JP2004166653A - 遺伝子導入細胞生産装置 - Google Patents

遺伝子導入細胞生産装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004166653A
JP2004166653A JP2002339256A JP2002339256A JP2004166653A JP 2004166653 A JP2004166653 A JP 2004166653A JP 2002339256 A JP2002339256 A JP 2002339256A JP 2002339256 A JP2002339256 A JP 2002339256A JP 2004166653 A JP2004166653 A JP 2004166653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
cells
gene
gene transfer
transgenic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002339256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4278365B2 (ja
Inventor
Jun Sasaki
順 佐々木
Yukihiro Yooku
幸宏 陽奥
Kazuo Tamamushi
一雄 玉虫
Akio Ito
昭夫 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2002339256A priority Critical patent/JP4278365B2/ja
Publication of JP2004166653A publication Critical patent/JP2004166653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4278365B2 publication Critical patent/JP4278365B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】スループットが高く、個別操作が可能な再生医療・ゲノム創薬等の事業に供しうる遺伝子導入細胞生産装置を提供すること。
【解決手段】第1の送液装置3aの混合部18aで細胞懸濁液14を培地15により希釈し、配管部2aを介して遺伝子導入装置1に搬送する。遺伝子導入装置1では、細胞観察装置12により微細流路5を流れてくる細胞を観察し、細胞補足装置6により細胞を個々に捕捉して、遺伝子導入微小針8を用いて細胞内に遺伝子溶液および薬剤溶液を注入する。導入物質が注入された細胞は、配管部2bを介して、第2の送液装置3bに送られ、混合部18bで培地15により希釈され、配管部2cを介して分注装置4に送られる。分注装置4では、導入物質注入後の細胞を含む細胞懸濁液を、個別の細胞毎に多穴プレート等に分注する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライフサイエンス分野、再生医療およびゲノム創薬に関連する分野において利用される遺伝子導入細胞生産装置に関し、特に、細胞内に外来の遺伝子溶液および薬剤溶液を、微小針を用いて注入し、注入済み細胞を大量に生産することができる遺伝子導入細胞生産装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、再生医療およびゲノム創薬等の分野において、遺伝子および薬剤を導入した細胞を利用する機会が増加している。従来も、研究用途において多くの遺伝子導入技術が用いられているが、研究用途とは異なる、医療用途特有の背景を以下に記す。
(1)細胞の種類および導入物質の種類を問わないこと。
従来の手法では、細胞と導入物質の組合せに制限を受けるものが多かった。研究用途ではこの制約を満たす組合せを探して解決を図っていたが、医療用途では細胞と導入物質の組合せが決まっているため、種類を問わない手法の確立が必要である。
(2)細胞の個別操作が可能であること。
研究用途では、多数の細胞が懸濁した状態でウィルスベクターもしくは薬液を注入することにより遺伝子導入を行う方法が広く取られているが、医療用途では導入後の各細胞を番号付けの上で管理し、注入効果の発現状況を観察する必要がある。これには遺伝子導入段階からの個別細胞操作が必要であり、細胞を群として扱う研究用途の手法をそのまま適用することが困難である。
(3)細胞が大量に供給できること。
再生医療用途では、一度に10〜10個の導入細胞が必要と言われている。このため、上記(1)および(2)の要求を満たすためにスループットが低下することはあってはならない。
【0003】
遺伝子導入の方法としては、従来から以下の技術が知られている。
(1)ベクター法などの生物的手法。
(2)トランスフェクションなどの化学的手法。
(3)電気穿孔法、パーティクルガン、インジェクションなどの物理的手法。
このうち上記(1)、(2)については、分子生物学研究において広く用いられているものの、細胞と導入物質の組合せに制限を受けるため、研究用には使えても再生医療用途には向かない。
上記(3)のうち、電気パルスで細胞膜を破開し、その穴から遺伝子を注入する電気穿孔法(特許文献1,2等参照)や、遺伝子を付着させた微細粒子を加速し、細胞に打ちつけて細胞膜を破開するパーティクルガン(特許文献3,特許文献4等参照)といった方法は、細胞と導入物質の組合せを選ばない方法として知られている。
しかし装置制御が難しく、細胞膜が破開したまま死滅してしまう、もしくは出力を細胞膜に当てることができずに導入ができない細胞が多く出るという欠点があり、導入成功率は数%のオーダにとどまっているという問題がある。
【0004】
これらに対して、インジェクション法(特許文献5,6,7等参照)は、人工授精に広く使われていることからも分かるように、100%に近い成功率の高さが特色である。導入は顕微鏡下で行われ、熟練した作業者または分解能の高い制御装置を用いることにより、細胞へのダメージを最低限に抑えるための針先制御が行われていることがその理由である。
細胞と導入物質の組合せを選ばず、かつ成功率が高いインジェクション法は、遺伝子導入方法として最も確実であると考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−18770号公報
【特許文献2】
特表平11−506630号公報
【特許文献3】
特開平6−62871号公報
【特許文献4】
特開平9−248183号公報
【特許文献5】
特開平5−192171号公報
【特許文献6】
特開平6−343478号公報
【特許文献7】
特開2000−23657号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
遺伝子導入の方法としては、従来から上記技術が知られているが、前記した医療用途特有の要求をすべて満足するものが存在しないことが問題になっている。
上記方法の中で、インジェクション法は医療用途の遺伝子導入方法として最も確実であると考えられると考えられるが、この方法の欠点は、スループットが著しく低いことである。
多くのインジェクション法は、顕微鏡視野下でのシャーレ上の手作業となるために熟練を要することが最大の原因であり、熟練した作業者でも1時間あたり数百個であると言われている。また、遺伝子導入後のシャーレを培養工程に回すために作業者自身が培養装置に運ぶ必要がある。
前記特許文献7に記載される、細胞を1次元ないし2次元のアレイ型に整列してからインジェクションを行う方式についても、インジェクション後に作業者自身が細胞を取出して培養装置に運ばなければならない点では同等である。
【0007】
このような環境は、基礎研究や人工授精など、必要とする細胞数が少ない環境では有効であるが、再生医療やゲノム創薬などの産業応用には、スループットの点で及ばない。
本発明の装置の適用分野で対象とする細胞は、卵細胞に限定しない細胞すべてである。人工授精においては、卵細胞を1個ずつの単位で扱うが、従来の一般的な細胞に対する遺伝子導入では、ほとんどの手法で細胞を群として扱っている。
一般細胞を対象とした既存のインジェクション方式においても、細胞はシャーレ上に不規則に並んでいるため、導入後の細胞の取扱いは群としての扱いにならざるを得ない。細胞を群として扱うことは、扱う細胞の数が多い場合には手軽であるが、医療用途で想定される、単一細胞について効果発現の有無を観察するなどの用途には向かないという問題があった。
【0008】
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、細胞に遺伝子を導入する装置において、細胞の種類および導入物質の種類を問わないインジェクション方式を採用しながら、インジェクション方式の欠点であるスループットが低いことと、個別操作が不可能であることを克服し、再生医療・ゲノム創薬等の事業に供しうる遺伝子導入細胞生産装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を次のようにして解決する。
(1)遺伝子導入細胞生産装置を、図1に示すように、細胞内に遺伝子溶液および薬剤溶液を注入する遺伝子導入装置1と、配管部2aを介して遺伝子導入装置1の前段に置かれ、細胞懸濁液の搬送が可能な第1の送液装置3aと、配管部2bを介して遺伝子導入装置1の後段に置かれ、導入物質注入後の細胞の搬送が可能な第2の送液装置3bと、第2の送液装置3bの後段に置かれた分注装置4とから構成する。
上記のように、装置を構成する各部分を配管部2a,2bで接続し、細胞懸濁液を送液装置3a,3bにて搬送することで、スループットの問題を解決し、注入済細胞を大量に生産することを可能とする。
(2)遺伝子導入装置1に、細胞が列をなして流れる微細流路5の側面に設けられた細胞捕捉装置6と、遺伝子導入微小針8を設け、細胞捕捉装置6によって捕捉された細胞に対して、微細流路5の側面に有する開口部から、遺伝子導入用微小針8を挿入することにより、細胞内に遺伝子溶液および薬剤溶液を注入する。
上記のように、インジェクション方式の遺伝子導入装置1を微細流路5上に実現し、微細流路5の側面に設けたた細胞捕捉装置6にて細胞を捕捉し、同じく流路側面にある遺伝子導入微小針8を用いて遺伝子導入を実現することで、従来のように顕微鏡視野下でのシャーレ上の手作業を行うことなく、注入済細胞を大量に生産することが可能となる。
(3)上記細胞捕捉装置6による細胞の捕捉は、微細流路の側面に有する開口部を介して微細流路5と接続された吸引装置により流路内部の細胞を吸引したり、微細流路の側面に有する開口部25を介して微細流路に挿入される捕捉器によって細胞を物理的に押さえたり、あるいは、微細流路の側面に存在する細胞親和性物質によって流路内部の細胞を付着させることにより行うことができる。
これにより、微細流路5を流れてくる細胞を容易に捕捉することができ、細胞の個別操作が可能となる。
(4)上記遺伝子導入装置1の微細流路5を、透明材質によって構成し、画像処理装置11からなる細胞観察装置12で微細流路5を観察し、画像処理装置11で、細胞が接近したことを認識するとともに、細胞の捕捉完了を検出する。
そして、画像処理装置11から、上位計算機等から構成される制御装置に、細胞を認識したことを示す信号を送信するとともに、捕捉完了時に捕捉完了信号を送信する。制御装置は細胞を認識したことを受信したとき、細胞捕捉装置に捕捉指令を送信して細胞を捕捉させ、また、細胞の捕捉完了信号を受信したとき、遺伝子導入用微小針による遺伝子導入操作を開始させ、導入完了時に上記細胞捕捉装置に開放指令を送信して細胞への遺伝子導入操作を完了させる。
上記構成とすることにより、細胞の個別の取り扱いを可能としながら、人手を要することなく注入済細胞を大量に生産することが可能となる。
(5)上記第1の送液装置3aを、送液制御装置16aと、第1の送出装置17aに充填された細胞懸濁液と第2の送出装置17bに充填された培地を混合する混合部18aとから構成し、細胞懸濁液の濃度、および、培地の送液量および液圧を送液制御装置の指令によって変化させることにより、上記混合部から出力される細胞懸濁液の濃度の制御を可能する。
上記のように細胞懸濁液の濃度の制御を可能することにより、微細流路5に細胞を一つずつ順次流すことができ、細胞を一つずつ捕捉して、遺伝子導入用微小針8による細胞の個別操作が可能となる。
また、第2の送液装置3bに、送出装置17cと混合器19bを設け、遺伝子導入後の細胞懸濁液を希釈して、細胞1個を含む液滴を生成できる濃度を実現することにより、遺伝子導入後の収納、培養、観察の局面の利便性を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態である遺伝子導入細胞生産装置の構成例について説明する。
図1は本発明の実施例の遺伝子導入細胞生産装置の構成を示す図である。
図1において、3aは第1の送液装置であり、送液装置3aは、細胞懸濁液14を送出する第1の送出装置17aと、培地15を送出する第2の送出装置17bと、送液制御装置16aと、混合部18aから構成される。
第1の送液装置に充填された細胞懸濁液14は、送出装置17bに充填された培地15と混合部18aによって混合され、細胞を個別にインジェクションするために適当な倍率に希釈され、配管部2aを介して遺伝子導入装置1に送られる。
上記細胞懸濁液および培地の送液量および液圧は送液制御装置16aの指令によって変化させることができ、これにより混合部18aから出力される細胞懸濁液の濃度が制御される。
【0011】
上記送出装置17aに充填される細胞懸濁液14の濃度は10cells/mL程度である。これは継代後、数日間培養した細胞懸濁液の一般的な密度である。
この細胞懸濁液を、送液装置3a内の混合部18aにて100倍程度に希釈することによって、10cells/mL程度の懸濁液を得ることができる。
送出装置17a,17bおよびその制御部である送液制御装置16aには、公知の液体クロマトグラフィー用微量送液装置を用いることができるが、送液手段はこれに限定しない。
好ましい実施例として、送液装置3aからの送液量を1μL/min程度とすると、懸濁液濃度から換算すれば、遺伝子導入装置1個当たりの処理能力は10cells/minとなる。
【0012】
1は遺伝子導入装置であり、遺伝子導入装置1は上記配管部2aと、導入物質注入後の細胞を送出する配管部2bに接続された微細流路5と、光源10aと対物レンズ10bを備えた画像処理装置11からなる細胞観察装置12と、微細流路5を列をなして流れてくる細胞を一つずつ捕捉する細胞捕捉装置6と、捕捉された細胞の細胞膜に穿孔して導入物質の注入を行うための遺伝子導入微小針8とから構成される。上記細胞観察装置12は、微細流路5を常時観察し、細胞の検出信号を送出するとともに、上記細胞捕捉装置6による細胞の捕捉完了を検出する。
また、上記細胞捕捉装置6を制御する細胞捕捉機構制御装置7と、上記遺伝子導入微小針8を制御する制御装置9と、制御装置7,9および上記細胞観察装置12に接続された上位計算機13を備える。
上位計算機13は、上記細胞観察装置12から細胞の検出信号が送出されてくると、上記細胞捕捉装置6を制御する制御装置7に細胞捕捉開始の指令を送信し、また、細胞観察装置12から細胞捕捉完了信号が送信されてくると、上記遺伝子導入微小針8を制御する制御装置9に対して遺伝子導入の開始を指令する。
導入物質が注入された細胞は、微細流路5から配管部2bを介して第2の送液装置3bに送られる。
【0013】
遺伝子導入装置1における微細流路5の内径は、該流路5を細胞が列をなして流れる程度の幅であることが望ましく、細胞の外径が15−20μm程度であることを考慮すると、50−100μm程度の幅であることが好ましい。
微細流路5は前記した画像処理装置に設けられた光源10aと対物レンズ10bからなる顕微鏡視野下に置くことができ、流路中の細胞の動きを観察することができるように透明な部材で形成される。
上記微細流路5への細胞の流入、捕捉の状態、遺伝子導入の状態など、視野内の細胞、細胞捕捉装置6ならびに遺伝子導入微小針8の状態は、画像処理装置11により検出することができる。
細胞捕捉装置6は例えば図2に示すような構成を有する。図2は図1のA部の拡大図であり、細胞捕捉機構制御装置7によって、同図に示すように微細流路内部の液体および細胞21を吸引し、微細流路5の側面に開口されたφ数μm程度の微細穴24に、同図に示すように細胞22を捕捉することにより実現される。
上記細胞捕捉装置6による細胞捕捉手段に関しては、後述するように、圧電素子等によって駆動できる捕捉器を接続して機械的に細胞を捕捉したり、細胞親和性物質を用いて捕捉するなど、他の手段であっても良い。
上記遺伝子導入微小針8の先端部の直径は、細胞を穿孔するのに十分な鋭利さを持つことが必要であり、1μm程度であることが好ましく、また微小針8が通過する微細穴23の直径は10−20μm程度であることが好ましい。
【0014】
図1の3bは第2の送液装置であり、送液装置3bは、配管部2bを介して送られてくる導入物質注入後の細胞を含む細胞懸濁液を培地15と混合するための混合部18bと、送出制御装置16cにより制御される培地15を送出するための送出装置17cとから構成される。
混合部18bにおいて、細胞を個別に取り扱うことができるように適当な倍率に希釈された導入物質注入後の細胞を含む細胞懸濁液は、配管部2cを介して分注装置4に送られる。
分注装置4は、上記希釈された導入物質注入後の細胞を含む細胞懸濁液を、個別の細胞毎に、汎用の多穴プレートに分注する。上記分注装置4としては、公知の液体分注装置を用いることができる。
【0015】
図3は、前記上位計算機、画像処理装置、細胞捕捉装置、遺伝子導入用針制御装置の動作を説明するフローチャートであり、同図を参照しながら、本実施例の遺伝子導入細胞生産装置による遺伝子導入細胞の生成処理について説明する。
細胞懸濁液14を送出装置17aに充填する。粘着細胞の場合は、トリプシン処理によって担体から剥離されているものとする。
充填された細胞懸濁液14は、該細胞懸濁液とは別に用意され、送出装置17bに充填された培地15と、混合部18aによって混合され、細胞を個別にインジェクションするために適当な倍率に希釈される。
混合部18aを通過した細胞懸濁液は、配管部2aを介して遺伝子導入装置1に送られる。
遺伝子導入装置1に送られた細胞懸濁液は、装置内の微細流路5に入る。微細流路5は、前記したように、細胞観察装置12による観察が可能なように透明材質で構成される。
【0016】
細胞観察装置12は、流路内を常時観察する。視界内に細胞21が搬送されてくる状態を検出した場合、図3に示すように細胞観察装置12の上位に位置づけられる上記計算機13に、細胞の検出情報を送信する。
これを受け取った上位計算機13は、細胞捕捉機構制御装置7に対して、捕捉開始の指令を送信する。
細胞捕捉機構制御装置7は、上位計算機13の指令に応じて、細胞捕捉装置6を操作し、図2に示すように、微細穴24を介して細胞を流路内に捕捉する。
細胞観察装置12は、流路内を常時観察する。視界内の細胞捕捉装置6付近にて細胞が停止した状態を検出した場合、図3に示すように上位計算機13に、細胞の捕捉完了情報を送信する。これを受け取った上位計算機13は、遺伝子導入用微小針制御装置9に対して、遺伝子導入開始の指令を送信する。
遺伝子導入用微小針制御装置9は、上位計算機13の指令に応じて、遺伝子導入用微小針8を移動し、微細流路壁面にある微小な穴23(図2参照)を介して、細胞捕捉装置6に捕捉されている細胞21の細胞膜を穿孔し、導入物質の注入を行う。
なお、導入物質は微小針の内部に充填されていてもよく、また微小針の先端に付着していてもよい。内部に充填されている場合は、遺伝子導入用微小針制御装置9内に有する送液装置によって、遺伝子を導入するのに適当な量だけ注入される。
【0017】
遺伝子導入用針制御装置9は、遺伝子の導入動作を完了すると、導入終了信号を上位計算機13に送出する。これに応じて、上記計算機13は、開放信号を画像処理装置11、細胞捕捉機構制御装置7に送出し、画像処理装置11は信号検出動作を終了し、また細胞捕捉機構制御装置7は細胞捕捉装置6を操作し、捕捉されていた細胞を開放する。
以上のようにして細胞に導入物質が注入されると、導入物質注入後の細胞は、微細流路5を通過後、配管部2bを介して第2の送液装置3bに搬送される。送液装置3bの内部では、混合部18bを通過する際に、細胞懸濁液とは別に用意された培地9によって、細胞を個別に取り扱うために適当な倍率に希釈される。
送液装置3より送られた希釈済みの細胞懸濁液は、分注装置4により、汎用の多穴プレートに分注される。これによって、個別細胞の取扱いが可能な形で細胞を収納することができる。
細胞の個別収納後は、必要に応じて、細胞のクローニングおよび導入遺伝子および薬剤の効果発現の確認を行うことができる。
【0018】
上記では、図2に示す細胞捕捉装置6を用いて、細胞を捕捉する場合について説明したが、細胞の捕捉は、捕捉器等を使用した機械的操作による捕捉や任意の細胞親和性物質による捕捉であってもよい。
図4は、捕捉器により細胞の捕捉する場合の細胞捕捉器装置6の構成例を示す図である。
同図に示すように、開口部25より挿入される捕捉器26を設け、微細流路5を流れてくる細胞21を、上記捕捉器26を同図の矢印のように移動させて捕捉する。捕捉された細胞22には、微細流路壁面にある微小な穴23から挿入される遺伝子導入用微小針8により、導入物質が注入される。
図5は、細胞親和性物質により細胞を捕捉する場合の細胞捕捉器装置6の構成例を示す図である。
同図に示すように、微細流路5に細胞親和性物質27を設け、微細流露を流れてくる細胞21の細胞膜を、上記細胞親和性物質27に付着させて捕捉する。捕捉された細胞22には、微細流路壁面にある微小な穴23から挿入される遺伝子導入用微小針8により、導入物質が注入される。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、細胞と導入物質の組合せを選ばず、導入の確実性が高いインジェクション方式でありながら、従来のインジェクション方式が不得意とする細胞の大量処理を実現し、かつ細胞の個別の取扱いを可能とする効果が得られる。このため、再生医療およびゲノム創薬等の医療用途の遺伝子導入装置としての適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の遺伝子導入細胞生産装置の構成を示す図である。
【図2】陰圧により細胞を捕捉する細胞捕捉装置の構成例を示す図である。
【図3】上位計算機、画像処理装置、細胞捕捉機構制御装置、遺伝子導入微小針制御装置間における情報の送受信の概要を示すフローチャートである。
【図4】捕捉器により細胞を捕捉する細胞捕捉装置の構成例を示す図である。
【図5】細胞親和性物質により細胞を捕捉する細胞捕捉装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 遺伝子導入装置
2a〜2c 配管部
3a 第1の送液装置
3b 第2の送液装置
4 分注装置
5 微細流路
6 細胞捕捉装置
7 細胞捕捉機構制御装置
8 遺伝子導入用微小針
9 遺伝子導入用微小針制御装置
10a 光源
10b 対物レンズ
11 画像処理装置
12 細胞観察装置
13 上位計算機
14 細胞懸濁液
15 培地
16a,16b 送液制御装置
17a〜17c 送出装置
18a,18b 混合部
21 細胞
22 捕捉された細胞
23 遺伝子導入用微小針用開口部
24 細胞捕捉装置(陰圧式)用開口部
25 細胞捕捉装置(機械式)用開口部
26 捕捉器
27 細胞親和性物質

Claims (5)

  1. 細胞内に遺伝子溶液および薬剤溶液を、微小針を用いて注入するための遺伝子導入細胞生産装置であって、
    細胞内に遺伝子溶液および薬剤溶液を注入する遺伝子導入装置と、
    配管部を介して上記遺伝子導入装置の前段に置かれ、細胞懸濁液の搬送が可能な第1の送液装置と、配管部を介して上記遺伝子導入装置の後段に置かれ、導入物質注入後の細胞の搬送が可能な第2の送液装置と、
    上記第2の送液装置の後段に置かれた分注装置とから構成される
    ことを特徴とする遺伝子導入細胞生産装置。
  2. 上記遺伝子導入装置は、細胞が列をなして流れる微細流路の側面に設けられた細胞捕捉装置と、遺伝子導入微小針を備え、
    上記細胞捕捉装置によって捕捉された細胞に対して、微細流路の側面に有する開口部から、上記遺伝子導入用微小針を挿入することにより、細胞内に遺伝子溶液および薬剤溶液を注入する
    ことを特徴とする請求項1の遺伝子導入細胞生産装置。
  3. 上記遺伝子導入装置の細胞捕捉装置は、
    微細流路の側面に有する開口部を介して微細流路5と接続された吸引装置により流路内部の細胞を吸引する、もしくは、微細流路の側面に有する開口部25を介して微細流路に挿入される捕捉器によって細胞を物理的に押さえる、もしくは、微細流路の側面に存在する細胞親和性物質によって流路内部の細胞を付着させる、ことにより細胞を捕捉する
    ことを特徴とする請求項1また請求項2の遺伝子導入細胞生産装置。
  4. 上記遺伝子導入装置の微細流路は、透明材質によって構成され、
    画像処理装置からなる細胞観察装置に装着され、該画像処理装置の出力は制御装置に接続されており、
    上記画像処理装置は、細胞の接近時に上記制御装置に細胞を認識したことを送信するとともに、捕捉完了時に上記制御装置に細胞の捕捉完了信号を送信し、
    上記制御装置は、細胞を認識したことを受信したとき、細胞捕捉装置に捕捉指令を送信して細胞を捕捉させ、
    細胞の捕捉完了信号を受信したとき、遺伝子導入用微小針による遺伝子導入操作を開始させ、
    導入完了時に上記細胞捕捉装置に開放指令を送信して細胞への遺伝子導入操作を完了させる
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項4の遺伝子導入細胞生産装置。
  5. 上記第1の送液装置は、送液制御装置と、第1の送出装置に充填された細胞懸濁液と第2の送出装置に充填された培地を混合する混合部を備え、
    細胞懸濁液の濃度、および、培地の送液量および液圧を送液制御装置の指令によって変化させることにより、上記混合部から出力される細胞懸濁液の濃度の制御を可能とした
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4の遺伝子導入細胞生産装置。
JP2002339256A 2002-11-22 2002-11-22 遺伝子導入細胞生産装置 Expired - Fee Related JP4278365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002339256A JP4278365B2 (ja) 2002-11-22 2002-11-22 遺伝子導入細胞生産装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002339256A JP4278365B2 (ja) 2002-11-22 2002-11-22 遺伝子導入細胞生産装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004166653A true JP2004166653A (ja) 2004-06-17
JP4278365B2 JP4278365B2 (ja) 2009-06-10

Family

ID=32702250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002339256A Expired - Fee Related JP4278365B2 (ja) 2002-11-22 2002-11-22 遺伝子導入細胞生産装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4278365B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1621912A1 (en) * 2004-07-27 2006-02-01 Fujitsu Limited Device for injecting substance into cell and method for injecting substance into cell
JP2006055072A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Fujitsu Ltd 搬送制御装置及び方法
JP2006094783A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fujitsu Ltd 細胞給排・捕捉装置及び細胞給排・捕捉方法
JP2006191877A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Fujitsu Ltd 物質導入装置および物質導入方法
WO2006095424A1 (ja) * 2005-03-10 2006-09-14 Fujitsu Limited ポンプユニット、シリンジユニット、粒子送出方法、および細胞送出方法
JP2006254895A (ja) * 2005-02-17 2006-09-28 Fujitsu Ltd 物質注入装置
JP2006280231A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fujitsu Ltd 細胞捕捉装置
JP2006292468A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Univ Of Electro-Communications 検体動作制御装置及び方法
JP2007202449A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Fujitsu Ltd 送液装置
JP2007205964A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Seiko Instruments Inc 特定物質観察装置及び特定物質観察方法
JP2007289036A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Fujitsu Ltd 小胞体反応チップ、小胞体収納方法、反応液回収方法、及び、小胞体回収方法
EP1882735A1 (en) 2006-07-24 2008-01-30 Fujitsu Limited Material sucking or discharging apparatus and method for cleansing the injection needle
US8012417B2 (en) 2006-05-12 2011-09-06 Fujitsu Limited Solution discharging method and solution discharging device
JP2013504334A (ja) * 2009-12-23 2013-02-07 エッペンドルフ アクチェンゲゼルシャフト ツール動作を生成するためのシステム及び方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1621912A1 (en) * 2004-07-27 2006-02-01 Fujitsu Limited Device for injecting substance into cell and method for injecting substance into cell
JP2006055072A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Fujitsu Ltd 搬送制御装置及び方法
JP4555650B2 (ja) * 2004-09-29 2010-10-06 富士通株式会社 細胞給排・捕捉装置及び細胞給排・捕捉方法
JP2006094783A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Fujitsu Ltd 細胞給排・捕捉装置及び細胞給排・捕捉方法
JP2006191877A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Fujitsu Ltd 物質導入装置および物質導入方法
JP2006254895A (ja) * 2005-02-17 2006-09-28 Fujitsu Ltd 物質注入装置
WO2006095424A1 (ja) * 2005-03-10 2006-09-14 Fujitsu Limited ポンプユニット、シリンジユニット、粒子送出方法、および細胞送出方法
JP2006280231A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fujitsu Ltd 細胞捕捉装置
JP4579745B2 (ja) * 2005-03-31 2010-11-10 富士通株式会社 細胞捕捉装置
US8062882B2 (en) 2005-03-31 2011-11-22 Fujitsu Limited Apparatus for capturing cell
JP2006292468A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Univ Of Electro-Communications 検体動作制御装置及び方法
JP4677555B2 (ja) * 2005-04-07 2011-04-27 国立大学法人電気通信大学 検体動作制御装置及び方法
JP2007202449A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Fujitsu Ltd 送液装置
JP2007205964A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Seiko Instruments Inc 特定物質観察装置及び特定物質観察方法
JP4601000B2 (ja) * 2006-02-03 2010-12-22 セイコーインスツル株式会社 特定物質観察装置及び特定物質観察方法
JP2007289036A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Fujitsu Ltd 小胞体反応チップ、小胞体収納方法、反応液回収方法、及び、小胞体回収方法
US8012417B2 (en) 2006-05-12 2011-09-06 Fujitsu Limited Solution discharging method and solution discharging device
EP1882735A1 (en) 2006-07-24 2008-01-30 Fujitsu Limited Material sucking or discharging apparatus and method for cleansing the injection needle
JP2013504334A (ja) * 2009-12-23 2013-02-07 エッペンドルフ アクチェンゲゼルシャフト ツール動作を生成するためのシステム及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4278365B2 (ja) 2009-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100636719B1 (ko) 세포용 물질 도입 장치 및 세포용 물질 도입 시스템
JP2004166653A (ja) 遺伝子導入細胞生産装置
US11103870B2 (en) Methods, systems and devices for selection and generation of genome edited clones
Jayasinghe et al. Stable electric-field driven cone-jetting of concentrated biosuspensions
CN103649295B (zh) 用于选择性转染细胞的光热衬底
US9453229B2 (en) Apparatus for introducing biological material, method of introducing biological material and magnetic support for introducing biological material
CN101310169B (zh) 液滴生成运送方法和装置以及粒子操作装置
CN107002089A (zh) 化合物和组合物向细胞中的破坏和场实现的递送
JP2002526103A (ja) 微細組み立てセル注入器
JP2008136475A (ja) 細胞捕捉装置及びそれを利用した細胞操作方法
JP4456429B2 (ja) インジェクション装置
JP4555650B2 (ja) 細胞給排・捕捉装置及び細胞給排・捕捉方法
CN117143728A (zh) 微流控电子芯片、类器官模型制备方法及蛋白质解析方法
US8852508B2 (en) Microinjection apparatus and method
JP2005176644A (ja) 物質導入粒子自動生産装置
US20060246571A1 (en) Apparatus and method for automatically producing substance-introduced particles
JP2006055072A (ja) 搬送制御装置及び方法
US20060110817A1 (en) Capturing apparatus and method of minute objects
JP2019013197A (ja) 魚卵処理装置
US20060110820A1 (en) Capturing apparatus and method of minute objects
JP2004135601A (ja) 細胞保持用中空繊維
Graf Automated microinjection with integrated cell sorting, immobilization and collection
JP2019154314A (ja) キャピラリーチップ及びこれを備える装置、並びに細胞への外来物質の導入方法
JP2011212629A (ja) インクジェット液滴中に粒子を取り込む方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090310

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees