JP2004169988A - 二段単段切替吸収冷凍機及び冷凍システム - Google Patents

二段単段切替吸収冷凍機及び冷凍システム Download PDF

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Abstract

【課題】運転条件等に応じて条件に適した運転に切替可能な多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムを提供する。
【解決手段】蒸発器1と、低圧吸収器2と、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器5と、低圧再生器3と、高圧再生器4及び凝縮器6の機能を備えた二段吸収冷凍機111において、低圧吸収器3と、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器5及び凝縮器6の機能で使用する冷却媒体の温度条件、及び蒸発器1で冷却する冷熱媒体の温度条件、及び前記冷熱媒体の負荷条件のうち少なくとも1の条件に基き、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替をする制御装置122を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二段単段切替吸収冷凍機及び冷凍システムに関し、特に運転条件に応じてその運転条件に適した運転に切替可能な二段単段切替吸収冷凍機及びそのような二段単段切替吸収冷凍機を備える冷凍システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業界には、比較的低温の排熱は多量に存在する。例えば、ガスタービンおよびマイクロガスタービンの排熱、ボイラーの排ガスの再利用後の排熱、エンジンの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、燃料電池の排熱などである。このような比較的低温の排熱は、排温水、排蒸気、排ガスなどとして、装置や機械から排出されるが、これらは低温であるため利用法がなく、一般的には直接または冷却塔を介するなどして間接的に環境に廃棄されている。特に、この排熱のうち比較的低温で用途が殆ど無い50から60℃程度の排温水、排蒸気などは、従来はほとんどの場合環境に排出されてきた。
【0003】
従来からこのような低温の排熱を利用する装置として、理論的には、図13のフロー図に示すような二段吸収冷凍機が存在していた。図示の二段吸収冷凍機は、それぞれ一つの缶胴に収納された蒸発器501と低圧吸収器502、高圧吸収器505と低圧再生器503、凝縮器506と高圧再生器504とを備えていた。そしてそれぞれ一つの缶胴内で、一方で発生した冷媒蒸気を吸収器で吸収し、又は凝縮器で凝縮してサイクルを形成していた。
【0004】
図13に示す従来技術の二段吸収冷凍機は、図14に示すデューリング線図にあるような高圧溶液サイクルと低圧溶液サイクルをもって運転されていた。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭56−48781号公報(第1図〜第4図)
【特許文献2】
特公昭56−48782号公報(第1図、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の二段吸収冷凍機では、溶液サイクルは、常に二段溶液サイクルのため、運転効率(熱効率)が、単効用吸収冷凍装置と比較し、ほぼ1/2となることと、構成機器が増えることなどから、経済性に乏しく、殆ど使用されてこなかった。
【0007】
そこで本発明は、季節、昼夜、天候などにより、冷却熱源温度が低い条件、およびまたは冷熱源温度が比較的高い温度で良い条件、または冷熱源の容量(負荷)が比較的に小さくてよい条件等に応じて、これらの条件に適した運転に切替可能な多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による二段単段切替吸収冷凍機は、例えば図1に示されるように、蒸発器1と、低圧吸収器2と、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器5と、低圧再生器3と、高圧再生器4及び凝縮器6の機能を備えた二段吸収冷凍機111において;低圧吸収器3と、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器5及び凝縮器6の機能で使用する冷却媒体の温度条件、及び蒸発器1で冷却する冷熱媒体の温度条件、及び前記冷熱媒体の負荷条件のうち少なくとも1の条件に基づき、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替をする制御装置122を備える。典型的には、さらに低圧側溶液熱交換器7および高圧側溶液熱交換器8を備える。
【0009】
このように構成すると、冷却媒体の温度条件、及び冷熱媒体の温度条件、及び冷熱媒体の負荷条件のうち少なくとも1の条件に基き、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切り替えをする制御装置122を備えるので、条件に適したサイクルの運転に切り替えることができる。
【0010】
上記目的を達成するために、二段単段切替吸収冷凍機は、例えば図7に示すように、冷媒を蒸発させて冷熱媒体を冷却する蒸発器1と;吸収液を冷却媒体で冷却しながら、前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と;吸収液を冷却媒体で冷却しながら、低圧吸収器2から送られる吸収液で冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と;高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器4と;高圧再生器4で発生した冷媒ガスを冷却媒体で冷却して凝縮する凝縮器6と;高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、該冷媒ガスを高圧吸収器5に吸収させる低圧再生器3と;低圧吸収器2と、高圧吸収器5及び凝縮器6の機能で使用する冷却媒体の温度条件、及び蒸発器1で冷却する冷熱媒体の温度条件、及び前記冷熱媒体の負荷条件のうち少なくとも1の条件に基き、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切り替えをする制御装置とを備える;ようにしてもよい。これは、典型的には1サイクル型二段吸収冷凍機である。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による二段単段切替吸収冷凍機111,112は、例えば図1、図7に示されるように、冷媒を蒸発させて冷熱媒体を冷却する蒸発器1と;吸収液を冷却媒体で冷却しながら、前記蒸発した冷媒ガスを吸収する低圧吸収器2と;吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生させた吸収液を低圧吸収器2に戻す低圧再生器3と;吸収液を冷却媒体で冷却しながら、低圧再生器3で発生した冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と;高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を高圧吸収器5または低圧再生器3に戻す高圧再生器4と;高圧再生器4で発生した冷媒ガスを冷却媒体で冷却して凝縮する凝縮器6と;低圧吸収器2と、高圧吸収器5及び凝縮器6の機能で使用する冷却媒体の温度を検出する媒体温度検出器42、及び蒸発器1で冷却する冷熱媒体の温度を検出する冷熱媒体温度検出器47、48、溶液サイクルの状態を知るための吸収液の温度を検出する吸収液温度検知器45、46、66、67、二段単段切替型吸収冷凍機内の複数個所の圧力を検知する圧力検知器43、44、60、または該圧力に相当する冷媒液の飽和温度を検知する温度検知器、溶液サイクルの複数個所の溶液濃度を検出する溶液濃度検出器62、63、64、65、及び前記冷熱媒体の負荷の大きさを検出する検出器のうち少なくとも1つの検出器を備え、該少なくとも1つの検出器の検出信号に基づき、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替をする制御装置122、123とを備える。
【0012】
再生器での加熱は、典型的には加熱媒体により行われる。また、高圧吸収器は高圧吸収器兼凝縮器であってもよい。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による二段単段切替吸収冷凍機は、蒸発器1と、低圧吸収器2と、高圧吸収器兼凝縮器5と、低圧再生器3と高圧再生器4および凝縮器6の機能を備えた二段単段切替吸収冷凍機111、112、113において;単段溶液サイクル運転を行うために、高圧吸収器兼凝縮器5を凝縮器6として使用し、蒸発器1と低圧吸収器2と低圧再生器3と高圧再生器4および凝縮器6の全てをそれぞれの機能で使用し(例えば図2、図10、図11参照)、又は、高圧吸収器兼凝縮器5の機能を停止し(典型的には冷却媒体の供給停止)、低圧再生器3の機能を停止し(典型的には加熱媒体の供給停止)、蒸発器1と、低圧吸収器2と、高圧再生器4および凝縮器6の全てをそれぞれの機能で使用し(例えば図5、図12参照)、又は、凝縮器6の機能を停止し(典型的には冷却媒体の供給停止)、高圧再生器4の機能を停止し(典型的には加熱媒体の供給停止)、高圧吸収器兼凝縮器5を凝縮器として使用し、蒸発器1と、低圧吸収器2と、低圧再生器3の全てをそれぞれの機能で使用する(例えば図6参照)ように切替える機能を備える。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項4に係る発明による二段単段切替吸収冷凍機は、例えば図7に示されるように、蒸発器1と、低圧吸収器2と、高圧吸収器5と、低圧再生器3と高圧再生器4および凝縮器6の機能を備えた二段単段切替吸収冷凍機112において;単段溶液サイクル運転を行うために、高圧吸収器5の機能を停止し(典型的には冷却媒体の供給停止)、低圧再生器3の機能を停止し(典型的には加熱媒体の供給停止)、蒸発器1と低圧吸収器2と高圧再生器4と凝縮器6の全てをそれぞれの機能で使用する(例えば図9参照)ように切替える機能を備える。
【0015】
また請求項5に記載のように、請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の、二段単段切替吸収冷凍機では、二段サイクル運転中に、冷却媒体の温度が低下する状態、冷熱媒体温度が低下する状態、冷凍負荷の減少する状態、のうち少なくとも1の状態を検知したときに、二段溶液サイクルを単段溶液サイクルに切替え、単段サイクル運転中に、冷却媒体の温度が上昇する状態、冷熱媒体温度が上昇する状態、冷凍負荷の増大する状態、のうち少なくとも1の状態を検知したときに、単段溶液サイクルを二段溶液サイクルに切替える第2の制御装置122、123、124を備える。
【0016】
前記目的を達成するために、請求項6に係る発明による冷凍システムは、例えば図1に示されるように、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の二段単段切替吸収冷凍機111と;二段単段切替吸収冷凍機111に低圧再生器3と高圧再生器4に比較的低温の加熱媒体を供給する熱源供給装置121とを備える。
【0017】
熱源供給装置121は、例えば、コージェネレーションシステムのエンジンなどの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱など、比較的低温の排熱を供給する熱源である。このようにして得られた冷却された冷熱媒体は、冷熱源として、家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用される。
【0018】
以上の二段単段切替型吸収冷凍機では、前記蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器又は高圧吸収器兼凝縮器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0020】
図1、図2のフロー図を参照して、本発明の第1の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を説明する。この二段単段切替吸収冷凍機は、二段溶液サイクルと単段溶液サイクルとを切り替えることができるように構成されている。図1は二段吸収冷凍機として作用する場合であり、図2は単段吸収冷凍機に切り替えられた場合のフロー図である。
【0021】
図1のフローは、第1の二段溶液サイクルの運転の例である。ここで第1の二段溶液サイクルとは、2サイクル方式(二段吸収のサイクルが高圧側と低圧側の2つのサイクルに分離した分離サイクル型)で運転される運転サイクルをいうものとする。
【0022】
また図2のフローは、第1の単段溶液サイクルの運転の例である。ここで第1の単段溶液サイクルとは、6つの機器(蒸発器、2つの吸収器、2つの発生器、凝縮器(兼用の場合もある))の全てを使用し、且つ高圧吸収器兼凝縮器を凝縮器の機能で使用し、2つの単効用溶液サイクルが重なった運転サイクルをいうものとする。
【0023】
本二段単段切替吸収冷凍機111の作業媒体としては、吸収剤と冷媒の組合せが用いられる。二段で構成される本機の各段の溶液サイクルでは、その経済性を考慮し、同一の吸収剤と冷媒を使用する。また各種吸収冷凍機で現在最も広く用いられている臭化リチウムを吸収剤として、また水を冷媒として使用する。しかしながらこれに限らず、例えば水を吸収剤として、アンモニアを冷媒として使用してもよい。
【0024】
図1は、前述のように本発明の第1の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機111が第1の二段溶液サイクルで運転されるように切り替えられた場合の模式的構造図である。本図を参照して、その構成を説明する。二段単段切替吸収冷凍機111は、冷媒としての水を蒸発させて、伝熱部としての熱交換チューブ1A内を流れる被冷却媒体(冷熱媒体)としての冷水を冷却する蒸発器1と、蒸発器1で蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と、低圧吸収器2から送られる吸収液(以下適宜「吸収溶液」又は単に「溶液」とも称する)を加熱して冷媒ガスを発生させる低圧再生器3と、低圧再生器3で発生した冷媒ガスを吸収する高圧吸収器(高圧吸収器兼凝縮器、図1では高圧吸収器として作用するので適宜単に「高圧吸収器」と呼ぶ)5と、高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器4と、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器6と、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器3、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0025】
蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、凝縮器6を一体缶胴100の内部に収納することにより、コンパクトで、低コストな構造としている。各機器の作動圧力を考慮し、それぞれ図中、蒸発器1と低圧吸収器2を組み合わせて水平方向右左に配列し、高圧吸収器5と低圧再生器3を組み合わせて水平方向右左に配列し、また高圧再生器4と凝縮器6を組み合わせて水平方向右左に配列して、それぞれを収納するように前記缶胴100を3つに区画し、これらの区画は鉛直方向に前記の順番で下から上に縦に配列されている。
【0026】
低圧吸収器2の液溜まりである底部と、低圧再生器3の伝熱部としての伝熱チューブ3Aの上方に配設された散布器3Bとを接続する配管18が敷設され、配管18には低圧側溶液ポンプ9Lが挿入配置されている。
【0027】
低圧再生器3の液溜まりである底部と、低圧吸収器2の伝熱部としての伝熱チューブ2Aの上方に配設された散布器2Bとを接続する配管21が敷設されている。配管18と配管21には、両配管を流れる溶液同士を熱交換させる低圧側溶液熱交換器7が、挿入配置されている。
【0028】
高圧吸収器5の液溜まりである底部と、高圧再生器4の伝熱部としての伝熱チューブ4Aの上方に配設された散布器4Bとを接続する配管15、16、19が敷設され、配管15と配管16との間には二方切替弁36が配置され、配管16と配管19の間には高圧側溶液ポンプ9Hが挿入配置されている。配管16は高圧側溶液ポンプ9Hの吸込側に接続されており、配管19は高圧側溶液ポンプ9Hの吐出側に接続されている。
【0029】
配管15からは配管17、24が分岐しており、配管17と配管24との間には、二方切替弁38が配置されている。配管24の、二方切替弁38と反対側の先端には、蒸発機12の伝熱部としての伝熱チューブ1Aの上方に配設された散布器1Bが接続されている。また、配管24には凝縮器6の液溜まりである底部からの配管25が合流している。
【0030】
配管16の二方切替弁36と高圧側溶液ポンプ9Hとの間からは配管22が分岐しており、配管22の他端は低圧吸収器2の底部に接続されている。配管16と配管22の間には、二方切替弁37が配置されている。
【0031】
高圧再生器4の液溜まりである底部から高圧吸収器5の伝熱部としての伝熱チューブ5Aの上方に配設された散布器5Bとを接続する配管20、14が敷設され、配管14には、二方切替弁39が設置されている。
【0032】
配管19と配管20には、両配管を流れる溶液同士を熱交換させる高圧側溶液熱交換器8が、挿入配置されている。配管20の高圧側溶液熱交換器8と二方切替弁39との間からは、配管23が分岐しており、配管23には二方切替弁40が挿入配置されている。配管23の、二方切替弁40と反対側の先端には、低圧吸収機2の伝熱部としての伝熱チューブ2Aの上方に配設された散布器2Cが接続されている。
【0033】
図中黒塗りの二方切替弁は閉であり、白抜きの二方切替弁は開であることを示す。即ち、以上のような構成において、図1の場合は二方切替弁37と38と40は閉、二方切替弁36と39は開である。
【0034】
各構成部分の接続関係は次のように言いかえることができる。この二サイクル方式の二段単段切替吸収冷凍機は、高圧吸収器兼凝縮器を備える。高圧吸収器兼凝縮器は、二段溶液サイクルでは高圧吸収器として作用し、図2の実施の形態の単段溶液サイクルでは凝縮器として作用する。さらに、低圧吸収器2から低圧再生器3へ溶液を送る配管18を備える。配管18からの溶液は、低圧再生器3内に散布されるように構成されている。配管18には昇圧機としての低圧側溶液ポンプ9Lが挿入配置されている。
【0035】
また、低圧再生器3から低圧吸収器2に溶液を送る配管21が備えられている。配管21からの溶液は、低圧吸収器2内に散布されるように構成されている。溶液は配管21内を低圧再生器3と低圧吸収器2との高低差による(液に作用する重力による)水頭差または低圧再生器3と低圧吸収器2との圧力差、または前記水頭差と圧力差の両方により流れる。
【0036】
高圧吸収器5から高圧再生器4に溶液を送る配管15、16、19が備えられている。配管16と配管19には昇圧機としての高圧側溶液ポンプ9Hが挿入配置されている。配管15からは蒸発器1への配管17、24が分岐している。配管17、24を流れる液は蒸発器1内に散布されるように構成されている。
【0037】
高圧吸収器兼凝縮器(高圧吸収器と凝縮器として作用可能に構成)5からの液(冷媒液又は溶液)は高圧再生器4へ流す場合と蒸発器1へ流す場合との間で切替可能に構成されている。また、後述のように凝縮器6からの液である冷媒液は、高圧吸収器(凝縮器として作用するときの)5からの液と合流して、又は別々に蒸発器1内に散布可能に構成されている。
【0038】
高圧再生器4からの液である溶液は、高圧吸収器5へ流す場合と低圧吸収器2へ流す場合との間で切替可能に構成されている。
【0039】
なお、前記3つの区画の各々の間は、隔壁板34Aと隔壁板35Aでしっかりと仕切られている。さらに、これらの隔壁板34A、35Aは上下の機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用するとよい。ここで断熱を考慮した構造とは、例えば2枚の鋼板を間隙をあけて配設した構造である。その間隙中の空気が断熱作用を奏する。また間隙を真空にすればなおよい。また断熱を考慮した材料とは、例えばグラスウール、ロックウール、発泡スチロール等の断熱材である。
【0040】
また、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器5と低圧再生器3、および高圧再生器4と凝縮器6の各々の各機器間には、適度な高さで機器内液面を仕切る仕切板33、仕切板34、仕切板35がそれぞれ設けられている。さらに、仕切板33、34、35は、これらが仕切っている図中で左右に配置された機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用するとよい。
【0041】
これらの仕切板33、34、35は、鉛直方向上方にそれぞれ空間があり、これらが仕切る機器間を連通している。この機器間連通空間としての上部空間は、蒸発器1と低圧吸収器2間では、蒸発器1から吸収器2へ冷媒蒸気が流れ、低圧再生器3と高圧吸収器5間では、低圧再生器3から高圧吸収器5に冷媒蒸気が流れ、高圧再生器4と凝縮器6間では、高圧再生器4から凝縮器6に冷媒蒸気が流れる。これらの空間には、後述する第2の実施の形態で採用されているエリミネータ30、エリミネータ31、エリミネータ32をそれぞれの区画に、必要に応じて設けてもよい。
【0042】
蒸発器1の内部には、伝熱部としての熱交換チューブ1Aが、低圧吸収器2の内部には、伝熱部としての熱交換チューブ2Aが、低圧再生器3の内部には、伝熱部としての熱交換チューブ3Aが、高圧吸収器5の内部には、伝熱部としての熱交換チューブ5Aが、高圧再生器4の内部には、伝熱部としての熱交換チューブ4Aが、凝縮器6の内部には、伝熱部としての熱交換チューブ6Aがそれぞれ設けられている。これらチューブは、典型的にはシェルアンドチューブ型であるが、再生器のように比較的温度の高い部分には、U(ユー)チューブを用いるとよい。
【0043】
伝熱チューブ1A中には被冷却媒体あるいは冷熱媒体としての冷水が、伝熱チューブ2A中には冷却媒体としての冷却水が、伝熱チューブ3A中には加熱媒体(排熱エネルギー)としての温水が、伝熱チューブ5A中には冷却媒体としての冷却水が、伝熱チューブ4A中には加熱媒体(排熱エネルギー)としての温水が、伝熱チューブ6A中には冷却媒体としての冷却水がそれぞれ流れる。
【0044】
低圧吸収器2の底部には中間濃度溶液が溜まるようになっている。高圧吸収器5の底部には低濃度溶液が溜まるようになっている。高圧再生器4の底部には中間濃度溶液が溜まるようになっている。低圧再生器3の底部には高濃度溶液が溜まるようになっている。凝縮器6の底部には、凝縮した冷媒液が溜まるようになっている。
【0045】
続けて図1を参照して、第1の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機が第1の二段溶液サイクルで運転される場合、即ち二段吸収冷凍機として運転される場合の作用を説明する。本運転では、二方切替弁37、38、40は閉、二方切替弁36、39は開となっている。
【0046】
低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収し希釈された中間濃度吸収溶液は、低圧側溶液ポンプ9Lにより中間濃度溶液配管18を介して低圧側溶液熱交換器7で予熱された後、低圧再生器3内の伝熱部3Aの外面に散布器3Bから散布される。この中間濃度溶液は、伝熱チューブ3A内に通水された加熱媒体(この例では温水)により加熱され、冷媒蒸気を発生して濃縮され高濃度溶液となる。この際に、発生した冷媒蒸気は高圧吸収器5に流入する。
【0047】
加熱源の低温排熱エネルギーは、本図では温水としているが、液体または排蒸気や排ガスの如き気体の状態にあるその他の加熱媒体を利用して、本装置に供給してもよい。この場合、各再生器の構造は加熱媒体に適した熱交換器構造に変更する必要がある。この高濃度溶液は、高濃度溶液配管21を介して、低圧側溶液熱交換器7で、もう一方の中間濃度溶液を予熱し、即ち、自分自身は冷却されて、低圧吸収器2内の散布器2Bにより伝熱部2Aの外面に散布され、蒸発器1から流入した冷媒蒸気を吸収して中間濃度溶液となる。この際に発生する熱は伝熱部2A内に通水された冷却水に放出される。低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収し希釈された中間濃度溶液は、再び低圧側溶液ポンプ9Lにより中間濃度溶液配管18に送られ低圧溶液サイクルを繰返す。
【0048】
一方、高圧吸収器5内の散布器5Bにより伝熱部5Aの外面に散布された高圧溶液サイクルの中間濃度溶液は、低圧再生器3からの冷媒蒸気を吸収して低濃度溶液となる。この際に発生する熱は伝熱部5A内部に通水された冷却水に放出される。冷却媒体は、本図では、冷却水としているが、海水、河川水など液体や、空気の如き気体などその他の冷却媒体であってもよい。この場合、実施の形態の各吸収器と凝縮器の構造は、冷却媒体に適した熱交換器構造に変更する必要がある。
【0049】
高圧吸収器5で冷媒蒸気を吸収して低濃度となった低濃度溶液は、液冷媒・溶液兼用配管15から、開いている二方切替弁(ここでは自動弁とも呼ぶ)36、低濃度溶液配管16を介して、高圧側溶液ポンプ9Hで、更に、低濃度溶液配管19を介して高圧側溶液熱交換器8で予熱されて、高圧再生器4に流入する。この低濃度溶液は、高圧再生器4内の散布器4Bにより伝熱部4Aの外面に散布され、伝熱部4A内部に通水された温水により加熱・濃縮されて中間濃度溶液となる。
【0050】
この際に、発生する冷媒蒸気は凝縮器6に流入する。高圧再生器4で冷媒蒸気を放出して高濃度となった中間濃度溶液は、中間濃度溶液配管20を介して、高圧側溶液熱交換器8で、前述の如く、もう一方の中間濃度溶液を予熱し、即ち、自分自身は冷却されて、開いている自動弁39、中間濃度溶液配管14を介して、高圧吸収器5に流入する。ここで、この中間濃度溶液は、散布器3Bにより伝熱部3Aの外面に散布され、低圧再生器3からの冷媒蒸気を吸収して低濃度溶液となる。また、この低濃度溶液は、高圧吸収器兼凝縮器5の伝熱部5A内部に通水された冷却水に放熱し冷却される。
【0051】
この低濃度溶液は、液配管(ここでは液冷媒・溶液兼用配管とも呼ぶ)15、開いている自動弁36を介して、高圧側溶液ポンプ9Hで送られ、高圧溶液サイクルを繰返す。
【0052】
一方、高圧再生器4からの冷媒蒸気は、凝縮器6の伝熱部6A内部を流れる冷却水に熱を奪われて凝縮して冷媒液となる。この冷媒液は冷媒液配管25、24を介して、蒸発器1内の散布器1Bにより伝熱部1Aの外面に散布され、蒸発器1内の伝熱部1A内部に通水された冷水から熱を奪って蒸発し、低圧吸収器2に流入する。この際、冷熱媒体である冷水は熱を奪われるので、低温の冷熱源となり、需要先に供給される。
【0053】
本図では、凝縮器6からの冷媒液を直接に散布器1Bにより伝熱部1Aの外面に散布しているが、この場合、散布器1Bは、この冷媒循環量で伝熱面1Aの外面に均一な濡れ面が得られる様に、特に構造上の配慮をしてある。
【0054】
一方、後述の図7で説明する第2の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機が第2の二段溶液サイクル(後で説明)で運転される場合の如く、蒸発器1の底部に溜まった冷媒液を冷媒ポンプ10により散布器1Bまたは別に設けた散布器により伝熱部1Aの外面に散布することもよい。この方式を採用すれば、冷媒ポンプ10と冷媒液配管24が必要となるが、大容量の二段単段切替型吸収冷凍装置に適した方法である。
【0055】
図1に示す第1の実施の形態の二段溶液サイクルの吸収冷凍機は、この冷媒ポンプと冷媒液配管を不要とし、コストの低減を図っている。冷熱源となる媒体は、実施の形態では、冷水としているが、ブラインなど液体や、空気の如く気体などが、冷熱媒体であってもよい。この場合、蒸発器1の構造は、冷熱媒体に適した熱交換器構造に変更する必要がある。
【0056】
二段吸収冷凍機は、理論的に、低温の排熱が高圧溶液サイクルと低圧溶液サイクルの両方の加熱源として必要なため、比較的効率が低く、且つ構成機器数が増えて大型となる傾向にあり、図13の従来の機器構成と構造では、高価で効率が悪く且つ大型となり実用性が低い。このため、二段を単段の溶液サイクルに切替えて熱効率を高めることは大変に有効である。また本冷凍機を、コンパクトで低コストな装置とすることも実用上特に重要である。図1に示す第1の実施の形態の二段溶液サイクルの吸収冷凍機は、この目的を達成することも可能な二段単段切替型吸収冷凍装置である。二段溶液サイクルでは、図13の従来の溶液サイクルとほぼ同一の冷媒、吸収溶液の循環サイクルを採用しているが、本装置では、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器兼凝縮器5、低圧再生器3、高圧再生器4、凝縮器6を一体缶胴100の内部に収納することにより、コンパクトで低コストな構造としている。機器の作動圧力を考慮し、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器兼凝縮器5と低圧再生器3、および高圧再生器4と凝縮器6の三つに区画し、それぞれの間は、隔壁板34Aと隔壁板35Aでしっかりと仕切られている。更に前述のように、これらの隔壁板は上下左右の機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用することもよい。
【0057】
図1の第1の実施の形態の二段溶液サイクルの吸収冷凍機では、一体缶胴100は矩形断面の形状としているが、強度など関係から小判形や楕円形など形状として缶胴の板厚を薄くすることが、コンパクトさを保つ範囲で有効である。
【0058】
図2を参照して、第1の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111が第1の単段溶液サイクルの運転に切り替えた場合を説明する。この場合には、二方切替弁37、38、40は開に切り替えられ、二方切替弁36、39は閉に切り替えられている。
【0059】
特に図1の二段溶液サイクルの場合と異なる点を重点的に説明し、重複する説明は極力省略する。低圧再生器3で発生した冷媒蒸気は高圧吸収器兼凝縮器5に流入する。高圧吸収器兼凝縮器5は、二段溶液サイクルでは高圧吸収器として作用したが、この運転形態では凝縮器として作用する(この運転形態の説明では「高圧吸収器兼凝縮器5」と呼ぶ)。
【0060】
弁39は閉となっているので、散布器5Bは溶液を散布していない。したがって、高圧吸収器兼凝縮器5内の伝熱部5A内部に通水されている冷却水により、冷媒蒸気は冷却されて凝縮する。即ち、高圧吸収器兼凝縮器5は凝縮器として作用する。この際に発生する熱は伝熱部5A内部に通水された冷却水に放出される。
【0061】
高圧吸収器兼凝縮器5で凝縮して液化した冷媒液は、液冷媒・溶液兼用配管15から開いている二方切替弁(ここでは自動弁とも呼ぶ)38を介して、蒸発器1内の散布器1Bに送られ伝熱部1Aの外面に散布され、伝熱部1A内部に通水された冷水を冷却し、自分自身は蒸発して冷媒蒸気となる。弁36は閉となっているので、冷媒液がポンプ9Hに送られることはない。この際に、発生する冷媒蒸気は低圧吸収器2に流入する。
【0062】
低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収して濃度の下がった溶液は、ポンプ9Lにより低圧再生器3に送られる他に、配管22を通って、開となっている弁37を介してポンプ9Hにより高圧再生器4に送られる。
【0063】
高圧再生器4で冷媒蒸気を放出して濃度の高くなった溶液は、配管20、高圧側溶液熱交換器8を介して、開いている自動弁40、配管23を介して、低圧吸収器2に流入し、散布器2Cにより伝熱部2A上に散布される。
【0064】
図2の運転形態では、低圧吸収器2は「低圧」と呼んでいるが、圧力を区別する高圧吸収器兼凝縮器5は凝縮器として作用するので、低圧吸収器2は単に吸収器として作用する。また、低圧再生器3と高圧再生器4は、低圧、高圧の区別をする程の圧力差はなく、再生圧力はほぼ同圧の単なる再生器として作用する。また先に説明した通り、高圧吸収器兼凝縮器5は、凝縮器として作用する。凝縮圧力は凝縮器6のそれとほぼ同圧である。
【0065】
図2からも明らかな如く、第1の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111を第1の単段溶液サイクルで運転するときに、二倍の冷熱源エネルギー量の取出しを希望する場合は、予め、低圧吸収器2の伝熱部2Aおよび蒸発器1の伝熱部1Aの伝熱面積は、希望の冷熱源エネルギーの取出し熱量に合わせた面積を設けておく。このようにしておけば、希望する熱量を得ることができる。即ち、希望する冷熱源エネルギー量に合わせてこれらの伝熱面積を大きくしておけば、加熱源のエネルギーの増加や、放熱する冷却塔の大きさを変えることなく、熱効率のよい運転で、原理的に2倍まで冷熱源エネルギーの発生増加が得られる。
【0066】
図3のデューリング線図を参照して、図1と図2で説明した二段溶液サイクルと単段溶液サイクル交互の切替方法を説明する。図中、二段吸収冷凍機111の図1に相当する二段溶液サイクルは、低圧溶液サイクル(B1−B2−B3−B8−B1)と高圧溶液サイクル(B7−B4−B5−B6−B7)の二つのサイクルに別れている。
【0067】
図中で、点B1−B2に対応する圧力PEは図1の蒸発器1内における蒸発圧力(但し、低圧吸収器2内における圧力との差圧は無視して表示している)、また点B5−B6に対応する圧力PCは図1の凝縮器6内における圧力凝縮圧力(但し、高圧再生器4内における圧力との差圧は無視して表示している)を示す。また、点B6、点B8の温度THは加熱媒体の温度と冷凍負荷状態に関係し、説明を簡単にするため、ここでは、全負荷状態で、低圧再生器3で濃縮された溶液温度(点B8)と高圧再生器4で濃縮された溶液温度(点B6)は、ほぼ同一温度THまで加熱されているものとした。実際には、必ずしもきっちりと同一温度としなくてもよい。
【0068】
図3の二段溶液サイクルに注目すると、冷却媒体温度が低下し、凝縮圧力がPC1まで低下し、また、負荷側の条件で冷熱媒体温度を上昇させて良く、蒸発圧力はPE1まで上昇してよいときは、高圧溶液サイクル(B7−B4−B5−B6−B7)は凝縮圧力の低い側(下部)の点線のサイクルの位置に移動でき、また、低圧溶液サイクル(B1−B2−B3−B8−B1)はそれよりも蒸発圧力の高い側(上部)の点線のサイクルの位置に移動できる。
【0069】
したがって、この様な運転条件の時は、高圧溶液サイクルと低圧溶液サイクルの中間に位置する点線で示す単段サイクル、即ち、単効用溶液サイクルとなり、二つの溶液サイクルを重ねた運転が可能となる。したがって、加熱媒体の加熱量が一定の状態であれば、二倍の能力が発揮可能であることを示唆している。図2に示した運転形態が可能な第1の実施の形態は、第1の単段溶液サイクルで運転する際に、この条件(二倍の能力が発揮可能)を満足させることのできる主要機器構成の二段単段切替吸収冷凍機である。
【0070】
一方、前述の運転状態で、二つのサイクル(B1−B2−B3−B8−B1)と(B7−B4−B5−B6−B7)のうち一つの溶液サイクルを止めれば、半分の加熱量で同じ能力が発揮可能なことを、即ち、この場合には、二倍の値の熱効率のみを期待して、運転を行うことができる。
【0071】
さらに、冷水の温度は変わらず、冷却水の温度のみが低下し、凝縮圧力が図中点B3、B8に対応する圧力PC2まで低下すれば、高圧溶液サイクルは低圧溶液サイクルに重なる位置まで低下して、上記と同様に二つのサイクルを重ねることもできる。
【0072】
一方、冷媒熱源温度としての冷水温度を上昇させてもよく、蒸発圧力が図中点B4、B7に対応する圧力PE2まで上昇してよければ、低圧溶液サイクルは高圧溶液サイクルに重なる位置まで上昇して、上記と同様に二つのサイクルを重ねることもできる。
【0073】
以上の説明では、説明を簡単にするため、冷熱媒体の冷熱エネルギー量(冷凍負荷)の変化した場合の溶液サイクルを説明していないが、各溶液サイクルの溶液循環流量が冷凍負荷に比例して減少すれば、各溶液サイクルは、ほぼ溶液濃度巾が一定の状態での変化となる。図3中で言えば、低圧溶液サイクル点B1と点B2の巾および点B7と点B4の巾は、ほぼ一定値の状態での変化である。
【0074】
図1、図2において、冷熱媒体の冷熱エネルギー量(冷凍負荷)の変化に応じて、この溶液サイクルの溶液循環量の変化を行うとすれば、低圧側溶液ポンプ9Lと高圧側溶液ポンプ9Hの回転数をインバー制御のモータとし、冷凍負荷に合わせて制御する方法がある。その他、溶液配管に流量制御弁を設けて、溶液循環量を制御する方法などもある。
【0075】
冷凍負荷が変化しても溶液循環量を一定とした運転では、図3で言えば、低圧溶液サイクル点B1と点B2の巾、と点B7と点B4の巾は、冷熱源負荷の減少につれて、それぞれの溶液サイクルの濃度巾は狭まってくる。
【0076】
図4にその一例を示すと、冷熱源負荷の減少につれて、かつ、冷熱媒体温度が上昇すればするほど、点B1と点B2は、点B1Lと点B2Lへと溶液濃度の低下を伴って、かつ、この巾が狭まりながら単段溶液サイクルに近づいて行く変化を行うことになる。この場合の二つの溶液サイクルの巾の変化を具体的に図示していないが、高圧溶液サイクルと低圧溶液サイクルは、それぞれの濃度巾を狭めながら、図4に示すように、図3と比較して溶液濃度巾の狭い点線の単段溶液サイクルの位置に近づき重なることになる。冷熱源負荷の減少を伴えば、冷却媒体温度の低下と冷熱媒体温度の上昇での単段溶液サイクルへの切替時期は早まる、即ち、熱効率の高い単段溶液サイクルの運転時間が長くなり経済的な運転となる。
【0077】
なお、加熱媒体の供給温度が高温側に変化する場合があれば、上記の条件より、単段溶液サイクルで運転可能な冷却媒体温度は高い値で、そして冷熱媒体温度は低い値で、単段溶液サイクルへの切替が可能となる。即ち、熱効率の高い単段溶液サイクルの運転時間が長くなり経済的な運転となる。
【0078】
図1のフロー図でもある模式的構造図は、冷却媒体温度と冷熱媒体温度が二段溶液サイクルの運転を要求する状態の運転で、冷熱媒体に冷水またはブラインを使用し、冷却媒体に冷却水を使用した場合の実施の形態のサイクルと機器構成を示す。また、図2は、冷却媒体温度、冷熱媒体温度、溶液サイクルの温度、圧力及び濃度などが単段溶液サイクル(単効用溶液サイクル)の運転を要求する状態の運転を示す。
【0079】
第1の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機で、第1の二段溶液サイクルと第1の単段溶液サイクルとの間で交互に切替を行うための構成を説明する。低圧吸収器2の冷却水配管27の入口側には冷却水入口温度検出器42が備えられ、冷水配管26の出口側には冷水出口温度検出器48が備えられている。また、二段単段切替吸収冷凍機111には、その運転を制御する制御装置122が備えられている。制御装置122は、具体的には制御ソフトをインストールしたマイコン又はパソコンである。
【0080】
制御装置122には、冷却水入口温度検出器42、冷水の出入口温度検出器48、49、吸収サイクルの吸収液温度の温度検出器45、46、66、67、溶液濃度の濃度検出器62、63、64、65、圧力検出の圧力検出器43、44、60、及び冷水の流量の流量検出器61などからの検出信号を受信し、調節信号を自動弁36、37、38、39、40に送信するように信号配線または信号配管が敷設されている。
【0081】
制御装置122は、前記各検出器の検出する冷却水入口温度、冷水の出入口温度、吸収サイクルの各部の吸収液の温度、溶液の各部の濃度、各部の圧力、及び冷水の流量など基づいて、自動弁36、37、38、39、40を開閉する。すなわち、図3、図4のデューリング線図で説明したように、冷水温度が上昇し、または冷却水温度が低下し、又は両方が同時に起こり、二段溶液サイクルを単段溶液サイクルに切り替える条件になったときに、制御装置122は、自動弁36、39を閉とし、自動弁37、38、40を開とする。
【0082】
逆に、冷水温度が低下し、または冷却水温度が上昇し、又は両方が同時に起こり、単段溶液サイクルを二段溶液サイクルに切り替える条件になったときに、制御装置122は、自動弁36、39を開とし、自動弁37、38、40を閉とする。
【0083】
ここでは自動弁36、37、38、39、40を、二方弁であるものとして説明したが、これに限らず、自動弁36、38を一つの自動三方弁とし、自動弁39、40を一つの自動三方弁としてもよい。または自動弁36、37を一つの自動三方弁としてもよい。さらには自動弁36、37、38を一つの自動四方弁としてもよい。
【0084】
もちろん、後述の他の実施の形態に示された各種の検出器からの検出値に基づいて、前記の開閉信号を得るようにしてもよい。
【0085】
図5のフロー図を参照して第2の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を説明する。本実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111Aは、図1で説明した第1の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111の変形例とも言えるものである。本図は、二段単段切替吸収冷凍機111Aを単段溶液サイクルに切替えた場合のフローを示す。この場合の単段溶液サイクルを第2の単段溶液サイクルと呼ぶ。第2の単段溶液サイクルとは、6つの機器(蒸発器、2つの吸収器、2つの発生器、凝縮器(兼用もあり))の全てを使用するわけではなく、蒸発器、低圧吸収器、高圧再生器及び凝縮器を使用して行う単効用溶液サイクルの運転サイクルをいうものとする。
【0086】
なお図6のフロー図の二段単段切替吸収冷凍機111Bは、さらに二段単段切替吸収冷凍機111Aの変形例であり、図6は、これを単段溶液サイクルに切り替えた場合である。この場合の単段溶液サイクルを第3の単段溶液サイクルと呼ぶ。第3の単段溶液サイクルとは、6つの機器(蒸発器、2つの吸収器、2つの発生器、凝縮器(兼用もあり))の全てを使用するわけではなく、蒸発器、低圧吸収器、低圧再生器及び高圧吸収器兼凝縮器を使用して、高圧吸収器兼凝縮器を凝縮器として機能させて行う単効用溶液サイクルの運転サイクルをいうものとする。
【0087】
ここで、図5のフロー図を参照して、第2の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111Aを第2の単段溶液サイクルで運転する場合を説明する。図5の基本的な構成は図2と同一で、相違点は低圧再生器3への加熱媒体の流路の自動弁70を追加設置し、高圧吸収器5への冷却媒体の流路に自動弁71を追加設置したことである。
【0088】
本図は、第2の単段溶液サイクルの運転のフローを示す。このときは、制御装置122からの切替信号で自動弁70を閉とし、低圧再生器3への加熱媒体の供給を止める。又同様に制御装置122からの切替信号で自動弁71を閉とし、高圧吸収器5の冷却媒体の供給を止める。それに伴い、低圧側溶液ポンプ9Lを停止し、自動弁38を閉とする。
【0089】
溶液サイクルの詳細な説明は省くが、図2の第1の単段溶液サイクルで、前述の如く構成機器すべてを使用しているのに対して、図5の第2の単段溶液サイクルでは、低圧再生器2と高圧吸収器5と低圧側溶液ポンプ9Lが使用されず、図中、点線で示された溶液サイクルは停止している。したがって、図2の第1の単段溶液サイクルの運転に比べて、図5の第2の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111Aは、第2の単段溶液サイクルの運転ができるので、エネルギーの消費量を減らすことができる。このようにして、単段溶液サイクル運転時に更なる省エネルギーで経済的な運転を実現できる。
【0090】
図6のフロー図を参照して、第3の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機111Bの作用を説明する。第2の実施の形態と同様に、第3の実施の形態は基本的な構成は図2と同一である。第2の実施の形態との相違点は、加熱媒体の流路の自動弁70が低圧再生器3へ流路にではなく高圧再生器4への流路に設置され、冷却媒体の流路の自動弁71が高圧吸収器5への流路にではなく、凝縮器6への流路に設置されていることである。
【0091】
図6は、第3の単段溶液サイクルの運転のフローを示す。このときは、制御装置122からの切替信号で自動弁70を閉とし、高圧再生器4への加熱媒体の供給を止める。又同様に制御装置122からの切替信号で自動弁71を閉とし、凝縮器6への冷却媒体の供給を止める。それに伴い、高圧側溶液ポンプ9Hを停止し、自動弁40を閉とする。
【0092】
本実施の形態も第2の実施の形態と同様に、図2の第1の単段溶液サイクルで構成機器すべてを使用しているのに対して、図6の第3の単段溶液サイクルでは、高圧再生器4と凝縮器6と高圧側溶液ポンプ9Hが使用されず、図中、点線で示された溶液サイクルは停止している。したがって、第3の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機111Bは、第3の単段溶液サイクルの運転ができるので、エネルギーの消費量を減らすことができる。したがって、単段溶液サイクル運転時に更なる省エネルギーで経済的な運転を実現できる点も第2の実施の形態と同様である。
【0093】
図7のフロー図でもある模式的構造図を参照して、本発明の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態では、機器の作動圧力を考慮し、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器5(符号5は図1では高圧吸収器兼凝縮器であったがここでは高圧吸収器)と低圧再生器3、および高圧再生器4と凝縮器6の三つの区画に仕切った図1の実施の形態に代えて、缶胴201、缶胴202および缶胴203の三つの缶胴に機器を配置した構造とし、輸送・搬入後に図1の第1の実施の形態に近い一体形状で使用する場合を示す。
【0094】
本実施の形態では、蒸発器1と低圧吸収器2との間、高圧吸収器5と低圧再生器3との間、および高圧再生器4と凝縮器6との間には、それぞれエリミネータ30、エリミネータ31、エリミネータ32が、それぞれの区画に設けられている。
【0095】
エリミネータ30は、蒸発器1から吸収器2へ冷媒液滴の同伴および吸収器2から蒸発器への溶液の混入を防止するためのものである。エリミネータ31は、低圧再生器3と高圧吸収器兼凝縮器5間での液滴の同伴を防止するためのものである。エリミネータ32は、高圧再生器4から凝縮器6へ溶液の液滴の同伴を防止するためのものである。これらのエリミネータの採用により、より熱効率の高い運転が可能となる。
【0096】
本第4の実施の形態は、装置の輸送・搬入を考慮し、中大容量の二段単段切替吸収冷凍機に採用し、コンパクトで、低コストな装置とする場合に適する。図示していないが、缶胴201と缶胴202、缶胴202と缶胴203、および缶胴201と缶胴203を一つの缶胴に収納して、図1の実施の形態で示した隔壁板34A、35Aのように、同様の機能を有する隔壁板で仕切ってもよい。その方が、図示の場合と比較して、よりコンパクトで低コストな装置となる。必要な冷凍容量に合せ、かつ、輸送・搬入条件を考慮し、最もコンパクトで低コストな構造・構成の缶胴を組合せた装置を選択し、最適な、即ち、輸送・搬入が容易で、かつ、よりコンパクトで低コストな装置できることが、本発明の他の目的である。
【0097】
図7の第4の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機112では、缶胴201、缶胴202および缶胴203は、矩形断面の形状としているが、強度などの関係から、小判形や楕円形など形状として缶胴の板厚を薄くすることも、コンパクトさを保つ範囲で可能である。
【0098】
図8は、第4の実施の形態の吸収溶液サイクルの吸収溶液のデューリング線図である。このサイクルは第2の二段溶液サイクルである。ここで第2の二段溶液サイクルとは、1サイクル方式(二段吸収のサイクルが高圧側と低圧側とで1つのサイクルに連続した連続サイクル型)で運転される運転サイクルをいうものとする。
【0099】
本図に示すように、高圧段サイクルと低圧段サイクルはA1−A2−A3−A4−A5−A6−A7−A8−A1と一つの循環サイクルとなり、冷却媒体温度が低下し、かつ、冷熱源温度が上昇した運転状態では、細線で描かれているように、平行四辺形の一部を重ねてその輪郭を描いたサイクルに変化し、さらに点線のように一つの平行四辺形で表わされる単段溶液サイクルとなって行く。
【0100】
図8において、点A1−点A2は、低圧吸収器2で高濃度溶液が冷媒蒸気を吸収するプロセス、点A5−点A6は、加熱媒体である温水などで加熱される高圧再生器4において低濃度溶液が冷媒蒸気を発生して中間濃度溶液に濃縮されるプロセス、この中間濃度溶液を点A7−点A8は、加熱媒体である温水などで加熱される低圧再生器3において冷媒蒸気を発生して濃縮され濃溶液になるプロセスを示している。
【0101】
加熱する加熱媒体である温水などが比較的低温で、点A8および点A6の溶液温度THまでしか加熱できず、即ち、単段では目的の濃度まで濃縮できないため、図のサイクルのように、低圧溶液サイクル部と高圧溶液サイクル部に別れた二段の溶液サイクルとなっている。
【0102】
図8の溶液サイクルは、前述のように第2の二段溶液サイクルの例であり一つの連続サイクルとなっている。図1の溶液サイクルは、第1の二段溶液サイクルの例であり、2つに分かれた溶液サイクルである点で相違する。しかしながら、両者はいずれも同等のサイクルの機能を有する二段溶液サイクルである。
【0103】
単段溶液サイクルの状態は、冷熱源として必要な負荷によって、必ずしも点線の位置や形状とならないが、高圧溶液サイクル部と低圧溶液サイクル部が重なり単段溶液サイクルに変化する状態となることに、本発明は着目している。
【0104】
図7に示すように、本第4の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機112では、蒸発器1には冷媒の蒸発圧力を検出する蒸発器圧力検出器43が、高圧吸収器5には中間圧力を検出する圧力検出器60が、凝縮器6には冷媒凝縮圧力を検出する凝縮器圧力検出器44が、低圧吸収器2の液溜まりの底部又は溶液出口配管に低圧吸収器出口の溶液温度を検出する低圧吸収器出口温度検出器45および高圧再生器4の液溜まりの底部又は溶液出口配管に高圧再生器出口の溶液温度を検出する高圧再生器出口温度検出器46を備える。さらに二段単段切替吸収冷凍機112を制御する、マイコンやPCなどで構成される制御装置123を備える。
【0105】
蒸発器圧力検出器43は、直接圧力を検出する圧力計型であってもよいし、蒸発器1の冷媒の飽和温度を検出した後に冷媒の特性から飽和圧力を知ること圧力を検出する温度計型であってもよい。また、凝縮器圧力検出器44は、直接圧力を検出する圧力計型であってもよいし、凝縮器6の冷媒の飽和温度を検出した後に冷媒の特性から飽和圧力を知る温度計型とすることも可能である。
【0106】
上記の各検出器からの検出値に基づいて、必要なら或いは経済的に事情が許すなら、さらに、測定項目を追加して、例えば最も確かな方法としては、不図示であるが、それぞれの溶液サイクルの低濃度溶液および高濃度溶液の濃度を、図1に示したような位置または溶液配管18、19、20、21中に設けた濃度検出器で直接に測定するなどして、図8に示した点線の様な単段溶液サイクル状態(高圧溶液サイクル部と低圧溶液サイクル部が近似的に重なった運転状態)を可能とする運転条件の判断を制御装置123によって行い、その制御信号で自動弁70を閉じ、低圧再生器3への加熱源、および自動弁71を閉じ高圧吸収器5への冷却水の通水を停止して、前述の如く、省エネルギーな二段溶液サイクルから単段溶液サイクルへの切替を行う。
【0107】
図7は二段溶液サイクルの運転状態を示し、第2の単段溶液サイクルを示していない。この単段溶液サイクルにおいては、二つの溶液ポンプ9L、9Hは運転継続が必要となるので、省エネルギー運転上は欠点があるが、溶液や冷媒配管は簡素化される。また、制御装置123からの信号で、図5の実施の形態と後述の図9の実施の形態と同様の方法で、自動弁70を閉じて低温再生器3への加熱源の供給を停止し、かつ、自動弁71を閉じて高圧吸収器5への冷却媒体を停止している。このため、図7の第2の単段溶液サイクルの例では、高圧吸収器5と低温再生器3において、吸収溶液は濃縮も希釈もされずに、素通りするだけとなる。
【0108】
図9のフロー図を参照して、第5の実施の形態を説明する。図7の第4の実施の形態と比較して、高圧再生器4から低圧再生器3への溶液配管14に二方切替弁53が挿入配置されている。
その他、切替弁36、切替弁37、切替弁40が、図1の第1の実施の形態と同様に配置されている。
【0109】
図9の場合は、切替弁53が閉となり低圧再生器3への吸収液の散布が停止され、低圧再生器3の機能が停止されている。これで低圧再生器3の機能の停止という作用は十分に充足されるが、さらに切替弁70が閉となり低圧再生器3への加熱媒体の供給を停止することにより、加熱媒体供給のためのエネルギーの節約を図ることができる。
【0110】
また低圧側溶液ポンプ9Lを停止し高圧吸収器5への溶液の散布が停止されるころにより、高圧吸収器5の機能が停止されている。これでポンプ駆動のエネルギーが節約されると同時に高圧吸収器5の機能の停止という作用は十分に充足されるが、さらに切替弁71が閉となり高圧吸収器5への冷却媒体の供給を停止することにより、冷却媒体供給のためのエネルギーの節約をも図ることができる。また切替弁36が閉となり、溶液の流入が止まっている高圧吸収器5と高圧側溶液ポンプ9Hとの間の配管を閉としている。
【0111】
このようにして、低圧再生器3と高圧吸収器5の機能が停止されるので、この吸収冷凍機112Aは、第2の単段溶液サイクルの運転がされる。
【0112】
次に図10のフロー図を参照して、第6の実施の形態を説明する。図9の第5の実施の形態と比較して、高圧吸収器5が高圧吸収器兼凝縮器5として構成され、高圧吸収器兼凝縮器5の伝熱チューブ5Aの上方に導かれている配管18の途中に切替弁52が設置されている。また配管18から低圧再生器3の伝熱チューブ3Aの上方に導かれる配管28があり、配管28には切替弁50が設置されている。さらに高圧吸収器兼凝縮器5からの配管15には、分岐する配管17が設けられ、配管17は配管25と接続されている。配管17には、分岐した後で配管25と接続されるまでの途中に切替弁38が設けられている。
【0113】
本実施の形態の本図に示す運転では、切替弁50が開となって低圧再生器3に溶液が供給される。また切替弁52が閉となり高圧吸収器兼凝縮器5への溶液の供給が停止される一方、切替弁71は開となっているので、冷却水は供給されている。したがって、高圧吸収器兼凝縮器5は凝縮器として機能する。切替弁38は開、切替弁36は閉であるので、高圧吸収器兼凝縮器5で凝縮した冷媒液は、配管17から配管25に合流して蒸発器1に流入する。
【0114】
このようにして、高圧吸収器兼凝縮器5は凝縮器として機能するので、この吸収冷凍機112Bは、第1の単段溶液サイクルの運転がされる。
【0115】
図11、図12のフロー図(模式的構造図)を参照して第7、第8の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機113、113Aを説明する。本実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機113Aは、二段単段切替吸収冷凍機113と同一の機能を有する構成部分に加えて追加の切替弁70、71及び同用配管27を有する。二段単段切替吸収冷凍機113の二段溶液サイクル運転は、図1と同一の溶液サイクル(第1の二段溶液サイクル)であり、単段溶液サイクルは、図2の第1の単段溶液サイクルに分類される。しかしながら、この単段溶液サイクルの運転サイクルは、後述のように図2の運転サイクルと異なる。
【0116】
本実施の形態で、図2と異なる単段溶液サイクル部分についてのみ以下に説明する。本図では、冷熱媒体(ここでは冷水)入口温度検出器47、冷熱媒体(ここでは冷水)出口温度検出器48、および冷却媒体(ここでは冷却水)入口温度検出器42での検出温度に基づいて、図3に示した点線の様な単段溶液サイクルが可能な運転条件の判断をマイコンなどにより行って、その制御信号を二段溶液サイクルから単段溶液サイクルへの切替として、開閉信号をそれぞれの自動弁36、38、50、51、52a、53aに送ることによって、図2の実施の形態と同等の単段溶液サイクルを行なう。
【0117】
図11の実施の形態で図2と相違する部分について以下に説明する。低圧側溶液熱交換器7からの溶液は溶液配管28と溶液配管29に分岐し、開かれた自動弁50、開かれた自動弁51から、それぞれ低圧再生器3、高圧再生器4に送られる。高圧再生器4内の散布器4Bにより伝熱部4Aの外面に散布される。中間濃度溶液は、伝熱部4A内部を流れる加熱媒体(ここでは温水)により加熱され、冷媒蒸気を発生して濃縮する。
【0118】
この高濃度溶液は、高濃度溶液配管41を介して、低圧再生器3からの高濃度溶液と高濃度溶液配管21で合流する。一方、高圧側溶液ポンプ9Hは停止し、高圧吸収器兼凝縮器5は凝縮器として働き、低圧再生器3からの冷媒蒸気は、高圧吸収器兼凝縮器5の伝熱部5A内部を流れる冷却媒体(ここでは冷却水)に熱を奪われて、凝縮する。凝縮した冷媒液は冷媒液・溶液兼用配管15、冷媒液配管17、開かれた自動弁38を介して、凝縮器6から冷媒液配管25を介した冷媒液と合流し、冷媒液配管24から蒸発器1内の散布器1Aにより、伝熱部1Aに散布される。
【0119】
図11の第7の実施の形態の単段溶液サイクル運転が、図2の第1の実施の形態の第1の単段溶液サイクル運転と異なる点は、単段溶液サイクル運転時に、高圧側溶液ポンプ9Hを停止できることである。但し、ポンプ9Hの運転動力は不要となるが、低圧側溶液ポンプ9Lの揚液量を高圧再生器4に送液する量分の増加が必要で、この送液のための動力は増加する。また、低圧側溶液熱交換器7およびその配管には、この揚液量を考慮した容量とする必要がある。
【0120】
図11の第7の実施の形態の他の目的は、図12に示すような第2の単段溶液サイクル運転を可能とすることにある。図12の運転サイクルは、二段溶液サイクルの運転時と同一の冷熱源の発生熱量以上の熱量を必要としない場合の運転方法を示す。図12の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機では、低圧再生器3への加熱媒体流路に自動弁70が追加設置され、高圧吸収器5への冷却媒体流路27に自動弁71が追加設置されている。そして図12の運転サイクルでは、自動弁70、71は、制御装置124からの制御信号により閉とされている。
【0121】
その単段溶液サイクルの図11の単段溶液サイクルとの運転時の相違について以下に説明する。低圧側溶液熱交換器7からの溶液は、溶液配管29、開かれた自動弁51を介して、高圧再生器4内の散布器4Bにより伝熱部4Aの外面に散布される。さらに、自動弁50を閉じ溶液配管28側への溶液の流れを閉塞し、また、低圧再生器への加熱媒体(ここでは温水)の供給を停止する。
【0122】
一方、自動弁38を閉じると共に、高圧吸収器兼凝縮器5の伝熱部5A内部を流れる冷却媒体(ここでは冷却水)の供給を停止する。なお、本第7の実施の形態を第1の単段溶液サイクルで運転するときは、低圧再生器3の伝熱部3Aと高圧吸収器兼凝縮器5の伝熱部は、散布式を採用しているので、低圧再生器3への温水および高圧吸収器兼凝縮器5への冷却水の供給を停止しなくても良いが、これらの媒体循環のための動力が無駄となるので、省エネルギーためにその供給停止する。もちろん、満液型の伝熱面構造でも、上述のすべての実施の形態で採用可能であるが、この場合は、低圧再生器3への加熱媒体の供給停止は一般的に必要となる。
【0123】
以上の実施の形態の目的を要約すると、図1および図2に示される二段単段切替型吸収冷凍装置の二段溶液サイクル時の運転と、図11または図12に示される二段単段切替型吸収冷凍装置は、二段溶液サイクル時の運転は同一の機能である。しかし、前者の単段溶液サイクル時の運転は、単段溶液サイクル運転時に大きな冷熱源エネルギー量を得ることを目的とする場合に適し、後者の単段溶液サイクル時の運転は、同様に、大きな冷熱源エネルギー量を得ることが、できるだけでなく、図12に示すように、冷熱源エネルギーの所要量が少ない時は、加熱媒体と冷却媒体の供給量を半減した運転を可能する機能を有し、更に、省エネルギーな運転を可能としている。
【0124】
なお、後者の二段単段切替型吸収冷凍装置で、二段溶液サイクル時の冷熱源エネルギーの発生可能熱量以上の熱量を必要としない場合は、図11に示す運転サイクルの必要はなく、かつ、前述した低圧側溶液ポンプ9Lの揚液量を高圧再生器4に送液する量分の増加の必要もなく、また、低圧側溶液熱交換器7およびその配管は容量を変更する必要もない。さらに、図12の運転サイクル図中の自動弁38と冷媒液配管17は必要なく、より低コストで経済性の高い運転が可能となる。
【0125】
図1の第1の実施の形態の吸収冷凍機の第1の二段溶液サイクルサイクル運転と図7の二段溶液サイクル運転の何れにおいても、前述の図2と図10、図5と図9の実施例などから明らかな如く、二段溶液サイクル運転から単段溶液サイクル運転に切替える方法については、冷媒および溶液サイクルに設けた機器の分配器、連絡配管の接続方法と弁及び機器の分配器などを変更することにより、全く、同様の各種の単段溶液サイクルの機能の実現が可能である。
【0126】
図1を参照して、本発明の実施の形態の冷凍システムを説明する。先に説明した二段吸収冷凍機111と、これに排熱エネルギーとしての温水を供給する熱源供給装置としての工場121を備える。工場121は化学プロセスであり、50〜60℃程度の比較的低温の温水が排出される。
【0127】
熱源供給装置からの排熱は、工場の化学プロセスからの温水に限らず、コージェネレーションシステムのエンジンなどの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱などであってもよい。いわゆる比較的低温の排熱であればよく、この排熱を、当該二段吸収冷凍機の加熱源とし、得られた冷熱源を家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用する方法を実現することができる。
【0128】
以上説明したように、本発明の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機は、
(1)蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器、低圧再生器、高圧再生器、凝縮器、低圧側溶液熱交換器および高圧側溶液熱交換器の機能を備えた二段吸収冷凍装置において、冷却媒体の温度条件、およびまたは冷熱媒体温度条件、およびまたは冷熱源媒体の負荷条件により、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替を可能とする構造と機能を有する。
(2)蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器兼凝縮器、低圧再生器、高圧再生器、凝縮器、低圧側溶液熱交換器および高圧側溶液熱交換器の機能を備えた二段単段切替型吸収冷凍装置において、低圧吸収器、低圧側溶液熱交換器、低圧再生器、低圧側溶液熱交換器、低圧吸収器を循環する低圧溶液サイクルと、高圧吸収器兼凝縮器、高圧側溶液熱交換器、高圧再生器、高圧側溶液熱交換器、高圧吸収器兼凝縮器を循環する高圧溶液サイクルの二段溶液サイクルを備える。
(3)蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、凝縮器、低圧側溶液熱交換器および高圧側溶液熱交換器の機能を備えた二段吸収冷凍装置において、低圧吸収器、低圧側溶液熱交換器、高圧吸収器、高圧側溶液熱交換器、高圧再生器、高圧側溶液熱交換器、低圧再生器、低圧側溶液熱交換器、低圧吸収器を循環する低圧溶液サイクル部と高圧溶液サイクル部を有する二段溶液サイクルを備える。
(4)蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器、低圧再生器、高圧再生器、凝縮器、低圧側溶液熱交換器および高圧側溶液熱交換器の機能を備えた二段吸収冷凍装置において、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を一つの缶胴内収納した構造、または複数の缶胴に区画して収納しかつ当該複数の缶胴を一体化した構造を備える。
(5)冷却熱源温度の変化またはおよび冷熱源温度の変化と負荷を検知し、およびまたは、二段溶液サイクルまたは単段溶液サイクルの運転状態の温度、圧力、およびまたは溶液濃度を検知し、この検出信号に基づき二段吸収サイクル運転と単段溶液サイクル運転を切替える機能を有する。
(6)冷却水温度が低下する状態において、およびまたは冷熱源温度が低下する状態において、およびまたは冷凍負荷の減少する状態において、これらの一つまたは複数の状態を検知に基づいて発進する信号により、二段溶液サイクルを単段溶液サイクルに切替え、一方、冷却水温度が上昇する状態において、およびまたは冷熱源温度が上昇する状態において、およびまた冷凍負荷の増大する状態において、これらの一つまたは複数の状態を検知に基づいて発進する信号により、単段溶液サイクルを二段溶液サイクルに切替える機能を有する。
(7)さらに本発明の実施の形態の二段単段切替吸収冷凍機を有する冷凍システムでは、以上の二段単段切替型吸収冷凍装置を用いて、コージェネレーションのエンジンなどの冷却排熱、工業プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱など、比較的低温の排熱を、当該二段単段切替型吸収冷凍装置の加熱源とし、得られた冷熱源を家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用する。
【0129】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、冷却媒体の温度条件、及び冷熱媒体の温度条件、及び冷熱媒体の負荷条件のうち少なくとも1の条件に基き、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替をする制御装置を備えるので、条件に適したサイクルの運転に切り替えることができる二段単段切替吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第2の二段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を単段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図3】図1に示す二段単段切替吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図4】図1に示す二段単段切替吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第2の単段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第3の二段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第2の二段溶液サイクルで運転している場合の模式的構造図である。
【図8】図7に示す二段単段切替吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第2の単段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第1の単段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第1の単段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態である二段単段切替吸収冷凍機を第2の単段溶液サイクル運転をしている場合の模式的構造図である。
【図13】従来の二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図14】図13に示す従来の二段吸収冷凍機のデューリング線図である。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 低圧吸収器
3 低圧再生器
4 高圧再生器
5 高圧吸収器兼凝縮器
6 凝縮器
7 低温側溶液熱交換器
8 高温側溶液熱交換器
9L 低圧側溶液ポンプ
9H 高圧側溶液ポンプ
36、37、38、39、40 自動切替弁
42、43、45、46、47、48、49 検出器
50、51、52、53 自動弁
121 熱源供給装置
122、123、123 制御装置

Claims (6)

  1. 蒸発器と、低圧吸収器と、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器と、低圧再生器と、高圧再生器及び凝縮器の機能を備えた二段単段切替吸収冷凍機において;
    前記低圧吸収器と、高圧吸収器または高圧吸収器兼凝縮器及び凝縮器の機能で使用する冷却媒体の温度条件、及び前記蒸発器で冷却する冷熱媒体の温度条件、及び前記冷熱媒体の負荷条件のうち少なくとも1の条件に基き、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替をする制御装置を備える;
    二段単段切替吸収冷凍機。
  2. 冷媒を蒸発させて冷熱媒体を冷却する蒸発器と;
    吸収液を冷却媒体で冷却しながら、前記蒸発した冷媒ガスを吸収する低圧吸収器と;
    吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生させた吸収液を前記低圧吸収器に戻す低圧再生器と;
    吸収液を冷却媒体で冷却しながら、前記低圧再生器で発生した冷媒ガスを吸収する高圧吸収器と;
    前記高圧吸収器からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を前記高圧吸収器または前記低圧再生器に戻す高圧再生器と;
    前記高圧再生器で発生した冷媒ガスを冷却媒体で冷却して凝縮する凝縮器と;
    前記低圧吸収器と、前記高圧吸収器及び凝縮器の機能で使用する冷却媒体の温度を検出する媒体温度検出器、及び前記蒸発器で冷却する冷熱媒体の温度を検出する冷熱媒体温度検出器、溶液サイクルの状態を知るための吸収液の温度を検出する吸収液温度検知器、二段単段切替型吸収冷凍機内の複数個所の圧力を検知する圧力検知器または該圧力に相当する冷媒液の飽和温度を検知する温度検知器、溶液サイクルの複数個所の溶液濃度を検出する溶液濃度検出器、及び前記冷熱媒体の負荷の大きさを検出する検出器のうち少なくとも1つの検出器を備え、該少なくとも1つの検出器の検出信号に基づき、二段溶液サイクル運転と単段溶液サイクル運転の切替をする制御装置とを備える;
    二段単段切替吸収冷凍機。
  3. 蒸発器と、低圧吸収器と、高圧吸収器兼凝縮器と、低圧再生器と
    高圧再生器および凝縮器の機能を備えた二段単段切替吸収冷凍機において;
    単段溶液サイクル運転を行うために、
    前記高圧吸収器兼凝縮器を凝縮器として使用し、前記蒸発器と前記低圧吸収器と前記低圧再生器と前記高圧再生器および前記凝縮器の全てをそれぞれの機能で使用し、
    又は、前記高圧吸収器兼凝縮器の機能を停止し、前記低圧再生器の機能を停止し、前記蒸発器と、前記低圧吸収器と、前記高圧再生器および前記凝縮器の全てをそれぞれの機能で使用し、
    又は、前記凝縮器の機能を停止し、前記高圧再生器の機能を停止し、前記高圧吸収器兼凝縮器を凝縮器として使用し、前記蒸発器と、前記低圧吸収器と、前記低圧再生器の全てをそれぞれの機能で使用するように切替える機能を備える;
    二段単段切替吸収冷凍機。
  4. 蒸発器と、低圧吸収器と、高圧吸収器と、低圧再生器と高圧再生器および凝縮器の機能を備えた二段単段切替吸収冷凍機において;
    単段溶液サイクル運転を行うために、
    前記高圧吸収器の機能を停止し、前記低圧再生器の機能を停止し、前記蒸発器と前記低圧吸収器と前記高圧再生器と前記凝縮器の全てをそれぞれの機能で使用するように切替える機能を備える;
    二段単段切替吸収冷凍機。
  5. 二段サイクル運転中に、冷却媒体の温度が低下する状態、冷熱媒体温度が上昇する状態、冷凍負荷の減少する状態、のうち少なくとも1の状態を検知したときに、二段溶液サイクルを単段溶液サイクルに切替え、単段サイクル運転中に、冷却媒体の温度が上昇する状態、冷熱媒体温度が上昇する状態、冷凍負荷の増大する状態、のうち少なくとも1の状態を検知したときに、単段溶液サイクルを二段溶液サイクルに切替える第2の制御装置を備える;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の、二段単段切替吸収冷凍機。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の二段単段切替吸収冷凍機と;
    前記二段単段切替吸収冷凍機に前記低圧再生器と前記高圧再生器に比較的低温の加熱媒体を供給する熱源供給装置とを備える;
    冷凍システム。
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