JP2004170078A - フローセンサ及び流量計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板の表面に薄膜状のブリッジ部を形成して基板の空隙部の上でブリッジ部を宙空支持させる。ブリッジ部の表面には、発熱用ヒータ及び測温体を設ける。演算処理部のメモリには、初期状態における測温体の計測温度及び計測対象となる流体の流量の関係(出力特性)が記憶されている。フローセンサは、使用時における流量ゼロの時の測温体の計測温度を検出すると、初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を求め、この計測温度の比を測温体の出力に乗じて測温体の出力を補正し、測温体出力の補正値と前記記憶手段に記憶されている関係に基づいて流体の流量を求める。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フローセンサ及び流量計測方法に関し、特にゴミ付着等によるフローセンサの特性変化に対する対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平7−333017号公報
【0003】
従来構造のフローセンサ1の概念図を図1及び図2に示す。ここで、図2は図1のX1−X1線断面を表している。ただし、図1ではヒーターや測温体を露出させた状態で表しており、図2ではその上を保護膜10等で覆った状態で表している。このフローセンサ1にあっては、シリコン基板2の上面に凹状の空隙部3を形成し、この空隙部3を覆うようにしてシリコン基板2の上面に絶縁薄膜4を設け、この絶縁薄膜4の一部によって空隙部3の上に薄膜状のブリッジ部5を形成している。このブリッジ部5は空隙部3内の空間(空気)によってシリコン基板2と断熱されている。ブリッジ部5の表面においては、その中央部にヒータ6を設け、ヒータ6を挟んで対称な位置にそれぞれ測温体7、8を設けている。熱感知用の測温体7、8は、例えば鉄とニッケルの合金からなる薄膜抵抗が用いられており、温度による抵抗値の変化を利用して温度を測定することができる。ブリッジ部5の外側における絶縁薄膜4の表面には、周囲温度測温抵抗体9を設けている。さらに、ヒータ6、測温体7、8及び周囲温度測温抵抗体9を覆うようにしてシリコン基板2は保護膜10で被覆されている。
【0004】
フローセンサ1は、図3に示すように流体の流れ(図3では、流体の流れる方向を矢印で示している。)が生じる流路に置かれ、ヒータ6に電流を流して発熱させながら測温体7、8の出力が監視される。すなわち、周囲温度測温抵抗体9は、周囲温度Tatmを測定しており、ヒータ6は、どのような流体流量の場合でも、周囲温度測温抵抗体9で測定されている周囲温度Tatmよりも一定温度だけ高い温度で発熱するように制御されている。いま、
V: 流体の質量流量
Cu0: 測温体7の熱容量
Cd0: 測温体8の熱容量
Tu(V): 流体の質量流量がVであるときの測温体7の温度
Td(V): 流体の質量流量がVであるときの測温体8の温度
Qu(V): 質量流量がVであるときに測温体7に供給されるエネルギー
Qd(V): 質量流量がVであるときに測温体8に供給されるエネルギー
と定義する。ここで、流体の質量流量(以下、単に流量という。)がVであるときに測温体7又は8に供給されるエネルギーQu(V)、Qd(V)とは、測温体7又は8の温度が周囲温度Tatmに等しいとき(例えば、ヒータ6がオフのとき)を出発点として、ヒータが周囲温度Tatmよりも一定温度だけ高い温度で発熱していて流量がVの流体がフローセンサ1を通過している状態で(準)平衡状態に達するまでに、測温体7又は8に供給されたエネルギー[=(吸熱されたエネルギー)−(放熱されたエネルギー)]を指す。
【0005】
流体が流れていない無風時(すなわち、V=0のとき)を考えると、次の(1)式及び(2)式が成り立つ。なお、流量Vがゼロのときの測温体7、8の温度Tu(0)、Td(0)と周囲温度Tatmとの温度差ΔTu0(0)、ΔTd0(0)を以下においては、オフセット温度という。
ΔTu0(0)≡ Tu(0)−Tatm = Qu(0)/Cu0 …(1)
ΔTd0(0)≡ Td(0)−Tatm = Qd(0)/Cd0 …(2)
また、流量Vで流体が流れている有風時を考えると、次の(3)式及び(4)式が成り立つ。
ΔTu(V)≡ Tu(V)−Tatm = Qu(V)/Cu0 …(3)
ΔTd(V)≡ Td(V)−Tatm = Qd(V)/Cd0 …(4)
よって、上記(3)式と(1)式との差をとることにより、次の(5)式が得られる。
ΔTu(V)=[Qu(V)−Qu(0)]/Cu0+ΔTu0(0) …(5)
また、上記(4)式と(2)式との差をとることにより、次の(6)式が得られる。
ΔTd(V)=[Qd(V)−Qd(0)]/Cd0+ΔTd0(0) …(6)
【0006】
ここで、流量がVであるときに測温体8に供給されるエネルギーQd(V)は、例えば図4に示すような曲線で表されるので、上記(5)式に従って下流側の測温体8の周囲温度に対する温度変化ΔTd(V)と流体の流量Vとの関係を図示すると、熱容量Cd0とオフセット温度ΔTd0(0)が既知であるとして、図5(a)のような出力特性で表される。また、上記(6)式に相当する、上流側の測温体7の周囲温度に対する温度変化ΔTu(V)と流体の流量Vとの関係を図示すると、熱容量Cu0とオフセット温度ΔTu0(0)が既知であるとして、例えば図5(b)のような出力特性で表される。これらの温度変化ΔTu(V)を表す初期出力特性と温度変化ΔTd(V)を表す初期出力特性とは、フローセンサ1の演算処理部のメモリ内に記憶されている。従って、測温体8の測定温度Td(V)と周囲温度測温抵抗体9の測定した周囲温度Tatmとから周囲温度に対する温度変化ΔTd(V)を演算すれば、図5(a)の初期出力特性を用いて流量Vの値を求めることができる。同様に、測温体7の測定温度Tu(V)と周囲温度測温抵抗体9の測定した周囲温度Tatmとから周囲温度に対する温度変化ΔTu(V)を演算すれば、図5(b)の初期出力特性を用いて流量Vの値を求めることができる。このようにして図5(a)又は(b)のいずれか一方の初期出力特性を用いれば、ΔTd(V)の値又はΔTu(V)の値から流体の流量Vを求めることができる。あるいは、図5(a)(b)の両出力特性から流量Vを求めて平均値を演算してもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
フローセンサが使用される環境下では、流体にゴミやホコリなどのダストが含まれているのが普通である。このようなダストSが、図3に示すように測温体7や測温体8に付着すると、測温体7の熱容量が初期の熱容量Cu0よりも増加してCuc(>Cu0)となり、また、測温体8の熱容量も初期の熱容量Cd0よりも増加してCdc(>Cd0)となる。ダストSが付着しても、測温体7、8に供給されるエネルギーQu(V)、Qd(V)と流量Vとの関係にはほとんど変化が無いと考えてよいので、測温体7、8にダストSが付着すると、上記(5)式及び(6)式は、次の(7)式及び(8)式となる。
ΔTu(V)=[Qu(V)−Qu(0)]/Cuc+ΔTuc(0) …(7)
ΔTd(V)=[Qd(V)−Qd(0)]/Cdc+ΔTdc(0) …(8)
ただし、
ΔTuc(0)=Qu(0)/Cuc …(9)
ΔTdc(0)=Qd(0)/Cdc …(10)
【0008】
従って、例えば下流側の測温体8の温度変化ΔTd(V)と流体の流量Vとの関係は、ダストSの付着量が増加して測温体8の熱容量Cdcが大きくなるにつれて、図6に示すように温度変化ΔTd(V)を表す出力特性は初期出力特性から次第に下方へ移動すると共に勾配が小さくなる。また、流量V=0のときのオフセット温度ΔTdc(0)=Qd(0)/Cdcも熱容量Cdcが大きくなるほど小さくなる。
【0009】
しかしながら、従来のフローセンサ1では、ダスト付着等による出力特性の変化に対しては何ら考慮されておらず、何ら補正手段を有していなかった。この結果、測温体8にダストSが付着して測温体8の熱容量がCdcとなり、測温体8の特性が図6に表されている
ΔTd(V)=[Qd(V)−Qd(0)]/Cdc+ΔTdc(0)
の曲線のように変化したとすると、計測値ΔTd(V)=αに対する実際の流量の値はV=βとなる。しかし、従来のフローセンサ1では、メモリ内に記憶している初期出力特性に基づいて流速を求めるので、ΔTd(V)=αに対してフローセンサ1で演算される流量は図6に示すようにV=γとなる。このように、従来のフローセンサ1では、ダスト付着等によって、出力される流量の値と実際の流量との間に誤差を生じるという問題があった。かかる問題点は、測温体7における図5(b)のような出力特性についても同様であった。
【0010】
なお、特開平7−333017号公報(特許文献1)には、遮蔽弁を用いて出力特性のゼロ点を補正する方法が開示されている。しかし、このような方法では流量がゼロの点を補正しているだけで、出力特性のプロファイルの変化に対しては何ら補正が行われておらず、また、実際の出力特性は、前記公報に開示されているように直線ではない。従って、図7に示すように、ダスト付着後の出力特性D1のオフセット温度ΔTdc(0)が、メモリに記憶されている初期特性D0のオフセット温度ΔTd0(0)と一致するように補正して、その出力特性D1を出力特性D2までシフトさせたとしても、図7に斜線を施して示した分だけ誤差として残り、十分に誤差を補正することができなかった。
【0011】
【発明の開示】
本発明は上記の従来例の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測温体の測定温度と流体の流量との関係を表す出力特性の、ダスト付着等による誤差をより正確に補正することができるフローセンサと流量計測方法を提供することにある。
【0012】
本発明にかかるフローセンサは、基板の表面で宙空支持された薄膜状のブリッジ部と、前記ブリッジ部に設けられた発熱用ヒータ及び測温体と、初期状態における前記測温体の計測温度及び計測対象となる流体の流量の関係を記憶した記憶手段とを備えたフローセンサにおいて、初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を用いて前記測温体の出力を補正し、前記測温体の出力の当該補正値と前記記憶手段に記憶されている関係に基づいて流体の流量を求めることを特徴としている。ここで、測温体の計測温度としては、温度そのものを用いるよりも、周囲温度(室温)との差を用いるのが望ましい。
【0013】
本発明にかかるフローセンサにあっては、初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を算出しているので、これによってダストの付着等による測温体の熱容量の変化比率を見積もることができ、この計測温度の比を用いて測温体の計測温度を補正することにより計測した温度を初期状態における計測温度に変換することができ、正確に流体流量を算出することができる。
【0014】
本発明にかかるフローセンサの実施態様は、前記測温体が第1の測温体と第2の測温体からなり、両測温体は前記ヒータを挟んで両側に配置されており、少なくとも一方の測温体の計測温度に基づいて前記補正を行うようにしたことを特徴としている。
【0015】
この実施態様は、ヒータを挟んで2つの測温体を備えているので、2つの測温体のうちいずれの測温体の側から流体が流れ込んできても、測温体の出力を補正して正確に流体流量を求めることができる。
【0016】
本発明にかかるフローセンサの別な実施態様は、その初期状態における流量ゼロのときの計測温度の値よりも小さな温度が前記測温体により計測された時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の前記測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴としている。
【0017】
この別な実施態様によれば、測温体の計測温度が、初期状態における流量ゼロのときの計測温度の値よりも小さくなった場合には、流体の流量がゼロなったと判定し、そのときの測温体の計測温度を流量がゼロのときの値であるとみなしているので、流体の流れを強制的に停止させることなく、流量がゼロのときの計測温度を求めることができる。当該実施態様は、ダストの付着等による測温体の出力特性の変化が緩やかな場合に適している。
【0018】
本発明にかかるフローセンサのさらに別な実施態様は、使用時点における流量ゼロのときの計測温度の値よりも小さな温度が前記測温体により計測された時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の前記測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度として更新するようにしたことを特徴としている。
【0019】
このさらに別な実施態様によれば、測温体の計測温度が、使用状態における流量ゼロのときの計測温度の値よりも小さくなった場合には、流体の流量がゼロなったと判定し、そのときの測温体の計測温度を流量がゼロのときの値であるとみなしているので、流体の流れを強制的に停止させることなく、流量がゼロのときの計測温度を求めることができる。当該実施態様は、ダストの付着等による測温体の出力特性の変化が比較的急速である場合にも適切に補正することができる。
【0020】
本発明にかかるフローセンサのさらに別な実施態様は、前記ヒータの発熱温度が、流体の流量がゼロのときのヒータの発熱温度にほぼ等しい時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の前記測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴としている。
【0021】
このさらに別な実施態様によれば、発熱用のヒータの発熱温度を監視し、その発熱温度が流体流量がゼロの時の発熱温度に等しいことをもって流体流量がゼロであることを検出することができ、簡単な手段で流体流量がゼロとなった時を検出し、流量がゼロのときの測温体の計測温度を求めることができる。
【0022】
本発明にかかるフローセンサのさらに別な実施態様は、前記の第1番目の実施態様において、その初期状態における流量ゼロのときの計測温度よりも小さな温度が前記第1及び第2の測温体のそれぞれにおいて計測された時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の各測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴としている。
【0023】
このさらに別な実施態様によれば、流体の流れる方向が反対向きに流れるような場合でも、流体流量がほぼゼロなったことを確実に検出することができるようになる。
【0024】
本発明にかかるフローセンサのさらに別な実施態様は、前記の第1番目の実施態様において、前記第1の測温体の計測温度と前記第2の測温体の計測温度とが等しくなった時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の各測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴としている。
【0025】
このさらに別な実施態様によれば、流体の流れる方向が反対向きに流れるような場合でも、流体流量がほぼゼロなったことを確実に検出することができ、しかも、簡単な方法で検出することができる。
【0026】
本発明にかかる流量計測方法は、発熱用のヒータと、流体の流量によって変化する周囲温度を計測するための測温体と、初期状態における前記測温体の計測温度及び計測対象となる流体の流量の関係を記憶した記憶手段とを用いた流量計測方法において、初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を前記測温体の出力に乗じて補正し、前記測温体の出力の当該補正値と前記記憶手段に記憶されている関係に基づいて流体の流量を求めることを特徴としている。ここで、測温体の計測温度としては、温度そのものを用いるよりも、周囲温度(室温)との差を用いるのが望ましい。
【0027】
本発明にかかる流量計測方法にあっては、初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を算出しているので、これによってダストの付着等による測温体の熱容量の変化比率を見積もることができ、この計測温度の比を用いて測温体の計測温度を補正することにより計測した温度を初期状態における計測温度に変換することができ、正確に流体流量を算出することができる。
【0028】
なお、この発明の以上説明した構成要素は、可能な限り組み合わせることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態によるフローセンサ11の構造を図8及び図9に示す。図9は図8のX2−X2線断面を表し、図8は保護膜20等を除去してサーモパイル17、18を露出させた状態の平面を表している。このフローセンサ11にあっては、シリコン基板12の上面に上方で広くなった凹状の空隙部13を形成し、この空隙部13を覆うようにしてシリコン基板12の上面にSiO2等からなる絶縁薄膜14を設け、この絶縁薄膜14の一部によって空隙部13の上に空中で支持された薄膜状のブリッジ部15を形成している。このブリッジ部15は空隙部13によってシリコン基板12と断熱されている。ブリッジ部15の表面においては、その中央部にポリシリコンからなるヒータ16を設け、ヒータ16を挟んで上流側と下流側の対称な位置にそれぞれ測温体としてサーモパイル17、18を設けている。また、ブリッジ部15の外側において、絶縁薄膜14の上に周囲温度感知用のポリシリコンからなる周囲温度測温抵抗体19を設けてあり、ヒータ16、サーモパイル17、18及び周囲温度測温抵抗体19を覆うようにしてシリコン基板12の上を保護膜20で覆っている。
【0030】
上記サーモパイル17、18はポリシリコン/アルミニウムからなる熱電対によって構成されており、ブリッジ部15の縁を横切るようにしてポリシリコンからなる第1の細線21とアルミニウムからなる第2の細線22が交互に、かつ平行に配線され、ブリッジ部15内における第1の細線21と第2の細線22の接続点によって温接点23の群が構成され、ブリッジ部15外における第1の細線21と第2の細線22の接続点によって冷接点24の群を構成している。また、ポリシリコンからなるヒータ16及び第1の細線21には、1.0×1019ions/cm3の燐(P)がドーピングされている。
【0031】
冷接点24は、ヒートシンクの役目をするシリコン基板12の上に位置しているので、気体に接触しても温度は変化しにくいが、温接点23はシリコン基板12から浮いたブリッジ部15の上に形成されているので、熱容量が小さく、気体に触れると敏感に温度が変化する。
【0032】
このフローセンサ11においては、サーモパイル17、18の温接点23及び冷接点24の数をそれぞれn個、流量(質量流量)Vで流体が通過しているときの温接点23の温度をそれぞれTu(V)、Td(V)、冷接点24の温度をTatm(周囲温度)とすると、サーモパイル17、18のそれぞれの出力電圧(両端間電圧)Vthermu、Vthermdは、次の(11)式及び(12)式で表される。
Vthermu=n・α(Tu(V)−Tatm) …(11)
Vthermd=n・α(Td(V)−Tatm) …(12)
ただし、αはゼーベック係数である。よって、サーモパイル17の出力電圧Vthermuを計測すれば、サーモパイル17の温接点23(上流側の測温体)の周囲温度に対する温度変化(以下、サーモパイル17の計測温度という。)ΔTu(V)は、次の(13)式で表される。
ΔTu(V)=Tu(V)−Tatm=Vthermu/(n・α) …(13)
同様に、サーモパイル18の出力電圧Vthermdを計測すれば、サーモパイル18の温接点23(下流側の測温体)の周囲温度に対する温度変化(以下、サーモパイル18の計測温度という。)ΔTd(V)は、次の(14)式で表される。
ΔTd(V)=Td(V)−Tatm=Vthermd/(n・α) …(14)
【0033】
なお、25、26及び27は、それぞれヒータ16、サーモパイル17及び18、周囲温度測温抵抗体19にワイヤボンディングするためのワイヤパッドである。
【0034】
このフローセンサ11にあっても、ヒータ16に電流を流して発熱させながら上流側及び下流側のサーモパイル17、18の出力が監視される。気体の流れていない無風時には、サーモパイル17の出力電圧とサーモパイル18の出力電圧とは等しいが、図8に矢印で示す方向に、上流側から下流側に向けて気体が移動していると、上流側のサーモパイル17の温接点23は冷却されて降温し、出力電圧が小さくなる。一方、気体によって運ばれる熱で下流側のサーモパイル18の温接点23は温度が上昇し、出力電圧が大きくなる。従って、上記(13)式及び(14)式に基づいて、両サーモパイル17、18の出力電圧値Vthermu、Vthermdからサーモパイル17、18の計測温度ΔTu(V)、ΔTd(V)を演算すれば、以下に説明するようにして流体の流量Vを計測することができる。
【0035】
つぎに、出力特性を補正することによって流体の流量Vを正確に計測する方法について説明する。ヒータ16は周囲温度Tatmよりも所定温度だけ高い温度で発熱しており、流体はサーモパイル17側からサーモパイル18側に向けて流量(質量流量)Vでフローセンサ11を通過していると仮定する。
ΔTu(V): サーモパイル17の計測温度
ΔTd(V): サーモパイル18の計測温度
Qu(V): 流量Vのときサーモパイル17に供給されるエネルギー
Qd(V): 流量Vのときサーモパイル18に供給されるエネルギー
Cu0: サーモパイル17の初期の熱容量
Cd0: サーモパイル18の初期の熱容量
とすると、ダストの付着がほとんど無いときのサーモパイル17、18の初期特性は、次の(15)式及び(16)式となる。この(16)式で表される初期特性は、図10に示される。この初期特性は、フローセンサ11の演算処理部のメモリに記憶されている。
ΔTu(V)=[Qu(V)−Qu(0)]/Cu0+ΔTu0(0) …(15)
ΔTd(V)=[Qd(V)−Qd(0)]/Cd0+ΔTd0(0) …(16)
ただし、ΔTu0(0)、ΔTd0(0)はサーモパイル17、18の初期特性のオフセット温度であって、
ΔTu0(0)=Qu(0)/Cu0 …(17)
ΔTd0(0)=Qd(0)/Cd0 …(18)
である。
【0036】
また、サーモパイル17、18にダストが付着して、それぞれの熱容量がCuc(>Cu0)、Cdc(>Cd0)になったときのサーモパイル17、18の特性は、次の(19)式及び(20)式となる。この(20)式で表される特性も、図10に示される。
ΔTu(V)=[Qu(V)−Qu(0)]/Cuc+ΔTuc(0) …(19)
ΔTd(V)=[Qd(V)−Qd(0)]/Cdc+ΔTdc(0) …(20)
ただし、ΔTuc(0)、ΔTdc(0)はサーモパイル17、18のダスト付着時の特性のオフセット温度であって、
ΔTuc(0)=Qu(0)/Cuc …(21)
ΔTdc(0)=Qd(0)/Cdc …(22)
である。
【0037】
上記(17)式及び(21)式からは、次の(23)式が得られる。
Cuc/Cu0=[ΔTu0(0)/ΔTuc(0)] …(23)
同様に、(18)式及び(22)式からは、次の(24)式が得られる。
Cdc/Cd0=[ΔTd0(0)/ΔTdc(0)] …(24)
従って、初期特性における熱容量Cu0、Cd0とオフセット温度ΔTu0(0)、ΔTd0(0)が既知であるとすれば、ダスト付着後のオフセット温度ΔTuc(0)及びΔTdc(0)を計測すれば、(23)式、(24)式により、そのときのサーモパイル17、18の熱容量の比(熱容量の補正値)Cuc(0)/Cu0(0)、Cdc(0)/Cd0(0)を求めることができる。
【0038】
つぎに、上記(19)式を変形すると、
(Cuc/Cu0)ΔTu(V)
=[Qu(V)−Qu(0)]/Cu0+ΔTu0(0) …(25)
が得られ、(20)式を変形すると、
(Cdc/Cd0)ΔTd(V)
=[Qd(V)−Qd(0)]/Cd0+ΔTd0(0) …(26)
が得られる。(25)式及び(26)式の右辺は、サーモパイル17、18のそれぞれの初期特性を表しているので、ダスト付着後のオフセット温度ΔTuc(0)又はΔTdc(0)を計測し、(23)式、(24)式によってサーモパイル17、18の熱容量の比Cuc(0)/Cu0(0)、Cdc(0)/Cd0(0)を求めた後、サーモパイル17による計測温度ΔTu(V)をCuc(0)/Cu0(0)倍し、あるいは、サーモパイル18による計測温度ΔTd(V)をCdc(0)/Cd0(0)倍し、メモリに格納されている各初期特性(例えば、図5(a)(b)に示したような初期特性)の曲線を用いて流量Vを算出すれば、正確に流量Vを計測することができる。これは、図7に示されているダスト付着後の出力特性D1を初期特性D0に一致するように補正することに相当している。
【0039】
上記補正方法においては、ダスト付着後のオフセット温度ΔTuc(0)、ΔTdc(0)から熱容量の比Cuc(0)/Cu0(0)、Cdc(0)/Cd0(0)を求めているので、オフセット温度ΔTuc(0)、ΔTdc(0)を求める方法が重要になる。オフセット温度ΔTuc(0)、ΔTdc(0)は、流体の流れを遮断すれば、サーモパイル17、18及び周囲温度測温抵抗体19によって容易に計測することができる。しかし、流体の流れを強制的に停止させることができない場合もあるので、流体の流れを強制的に停止させることなくオフセット温度ΔTuc(0)、ΔTdc(0)をできるだけ正確に求める方法を述べる。
【0040】
以下においては、下流側のサーモパイル18についてオフセット温度ΔTdc(0)を求める方法を説明する。上流側のサーモパイル17についても、同様にしてオフセット温度ΔTuc(0)を求めることができるが、説明は省略する。まず、第1の方法を述べる。流量Vに対する供給エネルギーQd(V)は図4に示したように単調増加曲線であるから、下流側のサーモパイル18の出力特性ΔTd(V)も、図10に示すように単調増加の傾向を示す。この単調増加の傾向より、ある時のサーモパイル18による計測温度ΔTd(V)が、初期特性のオフセット温度ΔTd0(0)よりも低い温度を示せば、それは少なくともダストが付着しており、流量Vもほぼゼロであることを示している。すなわち、
ΔTd(V)<ΔTd0(0) …(27)
となったときには、その計測温度ΔTd(V)が流量V=0のときのオフセット温度ΔTdc(0)であると判断し、その瞬間に熱容量の比
Cdc/Cd0=ΔTd0(0)/ΔTdc(0)
を求めてサーモパイル18の計測温度の補正を行う。なお、上記(27)式を満たす計測温度ΔTd(V)の値が所定期間内に複数得られる場合には、そのうちの最小値をオフセット温度ΔTdc(V)としてもよい。
【0041】
ここで、フローセンサ11に上流と下流の区別がない場合、すなわちサーモパイル17側からサーモパイル18側へも、サーモパイル18側からサーモパイル17側へも流体が流れる可能性がある場合には、逆方向からの流量があった場合(つまり、サーモパイル18側からサーモパイル17側へと流体が流れている場合)には、流量Vの値に関係なく、ΔTd(V)<ΔTd0(0)となってしまう。このような場合にサーモパイル18の計測温度が補正されるのを防ぐためには、下流側のサーモパイル18に関する上記(27)式で表される条件
ΔTd(V)<ΔTd0(0) …(27)
に加えて、上流側のサーモパイル17の温度変化ΔTu(V)がそのオフセット温度ΔTu0(0)より以下であるという条件
ΔTu(V)<ΔTu0(0) …(28)
を付加する必要がある。逆方向に流体が流れている場合には、ΔTu(V)>ΔTu0(0)となるので、上記(27)式と(28)式を満たす場合には、間違いなく流量がゼロであると考えることができる。なお、流体の流れる方向が逆方向であった場合には、サーモパイル17、18の上流側と下流側を入れ替えて(24)式、(26)式等を適用すればよい。
)
【0042】
また、サーモパイル18にダストが頻繁に付着する場合には、ダストが付着したサーモパイル18のオフセット温度ΔTdc(0)の低下が大きく、
ΔTdc(0)<<ΔTd0(0)
となるので、サーモパイル18の計測値ΔTd(V)が、
ΔTd(V)<ΔTd0(0)
を満たす場合でも流量Vがゼロでない場合がある。そこで、ダストが頻繁に付着する恐れがあるような状況でフローセンサ11を使用する場合には、計測値がその時点でのオフセット温度よりも低い場合に流量Vがゼロの無風状態であるとみなすようにすればよい(第2の方法)。
【0043】
すなわち、最初(初期特性)のオフセット温度をΔTd0(0)とすると、計測値ΔTd(V)が、
ΔTd(V)≦ΔTd0(0)
を満たしたとき、その計測値ΔTd(V)をその時点でのオフセット温度ΔTdc1(0)と見なし、
Cdc1/Cd0=ΔTd0(0)/ΔTdc1(0)
から熱容量比を求めて出力特性を補正する。つぎに、計測値ΔTd(V)が、
ΔTd(V)≦ΔTdc1(0)
を満たしたとき、その計測値ΔTd(V)をその時点でのオフセット温度ΔTdc2(0)と見なし、
Cdc2/Cd0=ΔTd0(0)/ΔTdc2(0)
から熱容量比を求めて出力特性を補正する。さらに、計測値ΔTd(V)が、
ΔTd(V)≦ΔTdc2(0)
を満たしたとき、その計測値ΔTd(V)をその時点でのオフセット温度ΔTdc3(0)と見なし、
Cdc3/Cd0=ΔTd0(0)/ΔTdc3(0)
から熱容量比を求めて出力特性を補正する。同様な処理を順次行い、計測値ΔTd(V)が、
ΔTd(V)≦ΔTdcn−1(0) (n=4、5、…)
を満たしたとき、その計測値ΔTd(V)をその時点でのオフセット温度ΔTdcn(0)と見なし、
Cdcn/Cd0=ΔTd0(0)/ΔTdcn(0)
から熱容量比を求めて出力特性を補正する。
【0044】
このようにして段階的に補正する方法では、ダストの付着量が次第に増加して出力特性を表わす曲線が頻繁に変化しても、それに追従して変化するオフセット温度を求めることができ、より正確に出力特性を補正することができる。あるいは、ダストの付着する頻度が少なくて出力特性を表わす曲線があまり変化しない場合には、上記のようにしてオフセット温度がΔTdc1(0)、ΔTdc2(0)、ΔTdc3(0)、…と求められる度に実際のオフセット温度ΔTdc(0)に漸近してゆき、出力特性が正確に補正され、高精度で流量Vが計測される。
【0045】
また、流量Vがゼロであることの判定にヒータ16を用いることもできる(第3の方法)。ヒータ16の発熱温度は無風時には最大値を示し、流体が流れていると発熱温度は下がる傾向を示す。しかも、ヒータ16にはダストが付着することはほとんどないので、ヒータ16の発熱温度が、無風時(V=0の時)の発熱温度とほぼ等しい場合には、流体の流量がゼロであるとみなし、そのときの計測温度ΔTd(V)をオフセット温度ΔTdc(0)として出力特性を補正してもよい。
【0046】
また、第4の方法としては、サーモパイル17とサーモパイル18とが、同じ構造で、同じ熱容量Cu0、Cd0を有し、ヒータ16に関して対称に配置されている場合には、サーモパイル17の計測温度ΔTu(V)とサーモパイル18の計測温度ΔTd(V)とがほぼ等しいことをもって流量Vがゼロであるとみなしてもよい。
【0047】
次に、上記フローセンサ11に用いられる演算処理部28の構成を図11により説明する。この演算処理部28は、AD(アナログ/デジタル)変換器29、演算処理部30、ゼロ流量感知手段31、オフセット温度決定手段32、補正処理部33、メモリ34、DA(デジタル/アナログ)変換器35によって構成されており、これらは1個又は複数個のマイクロコンピュータや電子回路、不揮発性メモリ等からなる。AD変換器29は、サーモパイル17の計測温度ΔTu(V)を示すアナログ信号、又はサーモパイル18の計測温度ΔTd(V)を示すアナログ信号をサーモパイル17、18から受け取り、受け取ったアナログ信号をデジタル信号に変換して演算処理部30へ出力する。演算処理部30は、AD変換器29から受け取った計測温度(デジタル信号)、例えばΔTd(V)をゼロ流量感知手段31及びオフセット温度決定手段32へ転送する。ゼロ流量感知手段31は、演算処理部30から受け取った計測温度ΔTd(V)に基づいて前記のいずれかの方法(例えば、初期特性のオフセット温度ΔTd0(0)と比較する。)によりゼロ流量となった瞬間を検出し、ゼロ流量を検出すると演算処理部30へゼロ流量検出信号を返す。演算処理部30は、ゼロ流量感知手段31からゼロ流量検出信号を受信すると、オフセット温度決定手段32へゼロ流量検出信号を伝える。オフセット温度決定手段32は、ゼロ流量検出信号を受け取ると、そのときの計測温度ΔTd(V)をオフセット温度ΔTdc(0)とみなし、そのオフセット温度ΔTdc(0)の値を演算処理部30へ送信し、演算処理部30はそのオフセット温度ΔTdc(0)を補正処理部33へ転送する。補正処理部33は、オフセット温度ΔTdc(0)を受け取ると、前記(24)式にもとづいて熱容量比Cdc/Cd0を算出し、サーモパイル18の計測温度ΔTd(V)を(Cdc/Cd0)ΔTd(V)と補正する。ついで、メモリ34内に格納されている初期特性のデータを読み出し、補正された計測温度(Cdc/Cd0)ΔTd(V)に対応する流量Vを初期特性から求める。こうして計測された流量V(デジタル信号)は、DA変換器35でアナログ電圧信号に変換された後、出力電圧Voutとして出力される。
【0048】
なお、上記実施形態においては、ヒータの両側にサーモパイルを配置した構造のものを説明したが、本発明のフローセンサは、ヒータの片側にのみサーモパイルを設けた構造のものであってもよい。また、測温体としては、サーモパイルを用いたものに限らず、温度測定用の抵抗体を用いたものでもよく、サーミスタ等の半導体素子を用いたものでもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明のフローセンサによれば、ダストの付着等による測温体の熱容量の変化比率を見積もることができ、この計測温度の比を用いて測温体の計測温度を補正することにより計測した温度を初期状態における計測温度に変換することができ、正確に流体流量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフローセンサの構造を示す平面図である。
【図2】図1のX1−X1線断面図である。
【図3】流体中に配置されたフローセンサの様子を示す概略斜視図である。
【図4】下流側の測温体に供給されるエネルギーQd(V)と流体の流量Vとの関係を示す図である。
【図5】(a)は下流側の測温体の周囲温度に対する温度変化ΔTd(V)と流体の流量Vとの関係を示す図、(b)は上流側の測温体の周囲温度に対する温度変化ΔTu(V)と流体の流量Vとの関係を示す図である。
【図6】下流側の測温体の計測温度ΔTd(V)の初期特性と、ダストが付着したときの特性とを示す図である。
【図7】従来のフローセンサにおける出力特性の補正方法を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態によるフローセンサの構造を示す平面図である。
【図9】図8のX2−X2線断面図である。
【図10】下流側のサーモパイルの計測温度ΔTd(V)の初期特性と、ダストが付着したときの特性とを示す図である。
【図11】上記フローセンサに用いられる演算処理部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 フローセンサ
15 ブリッジ部
16 ヒータ
17、18 サーモパイル
19 周囲温度測温抵抗体
23 温接点
24 冷接点
28 演算処理部
Claims (8)
- 基板の表面で宙空支持された薄膜状のブリッジ部と、
前記ブリッジ部に設けられた発熱用ヒータ及び測温体と、
初期状態における前記測温体の計測温度及び計測対象となる流体の流量の関係を記憶した記憶手段とを備えたフローセンサにおいて、
初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を用いて前記測温体の出力を補正し、前記測温体の出力の当該補正値と前記記憶手段に記憶されている関係に基づいて流体の流量を求めることを特徴とするフローセンサ。 - 前記測温体は第1の測温体と第2の測温体からなり、両測温体は前記ヒータを挟んで両側に配置されており、少なくとも一方の測温体の計測温度に基づいて前記補正を行うようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のフローセンサ。
- 前記測温体において、その初期状態における流量ゼロのときの計測温度の値よりも小さな温度が計測された時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の前記測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のフローセンサ。
- 前記測温体において、使用時点における流量ゼロのときの計測温度の値よりも小さな温度が計測された時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の前記測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度として更新するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のフローセンサ。
- 前記ヒータの発熱温度が、流体の流量がゼロのときのヒータの発熱温度にほぼ等しい時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の前記測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のフローセンサ。
- 前記第1及び第2の測温体のそれぞれにおいて、その初期状態における流量ゼロのときの計測温度よりも小さな温度が計測された時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の各測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴とする、請求項2に記載のフローセンサ。
- 前記第1の測温体の計測温度と前記第2の測温体の計測温度とが等しくなった時に流体の流量がゼロであると判定し、その時の各測温体の計測温度を使用時における流量ゼロのときの計測温度とみなすようにしたことを特徴とする、請求項2に記載のフローセンサ。
- 発熱用のヒータと、
流体の流量によって変化する周囲温度を計測するための測温体と、
初期状態における前記測温体の計測温度及び計測対象となる流体の流量の関係を記憶した記憶手段とを用いた流量計測方法において、
初期状態における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度の値と使用時における流量ゼロのときの前記測温体の計測温度との比を前記測温体の出力に乗じて補正し、前記測温体の出力の当該補正値と前記記憶手段に記憶されている関係に基づいて流体の流量を求めることを特徴とする流量計測方法。
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