JP2004168416A - 液体注出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】格別な弁構造や操作を必要とせずに容器内の液体の注出と停止が可能な液体注出器を提供する。
【解決手段】内部に比重の大きな液体Aが充填された密封構造の注出容器2内に、隔壁8により区画されこの隔壁8に開設した連通孔10を通じて注出容器2内に連通する液貯り室9を設け、上記液貯り室10に臨んで上記注出容器2の底部に上記連通孔10よりも上部に位置して単一の注出口6を開口し、上記注出口6に外気が臨む場合は液体Aの表面張力により液体Aの流出を阻止し、注出口6が液体Bを臨む場合はこの注出口を通じて内部の液体Aと外部の液体Bが入れ替わって内部の液体Aを外に注出させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に比重の大きな液体Aが充填された密封構造の注出容器2内に、隔壁8により区画されこの隔壁8に開設した連通孔10を通じて注出容器2内に連通する液貯り室9を設け、上記液貯り室10に臨んで上記注出容器2の底部に上記連通孔10よりも上部に位置して単一の注出口6を開口し、上記注出口6に外気が臨む場合は液体Aの表面張力により液体Aの流出を阻止し、注出口6が液体Bを臨む場合はこの注出口を通じて内部の液体Aと外部の液体Bが入れ替わって内部の液体Aを外に注出させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封容器に収容した液体Aをこの密封容器に設けた注出口より外部の液体Bに向けて注出する液体注出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
密封構造の容器に液体を充填し、この容器の底面に小さな穴を開口し、この孔を下向きにしておいてこの容器を空気中に留めると、容器内の液体は孔から流出しない。これは容器から液体が出ようとすると容器内が負圧になって液体が流出する抵抗となり、しかも孔に臨む液体の表面に表面張力が生じるため、容器内部の液体の流出が阻止されるものである。
そして、上記容器を液体に漬けて孔を外部の液体に接触させると、表面張力が無くなり、容器内部の液体と外部の液体が流通可能な状態になる。このとき、容器内部の液体の比重が外部の液体より大きいと、重力により容器内部の液体が孔を通じて外に流れ出し、同時にその流出量に見合って外部の液体が孔を通じて容器内部に侵入する。すなわち、孔を外部の液体に漬けた場合は内部の液体と外部の液体が入れ替わる現象がみられる。
このような現象を利用して、本出願人は特開2001−114356号に開示したような液体注出器を提案した。
すなわち、上記提案の液体注出器は、内部に液体が充填された密封構造の注出容器に単一の注出口を設け、この注出口が気体に臨むときは内部の液体が流出せず、注出口が液体に臨まされると内部の液体が流出するとともに外部の液体がこの注出口を通じて内部に侵入し、結局内外の液が入れ替わるとしたものである。
このような液体注出器は、格別な弁構造を必要としないので構造がすこぶる簡単である。
ところで、上記のような原理の液体注出器においては、注出口を外部の液体に接触させ続けると内外の液体の交換が続き、最終的には容器内の液体と外部の液体が入れ替わってしまう。すなわち、内部の液体を所定量だけ注出したい場合、その流量を制御ができないという問題がある。
これを解消するため、上記公開公報には、実施例として、容器の内部に計量室を設け、この計量室に内部液体を貯え、この貯えた内部液体を注出口より注出する手段が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記計量室を備えた液体注出器は、空気中で容器を反転させて計量室に内部液体を貯え、外部液体中で容器を再び反転させて計量室の液体を注出口より注出させる構造であるため、容器を上下に反転させなければならないといった不具合がある。
本発明はこのような事情にもとづきなされたもので、格別な弁構造を用いることなく容器内の液体の注出と停止が可能になり、しかも容器を反転させることなく定量の内部液体を注出することができる液体注出器を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、 内部に比重の大きな液体Aが充填された密封構造の注出容器と、上記注出容器内に設けられ隔壁により区画されるとともに、この隔壁に開設した連通孔を通じて上記注出容器内に連通する液貯り室と、上記液貯り室に臨んで上記注出容器の底部に設けられ、上記連通孔よりも上部に位置して開口された単一の注出口と、を具備し、上記注出口の外に気体を臨ませる場合は上記液貯り室内の液体Aの表面張力により内部の液体Aの流出を阻止し、上記注出口の外に比重の小さな液体Bを臨ませる場合はこの注出口を通じて液貯り室内の液体Aと外部の液体Bが入れ替わって内部の液体Aを外に注出させるようにした液体注出器が提供される。
このような構成によれば、注出口の外に空気などの気体が存在する場合、液貯え室内の液体Aが注出口より外に出ようとしても容器内の圧力が負圧になって液体Aの流出の抵抗となり、加えて注出口では液体の表面に表面張力が発生して注出口に留まろうとし、よって容器内部の液体Aが流出するのが阻止される。したがって、この場合は注出口が閉じられていると同様な閉止状態になる。
一方、注出口の外に液体Bを存在させた場合、注出口で内部の液体Aと外部の液体Bが接触するので上記表面張力が働かなくなる。このため、比重の大きな内部の液体は重力により外に放出される。つまり、弁が開かれたと同様な状態になる。また、内部の液体が外に出ようとすると、容器内部は負圧になろうとするが内部の液体の流出した量に見合って比重の小さな外部の液体が容器内に侵入する。したがって内部の液体の量は変わらない。
この場合、液貯り室は連通孔を介して注出容器の内部と連通しているので、液貯り室の液体と注出容器内部の液体が入れ替わり、注出容器内の液体Aが液貯り室に供給される。また、注出口を連通孔より上位位置に設けたので液体Aと液体Bの比重差によって液貯り室が計量室となり、所定量の液体Aを注出させることができる。
よって、このような構造によれば、単に注出口の外に空気が存在するか液体が存在するかを選択するのみで、格別な弁構造を必要とせずに容器内の液の放出及び停止を行わせることができる。
【0005】
本発明の好ましい態様は、上記注出容器の底部に上方に向かって凹む凹陥部を設け、この凹陥部の頂部に注出口を開設し、この凹陥部を囲って上記液貯り室を形成する隔壁を設け、この隔壁における底部近傍に連通孔を設け、かつ上記凹陥部から容器側面に延びる溝を設けた液体注出器が提供される。
このような構成によれば、凹陥部の空気が溝を通じて排除されるので、凹陥部に空気が滞るおそれがない。
本発明の他の好ましい態様は、注出容器の内部には水により溶解する塩素中和剤又は塩素中和剤の水溶液が収容され、外部の液体は残留塩素を含む水道水であり、この水道水に上記注出口より塩素中和剤の水溶液を注出して水道水の残留塩素を除去する塩素中和剤注出器として使用することを特徴とする液体注出器が提供される。
この発明では、容器の内部に水により溶解する塩素中和剤又はその水溶液が収容されるが、塩素中和剤としては、L−アスコルビン酸(ビタミンC)のほかに、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウムなどが使用可能であり、これら塩素中和剤は、粉末又は顆粒の状態で容器に収容し、水によりこれら塩素中和剤の粉末又は顆粒が溶解することで水溶液を生成するようにしてもよい。また、塩素中和剤は余剰に収容されており、外から侵入する水道水により溶解されるようにしておくのが好ましい。
このような構成によれば、注出口から注出される塩素中和剤の水溶液が水道水に混ざるので、水道水に含まれる残留塩素が中和される。
更に他の好ましい態様としては、注出容器は液体Bを収容する外容器の内部に取り付けられ、この外容器に収容した液体Bの液面の変化により注出口を気体および液体Bに臨ませて注出容器内の液体Aの流出、停止を自動的に行うことを特徴とする液体注出器が提供される。
ここで外容器とは、水タンクや飲料水用ピッチャー、ボトルなどのように、液体Bを収容し、収容した液体Bを使用、消費することにより水位が変化するような容器である。
このような構成によれば、外容器の液面変化で液体Aの流出、停止を自動的に行うので、注出容器の移動や回転などの格別な操作は不要である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面に示す一実施例にもとづき説明する。本実施例は、本発明の液体注出器をビタミンC(L−アスコルビン酸)を用いた塩素中和剤注出器に適用した場合について説明するものであり、図1は液体注出器の縦断面図、図2は他の方向の縦断面図、図3は作用を説明する図、図4液体注出器全体の斜視図、図5は液体注出器を外容器としての塩素除去タンクに取り付けた使用状態を説明する図である。
図において1は液体注出器であり、この注出器1は注出容器2を主な構成部材としている。この注出容器2は、例えば外径30〜50mm、高さ50〜100mm程度の容器である。
上記注出容器2は、上面が開放された容器本体3と、この上面を閉塞する上蓋4とで構成されている。これら容器本体3および上蓋4はそれぞれ透明性の合成樹脂にて形成されており、互いにネジ結合などの手段で脱着可能に結合されている。そして、これら容器本体3と上蓋4とで構成される内部空間は、気液密性が保たれるようになっている。
容器本体3の底部中央には、底面から上に向かって凹む凹陥部5が形成されており、この凹陥部5の頂面には注出口6が開口されている。すなわち、注出口6は注出容器2の底面より高い位置に開設されている。注出口6は、孔径1.0mm以下であり、好ましくは0.5〜0.3mm程度の小孔でよい。
また、上記容器本体3には、上記凹陥部5から放射方向に向かって複数の溝7が形成されている。これら溝7は凹陥部5から容器本体3の側面まで延びており、凹陥部5を容器2の側方に開放している。なお、凹陥部5の頂面と溝7の頂面は同じ面になっている。
上記容器本体3の内底部には、上記凹陥部5と間隔を存してかつこの凹陥部5を覆うようにして隔壁8が設けられている。この隔壁8は上記凹陥部5との間で液貯り室9を形成している。そして、上記注出口6は実質的に液貯り室9に開口されている。
隔壁8には、容器本体3の底面に近い箇所に少なくとも1つの連通孔10が開口されている。したがって、注出容器2の内部と液貯り室9はこの連通孔10を介して相互に連通している。
上蓋4には空気抜き口11が開設されており、この空気抜き口11には脱着可能なキャップ12にて閉塞されている。
このような構成の液体注出器、すなわちビタミンC注出器1は、例えば図5に示すように、水道水の残留塩素を除去するための塩素除去タンク20に取り付けて使用する。塩素除去タンク20は、開放された上面から水道水(本発明の液体Bに相当)を導入し、底面に形成した流出口21より放出するように構成されている。
このタンク20の例えば底部に上記ビタミンC注出器1を、嵌合、ネジ止め、その他の取り付け手段で脱着可能に取り付けるようになっている。
【0007】
上記のような液体注出器、すなわちビタミンC注出器1の使用方法について説明する。
注出器1をタンク20に設置するに先だって、注出器1にビタミンCの粉末13および水を充填する。すなわち、注出器1は容器本体3と上蓋4がネジ係合によって連結されているので、上蓋4を外して容器本体3にビタミンCの粉末13を入れる。ビタミンC粉末13は容器本体3が満杯になるまで入れてよい。次にこの容器本体3に水を入れる。すると、ビタミンC粉末の一部が水に溶けてビタミンC水溶液14(本発明の液体Aに相当)が出来る。容器本体3が満杯になるまで水を入れた場合、ビタミンC粉末は3〜4割が溶けて飽和水溶液を生成し、残りの粉末は溶けずに残る。
このようにして容器本体3内にビタミンCの粉末13および水溶液14が充填されたら、容器本体3に上蓋4を取り付ける。このとき、注出容器2内に空気が残っていたら、キャップ12を外して空気抜き口11より水を注入し、容器2内の空気を排除する。空気の排除が済めば、キャップ12にて空気抜き口11を閉塞する。これにて注出容器2内が密封状態になる。
なお、容器2内にビタミンCの粉末13および水を充填する場合、上蓋4を外さずに、上記空気抜き口11より挿入してもよい。
この状態では、注出容器2内のビタミンC水溶液14が連通孔10を通じて液貯り室9に流れ込み、液貯り室9はビタミンC水溶液14で満たされる。そして、ビタミンCの粉末13は比重が大きいので下に沈もうとし、連通孔10の位置まで達する。しかし、注出口6は連通孔10よりも高い位置に形成されているので、粉末14が注出口6に至ることはない。よって、粉末14が注出口6を塞ぐことはない。
【0008】
このような準備が終われば、上記注出容器2を図5に示すようにタンク20の底部に設置する。
タンク20に水道水を注入しないときは、注出容器2の底部に形成した凹陥部5内に空気が存在しており、注出口6の外は空気雰囲気となっている。この場合、液貯り室9の水溶液14が注出口6から流出しようとしても、容器2内に負圧が発生して流出の抵抗となり、加えて注出口6の水溶液表面で表面張力が発生するので、図3(A)図に示すように、注出容器2内の水溶液14は注出されない。すなわち、注出口6は閉じられているのと同じ状態である。
【0009】
次に、タンク20に水道水を注入すると、タンク内の水面が次第に上昇する。これに連れて凹陥部5の水位も上昇する。このとき、凹陥部5に残っていた空気は、放射方向に延びる溝7を通って外に排除される。凹陥部5内の水位が注出口6に達すると、注出口6内で内部の水溶液14と外部の水が接触するため表面張力が働かなくなる。そして、ビタミンC水溶液14は水道水より比重が大きいので重力が働き、図3(B)図のように、液貯り室9内の水溶液14が実線矢印のように注出口6より流出する。水溶液が流出すると容器2内は負圧になるから、流出と同時に外の水道水が破線矢印のように注出口6より液貯り室9に侵入する。すなわち、液貯り室9の水溶液が流出すると同時に外部の水道水が液貯り室9に流入し、容器2内の液体量は変わらない。
凹陥部5に流れ出したビタミンC水溶液は、凹陥部5の開放している底および溝7を通じてタンク20内に拡散し、タンク20内の水道水に混ざる。水道水に残っている塩素、すなわち残留塩素(HClO)はビタミンC(C6H8O6)と下記式のように反応し、
HClO+C6H8O6→HCl+C6H6O6+H2O
これにより、残留塩素はその活性が失われて中和される。よってタンク20内の水道水は残留塩素が除去されたと同じ状態になる。
このような処理水を流出口21から取り出して塩素除去水として使用する。
上記塩素除去水は、飲料水として使用できるばかりでなく、台所の食器洗いや食品洗い、又は洗顔や洗髪などの美容、理容分野で使用したり、その他塩素の含有を好まない水として利用できることになる。
【0010】
一方、注出口6を通じて外部の水道水が液貯り室9に侵入すると、液貯り室9内では水道水の比重がビタミンC水溶液14より小さいのでこの軽い水道水は液貯り室9の天井側に留まろうとし、重いビタミンC水溶液は下に沈もうとする。よって、水溶液は連続して注出口6から注出される。しかし、注出口6から侵入した水道水が液貯り室9内で増加し、この水道水が液貯り室9における注出口6のレベルまで満たしてしまうと、注出口6よりも高い位置には比重の大きな水溶液が無くなるので、水溶液の注出は一時的に中断される。
すなわち、注出開始前に液貯り室9内で注出口6よりも高い位置にあったビタミンC水溶液の量が流出することになる。この量はタンク20一杯分の水道水に含まれる残留塩素を中和するに必要な水溶液の量であればよい。そして、この水溶液の量は実質的に注出口6より高い位置に貯えられた液貯り室9内の量であるから、この液貯り室9で水溶液が計量されたことになり、注出口6よりも高い位置にある液貯り室9の容積を決めてやれば計量室となる。
残留塩素が中和されたタンク20内の水道水を流出口21から流出させると、タンク20内の水位が低下し、水面が注出口6より下がると、注出口6は空気に臨まされるので、水溶液の注出が停止される。すなわち、注出口6は閉じられたことと同じになる。
【0011】
注出の停止中は、液貯り室9内において外から入った水道水とビタミンC水溶液が混在するから、時間が経過すると拡散作用によって両液は混ざりあい希釈水溶液になる。液貯り室9の底部では濃度の低くなった水溶液が連通孔10に臨んでいるビタミンCの粉末13と接触し、この粉末を溶かして飽和水溶液を作る。したがって、時間が経てば液貯り室9内の水溶液は飽和水溶液、つまり濃度の高いビタミンCの水溶液になる。
このような作用は、結果として、注出容器2内のビタミンC水溶液が連通孔10を介して液貯り室9に供給されて注出口6より注出されるとともに、逆に注出口6を通じて外から侵入した水道水が容器2内に侵入してビタミンCの粉末を溶かして飽和水溶液を作ることになる。よって、容器2内にビタミンCの粉末が残っている限り、飽和水溶液を作り続けることができる。
ビタミンCの粉末が無くなった場合は、容器2が透明樹脂でできているので外から視認することができ、これを確認したら、タンク20から容器2を取り外し、上蓋3又はキャップ12を開いて、容器本体2内にビタミンCの粉末13および水を補充することができる。よって、継続して使用が可能である。
【0012】
上記実施例のビタミンCを用いた塩素中和剤注出器1によれば、タンク20の水位の変化でビタミンC水溶液の注出・停止が行えることになるので、格別な弁構造は不要であり、よって構造が簡単である。
また、液貯り室9が計量室となるので、1回の使用、すなわちタンク20に満した水道水1回分に必要な水溶液を注出することができ、ビタミンCの過剰な流出を防止することができ、ビタミンCの無駄使いを防止することができる。
さらに、注出口6を連通孔10の開口位置より高い位置に開口したので、容器2内のビタミンC粉末が注出口6に流れ込んで注出口6を塞ぐこともない。
なお、上記実施例では、注出容器2内にビタミンCの粉末10を充填し、この粉末10を外部から侵入した水道水で溶かして水溶液を作るようにしたが、容器2に溶液のみを充填した場合であってもよい。
そしてまた、上記実施例では液体注出器1をタンク20内に沈めておき、このタンク20に水道水を投入して水位の変化により水溶液14の注出・停止を行わせるようにしたが、逆に予めタンク20に水道水を張っておき、このタンク20に液体注出器1を浮かべる又は沈めたり、引き上げたりすることで、水溶液14の注出・停止を行わせるようにしてもよい。このような使用法は、風呂の浴槽に水道水を張ったとき、上記液体注出器1を用いて残留塩素を中和するなどに利用することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、単に注出口の外に空気が存在するか液体Bが存在するかを選択するのみで、格別な弁構造を必要とせずに容器内の液Aの放出及び停止を行わせることができ、構造がきわめて簡単である。
しかも、注出口を連通孔の開口位置より高い位置に開口したので、液体A、Bの比重差を利用して液貯り室を計量室として使用することができるとともに、容器内の液体Aが過剰に注出口を通じて注出されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、液体注出器の縦断面図
【図2】同実施例の他の方向の縦断面図
【図3】同実施例の作用を説明する図であり、(A)図は注出口が空気に臨んでいる状態、(B)図は注出口が液体に臨んでいる状態の図
【図4】同実施例の液体注出器全体の斜視図
【図5】同実施例の液体注出器を塩素除去タンクに取り付けた使用状態を説明する図
【符号の説明】
1…液体注出器
2…注出容器
3…容器本体
4…上蓋
5…凹陥部
6…注出口
7…溝
8…隔壁
9…液貯り室
10…連通孔
11…空気抜き口
12…キャップ
13…ビタミンC粉末
14…ビタミンC水溶液
20…塩素除去タンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封容器に収容した液体Aをこの密封容器に設けた注出口より外部の液体Bに向けて注出する液体注出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
密封構造の容器に液体を充填し、この容器の底面に小さな穴を開口し、この孔を下向きにしておいてこの容器を空気中に留めると、容器内の液体は孔から流出しない。これは容器から液体が出ようとすると容器内が負圧になって液体が流出する抵抗となり、しかも孔に臨む液体の表面に表面張力が生じるため、容器内部の液体の流出が阻止されるものである。
そして、上記容器を液体に漬けて孔を外部の液体に接触させると、表面張力が無くなり、容器内部の液体と外部の液体が流通可能な状態になる。このとき、容器内部の液体の比重が外部の液体より大きいと、重力により容器内部の液体が孔を通じて外に流れ出し、同時にその流出量に見合って外部の液体が孔を通じて容器内部に侵入する。すなわち、孔を外部の液体に漬けた場合は内部の液体と外部の液体が入れ替わる現象がみられる。
このような現象を利用して、本出願人は特開2001−114356号に開示したような液体注出器を提案した。
すなわち、上記提案の液体注出器は、内部に液体が充填された密封構造の注出容器に単一の注出口を設け、この注出口が気体に臨むときは内部の液体が流出せず、注出口が液体に臨まされると内部の液体が流出するとともに外部の液体がこの注出口を通じて内部に侵入し、結局内外の液が入れ替わるとしたものである。
このような液体注出器は、格別な弁構造を必要としないので構造がすこぶる簡単である。
ところで、上記のような原理の液体注出器においては、注出口を外部の液体に接触させ続けると内外の液体の交換が続き、最終的には容器内の液体と外部の液体が入れ替わってしまう。すなわち、内部の液体を所定量だけ注出したい場合、その流量を制御ができないという問題がある。
これを解消するため、上記公開公報には、実施例として、容器の内部に計量室を設け、この計量室に内部液体を貯え、この貯えた内部液体を注出口より注出する手段が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記計量室を備えた液体注出器は、空気中で容器を反転させて計量室に内部液体を貯え、外部液体中で容器を再び反転させて計量室の液体を注出口より注出させる構造であるため、容器を上下に反転させなければならないといった不具合がある。
本発明はこのような事情にもとづきなされたもので、格別な弁構造を用いることなく容器内の液体の注出と停止が可能になり、しかも容器を反転させることなく定量の内部液体を注出することができる液体注出器を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、 内部に比重の大きな液体Aが充填された密封構造の注出容器と、上記注出容器内に設けられ隔壁により区画されるとともに、この隔壁に開設した連通孔を通じて上記注出容器内に連通する液貯り室と、上記液貯り室に臨んで上記注出容器の底部に設けられ、上記連通孔よりも上部に位置して開口された単一の注出口と、を具備し、上記注出口の外に気体を臨ませる場合は上記液貯り室内の液体Aの表面張力により内部の液体Aの流出を阻止し、上記注出口の外に比重の小さな液体Bを臨ませる場合はこの注出口を通じて液貯り室内の液体Aと外部の液体Bが入れ替わって内部の液体Aを外に注出させるようにした液体注出器が提供される。
このような構成によれば、注出口の外に空気などの気体が存在する場合、液貯え室内の液体Aが注出口より外に出ようとしても容器内の圧力が負圧になって液体Aの流出の抵抗となり、加えて注出口では液体の表面に表面張力が発生して注出口に留まろうとし、よって容器内部の液体Aが流出するのが阻止される。したがって、この場合は注出口が閉じられていると同様な閉止状態になる。
一方、注出口の外に液体Bを存在させた場合、注出口で内部の液体Aと外部の液体Bが接触するので上記表面張力が働かなくなる。このため、比重の大きな内部の液体は重力により外に放出される。つまり、弁が開かれたと同様な状態になる。また、内部の液体が外に出ようとすると、容器内部は負圧になろうとするが内部の液体の流出した量に見合って比重の小さな外部の液体が容器内に侵入する。したがって内部の液体の量は変わらない。
この場合、液貯り室は連通孔を介して注出容器の内部と連通しているので、液貯り室の液体と注出容器内部の液体が入れ替わり、注出容器内の液体Aが液貯り室に供給される。また、注出口を連通孔より上位位置に設けたので液体Aと液体Bの比重差によって液貯り室が計量室となり、所定量の液体Aを注出させることができる。
よって、このような構造によれば、単に注出口の外に空気が存在するか液体が存在するかを選択するのみで、格別な弁構造を必要とせずに容器内の液の放出及び停止を行わせることができる。
【0005】
本発明の好ましい態様は、上記注出容器の底部に上方に向かって凹む凹陥部を設け、この凹陥部の頂部に注出口を開設し、この凹陥部を囲って上記液貯り室を形成する隔壁を設け、この隔壁における底部近傍に連通孔を設け、かつ上記凹陥部から容器側面に延びる溝を設けた液体注出器が提供される。
このような構成によれば、凹陥部の空気が溝を通じて排除されるので、凹陥部に空気が滞るおそれがない。
本発明の他の好ましい態様は、注出容器の内部には水により溶解する塩素中和剤又は塩素中和剤の水溶液が収容され、外部の液体は残留塩素を含む水道水であり、この水道水に上記注出口より塩素中和剤の水溶液を注出して水道水の残留塩素を除去する塩素中和剤注出器として使用することを特徴とする液体注出器が提供される。
この発明では、容器の内部に水により溶解する塩素中和剤又はその水溶液が収容されるが、塩素中和剤としては、L−アスコルビン酸(ビタミンC)のほかに、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウムなどが使用可能であり、これら塩素中和剤は、粉末又は顆粒の状態で容器に収容し、水によりこれら塩素中和剤の粉末又は顆粒が溶解することで水溶液を生成するようにしてもよい。また、塩素中和剤は余剰に収容されており、外から侵入する水道水により溶解されるようにしておくのが好ましい。
このような構成によれば、注出口から注出される塩素中和剤の水溶液が水道水に混ざるので、水道水に含まれる残留塩素が中和される。
更に他の好ましい態様としては、注出容器は液体Bを収容する外容器の内部に取り付けられ、この外容器に収容した液体Bの液面の変化により注出口を気体および液体Bに臨ませて注出容器内の液体Aの流出、停止を自動的に行うことを特徴とする液体注出器が提供される。
ここで外容器とは、水タンクや飲料水用ピッチャー、ボトルなどのように、液体Bを収容し、収容した液体Bを使用、消費することにより水位が変化するような容器である。
このような構成によれば、外容器の液面変化で液体Aの流出、停止を自動的に行うので、注出容器の移動や回転などの格別な操作は不要である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面に示す一実施例にもとづき説明する。本実施例は、本発明の液体注出器をビタミンC(L−アスコルビン酸)を用いた塩素中和剤注出器に適用した場合について説明するものであり、図1は液体注出器の縦断面図、図2は他の方向の縦断面図、図3は作用を説明する図、図4液体注出器全体の斜視図、図5は液体注出器を外容器としての塩素除去タンクに取り付けた使用状態を説明する図である。
図において1は液体注出器であり、この注出器1は注出容器2を主な構成部材としている。この注出容器2は、例えば外径30〜50mm、高さ50〜100mm程度の容器である。
上記注出容器2は、上面が開放された容器本体3と、この上面を閉塞する上蓋4とで構成されている。これら容器本体3および上蓋4はそれぞれ透明性の合成樹脂にて形成されており、互いにネジ結合などの手段で脱着可能に結合されている。そして、これら容器本体3と上蓋4とで構成される内部空間は、気液密性が保たれるようになっている。
容器本体3の底部中央には、底面から上に向かって凹む凹陥部5が形成されており、この凹陥部5の頂面には注出口6が開口されている。すなわち、注出口6は注出容器2の底面より高い位置に開設されている。注出口6は、孔径1.0mm以下であり、好ましくは0.5〜0.3mm程度の小孔でよい。
また、上記容器本体3には、上記凹陥部5から放射方向に向かって複数の溝7が形成されている。これら溝7は凹陥部5から容器本体3の側面まで延びており、凹陥部5を容器2の側方に開放している。なお、凹陥部5の頂面と溝7の頂面は同じ面になっている。
上記容器本体3の内底部には、上記凹陥部5と間隔を存してかつこの凹陥部5を覆うようにして隔壁8が設けられている。この隔壁8は上記凹陥部5との間で液貯り室9を形成している。そして、上記注出口6は実質的に液貯り室9に開口されている。
隔壁8には、容器本体3の底面に近い箇所に少なくとも1つの連通孔10が開口されている。したがって、注出容器2の内部と液貯り室9はこの連通孔10を介して相互に連通している。
上蓋4には空気抜き口11が開設されており、この空気抜き口11には脱着可能なキャップ12にて閉塞されている。
このような構成の液体注出器、すなわちビタミンC注出器1は、例えば図5に示すように、水道水の残留塩素を除去するための塩素除去タンク20に取り付けて使用する。塩素除去タンク20は、開放された上面から水道水(本発明の液体Bに相当)を導入し、底面に形成した流出口21より放出するように構成されている。
このタンク20の例えば底部に上記ビタミンC注出器1を、嵌合、ネジ止め、その他の取り付け手段で脱着可能に取り付けるようになっている。
【0007】
上記のような液体注出器、すなわちビタミンC注出器1の使用方法について説明する。
注出器1をタンク20に設置するに先だって、注出器1にビタミンCの粉末13および水を充填する。すなわち、注出器1は容器本体3と上蓋4がネジ係合によって連結されているので、上蓋4を外して容器本体3にビタミンCの粉末13を入れる。ビタミンC粉末13は容器本体3が満杯になるまで入れてよい。次にこの容器本体3に水を入れる。すると、ビタミンC粉末の一部が水に溶けてビタミンC水溶液14(本発明の液体Aに相当)が出来る。容器本体3が満杯になるまで水を入れた場合、ビタミンC粉末は3〜4割が溶けて飽和水溶液を生成し、残りの粉末は溶けずに残る。
このようにして容器本体3内にビタミンCの粉末13および水溶液14が充填されたら、容器本体3に上蓋4を取り付ける。このとき、注出容器2内に空気が残っていたら、キャップ12を外して空気抜き口11より水を注入し、容器2内の空気を排除する。空気の排除が済めば、キャップ12にて空気抜き口11を閉塞する。これにて注出容器2内が密封状態になる。
なお、容器2内にビタミンCの粉末13および水を充填する場合、上蓋4を外さずに、上記空気抜き口11より挿入してもよい。
この状態では、注出容器2内のビタミンC水溶液14が連通孔10を通じて液貯り室9に流れ込み、液貯り室9はビタミンC水溶液14で満たされる。そして、ビタミンCの粉末13は比重が大きいので下に沈もうとし、連通孔10の位置まで達する。しかし、注出口6は連通孔10よりも高い位置に形成されているので、粉末14が注出口6に至ることはない。よって、粉末14が注出口6を塞ぐことはない。
【0008】
このような準備が終われば、上記注出容器2を図5に示すようにタンク20の底部に設置する。
タンク20に水道水を注入しないときは、注出容器2の底部に形成した凹陥部5内に空気が存在しており、注出口6の外は空気雰囲気となっている。この場合、液貯り室9の水溶液14が注出口6から流出しようとしても、容器2内に負圧が発生して流出の抵抗となり、加えて注出口6の水溶液表面で表面張力が発生するので、図3(A)図に示すように、注出容器2内の水溶液14は注出されない。すなわち、注出口6は閉じられているのと同じ状態である。
【0009】
次に、タンク20に水道水を注入すると、タンク内の水面が次第に上昇する。これに連れて凹陥部5の水位も上昇する。このとき、凹陥部5に残っていた空気は、放射方向に延びる溝7を通って外に排除される。凹陥部5内の水位が注出口6に達すると、注出口6内で内部の水溶液14と外部の水が接触するため表面張力が働かなくなる。そして、ビタミンC水溶液14は水道水より比重が大きいので重力が働き、図3(B)図のように、液貯り室9内の水溶液14が実線矢印のように注出口6より流出する。水溶液が流出すると容器2内は負圧になるから、流出と同時に外の水道水が破線矢印のように注出口6より液貯り室9に侵入する。すなわち、液貯り室9の水溶液が流出すると同時に外部の水道水が液貯り室9に流入し、容器2内の液体量は変わらない。
凹陥部5に流れ出したビタミンC水溶液は、凹陥部5の開放している底および溝7を通じてタンク20内に拡散し、タンク20内の水道水に混ざる。水道水に残っている塩素、すなわち残留塩素(HClO)はビタミンC(C6H8O6)と下記式のように反応し、
HClO+C6H8O6→HCl+C6H6O6+H2O
これにより、残留塩素はその活性が失われて中和される。よってタンク20内の水道水は残留塩素が除去されたと同じ状態になる。
このような処理水を流出口21から取り出して塩素除去水として使用する。
上記塩素除去水は、飲料水として使用できるばかりでなく、台所の食器洗いや食品洗い、又は洗顔や洗髪などの美容、理容分野で使用したり、その他塩素の含有を好まない水として利用できることになる。
【0010】
一方、注出口6を通じて外部の水道水が液貯り室9に侵入すると、液貯り室9内では水道水の比重がビタミンC水溶液14より小さいのでこの軽い水道水は液貯り室9の天井側に留まろうとし、重いビタミンC水溶液は下に沈もうとする。よって、水溶液は連続して注出口6から注出される。しかし、注出口6から侵入した水道水が液貯り室9内で増加し、この水道水が液貯り室9における注出口6のレベルまで満たしてしまうと、注出口6よりも高い位置には比重の大きな水溶液が無くなるので、水溶液の注出は一時的に中断される。
すなわち、注出開始前に液貯り室9内で注出口6よりも高い位置にあったビタミンC水溶液の量が流出することになる。この量はタンク20一杯分の水道水に含まれる残留塩素を中和するに必要な水溶液の量であればよい。そして、この水溶液の量は実質的に注出口6より高い位置に貯えられた液貯り室9内の量であるから、この液貯り室9で水溶液が計量されたことになり、注出口6よりも高い位置にある液貯り室9の容積を決めてやれば計量室となる。
残留塩素が中和されたタンク20内の水道水を流出口21から流出させると、タンク20内の水位が低下し、水面が注出口6より下がると、注出口6は空気に臨まされるので、水溶液の注出が停止される。すなわち、注出口6は閉じられたことと同じになる。
【0011】
注出の停止中は、液貯り室9内において外から入った水道水とビタミンC水溶液が混在するから、時間が経過すると拡散作用によって両液は混ざりあい希釈水溶液になる。液貯り室9の底部では濃度の低くなった水溶液が連通孔10に臨んでいるビタミンCの粉末13と接触し、この粉末を溶かして飽和水溶液を作る。したがって、時間が経てば液貯り室9内の水溶液は飽和水溶液、つまり濃度の高いビタミンCの水溶液になる。
このような作用は、結果として、注出容器2内のビタミンC水溶液が連通孔10を介して液貯り室9に供給されて注出口6より注出されるとともに、逆に注出口6を通じて外から侵入した水道水が容器2内に侵入してビタミンCの粉末を溶かして飽和水溶液を作ることになる。よって、容器2内にビタミンCの粉末が残っている限り、飽和水溶液を作り続けることができる。
ビタミンCの粉末が無くなった場合は、容器2が透明樹脂でできているので外から視認することができ、これを確認したら、タンク20から容器2を取り外し、上蓋3又はキャップ12を開いて、容器本体2内にビタミンCの粉末13および水を補充することができる。よって、継続して使用が可能である。
【0012】
上記実施例のビタミンCを用いた塩素中和剤注出器1によれば、タンク20の水位の変化でビタミンC水溶液の注出・停止が行えることになるので、格別な弁構造は不要であり、よって構造が簡単である。
また、液貯り室9が計量室となるので、1回の使用、すなわちタンク20に満した水道水1回分に必要な水溶液を注出することができ、ビタミンCの過剰な流出を防止することができ、ビタミンCの無駄使いを防止することができる。
さらに、注出口6を連通孔10の開口位置より高い位置に開口したので、容器2内のビタミンC粉末が注出口6に流れ込んで注出口6を塞ぐこともない。
なお、上記実施例では、注出容器2内にビタミンCの粉末10を充填し、この粉末10を外部から侵入した水道水で溶かして水溶液を作るようにしたが、容器2に溶液のみを充填した場合であってもよい。
そしてまた、上記実施例では液体注出器1をタンク20内に沈めておき、このタンク20に水道水を投入して水位の変化により水溶液14の注出・停止を行わせるようにしたが、逆に予めタンク20に水道水を張っておき、このタンク20に液体注出器1を浮かべる又は沈めたり、引き上げたりすることで、水溶液14の注出・停止を行わせるようにしてもよい。このような使用法は、風呂の浴槽に水道水を張ったとき、上記液体注出器1を用いて残留塩素を中和するなどに利用することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、単に注出口の外に空気が存在するか液体Bが存在するかを選択するのみで、格別な弁構造を必要とせずに容器内の液Aの放出及び停止を行わせることができ、構造がきわめて簡単である。
しかも、注出口を連通孔の開口位置より高い位置に開口したので、液体A、Bの比重差を利用して液貯り室を計量室として使用することができるとともに、容器内の液体Aが過剰に注出口を通じて注出されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、液体注出器の縦断面図
【図2】同実施例の他の方向の縦断面図
【図3】同実施例の作用を説明する図であり、(A)図は注出口が空気に臨んでいる状態、(B)図は注出口が液体に臨んでいる状態の図
【図4】同実施例の液体注出器全体の斜視図
【図5】同実施例の液体注出器を塩素除去タンクに取り付けた使用状態を説明する図
【符号の説明】
1…液体注出器
2…注出容器
3…容器本体
4…上蓋
5…凹陥部
6…注出口
7…溝
8…隔壁
9…液貯り室
10…連通孔
11…空気抜き口
12…キャップ
13…ビタミンC粉末
14…ビタミンC水溶液
20…塩素除去タンク
Claims (4)
- 内部に比重の大きな液体Aが充填された密封構造の注出容器と、
上記注出容器内に設けられ隔壁により区画されるとともに、この隔壁に開設した連通孔を通じて上記注出容器内に連通する液貯り室と、
上記液貯り室に臨んで上記注出容器の底部に設けられ、上記連通孔よりも上部に位置して開口された単一の注出口と、
を具備し、
上記注出口の外に気体を臨ませる場合は上記注出容器内部の液体Aの表面張力により内部の液体Aの流出を阻止し、上記注出口の外に比重の小さな液体Bを臨ませる場合はこの注出口を通じて注出容器内部の液体Aと外部の液体Bが入れ替わって内部の液体Aを外に注出させることを特徴とする液体注出器。 - 上記注出容器の底部に上方に向かって凹む凹陥部を設け、この凹陥部の頂部に注出口を開設し、この凹陥部を囲って上記液貯り室を形成する隔壁を設け、この隔壁における底部近傍に連通孔を設け、かつ上記凹陥部から容器側面に延びる溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体注出器。
- 注出容器の内部には水により溶解する塩素中和剤又は塩素中和剤の水溶液が収容され、外部の液体は残留塩素を含む水道水であり、この水道水に上記注出口より塩素中和剤の水溶液を注出して水道水の残留塩素を除去する塩素中和液注出器として使用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体注出器。
- 上記注出容器は液体Bを収容する外容器の内部に取り付けられ、この外容器に収容した液体Bの液面の変化により注出口を気体および液体Bに臨ませて注出容器内の液体Aの流出、停止を自動的に行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の液体注出器。
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