JP2004168154A - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前方のカーブ形状、道路状態、運転状態等に応じ、ドライバに違和感を与えることなく最適なアンダステア状態の防止制御を実行し、安定した車両挙動を維持する。
【解決手段】制御装置は、アンダステア防止制御を、ナビゲーション装置からの情報を基に求めた道路形状と画像情報や運転状態を基に求めた自車進行路とからカーブ進入と判断でき、且つ、運転状態に基づく目標ヨーレートの絶対値と道路形状に基づくヨーレートの絶対値のどちらか大きい方と実ヨーレートの絶対値との差が予め設定しておいた閾値より大きい場合に実行する。この際、カーブを通行するのに可能な車速を許容速度として演算し、現在の車速をこの許容速度より小さくなるように駆動力を制限する。そして、必要な制動力を演算し、旋回内側後輪に、この制動力を出力させる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、自車両がアンダステア状態の場合に該アンダステア状態を最適に抑制する車両挙動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のコーナリング等の際の車両にはたらく力の関係から、コーナリング中に制動力を適切な車輪に加え、車両安定性を向上させる車両挙動制御装置が開発され、実用化されている。
【0003】
こうした車両挙動制御装置では、車両の実際のヨーレート(以下、実ヨーレートと略称)を検出し、車両の運転状態から目標ヨーレートを演算し、これらの関係、すなわち、実ヨーレートの絶対値が目標ヨーレートの絶対値より大きい場合は、車両はオーバステア傾向、逆に実ヨーレートの絶対値が目標ヨーレートの絶対値より小さい場合は、車両はアンダステア傾向と判定する。そして、オーバステア傾向の場合には旋回外側前輪を制動輪として選択し、アンダステア傾向の場合には旋回内側後輪を制動輪として選択し、所定の制動力を付加して車両の安定性を維持するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−2234号広報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アンダステア状態においては、ドライバは、車両をより旋回させるため、通常走行時よりも大きく操舵してしまうことからステアリングを過剰に切り込むのが通例であり、上述の特許文献1のような車両挙動制御装置でアンダステア傾向を防止する際には、目標ヨーレートが大きくなって、制御量が過剰となり、失速、曲がりすぎとなる場合がある。また、アンダステア状態を、運転状態を基に演算する目標ヨーレートを用いて防止するだけでは、前方のカーブを旋回することが不可能な場合があり、更に、道路状態によっても、現在の運転状態のままでは制動制御のみで安定した車両挙動を維持して旋回することに対応できない場合も多い。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、前方のカーブ形状、道路状態、運転状態等に応じ、ドライバに違和感を与えることなく最適なアンダステア状態の防止制御を実行し、安定した車両挙動を維持することができる車両挙動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明の車両挙動制御装置は、少なくとも自車両のアンダステア状態を検出し、該アンダステア状態を抑制させるアンダステア防止手段を備えた車両挙動制御装置において、道路形状を認識する道路形状認識手段と、自車進行路を推定する自車進行路推定手段とを有し、上記アンダステア防止手段は、上記自車両がアンダステア状態で上記道路形状と上記自車進行路との関係からカーブに進入すると判断した場合、上記道路形状に基づき該道路を走行するのに必要な道路形状に基づくヨーレートを演算すると共に上記自車両の運転状態に基づく目標ヨーレートを演算して、上記道路形状に基づくヨーレートと上記目標ヨーレートとを比較し、大きい方のヨーレートが実際のヨーレートを所定に超える場合に上記道路を走行するのに必要な駆動力のトルクダウン量と上記道路を走行するためのヨーレートを生じる所定の車輪に付与する制動力を演算し出力することを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の本発明の車両挙動制御装置は、請求項1記載の車両挙動制御装置において、上記道路形状認識手段は、ナビゲーション装置からのデータに基づき道路形状を認識することを特徴としている。
【0009】
更に、請求項3記載の本発明の車両挙動制御装置は、請求項1又は請求項2記載の車両挙動制御装置において、上記自車進行路推定手段は、自車両前方を画像にて捉え該画像情報に基づき自車進行路を推定することを特徴としている。
【0010】
更に、請求項4記載の本発明の車両挙動制御装置は、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の車両挙動制御装置において、上記アンダステア防止手段は、上記道路を走行するのに必要な駆動力のトルクダウン量を求める場合、路面摩擦係数を基に該トルクダウン量を演算することを特徴としている。
【0011】
すなわち、請求項1記載の車両挙動制御装置は、アンダステア防止手段は、自車両がアンダステア状態で、道路形状認識手段で認識した道路形状と自車進行路推定手段で推定した自車進行路との関係からカーブに進入すると判断した場合、道路形状に基づき該道路を走行するのに必要な道路形状に基づくヨーレートを演算すると共に自車両の運転状態に基づく目標ヨーレートを演算する。そして、道路形状に基づくヨーレートと目標ヨーレートとを比較し、大きい方のヨーレートが実際のヨーレートを所定に超える場合に道路を走行するのに必要な駆動力のトルクダウン量と道路を走行するためのヨーレートを生じる所定の車輪に付与する制動力を演算し出力する。これにより、前方のカーブ形状、道路状態、運転状態等に応じ、ドライバに違和感を与えることなく最適なアンダステア状態の防止制御を実行し、安定した車両挙動を維持することが可能となる。
【0012】
この際、道路形状認識手段は、具体的には請求項2記載のように、ナビゲーション装置からのデータに基づき道路形状を認識するものとし、自車進行路推定手段は、具体的には請求項3記載のように、自車両前方を画像にて捉え該画像情報に基づき自車進行路を推定するものとする。
【0013】
また、アンダステア防止手段は、道路を走行するのに必要な駆動力のトルクダウン量を求める場合、具体的には請求項4記載のように、路面摩擦係数を基に該トルクダウン量を演算する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図7は本発明の実施の一形態に係わり、図1は車両挙動制御装置を搭載した車両の概略構成を示す説明図、図2は車両挙動制御装置のアンダステア防止機能部分の機能ブロック図、図3はナビゲーション装置からのデータの説明図、図4は自車位置とノードに関する説明図、図5はノード角度及びカーブ曲率半径の演算に関する説明図、図6は車両挙動制御のメインプログラムのフローチャート、図7はアンダステア防止制御ルーチンのフローチャートである。
【0015】
図1において、符号1はセンターディファレンシャル装置および自動変速装置を有する4輪駆動車を一例とする車両を示し、車両前部に配置されたエンジン2による駆動力は、このエンジン2後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)3からトランスミッション出力軸3aを経てセンターディファレンシャル装置4に伝達される。そして、駆動力は、このセンターディファレンシャル装置4から、リヤドライブ軸5、プロペラシャフト6、ドライブピニオン7を介して後輪終減速装置8に入力される一方、センターディファレンシャル装置4から、フロントドライブ軸9を介して前輪終減速装置10に入力される。ここで、自動変速装置3、センターディファレンシャル装置4、及び、前輪終減速装置10等は、図示しないケース内に一体に設けられている。
【0016】
後輪終減速装置8に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸11rlを経て左後輪12rlに、後輪右ドライブ軸11rrを経て右後輪12rrに伝達される。一方、前輪終減速装置10に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸11flを経て左前輪12flに、前輪右ドライブ軸11frを経て右前輪12frに伝達される。
【0017】
符号13は車両のブレーキ駆動部を示し、このブレーキ駆動部13には、ドライバにより操作されるブレーキペダル14と接続されたマスターシリンダ15が接続されている。そして、ドライバがブレーキペダル14を操作するとマスターシリンダ15により、ブレーキ駆動部13を通じて、4輪12fl,12fr,12rl,12rrの各ホイールシリンダ(左前輪ホイールシリンダ16fl,右前輪ホイールシリンダ16fr,左後輪ホイールシリンダ16rl,右後輪ホイールシリンダ16rr)にブレーキ圧が導入され、これにより4輪にブレーキがかかって制動される。
【0018】
ブレーキ駆動部13は、加圧源、減圧弁、増圧弁等を備えたハイドロリックユニットで、後述する車両挙動制御装置としての制御装置40からの入力信号に応じて、各ホイールシリンダ16fl,16fr,16rl,16rrに対して、それぞれ独立にブレーキ圧を導入自在に構成されている。
【0019】
車両1には、公知のナビゲーション装置21が搭載され、制御装置40と接続されており、このナビゲーション装置21からは、図3に示すように、自車走行ルートに関して送出されるノード数n、自車位置の東経、自車位置の北緯、自車直後のノードに関するデータ、及び自車前方の設定範囲内における自車走行ルートのノードに関するデータ(自車直前のノードに関するデータ、自車前方2点目のノードに関するデータ、…、自車前方(n−1)点目のノードに関するデータ)が、例えば500ms毎に出力される。各ノードに関するデータには、図示の如く、自車位置からノードまでの東方向位置、自車位置からノードまでの北方向位置、ノード位置に交差点があるか否かを識別する交差点フラグ、道路種別、道路幅等の情報が含まれている。
【0020】
このナビゲーション装置21は、乗員により目的地が入力された場合には、入力された目的地に対して自車が進むべく最適な案内経路を設定する。そして、設定された案内経路上の、例えば自車前方300mまでのノードに関するデータと自車直後のノードに関するデータを自車走行ルートのノードに関するデータとして制御部40に出力する。
【0021】
一方、ナビゲーション装置21は、乗員による目的地の入力がなされていない場合は、例えば道路種別や道路幅等の情報に基づいて自車が進むであろう経路の優先順位を推定し、その中で最も優先順位の高い経路を推定経路として設定する。そして、設定された推定経路上の例えば自車前方300mまでのノードに関するデータと自車直後のノードに関するデータを自車走行ルートのノードに関するデータとして制御部40に出力する。
【0022】
また、車両1には、ステレオ光学系として例えば電荷結合素子(CCD)等の固体撮像素子を用いた1組の(左右)のCCDカメラ22L、22Rが設けられている。これら左右のCCDカメラ22L、22Rは、それぞれ車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像し、画像を制御装置40に入力する。
【0023】
更に、車両には、4輪12fl,12fr,12rl,12rrの各車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrrを検出する車輪速度センサ23fl,23fr,23rl,23rr、車両1のハンドル角θH を検出するハンドル角センサ24、実ヨーレートφrを検出するヨーレートセンサ25、横加速度Gyを検出する横加速度センサ26等の各センサが設けられており、制御装置40に各センサ信号を入力するように構成されている。
【0024】
制御装置40は、ナビゲーション装置21から上述の各道路情報が入力され、CCDカメラ22L、22Rから上述の前方画像が入力される。また、各センサ23fl,23fr,23rl,23rr、24、25、26から、それぞれ、4輪12fl,12fr,12rl,12rrの各車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrr、ハンドル角θH、実ヨーレートφr、横加速度Gyが入力される。そして、これらの入力に基づき、制御装置40は、車両の挙動がアンダステア状態か、オーバステア状態か判定し、車両挙動を安定させるべくブレーキ駆動部13やエンジン制御装置30に信号出力するように構成されている。
【0025】
すなわち、制御装置40は、マイクロコンピュータとその周辺回路で構成され、図2に示すように、アンダステア防止手段としてのアンダステア防止機能に関する部分は、車速演算部40a、ヨーレート定常ゲイン演算部40b、道路形状認識部40c、自車進行路推定部40d、カーブ進入判定部40e、目標ヨーレート演算部40f、道路形状に基づくヨーレート演算部40g、ヨーレート比較判定部40h、制御判断部40i、路面μ(路面摩擦係数)推定部40j、許容横加速度演算部40k、許容速度演算部40l、トルクダウン量演算部40m、ヨーレート偏差演算部40n、目標制動力演算部40oから主要に構成されている。
【0026】
車速演算部40aは、4輪の車輪速センサ、すなわち各車輪速度センサ23fl,23fr,23rl,23rrから4輪12fl,12fr,12rl,12rrの各車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrrが入力され、例えばこれらの平均を演算することにより車速V(=(ωfl,ωfr,ωrl,ωrr)/4)を演算し、ヨーレート定常ゲイン演算部40b、自車進行路推定部40d、道路形状に基づくヨーレート演算部40g、路面μ推定部40j、トルクダウン量演算部40m、目標制動力演算部40oに出力する。
【0027】
ヨーレート定常ゲイン演算部40bは、ハンドル角センサ24からハンドル角θHが入力され、車両の定常円旋回時の実舵角δfに対するヨーレートの値(ヨーレート定常ゲインGγδf(0))を以下の(1)式により求め、目標ヨーレート演算部40fと目標制動力演算部40oに出力する。すなわち、ホイールベースをL,車両の諸元で決まるスタビリティファクタをA0とすると、
Gγδf(0)=(1/(1+A0・V))・(V/L) …(1)
また、スタビリティファクタA0は、車両質量をm,前軸と重心間の距離をLf,後軸と重心間の距離をLr,フロント等価コーナリングパワーをCPf,リア等価コーナリングパワーをCPrとすると次式で求められる。
Figure 2004168154
【0028】
道路形状認識部40cでは、ナビゲーション装置21から送信されたノード毎の位置情報に基づき、各々のノードについて、1つ手前のノードとの間隔、カーブ曲率半径及びノード角度が演算される。これらの演算値は、交差点識別、道路種別、道路幅、後述する特異点識別等に関する情報と共に、各ノードの属性情報として記憶格納される。
【0029】
具体的には、道路形状認識部40cは、ナビゲーション装置21から送信された、自車位置を基準としたノード座標(図4参照)を用いて、ノードPj(xP[j],yp[j])と1つ手前のノードPj−1(xp[j−1],yp[j−1])との間隔Lp[j]を、
Lp[j]=((xP[j]−xp[j−1])+(yp[j]−yp[j−1])1/2(但し、1≦j≦n−1)…(3)
により各ノードについて演算する。
【0030】
続いて、道路形状認識部40cは、例えば図5に示すように、ノード座標に基づいて、各ノードPjにおけるノード角度tp[j]を、以下(4)式により演算する。
tp[j]=sin−1(((xp[j−1]−xp[j])・(yp[j]−yp[j+1])−(xp[j]−xp[j+1])・(yp[j−1]−yp[j]))/(Lp[j]・Lp[j+1])) …(4)
尚、ここで得られたノード角度tp[j]は、右コーナの場合、正値で表され、左コーナの場合、負値で表される。
【0031】
以上の計算結果に基づいて、道路形状認識部40cでは、ノードPjでのカーブ曲率半径rp[j]を、以下(5)式により演算する。
rp[j]=min(LP[j],Lp[j+1])/2/tan(|tp[j]|/2)…(5)
ここで、min(Lp[j],Lp[j+1])は、Lp[j]とLp[j+1]の何れか短い方を選択するとの意味であり、例えば、図5においては、Lp[j]<Lp[j+1]であるため、min(LP[j],Lp[j+1])=Lp[j]である。
【0032】
また、道路形状認識部40cは、ナビゲーション装置21から送信されるデータをそのまま用いて(ナビゲーション装置21で予め定義づけられているデータをそのまま用いて)、各ノード毎に交差点識別(交差点か否か、或いは案内経路上の交差点か)、道路の種別(高速自動車国道、都市高速道路、一般国道、主要地方道、その他)、道路幅の設定等を行う。
【0033】
更に、道路形状認識部40cでは、ナビゲーション装置21から送信された各ノードについての特異点判定を行い、ノードPjが特異点であると判定された場合には、判定されたノードPjを除いた前後のノードPj−1,Pj+1間におけるノード角度tp[J+1]、カーブ曲率半径rp[j+1]の再演算を行う。
【0034】
すなわち、隣接するノード間隔が接近しすぎていると演算されたカーブ曲率半径は実際の道路の曲率半径よりも小さくなりすぎた値となってしまい、結果として何でもないカーブで過剰に車両挙動制御をしてしまう。これを防止するため、道路形状認識部40cでは、このようなノードを、道路種別属性cp[j]、道路幅属性wp[j]を考慮した上で、ノード間隔Lp[j]、ノード角度tp[j]に基づいて、ノード角度、カーブ曲率半径演算時の特異点として除外する。
【0035】
こうして、道路形状認識部40cにて最終的に演算されたカーブ曲率半径rp[j]は、カーブ進入判定部40e、道路形状に基づくヨーレート演算部40g、許容速度演算部40lに出力される。すなわち、本実施の形態においては、ナビゲーション装置21、道路形状認識部40cにて道路形状認識手段が構成されている。
【0036】
自車進行路推定部40dは、CCDカメラ22L、22Rから画像情報が、ハンドル角センサ24からハンドル角θHが、車速演算部40aから車速Vがそれぞれ入力される。そして、CCDカメラ22L、22Rから画像情報に基づき自車両1前方の立体物データと側壁データと白線データの前方情報を検出し、これら前方情報や自車両1の運転状態から自車両1の進行路(自車進行路)を推定する。
【0037】
ここで、自車進行路推定部40dにおける、CCDカメラ22L、22Rからの画像の処理は、例えば以下のように行われる。まず、CCDカメラ22L、22Rで撮像した自車両の進入方向の環境の1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から三角測量の原理によって画像全体に渡る距離情報を求める処理を行なって、三次元の距離分布を表す距離画像を生成する。そして、このデータを基に、周知のグルーピング処理や、予め記憶しておいた3次元的な道路形状データ、側壁データ、立体物データ等と比較し、白線データ、道路に沿って存在するガードレール、縁石等の側壁データ、車両等の立体物データを抽出する。こうして抽出された白線データ、側壁データ、立体物データは、それぞれのデータ毎に異なったナンバーが割り当てられる。
【0038】
そして、自車進行路推定部40dでは、自車進行路を以下の何れかにより推定する。
a.白線に基づく自車進行路推定…左右両方、若しくは、左右どちらか片側の白線データが得られており、これら白線データから自車両1が走行している車線の形状が推定できる場合、自車進行路は、自車両1の幅や、自車両1の現在の車線内の位置を考慮して、白線と並行して形成される。
【0039】
b.ガードレール、縁石等の側壁データに基づく自車進行路推定…左右両方、若しくは、左右どちらか片側の側壁データが得られており、これら側壁データから自車両1が走行している車線の形状が推定できる場合、自車進行路は、自車両1の幅や、自車両1の現在の車線内の位置を考慮して、側壁と並行して形成される。
【0040】
c.自車両1の走行軌跡に基づく自車走行路推定…自車両1の運転状態を基に、自車進行路を推定する。例えば、車速V、ハンドル角θHを基に、以下ように自車進行路を推定する。
【0041】
ハンドル角θHから求められる実舵角δfが、所定値(例えば0.57度)以上で転舵が行われているか否か判定され、実舵角δfが0.57度以上で操舵が行われている場合は、実舵角δfと車速Vを用いて例えば以下(6)、(7)式により現在の旋回曲率Cuaが算出される。
Re=(1+A0・V)・(L/δ) …(6)
Cua=1/Re …(7)
ここで、Reは旋回半径(運転状態から導出した値)である。
【0042】
また、実舵角δfが0.57度より小さい場合は、現在の旋回曲率Cuaは0(直進走行状態)とされる。
【0043】
こうして、得られる現在の旋回曲率Cuaを加えた過去所定時間(例えば約0.3秒間)の旋回曲率から平均旋回曲率を算出し、自車進行路を推定する。すなわち、この自車進行路推定部40dは、自車進行路推定手段として設けられている。
【0044】
カーブ進入判断部40eは、道路形状認識部40cからナビゲーション装置21からの情報を基に求めた道路形状が、自車進行路推定部40dから画像情報や運転状態を基に求めた自車進行路が入力される。そして、これらを比較して、自車両1がカーブに進入しようとしているのか否か判断し、判断結果を、目標ヨーレート演算部40f、道路形状に基づくヨーレート演算部40gに出力する。例えば、自車進行路推定部40dによる自車進行路が旋回状態となっていても道路形状認識部40cからの道路形状にカーブが認識されていない場合や、両者のデータ間に大きなずれがある場合等には、カーブに進入しようしていないとして判断結果を出力する。また、交差点におけるナビゲーション装置21からの情報を基に求めた道路形状(誘導経路)が直進であっても、自車進行路推定部40dによる自車進行路が旋回状態となっている場合は、カーブに進入しようとしていると判断する。
【0045】
目標ヨーレート演算部40fは、ハンドル角センサ24からハンドル角θHが、ヨーレート定常ゲイン演算部40bからヨーレート定常ゲインGγδf(0)が、カーブ進入判定部40eからカーブ進入の判断結果が入力される。
【0046】
そして、以下(8)式により、自車両1の運転状態に基づく目標ヨーレートφt1を演算し、特に、自車両1がアンダステア状態の際には、カーブ進入判定部40eからの判断結果がカーブ進入との結果の場合、この演算した目標ヨーレートφt1をヨーレート比較判断部40hに出力する。
【0047】
すなわち、ハンドル角θHから求められる実舵角δfと、ヨーレート定常ゲインGγδf(0)を基に、車両の応答遅れを考慮して目標ヨーレートφt1は、時定数をT,ラプラス演算子をsとして、
φt1=(1/(1+T・s))・Gγδf(0)・δf …(8)
で得られる。尚、上述の(8)式は、2次系で表現される車両の応答遅れを1次系に近似した式である。
【0048】
道路形状に基づくヨーレート演算部40gは、車速演算部40aから車速Vが、道路形状認識部40cから最終的に演算されたカーブ曲率半径rp[j]が、カーブ進入判定部40eからカーブ進入の判断結果が入力される。
【0049】
そして、カーブ進入判定部40eからの判断結果がカーブ進入との結果の場合、以下の(9)式により道路形状に基づくヨーレートφt2を演算し、ヨーレート比較判定部40h、ヨーレート偏差演算部40nに出力する。
φt2=V/rp[j] …(9)
【0050】
ヨーレート比較判定部40hは、目標ヨーレート演算部40fから自車両1の運転状態に基づく目標ヨーレートφt1が入力され、道路形状に基づくヨーレート演算部40gから道路形状に基づくヨーレートφt2が入力される。そして、これら2つのヨーレートの絶対値の大きさを比較して、大きい方のヨーレートを制御判断部40iに出力する。
【0051】
制御判断部40iは、ヨーレートセンサ25から実ヨーレートφrが入力され、ヨーレート比較判定部40hから運転状態に基づく目標ヨーレートφt1と道路形状に基づくヨーレートφt2の絶対値とで大きい方のヨーレートが入力される。
【0052】
そして、制御判断部40iは、上述の大きい方のヨーレートの絶対値と実ヨーレートφrの絶対値との差が予め設定しておいた値以上の場合、アンダステア防止制御を作動させる信号を許容横加速度演算部40k、ヨーレート偏差演算部40nに出力する。
【0053】
この際、上述の予め設定しておいた値は、運転状態に基づく目標ヨーレートφt1の絶対値の方が大きい場合と、道路形状に基づくヨーレートφt2の絶対値の方が大きい場合とでそれぞれ異なる値が設定されている。具体的には、運転状態に基づく目標ヨーレートφt1の絶対値の方が大きい場合は、|φt1|−|φr|>α1か否かの判定が行われ(すなわち、予め設定しておいた値はα1)、道路形状に基づくヨーレートφt2の絶対値の方が大きい場合は、|φt2|−|φr|>α2か否かの判定が行われる(すなわち、予め設定しておいた値はα2)。ここで、α1<α2。このように絶対値が大きい方のヨーレートを制御作動の判定に用いることにより、不必要な制御介入が防止され、ドライバに制御介入による違和感を与えることが防止できるようになっているのである。
【0054】
路面μ推定部40jは、ハンドル角センサ24からハンドル角θHが、ヨーレートセンサ25から実ヨーレートφrが、横加速度センサ26から横加速度Gyが、車速演算部40aから車速Vがそれぞれ入力され、走行中の路面μを推定し、許容横加速度演算部40kに出力する。この路面μ推定部40jでの路面μの推定は、例えば、本出願人が先に提出した特開平8−2274号公報に既述した算出方法(適応制御を用いて路面μを推定する)等を用いて行われる。
【0055】
許容横加速度演算部40kは、制御判断部40iからアンダステア防止制御の作動信号が、路面μ推定部40jから推定した路面μが入力される。そして、制御判断部40iからアンダステア防止制御の作動信号が入力された際に、以下の(10)式により、許容横加速度ayを演算し、許容速度演算部40lに出力する。
ay=(路面μ)・(安全率Kμs)・(重力加速度g)…(10)
ここで、カーブでの路面μは、現在の路面μのまま一定であると仮定し、路面μ推定部40jにより推定した値をそのまま用いて計算する。また、安全率Kμsは、路面μの推定精度や、車両特性(例えば、路面μが0.5でも0.5gの横加速度発生は不可能)を考慮し、0.5〜1.0程度の値とする。尚、この許容横加速度ayは、その他、車速Vや、前後駆動力、道路勾配、道路のバンク角等で補正し、より正確な値としても良い。
【0056】
許容速度演算部40lは、道路形状認識部40cから最終的に演算されたカーブ曲率半径rp[j]が、許容横加速度演算部40kから許容横加速度ayが入力され、カーブ進入に可能な最大の車速である許容速度Vaが、例えば以下の(11)式により演算され、トルクダウン量演算部40mに出力される。
Va=(rp[j]・ay)1/2 …(11)
【0057】
トルクダウン量演算部40mは、車速演算部40aから車速Vが、許容速度演算部40lから許容速度Vaが入力され、これらを比較して、前方のカーブを現在の運転状態(車速状態)では安定して旋回できないと判定した場合は必要なトルクダウン量Tdw(このトルク値までエンジン駆動力を低下させる)を演算して、エンジン制御装置30に出力する。
【0058】
すなわち、トルクダウン量演算部40mは、V≦Vaであれば、現在の運転状態でも安定した旋回ができると判断し、エンジン制御装置30に対してトルクダウン等の信号は出力しない。これに対し、V>Vaである場合は、現在の車速では安定した旋回ができないと判断して、以下の(12)式で必要なトルクダウン量Tdwを与える。
Tdw=a・m+b・Va…(12)
ここで、aは車両のころがり抵抗係数、bは車両の空気抵抗係数である。
【0059】
ヨーレート偏差演算部40nは、ヨーレートセンサ25から実ヨーレートφrが、道路形状に基づくヨーレート演算部40gから道路形状に基づくヨーレートφt2が、制御判断部40iからアンダステア防止制御の作動信号がそれぞれ入力される。そして、制御判断部40iからアンダステア防止制御の作動信号が入力された際に、以下の(13)式により、φt2+α3を基準とするヨーレート偏差Δφt2を演算し、目標制動力演算部40oに出力する。
Δφt2=φr−(φt2+α3) …(13)
ここで、ヨーレート偏差Δφt2を単にφr−φt2としないのは、アンダステア防止制御を作動させた時点では自車両1は既にアンダステア状態であり、カーブを通過するための道路形状に基づくヨーレートφt2が得られるように制御したのでは目標量が不足する可能性がある。従って、φt2+α3として、この不足分を補えるようにするのである。尚、このα3は、アンダステア状態となってからの時間や絶対量から予め計算される値である。また、一定値であっても良い。
【0060】
目標制動力演算部40oは、ハンドル角センサ24からハンドル角θHが、ヨーレートセンサ25から実ヨーレートφrが、車速演算部40aから車速Vが、ヨーレート定常ゲイン演算部40bからヨーレート定常ゲインGγδf(0)が、ヨーレート偏差演算部40nからφt2+α3を基準とするヨーレート偏差Δφt2がそれぞれ入力される。
【0061】
そして、目標制動力演算部40oは、上述の各入力値と車両諸元を考慮して、例えば、以下の(14)式により目標制動力BF2rを演算し、旋回内側後輪に対して、この目標制動力BF2rを付与するようにブレーキ駆動部13に信号出力する。
BF2r=G1・((ΔA・4・L・CPf・CPr・V)/((CPf・CPr)/dr))・φr …(14)
ここで、G1 はゲイン、dfはフロントトレッド、drはリアトレッドを示し、ΔAは、
ΔA=((δf/(Gγδf(0)・δf+Δφt2))−(1/Gγδf(0)))/(L・V) …(15)
である。尚、(15)式中のΔφt2は、さらに車両の進行方向と前後方向のなす角である横すべり角βを考慮して補正したものを用いても良い。
【0062】
このように、本実施の形態によるアンダステア防止機能では、アンダステア防止のために旋回内側後輪に制動力を付与する際に、道路形状に基づくヨーレートφt2を基にして得られるヨーレート偏差Δφt2を基に制動力を設定するため、必要以上に制動力が大きくなることがなく、また、現在のドライバのステアリング操作ではカーブを通過することができないような場合であっても、カーブを通過できるように必要なヨーレートの発生が行われるのである。
【0063】
尚、制御装置40は、更にオーバステア防止機能の部分も有しているが、ここではその構成の説明は省略する。
【0064】
次に、制御装置40で実行される車両挙動制御を図6のフローチャートで説明する。このプログラムは、所定時間毎に繰り返し実行されるもので、まず、ステップ(以下、「S」と略称)101では、必要なパラメータの読み込みを行う。
【0065】
次いで、S102に進むと、前述の(1)式によりヨーレート定常ゲインGγδf(0)を演算し、S103に進み、前述の(8)式により目標ヨーレートφt1を演算する。
【0066】
次に、S104に進むと、ヨーレート偏差Δφt1(=φr−φt1)の演算が行われ、S105へと進む。
【0067】
S105では、Δφt1の絶対値|Δφt1|と、0に極めて近い閾値C1との比較が行われ、Δφt1の絶対値|Δφt1|がC1以下である場合(|Δφt1|≦C1の場合)は、車両挙動は略ニュートラルステア状態であるため、そのままルーチンを抜ける。
【0068】
一方、S105で、Δφt1の絶対値|Δφt1|がC1より大きい場合(|Δφt1|>C1の場合)は、S106に進み、目標ヨーレートφt1の絶対値|φt1|と実ヨーレートφrの絶対値|φr|との比較を行う。
【0069】
そして、S106の比較の結果、実ヨーレートφrの絶対値|φr|が目標ヨーレートφt1の絶対値|φt1|より大きければS107に進み、オーバステア防止制御を行い、逆に、実ヨーレートφrの絶対値|φr|が目標ヨーレートφt1の絶対値|φt1|より小さければS108に進み、後述の図7のフローチャートで説明するアンダステア防止制御を行うように設定してルーチンを抜ける。尚、S107によるオーバステア防止制御は、簡単に説明すると、旋回外側前輪を制動輪として選択し、必要な目標制動力を、ヨーレート偏差Δφt1や実ヨーレートφr等を用いて演算し出力する制御となっている。
【0070】
図7に示すフローチャートは、前述のS108で実行されるアンダステア防止制御を示し、S201で必要なパラメータの読み込みを行い、S202に進み、道路形状認識部40cは、ナビゲーション装置21から送信されたノード毎の位置情報に基づき、最終的なカーブ曲率半径rp[j]等の道路形状を認識する。
【0071】
次いで、S203に進み、自車進行路推定部40dは、CCDカメラ22L、22Rからの画像情報や運転状態に基づき、前述のa,b,cの何れかにより自車進行路を推定する。
【0072】
そして、S204に進んで、カーブ進入判断部40eは、ナビゲーション装置21からの情報を基に求めた道路形状と、画像情報や運転状態を基に求めた自車進行路とを比較して、自車両1がカーブに進入しようとしているのか否か判断し、カーブに進入しようとしているのであればS205へと進み、それ以外の場合はルーチンを抜ける。このS204での判断は、例えば、自車進行路が旋回状態となっていても道路形状でカーブが認識されていない場合や、両者のデータ間に大きなずれがある場合等には、カーブに進入しようしていないとして判断する。また、交差点におけるナビゲーション装置21からの情報を基に求めた道路形状(誘導経路)が直進であっても、自車進行路が旋回状態となっている場合は、カーブに進入しようとしていると判断する。
【0073】
S204でカーブに進入と判断してS205に進むと、道路形状に基づくヨーレート演算部40gは、前述の(9)式により道路形状に基づくヨーレートφt2を演算する。
【0074】
その後、S206に進み、ヨーレート比較判定部40hは、S103で演算した自車両1の運転状態に基づく目標ヨーレートφt1の絶対値|φt1|と、S204で演算した道路形状に基づくヨーレートφt2の絶対値|φt2|とを比較する。
【0075】
この結果、|φt1|>|φt2|であれば、S207に進み、制御判断部40iは、|φt1|−|φr|>α1が成立するか否かの判定を行い、|φt1|≦|φt2|であれば、S208に進み、制御判断部40iは、|φt2|−|φr|>α2が成立するか否かの判定を行う。すなわち、絶対値の大きい方のヨーレートから実ヨーレートφrの絶対値|φr|を減算した値が、α1より大か(S207)、或いは、α2より大か(S208)の判定を行う。
【0076】
こうして、S206からS207に進み、|φt1|−|φr|>α1が成立する場合は、アンダステア防止制御を作動させるべくS209に進み、|φt1|−|φr|>α1が成立しない場合(|φt1|−|φr|≦α1の場合)には、不要なアンダステア防止制御となるのを避けるためルーチンを抜ける。
【0077】
同様に、S206からS208に進み、|φt2|−|φr|>α2が成立する場合は、アンダステア防止制御を作動させるべくS209に進み、|φt2|−|φr|>α2が成立しない場合(|φt2|−|φr|≦α2の場合)には、不要なアンダステア防止制御となるのを避けるためルーチンを抜ける。
【0078】
S207、或いは、S208からS209に進むと、路面μ推定部40jは、路面μを推定し、S210に進んで、許容横加速度演算部40kは、前述の(10)式により、許容横加速度ayを演算する。
【0079】
その後、S211に進み、許容速度演算部40lは、最終的に演算されたカーブ曲率半径rp[j]と許容横加速度ayを基にカーブ進入に可能な最大の車速である許容速度Vaを演算する。
【0080】
そして、S212に進むと、トルクダウン量演算部40mは、現在の車速Vと許容速度Vaとを比較して、現在の車速Vが許容速度Vaを上回っている場合(V>Vaの場合)は、S213に進んで、必要なトルクダウン量Tdw(このトルク値までエンジン駆動力を低下させる)を、前述の(12)式により演算し、エンジン制御装置30に出力し、S214へと進む。
【0081】
一方、S212で、現在の車速Vが許容速度Va以下の場合(V≦Vaの場合)は、現在の駆動力の状態でカーブを通過できると判断し、そのままS214へとジャンプする。
【0082】
S214では、ヨーレート偏差演算部40nは、φt2+α3を基準とするヨーレート偏差Δφt2を演算し、S215に進んで、目標制動力演算部40oは、前述の(14)式により目標制動力BF2rを演算し、S216に進んで、旋回内側後輪に対し、目標制動力BF2rを付与するように信号出力してルーチンを抜ける。
【0083】
尚、本実施の形態では、道路形状認識部40cは、ナビゲーション装置21からの情報を基に道路形状を得るようにしているが、これに限ることなく、例えば、レーダーやカメラによりカーブ情報が得られればこの情報を用いても良い。また、ITS(Intelligent Transportation System )で供給される情報からカーブ情報を得るようにしても良い。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、前方のカーブ形状、道路状態、運転状態等に応じ、ドライバに違和感を与えることなく最適なアンダステア状態の防止制御を実行し、安定した車両挙動を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両挙動制御装置を搭載した車両の概略構成を示す説明図
【図2】車両挙動制御装置のアンダステア防止機能部分の機能ブロック図
【図3】ナビゲーション装置からのデータの説明図
【図4】自車位置とノードに関する説明図
【図5】ノード角度及びカーブ曲率半径の演算に関する説明図
【図6】車両挙動制御のメインプログラムのフローチャート
【図7】アンダステア防止制御ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 自車両
2 エンジン
12fl,12fr,12rl,12rr 車輪
13 ブレーキ駆動部
16fl,16fr,16rl,16rr ホイールシリンダ
21 ナビゲーション装置(道路形状認識手段)
22L,22R CCDカメラ
25 ヨーレートセンサ
40 制御装置(車両挙動制御装置、アンダステア防止手段)
40a 車速演算部
40b ヨーレート定常ゲイン演算部
40c 道路形状認識部(道路形状認識手段)
40d 自車進行路推定部(自車進行路推定手段)
40e カーブ進入判定部
40f 目標ヨーレート演算部
40g 道路形状に基づくヨーレート演算部
40h ヨーレート比較判定部
40i 制御判断部
40j 路面μ推定部
40k 許容横加速度演算部
40l 許容速度演算部
40m トルクダウン量演算部
40n ヨーレート偏差演算部
40o 目標制動力演算部

Claims (4)

  1. 少なくとも自車両のアンダステア状態を検出し、該アンダステア状態を抑制させるアンダステア防止手段を備えた車両挙動制御装置において、
    道路形状を認識する道路形状認識手段と、自車進行路を推定する自車進行路推定手段とを有し、
    上記アンダステア防止手段は、上記自車両がアンダステア状態で上記道路形状と上記自車進行路との関係からカーブに進入すると判断した場合、上記道路形状に基づき該道路を走行するのに必要な道路形状に基づくヨーレートを演算すると共に上記自車両の運転状態に基づく目標ヨーレートを演算して、上記道路形状に基づくヨーレートと上記目標ヨーレートとを比較し、大きい方のヨーレートが実際のヨーレートを所定に超える場合に上記道路を走行するのに必要な駆動力のトルクダウン量と上記道路を走行するためのヨーレートを生じる所定の車輪に付与する制動力を演算し出力することを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 上記道路形状認識手段は、ナビゲーション装置からのデータに基づき道路形状を認識することを特徴とする請求項1記載の車両挙動制御装置。
  3. 上記自車進行路推定手段は、自車両前方を画像にて捉え該画像情報に基づき自車進行路を推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両挙動制御装置。
  4. 上記アンダステア防止手段は、上記道路を走行するのに必要な駆動力のトルクダウン量を求める場合、路面摩擦係数を基に該トルクダウン量を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の車両挙動制御装置。
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