帯電極性(負極性)と同極性の帯電バイアスが印加される帯電部材としての帯電ローラ3aを感光体ドラム表面に接触又は近接させて感光体ドラム表面を一様に帯電する帯電装置3を備えている。更に、潜像形成手段としての露光装置4、現像手段としての現像装置5、転写手段としての1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kも備えている。そして、本プリンタでは、転写残トナーのうち上記所定極性とは逆極性(正極性)に帯電した逆帯電トナーTは、負極性の保持バイアスが印加されたブラシ部材であるブラシローラ41,141を備える一時保持手段としてのトナー保持装置40に一時的に保持される。その保持した逆帯電トナーTは、所定のタイミングで正極性の放出バイアスをブラシローラ41に印加することで、感光体ドラム表面に放出されこれに付着する。そして、本プリンタでは、ブラシ部分の体積固有抵抗率を20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内であるブラシローラ41,141を用いている。これにより、上記実験例1で説明したように、逆帯電トナーの回収率が十分に高く、かつ、潜像担持体との間でリーク放電が発生せず、更に潜像担持体から回収した添加剤をブラシ部分の内部まで入り込ませることができるような保持バイアスを設定することが可能となる。よって、ブレードレスブラシ方式を採用しつつも、フィルミング現象による不具合を十分に抑制することが可能となる。
特に、ブラシローラのブラシ部分の体積固有抵抗率を、1×10[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下とすることで、上記実験例2で説明したように、実用上問題ないレベルのトナー保持力を奏することが可能となる。よって、ブラシローラからこぼれ落ちたトナーが周囲の部材や装置に付着して種々の弊害をもたらすおそれを軽減することが可能となる。
また、上記変形例2のように、ブラシローラ141を構成する各ブラシ141aの先端をループ状に形成すれば、上記実験例3で説明したように、フィルミング現象の発生を更に抑制することが可能となる。
また、上記変形例3のように、ブラシローラを構成する各ブラシ241a,341aの先端241b,341bを球面状に形成すれば、上記実験例3で説明したように、フィルミング現象の発生を更に抑制することが可能となる。
また、上記ブラシローラとして、その体積固有抵抗率が上記範囲内となるようにそのブラシ部分を構成するブラシ繊維に導電化処理を施したものを用いれば、上記実験例3で説明したように、フィルミング現象の発生を更に抑制することが可能となる。特に、そのブラシ繊維がナイロンを含む合成繊維やポリエステルを含む合成繊維であれば、上記実験例3で説明したように、フィルミング現象の発生を更に抑制することが可能となる。
また、ブラシ部分を構成する各ブラシをウレタンによってコーティングすれば、上記実験例3で説明したように、フィルミング現象の発生を更に抑制することが可能となる。
また、上記実施形態1及び上記実施形態2におけるブラシローラ41は、感光体ドラム表面を摺擦するように接触しながら回転駆動するものである。このようにブラシローラ41を駆動させることで、感光体ドラム1の表面に付着した正規帯電トナーTを拡散することができる。これにより、感光体ドラム1の表面に対する正規帯電トナーTの付着力を弱め、その正規帯電トナーTの回収を容易にすることができる。
特に、上記実施形態1及び上記実施形態2のプリンタでは、駆動手段としての駆動装置42により、感光体ドラム表面との接触部分で感光体ドラムが表面移動する向きとは逆向きにブラシローラ41が表面移動するように、ブラシローラ41を回転駆動させる。これにより、上記実施形態1で説明したように、同方向に回転駆動させる場合に比べて、感光体ドラム1の表面上に付着する転写残トナーを掻き起こす作用を強めることができる。これにより、正規帯電トナーの回収率を高めることができ、かつ、フィルミング現象の発生を抑制することができる。更に、上記実施形態1で説明したように、ブラシローラ41の跳ね上がりによる飛ばされる逆帯電トナーが帯電ローラ3aに付着する心配もない。
なお、逆に、駆動手段としての駆動装置42により、感光体ドラム表面との接触部分で感光体ドラムが表面移動する向きと同じ向きにブラシローラ41が表面移動するように、ブラシローラ41を回転駆動させてもよい。この場合、上記実施形態1で説明したように、カウンタ方向に回転駆動する場合に比べて、ブラシローラ41及びこれに接触する感光体ドラム1の駆動負荷を小さくすることができる。よって、比較的小型の駆動装置を利用することが可能となるとともに、バンディング現象なども少なくなり、安定して高品質な画像を形成することも可能となる。
また、上記実施形態1及び上記実施形態2のプリンタでは、プリンタ本体に対して着脱可能であって、少なくとも感光体ドラム1とトナー保持装置40とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有している。よって、プロセスカートリッジ30内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ30を交換すればよく、利便性を向上させることができる。
【0086】
【発明の効果】
請求項1乃至13の発明によれば、ブレードレスブラシ方式の長所を生かしつつ、フィルミング現象による不具合を十分に抑制することが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るプリンタのトナー保持装置を示す概略構成図。
【図2】同プリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタの感光体ドラムの断面図。
【図4】同感光体ドラムの周りの構成を示す概略構成図。
【図5】(a)は、同感光体ドラム上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布を示すグラフ。
(b)は、転写後に感光体ドラム上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフ。
【図6】変形例1において、逆転写トナーの回収に関わる1次転写ニップ部周辺の概略構成図。
【図7】変形例2におけるブラシローラのブラシ部分の拡大図。
【図8】(a)及び(b)は、それぞれ、ブラシローラのブラシ先端を示す拡大図。
【図9】実施形態2に係るプリンタの帯電装置を示す概略構成図。
【図10】ブラシローラのブラシ部分における体積固有抵抗率と逆帯電トナーの回収率との関係を保持バイアスごとにプロットしたグラフ。
【図11】実験例1による実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1Y,1C,1M,1K 各感光体ドラム
3a 帯電ローラ
3,203 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
10 中間転写ベルト
14Y,14C,14M,14K 1次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 2次転写ローラ
30 プロセスカートリッジ
31Y,31C,31M,31K トナーボトル
40 トナー保持装置
41,141 ブラシローラ
42 駆動装置
43 第1電源
44 第2電源
45,119 切替スイッチ
117 第1転写電源
118 第2転写電源
203c 接離機構

Claims (13)

  1. 所定極性の帯電バイアスが印加される帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて該潜像担持体表面を一様に帯電した後、該潜像担持体表面に潜像を形成し、これを帯電バイアスと同じ極性に帯電したトナーによって現像して得たトナー像を最終的に記録材上に静電的に転写して画像を形成する画像形成装置において、
    上記潜像担持体表面との接触部分がブラシ状であるブラシ部材に上記所定極性と同じ極性の保持バイアスを印加することで、上記転写後に該潜像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、該所定極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナーを該潜像担持体表面から回収して保持し、かつ、所定のタイミングで該所定極性とは逆極性の放出バイアスを印加することで、保持している逆帯電トナーを該潜像担持体表面に戻す一時保持手段を設け、
    該ブラシ部材のブラシ部分の体積固有抵抗率を20[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下の範囲内としたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記ブラシ部材のブラシ部分の体積固有抵抗率を、1×10[Ω・cm]以上1×10[Ω・cm]以下としたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記ブラシ部分を構成する各ブラシの先端をループ状に形成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記ブラシ部分を構成する各ブラシの先端を球面状に形成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
    上記ブラシ部分は、その体積固有抵抗率が上記範囲内となるように該ブラシ部分を構成するブラシ繊維に導電化処理を施したものであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記ブラシ繊維として、ナイロンを含む合成繊維を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5の画像形成装置において、
    上記ブラシ繊維として、ポリエステルを含む合成繊維を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、
    上記ブラシ部分を構成する各ブラシをウレタンによってコーティングしたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、
    上記ブラシ部材として、上記潜像担持体表面を摺擦するように接触しながら回転駆動するブラシローラを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9の画像形成装置において、
    上記潜像担持体表面との接触部分で該潜像担持体が表面移動する向きとは同じ向きに上記ブラシローラが表面移動するように、該ブラシローラを回転駆動させる駆動手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項9の画像形成装置において、
    上記潜像担持体表面との接触部分で、該潜像担持体が表面移動する向きとは逆向きに上記ブラシローラが表面移動するように、該ブラシローラを回転駆動させる駆動手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、
    画像形成装置本体に対して着脱可能であって、少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、
    少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材とを一体に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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