JP2004166512A - シート状加工梅及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高塩度、高酸度の梅肉ペーストを使用したシート状の加工梅、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るシート状加工梅Aは梅肉ペーストBにコンニャクペーストCを配合したものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梅干しの果肉だけからなる梅肉ペーストとコンニャクペーストとを含有するシート状の食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
梅干しを使用した従来のシート状食品として、梅干しより得た梅肉を破砕及び/又は磨砕し裏ごししてなる梅肉調整品と、増粘多糖類、寒天、ゼラチンの1種又は2種以上にペクチンを配合し、砂糖その他の甘味料、食塩、酸味料、天然又は人工の調味料、着香料、着色料、及び、界面活性剤を加えて水溶液にした保型剤水溶液との混合物を板状ないしシート状に成型する方法によって製造したシート状の梅干し様食品が示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、生梅の肉質部を半乾燥して塩や調味料を加えて練り合わせた練り梅肉とアルギン酸ソーダ水溶液を混練し、これをローラでシート状に展延し、このシート状物の表面にアルブミン水溶液及び乳酸カルシウム水溶液の混合物をスプレイしてシート状物を形成するアルギン酸をゲル化させ、ゲル化されたシート状物を加熱乾燥して製造したシート状具材が示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、粘度調整剤と比重調整剤とを添加した多価金属塩水溶液に梅肉ペーストを混合し、アルギン酸塩水溶液に滴下して製造したおにぎり具材が示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−181713号公報
【0006】
【特許文献2】特開平4−281755号公報
【0007】
【特許文献3】特開平4−320655号公報
【0008】
【特許文献4】特開昭63−98366号公報
【0009】
【特許文献5】特開昭63−146764号公報
【0010】
【特許文献6】特開昭60−217873号公報
【0011】
【特許文献7】特開昭57−141268号公報
【0012】
【特許文献8】特開昭51−148054号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に示されるシート状の梅干し様食品のようにゼラチンや寒天を使用したものは、ゼリー、グミ又は和菓子に近い性状のもので冷却固化することにより保型するものであるから、熱に弱く、調理し難いという欠点がある。
【0014】
上記特許文献2及び特許文献3に示されるように梅肉ペーストの表面においてゲル化剤と反応剤とを接触させてその表面をゲル化させて保型する場合には、塩度の高い塩梅から取り出した梅肉ペーストではゲル化が妨げられるので均一した表面層が得られず、具材としては使用しづらい欠点がある。
【0015】
さらにまた、特許文献4〜特許文献8には、梅肉を利用した加工食品が示されているが、いずれもゲル化の問題、柔軟性、耐水性、耐熱性等が不十分であるため、シート状の具材として満足できるものは得られていない。
【0016】
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、梅肉ペーストにコンニャクペーストを混合すれば、たとえ高塩度、高酸度の梅肉ペーストを使用してもシート状の加工梅が何ら問題なく製造できることを見出した。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシート状の加工梅は、梅肉ペーストとコンニャクペーストとを配合成分として含むものである。
【0018】
また、本発明に係るシート状の加工梅の製造方法は、(a) 梅干しを水洗することにより脱塩梅を製造する脱塩工程、(b) 前記脱塩梅を撹拌して、塩度及び酸度の均一化を図った均一脱塩梅を製造する撹拌工程、(c) 前記均一脱塩梅を高速回転させることにより、均一脱塩梅の表皮を破砕して梅核を除去した梅実を製造する除核工程、(d) 前記梅実を裏ごしすることにより、蔕、核の欠片、皮を除去して梅肉ペーストを製造する裏ごし工程、(e) 前記梅肉ペーストにコンニャクペーストを加え、さらに必要に応じて添加物を加えて混練することにより、混練ペーストを製造する混練工程、(f) 前記混練ペーストをシート状に展延成形する成形工程、(g) 前記シート状の混練ペーストを乾燥させる乾燥工程を経て製造する方法である。
【0019】
上記のようにシート状加工梅を製造するためにコンニャクペーストを使用したため、コンニャクの主成分であるグルコマンナンの長繊維が網目状に架橋すると同時に水和によるゲル化作用により、梅肉ペーストの分子が、塩度や酸度に関係なく前記の架橋された網目内に取り込まれ、これをシート状にして温風乾燥すれば、コンニャクペーストの温風乾燥による澱粉の固化作用により安定したシート状の形態となる。また、このシート状加工梅は、柔軟性があり、耐熱性があって劣化せず、耐水性に優れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を添付の図に基づいて説明する。
【0021】
図1は本実施例に係るシート状加工梅の斜視図、図2は本実施例に係るシート状加工梅の部分断面図である。図1におけるAは次記する製造方法により製造されたシート状加工梅であり、図2に示すように梅肉ペーストBとコンニャクペーストCとが混合してシート状加工梅Aが構成される。
【0022】
図3〜図8は図1に示すシート状加工梅の製造に使用する装置の概略図であって、図3はシート状加工梅の脱塩工程において使用する脱塩装置の概略図、図4はシート状加工梅の撹拌工程において使用する撹拌装置の概略図、図5はシート状加工梅の除核工程において使用する除核装置の概略図、図6はシート状加工梅の裏ごし工程において使用する濾過装置の概略図、図7はシート状加工梅の混練工程において使用する混練装置の概略図、図8はシート状加工梅の成形工程において使用する成形装置の概略図である。
【0023】
図3に示す10は、梅干し(未脱塩梅)Dの塩度及び酸度を所定の塩度及び酸度に減少させた脱塩梅Eを得るための脱塩装置である。該脱塩装置10は、有底筒状の脱塩タンク11と、ネット12と、給水パイプ13とから構成される。該脱塩タンク11は上方に開放していて、上端周縁部11aが外方に湾曲して折り返されており、この上端周縁部11aから後述するようにタンク内の水があふれ出るようになっている。該ネット12は、脱塩タンク11の底部から若干間隔をおいて水平に配されており、このネット12が脱塩タンク11の上方から投入された梅干しDを受け、後述するようにこのネット12の下方から水が上方へ流れて環流し、ネット12上の梅干しDが水に晒されるようになっている。なお、ネット12は網状あるいは格子状のものでもよく、耐酸性があれば種々の材質のものが使用できる。給水パイプ13は、脱塩タンク11内のネット12の中央部に貫通して立設されており、給水された水が脱塩タンク11の底部を這いながら上方に向かって流れ、ネット12上に積載される梅干しDの間隙を通過しながら環流し、過給水になると脱塩タンク11内の水が脱塩タンク11の上端周縁部11aから外方にあふれ出るようになる。この脱塩装置10を使用することにより、脱塩タンク11に投入された梅干しDが水洗されて脱塩される。製造例として、容積1200mlの脱塩タンクに塩度20〜25%の梅干し1トンを投入し、給水時間すなわち脱塩時間15〜20時間で8.5%の脱塩梅Eが得られた。なお、脱塩時間は、設定する脱塩梅Eの塩度、酸度及び梅の質によって適宜設定変更する。
【0024】
図4に示す20は、前記脱塩装置10により脱塩された脱塩梅Eを均一の塩度及び酸度になるように撹拌することにより、脱塩梅Eの塩度及び酸度の濃淡をなくした均一脱塩梅Fを得るための撹拌装置である。該撹拌装置20は、断面半円状の撹拌タンク21と撹拌棒22とから構成される。撹拌タンク21は両側に支柱23,24により固定支持されている。撹拌棒22は、支柱23,24に回転自在に軸着されており、撹拌棒22の軸回りには撹拌棒22にU字型の上端を固定した2個のU字状回転部材25a、25bがそれぞれ撹拌棒22に対して相対向し、軸方向へそれぞれ位置をずらして設けられている。また、各U字状回転部材25a、25bについてそれぞれ相対向する方向に板状回転部材26a、26bが設けられている。この撹拌装置20に前記脱塩装置10により脱塩された脱塩梅Eを取り出して投入し、撹拌棒22を不図示の動力源にて回転させることによりU字状回転部材25a、25b及び板状回転部材26a、26bを回転させて脱塩梅Eを撹拌し、塩度及び酸度を均一にした均一脱塩梅Fを得る。なお、塩度及び酸度が所定の数値より低い場合には、適当量の未脱塩の梅干しDを撹拌装置20内に混入させて撹拌し、所定の塩度及び酸度となるように調整する。
【0025】
図5に示す30は、前記撹拌装置20により得られた均一脱塩梅Fの表皮を破砕して梅Fを梅実G1と梅核G2とに解体し、梅核G2を除去して梅実G1を製造する除核装置である。除核装置30は、均一脱塩梅Fの投入部31と、該投入部31に連結された梅肉噴出筒32と、該梅肉噴出筒32の内部に設けられた均一脱塩梅Fの破砕部33と、該梅肉噴出筒32の投入部31と反対側に連結された梅核吐き出し部34とから構成される。投入部31と梅肉噴出筒32とは開閉可能な仕切り板31aにより仕切られており、仕切り板31aが開放されると投入部31に投入された均一脱塩梅Fは梅肉噴出筒32内に移行するようになっている。梅肉噴出筒32は2.5mmのメッシュ孔を有する筒状体より形成されている。その内部に設けた破砕部33は、梅肉噴出筒32の軸心を通る回転軸33aが梅肉噴出筒32の長さ方向端部に回転可能に軸着されており、該回転軸33aには相対向する方向に突出させたコの字状の破砕羽根33b、33cが位置をずらせて設けられている。梅肉噴出筒32の投入部31と反対側に設けられている梅核吐き出し部34は、梅肉噴出筒32の筒状体と連通する先細のロート状の形態をなしている。そして、該除核装置30において、投入部31から投入された均一脱塩梅Fが梅肉噴出筒32内に移行し、梅肉噴出筒32内において不図示の駆動源により破砕部33が高速回転すると、均一脱塩梅Fが破砕羽根33b、33cと共に高速回転し、その回転に基づく遠心力による破砕作用、及び、破砕羽根33b、33cと梅肉噴出筒32の筒状体内面と間に挟まって擦り潰される破砕作用により、均一脱塩梅Fの表皮が破砕されて梅実G1と梅核G2とが解体され、梅実G1は梅肉噴出筒32の筒状体表面の2.5mmメッシュ孔から噴出し、梅核G2は梅核吐き出し部34から外部へ吐き出される仕組みになっている。この除核装置30により得られた梅実G1には、蔕、核の欠片あるいは表皮が含まれている。
【0026】
図6に示す40は、前記除核装置30により得られた梅実G1から蔕、核の欠片あるいは表皮を除去する濾過装置である。該濾過装置40は、梅実G1を投入する投入部41と、投入部41に連結された濾過筒42と、濾過筒42内で回転する螺旋軸43とから構成される。投入部41は濾過筒42の上端に連通して設けられ、上部が大きく開口した先細のロート状をなしている。濾過筒42は1mmのメッシュ孔を有する筒状体より形成されている。この濾過筒42の軸心には螺旋軸43が設けられていて、濾過筒42の長さ方向の両端部において回転可能に軸着されている。この螺旋軸43にはその軸に沿って螺旋羽根43aが突出形成されている。そして、投入部41から投入された梅実G1は濾過筒42へ移行し、濾過筒42において回転する螺旋軸43により、螺旋羽根43aが梅実G1を螺旋軸43の軸方向及び径方向に移動させ、螺旋筒42の筒状体の内表面に梅実G1を押圧するので、1mmのメッシュ孔より、梅実G1から蔕、核の欠片あるいは表皮が濾過された梅肉ペーストHが噴出することになる。
【0027】
図7に示す50は、前記の梅肉ペーストHにコンニャクペーストIを加え、必要に応じて添加物Jを加えて混練することにより、均一に混練された混練ペーストKを製造する混練装置である。当該混練装置50は、図4に示す撹拌装置20と同一の構造をなしており、該混練装置50は、断面半円状の混練タンク51と混練棒52とから構成される。混練タンク51は両側に支柱53、54により固定支持されている。混練棒52は、支柱23,24に回転自在に軸着されており、混練棒52の軸回りには混練棒52にU字型の上端を固定した2個のU字状回転部材55a、55bがそれぞれ混練棒52に対して相対向し、軸方向へそれぞれ位置をずらして設けられている。また、各U字状回転部材55a、55bについてそれぞれ相対向する方向に板状回転部材56a、56bが設けられている。
この混練装置50に前記濾過装置40により濾過された梅肉ペーストH及び別途用意していたコンニャクペーストI及び添加物Jを投入し、混練棒52を不図示の動力源にて回転させることによりU字状回転部材55a、55b及び板状回転部材56a、56bを回転させて梅肉ペーストHとコンニャクペーストIと添加物Jとを混練し、混練装置50内の梅肉ペーストHとコンニャクペーストIと添加物Jの混練具合を均一した混練ペーストKを製造する。梅肉ペーストHとコンニャクペーストIとの配合割合は梅肉ペーストH5〜95%に対してコンニャクペーストI95〜5%の範囲で配合することができる。なお、上記した混練中に添加する添加物Jとしては、塩度及び酸度の低減及び乾燥時の体積保持のためにデンプンやデキストリンなどの増粘材を適量投入しても良い。また、リンゴ、桃の果実系あるいはニンジンなどの野菜系をパルパーにかけたものを投入しても同様の効果が得られる。さらに、好みに応じて、味噌、鰹削り節、砂糖、水飴、旨味調味料、色素などを添加しても良い。
【0028】
図8に示す60は、前記混練ペーストKをシート状に展延成形する成形装置である。該成形装置60は、平板体よりなる矩形状の下敷き61と型枠62とから構成され、型枠62は、その内部が前記下敷き61より小さい矩形状に打ち抜いた形態をなしている。そして、前記下敷き61の上に型枠62を重ね合わせ、型枠62の枠内に前記混練装置により得られた混練ペーストKを流し込み、へらで上面が平になるように均す。これは、その後の乾燥工程において乾燥時間を一定にするためである。なお、流し込む混練ペーストKの厚みは1〜10mm程度が後の加工を行いやすい利点がある。また、この成形装置としては、図9に示す押し出し成形装置70や図10に示すローラを使用しての成形装置80により成形してもよい。
【0029】
次に上記の成形装置60により成形された混練ペーストKを温風乾燥装置にかけて乾燥させたシート状加工梅A(図1)を製造する。乾燥時間は、40℃で8時間、60℃で2〜3時間、80℃で2時間程度である。その後、適宜必要に応じてシート状加工梅の形状加工を行う。形状加工としては、適宜の大きさに裁断する裁断加工、一定の型を形成する型抜き加工、チップ状に成形するチップ加工などがある。
【0030】
以上のように本実施例におけるシート状の加工梅Aの製造方法は、(a) 脱塩装置10を使用し、梅干しDを水洗することにより脱塩梅Eを製造する脱塩工程、(b) 撹拌装置20を使用し、前記脱塩梅Eを撹拌して、塩度及び酸度の均一化を図った均一脱塩梅Fを製造する撹拌工程、(c) 除核装置30を使用し、前記均一脱塩梅Fを高速回転させることにより、均一脱塩梅の表皮を破砕して梅核G2を除去した梅実G1を製造する除核工程、(d) 濾過装置40を使用し、前記梅実G1を裏ごしすることにより、蔕、核の欠片、皮を除去して梅肉ペーストHを製造する裏ごし工程、(e) 混練装置50を使用し、前記梅肉ペーストHにコンニャクペーストIを加え、さらに必要に応じて添加物Jを加えて混練することにより、混練ペーストKを製造する混練工程、(f) 成形装置60、70、80を使用し、前記混練ペーストKをシート状に展延成形する成形工程、(g) 前記シート状の混練ペーストKを乾燥させて固化する乾燥工程を経て製造する方法である。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係るシート状の加工梅は、梅肉ペーストとコンニャクペーストとを配合成分として含むものである。
【0032】
また、本発明に係るシート状の加工梅の製造方法は、(a) 梅干しを水洗することにより脱塩梅を製造する脱塩工程、(b) 前記脱塩梅を撹拌して、塩度及び酸度の均一化を図った均一脱塩梅を製造する撹拌工程、(c) 前記均一脱塩梅を高速回転させることにより、均一脱塩梅の表皮を破砕して梅核を除去した梅実を製造する除核工程、(d) 前記梅実を裏ごしすることにより、蔕、核の欠片、皮を除去して梅肉ペーストを製造する裏ごし工程、(e) 前記梅肉ペーストにコンニャクペーストを加え、さらに必要に応じて添加物を加えて混練することにより、混練ペーストを製造する混練工程、(f) 前記混練ペーストをシート状に展延成形する成形工程、(g) 前記シート状の混練ペーストを乾燥させる乾燥工程を経て製造する方法である。
【0033】
上記のようにコンニャクペーストを使用したため、コンニャクの主成分であるグルコマンナンの長繊維が網目状に架橋すると同時に水和によるゲル化作用により、梅肉ペーストの分子が、塩度や酸度に関係なく前記の架橋された網目内に取り込まれ、これをシート状にして温風乾燥すれば、コンニャクペーストの温風乾燥による澱粉の固化作用により安定したシート状の形態となる。また、このシート状加工梅は、柔軟性があり、耐熱性があって劣化せず、耐水性に優れたものとなる。したがって、食品の具材として加工しやすく、また、食しやすい具材として十分に満足が得られるものとなる。
【0034】
以上のように本発明に係るシート状の加工梅は、従来のようにアルギン酸を使用した場合におけるゲル化の際の塩度による影響がないので、この点における従来品の欠点が解消される。また、本発明に係るシート状の加工梅は、従来のようにゼラチンや寒天を使用した場合における冷却による固化や加熱による焼き固めではなく、コンニャクペーストの温風乾燥による澱粉の固化作用によりシート状の形態となるので、耐熱性及び耐水性があり、かつ強度と柔軟性があるので、食品具材としての加工が容易となり、また、調理しやすいものとなって、この点における従来品の欠点が解消される。
【0035】
また、コンニャクは健康に優れた効果を発揮するアルカリ性食品として見直されている反面、アルカリ性で独特な匂いを持つため敬遠する人があり、また日持ちが悪く保存がきかないという欠点を有しているので利用性が低いものであるが、本発明のように梅肉ペーストと混合することにより、梅肉の酸がコンニャクのアルカリと中和すると共に、梅肉の酸味がコンニャク臭さを解消する効果がある。
【0036】
このように本発明は、梅肉ペーストにコンニャクペーストを混合することにより、塩度及び酸度が高いために梅肉をシート状に製造することが困難であったことを解消し、かつ、保存がきかず独特の匂いを持つコンニャクの欠点を解消するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート状加工梅の斜視図である。
【図2】本発明に係るシート状加工梅の部分断面図である。
【図3】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する脱塩装置の概略図である。
【図4】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する撹拌装置の概略図である。
【図5】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する除核装置の概略図である。
【図6】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する濾過装置の概略図である。
【図7】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する混練装置の概略図である。
【図8】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する成形装置の概略図である。
【図9】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する成形装置の変更例を示す概略図である。
【図10】本発明に係るシート状加工梅の製造に使用する成形装置の他の変更例を示す概略図である。
【符号の説明】
A・・・シート状加工梅
B・・・梅肉ペースト
C・・・コンニャクペースト
D・・・梅干し(未脱塩梅)
E・・・脱塩梅
F・・・均一脱塩梅
G1・・梅実
G2・・梅核
H・・・梅肉ペースト
I・・・コンニャクペースト
J・・・添加物
K・・・混練ペースト
10・・脱塩装置
11・・脱塩タンク
11a・上端周縁部
12・・ネット
13・・給水パイプ
20・・撹拌装置
21・・撹拌タンク
22・・撹拌棒
23、24・・支柱
25a、25b・・U字状回転部材
26a、26b・・板状回転部材
30・・除核装置
31・・投入部
32・・梅肉噴出筒
33・・破砕部
33a・回転軸
33b、33c・・破砕羽根
34・・梅核吐き出し部
40・・濾過装置
41・・投入部
42・・濾過筒
43・・螺旋軸
50・・混練装置
51・・混練タンク
52・・混練拌棒
53、54・・支柱
55a、55b・・U字状回転部材
56a、56b・・板状回転部材
60・・成形装置
61・・下敷き
62・・型枠
70・・成形装置
80・・成形装置

Claims (2)

  1. 梅肉ペーストとコンニャクペーストとを配合成分として含むシート状加工梅。
  2. 下記(a)〜(g)の工程により製造されるシート状加工梅の製造方法。
    (a) 梅干しを水洗することにより脱塩梅を製造する脱塩工程。
    (b) 前記脱塩梅を撹拌して、塩度及び酸度の均一化を図った均一脱塩梅を製造する撹拌工程。
    (c) 前記均一脱塩梅を高速回転させることにより、均一脱塩梅の表皮を破砕して梅核を除去した梅実を製造する除核工程。
    (d) 前記梅実を裏ごしすることにより、蔕、核の欠片、皮を除去して梅肉ペーストを製造する裏ごし工程。
    (e) 前記梅肉ペーストにコンニャクペーストを加え、さらに必要に応じて添加物を加えて混練することにより、混練ペーストを製造する混練工程。
    (f) 前記混練ペーストをシート状に展延成形する成形工程。
    (g) 前記シート状の混練ペーストを乾燥させる乾燥工程。
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