JP2004170297A - 導電性部材間の水分分布測定方法、高分子膜の水分分布測定セル及び高分子膜の水分分布測定装置 - Google Patents

導電性部材間の水分分布測定方法、高分子膜の水分分布測定セル及び高分子膜の水分分布測定装置 Download PDF

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将司 津島
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秀一郎 平井
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Abstract

【課題】導電性部材間の水分分布測定方法、高分子膜の水分分布測定セル、及び高分子膜の水分分布測定装置を提供する。
【解決手段】静磁場を発生させる静磁場発生手段と、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、電磁波を照射させる電磁波照射手段6a、6bと、電磁波を検出する電磁波検出手段6a、6bと、検出した電磁波を電気信号に変換する変換手段6a、6bと、この電気信号に基づきMRI画像を作成・出力する画像処理手段とを備えたMRI装置で、対向して配置された導電性を有する2つの板状の導電性部材2、3間の水分の分布を測定する方法であって、この2つの板状の導電性部材2、3間に沿った方向で、水分に電磁波7、7を照射して、2つの導電性部材2、3間の水分の分布を測定することを特徴とする導電性部材間の水分分布測定方法である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性部材間の水分分布測定方法、高分子膜の水分分布測定セル及び高分子膜の水分分布測定装置に係り、特に導電性部材間の水分の分布を測定することが可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子とは分子量が約1万以上の化合物であり、種々の機能を備えた機能性高分子材料が知られている。この機能性高分子材料の1つである高分子膜は、厚さに比べて表面積の大きな材料であり、この高分子膜を隔てて、両側の物質間に電気化学ポテンシャル差が存在すると、膜電位、電気浸透、体積流束、熱浸透等の様々な膜現象が発生する。この膜現象は、前記高分子膜内を透過する物質の拡散速度の差によって誘起されるものである。
【0003】
近年、このような物質透過性を有する高分子膜は燃料電池に利用されている。この高分子膜が使用された燃料電池は、高分子電解質形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)と呼ばれている(「固体高分子形燃料電池」とも呼ばれている)。そして、高分子電解質形燃料電池に組み込まれた高分子膜は、固体高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)と呼ばれている。高分子電解質形燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)等の他の形式の燃料電池と比較した場合、80〜100℃程度の比較的低温で動作可能であると共に比較的高い発電効率が得られることが期待されるため、自動車用の動力源や、家庭用電源に好適なものであり、非常に注目されている。
【0004】
高分子電解質形燃料電池は、通常、単セルと呼ばれるユニットが積層された燃料電池スタックを備えて構成されている。各単セルは、膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)と、この両面を狭持すると共に、水素又は酸素の供給流路が形成されたセパレータとを有して構成されている。膜電極複合体は、板状の固体高分子電解質膜と、この両面を挟持したガス拡散電極(燃料極、空気極)とから構成されている。
【0005】
そして、高分子電解質形燃料電池の発電時には、燃料極で、水素が水素イオンと電子に分解される。この電子は、外部回路を経由して空気極に移動する。一方、水素イオンは、固体高分子電解質膜中を空気極側に移動し、空気極で酸素及び電子と反応して水を生成する。
【0006】
ところで、この水素イオンは、固体高分子電解質膜内において、水と水和している。そして、前記した発電時に、水素イオンが燃料極から空気極に移動すると共に、その水素イオンと水和した水分子も付随して空気極に移動する。同時に、空気極では、水の生成反応が起こっているため、固体高分子電解質膜内で水の分布に偏りが生じることが予想される。この水の不均一な分布によって、燃料極側に水が拡散していくと考えられている。さらに、発電時の発熱により、水は蒸発し、固体高分子電解質膜外への流出も生じていると考えられている。
【0007】
また、水素イオンが、固体高分子電解質膜中を燃料極から空気極に移動するためには、固体高分子電解質膜が適度な湿潤状態にあることが必要がある。すなわち、固体高分子電解質膜中の水素イオンの移動性は、固体高分子電解質膜の含水状態に大きく依存しているので、前記固体高分子電解質が乾燥してくると電気抵抗が増加し、その結果、水素イオンの移動性が低下する。
このため、一般に、前記固体高分子電解質膜を適切な湿潤状態で維持するべく、前記固体高分子電解質膜に供給する水素又は酸素は適宜加湿されて、水の管理が行われている。
【0008】
このように、PEFCにおける固体高分子電解質膜内の水分の分布及びこの水の移動機構は、前記固体高分子電解質膜の状態に依存して様々に変化し、このことから前記固体高分子電解質膜内の水分の移動機構を解明することは、燃料電池の出力を高く且つ安定に保持するための方策を得るための重要な鍵となっている。一方、高分子電解質形燃料電池の性能の向上を図るためには、固体高分子電解質膜の材質の開発も必要とされており、今後の固体高分子電解質膜の開発では、前記水分移動機構の解明と同時並行させて行うことが必要であると言える。
【0009】
以上述べた高分子形燃料電池において、導電性を有する電極に挟持された固体高分子電解質膜の発電時における水分の分布を測定する従来の方法として、インピーダンス法を用いて、固体高分子電解質膜の全体にわたって、その抵抗値をモニタリングすることにより、水分の状態を推定する(見積もる)方法が知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
また、中性子レーザを固体高分子電解質膜に照射し、この膜を透過したレーザ光の強度から、膜内の水分の測定する方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【0010】
【非特許文献1】
アンドリュース(B.Andreaus)、マクエボイ(A.J.McEvoy)、シェーラー(G.G.Scherer)、インピーダンス法による高電流密度における固体高分子電解質形燃料電池の出力損失の解析(Analysis of performance losses in polymer electrolyte fuel cells at high current densities by impedance spectroscopy)、「エレクトロケミカ アクタ(Electrochimica Acta)」、イギリス(UK)、エルセビア科学(株)(Elsevier Science Ltd.)、2002、47巻、p.2223−2229。
【非特許文献2】
フレール(T.J.P.Freire)、ゴンザレス(E.R.Gonzalez)、「固体高分子電解質形燃料電池におけるインピーダンス応答への膜特性及び加湿状態の影響(Effect of membrane characteristics and humidification conditions of the impedance response of polymer electrolyte fuel cells)」、「電気分析化学誌(Journal of Electroanalytical Chemistry)」、スイス(Switzerland)、エルゼビア科学(株)(Elsevier Science Ltd.)、2001、501巻、p.57−68。
【非特許文献3】
ベロウズ(R.J.Bellows)、リン(M.Y.Lin)、アリフ(M.Arif)、トンプソン(A.K.Thompson)、ヤコブソン(D.Jacobson)、「固体高分子電解質形燃料電池のナフィオン(デュポン(株)製)膜における水輸送勾配のその場計測のための中性子レーザイメージング法(Neutron Imaging Technique for In Situ Measurement of Water Transport Gradients within Nafion in Polymer Electrolyte Fuel Cells)」、電気化学学会誌(Journal of The Electrochemical Society)」、アメリカ合衆国(USA)、電気化学学会(社)(The Electrochemical Society Inc.)、1999、146巻、3号、p.1099−1103。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した非特許文献1、非特許文献2に記載された技術では、固体高分子電解質膜の全体についての情報しか得られないので、燃料極及び空気極のうち何れの電極側の固体高分子電解質膜の湿潤性がどのように変化するか、すなわち、それらの水分の分布については明確に測定できないという問題点があった。
また、非特許文献3に記載された技術では、1次元的な水分の分布のみの情報しか得られず、固体高分子電解質膜内の水分の分布を空間的に把握することは困難であるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、導電性部材間の水分分布測定方法、高分子膜の水分分布測定セル、及び高分子膜の水分分布測定装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として請求項1に係る発明は、MRI装置で、対向して配置された導電性を有する2つの板状の導電性部材間の水分の分布を測定する方法であって、前記2つの板状の導電性部材間に沿った方向で、前記水分に電磁波を照射して、前記2つの導電性部材間の水分の分布を測定することを特徴とする導電性部材間の水分分布測定方法である。
【0014】
ここで、「MRI装置」とは、静磁場を発生させる静磁場発生手段と、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、電磁波を照射させる電磁波照射手段と、電磁波を検出する電磁波検出手段と、検出した電磁波を電気信号に変換する変換手段と、この電気信号に基づきMRI画像を作成・出力する画像処理手段とを備えて構成される。なお、本明細書における「MRI画像」とは、前記電気信号に基づき、電気信号をグラフ化したものを含む。
「対向して配置された導電性部材」とは、2つの板状の導電性部材が互いに正確に平行に配置されているのみでなく、ほぼ平行に配置されていることを含む。「導電性部材」とは、高周波の電磁波が通過(透過)できない材質からなる部材を意味する。このような部材として、例えば、銅、白金を含む電極等が挙げられる。
【0015】
このような導電性部材間の水分分布測定方法によれば、MRI装置で導電性部材間に沿って、水分の水素原子に照射することにより、導電性部材間の水分の分布を3次元的に測定することができる。
【0016】
MRI装置で印加される静磁場および傾斜磁場の方向は、導電性部材の間に沿った方向である必要がある。そして、例えば「x軸方向の傾斜磁場」とは、傾斜磁場の方向は静磁場の方向と同じであり、x軸方向に沿って磁場強度の勾配が傾斜している磁場を意味する。
電磁波の照射方向は、前記した静磁場の方向に対して垂直であることが好ましい。すなわち、板状の導電性部材間に沿った面において、電磁波の照射方向は、前記した静磁場の方向に対して垂直であることが好ましい。
【0017】
請求項2に係る発明は、MRI装置に取り付けられて高分子膜の水分分布を測定するための高分子膜の水分分布測定セルであって、水分を含んだ板状の高分子膜と、前記高分子膜の両面を挟持した導電性部材と、前記高分子膜に隣接し、外部から照射された電磁波が前記高分子膜まで通過可能な電磁波導入部材と、前記高分子膜に隣接し、前記照射後に前記高分子膜から放出された電磁波が外部まで通過可能な電磁波導出部材とを備えたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定セルである。
【0018】
ここで、「電磁波が通過可能な電磁波導入部材」とは、電磁波導入部材が電磁波の通過(透過)可能である材質で構成されていることを意味する。すなわち、電磁波導入部材は、導電率の低い材料で形成されていることが必要であり、例えば、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン等からなる群から選択された少なくとも1種で形成されている。また、電磁波導出部材についても、前記電磁波導入部材と同様の構成とすることが必要である。
【0019】
このような高分子膜の水分分布測定セルによれば、MRI装置のRFコイル等を含む電磁波照射手段から照射される電磁波に対して、高分子膜の水分分布測定セルを適切な向きで取り付けて設置することにより、外部から照射された電磁波は、電磁波導入部材の内部を通過して高分子膜の内部に到達し、高分子膜内の水分の水素を共鳴させることができる。そして、外部から前記高分子膜に電磁波を照射した後、この共鳴した水素から放出される電磁波は、電磁波導出部部材を通過して外部に導出され、MRI装置のRFコイル等を含む電磁波検出手段で検出されて、高分子膜内の水分の分布を測定することができる。
【0020】
また、電磁波導入部材は、板状の高分子膜の面方向に沿って、高分子膜の側面の少なくとも一部と隣接し、高分子膜の水分分布測定セルの外表面から少なくともその一部が露出していることが必要である。電磁波導出部材についても、前記電磁波導入部材と同様の構成とすることが必要である。
なお、前記電磁波導入部材と電磁波導出部材とは、実質的に同一の部材で両者の機能を奏する構成であってもよい。
【0021】
請求項3に係る発明は、MRI装置に取り付けられて高分子膜の水分分布を測定するための高分子膜の水分分布測定セルであって、水分を含んだ板状の高分子膜と、前記高分子膜の両面を挟持した導電性部材とを備え、前記高分子膜の側面の少なくとも一部は外表面に露出し、外部から照射された電磁波が、前記側面の一部に入射して前記高分子膜の内部に到達可能であり、前記照射後に高分子膜から放出された電磁波が、前記側面の一部を通過して外部に放出されることを特徴とする高分子膜の水分分布測定セルである。
【0022】
このような高分子膜の水分分布測定セルによれば、MRI装置のRFコイル等を含む電磁波照射手段から照射される電磁波の照射方向に対して、高分子膜の側面の露出した部分を適切な向きで配置することにより、外部から照射された電磁波が、高分子膜の内部に到達して、高分子膜内の水分の水素を共鳴させることができる。そして、前記高分子膜に電磁波を照射した後、この水素から放出される電磁波が、前記高分子膜の側面の露出した部分から外部に放出され、MRI装置のRFコイル等を含む電磁波検出手段で検出されて、高分子膜内の水分の分布を測定することができる。
【0023】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載の高分子膜の水分分布測定セルにおいて、前記高分子膜の両面側に複数の貫通孔を有する拡散部材をそれぞれ設け、外部から流体を前記複数の貫通孔を経由して前記高分子膜に分散して供給可能としたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定セルである。
【0024】
ここで、複数の貫通孔を経由するとは、複数の貫通孔の全て及び一部分のいずれかを経由することを意味する。
【0025】
このような高分子膜の水分分布測定セルによれば、外部から流体が、拡散部材の複数の貫通孔を経由して、高分子膜に分散されて供給されるので、高分子膜の面方向に前記流体の濃度分布(つまり、不均一な分布)が発生しにくくすることができるので、好適に高分子膜内の水分の分布を測定することができる。
【0026】
請求項5に係る発明は、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の高分子膜の水分分布測定セルにおいて、前記高分子膜と同質の材料からなる参照用の参照高分子膜を設けたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定セルである。
【0027】
このような高分子膜の水分分布測定セルによれば、MRI装置に取り付けられて高分子膜の水分の分布を測定する際に、前記高分子膜及び参照高分子膜の各々を通過した電磁波を検出し、これらを比較することにより高分子膜内の水分の分布を測定することができる。
【0028】
請求項6に係る発明は、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の高分子膜の水分分布測定セルと、前記高分子膜に静磁場を発生して印加する静磁場発生手段と、前記高分子膜に傾斜磁場を発生して印加する傾斜磁場発生手段と、前記高分子膜に電磁波を照射する電磁波照射手段と、前記照射後に、前記高分子膜から放出される電磁波を検出する電磁波検出手段と、前記検出した電磁波を電気信号に変換する変換手段と、前記電気信号に基づいて画像処理する画像処理手段とを備え、前記高分子膜の水分分布測定セルは、前記電磁波照射手段から照射された電磁波が前記高分子膜に到達可能である方向、且つ、前記高分子膜から放射された電磁波が前記電磁波検出手段に到達可能である方向で配置されたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定装置である。
【0029】
このような高分子膜の水分分布測定装置によれば、高分子膜の水分分布測定セルの高分子膜中の水分に、静磁場、傾斜磁場を印加し、電磁波を照射して、水分中の水素を共鳴させることができる。そして、電磁波の照射後、共鳴した水素から放出される電磁波を電磁波検出手段で検出して電気信号に変換し、この電気信号に基づいて、MRI画像を作成・出力することにより、高分子膜内の水分の分布を視認して把握することができる。
【0030】
ここで、電磁波照射手段と電磁波検出手段は、実質的に同一のものであってもよい。すなわち、電磁波の照射時には電磁波を発生する機能を有し、電磁波の検出時には電磁波を検出する機能を有するものであってもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態は、本発明の導電性部材間の水分分布測定方法について説明する。第2実施形態は、本発明の高分子膜の水分分布測定セルを、高分子電解質形燃料電池の膜電極複合体に適用した場合について説明する。第3実施形態は、第2実施形態に示す膜電極複合体の固体高分子電解質膜(高分子膜)の水分を測定する高分子膜の水分分布測定装置について説明する。また、各実施形態の説明において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0032】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る水分分布測定方法について、図1及び図2を参照して説明する。参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る導電性部材間の水分分布測定方法の説明図である。図2は、図1に示す導電性部材間の水分分布測定方法から得られたMRI画像を模式的に示した図面であり、(a)はRFコイルから照射された電磁波の照射角αが90°、(b)は照射角αが60°、(c)は照射角αが30°、(d)は照射角αが10°の場合をそれぞれ示す。
【0033】
第1実施形態に係る水分分布測定方法は、図1に示すように、水Wを満たした容器1を、対向型のRFコイル6a、6b(一般に「サドルコイル」とも呼ばれている)を備えるMRI装置に設置して行うことができる。なお、説明の都合上、図1に直交3軸(x、y、z)を示す。
【0034】
RFコイル6a、6bは、MRI装置の計測部に備えられ、その計測部には静磁場コイルと及び傾斜磁場コイル(ともに図示しない)等が設けられている。
【0035】
RFコイル6a、6bは、互いに対向して配置されており、各々から、図1のy方向に、電磁波7、7を照射できるようになっている(電磁波照射手段)。また、RFコイル6a、6bは、電磁波7、7の照射後に、共鳴した水Wの水素から放出される電磁波8、8(「信号」と呼ばれることもある)を検出し(電磁波検出手段)、MRI信号(「NMR信号」と呼ばれることもある)に変換できるようになっている(変換手段)。この電気信号に基づいて、図示しないMRI装置の画像処理手段(例えば、マイクロコンピュータ)により、MRI画像として出力される。なお、前記MRI信号は電気信号に相当する。
【0036】
静磁場コイル(図示しない)は、図1のz方向に、静磁場Bを発生できるようになっている。すなわち、静止磁場Bの向き(z方向)とRFコイル6a、6bから照射される電磁波7、7の向き(y方向)とは、互いに直交している。
【0037】
傾斜磁場コイル(図示しない)は、x方向傾斜磁場コイルと、y方向傾斜磁場コイルと、z方向傾斜磁場コイル(それぞれ図示しない)とから構成されており、図1において、それぞれ、図1のx方向、y方向、z方向の傾斜磁場が発生できるようになっている。
【0038】
容器1は、有低円筒状の部材であり、非導電性の例えばアクリル樹脂から形成されている。この容器1はRFコイル6a、6bの中間に配置されている。
また、容器1の内部には、水Wが貯留されており、その底には2枚の板状の炭素電極2、3が、容器1の底面に対して立設状態且つ所定間隔で平行に配置されている。
【0039】
炭素電極2、3は、表面に白金が担持された導電性を有する板状の部材であり(導電性部材)、所定間隔で平行に配置されている。したがって、RFコイル6a、6bから照射される電磁波7、7は、炭素電極2、3を通過することはできない。
但し、第1実施形態においては、導電性部材として白金が担持された炭素電極2、3を使用したが、これに限定されることはなく、従来公知であるその他の導電性を有する材料から適宜選択して使用することが可能である。
また、第1実施形態において、水平方向(y方向)における炭素電極2の長さlは15mm、炭素電極3の長さlは10mmであり、炭素電極間隔dは1mmとした(図2参照)が、この大きさに限定されることはなく、適宜変更してもよい。
なお、符号4は炭素電極2、3を所定間隔で保持するための支持棒であり、符号5は支持棒4の端部に固定されて、炭素電極2、3を容器1の底に沈めた状態とするゴム製の錘である。
【0040】
以上説明した配置状況で、公知である傾斜磁場方法により、水Wが貯留された容器1に対して、z方向に静磁場Bと、x方向、y方向及びz方向に傾斜磁場をそれぞれ印加して、水Wの水素に3次元方向(x、y、z方向)における位置情報与えた状態で、RFコイル6a、6bからy方向(つまり、2つの板状の炭素電極2、3間に沿った方向)で、電磁波7、7を照射し、水Wの水素を共鳴させた。そして、電磁波7、7を照射した後に、共鳴した水素から放出された電磁波8、8をRFコイル6a、6bで検出して、これを電気信号に変換し、この電気信号を図示しない画像処理手段(例えば、マイクロコンピュータ)を用いて画像処理することにより、3次元方向の任意の断面におけるMRI画像を取得し、水素の分布、すなわち、水Wの水分の分布状況を測定した。
また、第1実施形態では、炭素電極2、3を、図1に示すように回転させることにより、RFコイルコイル6a、6bから照射された電磁波7、7と、炭素電極2、3とで形成される照射角αを変化させながら測定を行った(図2参照)。
【0041】
続いて、第1実施形態に係る水分分布測定方法から得られた結果について、図2を参照しながら説明する。図2(a)から(d)は、図1に示す水分分布測定方法に係る水分測定実験のz方向において、支持棒4を含む容器1の断面のMRI画像を模式的に示した図面である。
【0042】
電磁波7、7の照射角αが90°の場合は、図2(a)に示すように、炭素電極2と炭素電極3との間に、それぞれMRI画像取得不可能領域(図2(a)に示す45°の斜線部)が検出された。これは、RFコイル6a、6bから照射された電磁波7、7が、炭素電極2、3より遮断されて、炭素電極2と炭素電極3との間に到達不可能な領域が形成されたためと考えられる。
【0043】
照射角αが60°(図2(b)参照)、30°(図2(c)参照)と減少するに伴い、MRI画像取得不可能領域は減少した。これは、電磁波照射方向9において、電磁波7を遮断する炭素電極2、3の面積が小さくなったためであると考えられる。
【0044】
さらに照射角αを10°とした場合には、図2(d)に示すように、炭素電極2と炭素電極3との間においても、MRI画像は取得可能となった。
すなわち、電磁波照射方向9に対して炭素電極2、3を回転させ、照射角αを適切な角度とし、板状の炭素電極2、3の間に沿った方向で、RFコイル6a、6bから電磁波7、7を照射することにより、炭素電極2と炭素電極3との間にも電磁波7、7を到達させることが可能であることが分かる。
そして、炭素電極2、3間の水Wの水素を共鳴させた後、その共鳴した水素から放出される電磁波8、8をRFコイル6a、6bで検出し、これを電気信号に変換して、MRI画像を作成して、出力することが可能であることがわかる。このようにして得られたMRI画像に基づき、炭素電極2、3間の水Wについて、分布状況を解析することができた。
【0045】
なお、電磁波7、7の照射角αが10°以下になると、より好適に測定可能であることは当業者であれば容易に予測できる。
また、第1実施形態では、炭素電極2、3を回転させて照射角αを調節したが、RFコイル6a、6bを回転させて照射角αを調節してもよい。
さらに、第1実施形態では、前記したように、炭素電極2の長さlが15mm、炭素電極3の長さlが10mm、間隔dが1mmの場合に、電磁波7の照射角αを10°としたとき、炭素電極2、3間等の水分に電磁波を到達させること可能であったが、その他これ以外の寸法の炭素電極の長さ、間隔においても、適宜照射角αを調節することにより、導電性部材間の水分分布を測定できることは明らかである。
【0046】
以上説明したように、電磁波が通過不能である導電性部材の間に存在する水分に、静磁場及び傾斜磁場を発生して印加し、さらに、この導電性部材、すなわち導電性部材間に対する電磁波の照射角αを、導電性部材間に沿った方向に適宜調節して電磁波を照射することにより、導電性部材間に電磁波を到達させることは可能である。そして、導電性部材間の水分の水素を共鳴させ、電磁波の照射後、水分の水素がもとの状態に緩和して戻る際に放出する電磁波を検出して電気信号に変換し、この電気信号に基づき画像解析してMRI画像を取得し、導電性部材間の水分の分布を測定することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る高分子膜の水分分布測定セル10について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る高分子膜の水分分布測定セル10の分解斜視図である。なお、高分子膜の水分分布測定セル10は、MRI装置に取り付けられる測定用セルである。
【0048】
図3に示すように、高分子膜の水分分布測定セル10は、膜電極複合体13と、この膜電極複合体13が嵌合する貫通孔14aを有する電磁波導出入部材14と、この外両側を挟持する集電体15、16と、さらにその両側を挟持する左右のハウジング17、18と、ハウジング18の外側面に配置された参照固体高分子電解質膜Mrとを備えて構成されている。
膜電極複合体13は、板状の固体高分子電解質膜Mと、その両面を挟持する板状のガス拡散電極11、12とから構成されている。
なお、固体高分子電解質膜Mが高分子膜に、ガス拡散電極12、13が導電性部材に、電磁波導出入部材14が電磁波導入部材及び電磁波導出部材に、集電体15、16が導電性部材及び拡散部材に、参照固体高分子電解質膜Mrが参照高分子膜にそれぞれ相当する。
【0049】
(固体高分子電解質膜)
固体高分子電解質膜Mは、第2実施形態においては、公知である板状のパーフルオロ型のスルホン酸膜を使用した。
但し、固体高分子電解質膜Mは、パーフルオロ型のスルホン酸膜に限定されることはなく、その他に例えば、炭化水素系の陽イオン交換膜、カチオンとアニオンの交換性を有するバイポーラ膜であってもよい。
【0050】
(ガス拡散電極)
ガス拡散電極11、12は、導電性を有する板状の部材であり、例えば多孔質のカーボンブラックを担体とし、固体高分子電解質膜M側に、触媒活性物質として白金を細かく分散して担持させて形成されている。
【0051】
(電磁波導出入部材)
電磁波導出入部材14は、非導電性の材質で形成された板状の部材で構成され、外部から照射される電磁波がその内部を通過できるようになっている。また、電磁波導出入部材14は、適度な弾性を有していることが好ましく、このように弾性を有していると、高分子膜の水分分布測定セル10を組み上げたときに、前記した膜電極複合体13及び集電体15、16と好適に密着することが可能となり、ハウジング17、18を経由して供給される水素又は酸素を漏れにくくすることができる。
【0052】
電磁波導出入部材14の中央には、矩形状の貫通孔14aが形成されており、この貫通孔14aに固体高分子電解質膜M、ガス拡散電極11、12が積層して構成した膜電極複合体13が嵌合するようになっている。
【0053】
電磁波導出入部材14の面方向の大きさは、高分子膜の水分分布測定セル10を組み付けたときに、この電磁波導出入部材14の外側面が、高分子膜の水分分布測定セル10の外表面に露出するような大きさである。そして、この露出した外側面から、電磁波が入射し、電磁波導出入部材14の内部を通過して、固体高分子電解質膜Mに到達可能となっている。
また、電磁波導出入部材14の厚さは、膜電極複合体13と同程度の厚さであることが好ましく、このような厚さであれば、この電磁波導出入部材14を挟持する集電体15、16との密着性を好適にすることができる。
【0054】
したがって、本発明に係る電磁波導出入部材14は、前記した条件を考慮して、従来公知の材料から、適宜選択して形成することが可能である。このような材料としては、例えば、シリコーンゴムシートや、ポリテトラフルオロエチレン等で形成されたシート等が挙げられる。
【0055】
(集電体)
集電体15、16は、板状の部材である。なお、集電体15、16は同じ形状であるので、以下、集電体15について説明し、集電体16について説明は省略する。
【0056】
集電体15は、例えば真鍮等で形成された導電性を有する部材である。但し、真鍮に限ることはなく、集電体15はその他導電性を有する材料から形成されたものであってもよい。
そして、集電体15は、ガス拡散電極11に隣接して設けられており、後記する高分子膜の水分分布測定装置100(MRI装置)の計測部20に設置されたとき、外部回路26と接続され、発電時においては、燃料極側のガス拡散電極11で生成した電子eが、集電体15を経由して外部回路26に導かれ、さらに集電体16を経由して空気極側のガス拡散電極12に導かれるようになっている(図5(a)、図6、図7参照)。
【0057】
集電体15の中央には、高分子膜の水分分布測定セル10を組み付けたとき、膜電極複合体13に当接する部分に複数の貫通孔15a(例えばφ3mmの貫通孔)が形成されている。ハウジング17側から供給された水素は、この貫通孔15aを通過することにより、ガス拡散電極11に分散して供給することが可能となっている(図7参照)。この分散して通過した水素は、前記した白金触媒により水素イオンと電子とに分解され、この水素イオンは固体高分子電解質膜Mに、その面方向に水素イオンの濃度勾配が均一となるように供給されることが可能となっている。したがって、固体高分子電解質膜Mの面方向に水分の不均一な分布が生じにくくなっており、好適に厚さ方向(図5(a)に示すx方向)で水分の分布を測定することができる。
【0058】
(ハウジング)
ハウジング17、18は、前記した膜電極複合体13に、その両側から流体であるガスを、高分子膜の水分分布測定セル10の外部から供給するためのガス流路が形成された部材である。なお、ハウジング17、18は同じ形状であるので、以下、ハウジング17について説明し、ハウジング18についての説明は省略する。
【0059】
ハウジング17に形成されたガス流路は、図6に示すように、ガス滞留部17aと、ガス導入部17bと、ガス排出部17cとから構成されている。
ガス滞留部17aは、ハウジング17の固体高分子電解質膜M側に設けられた凹部であり、その開口部は、前記した集電体15の複数の貫通孔15aに被さるような大きさとなっており、この複数の貫通孔15aの全体にわたってガスを供給できるようになっている。
ガス導入部17bは、高分子膜の水分分布測定セル10の外部から、ガス滞留部17aにガスを導入するための通路である。
ガス排出部17cは、ガス滞留部17aから、高分子膜の水分分布測定セル10の外部にガスを排出するための通路である。
【0060】
また、ハウジング17は、非導電性の材料で形成されていることが好ましく、非導電性の材料で形成されると、後記する高分子膜の水分分布測定装置100の計測部20に設置され、静磁場Bが印加されたときに、その磁場の影響を受けにくくすることができる。
【0061】
したがって、本発明に係るハウジング17は、前記した条件を考慮して、従来公知の材料から、適宜選択して形成することが可能であり、このような材料として、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0062】
(参照固体高分子電解質膜)
参照固体高分子電解質膜Mrは、前記した固体高分子電解質膜Mと同一の材質からなるものである。そして、適宜な方法でハウジング18の外側面に設けられている。このように参照固体高分子電解質膜Mrが、固体高分子電解質膜Mとは別に、すなわち、例えば発電時等に水の分布が変化する反応系内の固体高分子電解質膜Mとは別に設け、さらに、参照固体高分子電解質膜Mrと固体高分子電解質膜Mについて、初期条件(例えば、含水量等)を同一にすることにより、発電時等の反応中に、両者を互いに比較することができる。
【0063】
また、参照固体高分子電解質膜Mrは、固体高分子電解質膜Mと平行に設けることが好ましく、このように配置することにより、後記する高分子膜の水分分布測定装置100の計測部20に設置して、固体高分子電解質膜M及び参照固体高分子電解質膜Mrの両方に、同時に電磁波24を照射することができる(図5(a)参照)。
【0064】
続いて、第2実施形態に係る高分子膜の水分分布測定セルの作用と効果について説明する。
【0065】
固体高分子電解質膜Mをガス拡散電極11、12で狭持して、積層状の膜電極複合体13を作製し、これを電磁波導出入部材14の貫通孔14aに嵌合する。そして、その外側を集電体15、16で狭持し、さらにハウジング17、18で狭持し、ハウジング18の外側面に参照固体高分子電解質膜Mrを取り付け、高分子膜の水分分布測定セル10を組み立てる。
【0066】
このような高分子膜の水分分布測定セル10によれば、電磁波照射手段を備える例えばMRI装置に好適な向きで配置することにより、前記電磁波照射手段から照射された電磁波は、電磁波導出入部材14の内部を通過して、固体高分子電解質膜Mに到達し、その中の水分の水素を共鳴させることができる。
そして、電磁波の照射後に、共鳴した水分の水素から電磁波が放出された電磁波は、電磁波導出入部材14の内部を通過して外部に導出することができる。また、反応系の外に参照固体高分子電解質膜Mrを備えることにより、固体高分子電解質膜Mと比較することができる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100について、図4から図9を参照して説明する。参照する図面において、図4は、本発明の第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100を示す全体配置図である。図5(a)、(b)は、図4に示す第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の要部を示した図面である。図6は、図5(a)に示す第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の要部のX−X’断面図である。図7は、第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の高分子膜の水分の分布状況説明図である。図8(a)は固体高分子電解質膜(高分子膜)のMRI画像の経時変化を模式的に示した図面であり、図8(b)は、図8(a)に示す経時変化に対応して、高分子膜の水分分布測定装置100の外部回路を流れた電流の経時変化を示したグラフである。図9(a)は、固体高分子電解質膜(高分子膜)と参照固体高分子電解質膜(参照高分子膜)について、発電前と発電中のMRI画像を模式的に示した図面であり、図9(b)は、固体高分子電解質膜(高分子膜)と参照固体高分子電解質膜(参照高分子膜)のMRI信号強度と、固体高分子電解質膜(高分子膜)の含水量の関係を示したグラフである。また、説明の都合上、図5(a)に直交3軸(x、y、z)を示す。
なお、高分子膜の水分分布測定装置100は、前記した高分子膜の水分分布測定セル10の固体高分子電解質膜(高分子膜)中の水分を測定する装置である。
【0068】
高分子膜の水分分布測定装置100は、図4に示すように、高分子膜の水分分布測定セル10と、この高分子膜の水分分布測定セル10が設置される計測部20とを主要部として、水素供給部30と、酸素供給部40と、アンプ50と、傾斜磁場発生装置60と、NMRコンソール70と、マイクロコンピュータ80とを備えて構成されている。
なお、計測部20とアンプ50と傾斜磁場発生装置60とNMRコンソール70とマイクロコンピュータ80とは、公知であるMRI装置から適宜選択して使用することが可能であり、例えば「Unity INOVA300(静磁場強度7.05、Varian(株)製)」を使用することができる。
【0069】
(計測部)
計測部20は、前記した高分子膜の水分分布測定セル10と、これを設置する設置部21と、静磁場コイル(図示しない)と、傾斜磁場コイル(図示しない)と、対向型のRFコイル22、23とを備えて構成されている(図4、図5(a)参照)。
なお、静磁場コイル(図示しない)が静磁場発生手段に、傾斜磁場コイル(図示しない)と前記した傾斜磁場発生装置60とが傾斜磁場発生手段に、対向型のRFコイル22、23が電磁波照射手段、電磁波検出手段及び変換手段にそれぞれ相当する。
【0070】
設置部21は、上方が開いた略円柱状の凹部を有して形成され、開口部から高分子膜の水分分布測定セル10を着脱自在に設置できるようになっている。
【0071】
静磁場コイル(図示しない)は、図5(a)に示すz方向に、静磁場Bを発生させるためのものであり、公知である超伝導コイル、永久磁石等から適宜選択して使用することが可能である。なお、超伝導コイルを使用した場合は、強い静磁場Bを発生することが可能となり、測定感度を向上することができるので好適である。
【0072】
傾斜磁場コイル(図示しない)は、前記した第1実施形態と同様に、x方向傾斜磁場コイルと、y方向傾斜磁場コイルと、z方向傾斜磁場コイル(それぞれ図示しない)とから構成されており、図5(a)において、それぞれからx方向、y方向、z方向の傾斜磁場が発生できるようになっている。
【0073】
RFコイル22、23は、公知であり、「サドルコイル」とも呼ばれるものであり、図5(a)に示すように、互いに向き合うようにして設けられており、電磁波24、24をy軸線方向で、電磁波24、24が対向して照射できるようになっている。そして、電磁波24、24の照射後に、高分子膜の測定セル10から放出される電磁波25、25(「信号」と呼ばれることもある)を検出し(電磁波検出手段)、MRI信号(「NMR信号」と呼ばれることもある)に変換できるようになっている(変換手段)。
【0074】
高分子膜の水分分布測定セル10は、第2実施形態で説明したものであり、前記したRFコイル22、23の中間に設置されている。また、高分子膜の水分分布測定セル10の設置方向は、RFコイル22、23から照射される電磁波24、24の電磁波照射方向(y軸線方向)と、前記した電磁波導出入部材14、すなわち膜電極複合体13及び固体高分子電解質膜Mの面方向とが平行になるように設置されている。このように設置することにより、電磁波24、24は電磁波導出入部材14を好適に通過して(図5(a)参照)、固体高分子電解質膜Mの側面からその内部に到達し、水分中の水素を共鳴することができるからである(図5(b)参照)。さらに、電磁波24、24の照射後、共鳴した水素から放出された電磁波25、25が、固体高分子電解質膜Mの側面から(図5(b)参照)、電磁波導出入部材14を通過して、高分子膜の水分分布測定セル10の外部に放出されることが可能であるからである(図5(a)参照)。
但し、第1実施形態で説明したように、電磁波24、24の照射方向と、固体高分子電解質膜Mの面方向とが正確に平行であるのみでなく、電磁波24、24が、高分子膜の水分分布測定セル10の電磁波導出入部材14を通過して、固体高分子電解質膜Mに到達できるような方向で配置されていればよい。
【0075】
また、このように高分子膜の水分分布測定セル10の両側から、RFコイル22、23を使用して、電磁波24、24を照射することにより、固体高分子電解質膜M中の水素を、効率的に共鳴させることができるので、測定感度を向上させることができる。
また、高分子膜の水分分布測定セル10の集電体15、16は、図6、図7に示すように、外部回路26に接続されている。
【0076】
(水素供給部)
水素供給部30は、上流側から燃料である水素が貯蔵された水素ボンベ31と、水素ガスの流量を調節するバルブ32と、公知であるバブリング法により水素ガスを加湿するための貯水槽33とを備えて構成されている。そして、配管34、34を介して計測部20に接続されており、計測部20に設置された高分子膜の水分分布測定セル10のハウジング17のガス導入部17bを経由して、ガス滞留部17aに水素を供給できるようになっている。また、ガス排出部17cは、適宜な方法で計測部20の外部と連通しており、余剰の水素ガスを計測部20の外部に排出できるようになっている。
【0077】
(酸素供給部)
酸素供給部40は、上流側から酸素が貯蔵された酸素ボンベ41と、酸素ガスの流量を調節するバルブ42と、酸素ガスを加湿するための貯水槽43とを備えて構成されている。そして、配管44、44を介して計測部20に接続されており、計測部20に設置された高分子膜の水分分布測定セル10のハウジング18のガス導入部18bを経由して、ガス滞留部18aに酸素を供給できるようになっている。また、ガス排出部18cは、適宜な方法で計測部20の外部と連通しており、余剰の酸素ガスを計測部20の外部の排出できるようになっている。
【0078】
(アンプ)
アンプ50は、電気信号を増幅または減衰させる回路を備えて構成されており、MRI信号を増幅・減衰するためのものである。そして、計測部20のRFコイル22、23とNMRコンソール70とに接続されている。
【0079】
(傾斜磁場発生装置)
傾斜磁場発生装置60は、大容量電源を備えて構成されており、前記した傾斜磁場コイル(図示しない)で発生させる傾斜磁場を制御するためのものである。そして、計測部20の傾斜磁場コイル(図示しない)とNMRコンソール70とに接続されている。
【0080】
(NMRコンソール)
NMRコンソール70は、NMR分光計を備えて構成されており、MRI信号の送受信を行うとともに受信信号を分光するためのものである。そして、アンプ50と傾斜磁場発生装置60とマイクロコンピュータ80とに接続している。
【0081】
(マイクロコンピュータ)
マイクロコンピュータ80は、第3実施形態においては公知のものを使用しており、RFコイル22、23で変換されたMRI信号の強度を解析し、これに基づいてMRI画像を作成して出力するものである。
なお、マイクロコンピュータ80が画像処理手段に相当する。
【0082】
続いて、第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の作用と効果について説明する。
【0083】
まず、計測部20、アンプ50、傾斜磁場発生装置60、NMRコンソール70、マイクロコンピュータ80を起動した。そして、バルブ32、バルブ42を調節し、所望量の水素ガスと酸素ガスを高分子膜の水分分布測定セル10に供給した。
【0084】
そして高分子膜の水分分布測定セル10での発電を開始させた。この発電について、図7を参照して詳細に説明する。
図7に示すように、燃料極側では、水素が、集電体15の複数の貫通孔15aを通過することにより、ガス拡散電極11に分散して供給されている。そして、この分散した水素は、ガス拡散電極11中を浸透するように拡散し、ガス拡散電極11の固体高分子電解質膜M側に担持された白金触媒(図示しない)により、水素イオンと電子eに分解される。この電子は、集電体15を経由して外部回路26に導かれ、外部回路26中を空気極側の集電体16に向かって移動する。前記分解され生成した水素イオンは、固体高分子電解質膜M中のクラスターを燃料極側から空気極側に向かって移動し、これに伴って、水素イオンに水和した水分子も移動する。
【0085】
一方、酸素極側では、酸素が、集電体16の複数の貫通孔16aを通過することにより、ガス拡散電極12に分散して供給されている。そして、ガス拡散電極12中を浸透するように拡散し、固体高分子電解質膜M側で、水素イオンと電子と反応し、水が生成している。
また、固体高分子電解質膜M中では、この他に、生じた水の分布の状態に依存して空気極側から燃料極側に水の逆拡散や、水の蒸発等が起こっている。
【0086】
このように固体高分子電解質膜M中で、水分の濃度勾配(水分の不均一な分布)が発生している発電状態で、公知である磁場勾配法により、固体高分子電解質膜M中の水分中及びスルホン酸基中の水素原子を測定核種として水分の分布測定を行った。
磁場勾配法とは、原子核を電磁波により励起させた後,x,y,z方向の傾斜磁場によって、x、y、z座標の位置情報を織り込みながら原子核からのNMR信号を受信し,原子核の密度や化学結合状態を任意の断面で画像化する方法である。
【0087】
すなわち、図5(a)に示すように、高分子膜の水分分布測定セル10の固体高分子電解質膜Mに、静磁場Bを印加し、3次元方向に傾斜磁場を印加して、固体高分子電解質膜M中の水分の水素に位置情報を与えた。その後、RFコイル22、23から電磁波24、24を照射し、電磁波導出入部材14を通過させて前記した位置情報が与えられた水素に照射して共鳴させた。
また、電磁波23、23の照射を複数回繰り返すと、さらに強く共鳴することができるので、高感度で測定することが可能となる。
【0088】
そして、電磁波24、24の照射を停止させた。そうすると、共鳴した水素が緩和してもとの状態に戻るときに、電磁波25、25が放出される。この電磁波25、25は、図5(b)に示すように、固体高分子電解質膜Mの側面から放出され、電磁波導出入部材14の内部を通過して、高分子膜の水分分布測定セル10の外部に放出される(図5(a)参照)。そして、この電磁波25、25は、RFコイル22、23で検出され、MRI信号に変換される。
【0089】
そして、このMRI信号は、マイクロコンピュータ80に転送される。
マイクロコンピュータ80では、転送されたMRI信号に基づいて画像解析が行われ、MRI画像が作成されて出力される。このMRI画像を視認することにより、発電中においても、リアルタイムで固体高分子電解質M内の水分の分布を把握することができる。
なお、測定者により、MRI画像で出力する断面は、3次元空間において任意に選択することができ、固体高分子電荷質膜M内の水分を3次元的に側手することができる。
【0090】
次に、このようにして取得されたMRI画像について、図8(a)を参照して説明する。
なお、図8(a)に示す各図は、固体高分子電解質膜Mの厚さ方向(図5(a)に示すx方向)の断面であり、各図において左側が燃料極、右側が空気極である。そして、45°の斜線部分がMRI画像取得不可能領域、無斜線部分MRI画像取得可能領域を示す。
発電直後は、図8(a)の0秒後に示すように、MRI画像は全ての領域において取得可能であった。そして、発電時間の経過と共に、燃料極側から空気極側に向かって、MRI画像取得不可能領域が増加することが確認された。これは、発電時間の経過に伴い燃料極側から水分が消失するためである。
これより、発電時間の経過に伴い、燃料極側の水分が減少し、空気極側の水分が高くなるようにして濃度勾配が形成されていることが確認された。
【0091】
また、図8(a)に示したMRI画像に対応させて、外部回路26を流れた電流を測定した結果を図9(b)に示す。
図8(b)及び図8(a)より、固体高分子電解質膜M内の水分の減少に伴って、電流値が低下していることが分かる。これは、固体高分子電解質膜M内の水分の低下に伴って、電気抵抗が増加し、固体高分子電解質膜M中の水素イオンの移動性が低下したためであると考えられる。
【0092】
(参照固体高分子電解質膜との比較)
次に、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜Mrとを比較して、固体高分子電解質膜Mの水分を定量化する方法について説明する。
まず、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜MrのMRI画像は、両者の初期条件(含水量等)を同一にすると、発電前は図8(a)の左側に示すように、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜Mrについて、同一のMRI画像が取得される。
なお、図8(a)は、図5(a)に示すx方向の断面、すなわち、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜Mrの厚さ方向におけるMRI画像を模式的に示した図面である。
【0093】
発電後(Δt後)、固体高分子電解質膜Mが乾燥し水分が消滅すると、図8(a)の右側に示すように、固体高分子電解質膜MではMRI画像の取得が不可能となる。一方、反応系外に配置されている参照固体高分子電解質膜Mrについては、発電前と同一のMRI画像が取得される。
【0094】
参照固体高分子電解質膜Mrの質量を電子天秤等で測定し含水量を求める。そして、含水量を求めた参照固体高分子電解質膜Mrと固体高分子電解質膜Mとを備えた高分子膜の水分分布測定セル10について、MRI画像を取得する。
次に、固体高分子電解質膜Mと、事前に含水量を求めた参照固体高分子電解質膜Mrとを備えた高分子膜の水分分布測定セル10について、前記固体高分子電解質膜Mの含水量を変化させながらMRI画像を取得し、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜MrのMRI信号強度比と、固体高分子電解質膜Mの含水量との関係を図9(b)に示すようなグラフを作成する。
【0095】
そして、発電時、すなわち、経時変化における、高分子膜の水分分布測定セル10において、固体高分子電解質膜Mの含水量を測定するときには、高分子膜の水分分布測定セル10の側面に設けた参照固体高分子電解質膜Mrと、固体高分子電解質膜MとのMRI信号強度比を計測することにより、予め作成した図9(b)に示すようなグラフを用いて、固体高分子電解質膜M内の水分の定量化を行うことができる。
【0096】
[実施例]
以下、一実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0097】
MRI装置として、Unity INOVA300(静磁場強度7.05T)(Varian(株)製)を使用した。そして、静磁場Bの強度を7.05T、最大傾斜磁場強度を24ガウス/cm(2.4mT/cm)、RFコイル22、23から照射する電磁波の周波数を300MHzとした。
固体高分子電解質膜Mには、図10(a)に示すように、一辺の長さlが14mmの正方形で膜厚tが340μmのパーフルオロ型のスルホン酸膜を使用し、ガス拡散電極に11、12に担持した白金の密度は0.5mg/cmとした。
また、酸素の供給量は456ml/min、水素の供給量は60ml/minとし、加湿は酸素側のみに施した。
さらに、高分子膜の水分分布測定セル10での発電状態は、外部回路26に設けた可変抵抗(図示しない)で適宜調節した。
【0098】
計測には、従来公知であるスピンエコー法を用いて、128ピクセル(pixel)×256ピクセル(pixcel)で行い、MRI画像の積算回数は16回とした。
【0099】
続いて、測定結果について、図10(a)、(b)を参照して説明する。
図10(a)は、固体高分子電解質膜MのMRI画像を簡略して示した図面であり、左側が燃料極側、右側が空気極側である。そして、45°の斜線の間隔が狭い方が含まれる水分が少なく、広い方が水分が多いことを示す。これより、固体高分子電解質膜Mの燃料極側が少なく空気極側が多くなるようにして水分が不均一に分布していることが確認された。
【0100】
図10(b)は、図10(a)に示す固体高分子電解質膜Mの厚さ方向におけるスルホン酸基1個当たりの水分子の数を示したグラフである。なお、水分子の数は、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜MrとのMRI信号強度比と、図9(b)に示す検量線から算出した。
図10(b)より、発電時において固体高分子電解質膜M中では、空気極側の含水量が高くなるようにして、水分布の不均一な状態が生じていることが確認された。
【0101】
(変形例)
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下のような、適宜変更が可能である
【0102】
前記した第1実施形態及び第3実施形態では、対向型のRFコイル6a、6b、22、23を使用して、高分子膜の両側から電磁波24、24を照射したが、その他に例えば、1つのソレノイド型のRFコイルを使用して、高分子膜の片側から電磁波を照射できるように、または、静磁場がy方向の場合には、z方向にコイルの巻軸が沿い且つ高分子膜の水分測定セル10(または容器1)を囲むようにしてソレノイド型のRFコイルを配置して構成してもよい。
【0103】
前記した第2実施形態では、電磁波導出入部材14が、電磁波導入部材及び電磁波導出部材に相当したが、その他に別々に設けてもよいし、また、水素及び酸素が漏れる可能性があるが必ずしも設ける必要は無い。このように、電磁波導出入部材14を設けないと、露出した固体高分子電解質膜Mの側面から電磁波を照射することができる(請求項3)。
【0104】
前記した第2実施形態では、高分子膜の水分分布測定セル10において、膜電極複合体13が嵌合し、その面方向の全てにおいて、高分子膜の水分分布測定セル10の外表面に呈出する大きさを有する電磁波導出入部材14を設けたが、その他に例えば、固体高分子電解質膜Mがハウジング17に形成された凹部に嵌合している場合は、ハウジング17に前記固体高分子電解質膜Mに通じる溝部を形成し、この溝部に非導電性の材料からなる電磁波導出入部材を設けてもよい。
【0105】
前記した、第2実施形態では、導電性の集電体15、16に複数の貫通孔15a又は16aを形成して拡散部材としたが、その他に例えば、集電体と別に非導電性の拡散部材を設けてもよい。
【0106】
前記した第2実施形態に係る高分子膜の水分分布測定セル10では、貫通孔15a、16aを有する集電体15、16が膜電極複合体13の隣に設けられた構成であるが、その他に例えば、集電体15、16と膜電極複合体13との間、導電性を有する網目状のメッシュ部材をさらに設けてもよい。このようにメッシュ部材を設けると、水素又は酸素はこのメッシュ部材を通過することにより、さらに分散して均一にガス拡散電極に供給することが可能となる。
【0107】
前記した第2実施形態では、高分子膜の水分分布測定セル10を高分子電解質形燃料電池の膜電極複合体13に適用したが、その他に例えば、導電性を有する電極に挟持された高分子膜の系において、この電極から電場が発生し電気浸透中の水分の分布を測定する場合には、ガス拡散電極11、12の代わりに、銀−塩化銀電極等、その他の材料から形成された電極であってもよい。
【0108】
前記した第2実施形態では、高分子膜の水分分布測定セル10は、高分子電解質形燃料電池に適用したので、パーフルオロ型のスルホン酸膜等を使用したが、その他に例えば、電極に挟持された高分子膜に電場を与え、この電場による電気浸透中に高分子膜内を移動するイオンに伴って、水和結合した水分を測定する場合にも適用することが可能であり、この場合は4級アミン等を有する陰イオン交換膜等であってもよい。
【0109】
前記した第3実施形態では、本発明の高分子膜の水分測定10を高分子電解質形燃料電池に適用した場合について説明したので、ハウジング17、18のガス滞留部17a、18a等には、水素又は酸素が供給される構成としたが、その他に例えば、電気浸透中における高分子膜内の水分の分布状況を測定するときには、ハウジング17、18に水が供給される等の適宜変更を行ってよい。
【0110】
前記した第3実施形態では、固体高分子電解質膜Mと参照固体高分子電解質膜MrとのMRI信号強度比から、固体高分子電解質膜M中の含水量を算出したが、その他に例えば、固体高分子電解質膜M内部の局所の水分量に関係する化学シフトイメージング像や、拡散強調画像、T強調画像を取得することにより、それぞれのMRI画像における化学シフト、拡散係数、MRI信号強度等から、含水量を計測することが可能である。
【0111】
前記した第3実施形態では、高分子膜の水分測定セル10のハウジング部に加湿した(つまり水を含んだ)水素を供給するとしたが、その他に例えば、水素を重水素に、水を重水に置き換えて供給して、固体高分子電解質膜MのMRI画像を取得することにより、固体高分子電解質膜M内の分散領域を検出することができる。
【0112】
前記した第3実施形態では、従来公知のスピンエコー法によりRFコイル22、23から電磁波24、24を照射したが、その他に例えば、ケミカルシフトイメージング法、ディフュージョンイメージング法、コンスタントタイムイメージング法で行ってもよい。ケミカルシフトイメージング法とはMRI信号強度を固体高分子電解質膜M内の含水量に置き換えるものであり、参照用固体高分子電解質膜Mrを使用せずに測定することができる。ディフュージョンイメージング法によれば、自己拡散係数が含水量に依存することから,水分濃度分布を導出することができる。コンスタントタイムイメージング法によれば、より高空間分解能での3次元水分濃度分布計測を実施することができる。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1によると、MRI装置で導電性部材間に沿って、水分の水素原子に照射することにより、導電性部材間の水分の分布を3次元的に測定することができる。
【0114】
請求項2によると、MRI装置に高分子膜の水分分布測定セルを好適な向きで取り付けて設置することにより、外部から照射された電磁波は、電磁波導入部材の内部を通過して高分子膜の内部に到達し、高分子膜内の水分の水素を共鳴させることができる。そして、電磁波の照射後、この共鳴した水素から放出される電磁波は、電磁波導出部部材を通過して外部に導かれ、MRI装置のRFコイル等の電磁波検出手段で検出されて、高分子膜内の水分の分布を測定することができる。
【0115】
請求項3によると、MRI装置に高分子膜の側面の露出した部分を好適な向きで設置することにより、外部から照射された電磁波は、高分子膜の内部に到達して、高分子膜内の水分の水素を共鳴させることができる。そして、電磁波の照射後、この水素から放出される電磁波は、前記した高分子膜の側面の露出した部分から外部に放出され、MRI装置のRFコイル等の電磁波検出手段で検出されて、高分子膜内の水分の分布を測定することができる。
【0116】
請求項4によると、外部から流体が、拡散部材の複数の貫通孔を経由して、高分子膜に分散して供給されるので、高分子膜の面方向に濃度分布が発生しにくくすることができ、高分子膜の厚さ方向において、好適に測定することができる。
【0117】
請求項5によると、MRI装置に取り付けられて高分子膜の水分の分布を測定するときに、高分子膜と参照高分子膜とを比較することができる。
【0118】
請求項6によると、高分子膜の水分分布測定セルの高分子膜中の水分に、静磁場、傾斜磁場を印加し、電磁波を照射して、水分中の水素を共鳴させることができる。そして、電磁波の照射後、共鳴した水素から放出される電磁波を電磁波検出手段で検出して電気信号に変換し、この電気信号に基づいて、MRI画像を作成・出力することにより、高分子膜内の水分の分布を視認して把握することができる。
【0119】
このように高分子膜内の水分の分布を精密に分析し、把握することにより、例えば、燃料電池に使用される固体高分子電解質膜等の高分子膜の開発を、好適に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る導電性部材間の水分分布測定方法の説明図である。
【図2】図1に示す導電性部材間の水分分布測定方法から得られたMRI画像を模式的に示した図面であり、(a)はRFコイルから照射された電磁波の照射角αが90°、(b)は照射角αが60°、(c)は照射角αが30°、(d)は照射角αが10°の場合をそれぞれ示す。
【図3】本発明の第2実施形態に係る高分子膜の水分分布測定セル10の分解斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100を示す全体配置図である。
【図5】(a)、(b)共に、図4に示す第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の要部を示した斜視図である。
【図6】図6は、図5(a)に示す第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の要部のX−X’断面図である。
【図7】第3実施形態に係る高分子膜の水分分布測定装置100の高分子膜の水分の分布状況説明図である。
【図8】(a)は固体高分子電解質膜(高分子膜)のMRI画像の経時変化を模式的に示した図面であり、(b)は、(a)に示す経時変化に対応して、高分子膜の水分分布測定装置100の外部回路を流れた電流の経時変化を示したグラフである。
【図9】(a)は、固体高分子電解質膜(高分子膜)と参照固体高分子電解質膜(参照高分子膜)について、発電前と発電中のMRI画像を模式的に示した図面であり、(b)は、固体高分子電解質膜(高分子膜)と参照固体高分子電解質膜(参照高分子膜)のMRI信号強度と、固体高分子電解質膜(高分子膜)の含水量の関係を示したグラフである。
【図10】(a)は、固体高分子電解質膜MのMRI画像を簡略して示した図面であり、(b)は、図10(a)に示す固体高分子電解質膜Mの厚さ方向におけるスルホン酸基1個当たりの水分子の数を示したグラフである。
【符号の説明】
2、3 炭素電極(導電性部材)
6a、6b、22、23 RFコイル(電磁波照射手段、電磁波検出手段、変換手段)
7、24 電磁波(照射)
8、25 電磁波(放出)
10 高分子膜の水分分布測定セル
11、12 ガス拡散電極(導電性部材)
13 膜電極複合体
14 電磁波導出入部材(電磁波導入部、電磁波導出部)
14a 貫通孔
15、16 集電体(拡散部材)
15a、16a 貫通孔
30 水素供給部
40 酸素供給部
50 アンプ
60 傾斜磁場発生装置(傾斜磁場発生手段)
70 NMRコンソール
80 マイクロコンピュータ(画像処理手段)
100 高分子膜の水分分布測定装置
M 固体高分子電解質膜(高分子膜)
Mr 参照固体高分子電解質膜(参照高分子膜)

Claims (6)

  1. MRI装置で、対向して配置された導電性を有する2つの板状の導電性部材間の水分の分布を測定する方法であって、
    前記2つの板状の導電性部材間に沿った方向で、前記水分に電磁波を照射して、前記2つの導電性部材間の水分の分布を測定することを特徴とする導電性部材間の水分分布測定方法。
  2. MRI装置に取り付けられて高分子膜の水分分布を測定するための高分子膜の水分分布測定セルであって、
    水分を含んだ板状の高分子膜と、
    前記高分子膜の両面を挟持した導電性部材と、
    前記高分子膜に隣接し、外部から照射された電磁波が前記高分子膜まで通過可能な電磁波導入部材と、
    前記高分子膜に隣接し、前記照射後に前記高分子膜から放出された電磁波が外部まで通過可能な電磁波導出部材とを備えたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定セル。
  3. MRI装置に取り付けられて高分子膜の水分分布を測定するための高分子膜の水分分布測定セルであって、
    水分を含んだ板状の高分子膜と、
    前記高分子膜の両面を挟持した導電性部材とを備え、
    前記高分子膜の側面の少なくとも一部は外表面に露出し、
    外部から照射された電磁波が、前記側面の一部に入射して前記高分子膜の内部に到達可能であり、
    前記照射後に高分子膜から放出された電磁波が、前記側面の一部を通過して外部に放出されることを特徴とする高分子膜の水分分布測定セル。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の高分子膜の水分分布測定セルにおいて、
    前記高分子膜の両面側に複数の貫通孔を有する拡散部材をそれぞれ設け、
    外部から流体を前記複数の貫通孔を経由して前記高分子膜に分散して供給可能としたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定セル。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の高分子膜の水分分布測定セルにおいて、
    前記高分子膜と同質の材料からなる参照用の参照高分子膜を設けたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定セル。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の高分子膜の水分分布測定セルと、
    前記高分子膜に静磁場を発生して印加する静磁場発生手段と、
    前記高分子膜に傾斜磁場を発生して印加する傾斜磁場発生手段と、
    前記高分子膜に電磁波を照射する電磁波照射手段と、
    前記照射後に、前記高分子膜から放出される電磁波を検出する電磁波検出手段と、
    前記検出した電磁波を電気信号に変換する変換手段と、
    前記電気信号に基づいて画像処理する画像処理手段とを備え、
    前記高分子膜の水分分布測定セルは、前記電磁波照射手段から照射された電磁波が前記高分子膜に到達可能である方向、
    且つ、
    前記高分子膜から放射された電磁波が前記電磁波検出手段に到達可能である方向で配置されたことを特徴とする高分子膜の水分分布測定装置。
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