JP2004169609A - 内燃機関の排ガス浄化装置,浄化方法及び触媒 - Google Patents

内燃機関の排ガス浄化装置,浄化方法及び触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】貴金属量を低減しても、高いNOx浄化性能を長期に亘って維持することのできるリーンバーン対応の排ガス浄化触媒を提供する。
【解決手段】空燃比がリーンの排ガスと空燃比がリッチ或いはストイキの排ガスとが流入する内燃機関排ガス流路に、多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分とを有し、前記活性成分がRh,Pt,Pdからなる貴金属から選ばれた少なくとも1種と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種と、Tiを含み、Rh+Pt+Pdの総量が該多孔質担体190重量部に対して、金属元素換算で4重量部以下であり、貴金属露出率(触媒の貴金属露出量/触媒に含有されている貴金属量×100)が0.8% 以上である排ガス浄化触媒を備えた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、理論空燃比よりも燃料が希薄なリーンバーン状態で運転される内燃機関において、リーンバーン排ガスに含まれるNOxを浄化するのに好適な新規な排ガス浄化触媒と排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
空燃比を燃料希薄とするリーンバーンエンジンが注目されている。ここで空燃比とはガス中の空気と燃料の比を表す。リーンバーンエンジンの排ガスは、三元触媒を用いたのではNOxを浄化するのが難しい。この為、リーンバーンエンジン用の排ガス浄化触媒が検討されている。その一つに、多孔質担体に、アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類金属の中から選ばれた少なくとも1種のNOx吸蔵元素の酸化物と触媒貴金属とを担持するか、又は両者を複合化して担持しかつMn及び銅の少なくとも1種を担持又は複合化してなるNOx浄化触媒がある(例えば特許文献1参照)。また、燃料希薄燃焼時に排ガス中のNOxを化学吸着し、還元雰囲気に切り替えた時に化学吸着されているNOxを接触還元する
NOx吸着還元触媒がある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−319564号公報(請求項1)。
【特許文献2】
特開平10−212933号公報(請求項1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自動車排ガス規制が強化される今日では、高いNOx浄化性能を保ったまま、貴金属使用量を削減する事が求められている。
【0005】
本発明の目的は、貴金属使用量が少なくても、十分高いNOx浄化性能を長期に亘って維持することのできるリーンバーン対応の排ガス浄化触媒とその製法及び排ガス浄化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、理論空燃比よりも希薄な空燃比(18以上)で運転を行うリーン燃焼運転と、空燃比が14.7以下のリッチ又はストイキの排ガスを交互に触媒に接触させ、排ガス中のNOxを浄化するタイプの内燃機関の排気系に、多孔質担体と触媒活性成分とを有し、触媒活性成分がRh,Pt,Pdからなる貴金属から選ばれた少なくとも1種と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種とTiを含み、更に触媒に含有されているRh+Pt+Pdの総量が多孔質担体190重量部に対して、金属元素換算で4重量部以下であり、該触媒の貴金属露出率(触媒の貴金属露出量/触媒に含有されている貴金属量×100)が0.8% 以上であることを特徴とするNOx浄化触媒を備えたことにある。ここで重量部とは、各成分のg換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分1重量部に対してB成分の担持量が0.5 重量部ということは、A成分の絶対量の多少にかかわらず、g換算でAが1に対しBが0.5 の割合で担持されていることを意味する。同様に後に記載があるmol 部とは、各成分のmol 換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分1mol 部に対してB成分の担持量が0.5mol部ということは、A成分の絶対量の多少に関わらず、mol 換算でAが1に対しBが0.5の割合で担持されていることを意味する。
【0007】
ここで、貴金属の露出率を次式の貴金属露出率で表す。
【0008】
貴金属露出率(%)=貴金属露出量/貴金属添加量×100
貴金属添加量はその触媒に含有されている貴金属の総量である。
【0009】
貴金属露出量は、その触媒表面に露出している貴金属量であり、以下の方法によって測定して決定する。
【0010】
(貴金属露出量の測定)
COは貴金属に吸着するため、パルス吸着法を用いて貴金属露出量を測定した。触媒試料は粉末化したものを用いた。この試料を内径15mmの石英ガラス製円筒管の中央部に3g充填した。まず触媒の前処理として400℃で触媒層に10%CO−Heを30min 間流通させて、触媒表面上に吸着している酸素,水等を取り除いた。その後He気流中で450℃まで昇温し、そのまま2時間保持することにより表面に吸着しているCOを除去した。次にHeを流通させたまま触媒温度を100℃に設定し、0.5ml の10%CO−Heガスをパルス状に反応管内に導入して触媒にCOを吸着させた。反応管出口からパルス状に流出した未吸着COガス濃度を定量し、この濃度が一定になった時点でCOの吸着が完了したものとした。この実験により、触媒に吸着したCO量を計算した。貴金属露出量はこの実験により求まったCO吸着量と等しいとして算出した。
【0011】
上記方法により、貴金属露出率を評価した。
【0012】
貴金属露出率を高める手法としては、例えばアルカリ金属を多孔質担体に担持した後、貴金属を担持する(以下貴金属後担持と記す)等が考えられる。これは、貴金属を多孔質担体に担持した後、アルカリ金属を担持した触媒(以下貴金属前担持と記す)の場合、担持された貴金属がアルカリ金属により覆われてしまうが、アルカリ金属担持後、貴金属を担持すると、貴金属が他成分により覆われることがなくなるからであると考えている。
【0013】
貴金属後含浸の場合、貴金属前含浸と比較して、貴金属露出率が飛躍的に向上する。従って貴金属を効果的に用いることができ、貴金属使用量の低減が可能となる。
【0014】
更に、触媒中にTiが添加されていると貴金属露出率は向上する。Tiと共存することにより、貴金属成分が表面に露出しやすくなっていると考えられるが詳しい理由は不明である。
【0015】
貴金属の担持量は多孔質担体190重量部に対して金属換算でRh+Pt+
Pdの総量が4重量部以下であることが望ましい。貴金属の担持量が上記範囲に示す量より多いと貴金属自身の比表面積が小さくなり、貴金属露出率が低下し、貴金属を有効に使用できなくなる。
【0016】
貴金属露出率を向上させる方策としては、前記貴金属後含浸以外にも、用いる貴金属,アルカリ金属原料を変更する、担体を変更する等の方策がある。従って、貴金属露出率を向上させる方策として、前期貴金属後含浸に限定するものではなく、貴金属露出率が0.8% 以上であれば、貴金属を効果的に使用できるため、使用貴金属低減が可能となる。
【0017】
また、貴金属露出率が0.8% 以上であれば、その触媒のNOx浄化性能も高い。この理由を以下のように考察した。このNOx浄化触媒は、触媒に流入する排ガスの空燃比がリーンの状態のときには排ガス中のNOxを捕捉する。この時、排ガス中のNOxは貴金属により酸化され、触媒上の塩基点に捕捉される。一方、貴金属の露出率が高い触媒の場合、その貴金属は主に多孔質担体に担持され、高分散することにより、露出率が高いと推測されるのに対し、露出率が低い触媒の場合は、その貴金属がアルカリ金属上に担持されているため、分散しにくくなるのではないかと考えている。アルカリ金属上の貴金属はNOx酸化活性が低く、NOx浄化性能への寄与が小さいのではないかと考えている。
【0018】
また触媒の初期品での貴金属露出率が1.5% 以上であると、熱耐久後の貴金属露出率も高い。ここで初期品とは触媒が製造されてから実際に自動車に搭載されて商品として販売されているまでの状態を言い、自動車に搭載されて2000km以下の走行範囲までを含むものとする。
【0019】
更に本発明の触媒は、上記初期品を空気雰囲気中で830℃×60h熱処理した後も貴金属露出率が0.8%以上である。
【0020】
このNOx浄化触媒は、触媒に流入する排ガスの空燃比がリーンの状態のときには排ガス中のNOxを捕捉するとともに一部のNOxをN へと還元する。本発明の触媒は、リーン時の排ガスの空燃比が18以上であっても十分NOxを捕捉することができる。触媒に流入する排ガスの空燃比がリーンの状態からリッチ或いはストイキの状態に切り替えられると、該触媒に捕捉されていたNOxは
へと還元される。従って本発明によれば内燃機関をリーンの状態で運転し、NOx浄化触媒による排ガス浄化性能が低下してきたならば内燃機関の運転状態をリーンの状態から空燃比14.7以下のストイキ又はリッチの状態に切り替えることによってリーン排ガス中のNOxを高度に浄化することができる。
【0021】
ストイキもしくはリッチの状態に切り替えた際のNOx浄化率に関しても、吸着したNOxの浄化に貴金属が使用されるため、やはり貴金属露出率が高い方が高いNOx浄化率を示す。さらに、貴金属露出率を向上させた場合、リーン領域でのNOx浄化率が向上しないが、一方ストイキもしくはリッチの状態に切り替えた際のNOx浄化率が向上する場合があり、これは本発明によって初めて明らかにされたことである。本発明においてNOx捕捉還元とは、酸化雰囲気排ガス(リーン排ガス)中のNOxを捕捉し、その後還元雰囲気排ガス(ストイキ又はリッチ排ガス)中で同排ガス中に含まれる炭化水素,一酸化炭素,水素等の還元剤を用いて捕捉されたNOxを還元浄化することを言う。従って本発明の触媒にはNOxを捕捉する捕捉成分と捕捉されたNOxを還元剤により還元浄化する還元浄化成分が必要となる。
【0022】
Rh,Pt,PdはNOの酸化性能及び還元性能を持つと考えられる。Rh,Pt,Pdの少なくとも一種を触媒中に含むことにより、触媒のNOx浄化性能が向上する。担持されるRh,Pt,Pdは一種でもよいがPtとPdが担持されていると耐熱性が向上する。PtにPdを添加すると、貴金属のシンタリングが抑制されるためと考えている。特にRh,Pt,Pdの3種を含むことが望ましい。これにより、酸化力及び還元力が強まり、排ガス浄化性能が向上する。貴金属同士が相互作用を及ぼしあっているためと考えている。
【0023】
本発明の触媒において、Li,K,Na等のアルカリ金属またはCa,Sr,Ba等のアルカリ土類金属は金属或いは酸化物の形態で存在し、排ガス中のNOxを触媒表面上に引きつける、または捕捉する役割を持つと考えられる。触媒中にNa,Kが含有されているとNOx浄化効率が高い。更にLiが担持されていると好適である。Li,K,Naを組み合わせることにより触媒に新たなNOx捕捉点が生じる為と考えられる。Li,K,Naの担持量は多孔質担体1.9mol部に対して金属換算で、総Na+K+Li担持量が0.9〜2.3mol 部が好ましい。アルカリ金属担持量が0.9mol部より少ない場合には、アルカリ金属担持による活性向上効果は必ずしも十分とはなり得ず、一方2.3mol部より多いとアルカリ金属自身の比表面積が低下するため好ましくない。
【0024】
Tiは貴金属露出率を向上させる効果がある。更にTi添加により触媒の耐熱性,耐SOx性が向上する。Tiは金属または酸化物の形態、もしくはアルカリ金属,アルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種との複合酸化物の形態で存在し、酸化雰囲気下においてNOxを捕捉する働き、及び還元剤であるCO,炭化水素等を触媒表面上に引きつける役割を持つものと考えられる。特にNaやKと複合酸化物を形成することにより、NOx捕捉材の耐熱性、耐SOx性を向上させ、結果として触媒の耐熱性,耐SOx性を向上させる働きがある。触媒調製時のTiを混ぜる順序、或いは焼成温度等をコントロールすることにより、酸化物の形態や複合酸化物の形態で存在させることができる。
【0025】
LiとTiとの複合酸化物として、LiTi,LiTi13,LiTi,LiTi,Li0.8Ti2.2,LiTi,LiTi,Li1.33Ti1.66,LiTiO,LiTi,LiTi,Li12Ti1040,Li0.5TiO,LiTiO,LiTiO,LiTi等が考えられる。
【0026】
NaとTiとの複合酸化物としてNaTi,NaTi,NaTi13,NaTi12,Na0.23TiO,γ−NaTiO,NaTi19,NaTi,NaTiO,NaTi14,NaTiO,β−NaTiO,NaTiO,Na46TiO,NaTiO・HO等が考えられる。
【0027】
KとTiとの複合酸化物としてKTi,KTi17,KTi13,KTi11,KTi,KTi17,KTi16,KTiO,KTi,KTiO,KTi11等が考えられる。
【0028】
Ti担持量は多孔質担体1.9mol部に対して元素換算で0.01mol部以上0.7mol 部以下とすることが好ましい。Ti担持量が0.01mol部より少ないとTi担持効果は不十分となり、0.7mol部より多いと触媒の比表面積が低下するため好ましくない。
【0029】
上記触媒成分に加えてMnが触媒に含有されているとさらにNOxの浄化効率が向上する。Mnは金属または酸化物の形態、もしくはアルカリ金属,Alから選ばれた少なくとも1種との複合酸化物の形態で存在し、酸化雰囲気下においてNOのNO への酸化を促進する働きを持つものと考えられる。Mnを複合酸化物化させることによりMnの熱による凝集が抑制でき、触媒の耐熱性が高まる。更にK,NaとMnとの複合酸化物を形成すると、NOx捕捉材の耐熱性,耐SOx性が向上し、結果として触媒の耐熱性,耐SOx性が向上する。
【0030】
NaとMnとの複合酸化物としてはNa0.91MnO,β−Na0.7MnO,α−Na0.7MnO2.05,NaMn10,β−NaMnO,NaMn18,γ−NaMnO,NaMnO,NaMn12,NaMn16,Na0.2MnO,NaMnO,α−NaMnO,β−NaMnO,NaMn1427・21HO,(Na,Mn)Mn1228・8HO,NaMn12・3HO,Na0.55Mn・1.5HO,NaMnO・3HO,NaLiMn,Na1.90.1Mn,KNaMnO 等がある。KとMnとの複合酸化物としてはKMn,KMnO,KMn,KMn16,K0.47Mn0.94,KxMnO,K0.7MnO,K(MnO,KMnO,KMn16,KMnO,KMnO,KMnO,KMnO,γ−KMnO,β−KMnO,KMn,KMn,KMn16,K0.5Mn・1.5HO,KLiMnO等がある。
【0031】
Mn担持量は多孔質担体1.9mol部に対して元素換算で、0.01mol部以上2mol 部以下とすることが好ましい。Mn担持量が0.01mol部より少ないとMn担持効果は不十分となり、2mol 部より多いと触媒の比表面積が低下するため好ましくない。
【0032】
多孔質担体は触媒活性成分の分散性を高める役割をするものと考えられる。多孔質担体は基材上に担持しても良く、その場合基材1Lに対し多孔質担体の担持量を30g以上400g以下とするとNOx浄化性能にとって好ましい。多孔質担体の担持量が30gより少ないと多孔質担体の効果は不十分となり、400gより多いと多孔質担体自体の比表面積が低下するため好ましくない。
【0033】
多孔質担体としては、アルミナのほかにチタニア,シリカ,シリカ−アルミナ,ジルコニア,マグネシア等の金属酸化物や複合酸化物等を用いることができる。特にアルミナが最適である。アルミナとMgOとの混合物を担体として用いると更に活性が向上する。この場合、MgOの粒径としては0.01 〜100μmが好ましい。
【0034】
本発明の触媒は、ハニカム構造等の基材にコーティングして用いることができる。基材はコージェライトが最適であるが、金属製のものを用いても良好な結果を得ることができる。
【0035】
上記成分に加えて更に希土類の少なくとも1種を担持させると触媒の活性が向上する。希土類は酸素を捕捉する機能を持つため、NOxの酸化に寄与するものと考えている。添加する希土類としてはLa,Ce,Nd等が考えられるが特にCeが最適である。
【0036】
本発明は、前述の排ガス浄化触媒を備えた内燃機関にあり、内燃機関の一例として前記した排ガス浄化触媒の状態を評価して内燃機関をリーン運転状態からストイキもしくはリッチ運転状態に切り替え、その後再びリーン運転状態に戻す制御を行うエンジン制御ユニット(ECU)を備えたもの等が考えられる。また、前記した排ガス浄化触媒を排気系に備えた内燃機関をリーン状態で運転し、その後ストイキもしくはリッチ状態に切り替え、再びリーン状態にして排ガス浄化を行うようにした内燃機関の排ガス浄化方法にある。
【0037】
上記NOx浄化触媒により酸化雰囲気におけるNOx浄化が可能である。更に、NOx触媒組成としてRh,Pt,Pdの少なくとも一種が含まれている為、三元触媒機能(還元雰囲気ガス中のNOx浄化能力)を有する。三元触媒機能を高める為には上記NOx浄化触媒が酸素ストレージ機能を持っていることが望ましい。酸素ストレージ機能を有する材料としてCeを含有させることが好適である。
【0038】
本発明による排ガス浄化触媒の形状は、用途に応じ各種の形状で適用できる。コージェライト,ステンレス等の各種材料からなるハニカム構造体に各種成分を担持した触媒粉末をコーティングして得られるハニカム形状を始めとし、ペレット状,板状,粒状,粉末状等として適用できる。
【0039】
排ガス浄化触媒の調製方法は、含浸法,混練法,共沈法,ゾルゲル法,イオン交換法,蒸着法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法等いずれも適用可能である。
【0040】
排ガス浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物,酢酸化合物,錯体化合物,水酸化物,炭酸化合物,有機化合物などの種々の化合物や金属及び金属酸化物を用いることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、具体的な例で本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0042】
(実施例1)
アルミナ粉末及びアルミナの前駆体からなり硝酸酸性に調製したスラリーをコージェライト製ハニカム(400セル/inc)にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見掛けの容積1リットルあたり1.9molのアルミナをコーティングしたアルミナコートハニカムを得た。該アルミナコートハニカムに第一回目含浸成分として硝酸Ce溶液を含浸した後、120℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。次に第二回目含浸成分として該Ce担持ハニカムに、酢酸K溶液と硝酸Na溶液と硝酸Li溶液とTiゾルの混合溶液を含浸した後、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。次に第三回目含浸成分として該Ce,K,Na,Li,Ti担持ハニカムにジニトロジアンミンPt硝酸溶液とジニトロジアンミンPd硝酸溶液と硝酸Rh溶液と硝酸Mnと酢酸Kの混合溶液を含浸し、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。第二回目含浸液と第三回目含浸液に含有されているKは同じとした。
【0043】
以上により、ハニカム1Lに対してアルミナが190g、及び元素換算でCe27g,Na12.4g,K15.6g,Li1.6g,Ti4.3g,Mn13.7g,Rh0.139g,Pt2.792g,Pd1.35g を含有する実施例触媒1を得た。同様にして、Rh,Pt,Pdの含有量のみを表1で示す量に変更し、その他の、触媒成分量調製法は同じとした実施例触媒2〜4を調製した。
【0044】
【表1】
Figure 2004169609
【0045】
同様にして、実施例触媒1において、第二回目含浸成分と第三含浸成分とを入れ替えた比較例触媒1を調製した。実施例触媒1において用いた上記該Ce担持ハニカムに、第二回目含浸成分としてジニトロジアンミンPt硝酸溶液とジニトロジアンミンPd硝酸溶液と硝酸Rh溶液と硝酸Mnと酢酸Kの混合溶液を含浸し、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。次に第三回目含浸成分として該Ce,K,Mn,Rh,Pt,Pd担持ハニカムに酢酸K溶液と硝酸Na溶液と硝酸Li溶液とTiゾルの混合溶液を含浸した後、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。第二回目含浸液と第三回目含浸液に含有されているKは同じとした。以上により比較例触媒1を調製した。各成分含有量は実施例触媒1と同じである。同様にして、Rh,Pt,Pdの含有量のみを表2で示す量に変更し、その他の触媒成分量,調製法は比較例触媒1と同じとした比較例触媒2〜3を調製した。ここで比較例触媒と称したのは、貴金属を最終工程で添加したものと区別するためであり、本発明の実施例の範疇にある。
【0046】
【表2】
Figure 2004169609
【0047】
[試験例1]
(試験方法)
触媒の耐熱性能を評価する為、上記触媒に対し電気炉を用いて大気中で830℃/60h加熱処理を行った。この触媒に対して、次の条件でNOx浄化性能試験を行った。容量6c.c.のハニカム触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、反応管に導入されるガス温度が400℃となるように加熱制御した。反応管に導入されるガスは、自動車のエンジンが理論空燃比で運転されているときの排ガスを想定したモデルガス(以下ストイキモデルガス)と、自動車のエンジンがリーンバーン運転を行っているときの排ガスを想定したモデルガス(以下、リーンモデルガス)を3分毎に切り替えて導入した。ストイキモデルガスの組成は、NOx:1000ppm,C:600ppm,CO:0.5%,CO :5%,O :0.5%,H:0.3%,HO:10%,N :残差とした。リーンモデルガスの組成は、NOx:600ppm,C:500ppm,CO:0.1%,CO :10%,O :5%,HO:10%,N :残差とした。この時、NOx浄化率を次式により算出した。
【0048】
NOx浄化率(%)=((リーンに切り替え1分後に触媒に流入したNOx量)−(リーンに切り替え1分後に触媒から流出したNOx量))÷(リーンに切り替え1分後に触媒に流入したNOx量)×100
以上のようにNOx浄化率を求める試験を試験例1とする。
【0049】
(試験結果)
実施例触媒1〜4及び比較例触媒1〜3を試験例1により評価した400℃でのNOx浄化率の結果を図1に示す。実施例触媒1〜4に関しては、貴金属使用量が最も多い実施例触媒1よりもむしろ貴金属使用量が少ない実施例触媒2〜4の方が活性が高く、更に実施例触媒2〜4に関しては総貴金属量を低減しても殆ど活性は変化しない。一方、比較例触媒1〜3に関しては総貴金属量を低減していくに従って、活性が低下していく。以上の結果より貴金属をアルカリ金属の後に含浸し、貴金属量が4g/Lよりも少ない実施例触媒2〜4では使用貴金属を低減できる効果を持ち、高活性であることが明らかである。
[試験例2]
(試験方法)
触媒表面に露出している貴金属量を測定するために、COパルス吸着法を用いた。測定法,測定条件については既述の通り。得られた貴金属露出量から、次式により貴金属露出率を算出し、活性との相関を評価した。
【0050】
貴金属露出率(%)=貴金属露出量/貴金属添加量×100
(試験結果1)
試験例2に従い、実施例触媒1,2,4と比較例触媒1の貴金属露出率を算出した。活性との相関を図2に示す。図2中の例えば〔実1〕は〔実施例触媒1〕を表す。図2から、貴金属露出率が0.8% 以上であると、活性が65%を超え、高活性が得られる。貴金属露出率が高いほど活性が高い理由は、次のように考えている。図3に示すように、貴金属の露出率が高い触媒の場合、その貴金属は主にアルミナに担持され、高分散することにより、露出率が高いと推測されるのに対し、露出率が低い触媒の場合は、その貴金属がアルカリ金属上に担持されているため、分散しにくくなるためではないかと考えている。アルカリ金属上の貴金属はNOx酸化活性が低く、NOx浄化作用にあまり寄与しないのではないかと考えている。
【0051】
(試験結果2)
実施例触媒1,2,4と比較例触媒1の初期品の貴金属露出率を算出した。算出方法は試験例2と同様である。図4にその結果を示す。試験例2において活性の高い実施例触媒2,4は初期品の貴金属露出率が1.5% よりも高く、試験例2において活性の低い比較例触媒1,実施例触媒1は初期品の貴金属露出率が
1.5% よりも低い。
【0052】
(実施例2)
実施例1と同様の方法を用いて、実施例触媒2から、▲1▼Tiのみ,▲2▼Mnのみ,▲3▼Ti及びMn、をそれぞれ除外した触媒をそれぞれ調製した。
【0053】
(試験結果)
上記触媒▲1▼▲2▼▲3▼について試験例1及び試験例2の試験法を用いて評価した結果を図5に示す。
【0054】
図5の結果より、
触媒▲1▼:貴金属露出率が0.8% よりも低く、活性も比較例1より低い。
触媒▲2▼:貴金属露出率は実施例触媒2とほぼ同等であるが、活性はやや低下。
触媒▲3▼:貴金属露出率が0.8% よりも低く、活性も比較例1より低い。
【0055】
以上の結果から、Tiは触媒成分として必須であり、Mnは触媒成分として含有されるのが好ましい成分であることが分かる。
【0056】
(実施例3)
実施例1と同様の方法を用いて、実施例触媒4から、NaLiMnを除外し、ハニカム1Lに対しそれぞれ、▲4▼0.3molのBa,▲5▼0.3molのSrを第二含浸時に添加した触媒▲4▼▲5▼を調製した。
【0057】
(試験結果)
上記触媒▲4▼▲5▼について試験例1及び試験例2の試験法を用いて評価した結果を図6に示す。
【0058】
図6の結果より、触媒▲4▼▲5▼ともに貴金属露出率が0.8% よりも大きく、更に活性が60%よりも高く、高活性であることが分かる。以上の結果から、Sr,Ba添加においても貴金属が高分散し、高活性であることが明らかである。
【0059】
(実施例4)
実施例触媒4について、Ti含有量のみを変化させた触媒を調製し、試験例1による活性評価を行った。
【0060】
(試験結果)
実施例触媒4について、Ti含有量のみを変化させた触媒の、試験例1により評価した400℃でのNOx浄化率を図7に示す。グラフ横軸はハニカムの見掛けの容積1リットルあたりのTiのmol含有量(金属元素換算)を示す。Ti量がハニカムの見掛けの容積1リットルあたり金属元素換算で0.01mol以上0.7mol以下のとき400℃のNOx浄化率が60%を超え、高いNOx浄化率を示す。
[試験例3]
(試験方法)
試験例1と同様の試験法,ガス組成を用いて、リーン平均NOx浄化率とストイキ切り替え時NOx浄化率を以下の式で求めた。
【0061】
リーン平均NOx浄化率(%)=((リーンに切り替え後から2分間に触媒に流入した総NOx量)−(リーンに切り替え後から2分間に触媒から流出した総NOx量))÷(リーンに切り替え後から2分間に触媒に流入した総NOx量)×100
ストイキ平均NOx浄化率(%)=((ストイキに切り替え後から1分間に触媒に流入した総NOx量)−(ストイキに切り替え後から1分間に触媒から流出した総NOx量))÷(ストイキに切り替え後から1分間に触媒に流入した総NOx量)×100
以上のようにNOx浄化率を求める試験を試験例1とする。
【0062】
(試験結果)
比較例触媒1,2,実施例触媒2について試験例3により評価した400℃でのNOx浄化率を図8に示す。グラフ縦軸はNOx浄化率を示す。比較例1及びその貴金属量を減らした比較例2とを比較した場合、リーン平均NOx浄化率は殆ど変わらないが、ストイキ平均NOx浄化率は比較例2の方が低い。しかし、比較例2と同じ貴金属組成を持つ実施例2ではリーン,ストイキともにそのNOx浄化率は向上している。従ってリーンのみならずストイキ切り替え時においてもNOx浄化率の向上が認められた。
[試験例4]
(試験方法)
実施例触媒1と同様の方法で、モデル触媒1:Pt/Al及びモデル触媒2:PtPd/Alを調製した。担持量はハニカム1Lに対し、Al:190g,Pt:2.792g,Pd:0.6gである。この触媒のNO酸化反応試験を行った。容量6c.c.のハニカム触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、反応管に導入されるガス温度が300℃となるように加熱制御した。反応管に導入されるガスは、NOx:600ppm,O :5%,N :残差とし、触媒から流出するNO量が安定した時点でそのNO濃度を測定した。
【0063】
次式によりNO酸化反応を評価した。
【0064】
NO酸化率(%)=((触媒に流入するNO濃度)−(触媒から流出するNO濃度))÷(触媒に流入するNO濃度)×100
以上のようにNOx浄化率を求める試験を試験例4とする。
【0065】
実施例触媒1のような触媒ではリーン時のNO浄化においてNO酸化反応が寄与している。従ってこのNO酸化率を測定すればPtへのPd添加効果が明確になるのではないかと考えた。
【0066】
(試験結果)
モデル触媒1,2に関し、試験例4により評価した。触媒の耐熱性を評価するため、初期品,800℃/5h電気炉処理品,830℃/60h電気炉処理品についてそれぞれNO酸化率を評価した。結果を図9に示す。初期品,800℃/5h品に関してはモデル触媒1,2ともにNO酸化率は変わらないが、830℃/60hにまで熱処理を進めるとPdを添加したモデル触媒2の方がNO酸化率は高い。これはPd添加により貴金属のシンタリングが抑制されたためと考えている。以上の結果によりPtのみの触媒よりPtとPdが共存した触媒の方がNO酸化反応に関し耐熱性能に優れており、従ってアルカリ金属,Mn等と共存した場合の触媒に関してもPt,Pdが共存しているほうが耐熱性が優れているのは明らかである。
【0067】
(実施例5)
アルミナ粉末及びアルミナの前駆体からなり硝酸酸性に調製したスラリーに
MgO(平均粒径:30μm)を添加したMgO+Alスラリーをコージェライト製ハニカム(400セル/inc)にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見掛けの容積1リットルあたり10gのMgOと190gのAlをコーティングしたMgO+Alコートハニカムを得た。実施例触媒2〜4においてアルミナコートハニカムの代わりに該MgO+Alコートハニカムを用いた事以外は同様の調製方法、成分量とした実施例触媒5〜7を調製した。
【0068】
(試験結果)
実施例触媒5〜7に関して貴金属露出率を求めた結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
Figure 2004169609
【0070】
実施例触媒5〜7の貴金属露出率は0.8%以上である。
【0071】
更に実施例触媒5〜7について試験例1により評価した400℃でのNOx浄化率を図10に示す。グラフ横軸はハニカムの見掛けの容積1リットルあたりの総貴金属量(金属元素換算)を示す。測定した全ての貴金属量の範囲に対し、MgO+Al担体を用いた実施例触媒5〜7はAl担体を用いた実施例触媒2〜4よりも活性が高く、MgO添加効果が得られる。
【0072】
(実施例6)
実施例触媒5について、総貴金属含有量のみを変化させた触媒を調製し、試験例1による活性評価を行った。Rh,Pt,Pdの重量比は実施例触媒と同じとした。
【0073】
(試験結果)
実施例触媒5について、Rh,Pt,Pdの重量比を固定したまま総貴金属量を変化させた触媒の、試験例1により評価した400℃でのNOx浄化率を図11に示す。グラフ横軸はハニカムの見掛けの容積1リットルあたりのRh,Pt,Pd総含有量(金属元素換算)を示す。総貴金属量がハニカムの見掛けの容積1リットルあたり金属元素換算で4g以下のとき400℃のNOx浄化率が70%を超え、高いNOx浄化率を示す。
【0074】
(実施例7)
実施例触媒7について、アルカリ金属であるNa+Li+K含有量のみを変化させた触媒を調製し、試験例1による活性評価を行った。Na,Li,Kのmol比は実施例触媒7と同じとした。
【0075】
(試験結果)
実施例触媒7について、Na,Li,Kのmol 比を固定したまま、Na+Li+K含有量のみを変化させた触媒の、試験例1により評価した400℃でのNOx浄化率を図12に示す。グラフ横軸はハニカムの見掛けの容積1リットルあたりのNa,Li,Kの総mol 含有量(金属元素換算)を示す。総貴金属量がハニカムの見掛けの容積1リットルあたり金属元素換算で0.9mol以上2.3mol以下のとき400℃のNOx浄化率が70%を超え、高いNOx浄化率を示す。
【0076】
(実施例8)
実施例触媒7について、Ceを除いたこと以外は調製法,成分含有量等が同じである触媒を調製し、試験例1による活性評価を行った。
【0077】
(試験結果)
実施例触媒7について、Ceを除いた触媒の、試験例1により評価した400℃でのNOx浄化率を図13に示す。Ceがある実施例触媒7の方が、Ceを除いた触媒よりも活性が高く、Ce添加により活性が向上することは明らかである。
【0078】
(実施例9)
図14は実施例1〜5に記載の排ガス浄化触媒を用いた本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置はリーンバーン可能なエンジン99,エアフローセンサー2,スロットバルブ3等を擁する吸気系,酸素濃度センサー(又はA/Fセンサー)7,排ガス温度センサー8,触媒出口ガス温度センサー9,排ガス浄化触媒10等を擁する排気系及び制御ユニット(ECU)11等から構成される。ECUは入出力インターフェイスとしてのI/O,LSI,演算処理装置MPU,多数の制御プログラムを記憶させた記憶装置RAM及びROM,タイマーカウンター等により構成される。
【0079】
以上の排気浄化装置は以下のように機能する。エンジンへの吸入空気はエアクリーナー1によりろ過された後エアフローセンサー2により計量され、スロットバルブ3を経て、さらにインジェクター5から燃料噴射を受け混合気としてエンジン99に供給される。エアフローセンサー信号その他のセンサー信号はECU(Engine Control Unit)へ入力される。
【0080】
ECUでは内燃機関の運転状態及び排ガス浄化触媒の状態を評価して運転空燃比を決定し、インジェクター5の噴射時間等を制御して混合気の燃料濃度を所定値に設定する。シリンダーに吸入された混合気はECU11からの信号で制御される点火プラグ6により着火され燃焼する。燃焼排ガスは排気浄化系に導かれる。排気浄化系にはリーンバーン対応排ガス浄化触媒10が設けられ、ストイキ運転持にはその三元触媒機能により排ガス中のNOx,HC,COを浄化し、また、リーン運転時にはNOx捕捉能によりNOxを浄化すると同時に併せ持つ燃焼機能により、HC,COを浄化する。さらにECUの判定及び制御信号により、リーン運転時には排ガス浄化触媒のNOx浄化能力を常時判定して、NOx浄化能力が低下した場合燃焼の空燃比等をリッチ側にシフトして触媒のNOx捕捉能を回復させる。以上の操作により本装置ではリーン運転,ストイキ(含むリッチ)運転の全てのエンジン燃焼条件下における排ガスを効果的に浄化する。また、リーンバーン対応排ガス浄化触媒の前段または後段に三元触媒を設置すればさらに排ガスを効果的に浄化できる。
【0081】
本実施例においても前述の実施例と同様に、酸素が過剰に存在する雰囲気下においても有害物質、特に窒素酸化物を低貴金属使用量で高効率に浄化することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、酸素が過剰に存在する雰囲気下においても有害物質、特に窒素酸化物を高効率で浄化することができ、さらに貴金属量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】貴金属量と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図2】貴金属露出率と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図3】触媒表面上での貴金属の分散状況を表した図である。
【図4】初期品の触媒の貴金属露出率を表したグラフである。
【図5】貴金属露出率と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図6】貴金属露出率と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図7】Ti量と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図8】触媒のリーン平均浄化活性とストイキ平均浄化活性を表したグラフである。
【図9】貴金属モデル触媒のNO酸化活性を表したグラフである。
【図10】Al担体とMgO+Al担体の場合の触媒の活性を表したグラフである。
【図11】貴金属量と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図12】Na+K+Li量と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図13】Ce有無と触媒の活性との関係を示したグラフである。
【図14】本発明の排ガス浄化装置の一実施態様を示す構成図である。
【符号の説明】
1…エアクリーナー、2…エアフローセンサー、3…スロットバルブ、5…インジェクター、6…点火プラグ、7…酸素濃度センサー(またはA/Fセンサー)、8…排ガス温度センサー、9…触媒出口ガス温度センサー、10…排ガス浄化触媒、11…ECU、99…エンジン。

Claims (17)

  1. 空燃比がリーンの排ガスと空燃比がリッチ或いはストイキの排ガスとが流入する内燃機関排ガス流路に排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス浄化触媒が多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分とを有し、前記活性成分がRh,Pt,Pdからなる貴金属から選ばれた少なくとも1種と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種と、
    Tiを含み、RhとPtとPdの総量が該多孔質担体190重量部に対して、金属元素換算で4重量部以下であり、該触媒の貴金属露出率(触媒の貴金属露出量/触媒に含有されている貴金属量×100)が0.8% 以上であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 請求項1において、前記触媒活性成分が更にMnを含有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 請求項1において、前記触媒の初期品での貴金属露出率(触媒の貴金属露出量/触媒に含有されている貴金属量×100)が1.5% 以上であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 請求項1において、前記触媒を空気中で830℃で60時間熱処理した後の貴金属露出率(触媒の貴金属露出量/触媒に含有されている貴金属量×100)が0.8% 以上であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 空燃比がリーンの排ガスと空燃比がリッチ或いはストイキの排ガスとが流入する内燃機関排ガス流路に配置される排ガス浄化触媒であって、多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分とを有し、前記活性成分がRh,Pt,
    Pdからなる貴金属から選ばれた少なくとも1種と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種と、Tiを含み、RhとPtとPdの総量が該多孔質担体190重量部に対して、金属元素換算で4重量部以下であり、貴金属露出率(触媒の貴金属露出量/触媒に含有されている貴金属量×100)が0.8% 以上であることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  6. 請求項5において、前記触媒活性成分が更にMnを含有することを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  7. 請求項5において、該多孔質担体1.9mol部に対して、金属元素換算で、含有されているTiの総量が0.01mol部以上0.7mol部以下であることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  8. 請求項5において、前記触媒活性成分としてPtとPdを含有することを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  9. 請求項5において、該多孔質担体がAlであることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  10. 請求項5において、該多孔質担体がAlとMgOとの混合物であることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  11. 請求項10において、該多孔質担体に含まれているMgOの粒径が0.01
    μm〜100μmであることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  12. 請求項5において、該多孔質担体1.9mol部に対して、金属元素換算で、含有されているアルカリ金属の総量が0.9mol部〜2.3mol部であることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  13. 請求項5において、前記触媒活性成分が更にCeを含有することを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  14. 請求項5において、前記多孔質担体が基材上に担持され、前記多孔質担体は該基材1Lに対し30重量部〜400重量部含むことを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒。
  15. 多孔質担体上に、Rh,Pt,Pdからなる貴金属から選ばれた少なくとも1種と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種と、
    Tiを含む活性成分を担持してなる触媒調製方法において、前記貴金属の一部あるいは全部の添加工程を最終工程とすることを特徴とする内燃機関排ガス浄化触媒の調製方法。
  16. 請求項1において、前記内燃機関は空燃比が18以上のリーンの燃焼排ガスと空燃比が14.7以下のリッチ又はストイキの排ガスとの間で切り替えられる内燃機関よりなることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  17. 内燃機関の燃焼排ガスを排ガス浄化触媒に接触させて浄化する排ガス浄化方法において、前記排ガス浄化触媒を請求項5に記載の触媒により形成し、空燃比が少なくとも18以上のリーンの燃焼排ガスと空燃比が14.7 以下のリッチ又はストイキの排ガスを前記触媒に交互に接触させ、リーンの排ガス中に含まれるNOxを該触媒に捕捉して浄化し、該捕捉NOxをストイキ又はリッチの排ガスに接触させて還元浄化して触媒を再生することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
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