JP2004167371A - 濾過装置及び濾材洗浄方法 - Google Patents

濾過装置及び濾材洗浄方法 Download PDF

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Yosuke Yamada
要輔 山田
Hiroyuki Haga
裕之 芳賀
Nobuaki Hiranaka
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Abstract

【課題】凝集剤を使用することなく、高濃度濁水を濾過処理する。
【解決手段】濾過装置1は、繊維塊濾材12により濾過をする第1濾過部10と、浮上粒状濾材22により濾過をする第2濾過部20により構成されている。高濃度(SS濃度が例えば2000mg/L)の濁水W1は、第1濾過部10の濾過塔11内を上向流となって流れ、この流れにより繊維塊濾材12が圧縮されて濾層となり、濁水W1の濾過が行なわれて土壌粒子が粗濾過された(SS濃度が例えば500mg/Lとなった)粗濾過水W2となる。粗濾過水W2は、第2濾過部20の濾過塔21内を上向流となって流れ、この流れにより浮上粒状濾材22が浮上して濾層となり、粗濾過水W2の濾過が行なわれて、土壌粒子が殆ど除去された(例えばSS濃度が10mg/L以下となった)清澄水W3となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は濁水を濾過処理するのに適した濾過装置及び濾材洗浄方法に関するものである。さらに詳述すると、本発明の濾過装置は、特に土が大量に混濁した高濃度の濁水を、長時間に亘り大量に精度良く、しかも、凝集剤を使用することなく濾過処理をすることができるように工夫した、高精度でコンパクトな濾過装置である。
【0002】
【従来の技術】
河川等または河川等の近くで土木工事等をすると、土が混濁した濁水が大量に発生することがある。このような濁水が河川に流れ込むと、河川の生態系に影響を及ぼしたり、河川の汚濁により上下水道用原水の水質低下を引き起こしたりする。また、このような濁水が海に流れ出ると海の環境を汚染してしまう。
【0003】
例えば沖縄県では、土木工事やダム工事により、赤土が混濁した濁水(赤水)が大量に発生してこの濁水が流出し、赤土により、海が汚染され、海の珊瑚や養殖域に被害がでたことがあった。このため、土木工事やダム工事をする際には、土(赤土)流出防止対策が義務づけられている。
このような濁水は混入した土の濃度が高く、SS(suspendid solids: 浮遊物質)濃度でいうと、2000〜5000mg/L(リットル)程度となっている高濃度の濁水である。
【0004】
土が混濁した高濃度の濁水を浄化処理するためには、濁水に無機凝集剤及び高分子凝集剤を投入して土壌粒子を凝集させ沈殿装置により土壌粒子を沈殿させてから、河川等に放流している。無機凝集剤としては、一般的には、硫酸アルミニウムA1(SOやポリ塩化アルミニウムA1(OH)C16−n 等が使用されている。高分子凝集剤としてはポリマーのアクリルアミド等が使用されている。なお、無機凝集剤は水中の混濁物質を凝集し微小のフロックを生成させ、高分子凝集剤はそれを更に大きなフロックに形成させる機能を有している。また、高分子凝集剤の投入量は、無機凝集剤の投入量に比べて微量である。
【0005】
上述した無機凝集剤(A1(SO,A1(OH)C16−n )は直ちに毒性を有するものではないが、環境への負荷となる恐れがある。このため、沖縄では上述した一般的な無機凝集剤ではなく、珊瑚等にとって無害な無機凝集剤を使用することが推奨されている。このような珊瑚等にとって無害な無機凝集剤は、例えば貝化石やプランクトンの化石を粉末にしたものを主要材料としている。
【0006】
一方、高分子凝集剤(ポリマーのアクリルアミド)には、毒性を有するモノマーのアクリルアミド等が残留していることがある。モノマーのアクリルアミドの殆どは、沈殿物質(土壌粒子)中に混入していくが、その一部が放流水中に含まれてしまうことがある。そうすると、微量ではあるが毒性を有するモノマーのアクリルアミドにより、河川等を汚染してしまうという問題がある。
【0007】
また例えば、JRの新幹線用のトンネル工事では、水源の水質保全の観点から高分子凝集剤が使えないため、濁水に無機凝集剤を添加して土壌粒子を凝集させ、更に、砂濾過装置により濾過してから放流している。この砂濾過装置では、砂,小石等の濾材で濾層を形成している。
しかし、砂濾過装置における濾過流速(水が濾層を層厚方向に透過していく速度)は約5m/hour と遅いため、大量の濁水を濾過処理するためには、大型で多数の砂濾過装置を必要としていた。また、高濃度の(SS濃度が2000〜5000mg/Lの)濁水に無機凝集剤を添加することなく砂濾過装置に通すと、短時間で目詰まりが生じてしまうので、高濃度の濁水を浄化処理するためには、無機凝集剤を添加するのが必須であった。つまり、無機凝集剤を添加することなく砂濾過装置で濾過処理できる水の濁度は、数十mg/L(リットル)程度である。
【0008】
なお、特殊な濾過技術としては、繊維濾材を使用した濾過装置(例えば特許文献1:特開平6−182115号公報)や、粒状浮上濾材を使用した濾過装置(例えば特許文献2:特公平2−22682号公報)が存在している。しかし、このような繊維濾材を使用した従来の濾過装置では、その濾過対象とする水のSS濃度は、数十mg/L(リットル)程度であり、また、浮上濾材を使用した従来の濾過装置では、その濾過対象とする水のSS濃度は、数mg/L(リットル)程度であるのが現状である。
【0009】
したがって、SS濃度が2000〜5000mg/Lと、桁違いに高濃度な濁水は、通常では沈殿装置でないと浄化処理できないと常識的に考えられていた。したがって、このように桁違いに高濃度な濁水を、繊維濾材や粒状浮上濾材を用いて濾過するという発想自体がまったく出てこなかった。つまり、繊維濾材や粒状浮上濾材を用いて濁水を濾過した場合には、短時間(数秒〜数分程度)で濾材が閉塞してしまい、頻繁に濾材洗浄をしなければならず、実質的に濾過処理ができないと考えられていた。事実、繊維濾材や粒状浮上濾材を用いて高濃度の濁水を濾過するという現実的な提案は殆どない。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−182115号公報
【特許文献2】
特公平2−22682号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術では、SS濃度が2000〜5000mg/Lと、桁違いに高濃度な濁水を浄化処理するために、必ず凝集剤(及び必要に応じて高分子凝集剤)を使用していた。この凝集剤は、工事現場にまで搬送しなければならず、搬送の手間や搬送費用がかかっていた。しかも環境に悪影響を与える恐れがある。
【0012】
また、凝集剤を使用するため、その費用がかさんでいた。例えば、沖縄の1箇所のダム現場から発生する濁水(赤水)100T/hourを浄化処理するためには、凝集剤の費用として月間120万円程度かかる。
更に、凝集沈殿して分離した汚泥・残度は、凝集剤が含まれているため、産業廃棄物であり、その処理費用がかかっている。
【0013】
更に、従来技術では、大型の沈殿装置や砂濾過装置が必要であった。これは、沈殿装置や砂濾過装置における浄化(濾過)処理速度が遅いため、どうしても装置が大型になっていたからである。このように、大型の沈殿装置や砂濾過装置を使用するために、広い設置場所が必要であると共に、装置費用がかさんでいた。
【0014】
本発明は上記従来技術に鑑み、高濃度な濁水であっても、長時間に亘り精度良く大量に、しかも凝集剤を全く使用することなく(凝集剤のための費用が不要で)濾過処理をすることができ、且つ、分離した泥土・残土をそのまま土壌に還元することができる、コンパクトな濾過装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の濾過装置の構成は、濾過塔内に多数の繊維塊濾材を充填して形成されており、前記繊維塊濾材による濾層に汚れた水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第1濾過部と、
濾過塔内に充填した多数の浮上粒状濾材を充填して形成されており、前記浮上粒状濾材による濾層に第1濾過部にて濾過された水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第2濾過部とを有することを特徴とする。
【0016】
また本発明の濾過装置の構成は、濾過塔内に多数の繊維塊濾材を充填して形成されており、汚れた水を下方から上方に向かって流通させる水圧により前記繊維塊濾材を圧縮して濾層が形成され、このようにして形成された濾層に汚れた水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第1濾過部と、
濾過塔内に充填した多数の浮上粒状濾材を充填して形成されており、第1濾過部にて濾過された水が供給されることにより前記浮上粒状濾材が浮上して濾層が形成され、このようにして形成された濾層に第1濾過部にて濾過された水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第2濾過部とを有することを特徴とする。
【0017】
また本発明の濾過装置の構成は、第1濾過部の濾過塔内には、充填された繊維塊濾材よりも下方位置に、上下方向に移動自在に押上部材が配置されており、
汚れた水は前記押上部材よりも下方位置から第1濾過部の濾過塔内に供給されることを特徴とする。
【0018】
また本発明の濾過装置の構成は、濁水を濾過する第1濾過部と、この第1濾過部により濾過された粗濾過水が連結管を介して供給されてくる第2濾過部とを有しており、
第1濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に濁水が供給される第1の濾過塔と、この第1の濾過塔内に充填される多数の繊維塊濾材と、この繊維塊濾材による濾層を流通してきた粗濾過水を外部に取り出す第1の濾過水取出機構とを有しており、
第2濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に粗濾過水が供給される第2の濾過塔と、この第2の濾過塔内に充填される多数の浮上粒状濾材と、この浮上粒状濾材による濾層を流通してきた濾過水を外部に取り出す第2の濾過水取出機構とを有していることを特徴とする。
【0019】
また本発明の濾過装置の構成は、濁水を濾過する第1濾過部と、この第1濾過部により濾過された粗濾過水が連結管を介して供給されてくる第2濾過部とを有しており、
第1濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に濁水が供給される第1の濾過塔と、この第1の濾過塔内に充填される多数の繊維塊濾材と、この繊維塊濾材による濾層を流通してきた粗濾過水を外部に取り出す第1の濾過水取出機構とを有しており、
第2濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に粗濾過水が供給される第2の濾過塔と、この第2の濾過塔内に充填される多数の浮上粒状濾材と、この浮上粒状濾材による濾層を流通してきた濾過水を外部に取り出す第2の濾過水取出機構とを有しており、
更に、前記連結管には、濾過処理の際には開とされ繊維塊濾材を洗浄する際には閉とされるバルブが介装されるとともに、
第1の濾過塔の上部空間には、濾過処理の際には閉とされ繊維塊濾材を洗浄する際には開とされるバルブが介装された洗浄管が連結されていることを特徴とする。
【0020】
また本発明の濾過装置の構成は、
前記繊維塊濾材は、直径が30〜50mmであり空隙率が80%以上となっており、前記浮上粒状濾材は平均粒径が0.1〜0.6mmとなっていたり、
前記繊維塊濾材は結束繊維球状濾材であり、前記浮上粒状濾材は比重が1よりも小さい樹脂原料を粉砕して微細粒化した樹脂の粉砕粒であったり、
前記繊維塊濾材の圧縮前の充填高さは1m〜3mであり、濾過処理をするときには、前記繊維塊濾材による濾層の厚さは、水を下方から上方に向かって流通させる水圧により、圧縮前の厚さの2/3にまで圧縮されたり、
第1濾過部の濾層を流れる水の流速を40〜100m/hourとし、第2濾過部の濾層を流れる水の流速を20〜50m/hourとするように、第1濾過部及び第2濾過部に流通する水の水圧を調整していることを特徴とする。
【0021】
また本発明の濾過装置の濾材洗浄方法は、上記の濾過装置において、前記繊維塊濾材による濾層に懸濁物質が多量に付着したときには、第1濾過部の濾過塔内を下方から上方に向かって流す水の流速を、濾過処理時の流速の2〜5倍の速さにすることにより、濾材に付着した懸濁物質を剥離させることを特徴とする。
【0022】
また本発明の濾過装置の濾材洗浄方法は、上記の濾過装置において、前記浮上粒状濾材による濾層に懸濁物質が多量に付着したときには、第2濾過部の濾過塔の周面から濾過塔の内部に向かって周方向に沿って水を吐出させて旋回流を生じさせ、濾材を洗浄することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
<本発明の実施の形態にかかる濾過装置の全体説明>
図1は本発明の実施の形態に係る濾過装置1を示す。初めに、この濾過装置1の概要構成と濾過性能を説明しておく。
【0025】
この濾過装置1は、第1濾過部10と、第2濾過部20を主要部材として構成されている。
第1濾過部10は、濾過塔11の内部に多数の独立した繊維塊濾材12を充填して構成されており、濁水W1を下方から上方に向かって繊維塊濾材12中に流すことにより粗濾過をするものである。
第2濾過部20は、濾過塔21の内部に多数の浮上粒状濾材22を充填して構成されており、第1濾過部10にて粗濾過された粗濾過水W2を下方から上方に向かって浮上粒状濾材22中に流すことによって精密な濾過をするものである。
【0026】
この濾過装置1では、例えば濁水W1のSS濃度が2000mg/Lであった場合には、第1濾過部10により濾過することにより、粗濾過水W2のSS濃度を500mg/L程度にまで濾過処理することができる。
更に、粗濾過水W2を、第2濾過部20により濾過することにより、この第2濾過部20から取り出される清澄水W3のSS濃度を10mg/L以下(例えば5〜6mg/L)にまで濾過処理をすることができる。
つまり、土が混入して濁った高濃度の濁水W1を、透明な清澄水W3にまで濾過して放流することができる。しかも、無機凝集剤及び高分子凝集剤は全く使用する必要がない。
【0027】
<第1濾過部の構成>
次に、各部分の詳細を説明する。
第1濾過部10の濾過塔11は円筒状をなしており、その軸方向が上下方向に沿う状態で設置(取付、配置)される。この濾過塔11は、本実施例では、その上面は閉塞され、下面は下方に向かうに従いその横断面積が狭まるような円錐形状面(漏斗状の面)になっている。
【0028】
濾過塔11の内部空間のうち上面側には、濾材用ネット13が張り渡されている。また、濾過塔11の内部空間には、円板状の押上部材14が上下方向に移動自在に配置されている。ただし、押上部材14は、濾過塔11の内周面に配置したストッパ15により、このストッパ15よりも下方への移動が規制される。更に、濾過塔11の内部空間のうち、濾材用ネット13と押上部材14との間には、多数の繊維塊濾材12が充填されている。なお、濾材用ネット13の網目径は、繊維塊濾材12の径よりも小さくなっており、繊維塊濾材12が濾材用ネット13を通過していくことはない。また、濾材用ネット13の代わりにパンチングメタル(多孔板)を用いることもある。
【0029】
各繊維塊濾材12は、ポリプロピレンやポリ塩化ビニリデンやポリエステル等の細い多数本の捲縮加工糸を束ね、束ねた糸のほぼ中央部を絞るようにして結束部材で結束し、結束部材が内部中央に埋没するように各糸を結束部材の部分から放射状に伸ばして全体を球状に形成した結束繊維球状濾材であり、その空隙率は93%程度である。しかも、本実施の形態では、直径が30〜50mmとなっている繊維塊濾材(結束繊維球状濾材)12を採用した。このような構造・寸法の繊維塊濾材(結束繊維球状濾材)12を採用したのは、高濃度の濁水W1を、圧力損失が小さい状態で長時間に亘り精度よく濾過処理することができることを考慮して決定したものである。その濾過性能は、濾過性能特性データと共に後述する。
【0030】
なお、繊維塊濾材12は、後述するように、押上部材14により押し上げられて圧縮されるが、圧縮前では、濾過塔11の内部に充填した多数の繊維塊濾材12の充填高さ(濾層の厚さ)は、1m〜3mとなるようにする。
【0031】
押上部材14は、図2(a)の断面図及び図2(b)の平面図に示すように、発泡スチロール等で形成したリング状のフロート14aと、円板14bとを連結したものであり、円板14bには多数の通水孔14cが穿孔されている。フロート14aの主目的は、濾過塔11内に水が供給されたときに、フロート14aに生じる浮力により押上部材14が水平になるように保持するものである。これにより、押上部材14により均等に繊維塊濾材12を圧縮することができる。なお、押上部材14としては、円板14bの厚さをある程度厚くしておけば、フロート14aがなくてもよい。
【0032】
濾過塔11の内部空間の下方部分に水(濁水W1)が供給されると、押上部材14は供給された濁水W1の水流(水圧)により上方に押し上げられて、多数の繊維塊濾材12を均等に押し付ける。この押し付けにより、多数の繊維塊濾材12による濾層の厚さは、押し付け前の厚さの約2/3にまで圧縮される。
つまり、多数の繊維塊濾材12による濾層の厚さが、押し付け前の厚さの約2/3となるような押し付け力が得られるように、供給水圧や通水孔14cの数・面積を設計している。
【0033】
濾過塔11のうち、ストッパ15よりも下方部分には、供給ポンプP1が介装された供給管16が連結され、濾過塔11の底部には、バルブV1が介装されたドレン管17が接続されている。また、濾過塔11のうち、濾材用ネット13よりも上方部分には、バルブV2が介装された洗浄管18と、バルブV3が介装された連結管19が連結されている。
【0034】
<第1濾過部での濾過動作>
上述した構成となっている第1濾過部10において、バルブV1,V2を閉じ、バルブV3を開いた状態で、供給ポンプP1を駆動して供給管16を通して濁水W1を濾過塔11の下部空間に供給すると、濁水W1は濾過塔11の内部空間を下方から上方に向かって流れ、濾過塔11内に満たされる。また、濁水W1が下方から上方に向かう上向流による水圧により、押上部材14は上方に押し上げられ、この押上部材14により、多数の繊維塊濾材12は均等に押し付けられ、多数の繊維塊濾材12による濾層の厚さが、押し付け前の厚さの約2/3となる。
【0035】
濁水W1は、濾過塔11の下部に供給されると、その内部に含有している重い土壌粒子が濾過塔11の下方に向かって沈殿する。そして、軽い土壌粒子を含む濁水W1は、押上部材14の通水孔14cを通過し、更に、圧縮された多数の繊維塊濾材12による濾層を、流速が40〜100m/hour程度となって通過して濾過される。このように、濾過塔11の下部での沈殿と、繊維塊濾材12による濾層での濾過により、濁水W1に含まれていた土壌粒子の70〜80%が除去される。このため、濁水W1のSS濃度が2000mg/Lであったときには、この第1濾過部10にて濾過された粗濾過水W2のSS濃度は400〜600mg/Lとなる。濁水W1のSS濃度が2000mg/L以上であっても、同様に、土壌粒子の70〜80%を除去することができた。
【0036】
この第1濾過部10では、繊維塊濾材12として、多数本の糸を結束した球状で直径が30〜50mmとなっている結束繊維球状濾材を採用し、しかも、多数の繊維塊濾材12による濾層の厚さが、押し付け前の厚さ(1m〜3m)の約2/3となるように圧縮しているので、濁水W1は繊維塊濾材12による濾層を通過することにより、圧損が少ない状態で、確実・大量に濾過された。その説明を以下に行なう。
【0037】
図3は、本実施の形態で採用した、直径が30〜50mmの繊維塊濾材(結束繊維球状濾材)12の濾過特性と、直径が3〜5mmの成形繊維濾材の濾過特性を比較して示したものである。なお、成形繊維濾材とは、多数本の繊維を引き揃えて接着させた棒状の繊維集束体を切断して形成したものである。
図3から、繊維塊濾材である結束繊維球状濾材12は成形繊維濾材に比べて、長時間に亘り圧力損失を増加させることなく、濾過処理できることがわかる。ちなみに、圧力損失が0.2Kg/cm以上になると、濾過処理量が少なくなるため、後述する濾材洗浄をして濾過性能を回復させる。
【0038】
また、本実施の形態では、繊維塊濾材12による濾層の厚さは、圧縮前において1m〜3mとしているが、圧縮前の濾層の厚さを1mよりも薄くすると高い濾過性能が発揮できない(つまり汚れた水が出てくる)。逆に、圧縮前の濾層の厚さを3mよりも厚くすると、圧力損失が大きくなり、処理能力が低下してしまう(つまり濾過されて排出されてくる水の量が少なくなってくる)。
【0039】
更に、繊維塊濾材12による濾層の厚さが、押し付け前の厚さの約2/3となるように圧縮している。圧縮をこれ以上に強くすると、繊維塊濾材12が密着しすぎて、圧力損失が大きくなり、短時間で処理能力が低下してしまうと共に、濁水の流速が遅くなり濾過処理量が少なくなる。一方、全く圧縮をしないと、繊維塊濾材(結束繊維球状濾材)12は、その空隙率が極めて高い(93%以上)ため、SS濃度が2000〜5000mg/Lと極めて高い濁水W1を濾過することができない。
【0040】
結局、SS濃度が2000〜5000mg/Lと極めて高い濁水W1を、長時間に亘り目詰まりすることなく、その土壌粒子を70〜80%除去しつつ、流速を速くして濾過処理量を確保することができるようにするために、
▲1▼濾材として、直径が30〜50mmの繊維塊濾材(結束繊維球状濾材)12を採用し、
▲2▼繊維塊濾材12による濾層の厚さは、圧縮前において1m〜3mとし、
▲3▼濾過時には、繊維塊濾材12による濾層の厚さを、押し付け前の厚さの約2/3となるように圧縮している。
【0041】
このような、▲1▼〜▲3▼の技術が相俟って、SS濃度が2000〜5000mg/Lと極めて高い大量の濁水Wを、長時間に亘り目詰まりすることなく、その土壌粒子を70〜80%除去・濾過することができるようになったのである。しかも、繊維塊濾材12による濾層を通過する流速を40〜100m/hourと高速に維持することができるので、濾過塔11の径が小さくても、大量の濁水W1の濾過処理をすることができる。
【0042】
更に、押上部材14は、供給ポンプP1から圧送された濁水W1の水圧により押し上げられるようにしているため、特別な機械的な押し上げ機構(シリンダ等)は不要であり、簡便な構成となる。
【0043】
<第2濾過部の構成>
次に、第2濾過部20の構成について説明する。図1に示すように、第2濾過部20の濾過塔21は円筒状をなしており、その軸方向が上下方向に沿う状態で設置(取付、配置)される。この濾過塔21は、本実施例では、その上面は閉塞され、下面は下方に向かうに従いその横断面積が狭まるような円錐形状面(漏斗状の面)になっている。
【0044】
濾過塔21の内部空間のうち、上面側には濾材用ネット23が張り渡されており、下面側には濾材用ネット24が張り渡されている。更に、濾過塔21の内部空間のうち、濾材用ネット23と濾材用ネット24との間には、多数の浮上粒状濾材22が充填されている。なお、濾材用ネット23,24の網目径は、浮上粒状濾材22の径よりも小さくなっており、浮上粒状濾材22が濾材用ネット23,24を通過していくことはない。
【0045】
浮上粒状濾材22としては、平均粒径が0.1〜0.6mmとなっている、比重が1よりも小さい、樹脂粒(例えばポリプロピレンやポリエチレンの粒)や、発泡スチロール粒や、無機質材粒(例えばガラスバルーン)を使用することができる。また、浮上粒状濾材22の形状としては、球形のみならず、形状が各粒によって異なり表面が凸凹している粉砕粒形状であってもよい。
【0046】
本実施例では、比重が1よりも小さい樹脂(例えばポリプロピレンやポリエチレン)の原料(棒状のペレット)を、ボールミルや金属うす等の粉砕機により粉砕して微細粒化した樹脂の粉砕粒を、浮上粒状濾材22として採用した。
【0047】
濾過塔21の内部空間に水(粗濾過水W2)が供給されて塔内部空間に水が満たされると、比重の小さい浮上粒状濾材22が浮上して、個々の浮上粒状濾材22が緊密に押しつけられて稠密状態となる。このため、浮上した浮上粒状濾材22により、非常にしっかりとした濾過層が形成されて、精密な濾過ができるようになる。
【0048】
濾過塔21のうち、濾材用ネット24よりも下方部分には、連結管19の先端が連結されている。なお、連結管19の途中からは、バルブV4が介装された戻り管2が分岐している。そして、戻り管2の先端は濁水管3に連結されている。濾過塔21の底部には、バルブV5が介装されたドレン管25が接続されている。また、濾過塔21のうち、濾材用ネット23よりも上方部分には、バルブV6が介装された清澄水管26が連結されている。
【0049】
更に、濾過塔21のうち、濾材用ネット24よりも下方部分には、逆洗吸引管27が接続されている。また、濾過塔21のうち、浮上した浮上粒状濾材22により形成される濾過層の下層位置には、バルブV7が介装された逆洗吐出管28が連結され、浮上した浮上粒状濾材22により形成される濾過層の上層位置には、バルブV8が介装された逆洗吐出管29が連結されている。逆洗ポンプP2は、逆洗吸引管27から水を吸引し、吸引した水を逆洗吐出管28,29に向かって吐出する。
【0050】
逆洗吐出管28,29は、横断面図である図4に示すように、それぞれの先端部分が2分岐されて濾過塔21の径方向に対して斜めに配置されており(周方向に180°ずれた位置に配置されており)、逆洗吐出管28,29から濾過塔21内に水を吐出した場合には、この水は濾過塔21の内周縁に沿う方向に噴出され、この濾過塔21内では吐出された水が濾過塔21の内周縁に沿う方向に回流(旋回)するようにしている。
【0051】
<第2濾過部での濾過動作>
上述した構成となっている第2濾過部20において、バルブV5,V7,V8を閉じ、バルブV6を開くと共に、逆洗ポンプP2を停止させた状態で、連結管19を通して濾過塔21の下部空間に粗濾過水W2を供給すると、浮上粒状濾材22が浮上して濾過層が形成される。
【0052】
粗濾過水W2は、濾過塔21の下部に供給されると、その内部に含有している重い土壌粒子が濾過塔21の下方に向かって沈殿する。そして、軽い土壌粒子を含む粗濾過水W2は、多数の浮上粒状濾材22による濾層を、流速が20〜50m/hour程度となって通過して濾過される。なお、この流速は、供給ポンプP1の吐出圧力や濁水W1の濁度に応じて、バルブV3,V6等の開度を調整することにより、調整することができる。
【0053】
このように、濾過塔21の下部での沈殿と、浮上粒状濾材22による濾層での濾過により、粗濾過水W2に含まれていた土壌粒子の殆どが除去される。このため、粗濾過水W2のSS濃度が400〜600mg/Lであったが、この第2濾過部20にて濾過され清澄水管26から排出される清澄水W3のSS濃度は、10mg/L以下、例えば5〜6mg/L程度になった。
【0054】
第2濾過部20では、SS濃度(mg/L)が3桁の粗濾過水W2を精密に濾過できるとともに、長時間に亘り目詰まりすることなく多量の濾過ができるようにするために、浮上粒状濾材22の平均粒径を0.1〜0.6mmとした。このようにした理由を次に述べる。
【0055】
浮上粒状濾材の粒径を0.8mm,1.2mmとして、第2濾過部20と同様な構成の濾過部を試作して、SS濃度(mg/L)が3桁の粗濾過水を濾過する試験をした。そうすると、SS除去率を80%以上に確保するためには、濾過層を通過する水の濾過流速を5〜10m/hourにまで下げなければならなかった。このように濾過流速が遅いので、大量の水を処理するためには濾過塔の面積を広くして装置を大型化しなければならないという欠点がでてきてしまい、実用的ではない。ちなみに、砂濾過装置での濾過流速は約5m/hourである。かかる知見から、浮上粒状濾材22の平均粒径を0.6mmよりも大きくしたのでは、濾過流速が遅くなり、この結果、装置の大型化を招来してしまうということがわかった。
【0056】
一方、浮上粒状濾材の平均粒径が0.1mm未満の超微細濾材を使用した場合には、SS除去率は高くなるが、SS濃度(mg/L)が3桁の粗濾過水を濾過する濾材が極めて短時間で閉塞してしまう。かかる知見から、浮上粒状濾材の平均粒径を0.1mm未満にしたのでは、粗濾過水の濾過を長時間に亘り濾過することができないことがわかった。
【0057】
図5は、浮上粒状濾材の平均粒径を0.1mm,0.2mm,0.4mm,0.6mm,0.8mmとしたときの、粗濾過水(SS濃度(mg/L)が3桁)に対するSS除去率と濾過流速との関係を実験により求めたデータを示す。図5から、濾過流速を20〜50m/hourとするには、浮上粒状濾材22の平均粒径を0.1〜0.6mmにすれば良いことが分かった。
【0058】
更に図6は、球状の浮上粒状濾材の粒径と、濾過する処理濃度を変えた場合の、濾過層における圧力損失と経過時間との関係を実験により求めたデータを示す。特性Aは粒径が0.2mmで粗濾過水(SS濃度(mg/L)が3桁)を濾過したときの特性であり、特性Bは粒径が0.4mmで濁水(SS濃度(mg/L)が4桁)を濾過したときの特性であり、特性Cは粒径が0.2mmで濁水(SS濃度(mg/L)が4桁)を濾過したときの特性である。この図6から、浮上粒状濾材で濁水(SS濃度(mg/L)が4桁)の濾過をすると短時間で目詰まりが生じることがわかったが、粗濾過水(SS濃度(mg/L)が3桁)を処理した場合は長時間の濾過ができることがわかった。
【0059】
結局、平均粒径が0.1〜0.6mmの浮上粒状濾材22を使用することによって、SS濃度(mg/L)が3桁(例えば400〜600mg/L)となっている粗濾過水W2を、長時間に亘り目詰まりすることなく精密に濾過することができるようになったのである。しかも、浮上粒状濾材22による濾層を通過する流速を20〜50m/hourと高速に維持することができるので、濾過塔21の径が小さくても、大量の粗濾過水W2の濾過処理をすることができる。
【0060】
<濾過装置全体の濾過動作>
本実施の形態に係る濾過装置1により濁水W1の濾過をするには、まず、図1において、黒塗りして示すバルブV1,V2,V5,V7,V8を閉じ、白抜きして示すバルブV3,V4,V6を開きその開度を調整する(開度調整については後述する)と共に、逆洗ポンプP2は停止させたままとしておく。
【0061】
この状態で供給ポンプP1を駆動し、濁水管3により吸引した濁水W1を、供給管16を通して第1濾過部10に供給する。SS濃度が2000〜5000mg/Lとなっている濁水W1は、第1濾過部10にて濾過処理されて、SS濃度が400〜600mg/L程度になった粗濾過水W2となり、連結管19から排出される。
【0062】
バルブV3は、通常では全開にしているが、繊維塊濾材12中を流れる水の濾過流速を調整(濾過流速を遅く)するために、バルブV3の開度を調整する(開度を絞る)こともある。
また、バルブV4は通常では全閉にしているが、連結管19からSS濃度の高い水が出てきた場合には、バルブV4を開きSS濃度の高い水を濁水管3側に戻すこともある。通常では、連結管19からはSS濃度が400〜600mg/L程度になっている水が出てくるが、濁水1に含まれている土壌粒子の径が極めて小さい場合や濁度によっては、連結管19からSS濃度の高い水が出てくる恐れもあるので、安全のためにバルブV4及び戻り管2を配置している。
【0063】
第1濾過部10にて濾過されてSS濃度が400〜600mg/Lとなった粗濾過水W2は、連結管19を通って第2濾過部20に供給される。この粗濾過水W2は第2濾過部20にて濾過処理されて、SS濃度が10mg/L以下となった清澄水W3となり、清澄水管26から排出される。このとき、バルブV6の開度を調整して、浮上粒状濾材22による濾層に流れる水の濾過流速が20〜50m/hourとなるようにする。濾過流速が50m/hourよりも速いと、清澄水管28から排出される水のSS濃度が高くなり、濾過流速が20m/hourよりも遅いと濾過処理量が少なくなるので、バルブV6の開度調整をしているのである。
【0064】
濾過作業をしていくうちに、第1濾過部10の濾過塔11の底部に土壌粒子(土スラリー)が多量に堆積してきたら、バルブV1を開きドレン管17を通して土スラリーを排出する。土スラリーの排出が完了したら再びバルブV1を閉じる。同様に、第2濾過部20の濾過塔21の底部に土壌粒子(土スラリー)が多量に堆積してきたら、バルブV5を開きドレン管25を通して土スラリーを排出する。土スラリーの排出が完了したら再びバルブV5を閉じる。
【0065】
ドレン管17,25から排出された土スラリーは、極めて高濃度であるため沈殿装置等に静置すると、沈殿作用により短時間で水成分と土壌粒子に分離するため、沈殿した土壌粒子(残土)を簡単に取り出すことができる。しかも分離した残土は、凝集剤を含んでいないので含水率が低く処理が容易である。また、残土は、凝集剤を含んでいないので、自然界にそのまま戻すことができる。つまり、残土が産業廃棄物となることがない。
【0066】
<第1濾過部での濾材洗浄方法>
濾過作業をしていくうちに、第1濾過部10の繊維塊濾材12に多量の土壌粒子が付着して濾過性能が低下していき、粗濾過水W2のSS濃度が高くなってくる。つまり、繊維塊濾材12が捕捉したSS量がある限界(飽和)を越えると、濾過性能が低下する。このような状態になったときには、次のようにして濾材洗浄を行なう。
【0067】
即ち、供給ポンプP1を駆動させた状態のままで、バルブV3を閉じると共にバルブV2を開く。このようにすると、第1濾過部10の上端部分(水の流れでは下流側部分)からみると、連結されていた第2濾過部20が切り離されて、大気開放状態となる。つまり、供給ポンプP1からみると、第1濾過部10と第2濾過部20が直列接続されていて流通抵抗が大きかった状態から、抵抗部分が第1濾過部10のみの状態となり流通抵抗が減少する。この結果、濁水W1は、通常の濾過流速(40〜100m/hour)の2〜5倍程度の流速となって、繊維塊濾材12による濾層中を下方から上方に向かって流れ、繊維塊濾材12による濾層を通過して洗浄管18を通って排出される。
【0068】
このように、高流速となっている濁水W1が流れると共に、繊維塊濾材12の空隙率が高いため、繊維塊濾材12に付着していた土壌粒子が剥ぎ取られて(洗い流されて)洗浄される。ここで着目すべきは、高流速で流れる濁水W1のSS濃度は2000〜5000(mg/L)程度であるのに対して、繊維塊濾材12から剥ぎ取った土壌粒子を含む洗浄排水のSS濃度は1桁多い20000(mg/L)以上になっていることである。したがって、濁水と洗浄排水のSSの濃度差が、濾材洗浄によって除去された土壌粒子の量に相当する。
【0069】
上述した方法により繊維塊濾材12の洗浄をして濾過性能を回復させたら、再び、バルブV3を開くと共にバルブV2を閉じて、通常の濾過作業を再開する。
【0070】
<第2濾過部での濾材洗浄方法>
濾過作業をしていくうちに、第2濾過部20の浮上粒状濾材22による濾層中に多量の土壌粒子が混入して濾過性能が低下して目詰まり状態となり、排出される清澄水W3の量が低下してくる。このような状態になったときには、次のようにして濾材洗浄を行なう。
【0071】
まず、バルブV8を閉じた状態で、バルブV7を開くとともに逆洗ポンプP2を駆動する。そうすると、逆洗ポンプP2は、逆洗吸引管27から水を吸引し、吸引した水を逆洗吐出管28に送る。逆洗吐出管28は、横断面図である図4に示すように、濾過塔21の径方向に対して斜めに配置されているため、逆洗吐出管28から濾過塔21内に吐出された水は、濾過塔21の内周縁に沿う方向に噴出される。このため浮上粒状濾材22による濾層のうち下層部分に対して、斜めに水が噴出され、相互に密着して濾層を構成していた浮上粒状濾材22がバラバラになる。しかも、濾過塔21内では吐出された水が濾過塔21の内周縁に沿う方向に回流(旋回)するため、個々に別れた浮上粒状濾材22も同時に回流し、浮上粒状濾材22に付着していた土壌粒子が確実に分離していき、濾材洗浄が行なわれる。
【0072】
次に、バルブV7を閉じた状態で、バルブV8を開くとともに逆洗ポンプP2を駆動する。そうすると、逆洗ポンプP2は、逆洗吸引管27から水を吸引し、吸引した水を逆洗吐出管29に送る。逆洗吐出管29は、横断面図である図4に示すように、濾過塔21の径方向に対して斜めに配置されているため、逆洗吐出管29から濾過塔21内に吐出された水は、濾過塔21の内周縁に沿う方向に噴出される。このため浮上粒状濾材22による濾層のうち上層部分に対して、斜めに水が噴出され、相互に密着して濾層を構成していた浮上粒状濾材22は下層から上層に亘る全ての部分がバラバラになる。しかも、濾過塔21内では吐出された水が濾過塔21の内周縁に沿う方向に回流(旋回)するため、個々に別れた全ての浮上粒状濾材22も同時に回流し、浮上粒状濾材22に付着していた土壌粒子が確実に分離していき、濾層の全体の濾材洗浄が行なわれる。つまり、浮上粒状濾材22による濾層に取り込まれていた土壌粒子は濾層から離れるので、このときにバルブV5を開くと、土壌粒子は洗浄排水と共にドレン管25より排出される。土壌粒子及び洗浄排水をドレン管25から排出したらバルブV5を閉じる。
【0073】
このように、浮上粒状濾材22の相互が密着して構成された濾層を、水の回流作用により個々の浮上粒状濾材22に分離して洗浄をする作業を、下方側から開始して、その後に全体に施すようにしたので、確実に浮上粒状濾材22の洗浄ができる。
【0074】
上述した方法により浮上粒状濾材22の洗浄をして濾過性能を回復させたら、再び、バルブV7,V8を閉じると共に、逆洗ポンプP2を停止させ、通常の濾過作業を再開する。
【0075】
濾材洗浄の際に排出された洗浄排水は、極めて高濃度であるため沈殿装置等に静置すると、沈殿作用により短時間で水成分と土壌粒子に分離するため、沈殿した土壌粒子(残土)を簡単に取り出すことができる。しかも分離した残土は、凝集剤を含んでいないので含水率が低く処理が容易である。また、残土は、凝集剤を含んでいないので、自然界にそのまま戻すことができる。つまり、残土が産業廃棄物となることがない。
【0076】
<濾過装置の変形例>
ここで、図1に示した濾過装置1の各種の変形例を説明する。
【0077】
図1に示す濾過装置1の第1濾過部10では、押上部材14を備えていたが、繊維塊濾材12を、比重が1よりも軽いポリプロピレン繊維による繊維塊濾材とした場合には、押上部材14を省略することもできる。この場合には、供給ポンプP1から供給した濁水W1の水圧のみで、多数の繊維塊濾材12による濾層の厚さを、押しつけ前の厚さの2/3にまで圧縮する。したがって、かかる適正な圧縮ができるように、供給ポンプP1の吐出圧を設定しておく。
【0078】
また、押上部材14及びストッパ15を無くすとともに、図1において押上部材14が配置されていた位置に、パンチングメタル(多孔板)を固定配置するようにしてもよい。このパンチングメタルに形成した孔の径は、繊維塊濾材12の径よりも小さくする。
【0079】
なお、押上部材14を省略した場合には、1台の供給ポンプP1に対して、複数台の第1濾過部10を接続・配置するようにしてもよい。そして、通常の濾過作業時には全ての第1濾過部10に濁水W1を均等に分配して供給し、繊維塊濾材12を圧縮する際には、特定の1台の第1濾過部10にのみ濁水W1を供給すれば、水圧が高いので適切な濾材圧縮ができる。つまり、濾材圧縮をするために、複数の第1濾過部10の中の任意の1台に対して濁水W1を供給して濾材圧縮を行うという作業を、次々と1台づつ行い、全ての濾過部10の濾材圧縮が完了したら、複数の濾過部10に対して均等に濁水W1の分配供給を行なうようにする。
【0080】
また、繊維塊濾材12としては、結束繊維球状濾材に限らず、繊維(合成繊維等)を絡めて塊となった繊維性の各種の濾材を使用することができる。つまり、繊維を主材とするとともに、空隙率が高く(空隙率が80パーセント以上の)塊となった各種の繊維性濾材を使用することができる。
【0081】
図1に示す濾過装置1の濾過部10,20では、濾材12,22の流出を防止しつつ濾過した水W2,W3のみを透過させる濾過水取出構造として、濾材用ネット12,23を用いているが、その代わりに、集水管を用いることもできる。つまり、濾材12,22を濾過塔11,21の上端面部分にまで充填し、濾過塔11,21を貫通して集水管を濾材12,22に挿入する。集水管は、濾材12,22に挿入した部分に、濾材は透過させないが水のみを透過させる孔や隙間等を有しており、濾過した水のみを取り込んで塔外部に排水することができる。
【0082】
図1に示す濾過装置1の濾過塔11,21の上面は閉塞しているが、この面を開放していてもよい。また濾過塔11,21の底面は、漏斗状の面になっているが、この形状に限定するものではなく、沈殿した土壌粒子を一時的に溜めることができる形状であればどのような形状であってもよい。
【0083】
更に、第2濾過部20に濾材用ネット24を備えているが、この濾材用ネット24は必須ではない。この濾材用ネット24を備えていない場合には、ドレン管25を介して浮上粒状濾材22が塔外部に排出されてくることもあるが、塔外に濾材回収装置を備えておけば、塔外に排出された浮上粒状濾材22を回収することができる。
【0084】
図1に示す濾過装置1では、第1濾過部10と第2濾過部20とを、別体にして、つまり別の塔により構成している。しかし、1つの濾過塔の中に、第1濾過部と第2濾過部を一体的に形成するようにしてもよい。つまり、1つの筒状の濾過塔の下部に、繊維塊濾材により粗濾過をする第1濾過部を形成し、同じ濾過塔の上部に浮上粒状濾材により精密な濾過をする第2濾過部を形成するようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように、本発明の濾過装置によれば、高濃度の濁水であっても無機凝集剤及び高分子凝集剤を全く使用することなく、精度良く大量に濾過処理をすることができる。したがって、凝集剤の費用が全く不要になるとともに、大量の濁水を迅速に濾過処理することができる。
しかも、濾過流速を速くすることができるので、大量の濁水を濾過処理する装置であるにもかかわらず、濾過塔の径を小さくすることができ、装置がコンパクトである。
【0086】
また、濾過分離した土壌粒子には、全く凝集剤成分が含まれていないので、濾過分離した土壌粒子(泥土,残土)はそのまま土壌に還元することができる。つまり、産業廃棄物(凝集剤成分を含む土)を全く排出することがなくなり、処理コスト削減及び環境保全にも資することができる。
【0087】
更に本発明の濾材洗浄方法によれば、繊維塊濾材に懸濁物質が多量に付着したときには、繊維塊濾材に濁水を高速な上向流として流通させることにより、洗浄をするため、確実・短時間で繊維塊濾材の洗浄(濾過性能の回復)をすることができる。
更に、浮上粒状濾材に懸濁物質が多量に付着したときには、浮上粒状濾材による濾層に向かって周方向に水と吐出させるようにしたので、浮上粒状濾材に付着した懸濁物質を確実・迅速に分離して浮上粒状濾材の洗浄(濾過性能の回復)をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る濾過装置を示す構成図である。
【図2】押上部材を示す図であり、図2(a)は断面図、図2(b)は平面図である。
【図3】繊維濾材の圧力損失特性を示す特性図である。
【図4】濾過塔の横断面図である。
【図5】浮上粒状濾材のSS除去率特性を示す特性図である。
【図6】球状の浮上粒状濾材の圧力損失特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 濾過装置
10 第1濾過部
11 濾過塔
12 繊維塊濾材
13 濾材用ネット
14 押上部材
15 ストッパ
16 供給管
17 ドレン管
18 洗浄管
19 連結管
20 第2濾過部
21 濾過塔
22 浮上粒状濾材
23,24 濾材用ネット
25 ドレン管
26 清澄水管
27 逆洗吸引管
28,29 逆洗吐出管
V1〜V8 バルブ
P1 供給ポンプ
P2 逆洗ポンプ
W1 濁水
W2 粗濾過水
W3 清澄水

Claims (11)

  1. 濾過塔内に多数の繊維塊濾材を充填して形成されており、前記繊維塊濾材による濾層に汚れた水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第1濾過部と、
    濾過塔内に充填した多数の浮上粒状濾材を充填して形成されており、前記浮上粒状濾材による濾層に第1濾過部にて濾過された水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第2濾過部とを有することを特徴とする濾過装置。
  2. 濾過塔内に多数の繊維塊濾材を充填して形成されており、汚れた水を下方から上方に向かって流通させる水圧により前記繊維塊濾材を圧縮して濾層が形成され、このようにして形成された濾層に汚れた水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第1濾過部と、
    濾過塔内に充填した多数の浮上粒状濾材を充填して形成されており、第1濾過部にて濾過された水が供給されることにより前記浮上粒状濾材が浮上して濾層が形成され、このようにして形成された濾層に第1濾過部にて濾過された水を下方から上方に向かって流通させることにより濾過処理をする第2濾過部とを有することを特徴とする濾過装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    第1濾過部の濾過塔内には、充填された繊維塊濾材よりも下方位置に、上下方向に移動自在に押上部材が配置されており、
    汚れた水は前記押上部材よりも下方位置から第1濾過部の濾過塔内に供給されることを特徴とする濾過装置。
  4. 濁水を濾過する第1濾過部と、この第1濾過部により濾過された粗濾過水が連結管を介して供給されてくる第2濾過部とを有しており、
    第1濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に濁水が供給される第1の濾過塔と、この第1の濾過塔内に充填される多数の繊維塊濾材と、この繊維塊濾材による濾層を流通してきた粗濾過水を外部に取り出す第1の濾過水取出機構とを有しており、
    第2濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に粗濾過水が供給される第2の濾過塔と、この第2の濾過塔内に充填される多数の浮上粒状濾材と、この浮上粒状濾材による濾層を流通してきた濾過水を外部に取り出す第2の濾過水取出機構とを有していることを特徴とする濾過装置。
  5. 濁水を濾過する第1濾過部と、この第1濾過部により濾過された粗濾過水が連結管を介して供給されてくる第2濾過部とを有しており、
    第1濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に濁水が供給される第1の濾過塔と、この第1の濾過塔内に充填される多数の繊維塊濾材と、この繊維塊濾材による濾層を流通してきた粗濾過水を外部に取り出す第1の濾過水取出機構とを有しており、
    第2濾過部は、筒状をなすとともにその軸方向が上下方向に沿う状態で設置されしかも下部空間に粗濾過水が供給される第2の濾過塔と、この第2の濾過塔内に充填される多数の浮上粒状濾材と、この浮上粒状濾材による濾層を流通してきた濾過水を外部に取り出す第2の濾過水取出機構とを有しており、
    更に、前記連結管には、濾過処理の際には開とされ繊維塊濾材を洗浄する際には閉とされるバルブが介装されるとともに、
    第1の濾過塔の上部空間には、濾過処理の際には閉とされ繊維塊濾材を洗浄する際には開とされるバルブが介装された洗浄管が連結されていることを特徴とする濾過装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項において、
    前記繊維塊濾材は、直径が30〜50mmであり空隙率が80%以上となっており、前記浮上粒状濾材は平均粒径が0.1〜0.6mmとなっていることを特徴とする濾過装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項において、
    前記繊維塊濾材は結束繊維球状濾材であり、前記浮上粒状濾材は比重が1よりも小さい樹脂原料を粉砕して微細粒化した樹脂の粉砕粒であることを特徴とする濾過装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項において、
    前記繊維塊濾材の圧縮前の充填高さは1m〜3mであり、濾過処理をするときには、前記繊維塊濾材による濾層の厚さは、水を下方から上方に向かって流通させる水圧により、圧縮前の厚さの2/3にまで圧縮されることを特徴とする濾過装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項において、
    第1濾過部の濾層を流れる水の流速を40〜100m/hourとし、第2濾過部の濾層を流れる水の流速を20〜50m/hourとするように、第1濾過部及び第2濾過部に流通する水の水圧を調整していることを特徴とする濾過装置。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか一項の濾過装置において、前記繊維塊濾材による濾層に懸濁物質が多量に付着したときには、第1濾過部の濾過塔内を下方から上方に向かって流す水の流速を、濾過処理時の流速の2〜5倍の速さにすることを特徴とする濾材洗浄方法。
  11. 請求項1乃至請求項9の何れか一項の濾過装置において、前記浮上粒状濾材による濾層に懸濁物質が多量に付着したときには、第2濾過部の濾過塔の周面から濾過塔の内部に向かって周方向に沿って水を吐出させることを特徴とする濾材洗浄方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100864642B1 (ko) 2008-05-23 2008-10-23 유네코개발 주식회사 상향류 팽창상 활성탄 흡착 여과 장치 및 그 세정 방법
KR101204207B1 (ko) 2012-09-13 2012-11-26 한국정수공업 주식회사 섬유조각필터
KR101938134B1 (ko) * 2012-03-29 2019-01-14 가부시키가이샤 이시가키 부정형 여과재층 및 이것을 구비한 여과장치

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