JP2004169365A - 自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に含水比の高い土砂の搬送土砂量の検出精度を向上することができる自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置を提供する。
【解決手段】本体フレーム3と、走行装置2と、本体フレーム3上に設けた混合装置47と、本体フレーム3の長手方向一方側に設けた土砂受入用のホッパ12と、このホッパ12の下部から混合装置47にかけて設けた搬送コンベア13と、この搬送コンベア13上の土砂に対して土質改良材を供給する土質改良材供給装置27と、搬送コンベア13上方に設けられ、搬送コンベア13の幅方向にわたる接触面75aを有する受圧板75と、この受圧板75の変位量を検出する角度センサ85と、この角度センサ85の検出信号に基づき土質改良材供給装置27の供給量を制御する混合比制御装置96とを備える。
【選択図】 図9
【解決手段】本体フレーム3と、走行装置2と、本体フレーム3上に設けた混合装置47と、本体フレーム3の長手方向一方側に設けた土砂受入用のホッパ12と、このホッパ12の下部から混合装置47にかけて設けた搬送コンベア13と、この搬送コンベア13上の土砂に対して土質改良材を供給する土質改良材供給装置27と、搬送コンベア13上方に設けられ、搬送コンベア13の幅方向にわたる接触面75aを有する受圧板75と、この受圧板75の変位量を検出する角度センサ85と、この角度センサ85の検出信号に基づき土質改良材供給装置27の供給量を制御する混合比制御装置96とを備える。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建設省によるいわゆる建設リサイクル推進計画の策定(1997年)といった廃棄物再利用促進の背景の下、例えば、ガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等が行われる様々な現場において、土砂を土質改良材とともに攪拌混合処理し、リサイクル用の改良土製品や宅地用地・道路の路床等の表層に敷設する地盤強化用の改良土を生成する自走式土質改良機のニーズが拡がりつつある。
【0003】
この自走式土質改良機は、通常、土砂を受け入れるホッパと、このホッパ内の土砂を搬送する搬送コンベアと、この搬送コンベア上の土砂に土質改良材を供給する土質改良材供給装置と、搬送コンベアから導入された土砂及び土質改良材を混合し改良土を生成する混合手段と、この混合手段から導出された改良土を機外に排出する排出コンベアとを備えている。
【0004】
このような構成の自走式土質改良機において、良質な改良土を生成するためには、土砂及び土質改良材の混合比を好適な値にすることが極めて重要である。
【0005】
そこで、従来より、例えば特開2001−288737号公報に記載のように、搬送コンベア(搬入コンベア)により搬送される土砂量を検出し、その搬送土砂量に応じて土質改良材の供給量を制御する自走式土質改良機が提唱されている。ここでは、回動可能に釣支された略棒状の受圧手段(検出ロッド)を搬送コンベア上に設け、この受圧手段が搬送コンベアにより搬送される土砂から圧力を受けて回動した際に、検出手段(エンコーダ)で受圧手段の鉛直状態からの角度変化を検出することによって搬送土砂の高さを検出し、この検出信号に基づいた搬送土砂量に応じて土質改良材の供給量を制御するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−288737号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、土質改良機のニーズは広範囲に渡っており、その使用分野も建設副産物に属するような残土の土質改良のみでなく、建設泥土などの極めて含水比が高くスランプ値の高い性状の物質に対しても改良処理しなければならない機会が増加しつつある。
【0008】
このため、上記従来技術のような、略棒状の受圧手段で含水比の高い土砂(泥土)の搬送量を測定しようとしても、受圧手段が土砂の表面に当接せず泥土中に沈んでしまい、土砂の搬送量を正確に検出することはできない。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に含水比の高い土砂の搬送土砂量の検出精度を向上することができる自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、受け入れた土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機において、本体フレームと、この本体フレームに設けた走行手段と、前記本体フレーム上に設けた混合手段と、前記本体フレームの長手方向一方側に設けた土砂受入用のホッパと、このホッパの下部から前記混合手段にかけて設けた搬送コンベアと、この搬送コンベア上の土砂に対して土質改良材を供給する土質改良材供給装置と、前記搬送コンベア上方における前記ホッパと前記土質改良材供給装置との間の位置に設けられ、前記搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段と、この受圧手段の変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出信号に基づき前記土質改良材供給装置の供給量を制御する制御手段と、前記混合手段の下方から前記本体フレームの長手方向他方側外方へ延設する排出コンベアとを備えるものとする。
【0011】
本発明においては、検出手段により搬送コンベア上方におけるホッパと土質改良材供給装置との間の位置に設けた受圧手段の変位量を検出し、制御手段でこの検出信号に基づいて例えば搬送コンベアで搬送される土砂量を演算し、この搬送土砂量に応じて土質改良材供給装置の供給量を制御する。このとき、受圧手段が略棒状形状である前述の従来技術のような構造の場合には、含水比が極めて高い泥土等の搬送量を検出する際には受圧手段の先端が泥土に沈み込んでしまい搬送土砂量を正確に検出できない可能性があったのに対し、本発明においては、搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段を用いることで受圧面積(受圧部と土砂が接触する面積)を増大し、受圧手段が搬送土砂に与える圧力を低減することができるので、含水比の高い土砂(泥土)であっても受圧手段は沈み込むことなく搬送土砂表面に接触することができる。これにより、特に含水比の高い土砂の搬送土砂量の検出精度を向上することができる。したがって、土質改良材供給装置の供給量を土砂及び土質改良材の混合比が好適な値となるようにすることができ、良質な改良土を生成することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記受圧手段の土砂接触面は、前記搬送コンベアの搬送方向に沿った円弧形状を有するものとする。
【0013】
一般に、自走式土質改良機においては、ホッパの土砂出口で土砂が凝り固まって目詰まりを起こすことがあり、この場合には搬送コンベアを逆転駆動させて土砂を反対方向に搬送することで、土砂出口の目詰まりを崩すようにしている。
【0014】
本発明においては、受圧手段の土砂と接触する接触面の形状を搬送コンベアの長手方向(すなわち搬送方向)に沿って上方に開放した円弧形状とするので、受圧手段は、搬送コンベアの正転・逆転駆動によりどちらの搬送方向に搬送される土砂に対しても略同等の追従性を有することができる。これにより、例えば搬送コンベア逆転時に土砂が受圧手段上に乗り上げて土砂溜まりが生じ、その後正転駆動に復旧した際に、その土砂溜まりによる受圧手段の重量増加によって搬送土砂量の検出精度が低下する等の不具合を防止することができる。
【0015】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段をさらに備えるものとする。
【0016】
本発明によれば、圧力低減手段によって受圧手段が土砂に与える圧力をさらに低減するので、受圧手段の土砂への沈み込みを確実に防止して搬送土砂量の検出精度をさらに向上することができる。また、改質対象である土砂が例えば一軸圧縮強度の低い非常に軟弱な土砂であるような場合、土砂からの圧力を受けても受圧手段が持ち上がらずに土砂がそのまま堆積して閉塞してしまう可能性があるが、本発明によれば受圧手段が搬送土砂に与える圧力をさらに低減できるので、このような土砂であっても上記堆積・閉塞等の事態を回避し、搬送土砂量を検出することができる。これにより、改質可能な土砂の対象範囲を拡大することができる。
【0017】
(4)上記(2)又は(3)において、また好ましくは、前記受圧手段は、その内部に入り込んだ土砂を排出するための排出口を備えるものとする。
【0018】
これにより、受圧手段の内部に土砂が入り込みその重量が増加することで、搬送土砂量の検出精度が低下したり、受圧手段が持ち上がらずに搬送土砂を堆積させたりすることを防止することができる。
【0019】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、土砂を搬送する搬送コンベア上に設けられる搬送土砂量測定装置において、前記搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段と、この受圧手段の変位量を検出する検出手段と、前記受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段とを備えるものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置の一実施の形態を図面を用いて説明する。
本実施の形態における自走式土質改良機及び搬送土砂量測定装置は、例えば極めて含水比が高くスランプ値の高い性状の物質を含む建設泥土などを改質対象としたものである。
【0021】
図1は本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す側面図、図2はその上面図、図3は図1中左側から見た正面図である。
これら図1〜図3において、1は走行体で、この走行体1は、左・右1対の走行装置2と、この走行装置2の上部に略平行に延設した1対の本体フレーム3とで構成されている。また、4は走行装置2のトラックフレームで、このトラックフレーム4は、上記本体フレーム3の下部に連設している。5,6はそれぞれこのトラックフレーム4の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、7はこれら従動輪5及び駆動輪6に掛け回した履帯(無限軌道履帯)、8は駆動輪6に直結した駆動装置である。9a,9bは本体フレーム3上に立設した複数の支持ポストで、これら支持ポスト9a,9bは、支持フレーム10,11を支持している。
【0022】
12は改質対象となる泥土を受入れるホッパで、このホッパ12は、上下が開口した概略枠型に形成されており、上記支持フレーム10により、本体フレーム3の長手方向一方側(図1中左側)に支持されている。また、改質対象となる泥土は、例えば油圧ショベル等の投入重機で投入される場合も多く、このホッパ12は、泥土投入の利便性への配慮として、上方拡開に形成されている。
【0023】
13はこのホッパ12で受入れた泥土を搬送する搬送コンベアで、この搬送コンベア13は、ホッパ12の下方から後述する混合装置47の入口筒体49(図5及び図6参照)上方にかけてほぼ水平に延設されている。14はこの搬送コンベア13のコンベアフレームで、このコンベアフレーム14は、上記支持ポスト9a,9b等に支持されている。15A,15Bはそれぞれこのコンベアフレーム14の両端に設けた駆動輪及び従動輪、16はこれら駆動輪15A及び従動輪15Bに掛け回した搬送ベルト、17はこの搬送ベルト16の搬送面を支持する複数の支持ローラである。また、上記駆動輪15Aには、この駆動輪15Aを駆動して搬送ベルト16を循環駆動させる駆動装置18(図2参照)が連結されている。
【0024】
図4は上記ホッパ12の構造を簡略的に表す側断面図である。
この図4において、12Aはホッパ12の搬送コンベア13による泥土搬送方向下流側(図4中右側)壁面の下端に切り欠いた土砂出口で、この土砂出口12Aは、上記搬送コンベア13の搬送ベルト16に対向して所定の幅(搬送ベルト16よりも僅かに狭い幅)及び所定の高さに形成されている。つまり、ホッパ12内の泥土は、搬送コンベア13によりこの土砂出口12Aの幅及び高さで切り出されるようになっている。
【0025】
20は搬送土砂量測定装置で、上記土砂出口12Aから切り出され搬送コンベア13により搬送される泥土量を測定するようになっている(詳細は後述)。
【0026】
図1〜図3に戻り、27は搬送コンベア13上の泥土に土質改良材を添加する土質改良材供給装置で、この土質改良材供給装置27は、水平断面が略方形の土質改良材の貯留タンク28と、この貯留タンク28内の土質改良材を下方に導出するスクリューフィーダ29と、貯留タンク28内の土質改良材をスクリューフィーダ29に導く漏斗の役割を果たす略四角錐形状のシュート30とで構成されている。また、貯留タンク28は、このシュート30上部のフランジ状の枠板31に連設した蛇腹部32と、この蛇腹部32の上部をカバーする天板部33とで構成されている。34はこの天板部33のほぼ中央に設けた土質改良材充填用の受入口(図2参照)、35はこの土質改良材受入口34の開閉蓋で、この開閉蓋35は、天板部33に蝶番36(図2参照)により取付けられている。
【0027】
37は天板部33の外周部に複数(この例では3つ)設けた取付部、38はこれら取付部37の下部に固定的に垂設した支柱で、この支柱38の上下には、それぞれ所定の位置にピン穴39(上側のもののみ図1及び図3に図示)が穿設されている。40は上記支持フレーム11に支持された略枠型の台板、41はこの台板40上に立設した複数のガイド筒で、このガイド筒41は、前述のシュート30の枠板31を支持している。また、このガイド筒41の先端付近には、図示しないピン穴が穿設されている。つまり、上記各支柱38は、それぞれこれらガイド筒41に上下方向にスライド可能に挿入されて台板40の下方にまで突出可能となっており、支柱38のスライドに伴って前述の蛇腹部32が伸縮することにより、貯留タンク28の高さが可変な構造となっている。
【0028】
42は支柱38をガイド筒41に固定するストッパピンで、このストッパピン42は、ガイド筒41の図示しないピン穴を介し支柱38のピン穴39に挿入するものである。すなわち、例えば稼動時等には、蛇腹部32を伸長させ、ガイド筒41のピン穴を介し支柱38の下側のピン穴39にストッパピン42を挿入することにより、図1に示す状態のように貯留タンク28の内部容積を十分確保する。一方、自走式土質改良機をトレーラ等で輸送するとき等には、蛇腹部32を限縮させ、ガイド筒41のピン穴を介し支柱38の上側のピン穴39にストッパピン42を挿入することにより、自走式土質改良機の全高を輸送制限をクリアする高さまで低くした状態で保持できるようになっている。
【0029】
43は上記スクリューフィーダ29のケーシングで、このケーシング43は、略円筒状に形成され、内部にスクリュー44を備えている。このスクリュー44は駆動装置44A(後述の図10参照)により回転駆動され、これにより、スクリューフィーダ29は先のシュート30からケーシング43内に導入された土質改良材を図1中左側に移送するようになっている。そして、ケーシング43の長手方向一方側(図1中左側)下部に設けた図示しない土質改良材の出口から、搬送コンベア13の搬送方向下流側(図1中右側)端部付近を搬送される泥土に、土質改良材を一定量づつ添加するようになっている。なお、図1に示すように、スクリューフィーダ29は、その移送方向上流側(図1中右側)が移送方向下流側(図1中左側)に対して低くなるように配設されており、その分、土質改良材供給装置27の高さが低くなるよう配慮されている。
【0030】
45は自走式土質改良機の片側(図2中上側)に設けたクレーン(図2及び図3参照)で、このクレーン45は、自走式土質改良機幅方向一方側(図3中左側)の本体フレーム3に取付けた支持台46上に設けられている。また、このクレーン45は、支持台46から上方に立設した支持部45Aと、この支持部45Aに基端部が枢支接続され長手方向に伸縮するとともに略水平に旋回するアーム45Bと、このアーム45Bを俯仰動させるシリンダ45Cと、アーム45B先端に設けたウィンチ45Dとを備えている。通常、貯留タンク28内に土質改良材を充填する際には、上部の開閉蓋35を開け、このクレーン45によりフレキシブルコンテナを吊り上げて土質改良材受入口34に挿入するようになっている。
【0031】
このとき、繁雑防止のため特に図示しないが、天板部33には、貯留タンク28内の土質改良材受入口34の略直下に位置するよう、先端を上方に向けたカッタが設けられている。これにより、クレーン45で土質改良材受入口34に挿入されたフレキシブルコンテナは、その自重によりカッタに押し付けられて底部を切り裂かれ、ここから貯留タンク28内に土質改良材を流出するようになっている。
【0032】
47は搬送コンベア13から導入された泥土及び土質改良材を混合して改良土を生成する混合装置である。
図5はこの混合装置47の詳細構造を表す上面図、図6はこの図5中VI−VI断面による側断面図である。
これら図5及び図6において、48はこの混合装置47の略箱状の本体で、この混合装置本体48は、その長手方向一方側(図6中左側)上部に泥土及び土質改良材の入口筒体49を、他方側(図6中右側)下部に改良土の出口筒体50を設けている。
【0033】
51は混合装置本体48内に設けた複数(この例では2本)のパドルミキサで、このパドルミキサ51は、混合装置本体48の長手方向(図5中左右方向)に略平行に配設した中空の回転軸52(中実でも構わない)と、この回転軸52に放射状に複数設けたパドル53とで構成されている。このパドル53は、その平滑な面が、回転軸52の軸線方向(この場合図5中右方向)に対し、パドルミキサ51の回転方向を向くように所定角度傾斜している。
【0034】
54はパドルミキサ51の回転軸52の両端付近を回転自在に支持する軸受、55は回転軸52の他端(図6中右端)に設けたギア、56はパドルミキサ51の駆動装置で、この駆動装置56の出力軸56aは、回転軸52の他端(図6中右端)に直結している。また、隣接する回転軸52,52のそれぞれに設けたギア55,55は互いに噛合しており、これにより隣接するパドルミキサ51,51がほぼ同一回転数で互いに反対方向に回転駆動するようになっている。
【0035】
このような構造により、混合装置47は、搬送コンベア13から入口筒体49を介して導入された泥土及び土質改良材をパドルミキサ51(厳密にはそのパドル53)により混合して改良土としつつ反対側に移送し、出口筒体50から下方に導出するようになっている。
【0036】
再び図1〜図3に戻り、59は混合装置47から導出された改良土を機外に排出する排出コンベアで、この排出コンベア59は、混合装置47の上記出口筒体50(図6参照)の下方から外側(この場合図1中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置47の駆動装置56下方辺りから上り傾斜に延在している。
【0037】
60はこの排出コンベア59のコンベアフレームで、このコンベアフレーム60は、支持部材61,62等を介し、後述の動力装置68や本体フレーム3等から支持されている。63はこの排出コンベア59の搬送方向下流側(図1中右側)端部に設けた駆動輪、64は搬送ベルトで、この搬送ベルト64は、駆動輪63及び排出コンベア59の搬送方向上流側(図1中左側)に設けた図示しない従動輪に巻回されている。65はこの搬送ベルト64の搬送面を支持する複数の支持ローラ、66は駆動輪63に直結した駆動装置(図2参照)で、この駆動装置66により、駆動輪63を回転駆動して搬送ベルト64を循環駆動させるようになっている。なお、67は排出コンベア59のサイドカバーで、このサイドカバー67は、コンベアフレーム60の幅方向(図2中上下方向)両側上部に設けられている。
【0038】
68は先に触れた動力装置で、この動力装置68は、本体フレーム3の長手方向他方側(図1中右側)端部に支持部材69を介して支持されている。また、この動力装置68は、繁雑防止のため特に図示しないが、前述してきた各機器の駆動装置に供給する圧油を吐出する少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンと、油圧ポンプから各駆動装置へ供給される圧油の方向及び流量(或いは方向のみ)をそれぞれ制御する複数のコントロールバルブ等を内部に備えている。
【0039】
70はこの動力装置68の前方側(図1中左側)の区画に設けた運転席で、この運転席70には、上記走行装置2の駆動装置を操作する1対の操作レバー71と、例えば混合装置47の駆動装置56等、他の各機器の駆動装置を操作する操作盤72(図2参照)とが備えられている。
【0040】
以上のように構成される自走式土質改良機において、本実施の形態の最も大きな特徴は、前記の搬送土砂量測定装置20の構造にある。以下、この搬送土砂量測定装置20の詳細構造について説明する。
【0041】
図7はこの搬送土砂量測定装置20の詳細構造を表す側面図、図8は図7中右方向から見た搬送土砂量測定装置20の後面図、図9は搬送土砂量測定装置20の設置部分近傍を表す一部透視して示す図1中部分拡大側面図である。
【0042】
これら図7乃至図9において、搬送土砂量測定装置20は、受圧板75と、この受圧板75を支持する一対の受圧板支持部材77,77と、カウンタウェイト78と、このカウンタウェイト78を支持するカウンタウェイト支持部材79と、カウンタウェイト78をカウンタウェイト支持部材79に固定するボルト80と、当て板81と、上記受圧板支持部材77、カウンタウェイト支持部材79及び当て板81が周方向にそれぞれ固定されたボス82と、このボス82をピン83を介して回動自在に支持する一対のブラケット84,84と、受圧板75の回動角度(すなわち受圧板支持部材77の回動角度)を検出する角度センサ85(図8参照)と、調整ボルト86a及びこの調整ボルト86aと螺合したナット86bと、この調整ボルト・ナット86を支持するブラケット87とを備えている。また、88はホッパ12の後方(図1中右方向)に設けられたカバー89内に自走式土質改良機幅方向(図7中紙面に垂直方向、図8中左右方向、図9中紙面に垂直方向)に略水平に延設された支持フレーム(図1も参照)であり、上記のブラケット84,84とブラケット87とがこの支持フレーム88に複数のボルト90,91によりそれぞれ締結固定されている。
【0043】
上記の受圧板75は、円筒をその軸線方向に略2分割してできる略半円筒形状をしており、下方側に位置する搬送泥土と接触する接触面75aと、その自走式土質改良機幅方向両端に位置する略半円形状の側面75b,75bと、上方側に位置する開口部75cとから構成されている。接触面75aは、搬送コンベア13の搬送ベルト16とほぼ同等の幅方向長さを有しており、泥土の搬送方向(搬送コンベア13の長手方向、図7及び図9中左右方向、図8中紙面に垂直方向)に沿って上方に開放した円弧形状をしている。なお、受圧板支持部材77は開口部75cを介してこの接触面75aの内周面に固定されている。また、接触面75a及び両側面75b,75bには、受圧板75内に開口部75cを介して入り込んだ泥土を排出するための排出口75a1,75b1がそれぞれ穿設されている。これら排出口75a1,75b1は、接触面75a及び側面75bの鉛直方向最下部近傍に設けられ、泥土が効率良く抜けるよう便宜が図られている。
【0044】
上記受圧板支持部材77とカウンタウェイト支持部材79とは、ボス82を介して一体的に構成されている。したがって、カウンタウェイト支持部材79にカウンタウェイト78を搭載することで、ボス82に作用する受圧板75によるモーメントをカウンタウェイト78による反対方向のモーメントで相殺させ、受圧板75が搬送泥土へ与える圧力を低減することができるようになっている。なお、改質対象である土砂の性状にあわせて、カウンタウェイト78を適宜重量の異なるカウンタウェイトに交換(又はカウンタウェイトの一部を取り外したり付け足すようにしても良い)することで、受圧板75が搬送泥土へ与える圧力を調整できるようになっている。また、受圧板支持部材77とカウンタウェイト支持部材79とは、ボス82に対し、図9に示すように受圧板75が搬送ベルト16に当接した状態のときにカウンタウェイト支持部材79が略水平となるような周方向位置にそれぞれ設けられている。
【0045】
当て板81はボス82の外周面に固定されており、この当て板81と受圧板支持部材77及びカウンタウェイト支持部材79とは、ボス82を介して一体的に構成されている。これにより、調整ボルト86aを回転させてナット86bに対し進退させることで、その先端に当接した当て板81が受圧板支持部材77及びカウンタウェイト支持部材79と共にピン83周りに調整ボルト86aの進退分回動するようになっている。このようにして、調整ボルト86aによって受圧板75の初期位置(ピン83回りの初期周方向位置、言い換えれば搬送ベルト16からの初期高さ)を調整できるようになっている。なお、ボス82に作用する受圧板75によるモーメントはカウンタウェイト78によるモーメントより大きくなるようになっており、これにより、当て板81は非土砂搬送時には常に調整ボルト86aの先端に当接するようになっている。
【0046】
角度センサ85は、例えばロータリーエンコーダ等(ポテンショメータでもよい)の公知の角度センサであり、受圧板支持部材77の回動角度がアーム95(図8参照)を介してこの角度センサ85に伝達され、これにより受圧板75の回動角度を検出するようになっている。また、角度センサ85は、検出した受圧板75の回動角度を後述の混合比制御装置96(後述の図10参照)に出力するようになっている。
【0047】
ここで、本実施の形態においては、混合比制御装置96が搬送コンベア13により搬送される泥土量に応じて土質改良材の供給量を制御するようになっている。図10は、この混合比制御装置96の機能を表す機能ブロック図である。
この図10において、97は搬送コンベア13により搬送される泥土の体積を測定する土砂体積検出部で、この土砂体積検出部97は、上記角度センサ85から受圧板75の回動角度を入力して搬送泥土の高さを演算する土砂高さ演算回路98と、搬送コンベア13の駆動輪15Aの回転数を検出する回転数センサ99(図9も参照)から入力される駆動輪回転数から搬送コンベア13の搬送ベルト16の駆動速度(すなわち泥土搬送速度)を演算する搬送速度演算回路100と、この搬送速度演算回路100の演算した搬送速度、上記土砂高さ演算回路98が演算した搬送泥土高さ、及び予め混合比制御装置96に記憶された(又は例えば前記の操作盤72(図2参照)等の適宜の外部端末により設定入力してもよい)搬送泥土の幅から搬送泥土の体積を演算する土砂体積演算回路101とで構成されている。すなわち、搬送泥土は前記の土砂出口12A(図4参照)の幅でホッパ12から切り出されるため、土砂体積演算回路101は、その搬送泥土の幅に対し算出した搬送泥土高さ及び搬送速度を乗じることにより、搬送コンベア13により単位時間当たりに搬送される泥土体積を算出するようになっている。
【0048】
なお、上記回転数センサ99は搬送コンベア13に設けられた例えば公知の近接センサ(ロータリーエンコーダ等でもよい)であり、この回転数センサ99が駆動輪15Aの駆動軸に設けられた図示しない回転数検出用スプロケットの外歯を検出することにより、駆動輪15Aの回転数を検出するようになっている。
【0049】
105は前記のスクリューフィーダ29の駆動装置44Aの回転数センサで、この回転数センサ105は、フィーダ制御部106にその検出結果を随時出力するようになっている。そして、フィーダ制御部106は、格納した土質改良材供給量演算回路107により、入力したフィーダ駆動装置44Aの回転数を基に供給されている土質改良材の量を算出するようになっている。108は操作盤72(図2参照)等で設定入力された泥土及び土質改良材の混合比を取り込む混合比設定回路、109はこの混合比設定回路108の入力結果を基に、上記土砂体積演算回路101から入力した搬送泥土体積の検出結果に対し要求される土質改良材供給量を算出する土質改良材要求量演算回路で、共にフィーダ制御部106に備えられている。
【0050】
また、110はこの土質改良材要求量演算回路109及び土質改良材供給量演算回路107の算出結果を比較する比較回路である。この比較回路110は、入力した要求量を基準に、その都度実際の土質改良材供給量の過不足を判断し、土質改良材供給量が要求量に近似するよう、スクリューフィーダ29の駆動装置44Aに対して回転数を制御する制御信号を算出し出力するもので、同様にフィーダ制御部106に備えられている。
【0051】
このようにして、本実施の形態においては、土砂体積検出部97の検出(算出)値に応じ、フィーダ制御部106がスクリューフィーダ29による土質改良材の供給量を制御するようになっている。これにより、実際の泥土及び土質改良材の混合比を予め設定した任意の好適な値に近似させることが可能となり、良質な改良土を生成することができるようになっている。
【0052】
以上において、走行装置2は特許請求の範囲各項記載の本体フレームに設けた走行手段を構成し、混合装置47は本体フレーム上に設けた混合手段を構成する。また、接触面75aは搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を構成するとともに土砂接触面を構成し、受圧板75は受圧部を有する受圧手段を構成し、角度センサ85は受圧手段の変位量を検出する検出手段を構成し、混合比制御装置96は検出手段の検出信号に基づき土質改良材供給装置の供給量を制御する制御手段を構成する。また、カウンタウェイト78、カウンタウェイト支持部材79及びボルト80は、受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段を構成する。
【0053】
次に、上記構成の本発明の自走式土質改良機及び搬送土砂量測定装置の一実施の形態の動作を以下に説明する。
まず操作者は、作業を始める前に、改質対象となる泥土の性状等を考慮し、予め泥土及び土質改良材の最適な混合比を例えば操作盤72等から設定入力する。
【0054】
その後、例えば油圧ショベル等によりホッパ12に改質対象となる泥土を投入すると、ホッパ12で受け入れられた泥土は、その下方の搬送コンベア13上に載置され、土砂出口12Aから押し出されて搬送される。この搬送泥土は搬送途中において受圧板75の接触面75aに接触し、これにより受圧板75は圧力を受け、受圧板支持部材77と共にピン83を支点としてその周方向の泥土搬送方向下流側向きに回動する。この回動動作は、受圧板75の接触面75a下端が搬送泥土の表面に略接触する状態となったときに、停止する。このようにして、受圧板75は搬送泥土の表面の高さに応じて回動動作する。このとき、角度センサ85がこの受圧板75の回動角度を検出し、その検出信号を混合比制御装置96に出力する。一方で、回転数センサ99はこのときの搬送コンベア13の駆動輪15Aの回転数を検出し、その検出信号を混合比制御装置96に出力する。
【0055】
混合比制御装置96は、土砂体積検出部97の土砂高さ演算回路98において、上記角度センサ85から入力された受圧板75の回動角度より搬送泥土の高さを演算する。また、搬送速度演算回路100において、上記回転数センサ99から入力された搬送コンベア駆動輪15Aの回転数より搬送泥土の搬送速度を演算する。さらに、混合比制御装置96は、土砂体積演算回路101において、上記演算された搬送泥土高さ及び搬送速度に予め記憶された(あるいは例えば適宜外部端末より設定入力された)搬送泥土の幅を乗じ、搬送コンベア13により搬送される泥土の単位時間当たりの体積を演算する。
【0056】
次に、混合比制御装置96は、フィーダ制御部106の土質改良材要求量演算回路109において、操作者により予め入力された泥土及び土質改良材の混合比と上記土砂体積検出部97において演算された泥土体積とを照らし合わせ、設定混合比とするために必要な土質改良材の要求量を演算する。この演算された土質改良材の要求量に応じた制御信号がフィーダ制御部106よりスクリューフィーダ29の駆動装置44Aに出力され、これによりスクリューフィーダ29はその要求量通りの土質改良材を搬送泥土に供給する。
【0057】
なお、このときの駆動装置44Aの回転数は回転数センサ105によって検出され、混合比制御装置96に出力される。混合比制御装置96は、この駆動装置44Aの回転数をフィーダ制御部106の土質改良材供給量演算回路107に入力し、実際の土質改良材供給量を演算する。そして、比較回路110において、この実際の土質改良材供給量と上記演算された土質改良材要求量を比較し、実際の供給量が要求量に近似するように制御信号を駆動装置44Aに出力する。
【0058】
このような混合比制御装置96の制御により、土質改良材供給装置27は、泥土及び土質改良材が最適な混合比となるように、その貯留タンク28内の土質改良材をスクリューフィーダ29により搬送コンベア13で搬送される泥土に対し一定量づつ供給していく。そして、搬送コンベア13により混合装置47に導入された泥土及び土質改良材は、パドルミキサ51で均一に攪拌混合され、排出コンベア59上に改良土として導出される。この改良土は、排出コンベア59により搬送され、最終的に自走式土質改良機外に排出される。
【0059】
以上のように動作する本発明の自走式土質改良機及び搬送土砂量測定装置の一実施の形態の作用を以下に順番に説明する。
(1)搬送泥土量の検出精度向上
例えば、受圧手段が略棒状形状である前述の従来技術のような構造である場合、本実施の形態のように含水比が極めて高い建設泥土等を改質する際には、その搬送量を検出する際に受圧手段が細いことからその先端が泥土に沈み込んでしまい、搬送泥土量を正確に検出できない可能性がある。これに対し、本実施の形態においては、受圧手段としての受圧板75が搬送コンベア13の搬送ベルト16とほぼ同等の幅方向長さを有しており、接触面75aと泥土表面が接触する面積(受圧面積)を上記従来技術に比べ大幅に増大することができるので、受圧板75が泥土へ与える圧力を大幅に小さくすることができ、含水比の高い泥土であっても受圧板75は沈み込むことなく搬送泥土表面に接触することができる。このようにして搬送泥土高さの検出精度を向上できるので、その結果、搬送泥土量の検出精度を向上することができる。したがって、泥土及び土質改良材の混合比を好適な値とすることができ、良質な改良土を生成することができる。
【0060】
また、本実施の形態で用いた受圧板75及び角度センサ85に代えて、例えば超音波センサ等で直接搬送泥土の高さを検出することも可能であるが、そのような構造とした場合には、検出範囲が小さくセンサ設置位置下部のみの泥土の高さしか検出することができず、泥土が搬送ベルト幅方向に偏って搬送されてきた場合には正確な搬送泥土量を検出することができない。これに対し、本実施の形態によれば、上述したように搬送ベルト16とほぼ同等の幅方向長さを有する受圧板75を用いるので、このような場合にも泥土の偏りに対する均し効果が働き、搬送泥土量をより正確に検出することができる。なお、上記超音波センサを用いる場合において、搬送泥土の幅方向の偏りに対応するために幅方向複数箇所にセンサを設置する構成も考えられるが、その場合にはコストが増大してしまうのに対し、本実施形態によれば角度センサ1個で対応可能であるので、経済的にも有利である。
【0061】
(2)搬送コンベアの逆転駆動時にも対応可能
一般に、自走式土質改良機においては、ホッパ12の土砂出口12Aで土砂が凝り固まって目詰まりを起こすことがあり、この場合には搬送コンベア13を逆転駆動させて土砂を反対方向に搬送することで、土砂出口12Aの目詰まりを崩すようにしている。
【0062】
本実施の形態においては、受圧板75の接触面75aの形状を泥土の搬送方向(すなわち搬送コンベア13の長手方向)に沿って上方に開放した円弧形状とするので、受圧板75は、搬送コンベア13が正転・逆転駆動されることによりどちらの搬送方向に搬送される泥土に対しても、略同等の追従性を有することができる。これにより、例えば搬送コンベア逆転時に泥土が乗り上げて受圧板75内に土砂溜まりが生じ、その後正転駆動に復旧した際に、その土砂溜まりによる受圧板75の重量増加によって搬送泥土量の検出精度が低下したり、受圧板75が持ち上がらずに搬送泥土の堆積・閉塞等が生じる等の不具合を防止することができる。
【0063】
(3)カウンタウェイト78による改質対象土砂範囲拡大効果
本実施の形態によれば、カウンタウェイト支持部材79にボルト80でカウンタウェイト78を固定することで、ボス82に作用する受圧板75によるモーメントをカウンタウェイト78による反対方向のモーメントで相殺させ、受圧板75が泥土へ与える圧力をさらに低減することができる。これにより、受圧板75の泥土への沈み込みを確実に防止することができ、搬送泥土量の検出精度をさらに向上することができる。
【0064】
また、仮にカウンタウェイト78を用いない構造の場合には、改質対象である土砂が、泥土に限らず、例えば一軸圧縮強度の低い非常に軟弱な土砂である場合に、泥土から圧力を受けても受圧板75が持ち上がらずに泥土がそのまま搬送ベルト16上に堆積して閉塞してしまう可能性も考えられるが、本発明によれば、カウンタウェイト78を使用して搬送泥土に対する追従性をさらに向上できるので、上記堆積・閉塞するような事態を回避し、確実に搬送泥土量を検出することができる。さらに、改質対象となる土砂の性状にあわせて、例えばカウンタウェイト78を適宜重量の異なるカウンタウェイトに交換(又はその一部を取り外したり付け足したりしても良い)することで、受圧板75が搬送泥土へ与える圧力を調整し、受圧板75の搬送泥土に対する追従性を調整することができる。これにより、改質対象となる土砂(特に泥土)の範囲を拡大することができる。
【0065】
(4)排出口75a1,75b1による泥土溜まり防止作用
本実施の形態によれば、受圧板75の接触面75a及び両側面75b,75bの鉛直方向最下部近傍に排出口75a1,75b1を設ける。これにより、受圧板75内に開口部75cを介して入り込んだ泥土を効率良く排出でき、受圧板75内の泥土溜まりを防止することができる。したがって、泥土溜まりによって受圧板75の重量が増加し、搬送泥土量の検出精度が低下したり、受圧板75が持ち上がらなくなり搬送泥土の堆積・閉塞等が生じることを防止することができる。
【0066】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、受圧板75の形状を略半円筒形状としたが、これに限らず、例えば図11に示すような円柱状の受圧ローラ75′を用いてもよい。この場合、受圧ローラ75′内に泥土が入り込むことがないので排出口が不要となる。また、例えば図12に示すような略逆への字型をしたソリ状形状の受圧板75″としてもよい。
【0067】
また、上記本発明の一実施の形態においては、受圧板75の回動角度を角度センサ85で検出することで搬送泥土の高さを検出するようにしたが、これに限らず、例えば超音波センサ等で受圧板75の高さを直接検出し、それにより搬送泥土高さを検出するようにしてもよい。
【0068】
またさらに、上記本発明の一実施の形態においては、カウンタウェイト78を用いることで受圧板75が泥土へ与える圧力を低減するようにしたが、これに限らない。すなわち、例えばバネ等の弾性体を用いて、カウンタウェイト支持部材79に上方向から下方向に向かって付勢力を与える構造としてもよいし、受圧板75を弾性体により直接上方に引っ張り上げる構造としてもよい。また、受圧板75又は受圧板支持部材77を適宜の軽量材料を用いて構成し、これにより泥土へ与える圧力を低減するようにしてもよい。
【0069】
また、上記本発明の一実施の形態においては、含水比の高い泥土を改質対象としたが、これに限らず建設残土等の通常の含水率の土砂を改質対象としても構わない。この場合には、受圧板75内(あるいは外部でもよい)に適宜のウェイトを設け、搬送土砂に対する均し機能を付加してもよい。
【0070】
またさらに、受圧板を図13に示すようなリンク機構を構成する受圧板支持部材77′により支持するようにしてもよい。このとき、例えば部材77′aをブラケット84′から略水平に突出するように固定して設け、部材77′bをブラケット84′で回動可能に支持し、部材77′cを部材77′aでその先端に対して回動可能に支持し、受圧板75’’’を部材77′b,77′cでそれぞれの先端に対して回動可能に支持する構造とすることにより、搬送泥土高さが変化しても受圧板75’’’の略水平状態が維持される。これにより、搬送泥土量によらず受圧板75’’’と搬送泥土表面との接触位置が受圧板75’’’の下方略中央部に固定されるので、土砂高さ演算回路98による泥土高さの演算が容易となり、搬送泥土高さの検出精度を向上することができる。
【0071】
また、上記本発明の一実施の形態においては受圧板75を1つの部材として構成したが、搬送コンベア13の幅方向に沿って複数に分割した構造としてもよい。この場合、泥土が搬送ベルト幅方向に偏って搬送されてきた場合に、さらに正確に搬送泥土量を検出することができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段を用いることで、受圧手段と搬送土砂が接触する受圧面積を増大させ、受圧手段が土砂へ与える圧力を低減することができる。これにより、含水比の高い土砂の場合にも受圧手段の搬送土砂への沈み込みを防止することができ、搬送土砂量の検出精度を向上することができる。したがって、土砂及び土質改良材の混合比を好適な値とすることができ、良質な改良土を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す正面図である。
【図4】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成するホッパの構造を簡略的に表す側断面図である。
【図5】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する混合装置の詳細構造を表す上面図である。
【図6】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する混合装置の詳細構造を表す図5中VI−VI断面による側断面図である。
【図7】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する搬送土砂量測定装置の詳細構造を表す側面図である。
【図8】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する搬送土砂量測定装置の詳細構造を表す後面図である。
【図9】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する搬送土砂量測定装置の設置部分近傍を表す一部透視して示す図1中部分拡大側面図である。
【図10】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する混合比制御装置の機能を表す機能ブロック図である。
【図11】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する受圧板の変形例を簡略的に表す側断面図である。
【図12】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する受圧板の変形例を簡略的に表す側断面図である。
【図13】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する受圧板支持部材の変形例を簡略的に表す側断面図である。
【符号の説明】
2 走行装置
3 本体フレーム
12 ホッパ
13 搬送コンベア
20 搬送土砂量測定装置
27 土質改良材供給装置
47 混合装置(混合手段)
59 排出コンベア
75 受圧板(受圧手段)
75′ 受圧板(受圧手段)
75″ 受圧板(受圧手段)
75’’’ 受圧板(受圧手段)
75a 接触面(受圧部;土砂接触面)
75a1 排出口
75b1 排出口
78 カウンタウェイト(圧力低減手段)
79 カウンタウェイト支持部材(圧力低減手段)
80 ボルト(圧力低減手段)
85 角度センサ(検出手段)
96 混合比制御装置(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建設省によるいわゆる建設リサイクル推進計画の策定(1997年)といった廃棄物再利用促進の背景の下、例えば、ガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等が行われる様々な現場において、土砂を土質改良材とともに攪拌混合処理し、リサイクル用の改良土製品や宅地用地・道路の路床等の表層に敷設する地盤強化用の改良土を生成する自走式土質改良機のニーズが拡がりつつある。
【0003】
この自走式土質改良機は、通常、土砂を受け入れるホッパと、このホッパ内の土砂を搬送する搬送コンベアと、この搬送コンベア上の土砂に土質改良材を供給する土質改良材供給装置と、搬送コンベアから導入された土砂及び土質改良材を混合し改良土を生成する混合手段と、この混合手段から導出された改良土を機外に排出する排出コンベアとを備えている。
【0004】
このような構成の自走式土質改良機において、良質な改良土を生成するためには、土砂及び土質改良材の混合比を好適な値にすることが極めて重要である。
【0005】
そこで、従来より、例えば特開2001−288737号公報に記載のように、搬送コンベア(搬入コンベア)により搬送される土砂量を検出し、その搬送土砂量に応じて土質改良材の供給量を制御する自走式土質改良機が提唱されている。ここでは、回動可能に釣支された略棒状の受圧手段(検出ロッド)を搬送コンベア上に設け、この受圧手段が搬送コンベアにより搬送される土砂から圧力を受けて回動した際に、検出手段(エンコーダ)で受圧手段の鉛直状態からの角度変化を検出することによって搬送土砂の高さを検出し、この検出信号に基づいた搬送土砂量に応じて土質改良材の供給量を制御するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−288737号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、土質改良機のニーズは広範囲に渡っており、その使用分野も建設副産物に属するような残土の土質改良のみでなく、建設泥土などの極めて含水比が高くスランプ値の高い性状の物質に対しても改良処理しなければならない機会が増加しつつある。
【0008】
このため、上記従来技術のような、略棒状の受圧手段で含水比の高い土砂(泥土)の搬送量を測定しようとしても、受圧手段が土砂の表面に当接せず泥土中に沈んでしまい、土砂の搬送量を正確に検出することはできない。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に含水比の高い土砂の搬送土砂量の検出精度を向上することができる自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、受け入れた土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機において、本体フレームと、この本体フレームに設けた走行手段と、前記本体フレーム上に設けた混合手段と、前記本体フレームの長手方向一方側に設けた土砂受入用のホッパと、このホッパの下部から前記混合手段にかけて設けた搬送コンベアと、この搬送コンベア上の土砂に対して土質改良材を供給する土質改良材供給装置と、前記搬送コンベア上方における前記ホッパと前記土質改良材供給装置との間の位置に設けられ、前記搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段と、この受圧手段の変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出信号に基づき前記土質改良材供給装置の供給量を制御する制御手段と、前記混合手段の下方から前記本体フレームの長手方向他方側外方へ延設する排出コンベアとを備えるものとする。
【0011】
本発明においては、検出手段により搬送コンベア上方におけるホッパと土質改良材供給装置との間の位置に設けた受圧手段の変位量を検出し、制御手段でこの検出信号に基づいて例えば搬送コンベアで搬送される土砂量を演算し、この搬送土砂量に応じて土質改良材供給装置の供給量を制御する。このとき、受圧手段が略棒状形状である前述の従来技術のような構造の場合には、含水比が極めて高い泥土等の搬送量を検出する際には受圧手段の先端が泥土に沈み込んでしまい搬送土砂量を正確に検出できない可能性があったのに対し、本発明においては、搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段を用いることで受圧面積(受圧部と土砂が接触する面積)を増大し、受圧手段が搬送土砂に与える圧力を低減することができるので、含水比の高い土砂(泥土)であっても受圧手段は沈み込むことなく搬送土砂表面に接触することができる。これにより、特に含水比の高い土砂の搬送土砂量の検出精度を向上することができる。したがって、土質改良材供給装置の供給量を土砂及び土質改良材の混合比が好適な値となるようにすることができ、良質な改良土を生成することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記受圧手段の土砂接触面は、前記搬送コンベアの搬送方向に沿った円弧形状を有するものとする。
【0013】
一般に、自走式土質改良機においては、ホッパの土砂出口で土砂が凝り固まって目詰まりを起こすことがあり、この場合には搬送コンベアを逆転駆動させて土砂を反対方向に搬送することで、土砂出口の目詰まりを崩すようにしている。
【0014】
本発明においては、受圧手段の土砂と接触する接触面の形状を搬送コンベアの長手方向(すなわち搬送方向)に沿って上方に開放した円弧形状とするので、受圧手段は、搬送コンベアの正転・逆転駆動によりどちらの搬送方向に搬送される土砂に対しても略同等の追従性を有することができる。これにより、例えば搬送コンベア逆転時に土砂が受圧手段上に乗り上げて土砂溜まりが生じ、その後正転駆動に復旧した際に、その土砂溜まりによる受圧手段の重量増加によって搬送土砂量の検出精度が低下する等の不具合を防止することができる。
【0015】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段をさらに備えるものとする。
【0016】
本発明によれば、圧力低減手段によって受圧手段が土砂に与える圧力をさらに低減するので、受圧手段の土砂への沈み込みを確実に防止して搬送土砂量の検出精度をさらに向上することができる。また、改質対象である土砂が例えば一軸圧縮強度の低い非常に軟弱な土砂であるような場合、土砂からの圧力を受けても受圧手段が持ち上がらずに土砂がそのまま堆積して閉塞してしまう可能性があるが、本発明によれば受圧手段が搬送土砂に与える圧力をさらに低減できるので、このような土砂であっても上記堆積・閉塞等の事態を回避し、搬送土砂量を検出することができる。これにより、改質可能な土砂の対象範囲を拡大することができる。
【0017】
(4)上記(2)又は(3)において、また好ましくは、前記受圧手段は、その内部に入り込んだ土砂を排出するための排出口を備えるものとする。
【0018】
これにより、受圧手段の内部に土砂が入り込みその重量が増加することで、搬送土砂量の検出精度が低下したり、受圧手段が持ち上がらずに搬送土砂を堆積させたりすることを防止することができる。
【0019】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、土砂を搬送する搬送コンベア上に設けられる搬送土砂量測定装置において、前記搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段と、この受圧手段の変位量を検出する検出手段と、前記受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段とを備えるものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置の一実施の形態を図面を用いて説明する。
本実施の形態における自走式土質改良機及び搬送土砂量測定装置は、例えば極めて含水比が高くスランプ値の高い性状の物質を含む建設泥土などを改質対象としたものである。
【0021】
図1は本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す側面図、図2はその上面図、図3は図1中左側から見た正面図である。
これら図1〜図3において、1は走行体で、この走行体1は、左・右1対の走行装置2と、この走行装置2の上部に略平行に延設した1対の本体フレーム3とで構成されている。また、4は走行装置2のトラックフレームで、このトラックフレーム4は、上記本体フレーム3の下部に連設している。5,6はそれぞれこのトラックフレーム4の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、7はこれら従動輪5及び駆動輪6に掛け回した履帯(無限軌道履帯)、8は駆動輪6に直結した駆動装置である。9a,9bは本体フレーム3上に立設した複数の支持ポストで、これら支持ポスト9a,9bは、支持フレーム10,11を支持している。
【0022】
12は改質対象となる泥土を受入れるホッパで、このホッパ12は、上下が開口した概略枠型に形成されており、上記支持フレーム10により、本体フレーム3の長手方向一方側(図1中左側)に支持されている。また、改質対象となる泥土は、例えば油圧ショベル等の投入重機で投入される場合も多く、このホッパ12は、泥土投入の利便性への配慮として、上方拡開に形成されている。
【0023】
13はこのホッパ12で受入れた泥土を搬送する搬送コンベアで、この搬送コンベア13は、ホッパ12の下方から後述する混合装置47の入口筒体49(図5及び図6参照)上方にかけてほぼ水平に延設されている。14はこの搬送コンベア13のコンベアフレームで、このコンベアフレーム14は、上記支持ポスト9a,9b等に支持されている。15A,15Bはそれぞれこのコンベアフレーム14の両端に設けた駆動輪及び従動輪、16はこれら駆動輪15A及び従動輪15Bに掛け回した搬送ベルト、17はこの搬送ベルト16の搬送面を支持する複数の支持ローラである。また、上記駆動輪15Aには、この駆動輪15Aを駆動して搬送ベルト16を循環駆動させる駆動装置18(図2参照)が連結されている。
【0024】
図4は上記ホッパ12の構造を簡略的に表す側断面図である。
この図4において、12Aはホッパ12の搬送コンベア13による泥土搬送方向下流側(図4中右側)壁面の下端に切り欠いた土砂出口で、この土砂出口12Aは、上記搬送コンベア13の搬送ベルト16に対向して所定の幅(搬送ベルト16よりも僅かに狭い幅)及び所定の高さに形成されている。つまり、ホッパ12内の泥土は、搬送コンベア13によりこの土砂出口12Aの幅及び高さで切り出されるようになっている。
【0025】
20は搬送土砂量測定装置で、上記土砂出口12Aから切り出され搬送コンベア13により搬送される泥土量を測定するようになっている(詳細は後述)。
【0026】
図1〜図3に戻り、27は搬送コンベア13上の泥土に土質改良材を添加する土質改良材供給装置で、この土質改良材供給装置27は、水平断面が略方形の土質改良材の貯留タンク28と、この貯留タンク28内の土質改良材を下方に導出するスクリューフィーダ29と、貯留タンク28内の土質改良材をスクリューフィーダ29に導く漏斗の役割を果たす略四角錐形状のシュート30とで構成されている。また、貯留タンク28は、このシュート30上部のフランジ状の枠板31に連設した蛇腹部32と、この蛇腹部32の上部をカバーする天板部33とで構成されている。34はこの天板部33のほぼ中央に設けた土質改良材充填用の受入口(図2参照)、35はこの土質改良材受入口34の開閉蓋で、この開閉蓋35は、天板部33に蝶番36(図2参照)により取付けられている。
【0027】
37は天板部33の外周部に複数(この例では3つ)設けた取付部、38はこれら取付部37の下部に固定的に垂設した支柱で、この支柱38の上下には、それぞれ所定の位置にピン穴39(上側のもののみ図1及び図3に図示)が穿設されている。40は上記支持フレーム11に支持された略枠型の台板、41はこの台板40上に立設した複数のガイド筒で、このガイド筒41は、前述のシュート30の枠板31を支持している。また、このガイド筒41の先端付近には、図示しないピン穴が穿設されている。つまり、上記各支柱38は、それぞれこれらガイド筒41に上下方向にスライド可能に挿入されて台板40の下方にまで突出可能となっており、支柱38のスライドに伴って前述の蛇腹部32が伸縮することにより、貯留タンク28の高さが可変な構造となっている。
【0028】
42は支柱38をガイド筒41に固定するストッパピンで、このストッパピン42は、ガイド筒41の図示しないピン穴を介し支柱38のピン穴39に挿入するものである。すなわち、例えば稼動時等には、蛇腹部32を伸長させ、ガイド筒41のピン穴を介し支柱38の下側のピン穴39にストッパピン42を挿入することにより、図1に示す状態のように貯留タンク28の内部容積を十分確保する。一方、自走式土質改良機をトレーラ等で輸送するとき等には、蛇腹部32を限縮させ、ガイド筒41のピン穴を介し支柱38の上側のピン穴39にストッパピン42を挿入することにより、自走式土質改良機の全高を輸送制限をクリアする高さまで低くした状態で保持できるようになっている。
【0029】
43は上記スクリューフィーダ29のケーシングで、このケーシング43は、略円筒状に形成され、内部にスクリュー44を備えている。このスクリュー44は駆動装置44A(後述の図10参照)により回転駆動され、これにより、スクリューフィーダ29は先のシュート30からケーシング43内に導入された土質改良材を図1中左側に移送するようになっている。そして、ケーシング43の長手方向一方側(図1中左側)下部に設けた図示しない土質改良材の出口から、搬送コンベア13の搬送方向下流側(図1中右側)端部付近を搬送される泥土に、土質改良材を一定量づつ添加するようになっている。なお、図1に示すように、スクリューフィーダ29は、その移送方向上流側(図1中右側)が移送方向下流側(図1中左側)に対して低くなるように配設されており、その分、土質改良材供給装置27の高さが低くなるよう配慮されている。
【0030】
45は自走式土質改良機の片側(図2中上側)に設けたクレーン(図2及び図3参照)で、このクレーン45は、自走式土質改良機幅方向一方側(図3中左側)の本体フレーム3に取付けた支持台46上に設けられている。また、このクレーン45は、支持台46から上方に立設した支持部45Aと、この支持部45Aに基端部が枢支接続され長手方向に伸縮するとともに略水平に旋回するアーム45Bと、このアーム45Bを俯仰動させるシリンダ45Cと、アーム45B先端に設けたウィンチ45Dとを備えている。通常、貯留タンク28内に土質改良材を充填する際には、上部の開閉蓋35を開け、このクレーン45によりフレキシブルコンテナを吊り上げて土質改良材受入口34に挿入するようになっている。
【0031】
このとき、繁雑防止のため特に図示しないが、天板部33には、貯留タンク28内の土質改良材受入口34の略直下に位置するよう、先端を上方に向けたカッタが設けられている。これにより、クレーン45で土質改良材受入口34に挿入されたフレキシブルコンテナは、その自重によりカッタに押し付けられて底部を切り裂かれ、ここから貯留タンク28内に土質改良材を流出するようになっている。
【0032】
47は搬送コンベア13から導入された泥土及び土質改良材を混合して改良土を生成する混合装置である。
図5はこの混合装置47の詳細構造を表す上面図、図6はこの図5中VI−VI断面による側断面図である。
これら図5及び図6において、48はこの混合装置47の略箱状の本体で、この混合装置本体48は、その長手方向一方側(図6中左側)上部に泥土及び土質改良材の入口筒体49を、他方側(図6中右側)下部に改良土の出口筒体50を設けている。
【0033】
51は混合装置本体48内に設けた複数(この例では2本)のパドルミキサで、このパドルミキサ51は、混合装置本体48の長手方向(図5中左右方向)に略平行に配設した中空の回転軸52(中実でも構わない)と、この回転軸52に放射状に複数設けたパドル53とで構成されている。このパドル53は、その平滑な面が、回転軸52の軸線方向(この場合図5中右方向)に対し、パドルミキサ51の回転方向を向くように所定角度傾斜している。
【0034】
54はパドルミキサ51の回転軸52の両端付近を回転自在に支持する軸受、55は回転軸52の他端(図6中右端)に設けたギア、56はパドルミキサ51の駆動装置で、この駆動装置56の出力軸56aは、回転軸52の他端(図6中右端)に直結している。また、隣接する回転軸52,52のそれぞれに設けたギア55,55は互いに噛合しており、これにより隣接するパドルミキサ51,51がほぼ同一回転数で互いに反対方向に回転駆動するようになっている。
【0035】
このような構造により、混合装置47は、搬送コンベア13から入口筒体49を介して導入された泥土及び土質改良材をパドルミキサ51(厳密にはそのパドル53)により混合して改良土としつつ反対側に移送し、出口筒体50から下方に導出するようになっている。
【0036】
再び図1〜図3に戻り、59は混合装置47から導出された改良土を機外に排出する排出コンベアで、この排出コンベア59は、混合装置47の上記出口筒体50(図6参照)の下方から外側(この場合図1中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置47の駆動装置56下方辺りから上り傾斜に延在している。
【0037】
60はこの排出コンベア59のコンベアフレームで、このコンベアフレーム60は、支持部材61,62等を介し、後述の動力装置68や本体フレーム3等から支持されている。63はこの排出コンベア59の搬送方向下流側(図1中右側)端部に設けた駆動輪、64は搬送ベルトで、この搬送ベルト64は、駆動輪63及び排出コンベア59の搬送方向上流側(図1中左側)に設けた図示しない従動輪に巻回されている。65はこの搬送ベルト64の搬送面を支持する複数の支持ローラ、66は駆動輪63に直結した駆動装置(図2参照)で、この駆動装置66により、駆動輪63を回転駆動して搬送ベルト64を循環駆動させるようになっている。なお、67は排出コンベア59のサイドカバーで、このサイドカバー67は、コンベアフレーム60の幅方向(図2中上下方向)両側上部に設けられている。
【0038】
68は先に触れた動力装置で、この動力装置68は、本体フレーム3の長手方向他方側(図1中右側)端部に支持部材69を介して支持されている。また、この動力装置68は、繁雑防止のため特に図示しないが、前述してきた各機器の駆動装置に供給する圧油を吐出する少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンと、油圧ポンプから各駆動装置へ供給される圧油の方向及び流量(或いは方向のみ)をそれぞれ制御する複数のコントロールバルブ等を内部に備えている。
【0039】
70はこの動力装置68の前方側(図1中左側)の区画に設けた運転席で、この運転席70には、上記走行装置2の駆動装置を操作する1対の操作レバー71と、例えば混合装置47の駆動装置56等、他の各機器の駆動装置を操作する操作盤72(図2参照)とが備えられている。
【0040】
以上のように構成される自走式土質改良機において、本実施の形態の最も大きな特徴は、前記の搬送土砂量測定装置20の構造にある。以下、この搬送土砂量測定装置20の詳細構造について説明する。
【0041】
図7はこの搬送土砂量測定装置20の詳細構造を表す側面図、図8は図7中右方向から見た搬送土砂量測定装置20の後面図、図9は搬送土砂量測定装置20の設置部分近傍を表す一部透視して示す図1中部分拡大側面図である。
【0042】
これら図7乃至図9において、搬送土砂量測定装置20は、受圧板75と、この受圧板75を支持する一対の受圧板支持部材77,77と、カウンタウェイト78と、このカウンタウェイト78を支持するカウンタウェイト支持部材79と、カウンタウェイト78をカウンタウェイト支持部材79に固定するボルト80と、当て板81と、上記受圧板支持部材77、カウンタウェイト支持部材79及び当て板81が周方向にそれぞれ固定されたボス82と、このボス82をピン83を介して回動自在に支持する一対のブラケット84,84と、受圧板75の回動角度(すなわち受圧板支持部材77の回動角度)を検出する角度センサ85(図8参照)と、調整ボルト86a及びこの調整ボルト86aと螺合したナット86bと、この調整ボルト・ナット86を支持するブラケット87とを備えている。また、88はホッパ12の後方(図1中右方向)に設けられたカバー89内に自走式土質改良機幅方向(図7中紙面に垂直方向、図8中左右方向、図9中紙面に垂直方向)に略水平に延設された支持フレーム(図1も参照)であり、上記のブラケット84,84とブラケット87とがこの支持フレーム88に複数のボルト90,91によりそれぞれ締結固定されている。
【0043】
上記の受圧板75は、円筒をその軸線方向に略2分割してできる略半円筒形状をしており、下方側に位置する搬送泥土と接触する接触面75aと、その自走式土質改良機幅方向両端に位置する略半円形状の側面75b,75bと、上方側に位置する開口部75cとから構成されている。接触面75aは、搬送コンベア13の搬送ベルト16とほぼ同等の幅方向長さを有しており、泥土の搬送方向(搬送コンベア13の長手方向、図7及び図9中左右方向、図8中紙面に垂直方向)に沿って上方に開放した円弧形状をしている。なお、受圧板支持部材77は開口部75cを介してこの接触面75aの内周面に固定されている。また、接触面75a及び両側面75b,75bには、受圧板75内に開口部75cを介して入り込んだ泥土を排出するための排出口75a1,75b1がそれぞれ穿設されている。これら排出口75a1,75b1は、接触面75a及び側面75bの鉛直方向最下部近傍に設けられ、泥土が効率良く抜けるよう便宜が図られている。
【0044】
上記受圧板支持部材77とカウンタウェイト支持部材79とは、ボス82を介して一体的に構成されている。したがって、カウンタウェイト支持部材79にカウンタウェイト78を搭載することで、ボス82に作用する受圧板75によるモーメントをカウンタウェイト78による反対方向のモーメントで相殺させ、受圧板75が搬送泥土へ与える圧力を低減することができるようになっている。なお、改質対象である土砂の性状にあわせて、カウンタウェイト78を適宜重量の異なるカウンタウェイトに交換(又はカウンタウェイトの一部を取り外したり付け足すようにしても良い)することで、受圧板75が搬送泥土へ与える圧力を調整できるようになっている。また、受圧板支持部材77とカウンタウェイト支持部材79とは、ボス82に対し、図9に示すように受圧板75が搬送ベルト16に当接した状態のときにカウンタウェイト支持部材79が略水平となるような周方向位置にそれぞれ設けられている。
【0045】
当て板81はボス82の外周面に固定されており、この当て板81と受圧板支持部材77及びカウンタウェイト支持部材79とは、ボス82を介して一体的に構成されている。これにより、調整ボルト86aを回転させてナット86bに対し進退させることで、その先端に当接した当て板81が受圧板支持部材77及びカウンタウェイト支持部材79と共にピン83周りに調整ボルト86aの進退分回動するようになっている。このようにして、調整ボルト86aによって受圧板75の初期位置(ピン83回りの初期周方向位置、言い換えれば搬送ベルト16からの初期高さ)を調整できるようになっている。なお、ボス82に作用する受圧板75によるモーメントはカウンタウェイト78によるモーメントより大きくなるようになっており、これにより、当て板81は非土砂搬送時には常に調整ボルト86aの先端に当接するようになっている。
【0046】
角度センサ85は、例えばロータリーエンコーダ等(ポテンショメータでもよい)の公知の角度センサであり、受圧板支持部材77の回動角度がアーム95(図8参照)を介してこの角度センサ85に伝達され、これにより受圧板75の回動角度を検出するようになっている。また、角度センサ85は、検出した受圧板75の回動角度を後述の混合比制御装置96(後述の図10参照)に出力するようになっている。
【0047】
ここで、本実施の形態においては、混合比制御装置96が搬送コンベア13により搬送される泥土量に応じて土質改良材の供給量を制御するようになっている。図10は、この混合比制御装置96の機能を表す機能ブロック図である。
この図10において、97は搬送コンベア13により搬送される泥土の体積を測定する土砂体積検出部で、この土砂体積検出部97は、上記角度センサ85から受圧板75の回動角度を入力して搬送泥土の高さを演算する土砂高さ演算回路98と、搬送コンベア13の駆動輪15Aの回転数を検出する回転数センサ99(図9も参照)から入力される駆動輪回転数から搬送コンベア13の搬送ベルト16の駆動速度(すなわち泥土搬送速度)を演算する搬送速度演算回路100と、この搬送速度演算回路100の演算した搬送速度、上記土砂高さ演算回路98が演算した搬送泥土高さ、及び予め混合比制御装置96に記憶された(又は例えば前記の操作盤72(図2参照)等の適宜の外部端末により設定入力してもよい)搬送泥土の幅から搬送泥土の体積を演算する土砂体積演算回路101とで構成されている。すなわち、搬送泥土は前記の土砂出口12A(図4参照)の幅でホッパ12から切り出されるため、土砂体積演算回路101は、その搬送泥土の幅に対し算出した搬送泥土高さ及び搬送速度を乗じることにより、搬送コンベア13により単位時間当たりに搬送される泥土体積を算出するようになっている。
【0048】
なお、上記回転数センサ99は搬送コンベア13に設けられた例えば公知の近接センサ(ロータリーエンコーダ等でもよい)であり、この回転数センサ99が駆動輪15Aの駆動軸に設けられた図示しない回転数検出用スプロケットの外歯を検出することにより、駆動輪15Aの回転数を検出するようになっている。
【0049】
105は前記のスクリューフィーダ29の駆動装置44Aの回転数センサで、この回転数センサ105は、フィーダ制御部106にその検出結果を随時出力するようになっている。そして、フィーダ制御部106は、格納した土質改良材供給量演算回路107により、入力したフィーダ駆動装置44Aの回転数を基に供給されている土質改良材の量を算出するようになっている。108は操作盤72(図2参照)等で設定入力された泥土及び土質改良材の混合比を取り込む混合比設定回路、109はこの混合比設定回路108の入力結果を基に、上記土砂体積演算回路101から入力した搬送泥土体積の検出結果に対し要求される土質改良材供給量を算出する土質改良材要求量演算回路で、共にフィーダ制御部106に備えられている。
【0050】
また、110はこの土質改良材要求量演算回路109及び土質改良材供給量演算回路107の算出結果を比較する比較回路である。この比較回路110は、入力した要求量を基準に、その都度実際の土質改良材供給量の過不足を判断し、土質改良材供給量が要求量に近似するよう、スクリューフィーダ29の駆動装置44Aに対して回転数を制御する制御信号を算出し出力するもので、同様にフィーダ制御部106に備えられている。
【0051】
このようにして、本実施の形態においては、土砂体積検出部97の検出(算出)値に応じ、フィーダ制御部106がスクリューフィーダ29による土質改良材の供給量を制御するようになっている。これにより、実際の泥土及び土質改良材の混合比を予め設定した任意の好適な値に近似させることが可能となり、良質な改良土を生成することができるようになっている。
【0052】
以上において、走行装置2は特許請求の範囲各項記載の本体フレームに設けた走行手段を構成し、混合装置47は本体フレーム上に設けた混合手段を構成する。また、接触面75aは搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を構成するとともに土砂接触面を構成し、受圧板75は受圧部を有する受圧手段を構成し、角度センサ85は受圧手段の変位量を検出する検出手段を構成し、混合比制御装置96は検出手段の検出信号に基づき土質改良材供給装置の供給量を制御する制御手段を構成する。また、カウンタウェイト78、カウンタウェイト支持部材79及びボルト80は、受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段を構成する。
【0053】
次に、上記構成の本発明の自走式土質改良機及び搬送土砂量測定装置の一実施の形態の動作を以下に説明する。
まず操作者は、作業を始める前に、改質対象となる泥土の性状等を考慮し、予め泥土及び土質改良材の最適な混合比を例えば操作盤72等から設定入力する。
【0054】
その後、例えば油圧ショベル等によりホッパ12に改質対象となる泥土を投入すると、ホッパ12で受け入れられた泥土は、その下方の搬送コンベア13上に載置され、土砂出口12Aから押し出されて搬送される。この搬送泥土は搬送途中において受圧板75の接触面75aに接触し、これにより受圧板75は圧力を受け、受圧板支持部材77と共にピン83を支点としてその周方向の泥土搬送方向下流側向きに回動する。この回動動作は、受圧板75の接触面75a下端が搬送泥土の表面に略接触する状態となったときに、停止する。このようにして、受圧板75は搬送泥土の表面の高さに応じて回動動作する。このとき、角度センサ85がこの受圧板75の回動角度を検出し、その検出信号を混合比制御装置96に出力する。一方で、回転数センサ99はこのときの搬送コンベア13の駆動輪15Aの回転数を検出し、その検出信号を混合比制御装置96に出力する。
【0055】
混合比制御装置96は、土砂体積検出部97の土砂高さ演算回路98において、上記角度センサ85から入力された受圧板75の回動角度より搬送泥土の高さを演算する。また、搬送速度演算回路100において、上記回転数センサ99から入力された搬送コンベア駆動輪15Aの回転数より搬送泥土の搬送速度を演算する。さらに、混合比制御装置96は、土砂体積演算回路101において、上記演算された搬送泥土高さ及び搬送速度に予め記憶された(あるいは例えば適宜外部端末より設定入力された)搬送泥土の幅を乗じ、搬送コンベア13により搬送される泥土の単位時間当たりの体積を演算する。
【0056】
次に、混合比制御装置96は、フィーダ制御部106の土質改良材要求量演算回路109において、操作者により予め入力された泥土及び土質改良材の混合比と上記土砂体積検出部97において演算された泥土体積とを照らし合わせ、設定混合比とするために必要な土質改良材の要求量を演算する。この演算された土質改良材の要求量に応じた制御信号がフィーダ制御部106よりスクリューフィーダ29の駆動装置44Aに出力され、これによりスクリューフィーダ29はその要求量通りの土質改良材を搬送泥土に供給する。
【0057】
なお、このときの駆動装置44Aの回転数は回転数センサ105によって検出され、混合比制御装置96に出力される。混合比制御装置96は、この駆動装置44Aの回転数をフィーダ制御部106の土質改良材供給量演算回路107に入力し、実際の土質改良材供給量を演算する。そして、比較回路110において、この実際の土質改良材供給量と上記演算された土質改良材要求量を比較し、実際の供給量が要求量に近似するように制御信号を駆動装置44Aに出力する。
【0058】
このような混合比制御装置96の制御により、土質改良材供給装置27は、泥土及び土質改良材が最適な混合比となるように、その貯留タンク28内の土質改良材をスクリューフィーダ29により搬送コンベア13で搬送される泥土に対し一定量づつ供給していく。そして、搬送コンベア13により混合装置47に導入された泥土及び土質改良材は、パドルミキサ51で均一に攪拌混合され、排出コンベア59上に改良土として導出される。この改良土は、排出コンベア59により搬送され、最終的に自走式土質改良機外に排出される。
【0059】
以上のように動作する本発明の自走式土質改良機及び搬送土砂量測定装置の一実施の形態の作用を以下に順番に説明する。
(1)搬送泥土量の検出精度向上
例えば、受圧手段が略棒状形状である前述の従来技術のような構造である場合、本実施の形態のように含水比が極めて高い建設泥土等を改質する際には、その搬送量を検出する際に受圧手段が細いことからその先端が泥土に沈み込んでしまい、搬送泥土量を正確に検出できない可能性がある。これに対し、本実施の形態においては、受圧手段としての受圧板75が搬送コンベア13の搬送ベルト16とほぼ同等の幅方向長さを有しており、接触面75aと泥土表面が接触する面積(受圧面積)を上記従来技術に比べ大幅に増大することができるので、受圧板75が泥土へ与える圧力を大幅に小さくすることができ、含水比の高い泥土であっても受圧板75は沈み込むことなく搬送泥土表面に接触することができる。このようにして搬送泥土高さの検出精度を向上できるので、その結果、搬送泥土量の検出精度を向上することができる。したがって、泥土及び土質改良材の混合比を好適な値とすることができ、良質な改良土を生成することができる。
【0060】
また、本実施の形態で用いた受圧板75及び角度センサ85に代えて、例えば超音波センサ等で直接搬送泥土の高さを検出することも可能であるが、そのような構造とした場合には、検出範囲が小さくセンサ設置位置下部のみの泥土の高さしか検出することができず、泥土が搬送ベルト幅方向に偏って搬送されてきた場合には正確な搬送泥土量を検出することができない。これに対し、本実施の形態によれば、上述したように搬送ベルト16とほぼ同等の幅方向長さを有する受圧板75を用いるので、このような場合にも泥土の偏りに対する均し効果が働き、搬送泥土量をより正確に検出することができる。なお、上記超音波センサを用いる場合において、搬送泥土の幅方向の偏りに対応するために幅方向複数箇所にセンサを設置する構成も考えられるが、その場合にはコストが増大してしまうのに対し、本実施形態によれば角度センサ1個で対応可能であるので、経済的にも有利である。
【0061】
(2)搬送コンベアの逆転駆動時にも対応可能
一般に、自走式土質改良機においては、ホッパ12の土砂出口12Aで土砂が凝り固まって目詰まりを起こすことがあり、この場合には搬送コンベア13を逆転駆動させて土砂を反対方向に搬送することで、土砂出口12Aの目詰まりを崩すようにしている。
【0062】
本実施の形態においては、受圧板75の接触面75aの形状を泥土の搬送方向(すなわち搬送コンベア13の長手方向)に沿って上方に開放した円弧形状とするので、受圧板75は、搬送コンベア13が正転・逆転駆動されることによりどちらの搬送方向に搬送される泥土に対しても、略同等の追従性を有することができる。これにより、例えば搬送コンベア逆転時に泥土が乗り上げて受圧板75内に土砂溜まりが生じ、その後正転駆動に復旧した際に、その土砂溜まりによる受圧板75の重量増加によって搬送泥土量の検出精度が低下したり、受圧板75が持ち上がらずに搬送泥土の堆積・閉塞等が生じる等の不具合を防止することができる。
【0063】
(3)カウンタウェイト78による改質対象土砂範囲拡大効果
本実施の形態によれば、カウンタウェイト支持部材79にボルト80でカウンタウェイト78を固定することで、ボス82に作用する受圧板75によるモーメントをカウンタウェイト78による反対方向のモーメントで相殺させ、受圧板75が泥土へ与える圧力をさらに低減することができる。これにより、受圧板75の泥土への沈み込みを確実に防止することができ、搬送泥土量の検出精度をさらに向上することができる。
【0064】
また、仮にカウンタウェイト78を用いない構造の場合には、改質対象である土砂が、泥土に限らず、例えば一軸圧縮強度の低い非常に軟弱な土砂である場合に、泥土から圧力を受けても受圧板75が持ち上がらずに泥土がそのまま搬送ベルト16上に堆積して閉塞してしまう可能性も考えられるが、本発明によれば、カウンタウェイト78を使用して搬送泥土に対する追従性をさらに向上できるので、上記堆積・閉塞するような事態を回避し、確実に搬送泥土量を検出することができる。さらに、改質対象となる土砂の性状にあわせて、例えばカウンタウェイト78を適宜重量の異なるカウンタウェイトに交換(又はその一部を取り外したり付け足したりしても良い)することで、受圧板75が搬送泥土へ与える圧力を調整し、受圧板75の搬送泥土に対する追従性を調整することができる。これにより、改質対象となる土砂(特に泥土)の範囲を拡大することができる。
【0065】
(4)排出口75a1,75b1による泥土溜まり防止作用
本実施の形態によれば、受圧板75の接触面75a及び両側面75b,75bの鉛直方向最下部近傍に排出口75a1,75b1を設ける。これにより、受圧板75内に開口部75cを介して入り込んだ泥土を効率良く排出でき、受圧板75内の泥土溜まりを防止することができる。したがって、泥土溜まりによって受圧板75の重量が増加し、搬送泥土量の検出精度が低下したり、受圧板75が持ち上がらなくなり搬送泥土の堆積・閉塞等が生じることを防止することができる。
【0066】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、受圧板75の形状を略半円筒形状としたが、これに限らず、例えば図11に示すような円柱状の受圧ローラ75′を用いてもよい。この場合、受圧ローラ75′内に泥土が入り込むことがないので排出口が不要となる。また、例えば図12に示すような略逆への字型をしたソリ状形状の受圧板75″としてもよい。
【0067】
また、上記本発明の一実施の形態においては、受圧板75の回動角度を角度センサ85で検出することで搬送泥土の高さを検出するようにしたが、これに限らず、例えば超音波センサ等で受圧板75の高さを直接検出し、それにより搬送泥土高さを検出するようにしてもよい。
【0068】
またさらに、上記本発明の一実施の形態においては、カウンタウェイト78を用いることで受圧板75が泥土へ与える圧力を低減するようにしたが、これに限らない。すなわち、例えばバネ等の弾性体を用いて、カウンタウェイト支持部材79に上方向から下方向に向かって付勢力を与える構造としてもよいし、受圧板75を弾性体により直接上方に引っ張り上げる構造としてもよい。また、受圧板75又は受圧板支持部材77を適宜の軽量材料を用いて構成し、これにより泥土へ与える圧力を低減するようにしてもよい。
【0069】
また、上記本発明の一実施の形態においては、含水比の高い泥土を改質対象としたが、これに限らず建設残土等の通常の含水率の土砂を改質対象としても構わない。この場合には、受圧板75内(あるいは外部でもよい)に適宜のウェイトを設け、搬送土砂に対する均し機能を付加してもよい。
【0070】
またさらに、受圧板を図13に示すようなリンク機構を構成する受圧板支持部材77′により支持するようにしてもよい。このとき、例えば部材77′aをブラケット84′から略水平に突出するように固定して設け、部材77′bをブラケット84′で回動可能に支持し、部材77′cを部材77′aでその先端に対して回動可能に支持し、受圧板75’’’を部材77′b,77′cでそれぞれの先端に対して回動可能に支持する構造とすることにより、搬送泥土高さが変化しても受圧板75’’’の略水平状態が維持される。これにより、搬送泥土量によらず受圧板75’’’と搬送泥土表面との接触位置が受圧板75’’’の下方略中央部に固定されるので、土砂高さ演算回路98による泥土高さの演算が容易となり、搬送泥土高さの検出精度を向上することができる。
【0071】
また、上記本発明の一実施の形態においては受圧板75を1つの部材として構成したが、搬送コンベア13の幅方向に沿って複数に分割した構造としてもよい。この場合、泥土が搬送ベルト幅方向に偏って搬送されてきた場合に、さらに正確に搬送泥土量を検出することができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段を用いることで、受圧手段と搬送土砂が接触する受圧面積を増大させ、受圧手段が土砂へ与える圧力を低減することができる。これにより、含水比の高い土砂の場合にも受圧手段の搬送土砂への沈み込みを防止することができ、搬送土砂量の検出精度を向上することができる。したがって、土砂及び土質改良材の混合比を好適な値とすることができ、良質な改良土を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す正面図である。
【図4】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成するホッパの構造を簡略的に表す側断面図である。
【図5】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する混合装置の詳細構造を表す上面図である。
【図6】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する混合装置の詳細構造を表す図5中VI−VI断面による側断面図である。
【図7】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する搬送土砂量測定装置の詳細構造を表す側面図である。
【図8】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する搬送土砂量測定装置の詳細構造を表す後面図である。
【図9】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する搬送土砂量測定装置の設置部分近傍を表す一部透視して示す図1中部分拡大側面図である。
【図10】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する混合比制御装置の機能を表す機能ブロック図である。
【図11】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する受圧板の変形例を簡略的に表す側断面図である。
【図12】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する受圧板の変形例を簡略的に表す側断面図である。
【図13】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を構成する受圧板支持部材の変形例を簡略的に表す側断面図である。
【符号の説明】
2 走行装置
3 本体フレーム
12 ホッパ
13 搬送コンベア
20 搬送土砂量測定装置
27 土質改良材供給装置
47 混合装置(混合手段)
59 排出コンベア
75 受圧板(受圧手段)
75′ 受圧板(受圧手段)
75″ 受圧板(受圧手段)
75’’’ 受圧板(受圧手段)
75a 接触面(受圧部;土砂接触面)
75a1 排出口
75b1 排出口
78 カウンタウェイト(圧力低減手段)
79 カウンタウェイト支持部材(圧力低減手段)
80 ボルト(圧力低減手段)
85 角度センサ(検出手段)
96 混合比制御装置(制御手段)
Claims (5)
- 受け入れた土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機において、
本体フレームと、
この本体フレームに設けた走行手段と、
前記本体フレーム上に設けた混合手段と、
前記本体フレームの長手方向一方側に設けた土砂受入用のホッパと、
このホッパの下部から前記混合手段にかけて設けた搬送コンベアと、
この搬送コンベア上の土砂に対して土質改良材を供給する土質改良材供給装置と、
前記搬送コンベア上方における前記ホッパと前記土質改良材供給装置との間の位置に設けられ、前記搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段と、
この受圧手段の変位量を検出する検出手段と、
この検出手段の検出信号に基づき前記土質改良材供給装置の供給量を制御する制御手段と、
前記混合手段の下方から前記本体フレームの長手方向他方側外方へ延設する排出コンベアと
を備えたことを特徴とする自走式土質改良機。 - 請求項1記載の自走式土質改良機において、前記受圧手段の土砂接触面は、前記搬送コンベアの搬送方向に沿った円弧形状を有することを特徴とする自走式土質改良機。
- 請求項1又は2記載の自走式土質改良機において、前記受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段をさらに備えることを特徴とする自走式土質改良機。
- 請求項2又は3記載の自走式土質改良機において、前記受圧手段は、その内部に入り込んだ土砂を排出するための排出口を備えることを特徴とする自走式土質改良機。
- 土砂を搬送する搬送コンベア上に設けられる搬送土砂量測定装置において、
前記搬送コンベアの幅方向にわたる受圧部を有する受圧手段と、
この受圧手段の変位量を検出する検出手段と、
前記受圧手段が土砂に与える圧力を低減する圧力低減手段と
を備えることを特徴とする搬送土砂量測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002335163A JP2004169365A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | 自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002335163A JP2004169365A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | 自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004169365A true JP2004169365A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32699365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002335163A Pending JP2004169365A (ja) | 2002-11-19 | 2002-11-19 | 自走式土質改良機及びこれに備えられる搬送土砂量測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004169365A (ja) |
-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002335163A patent/JP2004169365A/ja active Pending
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