JP2004168573A - 水中不分離型透水性モルタル - Google Patents

水中不分離型透水性モルタル Download PDF

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賢司 高田
Kyuichi Maruyama
久一 丸山
Satoshi Kuzuwata
智 葛綿
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雅己 平澤
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract

【課題】水中で施工が可能な透水性に優れた水中不分離型透水性モルタルを提供することである。
【解決手段】少なくとも水、セメント、細骨材、増粘剤及び可塑化材が含まれていることを特徴とする水中不分離型透水性モルタルである+。
【選択図】 図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中で施工が可能な透水性に優れた水中不分離型透水性モルタルに関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤注入材・裏込め材などの地中充填材に対しては、一般に施工性と強度は、要求されるが、透水性能は必要とされない場合が多い。そのため、ほとんどの地中充填材は、透水性の低い材料であり、地盤が透水性の高い地層の場合、充填部に不水層を形成し地下水の流れが妨げられることがある。この結果、透水性の低い地中充填材を使用した場合に、地下水の滞留、水みちの変化による地盤変状などが発生するおそれがある。
【0003】
このような問題を解決するため、特開2000−143323号公報には、初期空隙率を40〜50%とした透水性モルタルが記載されており、この透水性モルタルは、砂礫層程度の透水係数1×10−2cm/秒と圧縮強度1N/mmを有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、透水性モルタルの更なる実用化を考えると、湧水・流水箇所での裏込め注入、地下水中への空洞充填などが考えられる。しかしながら、従来の透水性モルタルは、気中で製造されたものであるため、貯水、湧水、流水等の条件下で使用できるかは定かでない。
【0005】
そこで、本発明は、水中で施工が可能な透水性に優れた水中不分離型透水性モルタルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも水、セメント、起泡剤、細骨材及び増粘剤の他に可塑化材を含ませることにより、水中での施工が可能になることを見出した。すなわち、本発明は、少なくとも水、セメント、細骨材、起泡剤、増粘剤及び可塑化材が含まれていることを特徴とする水中不分離型透水性モルタルである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水中不分離型透水性モルタルに用いられる可塑化材としては、無機塩系可塑化材が好ましく、例えば水溶性硫酸塩、アルカリ金属塩などがある。具体的には、SRP−L(電気化学工業(株)製)などがある。また、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルに用いられる増粘剤としては、セルロース系増粘剤が好ましく、例えば水溶性セルロースエーテルなどがある。具体的には、アカスクリーン(信越化学工業(株)製)などがある。
【0008】
本発明に係る水中不分離型透水性モルタルにおいて、水に対する前記増粘剤の重量百分率が0.7〜1.2%であり、モルタル1リットル当たりの前記可塑化材の量が30〜90gであることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルにおいて、前記セメントに対する起泡剤の重量百分率が3.0〜12.0%であることが好ましい。本発明に係る水中不分離型透水性モルタルは、さらに発泡剤を含有させることが好ましく、この場合、前記起泡剤と発泡剤の比率が1:0.1〜0.4であることが好ましい。このように、起泡剤又は起泡剤及び発泡剤の含有量を増やすことにより、練り上がり直後に多量の気泡を混入させたり、化学反応によってガスを発生させて気泡を形成することにより、透水性を向上させることができる。
【0010】
本発明に係る水中不分離型透水性モルタルに用いられる起泡剤としては、アニオン系界面活性剤、例えばエマールD−3−D(花王(株)製)などがある。また、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルに用いられる発泡剤としては、アルミニウム粉末、例えばパリックRM−4(藤沢エフピーケー(株)製)がもっとも好ましいが、他に過酸化物次亜塩素酸塩、亜鉛、カドミウム、硫黄、酸化鉄、硫化鉄などがある。また、発泡剤は、反応開始を1〜2時間程度遅延させるように表面に特殊な焼成処理が施されていることが好ましく、これにより連続空隙を形成させることができる。
【0011】
またさらに、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルにおいては、水セメント比が55〜80%であることが好ましく、さらに砂セメント比が2.0〜4.0であることが好ましい。このように水セメント比又は水セメント比及び砂セメント比を低下させることによって、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルの圧縮強度を増加させることができる。水セメント比は、セメントに対する水の重量百分率であり、砂セメント比は、セメントに対する細骨材の重量比である。
【0012】
【実施例】
次に、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルの実施例について説明する。
実施例1乃至4
先ず、表1に示す原材料を表2に示す配合で混ぜ合わせることにより、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルを得た。また、同様に表1に示す原材料を表2に示す配合で混ぜ合わせることにより、比較例1乃至4に係る透水性モルタルを得た。表2に示すように比較例1及び2に係る透水性モルタルは、増粘剤が含まれているが、可塑化材が含まれておらず、比較例3及び4に係る透水性モルタルは、可塑化材が含まれているが、増粘剤が含まれていない。これら実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルは、図1に示すように先ず、細骨材(砂)、セメント、発泡剤及び増粘剤をJIS R5201に定めるミキサに入れて低速(106rpm)で30秒間攪拌し、それらに水、起泡剤及び高性能減水剤を加えて低速(106rpm)で30秒間攪拌し、次いでかき落とした後中速(196rpm)で4分間攪拌し、それらに可塑化材を加えて低速(106rpm)で1分間攪拌することにより得た。1バッチ当たりの練り混ぜ量は、1.5リットルとした。
【0013】
【表1】
Figure 2004168573
【0014】
【表2】
Figure 2004168573
【0015】
次に、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルについて初期空隙率を測定した。初期空隙率の測定は、先ず、図2に示す単位体積測定用容器10の水分を十分に拭き取り、モルタル練混ぜ直後、モルタルをその容器に詰め上面を慣らし、次いで、その容器とモルタルの質量を測定し、その測定値を数1に当てはめることよって行った。その結果を図3に示す。
【0016】
【数1】
Figure 2004168573
【0017】
図3に示すように、増粘剤と可塑化材の組み合わせを変化させたすべてのモルタルにおいて、モルタル中に気泡が存在していることが確認できた。初期空隙率は、実施例4に係るモルタルを除き46%から高いもので57%であった。
【0018】
次に、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルについて、フロー試験を行った。フロー試験は、水平に設置され、乾燥した布でよくぬぐったJIS R5201に定めるフローテーブル12の上で行われる(図4)。先ず、モルタルを突き固めや振動を与えずに一層で詰め、試料の上面をフローコーン14の上端に合わせて平らに仕上げる。次に、フローコーンを静かに鉛直に引き上げ、モルタルの広がりが停止した後、最大と認められる方向とこれに直角な方向の直径を測定し、その平均値を0打フロー値(mm)とする。ハンドル16を回し15秒間に15回の落下運動を与える。モルタルが広がった後、最大と認められる方向とこれに直角な方向の直径を測定し、その平均値を15打フロー値(mm)とする。その結果を図5に示す。
【0019】
図5に示すように、増粘剤だけ添加した比較例1及び2に係る透水性モルタルは流動性が高く、0打フローで170〜180mmであった。また、0打、15打フローともほとんど変化しなかった。可塑化材を添加した実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例3及び4に係る透水性モルタルでは、0打フローは100〜120mm程度であり、増粘剤だけ添加した比較例1及び2に係る透水性モルタルに比べ低い値を示した。これは、可塑化材添加による流動抑制効果である。しかし、15回落下後(15打フロー)は大きく流動・変形した。つまり、衝撃が作動しない状況下では原形を保ち、わずかな衝撃で容易に変形する性状を示した。比較例3に係る透水性モルタルは、流動・変形量が最も大きく、15打フローで90mm広がった。増粘剤と可塑化材を併用した配合において、可塑化材添加量30g/Lの実施例1及び3に係る水中不分離型透水性モルタルでは15打フローで40〜45mmの流動性を示したが、可塑化材添加量90g/Lの実施例2及び4に係る水中不分離型透水性モルタルでは、15打フロー後も流動性を示さなかった。
【0020】
次に、これら実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルについて、水中分離抵抗性試験を行った。水中分離抵抗性試験は、先ず1000mlのビーカーに20±2℃の水を800ml入れ、そのビーカーの水中にハンドスコップにて計り取った500gの実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルを静かに自由落下させた。水中落下終了後3分間静置した後、水中分離状況を観察した。
【0021】
また、水中分離状況を観察した後、スポイトを用いて沈降したモルタルを乱さないように静かにビーカー内の水を分取してpH試験用の被検水とした。pH試験は、pH計を、JIS K0102の12.1{4}の規定にしたがって校正し、校正したpH計の検出部を、水道水で洗い、きれいな柔らかい紙で水を拭き取り、被検水を検出部に滴下し、指示値が安定したときのpH値を読み取ることによって行った。水中分離抵抗性試験の結果を図6に示し、pH試験の結果を図7に示す。
【0022】
図6は、1000mlビーカーに800mlの水を満たして、約500gのモルタルを落下させた後の状況を示している。横軸は増粘剤添加率(W×%)、縦軸は可塑化材添加量(g/L)を示す。増粘剤または可塑化材の一方だけを添加した比較例1乃至4に係る透水性モルタルは、増粘材添加率または可塑化材添加量の多い少ないにかかわらず、モルタル中の気泡の抜け出しによる泡の発生とセメント分の流出を抑えられないため、水が著しく濁っている。これらに対し、増粘剤添加率と可塑化材添加量が増加するほど、モルタルはほとんど分離せず、水も透明のままであった。
【0023】
pH値は、図7に示すように増粘剤または可塑化材の一方だけを添加した比較例1乃至4に係る透水性モルタルよりも、増粘剤と可塑化材を併用した実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルのほうが低い値を示した。増粘剤と可塑化材を併用したモルタルは、pH値からも増粘剤と可塑化材の一方だけを添加した配合に比べ、セメント分の流出が少ないことが確認できた。
【0024】
水中分離抵抗性試験とpH値から、増粘剤と可塑化材を併用させ、増粘材添加率1.2%および可塑化材添加量30g/L又は90g/Lとすることで、気泡の抜け出しとセメント分の流出を抑えることができ、水中で材料分離の少ないモルタルの製造が可能となることが明らかとなった。
【0025】
実施例5乃至12
次に、表1に示す原材料を表3に示す配合で混ぜ合わせることにより、実施例5乃至12に係る水中不分離型透水性モルタルを得た。これら実施例5乃至12に係る水中不分離型透水性モルタルは、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルと同様に原材料を攪拌することにより得た。1バッチ当たりの練り混ぜ量は、2.0、3.0又は3.5リットルとした。
【0026】
【表3】
Figure 2004168573
【0027】
実施例5乃至12に係る水中不分離型透水性モルタルについて、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルと同様に初期空隙率の測定を行った。起泡剤添加率と初期空隙率との関係を図8に示す。初期空隙率は、すべてのモルタルで60%を上回り、起泡剤添加率の増加に伴い増加する傾向を示した。また、発泡剤添加率と初期空隙率の関係を図9に示す。起泡剤添加率3.0%、発砲剤添加率0%の結果も合わせて示す。初期空隙率は、60%を上回ったものの、発泡剤添加率が増加してもほとんど変化しなかった。
【0028】
また、実施例5乃至12に係る水中不分離型透水性モルタルについて、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルと同様にフロー試験を行った。起泡剤添加率とモルタルフローの関係を図10に示す。起泡剤添加率の増加に伴いモルタルフローは増加したが、起泡剤添加率が6.0%から12.0%に増加してもほとんど変化しなかった。起泡剤添加率が3.0、4.0%では、0打フローでフローコーンの原形を留め、15打フローで流動・変形した。起泡剤添加率6.0、12.0%では、0打フローでコーンの原形を留めることなく流動・変形した。また、発泡剤添加率とモルタルフローの関係を図11に示す。発泡剤添加率の増加に伴いモルタルフローは増加した。
【0029】
実施例13乃至20
次に、表1に示す原材料を表4に示す配合で混ぜ合わせることにより、実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルを得た。これら実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルは、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルと同様に図1に示すように原材料を攪拌することにより得た。1バッチ当たりの練り混ぜ量は、3.5リットルとした。
【0030】
【表4】
Figure 2004168573
【0031】
実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについて、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルと同様に初期空隙率の測定を行った。起泡剤添加率と初期空隙率との関係を図12に示す。初期空隙率は、水セメント比・砂セメント比を低下させたモルタルにおいても、60%を上回る結果であった。初期空隙率は、起泡剤添加率の増加に伴い増加する傾向を示した。また、発泡剤添加率と初期空隙率の関係を図13に示す。起泡剤添加率3.0%、発砲剤添加率0%の結果も合わせて示す。初期空隙率は、60%程度で発泡剤添加率が増加してもほとんど変化しなかった。
【0032】
また、実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについて、実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタルと同様にフロー試験を行った。起泡剤添加率とモルタルフローの関係を図14に示す。モルタルフローは、起泡剤・発泡剤添加率が増加してもほとんど変化しなかった。また、0打フローでコーンの原形を留めることなく流動・変形し、15打フローでさらに20mm程度流動した。
【0033】
次に、実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについて、透水試験・圧縮強度試験を行うにあたって、透水試験・圧縮強度試験用供試体を作製した。実施例13乃至20に係るモルタルは、流動性が少ないないため、供試体は、先ず、図16に示すように、プラスチック板18の上にモルタル注入用円筒20を設置し、モルタル注入用円筒20にモルタルを投入し、モルタルが流出しないようにプラスチック板18の底を押さえながら、型枠22の上面にモルタル注入用円筒20を設置し、プラスチック板18を速やかに抜き取り、ピストン24を用いてモルタルを型枠内に注入させ、モルタル打設後、そのまま水中に静置して7日間養生することにより、作製された。透水試験用供試体はΦ10×10cm、圧縮試験用供試体はΦ10×20cmの型枠を使用して作製した。
【0034】
実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについての透水試験は、JIS A1218に準拠して、以下のように行った。すなわち、供試体の直径、長さ、質量を測定し、供試体側面をエポキシ樹脂でコーティングし、エポキシ樹脂硬化後、布製ガムテープとエポキシ樹脂を用いて透水円筒を供試体に取り付けた。次いで、水浸減圧容器に供試体を入れ、真空ポンプを用いて供試体の飽和度を高め、図17に示す水を満たした越流水槽26に供試体を入れ、透水円筒28に水を注水して越流口30から水を越流させ、給水側の水位差を一定に保った。ある測定時間における流出量を測定し、透水円筒28の水位と越流水槽26の水位との差および水温を測定した。次に、これら測定値を数2に当てはめることによって、水温T℃における透水係数krを計算し、表5からT℃と測定温度である15℃における水粘性係数の比η/η15を求め(係数η、η15はT℃、15℃における水の粘性係数)、この水粘性係数の比η/η15を数3に当てはめることによって15℃のときの透水係数を求めた。
【0035】
【数2】
Figure 2004168573
【0036】
【表5】
Figure 2004168573
【0037】
【数3】
Figure 2004168573
【0038】
実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについての圧縮強度試験は、JIS A1108に準拠して行った。供試体はΦ10×20cmの円柱型枠を使用して作製した。水中打設供試体は、硬化していない部分を水で洗い流すか、コンクリートカッターで切断後、ジェットセメントでキャッピングを施した。
【0039】
実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについての透水係数と圧縮強度の関係を図18に示す。圧縮強度は、水セメント比を低下させたことで6.5N/mm程度に増加した。先ず、起泡剤添加率を増加させた場合に着目すると、透水係数は起泡剤添加率を増加させても目標とした透水係数(1×10−2cm/sec)に達しなかった。また、起泡剤添加率12.0%の圧縮強度は、起泡剤添加率6.0%に比べ高い値を示した。
【0040】
次に、発泡剤添加率を増加させた場合に着目すると、発泡剤添加率の増加に伴い圧縮強度は著しく低下したものの、透水係数は増加し発泡剤添加率0.6%で目標とした透水係数(1×10−2cm/sec)に達した。
【0041】
水セメント比55%、砂セメント比2.0の配合で、発泡剤添加率を0.6%とすることで、水中においても透水係数、圧縮強度ともに目標性能(透水係数1×10−2cm/sec、圧縮強度1N/mm)を満足できた。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルによれば、増粘剤とともに可塑化材を含ませることにより、水中で施工が可能な透水性に優れたモルタルを提供することができる。
【0043】
また、本発明に係る水中不分離型透水性モルタルによれば、起泡剤及び発泡剤を含ませることにより、透水性を向上させることができ、水セメント比又は水セメント比及び砂セメント比を低下させることによって、本発明に係るモルタルの圧縮強度を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水中不分離型透水性モルタルの実施例の練混ぜ方を示す図である。
【図2】(a)は、初期空隙率の測定の際に使用する単位体積測定用容器の平面図であり、(b)は、その正面図である。
【図3】実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルの初期空隙率の測定結果を示すグラフである。
【図4】フロー試験で使用する測定装置の正面図である。
【図5】実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係るモルタルのフロー試験の結果を示すグラフである。
【図6】実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルの水中分離抵抗性試験の結果を示すグラフである。
【図7】実施例1乃至4に係る水中不分離型透水性モルタル及び比較例1乃至4に係る透水性モルタルのpH試験の結果を示すグラフである。
【図8】実施例5乃至8に係る水中不分離型透水性モルタルにおける起泡剤添加率と初期空隙率との関係を示すグラフである。
【図9】実施例9乃至12に係る水中不分離型透水性モルタルにおける発泡剤添加率と初期空隙率との関係を示すグラフである。
【図10】実施例5乃至8に係る水中不分離型透水性モルタルにおける起泡剤添加率とモルタルフローの関係を示すグラフである。
【図11】実施例9乃至12に係る水中不分離型透水性モルタルにおける発泡剤添加率とモルタルフローとの関係を示すグラフである。
【図12】実施例13乃至16に係る水中不分離型透水性モルタルにおける起泡剤添加率と初期空隙率との関係を示すグラフである。
【図13】実施例17乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルにおける発泡剤添加率と初期空隙率との関係を示すグラフである。
【図14】実施例13乃至16に係る水中不分離型透水性モルタルにおける起泡剤添加率とモルタルフローの関係を示すグラフである。
【図15】実施例17乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルにおける発泡剤添加率とモルタルフローとの関係を示すグラフである。
【図16】実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルの透水試験・圧縮強度試験に使用した供試体を作成する過程を示す図である。
【図17】実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルの透水試験に使用された測定装置の正面図である。
【図18】実施例13乃至20に係る水中不分離型透水性モルタルについての透水係数と圧縮強度の関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 少なくとも水、セメント、細骨材、起泡剤、増粘剤及び可塑化材が含まれていることを特徴とする水中不分離型透水性モルタル。
  2. 水に対する前記増粘剤の重量百分率が0.7〜1.2%であり、モルタル1リットル当たりの前記可塑化材の量が30〜90gであり、前記セメントに対する前記起泡剤の重量百分率が3.0〜12.0%であることを特徴とする請求項1記載の水中不分離型透水性モルタル。
  3. 発泡剤がさらに含まれており、前記起泡剤と発泡剤の比率が1:0.1〜0.4であることを特徴とする請求項2記載の水中不分離型透水性モルタル。
  4. 水セメント比が55〜80%であることを特徴とする請求項2又は3記載の水中不分離型透水性モルタル。
  5. 砂セメント比が2.0〜4.0であることを特徴とする請求項4記載の水中不分離型透水性モルタル。
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