JP2004167463A - 精米機の埃回収装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建屋1内を客室2と機械室3に分け、玄米投入口7を客室2又は機械室3に有し、機械室3には石抜装置12と精米装置14を有し、玄米投入口から石抜装置を経て精米装置の搗精室39に至る範囲には、供給管K1,K2,…で接続された玄米流通路Rを形成してある精米機において、玄米流通路Rに埃吸引口46を設け、埃吸引口46に集塵装置15,51を埃回収ダクト47を介して接続し、埃回収ダクト47,16の途中と集塵装置51内の少なくとも一方に吸引装置50,42を有する精米機の埃回収装置。集塵装置として集糠用サイクロン15を用い、吸引装置として除糠ファン42を用いても良い。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建屋を客室と機械室に仕切り、客がお金を投入して精米する精米機において、埃(精米する前に玄米の表面から遊離した糠埃や糠以外の埃)を回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コイン精米機は、建屋を機械室と客室に分け、機械室には石抜装置、精米装置等が配置され、玄米投入口から石抜装置を経て精米装置の搗精室に至る範囲には供給管(図示省略)で接続された玄米流通路が形成されている。そして、精米装置では除糠ファンによって、精米時に搗精室で発生する糠を吸引し、集糠用サイクロンに蓄える(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−102723号(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
精米する前の段階でも玄米の表面から遊離した糠埃や糠以外の埃が発生し、しかも、各種装置や、装置同士を繋ぐ供給管には多少の隙間ができるので、機械室ではその隙間から埃が発生・飛散し、各種装置等の内部や外面、或いは床表面に埃が付着したり、堆積したりする。
【0005】
埃は、鼠の侵入、虫やカビの発生等の原因となる。また、供給管内に埃が付着等すると玄米の流れが悪くなるし、各種装置の駆動部や検出部等に埃が付着等すると作動不良や機器の寿命が短くなる等の不都合を引き起こす。従って、精米機の管理者が定期的に清掃作業を行っている。しかし、その清掃作業は、狭く塵塊が多い場所での作業となるため作業環境が悪く、作業コストもかかることから、作業頻度の低減と容易化が求められている。
【0006】
本発明は上記実情を考慮して開発されたもので、その解決課題は、玄米流通路で発生する埃を回収して、玄米流通路外部への埃の飛散を低減し、玄米流通路内部への埃の付着を低減することにより、清掃作業を容易にすると共に、作業頻度を低減することである。
【0007】
請求項2及び3記載の発明の解決課題は、埃の回収に既存の装置を利用して、機械室内をできるだけ広く活用できるようにすると共に、設置コストの低減、埃の取り出し作業の容易化を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、建屋内を客室と機械室に分け、玄米投入口を客室又は機械室に有し、機械室には石抜装置と精米装置を有し、玄米投入口から石抜装置を経て精米装置の搗精室に至る範囲には、供給管で接続された玄米流通路を形成してある精米機において、玄米流通路に埃吸引口を設け、埃吸引口に集塵装置を埃回収ダクトを介して接続し、埃回収ダクトの途中と集塵装置内の少なくとも一方に吸引装置を有することを特徴とする精米機の埃回収装置である。
【0009】
「玄米投入口を客室又は機械室に有し」としたのは、精米機がコイン精米機と呼ばれる型式、つまり客が玄米を客室に持参して精米する型式の場合は玄米投入口を客室に有するが、精米販売機と呼ばれる型式、つまり玄米が機械室に予め貯蔵されており客が玄米を購入して精米する型式の場合は、玄米投入口を機械室に有することになるからである。
【0010】
埃吸引口は玄米流通路であれば、どこに設けても良いが、埃の発生しやすい箇所に設けることが望ましい。例えば、石抜装置のケースに埃吸引口を、選別板より上方に設けることが望ましい。石抜装置は、玄米流通路となるケース内に多数の孔があいた選別板を揺動可能に設けると共に選別板の下方にファンを配置してある。風を利用して玄米と石を選別するので、石抜装置は埃が発生しやすい。このようにすれば、選別板の下から上に吹き抜ける風によって発生した埃が、その上昇気流を利用して埃吸引口から集塵装置に効率良く回収される。
【0011】
また、別の箇所としては、石抜装置の上流と下流の少なくとも一方に、玄米を引き上げる昇降装置を供給管を介して連結し、昇降装置の上部に繋がる供給管に埃吸引口を設けることが望ましい。通常、石抜装置の上流と下流の少なくと一方には昇降装置が設けてあり、昇降装置で引き上げた玄米を下流に流す際にも、埃が発生しやすい。従って、このようにすれば、昇降装置から玄米を排出する際に発生する埃が、効率よく回収される。
【0012】
また、精米機には搗精室に糠回収ダクトを介して集糠用サイクロンが接続されており、埃を回収する専用の集塵装置を集糠用サイクロンとは別途設けても良いが、設置スペース等を有効活用にするは、請求項2記載の発明のように、集塵装置として集糠用サイクロンを用いることが望ましい。
【0013】
集塵装置は、空気中に浮遊する埃を分離捕集できるものを意味し、吸引装置を内蔵するものであっても良い。また、吸引装置を集塵装置とは別個に、即ち埃回収ダクトの途中に有しても良い。この場合、専用の吸引装置を埃回収ダクトに設けることも考えられるが、設置スペース等を有効活用するには、請求項3記載の発明のように、糠回収ダクトの途中に備わる除糠ファンより上流側に埃回収ダクトの下流側を接続し、埃回収ダクトの一部として糠回収ダクトを用いると共に、吸引装置として除糠ファンを用いることが望ましい。このようにすれば、除糠ファンが埃回収用の吸引装置としても利用される。
【0014】
【発明の実施の形態】
精米機は図1、図2に示すように、建屋1内に設置されるもので、客室2と機械室3と糠室4を前後方向に壁5,6で仕切ってある。客室2には、玄米投入口となる玄米投入ホッパー7と白米タンク8、制御盤9を有する。図示しないが、制御盤9には、お金投入口や精米開始スイッチ等の操作部が付いており、その操作部からの指令に基づいて精米機を運転する。機械室3には玄米取り込みコンベヤ10、一番の昇降装置11、石抜装置12、二番の昇降装置13、精米装置14を順番に配置し、糠室4には集糠用サイクロン15を配置してある。また、玄米投入ホッパー7から精米装置14までの間を供給管K1,K2,…で連通して玄米流通路Rを形成し、玄米流通路Rに埃回収装置Dを接続し、精米装置14と集糠用サイクロン15の間を糠回収ダクト16で接続してある。
【0015】
玄米投入ホッパー7は、その底部に玄米取り込みコンベヤ10を横向きに配置してある。玄米取り込みコンベヤ10は、玄米投入ホッパー7に接続したケースC1内でスクリュー軸17を回転させるものである。ケースC1は、上流側が断面U字状で下流側が筒状に形成してあり、上流側から取り込んだ玄米を、スクリュー軸17の回転で下流側に送り、供給管K1を経て一番の昇降装置11のケースC2の下部に流し込む。
【0016】
一番の昇降装置11は、玄米を引き上げるバケットコンベヤで、上下のプーリ18,19に掛け渡したベルト20に、玄米を汲み取る多数のバケット21を間隔をあけて取り付け、ケースC2の上部を石抜装置12のケースC3の上部に供給管K2で接続してある。玄米を汲み取ったバケット21は、上昇から下降に転ずる際に上側のプーリ18に沿って回転することによって、玄米を供給管K2側に放り投げる。従って、ケースC2の上部には、玄米放出空間22が形成されている。
【0017】
石抜装置12は図3に示すように、ケースC3内の上部にホッパー23を有し、ホッパー23の下側には、高さ方向に傾斜した選別板24がリンク25,26の下部を支点として斜め上下に揺動可能に支持され、選別板24の下方にはファン27が配置してある。選別板24は、全面に亘って多数の細長い孔28をあけ、孔28の低い方の一辺(図では右側)を高くした石止め片29を有する。選別板24が傾斜された状態で斜め上下に揺動しながら、選別板24の下から上に向かってファン27からの風が吹き抜けると、石くずと玄米との比重差によって石くずが沈み、その石くずが石止め片29によって選別板24の傾斜に沿った落下を阻止され、選別板24の揺動によってその石くずが選別板24の上方に集まり、選別板24の上方に有する排出ゲート30を開くと、石くずが落下し、図示しないタンクに回収される。一方、玄米は選別板24上で僅かに浮き上がって、後から供給された玄米に押され選別板24の傾斜に沿って下流に送られて落下する。選別板24の下流側では供給管K3がケースC3に接続してあるので、落下した玄米は供給管K3を経て二番の昇降装置13のケースC4の下部に送られる。
【0018】
上述したファン27の駆動機構は、モータ31の回転をベルト32を介してファンのプーリ33に伝えるものである。また、選別板24の揺動機構は、軸34を中心とするプーリ35を、前記ベルト32を介して回し、偏心輪36を軸34の回転によって回転し、偏心輪36に連結したクランクアーム37が、リンク機構で選別板24を、リンク25、26の下部を支点として斜め上下に揺動する。
【0019】
二番の昇降装置13は図1に示すように一番の昇降装置11と同じ構造となっており、ケースC4の上部に供給管K4を精米装置14のホッパー38に接続してある。従って、石抜装置12から送られた玄米は、二番の昇降装置13で引き上げられて精米装置14のホッパー38に送られる。
【0020】
精米装置14は、ケースC5外にホッパー38を有し、ケースC5内にはホッパー38の下に搗精室39を接続してある。搗精室39には搗精ロール40と除糠アミAMを内装しており、玄米は搗精室39内を搗精ロール40で送られるうちに、玄米同士の摩擦と除糠アミAMの網目に擦られることで白米と糠が分離する。搗精室39の下方には糠回収ダクト16の先部41を接続し、糠回収ダクト16の途中の部屋には除糠ファン42が内蔵されており、モータ43で除糠ファン42を回し、除糠ファン42の吸引作用によって糠は除糠アミAMの網目を通過し、糠回収ダクト16の末端に接続した集糠用サイクロン15に回収される。一方、残った白米は、搗精室39の出口に向かうが、抵抗板44がバネの弾性力を利用して出口を塞いであり、搗精ロール40によって送り込まれた白米が抵抗板44を弾性力に逆らって押し込んで出口を開き、出口を通過した白米がケースC5の排出口45を経て白米タンク8に排出される。抵抗板44の弾性力はバネのたわみ量を調整することで変更でき、これによって搗精室39内の玄米同士の摩擦力と除糠アミAMの網目に擦られる力が変わり、精白度合を段階的に設定できる。
【0021】
玄米流通路Rは、各種ケースC1,C2,…や供給管K1,K2,…との接合で形成されているが、埃が放出される隙間があるものとする。その隙間の形成箇所は、例えば、ケースと供給管の接合部分や、供給管が複数本の管を繋ぎ合わせたものとした場合の管同士の接合部分である。
【0022】
埃回収装置Dの第一例は図1又は図3に示すように、石抜装置用ケースC3のホッパー23の上方に埃吸引口46をあけると共に、埃吸引口46に接続した埃回収ダクト47の末端を、糠回収ダクト16の除糠ファン42よりも上流側、詳しくは先部41の連通口48に接続し、埃回収ダクトの一部として糠回収ダクト16を利用し、除糠ファン42を吸引装置として利用し、集糠用サイクロン15を集塵装置として利用したことを特徴とする。従って、石抜装置12内では選別板24の上方に吹き抜ける風によって、玄米に付着した埃が舞い上がり、埃は埃吸引口46を通過して埃回収ダクト47から糠回収ダクト16に導かれ、最終的に集糠用サイクロン15に回収される。そして、玄米流通路Rにある隙間からは殆ど埃が排出されなくなる。このように既存の装置を兼用すれば、吸引装置や集塵装置を別途設置する場合に比べて機械室内の作業空間を広く使用できるうえ、設置コストを低減することができる。また、回収した糠と埃は同じ作業で取り出すことができるため、作業が容易になる。
【0023】
埃回収装置Dの第二例は図4に示すように、石抜装置用ケースC3の上方に、メンテナンス用の挿入口49を有する精米機に取り付けたもので、玄米流通路Rの挿入口49以外の複数箇所に埃吸引口46を設けてある。具体的には、一番の昇降装置11と石抜装置12を繋ぐ供給管K2に埃吸引口46を設け、石抜装置用ケースC3には、選別板24とホッパー23との間であって選別板24の下流側に別の埃吸引口46を設け、両埃吸引口46を繋いだ埃回収ダクト47を、第一例と同様に糠回収ダクト16の除糠ファン42よりも上流側に接続したことを特徴とする。このようにすれば挿入口49があっても、ケースC3内や供給管K2内が負圧になって、埃を埃吸引口46から回収できる。
【0024】
埃回収装置Dの第三例は図5に示すように、石抜装置用ケースC3の天井に埃吸引口46をあけ、糠回収ダクト16の除糠ファン42の下流側に連通口48をあけ、その連通口48と埃吸引口46との間に埃回収ダクト47を接続し、埃回収ダクト47の一部として糠回収ダクト16の一部を利用し、埃回収ダクト47の途中の部屋に吸引装置50としてのファンを、除糠ファン42とは別途設けたことを特徴とする。このようにすれば、吸引装置50によって埃吸引口46から埃を吸引できる。
【0025】
埃回収装置Dの第四例は図6に示すように、吸引装置(図示せず)が内蔵された集塵装置51を集糠用サイクロン15とは別途設け、石抜装置用ケースC3にあけた埃吸引口46と集塵装置51を埃回収ダクト47で接続したことを特徴とする。
【0026】
埃回収装置Dの第五例は図7に示すように、除糠ファン42及び集糠用サイクロン15とは別途、吸引装置50及び集塵装置(サイクロン)51を設け、石抜装置用ケースC3にあけた埃吸引口46と吸引装置50と集塵装置51を埃回収ダクト47で接続したことを特徴とする。
【0027】
本発明は上記実施例に限定されない。例えば、上述した精米機は、埃吸引口46を設ける箇所は、玄米流通路Rであればどこでも良く、例えば精米装置14のホッパー38に設けても良い。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、玄米流通路に埃吸引口をあけて吸引装置によって集塵装置へ吸引することによって、埃吸引口付近が負圧となり埃が回収される。従って、玄米流通路で発生する埃の飛散や付着を低減できることになり、その結果、機械室内の清掃作業が容易になり、作業頻度も低減する。
【0029】
請求項2記載の発明は、集塵装置として既存の集糠用サイクロンを利用するので、専用の集塵装置を別途設置する場合に比べて機械室を広く使用できるうえ、設置コストを低減することができる。また、集糠用サイクロンには埃と糠が一緒に回収されるので、埃と糠を同時に取り出すことができ、取り出し作業が容易になる。
【0030】
請求項3記載の発明は、既存の除糠ファンを利用して埃を吸引するので、専用の吸引装置を別途設置する場合に比べて、機械室を広く使用できるうえ、設置コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】精米機の埃回収装置の第一例を示す概略図である。
【図2】精米機のレイアウトを示す平面図である。
【図3】石抜装置の拡大図である。
【図4】埃回収装置の第二例を示す概略図である。
【図5】埃回収装置の第三例を示す概略図である。
【図6】埃回収装置の第四例を示す概略図である。
【図7】埃回収装置の第五例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 建屋
2 客室
3 機械室
7 玄米投入口
11,13 昇降装置
12 石抜装置
14 精米装置
15 集塵装置(集糠用サイクロン)
16 糠回収ダクト
R 玄米流通路
K1,K2,K3,K4 供給管
39 搗精室
42 吸引装置(除糠ファン)
46 埃吸引口
47 埃回収ダクト
50 吸引装置
51 集塵装置
Claims (3)
- 建屋(1)内を客室(2)と機械室(3)に分け、玄米投入口(7)を客室(2)又は機械室(3)に有し、機械室(3)には石抜装置(12)と精米装置(14)を有し、玄米投入口から石抜装置を経て精米装置の搗精室(39)に至る範囲には、供給管(K1,K2,…)で接続された玄米流通路(R)を形成してある精米機において、
玄米流通路(R)に埃吸引口(46)を設け、埃吸引口(46)に集塵装置(15,51)を埃回収ダクト(47,16)を介して接続し、埃回収ダクト(47,16)の途中と集塵装置(51)内の少なくとも一方に吸引装置(50,42)を有することを特徴とする精米機の埃回収装置。 - 集塵装置として集糠用サイクロン(15)を用い、集糠用サイクロン(15)は、精米装置の搗精室(39)に糠回収ダクト(16)を介して接続されたものであることを特徴とする請求項1記載の精米機の埃回収装置。
- 糠回収ダクト(16)の途中に備わる除糠ファン(42)より上流側に埃回収ダクト(47)の下流側を接続し、埃回収ダクト(47)の一部として糠回収ダクト(16)を用いると共に、吸引装置(50)として除糠ファン(42)を用いることを特徴とする請求項2記載の精米機の埃回収装置。
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