JP2004169721A - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受に作用する外力を均一にでき、予圧の変化、すなわち剛性の変化を少なくでき、しかも低コストにできる転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受装置10は、軸部材11の外周面11Aに転がり軸受12を嵌合し、転がり軸受12を介してEブロック15を軸部材11に回転自在に支えるものである。この転がり軸受装置10は、Eブロック15に転がり軸受12を嵌め込む段部22を設け、段部22に臨むようにEブロック15にすり割17を設け、すり割17の一方の部位18と他方の部位19とをボルト20で締め付けてすり割17の間隔S1を狭くすることにより、段部22の内周面22aを転がり軸受12に圧接するものである。
【選択図】 図2
【解決手段】転がり軸受装置10は、軸部材11の外周面11Aに転がり軸受12を嵌合し、転がり軸受12を介してEブロック15を軸部材11に回転自在に支えるものである。この転がり軸受装置10は、Eブロック15に転がり軸受12を嵌め込む段部22を設け、段部22に臨むようにEブロック15にすり割17を設け、すり割17の一方の部位18と他方の部位19とをボルト20で締め付けてすり割17の間隔S1を狭くすることにより、段部22の内周面22aを転がり軸受12に圧接するものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置に使用するスイングアーム用軸受のように、高速で微小揺動する部位に使用される転がり軸受装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速で微小揺動する部位に使用されるスイングアーム転がり軸受装置には各種の構造があり、その一例として、図9および図10に示すように、潤滑剤が密封された一対の転がり軸受100に予圧をかけて使用するものが知られている。
【0003】
すなわち、図9に示す一対の転がり軸受100は、各内輪101の内周面101Aおよび各外輪102の外周面102Aの4個所に接着剤が塗布され、内輪101の内周面101Aが軸部材103に接着固定されるとともに、外輪102の外周面102Aがハウジング104に接着固定されことにより転がり軸受ユニット105に組み付けられる。
あるいは、一対の転がり軸受100は、内輪101が軸部材103に圧入固定されるとともに、外輪102がハウジング104に圧入固定されることにより、接着剤を用いずに転がり軸受ユニット105に組み付けられる。
【0004】
一方、図10に示す一対の転がり軸受100は、各玉軸受100間に間座107を配置し、各内輪101の内周面101Aに接着剤が塗布され、内輪101の内周面101Aが軸部材103に接着固定されることにより転がり軸受ユニット108に組み付けられる。
あるいは、一対の転がり軸受100は、内輪101が軸部材103に圧入固定されることにより、接着剤を用いずに転がり軸受ユニット108に組み付けられる。
【0005】
このように組み付けられた転がり軸受ユニット105,108のうち、図9に示す転がり軸受ユニット105を、3.5インチHDDに適用する場合、図11に示すようにEブロック110がハウジング104の外径中央部にボルト111で止められる引っ張りタイプが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、同様のタイプはその他の文献にも示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−161925 号公報(第2頁、図3)
【特許文献2】
特開2000−2256 号公報(第2頁、図3)
【0007】
また、図11に示すタイプの他に、図9および図10に示す転がり軸受ユニット105,108を、3.5インチHDDに適用する場合のタイプとしては、ハウジング104の外周面104Aまたは間座107の外周面107Aにボルト111の先端を突き当てる突当てタイプや、ハウジング114の外周面104AとEブロック110、または軸受100の外輪外周面102Aおよび間座107の外周面107AとEブロック110とで接着固定される接着タイプが知られている。
【0008】
ところで、最近、磁気ディスク装置はますます高密度化が要求されている。このため、ディスクに信号を記録するトラックの幅はますます狭くなってきており、目標トラックへのアクセスの高速化と位置決め性能の高精度化が要求されている。
この制御の高速化と高精度化を満たすために、スイングアーム転がり軸受装置は、高剛性化および剛性の変化が少ないことが求められている。
加えて、磁気ディスク装置の低コスト化にともない,Eブロック110と転がり軸受ユニット105,108とを費用をかけないで結合する方法が要求されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した3タイプのスイングアーム転がり軸受装置では、Eブロック110の取り付け時にハウジング104または、軸受100の外輪102、間座107にボルト111がねじ込まれたり当接されたりするので、これらの部材に大きな力が作用する。
よって、ハウジング104または、軸受100および間座107が傾いて変形してしまい、軸受100にかかる予圧が変化して、剛性が低下することや、剛性がばらつくという課題があった。
【0010】
加えて、転がり軸受ユニット105,108をEブロック110に固定するために、ハウジング104や間座107の部材を必要としたり、接着剤を必要としたりするので、そのことが低コストを図る妨げになっていた。
【0011】
一方、2.5インチHDDの場合は、プレス加工された平板板に間座を設け、ナットによって固定する積層タイプが主流である。
【0012】
しかし、ナット締め付け時の間座の変形により軸受100が傾いて変形してしまい、軸受100にかかる予圧が変化して、剛性が低下することや、剛性がばらつくという課題があった。
加えて、プレス加工された平板板に間座を設け、ナットによって固定する積層タイプでは、ナット、間座、アームなどの部材が必要になり、部品数が多くコスト高となっていた。
【0013】
本発明は、Eブロックと転がり軸受ユニットを締結する際に、転がり軸受に作用する外力を均一にでき、予圧の変化、すなわち剛性の変化を少なくでき、しかも低コストにできる転がり軸受装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1の転がり軸受装置に記載したように、軸部材の外周面に転がり軸受を嵌合し、この転がり軸受にハウジングを嵌合することにより軸受ユニットを構成し、この軸受ユニットのハウジングを介してEブロックを前記軸部材に回転自在に支える転がり軸受装置において、前記Eブロックにハウジングを嵌め込む嵌合孔を設け、この嵌合孔に臨むようにEブロックにすり割を設け、このすり割の一方の部位と他方の部位とを締結手段で締め付けてすり割の間隔を狭くすることにより、前記嵌合孔の内周面をハウジングに圧接することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2は、軸部材の外周面に転がり軸受を嵌合し、この転がり軸受を介してEブロックを前記軸部材に回転自在に支える転がり軸受装置において、前記Eブロックに転がり軸受を嵌め込む嵌合孔を設け、この嵌合孔に臨むようにEブロックにすり割を設け、このすり割の一方の部位と他方の部位とを締結手段で締め付けてすり割の間隔を狭くすることにより、前記嵌合孔の内周面を転がり軸受に圧接することを特徴とする。
【0016】
このように構成された転がり軸受装置においては、Eブロックにすり割を設け、すり割の間隔を締結手段で狭くして嵌合孔の内周面を転がり軸受に圧接することができる。
よって、軸受ユニットまたは転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結できるので、転がり軸受の傾きの発生を防止し、転がり軸受にかかる予圧の変化を抑えることができる。
【0017】
また、軸受ユニットまたは転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結することで、転がり軸受の接触面積を大きく確保できる。これにより、転がり軸受に作用する外力を均一にでき、接触剛性の向上を図ることができる。
【0018】
さらに、転がり軸受をEブロックに固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座を不要にでき、アームを一体にできることから部品数を減らすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、既に図1〜図4において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化しあるいは省略する。
【0020】
図1に示すように第1実施形態の転がり軸受装置10は、軸部材11の外周面11Aに一対の転がり軸受12の内輪13を嵌合し、一対の転がり軸受12を介してEブロック15を軸部材11に回転自在に支える装置である。
【0021】
この転がり軸受装置10は、図2〜図3に示すようにEブロック15に転がり軸受12の外輪14を嵌め込むために貫通孔16に嵌合孔として段部22(図1参照)を設け、この段部22に臨むようにEブロック15にすり割17を設け、このすり割17の一方の部位18と他方の部位19とをボルト(締結手段)20で締め付けてすり割17の間隔S1を狭くすることにより、段部22の内周面22Aを転がり軸受12の外輪14に圧接して外輪14にEブロック15を取り付けたものである。
【0022】
一対の転がり軸受12は、図1に示す内輪13の内周面13Aに接着剤(図示せず)が塗布され、内周面13Aが軸部材11に接着固定されるか、あるいは未接着剤状態で内輪13が軸部材11に圧入固定されている。
貫通孔16は、上下端に転がり軸受12の外輪14を嵌め込む一対の段部22が形成されている。段部22は真円でも楕円でもどちらでもよく、段部22の内周面22Aには、4個の逃げ溝23(図2、図4参照)が等間隔に設けられている。
【0023】
この逃げ溝23は、図4に示すように溝幅W1が15mm以下に設定され、好ましくは溝幅W1が0.001〜10mmに設定されることが好ましい。
溝幅W1を0.001〜10mmに設定することで逃げ溝23の加工が容易になるからである。
【0024】
また、逃げ溝23は、溝深さD1が10mm以下に設定され、好ましくは溝幅D1が5mm以下に設定されることが好ましい。
溝深さD1を5mm以下に設定することで逃げ溝の加工が容易になるからである。
段部22の内周面22A,16に逃げ溝23を設けることで、すり割17の一方の部位18と他方の部位19とをボルト20で締め付ける際に、Eブロック15に発生する応力を逃げ溝23で逃がすことができる。
【0025】
すり割17は、間隔S1が30mm以下に設定され、好ましくは間隔S1が0.05〜5mmに設定されることが好ましい。
すり割17の間隔S1を0.05〜5mmに設定することですり割17の加工が容易になるからである。
【0026】
すり割17の一方の部位18の中央(すなわち、Eブロック15の高さ方向の中央)に差込孔26が形成されるとともに、他方の部位19の中央(すなわち、Eブロック15の高さ方向の中央)にねじ孔27が形成されている。
差込孔26にボルト20を差し込み、差込孔26を貫通したボルト20をねじ孔27にねじ込むことにより、一方の部位18と他方の部位19とを締め付けることができる。
【0027】
ボルト20は、ねじサイズがM10以下に設定され、好ましくはM5以下に設定されている。ボルト20のねじサイズを小さく抑えることにより、転がり軸受装置10の小型化が図りやすくなるからである。
なお、すり割17をボルト20で締め付ける際に、Eブロック15にボイスコイルモータ(VCM)29が取り付けられた状態でも良いが、ボイスコイルモータ29はボルト20の締め付け後にEブロック15に付けることも可能である。
【0028】
このボルト20で一方の部位18と他方の部位19とを締め付けることで、すり割17の間隔S1を狭くして段部22の内周面(嵌合孔)22Aを転がり軸受12に圧接することができる。
これにより、転がり軸受12にボルト20を直接接触させずにEブロック15を締結できるので、転がり軸受12の傾きの発生を防止し、転がり軸受12にかかる予圧の変化を抑えることができる。
【0029】
また、転がり軸受12にボルト20を直接接触させずにEブロック15を締結することで、転がり軸受12の接触面積を大きく確保できる。これにより、転がり軸受12に作用する外力を均一にでき、接触剛性の向上を図ることができる。
さらに、転がり軸受12をEブロック15に固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座やアームなどの部材を不要にでき、部品数を減らすことができる。
【0030】
つぎに、第2実施形態を図5〜図8に基づいて説明する。なお、第2実施形態の転がり軸受装置40は、Eブロック15の嵌合孔46をストレートに形成して、一対の転がり軸受12間に間座42を設けた点で第1実施形態の転がり軸受装置10と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0031】
すなわち、図5に示すように第2実施形態の転がり軸受装置40は、軸部材11の外周面11Aに一対の転がり軸受12の内輪13を嵌合し、一対の転がり軸受12を介してEブロック45を軸部材11に回転自在に支える装置である。
【0032】
この転がり軸受装置40は、図6〜図8に示すようにEブロック45に転がり軸受12を嵌め込む嵌合孔46を設け、この嵌合孔46に臨むようにEブロック45にすり割47を設け、このすり割47の一方の部位48と他方の部位49とをボルト(締結手段)50で締め付けてすり割47の間隔S2を狭くすることにより、嵌合孔46の内周面46Aを転がり軸受12の外輪14に圧接して転がり軸受12にEブロック45を取り付けたものである。
【0033】
一対の転がり軸受12は、図5に示す内輪13の内周面13Aに接着剤(図示せず)が塗布され、内周面13Aが軸部材11に接着固定されるか、あるいは内輪13が軸部材11に圧入固定されている。
また、一対の転がり軸受12は、外輪14の外周面14AとEブロック45の嵌合孔46とが接着剤(図示せず)で接着されている。または、ボルト50でEブロック45のすり割47を小さくして固定される。
【0034】
間座42は、外周面42Aの外径が外輪14の外周面14Aの外径と略同一に形成され、外周面42AとEブロック45の嵌合孔46とが接着剤(図示せず)で接着されている。または、Eブロック45のすり割をボルトで締め付けることにより固定されている。
嵌合孔46は、真円でも楕円でもどちらでも良く、内周面46Aには4個の逃げ溝53(図6、図8参照)が等間隔に設けられている。
【0035】
この逃げ溝53は、図8に示すように溝幅W2が15mm以下に設定され、好ましくは溝幅W2が0.001〜10mmに設定されることが好ましい。
溝幅W2を0.001〜10mmに設定することで逃げ溝53の加工が容易になるからである。
【0036】
また、逃げ溝53は、溝深さD2が10mm以下に設定され、好ましくは溝深さD2が5mm以下に設定されることが好ましい。
溝深さD2を5mm以下に設定することで逃げ溝53の加工が容易になるからである。
【0037】
嵌合孔46の内周面46Aに逃げ溝53を設けることで、すり割47の一方の部位48と他方の部位49とをボルト50で締め付ける際に、Eブロック45に発生する応力を逃げ溝53で逃がすことができる。
【0038】
すり割47は、間隔S2が30mm以下に設定され、好ましくは間隔S2が0.05〜5mmに設定されることが好ましい。
すり割47の間隔S2を0.05〜5mmに設定することですり割47の加工が容易になるからである。
【0039】
すり割47の一方の部位48の中央(すなわち、Eブロック45の高さ方向の中央)に差込孔56が形成されるとともに、他方の部位49の中央(すなわち、Eブロック45の高さ方向の中央)にねじ孔57が形成されている。
差込孔56にボルト50を差し込み、差込孔56を貫通したボルト50をねじ孔57にねじ込むことにより、一方の部位48と他方の部位49とを締め付ける。
【0040】
ボルト50は、ねじサイズがM10以下に設定され、好ましくはM5以下に設定されている。ボルト50のねじサイズを小さく抑えることにより、転がり軸受装置40の小型化が図りやすくなるからである。
なお、すり割47をボルト50で締め付ける際に、Eブロック45にボイスコイルモータ(VCM)59が取り付けられた状態でも良いが、ボイスコイルモータ59はボルト50の締め付け後にEブロック45に付けることも可能である。
【0041】
このボルト50で一方の部位48と他方の部位49とを締め付けることで、すり割47の間隔S2を狭くして嵌合孔46の内周面46Aを転がり軸受12に圧接することができる。
これにより、転がり軸受12にボルト50を直接接触させずにEブロック45を締結できるので、転がり軸受12の傾きの発生を防止し、転がり軸受12にかかる予圧の変化を抑えることができる。
【0042】
また、転がり軸受12にボルト50を直接接触させずにEブロック45を締結することで、転がり軸受12の接触面積を大きく確保できる。これにより、転がり軸受12に作用する外力を均一にでき、接触剛性の向上を図ることができる。
【0043】
さらに、転がり軸受12をEブロック45に固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座やアームなどの部品数を減らすことができる。
【0044】
なお、前記第1、2実施形態では、段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46Aにそれぞれ4個の逃げ溝23,53を設けた例について説明したが、逃げ溝23,53の個数は少なくとも1個設ければよいが、2〜20個設けることが望ましい。
一方、段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46Aに逃げ溝23,53を設けなくても、ボルトですり割を締め付けることにより、嵌合孔の内周面を転がり軸受の外輪に圧接させて転がり軸受にEブロックを取り付けることは可能である。
【0045】
また、前記第1、2実施形態では、段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46Aに逃げ溝23,53を設けた例について説明したが、逃げ溝23,53はEブロック15,45の外側面に設けることも可能であり、さらに段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46AとEブロック15,45の外側面との両面に設けることも可能である。
【0046】
さらに、前記第1、2実施形態では、Eブロック15,45に1個のすり割17,47を設けた例について説明したが、すり割17,47の個数は任意に選択することができる。ここで、転がり軸受装置10,40の組み立て性を考慮すると、Eブロック15,45に1個のすり割17,47を設けることが好ましい。
【0047】
また、前記第1、2実施形態では、Eブロック15,45の高さ方向で中央に1個のボルト20,50を設けた例について説明したが、ボルト20,50を設ける部位は中央でなくても良い。
また、ボルト20,50の本数は1個に限らないで、2〜3個とすることが好ましい。ボルト20,50の本数を2〜3個とすることで、転がり軸受12に作用する外力をより均一にできるからである。
【0048】
さらに、前記第1、2実施形態では、すり割17,47の一方の部位18,48に差込孔26,56を形成するとともに、他方の部位19,49にねじ孔27,57を形成し、差込孔26,56を貫通したボルト20,50をねじ孔27,57にねじ込むことにより、すり割17,47を締め付ける例について説明したが、他方の部位19,49のねじ孔27,57を貫通孔に変えて、貫通孔から突出させたボルト20,50にナットをねじ込むことにより、すり割17,47を締め付けるように構成することも可能である。
【0049】
また、第2実施形態では、Eブロック45の嵌合孔46をストレートに形成して、一対の転がり軸受12間に間座42を設けた例について説明したが、第1実施形態と同様に、Eブロック45の嵌合孔46に段部を設けて、段部に転がり軸受を嵌め込ませてもよい。
この場合、一対の転がり軸受12の外輪14の外周面14Aと段部とを接着剤で接着してもよく、あるいは接着剤を用いなくてもよい。
【0050】
さらに、第2実施形態では、一対の転がり軸受12の外輪14の外周面14AとEブロック45の嵌合孔46とを接着剤で接着するとともに、間座42の外周面42AとEブロック45の嵌合孔46とを接着剤で接着する例について説明したが、接着剤を用いなくてもよい。
【0051】
前記第1、2実施形態では、転がり軸受12にEブロック15,45を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、図9に示す軸受ユニットのハウジングにEブロック15,45を取り付けることも可能である。
すなわち、軸部材11の外周面11Aに転がり軸受12を嵌合し、この転がり軸受12にハウジングを嵌合することにより軸受ユニットを構成し、この軸受ユニットのハウジングにEブロック15,45の嵌合孔22,46を嵌め込み、すり割17,47をボルト20,50で締め付けて嵌合孔22,46の内周面22a,46aをハウジングに圧接することにより、軸受ユニットのハウジングにEブロック15,45を取り付けることも可能である。
【0052】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、前述した実施形態において例示した軸部材11、転がり軸受12、Eブロック15,45、一方の部位18,48、他方の部位19,49等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所,厚さ寸法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の転がり軸受に記載したように、Eブロックにすり割を設け、すり割の間隔を締結手段で狭くして嵌合孔の内周面を、軸受ユニットまたは転がり軸受に圧接することができる。
よって、軸受ユニットや転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結できるので、転がり軸受の傾きの発生を防止できる。これにより、転がり軸受にかかる予圧の変化が抑えられ、剛性が低下することを防止でき、かつ剛性がばらつくことを防止できる。
【0054】
また、軸受ユニットまたは転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結することで、軸受ユニットや転がり軸受の接触面積を大きく確保できる。これにより、軸受ユニットのハウジングや転がり軸受に作用する外力を均一にでき、接触剛性が向上して位置決め制御の高速化と高精度化を満たすことができる。
【0055】
さらに、軸受ユニットまたは転がり軸受をEブロックに直接固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできるので、低コスト化を図ることができる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座やアームなどの部品数を減らして低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転がり軸受装置の第1実施形態を示す分解断面図である。
【図2】本発明に係る転がり軸受装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明に係る転がり軸受装置の第1実施形態を示す側面図である。
【図4】図2の4部拡大図である。
【図5】本発明に係る転がり軸受装置の第2実施形態を示す分解断面図である。
【図6】本発明に係る転がり軸受装置の第2実施形態を示す平面図である。
【図7】本発明に係る転がり軸受装置の第2実施形態を示す側面図である。
【図8】図6の8部拡大図である。
【図9】従来の転がり軸受装置に使用する転がり軸受ユニットを示す断面図である。
【図10】従来の転がり軸受装置に使用するもう一つの転がり軸受ユニットを示す断面図である。
【図11】従来の転がり軸受装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10,40 転がり軸受装置
11 軸部材
11A 外周面
12 転がり軸受
15,45 Eブロック
17,47 すり割
18,48 一方の部位
19,49 他方の部位
20,50 ボルト(締結手段)
22 段部(嵌合孔)
22A,46A 内周面
46 嵌合孔
S1,S2 すり割の間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置に使用するスイングアーム用軸受のように、高速で微小揺動する部位に使用される転がり軸受装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速で微小揺動する部位に使用されるスイングアーム転がり軸受装置には各種の構造があり、その一例として、図9および図10に示すように、潤滑剤が密封された一対の転がり軸受100に予圧をかけて使用するものが知られている。
【0003】
すなわち、図9に示す一対の転がり軸受100は、各内輪101の内周面101Aおよび各外輪102の外周面102Aの4個所に接着剤が塗布され、内輪101の内周面101Aが軸部材103に接着固定されるとともに、外輪102の外周面102Aがハウジング104に接着固定されことにより転がり軸受ユニット105に組み付けられる。
あるいは、一対の転がり軸受100は、内輪101が軸部材103に圧入固定されるとともに、外輪102がハウジング104に圧入固定されることにより、接着剤を用いずに転がり軸受ユニット105に組み付けられる。
【0004】
一方、図10に示す一対の転がり軸受100は、各玉軸受100間に間座107を配置し、各内輪101の内周面101Aに接着剤が塗布され、内輪101の内周面101Aが軸部材103に接着固定されることにより転がり軸受ユニット108に組み付けられる。
あるいは、一対の転がり軸受100は、内輪101が軸部材103に圧入固定されることにより、接着剤を用いずに転がり軸受ユニット108に組み付けられる。
【0005】
このように組み付けられた転がり軸受ユニット105,108のうち、図9に示す転がり軸受ユニット105を、3.5インチHDDに適用する場合、図11に示すようにEブロック110がハウジング104の外径中央部にボルト111で止められる引っ張りタイプが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、同様のタイプはその他の文献にも示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−161925 号公報(第2頁、図3)
【特許文献2】
特開2000−2256 号公報(第2頁、図3)
【0007】
また、図11に示すタイプの他に、図9および図10に示す転がり軸受ユニット105,108を、3.5インチHDDに適用する場合のタイプとしては、ハウジング104の外周面104Aまたは間座107の外周面107Aにボルト111の先端を突き当てる突当てタイプや、ハウジング114の外周面104AとEブロック110、または軸受100の外輪外周面102Aおよび間座107の外周面107AとEブロック110とで接着固定される接着タイプが知られている。
【0008】
ところで、最近、磁気ディスク装置はますます高密度化が要求されている。このため、ディスクに信号を記録するトラックの幅はますます狭くなってきており、目標トラックへのアクセスの高速化と位置決め性能の高精度化が要求されている。
この制御の高速化と高精度化を満たすために、スイングアーム転がり軸受装置は、高剛性化および剛性の変化が少ないことが求められている。
加えて、磁気ディスク装置の低コスト化にともない,Eブロック110と転がり軸受ユニット105,108とを費用をかけないで結合する方法が要求されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した3タイプのスイングアーム転がり軸受装置では、Eブロック110の取り付け時にハウジング104または、軸受100の外輪102、間座107にボルト111がねじ込まれたり当接されたりするので、これらの部材に大きな力が作用する。
よって、ハウジング104または、軸受100および間座107が傾いて変形してしまい、軸受100にかかる予圧が変化して、剛性が低下することや、剛性がばらつくという課題があった。
【0010】
加えて、転がり軸受ユニット105,108をEブロック110に固定するために、ハウジング104や間座107の部材を必要としたり、接着剤を必要としたりするので、そのことが低コストを図る妨げになっていた。
【0011】
一方、2.5インチHDDの場合は、プレス加工された平板板に間座を設け、ナットによって固定する積層タイプが主流である。
【0012】
しかし、ナット締め付け時の間座の変形により軸受100が傾いて変形してしまい、軸受100にかかる予圧が変化して、剛性が低下することや、剛性がばらつくという課題があった。
加えて、プレス加工された平板板に間座を設け、ナットによって固定する積層タイプでは、ナット、間座、アームなどの部材が必要になり、部品数が多くコスト高となっていた。
【0013】
本発明は、Eブロックと転がり軸受ユニットを締結する際に、転がり軸受に作用する外力を均一にでき、予圧の変化、すなわち剛性の変化を少なくでき、しかも低コストにできる転がり軸受装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1の転がり軸受装置に記載したように、軸部材の外周面に転がり軸受を嵌合し、この転がり軸受にハウジングを嵌合することにより軸受ユニットを構成し、この軸受ユニットのハウジングを介してEブロックを前記軸部材に回転自在に支える転がり軸受装置において、前記Eブロックにハウジングを嵌め込む嵌合孔を設け、この嵌合孔に臨むようにEブロックにすり割を設け、このすり割の一方の部位と他方の部位とを締結手段で締め付けてすり割の間隔を狭くすることにより、前記嵌合孔の内周面をハウジングに圧接することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2は、軸部材の外周面に転がり軸受を嵌合し、この転がり軸受を介してEブロックを前記軸部材に回転自在に支える転がり軸受装置において、前記Eブロックに転がり軸受を嵌め込む嵌合孔を設け、この嵌合孔に臨むようにEブロックにすり割を設け、このすり割の一方の部位と他方の部位とを締結手段で締め付けてすり割の間隔を狭くすることにより、前記嵌合孔の内周面を転がり軸受に圧接することを特徴とする。
【0016】
このように構成された転がり軸受装置においては、Eブロックにすり割を設け、すり割の間隔を締結手段で狭くして嵌合孔の内周面を転がり軸受に圧接することができる。
よって、軸受ユニットまたは転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結できるので、転がり軸受の傾きの発生を防止し、転がり軸受にかかる予圧の変化を抑えることができる。
【0017】
また、軸受ユニットまたは転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結することで、転がり軸受の接触面積を大きく確保できる。これにより、転がり軸受に作用する外力を均一にでき、接触剛性の向上を図ることができる。
【0018】
さらに、転がり軸受をEブロックに固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座を不要にでき、アームを一体にできることから部品数を減らすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、既に図1〜図4において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化しあるいは省略する。
【0020】
図1に示すように第1実施形態の転がり軸受装置10は、軸部材11の外周面11Aに一対の転がり軸受12の内輪13を嵌合し、一対の転がり軸受12を介してEブロック15を軸部材11に回転自在に支える装置である。
【0021】
この転がり軸受装置10は、図2〜図3に示すようにEブロック15に転がり軸受12の外輪14を嵌め込むために貫通孔16に嵌合孔として段部22(図1参照)を設け、この段部22に臨むようにEブロック15にすり割17を設け、このすり割17の一方の部位18と他方の部位19とをボルト(締結手段)20で締め付けてすり割17の間隔S1を狭くすることにより、段部22の内周面22Aを転がり軸受12の外輪14に圧接して外輪14にEブロック15を取り付けたものである。
【0022】
一対の転がり軸受12は、図1に示す内輪13の内周面13Aに接着剤(図示せず)が塗布され、内周面13Aが軸部材11に接着固定されるか、あるいは未接着剤状態で内輪13が軸部材11に圧入固定されている。
貫通孔16は、上下端に転がり軸受12の外輪14を嵌め込む一対の段部22が形成されている。段部22は真円でも楕円でもどちらでもよく、段部22の内周面22Aには、4個の逃げ溝23(図2、図4参照)が等間隔に設けられている。
【0023】
この逃げ溝23は、図4に示すように溝幅W1が15mm以下に設定され、好ましくは溝幅W1が0.001〜10mmに設定されることが好ましい。
溝幅W1を0.001〜10mmに設定することで逃げ溝23の加工が容易になるからである。
【0024】
また、逃げ溝23は、溝深さD1が10mm以下に設定され、好ましくは溝幅D1が5mm以下に設定されることが好ましい。
溝深さD1を5mm以下に設定することで逃げ溝の加工が容易になるからである。
段部22の内周面22A,16に逃げ溝23を設けることで、すり割17の一方の部位18と他方の部位19とをボルト20で締め付ける際に、Eブロック15に発生する応力を逃げ溝23で逃がすことができる。
【0025】
すり割17は、間隔S1が30mm以下に設定され、好ましくは間隔S1が0.05〜5mmに設定されることが好ましい。
すり割17の間隔S1を0.05〜5mmに設定することですり割17の加工が容易になるからである。
【0026】
すり割17の一方の部位18の中央(すなわち、Eブロック15の高さ方向の中央)に差込孔26が形成されるとともに、他方の部位19の中央(すなわち、Eブロック15の高さ方向の中央)にねじ孔27が形成されている。
差込孔26にボルト20を差し込み、差込孔26を貫通したボルト20をねじ孔27にねじ込むことにより、一方の部位18と他方の部位19とを締め付けることができる。
【0027】
ボルト20は、ねじサイズがM10以下に設定され、好ましくはM5以下に設定されている。ボルト20のねじサイズを小さく抑えることにより、転がり軸受装置10の小型化が図りやすくなるからである。
なお、すり割17をボルト20で締め付ける際に、Eブロック15にボイスコイルモータ(VCM)29が取り付けられた状態でも良いが、ボイスコイルモータ29はボルト20の締め付け後にEブロック15に付けることも可能である。
【0028】
このボルト20で一方の部位18と他方の部位19とを締め付けることで、すり割17の間隔S1を狭くして段部22の内周面(嵌合孔)22Aを転がり軸受12に圧接することができる。
これにより、転がり軸受12にボルト20を直接接触させずにEブロック15を締結できるので、転がり軸受12の傾きの発生を防止し、転がり軸受12にかかる予圧の変化を抑えることができる。
【0029】
また、転がり軸受12にボルト20を直接接触させずにEブロック15を締結することで、転がり軸受12の接触面積を大きく確保できる。これにより、転がり軸受12に作用する外力を均一にでき、接触剛性の向上を図ることができる。
さらに、転がり軸受12をEブロック15に固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座やアームなどの部材を不要にでき、部品数を減らすことができる。
【0030】
つぎに、第2実施形態を図5〜図8に基づいて説明する。なお、第2実施形態の転がり軸受装置40は、Eブロック15の嵌合孔46をストレートに形成して、一対の転がり軸受12間に間座42を設けた点で第1実施形態の転がり軸受装置10と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0031】
すなわち、図5に示すように第2実施形態の転がり軸受装置40は、軸部材11の外周面11Aに一対の転がり軸受12の内輪13を嵌合し、一対の転がり軸受12を介してEブロック45を軸部材11に回転自在に支える装置である。
【0032】
この転がり軸受装置40は、図6〜図8に示すようにEブロック45に転がり軸受12を嵌め込む嵌合孔46を設け、この嵌合孔46に臨むようにEブロック45にすり割47を設け、このすり割47の一方の部位48と他方の部位49とをボルト(締結手段)50で締め付けてすり割47の間隔S2を狭くすることにより、嵌合孔46の内周面46Aを転がり軸受12の外輪14に圧接して転がり軸受12にEブロック45を取り付けたものである。
【0033】
一対の転がり軸受12は、図5に示す内輪13の内周面13Aに接着剤(図示せず)が塗布され、内周面13Aが軸部材11に接着固定されるか、あるいは内輪13が軸部材11に圧入固定されている。
また、一対の転がり軸受12は、外輪14の外周面14AとEブロック45の嵌合孔46とが接着剤(図示せず)で接着されている。または、ボルト50でEブロック45のすり割47を小さくして固定される。
【0034】
間座42は、外周面42Aの外径が外輪14の外周面14Aの外径と略同一に形成され、外周面42AとEブロック45の嵌合孔46とが接着剤(図示せず)で接着されている。または、Eブロック45のすり割をボルトで締め付けることにより固定されている。
嵌合孔46は、真円でも楕円でもどちらでも良く、内周面46Aには4個の逃げ溝53(図6、図8参照)が等間隔に設けられている。
【0035】
この逃げ溝53は、図8に示すように溝幅W2が15mm以下に設定され、好ましくは溝幅W2が0.001〜10mmに設定されることが好ましい。
溝幅W2を0.001〜10mmに設定することで逃げ溝53の加工が容易になるからである。
【0036】
また、逃げ溝53は、溝深さD2が10mm以下に設定され、好ましくは溝深さD2が5mm以下に設定されることが好ましい。
溝深さD2を5mm以下に設定することで逃げ溝53の加工が容易になるからである。
【0037】
嵌合孔46の内周面46Aに逃げ溝53を設けることで、すり割47の一方の部位48と他方の部位49とをボルト50で締め付ける際に、Eブロック45に発生する応力を逃げ溝53で逃がすことができる。
【0038】
すり割47は、間隔S2が30mm以下に設定され、好ましくは間隔S2が0.05〜5mmに設定されることが好ましい。
すり割47の間隔S2を0.05〜5mmに設定することですり割47の加工が容易になるからである。
【0039】
すり割47の一方の部位48の中央(すなわち、Eブロック45の高さ方向の中央)に差込孔56が形成されるとともに、他方の部位49の中央(すなわち、Eブロック45の高さ方向の中央)にねじ孔57が形成されている。
差込孔56にボルト50を差し込み、差込孔56を貫通したボルト50をねじ孔57にねじ込むことにより、一方の部位48と他方の部位49とを締め付ける。
【0040】
ボルト50は、ねじサイズがM10以下に設定され、好ましくはM5以下に設定されている。ボルト50のねじサイズを小さく抑えることにより、転がり軸受装置40の小型化が図りやすくなるからである。
なお、すり割47をボルト50で締め付ける際に、Eブロック45にボイスコイルモータ(VCM)59が取り付けられた状態でも良いが、ボイスコイルモータ59はボルト50の締め付け後にEブロック45に付けることも可能である。
【0041】
このボルト50で一方の部位48と他方の部位49とを締め付けることで、すり割47の間隔S2を狭くして嵌合孔46の内周面46Aを転がり軸受12に圧接することができる。
これにより、転がり軸受12にボルト50を直接接触させずにEブロック45を締結できるので、転がり軸受12の傾きの発生を防止し、転がり軸受12にかかる予圧の変化を抑えることができる。
【0042】
また、転がり軸受12にボルト50を直接接触させずにEブロック45を締結することで、転がり軸受12の接触面積を大きく確保できる。これにより、転がり軸受12に作用する外力を均一にでき、接触剛性の向上を図ることができる。
【0043】
さらに、転がり軸受12をEブロック45に固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座やアームなどの部品数を減らすことができる。
【0044】
なお、前記第1、2実施形態では、段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46Aにそれぞれ4個の逃げ溝23,53を設けた例について説明したが、逃げ溝23,53の個数は少なくとも1個設ければよいが、2〜20個設けることが望ましい。
一方、段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46Aに逃げ溝23,53を設けなくても、ボルトですり割を締め付けることにより、嵌合孔の内周面を転がり軸受の外輪に圧接させて転がり軸受にEブロックを取り付けることは可能である。
【0045】
また、前記第1、2実施形態では、段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46Aに逃げ溝23,53を設けた例について説明したが、逃げ溝23,53はEブロック15,45の外側面に設けることも可能であり、さらに段部22の内周面22Aや嵌合孔46の内周面46AとEブロック15,45の外側面との両面に設けることも可能である。
【0046】
さらに、前記第1、2実施形態では、Eブロック15,45に1個のすり割17,47を設けた例について説明したが、すり割17,47の個数は任意に選択することができる。ここで、転がり軸受装置10,40の組み立て性を考慮すると、Eブロック15,45に1個のすり割17,47を設けることが好ましい。
【0047】
また、前記第1、2実施形態では、Eブロック15,45の高さ方向で中央に1個のボルト20,50を設けた例について説明したが、ボルト20,50を設ける部位は中央でなくても良い。
また、ボルト20,50の本数は1個に限らないで、2〜3個とすることが好ましい。ボルト20,50の本数を2〜3個とすることで、転がり軸受12に作用する外力をより均一にできるからである。
【0048】
さらに、前記第1、2実施形態では、すり割17,47の一方の部位18,48に差込孔26,56を形成するとともに、他方の部位19,49にねじ孔27,57を形成し、差込孔26,56を貫通したボルト20,50をねじ孔27,57にねじ込むことにより、すり割17,47を締め付ける例について説明したが、他方の部位19,49のねじ孔27,57を貫通孔に変えて、貫通孔から突出させたボルト20,50にナットをねじ込むことにより、すり割17,47を締め付けるように構成することも可能である。
【0049】
また、第2実施形態では、Eブロック45の嵌合孔46をストレートに形成して、一対の転がり軸受12間に間座42を設けた例について説明したが、第1実施形態と同様に、Eブロック45の嵌合孔46に段部を設けて、段部に転がり軸受を嵌め込ませてもよい。
この場合、一対の転がり軸受12の外輪14の外周面14Aと段部とを接着剤で接着してもよく、あるいは接着剤を用いなくてもよい。
【0050】
さらに、第2実施形態では、一対の転がり軸受12の外輪14の外周面14AとEブロック45の嵌合孔46とを接着剤で接着するとともに、間座42の外周面42AとEブロック45の嵌合孔46とを接着剤で接着する例について説明したが、接着剤を用いなくてもよい。
【0051】
前記第1、2実施形態では、転がり軸受12にEブロック15,45を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、図9に示す軸受ユニットのハウジングにEブロック15,45を取り付けることも可能である。
すなわち、軸部材11の外周面11Aに転がり軸受12を嵌合し、この転がり軸受12にハウジングを嵌合することにより軸受ユニットを構成し、この軸受ユニットのハウジングにEブロック15,45の嵌合孔22,46を嵌め込み、すり割17,47をボルト20,50で締め付けて嵌合孔22,46の内周面22a,46aをハウジングに圧接することにより、軸受ユニットのハウジングにEブロック15,45を取り付けることも可能である。
【0052】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、前述した実施形態において例示した軸部材11、転がり軸受12、Eブロック15,45、一方の部位18,48、他方の部位19,49等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所,厚さ寸法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の転がり軸受に記載したように、Eブロックにすり割を設け、すり割の間隔を締結手段で狭くして嵌合孔の内周面を、軸受ユニットまたは転がり軸受に圧接することができる。
よって、軸受ユニットや転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結できるので、転がり軸受の傾きの発生を防止できる。これにより、転がり軸受にかかる予圧の変化が抑えられ、剛性が低下することを防止でき、かつ剛性がばらつくことを防止できる。
【0054】
また、軸受ユニットまたは転がり軸受にボルトを直接接触させずにEブロックを締結することで、軸受ユニットや転がり軸受の接触面積を大きく確保できる。これにより、軸受ユニットのハウジングや転がり軸受に作用する外力を均一にでき、接触剛性が向上して位置決め制御の高速化と高精度化を満たすことができる。
【0055】
さらに、軸受ユニットまたは転がり軸受をEブロックに直接固定するために、従来必要とされていたハウジングや間座を不要とでき、さらに接着剤も不要とできるので、低コスト化を図ることができる。
また、2.5インチHDDの場合の積層タイプと比較すると、ナット、間座やアームなどの部品数を減らして低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転がり軸受装置の第1実施形態を示す分解断面図である。
【図2】本発明に係る転がり軸受装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明に係る転がり軸受装置の第1実施形態を示す側面図である。
【図4】図2の4部拡大図である。
【図5】本発明に係る転がり軸受装置の第2実施形態を示す分解断面図である。
【図6】本発明に係る転がり軸受装置の第2実施形態を示す平面図である。
【図7】本発明に係る転がり軸受装置の第2実施形態を示す側面図である。
【図8】図6の8部拡大図である。
【図9】従来の転がり軸受装置に使用する転がり軸受ユニットを示す断面図である。
【図10】従来の転がり軸受装置に使用するもう一つの転がり軸受ユニットを示す断面図である。
【図11】従来の転がり軸受装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10,40 転がり軸受装置
11 軸部材
11A 外周面
12 転がり軸受
15,45 Eブロック
17,47 すり割
18,48 一方の部位
19,49 他方の部位
20,50 ボルト(締結手段)
22 段部(嵌合孔)
22A,46A 内周面
46 嵌合孔
S1,S2 すり割の間隔
Claims (2)
- 軸部材の外周面に転がり軸受を嵌合し、この転がり軸受にハウジングを嵌合することにより軸受ユニットを構成し、この軸受ユニットのハウジングを介してEブロックを前記軸部材に回転自在に支える転がり軸受装置において、
前記Eブロックにハウジングを嵌め込む嵌合孔を設け、この嵌合孔に臨むようにEブロックにすり割を設け、このすり割の一方の部位と他方の部位とを締結手段で締め付けてすり割の間隔を狭くすることにより、前記嵌合孔の内周面をハウジングに圧接することを特徴とする転がり軸受装置。 - 軸部材の外周面に転がり軸受を嵌合し、この転がり軸受を介してEブロックを前記軸部材に回転自在に支える転がり軸受装置において、
前記Eブロックに転がり軸受を嵌め込む嵌合孔を設け、この嵌合孔に臨むようにEブロックにすり割を設け、このすり割の一方の部位と他方の部位とを締結手段で締め付けてすり割の間隔を狭くすることにより、前記嵌合孔の内周面を転がり軸受に圧接することを特徴とする転がり軸受装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009063566A1 (ja) * | 2007-11-16 | 2009-05-22 | Fujitsu Limited | ベアリングの組み立て方法及び与圧治具 |
-
2002
- 2002-11-15 JP JP2002332640A patent/JP2004169721A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009063566A1 (ja) * | 2007-11-16 | 2009-05-22 | Fujitsu Limited | ベアリングの組み立て方法及び与圧治具 |
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