JP2004167944A - マルチカラー感圧感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】色分離性に優れ十分な発色性を有するとともに、耐熱性、耐湿性に優れた感圧感熱記録体の提供。
【解決手段】無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したマルチカラー感圧感熱記録体において、支持体上に少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上有し、電子供与性染料前駆体の少なくとも1種が所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記記録層のうち最上層中にマイクロカプセルの少なくとも1種および架橋剤が含有されていることを特徴とするマルチカラー感圧感熱記録体である。
【解決手段】無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したマルチカラー感圧感熱記録体において、支持体上に少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上有し、電子供与性染料前駆体の少なくとも1種が所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記記録層のうち最上層中にマイクロカプセルの少なくとも1種および架橋剤が含有されていることを特徴とするマルチカラー感圧感熱記録体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感圧感熱方式すなわち加圧と加熱による電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感圧感熱記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から高解像度の記録方式として、感圧感熱記録方式が提案されている。感圧感熱記録方式は、発色性物質(ロイコ染料)を封入したマイクロカプセル及びこれを熱的に発色させる顕色剤を表面に塗布した記録体を、サーマルヘッドで加熱・加圧することにより、マイクロカプセルを破壊して発色反応を誘発し画像を形成する方法である。
感圧感熱記録方式においては、マイクロカプセルが所定の温度領域で加熱されるとともに所定の破壊圧力以上で加圧された場合にのみ潰れるよう、マイクロカプセル壁膜の厚さや材質がコントロールされている。このため、シアン、マゼンダ、イエロー等複数の色に対応したマイクロカプセルを記録体表面に塗工し、各色ごとに選択的に加圧と加熱とを制御することにより、高精度のフルカラー画像を形成することも可能である。このような感圧感熱記録体は、特許文献1、特許文献2等に開示されている。
【0003】
一般に、感圧感熱記録用の記録体は、保存性、信頼性確保のため通常の状態で発色しないように、作用温度120℃以上が望ましいとされており、低温のものでもだいたい作用温度100℃付近である。しかし、シアン、マゼンダ、イエローなど多色のマイクロカプセルを用いる場合、誤って他の色のマイクロカプセルが破壊されるのを防ぐため、各色ごとにマイクロカプセルの破壊温度・圧力領域が重複しないよう設計される。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−70741号公報
【特許文献2】
特開2002−36729号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、未だ十分満足のできるフルカラー画像が得られていないのが現状である。そこで、本発明は、各色の発色性が高く色分離性に優れた感圧感熱記録体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したマルチカラー感圧感熱記録体において、支持体上に少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上有し、電子供与性染料前駆体の少なくとも1種が所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記記録層のうち最上層中にマイクロカプセルの少なくとも1種および架橋剤が含有されていることを特徴とするマルチカラー感圧感熱記録体とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感圧感熱記録体は、支持体上に、電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上設けることにより得ることができる。電子供与性染料前駆体(以下、単に染料前駆体ということがある)と電子受容性顕色剤(以下、単に顕色剤ということがある)とは、同一の記録層中あるいは別々の記録層中に存在することができる。また、染料前駆体の少なくとも1種は所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されている。記録層が複数の層により構成されている場合は、熱や圧力を受けやすいことから、染料前駆体を内包するマイクロカプセルの少なくとも1種が最上層に含有されることが必要である。
【0008】
本発明において、感圧感熱記録体を構成する記録層は、1層の場合はその記録層中、記録層が2層以上の複数の層により構成されている場合はその最上層に架橋剤が含有されていることが重要であり、本発明において発色性、色分離性に優れた記録体が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
熱および圧力により破壊される壁膜を有するマイクロカプセルを用いる場合、加熱および加圧はマイクロカプセルを破壊するために必須であるが、同時に加熱により記録層が軟化し、マイクロカプセルが記録層中に沈み込むため、熱や圧力を受けにくくなって十分に破壊されなくなると考えられる。これに対し、本発明は、記録層が架橋剤により架橋硬化されていることにより、マイクロカプセルの層中への沈み込みが防止されて十分に破壊されるために、発色性、色分離性が改善されると考えられる。また、本発明によれば耐水性も向上する。
【0009】
ここで、一例として、青−赤−黒の3色の記録画像を呈する感圧感熱記録体の発色機構から説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
支持体上に、黒色に発色する染料前駆体を含有する第1層(黒発色層)、赤色に発色する染料前駆体を含有する第2層(赤発色層)、そして、青色に発色する染料前駆体を内包し低温度・一定圧力で破壊される壁膜を有するマイクロカプセルを含有する第3層(青発色層)を順次設けて記録層とし、第3層(青発色層)を最上層とする場合、まず、感熱ヘッドから低温度・一定圧力が加えられると、マイクロカプセルが破壊され、青色の記録画像が得られる。また、中温度・一定圧力が加えられると、第3層および第2層が軟化してマイクロカプセルが沈み込むとともに、第2層が発色して赤色の記録画像が得られる。このとき、マイクロカプセルは沈み込んでいるため破壊されることがなく、鮮明な赤色の記録画像が得られる。また、高温度・一定圧力が加えられると、第1層の黒色画像が得られることになるが、このとき、前記と同様にマイクロカプセルは沈み込んでいるため青色の発色は起こらず、かつ、第2層では赤色の発色が起こるが、第1層の黒発色と混ざり、鮮明な黒色画像だけが得られる。このような機構を利用して、所望の箇所にそれぞれの発色に合わせた熱エネルギーを加えることにより、3色の記録画像を得ることができると考えられる。
【0010】
上記の発色機構において、鮮明な青色画像とするためには、その温度・圧力領域において最上層にあるマイクロカプセルが下方の層に沈み込まないことが大事である。また、第2層が発色するレベルの熱エネルギーが加えられるとき、最上層の第3層に存在するマイクロカプセルがその下の第2層にまで沈み込むことによって、マイクロカプセル由来の発色は抑えられ、青と赤の色分離性が向上すると考えられる。それゆえ、最上層の下の層に架橋剤を加え架橋硬化させると、下の層へのマイクロカプセルの沈み込みが妨げられることになるので、マイクロカプセルが存在する記録層の下の層では、架橋剤を添加する場合は部数を控えるか、含有しないことが好ましい。
【0011】
マイクロカプセル化される以外の染料前駆体としては、そのまま固体で微粒化したもの、多価イソシアネート化合物の重合体と複合微粒子化したものを用いてもよい。また、2種類以上の染料前駆体をマイクロカプセル化して用いてもよく、この場合は、それぞれ異なる圧力で内部の染料前駆体を放出するように変形する壁膜を有する別々のマイクロカプセルに内包させ、封入して複数種類のカプセルを作製し、特定の色を呈する染料前駆体を内包するマイクロカプセルのみが破壊されるように、色別に異なった温度及び圧力で選択的に加熱・加圧すればよい。
一例を挙げると、シアン、マゼンダ、イエローのカラー画像を得る場合、例えば各色を呈する染料前駆体を破壊温度・圧力領域が重複しないよう設計された壁膜を有するマイクロカプセルに内包・封入し、これを用いて記録層を形成する。そして、シアンに対応する温度と圧力で記録を加熱・加圧すると、シアンのカプセルは潰れて染料前駆体が放出されるが、他の色のマゼンダ、イエローは潰れないため、色別に順次(例えばシアン、マゼンダ、イエローの順で)所定の温度・圧力で加熱・加圧すれば、簡単にかつ高速でカラー画像を形成することができる。
【0012】
本発明に用いられる染料前駆体としては、従来の感熱あるいは感圧記録分野で公知の無色または淡色のロイコ染料など全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な染料前駆体の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0013】
<黒色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
【0014】
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
【0015】
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−クロロ−3−メチル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−クロロ−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
【0016】
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルアミノフルオラン
【0017】
<青色発色性染料前駆体>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ−n−プロピルアミノフタリド
トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジフェニルメチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ジナフチルメチルアミノフルオラン
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
【0018】
<緑色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン
3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−(N−p−トルイル−N−エチルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ピロリジル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
【0019】
<赤色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン
10−ジエチルアミノ−4−ジメチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−ベンゾ〔a〕フルオラン
3−(N−エチル−N−p−トルイルアミノ)−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)−アニリノラクタム
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム
【0020】
染料前駆体の量は、一般にマイクロカプセルの内包物を100重量%として、0.1〜40重量%の範囲であると、十分な発色性と鮮明な画像が得られるとともに、カプセル化も容易であり望ましい。より好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%である。
【0021】
本発明に用いられるマイクロカプセルは、染料前駆体を適当な溶剤に分散した芯物質を、非熱可塑性合成樹脂からなるマイクロカプセル壁膜で封入したものであり、公知のコアセルベーション法、界面重合法、in situ法などにより製造できる。マイクロカプセルの平均粒径(50%体積平均)は、0.1μm〜10.0μm、好ましくは0.1μm〜8.0μm、さらに好ましくは0.5〜5.0μmとすることが望ましい。粒径が大きすぎると破壊されて地肌かぶりを生じやすくなり、小さすぎると発色濃度が不足する傾向がある。なお、本発明において粒径は、レーザー回折式粒径測定装置マスターサイザー(マルバルーン製)による値を示す。
例えば、界面重合法、in situ法マイクロカプセルの代表的なものとして、多価イソシアネートを用いたポリウレタンカプセルと、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂カプセルがある。ポリウレタンからなるカプセルの場合、多価イソシアネートとポリヒドロキシ化合物の両者を同時に油相中に溶解しておき、これを保護コロイド水溶液中に乳化分散し、さらに昇温して反応を起こさせてカプセル壁を形成させる。
【0022】
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるカプセルの場合、水に可溶性のメラミン−ホルムアルデヒドプレポリマーを用いる。染料前駆体を溶解したオイルを保護コロイド水溶液中に乳化分散したO/Wエマルジョンに、このプレポリマー水溶液を加えて弱酸性領域(pH3〜6)で加熱攪拌すると、O/W界面に高分子が沈着してマイクロカプセルが得られる。保護コロイドとしては、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の重縮合反応を促進する酸触媒としての機能を有するもの(例えば、スチレンスルホン酸系ポリマー、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、エチレンと無水マレイン酸の共重合体、アラビアゴム、ポリアクリル酸等)を用いることができる。
これらのマイクロカプセル以外にも、使用前の保管もしくは輸送中に生じる加圧あるいは加熱条件下では破壊されず内容物を十分に保持できるが、所定条件での加熱・加圧に供されると破壊され、内包している染料前駆体を放出し得るものであれば、特に限定されることはなく、従来公知のカプセルを用いることができる。
【0023】
次に、本発明に用いられる架橋剤の例としては、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素―ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸等が挙げられる。架橋剤の記録層における含有量は、各記録層総部数(固形分)に対し0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%程度の範囲で使用するのが好ましい。
【0024】
本発明の感圧感熱記録体を製造するには、例えば、染料前駆体を内包するマイクロカプセル、顕色剤、架橋剤とをそれぞれバインダーとともに分散した分散液と填料その他必要な添加剤を加えて混合し、記録層塗液を調製して支持体上に塗布乾燥することにより製造することができる。
本発明の記録体には、一般に感熱記録体、感圧記録体に用いられる従来公知の顕色剤を併用することができ、複数の記録層を設ける場合、前記の顕色剤と従来公知の顕色剤とを別々の層に含有することも可能である。これらの顕色剤としては、例えば粘土物質、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩を用いることができる。
【0025】
具体的には、酸性白土、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン等の粘土物質、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、
【0026】
5−クロロサリチルアニリド、ノボラックフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、3,5−ジドデシルサリチル酸、3−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸等、及びこれらの亜鉛、ニッケル、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、特開平8−59603記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、国際公開WO97/16420記載のジフェニルスルホン架橋型化合物、(ポリ)4−ヒドロキシ安息香酸、国際公開WO99/51444号または特開2001−162947号記載のオキシ安息香酸オリゴマー型の化合物等が挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。中でも、アミノベンゼンスルホンアミド誘導体の一種である3−{[(フェニルアミノ)カルボニル]アミノ}ベンゼンスルホンアミドが好ましく、(ポリ)4−ヒドロキシ安息香酸またはオキシ安息香酸オリゴマー型の化合物も好ましく用いられる。国際公開WO99/51444号または特開2001−162947号記載の化合物については例えば、旭電化工業社製の商品名K−5として入手可能である。
【0027】
本発明で使用するバインダーとしては、重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0028】
本発明で使用することができる填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体や、中空プラスチックピグメントなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。
【0029】
また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を配合して記録感度を調整することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、べヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアマイド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−べンジルビフェニル、4−ビフェニルパラトリルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート等を例示することができるが、特に、これらに制限されるものではない。これらの増感剤は単独または2種類以上混合して使用してもよい。
【0030】
中でも、粉砕機あるいは適当な乳化装置によって平均粒子径が1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の粒子径になるまで微粒化されたステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、あるいはこれらの混合体等の飽和脂肪酸モノアミドが好ましい。さらに、加熱溶融された状態の飽和脂肪酸モノアミドを温水又は熱水中で、アニオン性、ノニオン性などの乳化剤(界面活性剤)と共にホモミキサーなどを用いて乳化分散することにより得られる微粒化物を用いたものが最も望ましく、このような飽和脂肪酸モノアミドは、中京油脂製の商品名G−270として入手可能である。なお、本発明において平均粒子径とは、体積50%平均粒子径をいい、レーザー回折式粒径測定装置マスターサイザー(マルバルーン製)によって測定した値である。
【0031】
また、保存安定剤、脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用することができる。
支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、また、これらを組み合わせた複合シートを使用してもよい。
さらに、耐擦過性を高める目的で、マイクロカプセルの破壊性を損なわない範囲で高分子物質等のオーバーコート層を記録層上に設けることもできる。また、発色感度を高める目的で、有機填料または無機填料を含有するアンダーコート層を記録層と支持体との間に設けることもできる。
【0032】
本発明の記録体に用いられる染料前駆体内包マイクロカプセルあるいは染料前駆体、顕色剤、およびその他の各種成分の種類及び量は要求される性能等に従って適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常、顕色剤1部に対して填料0〜4部、バインダーは全固形分中5〜25%が適当である。顕色剤および必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機或いは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗布法としては、手塗り、サイズプレスコーター法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ブレンドコーター法、フローコーター法、カーテンコーター法、コンマダイレクト法、グラビアダイレクト法、グラビアリバース法、リバース・ロールコーター法等が挙げられる。また、噴霧、吹き付け又は浸漬後、乾燥してもよい。記録層の塗布量は特に限定されるものではないが、一般に乾燥重量で1〜12g/m2程度の範囲で調整される。
【0033】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお実施例、比較例中、部および%はそれぞれ重量部、重量%を示す。
【0034】
[実施例1]
<染料前駆体内包マイクロカプセルの調製>
染料前駆体としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)4gを2,7−ジイソプロピルナフタレン(KMCオイル)100gに溶解させ、染料前駆体芯物質溶液(A液)を調整した。また、保護コロイド水溶液の調製保護コロイド及び酸触媒として機能するポリビニルベンゼンスルホン酸の一部ナトリウム塩5gを精製水95gで溶解させ、保護コロイド水溶液(B液)を調製した。このA液とB液とを混合し、ホモジナイザーを用いて液滴を平均粒径4.5μm程度となるように乳化分散させ、O/Wエマルジョン(C液)とした。
次に、メラミン14gと2重量%NaOH水溶液でpH9に調製したホルマリン(37重量%ホルムアルデヒド水溶液)36gを混合し、70℃で反応させた。メラミンが溶解したら直ちに精製水50gを加えて攪拌し、メラミン−ホルムアルデヒドプレポリマー水溶液(D液)を調製した。
上記C液とD液とを混合し、ゆっくり攪拌しながら温度を30℃に保持し、20重量%酢酸を使用して、pH3〜6に調製した。その状態のまま温度を65℃まで上昇させ、約1時間攪拌しながら縮重合反応を進行させ、in situ重合法にてマイクロカプセルを得た。
【0035】
<顕色剤分散液▲1▼の調製>
下記配合の顕色剤分散液(▲1▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。
<顕色剤分散液▲2▼の調製>
下記配合の顕色剤分散液(▲2▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径1.0μmになるまで湿式磨砕を行った。
【0036】
<染料分散液▲3▼の作成>
下記配合の染料前駆体分散液(▲3▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
<染料分散液▲4▼の作成>
下記配合の染料前駆体分散液(▲4▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
【0037】
<感圧感熱記録体の作成>
下記に示す混合割合で記録層塗液イ、ロ、ハを調製し、50g/m2の基紙の片面にイ→ロ→ハの順にそれぞれ塗布量が1.5〜5.0g/m2の範囲で一定量塗布した後乾燥を行う行程を3回繰り返し、感圧感熱記録体を得た。
記録層塗液(イ)
▲3▼液(黒染料前駆体分散液) 3.0部
▲2▼液(顕色剤分散液) 12.0部
飽和脂肪酸モノアミドエマルジョン 1.8部
(ステアリン酸アミド68%、パルミチン酸アミド28%;22%分散液;
平均粒径0.5μm;商品名G−270、中京油脂製)
20%ポリビニルアルコール水溶液(重合度500) 0.5部
記録層塗液(ロ)
▲4▼液(赤染料前駆体分散液) 1.0部
▲1▼液(顕色剤分散液、16.7%懸濁液) 1.5部
飽和脂肪酸モノアミドエマルジョン(上記と同じ) 0.6部
20%ポリビニルアルコール水溶液(重合度500) 0.5部
記録層塗液(ハ)
マイクロカプセル(25.0%懸濁液) 1.0部
▲1▼液(顕色剤分散液、16.7%懸濁液) 1.5部
飽和脂肪酸モノアミドエマルジョン 0.6部
20%ポリビニルアルコール水溶液(重合度500) 0.5部
40%グリオキザール水溶液 0.04部
(対固形分で2.14%)
【0038】
[比較例1]
実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。但し、記録層塗液(ハ)において、40%グリオキザール水溶液は配合しなかった。
【0039】
[評価方法]
得られた感圧感熱記録体について、発熱抵抗2800Ω、解像度300dpi、荷重0.7MPa、印加時間2msecの感圧感熱記録用プリンターで印字した。電圧は11V,14Vの二段階で印字した。
・発色性と地色
得られた発色画像をマクベス濃度計(RD−19)を用いて測定した。なお、印字濃度評価は11Vをシアン、14Vをマゼンタ、17Vをブラックのポジションで測定、評価した。また11Vのマゼンタ、14Vのシアンを色のかぶり具合とした。なお、青発色画像および地色を評価する場合はイエローフィルター(Y)で測定した値で表す。
・耐水性
得られた発色画像部に水を1ml滴下した後、直ちに指で押さえ時計回りに10回、指を感圧記録体上で回す。その後、画像部の残り具合を目視で観察した。
○:画像が滲んだり掠れたりしない。
×:画像が滲んだり掠れたりする。
【0040】
【表1】
注;数値は発色濃度/地色濃度を示す。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、色分離性に優れ十分な発色性を有するとともに、耐水性に優れたマルチカラー感圧感熱記録体を得ることができる。本発明の感圧感熱記録体は、ファクシミリ用紙、プリンター用紙、値札、切符など各種の用途に用いることができ、極めて実用的価値が高い。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感圧感熱方式すなわち加圧と加熱による電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感圧感熱記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から高解像度の記録方式として、感圧感熱記録方式が提案されている。感圧感熱記録方式は、発色性物質(ロイコ染料)を封入したマイクロカプセル及びこれを熱的に発色させる顕色剤を表面に塗布した記録体を、サーマルヘッドで加熱・加圧することにより、マイクロカプセルを破壊して発色反応を誘発し画像を形成する方法である。
感圧感熱記録方式においては、マイクロカプセルが所定の温度領域で加熱されるとともに所定の破壊圧力以上で加圧された場合にのみ潰れるよう、マイクロカプセル壁膜の厚さや材質がコントロールされている。このため、シアン、マゼンダ、イエロー等複数の色に対応したマイクロカプセルを記録体表面に塗工し、各色ごとに選択的に加圧と加熱とを制御することにより、高精度のフルカラー画像を形成することも可能である。このような感圧感熱記録体は、特許文献1、特許文献2等に開示されている。
【0003】
一般に、感圧感熱記録用の記録体は、保存性、信頼性確保のため通常の状態で発色しないように、作用温度120℃以上が望ましいとされており、低温のものでもだいたい作用温度100℃付近である。しかし、シアン、マゼンダ、イエローなど多色のマイクロカプセルを用いる場合、誤って他の色のマイクロカプセルが破壊されるのを防ぐため、各色ごとにマイクロカプセルの破壊温度・圧力領域が重複しないよう設計される。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−70741号公報
【特許文献2】
特開2002−36729号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、未だ十分満足のできるフルカラー画像が得られていないのが現状である。そこで、本発明は、各色の発色性が高く色分離性に優れた感圧感熱記録体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したマルチカラー感圧感熱記録体において、支持体上に少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上有し、電子供与性染料前駆体の少なくとも1種が所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記記録層のうち最上層中にマイクロカプセルの少なくとも1種および架橋剤が含有されていることを特徴とするマルチカラー感圧感熱記録体とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感圧感熱記録体は、支持体上に、電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上設けることにより得ることができる。電子供与性染料前駆体(以下、単に染料前駆体ということがある)と電子受容性顕色剤(以下、単に顕色剤ということがある)とは、同一の記録層中あるいは別々の記録層中に存在することができる。また、染料前駆体の少なくとも1種は所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されている。記録層が複数の層により構成されている場合は、熱や圧力を受けやすいことから、染料前駆体を内包するマイクロカプセルの少なくとも1種が最上層に含有されることが必要である。
【0008】
本発明において、感圧感熱記録体を構成する記録層は、1層の場合はその記録層中、記録層が2層以上の複数の層により構成されている場合はその最上層に架橋剤が含有されていることが重要であり、本発明において発色性、色分離性に優れた記録体が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
熱および圧力により破壊される壁膜を有するマイクロカプセルを用いる場合、加熱および加圧はマイクロカプセルを破壊するために必須であるが、同時に加熱により記録層が軟化し、マイクロカプセルが記録層中に沈み込むため、熱や圧力を受けにくくなって十分に破壊されなくなると考えられる。これに対し、本発明は、記録層が架橋剤により架橋硬化されていることにより、マイクロカプセルの層中への沈み込みが防止されて十分に破壊されるために、発色性、色分離性が改善されると考えられる。また、本発明によれば耐水性も向上する。
【0009】
ここで、一例として、青−赤−黒の3色の記録画像を呈する感圧感熱記録体の発色機構から説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
支持体上に、黒色に発色する染料前駆体を含有する第1層(黒発色層)、赤色に発色する染料前駆体を含有する第2層(赤発色層)、そして、青色に発色する染料前駆体を内包し低温度・一定圧力で破壊される壁膜を有するマイクロカプセルを含有する第3層(青発色層)を順次設けて記録層とし、第3層(青発色層)を最上層とする場合、まず、感熱ヘッドから低温度・一定圧力が加えられると、マイクロカプセルが破壊され、青色の記録画像が得られる。また、中温度・一定圧力が加えられると、第3層および第2層が軟化してマイクロカプセルが沈み込むとともに、第2層が発色して赤色の記録画像が得られる。このとき、マイクロカプセルは沈み込んでいるため破壊されることがなく、鮮明な赤色の記録画像が得られる。また、高温度・一定圧力が加えられると、第1層の黒色画像が得られることになるが、このとき、前記と同様にマイクロカプセルは沈み込んでいるため青色の発色は起こらず、かつ、第2層では赤色の発色が起こるが、第1層の黒発色と混ざり、鮮明な黒色画像だけが得られる。このような機構を利用して、所望の箇所にそれぞれの発色に合わせた熱エネルギーを加えることにより、3色の記録画像を得ることができると考えられる。
【0010】
上記の発色機構において、鮮明な青色画像とするためには、その温度・圧力領域において最上層にあるマイクロカプセルが下方の層に沈み込まないことが大事である。また、第2層が発色するレベルの熱エネルギーが加えられるとき、最上層の第3層に存在するマイクロカプセルがその下の第2層にまで沈み込むことによって、マイクロカプセル由来の発色は抑えられ、青と赤の色分離性が向上すると考えられる。それゆえ、最上層の下の層に架橋剤を加え架橋硬化させると、下の層へのマイクロカプセルの沈み込みが妨げられることになるので、マイクロカプセルが存在する記録層の下の層では、架橋剤を添加する場合は部数を控えるか、含有しないことが好ましい。
【0011】
マイクロカプセル化される以外の染料前駆体としては、そのまま固体で微粒化したもの、多価イソシアネート化合物の重合体と複合微粒子化したものを用いてもよい。また、2種類以上の染料前駆体をマイクロカプセル化して用いてもよく、この場合は、それぞれ異なる圧力で内部の染料前駆体を放出するように変形する壁膜を有する別々のマイクロカプセルに内包させ、封入して複数種類のカプセルを作製し、特定の色を呈する染料前駆体を内包するマイクロカプセルのみが破壊されるように、色別に異なった温度及び圧力で選択的に加熱・加圧すればよい。
一例を挙げると、シアン、マゼンダ、イエローのカラー画像を得る場合、例えば各色を呈する染料前駆体を破壊温度・圧力領域が重複しないよう設計された壁膜を有するマイクロカプセルに内包・封入し、これを用いて記録層を形成する。そして、シアンに対応する温度と圧力で記録を加熱・加圧すると、シアンのカプセルは潰れて染料前駆体が放出されるが、他の色のマゼンダ、イエローは潰れないため、色別に順次(例えばシアン、マゼンダ、イエローの順で)所定の温度・圧力で加熱・加圧すれば、簡単にかつ高速でカラー画像を形成することができる。
【0012】
本発明に用いられる染料前駆体としては、従来の感熱あるいは感圧記録分野で公知の無色または淡色のロイコ染料など全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な染料前駆体の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0013】
<黒色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
【0014】
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
【0015】
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−クロロ−3−メチル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−クロロ−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
【0016】
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルアミノフルオラン
【0017】
<青色発色性染料前駆体>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ−n−プロピルアミノフタリド
トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジフェニルメチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ジナフチルメチルアミノフルオラン
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
【0018】
<緑色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン
3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−(N−p−トルイル−N−エチルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ピロリジル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
【0019】
<赤色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン
10−ジエチルアミノ−4−ジメチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−ベンゾ〔a〕フルオラン
3−(N−エチル−N−p−トルイルアミノ)−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)−アニリノラクタム
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム
【0020】
染料前駆体の量は、一般にマイクロカプセルの内包物を100重量%として、0.1〜40重量%の範囲であると、十分な発色性と鮮明な画像が得られるとともに、カプセル化も容易であり望ましい。より好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%である。
【0021】
本発明に用いられるマイクロカプセルは、染料前駆体を適当な溶剤に分散した芯物質を、非熱可塑性合成樹脂からなるマイクロカプセル壁膜で封入したものであり、公知のコアセルベーション法、界面重合法、in situ法などにより製造できる。マイクロカプセルの平均粒径(50%体積平均)は、0.1μm〜10.0μm、好ましくは0.1μm〜8.0μm、さらに好ましくは0.5〜5.0μmとすることが望ましい。粒径が大きすぎると破壊されて地肌かぶりを生じやすくなり、小さすぎると発色濃度が不足する傾向がある。なお、本発明において粒径は、レーザー回折式粒径測定装置マスターサイザー(マルバルーン製)による値を示す。
例えば、界面重合法、in situ法マイクロカプセルの代表的なものとして、多価イソシアネートを用いたポリウレタンカプセルと、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂カプセルがある。ポリウレタンからなるカプセルの場合、多価イソシアネートとポリヒドロキシ化合物の両者を同時に油相中に溶解しておき、これを保護コロイド水溶液中に乳化分散し、さらに昇温して反応を起こさせてカプセル壁を形成させる。
【0022】
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるカプセルの場合、水に可溶性のメラミン−ホルムアルデヒドプレポリマーを用いる。染料前駆体を溶解したオイルを保護コロイド水溶液中に乳化分散したO/Wエマルジョンに、このプレポリマー水溶液を加えて弱酸性領域(pH3〜6)で加熱攪拌すると、O/W界面に高分子が沈着してマイクロカプセルが得られる。保護コロイドとしては、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の重縮合反応を促進する酸触媒としての機能を有するもの(例えば、スチレンスルホン酸系ポリマー、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、エチレンと無水マレイン酸の共重合体、アラビアゴム、ポリアクリル酸等)を用いることができる。
これらのマイクロカプセル以外にも、使用前の保管もしくは輸送中に生じる加圧あるいは加熱条件下では破壊されず内容物を十分に保持できるが、所定条件での加熱・加圧に供されると破壊され、内包している染料前駆体を放出し得るものであれば、特に限定されることはなく、従来公知のカプセルを用いることができる。
【0023】
次に、本発明に用いられる架橋剤の例としては、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素―ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸等が挙げられる。架橋剤の記録層における含有量は、各記録層総部数(固形分)に対し0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%程度の範囲で使用するのが好ましい。
【0024】
本発明の感圧感熱記録体を製造するには、例えば、染料前駆体を内包するマイクロカプセル、顕色剤、架橋剤とをそれぞれバインダーとともに分散した分散液と填料その他必要な添加剤を加えて混合し、記録層塗液を調製して支持体上に塗布乾燥することにより製造することができる。
本発明の記録体には、一般に感熱記録体、感圧記録体に用いられる従来公知の顕色剤を併用することができ、複数の記録層を設ける場合、前記の顕色剤と従来公知の顕色剤とを別々の層に含有することも可能である。これらの顕色剤としては、例えば粘土物質、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩を用いることができる。
【0025】
具体的には、酸性白土、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン等の粘土物質、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、
【0026】
5−クロロサリチルアニリド、ノボラックフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、3,5−ジドデシルサリチル酸、3−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸等、及びこれらの亜鉛、ニッケル、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、特開平8−59603記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、国際公開WO97/16420記載のジフェニルスルホン架橋型化合物、(ポリ)4−ヒドロキシ安息香酸、国際公開WO99/51444号または特開2001−162947号記載のオキシ安息香酸オリゴマー型の化合物等が挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。中でも、アミノベンゼンスルホンアミド誘導体の一種である3−{[(フェニルアミノ)カルボニル]アミノ}ベンゼンスルホンアミドが好ましく、(ポリ)4−ヒドロキシ安息香酸またはオキシ安息香酸オリゴマー型の化合物も好ましく用いられる。国際公開WO99/51444号または特開2001−162947号記載の化合物については例えば、旭電化工業社製の商品名K−5として入手可能である。
【0027】
本発明で使用するバインダーとしては、重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0028】
本発明で使用することができる填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体や、中空プラスチックピグメントなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。
【0029】
また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を配合して記録感度を調整することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、べヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアマイド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−べンジルビフェニル、4−ビフェニルパラトリルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート等を例示することができるが、特に、これらに制限されるものではない。これらの増感剤は単独または2種類以上混合して使用してもよい。
【0030】
中でも、粉砕機あるいは適当な乳化装置によって平均粒子径が1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の粒子径になるまで微粒化されたステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、あるいはこれらの混合体等の飽和脂肪酸モノアミドが好ましい。さらに、加熱溶融された状態の飽和脂肪酸モノアミドを温水又は熱水中で、アニオン性、ノニオン性などの乳化剤(界面活性剤)と共にホモミキサーなどを用いて乳化分散することにより得られる微粒化物を用いたものが最も望ましく、このような飽和脂肪酸モノアミドは、中京油脂製の商品名G−270として入手可能である。なお、本発明において平均粒子径とは、体積50%平均粒子径をいい、レーザー回折式粒径測定装置マスターサイザー(マルバルーン製)によって測定した値である。
【0031】
また、保存安定剤、脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用することができる。
支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、また、これらを組み合わせた複合シートを使用してもよい。
さらに、耐擦過性を高める目的で、マイクロカプセルの破壊性を損なわない範囲で高分子物質等のオーバーコート層を記録層上に設けることもできる。また、発色感度を高める目的で、有機填料または無機填料を含有するアンダーコート層を記録層と支持体との間に設けることもできる。
【0032】
本発明の記録体に用いられる染料前駆体内包マイクロカプセルあるいは染料前駆体、顕色剤、およびその他の各種成分の種類及び量は要求される性能等に従って適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常、顕色剤1部に対して填料0〜4部、バインダーは全固形分中5〜25%が適当である。顕色剤および必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機或いは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗布法としては、手塗り、サイズプレスコーター法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ブレンドコーター法、フローコーター法、カーテンコーター法、コンマダイレクト法、グラビアダイレクト法、グラビアリバース法、リバース・ロールコーター法等が挙げられる。また、噴霧、吹き付け又は浸漬後、乾燥してもよい。記録層の塗布量は特に限定されるものではないが、一般に乾燥重量で1〜12g/m2程度の範囲で調整される。
【0033】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお実施例、比較例中、部および%はそれぞれ重量部、重量%を示す。
【0034】
[実施例1]
<染料前駆体内包マイクロカプセルの調製>
染料前駆体としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)4gを2,7−ジイソプロピルナフタレン(KMCオイル)100gに溶解させ、染料前駆体芯物質溶液(A液)を調整した。また、保護コロイド水溶液の調製保護コロイド及び酸触媒として機能するポリビニルベンゼンスルホン酸の一部ナトリウム塩5gを精製水95gで溶解させ、保護コロイド水溶液(B液)を調製した。このA液とB液とを混合し、ホモジナイザーを用いて液滴を平均粒径4.5μm程度となるように乳化分散させ、O/Wエマルジョン(C液)とした。
次に、メラミン14gと2重量%NaOH水溶液でpH9に調製したホルマリン(37重量%ホルムアルデヒド水溶液)36gを混合し、70℃で反応させた。メラミンが溶解したら直ちに精製水50gを加えて攪拌し、メラミン−ホルムアルデヒドプレポリマー水溶液(D液)を調製した。
上記C液とD液とを混合し、ゆっくり攪拌しながら温度を30℃に保持し、20重量%酢酸を使用して、pH3〜6に調製した。その状態のまま温度を65℃まで上昇させ、約1時間攪拌しながら縮重合反応を進行させ、in situ重合法にてマイクロカプセルを得た。
【0035】
<顕色剤分散液▲1▼の調製>
下記配合の顕色剤分散液(▲1▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。
<顕色剤分散液▲2▼の調製>
下記配合の顕色剤分散液(▲2▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径1.0μmになるまで湿式磨砕を行った。
【0036】
<染料分散液▲3▼の作成>
下記配合の染料前駆体分散液(▲3▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
<染料分散液▲4▼の作成>
下記配合の染料前駆体分散液(▲4▼液)を、サンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
【0037】
<感圧感熱記録体の作成>
下記に示す混合割合で記録層塗液イ、ロ、ハを調製し、50g/m2の基紙の片面にイ→ロ→ハの順にそれぞれ塗布量が1.5〜5.0g/m2の範囲で一定量塗布した後乾燥を行う行程を3回繰り返し、感圧感熱記録体を得た。
記録層塗液(イ)
▲3▼液(黒染料前駆体分散液) 3.0部
▲2▼液(顕色剤分散液) 12.0部
飽和脂肪酸モノアミドエマルジョン 1.8部
(ステアリン酸アミド68%、パルミチン酸アミド28%;22%分散液;
平均粒径0.5μm;商品名G−270、中京油脂製)
20%ポリビニルアルコール水溶液(重合度500) 0.5部
記録層塗液(ロ)
▲4▼液(赤染料前駆体分散液) 1.0部
▲1▼液(顕色剤分散液、16.7%懸濁液) 1.5部
飽和脂肪酸モノアミドエマルジョン(上記と同じ) 0.6部
20%ポリビニルアルコール水溶液(重合度500) 0.5部
記録層塗液(ハ)
マイクロカプセル(25.0%懸濁液) 1.0部
▲1▼液(顕色剤分散液、16.7%懸濁液) 1.5部
飽和脂肪酸モノアミドエマルジョン 0.6部
20%ポリビニルアルコール水溶液(重合度500) 0.5部
40%グリオキザール水溶液 0.04部
(対固形分で2.14%)
【0038】
[比較例1]
実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。但し、記録層塗液(ハ)において、40%グリオキザール水溶液は配合しなかった。
【0039】
[評価方法]
得られた感圧感熱記録体について、発熱抵抗2800Ω、解像度300dpi、荷重0.7MPa、印加時間2msecの感圧感熱記録用プリンターで印字した。電圧は11V,14Vの二段階で印字した。
・発色性と地色
得られた発色画像をマクベス濃度計(RD−19)を用いて測定した。なお、印字濃度評価は11Vをシアン、14Vをマゼンタ、17Vをブラックのポジションで測定、評価した。また11Vのマゼンタ、14Vのシアンを色のかぶり具合とした。なお、青発色画像および地色を評価する場合はイエローフィルター(Y)で測定した値で表す。
・耐水性
得られた発色画像部に水を1ml滴下した後、直ちに指で押さえ時計回りに10回、指を感圧記録体上で回す。その後、画像部の残り具合を目視で観察した。
○:画像が滲んだり掠れたりしない。
×:画像が滲んだり掠れたりする。
【0040】
【表1】
注;数値は発色濃度/地色濃度を示す。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、色分離性に優れ十分な発色性を有するとともに、耐水性に優れたマルチカラー感圧感熱記録体を得ることができる。本発明の感圧感熱記録体は、ファクシミリ用紙、プリンター用紙、値札、切符など各種の用途に用いることができ、極めて実用的価値が高い。
Claims (3)
- 無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したマルチカラー感圧感熱記録体において、支持体上に少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層を少なくとも1層以上有し、前記電子供与性染料前駆体の少なくとも1種が所定の温度以上で加熱されるとともに所定の圧力以上で加圧されることにより破壊される壁膜を有するマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記記録層のうち最上層中に前記マイクロカプセルの少なくとも1種および架橋剤が含有されていることを特徴とするマルチカラー感圧感熱記録体。
- 前記少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体は黒、赤及び青にそれぞれ発色する前駆体であり、カプセルに内包されている電子供与性前駆体は青に発色する前駆体である請求項1記載のマルチカラー感圧感熱記録体。
- 前記少なくとも2種以上の電子供与性染料前駆体及び/または電子受容性顕色剤を含有する記録層が、少なくとも2種以上の層を構成している請求項1又は2記載のマルチカラー感圧感熱記録体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338397A JP2004167944A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | マルチカラー感圧感熱記録体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338397A JP2004167944A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | マルチカラー感圧感熱記録体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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- 2002-11-21 JP JP2002338397A patent/JP2004167944A/ja active Pending
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CN102493270A (zh) * | 2011-12-07 | 2012-06-13 | 广东冠豪高新技术股份有限公司 | 一种耐化机浆的热敏纸 |
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