JP2004170294A - ガス検出器とそれを用いた燃料電池システムおよび自動車 - Google Patents

ガス検出器とそれを用いた燃料電池システムおよび自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】水素と水蒸気が共存した環境下において水素濃度と湿度を区別して検出することができるガス検出器を提供することを目的とする。
【解決手段】自己発熱温度を違えた温度により抵抗値が変化する抵抗体から構成される高発熱検出部35aと低発熱検出部35bを有し、前記高発熱検出部35aおよび低発熱検出部35bが水素濃度および湿度に応じて出力するそれぞれのガス出力を電気的信号に変換し、前記2つの検出部にガス導入口を通して導入されたガス中の水素濃度および湿度を電気的に換算して出力するものである。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水素漏洩および湿度を検出するためのガス検出器とそれを用いた燃料電池システムおよび自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素と空気中の酸素から電力を取り出す燃料電池の開発が盛んに行われている。これは発電時の排出物が水のみであるため環境に優れた発電方式であるだけでなく、原理的に取り出せる電力エネルギーの効率が高いため省エネルギーになり、また発電時に発生する熱を回収することにより熱エネルギーをも利用することができるといった特徴を有しており、地球規模でのエネルギーや環境問題解決の切り札として期待されている。
【0003】
このような燃料電池システムは分散電源としての家庭用コジェネレーションシステムや自動車への応用が研究開発されてきており、今までの化石燃料を用いた火力発電やガソリンエンジンに置き換わるものとして今後ますます進展していくものと考えられる。
【0004】
燃料電池は水素を燃料に用いるため、その安全対策が重要な問題となる。すなわち、安全対策のためには水素が漏洩したことを検出する水素濃度検出器が必要になってくる。
【0005】
従来はこのような水素濃度検出器として、水素の熱伝導率が他のガスに比べ極めて大きいことを利用し、発熱素子の温度変化で水素濃度を検出する原理のものが提案されていた。例えば、空気中で熱平衡に達した発熱素子に水素が到達すると、発熱素子から奪われる熱量が変化し熱平衡が崩れるため、発熱素子の温度が水素濃度に応じて変化する。この温度変化を温度検出素子で電気的に検出するものである。
【0006】
この水素濃度検出器に使用される発熱素子および温度検出素子として、従来は白金測温体が用いられてきた。白金は金属の中では比抵抗が高い方なので電流を流すと自己発熱し、さらに抵抗温度係数も金属の中では大きい方なので、水素濃度に応じた温度変化を抵抗値変化として検出することができる。
【0007】
この方式のガス検出器として、例えば発熱温度を違えた2つの検知器を用いた技術が公開されている。これは発熱温度を違えた2つの検知器を用い、両者の出力をそれぞれの係数掛算器および演算器により連立方程式を解くことで妨害ガスの影響を排除した被検出ガスの濃度検出を可能とするものである。
【0008】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0009】
【特許文献1】
実開昭62−12861号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この方式のガス検出器に関して問題となるのは被検出ガス中に湿気が存在した場合である。すなわち、湿気がなければ確かに白金の抵抗値は水素濃度に応じて変化するのであるが、湿気があるとそれによっても抵抗値が変化してしまい、水素による変化なのか湿気による変化なのかあるいは両者が共存して変化したのかを区別することができない。
【0011】
これは、水蒸気のみであれば熱伝導率は水素のそれより極めて小さいが、極性を持つ水蒸気と無極性の空気や水素等が混合した系での熱伝導率は、絶対湿度とともに一旦上昇しピークを持って下降する特性を示すため、水素漏洩検知のように水素に比べ水蒸気が多量にある場合が想定される系での検出においては湿度の影響を無視できなくなる。
【0012】
また、前述の特許文献1に開示されているような発熱温度を違えた2つの検知器を用い、両者の出力をそれぞれの係数掛算器および演算器により連立方程式を解くことで妨害ガスの影響を排除した被検出ガスの濃度検出を行う技術の開示があるが、水蒸気の熱伝導率は前述のように絶対湿度の増加とともに一旦上昇しピークを持って下降する2次曲線的に変化する特性を示すため、2次の連立方程式の演算によって水素のみを算出することはセンサの信号処理としては非常に煩雑であり、検出精度や汎用性に関しても課題となる。
【0013】
以上のことから、本発明は水素と水蒸気が共存した環境下において水素濃度と湿度を簡素な手法にて区別して検出することができるガス検出器を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものであり、その特徴部分について列挙する。
【0015】
本発明の請求項1に記載の発明は、温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり被検出ガスにさらされる高発熱ガス検出素子および乾燥空気中の無孔ケース内に封止され前記高発熱ガス検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした高発熱温度検出素子からなる高発熱検出部と、温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり被検出ガスにさらされる低発熱ガス検出素子および乾燥空気中の無孔ケース内に封止され前記低発熱ガス検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした低発熱温度検出素子からなる低発熱検出部を有し、前記高発熱検出部の高発熱ガス検出素子および高発熱温度検出素子の自己発熱温度と前記低発熱検出部の低発熱ガス検出素子および低発熱温度検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度を異なる温度とした構成であり、それぞれの前記ガス検出素子が水素濃度、湿度および周囲温度に応じて変化する抵抗値と、それぞれの前記温度検出素子が周囲温度に応じて変化する抵抗値をそれぞれ水素濃度、湿度に応じて変化する電気的なガス出力に変換し、それぞれの前記検出部から得られる前記ガス出力をあらかじめ既知の水素濃度から求めた水素感度換算係数で規格化し、それぞれの前記規格化出力の差から得られる湿度出力を求め、あらかじめ既知の湿度環境下における前記湿度出力と湿度に応じて変化するそれぞれの前記規格化出力から得られる湿度補正量の相関から得られる湿度補正式で前記規格化出力を補正して水素濃度および湿度を出力する構成であり、自己発熱温度の異なる2組の検出部を用いることで、自己発熱温度が違うそれぞれの検出素子の近傍における水蒸気の熱伝導率に差が発生することで、それぞれの検出素子の出力に差が発生し絶対湿度と一次の相関のある湿度出力が得られる。さらにその湿度出力を用い湿度補正量の演算を行い水素濃度を求めることで、湿気があっても水素濃度と湿度をそれぞれ区別して検出できるという効果が得られる。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、低発熱検出部の2つの素子と高発熱検出部の2つの素子の乾燥空気中での発熱温度を周囲温度によらずほぼ一定になるように制御する構成であり、それぞれの素子の周辺温度はおよそ一定に保たれるため、被検出ガスの熱伝導率の温度による変化が低減され、ガス濃度を高精度に検出できるという効果が得られる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、それぞれの検出部の2つの素子の発熱温度を一定化させるための制御は抵抗が2つ以上直列に接続され発熱温度を一定化させるための制御電圧を出力する低発熱検出部および高発熱検出部のそれぞれの素子抵抗一定化回路部のそれぞれの制御電圧に対し、それぞれの温度検出素子に直列に抵抗が接続されたそれぞれの検出部の周囲温度検出回路部のそれぞれの被制御電圧が同様になるようにそれぞれの素子抵抗一定化回路部および周囲温度検出回路部へのそれぞれの印加電圧を制御する構成であり、検出器の起動直後からそれぞれの素子の自己発熱温度を一定に制御できるため、起動時間が短縮できるという効果が得られる。
【0018】
本発明の請求項4に記載の発明は、それぞれの検出部のガス出力はそれぞれの検出部に2つ以上の抵抗および可変抵抗が直列に接続され基準電圧を出力する基準電圧回路部の基準電圧とそれぞれのガス検出素子に直列に抵抗が接続されたガス検出回路部のガス検出出力電圧との電位差により求める構成であり、水素、湿度が存在しない空気中において、周囲温度の変化に対し基準電圧とガス検出出力電圧の電位差の変化は小さく抑えられ、高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0019】
本発明の請求項5に記載の発明は、周囲温度により変化するそれぞれの水素感度換算係数はそれぞれの温度検出素子の出力と各種周囲温度環境下における水素感度換算係数の相関から得られる感度補正式で補正する構成であり、周囲温度が変化すると水素感度が変化するサーミスタ素子を用いても高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0020】
本発明の請求項6に記載の発明は、高発熱検出部に温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり乾燥空気中の無孔ケース内に封止され乾燥空気中での高発熱ガス検出素子の自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした第2の高発熱温度検出素子と、低発熱検出部に温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり乾燥空気中の無孔ケース内に封止され乾燥空気中での低発熱ガス検出素子の自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした第2の低発熱温度検出素子を有し、前記高発熱検出部の高発熱ガス検出素子、高発熱温度検出素子および第2の高発熱温度検出素子の自己発熱温度と前記低発熱検出部の低発熱ガス検出素子、低発熱温度検出素子および第2の低発熱温度検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度を異なる温度とした構成であり、それぞれの前記ガス検出素子が水素濃度、湿度および周囲温度に応じて変化する抵抗値と、それぞれの前記温度検出素子およびそれぞれの前記第2の温度検出素子が周囲温度に応じて変化する抵抗値をそれぞれ水素濃度、湿度に応じて変化する電気的なガス出力に変換し、それぞれの前記検出部から得られる前記ガス出力をあらかじめ既知の水素濃度から求めた水素感度換算係数で規格化し、それぞれの前記規格化出力の差から得られる湿度出力を求め、あらかじめ既知の湿度環境下における前記湿度出力と湿度に応じて変化するそれぞれの前記規格化出力から得られる湿度補正量の相関から得られる湿度補正式で前記規格化出力を補正して水素濃度および湿度を出力する構成であり、自己発熱温度の異なる2組の検出部を用いることで、自己発熱温度が違うそれぞれの検出素子の近傍における水蒸気の熱伝導率に差が発生することで、それぞれの検出素子の出力に差が発生し絶対湿度と一次の相関のある湿度出力が得られる。またその湿度出力を用い湿度補正量の演算を行い水素濃度を求めることで、湿気があっても水素濃度と湿度をそれぞれ区別して検出でき、さらには第2の高発熱温度検出素子および第2の低発熱温度検出素子を用いることで広い温度範囲において高精度にガス濃度を検出できるという効果が得られる。
【0021】
本発明の請求項7に記載の発明は、低発熱検出部の3つの素子と高発熱検出部の3つの素子の乾燥空気中での発熱温度は周囲温度によらずほぼ一定になるように制御した構成であり、それぞれの素子の周辺温度はほぼ一定に保たれるため、被検出ガスの熱伝導率の温度による変化が低減され、ガス濃度を高精度に検出できるという効果が得られる。
【0022】
本発明の請求項8に記載の発明は、それぞれの検出部の3つの素子の発熱温度を一定化させるための制御は抵抗が2つ以上直列に接続され発熱温度を一定化させるための制御電圧を出力する低発熱検出部および高発熱検出部のそれぞれの素子抵抗一定化回路部のそれぞれの制御電圧に対し、それぞれの温度検出素子に直列に抵抗が接続されたそれぞれの検出部の周囲温度検出回路部のそれぞれの被制御電圧が同様になるようにそれぞれの素子抵抗一定化回路部および周囲温度検出回路部へのそれぞれの印加電圧を制御する構成であり、検出器の起動直後からそれぞれの素子の自己発熱温度を一定になるよう制御するため、起動時間が短縮できるという効果が得られる。
【0023】
本発明の請求項9に記載の発明は、それぞれの検出部のガス出力はそれぞれの検出部に2つ以上の抵抗および可変抵抗が直列に接続され基準電圧を出力する基準電圧回路部の基準電圧とそれぞれのガス検出素子に直列にそれぞれの第2の温度検出素子が接続されたガス検出回路部のガス検出出力電圧の電位差により求める構成であり、水素、湿度が存在しない空気中において、周囲温度の変化に対し基準電圧とガス検出出力電圧の電位差の変化は小さく抑えられ、高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0024】
本発明の請求項10に記載の発明は、周囲温度により変化するそれぞれの水素感度換算係数はそれぞれの温度検出素子、もしくはそれぞれの第2の温度検出素子の出力と各種周囲温度環境下における水素感度換算係数の相関から得られる感度補正式で補正する構成であり、周囲温度が変化すると水素感度が変化するサーミスタ素子を用いても高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0025】
本発明の請求項11に記載の発明は、高発熱検出部のそれぞれの検出素子と低発熱検出部のそれぞれの検出素子の形状を同一とした構成であり、これにより外的な熱の変動に対してもそれぞれの素子の応答が等しくなり、高応答の水素および湿度検出ができるという効果が得られる。
【0026】
本発明の請求項12に記載の発明は、高発熱ガス検出素子および低発熱ガス検出素子を有孔ケース内に設置した構成であり、それぞれの検出部の無孔ケース内に設置されたそれぞれの温度検出素子および第2の温度検出素子に対しそれぞれのガス検出素子の周囲の構成がほぼ同様となりケースへの熱の伝導、伝達およびケースから周囲への熱の伝導、伝達の状態がそれぞれの素子でほぼ同様となり、検出器の高速な起動化および周囲温度の過渡的な変動に対しても高精度な検出が可能になるという効果が得られる。
【0027】
本発明の請求項13に記載の発明は、それぞれの検出部のそれぞれの検出素子の周囲に配置されたそれぞれのケースの一部を直接もしくは熱結合体を介して接合させた構成であり、それぞれの検出素子周囲に設置したケースから周囲への熱の伝導、伝達の状態がそれぞれの素子でほぼ同様となり、検出器の高速な起動化および周囲温度の過渡的な変動に対しても高精度な検出が可能になるという効果が得られる。
【0028】
本発明の請求項14に記載の発明は、それぞれの検出部のそれぞれの検出素子にサーミスタを用いた構成であり、わずかな温度変化に対しても大きな抵抗値変化が得られ、補正の精度を向上できるという効果が得られる。
【0029】
本発明の請求項15に記載の発明は、それぞれの検出部のそれぞれのサーミスタをガラスで封止した構成であり、これにより還元ガスである水素に対してもサーミスタの抵抗値変化が起こらず耐久性や再現性に優れた特性を得ることができるという効果が得られる。
【0030】
本発明の請求項16に記載の発明は、低発熱検出部のそれぞれの検出素子と高発熱検出部のそれぞれの検出素子の発熱温度の差を10℃以上とした構成であり、これにより湿気が存在する場合、発熱温度が違うそれぞれのガス検出素子の近傍での水蒸気の熱伝導率に差が発生し簡単な構成で絶対湿度を検知できるという効果が得られる。
【0031】
本発明の請求項17に記載の発明は、低発熱検出部のそれぞれの検出素子の発熱温度を100℃以上とした構成であり、これによりガス検出器が動作していないときに、低発熱ガス検出素子および高発熱ガス検出素子の表面に結露しても、ガス検出器の起動後に水分を蒸発させることができる高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0032】
本発明の請求項18に記載の発明は、それぞれの検出部のそれぞれの検出素子の近傍にヒータを設置した構成であり、低温起動時にあらかじめそれぞれの検出素子を暖め抵抗値を低くすることでサーミスタ素子の自己発熱を可能とし、低温からの検出を可能にできるという効果が得られる。
【0033】
本発明の請求項19に記載の発明は、ガス検出器のガス導入口には焼結金属フィルターが設けられた構成であり、これにより導入された被検出ガスの流量が変化しても焼結金属フィルター内で整流されるため、被検出ガス流量によるガス検出器の出力への影響を低減できるという効果が得られる。
【0034】
本発明の請求項20に記載の発明は、ガス検出器をガス導入口が大地方向になるように配置した構成であり、これにより結露した水分を重力によりガス検出器の内部から排出できるという効果が得られる。
【0035】
本発明の請求項21に記載の発明は、ガス検出器を配管に設置する場合、ガス導入口が配管本流より上方になるように配置した構成であり、これにより配管本流の流量が変動しても直接ガス検出器に導入されないため、流量の影響を低減でき精度が向上するという効果が得られる。
【0036】
本発明の請求項22に記載の発明は、ガス検出器を燃料電池が収納された筐体の一部または燃料電池スタックの空気極側出口配管の一部に設け、前記燃料電池からの水素ガス漏洩を前記ガス検出器で検知すると警報を発するとともに前記筐体内の換気を行い、前記燃料電池を停止するように制御する構成であり、これにより湿気を含む被検出ガス中でも水素濃度のみを高精度に検出できるため、水素漏洩に対する安全性が高い燃料電池システムを構成することができるという効果が得られる。
【0037】
本発明の請求項23に記載の発明は、ガス検出器を乗車空間の上部に配置し、前記ガス検出器の湿度出力および温度出力をもとに前記乗車空間が最適な温湿度になるように前記乗車空間の一部に設けたエアコンを制御するとともに、前記ガス検出器の水素濃度出力から前記乗車空間内の水素濃度が既定値以上であれば警報を発するとともに前記乗車空間内の換気を行い、水素供給源を遮断するように制御する構成であり、これにより乗車空間内の1つのガス検出器だけで水素漏洩検知だけでなく湿度や温度のデータが得られるため、通常はエアコン制御を行い水素漏洩時には燃料電池システムを停止するという制御を行うことで、自動車の安全性や快適性を向上できるという効果が得られる。
【0038】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜5および請求項11〜23に記載の発明について説明する。
【0039】
図1(a)は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の概略断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−Aでの断面図をそれぞれ示す。図2は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の高発熱検出部および低発熱検出部に設置されたそれぞれのガス検出素子、およびそれぞれの温度検出素子であるサーミスタの概略断面図である。図3は本発明の実施の形態1におけるガス検出器のそれぞれの検出部に設置された検出素子の組立図である。図4は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の配管への取り付けを示す概略断面図である。
【0040】
図1(a)、(b)において、1aは高発熱ガス検出素子であり、1bは高発熱温度検出素子、2aは低発熱ガス検出素子、また2bは低発熱温度検出素子である。これらの素子にはサーミスタを用いており、その構造を図2に示す。
【0041】
図2において、4はサーミスタ素体であり、B定数が2300Kのマンガン、コバルト、銅、バナジウムからなる複合酸化物焼結体を直径1.2mm、厚さ0.2mmの円板状に切削加工したものを用いている。サーミスタ素体4の両面には銀−パラジウム−白金系の導電ペーストを印刷、焼成することにより形成した電極5が設けられている。両方の電極5には前記導電ペーストで電気的、機械的に接続された直径0.15mmの白金線からなるリード線6が接続されている。
【0042】
サーミスタ素体4の外表面全体には、電極5やリード線6の一部を含むように低融点のガラス層7が形成されている。これは焼成温度が550℃のガラス粉を有機溶剤とともにペースト化したものを塗布することによって形成した。これにより、サーミスタ素体4は全体がガラス層7に内包される。
【0043】
このようにしてサーミスタ8を4個作製する。これらのサーミスタ8は、それぞれ図3に示すように、台座9に固定されたピン10にリード線6を抵抗溶接(図中×印で示した)することにより電気的、機械的に接続され、それぞれ高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1b、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bとして使用する。
【0044】
それぞれの温度検出素子1b、2bの構成は、図1に示すようにそれぞれの温度検出素子1b、2bを乾燥空気中において無孔ケース11bで被い、無孔ケース11bと台座9とをプロジェクション溶接により接合し封止した構成である。これによりそれぞれの温度検出素子1b、2bの両端電圧は被検出ガスにより変化することはなく、ガス検出器内部の温度に応じた電圧を出力することとなる。
【0045】
また、それぞれのガス検出素子1a、2aの構成は、同様に図1に示すように、それぞれのガス検出素子1a、2aを4箇所にφ1.2mmの貫通穴を有する有孔ケース11aで被い、有孔ケース11aと台座9とをプロジェクション溶接により接合し封止した構成とし、有孔ケース11a、無孔ケース11bを含めた構成に関しては、温度検出素子1b、2bとガス検出素子1a、2aの熱容量を同等として両検出素子の発熱特性をおよそ同等としている。
【0046】
以上のような構成とすることで、高発熱温度検出素子1bの発熱特性は高発熱ガス検出素子1aの発熱特性と、低発熱温度検出素子2bの発熱特性は低発熱ガス検出素子2aの発熱特性とおよそ同等の特性となり正確な周囲温度に対する温度補正が可能となる。
【0047】
更に、ガス検出器の起動時に関しても、高発熱温度検出素子1bは高発熱ガス検出素子1aの温度上昇特性と、低発熱温度検出素子2bは低発熱ガス検出素子2aの温度上昇特性と同様の温度上昇プロファイルを呈するためガス検出器の高速起動が可能となる。
【0048】
有孔ケース11a、無孔ケース11bを装着した低発熱温度検出素子2bと低発熱ガス検出素子2a、および有孔ケース11a、無孔ケース11bを装着した高発熱温度検出素子1bと高発熱ガス検出素子1aは銅やアルミニウム材などの熱伝導率の良い材料からなる熱結合体33を介してそれぞれ接合させた構成としている。これによりそれぞれの検出素子1a、1b、2a、2bの周囲に設置した有孔ケース11a、無孔ケース11bから周囲への熱の伝導、伝達の授受の状態が熱結合体33を介していることによりそれぞれの検出素子でほぼ同様となり、周囲温度の過渡的な変動に対しても高精度な検出が可能となり、加えてガス検出器の高速起動化に関しても効果が得られる。
【0049】
なお、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1b、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bは回路基板15上にそれぞれのピン10の一端が挿入され半田付けにより電気的、機械的に接続され、外周が六角形状の容器16に収納される。
【0050】
また、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1b、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bの近傍には面状のヒータ34を設置した。このヒータ34は検出器の起動後約5秒間、200℃で駆動させている。このヒータ34の動作により周囲温度が低くサーミスタ素体4の抵抗値が大きい場合でも自己発熱可能な抵抗値までサーミスタ8の抵抗を下げ低温における動作も可能とした。なお、本実施の形態1では起動時には常にヒータ34を駆動させるようにしたが、後述で記載しているマイクロコンピュータ32にてサーミスタ8の抵抗値もしくは電圧値を検出して、低温のときのみ、つまり抵抗値の高いときのみヒータ34を動作させて消費電力を抑えることも可能である。
【0051】
ガス導入口17には焼結金属製のフィルター18がはめ込まれている。これは外周が円形の形状であり、容器16の外部に突出するように配置してある。
【0052】
なお、被検出ガスに湿気が存在する場合、温度環境によっては容器16の内部で結露する可能性がある。そこで、ガス検出器のガス導入口17が大地方向になるように配置することで、結露水が重力によりフィルター18の外部へ誘導され排水されやすくなる。
【0053】
容器16の回路基板15の上部には、あらかじめ取出しケーブル23を通した容器フタ24がはめ込まれ、容器16にかしめて固定される。さらに、耐湿樹脂25を容器フタ24に設けた注入口(図示せず)から回路基板15と容器フタ24の間の空間全体に注入し、硬化させた構成となっている。
【0054】
このようにして完成したガス検出器は、容器16の外周の一部に設けたネジ部26でガス濃度を検出したい部位に固定される。なお、配管中のガス濃度を検出する場合は、図4に示すように配管27の一部にガス検出器の取付部28を設け、ここにネジ部26をねじ込むことによってガス検出器を固定する。このようにすることで配管27の本流から離れた上方にガス導入口17を配置することができ、本流のガス流速の影響を低減することができる。
【0055】
次に、ガス検出器の取り付け例について図5および図6を用いて説明する。
【0056】
図5は本発明の実施の形態1におけるガス検出器を燃料電池システムに取り付けた際の概略ブロック図である。図6は本発明の実施の形態1におけるガス検出器を用いた燃料電池自動車の概略構造図である。
【0057】
まず、燃料電池システムについて固体高分子型を例に説明する。図5において、51は水素タンクである。水素タンク51内の水素は遮断弁52を通って水素加湿器53に導入される。ここで燃料電池内の固体高分子膜が乾燥するのを防ぐための湿気が与えられる。加湿された水素は燃料電池スタック54の水素極側に導入される。
【0058】
一方、燃料電池スタック54には発電に必要な空気もコンプレッサ55により空気加湿器56で加湿されて空気極側に導入される。これにより燃料電池スタック54は発電を行い、太線で示したように燃料電池制御回路57を経て外部に電力を供給する。また、燃料電池スタック54からは発電の結果、生成した水が空気と一緒に外部へ排出される。
【0059】
このような燃料電池システムは全体が筐体58内に収納されている。筐体58内には、図5の中に黒丸で示したように、水素タンク51の近傍、燃料電池スタック54の近傍、燃料電池スタック54の空気極側出口配管の一部などに水素漏洩を検知するためのガス検出器が配置される。これによりいずれかのガス検出器が水素漏洩を検知すれば、燃料電池制御回路57は遮断弁52を閉じ警報器59と換気扇60を動作させ燃料電池を停止するように制御する。なお、具体的な制御動作についてはフローチャートを用いて後述する。
【0060】
次に、燃料電池自動車について説明する。図6において、自動車の本体101は乗車空間102と、水素タンク収納空間103と、駆動手段収納空間104と、床下空間105がそれぞれ空間として分離された状態で形成されている。水素タンク収納空間103には水素を貯蔵するタンク106が設けられている。タンク106は、特に衝突時に水素漏洩に対する安全性を確保するために、外側タンク107と内側タンク108からなる二重構造となっており、内側タンク108内に水素が貯蔵されている。また、駆動手段収納空間104には本体101を駆動するためのモーター109が設けられている。床下空間105には燃料電池スタック110が設けられている。
【0061】
タンク106から供給された水素は床下空間105に設けられた燃料電池スタック110で電気エネルギーに変換され、その電気エネルギーがモーター109に伝達されてタイヤ111を駆動するようになっている。112はハンドルを示している。
【0062】
このような自動車において、それぞれの空間にはガス検出器113が設けられている。具体的には、乗車空間102に設けたガス検出器113は乗車空間102の中で最も上部にあたる天井115前部に、水素タンク収納空間103に設けたガス検出器113はタンク106が二重構造であるため外側タンク107の最上部に、駆動手段格納空間104に設けたガス検出器113は駆動手段格納空間104の中で最も上部にあたるボンネット後端部に、床下空間105に設けたガス検出器113は床下空間105の最上部にそれぞれ取り付けられている。さらに図示していないが、図6と同様に燃料電池スタック110の空気極側出口配管の一部にもガス検出器を取り付けている。
【0063】
これらのガス検出器113のうちのいずれかが水素漏洩を検知すると、図5で説明したように水素供給源を遮断し、警報および換気を行う。それに加えて、乗車空間102内に設けたガス検出器113は湿度や温度も検知できるため、通常は乗車空間102の内部が最適な温湿度になるように乗車空間102の一部に設けたエアコンを制御している。なお、具体的な制御動作についてはフローチャートを用いて後述する。
【0064】
なお、以上に述べたガス検出器は、燃料電池システムと自動車のいずれに取り付けられる場合でもガス導入口17が大地方向になるように配置してある。これにより軽い水素が漏れた場合、素早くガス検出器に導入されるだけでなく、周囲温度によりガス検出器内に結露水が発生した場合でも、前述のようにガス導入口17に設けたフィルター18を通して大地方向に排出されガス検出器内部に残存しないようにすることができる。
【0065】
次に、ガス検出器の動作について説明する。
【0066】
図7は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の概略回路図である。図8は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の乾燥空気下での水素濃度出力特性図であり、図8(a)は高発熱検出部35aのガス出力を、図8(b)は低発熱検出部35bのガス出力をそれぞれ示す。図9は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の湿度出力特性であり、図中の(a)は高発熱検出部35aの水素濃度感度補正後の出力を、(b)は低発熱検出部35bの水素濃度感度補正後の出力を、(c)はこれらから得られたそれぞれの出力の差である絶対湿度出力を示している。図10は本発明の実施の形態1におけるガス検出器の湿度補正計算後の出力特性図であり、図10(a)は水素濃度出力特性を、図10(b)は絶対湿度出力特性をそれぞれ示す。
【0067】
図7において、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1b、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bには、それぞれ直列に固定抵抗29a、29b、29cおよび29dが接続されている。ここで、固定抵抗29a、29bには220Ωを、固定抵抗29c、29dには500Ωを用い、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1bの発熱温度が約190℃、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bの発熱温度が約140℃となるように制御を行っている。
【0068】
また、回路には直流電源31が接続され電源電圧として15Vを供給した。
【0069】
ここで、発熱温度を一定化させるための制御について説明する。本実施の形態1では高発熱検出部35aの2つの検出素子1a、1bと低発熱検出部35bの2つの検出素子2a、2bの乾燥空気中での発熱温度を周囲温度によらずほぼ一定になるように制御している。
【0070】
高発熱検出部35aの2つの検出素子1a、1bの発熱温度を一定化させるための制御は11kΩと33kΩの固定抵抗29e、29fを直列に接続した高発熱検出部35aの素子抵抗一定化回路部36aの33kΩの固定抵抗29fの両端電圧からなる制御電圧に対し、高発熱温度検出素子1bに直列に接続された220Ωの固定抵抗29bからなる周囲温度検出回路部37aの220Ωの固定抵抗29bの両端電圧からなる被制御電圧が同様になるようにオペアンプおよびトランジスタ等を介し素子抵抗一定化回路部36a、高発熱ガス検出素子1aに直列に220Ωの固定抵抗29aが接続されたガス検出回路部38a、基準電圧回路部39aおよび周囲温度検出回路部37aへの印加電圧を周囲温度の変動に対し制御し、高発熱温度検出素子1bおよび高発熱ガス検出素子1aの抵抗値を常に一定とする回路構成とした。
【0071】
また同様に、低発熱検出部35b側の発熱温度を一定化させるための制御としては、43kΩと100kΩの固定抵抗29g、29hを直列に接続した低発熱検出部35bの素子抵抗一定化回路部36bの100kΩの固定抵抗29hの両端電圧からなる制御電圧に対し、低発熱温度検出素子2bに直列に接続された500Ωの固定抵抗29dからなる周囲温度検出回路部37bの被制御電圧が同様になるようにオペアンプおよびトランジスタ等を介し素子抵抗一定化回路部36b、低発熱ガス検出素子2aに直列に500Ωの固定抵抗29cが接続されたガス検出回路部38b、基準電圧回路部39bおよび周囲温度検出回路部37bへの印加電圧を周囲温度の変動に対し制御し、低発熱温度検出素子2bおよび低発熱ガス検出素子2aの抵抗値を常に一定とする回路構成とした。
【0072】
これにより、それぞれの検出素子の周辺温度はおよそ一定に保たれるため、被検出ガスの熱伝導率の温度による変化が低減され、ガス濃度を高精度に検出でき、かつ検出器の起動直後からそれぞれの検出素子の自己発熱温度を一定に制御するため、起動時間が短縮できるという効果が得られる。
【0073】
次に、それぞれの検出部のガス出力を得るための信号処理について述べる。
【0074】
高発熱検出部35aにおけるガス出力を得るための信号処理は11kΩより小さな値の固定抵抗29iと33kΩの固定抵抗29jおよび可変抵抗器29kを直列に接続した基準電圧を出力する基準電圧回路部39aの33kΩの固定抵抗29jの両端電圧からなる基準電圧に対し、高発熱ガス検出素子1aに直列に220Ωの固定抵抗29aが接続されたガス検出回路部38aの220Ωの固定抵抗29aの両端電圧からなるガス検出出力電圧との電位差を求める信号処理を行っている。水素、湿度が存在しない空気中で基準電圧とガス検出出力電圧に差が発生した場合には、可変抵抗器29kの抵抗値調節により、差をゼロとするように調節する。
【0075】
また同様に、低発熱検出部35bでのガス出力を得るための信号処理は43kΩより小さな値の固定抵抗29lと100kΩの固定抵抗29mおよび可変抵抗器29nを直列に接続した基準電圧を出力する基準電圧回路部39bの100kΩの固定抵抗29mの両端電圧からなる基準電圧に対し、低発熱ガス検出素子2aに直列に500Ωの固定抵抗29cが接続されたガス検出回路部38bの500Ωの固定抵抗29cの両端電圧からなるガス検出出力電圧との電位差を求める信号処理を行っている。上記と同様に基準電圧とガス検出出力電圧に差が発生した場合には、可変抵抗器29nの抵抗値調節により差をゼロとするように調節する。
【0076】
これにより、水素、湿度が存在しない空気中において、周囲温度の変化に対し基準電圧とガス検出出力電圧の電位差の変化は小さく抑えられ、高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0077】
以上の信号処理で得られた高発熱検出部35aおよび低発熱検出部35bのそれぞれのガス出力およびそれぞれの温度検出素子1b、2bの両端電圧値はマイクロコンピュータ32に入力される。マイクロコンピュータ32は後述する演算を行い、水素濃度、湿度、温度をそれぞれ出力する。
【0078】
ガス検出器の近傍または配管内の被検出ガスは、ガス導入口17に設けたフィルター18を通って高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1b、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bに到る。高発熱ガス検出素子1aおよび低発熱ガス検出素子2aは自己発熱しており被検出ガス中に水素や湿気があると、その濃度に応じて被検出ガスの熱伝導度が変わり熱が奪われるため、高発熱ガス検出素子1aおよび低発熱ガス検出素子2aの温度が変化する。
【0079】
一方、高発熱温度検出素子1bおよび低発熱温度検出素子2bは無孔ケース11bで乾燥空気を封止した構成であり、高発熱温度検出素子1bおよび低発熱温度検出素子2bの両端電圧は被検出ガスにより変化することはなく、ガス検出器の内部の温度に応じた電圧を出力する。
【0080】
これらの変化は前述の信号処理方法によりそれぞれガス出力として変換されマイクロコンピュータ32に入力される。
【0081】
また、本実施の形態1では水素に対する検出感度を大きく得られるサーミスタ8を検出素子1a、1b、2a、2bとして用いている。しかしながら、サーミスタ8を用いた場合、その感度が大きいため、水素の熱伝導率の周囲温度に対する変化の影響が大きく現われる。従って、周囲温度に応じた水素濃度感度の補正が必要となるわけである。
【0082】
周囲温度の変化に対し変化するそれぞれのガス出力に対する水素感度換算係数はそれぞれの温度検出素子1b、2bの出力である両端電圧と各種周囲温度環境下における水素感度換算係数の相関から得られる感度補正式で補正する構成としている。これは、例えば、乾燥空気中に水素が濃度1%で存在する基準ガスを準備し、この基準ガス中での−40℃、25℃および80℃でのガス出力および温度検出素子1b、2bの両端電圧を計測する。一般的に温度検出素子1b、2bの両端電圧に対する基準ガスの出力は温度が高くなるにつれ小さくなる傾向であり、相関的にはおよそ1次の相関とみなせる。
【0083】
従って、上記温度検出素子1b、2bの両端電圧もマイクロコンピュータ32に入力される。
【0084】
マイクロコンピュータ32は上記のそれぞれのガス出力および温度検出素子1b、2bの両端電圧をもとに水素濃度、湿度および温度を演算してそれぞれ出力する。
【0085】
次に、マイクロコンピュータ32内で行われる演算手法について説明する。
【0086】
最初に、ガス検出器の製造時に補正データの作成を以下のように行う。
【0087】
まず、乾燥空気下における水素濃度変化に対する高発熱検出部35aおよび低発熱検出部35bのそれぞれのガス出力を計測する。この計測を各種温度条件下で実施する。図8に80℃の周囲温度条件下における結果を示す。図8(a)は横軸に水素濃度を、縦軸に高発熱検出部35aのガス出力を示す。図8(a)より高発熱検出部35aのガス出力は水素濃度に比例して大きくなることがわかる。同様に、図8(b)は低発熱検出部35bのガス出力を計測したもので、低発熱検出部35bのガス出力も水素濃度に比例して大きくなる。また、高発熱検出部35aおよび低発熱検出部35bのそれぞれの温度検出素子1b、2bの両端電圧は被検出ガスの状態によらないので周囲温度を表すことになるため、このそれぞれの温度検出素子1b、2bの両端電圧値と高発熱検出部35aのガス出力および低発熱検出部35bのガス出力の関係を求め水素濃度に対する感度の温度補正のデータをそれぞれ作成する。
【0088】
次に、空気中で湿度を変化させた時の高発熱検出部35aのガス出力および低発熱検出部35bのガス出力を計測する。図9に80℃の周囲温度条件下における結果を示す。横軸に絶対湿度を示しており、図中の(a)は高発熱検出部35aのガス出力を上記図8で説明した水素に関する感度の温度補正の考えに基づいて補正した出力、つまり水素検出精度に対する誤差(以下、湿度オフセットと呼ぶ)を示す。同様に、図9中の(b)に低発熱検出部35bのガス出力を補正して得られた湿度オフセットを示す。また、図9中の(c)にこれらの得られた高発熱検出部35aの湿度オフセットから低発熱検出部35bの湿度オフセットを差し引いた値である湿度出力を示している。図9より同一の絶対湿度条件下にかかわらず、高発熱検出部35aの湿度オフセットおよび低発熱検出部35bの湿度オフセットに違いが生じる。これは湿気が存在する場合、発熱温度が違うそれぞれのガス検出素子1a、2aの近傍での水蒸気の熱伝導率に差が発生し、結果としてガス検出素子1a、2aの熱伝導特性に違いが現れるためである。
【0089】
この高発熱検出部35aの湿度オフセットから低発熱検出部35bの湿度オフセットを差し引いた値である湿度出力は、図9より絶対湿度に比例することがわかる。
【0090】
従って、この湿度出力を得ることによって、湿度オフセットを補正できるとともに、絶対湿度さらには温度検出素子1b、2bから得られる周囲温度の状態から相対湿度の算出も可能となる。
【0091】
これらの現象をもとに、高発熱検出部35aの湿度オフセットおよび低発熱検出部35bの湿度オフセットの差より得られる湿度出力と湿度オフセットの関係を求め水素濃度検出に対する湿度補正のデータおよび湿度出力データを作成する。
【0092】
以上の水素濃度検出に関する感度の温度補正、湿度出力および水素濃度検出に関する湿度補正の計算手法はマイクロコンピュータ32にプログラムされており、ガス検出器の動作時に得られる高発熱検出部35aのガス出力、低発熱検出部35bのガス出力およびそれぞれの温度検出素子1b、2bの両端電圧が入力されると、上記計算を行い水素濃度、湿度を出力するようになっている。
【0093】
上記ガス検出器を実際に動作させた時の出力例について図10(a)、(b)を用いて説明する。
【0094】
実験方法として、80℃の周囲温度環境下において、絶対湿度が約120g/mの空気に水素ガスを0%→0.4%→0.8%→1.6%→0.8%→0.4%→0%の順に切り替えて流したときのガス検出器のマイクロコンピュータ32で演算後の出力を計測した。
【0095】
まず、水素濃度出力結果を図10(a)に示す。横軸は測定の経過時間(秒)で900、300、300、480、480、480、480秒経過後に水素濃度を切り替えている。縦軸は高発熱検出部35aのガス出力、低発熱検出部35bのガス出力およびそれぞれの温度検出素子1b、2bの両端電圧から上記の計算手法に基づいて計算した水素濃度計算値(%)である。図よりガス切り替えにより極めて応答性よく水素濃度が変化しており、精度も良好であることが確認された。
【0096】
次に、湿度出力結果を図10(b)に示す。横軸は図10(a)と同様に測定の経過時間(秒)であり、前述の水素濃度計測と同様のタイミングで水素ガス濃度を切り替えている。また、縦軸は水素濃度相当の絶対湿度出力である。図10(a)に示したように測定中に水素濃度が大きく変わっているにもかかわらず湿度出力は変動がなく、水素濃度に影響されずに精度よく絶対湿度のみを出力することが確認された。また、ガス検出器の近傍に設けた湿度計測器で測定した被検出ガスの絶対湿度と同等の結果も得られ、後述するように自動車の乗車空間内のエアコン制御等に用いる場合は十分な精度が得られることも確認された。
【0097】
以上の結果より、本実施の形態1のガス検出器は水素濃度と湿度を独立して高精度に検出できることが明確化された。
【0098】
なお、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1bの発熱温度が約190℃、低発熱ガス検出素子2aおよび低発熱温度検出素子2bの発熱温度が約180℃となるように制御を行って、前述と同様の水素および湿度検出の評価を実施したが、絶対湿度出力値の精度は低下するものの各種補正は可能であった。
【0099】
次に、本実施の形態1のガス検出器を用いた燃料電池システムおよび自動車のガス検出器出力による制御動作について図11および図12を用いて説明する。
【0100】
図11は本発明の実施の形態1におけるガス検出器を用いた燃料電池システムにおけるガス検出器出力による動作制御サブルーチンを表すフローチャートである。図12は本発明の実施の形態1におけるガス検出器を用いた自動車におけるガス検出器出力による動作制御サブルーチンを表すフローチャートである。
【0101】
まず、燃料電池システムについては燃料電池システム全体の動作を司るソフトウエア(以下、メインルーチンという)の実行中に、一定時間毎割り込みにより水素濃度検出を行う場合を想定して説明する。
【0102】
図11はその際のサブルーチンを示し、このサブルーチンは燃料電池システム動作ソフトウエアの一部に書き込まれている。
【0103】
メインルーチンへの割り込み発生により図11のサブルーチンにジャンプしてくると、まずガス検出器の水素濃度出力値を読み込む(S1)。この際、図5に示すように燃料電池システムには複数個のガス検出器を設けて水素漏洩を監視しているため、全てのガス検出器の出力を順次読み込む。
【0104】
次に、いずれかのガス検出器の水素濃度出力が既定値(例えば2%)を超えたか否かを順次判定する(S2)。例えば、いずれのガス検出器の出力も既定値を超えていない場合、そのままメインルーチンに復帰する(S2のno)。逆に、既定値以上の出力が1つでもある場合(S2のyes)には直ちに燃料電池を停止するように制御する。
【0105】
具体的には、まず燃料供給側の遮断弁52を閉じ(S3)、筐体58内に漏れた水素を大気に開放するために換気扇60を駆動する(S4)とともに、水素漏洩の事実を知らせるために警報器59を起動する(S5)。その後、水素漏れフラグをONにして(S6)メインルーチンに復帰する。メインルーチンでは水素漏れフラグにより燃料電池を安全に停止するようシステムを制御する。
【0106】
次に、自動車について説明する。この場合も燃料電池システムと同様に、メインルーチン実行中に一定時間毎割り込みにより水素濃度、湿度、温度検出を行う場合を想定して説明する。図12はその際のサブルーチンを示す。
【0107】
メインルーチンの割り込み発生により図12のサブルーチンにジャンプしてくると、まず各ガス検出器の水素濃度出力値を読み込む(S7)。さらに、乗車空間102内に設けたガス検出器については、同時に湿度、温度出力を読み込み(S8)、湿度、温度をメインルーチンが参照する記憶領域に保存する(S9)。
【0108】
次に、いずれかのガス検出器の水素濃度出力が既定値(例えば2%)を超えたか否かを順次判定する(S10)。例えば、いずれのガス検出器の出力も既定値を超えていない場合、そのままメインルーチンに復帰する(S10のno)。メインルーチンでは記憶領域に保存された乗車空間102内の現在の湿度、温度データをエアコン制御ソフトウエアに渡す。エアコン制御ソフトウエアは受け取った湿度、温度データを基に、乗車空間102内がユーザーの設定値を基準とした最適な温湿度になるようにエアコンを制御する。
【0109】
また、既定値以上の水素濃度出力が1つでも確認された場合(S10のyes)、直ちに燃料電池を停止するように制御する。具体的には、まず燃料供給側の遮断弁を閉じ(S11)、乗車空間102内に漏れた水素を大気に放出するためにエアコンを外気導入にするとともに最大風量で駆動し(S12)、水素漏洩の事実を運転手に知らせるために警報器を起動する(S13)。その後、水素漏れフラグをONにして(S14)メインルーチンに復帰する。メインルーチンでは水素漏れフラグにより燃料電池を完全に停止するようシステムを制御する。
【0110】
以上の制御動作を行うことにより、燃料電池システムや自動車から水素が漏洩しても安全に停止することが可能となり、さらには自動車の乗車空間のエアコン制御も同時に実現できる。
【0111】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項6〜10に記載の発明について説明する。
【0112】
図13(a)は本発明の実施の形態2におけるガス検出器の概略断面図であり、図13(b)は図13(a)のA−Aでの断面図をそれぞれ示す。
【0113】
なお、実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
【0114】
図13において、実施の形態1と相違する点は、実施の形態1の構成に加え、高発熱検出部35aに第2の高発熱温度検出素子1c、低発熱検出部35bに第2の低発熱温度検出素子2cを設置した点である。以下詳細を述べる。
【0115】
図13において1cは第2の高発熱温度検出素子、2cは第2の低発熱温度検出素子であり、この素子には実施の形態1と同様にサーミスタを用いており、その構造は図2に示している。
【0116】
第2の高発熱温度検出素子1c、第2の低発熱温度検出素子2cの構成は実施の形態1の場合と同様であり、図13に示すようにそれぞれの検出素子を乾燥空気中において無孔ケース11bで被い、無孔ケース11bと台座9とをプロジェクション溶接により接合し封止した構成であり、これにより第2の高発熱温度検出素子1c、第2の低発熱温度検出素子2cの両端電圧は被検出ガスにより変化することはなく、ガス検出器内部の温度に応じた電圧を出力する。詳細は後述するが、このようにそれぞれの検出部35a、35bに2つの温度検出素子1b、2b、1c、2cを設置することで広い温度範囲において高精度にガス濃度を検出できるという効果が得られる。
【0117】
次に、本実施の形態2のガス検出器の動作について説明する。
【0118】
図14は本発明の実施の形態2におけるガス検出器の概略回路図である。図15は本発明の実施の形態2におけるガス検出器の湿度特性であり、(a)は高発熱検出部35aの水素濃度感度補正後の出力を、(b)は低発熱検出部35bの水素濃度感度補正後の出力を、(c)はこれらから得られたそれぞれの出力の差である湿度出力を示している。図16は本発明の実施の形態2におけるガス検出器の補正計算後の出力特性図であり、図16(a)は水素濃度特性を、図16(b)は絶対湿度出力特性をそれぞれ示す。
【0119】
図14において、高発熱ガス検出素子1aと第2の高発熱温度検出素子1cと220Ωの固定抵抗40aは直列に接続されガス検出回路部38aを形成しており、高発熱温度検出素子1bの両端には75Ωと220Ωの固定抵抗40b、40cが直列に接続された周囲温度検出回路部37aを形成している。同様に低発熱ガス検出素子2aと第2の低発熱温度検出素子2cと500Ωの固定抵抗40dは直列に接続されガス検出回路部38bを形成しており、低発熱温度検出素子2bの両端には320Ωと500Ωの固定抵抗40e、40fが直列に接続された周囲温度検出回路部37bを形成している。ここで、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1bおよび第2の高発熱温度検出素子1cの発熱温度が約190℃、低発熱ガス検出素子2a、低発熱温度検出素子2bおよび第2の低発熱温度検出素子2cの発熱温度が約140℃となるように制御を行っている。
【0120】
また、回路には直流電源31が接続され電源電圧として15Vを供給した。
【0121】
ここで、発熱温度一定化の制御について説明する。本実施の形態2では高発熱検出部35aの3つの検出素子1a、1b、1cと低発熱検出部35bの3つの検出素子2a、2b、2cの乾燥空気中での発熱温度を周囲温度によらずほぼ一定になるように制御している。
【0122】
高発熱検出部35aの3つの検出素子1a、1b、1cの発熱温度を一定化させるための制御は293kΩと100kΩと100kΩの固定接点40g、40h、40iを直列に接続した高発熱検出部35aの素子抵抗一定化回路部36aの100kΩの固定抵抗40iの両端電圧からなる制御電圧に対し、高発熱温度検出素子1bの両端に直列に接続された75Ωと220Ωの固定抵抗40b、40cからなる周囲温度検出回路部37aの75Ωの固定抵抗40bの両端電圧からなる被制御電圧が同様になるようにオペアンプおよびトランジスタ等を介し素子抵抗一定化回路部36a、高発熱ガス検出素子1aと第2の高発熱温度検出素子1cに直列に220Ωの固定抵抗40aが接続されたガス検出回路部38a、基準電圧回路部39aおよび周囲温度検出回路部37aへの印加電圧を周囲温度の変動に対し制御し、高発熱ガス検出素子1a、高発熱温度検出素子1bおよび第2の高発熱温度検出素子1cの抵抗値を常に一定とする回路構成とした。
【0123】
また同様に、低発熱検出部35b側の3つの検出素子2a、2b、2cの発熱温度を一定化させるための制御は156kΩと100kΩと100kΩの固定抵抗40j、40k、40lを直列に接続した低発熱検出部35bの素子抵抗一定化回路部36bの100kΩの固定抵抗40lの両端電圧からなる制御電圧に対し、低発熱温度検出素子2bの両端に直列に接続された320Ωと500Ωの固定抵抗40e、40fからなる周囲温度検出回路部37bの320Ωの固定抵抗40eの両端電圧からなる被制御電圧が同様になるようにオペアンプおよびトランジスタ等を介し素子抵抗一定化回路部36b、低発熱ガス検出素子2aと第2の低発熱温度検出素子2cに直列に500Ωの固定抵抗40dが接続されたガス検出回路部38b、基準電圧回路部39bおよび周囲温度検出回路部37bへの印加電圧を周囲温度の変動に対し制御し、低発熱ガス検出素子2a、低発熱温度検出素子2bおよび第2の低発熱温度検出素子2cの抵抗値を常に一定とする回路構成とした。
【0124】
これにより、それぞれの検出素子の周辺温度はおよそ一定に保たれるため、被検出ガスの熱伝導率の温度による変化が低減され、ガス濃度を高精度に検出でき、かつ検出器の起動直後からそれぞれの検出素子の自己発熱温度を一定に制御するため起動時間が短縮できるという効果が得られる。
【0125】
次に、それぞれの検出部35a、35bのガス出力を得るための信号処理について述べる。
【0126】
高発熱検出部35aにおけるガス出力を得るための信号処理は293kΩと100kΩより小さな値の固定抵抗40m、40nと100kΩの固定抵抗40oおよび可変抵抗器40pを直列に接続した基準電圧を出力する基準電圧回路部39aの100kΩの固定抵抗40oの両端電圧からなる基準電圧に対し、高発熱ガス検出素子1aと第2の高発熱温度検出素子1cと220Ωの固定抵抗40aを直列に接続したガス検出回路部38aの第2の高発熱温度検出素子1cの両端電圧からなるガス検出出力電圧との電位差を求める信号処理を行っている。水素、湿度が存在しない空気中で基準電圧とガス検出出力電圧に差が発生した場合には、可変抵抗器40pの抵抗値調節により差をゼロとするように調節する。
【0127】
また同様に、低発熱検出部35bでのガス出力を得るための信号処理は156kΩと100kΩより小さな値の固定抵抗40q、40rと100kΩの固定抵抗40sおよび可変抵抗器40tを直列に接続した基準電圧を出力する基準電圧回路部39bの100kΩの固定抵抗40sの両端電圧からなる基準電圧に対し、低発熱ガス検出素子2aと第2の低発熱温度検出素子2cと500Ωの固定抵抗40dを直列に接続したガス検出回路部38bの第2の低発熱温度検出素子2cの両端電圧からなるガス検出出力電圧との電位差を求める信号処理を行っている。水素、湿度が存在しない空気中で基準電圧とガス検出出力電圧に差が発生した場合には、可変抵抗器40tの抵抗値調節により差をゼロとするように調節する。
【0128】
以上のような信号処理により、それぞれのガス検出素子1a、2aおよびそれぞれの第2の温度検出素子1c、2cのそれぞれの発熱特性の各温度における比はほとんど同様であるため、ガス検出出力電圧の周囲温度変化による変動は非常に小さく抑えられる。従って、水素、湿度が存在しない空気中において、周囲温度の変化に対し基準電圧とガス検出出力電圧の電位差の変化も小さく抑えられ高精度な検出ができるという効果が得られる。
【0129】
以上の信号処理で得られた高発熱検出部35aおよび低発熱検出部35bのそれぞれのガス出力およびそれぞれの温度検出素子1b、1c、2b、2cの両端電圧値はマイクロコンピュータ32に入力される。マイクロコンピュータ32は本実施の形態1と同様の演算を行い、水素濃度、湿度、温度をそれぞれ出力する。
【0130】
図15に80℃の周囲温度条件下における湿度特性の評価結果を示す。横軸に絶対湿度を示しており、図中の(a)は高発熱検出部35aのガス出力を水素に関する感度の温度補正の考えに基づいて補正した出力、つまり水素検出精度に対する誤差(以下、湿度オフセットと呼ぶ)を示す。同様に、図15中の(b)に低発熱検出部35bのガス出力を補正して得られた湿度オフセットを示す。
【0131】
また、図15中の(c)にこれらの得られた高発熱検出部35aの湿度オフセットから低発熱検出部35bの湿度オフセットを差し引いた値である湿度出力を示している。図15より同一の絶対湿度条件下にかかわらず、高発熱検出部35aの湿度オフセットおよび低発熱検出部35bの湿度オフセットに違いが生じる。これは湿気が存在する場合、発熱温度が違うそれぞれのガス検出素子の近傍での水蒸気の熱伝導率に差が発生し、結果としてガス検出素子の熱伝導特性に違いが現れるためである。
【0132】
この高発熱検出部35aの湿度オフセットから低発熱検出部35bの湿度オフセットを差し引いた値である湿度出力は、図15より絶対湿度に比例することがわかる。従って、実施の形態1と同様に絶対湿度に比例し湿度出力として使用できる。この湿度出力を得ることによって湿度オフセットを補正できるとともに、絶対湿度の算出が可能となる。
【0133】
本実施の形態2によるガス検出器の出力例を図16(a)、図16(b)に示す。実験方法は実施の形態1と同様である。
【0134】
水素濃度出力結果を図16(a)に示す。横軸は測定の経過時間(秒)で900、300、300、480、480、480、480秒経過後に水素濃度を切り替えている。縦軸は高発熱検出部35aのガス出力、低発熱検出部35bのガス出力およびそれぞれの温度検出素子1b、2bもしくはそれぞれの第2の温度検出素子1c、2cの両端電圧から上記の計算手法に基づいて計算した水素濃度計算値(%)である。図よりガス切り替えにより極めて応答性よく水素濃度が変化しており、精度も良好であることが確認された。
【0135】
次に、湿度出力結果を図16(b)に示す。横軸は図16(a)と同様に測定の経過時間(秒)であり、前述の水素濃度計測と同様のタイミングで水素ガス濃度を切り替えている。また、縦軸は水素濃度相当の絶対湿度出力である。図16(a)に示したように測定中に水素濃度が大きく変わっているにもかかわらず、湿度出力は変動がなく、水素濃度に影響されずに精度よく絶対湿度のみを出力することが確認された。また、ガス検出器の近傍に設けた湿度計測器で測定した被検出ガスの絶対湿度と同等の結果も得られ、後述するように自動車の乗車空間内のエアコン制御等に用いる場合は十分な精度が得られることも確認された。
【0136】
以上の結果から、本実施の形態2のガス検出器も実施の形態1と同様に水素濃度と湿度を独立して精度よく検出できることが明確化された。
【0137】
【発明の効果】
以上のように本発明は温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり、被検出ガスにさらされる高発熱ガス検出素子および乾燥空気中の無孔ケース内に封止され、前記高発熱ガス検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした高発熱温度検出素子からなる高発熱検出部と、温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり、被検出ガスにさらされる低発熱ガス検出素子および乾燥空気中の無孔ケース内に封止され、前記低発熱ガス検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした低発熱温度検出素子からなる低発熱検出部を有し、前記高発熱検出部の高発熱ガス検出素子および高発熱温度検出素子の自己発熱温度と前記低発熱検出部の低発熱ガス検出素子および低発熱温度検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度を異なる温度とした構成であり、それぞれの前記ガス検出素子が水素濃度、湿度および周囲温度に応じて変化する抵抗値と、それぞれの前記温度検出素子が周囲温度に応じて変化する抵抗値をそれぞれ水素濃度、湿度に応じて変化する電気的なガス出力に変換し、それぞれの前記検出部から得られる前記ガス出力をあらかじめ既知の水素濃度から求めた水素感度換算係数で規格化し、それぞれの前記規格化出力の差から得られる湿度出力を求め、あらかじめ既知の湿度環境下における前記湿度出力と湿度に応じて変化するそれぞれの前記規格化出力から得られる湿度補正量の相関から得られる湿度補正式で前記規格化出力を補正して水素濃度および湿度を出力する構成であり、自己発熱温度の異なる2組の検出部を用いることで、自己発熱温度が違うそれぞれの検出素子の近傍における水蒸気の熱伝導率に差が発生することで、それぞれの検出素子の出力に差が発生し絶対湿度と一次の相関のある湿度出力が得られる。さらにその湿度出力を用い湿度補正量の演算を行い水素濃度を求めることで、簡単な手法で湿気があっても水素濃度と湿度をそれぞれ区別して検出できるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1におけるガス検出器の概略構造を説明するための断面図
(b)本発明の実施の形態1におけるガス検出器のA−Aでの断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるガス検出器の検出素子および温度検出手段であるサーミスタの概略断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるガス検出器の検出部の組立方法を説明するための概略斜視図
【図4】本発明の実施の形態1におけるガス検出器の配管への取り付け方法を説明するための概略断面図
【図5】本発明のガス検出器を燃料電池システムに取り付けた際の形態を説明するための概略ブロック図
【図6】本発明のガス検出器を用いた燃料電池自動車の概略構造を示す図
【図7】本発明の実施の形態1におけるガス検出器の回路構成を説明するための概略回路図
【図8】(a)、(b)本発明の実施の形態1におけるガス検出器の乾燥空気下での水素濃度出力特性図
【図9】本発明の実施の形態1におけるガス検出器の湿度出力特性図
【図10】(a)、(b)本発明の実施の形態1におけるガス検出器の補正計算後の出力特性図
【図11】本発明におけるガス検出器を用いた燃料電池システムにおける同検出器出力による動作制御サブルーチンを表すフローチャート
【図12】本発明のガス検出器を用いた自動車における同検出器出力による動作制御サブルーチンを表すフローチャート
【図13】(a)本発明の実施の形態2におけるガス検出器の概略構造を説明するための断面図
(b)本発明の実施の形態2におけるガス検出器のA−Aでの断面図
【図14】本発明の実施の形態2におけるガス検出器の回路構成を説明するための概略回路図
【図15】本発明の実施の形態2におけるガス検出器の湿度出力特性図
【図16】(a)、(b)本発明の実施の形態2におけるガス検出器の補正計算後の出力特性図
【符号の説明】
1a 高発熱ガス検出素子
1b 高発熱温度検出素子
1c 第2の高発熱温度検出素子
2a 低発熱ガス検出素子
2b 低発熱温度検出素子
2c 第2の低発熱温度検出素子
4 サーミスタ素体
5 電極
6 リード線
7 ガラス層
8 サーミスタ
9 台座
10 ピン
11a 有孔ケース
11b 無孔ケース
15 回路基板
16 容器
17 ガス導入口
18 フィルター
23 取出しケーブル
24 容器フタ
25 耐湿樹脂
26 ネジ部
27 配管
28 取付部
29a〜29j、29l、29m 固定抵抗
29k、29n 可変抵抗器
31 直流電源
32 マイクロコンピュータ
33 熱結合体
34 ヒータ
35a 高発熱検出部
35b 低発熱検出部
36a、36b 素子抵抗一定化回路部
37a、37b 周囲温度検出回路部
38a、38b ガス検出回路部
39a、39b 基準電圧回路部
40a〜40o、40q〜40s 固定抵抗
40p、40t 可変抵抗器
51 水素タンク
52 遮断弁
53 水素加湿器
54、110 燃料電池スタック
55 コンプレッサ
56 空気加湿器
57 燃料電池制御回路
58 筐体
59 警報器
60 換気扇
101 本体
102 乗車空間
103 水素タンク収納空間
104 駆動手段収納空間
105 床下空間
106 タンク
107 外側タンク
108 内側タンク
109 モーター
111 タイヤ
112 ハンドル
113 ガス検出器

Claims (23)

  1. 温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり被検出ガスにさらされる高発熱ガス検出素子および乾燥空気中の無孔ケース内に封止され前記高発熱ガス検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした高発熱温度検出素子からなる高発熱検出部と、温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり被検出ガスにさらされる低発熱ガス検出素子および乾燥空気中の無孔ケース内に封止され前記低発熱ガス検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした低発熱温度検出素子からなる低発熱検出部を有し、前記高発熱検出部の高発熱ガス検出素子および高発熱温度検出素子の自己発熱温度と前記低発熱検出部の低発熱ガス検出素子および低発熱温度検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度を異なる温度とした構成であり、それぞれの前記ガス検出素子が水素濃度、湿度および周囲温度に応じて変化する抵抗値と、それぞれの前記温度検出素子が周囲温度に応じて変化する抵抗値をそれぞれ水素濃度、湿度に応じて変化する電気的なガス出力に変換し、それぞれの前記検出部から得られる前記ガス出力をあらかじめ既知の水素濃度から求めた水素感度換算係数で規格化し、それぞれの前記規格化出力の差から得られる湿度出力を求め、あらかじめ既知の湿度環境下における前記湿度出力と湿度に応じて変化するそれぞれの前記規格化出力から得られる湿度補正量の相関から得られる湿度補正式で前記規格化出力を補正して水素濃度および湿度を出力するガス検出器。
  2. 低発熱検出部の2つの素子と高発熱検出部の2つの素子の乾燥空気中での発熱温度を周囲温度によらずほぼ一定になるように制御した請求項1に記載のガス検出器。
  3. それぞれの検出部の2つの素子の発熱温度を一定化させるための制御は抵抗が2つ以上直列に接続され発熱温度を一定化させるための制御電圧を出力する低発熱検出部および高発熱検出部のそれぞれの素子抵抗一定化回路部のそれぞれの制御電圧に対し、それぞれの温度検出素子に直列に抵抗が接続されたそれぞれの検出部の周囲温度検出回路部のそれぞれの被制御電圧が同様になるようにそれぞれの素子抵抗一定化回路部および周囲温度検出回路部へのそれぞれの印加電圧を制御する請求項2に記載のガス検出器。
  4. それぞれの検出部のガス出力はそれぞれの検出部に2つ以上の抵抗および可変抵抗が直列に接続され基準電圧を出力する基準電圧回路部の基準電圧とそれぞれのガス検出素子に直列に抵抗が接続されたガス検出回路部のガス検出出力電圧との電位差により求める請求項3に記載のガス検出器。
  5. 周囲温度により変化するそれぞれの水素感度換算係数はそれぞれの温度検出素子の出力と各種周囲温度環境下における水素感度換算係数の相関から得られる感度補正式で補正する請求項1に記載のガス検出器。
  6. 高発熱検出部に温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり乾燥空気中の無孔ケース内に封止され乾燥空気中での高発熱ガス検出素子の自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした第2の高発熱温度検出素子と、低発熱検出部に温度により抵抗値が変化する抵抗体からなり乾燥空気中の無孔ケース内に封止され乾燥空気中での低発熱ガス検出素子の自己発熱温度とほぼ同等の発熱温度とした第2の低発熱温度検出素子を有し、前記高発熱検出部の高発熱ガス検出素子、高発熱温度検出素子および第2の高発熱温度検出素子の自己発熱温度と前記低発熱検出部の低発熱ガス検出素子、低発熱温度検出素子および第2の低発熱温度検出素子の乾燥空気中での自己発熱温度を異なる温度とした構成であり、それぞれの前記ガス検出素子が水素濃度、湿度および周囲温度に応じて変化する抵抗値と、それぞれの前記温度検出素子およびそれぞれの前記第2の温度検出素子が周囲温度に応じて変化する抵抗値をそれぞれ水素濃度、湿度に応じて変化する電気的なガス出力に変換し、それぞれの前記検出部から得られる前記ガス出力をあらかじめ既知の水素濃度から求めた水素感度換算係数で規格化し、それぞれの前記規格化出力の差から得られる湿度出力を求め、あらかじめ既知の湿度環境下における前記湿度出力と湿度に応じて変化するそれぞれの前記規格化出力から得られる湿度補正量の相関から得られる湿度補正式で前記規格化出力を補正して水素濃度および湿度を出力する請求項1に記載のガス検出器。
  7. 低発熱検出部の3つの素子と高発熱検出部の3つの素子の乾燥空気中での発熱温度は周囲温度によらずほぼ一定になるように制御した請求項6に記載のガス検出器。
  8. それぞれの検出部の3つの素子の発熱温度を一定化させるための制御は抵抗が2つ以上直列に接続され発熱温度を一定化させるための制御電圧を出力する低発熱検出部および高発熱検出部のそれぞれの素子抵抗一定化回路部のそれぞれの制御電圧に対し、それぞれの温度検出素子に直列に抵抗が接続されたそれぞれの検出部の周囲温度検出回路部のそれぞれの被制御電圧が同様になるようにそれぞれの素子抵抗一定化回路部および周囲温度検出回路部へのそれぞれの印加電圧を制御する請求項7に記載のガス検出器。
  9. それぞれの検出部のガス出力はそれぞれの検出部に2つ以上の抵抗および可変抵抗が直列に接続され基準電圧を出力する基準電圧回路部の基準電圧とそれぞれのガス検出素子に直列にそれぞれの第2の温度検出素子が接続されたガス検出回路部のガス検出出力電圧の電位差により求める請求項8に記載のガス検出器。
  10. 周囲温度により変化するそれぞれの水素感度換算係数はそれぞれの温度検出素子、もしくはそれぞれの第2の温度検出素子の出力と各種周囲温度環境下における水素感度換算係数の相関から得られる感度補正式で補正する請求項6に記載のガス検出器。
  11. 高発熱検出部のそれぞれの検出素子と低発熱検出部のそれぞれの検出素子の形状を同一とした請求項1または6に記載のガス検出器。
  12. 高発熱ガス検出素子および低発熱ガス検出素子を有孔ケース内に設置した請求項1または6に記載のガス検出器。
  13. それぞれの検出部のそれぞれの検出素子の周囲に配置されたそれぞれのケースの一部を直接、もしくは熱結合体を介して接合させた請求項12に記載のガス検出器。
  14. それぞれの検出部のそれぞれの検出素子にサーミスタを用いた請求項1または6に記載のガス検出器。
  15. それぞれの検出部のそれぞれのサーミスタをガラスで封止した請求項14に記載のガス検出器。
  16. 低発熱検出部のそれぞれの検出素子と高発熱検出部のそれぞれの検出素子の発熱温度の差を10℃以上とした請求項1または6に記載のガス検出器。
  17. 低発熱検出部のそれぞれの検出素子の発熱温度を100℃以上とした請求項1または6に記載のガス検出器。
  18. それぞれの検出部のそれぞれの検出素子の近傍にヒータを設置した請求項1または6に記載のガス検出器。
  19. ガス導入口には焼結金属フィルターが設けられた請求項1または6に記載のガス検出器。
  20. 請求項1から19のいずれか1つに記載のガス検出器をガス導入口が大地方向になるように配置した燃料電池システム。
  21. 請求項1から19のいずれか1つに記載のガス検出器をガス導入口が配管本流より上方に配置された請求項20に記載の燃料電池システム。
  22. 請求項1から19のいずれか1つに記載のガス検出器を燃料電池が収納された筐体の一部または燃料電池スタックの空気極側出口配管の一部に設け、前記燃料電池からの水素ガス漏洩を前記ガス検出器で検知すると警報を発するとともに前記筐体内の換気を行い、前記燃料電池を停止するように制御する燃料電池システム。
  23. 請求項1から19のいずれか1つに記載のガス検出器を乗車空間の上部に配置し、前記ガス検出器の湿度出力および温度出力をもとに前記乗車空間が最適な温湿度になるように前記乗車空間の一部に設けたエアコンを制御するとともに、前記ガス検出器の水素濃度出力から前記乗車空間内の水素濃度が既定値以上であれば警報を発するとともに前記乗車空間内の換気を行い水素供給源を遮断するように制御する自動車。
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