JP2004167412A - 汚泥、汚水等の汚物の処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚泥、汚水の回収費を減らすことが可能な汚泥、汚水等の汚物の処理装置を提供すること。
【解決手段】汚泥、汚水等の汚物の処理装置10は、搬入槽14内の汚物11を撹拌機15で撹拌し、撹拌した汚物11を蒸発槽20内の回転板22に載せ、回転板22で汚水を蒸発するとともに、汚泥を乾燥させ、粉塵状汚物11aをスクレーパー24で回収位置に集めて粉塵状汚物タンク25に吸引収納する。さらに粉塵状汚物タンク25内の臭気及び蒸発槽20内の臭気は、脱臭管26で脱臭して、最終的には脱臭排気管32から無臭状態の排気として外気中に放出する。
【解決手段】汚泥、汚水等の汚物の処理装置10は、搬入槽14内の汚物11を撹拌機15で撹拌し、撹拌した汚物11を蒸発槽20内の回転板22に載せ、回転板22で汚水を蒸発するとともに、汚泥を乾燥させ、粉塵状汚物11aをスクレーパー24で回収位置に集めて粉塵状汚物タンク25に吸引収納する。さらに粉塵状汚物タンク25内の臭気及び蒸発槽20内の臭気は、脱臭管26で脱臭して、最終的には脱臭排気管32から無臭状態の排気として外気中に放出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥、汚水等の汚物の処理装置に係り、さらに詳しくは、汚泥、汚水等からなる被処理物(以下単に「汚物」という)のうち、汚水については、これを蒸発処理して排気消滅させ、また汚泥については、これを熱乾燥処理して粉塵状汚物とし、この粉塵状汚物を吸引除去手段で装置外に排出するようにし、さらに蒸発処理時に汚水から発生する排気中の臭気及び、汚泥の熱乾燥処理時に粉塵状汚物から発生する臭気を、無臭状態になるように還元処理することで、前述の排気及び粉塵状汚物を無公害化できるようにした汚泥、汚水等の汚物の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ブタ、牛、馬等の家畜を飼育する場合には、この家畜から排泄される糞尿を手際よく回収処理しなければならない。
同様に、魚の缶詰工場などでは、魚の骨、内臓、血等の廃棄物が出てくるが、これらの廃棄物も手際よく回収処理しなければならない。
さらに、浄化処理装置を備えた工場では、その浄化処理装置内に汚泥、汚水等の汚物が滞留してしまうことがあるが、その場合には滞留した汚物を手際よく回収処理しなければならない。
従来は、上記したような回収処理装置はまったく存在していないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のケースにおいて、家畜を飼育する場合にあっては、大量の糞尿の回収量が多くなることで、また魚の缶詰工場などにあっては、魚の骨、内臓、血等の大量の廃棄物の回収量が多くなることから、それらの回収処理にかかる費用がかさむという問題が発生する。
さらに、浄化処理装置を備えた工場にあっては、その浄化処理装置内に滞留した汚泥、汚水を回収処理するために、高額の費用がかかるという問題も発生していた。
【0004】
本発明は、上記の糞尿や、魚の骨、内臓、血等の廃棄物や、浄化処理装置内に滞留する汚物の回収処理費を減少できるようにした汚泥、汚水等の汚物の処理装置を提供するものであり、これにより上述の全ての問題点を解消しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、汚泥、汚水等からなる汚物を貯留する汚物収納槽を設け、この汚物収納槽から汚物を受け入れる搬入槽を設け、この搬入槽内の汚物を撹拌する撹拌機を搬入槽内に取付け、搬入槽内の汚物を所定量づつ排出できる分配器を搬入槽の出口側に設け、この分配器を通過した汚物を受け入れる蒸発槽を分配器の先に設け、この蒸発槽内に回転板を取付け、前記回転板の下方に回転板を加熱する加熱体を設け、回転板の上面側にはスクレーパーを配設し、このスクレーパーの先端付近には粉塵状汚物タンクの吸引口を配設し、前記蒸発槽及び粉塵状汚物タンク内の臭気を受け入れて脱臭する脱臭管を濾過水槽の上面側に設置し、この濾過水槽内の濾過水を前記脱臭管内にシャワー状に供給するシャワー供給体を濾過水槽内に設置し、さらに前記濾過水槽の上面側に、濾過水槽を介して前記脱臭管と連通状態になる脱臭排気管を設置し、この脱臭排気管の内部に活性炭を配置させたことを特徴とする汚泥、汚水等の汚物の処理装置である。
【0006】
上記した本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置では、回転板上で汚物を熱乾燥させて粉塵化し、粉塵化された粉塵状汚物をスクレーパーで回転板上の回収位置に集め、集められた粉塵状汚物は、吸引管の吸引口を経由して粉塵状汚物タンクに吸引収納される。
このため、汚物の残渣は、その容積を縮小させた状態で効率的に粉塵状汚物タンクに回収されることとなる。
【0007】
また、粉塵状汚物タンクや蒸発槽内に存在する臭気は、脱臭管で第一次脱臭され、さらにその先の脱臭排気管内を通過する際、脱臭排気管内の活性炭で第二次脱臭され、これにより無臭状態に還元処理された排気として外気中に放出される。
このため、本発明処理装置は、その周囲環境に悪臭をばら撒くという事態は回避される。
【0008】
請求項2の発明は、前記撹拌機には、搬入槽内部の上部及び下部を攪拌するための回転羽根が備えられていることを特徴とする。
【0009】
撹拌機に備えられた上下の回転羽根の存在により、上回転羽根の回転で前記汚物を搬入槽内の下方に降下させてスカムの浮遊を防止し、下回転羽根の回転で汚物を搬入槽内の上方に上昇させることで、搬入槽の下部に沈殿する汚物を全体的に均一になるよう攪拌混合できる。
【0010】
請求項3の発明は、前記分配器は、前記搬入槽の出口側に設けられ、排出管と直交する状態で回転筒体を回転自在に配設したものであり、この回転筒体には、その外周の対向する部位に第1、第2の取入口が設けられ、この第1取入口の先には第1収納ポケットを設け、第2取入口の先には第2収納ポケットを設けたことを特徴とする。
【0011】
分配器を構成する回転筒体の外周に第1、第2の取入口を設け、その回転筒体内の第1取入口には第1収納ポケットを設け、第2取入口には第2収納ポケットを設けたので、第1、第2の取入口を介して第1、第2の収納ポケットに所定量の汚物を計測して充填できることとなる。
【0012】
請求項4の発明は、前記第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成したことを特徴とする。
【0013】
第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成することで、搬入槽内の汚物を第1、第2の収納ポケット内に円滑に導くことができ、一旦取り込んだ所定量の汚物は分配器の回転動により、第1、第2の収納ポケットから第1、第2の取入口を経由して、蒸発槽方向に排出できることとなる。
【0014】
請求項5の発明は、前記加熱体は、前記回転板を電磁波で一定温度に加熱するインダクションヒーターであることを特徴とする。
【0015】
加熱体として、回転板を電磁波で加熱するインダクションヒーターとした場合には、他のヒーターと比べて熱効率がよく、ランニングコストも非常に安くできる。
【0016】
請求項6の発明は、前記インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置し、インダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したことを特徴とする。
【0017】
インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置することで、回転板の熱がインダクションヒーター側に伝わらなくなり、回転板下方のインダクションヒーターのコイルが加熱される事態は回避できる。
【0018】
さらにインダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したので、インダクションヒーター下面に冷却用のエアーを送風することができ、インダクションヒーターのコイルの温度を適正温度に保てるようになる。
【0019】
請求項7の発明は、前記スクレーパーは、蒸発槽の上部から回転軸を垂下させ、この回転軸は前記回転板の回転中心から偏芯して設置され、回転軸の下端に回転軸と一体的に回転する横杆を取り付け、この横杆の両端付近に、横杆に対して自由回転可能となるブラシ体を取り付け、このブラシ体の下面に前記回転板の上面の汚物を掻き落とすことができる金属線を突設したことを特徴とする。
【0020】
このように構成することにより、回転板の上面にこびりつく汚物を確実に描き落とし、さらに回転軸と一体的に回転する横杆の動きと、自由回転するブラシ体との動きが重なって、回転板の上面は満遍なくブラシ体の金属線が摺接することになり、上記の掻き落とし効果は万全なものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に基づいて、本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置についての、一実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置の全体を示す全体概略図、図2は同処理装置の要部を示す縦断面図、図3は同処理装置の分配器を示す縦断面図、図4は同処理装置の分配器を示す斜視図、図5及び図6は同処理装置の分配器の作用を説明する図、図7は同処理装置のスクレーパー部を示す縦断面図、図8は同平面図、図9は同処理装置の作用を説明するフローチャートである。
【0022】
図1〜図2に示す汚泥、汚水等の汚物の処理装置10は、汚泥、汚水等からなる汚物11を貯留する汚物収納槽12と、この汚物収納槽12内の汚物11を搬入槽14に搬入する搬送部13と、この搬送部13により搬入された汚物を受け入れる搬入槽14と、この搬入槽14内に設けられ、搬入槽14内の汚物11を撹拌する撹拌機15(図2参照)と、搬入槽14の下端部に連通する排出管16と、この排出管16の途中に設けられて、排出管16の流路を開閉するモーター弁17と、このモーター弁17の下流側に設けられて、搬入槽14内の汚物11を、所定量づつ蒸発槽20に排出する分配器18とを備えている。
【0023】
また、本発明の処理装置10には、この分配器18を通過した汚物11を受け入れる蒸発槽20が設けられ、この蒸発槽20内には回転板22が設けられ、この回転板22を回転させて、回転板22の上面に載せた汚物11を回収位置P1まで搬送する回転搬送部21が設けられている。さらに回転板22の下方に設けられ、回転板22を加熱することにより回収位置P1へ向けて搬送中の汚物11を熱乾燥して粉塵化させるための加熱体23と、この粉塵化された粉塵状汚物11aを回転板22上面の回収位置P1に集めるために、その回収位置P1に設けられるスクレーパー24と、このスクレーパー24で回収位置P1に集められた粉塵状汚物11aを、吸引管65の吸引口65aを経由して吸引収納する粉塵状汚物タンク25とが備えられている。
【0024】
本発明の処理装置10には、粉塵状汚物タンク25及び蒸発槽20内の臭気を受け入れ、この受け入れた臭気を脱臭するための脱臭管26が設けられ、この脱臭管26は濾過水槽27の上端部28に設けられ、濾過水槽27の内部には濾過水29が蓄えられている。ついで、この濾過水槽27内の濾過水29を脱臭管26内にシャワー状に供給するシャワー供給体30が濾過水槽27内に設置され、濾過水槽27の上端部28に、濾過水槽27を介して前記脱臭管26と連通状態になる脱臭排気管32が設置されている。この脱臭排気管32の内部には活性炭33が配置されており、脱臭管26で第一次脱臭された臭気を活性炭33の作用で第二次脱臭した後、無臭状態の排気を外気中に放出する。
【0025】
前記搬送部13は、汚物収納槽12内に配置した汚物搬送ポンプ40と、この汚物搬送ポンプ40に接続される搬送管41とから構成され、この搬送管41の下端41aは汚物搬送ポンプ40に連通され、その上端41bは搬入槽14内に開口する状態で配置される。
【0026】
搬入槽14内の撹拌機15は、図2に示すように搬入槽14内に回転軸42を備え、この回転軸42の上下にそれぞれ上下の回転羽根43,44が取り付けられ、また回転軸42の上端にはモーター45が備えられている。
このモーター45を駆動させて回転軸42を回転させることにより、上下の回転羽根43,44が回転軸42と一体的に回転し、その上回転羽根43の回転により、汚物11を搬入槽14内の下方に降下させ、その下回転羽根44の回転により、汚物11を搬入槽14内の上方に上昇させるようにしている。
【0027】
このように、上回転羽根43で汚物11を下方に降下させることで、搬入槽14内でのスカムの浮遊を防止し、下回転羽根44で汚物11を上方に上昇させることで、搬入槽14の下部に沈殿する汚物11を全体的に均一状に攪拌混合できるようになる。
このため、搬入槽14内の汚物11は、満遍なく攪拌混合された状態で、分配器方向へ排出されていく。
【0028】
排出管16は、搬入槽14と蒸発槽20とを連通させている管であり、搬入槽14内の汚物11を蒸発槽20内に案内するための管である。
モーター弁17は、排出管16を開閉する開閉弁(図示せず)を備え、この開閉弁を操作するためのモーター46を備えている。
【0029】
さらに分配器18は、搬入槽14の出口側に設けられるもので、排出管16と直交する状態で回転筒体48(図3参照)が回転自在となるように配設され、この回転筒体48にはモーター49が備えられている。
【0030】
回転筒体48は、図3及び図4に示すように略筒状に形成される部材であり、その中心にはモーター49(図3参照)の駆動軸に連通したシャフト50が差し込まれている。この回転筒体48には、その外周51の対向する部位に第1、第2の取入口52,53が設けられている。
また回転筒体48には、第1取入口52に連通する第1収納ポケット54と、第2取入口53に連通する第2収納ポケット55とが設けられている。
【0031】
このため、図5に示すように、上向きに位置する第1取入口52を介して第1収納ポケット54に矢印のように所定量の汚物11を充填することができ、第1収納ポケット54に汚物11が充填された状態で、常時駆動しているモーター49で回転筒体48を矢印の方向に180度回転させた段階で、第1取入口52は下向きに位置するようになる。
【0032】
図6に示すように第1取入口52が下向きに位置すると、第1収納ポケット54内の汚物11は第1取入口52から自然落下する。このとき、第2取入口53は上向きに位置するので、第2取入口53を介して第2収納ポケット55に矢印のように所定量の汚物11が流れ込む。
【0033】
このように、回転筒体48を連続回転させることにより、搬入槽14内の汚物11は所定量づつ搬入槽14から分配器18に取り出され、その取り出された汚物11は確実に蒸発槽20に排出される。
なお、分配器18には、蒸発槽20内の回転板22の上面に載置された汚物11の処理速度に応じて、汚物11の送り込み量を自由に調節するための送り込み量可変装置が付設されている。
【0034】
ここで、図3及び図4に示すように、第1、第2の取入口52,53の汚物導入路をテーパー部52a,53aに形成しておくと、搬入槽14内の汚物11を、第1、第2の収納ポケット54,55内に円滑に導くことができ、また第1、第2の収納ポケット54,55内の汚物11を第1、第2の取入口52,53から外部に円滑に排出できるようになる。
【0035】
回転搬送部21は、図7に示すように、蒸発槽20の底部20aに回転板22を水平状態で回転自在に配置し、この回転板22の中央に下方に延びる回転軸57を取り付けたものであり、この回転軸57には減速機59の出力軸60がカップリング58を介して同軸上に連結されており、減速機59の入力軸(図示せず)は駆動モーター62に連結されている。
【0036】
回転板22は、150〜200℃程度の高温に加熱された状態で矢印の方向に定速回転するもので,図1に示す分配器18から、回転板22上面の載置位置P2に汚物11を点滴状に落下させ、その汚物11は短時間で蒸発処理又は熱乾燥処理される。
【0037】
本発明における加熱体23は、基本的にはプロパンガスによる燃焼体等、どのような構成のものであってもかまわないが、電磁波にて回転板22を一定温度(150〜200℃程度)に加熱するインダクションヒーター23であると好ましい結果が得られる。
インダクションヒーター23を採用すると、回転板22が電磁波で加熱されるので、他のヒーターと比べて熱効率がよくランニングコストが非常に安くなり、また無公害であるという利点もある。
【0038】
さらに本発明は、インダクションヒーター23の上方に通電可能な断熱材64を配置し、インダクションヒーター23の下方には送風用の空間65を確保している。
インダクションヒーター23の上方に、通電可能な断熱材64を配置すると、回転板22の熱をインダクションヒーター23側に伝えないようにできる。
これにより、回転板22の下方の部材、特にコイルが加熱される事態は回避できる。
【0039】
一方、インダクションヒーター23の下方には送風用の空間65を確保しているので、インダクションヒーター23の下面に冷却用のエアーを送風でき、これによりインダクションヒーター23のコイルの温度を適正温度に保つことができ、結果的にインダクションヒーター23の寿命を延ばせるようにしている。
【0040】
スクレーパー24は、図7に示すように回転板22の上面の汚物11の回収位置P1に配置したもので、どのような構成のもの、例えば回転板22の回転により回収位置P1に到達した粉塵状汚物11aをせき止める棒状部材のようなものであっても構わないが、図7及び図8に示す構成のものを採用すると,非常に効果的なものとなる。
【0041】
すなわち、蒸発槽20の上部から回転軸24aを垂下させ、この回転軸24aを、回転板22の回転中心Sから一定寸法Lだけ偏芯して設置し、回転軸24aの下端に回転軸24aと一体的に回転する横杆24bを取り付け、この横杆24bの両端付近に、横杆に対して自由回転可能となるブラシ体24cを取り付け、このブラシ体24cの下面に前記回転板22の上面に付着する粉塵状汚物を掻き落とすことができる金属線24dを突設する。
なお、図示の実施例のものは回転軸24aの上端を、蒸発槽20の天井部20bに取り付けた例を示している。
【0042】
上記のようなスクレーパー24を用意し、回転軸の回転を15回転/分程度で回転させ、針金状の金属線24dの先端を回転板22の上面に摺接させると、粉塵状汚物11aの掻き落とし効果は大変優れたものとなった。なお回転軸の回転速度が速くなりすぎると、粉塵状汚物11aのカスが周辺に飛び散るという事態になり、反対に回転速度が遅くなりすぎると、回転板22の上面に掻き残し部を発生させてしまうという事態になる。
【0043】
図1に示すように、粉塵状汚物タンク25の上端には吸引管65が連通され、この吸引管65の吸引口65aは回収位置P1の近傍に配置され、粉塵状汚物タンク25内には吸引ポンプ(図示せず)が備えられている。
この吸引ポンプを駆動させることにより、回収位置P1に集められた粉塵状汚物11aが、吸引管65の吸引口65aから粉塵状汚物タンク25内に吸引収納されるようになる。
【0044】
回転板22の設定温度を150〜200℃に設定することで、回転板22上に点滴状に落下させた汚物11は瞬時に蒸発して乾燥することになるが、燃焼するまでには至らない。
このため、汚物の燃焼時に発生する悪臭を外気中に放出せず、汚物11を乾燥状態の粉塵として回収でき、回収された粉塵状汚物11aは土壌改善剤又は肥料等として再利用される。
【0045】
ついで脱臭管26は、第1配管67を介して蒸発槽20に連通するとともに、第2配管68を介して粉塵状汚物タンク25に連通している。第1配管67の途中にはブロアー69が設けられている。
このブロアー69を駆動させることにより、蒸発槽20内の臭気混じりの蒸気を、第1配管67を経由して、脱臭管26の上端から効率よく脱臭管26内に導くことができる。
【0046】
また、粉塵状汚物タンク25内の臭気は第2配管68を経由して、脱臭管26の上端から効率よく脱臭管26内に導かれる。
脱臭管26は、蒸発槽20内の臭気及び粉塵状汚物タンク25内の臭気を受け入れ、この受け入れた臭気を第一次脱臭できるように構成されている。
【0047】
シャワー供給体30は、濾過水槽27内に循環ポンプ71を配置し、この循環ポンプ71の供給口には供給管72が接続され、供給管72の出口は脱臭管26の上端に開口されている。
【0048】
このため、循環ポンプ71は濾過水29を吸い込み、供給管72を通じて脱臭管26の上部から、その内部に濾過水29をシャワー状に供給できるようになっている。濾過水29をシャワー状に供給することにより、脱臭管26内の臭気を収縮させることができる。
【0049】
脱臭排気管32は、その内部に活性炭33を備え、その上端には排気ブロアー74が備えられ、この排気ブロアー74には排気管75が備えられている。排気ブロアー74を駆動させることにより、脱臭管26で第一次脱臭した臭気は活性炭33を通して第二次脱臭され、無臭状態の排気として排気管75から外気中に放出される。
【0050】
つぎに、汚泥、汚水等の汚物の処理装置10の作用を図9のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ(以下、「ST」と略す)1;原水槽(図示せず)に溜まった汚物11を汚物収納槽12に入れる。搬送部13の汚物搬送ポンプ40を駆動させることにより、汚物収納槽12内の汚物11は搬送管41を介して搬入槽14内に搬入される。
【0051】
一例として、汚物収納槽12から、汚物11を5リットルづつ搬入槽14内に搬入する。その他の例として、汚物収納槽12を使用しないで、原水槽から搬入槽14に直接汚物11を搬入することも可能である。
【0052】
ST2;モーター弁17は、運転開始時には、モーター46を駆動させて、その開閉弁を開にする。一方、運転停止時には、モーター46を駆動させて、その開閉弁を閉にする。
【0053】
ST3;撹拌機15のモーター45を駆動させることにより、回転羽根43,44を回転させる。上回転羽根43の回転で、搬入槽内の上に浮かぶスカムを効率よく降下させることができる。
一方、下回転羽根44の回転で、搬入槽内の下に沈む沈殿物を上方に上昇させることができる。
よって、下に沈む沈殿物と、上に浮かぶスカムとを効率よく均一になるように攪拌混合し、その状態で汚物11を分配器18に導くこととなる。
【0054】
ST4;分配器18のモーター49で回転筒体48が定速回転しており、搬入槽14内の汚物11を所定量づつ搬入槽14から蒸発槽20に排出することができる。
なお、分配器18には送り込み量可変装置が設けられていて、所定量の汚物11を、回転板22の処理速度に応じて、回転板22の上面に点滴状に落下させることができる。
【0055】
ST5;搬入槽14内の汚物11が分配器18により排出されて減少すると、汚物収納槽12から新たな汚物11が搬入槽14内に自動的に再搬入される。
【0056】
ST6;回転板22はインダクションヒーター23のコイルから発せられる電磁波により150〜200℃の所定温度に加熱され、この回転板22の上面に、分配器18から一定量づつの汚物11が点滴状に落下される。
【0057】
ST7;回転板22の上面に落下された汚物11のうち、汚水は一定時間、すなわち、分配器18を経て回転板22の回収位置P1に到達するまでの間に100%蒸発する。
一方、汚物のうち、汚泥も同様に回収位置P1に到達するまでの間に熱乾燥されて粉塵状汚物11aとなり、スクレーパー24で回収位置P1に集められる。
【0058】
ST8;蒸発した臭気混じりの蒸気は、排気ブロアー69を経由して、蒸発槽20内から第1配管67を経て脱臭管26に導かれる。
ST9;一方、スクレーパー24で掻き集められた粉塵状汚物11aは、粉塵状汚物タンク25に吸引回収され、その後廃棄又は再利用される。
【0059】
このように、汚物11を熱乾燥させて粉塵化し、粉塵化した粉塵状汚物11aを粉塵状汚物タンク25内に収納することで、汚物11は容積を減少させた状態で回収できることになり、汚物11の回収費を抑えることができる。
【0060】
ST10;粉塵状汚物タンク25に吸引する臭気も、蒸発槽20内の蒸気と同様に、粉塵状汚物タンク25内から第2配管68を経て脱臭管26に導かれる。
【0061】
ST11;脱臭管26に導かれた蒸気/臭気は、シャワー供給体30により濾過水槽27内の濾過水29を、脱臭管26の上端からシャワー状に吹きかけられて、第一次脱臭と収縮が行われる。
【0062】
ST12;脱臭管26に導かれて蒸気/臭気の脱臭と収縮に使用された濾過水29のシャワー水は、脱臭管26を経由して濾過水槽27内に回収されるので、その再利用が常時可能となる。
【0063】
ST13;濾過水槽27内の濾過水29は基本的に透明、無臭であるが、この濾過水29を処理装置の外部に排出するときは、消毒処理や脱臭処理を施して排出することになる。
【0064】
ST14;脱臭管26で第一次脱臭された排気は、濾過水槽27を経て脱臭排気管32内に導かれ、脱臭排気管32内の活性炭33を通過することで第二次脱臭がなされ、最終的に無臭状態のものとなる。
脱臭排気管32の上端に備えられた排気ブロアー74を経由して、最終的に無臭状態となった排気は排気管75から外気中に放出される。
【0065】
このように、粉塵状汚物タンク25内や蒸発槽20内に存在する臭気を脱臭管26で第一次脱臭し、その後脱臭排気管32内の活性炭33で第二次脱臭し、最終的に無臭状態の排気となって外気中に放出されるので、本発明処理装置は周囲環境に悪臭を流す事態を回避できる。
【0066】
なお、前記実施の形態で説明した処理装置10の用途は、一例として生ゴミ処理機、畜産関係、漁業関係、活性汚泥処理や、牛骨粉の処理に適用することが可能である。
【0067】
具体的には、生ゴミ処理機に適用する場合、汚泥、汚水等の汚物の処理装置10の第一工程の前に粉砕機を設け、この粉砕機に全ての生ゴミを投入し、細かく粉砕した残渣に水を加えて汚物11として当処理装置に投入することで、最終的にはその汚物11の全体量を減少させた水分を含まない粉塵状汚物11aとして回収され、これを堆肥等などとして再利用する。
【0068】
また、畜産関係に適用することで、ブタ、牛、馬等の糞尿の処理をすることができ、糞尿中の病原菌を抹殺でき、病気などによる家畜の死亡率を減少させることができる。
当処理装置に投入することにより、汚物は臭気を出すことなく乾燥収縮した残渣となり、簡単に廃棄できるようになる。
【0069】
また、魚の缶詰工場などでは、日産数十トンもの骨、内臓、血等が廃棄物として出てきても、その汚物11を蒸発させ、残渣の骨類を乾燥させた粉塵状汚物として回収できるので、たい肥などに再利用することが可能となる。
【0070】
また、国内にある大工場等の排水浄化処理装置の中に、たとえ汚泥が残ってしまった場合でも、その汚泥を1/100〜1/1000の量に減少させることができるので、環境汚染及び地下水汚染の防止を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1による汚泥、汚水等の汚物の処理装置によれば、回転板上で汚物を乾燥して粉塵化し、粉塵化された粉塵状汚物をスクレーパーで回転板から回収し、回収された粉塵状汚物を粉塵状汚物タンクに収納することができる。
【0072】
また、粉塵状汚物タンク内や蒸発槽内のそれぞれの臭気を脱臭管で第一次脱臭し、その後脱臭排気管内の活性炭で第二次脱臭し、最終的に無臭状態の排気として外気中に放出することができる。
これにより、本発明の処理装置は周囲環境に悪臭を流すという虞がなく、周囲環境を良好に保つことができる。
【0073】
請求項2は、上回転羽根で汚物を下方に降下させることでスカムの浮遊を防止し、下回転羽根で汚物を上方に上昇させることで、搬入槽の下部に沈殿する汚物を全体的に均一になるよう攪拌混合できる。
【0074】
請求項3は、分配器を構成する回転筒体の外周の対向する部位に第1、第2の取入口を設け、第1取入口に連通する第1収納ポケットと、第2取入口に連通する第2収納ポケットとが回転筒体内に設けられているので、第1、第2の取入口を介して第1、第2の収納ポケットに所定量の汚物を計測して貯留することができ、結果的に搬入槽内の汚物を所定量づつ搬入槽から排出できることとなる。
【0075】
請求項4は、第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成したので、搬入槽内の汚物を第1、第2の収納ポケット内に円滑に導くことができ、第1、第2の収納ポケット内に取り込んだ汚物を第1、第2の取入口から外部に円滑に排出できるようになる。
【0076】
請求項5は、加熱体として回転板を電磁波にて一定温度に加熱するインダクションヒーターを使用することで、他のヒーターと比べて熱効率がよくランニングコストが非常に安くなり、また他のヒーターと比べて無公害となるという利点がある。
【0077】
請求項6は、インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置したので、回転板の熱をインダクションヒーター側に伝えないようにでき、これにより、回転板下方の部材、特にインダクションヒーターのコイルが加熱される事態を回避できる。
【0078】
さらに、インダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したので、インダクションヒーターの下面に冷却用のエアーを送風することができ、これにより、インダクションヒーターのコイルの温度を適正温度に保ち、結果的にインダクションヒーターの寿命を延ばすことができる。
【0079】
請求項7は、回転板の上面にこびりつく汚物を確実に描き落とし、さらに回転軸と一体的に回転する横杆の動きと、自由回転するブラシ体との動きが重なって、回転板の上面には満遍なくブラシ体の金属線が摺接することになり、掻き落とし効果は万全なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置を示す全体概略図である。
【図2】同処理装置の要部を示す断面図である。
【図3】同処理装置の分配器を示す断面図である。
【図4】同処理装置の分配器を示す斜視図である。
【図5】同処理装置の分配器の作用を説明する図である。
【図6】同処理装置の分配器の作用を説明する図である。
【図7】同処理装置のスクレーパー部を示す断面図である。
【図8】同平面図である。
【図9】同処理装置の作用を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10…汚泥、汚水等の汚物の処理装置
11…汚物
11a…粉塵状汚物
12…汚物収納槽
13…搬送部
14…搬入槽
15…撹拌機
16…排出管
17…モーター弁
18…分配器
20…蒸発槽
20a…蒸発槽の底部
20b…蒸発槽の天井部
21…回転搬送部
22…回転板
22a…回転板の外周端
23…加熱体
24…スクレーパー
24a…スクレーパーの回転軸
24b…スクレーパーの横杆
24c…スクレーパーのブラシ体
24d…スクレーパーの金属線
S…回転板の回転中心
L…一定寸法
25…粉塵状汚物タンク
26…脱臭管
27…濾過水槽
28…濾過水槽の上端部
29…濾過水
30…シャワー供給体
32…脱臭排気管
33…活性炭
P1…回収位置
P2…汚物載置位置
65…吸引管
65a…吸引管の吸引口
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥、汚水等の汚物の処理装置に係り、さらに詳しくは、汚泥、汚水等からなる被処理物(以下単に「汚物」という)のうち、汚水については、これを蒸発処理して排気消滅させ、また汚泥については、これを熱乾燥処理して粉塵状汚物とし、この粉塵状汚物を吸引除去手段で装置外に排出するようにし、さらに蒸発処理時に汚水から発生する排気中の臭気及び、汚泥の熱乾燥処理時に粉塵状汚物から発生する臭気を、無臭状態になるように還元処理することで、前述の排気及び粉塵状汚物を無公害化できるようにした汚泥、汚水等の汚物の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ブタ、牛、馬等の家畜を飼育する場合には、この家畜から排泄される糞尿を手際よく回収処理しなければならない。
同様に、魚の缶詰工場などでは、魚の骨、内臓、血等の廃棄物が出てくるが、これらの廃棄物も手際よく回収処理しなければならない。
さらに、浄化処理装置を備えた工場では、その浄化処理装置内に汚泥、汚水等の汚物が滞留してしまうことがあるが、その場合には滞留した汚物を手際よく回収処理しなければならない。
従来は、上記したような回収処理装置はまったく存在していないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のケースにおいて、家畜を飼育する場合にあっては、大量の糞尿の回収量が多くなることで、また魚の缶詰工場などにあっては、魚の骨、内臓、血等の大量の廃棄物の回収量が多くなることから、それらの回収処理にかかる費用がかさむという問題が発生する。
さらに、浄化処理装置を備えた工場にあっては、その浄化処理装置内に滞留した汚泥、汚水を回収処理するために、高額の費用がかかるという問題も発生していた。
【0004】
本発明は、上記の糞尿や、魚の骨、内臓、血等の廃棄物や、浄化処理装置内に滞留する汚物の回収処理費を減少できるようにした汚泥、汚水等の汚物の処理装置を提供するものであり、これにより上述の全ての問題点を解消しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、汚泥、汚水等からなる汚物を貯留する汚物収納槽を設け、この汚物収納槽から汚物を受け入れる搬入槽を設け、この搬入槽内の汚物を撹拌する撹拌機を搬入槽内に取付け、搬入槽内の汚物を所定量づつ排出できる分配器を搬入槽の出口側に設け、この分配器を通過した汚物を受け入れる蒸発槽を分配器の先に設け、この蒸発槽内に回転板を取付け、前記回転板の下方に回転板を加熱する加熱体を設け、回転板の上面側にはスクレーパーを配設し、このスクレーパーの先端付近には粉塵状汚物タンクの吸引口を配設し、前記蒸発槽及び粉塵状汚物タンク内の臭気を受け入れて脱臭する脱臭管を濾過水槽の上面側に設置し、この濾過水槽内の濾過水を前記脱臭管内にシャワー状に供給するシャワー供給体を濾過水槽内に設置し、さらに前記濾過水槽の上面側に、濾過水槽を介して前記脱臭管と連通状態になる脱臭排気管を設置し、この脱臭排気管の内部に活性炭を配置させたことを特徴とする汚泥、汚水等の汚物の処理装置である。
【0006】
上記した本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置では、回転板上で汚物を熱乾燥させて粉塵化し、粉塵化された粉塵状汚物をスクレーパーで回転板上の回収位置に集め、集められた粉塵状汚物は、吸引管の吸引口を経由して粉塵状汚物タンクに吸引収納される。
このため、汚物の残渣は、その容積を縮小させた状態で効率的に粉塵状汚物タンクに回収されることとなる。
【0007】
また、粉塵状汚物タンクや蒸発槽内に存在する臭気は、脱臭管で第一次脱臭され、さらにその先の脱臭排気管内を通過する際、脱臭排気管内の活性炭で第二次脱臭され、これにより無臭状態に還元処理された排気として外気中に放出される。
このため、本発明処理装置は、その周囲環境に悪臭をばら撒くという事態は回避される。
【0008】
請求項2の発明は、前記撹拌機には、搬入槽内部の上部及び下部を攪拌するための回転羽根が備えられていることを特徴とする。
【0009】
撹拌機に備えられた上下の回転羽根の存在により、上回転羽根の回転で前記汚物を搬入槽内の下方に降下させてスカムの浮遊を防止し、下回転羽根の回転で汚物を搬入槽内の上方に上昇させることで、搬入槽の下部に沈殿する汚物を全体的に均一になるよう攪拌混合できる。
【0010】
請求項3の発明は、前記分配器は、前記搬入槽の出口側に設けられ、排出管と直交する状態で回転筒体を回転自在に配設したものであり、この回転筒体には、その外周の対向する部位に第1、第2の取入口が設けられ、この第1取入口の先には第1収納ポケットを設け、第2取入口の先には第2収納ポケットを設けたことを特徴とする。
【0011】
分配器を構成する回転筒体の外周に第1、第2の取入口を設け、その回転筒体内の第1取入口には第1収納ポケットを設け、第2取入口には第2収納ポケットを設けたので、第1、第2の取入口を介して第1、第2の収納ポケットに所定量の汚物を計測して充填できることとなる。
【0012】
請求項4の発明は、前記第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成したことを特徴とする。
【0013】
第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成することで、搬入槽内の汚物を第1、第2の収納ポケット内に円滑に導くことができ、一旦取り込んだ所定量の汚物は分配器の回転動により、第1、第2の収納ポケットから第1、第2の取入口を経由して、蒸発槽方向に排出できることとなる。
【0014】
請求項5の発明は、前記加熱体は、前記回転板を電磁波で一定温度に加熱するインダクションヒーターであることを特徴とする。
【0015】
加熱体として、回転板を電磁波で加熱するインダクションヒーターとした場合には、他のヒーターと比べて熱効率がよく、ランニングコストも非常に安くできる。
【0016】
請求項6の発明は、前記インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置し、インダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したことを特徴とする。
【0017】
インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置することで、回転板の熱がインダクションヒーター側に伝わらなくなり、回転板下方のインダクションヒーターのコイルが加熱される事態は回避できる。
【0018】
さらにインダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したので、インダクションヒーター下面に冷却用のエアーを送風することができ、インダクションヒーターのコイルの温度を適正温度に保てるようになる。
【0019】
請求項7の発明は、前記スクレーパーは、蒸発槽の上部から回転軸を垂下させ、この回転軸は前記回転板の回転中心から偏芯して設置され、回転軸の下端に回転軸と一体的に回転する横杆を取り付け、この横杆の両端付近に、横杆に対して自由回転可能となるブラシ体を取り付け、このブラシ体の下面に前記回転板の上面の汚物を掻き落とすことができる金属線を突設したことを特徴とする。
【0020】
このように構成することにより、回転板の上面にこびりつく汚物を確実に描き落とし、さらに回転軸と一体的に回転する横杆の動きと、自由回転するブラシ体との動きが重なって、回転板の上面は満遍なくブラシ体の金属線が摺接することになり、上記の掻き落とし効果は万全なものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に基づいて、本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置についての、一実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置の全体を示す全体概略図、図2は同処理装置の要部を示す縦断面図、図3は同処理装置の分配器を示す縦断面図、図4は同処理装置の分配器を示す斜視図、図5及び図6は同処理装置の分配器の作用を説明する図、図7は同処理装置のスクレーパー部を示す縦断面図、図8は同平面図、図9は同処理装置の作用を説明するフローチャートである。
【0022】
図1〜図2に示す汚泥、汚水等の汚物の処理装置10は、汚泥、汚水等からなる汚物11を貯留する汚物収納槽12と、この汚物収納槽12内の汚物11を搬入槽14に搬入する搬送部13と、この搬送部13により搬入された汚物を受け入れる搬入槽14と、この搬入槽14内に設けられ、搬入槽14内の汚物11を撹拌する撹拌機15(図2参照)と、搬入槽14の下端部に連通する排出管16と、この排出管16の途中に設けられて、排出管16の流路を開閉するモーター弁17と、このモーター弁17の下流側に設けられて、搬入槽14内の汚物11を、所定量づつ蒸発槽20に排出する分配器18とを備えている。
【0023】
また、本発明の処理装置10には、この分配器18を通過した汚物11を受け入れる蒸発槽20が設けられ、この蒸発槽20内には回転板22が設けられ、この回転板22を回転させて、回転板22の上面に載せた汚物11を回収位置P1まで搬送する回転搬送部21が設けられている。さらに回転板22の下方に設けられ、回転板22を加熱することにより回収位置P1へ向けて搬送中の汚物11を熱乾燥して粉塵化させるための加熱体23と、この粉塵化された粉塵状汚物11aを回転板22上面の回収位置P1に集めるために、その回収位置P1に設けられるスクレーパー24と、このスクレーパー24で回収位置P1に集められた粉塵状汚物11aを、吸引管65の吸引口65aを経由して吸引収納する粉塵状汚物タンク25とが備えられている。
【0024】
本発明の処理装置10には、粉塵状汚物タンク25及び蒸発槽20内の臭気を受け入れ、この受け入れた臭気を脱臭するための脱臭管26が設けられ、この脱臭管26は濾過水槽27の上端部28に設けられ、濾過水槽27の内部には濾過水29が蓄えられている。ついで、この濾過水槽27内の濾過水29を脱臭管26内にシャワー状に供給するシャワー供給体30が濾過水槽27内に設置され、濾過水槽27の上端部28に、濾過水槽27を介して前記脱臭管26と連通状態になる脱臭排気管32が設置されている。この脱臭排気管32の内部には活性炭33が配置されており、脱臭管26で第一次脱臭された臭気を活性炭33の作用で第二次脱臭した後、無臭状態の排気を外気中に放出する。
【0025】
前記搬送部13は、汚物収納槽12内に配置した汚物搬送ポンプ40と、この汚物搬送ポンプ40に接続される搬送管41とから構成され、この搬送管41の下端41aは汚物搬送ポンプ40に連通され、その上端41bは搬入槽14内に開口する状態で配置される。
【0026】
搬入槽14内の撹拌機15は、図2に示すように搬入槽14内に回転軸42を備え、この回転軸42の上下にそれぞれ上下の回転羽根43,44が取り付けられ、また回転軸42の上端にはモーター45が備えられている。
このモーター45を駆動させて回転軸42を回転させることにより、上下の回転羽根43,44が回転軸42と一体的に回転し、その上回転羽根43の回転により、汚物11を搬入槽14内の下方に降下させ、その下回転羽根44の回転により、汚物11を搬入槽14内の上方に上昇させるようにしている。
【0027】
このように、上回転羽根43で汚物11を下方に降下させることで、搬入槽14内でのスカムの浮遊を防止し、下回転羽根44で汚物11を上方に上昇させることで、搬入槽14の下部に沈殿する汚物11を全体的に均一状に攪拌混合できるようになる。
このため、搬入槽14内の汚物11は、満遍なく攪拌混合された状態で、分配器方向へ排出されていく。
【0028】
排出管16は、搬入槽14と蒸発槽20とを連通させている管であり、搬入槽14内の汚物11を蒸発槽20内に案内するための管である。
モーター弁17は、排出管16を開閉する開閉弁(図示せず)を備え、この開閉弁を操作するためのモーター46を備えている。
【0029】
さらに分配器18は、搬入槽14の出口側に設けられるもので、排出管16と直交する状態で回転筒体48(図3参照)が回転自在となるように配設され、この回転筒体48にはモーター49が備えられている。
【0030】
回転筒体48は、図3及び図4に示すように略筒状に形成される部材であり、その中心にはモーター49(図3参照)の駆動軸に連通したシャフト50が差し込まれている。この回転筒体48には、その外周51の対向する部位に第1、第2の取入口52,53が設けられている。
また回転筒体48には、第1取入口52に連通する第1収納ポケット54と、第2取入口53に連通する第2収納ポケット55とが設けられている。
【0031】
このため、図5に示すように、上向きに位置する第1取入口52を介して第1収納ポケット54に矢印のように所定量の汚物11を充填することができ、第1収納ポケット54に汚物11が充填された状態で、常時駆動しているモーター49で回転筒体48を矢印の方向に180度回転させた段階で、第1取入口52は下向きに位置するようになる。
【0032】
図6に示すように第1取入口52が下向きに位置すると、第1収納ポケット54内の汚物11は第1取入口52から自然落下する。このとき、第2取入口53は上向きに位置するので、第2取入口53を介して第2収納ポケット55に矢印のように所定量の汚物11が流れ込む。
【0033】
このように、回転筒体48を連続回転させることにより、搬入槽14内の汚物11は所定量づつ搬入槽14から分配器18に取り出され、その取り出された汚物11は確実に蒸発槽20に排出される。
なお、分配器18には、蒸発槽20内の回転板22の上面に載置された汚物11の処理速度に応じて、汚物11の送り込み量を自由に調節するための送り込み量可変装置が付設されている。
【0034】
ここで、図3及び図4に示すように、第1、第2の取入口52,53の汚物導入路をテーパー部52a,53aに形成しておくと、搬入槽14内の汚物11を、第1、第2の収納ポケット54,55内に円滑に導くことができ、また第1、第2の収納ポケット54,55内の汚物11を第1、第2の取入口52,53から外部に円滑に排出できるようになる。
【0035】
回転搬送部21は、図7に示すように、蒸発槽20の底部20aに回転板22を水平状態で回転自在に配置し、この回転板22の中央に下方に延びる回転軸57を取り付けたものであり、この回転軸57には減速機59の出力軸60がカップリング58を介して同軸上に連結されており、減速機59の入力軸(図示せず)は駆動モーター62に連結されている。
【0036】
回転板22は、150〜200℃程度の高温に加熱された状態で矢印の方向に定速回転するもので,図1に示す分配器18から、回転板22上面の載置位置P2に汚物11を点滴状に落下させ、その汚物11は短時間で蒸発処理又は熱乾燥処理される。
【0037】
本発明における加熱体23は、基本的にはプロパンガスによる燃焼体等、どのような構成のものであってもかまわないが、電磁波にて回転板22を一定温度(150〜200℃程度)に加熱するインダクションヒーター23であると好ましい結果が得られる。
インダクションヒーター23を採用すると、回転板22が電磁波で加熱されるので、他のヒーターと比べて熱効率がよくランニングコストが非常に安くなり、また無公害であるという利点もある。
【0038】
さらに本発明は、インダクションヒーター23の上方に通電可能な断熱材64を配置し、インダクションヒーター23の下方には送風用の空間65を確保している。
インダクションヒーター23の上方に、通電可能な断熱材64を配置すると、回転板22の熱をインダクションヒーター23側に伝えないようにできる。
これにより、回転板22の下方の部材、特にコイルが加熱される事態は回避できる。
【0039】
一方、インダクションヒーター23の下方には送風用の空間65を確保しているので、インダクションヒーター23の下面に冷却用のエアーを送風でき、これによりインダクションヒーター23のコイルの温度を適正温度に保つことができ、結果的にインダクションヒーター23の寿命を延ばせるようにしている。
【0040】
スクレーパー24は、図7に示すように回転板22の上面の汚物11の回収位置P1に配置したもので、どのような構成のもの、例えば回転板22の回転により回収位置P1に到達した粉塵状汚物11aをせき止める棒状部材のようなものであっても構わないが、図7及び図8に示す構成のものを採用すると,非常に効果的なものとなる。
【0041】
すなわち、蒸発槽20の上部から回転軸24aを垂下させ、この回転軸24aを、回転板22の回転中心Sから一定寸法Lだけ偏芯して設置し、回転軸24aの下端に回転軸24aと一体的に回転する横杆24bを取り付け、この横杆24bの両端付近に、横杆に対して自由回転可能となるブラシ体24cを取り付け、このブラシ体24cの下面に前記回転板22の上面に付着する粉塵状汚物を掻き落とすことができる金属線24dを突設する。
なお、図示の実施例のものは回転軸24aの上端を、蒸発槽20の天井部20bに取り付けた例を示している。
【0042】
上記のようなスクレーパー24を用意し、回転軸の回転を15回転/分程度で回転させ、針金状の金属線24dの先端を回転板22の上面に摺接させると、粉塵状汚物11aの掻き落とし効果は大変優れたものとなった。なお回転軸の回転速度が速くなりすぎると、粉塵状汚物11aのカスが周辺に飛び散るという事態になり、反対に回転速度が遅くなりすぎると、回転板22の上面に掻き残し部を発生させてしまうという事態になる。
【0043】
図1に示すように、粉塵状汚物タンク25の上端には吸引管65が連通され、この吸引管65の吸引口65aは回収位置P1の近傍に配置され、粉塵状汚物タンク25内には吸引ポンプ(図示せず)が備えられている。
この吸引ポンプを駆動させることにより、回収位置P1に集められた粉塵状汚物11aが、吸引管65の吸引口65aから粉塵状汚物タンク25内に吸引収納されるようになる。
【0044】
回転板22の設定温度を150〜200℃に設定することで、回転板22上に点滴状に落下させた汚物11は瞬時に蒸発して乾燥することになるが、燃焼するまでには至らない。
このため、汚物の燃焼時に発生する悪臭を外気中に放出せず、汚物11を乾燥状態の粉塵として回収でき、回収された粉塵状汚物11aは土壌改善剤又は肥料等として再利用される。
【0045】
ついで脱臭管26は、第1配管67を介して蒸発槽20に連通するとともに、第2配管68を介して粉塵状汚物タンク25に連通している。第1配管67の途中にはブロアー69が設けられている。
このブロアー69を駆動させることにより、蒸発槽20内の臭気混じりの蒸気を、第1配管67を経由して、脱臭管26の上端から効率よく脱臭管26内に導くことができる。
【0046】
また、粉塵状汚物タンク25内の臭気は第2配管68を経由して、脱臭管26の上端から効率よく脱臭管26内に導かれる。
脱臭管26は、蒸発槽20内の臭気及び粉塵状汚物タンク25内の臭気を受け入れ、この受け入れた臭気を第一次脱臭できるように構成されている。
【0047】
シャワー供給体30は、濾過水槽27内に循環ポンプ71を配置し、この循環ポンプ71の供給口には供給管72が接続され、供給管72の出口は脱臭管26の上端に開口されている。
【0048】
このため、循環ポンプ71は濾過水29を吸い込み、供給管72を通じて脱臭管26の上部から、その内部に濾過水29をシャワー状に供給できるようになっている。濾過水29をシャワー状に供給することにより、脱臭管26内の臭気を収縮させることができる。
【0049】
脱臭排気管32は、その内部に活性炭33を備え、その上端には排気ブロアー74が備えられ、この排気ブロアー74には排気管75が備えられている。排気ブロアー74を駆動させることにより、脱臭管26で第一次脱臭した臭気は活性炭33を通して第二次脱臭され、無臭状態の排気として排気管75から外気中に放出される。
【0050】
つぎに、汚泥、汚水等の汚物の処理装置10の作用を図9のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ(以下、「ST」と略す)1;原水槽(図示せず)に溜まった汚物11を汚物収納槽12に入れる。搬送部13の汚物搬送ポンプ40を駆動させることにより、汚物収納槽12内の汚物11は搬送管41を介して搬入槽14内に搬入される。
【0051】
一例として、汚物収納槽12から、汚物11を5リットルづつ搬入槽14内に搬入する。その他の例として、汚物収納槽12を使用しないで、原水槽から搬入槽14に直接汚物11を搬入することも可能である。
【0052】
ST2;モーター弁17は、運転開始時には、モーター46を駆動させて、その開閉弁を開にする。一方、運転停止時には、モーター46を駆動させて、その開閉弁を閉にする。
【0053】
ST3;撹拌機15のモーター45を駆動させることにより、回転羽根43,44を回転させる。上回転羽根43の回転で、搬入槽内の上に浮かぶスカムを効率よく降下させることができる。
一方、下回転羽根44の回転で、搬入槽内の下に沈む沈殿物を上方に上昇させることができる。
よって、下に沈む沈殿物と、上に浮かぶスカムとを効率よく均一になるように攪拌混合し、その状態で汚物11を分配器18に導くこととなる。
【0054】
ST4;分配器18のモーター49で回転筒体48が定速回転しており、搬入槽14内の汚物11を所定量づつ搬入槽14から蒸発槽20に排出することができる。
なお、分配器18には送り込み量可変装置が設けられていて、所定量の汚物11を、回転板22の処理速度に応じて、回転板22の上面に点滴状に落下させることができる。
【0055】
ST5;搬入槽14内の汚物11が分配器18により排出されて減少すると、汚物収納槽12から新たな汚物11が搬入槽14内に自動的に再搬入される。
【0056】
ST6;回転板22はインダクションヒーター23のコイルから発せられる電磁波により150〜200℃の所定温度に加熱され、この回転板22の上面に、分配器18から一定量づつの汚物11が点滴状に落下される。
【0057】
ST7;回転板22の上面に落下された汚物11のうち、汚水は一定時間、すなわち、分配器18を経て回転板22の回収位置P1に到達するまでの間に100%蒸発する。
一方、汚物のうち、汚泥も同様に回収位置P1に到達するまでの間に熱乾燥されて粉塵状汚物11aとなり、スクレーパー24で回収位置P1に集められる。
【0058】
ST8;蒸発した臭気混じりの蒸気は、排気ブロアー69を経由して、蒸発槽20内から第1配管67を経て脱臭管26に導かれる。
ST9;一方、スクレーパー24で掻き集められた粉塵状汚物11aは、粉塵状汚物タンク25に吸引回収され、その後廃棄又は再利用される。
【0059】
このように、汚物11を熱乾燥させて粉塵化し、粉塵化した粉塵状汚物11aを粉塵状汚物タンク25内に収納することで、汚物11は容積を減少させた状態で回収できることになり、汚物11の回収費を抑えることができる。
【0060】
ST10;粉塵状汚物タンク25に吸引する臭気も、蒸発槽20内の蒸気と同様に、粉塵状汚物タンク25内から第2配管68を経て脱臭管26に導かれる。
【0061】
ST11;脱臭管26に導かれた蒸気/臭気は、シャワー供給体30により濾過水槽27内の濾過水29を、脱臭管26の上端からシャワー状に吹きかけられて、第一次脱臭と収縮が行われる。
【0062】
ST12;脱臭管26に導かれて蒸気/臭気の脱臭と収縮に使用された濾過水29のシャワー水は、脱臭管26を経由して濾過水槽27内に回収されるので、その再利用が常時可能となる。
【0063】
ST13;濾過水槽27内の濾過水29は基本的に透明、無臭であるが、この濾過水29を処理装置の外部に排出するときは、消毒処理や脱臭処理を施して排出することになる。
【0064】
ST14;脱臭管26で第一次脱臭された排気は、濾過水槽27を経て脱臭排気管32内に導かれ、脱臭排気管32内の活性炭33を通過することで第二次脱臭がなされ、最終的に無臭状態のものとなる。
脱臭排気管32の上端に備えられた排気ブロアー74を経由して、最終的に無臭状態となった排気は排気管75から外気中に放出される。
【0065】
このように、粉塵状汚物タンク25内や蒸発槽20内に存在する臭気を脱臭管26で第一次脱臭し、その後脱臭排気管32内の活性炭33で第二次脱臭し、最終的に無臭状態の排気となって外気中に放出されるので、本発明処理装置は周囲環境に悪臭を流す事態を回避できる。
【0066】
なお、前記実施の形態で説明した処理装置10の用途は、一例として生ゴミ処理機、畜産関係、漁業関係、活性汚泥処理や、牛骨粉の処理に適用することが可能である。
【0067】
具体的には、生ゴミ処理機に適用する場合、汚泥、汚水等の汚物の処理装置10の第一工程の前に粉砕機を設け、この粉砕機に全ての生ゴミを投入し、細かく粉砕した残渣に水を加えて汚物11として当処理装置に投入することで、最終的にはその汚物11の全体量を減少させた水分を含まない粉塵状汚物11aとして回収され、これを堆肥等などとして再利用する。
【0068】
また、畜産関係に適用することで、ブタ、牛、馬等の糞尿の処理をすることができ、糞尿中の病原菌を抹殺でき、病気などによる家畜の死亡率を減少させることができる。
当処理装置に投入することにより、汚物は臭気を出すことなく乾燥収縮した残渣となり、簡単に廃棄できるようになる。
【0069】
また、魚の缶詰工場などでは、日産数十トンもの骨、内臓、血等が廃棄物として出てきても、その汚物11を蒸発させ、残渣の骨類を乾燥させた粉塵状汚物として回収できるので、たい肥などに再利用することが可能となる。
【0070】
また、国内にある大工場等の排水浄化処理装置の中に、たとえ汚泥が残ってしまった場合でも、その汚泥を1/100〜1/1000の量に減少させることができるので、環境汚染及び地下水汚染の防止を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1による汚泥、汚水等の汚物の処理装置によれば、回転板上で汚物を乾燥して粉塵化し、粉塵化された粉塵状汚物をスクレーパーで回転板から回収し、回収された粉塵状汚物を粉塵状汚物タンクに収納することができる。
【0072】
また、粉塵状汚物タンク内や蒸発槽内のそれぞれの臭気を脱臭管で第一次脱臭し、その後脱臭排気管内の活性炭で第二次脱臭し、最終的に無臭状態の排気として外気中に放出することができる。
これにより、本発明の処理装置は周囲環境に悪臭を流すという虞がなく、周囲環境を良好に保つことができる。
【0073】
請求項2は、上回転羽根で汚物を下方に降下させることでスカムの浮遊を防止し、下回転羽根で汚物を上方に上昇させることで、搬入槽の下部に沈殿する汚物を全体的に均一になるよう攪拌混合できる。
【0074】
請求項3は、分配器を構成する回転筒体の外周の対向する部位に第1、第2の取入口を設け、第1取入口に連通する第1収納ポケットと、第2取入口に連通する第2収納ポケットとが回転筒体内に設けられているので、第1、第2の取入口を介して第1、第2の収納ポケットに所定量の汚物を計測して貯留することができ、結果的に搬入槽内の汚物を所定量づつ搬入槽から排出できることとなる。
【0075】
請求項4は、第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成したので、搬入槽内の汚物を第1、第2の収納ポケット内に円滑に導くことができ、第1、第2の収納ポケット内に取り込んだ汚物を第1、第2の取入口から外部に円滑に排出できるようになる。
【0076】
請求項5は、加熱体として回転板を電磁波にて一定温度に加熱するインダクションヒーターを使用することで、他のヒーターと比べて熱効率がよくランニングコストが非常に安くなり、また他のヒーターと比べて無公害となるという利点がある。
【0077】
請求項6は、インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置したので、回転板の熱をインダクションヒーター側に伝えないようにでき、これにより、回転板下方の部材、特にインダクションヒーターのコイルが加熱される事態を回避できる。
【0078】
さらに、インダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したので、インダクションヒーターの下面に冷却用のエアーを送風することができ、これにより、インダクションヒーターのコイルの温度を適正温度に保ち、結果的にインダクションヒーターの寿命を延ばすことができる。
【0079】
請求項7は、回転板の上面にこびりつく汚物を確実に描き落とし、さらに回転軸と一体的に回転する横杆の動きと、自由回転するブラシ体との動きが重なって、回転板の上面には満遍なくブラシ体の金属線が摺接することになり、掻き落とし効果は万全なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚泥、汚水等の汚物の処理装置を示す全体概略図である。
【図2】同処理装置の要部を示す断面図である。
【図3】同処理装置の分配器を示す断面図である。
【図4】同処理装置の分配器を示す斜視図である。
【図5】同処理装置の分配器の作用を説明する図である。
【図6】同処理装置の分配器の作用を説明する図である。
【図7】同処理装置のスクレーパー部を示す断面図である。
【図8】同平面図である。
【図9】同処理装置の作用を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10…汚泥、汚水等の汚物の処理装置
11…汚物
11a…粉塵状汚物
12…汚物収納槽
13…搬送部
14…搬入槽
15…撹拌機
16…排出管
17…モーター弁
18…分配器
20…蒸発槽
20a…蒸発槽の底部
20b…蒸発槽の天井部
21…回転搬送部
22…回転板
22a…回転板の外周端
23…加熱体
24…スクレーパー
24a…スクレーパーの回転軸
24b…スクレーパーの横杆
24c…スクレーパーのブラシ体
24d…スクレーパーの金属線
S…回転板の回転中心
L…一定寸法
25…粉塵状汚物タンク
26…脱臭管
27…濾過水槽
28…濾過水槽の上端部
29…濾過水
30…シャワー供給体
32…脱臭排気管
33…活性炭
P1…回収位置
P2…汚物載置位置
65…吸引管
65a…吸引管の吸引口
Claims (7)
- 汚泥、汚水等からなる汚物を貯留する汚物収納槽を設け、この汚物収納槽から汚物を受け入れる搬入槽を設け、この搬入槽内の汚物を撹拌する撹拌機を搬入槽内に取付け、搬入槽内の汚物を所定量づつ排出できる分配器を搬入槽の出口側に設け、この分配器を通過した汚物を受け入れる蒸発槽を分配器の先に設け、この蒸発槽内に回転板を取付け、前記回転板の下方に回転板を加熱する加熱体を設け、回転板の上面側にはスクレーパーを配設し、このスクレーパーの先端付近には粉塵状汚物タンクの吸引口を配設し、前記蒸発槽及び粉塵状汚物タンク内の臭気を受け入れて脱臭する脱臭管を濾過水槽の上面側に設置し、この濾過水槽内の濾過水を前記脱臭管内にシャワー状に供給するシャワー供給体を濾過水槽内に設置し、さらに前記濾過水槽の上面側に、濾過水槽を介して前記脱臭管と連通状態になる脱臭排気管を設置し、この脱臭排気管の内部に活性炭を配置させたことを特徴とする汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
- 前記撹拌機には、搬入槽内部の上部及び下部を攪拌するための回転羽根が備えられていることを特徴とする請求項1記載の汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
- 前記分配器は、前記搬入槽の出口側に設けられ、排出管と直交する状態で回転筒体を回転自在に配設したものであり、この回転筒体には、その外周の対向する部位に第1、第2の取入口が設けられ、この第1取入口の先には第1収納ポケットを設け、第2取入口の先には第2収納ポケットを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
- 前記第1、第2の取入口の汚物導入路をテーパー部に形成したことを特徴とする請求項3記載の汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
- 前記加熱体は、前記回転板を電磁波で一定温度に加熱するインダクションヒーターであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
- 前記インダクションヒーターの上方に通電可能な断熱材を配置し、インダクションヒーターの下方には送風用の空間を確保したことを特徴とする請求項5記載の汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
- 前記スクレーパーは、蒸発槽の上部から回転軸を垂下させ、この回転軸は前記回転板の回転中心から偏芯して設置され、回転軸の下端に回転軸と一体的に回転する横杆を取り付け、この横杆の両端付近に、横杆に対して自由回転可能となるブラシ体を取り付け、このブラシ体の下面に前記回転板の上面の粉塵状汚物を掻き落とすことができる金属線を突設したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の汚泥、汚水等の汚物の処理装置。
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