JP2004167150A - 電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連通パイプ92から吸引した塵埃を分離するネットフィルタF2を有する塵埃分離部60と、この塵埃分離部60によって分離された塵埃を集塵する集塵室部55とを有する集塵ケース50を備え、連通パイプ92と対向する塵埃分離部60の開口62Aの径がその連通パイプ92の径より大きくなっている電気掃除機であって、塵埃分離部60の開口62Aに対向する前側開口50aを集塵ケース50のケース体53に設け、前側開口50aを閉塞する開閉蓋90を開閉可能に設け、この開閉蓋90に連通パイプ92を設けた。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸引した塵埃を分離する塵埃分離部と塵埃を集塵する集塵部を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図9に示すサイクロン方式の電気掃除機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
かかる電気掃除機は、上部が開口されたダストカップ1と、このダストカップ1内を負圧にする電動送風機2等とを備えている。ダストカップ1の周壁1Aには吸気口3が形成され、この吸気口3は塵埃を吸引する吸込口体4に吸気通路5を介して連通している。
【0004】
そして、吸込口体4から吸引された塵埃は吸気通路5を介してダストカップ1の吸気口3からダストカップ1内に吸引される。このダストカップ1内では旋回流が発生して、塵埃と空気が分離され、空気のみがダストカップ1の上部開口から電動送風機2に吸引されて外部へ排気される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−104223号公報(段落38,45、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電気掃除機にあっては、吸気通路5を上方に向かって吸引された空気は90度向きが変えられて吸気口3からダストカップ1内に入り、ここで旋回流となってダストカップ1の周壁1Aに沿って回転され、この後空気のみが上方に向かって電動送風機2に吸引されていく。このように、空気の流れの方向が2度変えられることにより、その空気の風路損が大きく、しかも空気はダストカップ1内で回転した後電動送風機2に吸引されていくので、その風路損は非常に大きなものとなり、電動送風機の能力を十分に発揮することができないという問題があった。
【0007】
そこで、空気の旋回流を発生させずに塵埃を分離する塵埃分離部が提案されている。かかる塵埃分離部は、塵埃を吸引する吸込口から電動送風機の吸気口に至る風路に配置されるとともに、直線状の風路を有する管部と、この管部の周壁に設けた開口と、この開口に設けたネットフィルタとを有している。そして、その開口が電動送風機の吸気口に連通され、その吸込口から管部内へ吸引した重量のある塵埃を慣性により管部の風路内に直進させることにより、その塵埃と空気とを分離させるものである。
【0008】
しかしながら、吸込口の径が管部の入口開口の径より小さくなっているので、ネットフィルタに付着した塵埃を掃除するのが面倒であるという問題がある。
【0009】
この発明の目的は、塵埃分離部のネットフィルタの掃除がし易い電気掃除機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、吸込口から吸引した塵埃を分離するネットフィルタを有する塵埃分離部と、この塵埃分離部によって分離された塵埃を集塵する集塵部とを有する集塵ケースを備え、前記吸込口と対向する塵埃分離部の入口開口の径がその吸込口の径より大きくなっている電気掃除機であって、
前記塵埃分離部の入口開口に対向するケース開口を前記集塵ケースに設け、
前記ケース開口を閉塞する開閉蓋を開閉可能に設け、
この開閉蓋に前記吸込口を設けたことを特徴とする。
【0011】
【実施の形態】
以下、この発明に係る電気掃除機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1において、20は掃除機本体であり、この掃除機本体20にはホース21の一端が着脱自在に接続され、その他端には手元操作管22が設けられている。手元操作管22には延長管23が着脱自在に接続され、延長管23の先端部には吸込口体24が着脱自在に接続されている。手元操作管22には操作部22Aが設けられており、この操作部22Aには図示しない操作スイッチが設けられている。
【0013】
掃除機本体20は、図2ないし図4に示すように、本体ケース30と、本体ケース30に着脱自在に載置される集塵ケース(ダストカップ)50と、後部が本体ケース30にヒンジ結合されて上下方向に開閉可能となっている蓋体40とを備えている。
【0014】
本体ケース30は、下部に形成されるとともにコードリールCRを収納したコードリール室36と、このコードリール室36の上に形成されるとともに電動送風機33を内蔵した電動室34とを有しており、コードリール室36の前面には前方へ突出した皿状の載置部35が設けられている。この載置部35には集塵ケース50が着脱自在に載置され、蓋体40を閉じた際にこの蓋体40と載置部35とで集塵ケース50を挟持して固定するようになっている。
【0015】
また、本体ケース30の電動室34の前面は開口され、この開口34Aは電動送風機33の吸気開口(吸気口)33Aに対向するとともに連通している。本体ケース30の両側面には、複数の排気孔38が形成されている。この排気孔38は図示しない排気風路を介して電動送風機33の排気口33Bと連通しており、電動送風機33の排気口33Bから排気される空気は排気風路を介して排気孔38から外へ排気されるようになっている。
【0016】
蓋体40には、集塵ホース21を着脱自在に接続する接続口43を前端に有する接続パイプ44が設けられている。この接続パイプ44は前後方向に延びており、その後端は開口45Aを有している。
【0017】
集塵ケース50は、図5ないし図7に示すように、後面(図6において右側)に後端開口51を有し前面に前側開口(ケース開口)50aを有するケース体53と、このケース体53に一体形成された把手部54とを有している。
【0018】
ケース体53は、下部に形成した集塵室部(集塵部)55と、この集塵室部55の上に形成した負圧室部56と、この負圧室部56内に設けられた塵埃分離部60と、この塵埃分離部60で分離された塵埃を集塵室部55へ案内する案内管70とを有している。
【0019】
集塵室部55の底部には、底板57が軸J回りに開閉可能に取り付けられており、この底板57を開けることにより集塵室部55内に蓄積される塵埃が捨てられるようになっている。集塵室部55と負圧室部56とを区画する集塵室部55の天板58には開口59が形成され、この開口59により集塵室部55と負圧室部56とを連通しており、開口59には図7に示すようにネットフィルタF1が取り付けられている。また、天板58の側壁部55aの近傍には接続穴58Aが形成され、この接続穴58Aには案内管70の他端が接続されている。この接続穴58Aを側壁部55aの近傍に設けたのは、集塵室部55内で内壁に沿って旋回流を発生させるためである。
【0020】
また、集塵室部55の後壁部55Aはケース体53の開口51より内側に引き込んでおり、その開口51内にフィルタ80(図4参照)が着脱自在に装着されるようになっている。
【0021】
塵埃分離部60は、筒状の風路61を形成した管部62を有している。この管部62の一端開口(入口開口)62Aの径は後述する連通パイプ92の内径より大きく形成され、且つケース体53の前側開口50aの径とほぼ同一に設定されており、管部62の他端開口62Bの径はその連通パイプ92の内径とほぼ同一に設定され、管部62の径は一端から他端にいくにしたがって直線的に漸減している。管部62の他端開口62Bは案内管70の一端に接続されている。なお、管部62の他端開口62Bの径は連通パイプ92の内径より小さくてもよい。
【0022】
また、管部62の風路61は前後方向に直線状に延びており、蓋体40の接続パイプ44と、後述する連通パイプ92と、管部62と、ケース体53の開口51と、電動送風機33の吸気開口33Aとが一直線上に配置されている。
【0023】
また、管部62の周壁には複数の開口64が全周に亘って一様に設けられており、この開口64には図6に示すようにネットフィルタF2が取り付けられている。ここでは、管部62は円形の枠体W1,W2と枠体W1,W2を連結した複数の枠体W3とで構成され、開口64は各枠体W1〜W3によって囲まれた空間となっている。また、風路61は枠体W3によって囲まれて形成されている。
【0024】
そして、管部62の風路61は、管部62の開口64とケース体53の負圧室部56と本体ケース30の電動室34の開口34Aを介して電動送風機33の吸気開口33Aに連通している。また、管部62の風路61と、開閉蓋90の連通パイプ92と、蓋体40の接続パイプ44とが一直線状に配置されており、管部62の風路61の延びる方向に電動送風機33の吸気開口33Aが向き合っている。
【0025】
ケース本体53の前側開口50aは開閉蓋90により閉塞されている。開閉蓋90の裏面には、その前側開口50aの周縁部に当接するシール部材91が取り付けられており、このシール部材91により前側開口50aと開閉蓋90との間をシールしている。
【0026】
開閉蓋90には、蓋体40の接続パイプ44に連通する連通パイプ92が設けられており、この連通パイプ(吸込口)92の前端の開口92Aは蓋体40の接続パイプ44の開口45Aに接合し、連通パイプ92はケース体53の前側開口50aを介して塵埃分離部60の風路61に連通している。開閉蓋90の上部には後方(図5において右方)に延びる一対のアーム93(一方のみ図示)が設けられ、このアーム93の先端部には左右方向(図8において紙面と直交する方向)に延びる軸Pが設けられており、この軸Pがケース体53の上部に回動自在に取り付けられている。
【0027】
そして、開閉蓋90は、図8に示すように軸Pを中心にして回動することによりケース体53の前側開口50aを開放するようになっている。すなわち、開閉蓋90は、軸Pを中心にして回動することにより開閉動作する。
[動 作]
次に、上記のように構成される電気掃除機の動作について説明する。
【0028】
先ず、図4に示すように、集塵ケース50を本体ケース30の載置部35に載置して蓋体40を閉じ、ホース21を蓋体40の接続口43に接続する。そして、操作部22Aの図示しないスイッチを操作すると電動送風機23が駆動される。この電動送風機23の駆動により、本体ケース30の開口34Aを介してケース体53の負圧室部56が負圧となる。この負圧が管部62の開口64,管部62の風路61,ケース体53の前側開口50a,開閉蓋90の連通パイプ92,蓋体40の接続パイプ44,ホース21,延長管23および吸込口体24に作用し、吸込口体24から空気とともに塵埃が吸引されていく。
【0029】
この吸引された塵埃および空気が延長管23およびホース21を介して蓋体40の接続口43へ吸引されていく。この接続口43へ吸引された塵埃および空気は、蓋体40の接続パイプ44,開閉蓋90の連通パイプ92,ケース体53の前側開口50aを通って塵埃分離部60の管部62の風路61に吸引されていく。
【0030】
風路61に吸引された空気は管部62の開口64のネットフィルタF2を介してケース体53の負圧室部56に吸引され、さらにケース体53の開口51に装着したフィルタ80を介して電動送風機33の吸気開口33Aに吸引されていく。
【0031】
一方、管部62の風路61に吸引された所定以上の質量のある塵埃は、その風路61が前後方向に直線状に延びていることにより、風路61を直進して案内管70により集塵室部55内へ導入されていく。すなわち、塵埃分離部60により空気と塵埃が分離されることになる。
【0032】
また、空気の一部は案内管70を介して集塵室部55内へ導入され、この導入された空気は集塵室部55の内壁に沿って旋回流となり、集塵室部55内へ導入さた塵埃はその旋回流により圧縮されながら蓄積されていく。
【0033】
集塵室部55内に導入された空気は、旋回流となった後集塵室部55の天板58の開口59を介してケース体53の負圧室部56に吸引されていく。
【0034】
重さの軽い微細な塵埃は、管部62の風路61を直進することなく開口64のネットフィルタF2を通る空気に乗って流れていくので、ネットフィルタF2に付着していく。そして、微細な塵埃の付着によりネットフィルタF2の目詰まりが大きくなると、そのネットフィルタF2を通る風量が減少していくが、その減少した分だけケース体53の負圧室部56の負圧が大きくなり、天板58の開口59を介して集塵室部55内の負圧も大きくなる。このため、管部62の風路61を直進する空気の風速が大きくなり、その直進する風量も増加することになる。
【0035】
管部62の風路61を直進する風速が大きくなると、その直進する空気がネットフィルタF2に付着した塵埃を剥がしていく。この際、管部62の径が開口62Bに行くにしたがって直線的に漸減していることにより、ネットフィルタF2の全面に風路61を直進する風が一様に当たりやすくなり、このためネットフィルタF2に付着した塵埃は剥がれ易いものとなる。
【0036】
剥がれた塵埃は案内管70を介して集塵室部55内へ導入されて蓄積されていく。
【0037】
また、目詰まりによりネットフィルタF2を通る風量が減少しても、管部62の風路61を直進する風量が増加するので、電動送風機33が吸引する風量は一定に保たれる。このため、ネットフィルタF2の目詰まりに拘わりなく、常に所定の吸引力で塵埃を吸引することができることになる。
【0038】
また、管部62の風路61内で旋回流を生じさせて塵埃と空気とを分離させていないことにより、その風路61内での風路損は小さなものとなる。しかも、管部62の風路61からネットフィルタF2を通ってケース体53の負圧室部56に吸引されていく際、管部62の風路61と開閉蓋90の連通パイプ92と蓋体40の接続パイプ44とケース体53の開口51と電動送風機33の吸込開口33Aとが一直線上に配置されていることにより、その空気の流れの向きは矢印Q(図4参照)で示すように大きく変わることがなく、ほぼ直線的に流れて電動送風機33に吸引されていく。
【0039】
このため、その風路損はさらに小さなものとなり、電動送風機33の機能を十分に発揮することができることになる。さらに、開閉蓋90の連通パイプ92と管部62とが一直線上に並んでいることにより、その連通パイプ92に向けて導入される空気の方向が管部62の延びる方向と一直線状になるので、その風路損はより一層小さなものとなる。
【0040】
塵埃分離部60のネットフィルタF2に付着した塵埃を掃除する場合には、先ず図3に示すように蓋体40を開けて、本体ケース30の載置部35から集塵ケース50を取り外す。そして、図8に示すように、集塵ケース50のケース体53の開閉蓋90を開成して、ケース体53の前側開口50aを開放する。この開放により、その前側開口50aから指などを入れることができるので、ネットフィルタF2に付着した塵埃を指などで掻き落とすことができ、ネットフィルタF2の掃除が大変し易いものとなる。また、さらに集塵ケース50ごと水洗いすればよりきれいに掃除することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、塵埃分離部のネットフィルタの掃除が大変し易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電機掃除機の外観を示した斜視図である。
【図2】図1に示す電気掃除機の掃除機本体を示した側面図である。
【図3】図2に示す掃除機本体の蓋体を開けた状態を示した側面図である。
【図4】図2に示す掃除機本体の一部を断面にした側面図である。
【図5】集塵容器を示した側面図である。
【図6】集塵容器の構成を示した縦断面図である。
【図7】集塵容器を示した平断面図である。
【図8】図6に示す集塵容器の開閉蓋を開成した状態を示した縦断面図である。
【図9】従来の電気掃除機の構成を示した説明図である。
【符号の説明】
33 電動送風機
33A 吸気開口(吸気口)
50 集塵ケース
50a 前側開口(ケース開口)
53 ケース体
55 集塵室部
60 塵埃分離部
62A 開口
64 開口
90 開閉蓋
92 連通パイプ(吸込開口)
F2 ネットフィルタ
Claims (3)
- 吸込口から吸引した塵埃を分離するネットフィルタを有する塵埃分離部と、この塵埃分離部によって分離された塵埃を集塵する集塵部とを有する集塵ケースを備え、前記吸込口と対向する塵埃分離部の入口開口の径がその吸込口の径より大きくなっている電気掃除機であって、
前記塵埃分離部の入口開口に対向するケース開口を前記集塵ケースに設け、
前記ケース開口を閉塞する開閉蓋を開閉可能に設け、
この開閉蓋に前記吸込口を設けたことを特徴とする電気掃除機。 - 前記ケース開口の径と前記塵埃分離部の開口の径とをほぼ同一にしたことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
- 前記集塵ケースを掃除機本体に着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
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